JPH08507790A - 大環状カルバメート免疫調節剤 - Google Patents

大環状カルバメート免疫調節剤

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JPH08507790A
JPH08507790A JP6521150A JP52115094A JPH08507790A JP H08507790 A JPH08507790 A JP H08507790A JP 6521150 A JP6521150 A JP 6521150A JP 52115094 A JP52115094 A JP 52115094A JP H08507790 A JPH08507790 A JP H08507790A
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JP6521150A
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オア,ヤツト・サン
ラリー,ジエイ・アール
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アボツト・ラボラトリーズ
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D498/00Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having nitrogen and oxygen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D498/12Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having nitrogen and oxygen atoms as the only ring hetero atoms in which the condensed system contains three hetero rings
    • C07D498/18Bridged systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/06Immunosuppressants, e.g. drugs for graft rejection

Abstract

(57)【要約】 式(I)を有する免疫調節性大環状化合物及びその医薬上容認可能な塩、エステル、アミド及びプロドラッグ〔式中、R8及びR9は、R8及びR9の一方は水素であり、他方は、(1)−OC(=NR10)−NHR10;(2)−OC(O)−R11;(3)−OC(=O)−NR1213;(4)−OC(=O)−N(OR14)R12;(5)−OC(=O)−NHNR1213;(6)−OC(=O)−NH−NHC(=O)−NR1213;(7)−OC(=O)−NH−NHS(O)2−NR1213;及び(8)−OC(=O)-NH−NHC(=NR21)−NR1213からなる群から選択されるように選択される〕、並びにかかる化合物を含む医薬組成物、及び免疫抑制、抗微生物、抗真菌、抗ウイルス、抗炎症及び抗増殖療法におけるかかる化合物の使用方法。

Description

【発明の詳細な説明】 大環状カルバメート免疫調節剤 発明の分野 本発明は、免疫調節活性を有する新規の化学物質、特にマクロライド免疫抑制 剤に係わる。特に本発明は、アスコマイシン及びFK−506の半合成類似物、 それらの製造手段、かかる化合物を含む医薬組成物、並びにそれらを使用する治 療方法に係わる。発明の背景 化合物シクロスポリン(シクロスポリンA)は、臓器移植及び免疫調節の分野 で採用されて以来広範囲の用途が見い出され、移植手術の成功率を有意に増加さ せている。しかしながらシクロスポリンには好ましくない副作用、例えば腎毒性 などがあるために、効能及び安全性が更に優れた免疫抑制化合物が引き続き探し 求められている。 最近、強力な免疫調節活性を有する数種の大環状化合物が発見された。Oku haraらは1986年6月11日公開欧州特許出願公開第184162号明細 書に、Streptomyces属から単離した一連の大環状化合物を開示している。S.tsuk ubaensis株から単離された免疫抑制剤FK−506は後述の式1aで表わされる 23員大環状ラクトンである。 C−21にあるアルキル置換基がFK−506とは異なる他の関連天然産物、例 えばFR−900520(1b)及びFR−900523(1c)が、S.hygros copicus yakushimnaensisから単離されている。S.tsukubaensisによって産生さ れる更に別の類似物FR−900525は、ピペコリン酸部分がプロリン基で置 換されている点がFK−506とは異なる。 アスコマイシン(ascomycin)の名でも知られるFR−900520はAra iらによって1966年4月5日発行米国特許第3,244,592号明細書に記 載されているが、そこでは該化合物は抗真菌剤とされている。一方でMonag han,R.L.らは1989年7月12日公開欧州特許出願公開第323865 号明細書においてアスコマイシンの免疫抑制剤としての使用を記載している。 FK−506の免疫抑制活性は臨床的に確認されているものの、哺乳動物にお いては毒性があるため有用性が限られている。しかしながらFK−506の高活 性に鑑み、より優れた特性を有するFK型化合物の新規の類似物を発見しようと する努力がなされており、新規の発酵産物を単離すること、既存の化学物質を微 生物により変換すること、 かかる大環状化合物を化学変性すること、より小さな合成フラグメントをつなぎ 合わせてハイブリッド種を合成することなどが行われている。 FK型化合物の発酵産物としては、FK−506のC−21−エピ誘導体;F K−506の31−脱メチル化誘導体;31−オキソ−FK−506;並びに、 ヒドロキシ保護基が導入されていること、炭素23と24の間で水が除去されて 二重結合を形成していること、炭素24にあるヒドロキシ基がケトンに酸化され ていること、及び炭素21 にあるアリル側鎖が水素化によって還元されていることをそれぞれ特徴とする、 FK−506、FR−900523及びFR−900525から誘導される化合 物が挙げられる。他の文献記載の誘導体としては、FK−506及びFR−90 0520から誘導された、ラクトン環が縮小して炭素原子が2つ少ない大環とな っているものがある。 FK型化合物の炭素13における微生物による変換が幾つか文献に記載されて おり、例えばFR−900520の微生物による脱メチル化により形成される、 FR−900520をビス−脱メチル化した13,31−ジヒドロキシ環再構成 誘導体;FK−506及びFR−900520それぞれの微生物によるモノ脱メ チル化;FR−900520のC−31における微生物による脱メチル;並びに 、多数の他の大環状微生物変換生成物などが記載されている。 FK型化合物では多数の化学的変性が試みられており、FK型誘導体の小合成 フラグメントの製造;大環を2炭素拡大するFK−506の種々の誘導体の熱転 位;C−32及び/またはC−24にメチルエーテル及びアリールエーテルを形 成すること、C−32アルコールをケトンに酸化すること、C−9にエポキシド を形成することを含む変性 などが行われている。 これら変性化合物の幾つかは免疫抑制活性を示すが、免疫抑制療法にしばしば 伴なう激しい副作用のない大環状免疫抑制剤が尚必要とされている。従って本発 明の1つの目的は、所望の免疫調節活性を有し、望ましくない副作用を最少限に 抑えた新規の半合成マクロライドを提供することである。 本発明の別の目的は、発酵によって得られる出発材料からかかる化合物を製造 する合成方法及びかかる合成方法に有用な化学中間体を提供することである。 本発明の更に別の目的は、有効成分として上記化合物の1つを含む医薬組成物 を提供することである。本発明の更に別の目的は、移植後の組織の拒絶反応や自 己免疫性機能不全を含む種々の疾患状態を治療する方法を提供することである。発明の要約 本発明の1つの態様においては、免疫抑制、抗微生物、抗真菌、抗ウイルス、 抗炎症及び抗増殖(antiproliferative)活性を有すると共に、化学療法薬剤耐 性を打破する能力を有する、式: 〔式中、n、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は具体的に 定義されている〕 の化合物並びにその医薬上容認可能な塩、エステル、アミド及びプロドラッグが 開示される。本発明の他の態様には、上記化合物を医薬上容認可能な担体と一緒 に含む医薬組成物;かかる化合物の製造方法;アスコマイシンの上記及び他の免 疫調節剤誘導体の製造に有用な合成中間体;並びに、治療上有効量の本発明の新 規化合物を投与することによる、かかる治療が必要なヒトまたは動物患者を免疫 調節治療する方法が包含される。発明の詳細 マクロラクタムの9、18、21、23、24、31及び32位を変性するこ とにより形成される本発明化合物は、一般式: 〔式中、nは0または1であり; Rは、水素、メチル、エチル、アリル、プロピル、2−ヒドロキシエチル、シ クロプロピルメチル、2−オキソプロピルまたは2−エタノールであり; R1及びR2は独立に水素またはヒドロキシであるが、但し、R1またはR2の一 方がヒドロキシである場合、R1及びR2の他方は水素であらねばならないか;或 いは、R1と R2は一緒になってオキソであり; R3及びR4は独立に水素、ハロゲンまたはヒドロキシであるが、但し、R3ま たはR4の一方がハロゲンまたはヒドロキシである場合、R3及びR4の他方は水 素であらねばならないか;或いは、R3とR4は一緒になってオキソであり; R5は水素、ヒドロキシまたは保護されたヒドロキシであり、R6は水素である か;或いは、R5及びR6は一緒になってC−23/C−24結合を形成し; R7はヒドロキシまたは保護されたヒドロキシであり; R8及びR9は、R8及びR9の一方が水素であり、他方は、 (1)−OC(=NR10)−NHR10[ここでR10は(C1-6アルキル)または シクロ(C3-10アルキル)である]; (2)−OC(=O)−R11[ここでR11は−O−アリール、イミダゾリル、N −メチルイミダゾリル、−O−(N−スクシンアミジル)、−O−ベンゾトリア ゾリル、−O−2−ピリジル、トリアゾリルまたはテトラゾリルである]; (3)−OC(=O)−NR1213{ここでR12及びR13は独立に、 (a)−CH2−アリール; (b)−CH2−Het; (c)必要によってはR21及びR22で置換された(C2-10アルキル)[但 しR21及びR22は、 (i)ヒドロキシ、 (ii)−COOH、 (III)−Q−(C1-6アルキル)(ここでQは、−O−、−S−、− C(O)−、−O−C(O)−,−C(O)−O−、−C(O)−NH−、−N HC(O)−、−OC(O)−NH−及び−NHC(O)−O−から選択される 二価基である)、 (iv)−アリール、 (v)−Het、 (vi)−NR2324(ここでR23及びR24は独立に、水素、−C1-6 アルキル、−アリールまたは−Hetである)、 (vii)グアニジノ、または (viii)−S(O)2NH2 である]; (d)必要によってはR21及びR22で置換されたシクロ(C3-10アルキル );または (e)必要によってはR21及びR22で置換された− (C2-10アルケニル) であるか、或いは、R12とR13はそれらが結合している窒素原子とも一緒になっ て、−O−、−S(O)s−[ここでsは0、1または2である]及び−NR25 [ここでR25は、 (a)−アリール、 (b)−Het、 (c)必要によってはR21及びR22で置換された(C1-10アルキル)、 (d)必要によってはR21及びR22で置換された−シクロ(C3-10アルキ ル)、または (e)必要によってはR21及びR22で置換された−C2-10アルケニル) である]から独立に選択される0、1または2つの追加の非炭素環構成原子を含 む3〜7員複素環を形成するか、該複素環は必要によっては、 (a)−アリール、 (b)−Het、 (c)必要によってはR21及びR22で置換された(C1-10アルキル)、 (d)必要によってはR21及びR22で置換された−シ クロ(C3-10アルキル)、または (e)必要によってはR21及びR22で置換された−(C2-10アルケニル) である基で置換されていてもよい}; (4)−OC(=O)−N(OR14)R12[ここでR14は、 (a)アリール、 (b)Het、 (c)−CH2−アリール、 (d)−CH2−Het、 (e)必要によってはR21及びR22で置換された−(C2-10アルキル) (f)必要によってはR21及びR22で置換された−シクロ(C3-10アルキ ル)、または (g)必要によってはR21及びR22で置換された−シクロ(C2-10アルケ ニル) である]; (5)−OC(=O)−NHNR1213; (6)−OC(=O)−NH−NHC(=O)−NR1213; (7)−OC(=O)−NH−NHS(O)2−NR1213; または (8)−OC(=O)−NH−NHC(=NR21)−NR1213であるように選 択される〕 によって表わされるもの並びにその医薬上容認可能な塩、エステル、アミド及び プロドラッグである。 本発明化合物のなかで好ましいのは、整数nが1であり;Rがエチル、アリル またはプロピルであり;R1及びR2が一緒になってオキソであり;R3及びR4が 水素またはヒドロキシであり;R5が水素またはヒドロキシであり;R7がメトキ シであり;及び/または、R8及びR9の一方が−OC(=O)−N(OR14)R12 または−OC(=O)−NH−NHC(=O)−NR1213であるものである 。これらの化合物のうち特に好ましいのは、R5がヒドロキシであるものである 。 代表的な幾つかの好ましい本発明化合物は、式: 〔式中、R、R8及びR9は前記定義の通りである〕 を有するものである。これらのうち特に好ましい化合物は、Rがエチル、アリル もしくはプロピルであり、及び/またはR8及びR9の一方が−OC(=O)−N (OR14)R12もしくは−OC(=O)−NH−NHC(=O)−NR1213で あるものである。 更に本発明を示す特定の化合物は、後述の実施例5、6、8、12、16、1 8〜30、32、34〜36、40、41、43及び45に記載のものである。 慣用のin vitro生物学的アッセイを使用して免疫調節活性を調べると、本発明 化合物は強力な免疫抑制剤であるこ とが判る。従って、該化合物は免疫抑制、抗微生物、抗真菌、抗ウイルス、抗炎 症及び抗増殖活性を有すると期待される。更に本発明化合物は、化学療法薬剤耐 性を打破する能力を有することも期待される。HIV増殖に先決とされるT細胞 活性化を遮断する薬剤として、本発明化合物はHIV複製防止のための予防薬と して有用となり得る。本発明化合物は他の薬剤とは独立に使用した場合にも有効 だが、他の免疫抑制剤と併用しても有益であると推定される。他の薬剤としては 、限定的ではないが、FK−506、ラパマイシン、シクロスポリンA、マイコ フェノール酸、アザチオプリン、プレドニゾロン、シクロホスファミド、ブレキ ナール及びレフルノミドが挙げられる。 本明細書及び請求の範囲において使用される場合、下記の用語は以下に示す意 味を有する: 本明細書において使用される「アリール」なる用語は、各環が3〜7個の炭素 原子からなる単、二、三または四環式芳香族基を指し、限定的ではないが、フェ ニル、1−または2−ナフチル、フルオレニル、(1,2)−ジヒドロナフチル 、(1,2,3,4)−テトラヒドロナフチル及びインデニルを含む。かかるアリ ール基は必要によっては、ハロ ゲン、ヒドロキシ、−CN、−CHO、−COOH、−NO2、−N3、−(C1- 7 アルキル)、−(C2-6アルケニル)、−(C2-6アルキニル)、モノ−、ジ− 、トリ−またはペルハロゲン化−(C1-6アルキル)、−(CH2mN(C1-6ア ルキル)2[ここでmは0〜6である]、−S(O)s(C1-6アルキル)[ここ でsは0〜2である]、−C(O)N(C1-6アルキル)、−C1-6アルコキシ、 −(CH2mO(C1-6アルキル)、−(CH2mOC(O)(C1-6アルキル) 、−(CH2mC(O)O(C1-6アルキル)、−S(O)2N(C1-6アルキル )2、−C≡C−Si(CH33、−OC(O)(C1-6アルキル)、グアニジノ 、未置換アリール及び未置換Hetから独立に選択される1、2または3個の置 換基で置換されていてもよいし、或いは、ジ−またはトリ置換アリール基の任意 の2つの隣り合う相容性の置換基は、環構成原子が、炭素原子と、−O−、−S (O)s−及び−N(C1-6アルキル)−からなる群から独立に選択される0、1 または2個のヘテロ原子とからなる5、6もしくは7員炭素環または5、6もし くは7員複素環を形成する。 本明細書において使用される「アルケニル」なる用語は、少なくとも1つの炭 素−炭素二重結合を含む(特に記載の ない限りは)炭素原子2〜10個の一価直鎖または分枝鎖基を指し、限定的では ないが、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペ ニル、1−ブテニル及び2−ブテニルを含む。 本明細書において使用される「アルコキシ」なる用語は、後述のごときアルキ ル基が結合している酸素基を指す。 本明細書において使用される「アルキル」なる用語は、(特に記載のない限り は)炭素原子1〜10個の一価直鎖または分枝鎖基を指し、限定的ではないが、 メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イ ソブチル、tert−ブチル、ヘキシル及びデシルを含む。 本明細書において使用される「アルキニル」なる用語は、少なくとも1つの炭 素−炭素三重結合を含む(特に記載のない限りは)炭素原子3〜10個の一価直 鎖または分枝鎖基を指し、限定的ではないが、エチニル、プロピニル及びブチニ ルを含む。 本明細書において使用される「シクロ(アルキル)」なる用語は、(特に記載 のない限りは)炭素原子3〜10個の一価環式基を指し、限定的ではないが、シ クロプロピル、 シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含む。 本明細書において使用される「Het」なる用語は、環構成炭素原子と、酸素 、硫黄及び窒素から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子とを有する、任意の 芳香族5、6もしくは7員単環、または融合5もしくは6員環を含む二もしくは 三環式基を指すが、ここで、(i)各5員環は2つの二重結合を有し、各6また は7員環は3つの二重結合を有し、(ii)窒素及び硫黄ヘテロ原子並びに炭素原 子は必要によっては酸化されていてもよく、(iii)窒素ヘテロ原子は必要によ っては四級化されていてもよく、(iv)任意の上記環がベンゼン環に融合してい てもよく、及び(v)適当な原子価を有するならば炭素またはヘテロ原子が、ハ ロゲン、ヒドロキシ、−COOH、−CN、−CHO、−NO2、−N3、−(C1-6 アルキル)、−(C2-6アルケニル)、−(C2-6アルキニル)、モノ−、ジ −、トリ−またはペルハロゲン化−C1-6アルキル、−(CH2mN(C1-6アル キル)2[ここでmは0〜6である]、−S(O)s(C1-6アルキル)[ここで sは0〜2である]、−C(O)N(C1-6アルキル)、−(CH2mO(C1-6 アルキル)、−(CH2mOC(O)(C1-6アルキル)、−(CH2mC(O )O(C1-6アルキル)、− S(O)2N(C1-6アルキル)2、−C≡C−Si(CH33、−C1-6アルコキ シ、−OC(O)(C1-6アルキル)、グアニジノ、未置換アリール及び未置換 Hetからなる群からその都度独立に選択される置換基を担い得るか;或いは、 ジ−、トリ−、テトラ−またはペンタ置換Het基の任意の2つの隣り合う相容 性の置換基は一緒になって、環構成原子が、炭素原子と、−O−、−S(O)s −[ここでsは上記定義の通りである]及び−N(C1-6アルキル)−からなる 群から独立に選択される0、1または2個のヘテロ原子とからなる5、6もしく は7員炭素環または5、6もしくは7員複素環を形成する。Het基としては、 限定的ではないが、ピロリル、ピラゾリル、シトシニル、チオシトシニル、イミ ダゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キサンテニル 、キサントニル、キサントプテリニル、オキサゾイル、チオウラシリル、イソオ キサゾリル、インドリル、キノリニル、ウラシリル、ウラゾリル、ウリシル、チ アゾリル、イソチアゾリル、イソキノリニル、チミニル、ベンズイミダゾリル、 ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フリル、チエニル及びベンゾチエニル が挙げられる。 本明細書において使用される「ヒドロキシ保護基」なる用語は、合成過程にお いて不要の反応が生じぬようヒドロキシル基を保護し、選択的に除去可能である ことが有機合成分野において公知である基(T.W.Greene及びP.G.M. Wuts,Protective Groups in Organic Sy nthesis,第2版,John Wiley & Sons,Inc.,1 991)を指す。例としては、限定的ではないが、メチルチオメチル、ジメチル テキシルシリル、トリ置換シリル、例えばトリ(低級アルキル)シリル(例えば トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリブチルシリル、トリ−イソプロピル シリル、tert−ブチルジメチルシリル、トリ−tert−ブチルシリル、トリフェニ ルシリル、トリフェニルメチルジメチルシリルなど);低級アルキルジアリール シリル(例えばメチルジフェニルシリル、エチルジフェニルシリル、プロピルジ フェニルシリル、tert−ブチルジフェニルシリルなど);トリアリールシリル( 例えばトリフェニルシリル、トリキシリルシリルなど);トリアリールアルキル シリル(例えばトリベンジルシリルなど);アルキルアシル(例えばアセチル) ;アリーロイル(例えばベンゾイル);ア ルコキシカルボニル(例えばエトキシカルボニル);−S(O)2−(低級アル キル);−S(O)2−(アリール);芳香族基で置換されたアシルなどが挙げ られる。 本明細書において使用される「オキソ」なる用語は、カルボニル基を形成する 酸素原子を指す。 本明細書において使用される「保護されたヒドロキシ」なる用語は、上述のご ときヒドロキシ保護基が結合しているヒドロキシ基を指す。 「医薬上容認可能な塩、エステル、アミド及びプロドラッグ」なる用語は、良 識ある医学的判断のなかで、過度の毒性、刺激及びアレルギー応答なしにヒト及 び下等動物の組織と接触して使用するのに適しており、有益性/危険性の比が合 理的であり、予定された用途に対して有効であり、可能であるならば本発明化合 物の双性イオン形態である本発明化合物のカルボン酸塩、アミノ酸付加塩、エス テル、アミド及びプロドラッグを指す。「塩」なる用語は、本発明化合物の比較 的無毒性の無機及び有機酸付加塩を指す。これらの塩は、該化合物を最終的に単 離及び精製する際にその場で製造することもできるし、別個に、遊離塩基形態の 精製化合物を適当な有機または無機酸と反応させ、この ように形成した塩を単離することにより製造することもできる。代表的な塩とし ては、臭化水素酸、塩酸、硫酸、二硫酸、リン酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、吉草 酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリル酸、ホウ酸、安息香酸 、乳酸、トシル酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、ナフ チル酸、メタンスルホン酸、グルコヘプトン酸、ラクチオビオン酸及びラウリル スルホン酸などの塩が挙げられる。これらは、例えばナトリウム、リチウム、カ リウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ及びアルカリ土類金属をベー スとするカチオン、並びに、限定的ではないが、アンモニウム、テトラメチルア ンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリ メチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを含む無毒性アンモニウム 、第四級アンモニウム及びアミンカチオンを含み得る(例えばS.M.Berge ら,“Pharmaceutical Salts”,J.Pharm.Sci. ,66:1−19(1977)参照)。 本発明化合物の医薬上容認可能な無毒性エステルの例としては、アルキル基が 直鎖または分枝鎖であるC1-6アル キルエステルが挙げられる。容認可能なエステルとして更にC5-7シクロアルキ ルエステル及び限定的ではないがベンジルのごときアリールアルキルエステルが 挙げられる。C1-4アルキルエステルが好ましい。本発明化合物のエステルは慣 用方法に従って製造し得る。即ち、本発明化合物のアルコール部分の無毒性エス テルは、かかるアルコールをC1-6アルキルカルボン酸、C1-6アルキルジカルボ ン酸またはアリール−カルボン酸と縮合することにより構築し得る。かかるエス テルの例としては、限定的ではないが、アセチル、ベンゾイルまたはヘミ−スク シニルが挙げられる。 本発明化合物の医薬上容認可能な無毒性アミドの例としては、アンモニア、第 一級C1-6アルキルアミン及び第二級ジC1-6アルキルアミンから誘導されるアミ ドが挙げられる。第二級アミンの場合には、アミンは1つの窒素原子を含む5ま たは6員複素環の形態であってもよい。アンモニアから誘導されるアミド、C1- 3 アルキル第一級アミド及びジC1-2アルキル第二級アミドが好ましい。本発明化 合物のアミドは慣用方法に従って製造し得る。 「プロドラッグ」なる用語は、血液中で加水分解される などして、in vivoで迅速に変換されて上記式の親化合物を与える化合物を指す 。T.Higuchi及びV.Stella,“Pro−drugs as No vel Delivery Systems”,Vol 14 of the A.C.S.Symposium Series及びBioreversible Carriers in Drug Design,Edward B.Roc he編,American Pharmaceutical Associat ion and Pergamon Press,1987に十分な議論がなさ れている。 本発明化合物のプロドラッグは適当な方法により製造することができる。プロ ドラッグ部分がアミノ酸またはペプチド官能基である化合物に対しては、アジド 法、混合酸無水物法、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)法、活性エス テル法(p−ニトロフェニルエステル法、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステ ル法、シアノメチルエステル法など)、ウッドワード試薬K法、DCC−HOB T(1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール)法などの慣用縮合法に従い、薬剤の アミノ基とアミノ酸及びペプチドを縮合し得る。“Peptide Synth esis”第2 版,M.Bodansky,Y.S.Klausner及びM.A.Ondetti (1976)に古典的なアミノ酸縮合反応方法が記載されている。 通常のペプチド合成におけるように、必要であれば、アミノ酸のα及びω位置 にある分枝鎖アミノ及びカルボキシル基を保護及び脱保護し得る。使用し得るア ミノ基に対する保護基としては例えば、ベンジルオキシカルボニル(ZまたはC bz)、o−クロロベンジルオキシカルボニル((2−Cl)Z)、p−ニトロ ベンジルオキシカルボニル(Z(NO2))、p−メトキシベンジルオキシカル ボニル(Z(OMe))、t−アミルオキシカルボニル(Aoc)、イソボルネ アルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル(Adoc)、2−(4 −ビフェニル)−2−プロピルオキシカルボニル(Bpoc)、9−フルオレニ ル−メトキシカルボニル(Fmoc)、メチルスルホニルエトキシカルボニル( Msc)、トリフルオロアセチル、フタリル、ホルミル、2−ニトロフェニルス ルホニル(Nps)、ジフェニルホスフィノチオイル(Ppt)、ジメチルホス フィノ−チオイル(Mpt)などが挙げられる。 カルボキシル基に対する保護基の例としては、ベンジル エステル(OBzl)、シクロヘキシルエステル、4−ニトロベンジルエステル (OBzlNO2)、t−ブチルエステル(OtBu)、4−ピリジルメチルエ ステル(OPic)などが挙げられる。 ある種の本発明化合物ではその合成過程において、必要であれば、分枝鎖中の アミノ基及びカルボキシル基以外の官能基を有する特定のアミノ酸、例えばアル ギニン、システイン、セリンなどを適当な保護基を用いて保護することもできる 。好ましいことに、例えばアルギニン中のグアニジノ基(NG)はニトロ、p− トルエンスルホニル(Tos)、ベンジルオキシカルボニル(Z)、アダマンチ ルオキシカルボニル(Adoc)、p−メトキシベンゼンスルホニル、4−メト キシ−2,6−ジメチルベンゼンスルホニル(Mts)などで保護し得、システ イン中のチオール基はベンジル、p−メトキシベンジル、トリフェニルメチル、 アセトアミドメチル、エチルカルバミル、4−メチルベンジル(4−MeBzl )、2,4,6−トリメチルベンジル(Tmb)などで保護し得、セリン中のヒド ロキシ基はベンジル(Bzl)、t−ブチル、アセチル、テトラヒドロピラニル (THP)などで保護し得る。 本発明化合物には多数の不斉中心が存在する。特に記載のない限り、本発明は 種々の立体異性体及びそれらの混合物を包含するものとする。また、基R11及び R20または添字の整数m及びsのごとき可変要素が式中に2回以上出現する場合 、その値はその都度独立に選択されるものと理解されたい。更に、本明細書は実 現不可能または製造するに不合理である置換基または置換パターンを特許請求す ることはないと理解されたい。 一般的なin vitro生物学的アッセイにおいて本発明化合物が示す免疫調節の活 性は、かかる化合物が免疫抑制、抗微生物、抗真菌、抗ウイルス、抗炎症及び抗 増殖活性を有すると共に、化学療法薬剤耐性を打破する能力を有することを示す 。HIV増殖に先決とされるT細胞活性化を遮断する薬剤として、本発明化合物 はHIV複製防止のための予防薬として有用である。本発明化合物は単独で使用 しても有効である一方、FK506、ラパマイシン、シクロスポリンA、ピシバ ニル、マイコフェノール酸、アザチオプリン、プレドニゾロン、シクロホスファ ミド、ブレキナール及びレフルノミドといった他の免疫抑制剤との併用療法も有 益であると期待される。 免疫抑制剤として、本発明化合物は、免疫仲介組織または臓器移植拒絶反応の 予防のために投与される場合も有効である。かかる作用が起こる移植組織及び臓 器の例としては、心臓、腎、肝、骨髄、皮膚、角膜、肺、膵、小腸(intestinum tenue)、四肢、筋肉、神経、十二指腸、小腸(small-bowel)、脾島細胞など ;骨髄移植によって惹起される移植組織対宿主疾患が挙げられる。本発明化合物 による免疫応答の調節は、自己免疫性疾患、例えば慢性関節リューマチ、全身紅 斑性狼瘡、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、I型糖尿病、ぶどう膜 炎、アレルギー性脳脊髄炎、糸球体腎炎など;病原性微生物、例えばHIVによ って惹起されるその他の感染症の治療にも有用となり得る。特にHIV−1、H IV−2及び関連レトロウイルス株の場合、ウイルスの複製は宿主たるT細胞の 増殖機能に依存するが故に、T細胞有糸分裂を阻害すればウイルスの複製が抑制 される。 更なる用途として、炎症性及び過増殖皮膚病並びに免疫仲介疾患の皮膚での症 状出現、例えば幹癬、アトピー性(atopical)皮膚炎、接触皮膚炎及び他の湿疹 性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、偏平苔癬、天疱瘡、水疱性類疱瘡、表皮水 疱症、じんま疹、血管浮腫、脈管炎、紅斑、好酸球増加症、紅斑性狼瘡、ざ瘡及 び円形脱毛症;種々の眼病(自己免疫その他)、例えば角結膜炎、春季カタル、 角膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐角膜、角膜上皮変性症、角膜白斑、眼天疱瘡、 モーレン潰瘍、強膜炎、グレイヴス病、フォークト−小柳−原田症候群、サルコ イドーシスなど;喘息(例えば気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外 因性喘息及び塵埃喘息)、特に慢性または難治性喘息(例えば遅発性喘息及び気 道反応過多)、気管支炎などの症状を含む可逆性閉塞性気道障害;粘膜及び血管 の炎症、例えば胃潰瘍、虚血性障害及び血栓症によって惹起される血管損傷の治 療及び予防が挙げられる。更に、血管内膜平滑筋細胞過形成、再発狭窄症及び、 特に生物学的または機械的仲介血管損傷のあとの血管閉塞といった過増殖血管疾 患を本発明化合物によって治療または予防し得る。 他の治療し得る症状としては、限定的ではないが、虚血性腸疾患、炎症性腸疾 患、壊死性全腸炎、熱性熱傷に伴なう腸病変及びロイコトリエンB4仲介疾患; 腸炎症/アレルギー、例えば腹腔疾患、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、 クローン病及び潰瘍性大腸炎;胃腸管以外の箇所 で症状が現れる(例えば偏頭痛、鼻炎及び湿疹)食物関連アレルギー疾患;腎疾 患、例えば間質性腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血−尿毒症候群及び糖尿病 性腎症;神経疾患、例えば多発性筋炎、ギラン−バレ症候群、メニエール病、多 発性神経炎(polyneuritis)、多発性神経炎(multiple neuritis)、単神経炎 及び神経根症;内分泌性疾患、例えば甲状腺機能亢進症及びバセドー病;血液性 疾患、例えば純粋赤血球無形成、再生不能性貧血、再生不良性貧血、突発性血小 板減少性紫斑病、自己免疫溶血性貧血、顆粒球減少症、悪性貧血、巨赤芽球性貧 血及び赤血球生成欠如;骨疾患、例えば骨粗鬆症;呼吸系疾患、例えばサルコイ ドーシス、肺線維症及び突発性間質性肺炎;皮膚疾患、例えば皮膚筋炎、尋常性 白斑、魚鱗癬、光アレルギー性過敏症及び皮膚T細胞リンパ腫;循環系疾患、例 えば動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、大動脈炎、結節性多発性関節炎及び 心筋症;コラーゲン疾患、例えば強皮症、ベゲネル肉芽腫及びシェーグレン症候 群;脂肪症;好酸性筋膜炎;歯周疾患、例えば歯肉、歯根膜、歯槽骨及びセメン ト質の病変;ネフローゼ症候群、例えば糸球体腎炎;抜毛予防もしくは毛芽付与 並びに/または毛髪生成及び成長の促 進による男性型脱毛症または老人性脱毛症;筋ジストロフィー;濃皮症及びセザ リー症候群;アジソン病;活性酸素仲介疾患、例えば保存、移植または虚血性疾 患(例えば血栓症及び心臓infraction)の際に生じる臓器(例えば心臓、肝、腎 及び消化管)の虚血−再潅流傷害のごとき臓器損傷;腸疾患、例えば内毒素ショ ック、偽膜性大腸炎、及び薬物や放射線によって惹起される大腸炎;腎疾患、例 えば虚血性急性腎不全及び慢性腎不全;肺疾患、例えば肺−酸素または薬剤(例 えばパラコート及びブレオマイシン)によって惹起される中毒症、肺癌及び肺気 腫;眼病、例えば白内障、シデローシス、網膜炎、pigmentosa、老人性黄斑変性 、硝子体瘢痕及び角膜アルカリ熱傷;皮膚炎、例えば多形紅斑、線状IgA水疱 性皮膚炎及びcement皮膚炎;その他、歯肉炎、歯周炎、敗血症、膵炎、環境汚染 (例えば空気汚染)、老化、発癌性物質によって惹起される疾患、癌転移及び高 山病;ヒスタミンまたはロイコトリエンC4放出によって惹起される疾患;ベチ ェット病、例えば腸、血管または神経性ベチェット病、及び、口腔、皮膚、眼、 外陰、関節、副睾丸、肺、腎などに影響を及ぼすベチェット病が挙げられる。更 に本発明化合物は、免疫原性疾患(例えば、 自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変及び硬化性胆管炎のごとき慢性自己免疫性 肝疾患)、肝一部切除、急性肝壊死(例えば毒素、ウイルス性肝炎、ショックま たは無酸素症によって惹起される壊死)、B型ウイルス性肝炎、非A/非B型肝 炎、硬変(例えばアルコール性肝硬変)及び、肝不全、例えば劇症肝不全、遅発 性肝不全及び「慢性急性」肝不全(慢性肝疾患における急性肝不全)のごとき肝 疾患の治療及び予防にも有用であり、更には、化学療法効果の増強、サイトメガ ロウイルス感染、特にHCMV感染の予防または治療活性、抗炎症活性などの有 用な活性の故に、種々の疾患に有用である。 更に、化合物によってはFK−506アンタゴニスト性を有し、これらは、免 疫抑制または免疫抑制を含む障害の治療に有用である。免疫抑制を含む障害の例 としてはAIDS、癌、老人性痴呆症、(創傷治癒、手術及びショックを含む) 外傷、慢性細菌感染、及びある種の中枢神経性障害が挙げられる。治療すべき免 疫抑制は、免疫抑制性大環状化合物、例えばFK−506またはラパマイシンの ごとき12−(2−シクロヘキシル−1−メチルビニル)−13,19,21,2 7−テトラメチル−11,28−ジオキサ− 4−アザトリシクロ[22.3.1.04'9]オクタコス−18−エンの誘導体の過 剰服用によって惹起され得る。指定された時間に薬を服用するのを忘れたことに 気付いた患者が薬を過剰服用することはかなりよくあり、これが重大な副作用を もたらし得る。 本発明化合物を使用して免疫抑制を治療し得る別の状況はワクチン接種である 。疾患に対する免疫を取得するために体内に導入された抗原が免疫抑制剤として も作用し、従って体内で抗体が産生されず、免疫が得られないということは度々 見られる。本発明化合物を体内に(ワクチンとして)導入することにより、所望 されない免疫抑制が解消され、免疫が取得され得る。 本発明化合物は、薬物耐性標的細胞の化学的感作にも有用となり得る。シクロ スポリンA及びFK−506は、抗癌剤に結合してその作用を阻害する物質であ るP−糖タンパク質の有効な調節物質であることが公知である。P−糖タンパク 質を阻害することにより、化学療法剤に対する複数薬物耐性(MDR)細胞の感 受性を増加し得る。本発明化合物は同様に、5−フルオロウラシル、シスプラチ ン、メトトレキサート、ビンクリスチン、ビンブラスチン及び アドリアマイシン、コルチシン及びビンクリスチンといった臨床上有効な抗腫瘍 剤に対して発現される抵抗性を克服することにおいても有効となり得る。 更に、ステロイドレセプター関連熱ショックタンパク質hsp56またはhs p59は、イムノフィリン(immunophilin)タンパク質のFK506類に属する ことが最近になって判っている。ステロイドレセプター関連熱ショックタンパク 質の免疫抑制マクロライドFK506に結合し得る能力は、ステロイドレセプタ ー及びイムノフィリンのシグナル伝達経路が機能的に相互に関連していることを 示している。本発明化合物と低濃度のステロイドリガンド(例えばプロゲステロ ン、デキサメタソン)とを併用して治療すると、リガンド単独に対する応答に見 られるよりも標的遺伝子発現を有意に増強する結果となり得る。即ち本発明化合 物はステロイド仲介の転写促進(transactivation)を増強し得る。 本発明の水性液体組成物は、(例えば円錐角膜、角膜炎、角膜表皮変性症、白 斑、モーレン潰瘍、強膜炎及びグレイヴス病を含む)自己免疫性疾患及び角膜移 植拒絶反応のごとき種々の眼病の治療及び予防に特に有効となり得る。 従って本発明の医薬組成物は、治療上有効量の本発明化合物を医薬上容認可能 な担体と一緒に含むものである。特定の組成物は、免疫仲介臓器または組織同種 移植拒絶反応、移植組織対宿主疾患、自己免疫性疾患、可逆性閉塞性気道障害、 過増殖疾患、または虚血性もしくは炎症性腸疾患に対して患者を治療するのに有 用なものである。 同様に本発明方法は、免疫抑制、抗炎症、抗微生物、抗真菌、抗ウイルスもし くは抗増殖療法が必要な患者または数種類の化学療法剤耐性を必要とする患者を 、治療上有効量の本発明化合物を所望の結果を生み出すのに必要な時間及び量で 投与することにより治療することからなる。 上記及び他の治療に使用する場合、本発明化合物の各々についての「治療上有 効量」とは、合理的な有益性/危険性比で、特定の障害を治療するのに十分な化 合物の量を意味する。本発明化合物は、純粋形態で投与することもできるし、存 在する場合には医薬上容認可能な塩、エステルまたはプロドラッグの形態で投与 することもできる。或いは本発明組成物は、当該化合物を1種以上の医薬上容認 可能な賦形剤と一緒に含む医薬組成物として投与することもできる。しかしなが ら、本発明の化合物及び組成物の合計日 用量は、良識のある医学的判断のなかで担当医師によって決定される。 特定の患者に対する特定の治療上有効な用量レベルは、種々の要因、例えば治 療される障害の種別及び障害の重症度;使用される特定の化合物の活性;使用さ れる特定の組成物;患者の年齢、体重、全般的体調、性別及び食事;使用される 特定の化合物の投与時間、投与経路及び分泌速度;治療期間;使用される特定の 化合物と併用または同時使用される薬剤;及び医薬分野において公知の同様の要 因などに従う。例えば、所望の治療効果を得るのに必要なより低いレベルで化合 物の服用を開始し、所望の効果が得られるまで徐々に用量を増加することも当分 野の技法の範囲内にある。 ヒトまたは下等動物に投与される本発明化合物の合計日用量は患者の体重1k g当たり約0.001〜約10mg/日とし得る。経口投与においてより好まし い用量は約0.005〜約3mg/kg/日であり得る。所望であれば、有効日 用量を投与の目的で複数の服用量に分割してもよい。これに伴い、1回に服用さ れる組成物は、日用量を満たす量を含むこともあるし、またはその約量を含むこ ともある。 本発明の医薬組成物においては本発明化合物が医薬上容認可能な担体または賦 形剤と組合わされるが、これらは、無毒性固体、半固体または液体充填剤、希釈 剤、カプセル封入材料または任意のタイプの調合助剤を意味する。組成物は、経 口、直腸、非経口、槽内、膣内、腹腔内、(粉末、軟膏、ドロップまたは経皮パ ッチにより)局所、頬側に投与することもできるし、口腔または鼻腔スプレーと して投与することもできる。本明細書において使用される「非経口」なる用語は 、静脈内、筋肉内、腹腔内、槽内、皮下及び関節内注射及び注入を含む投与形態 を指す。 非経口注射用の本発明の医薬組成物は、医薬上容認可能な滅菌水性または非水 性溶液、分散液、懸濁液またはエマルジョン、及び、使用直前に滅菌注射溶液ま たは分散液に再構成するための滅菌粉末からなる。適当な水性及び非水性担体、 希釈剤、溶剤またはベヒクルの例としては、水、エタノール、ポリオール(例え ばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カル ボキシメチルセルロース及びこれらの適当な混合物、植物油(例えばオリーブ油 )、並びにオレイン酸エチルのごとき注射用有機エステルが挙げられる。レシチ ンのようなコー ティング材料を使用したり、分散液の場合には要求される粒径を維持したり、界 面活性剤を使用することにより、適正な流動性を維持し得る。 かかる組成物は、保存剤、水和剤、乳化剤及び分散剤のごときアジュバントを 含んでもよい。種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール 、フェノールソルビン酸などを含めることにより、微生物の作用を確実に防止し 得る。糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を含むことも場合によっては望ましい。 モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンのごとき吸収を遅延する薬剤を包含 することにより注射用医薬剤の吸収を遅延し得る。 場合によっては、薬剤の効果を持続するため、皮下または筋肉内注射からの薬 剤の吸収を遅くすることも望ましい。これは、水溶性の低い結晶質または非晶質 材料の懸濁液を使用することにより行い得る。薬剤の吸収速度は溶解速度に従う が、溶解速度は更に結晶サイズ及び結晶形状に従い得る。或いは薬剤を油性ベヒ クル中に溶解または懸濁することにより、非経口投与された薬剤の吸収を遅延し 得る。 ポリラクチド−ポリグリコシド、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物) のごとき生分解性ポリマーで薬剤のマイ クロカプセル基剤を形成することにより、デポー注射剤を製造し得る。薬剤対ポ リマー比と使用する特定のポリマーの特性とに従い、薬剤放出速度を制御し得る 。デポー注射剤は、体組織と相容性のリポソームまたはマイクロエマルジョン中 に薬物を封入することによっても製造される。 例えば細菌保持フィルターで濾過したり、使用直前に滅菌水または他の滅菌注 射用溶媒中に溶解または分散し得る滅菌固体組成物の形態の滅菌剤を配合するこ とにより、注射用組成物を滅菌することができる。 経口投与用固体剤形としてはカプセル、錠剤、丸剤、粉剤及び粒剤が挙げられ る。このような固体剤形においては、有効化合物を少なくとも1種の不活性の医 薬上容認可能な賦形剤または担体、例えばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カ ルシウム、及び/またはa)充填剤もしくは増量剤〔例えば澱粉、ラクトース、 スクロース、グルコース、マンニトール及びケイ酸〕、b)結合剤〔例えばカル ボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ス クロース及びアカシアゴム〕、c)湿潤剤〔例えばグリセロール〕、d)崩壊剤 〔例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカ澱粉、アルギン酸、 ある種のケイ酸塩及び炭酸ナトリウム〕、e)溶解遅延剤〔例えばパラフィン〕 、f)吸収促進剤〔例えば第四級アンモニウム化合物〕、g)水和剤〔例えばセ チルアルコール及びモノステアリン酸グリセロール〕、h)吸収剤〔例えばカオ リン及びベントナイトクレー〕、及びi)滑沢剤〔例えばタルク、ステアリン酸 カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリ ル硫酸ナトリウム〕、並びにこれらの混合物と混合する。カプセル、錠剤及び丸 剤の場合には製剤は更に緩衝剤を含んでもよい。 ラクトースまたは乳糖及び高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使 用し、同様の固体組成物を、軟及び硬ゼラチンカプセルにおける充填剤として使 用することもできる。 固体剤形たる錠剤、糖剤、カプセル、丸剤及び粒剤は、腸溶剤皮または医薬製 剤分野において良く知られた他のコーティングなどの剤皮または殻を付けて製造 することができる。剤皮または殻は必要によっては乳白剤を含み得、有効成分の みを、好ましくは消化管の所定の部位で、必要によっては遅延して放出する組成 物とし得る。使用し得る包 埋組成物の例としてはポリマー物質及びろうが挙げられる。 有効化合物は、1種以上の上記賦形剤を適宜用いてマイクロカプセル入りとす ることもできる。 経口投与用液体剤形としては医薬上容認可能なエマルジョン、溶液、懸濁液、 シロップ及びエリキシル剤が挙げられる。有効化合物のほかに、液体剤形は当分 野において一般的に使用される不活性希釈剤、例えば水または他の溶剤、可溶化 剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル 、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール 、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に綿実油、落花 生油、コーン油、germ、オリーブ油、ひまし油及び胡麻油)、グリセロール、テ トラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂 肪酸エステル、並びにこれらの混合物を含み得る。 不活性希釈剤のほかに、経口組成物は更に、水和剤、乳化及び懸濁剤、甘味料 、着香料及び香料といったアジュバントを含み得る。 懸濁液は、有効化合物のほかに、懸濁剤、例えばエトキ シル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビ タンエステル、微晶質セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒 天及びトラガカントゴム、並びにこれらの混合物を含み得る。 局所投与には、肺及び眼の表面を含む皮膚または粘膜への投与が含まれる。吸 入用のものを含む局所投与用組成物は、圧縮されていてもいなくてもよい乾燥粉 末として製造し得る。非圧縮粉末組成物においては、微粉末形態の有効成分を、 粒径が例えば100μmまでの粒子からなる大きめの医薬上容認可能な不活性担 体と混合して使用し得る。適当な不活性担体としてはラクトースのごとき糖が挙 げられる。有効成分の粒子の少なくとも95重量%が0.01〜10μmの有効 粒径を有するのが望ましい。 或いは組成物を加圧し、窒素のような圧縮ガスまたは液化ガス噴射剤を含むこ ともできる。液化噴射剤溶媒、実際には組成物全体は、有効成分が実質的に溶解 しないようなものであることが好ましい。加圧組成物は界面活性剤を含んでもよ い。界面活性剤は液体または固体非イオン性界面活性剤でもよいし、固体アニオ ン性界面活性剤でもよい。ナトリウム塩の形態の固体アニオン性界面活性剤を使 用す ることが好ましい。 別の形態の局所投与は、自己免疫性疾患、アレルギーまたは炎症症状及び角膜 移植のような眼の免疫仲介症状の治療のために眼に投与されるものである。本発 明化合物は医薬上容認可能な眼用ベヒクルに入れて送達され、化合物が眼の角膜 及び内部領域、例えば前房、後房、硝子体、房水、硝子体液、角膜、虹彩/毛様 体、水晶体、脈絡膜/網膜、及び強膜に浸透し得るのに十分な時間、化合物は眼 表面に接触したまま維持される。医薬上容認可能な眼用ベヒクルは例えば軟膏、 植物油またはカプセル封入材料であり得る。 直腸及び膣投与用の組成物は、本発明化合物を適当な非刺激性賦形剤または担 体、例えばココアバター、ポリエチレングリコール、または、室温では固体であ るが体温では液体であって直腸または膣腔内で溶融して有効化合物を放出する坐 剤ろうと混合することにより製造し得る坐剤であるのが好ましい。 本発明化合物はリポソームの形態で投与することもできる。当分野において公 知のように、リポソームは通常はリン脂質または他の脂質から誘導される。リポ ソームは、水 性溶媒中に分散された単または多重ラメラ水和液晶によって形成される。リポソ ームを形成し得る任意の無毒性の生理上容認可能及び代謝可能な脂質を使用し得 る。リポソーム形態の本発明化合物は、本発明化合物のほかに、安定剤、保存剤 、賦形剤などを含み得る。好ましい脂質は天然及び合成のリン脂質及びホスファ チジルコリン(レシチン)である。リポソームを形成する方法は当分野において 公知である。例えばPrescott編,Methods in Cell B iology ,Vol.XIV,Academic Press,New York ,N.Y.(1976),p33以降参照。 本発明化合物は、1つ以上の方法を使用して製造し得る。 かかる方法に使用する出発材料は、欧州特許出願公開第0184162号明細書 に記載のStreptomyces属の微生物の発酵による公知の方法に従って 得られる培地から単離されたマクロライドの1つであるのが好ましい。このサン プルは、ブダペスト条約に従って茨城県筑波市にある微生物工学研究所受託番号 FERM BP−927で入手可能である。この株はブダペスト条約に従って1 989年4月27日付けでAgricultural Res earch Culture Collection Internation al Depository,Peoria,Illinois 61604, USAに受託番号NRRL 18488で再寄託されている。アスコマイシンの 名でも公知のマクロライドFR−900520(欧州特許出願公開第01841 62号明細書)は、(i)H.Hatanaka,M.Iwami,T.Kino ,T.Goto及びM.Okuhara,FR−900520 and FR−9 00523,Novel immunosuppressants isola ted from A.streptomyces.I.Taxonomy of the producing strain.J.Antibiot.,198 8.XLI(11),1586−1591;(ii)H.Hatanaka,T.K ino,S.Miyata,N.Inamura,A.Kuroda,T.Goto ,H.Tanaka及びM.Okuhara,FR−90052O and FR −900523,Novel immunosuppressants iso lated from A.streptomyces.II.Fermentat ion,isolation and physico−ch emical and biological characteristic s.J.Antibiot.,1988.XLI(11),1592−1601;( iii)T.Arai,Y.Koyama,T.Suenaga及びH.Honda, Ascomycin,An Antifungal Antibiotic.J. Antibiot.,1962.15(231−2);及び(iv)T.Araiの 米国特許第3,244,592号明細書の文献明記の方法に従って調製し得る。次 いで下記の方法の1つ以上を使用して所望の本発明化合物を生成し得る。 かかる方法は、 (a)対応化合物において特定のCH−OH基を選び、これを誘導体化するこ とにより、CH−OC(=O)−Lg基を含む式IIの化合物〔ここで−Lgは求 核性攻撃によって容易に置き換えられる離脱基である〕を生成し、 (b)CH−OC(=O)−Lg基をNHR1213と反応させることにより、 CH−OC(=O)−NR1213を含む式IIの化合物を生成し、 (c)選択したCH−OH基をまずその対応スルホネート、限定的ではないが 例えばCH−OSO2F及びCH− OSO2CF3に活性化し、次いでジメチルスルホキシド−水または他の補助溶剤 を含む水と反応させることにより、立体化学が反転したCH−OH基を含む式II の化合物を生成し、 (d)選択したCH−OH基を適当なジアルキルカルボジイミドと銅(I)塩 の存在下で反応させることにより、CH−OC(=NR10)NHR10を含む式II の化合物を生成することからなる。 プロセス(a)において、式IIのアルコールを誘導体化してCH−OC(=O )−Lg基を与えるのに適した試薬は、アリールクロロホルメート、ジ−イミダ ゾールカーボネート、N,N′−ジスクシンイミジルカーボネート、ジ−(1− ベンゾトリアゾリル)カーボネート、ホスゲン、ジホスゲンまたはトリホスゲン である。活性化は、反応に悪影響を及ぼさない溶剤(例えばピリジン、2,6− ルチジン、ジクロロメタン、クロロホルムもしくはN−メチルピロリドンまたは これらの混合物)中で実施し得る。使用する方法に従って反応には冷却または加 熱が必要となり得る。更に反応は、重炭酸セシウム、ピリジン、ルチジン、ピコ リン、キノリン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機ま たは無機塩基の存在下で実施するのが好ましい。反応温度は好ましくは−100 〜30℃、より好ましくは−78〜0℃である。選択した試薬に従い、反応が完 了するには20分間から24時間が必要となり得る。 プロセス(b)において、対応の式IIのCH−OC(=O)−Lg基からCH −OC(=O)−NR1213を製造するのに適した試薬はNHR1213[ここで NR1213は前記定義の通りである]である。反応は、反応に悪影響を及ぼさな い溶剤(例えばピリジン、2,6−ルチジン、ジクロロメタン、クロロホルムも しくはN−メチルピロリドンまたはこれらの混合物)中で実施し得る。使用する 方法に従って反応には冷却または加熱が必要となり得る。更に反応は、重炭酸セ シウム、ピリジン、ルチジン、ピコリン、キノリン、ジイソプロピルエチルアミ ンなどの有機または無機塩基の存在下で実施するのが好ましい。反応温度は好ま しくは−100〜30℃、より好ましくは−78〜0℃である。選択した試薬に 従い、反応が完了するには20分間から24時間が必要となり得る。 プロセス(c)において、式IIのアルコールの活性化に適した試薬は塩化スル ホニル、無水フルオロスルホニルま たは無水トリフルオロメタンスルホニル(Aldrich)である。反応は、反 応に悪影響を及ぼさない溶剤(例えばジエチルエーテル、ジクロロメタン、テト ラヒドロフラン、クロロホルムもしくはN−メチルピロリドンまたはこれらの混 合物)中で実施し得る。使用する方法に従って反応には冷却または加熱が必要と なり得る。更に反応は、重炭酸セシウム、ピリジン、ルチジン、ピコリン、キノ リン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機または無機塩基の存在下で実施す るのが好ましい。反応温度は好ましくは−100〜30℃、より好ましくは−7 8〜0℃である。選択した試薬に従い、反応が完了するには20分間から24時 間が必要となり得る。 立体化学配置の反転に適した試薬は水、ジメチルスルホキシド、ピリジンN− オキシド、亜リン酸ジメチルまたはトリフェニルホスフィンオキシドである。反 転反応は、反応に悪影響を及ぼさない溶剤(例えばジオキサン、テトラヒドロフ ラン、ジメチルスルホキシドまたはこれらの混合物)中で実施し得る。使用する 方法に従って反応には冷却または加熱が必要となり得る。反応温度は好ましくは −100〜30℃、より好ましくは−78〜0℃である。選択 した試薬に従い、反応が完了するには20分間から24時間が必要となり得る。 プロセス(d)において、式IIのアルコールを誘導体化してCH−OC(=N R10)−NHR10基を与えるのに適した試薬は、ジイソプロピルカルボジイミド 、ジシクロヘキシルカルボジイミドまたはジブチルカルボジイミドなどのジアル キルカルボジイミドである。活性化は、反応に悪影響を及ぼさない溶剤(例えば ジクロロメタン、クロロホルムもしくはN−メチルピロリドンまたはこれらの混 合物)中で実施し得る。使用する方法に従って反応には冷却または加熱が必要と なり得る。更に反応は銅(I)塩の存在下で実施するのが好ましい。反応温度は 好ましくは−100〜30℃、より好ましくは−78〜0℃である。選択した試 薬に従い、反応が完了するには20分間から24時間が必要となり得る。 以下、非限定的な代表的実施例によって本発明を説明する。実施例1:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=NiPr)−NHiP ジクロロメタン(5mL)中にアスコマイシン(0.8g)、ジイソプロピル カルボジイミド(0.15g)及び塩化銅(I)(0.05g)を含む溶液を室温 で7日間撹拌した。溶剤を真空除去し、生成物を15%イソプロパノール−ジク ロロメタンによって精製した。収量:0.8g;MS(FAB)m/e:M+H =918。実施例2:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−O(p−ニトロ フェニル) ピリジン(10mL)中にアスコマイシン(7.91g)を含む溶液に4−ニ トロフェニルクロロホルメート(3g)を添加し、3時間40〜50℃に加熱し た。反応混合物を氷冷水浴中で冷却し、エーテル(150ml)で希釈した。 エーテル混合物を氷冷エーテル(100mL)と1N塩酸(2×50mL)との 間で分配した。有機相を飽和ブラインで1回洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水 し、溶剤を真空除去した。固体残留物を、25%アセトン/ヘキサンで溶出する シリカゲルクロマトグラフィー(200g)によって精製した。収量:8.5g ;MS(FAB)m/e:M+ K=995。実施例3:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−イミダゾール ピリジン中に実施例2の表題化合物とイミダゾールとを含む溶液を40℃で3 時間加熱する。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルと1N塩酸との間で分配 する。生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製する。実施例4:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−(N−メチル) −イミダゾール 塩化メチレン中に実施例3の表題化合物とメチルトリフレートとを含む溶液を 室温で3時間撹拌する。溶剤を真空除去し、生成物を更に精製することなく使用 する。実施例5:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−NHNHC(= O)NH2 ピリジン(0.6mL)中に実施例2の表題化合物(0.5g)を含む撹拌溶液 にセミカルバジド(0.06g)を添加し、反応物質を室温で一晩撹拌した。反 応物質を酢酸エチル(50mL)と1N塩酸(10mL)との間で分配した。有 機相をブライン(15mL)で1回洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、溶剤 を真空除去した。粗物質を、 5%メタノール/塩化メチレンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィー(20 g)によって精製した。収量:0.14g;MS(FAB)m/e M+K=9 31。実施例6:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−NH(O−CH 2Ph) 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン中のO−ベンジルヒドロキシルアミン 塩酸塩及び実施例2の表題化合物から本実施例の表題化合物を製造した。MS( FAB)m/eM+K=979。実施例7:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−NHNHCH2 Ph 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン中のベンジルヒドラジン二塩酸塩及び 実施例2の表題化合物から本実施例の表題化合物を製造する。実施例8:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−モルホリン 塩化メチレン(1mL)中に実施例2の表題化合物(0.5g)を含む溶液に モルホリン(0.1mL)を添加し、室温で1時間撹拌した。溶剤を真空除去し 、粗生成物を、ヘキサン中25%アセトンで溶出するシリカゲルクロマト グラフィー(25g)によって精製した。収量:0.4g;融点=120〜12 4℃;MS(FAB)m/e M+K=943。実施例9:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−NH(CH22 −N−モルホリン 塩化メチレン(1mL)中に実施例2の表題化合物(0.5g)を含む撹拌溶 液に4−(2−アミノエチル)モルホリン(0.13g)を添加し、室温で16 時間撹拌した。溶剤を真空除去し、粗生成物を、ヘキサン中60%アセトンで溶 出するシリカゲルクロマトグラフィー(50g)によって精製した。収量:0. 25g;MS(FAB)m/e M+K=986。実施例10:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−NH(CH2 3−N−モルホリン 実施例9に記載の方法に従い、4−(3−アミノプロピル)モルホリン及び実 施例2の表題化合物から本実施例の表題化合物を製造した。MS(FAB)m/ e M+K=1000。実施例11:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−α−L− N−(ε Cbz)−オルニチンベン ジルエステル 実施例12:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−ピペリジ 実施例9に記載の方法に従い、ピペリジン及び実施例2の表題化合物から本実 施例の表題化合物を製造する。実施例13:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N(CH2 H)2 実施例9に記載の方法に従い、ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミン及び実 施例2の表題化合物から本実施例の表題化合物を製造した。MS(FAB)m/ e M+K=961。実施例14:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−NH−(4− ピリジン) 実施例9に記載の方法に従い、4−アミノピリジン及び実施例2の表題化合物 から本実施例の表題化合物を製造した。MS(FAB)m/e M+K=950 。実施例15:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(4−ヒ ドロキシピペリジン) 実施例9に記載の方法に従い、4−ヒドロキシピペリジン及び実施例2の表題 化合物から本実施例の表題化合物を 製造した。MS(FAB)m/e M+K=957。実施例16:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−(4−オキソ −ピペリジン) 実施例9に記載の方法に従い、4−ヒドロキシピペリジン及び実施例2の表題 化合物から本実施例の表題化合物を製造した。MS(FAB)m/e M+K= 955。実施例17:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(4−ア ミノ−ピペリジン) 実施例9に記載の方法に従い、4−アミノピペリジン及び実施例2の表題化合 物から本実施例の表題化合物を製造した。実施例18:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(4−カ ルボキシ−ピペリジン) 実施例9に記載の方法に従い、4−カルボキシピペリジン及び実施例2の表題 化合物から本実施例の表題化合物を製造した。MS(FAB)m/e M+K= 985;M+2K=1023。実施例19:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(4−フ ェニル−ピペリジン) 実施例9に記載の方法に従い、4−フェニルピペリジン 及び実施例2の表題化合物から本実施例の表題化合物を製造した。MS(FAB )m/e M+K=1017。実施例20:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(4−[ ピペリジニル]−ピペリジン) 実施例9に記載の方法に従い、4−(ピペリジニル)−ピペリジン及び実施例 2の表題化合物から本実施例の表題化合物を製造した。MS(FAB)m/e M+K=1024。実施例21:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(ピペラ ジン) 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン中のピペラジン塩酸塩及び実施例2の 表題化合物から本実施例の表題化合物を製造した。MS(FAB)m/e M+ K=942。実施例22:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(4−メ チルピペラジン) 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン中の4−メチルピペラジン塩酸塩及び 実施例2の表題化合物から本実施例の表題化合物を製造した。MS(FAB)m /e M+K=956。実施例23:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(N−メ チル−D−グルカミン ) 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン−水(容積4:1)溶液中のN−メチ ル−D−グルカミン及び実施例2の表題化合物から本実施例の表題化合物を製造 した。MS(FAB)m/e M+K=1051。実施例24:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(N,O −ジメチルヒドロキシルアミン ) 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン中のN,O−ジメチルヒドロキシルア ミン塩酸塩及び実施例2の表題化合物から本実施例の表題化合物を製造した。M S(FAB)m/e M+K=917。実施例25:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(N−メ チルヒドロキシルアミン ) 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン中のN−メチルヒドロキシルアミン塩 酸塩及び実施例2の表題化合物から本実施例の表題化合物を製造した。MS(F AB)m/e M+K=903。実施例26:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(N−シ クロヘキシルヒドロキシルアミン ) 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン中のN−シクロヘキシルヒドロキシル アミン塩酸塩及び実施例2の表題化 合物から本実施例の表題化合物を製造した。MS(FAB)m/e M+K=9 71。実施例27:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(ヒドロ キシルアミン ) 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン中のO−トリメチルシリルヒドロキシ ルアミン及び実施例2の表題化合物から本実施例の表題化合物を製造した。MS (FAB)m/e M+K=889。実施例28:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(N−エ チル,N−ヒドロキシエチルアミン ) 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン中のN−エチル,N−(2−ヒドロキ シエチル)アミン及び実施例2の表題化合物から本実施例の表題化合物を製造し た。MS(FAB)m/e M+K=945。実施例29:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(N−メ チルベンジルアミン) 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン中のN−メチルベンジルアミン及び実 施例2の表題化合物から本実施例の表題化合物を製造した。MS(FAB)m/ e M+K=977。実施例30:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(N−メ チル[2−フェネチル]アミン) 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン中のN−メチル(2−フェネチル)ア ミン及び実施例2の表題化合物から本実施例の表題化合物を製造した。MS(F AB)m/e M+K=991。実施例31:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(2−[ 4″−ピリジルエチル]アミン) 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン中の2−(4′−ピリジル)エチルア ミン及び実施例2の表題化合物から本実施例の表題化合物を製造する。実施例32:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(エチル サルコシン) 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン中のエチルサルコシン塩酸塩及び実施 例2の表題化合物から本実施例の表題化合物を製造した。MS(FAB)m/e M+K=973。実施例33:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(L)− ロイシノール 塩化メチレン(1mL)中に実施例2の表題化合物(0. 5g)を含む撹拌溶液にL−ロイシノール(0.2g)を添加し、室温で48時 間撹拌した。溶剤を真空除去し、粗生成物を、ヘキサン中30%アセトンで溶出 するシリカゲルクロマトグラフィー(10g)によって精製した。収量:0.2 g。実施例34:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(1−ア ザ−15−クラウン−5) ピリジン(1mL)中に1,4,7,10−テトラオキサ−16−アザシクロペ ンタデカン(0.15g)及び実施例2の表題化合物(0.5g)を含む溶液を8 0℃で12時間加熱した。反応液を室温に冷却し、エーテルと1N塩酸との間で 分配した。有機相をブラインで1回洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、溶剤 を真空除去した。粗生成物(0.5g)を、ヘキサン中30%アセトンで溶出す るシリカゲルクロマトグラフィー(20g)によって精製した。収量:0.3g ;MS(FAB)m/e M+K=1075。実施例35:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(N−メ チル[2−N,N−ジエチルアミノエチル]アミン) 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン中のN−メチル(2−N,N−ジエチ ルアミノエチル)アミン及び実施例2の表題化合物から本実施例の表題化合物を 製造した。MS(FAB)m/e M+K=986。実施例36:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(4−ア ミドピペリジン) 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン中のイソニペコタミド及び実施例2の 表題化合物から本実施例の表題化合物を製造した。MS(FAB)m/e M+ K=984。実施例37:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OC(=O)−N−(N−メ チル−2−[2′−ピリジルエチル]アミン) 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン中のN−メチル−2−(2′−ピリジ ルエチル)アミン及び実施例2の表題化合物から本実施例の表題化合物を製造し た。MS(FAB)m/e M+K=992。実施例38a:式II:R=エチル;R8=H;R9=−OSO2 (水素化カルシウムから)新たに蒸留したジクロロメタン(30mL)中にア スコマイシン(3.0g)を含む撹 拌溶液に2,6−ルチジン(0.89mL)を−78℃で添加した。ジクロロメタ ン(10mL)中の無水フルオロスルホニル(0.49mL)を反応混合物に− 78℃で滴下して加えた。1時間撹拌した後、反応混合物を氷冷エーテルと0. 15N塩酸との間で分配した。有機相を氷冷ブラインで1回洗浄し、硫酸マグネ シウム上で脱水した。予めエーテルを充填したシリカゲルカラム(50g)に濾 液を添加し、エーテルで溶出した。溶剤を真空除去し、淡ピンク色固体の表題化 合物を得た。収量:3.4g;MS(FAB)m/e M+K=912。実施例38b:式II:R=エチル;R8=−OH;R9=H 実施例38aの表題化合物(3.4g)をジメチルスルホキシド(25mL) 中に溶解し、室温で2時間撹拌した。反応液を酢酸エチルと重炭酸ナトリウムの 間で分配した。有機相をブラインで1回洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、 溶剤を真空除去した。粗生成物を、27%アセトン/ヘキサンで溶出するシリカ ゲルクロマトグラフィー(90g)によって精製した。収量:2.0g;融点= 96〜98℃;MS(FAB)m/e M+K=830。実施例38c:式II:R=エチル;R8=−OC(=O)− O(p−ニトロ−Ph);R9=H 実施例2に記載の方法に従い、実施例38bの表題化合物及びp−ニトロ−フ ェニルクロロホルメートから本実施例の表題化合物を製造した。MS(FAB) m/e M+K=995。実施例39:式II:R=エチル;R8=−OC(=O)−NHNHC(=O)N 2;R9=H 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン中の実施例38cの表題化合物及びセ ミカルバジドから本実施例の表題化合物を製造する。実施例40:式II:R=エチル;R8=−OC(=O)−NH−C(CH2OH) 3;R9=H 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン−水(容積3:1)中の実施例38c の表題化合物及びトリス−(ヒドロキシメチル)アミノメタンから本実施例の表 題化合物を製造した。MS(FAB)m/e M+K=977。実施例41:式II:R=エチル;R8=−OC(=O)−N−モルホリン;R9 実施例8に記載の方法に従い、ジクロロメタン中の実施例38cの表題化合物 及びモルホリンから本実施例の表題 化合物を製造した。MS(FAB)m/e M+K=943。実施例42:式II:R=エチル;R8=−OC(=O)−N−ピペリジン;R9 実施例8に記載の方法に従い、ジクロロメタン中の実施例38cの表題化合物 及びピペリジンから本実施例の表題化合物を製造する。実施例42:式II:R=エチル;R8=−OC(=O)−N−イミダゾール;R9 =H 実施例8に記載の方法に従い、ジクロロメタン中の実施例38cの表題化合物 及びイミダゾールから本実施例の表題化合物を製造する。実施例43:式II:R=エチル;R8=−OC(=O)−N−(p−アミノピリ ジン);R9=H 実施例8に記載の方法に従い、ジクロロメタン中の実施例38cの表題化合物 及び4−アミノピリジンから本実施例の表題化合物を製造した。MS(FAB) m/e M+H=912。実施例44:式II:R=エチル;R8=−OC(=O)−N−(N,O−ジメチル ヒドロキシルアミン);R9=H 実施例5に記載の方法に従い、ピリジン中の実施例38 cの表題化合物及びN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩から本実施例の 表題化合物を製造する。実施例45:式II:R=エチル;R8=−OC(=O)−N(CH2CH2OH)2 ;R9=H 実施例8に記載の方法に従い、ジクロロメタン中の実施例38cの表題化合物 及びビス−(2−ヒドロキシエチル)アミンから本実施例の表題化合物を製造し た。MS(FAB)m/e M+K=961。実施例46:生物学的活性のin vivoアッセイ 本発明化合物の免疫抑制活性を、Kino,T.ら,Transplantat ion Proceedings XIX(5):36−39,Suppl.6 (1987)に記載のヒト混成リンパ球反応(MLR)アッセイを使用して測定 した。下記の表1に示すアッセイ結果から、試験した化合物はμmol以下の濃 度で有効な免疫調節剤であることが判る。 上記説明及び付随の実施例は単に説明のためのものであり、本発明の範囲を制 限するものではなく、本発明は請求の範囲及びそれらの均等物によってのみ規定 されることが 理解される。上記実施例の種々の変更及び変形が当業者には明らかである。限定 的ではないが本発明の化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、製造及び/ま たは使用方法に係わるものを含む変更及び変形は本発明の主旨及び範囲を離れず とも行い得る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式: 〔式中、nは0及び1からなる群から選択され; Rは、水素、メチル、エチル、アリル、プロピル、2−ヒドロキシエチル、シ クロプロピルメチル、2−オキソプロピル及び2−エタノールからなる群から選 択され; R1及びR2は独立に水素及びヒドロキシからなる群から選択されるが、但し、 R1またはR2の一方がヒドロキシである場合、R1及びR2の他方は水素であるか ;或いは、R1とR2は一緒になってオキソであり; R3及びR4は独立に、水素、ハロゲン及びヒドロキシからなる群から選択され るが、但し、R3またはR4の一方がハロゲンまたはヒドロキシである場合、R3 及びR4の他方は水素であるか;或いは、R3とR4は一緒になってオキソであり ; R5は水素、ヒドロキシ及び保護されたヒドロキシからなる群から選択され、 R6は水素であるか;或いは、R5及びR6は一緒になってC−23/C−24結 合を形成し; R7はヒドロキシ及び保護されたヒドロキシからなる群から選択され; R8及びR9は、R8及びR9の一方は水素であり、他方は、 (1)−OC(=NR10)−NHR10[ここでR10は(C1-6アルキル)及びシ クロ(C3-10アルキル)からなる群から選択される]; (2)−OC(=O)−R11[ここでR11は−O−アリール、イミダゾリル 、N−メチルイミダゾリル、−O−(N−スクシンアミジル)、−O−ベンゾト リアゾリル、−O−2−ピリジル、トリアゾリル及びテトラゾリルからなる群か ら選択される]; (3)−OC(=O)−NR1213{ここでR12及びR13は 独立に、 (a)−CH2−アリール; (b)−CH2−Het; (c)必要によってはR21及びR22で置換された(C2-10アルキル)[但 しR21及びR22は、 (i)ヒドロキシ、 (ii)−COOH、 (III)−Q−(C1-6アルキル)(ここでQは、−O−、−S−、− C(O)−、−O−C(O)−,−C(O)−O−、−C(O)−NH−、−N HC(O)−、−OC(O)−NH−及び−NHC(O)−O−からなる群から 選択される二価基である)、 (iv)−アリール、 (v)−Het、 (vi)−NR2324(ここでR23及びR24は独立に、水素、−C1-6 アルキル、−アリール及び−Hetからなる群から選択される)、 (vii)グアニジノ、及び (viii)−S(O)2NH2 からなる群から選択される]; (d)必要によってはR21及びR22で置換されたシクロ(C3-10アルキル );及び (e)必要によってはR21及びR22で置換された−(C2-10アルケニル) からなる群から選択されるか、或いは、R12とR13はそれらが結合している窒素 原子とも一緒になって、−O−、−S(O)s−[ここでsは0、1または2で ある]及び−NR25−[ここでR25は、 (a)−アリール、 (b)−Het、 (c)必要によってはR21及びR22で置換された(C1-10アルキル)、 (d)必要によってはR21及びR22で置換された−シクロ(C3-10アルキ ル)、及び (e)必要によってはR21及びR22で置換された−(C2-10アルケニル) からなる群から選択される]から独立に選択される0、1または2つの追加の非 炭素環構成原子を含む3〜7員複素環を形成するが、該複素環は必要によっては 、 (a)−アリール、 (b)−Het、 (c)必要によってはR21及びR22で置換された(1-10アルキル)、 (d)必要によってはR21及びR22で置換された−シクロ(C3-10アルキ ル)、及び (e)必要によってはR21及びR22で置換された−(C2-10アルケニル) からなる群から選択される基で置換されていてもよい}; (4)−OC(=O)−N(OR14)R12[ここでR14は、 (a)アリール、 (b)Het、 (c)−CH2−アリール、 (d)−CH2−Het、 (e)必要によってはR21及びR22で置換された−(C2-10アルキル) (f)必要によってはR21及びR22で置換された−シクロ(C3-10アルキ ル)、及び (g)必要によってはR21及びR22で置換された−シクロ(C2-10アルケ ニル) からなる群から選択される]; (5)−OC(=O)−NHNR1213; (6)−OC(=O)−NH−NHC(=O)−NR1213; (7)−OC(=O)−NH−NHS(O)2−NR1213; 及び (8)−OC(=O)−NH−NHC(=NR21)−NR1213からなる群から 選択されるように選択される〕 を有する化合物またはその医薬上容認可能な塩、エステル、アミドまたはプロド ラッグ。 2.Rが、エチル、アリル及びプロピルからなる群から選択される請求項1に記 載の化合物。 3.R1及びR2が一緒になってオキソである請求項1に記載の化合物。 4.R3及びR4が、水素及びヒドロキシからなる群から選択される請求項1に記 載の化合物。 5.R5が、水素及びヒドロキシからなる群から選択される請求項1に記載の化 合物。 6.R7がメトキシである請求項1に記載の化合物。 7.R8及びR9の一方が、−OC(=O)−N(OR14)R12及び−OC(=O )−NH−NHC(=O)−NR1213からなる群から選択される請求項1に記 載の化合物。 8.式: 〔式中、R、R8及びR9は前記定義の通りである〕 を有する請求項1に記載の化合物。 9.Rが、エチル、アリル及びプロピルからなる群から選択される請求項8に記 載の化合物。 10.R8及びR9の一方が、−OC(=O)−N(OR14)R12及び−OC(= O)−NH−NHC(=O)−NR1213からなる群から選択される請求項8に 記載の化合物。 11.実施例5、6、8、12、16、18〜30、32、 34〜36、40、41、43及び45の表題化合物からなる群から選択される 請求項1に記載の化合物。 12.治療上有効量の請求項1に記載の化合物と医薬上容認可能な担体とを含む 医薬組成物。 13.治療上有効量の請求項6に記載の化合物と医薬上容認可能な担体とを含む 医薬組成物。 14.免疫仲介臓器もしくは組織同種移植拒絶反応、移植組織対宿主疾患;自己 免疫性疾患、可逆性閉塞性気道疾患、過増殖疾患、または虚血性もしくは炎症性 腸疾患に対して患者を治療するのに有効な医薬組成物であって、治療上有効量の 請求項1に記載の化合物を医薬上容認可能な担体と一緒に含む医薬組成物。 15.免疫仲介臓器もしくは組織同種移植拒絶反応、移植組織対宿主疾患;自己 免疫性疾患、可逆性閉塞性気道疾患、過増殖疾患、または虚血性もしくは炎症性 腸疾患に対して患者を治療するのに有効な医薬組成物であって、治療上有効量の 請求項6に記載の化合物を医薬上容認可能な担体と一緒に含む医薬組成物。
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