JPH0850705A - 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

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JPH0850705A
JPH0850705A JP20297394A JP20297394A JPH0850705A JP H0850705 A JPH0850705 A JP H0850705A JP 20297394 A JP20297394 A JP 20297394A JP 20297394 A JP20297394 A JP 20297394A JP H0850705 A JPH0850705 A JP H0850705A
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magnetic pole
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rail
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JP20297394A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Tachikawa
一彦 立川
Takeshi Sawake
剛 佐分
Shigenori Suzuki
茂徳 鈴木
Takashi Takiguchi
敬 瀧口
Michiyuki Suzuki
通之 鈴木
Toshiyuki Koketsu
敏幸 纐纈
Manabu Kakita
学 柿田
Shunsuke Haga
俊介 芳賀
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FDK Corp
Original Assignee
FDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実質的な上部磁極層と下部磁極層の幅を等し
くし、磁極層と浮上レールとの相対位置関係を正確に位
置決めすることができる薄膜磁気ヘッドを提供すること 【構成】 スライダ10の底面に形成する浮上レール1
1の平面形状をスライダの側辺に対して傾斜させる。ま
た、浮上レールに近接するスライダの前面所定位置には
磁気ヘッド素子12を形成する。そしてこの磁気ヘッド
素子形成部分を含む浮上レールの下面所定部位に凹部2
0を設け、磁気ヘッド素子を構成する上部磁極層17及
び下部磁極層15の両端を切除して両磁極層が積層方向
で一致する同一幅に形成する。係る幅がトラック幅とな
る。そして、浮上レールと凹部は、フォトリソを用いて
同時に形成されるため、各寸法形状も正確になるととも
に、相対位置関係も高精度に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜磁気ヘッド及びそ
の製造方法に関するもので、より具体的にはHDD用等
の浮上レール付きの磁気ヘッドにおけるその浮上レール
部分及びトラック幅決定構造・方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の浮上式の薄膜磁気ヘッドは、図1
0に示すように、スライダ1の前面に薄膜プロセスによ
り形成された磁気ヘッド素子部2が形成され、その表面
は所定の保護膜3により覆われて平坦化されている。ま
た、スライダ1の下面には、平行に延びる2本の直線状
の浮上レール4が形成されている。そして、一方の浮上
レール4の先端側に上記磁気ヘッド素子部2が位置する
ように調整されている。
【0003】一方、磁気ヘッド素子部2は、図11に拡
大して示すように、スライダ1の底面側にその磁極部5
が露出し、実際の使用時には記録媒体との間で磁気回路
が構成されて、データの読み書きが行なわれる。具体的
には、磁極部5は、スライダ1側の下部磁極層5aと、
その上方にギャップ層6を介して配置される上部磁極層
5bとを備えている。そして、両磁極層5a,5bの重
合部分がトラック幅となる。なお、磁気ヘッド素子部2
を構成する各層は、下側から順次積層形成するが、その
積層時に位置ずれを生じることがある。そこで、通常は
上部磁極層5bの幅を下部磁極層5aの幅よりも小さく
し、若干位置ずれしても下部磁極層5aから食み出ない
ようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の薄膜磁気ヘッドでは、以下に示す問題を有す
る。すなわち、高記録密度化にともない要求されるトラ
ック幅の長さも短くなり、例えば5μm程度となるとと
もに、要求される寸法精度も高くなる。
【0005】また、磁気特性等を考慮すると、本来的に
は上部磁極層5bと下部磁極層5aの幅は等しく、上下
に一致しているのが望ましい。すなわち、上述した如く
上部磁極層5bよりも下部磁極層5aの方が、その幅が
広いために側方に突出した状態となっている。したがっ
て、両層5a,5b間での磁束の流れを見ると、両層が
オーバーラップしている部分では、その面と直交する方
向に流れるものの、上記突出した部分では斜め方向とな
る。しかも、上記のようにトラック幅が小さくなって
も、寸法公差等にともない生じるずれ量は決まっている
ため、トラック幅に対するずれ量を考慮したマージン幅
の割合が大きくなり、上記問題がより顕著となる。さら
に、ずれ方向も一定ではないため、斜め方向の磁束の発
生量もばらつき、製品の均一・安定化を阻害する。
【0006】また、浮上レール4と、磁気ヘッド素子2
との位置関係も、特性向上のために重要な要素となる
が、従来の製造方法では、ウエハ上に所定パターンの各
層を形成後、所定位置で切り出すとともに研磨処理する
ことにより浮上レール4を製造しており、磁気ヘッド素
子2と浮上レール4との相対位置調整ができず、その結
果、両者2,4を所望な位置関係にすることは困難であ
った。
【0007】さらに、上記したように、トラック幅は上
部磁極層の幅により決定され、その後に所定の層をさら
に積層形成後、ウエハを切断し、研磨処理することによ
り薄膜磁気ヘッドが製造されるため、製造プロセスの比
較的速い段階でトラック幅が決定される。一方、記憶媒
体,記録方式等の改良により記録密度も日々進歩してお
り、それに応じて要求されるトラック幅も改定される。
しかし、従来の方法では、上部磁極層の形成後はトラッ
ク幅の変更ができなかったため、上記改定に迅速に対応
することが困難であった。
【0008】また、上記した如く、トラック幅は、上部
磁極層と下部磁極層の重合幅により決定されるため、異
なるトラック幅の薄膜磁気ヘッドを製造するためには、
各トラック幅に対応した上部磁極層,下部磁極層形成用
のマスクが必要となり、その製造・保管管理が煩雑とな
り、コスト高となる。
【0009】さらにまた、磁気ヘッドの特性は、上記の
ようにトラック幅及び、上部,下部磁極層5b,5aの
幅の差が重要な要因となるが、より高精度な特性を得る
ためには、各層5a,5bの幅、すなわち、ポール長も
正確に制御する必要がある。しかし、各層を製造するに
は、スパッタ,蒸着により基板全面に所定の材料を成膜
し、フォトリソグラフィ技術を用いて所定パターンに形
成するため、上記成膜の膜厚を正確に制御することは困
難となる。
【0010】また、浮上レールが直線状であったため、
浮上性が不安定となり、特に高記録密度化にともない薄
膜磁気ヘッドが浮上中に傾くと、記憶媒体状の所定箇所
に対して読み書きできなくなるおそれがある。すなわ
ち、記憶媒体であるHD等は、円盤状で回転運動してお
り、それに対して薄膜磁気ヘッドは、その円盤の半径方
向に直線運動するため、相対的に斜めに風圧,浮力が加
わることがあり、係る時にバランスを崩すおそれがあ
る。
【0011】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題点を解
決し、簡易な方法でもって実質的な上部磁極層と下部磁
極層の幅を等しくし、また、磁極層(磁気ヘッド素子)
と浮上レールとの相対位置関係を正確に位置決めするこ
とができ、磁気特性の向上を図り、トラック幅の決定を
製造プロセスのできるだけ終わりの工程で行うことによ
り、仕様変更に迅速に対応することができ、磁気ヘッド
素子を構成する各層形成用のマスクの共通化を図り、マ
スクの種類の削減に伴う保管・管理の簡素化並びにコス
ト安を図り、かつ浮上性能も良好な、薄膜磁気ヘッド及
びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係る薄膜磁気ヘッドでは、底面に浮上レ
ールを有するスライダと、前記浮上レールに近接する前
記スライダの前面所定位置に形成された薄膜状の磁気ヘ
ッド素子とを備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、前記浮上
レールの平面形状を、前記スライダの側面に傾斜状のレ
ール部分を含むように所定形状に形成するとともに、前
記磁気ヘッド素子形成部分を含む前記浮上レールの下面
所定部位に凹部を設け、前記磁気ヘッド素子を構成する
上部磁極層及び下部磁極層の両端を切除して両磁極層が
積層方向で一致する同一幅に形成するようにした。
【0013】そして好ましくは前記凹部の深さと、前記
浮上レールの高さを異ならせるように構成することであ
る。さらに前記凹部を、前記上部磁極層及び下部磁極層
の両端及び非対向側縁部を切除するような形状に形成す
るとなおよい。
【0014】一方、上記構成の薄膜磁気ヘッドを製造す
るための本発明に係る製造方法では、ウエハ上に所定パ
ターンの下部磁極層,ギャップ層,絶縁層,コイル層,
上部磁極層並びに保護層を所定の順で所定数積層形成し
て多数の磁気ヘッド素子を形成する。次いで、所定部位
を切断することにより切り出した後、不要部分を除去し
て浮上レールを形成するとともに、仕上げ加工をするよ
うにした薄膜磁気ヘッドの製造方法において、前記下部
磁極層及び前記上部磁極層を形成するに際し、少なくと
も先端部分の幅を要求されるトラック幅よりも広く形成
する。そして、最終的な浮上面となる面に、露光現像に
より所定パターンのレジストを被覆後、イオンミルその
他のエッチング処理により露出する不要部分を除去する
ことにより、前記所定形状の浮上レールと少なくともト
ラック幅を決定するための前記凹所を同時に形成するよ
うにした。
【0015】また、別の方法としては、浮上レール及び
凹部を形成する工程を、上記に替えて以下のようにして
もよい。すなちわ、最終的な浮上面となる面に、露光現
像により所定パターンのレジストを被覆後、イオンミル
その他のエッチング処理により露出する不要部分を除去
する工程をレジストパターンを変えて複数回行なうこと
により、トラック幅を決定する凹所の深さと浮上レール
の高さが異なるように形成する。
【0016】
【作用】所定パターンの上部,下部磁極層を製造した後
で、浮上面側所定位置に凹部を形成することにより、両
磁極層の両端を切除する。すると、浮上面(浮上レール
面)に露出する磁極層の幅は、凹部で切除された部位間
となり、上下両磁極層で一致する。したがって、両磁極
層間で発生する磁束は磁極層と直交する方向となるとと
もに、側面への漏れ磁束も抑制され、高密度記録が可能
となる。
【0017】そして、上部,下部磁極層をパターン形成
する際には、その寸法精度を比較的ラフに行なっても、
最終的に凹部を精度よく形成することによりトラック幅
が高精度に決定される。また、凹部の形状を変えると、
磁極層形成時のパターンを同一にしつつ異なるトラック
幅の磁気ヘッドが得られる。
【0018】一方、浮上レールは、少なくともその一部
がスライダの側面と傾斜状に配置されているため、稼働
中に斜め方向からの風圧を受けたとしても安定状態で浮
上姿勢が維持される。
【0019】そして、かかる形状の浮上レールは従来の
直線状のもののように砥石などによる切削・研磨加工で
は形成できないので、フォトリソを用いた薄膜プロセス
により製造することになる。よって上記凹部も同様に薄
膜プロセスにより製造すると、両者を同時に製造するこ
とが可能となる。そして、その様に同時に製造するとし
ても、使用するマスク形状を替えるだけで対応でき製造
プロセスの処理ステップ・労力としては増加することが
ない。また、同時に製造すると、凹部と浮上レールの相
対位置関係が精度よく形成される。
【0020】また、凹部と浮上レールを形成する際に、
複数回にわたって露光現像並びにエッチング処理を行う
ようにすると、凹部の深さと浮上レールの高さを異なら
せることができる。よって、浮上レールの高さは浮上特
性の良好となるように設定し、凹部の深さは磁気特性が
良好になるように設定すると、より高性能な磁気ヘッド
が製造される。
【0021】
【実施例】以下、本発明に係る薄膜磁気ヘッド及びその
製造方法の好適な実施例を添付図面を参照にして詳述す
る。図1は本発明に係る薄膜磁気ヘッドの第1実施例を
示している。同図に示すように、略直方体状のスライダ
10の下面に2本の浮上レール11が形成されており、
スライダ10の前面10aで、一方の浮上レール11の
先端に所定層を積層配置されて構成される磁気ヘッド素
子部12が形成されている。そして、磁気ヘッド素子部
12を含み、スライダ10の前面10aは、その全面に
渡って透明な絶縁材料からなる保護膜13が形成されて
いる。なお、符号14は、磁気ヘッド素子部12の一部
を構成するコイル層に接続された引出し線の先端上に積
層された外部回路との接続用の端子パッドである。
【0022】ここで本発明では、浮上レール11を図示
のように折れ線状にしている。すなわち、従来の浮上レ
ールは、スライダの長辺と平行な1本の直線であったの
に対し、本例では、スライダ10の前面10a側から延
びる前方部分11aと、スライダ10の後面10b側か
ら延びる後方部分11bの2本の直線を連続させること
により構成されるとともに、両部分11a,11bはと
もにスライダ10の長辺とそれぞれ異なる角度で傾斜す
るようにしている。これにより、両部分11a,11b
の接続部分11cでは、180度以外の所定角度で折れ
曲がる。ここが第1の特徴である。
【0023】なお、両部分11a,11bのスライダ1
0の長辺に対する傾斜角度や、長さ等は、記録媒体たる
HDの径や使用中の回転速度並びに薄膜磁気ヘッドの寸
法形状や支持・移動機構等に合わせて、使用中に正常に
浮力が発生し、安定して浮上するように適宜その形状を
設計するようにし、その形状等は任意である。また、必
ずしも2本の直線部分11a,11bから構成する必要
はなく、3本以上或いは湾曲など曲線状にしても良い。
【0024】一方、磁気ヘッド素子部12は、図2に拡
大して示すように、スライダ10の前面10aの上側
に、所定距離をおいて(下部保護層等が存在する)下部
磁極層15が形成され、その上方にギャップ層16を介
して上部磁極層17が形成される。さらに、この上部磁
極層17の上には保護膜18が形成される。また、この
例でも、下部磁極層15の幅が上部磁極層17の幅より
も大きく設定されている。
【0025】ここで本発明では、下部磁極層15並びに
上部磁極層17をいずれも最終的に要求されるトラック
幅よりも長く形成しておく。そして、浮上レール11の
下面所定部位を切除した凹部20(図中ハッチングで示
す)を形成し、浮上レール11の下面に露出している両
磁極層15,17の両端を切除する。これにより、浮上
レール11の下面に露出する両磁極層15,17の幅
は、等しくしかも上下に一致するようになり、係る幅が
トラック幅となる。
【0026】このように、本例では、使用中に薄膜磁気
ヘッドに対して斜め方向の空気の流れが生じたとして
も、その流れに応じた形状に浮上レール11を形成して
おくことにより、安定した浮力を得ることができ、記録
媒体に対して正対した状態を維持でき、記録媒体の所望
位置に対して読み書きを行なうことができる。
【0027】さらに、トラック幅は、凹部20を正確に
形成することにより高精度に設定することができ、しか
も、上下の両磁極層15,17を一致させることができ
るので、両磁極層15,17間に流れる磁束は、真っ直
ぐとなり、トラック幅の外側への漏れ磁束を可及的に抑
制できる。
【0028】そして、この凹部20は、後述するように
薄膜プロセス(リソグラフィ技術)により、両側のそれ
を同時に形成することができるため、仮に位置ずれをし
たとしても凹部20間の距離、すなわち、トラック幅は
常に一定となる。
【0029】なお、上記した実施例では、凹部20の先
端側は保護膜18の上面に開口されているが、これは、
凹部20内に埃が溜まるのを防止するためで、本発明で
は必ずしも開口させている必要はない。すなわち、例え
ば図3(A)に示すように、凹部21を浮上レール11
の下面にのみ開放した形状としてもよい。また、同図
(B)に示すように、凹部22を形成するに際し、下部
磁極層15,上磁極層17の両端のみならず非対向側の
長辺にそって所定長さ切除するようにしても良い。これ
により、各磁極層15,17の実質的なポール長は残っ
た部分により決定されるため、正確な寸法出しを行うこ
とができる。なお、この場合には、予め各層を成膜する
際に厚めに形成しておくことが必要となる。また、図示
省略するが、同図(B)に示す構成(ポール長の調整も
同時に行う)場合も同図(A)に示すように、浮上レー
ル側のみに凹部が開口する構成をとってももちろんよ
い。
【0030】次に、上記した第1実施例の薄膜磁気ヘッ
ドを製造するための本発明に係る製造方法の第1実施例
について説明する。まず、図4に示すように、通常の薄
膜プロセスにより、ウエハ25表面の所定位置(例えば
格子状の交点上)に多数の磁気ヘッド素子を製造する。
この時、下部磁極層及び上部磁極層は要求されるトラッ
ク幅よりも一定長さ(例えば2μm程度)だけ長く製造
しておく。そして、この製造時の寸法精度及び位置決め
は比較的ラフに行なうことができる。
【0031】次いで、ウエハ25の所定位置を切断する
ことにより、同図(B)に示すように、一定間隔毎に横
一列に磁気ヘッド素子12が配置されたブロック体26
を切り出す。なお、このブロック体26の両端にはダミ
ーパターン27が形成されている。
【0032】この状態で、ブロック体26の下面26a
側の研磨を行なう。この時、上記ダミーパターン27の
抵抗を監視したり、或いはダミーパターン27の底部2
7aの厚さを監視することにより、ブロック体26の下
面26aを平行に切削・研磨して行く。そして、所定量
切削したならば研磨処理を終了し、本発明の要部である
浮上レール及びトラック幅決定処理に移行する。
【0033】すなわち、図5に示すように、露光現像処
理により、浮上レール形成部分をレジスト30で覆う。
この時、最終的に凹部20となる部分Aにはレジスト3
0を形成しないようにする。次いで、イオンミルにより
露出部分を所定量だけ除去する。これにより、図1,図
2に示したような所定形状の浮上レール11と、凹部2
0により所望のトラック幅に形成された磁極層15,1
7が形成される。
【0034】このように、薄膜プロセスにより浮上レー
ル11を形成するため、任意の形状を簡単かつ正確に製
造することができる。また、ウエハ25上に下部,上部
磁極層を積層形成する際には比較的ラフに処理しても、
最終的なトラック幅はフォトリソにともなう露光現像に
より形成されるレジスト30により高精度に設定するこ
とができる。しかも、係るトラック幅決定処理は、浮上
レール形成のために必要なプロセスであるので、上記ウ
エハ25上に上記両層を形成する際にラフに行なえる分
だけ、製造が容易となる。
【0035】さらに、浮上レール11とトラック幅決定
処理(最終的な両磁極層の形成)が同時に行われるの
で、浮上レールに対するトラック幅(磁極層)の相対位
置関係も高精度に設定できるため、より高性能な薄膜磁
気ヘッドを製造することができる。
【0036】さらにまた、異なるトラック幅の薄膜磁気
ヘッドを製造する場合や、図3(B)に示すようにポー
ル長の調整も同時に行うような場合には、上記レジスト
30のパターンを変えるだけで対応でき、ウエハ25上
に形成する際の上部,下部磁極層のそれぞれパターンを
共通化することができる。したがって、ウエハ上に各層
を形成するためのマスクの種類も低減できる。また、ト
ラック幅の決定は、製造プロセスの最終工程で行われる
ため、製造開始後の仕様変更に無駄なく迅速に対応でき
る。
【0037】図6は、本発明に係る薄膜磁気ヘッドの第
2実施例を示している。同図に示すように、本例では上
記した第1実施例と相違して、トラック幅を決定するた
めに浮上レール11の下面所定位置に形成する凹所32
の深さを、浮上レール11の高さよりも浅くしている。
【0038】すなわち、安定した浮上特性(性能)を得
るために必要な浮上レール11の高さと、所望の磁気特
性得るに必要な凹部の深さは必ずしも一致しない(一般
に、凹部20の方が浅い)。しかし、上記した製造方法
の発明の第1実施例では、1回の露光・現像並びにイオ
ンミルにより浮上レール11と凹部20を製造していた
ため、その深さが等しくなる。そこで本例では、図示の
ようにそれぞれ所望の特性・性能が発揮できるように、
浮上レール11の高さと凹部32の深さを適宜設定する
ようにした。
【0039】そして、係る構成の薄膜磁気ヘッドを製造
する本発明方法の第2実施例では、上記第1実施例と同
様にウエハの上に所定パターンの各層を形成し、所定位
置で切断することによりブロック体を切り出し、その後
ブロック体の下面を所定距離だけ切削する。
【0040】次いで、図7(A)に示すように、まず、
露光現像処理により、浮上レール形成部分のみレジスト
33で覆う。この時、上記した第1実施例のように、最
終的にトラック幅を決定するための凹部形成部分Aもレ
ジスト33で覆う。この状態でイオンミルをかけること
により、同図(B)に示すように、露出部分を除去し、
浮上レール11が形成される。なお、図示の状態では、
前面側から見た図のみ示しているが、上記した実施例と
同様に浮上レール11の平面形状は所望の折れ線状態と
なっている。
【0041】次に、残レジスト33´を除去後、露光現
像処理により少なくとも凹部形成部分以外の浮上レール
11上をレジス34で覆う。これにより、凹部形成部分
に対向する部位に貫通孔34aが形成され、当該部分が
露出する。なお、この時浮上レール11を形成する工程
で除去したスライダ10の下面の凹所10b上も、二点
鎖線で示すようにレジス34で覆うようにしてもよい。
【0042】この状態でイオンミルを行うと、貫通孔3
4を介して露出している部分が除去され、図6に示すよ
うな凹部32が形成される。そして、イオンミルを行っ
ている時間を、上記浮上レール11を形成する際に行っ
たイオンミルの時間よりも短くすることにより、除去す
る深さを調整し、図6に示すように凹部32の深さを浮
上レール11の高さよりも浅くすることができる。
【0043】ところで、上記した製造方法では、凹部3
2の形成と浮上レール11の形成を別々の薄膜プロセス
により行っていたため、浮上レール11と凹部32すな
わち磁極部との相対位置関係を高精度に設定することは
困難となる。そこで、係る問題を解決するためには、例
えば図7(A),(B)の工程を経て浮上レール11を
形成後、図8(A)に示すように、凹部形成部位Aとと
もに、浮上レール11の両端11bを露出するようにレ
ジスト35を被膜する。この状態でイオンミルを行う
と、同図(B)に示すように、所定位置に凹部36が形
成されるとともに、浮上レール11の端部にも切欠部3
7が形成される。次いで残レジスト35´を除去する
と、図9に示すように、左右の凹部36間でトラック幅
が正確に決定され、また切欠部37から磁極部までの距
離d,d´は正確に設定できる。そして、記録媒体に対
向する浮上レール11部分は、切欠部37の内壁間と見
ることができるので、上記切欠部37と凹部36が同一
の薄膜プロセスにより形成されることから浮上レールに
対する磁極部の位置も正確に位置出しを行うことができ
るようになる。
【0044】なお、上記した実施例では浮上レールを先
に形成後、凹部の形成を行うようにしたが、この形成順
はこれに限ることなく、この逆に凹部側を先に形成し、
その後、凹部及び浮上レール部分を被膜した状態でイオ
ンミルを行うことにより浮上レールを形成してももちろ
んよい。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る薄膜磁気ヘ
ッドでは、浮上レールの下面所定部位に凹部を形成する
ことにより、磁気ヘッド素子の浮上面側に露出する上
部,下部磁極層の両端を切除するようにしたため、トラ
ック幅を正確に設定でき、しかも、両磁極層の幅も一致
させることができる。その結果、磁気特性が向上する。
【0046】また、凹部の深さと浮上レールの高さを異
ならせた場合には(請求項2)、磁気特性と浮上性能の
それぞれが満足するように設定でき、より高性能の薄膜
磁気ヘッドを製造することができる。
【0047】さらに、凹部の形状を請求項3に規定する
ような形状にした場合には、各磁極層の厚さすなわち、
ポール長も高精度に決定することができ、特性がより向
上する。
【0048】一方、本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、上記した獲得性を有する薄膜磁気ヘッドを製
造することができ、しかも、トラック幅等を決定する凹
部の形成処理は、浮上レール製造時、すなわち製造プロ
セスの終わりの方の工程で行うことができる。これによ
り、たとえ製造開始後にトラック幅の仕様変更があった
としても凹部形成前であればそれに対して迅速に対応で
きる。また、ウエハ上に形成する各磁極層の寸法精度を
比較的ラフに行なっても、高性能のトラック幅を得るこ
とができ、製造が簡易となる。しかも、異なるトラック
幅の磁気ヘッドを得るためには、凹部の形状を替えるだ
けでよく、磁極層を製造するためのマスクの共通化を図
ることができ、マスクの種類の削減に伴う保管・管理の
簡素化並びにコスト安を図ることができる。
【0049】また、凹部と浮上レールとを同時に製造す
ることにより(請求項4)、磁極層(磁気ヘッド素子)
と浮上レールとの相対位置関係を正確に位置決めするこ
とができ、さらなる磁気特性の向上を図ることができ
る。
【0050】さらには、請求項5のように製造した場合
には、凹部の深さと浮上レールの高さを異ならせること
ができるので、より高性能の薄膜磁気ヘッドを製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係る薄膜磁気ヘッドの第1実
施例を示す斜視図である。(B)はその底面図である。
【図2】(A)はその要部拡大正面図である。(B)は
その要部拡大底面図である。
【図3】(A)は変形例を示す要部拡大底面図である。
(B)はさらに他の変形例を示す要部拡大底面図であ
る。
【図4】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法の第1
実施例を示す工程図の1部である。
【図5】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法の第1
実施例を示す工程図の1部である。
【図6】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの第2実施例を示
す要部拡大正面図である。
【図7】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法の第2
実施例を示す工程図の1部である。
【図8】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法の第2
実施例の変形例を示す工程図の1部である。
【図9】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの第2実施例の変
形例を示す要部拡大正面図である。
【図10】(A)は従来の薄膜磁気ヘッドの一例を示す
斜視図である。(B)はその底面図である。
【図11】その要部拡大底面図である。
【符号の説明】
10 スライダ 11 浮上レール 12 磁気ヘッド素子 15 下部磁極層 17 上部磁極層 20,21,22,32,36 凹部 25 ウエハ
フロントページの続き (72)発明者 瀧口 敬 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 鈴木 通之 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 纐纈 敏幸 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 柿田 学 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 芳賀 俊介 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底面に浮上レールを有するスライダと、
    前記浮上レールに近接する前記スライダの前面所定位置
    に形成された薄膜状の磁気ヘッド素子とを備えた薄膜磁
    気ヘッドにおいて、 前記浮上レールの平面形状を、前記スライダの側面に傾
    斜状のレール部分を含むように所定形状に形成するとと
    もに、 前記磁気ヘッド素子形成部分を含む前記浮上レールの下
    面所定部位に凹部を設け、前記磁気ヘッド素子を構成す
    る上部磁極層及び下部磁極層の両端を切除して両磁極層
    が積層方向で一致する同一幅に形成されてなることを特
    徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記凹部の深さと、前記浮上レールの高
    さを異ならせるように構成したことを特徴とする請求項
    1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記凹部が、前記上部磁極層及び下部磁
    極層の両端及び非対向側縁部を切除するような形状に形
    成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の薄
    膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 ウエハ上に所定パターンの下部磁極層,
    ギャップ層,絶縁層,コイル層,上部磁極層並びに保護
    層を所定の順で所定数積層形成して多数の磁気ヘッド素
    子を形成し、 次いで、所定部位を切断することにより切り出した後、
    不要部分を除去して浮上レールを形成するとともに、仕
    上げ加工をするようにした薄膜磁気ヘッドの製造方法に
    おいて、 前記下部磁極層及び前記上部磁極層を形成するに際し、
    少なくとも先端部分の幅を要求されるトラック幅よりも
    広く形成し、 かつ、最終的な浮上面となる面に、露光現像により所定
    パターンのレジストを被覆後、イオンミルその他のエッ
    チング処理により露出する不要部分を除去することによ
    り、前記所定形状の浮上レールと少なくともトラック幅
    を決定するための前記凹所を同時に形成するようにした
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 ウエハ上に所定パターンの下部磁極層,
    ギャップ層,絶縁層,コイル層,上部磁極層並びに保護
    層を所定の順で所定数積層形成して多数の磁気ヘッド素
    子を形成し、 次いで、所定部位を切断することにより切り出した後、
    不要部分を除去して浮上レールを形成するとともに、仕
    上げ加工をするようにした薄膜磁気ヘッドの製造方法に
    おいて、 前記下部磁極層及び前記上部磁極層を形成するに際し、
    少なくとも先端部分の幅を要求されるトラック幅よりも
    広く形成し、 かつ、最終的な浮上面となる面に、露光現像により所定
    パターンのレジストを被覆後、イオンミルその他のエッ
    チング処理により露出する不要部分を除去する工程をレ
    ジストパターンを変えて複数回行なうことにより、トラ
    ック幅を決定する凹所の深さと浮上レールの高さが異な
    るようにしたことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5966277A (en) * 1997-04-25 1999-10-12 Fujitsu Limited Magnetic head and method for production thereof
US5995343A (en) * 1997-02-14 1999-11-30 Fujitsu Limited Magnetic headwith specified tapered pole tip width ratio
US6760190B2 (en) 1998-07-03 2004-07-06 Hitachi, Ltd. Magnetic head wherein one of multiple insulating layers determines a zero throat level position
USRE38585E1 (en) 1999-01-08 2004-09-14 Hitachi, Ltd. Thin film magnetic head and magnetic disk apparatus using the same

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