JP2002540211A - フォスフェート含有大環免疫調節薬 - Google Patents

フォスフェート含有大環免疫調節薬

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JP2002540211A
JP2002540211A JP2000608018A JP2000608018A JP2002540211A JP 2002540211 A JP2002540211 A JP 2002540211A JP 2000608018 A JP2000608018 A JP 2000608018A JP 2000608018 A JP2000608018 A JP 2000608018A JP 2002540211 A JP2002540211 A JP 2002540211A
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カワイ,メグミ
グナワルダナ,インドラニ・ダブリユ
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Abbott Laboratories
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Abbott Laboratories
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    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic System
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/547Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom
    • C07F9/6561Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom containing systems of two or more relevant hetero rings condensed among themselves or condensed with a common carbocyclic ring or ring system, with or without other non-condensed hetero rings
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    • A61P37/06Immunosuppressants, e.g. drugs for graft rejection

Abstract

(57)【要約】 本発明は、免疫調節薬、特に、マクロライド免疫抑制剤として有用である式(I)の新規化合物に関する。本発明は、式(I)の化合物の調製、こうした化合物を含有する組成物、およびこうした化合物を用いる方法にも関する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、免疫調節薬活性を有する新規化学化合物、詳細には、マクロライド
免疫抑制剤に関する。より詳細には、本発明は、アスコマイシンおよびFK−5
06の半合成類似体、それらを調製するための手段、こうした化合物を含む医薬
品組成物およびそれを用いる治療方法に関する。
【0002】 (発明の背景) シクロスポリン(シクロスポリンA)化合物は、臓器移植および免疫調節の分
野に導入されて以来、幅広い用途が見出され、移植処置についての成功率を有意
に上昇させてきた。しかし、腎毒性などのシクロスポリンに伴う不満足な副作用
のため、改善された有効性および安全性を有する免疫抑制剤化合物が探索され続
けてきた。
【0003】 最近、効力のある免疫調節薬活性を有するいくつかの種類の大環化合物が発見
された。Okuharaらの1986年6月11日発行の欧州特許出願1841
62号には、ストレプトマイセス(Streptomyces)属から単離され
た多数の大環化合物が開示されている。ストレプロマイセス・ツクバエンシス(
S.tsukubaensis)の菌株から単離された免疫抑制剤FK−506
は、23員の大環ラクトンである(1a、図1)。C−17におけるアルキル置
換基がFK−506とは異なる(図1)FR−900520(1b、図1)およ
びFR−900523(1c、図1)などのその他の関連天然生成物が、ストレ
プトマイセス・ピグロスコピカス・ヤクシムナエンシス(S.hygrosco
picus yakushimnaensis)から単離されている。ストレプ
ロマイセス・ツクバエンシスによって生成されたさらに別の類似体、FR−90
0525(1d、図1)は、ピペリジン部分がピロリジン部分で置換されている
ことでFK−506と異なる。
【0004】 アスコマイシンとしても知られているFR−900520は、以前に、Ara
iらによって、1966年4月5日に発行された米国特許第3,244,592
号に開示されており、この特許において、化合物は、抗真菌剤として記載されて
いる。他方、Monaghan,R.L.らは、アスコマイシンの免疫抑制薬と
しての使用を、1989年7月12日に発行された欧州特許出願323865号
に記載している。
【0005】 FK−506の免疫抑制活性は臨床的に確認されているが、哺乳類では、毒性
によってその用途が制限されてきた。しかし、FK−506の活性は、優れた特
性を有するFK−タイプの化合物の新規類似体を発見するための努力を刺激して
きた。これらの努力には、新しい発酵生成物の単離、存在する化学単位の微生物
変換、これらの大環物質の化学修飾、およびより小さい合成フラグメントから誘
導されるハイブリッド種の合成が挙げられる。
【0006】
【化5】 (1a):FK−506 R=CHCH=CH; n=2 (1b):FR−900520 R=CHCH; n=2 (1c):FR−900523 R=CH; n=2 (1d):FR−900525 R=CHCH=CH; n=1
【0007】 FK−タイプ化合物の発酵生成物には、FK−506のC−17−epi誘導
体;FK−506の3’−脱メチル化誘導体;3’−オキソ−FK−506;ヒ
ドロキシ保護基の導入によって特徴付けられる、FK−506、FR−9005
23およびFR−900525から誘導された化合物;炭素14と15の間の水
の除去による二重結合の形成;炭素14におけるヒドロキシ基のケトンへの酸化
、および水素化による炭素17におけるアリル側鎖の還元が挙げられる(図1)
。他の公開された誘導体には、ラクトン環が収縮して2つより少い炭素を含む大
環を生じる、FK−506およびFR−900520から誘導されたものが挙げ
られる。
【0008】 FR−900520の微生物脱メチル化によるFR−900520のビス−脱
メチル化3’,25−ジヒドロキシ環再配置誘導体の形成;FK−506および
FR−900520の炭素25における微生物モノ脱メチル化;およびC−3’
におけるFR−900520の微生物モノ脱メチル化などのFK−タイプ化合物
の種々の微生物変換(図1)、ならびにその他多数の大環微生物変換生成物が出
版物に記載されている。
【0009】 FK−タイプ化合物の多数の化学修飾が試みられてきた。これらには、FK−
タイプ誘導体の小さな合成フラグメントの製造;二つの炭素によって大環を拡大
する種々のFK−506誘導体の熱転位;およびC−4’および/またはC−1
4におけるメチルエーテル形成、C−4’アルコールのケトンへの酸化、および
C−2におけるエポキシド形成を含む修飾が挙げられる(図1)。
【0010】 これらの変性化合物の一部は、免疫抑制活性を示すが、免疫抑制療法にしばし
ば伴う深刻な副作用を有さない大環免疫抑制剤が未だに求められている。従って
、本発明の一つの目的は、望ましい免疫調節薬活性を有するが、望ましくない副
作用を最小限にすることが認められる新規半合成マクロライドを提供することで
ある。より詳細には、本発明は、C−4’(図1)にホスフェート部分を有する
新規半合成マクロライドを提供する。
【0011】 本発明のもう一つの目的は、発酵によって得られる出発原料からこうした化合
物を製造するための合成方法、ならびにこうした合成方法に有用な化学中間体を
提供することである。
【0012】 本発明のさらなる目的は、有効成分として、上記化合物のうちの一つを含有す
る医薬品組成物を提供することである。本発明のさらにもう一つの目的は、移植
後の組織拒絶の反応および自己免疫機能不全を含む多様な疾病状態の治療法を提
供することである。
【0013】 (発明の開示) 本発明の一つの側面において、式I:
【0014】
【化6】 (式中、 nは、1〜3の整数であり、 Rは、 (1)メチル、 (2)エチル、 (3)プロピル、および (4)アリル から成る群から選択され; RおよびRは、独立して、 (1)水素、および (2)OR(この場合、Rは、 a)水素、および b)ヒドロキシ保護基から成る群から選択される) から成る群から選択されるか、または RおよびRは、一緒になって、 (1)オキソ、および (2)チオキソ から成る群から選択され; Rは、 (1)水素、および (2)OR(この場合、Rは、前に定義されている) から成る群から選択され; RおよびRは、独立して、 (1)水素、および (2)
【0015】
【化7】 (この場合、 Zは、OおよびSから成る群から選択され; Aは、 (a)NR8081、 (ここで、R80およびR81は、独立して、 (i)アルキル、および (ii)アリールアルキルから成る群から選択される) (b)モルホリン、 (c)チオモルホリン、および (d)OR、 (ここで、Rは、 (i)アルケニル、 (ii)アルキル、 (iii)アルキニル、 (iv)アリール、 (v)アリールアルキル、 (vi)シクロアルキル、 (vii)シクロアルキルアルキル、 (viii)複素環、 (ix)複素環アルキル、 (x)NR8283アルキレン、 (ここで、R82およびR83は、独立して、 水素、 アルキルカルボニル、および ホルミルから選択されるが、但し、R82およびR83は、水素以外である) からなる群から選択され、 Bは、OR、 (ここで、Rは、 (1)アルキル、 (2)アリール、 (3)シアノアルキル、および (4)ハロアルキルから成る群から選択される) である) から成る群から選択されるが、但し、 RおよびRの少くとも一つは、水素以外であり;および 破線は、任意の二重結合の存在を表わすが、但し、RがORであり、この
場合のRが水素である時、二重結合は存在しない) を有する化合物または医薬品として許容され得るその塩、エステル、アミドま
たはプロドラッグを開示する。
【0016】 本発明のさらにもう一つの側面において、式1の化合物を、製薬上許容され得
る担体のみと併せて、または式Iの別の化合物と併せて含む医薬品組成物を開示
する。
【0017】 本発明のさらにもう一つの側面において、治療に有効な量の式Iの化合物を哺
乳類に投与することを含む、哺乳類の免疫系を抑制するための方法を開示する。
【0018】 本発明のさらにもう一つの側面において、治療に有効な量の式Iの化合物を哺
乳類に投与することを含む、哺乳類における移植後の器官または組織の拒絶反応
を治療または予防するための方法を開示する。
【0019】 本発明のさらにもう一つの側面において、治療に有効な量の式Iの化合物を哺
乳類に投与することを含む、哺乳類における自己免疫疾患を治療または予防する
ための方法を開示する。
【0020】 本発明の化合物には、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル4−ピリジニ
ルメチルホスフェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル3−ピリジニ
ルメチルホスフェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル2−ピリジニ
ルメチルホスフェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシル2−フリルメチルメ
チルホスフェート、 ベンジル(1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S
,13R,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17
−エチル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,2
1,27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジ
オキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エ
ン−12−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチルホス
フェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシル3−フリルメチルメ
チルホスフェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル3−チエニル
メチルホスフェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシル4−フルオロベンジ
ルメチルホスフェート、 (1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)
メチル(1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,1
3R,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エ
チル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,
27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキ
サ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−
12−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチルホスフェ
ート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル4−ニトロベ
ンジルホスフェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチルジイソプロピ
ルホスホラミドエート、 2−シアノエチル(1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S
,12S,13R,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R
)−17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,
19,21,27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,
28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−
18−エン−12−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルジ
イソプロピルホスホラミドエート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシル3−ヨードフェニル
メチルホスフェート、 2−(アセチルアミノ)エチル(1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[
(1R,9S,12S,13R,14S,17R,21S,23S,24R,2
5S,27R)−17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメト
キシ−13,19,21,27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオ
キソ−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9
オクタコス−18−エン−12−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシク
ロヘキシルメチルホスフェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル2−(4−モ
ルホリニル)エチルホスフェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル2−(1−ピ
ロリジニル)エチルホスフェート (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシル4−フルオロフェニ
ルメチルホスフェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシル4−ホルミルフェニ
ルメチルホスフェート、 4−アセチルフェニル(1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,
9S,12S,13R,14S,17R,21S,23S,24R,25S,2
7R)−17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−1
3,19,21,27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−1
1,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコ
ス−18−エン−12−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシ
ルメチルホスフェート、 ジエチル(1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S
,13R,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17
−エチル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,2
1,27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジ
オキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エ
ン−12−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルホスフェー
ト、および (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルジフェニルホスフェ
ートが挙げられるが、それらに限定されない。
【0021】 (発明の詳細な説明) 前記詳細な説明および添付の実施例が単に例証となるものであり、本発明の範
囲に対する制限と取られるべきではなく、本発明の範囲は、添付の請求範囲およ
びそれらの相当するものによってのみ規定されることは理解される。開示する実
施形態に対する多様な変形および変更は、当業者には明らかであろう。本発明の
化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、処方および/または使用法に関する
修飾および変更を制限することなく含む、修飾および変更を、本発明の精神およ
び範囲を逸脱することなく施すことができる。
【0022】 本発明の化合物は、不斉またはキラル中心が存在する立体異性体として存在す
ることができる。立体異性体は、キラル炭素原子の周りの置換基の立体配置によ
って、「R」または「S」に指定される。本明細書において用いる用語「R」お
よび「S」は、IUPAC 1974 Recommendations fo
r Section E,Fundamental Stereochemis
try,Pure Appl.Chem.,(1976),45:13−30に
おいて定義されている立体配置である。この文献を引例によりここに取込む。本
発明は、種々の立体異性体およびそれらの混合物を企図し、特に本発明の範囲内
に包含する。立体異性体には、エナンチオマー、ジアステレオマー、およびエナ
ンチオマーまたはジアステレオマーの混合物が挙げられる。本発明の化合物の個
々の立体異性体は、不斉またはキラル中心を有する市販の出発原料からの合成に
よって、あるいはラセミ混合物を調製した後、当業者によく知られた分割するこ
とによって調製することができる。これらの分割の方法には、例えば、(1)エ
ナンチオマーの混合物をキラル助剤に付加し、再結晶またはクロマトグラフィー
によって得られたジアステレオマー混合物を分離して、助剤から光学的に純粋な
生成物を遊離する方法、あるいは(2)キラルクロマトグラフィーカラムを用い
て光学異性体混合物を直接分離する方法が挙げられる。
【0023】 本発明の化合物は、International Union of Pur
e and Applied Chemistry,Organic Chem
istry Division,Commission on Nomencl
ature of Organic Chemistry,Nomenclat
ure of Organic Chemistry,Sections A,
B,C,D,E,F and H,1979年版,J.Rigaudy and
S.P.Klesney 編集, Pergamon Press,Oxfo
rd(1979)(Section A,B and C)、およびInter
national Union of Pure and Applied C
hemistry,Organic Chemistry Division,
Commission on Nomenclature of Organi
c Chemistry,A Guide to IUPAC Nomencl
ature of Organic Compounds,Recommend
ations 1993,Blackwell Science,1993に記
載の規則に従って命名した。
【0024】 用語の定義 本明細書を通しておよび添付の請求範囲において用いる以下の用語は、以下に
定義する意味を有する: 本願において用いる用語「アルケニル」は、2〜6個の炭素原子を含み、且つ
、二つの水素を除去することによって形成される炭素−炭素二重結合を少なくと
も一つ含む直鎖または枝分れ鎖炭化水素を指す。「アルケニル」の代表例には、
エテニル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、3−ブテニル、4−
ペンテニル、5−ヘキセニルなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0025】 本願において用いる用語「アルコキシ」は、本明細書において定義するオキシ
基によって親分子部分に結合された本明細書において定義するアルキル基を指す
。「アルコキシ」の代表例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポ
キシ、ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどが挙げら
れるが、それらに限定されない。
【0026】 本願において用いる用語「アルコキシカルボニル」は、本明細書において定義
するカルボニル基によって親分子部分に結合された本明細書において定義するア
ルコキシ基を指す。「アルコキシカルボニル」の代表例には、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニルなどが挙げられるが、それら
に限定されない。
【0027】 本願において用いる用語「アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖また
は枝分れ鎖炭化水素を指す。「アルキル」の代表例には、メチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イオブチル、t−ブチル、
n−ペンチル、n−ヘキシルなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0028】 本願において用いる用語「アルキルカルボニル」は、本明細書において定義す
るカルボニル基によって親分子部分に結合された本明細書において定義するアル
キル基を指す。「アルコキシカルボニル」の代表例には、アセチル、1−オキソ
プロピル、2,2−ジメチル−1−オキソプロピル、1−オキソブチル、1−オ
キソペンチルなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0029】 本願において用いる用語「アルキルカルボニルオキシ」は、本明細書において
定義するオキシ基によって親分子部分に結合された本明細書において定義するア
ルキルカルボニル基を指す。「アルキルカルボニルオキシ」の代表例には、アセ
チルオキシ、エチルカルボニルオキシ、t−ブチルカルボニルオキシなどが挙げ
られるが、それらに限定されない。
【0030】 用語「アルキレン」は、1〜6個の炭素原子の直鎖または枝分れ鎖炭化水素か
ら誘導される二価の基を示す。「アルキレン」の代表例には、−CH−、−C
CH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−C
CH(CH)CH−、などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0031】 本願において用いる用語「アルキルチオ」は、本明細書において定義するチオ
基によって親分子部分に結合された本明細書において定義するアルキル基を指す
。「アルキルチオ」の代表例には、メチルチオ、エチルチオ、t−ブチルチオ、
ヘキシルチオなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0032】 本願において用いる用語「アルキニル」は、2〜6個の炭素原子を含み、且つ
、少なくとも一つの炭素−炭素三重結合を含む直鎖または枝分れ鎖炭化水素基を
指す。「アルキニル」の代表例には、アセチレニル、1−プロピニル、2−プロ
ピニル、3−ブチニル、2−ペンチニル、1−ブチニルなどが挙げられるが、そ
れらに限定されない。
【0033】 本願において用いる用語「アリル」は、−CHCH=CH基を指す。
【0034】 本願において用いる用語「アミド」は、−C(O)NR9091基(式中、
90およびR91は、独立して、水素、本明細書において定義するアルキル、
アリールおよびアリールアルキルから成る群から選択される)を指す。−C(O
)NR9091の代表例には、アミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル
、メチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ベンジルアミノカルボ
ニルなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0035】 本願において用いる用語「アミノ」は、−NR9293基(式中、R92
よびR93は、独立して、水素、本明細書において定義するアルコキシカルボニ
ル、アルキル、アルキルカルボニル、アリール、アリールアルコキシカルボニル
、アリールアルキルおよびホルミルから成る群から選択される)を指す。−NR 9293の代表例には、アセチルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、
ホルミルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、アセチルメチルアミノなどが挙げ
られるが、それらに限定されない。
【0036】 本願において用いる用語「アリール」は、フェニル基を指す。
【0037】 本発明のアリール基は、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アル
キルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルチオ、アミド、アミノ、
カルボキシ、シアノ、エチレンジオキシ、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、
ヒドロキシ、メチレンジオキシおよびニトロから独立して選択される1、2また
は3個の置換基で置換することができる。
【0038】 本願において用いる用語「アリールアルコキシ」は、本明細書において定義す
るアルコキシ基によって親分子部分に結合された本明細書において定義するアリ
ール基を指す。「アリールアルコキシ」の代表例には、2−フェニルエトキシ、
3−フェニルプロポキシ、5−フェニルペンチルオキシなどが挙げられるが、そ
れらに限定されない。
【0039】 本願において用いる用語「アリールアルコキシカルボニル」は、本明細書にお
いて定義するカルボニル基によって親分子部分に結合された本明細書において定
義するアリールアルコキシ基を指す。「アリールアルコキシカルボニル」の代表
例には、ベンジルオキシカルボニル、2−フェニルエトキシカルボニルなどが挙
げられるが、それらに限定されない。
【0040】 本願において用いる用語「アリールアルキル」は、本明細書において定義する
アルキル基によって親分子部分に結合された本明細書において定義するアリール
基を指す。「アリールアルキル」の代表例には、ベンジル、2−フェニルエチル
、3−フェニルプロピルなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0041】 本願において用いる用語「カルボニル」は、−C(O)−基を指す。
【0042】 本願において用いる用語「カルボキシ」は、−COH基を指す。
【0043】 本願において用いる用語「シアノ」は、−CN基を指す。
【0044】 本願において用いる用語「シアノアルキル」は、本明細書において定義するア
ルキル基によって親分子部分に結合された本明細書において定義するシアノ基を
指す。「シアノアルキル」の代表例には、2−シアノエチル、3−シアノプロピ
ルなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0045】 本願において用いる用語「シクロアルキル」は、3〜8個の炭素を含む飽和環
状炭化水素基を指す。「シクロアルキル」の代表例には、シクロプロピル、シク
ロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル
などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0046】 本発明のシクロアルキル基は、アルコキシ、アルキル、ハロゲン、ハロアルキ
ルおよび−ORから独立して選択される1、2または3個の置換基で置換する
ことができる。
【0047】 本願において用いる用語「シクロアルキルアルキル」は、本明細書において定
義するアルキル基によって親分子部分に結合された本明細書において定義するシ
クロアルキル基を指す。「シクロアルキルアルキル」の代表例には、シクロプロ
ピルメチル、2−シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシル
メチル、4−シクロヘプチルブチルなどが挙げられるが、それらに限定されない
【0048】 本願において用いる用語「エチル」は、−CHCH基を指す。
【0049】 本願において用いる用語「ホルミル」は、−C(O)H基を指す。
【0050】 本願において用いる用語「ハロ」または「ハロゲン」は、−Cl、−Br、−
Iまたは−Fを指す。
【0051】 本願において用いる用語「ハロアルキル」は、本明細書において定義するアル
キル基によって親分子部分に結合された少なくとも一つの本明細書において定義
するハロゲンを指す。「ハロアルキル」の代表例には、クロロメチル、2−フル
オロエチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2−クロロ−3−フ
ルオロペンチルなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0052】 本願において用いる用語「複素環」または「複素環式」は、単環式、二環式ま
たは三環式環構造を指す。単環式環構造には、例えば、酸素、窒素および硫黄か
ら独立して選択されるヘテロ原子を含む3または4員環、あるいは1、2または
3個のヘテロ原子(この場合、ヘテロ原子は、窒素、酸素または硫黄から独立し
て選択される)を含む5、6または7員環が挙げられる。5員環は、0〜2個の
二重結合を有し、6および7員環は、0〜3個の二重結合を有する。単環式環構
造の代表例には、アゼチジン、アゼピン、アジリジン、ジアゼピン、1,3−ジ
オキラン、ジオキサン、ジチアン、フラン、イミダゾール、イミダゾリン、イミ
ダゾリジン、イソチアゾール、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、イソオキサ
ゾール、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、オキサジアゾー
ル、オキサジアゾリン、オキサジアゾリジン、オキサゾール、オキサゾリン、オ
キサゾリジン、ピペラジン、ピペリジン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピラ
ゾリン、ピラゾリジン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピロール、ピロリ
ン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、テトラジン、
テトラゾール、チアジアゾール、チアジアゾリン、チアジアゾリジン、チアゾー
ル、チアゾリン、チアゾリジン、チオフェン、チオモルホリン、チオモルホリン
スルホン、チオピラン、トリアジン、トリアゾール、トリチアンなどが挙げられ
るが、それらに限定されない。二環式環構造には、例えば、本明細書において定
義するアリール基、本明細書において定義するシクロアルキル基、または別の単
環式環構造に融合させた上記いずれかの単環式環構造が挙げられる。二環式環構
造の代表例には、例えば、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、ベンゾチオ
フェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾピラン、ベンゾチオピラン
、ベンゾダイオキシン、1,3−ベンゾジオキソール、シノリン、インダゾール
、インドール、インドリン、インドリジン、ナフチリジン、イソベンゾフラン、
イソベンゾチオフェン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、フタ
ラジン、ピラノピリジン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、キナゾリン、
テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、チオピラノピリジンなどが
挙げられるが、それらに限定されない。三環式環構造には、例えば、本明細書に
おいて定義するアリール基、本明細書において定義するシクロアルキル基、また
は単環式環構造に融合させた上記いずれかの二環式環構造が挙げられる。三環式
環構造の代表例には、アクリジン、カルバゾール、カルボリン、ジベンゾフラン
、ジベンゾチオフェン、ナフトフラン、ナフトチオフェン、オキサントレン、フ
ェナジン、フェノキサチイン、フェノキサジン、フェノチアジン、チアントレン
、チオキサンセン、キサンテンなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0053】 本発明の複素環は、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキル
カルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルチオ、アミド、アミノ、カル
ボキシ、シアノ、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、ニトロおよ
びオキソから独立して選択される1、2または3個の置換基で置換することがで
きる。
【0054】 本願において用いる用語「複素環アルキル」は、本明細書において定義するア
ルキル基によって親分子部分に結合された本明細書において定義する複素環を指
す。「複素環アルキル」の代表例には、ピリド−3−イルメチル、2−ピリミジ
ン−2−イルプロピルなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0055】 本願において用いる用語「ヒドロキシ」は、−OH基を指す。
【0056】 用語「ヒドロキシ保護基」または「O−保護基」は、合成または半合成手順中
に、望ましくない反応からヒドロキシル基を保護する置換基を指す。「ヒドロキ
シ保護基」の例には、置換メチルエーテル、例えば、メトキシメチル、ベンジル
オキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、2−(トリメチルシリル)−エト
キシメチル、ベンジルおよびトリフェニルメチル;テトラヒドロピラニルエーテ
ル;置換エチルエーテル、例えば、2,2,2−トリクロロエチルおよびt−ブ
チル;シリルエーテル、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル
およびt−ブチルジフェニルシリル;環状アセタールおよびケトン、例えば、メ
チレンアセタール、アセトニドおよびベンジリデンアセタール;環状オルトエス
テル、例えば、メトキシメチレン;環状カーボネート;および環状ボロネートが
挙げられるが、それらに限定されない。一般に用いられるヒドロキシ保護基は、
T.H.Greene and P.G.M.Wuts,Protective
Groups in Organic Synthesis,第2版,Joh
n Wiley & Sons,New York(1991)に開示されてお
り、本明細書に、この文献を引用により取込む。
【0057】 本願において用いる用語「哺乳類」は、その通常の意味を有し、人間を含む。
【0058】 本願において用いる用語「メチル」は、−CH基を指す。
【0059】 本願において用いる用語「−NR8283」は、窒素原子によって分子部分
に結合された、水素、アルキルカルボニルおよびホルミルから成る群から独立し
て選択される二つの基、R82およびR83を指す。R82およびR83のうち
少なくとも一つは、水素以外でなければならない。「−NR8283」の代表
例には、メチルカルボニルアミノ、ホルミルアミノ、エチルカルボニル(ホルミ
ル)アミノなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0060】 本願において用いる用語「NR8283アルキレン」は、本明細書において
定義するアルキレン基によって親分子部分に結合された本明細書において定義す
る−NR8283基を指す。「NR8283アルキレン」の代表例には、2
−(メチルカルボニルアミノ)エチル、2−(ホルミルアミノ)エチル、3−(
エチルカルボニルアミノ)プロピル、2−[エチルカルボニル(ホルミル)アミ
ノ]エチルなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0061】 本願において用いる用語「ニトロ」は、−NO基を指す。
【0062】 本願において用いる用語「オキソ」は、(=O)を指す。
【0063】 本願において用いる用語「オキシ」は、(−O−)を指す。
【0064】 本願において用いる用語「プロピル」は、−CHCHCH基を指す。
【0065】 本願において用いる用語「チオ」は、(−S−)を指す。
【0066】 本願において用いる用語「チオキソ」は、(=S)を指す。
【0067】 本願において用いる用語「医薬品として許容され得る塩、エステル、アミドま
たはプロドラッグ」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレ
ルギー反応などを伴うヒトおよび下等動物の組織と接触して用いることに適し、
妥当な損益比率に見合い、目的とする用途に有効であり、ならびに、可能である
ならば、本発明の化合物の両性イオン性形態である本発明の化合物のカルボン酸
塩、アミノ酸付加塩、エステル、アミドおよびプロドラッグを指す。用語「塩」
は、本発明の化合物の比較的非毒性の無機および有機酸付加塩を指す。これらの
塩は、化合物の最終単離および精製中にインシトゥで調製することができ、また
は遊離塩基形態の精製化合物を適する有機または無機塩と別に反応させ、このよ
うにして生成した塩を単離することによって調製することができる。代表的な塩
には、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、
シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウ
リン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩
、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸
塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、およびラウリルスルホン酸塩など
が挙げられる。これらは、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグ
ネシウムなどのアルカリおよびアルカリ土類金属、ならびに限定するわけではな
いがアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メ
チルアミン、メチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミ
ンなどを含む非毒性アンモニウム、第4アンモニウムおよびアミンカチオンに基
づくカチオンを含むことができる(例えば、S.M.Berge,et al.
,“Pharmaceutical Salts,”J,Pharm.Sci.
,66:1−19(1977)を参照のこと。この文献は、本明細書に引用によ
り取込む)。
【0068】 本発明の化合物の医薬品として許容され得る非毒性エステルの例には、アルキ
ル基が直鎖または枝分れ鎖であるC〜Cアルキルエステルが挙げられる。許
容され得るエステルには、C〜Cシクロアルキルエステル、ならびに限定す
るわけではないがベンジルなどのアリールアルキルエステルも挙げられる。好ま
しいアルキルエステルは、C〜Cである。本発明の化合物のエステルは、通
常の方法に従って調製することができる。
【0069】 本発明の化合物の医薬品として許容され得る非毒性アミドの例には、アンモニ
ア、第一C〜Cアルキルアミンおよび第二C〜Cジアルキルアミン(こ
の場合、アルキル基は、直鎖または枝分れ鎖である)から誘導されるアミドが挙
げられる。第二アミンの場合、アミンは窒素原子を1個含む5または6員の複素
環の形態であってもよい。アンモニアから誘導されるアミド、C〜Cアルキ
ル第一アミドおよびC〜Cジアルキ第二アミドが好ましい。本発明の化合物
のアミドは、通常の方法に従って調製することができる。
【0070】 用語「プロドラッグ」は、例えば血液中での加水分解によって、インビボで迅
速に変化して、上の式の親化合物を生じる化合物を指す。T.Higuchi
and Stella,“Pro−drugs as Novel Deliv
ery System”, the A.C.S.Symposium Ser
iesの第14巻、およびBioreversible Crriers in
Drug Design,Edward B.Roche編集,Americ
an Pharmaceutical Association and Pe
rgamon Press,1987に徹底的な論議が提供されている。これら
両文献は、本明細書に引用により取込む。
【0071】 適切であるならば、本発明の化合物の誘導体のプロドラッグをいずれかの適す
る方法によって調製することができる。プロドラッグ部分がアミノ酸またはペプ
チド官能基である化合物には、アジド法、混合酸無水物法、DCC(ジシクロヘ
キシルカルボジイミド)法、活性エステル法(p−ニトロフェニルエステル法、
N−ヒドロキシ酢酸イミドエステル法、シアノメチルエステル法など)、ウッド
ワード試薬K法、DCC−HOBT(1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール)法
などの通常の方法に従って、アミノ基をアミノ基およびペプチドと縮合させるこ
とができる。アミノ酸縮合反応のための古典的な方法は、“Peptide S
ynthesis”第2版, M.Bodansky,Y.S.Klausne
r and M.A.Ondetti(1976)に記載されている。
【0072】 生物活性の決定 インビトロでの生物活性の分析 本発明の化合物の免疫抑制活性は、Kino,T.らによって、Transp
lantation Proceedings,XIX(5):36−39,S
uppl.6(1987)に記載されたヒト混合リンパ球反応(MLR)分析を
用いて決定した。本明細書に、この文献を引用により取込む。下の表1に示す分
析の結果は、試験した化合物が有効な免疫調節薬であることを実証している。
【0073】
【表1】
【0074】 インビボでの生物活性の分析 ラットにおける全血中濃度 体重225〜250gのルイスラット(マサチューセッツ州、ウィルミントン
のCharles Riverから入手)をAAALAC認可施設内で1週間順
化させた。すべての動物は、投薬前の一晩および研究期間中、絶食させたが、水
には自由に接触できるようにした。複数のグループの動物にFK−605または
実施例22を5mg/kgの投薬量で投与した。薬物は、経口(p.o.)投与
および腹腔内(i.p.)投与、両方のために、5%テキストロス溶液中の10
%エタノール、40%プロピレングリコールおよび2%クレモフォールを2mL
/kg量で、および静脈内(i.v.)投与のために、クレモフォールを含まな
い同じビヒクルを1mL/kg量で投与した。血液サンプルは、選択時点、投与
後0.25、2.0および4.0時間において、尾静脈から採取して、ヘパリン
で凝結防止した試験管に入れた。
【0075】 酢酸エチル:ヘキサン(体積で1:1)での液液抽出を用いて、薬物が溶血さ
れた全血から薬物を分離した。サンプルを1200xgで10分間(4℃)遠心
分離して、一定体積の有機相を円錐形遠心分離管に移し、低温加熱(35℃まで
)による乾燥空気の穏やかな流れで蒸発させて乾燥した。サンプルを、渦を巻か
せた水中の40体積%アセトニトリルで戻した。アセトニトリル:メタノール:
0.1%トリフルオロ酢酸/0.01M過塩素酸テトラメチルアンモニウム混合
物(FK506用に体積で45:5:50、類似体実施例22用に40:5:5
5)を用い、流速1.0mL/分で、205nmにおけるUV検出を用いる、5
cm x 4.6mm、3μmのSpherisorb ODS−2カラム(イ
リノイ州、モートングローブのRegis)によって、対象となる化合物を共抽
出成分から分離した。HPLCカラムの温度は、70℃であった。
【0076】 全血中の各サンプルの濃度は、スパイクしたラット血液標準物質と比較したピ
ーク領域の最小二乗線形回帰分析によって計算した。全血中濃度に関するデータ
を表2に示す。
【0077】
【表2】 表2のデータは、実施例22が15分で血液から除去されたことを示す。この
結果は、本発明のホスフェートが全身性有害作用を軽減することができ、従って
、局所適用を考える時、有利であることを示唆している。
【0078】 実施例に特定したものを含むがそれらに限定されない本発明の化合物は、動物
における免疫調節薬活性を有する。免疫抑制剤として、本発明の化合物は、心臓
、腎臓、肝臓、骨髄、皮膚、角膜、肺、膵臓、小腸(全体)、四肢、筋肉、神経
、十二指腸、小腸(一部)、ランゲルハンス島細胞などの器官または組織の移植
による抵抗;骨髄移植によってもたらされる移植片対宿主疾患;リウマチ性関節
炎、全身性エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重力筋無力症、I
型糖尿病ブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、腎炎などの自己免疫疾患;および
さらに、病原微生物によってもたらされる感染症などの免疫媒介疾病の治療およ
び予防に有用であり得る。さらに、用途には、炎症性および高増殖性皮膚疾患、
ならびに乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎およびさらに進んだ湿疹性皮膚
炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、表皮水疱症、じんま疹
、血管性浮腫、脈管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、狼瘡、エリテマトーデス、ア
クネおよび円形脱毛症などの免疫媒介疾患の皮膚症状;角結膜炎、春季結膜炎、
ベーチェット病関連ブドウ膜炎、角膜炎、ペルペス性角膜炎、円錐角膜、角膜上
皮ジストロフィー、角膜白斑、眼天疱瘡、モーレン腫瘍、強膜炎、グレーブス眼
障害、フォークト−小柳−原田症候群、サルコイドーシスなどの多様な眼病(自
己免疫性、その他);喘息(例えば、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘
息、外因性喘息およびほこり喘息)、特に、慢性または難治性喘息(例えば、遅
発型喘息および気道過敏)、気管支炎などの症状を含む可逆性閉塞性気道疾患;
胃潰瘍、虚血性疾病および血栓に起因する血管損傷、虚血性腸疾患、炎症性腸疾
患、壊死性小腸大腸炎、火傷関連腸管損傷およびロイコトリエンB媒介疾病な
どの粘膜および血管の炎症;小児脂肪便症、直腸炎、エオジン嗜好性胃腸炎、肥
満細胞症、クローン病および潰瘍性大腸炎などの腸の炎症/アレルギー;胃腸管
から遠隔した症候性発現(例えば、片頭痛、鼻炎および湿疹)を有する食品関連
アレルギー疾患;間質性腎炎、グッドバスチャー症候群、溶血尿毒症症候群およ
び糖尿病性腎障害などの腎臓病;多発性筋炎、ギラン−バレー症候群、メニエー
ル病、多発性神経炎(polyneuritis)、多発性神経炎(multi
ple neuritis)、単発神経炎および神経根障害などの神経疾患;甲
状腺機能亢進およびバセドウ病などの内分泌性疾患;赤血球糸無形成、再生不良
性貧血、形成不全性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、
無顆粒球症、悪性貧血、巨大赤芽球性貧血および赤血球形成不全などの血液疾患
;骨粗鬆症などの骨疾患;サルコイドーシス、肺繊維症および特発性間質性肺炎
などの呼吸器疾患;皮膚筋炎、尋常性白斑、尋常性魚鱗癬、光アレルギー感受性
および皮膚T細胞リンパ腫などの皮膚疾患;動脈硬化症、アテローム性動脈硬化
症、大動脈炎症候群、結節性多発性動脈炎および心筋症などの循環器疾患;強皮
症、ヴェグナー肉芽種症およびシェーグレン症候群などのコラーゲン病;肥満症
;好酸球性筋膜炎;歯肉、歯周組織、歯槽骨および歯骨質の損傷などの歯周疾患
;腎炎などのネフローゼ症候群;脱毛予防または発毛提供および/または発毛お
よび育毛促進による、男性型脱毛症または老人性脱毛症;筋ジストロフィー;膿
皮症およびセザリー症候群;アディソン病;例えば、保存、移植に基づき発生す
る器官(心臓、肝臓、腎臓および消化管などの)の虚血−再潅血流損傷のような
器官損傷または虚血症(例えば、血栓症および心筋梗塞)などの活性酸素媒介疾
患;エンドトキシンショック、偽膜性大腸炎および薬物または放射線に起因する
大腸炎などの腸疾患;虚血性急性腎不全および慢性腎不全などの腎臓病;肺酸素
または薬物(例えば、パラコートおよびブレオマイシン)に起因する中毒症、肺
癌および肺気腫などの肺疾患;白内障、シデローシス、色素性網膜炎、老年斑点
性変性、ガラス体瘢痕化および角膜アルカリ火傷などの眼病;多形性紅斑、線状
IgA水疱性皮膚炎およびセメント皮膚炎などの皮膚炎;および、例えば、歯肉
炎、歯周炎、敗血症、膵臓炎、環境汚染(例えば、大気汚染)、老化、発癌性物
質、癌腫の転移に起因する疾病および高山病などの疾病;ヒスタミンまたはロイ
コトリエン−C放出に起因する疾病;腸−、血管−、神経−ベーチェット病、
そしてまた、口腔、皮膚、目、外陰部、関節、精巣上体、肺、腎臓などに影響を
及ぼすベーチェット病などのベーチェット病に関する治療および予防を挙げるこ
とができる。さらに、本発明の化合物は、免疫原性疾患(例えば、自己免疫性肝
炎、原発性胆汁性肝硬変症および硬化性胆管炎から成る群などの慢性自己免疫性
肝臓疾患)、肝臓部分切除、急性肝臓壊死(例えば、毒素、ウイルス性肝炎、シ
ョックまたは無酸素症に起因する壊死)、B型ウイルス肝炎、非A/非B型肝炎
、肝硬変症(アルコール性肝硬変などの)などの肝臓病、および劇症肝炎、晩発
性肝機能不全、および「慢性に基づく急性」肝機能不全(慢性肝臓病に基づく急
性肝機能不全)などの肝機能不全に関する治療および予防に有用であり、さらに
、化学療法作用の促進、サイトメガロウイルス感染症、特にHCMV感染症に対
する予防または治療活性、抗炎症活性などの有用な活性のため、多様な疾病に有
用である。
【0079】 さらに、一部の化合物は、FK−506拮抗特性を有するようである。従って
、本発明の化合物は、免疫抑制または免疫抑制に関わる障害の治療に有用であり
得る。免疫抑制に関わる疾患の例には、AIDS、癌、老人性痴呆症、外傷(創
傷治癒、外科手術およびショックを含む)、慢性細菌性感染症、および一定の中
枢神経系異常が挙げられる。治療すべき免疫抑制は、過量の免疫抑制大環化合物
、例えば、FK−506、またはラパマイシンなどの12−(2−シクロヘキシ
ル−1−メチルビニル)−13,19,21,27−テトラメチル−11,28
−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18
−エンの誘導体によってもたらされることもある。患者によるこうした医薬品の
過量摂取は、患者が処方箋に書かれた時間に医薬品を飲み忘れてしまったことに
気付いた時に非常によくあることであり、深刻な副作用を導く可能性がある。
【0080】 本発明の化合物を用いて免疫抑制を治療するさらに進んだ状況は、予防接種で
ある。疾病に対する免疫性を獲得するために体内に導入される抗原が免疫抑制剤
として作用するため、抗体が身体によって生産されず、免疫性が得られないとい
うことが、時として見られる。本発明の化合物を体内に導入する(ワクチン中な
ど)ことによって、望ましくない免疫抑制を克服し、免疫性を獲得することがで
きよう。
【0081】 本発明の組成物の水溶液は、自己免疫疾患(例えば、円錐角膜、角膜炎、角膜
上皮ジストロフィー、白斑、モーレン潰瘍、強膜炎およびグレーブス眼障害)お
よび角膜移植の拒絶反応などの多様な目の疾患に対する治療および予防のために
特に有用であり得る。
【0082】 上記またはその他の治療に用いる時に、治療上有効な量の本発明の化合物のう
ちの一つを純粋な状態で、またはそうした形態が存在する場合には、医薬品とし
て許容され得る塩、エステルまたはプロドラッグ形態で用いることができる。あ
るいは、本化合物は、対象となる化合物を一つ以上の製薬上許容され得る賦形剤
と併せて含有する医薬品組成物として投与することができる。「治療上有効な量
」の本発明の化合物とは、一切の薬物療法に適用することができる妥当な損益比
率の、胃腸障害を治療するために十分な量の化合物を意味する。しかし、本発明
の化合物および組成物の全1日量は、健全な医学的判断の範囲内で担当医によっ
て決定されるであろうことは、ご理解いただけよう。いかなる特定の患者に対す
る特定の治療上有効な投薬レベルも、治療すべき疾患および疾患の重さ;用いら
れる特定の化合物の活性;用いられる特定の組成物;患者の年齢、体重、全身の
健康状態、性別および食事;投薬時間、投薬経路、および用いられる特定の化合
物の排出率;治療の継続期間;用いられる特定の化合物と組合わせてまたは同時
に用いられる薬物;および医療分野でよく知られているような因子を含む多様な
因子に依存するであろう。例えば、当該技術の範囲内で、化合物の投与量を所望
の治療効果を達成するために必要なレベルより低いレベルで開始して、所望の効
果を達成するまで徐々に投与量を増やしていくのがよいであろう。
【0083】 ヒトまたは下等動物に投与される本発明の化合物の全1日量は、約0.001
〜約3mg/kg/日の範囲内である。経口投与のためにより好ましい投与量は
、約0.005〜約1.5mg/kg/日の範囲内であろう。所望とあらば、投
与するために、有効な1日量を複数の投与量に分割することができる。従って、
1回量の組成物は、1日量を含有してもよいし、その約数を含有して1日量を構
成してもよい。
【0084】 本発明の医薬品組成物は、本発明の化合物および製薬上許容され得る担体また
は賦形剤を含み、経口投与、直腸内投与、非経口投与、槽内投与、膣内投与、腹
腔内投与、局所投与(粉末、軟膏、滴剤または皮膚パッチなどによって)、頬に
投与、または経口もしくは鼻内噴霧として投与することができる。「製薬上許容
され得る担体」とは、非毒性固体、半固体または液体充填剤、希釈剤、カプセル
化材料またはあらゆるタイプの製薬助剤を意味する。本願において用いる用語「
非経口的」は、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内注射および
注入を含む投与方法を指す。
【0085】 非経口注射のための本発明の医薬品組成物は、製薬上許容され得る無菌水溶液
または非水溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、ならびに用いる直前に無菌注射
溶液または分散液に戻すための無菌粉末を含む。適する水性および非水担体、希
釈液、溶媒またはビヒクルの例には、水、エタノール、ポリオール(グリセロー
ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチル
セルロースおよびそれらの適する混合物、植物油(オリーブオイルなど)、およ
びオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが挙げられる。例えば、レク
チンなどのコーティング材料を用いることによって、分散液の場合には必要な粒
子サイズを維持することによって、および界面活性剤を用いることによって、固
有の流動性を維持することができる。
【0086】 これらの組成物は、保存薬、湿潤剤、乳化剤および分散剤などのアジュバント
を含有することもできる。多様な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、ク
ロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを含有することによって、微生物
の活動を確実に防止することができる。糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を含有
することも望ましいであろう。注射可能な製剤の持続性吸収は、モノステアリン
酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収を遅らせる薬剤を含有することによっ
てもたらすことができる。
【0087】 一部の場合、薬物の作用を持続させるために、皮下または筋肉内注射による薬
物の吸収を遅らせることが望ましい。これは、水溶性の低い結晶性または無定形
材料の懸濁液を用いることによって達成することができる。この時、薬物の吸収
速度は、その溶解速度に依存し、結晶サイズおよび結晶形状にも依存するであろ
う。あるいは、非経口投与される剤形の遅延性吸収は、薬物を油性ビヒクルに溶
解または懸濁させることによって達成される。
【0088】 注射可能なデポー剤形は、ポリアクチド−ポリグリコリドなどの生体分解性ポ
リマー中に薬物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって製造
する。薬物のポリマーに対する比率および用いられる特定のポリマーの性質に依
存して、薬物の放出速度を調節することができる。その他の生体分解性ポリマー
の例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)が挙げられる。注射
可能なデポー製剤は、体組織に適合可能なリポソームまたはマイクロエマルジョ
ン中に薬物を閉じ込めることによって調製することもできる。
【0089】 注射可能な製剤は、例えば、細菌保持フィルターによる濾過によって滅菌する
ことができ、あるいは用いる直前に滅菌水またはその他の滅菌注射可能媒質に溶
解または分散させることができる無菌固体組成物形態の滅菌剤を配合することに
よって滅菌することができる。
【0090】 経口投与のための固体剤形には、カプセル、タブレット、ピル、粉末および顆
粒が挙げられる。こうした固体剤形において、活性化合物は、クエン酸ナトリウ
ムまたはリン酸二カルシウムなどの少なくとも一つの不活性な製薬上許容され得
る賦形剤または担体、および/またはa)デンプン、ラクトース、スクロース、
グルコース、マンニトールおよびケイ酸などの充填剤または増量剤、b)例えば
、カルボキシメチルセルロース、アルジネート、ゼラチン、ポリビニルピロリド
ン、スクロースおよびアラビアゴムなどの結合剤、c)グリセロールなどの湿潤
剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン
酸、一定のシリケートおよび炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなど
の溶液緩染剤、f)第四アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)例えば、セ
チルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、h)カオリ
ンおよびベントナイト粘土などの吸収剤、およびi)タルク、ステアリン酸カル
シウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫
酸ナトリウム、およびそれらの混合物などの潤滑剤と混合される。カプセル、タ
ブレットおよびピルの場合、剤形は、緩衝剤を含むことができる。
【0091】 類似したタイプの固体組成物は、ラクロースまたは乳糖、ならびに高分子量ポ
リエチレングリコールなどの賦形剤を用いる軟質および硬質充填ゼラチンカプセ
ル内の充填剤として用いることもできる。
【0092】 タブレット、糖衣丸、カプセル、ピルおよび顆粒の固体剤形は、腸溶コーティ
ングおよび製薬分野でよく知られているその他のコーティングなどのコーティン
グおよび外皮を用いて調製することができる。これらは、不透明化剤を任意に含
有してもよく、また、有効成分(複数を含む)を、任意に遅延させる方法で、腸
管の一定の部分でのみ、すなわち選択的に放出する組成物であることができる。
用いることができる包埋組成物の例には、高分子物質および蝋が挙げられる。
【0093】 活性化合物は、適する場合には上述の賦形剤を一つ以上有するマイクロカプセ
ル化形態であることもできる。
【0094】 経口投与のための液体剤形には、製薬上許容され得る乳濁液、溶液、懸濁液、
シロップおよびエリキシルが挙げられる。液体剤形は、活性化合物に加えて、例
えば、水またはその他の溶媒などの当業者において一般に用いられる不活性希釈
剤、可溶化剤、およびエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル
、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール
、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラ
ッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブオイル、ヒマシ油、およびごま
油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコ
ール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物などの乳化
剤を含有してもよい。
【0095】 経口組成物は、不活性希釈剤に加えて、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤
、着香料、および香料などのアジュバントを含むこともできる。
【0096】 懸濁液は、活性化合物に加えて、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコ
ール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セ
ルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、およびトラガカント
、ならびにそれらの混合物などの懸濁化剤を含有してもよい。
【0097】 局所投与には、肺および眼の表面を含む皮膚または粘膜への適用が含まれる。
吸入用のものを含む局所投与のための組成物は、加圧されることもあるし、また
は加圧されないこともある乾燥粉末として調製することができる。非加圧粉末組
成物において、微分割状態の有効成分は、例えば、直径100マイクロメートル
以下のサイズを有する粒子を含むより大きなサイズの製薬上許容され得る不活性
担体との混合物の形態で用いられる。適する不活性担体には、ラクトースなどの
糖が挙げられる。望ましくは、有効成分の粒子の少なくとも95重量%が、0.
01〜10マイクロメートルの範囲の有効粒子サイズを有する。
【0098】 あるいは、組成物は加圧されて、窒素または液化気体噴射剤などの圧縮気体を
含むことができる。液化噴射剤媒質および実際には全組成物は、好ましくは、有
効成分がそれらに実質的には全く溶解しないようなものである。加圧組成物は、
界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は、液体または固体非イオン性界面活
性剤であってもよいし、または固体アニオン性界面活性剤であってもよい。固体
アニオン性界面活性剤をナトリウム塩の形で用いるのが好ましい。
【0099】 局所投与のためのさらなる形態は、自己免疫疾患、アレルギー性または炎症性
症状、および角膜移植などの眼の免疫媒介症状の治療用などの、眼に対するもの
である。本発明の化合物は、化合物を眼の角膜および内部領域、例えば、前眼房
、後眼房、ガラス体、眼房水、ガラス体液、角膜、くろめ/睫毛、水晶体、脈絡
膜/網膜および強膜などに浸透させるために十分な時間、化合物が眼の表面と接
触した状態を保つように、製薬上許容され得る眼科用ビヒクルに加えられる。製
薬上許容され得る眼科用ビヒクルは、例えば、軟膏であってもよいし、植物油で
あってもよいし、またはカプセル化材料であってもよい。
【0100】 直腸内投与または経膣投与のための組成物は、好ましくは、室温では固体であ
るが、体温では液体であるため、直腸または膣腔内で溶解して、活性化合物を放
出する、カカオ脂、ポリエチレングリコールまたは坐薬用蝋などの適する非刺激
性賦形剤または担体と本発明の化合物とを混合することによって調製することが
できる坐薬である。
【0101】 本発明の化合物は、リポソームの形態で投与することもできる。当業者に既知
のように、リポソームは、一般に、リン脂質またはその他の脂質から誘導される
。リポソームは、水性媒質に分散させた単一または多層状水和液晶によって形成
される。リポソームを形成することができるあらゆる非毒性の生理学的に許容さ
れ得る代謝可能な脂質を用いることができる。リポソーム形態の本発明の組成物
は、本発明の化合物に加えて、安定剤、保存剤、賦形剤などを含有することがで
きる。好ましい脂質は、天然および合成、両方のリン脂質およびホスファチヂル
コリン(レシチン)である。リポソームを形成する方法は、当業者において既知
である。例えば、Prescott編集,Methods in Cell B
iology,第XIV巻,Academic Press,New York
,N.Y.(1976)の33頁以降を参照のこと。
【0102】 略語 以下の略語を用いる:塩酸にはHCl、テトラヒドロフランにはTHF、トリ
フルオロ酢酸にはTFA、硫酸マグネシウムにはMgSO、硫酸ナトリウムに
はNaSO、塩化ナトリウムにはNaCl、炭酸水素ナトリウムにはNaH
CO、塩化アンモニウムにはNHCl、高圧液体クロマトグラフィーにはH
PLC、t−トルエンスルホン酸ピリジニウムにはPPTS。
【0103】 合成法 本発明の化合物は、以下に記載する方法を一つ以上用いて調製することができ
る。これらの方法に用いるための出発原料は、好ましくは、欧州特許出願018
4162号に開示されている、ストレプトマイセス(Streptomyces
)属の微生物の発酵による既知の方法に従って得られる培養培地から単離される
マクロライドの中の一つである。サンプルは、ブダペスト条約の規定のもと、保
管番号FERM BP−927で、日本、茨城県つくば市(305)のFerm
entation Research Instituteから入手することが
できる。この菌種は、ブダペスト条約の規定のもと、保管番号NRRL 184
88で、1989年4月27日に、米国、イリノイ州(61604)、ペオリア
のAgricultural Research Culture Colle
ction International Depositoryに再供託され
た。アスコマイシンとしても知られているマクロライドFR−900520(欧
州特許出願0814162)は、(i)H.Hatanaka,M.Iwami
,T.Kino,T.Goto and M.Okuhara,FR−9005
20 and FR−900523,Novel immunosuppres
sants isolated from A streptomyces.I
.Taxonomy of the producing strain.,J
.Antibiot.,1988.XLI(11),1586−1591;(i
i)H.Hatanaka,T.Kino,S.Miyata,N.Inamu
ra,A.Kuroda,T.Goto,H.Tanaka and M.Ok
uhara,FR−900520 and FR−900523,Novel
immunosuppressants isolated from A s
treptomyces.II.Fermentation,isolatio
n and physico−chemical and giologica
l characteristics.,J. Antibiot.,1988
.XLI(11),1592−1601;(iii)T.Arai,Y.Koy
ama,T.Suenaga and H.Honda,Ascomycin,
An Antifungal Antibiotic.J.Antibiot.
,1962.15(231−2);および(iv)T.Arai,米国特許第3
,244,592号、の文献に記載されている方法に従って調製することができ
る。その後、下で論じる方法の中の一つ以上を用いて、本発明の所望の化合物を
生成することができる。
【0104】 本発明の化合物および方法は、本発明の化合物を調製することができる方法を
図示する以下の合成スキーム1〜4との関連で、よりよくご理解いただけよう。
【0105】 本発明の化合物は、多様な合成経路によって調製することができる。代表的な
手順をスキーム1〜4に示す。スキーム1〜4に関して、破線は、任意の二重結
合を表わし、R、R、RおよびRは、図Iにおいて定義したとおりであ
る。
【0106】
【化8】 スキーム1に示したように、式(i)の炭素4’に結合しているヒドロキシ基
をホスホラミドクロリドアイト(ii)(式中、Xは、第二アミンであり、Rは
、アルキル、シアノアルキル、ハロアルキルおよびフェニルから選択される)で
ホスホリル化して、式(iii)のホスハラミドアイトを生じることができる。
適するホスホリル化試薬には、N,N−ジイソプロピルメチルホスホナミドの塩
化物(Bruzik,K.S.,Salamonczyk,G.and Ste
c,W.J.,J.Org.Chem.,(1986),51,2368−23
70)、N,N−ジエチルメチルホスホナミドの塩化物、N,N−ジメチルメチ
ルホスホナミドの塩化物、N,N−ジイソプロピルフェニルホスホナミドの塩化
物(Hecker,S.J.et al.,J.Org.Chem.,(199
0),55,4904−4911)、メチルジクロロホスファイトまたはフェニ
ルジクロロホスファイト(Martin,S.F.and Josey,J.A
.,Tetrahedron Lett.,(1988),29,3631−3
634)、2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルクロロホスホラミダイト
、2−シアノエチル−N,N,N’−N’−テトライソプロピルホスホロジアミ
ダイト−ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(Liu J.and Ve
rdine,G.L.,Tetrahedron Lett.,(1992),
33,4265−4268)、モルホリノメチルホスホナミドの塩化物(See
la,F.,Kaiser,K and Binding,U.Helv.Ch
im.Acta(1989),72,868−881)、N,N−ジイソプロピ
ル−ビス−(2−トリメチルシリル)エチル)ホスホラミダイト(Chao,H
−G,Bernatowicz,M.S.,Klimas,C.E.and M
atsueda,G.R.,Tetrahedron Lett.,(1993
),34,3377−3380)、および2,2,2−トリクロロエチルホスホ
ジクロリデート、2−シアノエチルホスホジクロリデートなどの以下の文献(R
eese,C.B.,Tetrahedron,(1978),34,3143
−3179)に記載されている試薬などが挙げられるが、それらに限定されない
。さらに、反応は、好ましくは、トリアルキルアミン(例えば、トリエチルアミ
ンなど)、ピリジン化合物(例えば、ピリジン、ルチジン、ピコリン、4−N,
N−ジメチルアミノピリジンなど)、キノリンなどの有機塩基の存在のもとで行
い、好ましい塩基は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、および
ピリジンである。
【0107】
【化9】 スキーム2に示したように、式(iv)のホスホラミドエートまたはホスホラ
ミドチオエート(式中、Zは、各々、OまたはSである)は、式(iii)のホ
スホラミドアイトの酸化によって調製することができる。(Hecker,S.
J.,Minich,M.L.and Lackey,K.,J.Org.Ch
em.,(1990),55,4904−4991)によって説明された手順を
用いてホスホラミドエートを生じることができ、硫黄元素によってホスホラミド
チオエートを生じることができる。
【0108】
【化10】 スキーム3に示したように、式(v)のホスファイトは、テトラゾールの存在
のもとで、式(iii)のホスホラミドアイトをアルコールまたはフェノールで
処理することによって調製することができる。1H−テトラゾールを用いるホス
ホラミドアイトからホスファイトへの転化は、Beaucage,S.L.an
d Iyer,R.P.,Tetrahedron,(1993),49,61
23−6194;Reese,C.B.,Tetrahedron,(1978
),34,3143−3179;Liu,J.and Verdine,G.L
.Tetrahedron Lett.,(1992),33,4265−42
68;Zaho,K.and Landry,D.W.,Tetrahedro
n Lett.,(1993),49,363−368に記載されている。ホス
ホラミドアイトからホスファイトへの転化のために用いることができるその他の
活性化剤には、テトラゾール類の活性化剤の追加メンバー:5−(p−ニトロフ
ェニル)テトラゾール(Froehler,B.C.and Mattcucc
i,M.D.,Tetrahedron Letters(1983),24,
3171−3174);5−(p−ニトロフェニル)テトラゾールおよびDMA
P(Pon,R.T.,Tetrahedron Letters(1987)
,28,3643−3646);および5−(エチルチオ)−1H−テトラゾー
ル(Wright,P.et al.,Tetrahedron Letter
s(1993),34,3373−3376)が挙げられるが、それらに限定さ
れない。テトラゾール類の活性化剤に加えて、以下の活性化剤が用いられている
:トリフルオロ酢酸N−メチルアニリン(Fourrey,J.L.and V
arenne,J.,Tetrahedron Letters(1984),
25,4511−4514);トリクロロ酢酸N−メチルアニリニウム(Fou
rrey,J.L.et al.,Tetrahedron Letters(
1987),28,1769−1772);スルホン酸1−メチルイミダゾール
トリフルオロメタン(Arnold,L.et al.,Collect.Cz
ech.Chem.Commun.(1989),54,523−532);1
−メチルイミダゾールHCl、5−トリフルオロメチル−1H−テトラゾール、
N,N−ジメチルアニリンHCl、およびN,N−ジメチルアミノピリジンHC
l(Hering,G.et al.,Nucleosides and Nu
cleotides(1985),4,169−171)。
【0109】
【化11】 スキーム4に示したように、式(v)のホスファイトを式(vi)のホスフェ
ートまたはチオホスフェート(式中、Zは、各々、OまたはSである)に酸化す
ることができる。ホスファイトからホスフェートへの酸化は、t−ブチルヒドロ
パーオキサイド(Hecker,S.J.,Minich,M.L.and L
ackey,K.,J.Org.Chem.,(1990),55,4904−
4911)および過酸化水素(Martin,S.F.and Josey,J
.A.,Tetrahedron Lett.,(1988),29,3631
−3634)などの過酸を用いて達成することができる。用いることができるそ
の他の酸化剤には、低温のテトラヒドロフラン水溶液中のヨウ素(Lestin
ger,R.L.and Lunsford,W.B.,J.Am.Chem.
Soc.,(1976),98,3655)が挙げられる。ホスファイトからの
チオホスフェートの生成は、硫黄元素を用いて行うことができる(Bruzik
,K.S.,Salamonczyk,G.and Stec,W.J.,J.
Org.Chem.,(1986),51,2368−2370;Stec,W
.J.,Grajkowski,A.,Koziolkiewicz,M.an
d Uznanski,B.,Nucleic Acid Res.,(199
1),19,5883−5888;Martin,S.F.and Wagma
n,A.S.,J.Org.Chem.,(1993),58,5897−58
99)。
【0110】 スキーム1〜4に記載したプロセスにおいて、式(i)のC−14位における
ヒドロキシ基は、保護しなければならないこともあるし、保護する必要がないこ
ともある。保護する場合、適する保護基には、ジメチルテキシルシリル、トリ(
低級)アルキルシリル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリブ
チルシリル、トリ−i−プロピルシリル、t−ブチル−ジメチルシリル、トリ−
t−ブチルシシル、トリフェニルメチル−ジメチルシリルなど);低級アルキル
ジアリールシリル(例えば、メチル−ジフェニルシリル、エチル−ジフェニルシ
リル、プロピル−ジフェニルシシル、t−ブチル−ジフェニルシリルなど)など
;トリアリールシリル(例えば、トリフェニルシリル、トリ−p−キシリルシリ
ルなど);トリアリールアルキルシリル(例えば、トリベンジルシリルなど)な
どの三置換シリルなどが挙げられるが、それらに限定されない。これらの三置換
シリルの中で好ましいものは、トリ(C〜C)アルキルシリルおよびC
アルキルジフェニルシリルであり、最も好ましいものは、t−ブチルジメチ
ルシリルである。適するo−シリル化は、多種多様な有機ケイ素化合物試薬を用
いて行うことができ、この有機ケイ素化合物試薬には、塩化t−ブチルジメチル
シリル、N−(t−ブチルジメチルシリル)−N−メチルトリフルオロアセトア
ミド(Mawhinney,T.,and Madison,M.A.,J.O
rg.Chem.,(1982),47,3336)、t−ブチルコロロジフェ
ニルシラン(Hanessian,S.and Lavallee,P,Can
.J.Chem.,(1975),63,2975)、トリフルオロメタンスル
ホン酸t−ブチルジメチルシリル(Mander,L.N.and Sethi
,S.P.,Tetrahedron Lett.,(1984),25,59
53)、塩化ジメチルテキシルシリルまたはトリフルオロメタンスルホン酸ジメ
チルテキシルシリル(Wetter,H.and Oertle,K.,Tet
rahedron Lett.,(1985),26,5515)、1−(t−
ブチルジメチルシリル)−イミダゾールなどが挙げられるが、それらに限定され
ない。カーボネートヒドロキシ保護基を用いることができ、これらは、クロロギ
酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸2,2,2−トリクロロエチル、クロ
ロギ酸イソブチル、クロロギ酸ビニル、クロロギ酸アリル、p−メトキシベンジ
ル、3,4−ジメチルベンジル、p−ニトロベンジルなどのクロロギ酸ベンジル
またはクロロギ酸置換ベンジル、クロロギ酸2−(トリメチルシリル)エチル、
クロロギ酸2−(ベンゼンスルホニル)エチル、塩化2−(トリメチルシリル)
エトキシメチルなどの多種多様な対応するハロカーボネート化合物を用いて導入
することができる。これらの条件のもとで、ピリジン、トリエチルアミン、イミ
ダゾール、ジイソプロピルエチルアミンなどの多様な第三塩基を用いることがで
きる(Tetrahedron Lett.,(1980),21,3343;
同文献(1981),22,3367;同文献(1981),22,969;同
文献(1981),22,1933)。
【0111】 スキーム1〜4に記載したプロセスにおいて、式(i)のC−14ヒドロキシ
基を上記シリル基の一つによって保護する時、脱保護に適する試薬には、アセト
ニロリル中のフッ化水素水溶液(Newton,R.F.,Reynolds,
D.P.,Finch,M.A.W.,Kelly,D.R.and Robe
rts,S.M.Tetrahedron Lett.,(1979),389
1)、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラアルキルアンモニウム(Corey
,E.J.and Snider,B.B.J.Am.Chem.Soc.,(
1972),94,2549,Corey,E.J.and Venkates
warlu,A.J.Am.Chem.Soc.,(1972),94,619
0)またはアセトニトリル中の塩化テトラアルキルアンモニウム−フッ化カリウ
ム(Carpino,L.A.and Sau,A.C.J.Chem.Soc
.,Chem.Commun.(1979),514;Hurst,D.T.a
nd MaInnes,A.G.Can.J.Chem.,(1965),43
,2004)、メタノール中のクエン酸(Bundy,G.L.and Pet
erson.D.C.Tetrahedron Lett.,(1978),4
1)、酢酸:水(3:1)(Corey,E.J.and Varma,R.K
.J.Am.Chem.Soc.,(1971),93,7319)、メタノー
ル中のDowex 50W−X8(Corey,E.J.and Ponder
.J.W.and Ulrich,P.,Tetrahedron Lett.
,(1980),21,137)、クロロホルム中の三フッ化ホウ素エーテラー
ト(Kelly,D.R.,Roberts,M.S.and Newton,
R.F.,Synth.Commun.(1979),9,295)、メタノー
ル性フッ化水素(Hanessian,S.and Lavallee.P.C
an.J.Chem.,(1975),53,2975;同著同文献(1977
),55,562)、およびテトラヒドロフラン中のフッ化ピリジニウム(Ni
colaou,K.C.,Seitz,S.P.,Pavia,M.R.and
Petasis,N.A.J.Org.Chem.,(1979),44,4
011);エタノール中のp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(Prakas
h,C.,Saleh,S.and Blair,I.A.Tetrahedr
on Lett.,(1989),30,19);ジメチルスルホキシド中のN
−ブロモスクシンイミド(Batten,R.J.,Dixon,A.J.,T
aylor,R.J.K.and Newton,R.F.,Synthesi
s,(1980),234);または触媒量のトリメチルシリルトリフレートの
存在下でのテトラエチルジボロキサン(Dahlhoff,W.V.and T
aba,K.M.,Synthesis,(1986),561)が挙げられる
が、それらに限定されない。
【0112】 スキーム1〜4に記載の反応および添付の実施例は、炭素中心において反対の
立体配置を有する出発原料を用いて行うこともできる。この状況では、エピマー
のヒドロキシル部分を有する出発原料を生じるために、以下のの二つの追加段階
が必要である。すなわち、(1)アルコールをその対応するケトンに酸化する段
階、(2)得られたケトンを選択的条件下で還元する段階。(R)または(S)
立体配置のいずれかを有する両方のキラル中心を選択的におよび別々に得ること
ができる。
【0113】 本発明の説明を目的とし、本発明の範囲を制限するためのものではない以下の
実施例との関連で、本発明の化合物、方法および使用をよりよくご理解いただけ
るであろう。以下においても、明細書全体においても、文献についての引用は、
特別に、引例として包含するつもりである。
【0114】
【発明の実施の形態】
実施例1 (1R,9S,12S,13S,14S,17R,21S,23S,24R,
25S,27R)−14−{[t−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−12
−[(E)−2−((1R,3R,4R)−4−{[t−ブチル(ジメチル)シ
リル]オキシ}−3−メトキシシクロヘキシル)−1−メチルエテニル]−17
−エチル−1−ヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.
4.9]オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトロン 乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(500mL)中のアスコマイシン(25
g、0.032mol)およびイミダゾール(43.03g、0.64mol)
の溶液にt−ブチルジメチルクロロシラン(47.64g、0.32mol)を
少しずつ添加して処理し、周囲温度で24時間撹拌した。N,N−ジメチルホル
ムアミドおよび過剰のt−ブチルジメチルクロロシランを高真空下の蒸発(35
℃水浴)によって除去した。固体残留物を350mLの酢酸エチルに溶解し、酢
酸エチル相を飽和NHCl溶液(200mL x 3)、10%NaHSO 溶液(200mL x 3)、ブライン、飽和NaHCO溶液(200mL
x 3)、ブライン(200mL x 3)で順次洗浄して、乾燥した(MgS
)。溶媒を真空下で除去し、固体残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに
よって精製し、続いてヘキサン中5%のアセトンで溶離するHPLCによって精
製して、表題化合物(27g)を収率84%で生じた。 MS(FAB)m/z:M+K=1058。
【0115】 実施例2 (1R,9S,12S,13S,14S,17R,21S,23S,24R,
25S,27R)−14−{[t−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−17
−エチル−1−ヒドロキシ−12−{(E)−2−[(1R,3R,4R)−4
−ヒドロキシ−3−メトキシシクロヘキシル]−1−メチルエテニル}−23,
25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオ
キサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン
−2,3,10,16−テトロン 48%フッ化水素水溶液(5mL)をアセトニトリル(500mL)中の実施
例1からの生成物(32g、0.031mol)で処理し、続いて周囲温度で9
0分間撹拌した。反応混合物を表浴内で0℃に冷却し、撹拌しながら1時間、固
体NaHCOで処理した。個体を濾過によって除去し、アセトニトリルを真空
下で除去した。残留物を酢酸エチル(500mL)を用いて吸収し、10%Na
HCO溶液(300mL x 3)、ブライン(250mL)、10%NaH
SO溶液(300mL x 3)、ブライン(350mL x 3)で順次洗
浄して、乾燥した(NaSO)。溶媒を蒸発させることによって、35gの粗
表題化合物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、
続いてヘキサン中25%のアセトンで溶離するHPLCによって精製して、24
.28g(85%)の表題化合物を生じた。 MS(FAB)m/z:M+K=844。
【0116】 実施例3 (1R,2R,4R)−4−[(E)−2−((1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−14−{[t
−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−17−エチル−1−ヒドロキシ−23
,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−2,3,10,
16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.
1.04.9]オクタコス−18−エン−12−イル)−1−プロペニル]−2
−メトキシシクロヘキシルメチルジイソプロピルホスホラミドアイト 周囲温度の塩化メチレン(20mL)中の実施例2からの生成物(1.81g
、2mmol)の溶液をジイソプロピルエチルアミン(0.42mL、2.4m
mol)およびメチルジイソプロピルホスホラミドクロリドアイト(0.39m
L、2mmol)で順次処理した。周囲温度で5分間撹拌した後、溶媒を除去し
、残留物を高真空下で2時間乾燥した。乾燥残留物をさらに精製することなく用
いた。
【0117】 実施例4 (1R,2R,4R)−4−[(E)−2−((1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−14−{[t
−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−17−エチル−1−ヒドロキシ−23
,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−2,3,10,
16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.
1.04.9]オクタコス−18−エン−12−イル)−1−プロペニル]−2
−メトキシシクロヘキシル2−シアノエチルジイソプロピルホスホラミドアイト 周囲温度の塩化メチレン(20mL)中の実施例2からの生成物(1.81g
、2mmol)の溶液をジイソプロピルエチルアミン(0.42mL、2.4m
mol)および2−シアノエチルジイソプロピルホスホラミドクロリドアイト(
0.446mL、2mmol)で順次処理した。5分間撹拌した後、溶媒を除去
し、残留物を高真空下で2時間乾燥した。乾燥残留物をさらに精製することなく
用いた。
【0118】 実施例5 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル4−ピリジニ
ルメチルホスフェート 窒素雰囲気下のテトラヒドロフラン:アセトニトリル(1:1)(40mL)
中の実施例3からの生成物(2.135g、2mmol)の溶液を、撹拌しなが
ら30分間、4−ピリジニルメタノール(323mg、3mmol)および1H
−テトラゾール(70mg、1mmol)で処理した。TLC(溶媒使用、ヘキ
サン中40%のアセトン)によると、この間に出発原料が消費された。t−ブチ
ルヒドロパーオキサイド(0.09mL、3mmol、ヘキサン溶液中)を反応
混合物に直接添加し、一晩撹拌させた。溶媒を除去して、残留物を酢酸エチル(
50mL)に溶解し、10%NaHCO溶液、ブラインで迅速に洗浄して、乾
燥した(MgSO)。乾燥するまで蒸発させた後、粗残留物(2.21g)を
、ヘキサン中40%のアセトン、続いて塩化メチレン中5%のメタノールで溶離
するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、812mgの生成
物(MS(FAB)m/z:M+K=1129)を得た。アセトニトリル中の
前記精製生成物の溶液(40mL)を、撹拌しながら5時間、48%フッ化水素
酸溶液(4mL)で処理した。飽和NaHSO溶液(20mL)を用いて反応
混合物の反応を停止し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル相を
飽和NaHSO溶液(40mL x 3)、ブライン(40mL x 3)で
順次洗浄して、乾燥した。残留物を逆相(C−18)高速液体クロマトグラフィ
ーによって精製して、表題化合物(223mg)を生じた。
【0119】
【化12】 元素分析−C507715P1CFCOOH2HOから算定した
理論値:C,55.40;H,7.33;N,2.48。測定値:C,55.7
6;H,7.24;N,2.03。
【0120】 実施例6 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル3−ピリジニ
ルメチルホスフェート 実施例3からの生成物、3−ピリジニルメタノール(323mg、3mmol
)、および実施例5に記載した手順を用いて、表題化合物を生じた。
【0121】
【化13】 元素分析−C507715P2CFCOOHから算定した理論値:
C,53.81;H,6.60;N,2.32。測定値:C,53.65;H,
6.48;N,2.33。
【0122】 実施例7 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル2−ピリジニ
ルメチルホスフェート 実施例3からの生成物、2−ピリジニルメタノール(323mg、3mmol
)、および実施例5に記載した手順を用いて、表題化合物を生じた。
【0123】
【化14】 元素分析−C507715P1.5CFCOOHから算定した理論
値:C,55.44;H,6.89;N,2.43。測定値:C,55.57;
H,7.07;N,2.09。
【0124】 実施例8 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシル2−フリルメチルメ
チルホスフェート 実施例3からの生成物、2−フリルメタノール(259μL、3mmol)、
および実施例5に記載した手順を用いて、表題化合物を生じた。
【0125】
【化15】 元素分析−C497616P1.5HOから算定した理論値:C,
59.26;H,8.10;N,1.41。測定値:C,59.11;H,7.
96;N,1.49。
【0126】 実施例9 ベンジル(1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S
,13R,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17
−エチル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,2
1,27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジ
オキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エ
ン−12−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチルホス
フェート 実施例3からの生成物、フェニルメタノール(0.310mL、3mmol)
、および実施例5に記載した手順を用いて、表題化合物を生じた。
【0127】
【化16】 元素分析−C5178NO15Pから算定した理論値:C,62.75;H
,8.05;N,1.43。測定値:C,62.38;H,7.92;N,1.
41。
【0128】 実施例10 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシル3−フリルメチルメ
チルホスフェート 実施例3からの生成物、3−フリルメタノール(258mL、3mmol)、
および実施例5に記載した手順を用いて、表題化合物を生じた。
【0129】
【化17】
【0130】 実施例11 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル3−チエニル
メチルホスフェート 実施例3からの生成物(1.067g、1mmol)、3−チエニルメタノー
ル(142μL、1.5mmol)、および実施例5に記載した手順を用いて、
表題化合物(61.6mg)を生じた。
【0131】
【化18】 元素分析−C4976NO15PSから算定した理論値:C,59.92;
H,7.79;N,1.42。測定値:C,59.77;H,7.94;N,1
.36。
【0132】 実施例12 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシル4−フルオロベンジ
ルメチルホスフェート 実施例3からの生成物、(4−フルオロフェニル)メタノール、および実施例
5に記載した手順を用いて、表題化合物を生じた。
【0133】
【化19】 元素分析−C5177FNO15P0.5HOから算定した理論値:C,
61.06;H,7.83;N,1.39。測定値:C,61.08;H,8.
05;N,1.40。
【0134】 実施例13 (1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)
メチル(1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,1
3R,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エ
チル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,
27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキ
サ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−
12−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチルホスフェ
ート 実施例3からの生成物、2−(ヒドロキシメチル)−1H−インドール−1,
3(2H)−ジオン、および実施例5に記載した手順を用いて、表題化合物を生
じた。
【0135】
【化20】
【0136】 実施例14 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル4−ニトロベ
ンジルホスフェート 実施例3からの生成物、(4−ニトロフェニル)メタノール、および実施例5
に記載した手順を用いて、表題化合物を生じた。
【0137】
【化21】 元素分析−C517717Pから算定した理論値:C,59.98;
H,7.60;N,2.74。測定値:C,59.92;H,7.56;N,2
.76。
【0138】 実施例15 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチルジイソプロピ
ルホスホラミドエート (Hecker,S.J.,Minich,M.L.and Lackey,
K.,J.Org.Chem.,(1990),55,4904)に記載されて
いる方法に従って、実施例3からの生成物を酸化し、逆相高速液体クロマトグラ
フィーによって精製した。
【0139】
【化22】 元素分析−C508514P0.75HOから算定した理論値:C
,61.11;H,8.87;N,2.85。測定値:C,61.29;H,9
.15;N,2.56。
【0140】 実施例16 2−シアノエチル(1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S
,12S,13R,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R
)−17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,
19,21,27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,
28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−
18−エン−12−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルジ
イソプロピルホスホラミドエート (Hecker,S.J.,Minich,M.L.and Lackey,
K.,J.Org.Chem.,(1990),55,4904)に記載されて
いる方法に従って、実施例4からの生成物を酸化し、逆相高速液体クロマトグラ
フィーによって精製した。
【0141】
【化23】 元素分析−C528614P1.0HOから算定した理論値:C,
60.85;H,8.64;N,4.09。測定値:C,60.90;H,8.
73;N,3.88。
【0142】 実施例17 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシル3−ヨードフェニル
メチルホスフェート 実施例3からの生成物(1.067g,1mmol)、(3−ヨードフェニル
)メタノール(330mg、1.5mmol)、および実施例5に記載した手順
を用いて、表題化合物(280.5mg)を生じた。
【0143】
【化24】 元素分析−C5075NO15PIから算定した理論値:C,55.19;
H,6.94;N,1.28。測定値:C,55.08;H,6.95;N,1
.24。
【0144】 実施例18 2−(アセチルアミノ)エチル(1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[
(1R,9S,12S,13R,14S,17R,21S,23S,24R,2
5S,27R)−17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメト
キシ−13,19,21,27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオ
キソ−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9
オクタコス−18−エン−12−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシク
ロヘキシルメチルホスフェート 実施例3からの生成物、N−(2−ヒドロキシエチル)アセトアミド、および
実施例5に記載した手順を用いて、表題化合物を生じた。
【0145】
【化25】
【0146】 実施例19 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル2−(4−モ
ルホリニル)エチルホスフェート 窒素雰囲気下、テトラヒドロフラン:アセトニトリル(1:1)(20mL)
中の実施例3からの生成物(1.067g、1mmol)の溶液を、2−(4−
モルホリニル)−1−エタノール(182mL、1.5mmol)および1H−
テトラゾール(35mg、0.5mmol)で処理して、50分間撹拌した。T
LC(溶媒使用:ヘキサン中40%のアセトン)によると、この間に出発原料が
消費された。t−ブチルヒドロパーオキサイド(0.081mL、2mmol、
ヘキサン中3M)を反応混合物に直接添加し、周囲温度で2時間撹拌した。溶媒
を除去して、残留物を酢酸エチル(50mL)に溶解し、10%炭酸水素ナトリ
ウム、ブラインで迅速に洗浄して、乾燥した(MgSO)。得られた生成物(
886.6mg)をアセトニトリル(50mL)に溶解し、3mLの48%フッ
化水素酸で処理した。周囲温度で3時間撹拌した後、ウエットアイス、酢酸エチ
ル(100mL)、および10%炭酸水素ナトリウム(20mL)を、順次、冷
却した反応混合物に注意深く添加した。相を分離し、水性相を酢酸エチル(50
mL)で抽出した。混合酢酸エチル相を、10%炭酸水素ナトリウム、ブライン
で順次洗浄して、乾燥した(MgSO)。溶媒を蒸発させた後、高真空下で乾
燥して、650.8mgの粗生成物を生じた。80%−水−20%−アセトニト
リル−0.1%−トリフルオロ酢酸からアセトニトリル−0.1%−トリフルオ
ロ酢酸の傾斜で溶離する逆相高速液体クロマトグラフィーによって粗残留物を精
製して、表題化合物(152.1mg)を生じた。
【0147】
【化26】 元素分析−C508316P1.5CFCOOHから算定した理論
値:C,54.39;H,7.27;N,2.39。測定値:C,54.47;
H,7.27;N,2.40。
【0148】 実施例20 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル2−(1−ピ
ロリジニル)エチルホスフェート 実施例3からの生成物(1.067g、1mmol)、2−(1−ピロリジニ
ル)−1−エタノール(175.4μL、1.5mmol)、および実施例19
に記載した手順を用いて、表題化合物(122.3mg)を生じた。
【0149】
【化27】 元素分析−C508315P1.5CFCOOHから算定した理論
値:C,55.15;H,7.37;N,2.42。測定値:C,54.98;
H,7.36;N,2.45。
【0150】 実施例21 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシル4−フルオロフェニ
ルメチルホスフェート 実施例3からの生成物、4−フルオロフェノール、および実施例5に記載した
手順を用いて、表題化合物を生じた。
【0151】
【化28】 元素分析−C5075FNO15P0.5HOから算定した理論値:C,
60.71;H,7.74;N,1.41。測定値:C,60.73;H,7.
44;N,1.12。
【0152】 実施例22 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシル4−ホルミルフェニ
ルメチルホスフェート 窒素雰囲気下、テトラヒドロフラン:アセトニトリル(1:1)(30mL)
中の実施例3からの生成物(1.600g、1.5mmol)の溶液を、4−ヒ
ドロキシベンズアルデヒド(274.8mg、2.25mmol)および1H−
テトラゾール(52.5mg、0.75mmol)で処理した。30分間撹拌し
た後、t−ブチルヒドロパーオキサイド(0.122mL、3mmol、2,2
,4−トリメチルペンタン中)を反応混合物に直接添加し、周囲温度で一晩撹拌
させた。溶媒を除去して、残留物を酢酸エチル(50mL)に溶解し、10%炭
酸水素ナトリウム、ブラインで迅速に洗浄して、乾燥した(MgSO)。粗生
成物(1.68g)をアセトニトリル(45mL)に溶解し、48%フッ化水素
酸(1.5mL)で処理した。30分撹拌した後、混合物を冷却し、酢酸エチル
および冷10%硫酸水素ナトリウムを、反応混合物に注意深く添加した。相を分
離し、水性相を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。混合酢酸エチル相を、
10%硫酸水素ナトリウム、ブラインで順次洗浄して、乾燥した(MgSO
。乾燥するまで溶媒を蒸発させて、1.26gの粗生成物を生じた。残留物を、
ヘキサン中30%のアセトンで溶離する逆相高速液体クロマトグラフィーによっ
て精製して、表題化合物(586mg)を生じた。
【0153】
【化29】 元素分析−C5176NO16Pから算定した理論値:C,61.86;H
,7.73;N,1.41。測定値:C,61.53;H,8.03;N,1.
47。
【0154】 実施例23 4−アセチルフェニル(1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,
9S,12S,13R,14S,17R,21S,23S,24R,25S,2
7R)−17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−1
3,19,21,27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−1
1,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコ
ス−18−エン−12−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシ
ルメチルホスフェート 実施例3からの生成物、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−エタノン、お
よび実施例5に記載した手順を用いて、表題化合物を生じた。
【0155】
【化30】 元素分析−C5278NO16P0.5HOから算定した理論値:C,6
1.84;H,7.85;N,1.38。測定値:C,61.54;H,7.8
5;N,1.41。
【0156】 実施例24 ジエチル(1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S
,13R,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17
−エチル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,2
1,27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジ
オキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エ
ン−12−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルホスフェー
ト 0℃のベンゼン(8mL)中のアスコマイシン(474mg、0.6mmol
)およびトリエチルアミン(0.250mL、1.8mmol)の溶液を、ジエ
チルクロロホスフェート(0.250mL、1.8mmol)で処理し、続いて
4−ジメチルアミノピリジン(15mg、0.12mmol)で処理した。反応
混合物を0℃で15分間撹拌し、放置して周囲温度に温めて、一晩撹拌した。1
0%NaHSO(20mL)を用いて反応混合物の反応を停止し、酢酸エチル
(40mL)で分配した。有機相を10%NaHSO(20mL、x2)、飽
和NaHCO(20mL、x2)、ブライン(20mL、x2)で順次洗浄し
て、乾燥した(NaSO)。乾燥するまで蒸発させた後、粗残留物(632
mg)を、CHCN:10%CHOH/HOの傾斜で溶離する1”フェニ
ルカラムを用いる逆相HPLC(Delta Prep)によって精製した(プ
ログラム:35分間にわたって、30%から70%の10%メタノール/水;2
15 lにおいてピークを採取;注入数=3、流速35mL/分)。ピーク採取
物を冷凍乾燥して、表題化合物化合物(140mg、25%)を生じた。
【0157】
【化31】 元素分析−C4778NO15Pから算定した理論値:C,60.82;H
,8.47;N,1.50。測定値:C,60.43;H,8.59;N,1.
38。
【0158】 実施例25 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルジフェニルホスフェ
ート ベンゼン(10mL)中のアスコマイシン(500mg、0.63mmol)
およびトリエチルアミン(0.175mL、1.26mmol)の溶液をジフェ
ニルクロロホスフェート(0.265mL、1.26mmol)で処理し、続い
て4−ジメチルアミノピリジン(10mg、0.082mmol)で処理した。
反応混合物を0℃で15分間撹拌し、放置して周囲温度に温めて、一晩撹拌した
。10%NaHSO(20mL)で反応混合物の反応を停止し、酢酸エチル(
40mL)で分配した。有機相を10%NaHSO(20mL、x2)、飽和
NaHCO(20mL、x2)、ブライン(20mL、x3)で順次洗浄して
、乾燥した(NaSO)。乾燥するまで蒸発させた後、CHCN:10%
CHOH/HOの傾斜で溶離する2”フェニルカラムを用いる逆相HPLC
(Delta Prep)によって粗残留物(583mg)を精製した(プログ
ラム:55分間にわたって60%から0%の10%メタノール/水;215 l
でピークを採取:注入数=7)。ピーク採取物を冷凍乾燥して、表題化合物を生
じた(105g、16%)。
【0159】
【化32】 元素分析−C5578NO15P0.75HOから算定した理論値:C,
63.66;H,7.72;N,1.34。測定値:C,63.86;H,7.
84;N,1.05。
【0160】 実施例26 (1R,9S,12S,13R,14S,17R,21S,23S,24R,
25S,27R)−17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメ
トキシ−12−{(E)−2−[(1R,3R)−3−メトキシ−4−オキソシ
クロヘキシル]−1−メチルエテニル}−13,19,21,27−テトラメチ
ル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オ
クタコス−18−エン−2,3,10,16−テトロン 塩化オキサリル(0.32g)を4mLの塩化メチレン中のジメチルスルホキ
シド(0.44g)の溶液に添加することによって、硫化メチル−塩素複合体を
調製し、−70℃で30分間撹拌した。複合体の溶液を、−70℃で5mLの塩
化メチレン中のアスコマイシン(1.6g)の撹拌溶液にゆっくりと添加した。
30分間撹拌した後、トリエチルアミン(1.4g)を添加し、混合物をさらに
30分間−70℃で撹拌させた。その後、反応混合物を放置して室温に温め、続
いてさらに1時間撹拌した。反応混合物を100mLのエーテルで希釈し、1N
−HCl水溶液(30mLx2)、ブライン(30mL)で洗浄して、無水硫酸
マグネシウムを用いて乾燥し、真空下で溶媒を除去した。エーテルで溶離するシ
リカゲル70gを用いて粗生成物を精製して、0.95gの表題化合物を得た。 MS(FAB)m/z:(M+H)=790。
【0161】 実施例27 (1R,9S,12S,13R,14S,17R,21S,23S,24R,
25S,27R)−17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−12−{(E)−
2−[(1R,3R,4S)−4−ヒドロキシ−3−メトキシシクロヘキシル]
−1−メチルエテニル}−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−
テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.0 4.9 ]オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトロン 水素化トリ−n−ブトキシアルミニウムリチウム(0.2mL、THF中iM
)を、−70℃、窒素雰囲気下で、1mLの無水THF中の実施例15からの生
成物(0.058g)の撹拌溶液に、ゆっくりと添加した。−70℃で3時間撹
拌した後、混合物を50mLのエーテルと10mLの1N−HClの間で分配し
た。エーテラール溶液をブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥
した。溶媒としてヘキサン中35%のアセトンを用いる分取TLCによって、得
られた粗生成物を精製して、0.025gの表題化合物を生じた。 MS(FAB)m/z:(M+H)=830。
【0162】 実施例27からの生成物および実施例1〜25に記載した手順を用いて、R が−OP(O)ABであり、Rが水素であるホスフェート類似体を調製するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/10 A61P 17/10 17/14 17/14 37/00 37/00 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 AA03 CA03 DA37 DA38 MA04 MA52 MA55 NA06 NA14 ZA89 ZA92 ZB07 ZB13 ZB35 4H050 AB20

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I: 【化1】 (式中、 nは、1〜3の整数であり、 Rは、 (1)メチル、 (2)エチル、 (3)プロピル、および (4)アリル から成る群から選択され; RおよびRは、独立して、 (1)水素、および (2)OR(この場合、Rは、 a)水素、および b)ヒドロキシ保護基から成る群から選択される) から成る群から選択されるか、または RおよびRは、一緒になって、 (1)オキソ、および (2)チオキソ から成る群から選択され; Rは、 (1)水素、および (2)OR(この場合、Rは、前に定義されている) から成る群から選択され; RおよびRは、独立して、 (1)水素、および (2) 【化2】 (この場合、 Zは、OおよびSから成る群から選択され; Aは、 (a)NR8081、 (ここで、R80およびR81は、独立して、 (i)アルキル、および (ii)アリールアルキルから成る群から選択される) (b)モルホリン、 (c)チオモルホリン、および (d)OR、 (ここで、Rは、 (i)アルケニル、 (ii)アルキル、 (iii)アルキニル、 (iv)アリール、 (v)アリールアルキル、 (vi)シクロアルキル、 (vii)シクロアルキルアルキル、 (viii)複素環、 (ix)複素環アルキル、 (x)NR8283アルキレン、 (ここで、R82およびR83は、独立して、 水素、 アルキルカルボニル、および ホルミルから選択されるが、但し、R82およびR83は、水素以外である) からなる群から選択され、 Bは、OR、 (ここで、Rは、 (1)アルキル、 (2)アリール、 (3)シアノアルキル、および (4)ハロアルキルから成る群から選択される)である)、から成る群から選
    択されるが、但し、 RおよびRの少なくとも一つは、水素以外であり;および 破線は、任意の二重結合の存在を表わすが、但し、RがORであり、この
    場合のRが水素である時、二重結合は存在しない) に従う化合物または医薬品として許容され得るその塩、エステル、アミドまたは
    プロドラッグ。
  2. 【請求項2】 式II: 【化3】 の請求項1に記載の化合物、または医薬品として許容され得るその塩、エステ
    ル、アミドまたはプロドラッグ。
  3. 【請求項3】 Rが、 【化4】 であり;および Rが水素である、請求項2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 Aが、NR8081(式中、R80およびR81は、独立
    して、アルキルから成る群から選択される)であり;および Bが、OR(式中、Rは、アルキルおよびシアノアルキルから成る群から
    選択される)である、請求項3に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S
    ,12S,13R,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R
    )−17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,
    19,21,27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,
    28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−
    18−エン−12−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメ
    チルジイソプロピルホスホラミドエート、および 2−シアノエチル(1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S
    ,12S,13R,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R
    )−17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,
    19,21,27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,
    28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−
    18−エン−12−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルジ
    イソプロピルホスホラミドエート から成る群から選択される、請求項4に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 Aが、OR(式中、Rは、複素環アルキルから成る群か
    ら選択される)であり;および Bが、OR(式中、Rは、アルキルおよびシアノアルキルから成る群から
    選択される)である、請求項3に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 複素環が、フラン、イソインドリン、イソオキサゾリン、モ
    ルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピリジン、ピリミジン、ピロリジン、チオ
    モルホリン、チオモルホリンスルホン、およびチオフェンから成る群から選択さ
    れる、請求項6に記載の化合物。
  8. 【請求項8】 複素環が、フラン、イソインドリン、モルホリン、ピリジン
    、ピロリジン、およびチオフェンから成る群から選択される、請求項6に記載の
    化合物。
  9. 【請求項9】 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S
    ,12S,13R,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R
    )−17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,
    19,21,27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,
    28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−
    18−エン−12−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメ
    チル4−ピリジニルメチルホスフェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
    ,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
    −1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
    −テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
    4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
    −イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル3−ピリジニ
    ルメチルホスフェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
    ,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
    −1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
    −テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
    4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
    −イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル2−ピリジニ
    ルメチルホスフェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
    ,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
    −1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
    −テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
    4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
    −イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシル2−フリルメチルメ
    チルホスフェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
    ,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
    −1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
    −テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
    4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
    −イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシル3−フリルメチルメ
    チルホスフェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
    ,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
    −1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
    −テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
    4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
    −イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル3−チエニル
    メチルホスフェート、 (1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)
    メチル(1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,1
    3R,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エ
    チル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,
    27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキ
    サ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−
    12−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチルホスフェ
    ート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
    ,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
    −1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
    −テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
    4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
    −イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル2−(4−モ
    ルホリニル)エチルホスフェート、および (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
    ,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
    −1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
    −テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
    4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
    −イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル2−(1−ピ
    ロリジニル)エチルホスフェート から成る群から選択される、請求項8に記載の化合物。
  10. 【請求項10】 Aが、OR(式中、Rは、アリールおよびアリールア
    ルキルから成る群から選択される)であり;および Bが、OR(式中、Rは、アルキルおよびシアノアルキルから成る群から
    選択される)である、請求項3に記載の化合物。
  11. 【請求項11】 ベンジル(1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(
    1R,9S,12S,13R,14S,17R,21S,23S,24R,25
    S,27R)−17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキ
    シ−13,19,21,27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキ
    ソ−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オ
    クタコス−18−エン−12−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロ
    ヘキシルメチルホスフェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
    ,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
    −1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
    −テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
    4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
    −イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシル4−フルオロベンジ
    ルメチルホスフェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
    ,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
    −1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
    −テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
    4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
    −イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルメチル4−ニトロベ
    ンジルホスフェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
    ,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
    −1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
    −テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
    4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
    −イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシル3−ヨードフェニル
    メチルホスフェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
    ,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
    −1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
    −テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
    4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
    −イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシル4−フルオロフェニ
    ルメチルホスフェート、 (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
    ,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
    −1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
    −テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
    4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
    −イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシル4−ホルミルフェニ
    ルメチルホスフェート、および 4−アセチルフェニル(1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,
    9S,12S,13R,14S,17R,21S,23S,24R,25S,2
    7R)−17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−1
    3,19,21,27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−1
    1,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコ
    ス−18−エン−12−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシ
    ルメチルホスフェート から成る群から選択される、請求項10に記載の化合物。
  12. 【請求項12】 Aが、OR(式中、Rは、NR8283アルキレン
    である)であり;および Bが、OR(式中、Rは、アルキルおよびシアノアルキルから成る群から
    選択される)である、請求項3に記載の化合物。
  13. 【請求項13】 2−(アセチルアミノ)エチル(1R,2R,4R)−4
    −{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R,14S,17R,21S,
    23S,24R,25S,27R)−17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−
    23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−2,3,1
    0,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.
    3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12−イル]−1−プロペニル}
    −2−メトキシシクロヘキシルメチルホスフェートである、請求項12に記載の
    化合物。
  14. 【請求項14】 Aが、OR(式中、Rは、アリールおよびアリールア
    ルキルから成る群から選択される)であり;および Bが、OR(式中、Rは、アルキルおよびアリールから成る群から選択さ
    れる)である、請求項3に記載の化合物。
  15. 【請求項15】 ジエチル(1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(
    1R,9S,12S,13R,14S,17R,21S,23S,24R,25
    S,27R)−17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキ
    シ−13,19,21,27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキ
    ソ−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オ
    クタコス−18−エン−12−イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロ
    ヘキシルホスフェート、および (1R,2R,4R)−4−{(E)−2−[(1R,9S,12S,13R
    ,14S,17R,21S,23S,24R,25S,27R)−17−エチル
    −1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27
    −テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−11,28−ジオキサ−
    4−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]オクタコス−18−エン−12
    −イル]−1−プロペニル}−2−メトキシシクロヘキシルジフェニルホスフェ
    ート から成る群から選択される、請求項14に記載の化合物。
  16. 【請求項16】 治療に有効な量の請求項1に記載の化合物を製薬上許容さ
    れ得る担体と併せて含む、免疫調節薬に有用な医薬品組成物。
  17. 【請求項17】 治療に有効な量の請求項1の化合物を投与することを含む
    、そういった治療が必要な宿主動物における免疫系を抑制する方法。
  18. 【請求項18】 方法が、移植後の器官または組織の拒絶反応および自己免
    疫疾患を治療することから成る、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 移植後の器官または組織が、心臓、腎臓、肝臓、骨髄、皮
    膚、角膜、肺、膵臓、小腸(全体)、四肢、筋肉、神経、十二指腸、小腸(一部
    )、およびランゲルハンス島細胞を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 自己免疫疾患が、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎
    およびさらに進んだ湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性類
    天疱瘡、表皮水疱症、じんま疹、血管性浮腫、脈管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症
    、狼瘡、エリテマトーデス、アクネおよび円形脱毛症を含む、請求項18に記載
    の方法。
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