JP4576954B2 - レジストパターン形成方法、マスター情報担体の製造方法 - Google Patents

レジストパターン形成方法、マスター情報担体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、レジストパターン形成方法およびディジタル情報信号を磁気記録媒体に記録するために用いられるマスター情報担体の製造方法に関する。
現在、磁気記録再生装置は、小型でかつ大容量のものを実現するために、高記録密度化の傾向にある。代表的な磁気記録再生装置であるハードディスクドライブの分野においては、すでに面記録密度が93Mbit/mmを超える装置が商品化されており、現在では、面記録密度が155Mbit/mmの装置の実用化が予想されるほどの急峻な技術の進歩が認められる。
このような高記録密度化が可能になった技術的背景として、磁気記録媒体およびヘッド・ディスクインターフェースの性能の向上やパーシャルレスポンス等の新規な信号処理方式の出現による線記録密度の向上があげられる。しかし、近年では、トラック密度の増加傾向が線記録密度の増加傾向を大きく上回り、面記録密度の向上の主な要因となっている。
これは、従来の誘導型磁気ヘッドに比べて再生出力性能がはるかに優れた磁気抵抗効果素子(MR素子)や巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)を用いた薄膜磁気ヘッドの実用化によるものである。現在、GMRヘッドの実用化により、1μm以下のトラック幅信号を高いS/N比をもって再生することが可能となっている。一方、今後のさらなるヘッド性能の向上に伴い、更に狭トラックピッチ化が進むものと予想されている。
さて、磁気ヘッドがこのような狭トラックを正確に走査し、信号をS/N良く再生するためには、磁気ヘッドのトラッキングサーボ技術が重要な役割を果たしている。このようなトラッキングサーボ技術に関しては、例えば非特許文献1に詳細な内容が示されている。非特許文献1によれば、現在のハードディスクドライブでは、ディスクの1周、すなわち角度にして360度中において、一定の角度間隔でトラッキング用サーボ信号やアドレス情報信号、再生クロック信号等が記録された領域を設けている(以下、「プリフォーマット」という)。
磁気ヘッドは、一定間隔でこれらの信号を再生することにより、ヘッドの位置を確認、修正しながら正確にトラック上を走査することができるのである。既述のトラッキング用サーボ信号やアドレス情報信号、再生クロック信号等は、ヘッドが正確にトラック上を走査するための基準信号となるものであるので、その記録時には、正確な位置決め精度が要求される。例えば非特許文献2に記載された内容によれば、現在のハードディスクドライブでは、ディスクをドライブに組み込んだ後、専用のサーボ記録装置を用いて厳密に位置制御された磁気ヘッドによりプリフォーマット記録が行われている。
従来、上記のような専用のサーボ記録装置を用いた磁気ヘッドによるサーボ信号やアドレス情報信号、再生クロック信号のプリフォーマット記録においては、以下のような課題があった。
まず第1に、磁気ヘッドによる記録は、基本的にヘッドと媒体との相対移動に基づく線記録である。このため、専用のサーボ記録装置を用いて磁気ヘッドを厳密に位置制御しながら記録を行う上記の方法では、プリフォーマット記録に多くの時間を要するとともに、専用のサーボ記録装置が相当に高価であることにも起因して、非常にコスト高となる。
第2に、ヘッド・媒体間スペーシングや記録ヘッドのポール形状による記録磁界の広がりのため、プリフォーマット記録されたトラック端部の磁化遷移が急峻性にかけるという点がある。現在のトラッキングサーボ技術は、ヘッドがトラックをはずれて走査した際の再生出力の変化量によって、ヘッドの位置検出を行うものである。
従って、プリフォーマット記録された信号トラックには、サーボ領域間に記録されたデータ情報信号を再生する際のようにヘッドがトラック上を正確に走査した際のS/Nに優れるだけではなく、ヘッドがトラックをはずれて走査した際の再生出力変化量、すなわちオフトラック特性が急峻であることが要求される。
上記の課題はこの要求に反するものであり、今後のサブミクロントラック記録における正確なトラッキングサーボ技術の実現を困難なものとしている。
さて、上記のような磁気ヘッドによるプリフォーマット記録の課題を解決する手段として、基体の表面にプリフォーマット情報信号に対応する強磁性薄膜パターンが形成されているマスター情報担体の表面を、磁気記録媒体の表面に接触させた後に、マスター情報担体に形成された強磁性薄膜パターンを磁化させることにより、強磁性薄膜パターンに対応する磁化パターンを磁気記録媒体に記録する技術が提案されている(特許文献1参照)。
このプリフォーマット記録技術によれば、記録媒体のS/N比、インターフェース性能等の他の重要性能を犠牲にすることなく、良好なプリフォーマット記録を効率的に行うことができる。
一方、マスター情報担体に形成される強磁性薄膜パターンは、ハードディスクの高密度化に伴い、より微細なパターンが求められる。半導体集積回路(LSI)の高集積化には、フォトリソグラフィにおける高密度パターン形成技術とレジスト材料の開発が求められるが、マスター情報担体の高密度化にも同様の開発が必要となる。
フォトリソグラフィ装置としては、マスクアライナーあるいはステッパーなどが用いられ、パターンの微細化に伴い、光源の波長が、g線(436nm)、i線(365nm)、エキシマレーザー光(248nm)などのように短波長側に推移している。一方、レジスト材料も露光波長に適した材料開発が行われている。
高精度なショットつなぎ合わせが要求されるステッパーに対し、ウエハー全面の一括露光ができるマスクアライナーは設備単価が安く、LSI以外の薄膜部品デバイスにはよく用いられる装置である。しかし、マスクアライナーはステッパーに比べてパターン解像度が悪く、一般的にはサブミクロンオーダーの微細パターンの形成には適さない。この対策として、特許文献2に開示されているように、段差を設けたレジストとフォトマスクをコンタクトし、真空引きを行った後、露光する方法がある。この方法によれば、レジストとフォトマスク間に介在する隙間が無くなるので、レジストとフォトマスクの密着性が向上する。このため、マスクアライナーにおいても高解像度のパターンが得られる。
マスター情報担体を用いた上記方法では、マスター情報担体に形成されたディジタル情報信号に対応する強磁性薄膜のパターン配列が磁気記録媒体にプリフォーマット記録される。従って、良好な磁気信号特性を得るためにはマスター情報担体に形成された強磁性薄膜のパターンが精度良く形成されることが必要である。
図6(a)〜図6(d)は、特許文献2に開示されたレジストパターンの形成方法を示す断面図である。図9は、レジスト膜の凸部や抜気用凹部とレジスト凹所との関係を模式的に示す平面図である。図6(a)〜図6(d)は、図9のC−C′線における断面図に対応する。
図6(a)は、抜気用凹部形成の露光工程を示しており、図6(b)は抜気用凹部形成後の状態を示している。図6(a)に示すように、基体1上に塗布されたレジスト膜2上のパターン形成領域以外をフォトマスク3を通してUV光4によって露光し、その後現像する。このことにより、図6(b)に示すようにレジスト膜2の表面に抜気用凹部251とレジスト膜の凸部252とを形成する。
図6(c)はパターン形成の露光工程を示しており、図6(d)はパターン形成後の状態を示している。図6(c)に示すように、フォトマスク31をレジスト膜の凸部252に接触させ、抜気用凹部251を介して真空引きを矢印7に示す方向に沿って行う。このことにより、フォトマスク31とレジスト膜の凸部252の密着性を高める。この状態で、UV光4を用い、レジストの目標線幅を実現するための露光量を照射した後、現像し、図6(d)に示すように、レジスト膜の凸部252上にレジスト凹所21を形成する。
特開平10−40544号公報 特開2003−029424号公報 山口,「磁気ディスク装置の高精度サーボ技術」,日本応用磁気学会誌,Vol.20,No.3,pp.771,(1996) 植松、他「メカ・サーボ、HDI技術の現状と展望」,日本応用磁気学会第93回研究会資料,93−5,pp.35(1996)
マスター情報担体を用いた上記方法では、マスター情報担体に形成されたディジタル情報信号に対応する強磁性薄膜の形状およびパターン配列が磁気記録媒体にプリフォーマット記録される。従って、良好な磁気信号特性を得るためにはマスター情報担体に形成された強磁性薄膜のパターンが精度良く形成されることが必要である。
しかし、マスクアライナーを用いて、更に微細なレジストパターンを安定して形成するためには、従来方法では、以下に示すような課題があった。
図7(a)のようにフォトマスク31と基体1(レジスト膜を含む)の密着性を良くするために真空引き7を強くすると、図7(b)に示すようにフォトマスク31に歪み255が生じる。そのため、パターン形成領域であるレジスト膜の凸部252に隙間8ができ、露光するとUV光の回り込みが生じ、微細なパターンの形成が困難になるという課題があった。図7では、フォトマスクに歪みが発生した場合を示したが、基体に歪みが発生した場合も同様の課題が発生する。また、フォトマスクと接触するレジスト膜の凸部252の端に応力が集中し、それによりレジスト膜が歪み、パターン形状に影響を及ぼす可能性もある。
対策としては、図8(a)に示すように、レジスト膜の凸部252を広くする、あるいは図8(b)に示すように、レジスト膜の凸部252の数を増やして配置するなどすることにより、フォトマスクの歪255を少なくする方法などがある。
しかし、この場合にはフォトマスク31とレジスト膜2との接触面積が大きくなり、露光後に基体1(レジスト膜を含む)とフォトマスク31が貼り付くという別のプロセス上の課題がある。強引に基体1とフォトマスク31を離間するとレジスト膜の凸部252が剥離し、マスター情報担体に形成された強磁性薄膜のパターンに欠陥を生じたり、あるいは精度を悪化させるといった不具合を生じていた。
上記観点から、本発明は、マスクアライナーを用いてさらに微細なパターンを、より安定に形成することを可能ならしめるレジストパターンの形成方法、とりわけディジタル情報信号をプリフォーマット記録するためのマスター情報担体のパターンを精度良く形成することが可能なマスター情報担体の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の構成は、基体表面に塗布したレジスト膜において、表面が平滑な領域と、前記表面が平滑な領域よりも表面粗さの大きい領域と、抜気用凹部が形成された領域とを有するレジスト形状パターンであって、前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより、前記レジスト膜の表面にフォトマスクを密着させる工程と、所要のパターンを露光する工程とを含むことを特徴とする。
本発明のパターン形成方法において、基体表面に塗布したレジスト膜に、表面が平滑な領域と、前記表面が平滑な領域よりも表面粗さの大きい領域と、抜気用凹部が形成された領域とを形成する第1の方法は、基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を構成する第1の領域を露光・現像することにより前記レジスト膜の表面粗さを大きくする工程と、前記レジスト膜のパターン非形成領域の第1の領域を除く第2の領域を露光・現像することにより、前記レジスト膜の表面に抜気用凹部を形成する工程とを有することを特徴とする。
本発明のパターン形成方法において、基体表面に塗布したレジスト膜に、表面が平滑な領域と、前記表面が平滑な領域よりも表面粗さの大きい領域と、抜気用凹部が形成された領域とを形成する第2の方法は、基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を構成する第1の領域を露光・現像することにより、前記レジスト膜の表面に抜気用凹部を形成する工程と、前記レジスト膜のパターン非形成領域の第1の領域を除く第2の領域を露光・現像することにより、前記レジスト膜の表面粗さを大きくする工程とを有することを特徴とする。
本発明のパターン形成方法において、基体表面に塗布したレジスト膜に、表面が平滑な領域と、前記表面が平滑な領域よりも表面粗さの大きい領域と、抜気用凹部が形成された領域とを形成する第3の方法は、基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜のパターン非形成領域を露光する第1の露光工程と、前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を露光する第2の露光工程と、前記レジスト膜を現像することにより、前記第1の露光工程で露光された第1の領域のうち前記第2露光工程で露光された第2の領域との共通部分を除く部分のレジスト膜の表面粗さを大きくするとともに、前記第2領域との共通部分には抜気用凹部を形成する工程とを有することを特徴とする。
本発明のパターン形成方法において、基体表面に塗布したレジスト膜に、表面が平滑な領域と、前記表面が平滑な領域よりも表面粗さの大きい領域と、抜気用凹部が形成された領域とを形成する第4の方法は、基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を露光する第1の露光工程と、前記レジスト膜のパターン非形成領域を露光する第2の露光工程と、前記レジスト膜を現像することにより、前記第2の露光工程で露光された第2の領域のうち前記第1の露光工程で露光された第1の領域との共通部分を除く部分のレジスト膜の表面粗さを大きくするとともに、前記第1領域との共通部分には抜気用凹部を形成する工程とを有することを特徴とする。
本発明の第1のマスター情報担体の製造方法は、非磁性基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に表面が平滑な領域と、前記表面が平滑な領域よりも表面粗さの大きい領域と、抜気用凹部が形成された領域とを形成する工程と、前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより前記レジスト膜の凸部と前記フォトマスクとを密着させる工程と、前記レジスト膜表面のパターン形成領域に対して所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像して前記所要のディジタル情報信号パターンに対応するレジスト凹所を形成し、前記レジスト凹所の底部に前記非磁性体基体の表面を露出させる工程と、前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜表面および前記レジスト凹所を通じて露出させた前記非磁性基体表面に対して強磁性薄膜を堆積する工程と、前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜を前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜表面に堆積した前記強磁性薄膜とともに除去して、前記非磁性基体表面上に前記所要のディジタル情報信号パターンに対応する強磁性薄膜パターンを形成する工程とを含むことを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
本発明の第2のマスター情報担体の製造方法は、非磁性基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に表面が平滑な領域と、前記表面が平滑な領域よりも表面粗さの大きい領域と、抜気用凹部が形成された領域とを形成する工程と、前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより前記レジスト膜の凸部と前記フォトマスクとを密着させる工程と、前記レジスト膜表面のパターン形成領域に対して所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像して前記所要のディジタル情報信号パターンに対応するレジスト凹所を形成し、前記レジスト凹所の底部に前記非磁性体基体の表面を露出させる工程と、前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜をマスクにしてエッチングを行い、前記レジスト凹所を通じて露出させた前記非磁性基体表面に前記所要のディジタル情報信号パターンに対応する基体凹所を形成する工程と、前記エッチング後に残存した前記レジスト膜表面および前記基体凹所に対して、前記基体凹所に埋め込む状態で強磁性薄膜を堆積する工程と、前記基体凹所に埋め込んだ強磁性薄膜を残す状態で前記エッチング後に残存した前記レジスト膜を前記エッチング後に残存した前記レジスト膜表面に堆積した前記強磁性薄膜とともに除去して、前記非磁性基体表面に前記所要のディジタル情報信号パターンに対応する強磁性薄膜パターンを形成する工程とを含むことを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
本発明の第3のマスター情報担体の製造方法は、非磁性基体の表面に強磁性薄膜を堆積する工程と、非磁性基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に表面が平滑な領域と、前記表面が平滑な領域よりも表面粗さの大きい領域と、抜気用凹部が形成された領域とを形成する工程と、前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより前記レジスト膜の表面に前記フォトマスクを密着させる工程と、前記レジスト膜の凸部の領域に所要のパターンを露光・現像することにより所要のパターンのレジスト凹所を形成し、前記レジスト凹所の底部に前記強磁性薄膜を露出する工程と、前記所要のパターン露光後のレジスト膜をマスクにしてエッチングを行い、前記レジスト凹所を通じて露出させた部分の前記強磁性薄膜を除去する工程と、前記エッチング後に残存した前記レジスト膜を除去して前記非磁性基体表面に所要のディジタル情報信号対応の強磁性薄膜パターンを形成する工程とを含むことを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、非磁性基体上に所要のディジタル情報信号に対応する強磁性薄膜パターンが形成されたマスター情報担体を製造する工程と、前記マスター情報担体を磁気記録媒体の表面に対向配置した状態で外部磁界を印加し、前記強磁性薄膜パターンに対応する磁化情報を前記磁気記録媒体に記録する工程とを備えた磁気記録媒体の製造方法であって、前記マスター情報担体を製造する工程は、前記強磁性薄膜パターンを形成するためのレジストパターンの形成工程を含んでおり、前記レジストパターンの形成工程は、非磁性基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に表面が平滑な領域と、前記表面が平滑な領域よりも表面粗さの大きい領域と、抜気用凹部が形成された領域とを形成する工程とを含み、前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより、前記レジスト膜の表面に前記フォトマスクを密着させる工程と、所要のパターンを露光する工程とを含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
本発明の磁気記録再生装置の製造方法は、前記磁気記録媒体の製造方法を含む磁気記録再生装置の製造方法であって、前記強磁性薄膜の形状パターンに対応する磁化情報が記録された前記磁気記録媒体を回転部分に搭載する工程を備えたことを特徴とする。
本発明の磁気記録再生装置は、前記磁気記録媒体の製造方法により製造した磁気記録媒体と、薄膜磁気ヘッドと、前記薄膜磁気ヘッドが前記磁気記録媒体と対向するように支持する支持部材と、前記磁気記録媒体を回転させる回転手段と、前記支持部材に結合され、前記薄膜磁気ヘッドを前記磁気記録媒体の膜面に沿って移動させる移動手段と、前記薄膜磁気ヘッド、前記回転手段及び前記移動手段と電気的に結合され、前記薄膜磁気ヘッドと信号を交換し、前記磁気記録媒体の回転を制御し、前記薄膜磁気ヘッドの移動を制御する処理手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、レジスト表面が平滑なパターン形成領域でのフォトマスクとレジストの密着性が向上すると共に、レジスト表面のパターン形成領域以外は表面が粗くなっているか、抜気用凹部であるため、良好な露光後の離間性が実現できる。その結果、レジスト剥離などが発生せず、レジスト表面のパターン形成領域に良好なレジストパターンを形成することができる。
本発明のレジスト形状パターンを用いたパターン形成方法によれば、抜気用凹部を介した真空引きによるフォトマスクの歪を大幅に低減でき、レジスト表面の平滑なパターン形成領域でのフォトマスクとレジストの密着性が向上する。また、レジスト表面のパターン形成領域以外は表面が粗くなっているため、その部分の実効的なフォトマスクとの接触面積はごく僅かであり、露光後に基体とフォトマスクは容易に離間することができる。その結果、レジスト剥離などが発生せず、レジスト表面のパターン形成領域に良好なレジストパターンを形成することができる。
また、本発明のレジストパターン形成方法を用いれば、微細なディジタル情報信号パターンを有するマスター情報担体を高精度にかつ安定して作製することができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法、磁気記録再生装置の製造方法、磁気記録再生装置によれば、マスター情報担体から磁気記録媒体に転写されたディジタル情報信号の精度を高めることができるので、大容量化に有利になる。
また、前記磁気記録媒体の製造方法、磁気記録再生装置においては、前記ディジタル情報信号がトラッキングサーボに用いるための信号であることが好ましい。
この構成によれば、磁気記録媒体に転写記録されたトラッキング用サーボ信号磁化反転長が小さくなるため、トラック幅方向の位置決め精度が向上し、大容量化に有利になる。また、低コスト化をも実現可能である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1および図2は本実施の形態1のレジスト形状パターンを示す図である。
図1(a)は本実施の形態1のレジスト形状パターンの構造を模式的に示す平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A‘における断面図である。
基体1上に塗布したレジスト2の表面が抜気用凹部251とレジスト膜の凸部252とからなり、レジスト膜の凸部252はレジスト表面が平滑なパターン形成領域254とレジスト表面が粗くなった領域253から構成される。
図2(a)は、図1で示したレジスト形状パターンを用いて、所要のパターンを形成した状態を模式的に示す平面図であり、図2(b)は図2(a)のB−B‘における断面図である。
所要のレジストパターンはフォトリソグラフィ技術を用いてレジスト膜の凸部252の表面が平滑なパターン形成領域254に形成される。
図3(a)〜(e)および図4(a)〜(e)は本実施の形態1に係るレジストパターン形成方法を示す図である。
図3は本発明のレジストパターン形成方法を説明する工程図であり、図2(a)のB-B`における断面図で示す。
図3(a)に示すように、基体1上に塗布されたレジスト2にフォトマスク3aを用いてパターン非形成部を露光し、さらに、図3(b)に示すように、フォトマスク3bを用いてパターン非形成部の一部を露光し、現像することによって、図3(c)に示すように、レジスト膜の凸部252と抜気用凹部251が形成され、レジスト膜の凸部252はレジスト表面が平滑なパターン形成領域254とレジスト表面が粗くなった領域253で構成される。次に、図3(d)に示すように、レジスト膜の凸部252に所要のパターンを有するフォトマスク31を接触し、基体1の外周部から真空引き7を行うことによりフォトマスク31とレジスト膜の凸部252を密着した後、UV光4を照射することによりフォトマスク31の透過部32を通じて所要のパターンをレジスト2に露光する。その後、窒素あるいは酸素など抜気用凹部251を通じて流入し、フォトマスク31と基体1(レジスト膜2を含む)を離間する。次に、アルカリ現像液を用いて現像し、レジスト膜の凸部252のパターン形成領域254に所要のパターンに対応するレジスト凹所21が形成される。
本実施の形態によれば、フォトマスク31と密着するレジスト膜の凸部252はレジスト表面が平滑なパターン形成領域254とレジスト表面が粗くなった領域253から構成されているので、レジスト表面が粗くなった領域253の実効的なフォトマスクとの接触面積はごく僅かである。そのため、良好な露光後の離間性が実現できる。
また、本実施の形態によれば、レジスト膜の凸部252が平滑なパターン形成領域254のみで構成されている場合に比べて、レジスト膜の凸部252を広くすることができ、フォトマスクが歪むことも無く、表面が平滑なパターン形成領域254は露光時に高い密着性を維持することができる。その結果、光の回り込みによるパターン不良などが発生せず、良好な形状のレジストパターンが形成できる。
図5はレジストの露光量と段差量の関係を求めた実験結果である。
本発明の実施形態に用いた露光量は、レジストの残膜厚がゼロになる露光量(しきい値露光量)をE、抜気用凹部を形成するのに必要な露光量をE、レジスト表面を荒らすのに必要な露光量をEとすると、E>Eの露光量でUV照射する必要がある。
一実施例において、図3(a)における露光量はEであり、図3(b)での露光量はE−Eである。
また、E>Eで露光すると基体上にレジストが残存した抜気用凹部になり、E>Eで露光すると基体表面が露出した抜気用凹部になる。
図18は、図3(c)で示したレジストの断面形状を、より詳細に示す図である。図中のDは抜気用凹部251とパターン形成領域254との段差量であり、Dはレジスト膜の凸部252に含まれるレジスト表面が粗くなった領域253とパターン形成領域254との段差量である。
図4(a)〜(e)は本実施の形態1に係るレジストパターン形成方法の他の一例を示す断面図であって、図3(a)のパターン非形成領域を露光する工程と図3(b)のパターン非形成領域の少なくとも一部を露光する工程の順番が逆転した場合の工程を示しており、本実施形態においてもパターン形成になんら支障がない。ただし、図4(a)における露光量はE−Eであり、図4(b)での露光量はEである。
また、本実施の形態では、図3(a)のパターン非形成領域を露光する工程の後は現像処理を行わず、図3(b)のパターン非形成領域の少なくとも一部を露光する工程の後に現像処理を行っているが、両工程の露光後に、それぞれ現像処理を行っても、効果は変わらない。
尚、本実施の形態1に係るパターン形成方法の一実施例で用いたフォトマスク3aはレジスト膜表面が平滑なパターン形成領域に対してUV光が透過しない構成のフォトマスクであって、フォトマスク3bは抜気用凹部形成領域に対してUV光が透過する構成のフォトマスクである。
(実施の形態2)
図17(a)〜図17(e)は本実施の形態2に係るパターン形成方法を示す断面図である。
図17(a)〜(c)はフォトリソグラフィ技術を用いて、レジスト膜に凹凸を形成する工程を示し、図17(d)はレジストパターンの露光工程を示し、図17(e)はレジストパターン形成後の状態を示す。
図17(a)に示すように、基体1上に塗布されたレジスト2にフォトマスク3cを用いてパターン非形成部の一部を露光し、さらに、図17(b)に示すように、フォトマスク3dを用いてパターン非形成部の一部を露光し、現像することによって、図17(c)に示すように、レジスト膜の凸部252と抜気用凹部251が形成され、レジスト膜の凸部252はパターン形成領域254とレジスト表面が粗くなった領域253で構成される。次に、図17(d)に示すように、レジスト膜の凸部252に所要のパターンを有するフォトマスク31を密着し、抜気用凹部251を介して基体1の外周部から真空引き7を行うことによりフォトマスク31とレジスト膜の凸部252を密着した後、UV光4を照射することによりフォトマスク31の透過部32を通じてレジスト2を露光する。その後、窒素あるいは酸素などを抜気用凹部251を通じて流入し、フォトマスク31と基体1(レジスト2を含む)を離間する。次に、アルカリ現像液を用いて現像することによりレジスト膜の凸部252のパターン形成領域254にレジスト凹所21を形成する。本実施形態によれば、フォトマスク31と密着するレジスト膜の凸部252はパターン形成領域254とレジスト表面が粗くなった領域253から構成されているので、レジスト表面が粗くなった領域253の実効的なフォトマスクとの接触面積はごく僅かである。そのため、良好な露光後の離間性が実現できる。
また、本実施の形態によれば、レジスト膜の凸部252が表面の平滑なパターン形成領域254のみで構成されている場合に比べて、レジスト膜の凸部252を広くすることができ、フォトマスクが歪むことも無く、表面が平滑なパターン形成領域254は露光時に高い密着性を維持することができる。その結果、光の回り込みによるパターン不良などが発生せず、良好な形状のレジストパターンが形成できる。
本実施の形態のパターン形成方法の工程において、図17(a)のパターン非形成領域の一部を露光する工程と図17(b)のパターン非形成領域の一部を露光する工程の順番が逆転してもなんら支障がない。一実施例において、図17(a)における露光量はEであり、図17(b)での露光量はEである。
また、図17(a)および図17(b)のそれぞれの工程で露光後、現像処理を行っても効果は変わらない。
尚、本実施の形態2に係るパターン形成方法の一実施例で用いたフォトマスク3cは表面が平滑な領域よりも表面粗さの大きい領域に対してUV光が透過する構成のフォトマスクであって、フォトマスク3dは抜気用凹部形成領域に対してUV光が透過する構成のフォトマスクである。
本発明の実施形態1および実施形態2に記載のレジストパターン形成方法において、複数の互いに独立した抜気用凹部を、各々が前記レジスト膜の外周部に至る状態で形成することにより、基体とフォトマスク間に介在するエアーが効率よく排出されるので密着性が高く、露光時の光の回り込みが発生せず、その結果、良好な形状のパターンが得られる。
また、複数の抜気用凹部を、連結させる状態で、かつ、その連結状態の抜気用凹部の少なくとも1箇所がレジスト膜の外周部に至る状態で形成しても良い。
また、図10(a)および図10(b)に示すように、所要のパターンを有するフォトマスクを用いて露光・現像することによって形成されるレジスト凹所21をレジストの凸部252から抜気用凹部251に至るように形成することにより、露光時にレジストから発生する窒素ガスが抜気用凹部251を通じて効率よく排気できる。そのため、レジストから発生する窒素ガスによるフォトマスクと基体の密着性の低下を生ずることなく露光でき、良好な形状を持つレジストパターンが形成できる。
本発明の実施形態の説明例は、パターン形成領域がレジスト膜の凸部のほぼ中心に設定された場合について説明したが、図11(c)のようにレジスト膜の凸部の中心にレジスト表面が粗くなった領域254が存在し、その回りのレジスト膜の凸部に表面が平滑なパターン形成領域254が配置されても同様の効果が得られる。
また、本発明の実施形態に用いる基体が図11(d)に示すように、略円盤形状の形状であって、実施の形態1および実施の形態2により形成されたレジスト膜の凸部252が、レジスト膜の中心近傍16から基体外端部15に至るまでの略放射状に形成され、かつ、レジスト膜の凸部252がレジストの表面が粗くなった領域253と表面が平滑なパターン形成領域254とから構成されている(図示せず)場合、所要のパターン露光を行う際、基体とフォトマスク間に介在するエアーが抜気用凹部251を通じて非常に効率よく排出されるので短時間で密着し、露光時の光の回り込みが発生せず、良好な形状のパターンが安定して得られる。また、露光後、レジスト凹部251を通じて窒素ガスを流入する時も、非常に効率よく流入させることができる。さらに、レジスト表面が粗くなった領域253の実効的なフォトマスクとの接触面積はごく僅かであるため、短時間、かつ安定して離間することが可能である。
(実施の形態3)
実施の形態3は実施の形態1および実施の形態2に係るレジストパターン形成方法を、マスター情報担体の製造方法に用いた実施の形態である。
まず、全体構成を説明するため、抜気用凹部形成後の図12について説明する。非磁性基体11上にはレジスト膜2が塗布されており、レジスト膜2には、レジスト膜の凸部252と抜気用凹部251とで凹凸が形成されている。さらに、レジスト膜の凸部252は表面が平滑なパターン形成領域254と表面が粗れた領域253とで構成されている(図示せず)。抜気用凹部251は、非磁性基体11上の略径方向に延びた溝状部分と、凸部252を囲む円環状部分とで形成されている。このため、抜気用凹部251は、内周部から外周部を経て、非磁性基体11の外部空間に通じていることになる。
図13、図14、図15、図16はマスター情報担体の製造方法における本発明の実施形態をさらに詳細に示す基体断面図である。
図13(a)は非磁性基体11に塗布されたレジスト2に、異なる二つのフォトマスクを用いて露光と現像を行い、レジスト表面に、表面が平滑な領域254と、前記表面が平滑な領域よりも表面粗さの大きい領域253と、抜気用凹部251形成後の状態を示す図である。以上の工程は実施の形態1および実施の形態2に示すパターン形成方法で詳細な説明しているので省略する。
図13(b)〜図13(c)はレジストパターン露光工程を示し、図13(d)はレジストパターン形成後の状態を示す。
図13(b)に示すように、所要のディジタル情報信号のパターンに対応したフォトマスク33とレジスト表面を接触させた後、非磁性基体外周部より真空引きを行い、抜気用凹部251を介して抜気し、フォトマスク33とレジスト膜の凸部252を密着させ、図13(c)に示すようにフォトマスク33の透過部32を通じてレジスト膜2を露光し、現像することで図13(d)に示すように、所要のディジタル情報信号に対応したレジスト凹所21を有するレジストパターン211が形成される。
図13(e)は強磁性薄膜を成膜した状態を示し、図13(f)は強磁性薄膜パターン63形成後の状態を示す。
図13(e)に示すように、非磁性基体11およびレジストパターン211上に強磁性薄膜6を成膜した後、レジストパターン211上に堆積した不要な強磁性薄膜6を溶剤を用いてリフトオフすることにより、図13(f)に示すように、強磁性薄膜パターン63を形成する。
図14(a)〜(d)および図15(e)〜(h)に本実施の形態3の第2の例を示す。図14(a)〜(d)は抜気用凹部251形成後からレジストパターン形成後までの工程を示し、図15(e)〜(h)は形成したレジストパターンを用いたマスター情報担体の製造方法の他の一例を示す断面図である。
図14(a)は塗布されたレジスト2に、異なる二つのフォトマスクを用いて露光と現像を行い、レジスト表面に、表面が平滑な領域254と、前記表面が平滑な領域よりも表面粗さの大きい領域253と、抜気用凹部251形成後の状態を示す断面図である。以上の工程は実施の形態1および実施の形態2に示すパターン形成方法で詳細な説明しているので省略する。
図14(b)〜図14(c)はレジストパターン露光工程を示し、図14(d)はレジストパターン形成後の状態を示す。
図14(b)に示すように、所要のディジタル情報信号のパターンに対応したフォトマスク33とレジスト表面を接触させた後、非磁性基体外周部より真空引きを行い、抜気用凹部251を介して抜気し、フォトマスク33とレジスト膜の凸部252を密着させ、図14(c)に示すようにフォトマスク33の透過部32を通じてレジスト膜2を露光し、現像することで図14(d)に示すように、所要のディジタル情報信号に対応したレジスト凹所21を有するレジストパターン211が形成される。
図15(e)〜(f)はディジタル情報信号に対応したパターンを有する基体凹所13を形成する工程を示し、図15(g)は強磁性薄膜6を成膜した状態を、図15(h)は所要のディジタル情報信号に対応した強磁性薄膜パターン63が基体凹部に埋め込まれた状態を示す。
図15(e)に示すように、レジストパターン211をマスクにして非磁性基体11を反応性ガス5によりエッチングする。このことにより、図15(f)に示すように、所要のディジタル情報信号に対応したパターンを有する基体凹所13が形成される。
この基体凹所13に埋め込むように強磁性薄膜6を成膜後、リフトオフすることにより、図15(h)に示すように、非磁性基体11内に埋め込まれた強磁性薄膜パターン63を形成する。
本実施例においてレジストの残膜厚がゼロになる露光量(しきい値露光量)をE、抜気用凹部を形成するのに必要な露光量をE、レジスト表面を荒らすのに必要な露光量をEとすると、E>Eで且つE>Eの関係が成り立つような露光量で露光することにより抜気用凹部にレジストが残存する。そのため、その後の工程で抜気用凹部251上に成膜された強磁性薄膜はリフトオフによってレジストと共に除去され、パターン形成領域254のみに強磁性薄膜パターンが形成される。
図16(a)〜図16(f)は本実施の形態3の第3の例を示す。
図16(a)は、強磁性薄膜6を成膜した非磁性基体11上に塗布されたレジスト2に、異なる二つのフォトマスクを用いて露光と現像を行い、レジスト表面に、表面が平滑な領域254と、前記表面が平滑な領域よりも表面粗さの大きい領域253と、抜気用凹部251形成後の状態を示す断面図である。以上の工程は実施の形態1および実施の形態2に示すパターン形成方法で詳細な説明しているので省略する。
図16(b)〜図16(c)はレジストパターン露光工程を示し、図16(d)はレジストパターン形成後の状態を示す。
図16(b)に示すように、所要のディジタル情報信号のパターンに対応したフォトマスク33とレジスト表面を接触させた後、非磁性基体外周部より真空引きを行い、抜気用凹部251を介して抜気し、フォトマスク33とレジスト膜の凸部252を密着させ、図16(c)に示すように露光し、現像することで図16(d)に示すように、所要のディジタル情報信号に対応したレジストパターン211が形成される。
図16(e)は強磁性薄膜6をエッチングする工程を示し、図16(f)は所要のディジタル情報信号に対応した強磁性薄膜パターン63形成後の状態を示す。
図16(e)に示すように、レジストパターン211をマスクにして、反応性ガス5を用いたリアクティブイオンエッチングあるいはイオンミリング等により強磁性薄膜6をエッチングし、その後、強磁性薄膜パターン63上の不要なレジストを除去することにより、所要のディジタル情報信号に対応した強磁性薄膜パターン63を形成する。
本実施例では、抜気用凹部251を形成するのに必要な露光量Eを、レジストの残膜厚がゼロになる露光量(しきい値露光量)Eよりも大きくし、抜気用凹部251では強磁性薄膜6の表面が露出している場合を示しているが、E>Eの関係が成り立つような露光量で露光することにより抜気用凹部251にレジストが残存している場合でも、図12(b)で示すフォトマスク33を用いた露光によって抜気用凹部251の残存レジストは全て感光し、現像後に除去することができる。そのため、どちらの場合でもパターン形成領域254のみにディジタル情報信号に対応した強磁性薄膜パターンのみが形成される。
本実施形態によれば、抜気用凹部を通じて真空引きを行う際、レジスト膜の凸部252の一部にレジスト表面が粗くなった領域253が存在するため、フォトマスクの歪を抑えることが出来る。そのため、パターン形成領域254はフォトマスクと高い密着性を実現できる。また、レジスト表面が粗くなった領域253の実効的なフォトマスクとの接触面積はごく僅かであるため、露光後、容易に離間することが可能である。その結果、レジスト剥離が発生せず、レジスト膜の凸部のパターン形成領域に良好なレジストパターンを形成することができ、高精度なパターン精度を有するマスター情報担体を安定して作製することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4は実施の形態3に係るマスター情報担体の製造法を用いた磁気記録媒体の製造方法、磁気記録再生装置の製造方法、および磁気記録再生装置について説明する。
図19は、ディジタル情報信号の磁気転写記録を実施するための記録装置の概略図を示している。図19において、磁気記録媒体である磁気ディスク49は、中心孔49aを有するドーナツ円盤状のディスクである。磁気ディスク49は、非磁性基板の表面にCo等を主成分とする強磁性薄膜をスパッタリング法によって成膜することにより構成されている。
磁気ディスク49の強磁性薄膜表面に接触するように、円盤状のマスター情報担体39が重ね合わせて配置している。マスター情報担体39は、本実施の形態3で説明した製造方法により製造したものであり、磁気ディスク49に接触する側の表面に信号領域39aが設けられている。信号領域39aは、本実施の形態3の強磁性薄膜パターン63で形成されたものであり、磁気ディスク49に磁気転写記録すべきディジタル情報信号に対応した微細な配列パターンである。
磁気ディスク49は、ディスク保持体34で保持されている。ディスク保持体34の先端部には、磁気ディスク49を位置決め保持するチャック部34aが設けられている。また、ディスク保持体34の内部には吸引孔34bが設けられており、吸引孔34bは磁気ディスク49の中心孔49aに連通し、かつ一端が排気ダクト35に接続されている。
排気ダクト35の端部には排気装置36が装着されており、この排気装置36を始動させることにより、排気ダクト35、ディスク保持体34の吸引孔34bを通して、磁気ディスク49とマスター情報担体39との間の空間が負圧状態となる。このことにより、マスター情報担体39が磁気ディスク49側に吸引され、マスター情報担体39に磁気ディスク49が位置決めされた状態で重ね合わされることになる。
着磁用ヘッド37は、マスター情報担体39から磁気ディスク49に転写記録する際に必要な外部磁界を印加するためのものである。着磁用ヘッド37から印加される磁界により、マスター情報担体39に形成されたディジタル情報信号に対応した強磁性薄膜パターンが磁化され、これらから発生する漏れ磁束によって磁気ディスク49に信号領域39aの強磁性薄膜パターンに対応したディジタル情報信号が記録される。
さらに、以上のような工程を経て製造した磁気記録媒体を用いて、磁気記録再生装置を製造することができる。磁気記録再生装置の詳細は、後に図20を用いて説明するが、磁気記録再生装置を製造する際には、マスター情報担体を用いてディジタル情報信号を記録した磁気記録媒体を回転部分に搭載することになる。
図20は、磁気記録再生装置の概略図を示している。磁気記録媒体である磁気ディスク41は、前記のような工程を経て製造したものである。磁気ディスク41は、回転部分であるスピンドル42上に支持されている。磁気ディスク41は、スピンドル42を介して回転手段であるスピンドルモータ43の回転によって回転する。
薄膜磁気ヘッド44は、支持部材であるサスペンション45及びアクチュエータアーム46を介して移動手段であるアクチュエータ47に取り付けられている。
この構成によれば、薄膜磁気ヘッド44はアクチュエータ47の動作により、移動できる。また、薄膜磁気ヘッド44は、磁気ディスク41面に対向して配置されている。このため、磁気ディスク41の回転、及び薄膜磁気ヘッド44の磁気ディスク41の半径方向の移動によって、磁気ディスク41のほぼ全面に対して信号の読み書きが可能となる。また、磁気ディスク41の回転の制御、薄膜磁気ヘッド44の位置制御、及び記録再生信号の制御等は処理手段である制御回路48で行われる。
(実施例)
以下、本発明の実施例について説明する。基体上にレジスト厚約0.7μmをスピンコート塗布し、90℃のホットプレートで1分間ソフトベークした後、パターン非形成領域のレジスト表面にUV照射パワー8mW/cm2で2秒露光し、次に、パターン非形成領域の少なくとも一部を4秒露光し、現像することによって、パターン形成領域254と抜気用凹部251との段差量が約0.3μmのレジストの凹凸を形成した。また、そのときのレジスト膜の凸部のレジスト表面が粗くなった領域253のレジスト表面粗さは50nmから70nmであった。
次に、所要の形状パターンが搭載されたフォトマスクとレジスト膜の凸部とを接触し、真空引きにより密着させて、レジストの目標線幅を得るための最適露光量(Eo)で露光し、フォトマスクとレジスト膜を離間した後、現像することによりサブミクロン領域の線幅においても良好な形状のレジストパターンを得ることができた。
以上に示した方法で作製したマスター情報担体を用いて磁気記録媒体にプリフォーマット記録した後、磁気記録媒体に記録された信号を、ヘッドを用いて読みとることにより信号の評価を行った。その結果、パターン線幅が0.3μmの細線でも、設計通りの信号が記録されていることを確認した。
一方、レジストパターンを前記の図6に示した従来方法で作成したマスター情報担体を用いて行った評価では、パターン線幅が0.5μmまで細線化すると設計通りの再生信号が得られなかった。
ここで、パターン線幅が小さくなると、転写記録されたトラッキング用サーボ信号の磁化反転長が小さくなるため、その信号に基づいたトラック幅方向の分解能が向上し位置決め精度が向上する。この場合の位置決め精度は、磁化反転長の逆数に比例し、線幅が0.5μmから0.3μmになると、トラック幅方向の位置決め精度は約1.7倍(0.5μm/0.3μm)になる。
転写記録されたトラッキング用サーボ信号の磁化反転長が小さくなった場合、トラッキングサーボ信号の占有面積が同一であると仮定すると、磁化反転長が小さくなった分、その中に存在する信号の繰返し周期を増加させることができる。その結果、信号の平均化効果により、信号S/Nが改善し、位置決め精度を向上させることができる。この場合の位置決め精度は、磁化反転長の逆数の平方根に比例し、線幅が0.5μmから0.3μmになると、トラック幅方向の位置決め精度が約1.3倍になる。
これらの二つの効果により、線幅が0.5μmから0.3μmになると、トラック幅方向の位置決め精度は約2.2倍(1.7×1.3)になる。すなわち、トラック幅方向の密度を2.2倍に高めることが可能となり、磁気記録再生装置の大容量化の実現に非常に大きな効果を発揮することになる。
なお、本発明の実施形態では、フォトマスクに歪みが生ずる場合について示したが、基体が歪む場合でも同様の効果を有する。
また、本発明の実施形態に係るパターン形成方法は、レジスト表面が平滑な領域にのみ微細パターンを形成する方法について説明したが、表面が粗れた領域にサブミクロン以下の線幅を形成することは困難であるが、数μm以上のパターンを形成することは可能である。
以上、本発明の実施形態について例をあげて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想に基づいた他の実施形態に適用することができる。
以上のように、本発明によれば、抜気用凹部を介した真空引きによるフォトマスクの歪を大幅に低減でき、レジスト表面の平滑なパターン形成領域でのフォトマスクとレジストの密着性が向上する。また、レジスト表面のパターン形成領域以外は表面が粗くなっているため、その部分の実効的なフォトマスクとの接触面積はごく僅かである。そのため、良好な露光後の離間性が実現できる。その結果、レジスト剥離などが発生せず、良好なレジストパターンを得ることができるので、例えばマスター情報担体等の製造の際のレジストパターン形成方法に有用である。
本発明の実施形態1のレジスト構成を示す平面および断面図 本発明の実施形態1のパターン形成方法を示す平面および断面図 本発明の実施形態2のレジストパターン形成方法を示す工程断面図 本発明の実施形態2のレジストパターン形成方法の他の一例を示す工程断面図 本発明の一実施形態に係るレジスト段差量と露光量の関係を示す図 従来法によるパターン形成方法を示す工程断面図 従来法によるパターン形成方法における課題を説明する断面図 従来法による課題解決方法の一例を示す断面図 従来法のパターン形成工程におけるパターン配置を示す平面図 本発明の一実施例に係るパターン配置の一例を示す平面図 本発明の一実施例に係るパターン配置の他の一例を示す平面図 本発明の一実施形態に係る抜気用凹部形成後の基体全体の斜視図 本発明の実施形態3のマスター情報担体製造方法の一例を示す断面図 本発明の実施形態3のマスター情報担体製造方法の他の一例を示す断面図 本発明の実施形態3のマスター情報担体製造方法の他の一例を示す断面図であって、図14に続く工程を示す断面図 本発明の実施形態3のマスター情報担体製造方法の他の一例を示す断面図 本発明の一実施形態に係るレジストパターン形成方法を示す工程断面図 本発明の実施形態のレジストの断面形状を詳細に示す断面図 本発明の実施形態4の磁気記録媒体の製造方法を示す概略図 本発明の実施形態4の磁気記録再生装置の概略図
符号の説明
1 基体
11 非磁性基体
12 基体露出面
13 基体凹所
15 基体外端部
155 非磁性基体外周部
16 レジスト膜の中心近傍
2 レジスト
21 レジスト凹所
211 ディジタル情報信号に対応したレジストパターン
25 レジスト表面の凹凸
251 抜気用凹部
252 レジスト膜の凸部
253 レジストの表面が粗くなった領域
254 パターン形成領域
255 フォトマスクの歪
3 フォトマスク
31 所要のパターン形状を有するフォトマスク
33 ディジタル情報信号に対応したパターンを有するフォトマスク
32 フォトマスクの透過部
4 UV光
41 窒素ガス
5 エッチング
6 強磁性薄膜
63 強磁性薄膜パターン
7 真空引き
8 隙間

Claims (16)

  1. 基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を構成する第1の領域を露光・現像することにより、前記レジスト膜の表面粗さを大きくする工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の第1の領域を除く第2の領域を露光・現像することにより、前記レジスト膜の表面に抜気用凹部を形成する工程と、
    前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより前記レジスト膜の表面に前記フォトマスクを密着させる工程と、
    前記レジスト膜表面のパターン形成領域に対して所要のパターンを露光する工程とを含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
  2. 基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を構成する第1の領域を露光・現像することにより、前記レジスト膜の表面に抜気用凹部を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の第1の領域を除く第2の領域を露光・現像することにより、前記レジスト膜の表面粗さを大きくする工程と、
    前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより前記レジスト膜の表面に前記フォトマスクを密着させる工程と、
    前記レジスト膜表面のパターン形成領域に対して所要のパターンを露光する工程とを含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
  3. 基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域を露光する第1の露光工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を露光する第2の露光工程と、
    前記レジスト膜を現像することにより、前記第1の露光工程で露光された第1の領域のうち前記第2露光工程で露光された第2の領域との共通部分を除く部分のレジスト膜の表面粗さを大きくするとともに、前記第2領域との共通部分には抜気用凹部を形成する工程と、
    前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより前記レジスト膜の表面に前記フォトマスクを密着させる工程と、
    前記レジスト膜表面のパターン形成領域に対して所要のパターンを露光する工程とを含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
  4. 基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を露光する第1の露光工程と、前記レジスト膜のパターン非形成領域を露光する第2の露光工程と、前記レジスト膜を現像することにより、前記第2の露光工程で露光された第2の領域のうち前記第1の露光工程で露光された第1の領域との共通部分を除く部分のレジスト膜の表面粗さを大きくするとともに、前記第1領域との共通部分には抜気用凹部を形成する工程と、前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより前記レジスト膜の表面に前記フォトマスクを密着させる工程と、前記レジスト膜表面のパターン形成領域に対して所要のパターンを露光する工程とを含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
  5. 非磁性基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を構成する第1の領域を露光・現像することにより前記レジスト膜の表面粗さを大きくする工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の第1の領域を除く第2の領域を露光・現像することにより、前記レジスト膜の表面に抜気用凹部を形成する工程と、
    前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより前記レジスト膜の表面に前記フォトマスクを密着させる工程と、
    前記レジスト膜表面のパターン形成領域に対して所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像して前記所要のディジタル情報信号パターンに対応するレジスト凹所を形成し、前記レジスト凹所の底部に前記非磁性基体の表面を露出させる工程と、
    前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜表面および前記レジスト凹所を通じて露出させた前記非磁性基体表面に対して強磁性薄膜を堆積する工程と、
    前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜を前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜表面に堆積した前記強磁性薄膜とともに除去して、前記非磁性基体表面上に前記所要のディジタル情報信号パターンに対応する強磁性薄膜パターンを形成する工程とを含むことを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
  6. 非磁性基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を構成する第1の領域を露光・現像することにより前記レジスト膜の表面粗さを大きくする工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の第1の領域を除く第2の領域を露光・現像することにより、前記レジスト膜の表面に抜気用凹部を形成する工程と、
    前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより前記レジスト膜の表面にフォトマスクを密着させる工程と、
    前記レジスト膜表面のパターン形成領域に対して所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像して前記所要のディジタル情報信号パターンに対応するレジスト凹所を形成し、前記レジスト凹所の底部に前記非磁性基体の表面を露出させる工程と、
    前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜をマスクにしてエッチングを行い、前記レジスト凹所を通じて露出させた前記非磁性基体表面に前記所要のディジタル情報信号パターンに対応する基体凹所を形成する工程と、
    前記エッチング後に残存した前記レジスト膜表面および前記基体凹所に対して、前記基体凹所に埋め込む状態で強磁性薄膜を堆積する工程と、
    前記基体凹所に埋め込んだ強磁性薄膜を残す状態で前記エッチング後に残存した前記レジスト膜を前記エッチング後に残存した前記レジスト膜表面に堆積した前記強磁性薄膜とともに除去して、前記非磁性基体表面に前記所要のディジタル情報信号パターンに対応する強磁性薄膜パターンを形成する工程とを含むことを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
  7. 非磁性基体の表面に強磁性薄膜を堆積する工程と、
    前記強磁性薄膜の表面にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を構成する第1の領域を露光・現像することにより前記レジスト膜の表面粗さを大きくする工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の第1の領域を除く第2の領域を露光・現像することにより、前記レジスト膜の表面に抜気用凹部を形成する工程と、
    前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより前記レジスト膜の表面に前記フォトマスクを密着させる工程と、
    前記レジスト膜の凸部の領域に所要のパターンを露光・現像することにより所要のパターン形状のレジスト凹所を形成し、前記レジスト凹所の底部に前記強磁性薄膜を露出する工程と、
    前記所要のパターン露光後のレジスト膜をマスクにしてエッチングを行い、前記レジスト凹所を通じて露出させた部分の前記強磁性薄膜を除去する工程と、
    前記エッチング後に残存した前記レジスト膜を除去して前記非磁性基体表面にディジタル情報信号対応の強磁性薄膜パターンを形成することを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
  8. 非磁性基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を構成する第1の領域を露光・現像することにより、前記レジスト膜の表面に抜気用凹部を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の第1の領域を除く第2の領域を露光・現像することにより、前記レジスト膜の表面粗さを大きくする工程と、
    前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより前記レジスト膜の表面に前記フォトマスクを密着させる工程と、
    前記レジスト膜表面のパターン形成領域に対して所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像して前記所要のディジタル情報信号パターンに対応するレジスト凹所を形成し、前記レジスト凹所の底部に前記非磁性基体の表面を露出させる工程と、
    前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜表面および前記レジスト凹所を通じて露出させた前記非磁性基体表面に対して強磁性薄膜を堆積する工程と、
    前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜を前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜表面に堆積した前記強磁性薄膜とともに除去して、前記非磁性基体表面上に前記所要のディジタル情報信号パターンに対応する強磁性薄膜パターンを形成する工程とを含むことを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
  9. 非磁性基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を構成する第1の領域を露光・現像することにより、前記レジスト膜の表面に抜気用凹部を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の第1の領域を除く第2の領域を露光・現像することにより、前記レジスト膜の表面粗さを大きくする工程と、
    前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより前記レジスト膜の凸部に前記フォトマスクを密着させる工程と、
    前記レジスト膜表面のパターン形成領域に対して所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像して前記所要のディジタル情報信号パターンに対応するレジスト凹所を形成し、前記レジスト凹所の底部に前記非磁性基体の表面を露出させる工程と、
    前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜をマスクにしてエッチングを行い、前記レジスト凹所を通じて露出させた前記非磁性基体表面に前記所要のディジタル情報信号パターンに対応する基体凹所を形成する工程と、
    前記エッチング後に残存した前記レジスト膜表面および前記基体凹所に対して、前記基体凹所に埋め込む状態で強磁性薄膜を堆積する工程と、
    前記基体凹所に埋め込んだ強磁性薄膜を残す状態で前記エッチング後に残存した前記
    レジスト膜を前記エッチング後に残存した前記レジスト膜表面に堆積した前記強磁性薄膜とともに除去して、前記非磁性基体表面に前記所要のディジタル情報信号パターンに対応する強磁性薄膜パターンを形成する工程とを含むことを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
  10. 非磁性基体の表面に強磁性薄膜を堆積する工程と、
    前記強磁性薄膜の表面にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を構成する第1の領域を露光・現像することにより、前記レジスト膜の表面に抜気用凹部を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の第1の領域を除く第2の領域を露光・現像することにより、前記レジスト膜の表面粗さを大きくする工程と、前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより前記レジスト膜の表面に前記フォトマスクを密着させる工程と、
    前記レジスト膜の凸部の領域に所要のパターンを露光・現像することにより所要のパターン形状のレジスト凹所を形成し、前記レジスト凹所の底部に前記強磁性薄膜を露出する工程と、
    前記所要のパターン露光後のレジスト膜をマスクにしてエッチングを行い、前記レジスト凹所を通じて露出させた部分の前記強磁性薄膜を除去する工程と、
    前記エッチング後に残存した前記レジスト膜を除去して前記非磁性基体表面にディジタル情報信号対応の強磁性薄膜パターンを形成する工程とを含むことを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
  11. 非磁性基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域を露光する第1の露光工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を露光する第2の露光工程と、
    前記レジスト膜を現像することにより、前記第1の露光工程で露光された第1の領域のうち前記第2露光工程で露光された第2の領域との共通部分を除く部分のレジスト膜の表面粗さを大きくするとともに、前記第2領域との共通部分には抜気用凹部を形成する工程と、
    前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより前記レジスト膜の表面に前記フォトマスクを密着させる工程と、
    前記レジスト膜表面のパターン形成領域に対して所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像して前記所要のディジタル情報信号パターンに対応するレジスト凹所を形成し、前記レジスト凹所の底部に前記非磁性基体の表面を露出させる工程と、
    前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜表面および前記レジスト凹所を通じて露出させた前記非磁性基体表面に対して強磁性薄膜を堆積する工程と、
    前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜を前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜表面に堆積した前記強磁性薄膜とともに除去して、前記非磁性基体表面上に前記所要のディジタル情報信号パターンに対応する強磁性薄膜パターンを形成する工程とを含むことを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
  12. 非磁性基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域を露光する第1の露光工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を露光する第2の露光工程と、
    前記レジスト膜を現像することにより、前記第1の露光工程で露光された第1の領域のうち前記第2露光工程で露光された第2の領域との共通部分を除く部分のレジスト膜の表面粗さを大きくするとともに、前記第2領域との共通部分には抜気用凹部を形成する工程と、
    前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより前記レジスト膜の表面に前記フォトマスクを密着させる工程と、
    前記レジスト膜表面のパターン形成領域に対して所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像して前記所要のディジタル情報信号パターンに対応するレジスト凹所を形成し、前記レジスト凹所の底部に前記非磁性基体の表面を露出させる工程と、
    前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜をマスクにしてエッチングを行い、前記レジスト凹所を通じて露出させた前記非磁性基体表面に前記所要のディジタル情報信号パターンに対応する基体凹所を形成する工程と、
    前記エッチング後に残存した前記レジスト膜表面および前記基体凹所に対して、前記基体凹所に埋め込む状態で強磁性薄膜を堆積する工程と、
    前記基体凹所に埋め込んだ強磁性薄膜を残す状態で前記エッチング後に残存した前記レジスト膜を前記エッチング後に残存した前記レジスト膜表面に堆積した前記強磁性薄膜とともに除去して、前記非磁性基体表面に前記所要のディジタル情報信号パターンに対応する強磁性薄膜パターンを形成する工程とを含むことを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
  13. 非磁性基体の表面に強磁性薄膜を堆積する工程と、
    前記強磁性薄膜の表面にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域を露光する第1の露光工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を露光する第2の露光工程と、
    前記レジスト膜を現像することにより、前記第1の露光工程で露光された第1の領域のうち前記第2露光工程で露光された第2の領域との共通部分を除く部分のレジスト膜の表面粗さを大きくするとともに、前記第2領域との共通部分には抜気用凹部を形成する工程と、
    前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより前記レジスト膜の表面に前記フォトマスクを密着させる工程と、
    前記レジスト膜の凸部の領域に所要のパターンを露光・現像することにより所要のパターン形状のレジスト凹所を形成し、前記レジスト凹所の底部に前記強磁性薄膜を露出する工程と、
    前記所要のパターン露光後のレジスト膜をマスクにしてエッチングを行い、前記レジスト凹所を通じて露出させた部分の前記強磁性薄膜を除去する工程と、
    前記エッチング後に残存した前記レジスト膜を除去して前記非磁性基体表面にディジタル情報信号対応の強磁性薄膜パターンを形成する工程とを含むことを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
  14. 非磁性基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を露光する第1の露光工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域を露光する第2の露光工程と、
    前記レジスト膜を現像することにより、前記第2の露光工程で露光された第2の領域のうち前記第1の露光工程で露光された第1の領域との共通部分を除く部分のレジスト膜の表面粗さを大きくするとともに、前記第1領域との共通部分には抜気用凹部を形成する工程と、
    前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより前記レジスト膜の表面に前記フォトマスクを密着させる工程と、
    前記レジスト膜表面のパターン形成領域に対して所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像して前記所要のディジタル情報信号パターンに対応するレジスト凹所を形成し、前記レジスト凹所の底部に前記非磁性基体の表面を露出させる工程と、
    前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜表面および前記レジスト凹所を通じて露出させた前記非磁性基体表面に対して強磁性薄膜を堆積する工程と、
    前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜を前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜表面に堆積した前記強磁性薄膜とともに除去して、前記非磁性基体表面上に前記所要のディジタル情報信号パターンに対応する強磁性薄膜パターンを形成する工程とを含むことを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
  15. 非磁性基体の表面にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を露光する第1の露光工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域を露光する第2の露光工程と、
    前記レジスト膜を現像することにより、前記第2の露光工程で露光された第2の領域のうち前記第1の露光工程で露光された第1の領域との共通部分を除く部分のレジスト膜の表面粗さを大きくするとともに、前記第1領域との共通部分には抜気用凹部を形成する工程と、
    前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きすることにより前記レジスト膜の表面に前記フォトマスクを密着させる工程と、
    前記レジスト膜表面のパターン形成領域に対して所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像して前記所要のディジタル情報信号パターンに対応するレジスト凹所を形成し、前記レジスト凹所の底部に前記非磁性基体の表面を露出させる工程と、
    前記所要のディジタル情報信号パターンを露光・現像した後の前記レジスト膜をマスクにしてエッチングを行い、前記レジスト凹所を通じて露出させた前記非磁性基体表面に前記所要のディジタル情報信号パターンに対応する基体凹所を形成する工程と、
    前記エッチング後に残存した前記レジスト膜表面および前記基体凹所に対して、前記基体凹所に埋め込む状態で強磁性薄膜を堆積する工程と、
    前記基体凹所に埋め込んだ強磁性薄膜を残す状態で前記エッチング後に残存した前記レジスト膜を前記エッチング後に残存した前記レジスト膜表面に堆積した前記強磁性薄膜とともに除去して、前記非磁性基体表面に前記所要のディジタル情報信号パターンに対応する強磁性薄膜パターンを形成する工程とを含むことを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
  16. 非磁性基体の表面に強磁性薄膜を堆積する工程と、
    前記強磁性薄膜表面にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の一部を露光する第1の露光工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域を露光する第2の露光工程と、
    前記レジスト膜を現像することにより、前記第2の露光工程で露光された第2の領域のうち前記第1の露光工程で露光された第1の領域との共通部分を除く部分のレジスト膜の表面粗さを大きくするとともに、前記第1領域との共通部分には抜気用凹部を形成する工程と、
    前記レジスト膜のパターン非形成領域の少なくとも一部を構成する第1領域を露光する工程と、
    前記パターン非形成領域の少なくとも一部を構成する第2領域を露光する工程と、
    前記レジスト膜を現像することにより、前記第2領域のうち前記第1領域との共通部分を除く部分のレジスト膜の表面粗さを大きくするとともに、前記第1領域には抜気用凹部を形成する工程と、
    前記レジスト膜にフォトマスクを重ねた状態で、前記抜気用凹部を介して真空引きす
    ることにより前記レジスト膜の表面に前記フォトマスクを密着させる工程と、
    前記レジスト膜の凸部の領域に所要のパターンを露光・現像することにより所要のパターン形状のレジスト凹所を形成し、前記レジスト凹所の底部に前記強磁性薄膜を露出する工程と、
    前記所要のパターン露光後のレジスト膜をマスクにしてエッチングを行い、前記レジスト凹所を通じて露出させた部分の前記強磁性薄膜を除去する工程と、
    前記エッチング後に残存した前記レジスト膜を除去して前記非磁性基体表面にディジタル情報信号対応の強磁性薄膜パターンを形成する工程とを含むことを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
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