JP4209580B2 - ヘッドスライダ加工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハードディスク装置(HDD)などデータ記録装置に使用され、安定した浮上特性を実現するための高精度な空気潤滑面形状を有する磁気ヘッドスライダの加工方法、およびそれを用いて加工されたヘッドスライダに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハードディスク(HD)等の磁気記録媒体に対する高記録密度化への取り組みが強化されつつあり、高密度記録再生特性に優れたGMRヘッドの採用やディスク表面の記録トラックの狭トラック化が益々進んできている。また、ヘッドを搭載するヘッドスライダのディスク表面からの浮上量は25nm程度まで極小化され、更に小さくすることが要求されている。
【0003】
この要求に対し、ヘッドスライダには、非常に低い浮上高さで、記録媒体の周速によって浮上量の変化することのない安定した浮上特性を有することが求められるようになり、その要求を満足するには、微細かつ複雑で幾何学的な空気潤滑面形状を高精度で形成する技術が不可欠となっていると同時に、薄膜磁気ヘッド素子との位置関係も高精度に保持されねばならない。
【0004】
従来の空気潤滑面形状は曲線を含む複雑な形状の加工をするため、フォトリソグラフィ技術を用いる方法、即ち空気潤滑形成面に対応するフォトマスクを作成し、イオンビームエッチングなどのドライエッチングにより空気潤滑面形状を形成する方法が提案されている。
【0005】
以下、従来のヘッドスライダの空気潤滑面形成の加工方法について説明する。
【0006】
薄膜磁気ヘッドスライダは、図6に示すように、薄膜磁気ヘッド素子を形成したウェハから機械加工により切り出した、薄膜磁気ヘッド素子を複数個有する短冊状のブロック18(これをスライダバーという)を、その空気潤滑面形成面19が上面になるようにプレート24上に多数配置する。
【0007】
図7は、加工後のヘッドスライダの構造を示す平面図(a)およびそのA−A線に沿って切断した断面図(b)である。
【0008】
まず、図7において粗いハッチングで示す浅溝部分25を加工するのに、テープ状フォトレジストを塗布して、空気潤滑面形成面19にレジスト被膜を形成する。この浅溝部分25の形成には、図9に示すフォトマスク35を用いて、図7に示す薄膜磁気ヘッド素子27における上部磁極(図1に示す記録ヘッド部14の磁極12)のヘッド摺動面の形状28で位置合わせを行い、露光・現像・エッチングを行う。その後、レジスト洗浄を行うと、図12に示すような形状が形成される。
【0009】
次に、図7において細いハッチングで示す深溝部分26を加工するのに、上記の浅溝部分25の加工と同様、テープ状フォトレジストを塗布して、空気潤滑面形成面19にレジスト被膜を形成する。この深溝部分26の形成には、図25に示すフォトマスク55を用いて、薄膜磁気ヘッド素子27における上部磁極12のヘッド摺動面の形状28で位置合わせを行い、露光・現像・エッチングを行う。ここで、テープ状フォトレジストにネガフォトレジストを用いる場合は、光を透過する部分が斜線部54に、ポジフォトレジストを用いる場合には、光を遮光する部分が斜線部54になるようなフォトマスク55を使用している。その後、レジスト洗浄を行うと、図7に示すような空気潤滑面形状が形成される。
【0010】
このように、従来のヘッドスライダ加工方法では、図7に示すような空気潤滑面形成においては、空気流出端側に設けられた薄膜磁気ヘッド素子27における上部磁極12のヘッド摺動面の形状28を空気潤滑面形状加工の位置基準として、その空気流出端側の位置基準からの距離が設定値になるように空気流入端側での空気潤滑面の形状加工を行っていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来方法により空気潤滑面形状を形成した場合、スライダ基板長のばらつきによって、スライダ空気潤滑面の空気流入端でのテーパ作用を有する空気流入端側の深溝部分26の長さに加工誤差が生じる。この深溝部分26の長さのばらつきは、空気潤滑面に流入する空気量を変化させるため、その結果として浮上量ばらつきを生じる原因となっていた。上記のように、空気流出端側に設けられた上部磁極12の位置基準だけでは、空気流入端側での空気潤滑面形状を加工する位置基準として不充分なものとなり、空気潤滑面形状を高精度に加工できないという問題があった。
【0012】
本発明は、かかる問題を解決し、空気潤滑面形状の加工のために空気潤滑面の空気流入端側の形状を高精度に加工することができる薄膜磁気ヘッドスライダの加工方法およびそれを用いて加工された薄膜磁気ヘッドスライダを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明に係るヘッドスライダ加工方法は、フォトリソグラフィ技術を用いたエッチングによって、ヘッドスライダの空気潤滑面に少なくとも2つの異なる高さの略平面を形成するヘッドスライダ加工方法であって、少なくとも2つのフォトマスクを用いて同一高さの略平面を加工し、前記同一高さの略平面を加工する際に、前記フォトマスクのうちの空気流出端フォトマスクを空気流出端側で位置決めして、露光、現像、およびエッチングにより加工を行うことと、前記フォトマスクのうちの空気流入端フォトマスクを、スライダ基板長さのばらつきに応じてスライダ基板長さの方向にオフセットさせ、前記同一高さの略平面の空気流入端からの長さが設定値になるように、露光、現像、およびエッチングにより加工を行うことを含むことを特徴とする。
【0015】
また、前記空気流出端フォトマスクを最初に用いて、前記露光、現像、およびエッチングにより加工を行うことが好ましい。
【0020】
上記の方法および構成によれば、スライダ空気流入端側に形成される深溝部分の長さを一定の値に制御することができ、スライダ基板長さばらつきによる加工誤差に起因したヘッドスライダの浮上量ばらつきを抑制することが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるヘッドスライダに適用される薄膜磁気ヘッド素子部の構成を部分的に切断して磁気記録媒体に対向するヘッド摺動面側から見た平面図である。
【0023】
図1において、AL23とTiCを主成分とする薄膜磁気ヘッドスライダ基板1の上に、AL23等を素材とする絶縁層2が上面に成膜され、その上に、パーマロイ等の軟磁性材料を素材とする下部シールド層3が成膜され、更にその上にAL23等の非磁性絶縁材料を用いて下部ギャップ絶縁部4が成膜されている。
【0024】
下部ギャップ絶縁部4の上には再生ヘッド素子部5が形成され、再生ヘッド素子部5の両端には縦バイアス層6が形成されており、その上には更に電極リード層7が形成されていて、下部シールド層3と共通シールド層8により狭持される位置に再生ヘッド素子部5が構成されている。その上面には、下部ギャップ絶縁部4と同様の材料で上部ギャップ絶縁部9が形成されている。上部ギャップ絶縁部9を介して再生ヘッド素子部5に対向するように、下部シールド層3と同様の軟磁性材料を用いた共通シールド層8が形成され、薄膜磁気ヘッドの再生ヘッド部10が形成されている。
【0025】
更に、共通シールド層8の上には、AL23等の非磁性絶縁材料を用いて記録ギャップ層11が形成され、その上に、記録ギャップ層11を介して共通シールド層8に対向し、且つ、他の部分で共通シールド層8に接するように上部磁極12が軟磁性材料を用いて形成されている。なお、図1には示していないが、共通シールド層8に接している部分の上部磁極12を周回するように巻線コイル13(図2に示す)が設けられ、薄膜磁気ヘッドの記録ヘッド部14が形成されている。
【0026】
ここで、図2を用いて、本実施形態によるスライダ基板長さの測定方法について説明する。図2(a)は、複数個の薄膜磁気ヘッド素子を形成したウェハを示す斜視図であり、図2(b)は、図2(a)の拡大断面図である。
【0027】
図2において、薄膜磁気ヘッド素子を形成したウェハ15を平らな定盤16の上に薄膜磁気ヘッド素子形成面を上面に設置して、触針式膜厚測定器17を用いて1ウェハごとの基板厚みを測定する。この基板厚みの測定値がスライダ基板長さとなる。
【0028】
図3から図6は、それぞれ、本実施形態で用いるスライダバー貼り付け方法を示す工程図である。なお、説明の明瞭化のため、図3および図4は斜視図で、図5および図6は断面図で示している。
【0029】
図3において、スライダバー18は、図2に示すような磁気抵抗素子を形成したウェハ15を機械加工することで作製できる。スライダバー18は、多数の吸着穴21を有する吸着固定治具20上に、空気潤滑面形成面19が吸着穴21をふさぐように配置される。吸着治具20は真空ポンプ22と接続されており、スライダバー18が配置後に真空吸着される。
【0030】
次に、空気潤滑面形成面19を真空吸着した状態のままで、図4に示すように、空気潤滑面形成面19に対向する裏面に、シート状接着剤23を塗布したスライダバー固定治具24を接触させる。接触させた状態で、図5に示すように、スライダバー固定治具24を110℃まで加熱し、20℃まで冷却することで、接着剤23を硬化させる。接着剤23の硬化後、吸着固定治具20に真空吸着されている空気潤滑面形成面19を解放することで、図6に示すように、複数のスライダバー18をスライダバー固定治具24上に固定し、複数のスライダバー18間で段差のないエアーベアリング形成面を得ることができる。
【0031】
図7は、本実施形態において加工されるヘッドスライダの空気潤滑面の形状を示す平面図(a)、および図(a)に示すヘッドスライダをA−A線に沿って切断した断面図(b)である。
【0032】
図7(b)に示す高さの異なる2つの略平面、すなわち浅溝部分25と深溝部分26は、以下のように形成している。
【0033】
浅溝部分25については、まず、図8に示すように、空気潤滑面形成面19にテープ状フォトレジスト33を塗布する。本実施形態において使用する浅溝加工用フォトマスクを図9に示す。ここで、テープ状フォトレジスト33にネガフォトレジストを用いる場合は、光を透過する部分が斜線部34に、ポジフォトレジストを用いる場合には、光を遮光する部分が斜線部34になるようなフォトマスクを使用する。本実施形態では、ネガフォトレジストを使用して行なったので、斜線部34は光を透過する部分である。
【0034】
次に、図10に示すように、シート状フォトレジスト33を塗布した複数のスライダバー18を、浅溝加工用フォトマスク35を介して光源36の下に置き、レジスト露光を行う。この時、レジスト露光のために、図7に示す薄膜磁気ヘッド素子27の上部磁極のヘッド摺動面の形状28部分で位置合わせを行う。
【0035】
本実施形態における位置合わせ方法としては、まず、薄膜磁気ヘッド素子27の上部磁極のヘッド摺動面の形状28部分の画像をステッパーに予め認識させておく。その後、空気潤滑面形成を行うスライダバー18における薄膜磁気ヘッド素子27の上部磁極のヘッド摺動面の形状28部分を測定モニター内に画像認識させ、モニター中心位置(露光基準位置)に認識した画像を移動させる。その露光基準位置から既定値だけオフセットさせることで、薄膜磁気ヘッド素子27との相対的位置関係を高精度に保つようにして位置合わせを行う。
【0036】
以上のような方法によって、図11に示すレジストパターン37が形成される。次に、レジストパターン37をマスクとし、不必要な部分を削りとるためのイオンミリングを行い、図12に示す浅溝部分25が形成される。なお、本実施形態における浅溝部分25の深さD1は150nm、空気流入端側での浅溝部分25の長さL1は200μmである。
【0037】
次に、深溝部分26の形成を行う。本実施形態では、深溝部分26の形成には二段階の工程を用いて行う。ここでは、テープ状フォトレジストとしてはネガフォトレジストを用いる。ネガフォトレジストは、露光部分がレジストパターンとして形成され、残りの部分が除去される。
【0038】
まず第一段階として、空気潤滑面形成面19にテープ状ネガフォトレジストを塗布する。図7に示す薄膜磁気ヘッド素子27の上部磁極のヘッド摺動面の形状28で、前記の浅溝加工と同様に、レジスト露光のための位置合わせを行い、図13に示す空気流出端フォトマスク56を用いてレジスト露光する。図13中の斜線部39が光を透過する部分で、それ以外は遮光する部分である。これにより図14に示す露光部分41が第一段階で形成される。
【0039】
従来は、その後現像を行い、レジストパターンをマスクとし不必要な部分を削りとるためにイオンミリングによる工程を行うが、本発明では、第二段階として、現像前にそのままのレジスト状態で予め測定していた各基板厚みの測定値を用いて空気流出端からオフセットさせ、図15に示す空気流入端フォトマスク57を用いてレジスト露光を行う。図15中の斜線部43が光を透過する部分で、それ以外は遮光する部分である。
【0040】
ここで、図7を用いて、上記オフセットの方法について説明する。
【0041】
深溝加工の第一段階工程において、薄膜磁気ヘッド素子27の上部磁極のヘッド摺動面の形状28で位置合わせを行い、レジスト露光する。この時、次のレジスト露光のためのX方向の情報が得られる。本実施形態で望まれる空気潤滑面の空気流入端に形成する深溝長さ寸法L2は30μm、基準基板厚みは、1.245mmである。深溝長さ寸法L2を例えば30μmの一定値に加工する場合、まず基準基板厚み1.245mmをオフセット0μmに設定する。ここで、予め測定しておいた基板厚みの測定値が例えば1.245mm+4μmの場合、オフセット値は+4μmとなる。
【0042】
次に、第二段階工程で、図15に示す空気流入端フォトマスク57を用いてレジスト露光を行う。この時、レジスト露光アライメントのためのX方向の情報には、第一段階での情報値を用いて、Y方向の情報には、オフセット値が+4μmの場合には、Y方向に基準点から+4μmオフセットさせた値を用いて位置合わせを行い、露光する。
【0043】
本方法では、深溝部分26の形成を、図13に示した空気流出端フォトマスク56と図9に示した空気流入端フォトマスク57の2種類を用いてパターン形成を行い、図16(a)に示す2つのフォトマスク56、57よって、図16(b)に示す露光パターンが重なる部分44が生じるように設計されている。
【0044】
本実施形態における空気流出端フォトマスクのパターンの寸法L3は130μm、空気流入端フォトマスクのパターンの寸法L4は100μmである。例えば、オフセット値が+4μmの場合には、露光パターンが重なる部分44の寸法L5は、L1=200μm、L3=130μm、L2=30μm、L4=100μmの場合、L5=(L2+L4)−(L1−L3)−(+4μm)=130−70−4=56μmとなる。
【0045】
テープ状フォトレジストにネガフォトレジストを用いることで、図14に示すように第一段階で露光部分41が形成され、その後、図17(b)に示すように、第二段階でその上から新たに露光部分46が形成される。その後、現像を行うことで、図18に示すように、深溝加工のためのレジストパターン47が形成される。その後、レジストパターン47をマスクとし不必要な部分を削りとるためにイオンミリングを行うことで、寸法L2が30μmにされた図7に示す深溝部分26が形成される。なお、本実施形態における深溝部分26の深さD2は2000nmである。
【0046】
図19に、解析によって得た基板厚みオフセット値と浮上量の関係を示す。なお、図19において、本実施形態によるヘッドスライダ加工方法を用いた場合を実線で示し、従来のヘッドスライダ加工方法を用いた場合を破線で示している。また、解析には、ディスク回転数5400rpm、ディスク半径位置25mmを用いた。
【0047】
図19から分かるように、従来のヘッドスライダ加工方法では、浮上量に及ぼす基板厚みオフセット値の影響が大きい。これは、従来の加工方法では、1つのフォトマスクを用いて、ヘッド摺動面の形状28を位置基準として深溝加工を行うために、寸法L2が基板厚みオフセット値と同期して変化してしまうためである。
【0048】
それに対して、本実施形態による加工方法を用いて深溝加工を行った場合、浮上量に及ぼす基板厚みオフセット値の影響が小さい。これは、本実施形態によるヘッドスライダ加工方法では、基板厚みオフセット値を予め測定しておき、空気流入端フォトマスク57を基板厚みオフセット値だけオフセットさせ、空気流入端からの位置を制御して、レジスト露光することにより、寸法L2を一定値、本実施形態では30μmに制御できるので、空気潤滑面に流入する空気量を一定にすることが可能になる。
【0049】
以上のように、本実施形態によれば、空気潤滑面形成において、空気流出端フォトマスク56と空気流入端フォトマスク57の2種類のフォトマスクを用いて深溝部分26を加工することで、空気流入端側に形成される深溝部分26の長さを一定の値に加工することができ、基板長ばらつきに起因する浮上量ばらつきを抑制することが可能になり、安定した浮上特性の向上を図ることができる。
【0050】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について、図20から図25を参照して説明する。
【0051】
本実施形態では、図7に示す深溝部分26を形成するために、二段階の工程を用いる。すなわち、図20に示す空気流出端フォトマスク58と図22に示す空気流入端フォトマスク59の2種類を用いて、同一テープ状ポジフォトレジストでパターン形成を行う。ここでは、テープ状フォトレジストとしてはポジフォトレジストを用いる。ポジフォトレジストは、露光部分以外がレジストパターンとして形成され、露光部分が除去される。
【0052】
なお、本実施形態における薄膜磁気ヘッド素子部等、他の構成については、第1実施形態と同様である。
【0053】
まず、第一段階として、空気潤滑面形成面19にテープ状ポジフォトレジストを塗布し、図7に示す薄膜磁気ヘッド素子27の上部磁極のヘッド摺動面の形状28で位置合わせを行い、図20に示す空気流出端フォトマスク58を用いてレジスト露光する。図20に示す斜線部48が光を遮光する部分で、それ以外は透過部分である。これにより図21に示す遮光部分49がレジストパターンとして第一段階で形成される。
【0054】
次に、第二段階として、現像前にそのままのレジスト状態で予め測定していた各基板厚みの測定値を用いて空気流入端からオフセットさせ、図22に示す空気流入端フォトマスク59を用いてレジスト露光を行う。図22に示す斜線部50が光を遮光する部分で、それ以外は露光部分である。テープ状レジストにポジフォトレジストを用いることで、第一段階で図21に示す遮光部分49が形成され、第二段階でその上から図23に示すように遮光部分51が形成され、遮光パターンが重なる部分52が形成される。その後、現像を行うことで、図24に示すように、深溝加工のためのレジストパターン53として形成される。その後、レジストパターン53をマスクとし不必要な部分を削りとるためにイオンミリングを行い、図7に示す深溝部分26が形成される。 以上のように、本実施形態によれば、空気潤滑面形成において、空気流出端フォトマスク58と空気流入端フォトマスク59の2種類のフォトマスクを用いて深溝部分26を加工することで、空気流入端側に形成される深溝部分26の長さを一定の値に加工することができ、基板長ばらつきに起因する浮上量ばらつきを抑制することが可能であり、安定した浮上特性を達成することができる。
【0055】
なお、上記第1および第2実施形態では、薄膜磁気ヘッド素子の空気潤滑面を、テープ状フォトレジストを用いたフォトリソグラフィ技術によって加工するとして説明したが、本発明は、薄膜磁気ヘッド素子およびテープ状レジストを用いたフォトリソグラフィ技術に限定されるものではなく、ヘッドを搭載したヘッドスライダの、記録媒体に対向する空気潤滑面をフォトリソグラフィ技術によって加工するすべてのヘッドスライダの加工に有用であり、例えば、ヘッドは光ヘッド、レジストは液体レジストであってよいのは、勿論である。
【0056】
また、上記第1および第2実施形態では、空気流出端フォトマスクと空気流入端フォトマスクを用いて、空気流入部の深溝長さL2の制御を行い、浮上量のばらつきの抑制を図ったが、この形態は代表例にすぎず、本発明は、空気潤滑面を構成する任意の高さを有する略平面における任意の位置の寸法を制御することにも有用であることは言うまでもない。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、空気潤滑面形成において、空気流出端フォトマスクと空気流入端フォトマスクの2種類のフォトマスクを用いて深溝部分を加工することで、空気流入端側に形成される深溝部分の長さを一定の値に加工することができ、基板長ばらつきに起因する浮上量ばらつきを抑制することが可能であり、安定した浮上特性を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態によるヘッドスライダに形成された薄膜磁気ヘッド素子の要部を示す平面図
【図2】 本発明の実施の形態において使用する基板厚さばらつき測定方法を示す斜視図(a)および断面図(b)
【図3】 本発明の実施の形態において使用するスライダバー貼り付け方法の一工程を示す図
【図4】 本発明の実施の形態において使用するスライダバー貼り付け方法の一工程を示す図
【図5】 本発明の実施の形態において使用するスライダバー貼り付け方法の一工程を示す図
【図6】 本発明の実施の形態において使用するスライダバー貼り付け方法の一工程を示す図
【図7】 本発明の実施の形態によるヘッドスライダ加工方法を用いて加工された薄膜磁気ヘッド素子の空気潤滑面形状を示す平面図(a)および断面図(b)
【図8】 本発明の実施の形態によるヘッドスライダ加工方法において浅溝部分を加工する一工程を示す図
【図9】 本発明の実施の形態によるヘッドスライダ加工方法において浅溝部分を加工する一工程を示す図
【図10】 本発明の実施の形態によるヘッドスライダ加工方法において浅溝部分を加工する一工程を示す図
【図11】 本発明の実施の形態によるヘッドスライダ加工方法において浅溝部分を加工する一工程を示す図
【図12】 本発明の実施の形態によるヘッドスライダ加工方法を用いて浅溝部分を加工した後の空気潤滑面形状を示す平面図(a)および断面図(b)
【図13】 本発明の第1実施形態によるヘッドスライダ加工方法において使用する空気流出端フォトマスクを示す平面図
【図14】 本発明の第1実施形態によるヘッドスライダ加工方法において深溝部分を加工する第一段階工程後のレジストパターンを示す平面図
【図15】 本発明の第1実施形態によるヘッドスライダ加工方法において使用する空気流入端フォトマスクを示す平面図
【図16】 本発明の第1実施形態によるヘッドスライダ加工方法において、使用する空気流出端および空気流入端フォトマスクを示す平面図(a)、および深溝部分を加工する第二段階工程における露光パターンが重なる部分44を示す平面図(b)
【図17】 本発明の第1実施形態によるヘッドスライダ加工方法において、使用する空気流出端および空気流入端フォトマスクを示す平面図(a)、および深溝部分を加工する第二段階工程における露光部分46を示す平面図(b)
【図18】 本発明の第1実施形態によるヘッドスライダ加工方法において深溝部分を加工する第二段階工程後のレジストパターンを示す平面図
【図19】 基板厚みオフセット値と浮上量の関係を示す図
【図20】 本発明の第2実施形態によるヘッドスライダ加工方法において使用する空気流出端フォトマスクを示す平面図
【図21】 本発明の第2実施形態によるヘッドスライダ加工方法において深溝部分を加工する第一段階工程後のレジストパターンを示す平面図
【図22】 本発明の第2実施形態によるヘッドスライダ加工方法において使用する空気流入端フォトマスクを示す平面図
【図23】 本発明の第2実施形態によるヘッドスライダ加工方法において使用する空気流出端および空気流入端フォトマスクを示す平面図(a)、および深溝部分を加工する第二段階工程における露光パターンが重なる部分52を示す平面図(b)
【図24】 本発明の第2実施形態によるヘッドスライダ加工方法において深溝部分を加工する第二段階工程後のレジストパターンを示す平面図
【図25】 従来のヘッドスライダ加工方法において深溝部分を加工する際に用いるフォトマスクを示す平面図
【符号の説明】
1、15 基板
2 絶縁層
3 下部シールド層
4 下部ギャップ絶縁部
5 再生ヘッド素子部
6 縦バイアス層
7 電極リード層
8 共通シールド層
9 上部ギャップ絶縁部
10 薄膜磁気ヘッド素子の再生ヘッド部
11 記録ギャップ層
12、28 上部磁極
13 巻線コイル
14 薄膜磁気ヘッド素子の記録ヘッド部
16 定盤
17 触針式膜厚測定器
18 スライダバー
19 空気潤滑面形成面
20 吸着固定治具
21 吸着穴
22 真空ポンプ
23 シート状接着材
24 スライダバー固定治具
25 浅溝部分
26 深溝部分
27 薄膜磁気ヘッド素子
33 フォトレジスト
34 浅溝加工用露光部分
35 浅溝加工用フォトマスク
36 光源
37 浅溝加工用レジストパターン
39 第一段階での深溝加工用露光部分
41 第一段階での深溝加工用レジストパターン
42 第一段階での深溝加工用露光部分
44 深溝加工用共通露光部分
46 第二段階での深溝加工用レジストパターン
47 深溝加工用レジストパターン
48 第一段階での深溝加工用遮光部分
49 第一段階での深溝加工用レジストパターン
50 第二段階での深溝加工用遮光部分
51 第二段階での深溝加工用レジストパターン
52 深溝加工用共通遮光部分
53 深溝加工用レジストパターン
54 深溝加工用遮光部分
55 深溝加工用フォトマスク
56、58 空気流出端フォトマスク
57、59 空気流入端フォトマスク
D1 浅溝部分の深さ方向寸法
D2 深溝部分の深さ方向寸法
L1 浅溝部分の空気流入端長さ寸法
L2 深溝部分の空気流入端長さ寸法
L3 空気流出端フォトマスク寸法
L4 空気流入端フォトマスク寸法
L5 深溝加工用共通露光部分寸法

Claims (2)

  1. フォトリソグラフィ技術を用いたエッチングによって、ヘッドスライダの空気潤滑面に少なくとも2つの異なる高さの略平面を形成するヘッドスライダ加工方法であって、
    少なくとも2つのフォトマスクを用いて同一高さの略平面を加工し、
    前記同一高さの略平面を加工する際に、
    前記フォトマスクのうちの空気流出端フォトマスクを空気流出端側で位置決めして、露光、現像、およびエッチングにより加工を行うことと、
    前記フォトマスクのうちの空気流入端フォトマスクを、スライダ基板長さのばらつきに応じてスライダ基板長さの方向にオフセットさせ、前記同一高さの略平面の空気流入端からの長さが所定値になるように、露光、現像、およびエッチングにより加工を行うことを含むことを特徴するヘッドスライダ加工方法。
  2. 前記空気流出端フォトマスクを最初に用いて、前記露光、現像、およびエッチングにより加工を行う請求項記載のヘッドスライダ加工方法。
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