JPH08506363A - 改良された性質を有する吸水性ポリマー - Google Patents
改良された性質を有する吸水性ポリマーInfo
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Abstract
(57)【要約】
1実施態様において、本発明は改良された性質を有する表面架橋した吸水性ポリマーと、その製造方法とを提供する。表面架橋と組合せた、好ましい第1架橋剤の使用によって、好ましい吸収性が得られる。適切な第1架橋剤は、メチレンビスアクリルアミド、ビス(アクリルアミド)酢酸とその塩、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、及びビニル官能基とアリル官能基の両方を有するエステル若しくはアミドを含む。他の実施態様では、本発明は界面活性剤の不存在下のヒドロゲルに表面架橋剤を添加することによる吸水性ポリマーの製造方法を提供する。
Description
【発明の詳細な説明】
改良された性質を有する吸水性ポリマー
本発明は、改良された性質を有する表面架橋した吸水性ポリマーに関する。本
発明はさらに、このようなポリマーの製造方法にも関する。本発明はさらに、こ
のようなポリマーの使用方法にも関する。
水膨潤性ポリマーは、例えば衛生ナプキン、失禁デバイス及び使い捨て式ベビ
ー用おむつのような、体液を吸収するパーソナルケアデバイスの構成要素として
用いられる。このようなポリマーの例は米国特許第3,926,891号;第4
,190,562号及び第4,293,609号に開示されている。
吸収性ポリマーを製造するための種々な方法が知られている。例えば、米国特
許第4,833,222号は表面活性剤によって中和されたモノマーからの吸収
性ポリマーの製造方法を教示する。米国特許第4,808,637号は、重合を
開始させるための熱源として好ましくはマイクロ波放射線を用いた、アクリル酸
、カルボン酸のアルカリ金属塩、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム及び水の
均一な反応を教示する。
もう一つの方法は、反応媒質中の特定の量の重合可能な酸基含有モノマーと、
架橋剤と、任意のフリーラジカル開始剤とから本質的に成る反応混合物を形成す
る工程と、その後に重合する工程と、酸官能基の少なくとも一部を中和する工程
とを含む。
パーソナルケアデバイスに用いられる吸収性ポリマーは遠心容量(centrifuge
capacity)、荷重下吸収度(absorbence under load)、剪断弾性率及び抽出物
%を含めた、ある一定の性能特性を特徴とする。
米国特許第4,666,983号は、カルボキシル基を有する吸収性樹脂粉末
100重量部と、この吸収性樹脂粉末の少なくとも表面付近に存在する分子鎖を
架橋するための架橋剤0.0001〜10重量部とを混合することによって得ら
れる吸収性製品を開示する。
米国特許第4,734,478号は、カルボキシル含有吸水性樹脂の粉末10
0重量部を多価アルコール0.001〜10重量部と混合し、この混合物を少な
くとも100℃の温度に加熱して、該粉末を該多価アルコールと反応させること
によって得られる、その表面近くに分子鎖を有する吸水性樹脂粉末を開示し、該
粉末と該多価アルコールとの混合を該粉末100重量部につき0.01〜8重量
部の親水性有機溶媒と0〜8重量部の水との存在下で実施することを含む改良を
開示する。
日本公開公報第84632/1981号は、アクリル酸10〜40モル%とア
クリレート塩60〜100モル%とから成るアクリル酸/アクリレートベースド
ポリマー100重量部につき、水溶性及び/又は水分散性界面活性剤0. 01
〜10重量部と水溶性多価アルコール0.005〜20重量部とから得られる架
橋ポリ(アクリル酸アルカリ金属)物質から成る吸収剤を開示し、この場合にポ
リマーはゲル重合によってゲルとして形成され、その後に加熱され、乾燥される
。
ヨーロッパ特許出願第248,963号は、吸水性樹脂粒子の表面をポリ第4
級アミンによって処理して、吸収速度を有意に高め、荷重下吸収度(AUL)を
10%高めるための後処理方法を開示する。この開示された方法では、ポリ第4
級アミンをメタノール中の溶液として塗布する。
ヨーロッパ特許出願第248,437号は、水溶性過酸化物ラジカル開始剤の
水溶液を吸水性樹脂粒子の表面に吹付け、被覆された粒子を加熱することからな
る後表面架橋方法を開示する。この参考文献は、吸水度と吸水速度との改良とい
う産物を生ずる、付加的な表面架橋の達成を主張する。この参考文献は、吸収性
ポリマーの表面中への水溶液の浸透の均一性が例えばメタノールのような水溶性
有機溶剤を用いることによって改良されることを開示する。この開示された方法
は高レベルの過酸化物フリーラジカル開始剤を使用し、このことが部分的に中和
されたポリアクリル酸を変色させて、製品をパーソナルケア用途のために魅力の
ないものにするという欠点を有する。開示された方法は抽出可能なポリマー(例
えば、低分子量水溶性ポリマー)の量を、ポリマーが加熱された場合に、増加さ
せるという欠点をさらに有する。
ドイツ特許第3,713,601号はグリシジル又はポリグリシジル化合物の
架橋剤の添加によって表面架橋を得る方法を開示する。これらのポリマーは、ポ
リマーがヒトの皮膚と接触することが考えられる用途には好ましくない。
産業界は荷重下吸収度と容量(capacity)とを改良した水性流体吸収剤に大き
な
利点を見い出している。産業界はさらにこのような水性流体吸収剤の製造方法に
大きな利点を見い出している。
したがって、1実施態様では、本発明は部分的に中和されたα,β−エチレン
系不飽和モノマーの架橋ポリマーを含む吸水性ポリマー物質を提供する、この架
橋ポリマーはメチレンビスアクリルアミド、ビス(アクリルアミド)酢酸とその
塩、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、及びビニル官能基とアリル官
能基の両方を有するエステル若しくはアミド、又は高エトキシル化トリメチロー
ルプロパントリアクリレートから成る群から選択される第1架橋剤によって架橋
され、該架橋ポリマーはさらに表面架橋剤によって架橋され、このときにポリマ
ーの表面近くに存在する分子鎖が架橋されるものである。
他の実施態様では、本発明はさらに、次の工程:
(a)メチレンビスアクリルアミド、ビス(アクリルアミド)酢酸とその塩、ア
リルアクリレート、アリルメタクリレート、及びビニル官能基とアリル官能基の
両方を有するエステル若しくはアミドから成る群から選択される第1架橋剤によ
って架橋された、部分的に中和されたα,β−エチレン系不飽和モノマーの架橋
ポリマーを製造する工程;
(b)表面架橋剤が該架橋ポリマーの内部に実質的に浸透することなく該架橋ポ
リマーを被覆して、被覆架橋ポリマーを形成するような条件下で、該架橋ポリマ
ーを表面架橋剤と接触させる工程:及び
(c)該被覆架橋ポリマーの表面を架橋させるために、該表面架橋剤が該被覆さ
れた架橋ポリマーと反応するような条件下で、該被覆架橋ポリマーを加熱する工
程
を含む水性流体吸収性物質の製造方法を提供する。
表面架橋と組合せた、請求の範囲に述べる好ましい第1架橋剤の特有の組合せ
によって、例えば荷重下吸収度及び容量のような、吸収性の改良されたバランス
が実現される。得られる組成物は水性流体吸収剤を用いる如何なる用途において
も高性能を与える。特に、本発明の組成物はパーソナルケアデバイスに大きな有
用性を見い出しており、この場合には、ポリマーが実質的な量の流体を保持する
容量を有し、このような流体を例えば座るときのような、圧力が及ぼされるとき
に保留することが重要である。
他の実施態様では、本発明は、次の工程:
(a)カルボキシル部分を含む吸水性樹脂20〜95%と、水5〜80%とを含
むヒドロゲルを、界面活性剤の不存在下の表面架橋剤を含み、任意にさらに付加
的な水及び/又は水混和性の極性溶剤を含む組成物と、表面架橋剤が該ヒドロゲ
ルの吸収性樹脂粒子の内部に実質的に浸透することなく該ヒドロゲルを被覆して
、被覆ヒドロゲルを形成するような条件下で接触させる工程;
(b)水と、存在する場合の任意の付加的な水及び任意の溶剤とが実質的に除去
されて、表面架橋剤がカルボキシル部分と有意に反応しないように、被覆ヒドロ
ゲルを乾燥させて、乾燥した被覆樹脂を形成する工程;及び
(c)該乾燥した被覆樹脂の粒度を機械的な手段によって縮小して、乾燥した被
覆粒子を形成する工程;及び
(d)乾燥した被覆粒子の表面を架橋させるために、該表面架橋剤がカルボキシ
ル部分と反応するような条件下で、該乾燥した被覆粒子を加熱する工程
を含む水性流体吸収性物質の製造方法を提供する。
上記その他の実施態様を下記の詳細な説明においてさらに詳しく説明する。
一般に、吸水性樹脂粒子はゲル重合方法によって又は逆懸濁(reverse suspen
sion)重合方法のいずれかによって製造され、これらの両方法は周知である。
ゲル重合方法では、モノマーを水溶液中で重合する。例えば架橋剤と界面活性
剤のような、ある種の添加剤をモノマー混合物中に混入することができる。重合
方法の生成物は、少なくとも約5重量%の水を含むポリマーの水膨潤形であるヒ
ドロゲルである。一般に、このヒドロゲルに対して粒度を縮小するための機械的
手段を実施して、ヒドロゲルを粒状にする。その後に、ヒドロゲルを乾燥させて
、水を除去する。次に、この粒子に対してさらに、チョッピング(chopping)、
磨砕及びふるい分けを含めた、粒度縮小と分粒との機械的手段を実施する。
ここで用いる表面架橋したとは、重合の完成後に粒子が表面において又は表面
近くで被覆されるような条件下で架橋剤と接触し、表面架橋剤が粒子の表面にお
ける又は表面近くのカルボキシル基と反応して、吸水性樹脂を架橋させるような
条件に粒子が暴露された吸収性樹脂ポリマー粒子を意味する。
ここで用いるヒドロゲルとは、水膨潤した樹脂粒子を意味する。好ましい実施
態様では、このようなヒドロゲルは吸水性ポリマー15〜95重量%を、水含有
残部と共に含む。より好ましい実施態様では、ヒドロゲルは30〜95%の吸水
性ポリマーを含む。最も好ましい実施態様では、ヒドロゲルは80〜95%の吸
水性ポリマーを含む。
以下でさらに詳述するように、表面架橋剤は製造プロセスの殆ど如何なる段階
においても塗布することができる。例えば、表面架橋剤を65〜80%の水分含
量を有する反応器を出るヒドロゲル;15〜35%の水分含量を有する不完全に
乾燥したヒドロゲル;5〜15%の水分含量を有するより完全に乾燥したヒドロ
ゲル;又は約5%未満の水分含量を有するポリマー粉末に塗布することができる
。
本発明に有用に用いられる水膨潤性又は軽度に架橋した親水性ポリマーは、多
量の流体を吸収することができる周知の親水性ポリマーのいずれでもよい。特に
、この発明に有用な吸水性ポリマーはカルボキシル部分を含む吸水性ポリマーで
ある。吸水性樹脂100gにつき少なくとも約0.01当量のカルボキシル基が
存在することが好ましい。
好ましいカルボキシル基含有吸水性ポリマーには、澱粉−アクリロニトリルグ
ラフトコポリマーの加水分解物、澱粉−アクリル酸グラフトコポリマーの部分中
和生成物、酢酸ビニル−アクリル酸エステルコポリマーのケン化生成物、アクリ
ロニトリルコポリマーの加水分解物、アクリロニトリルコポリマーの加水分解物
の架橋生成物、アクリルアミドコポリマーの加水分解物、アクリルアミドコポリ
マーの加水分解物の架橋生成物、ポリアクリル酸の部分中和生成物、及び部分中
和ポリアクリル酸の架橋生成物がある。
幾つかの適当なポリマー及びそれらの製造方法の例は米国特許第3,997,
484号;第3,926,891号;第3,935,099号;第4,090,
013号;第4,093,776号;第4,340,706号;第4,446,
261号;第4,683,274号;第4,459,396号;第4,708,
997号;第4,076,663号;及び第4,190,562号に開示され、
これらの特許の関連部分は本明細書に援用される。このような親水性ポリマーは
、例えばモノカルボン酸、ポリカルボン酸、アクリルアミド及びこれらの誘導体
の
ような、水溶性α,β−エチレン系不飽和モノマーから製造される。
適当なα,β−エチレン系不飽和モノマーには、例えばアクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、イソクロトン酸及びこれらのアルカリ金属塩とアンモニウム
塩;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド及
び2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸とその塩がある。
好ましいモノマーには、アクリル酸及びメタクリル酸と、例えばアルカリ金属塩
又はアンモニウム塩のような、それらのそれぞれの塩形を含む。
本発明に有用な水溶性モノマーはモノマー水溶液の総重量に基づいて10〜8
0重量%の範囲内の量で用いることができる。この量がモノマー水溶液の総重量
に基づいて20〜60重量%の範囲内であることが好ましい。
任意に、例えば酸モノマーのアルキルエステル(例えばメチルアクリレート又
はメチルメタクリレート)のような、他の水溶性不飽和モノマーの少量が存在す
ることもできる。さらに、例えばポリビニルアルコール、澱粉及び水溶性又は水
膨潤性セルロースエーテルのような、ある種のグラフトポリマーを用いて、優れ
た性質を有する生成物を製造することができる。このようなグラフトポリマーは
、用いる場合には、α,β−エチレン系不飽和モノマーに基づいて約10重量%
までの量で用いられる。さらに、例えば金属反応器を用いる場合のように、溶液
から微量の金属を除去するために、キレート化剤を含めることが有利である。こ
のようなキレート化剤の1種はVERSENEX V−80(ジエチレントリア
ミン五酢酸の五ナトリウム塩の水溶液)(ダウ ケミカル カンパニー(Dow Ch
emical Company)の商標)である。このようなキレート化剤は、用いる場合には
、一般にα,β−エチレン系不飽和モノマーに基づいて100〜2000ppm
の量で用いられる。
少なくとも約95%のモノマーからポリマーへの転化率レベルを得ることが望
ましい。中和されない又は重合前に中和された若しくは部分的に中和された酸モ
ノマーを用いて、重合を実施することができる。水性モノマーを酸モノマー中に
存在する酸基の20〜95%を中和するために充分な塩基性物質量と接触させる
ことによって、中和が便利に実施される。塩基性物質量は酸モノマー中に存在す
る酸基の好ましくは40〜85%、最も好ましくは55〜75%を中和するため
に充分な量である。モノマー溶液を予備中和する場合には、中和熱がモノマー混
合物の早期重合を惹起しないように中和条件を制御することが重要である。この
中和は有利には40℃未満の温度において、好ましくは35℃未満の温度におい
て実施される。
モノマーの酸基を中和するために有用である化合物は典型的に、重合プロセス
に不利な影響を及ぼさずに酸基を充分に中和する化合物である。このような化合
物には、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素
塩がある。モノマーを中和するために用いられる物質は好ましくはナトリウム若
しくはカリウムの水酸化物、又は炭酸ナトリウム若しくは炭酸カリウムである。
望ましい中和度を決定する場合には、吸収すべき水性流体と接触するか又は吸収
すべき水性流体中に分散する、得られる吸収性架橋ポリマーのpHが、該ポリマ
ーに予定される用途に適当な範囲内に確実に維持されるように注意しなければな
らない。或いは、非中和モノマーを用いて重合を実施し、その後に、技術上周知
であるように、中和を実施することができる。
便利には、水溶性モノマーと架橋剤との重合に通常のビニル付加重合開始剤を
用いる。重合を開始させるためにモノマー溶液中に充分に溶解性であるフリーラ
ジカル重合開始剤が好ましい。例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過
硫酸ナトリウム及び他のアルカリ金属過硫酸塩のような水溶性過硫酸塩、過酸化
水素並びに例えば2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパンHCl)のような
水溶性アゾ化合物を用いることができる。これらの開始剤の一部、例えば過酸化
水素を例えば亜硫酸塩又はアミンのような還元性物質と組合せて、既知の酸化還
元型開始剤を形成することができる。開始剤の総使用量はα,β−エチレン系不
飽和モノマー反応物質の総重量に基づいて0.01〜1.0重量%、好ましくは
0.01〜0.5重量%の範囲であることができる。
吸水性樹脂を軽度に架橋して、水不溶性にすることが好ましい。選択した水溶
性水溶性モノマーと、分子単位中に少なくとも2個の重合可能な二重結合を有す
る架橋剤との共重合によって、好ましい架橋構造を得ることができる。架橋剤は
水溶性ポリマーを架橋させるために有効な量で存在する。架橋剤の好ましい量は
吸収された流体を保留するために好ましい吸収容量度と好ましい強度、すなわち
好ましい荷重下吸収度によって決定される。典型的に、架橋剤は用いるα,β−
エチレン系不飽和モノマー100重量部につき0.0005〜5重量部の範囲の
量で用いられる。より好ましくは、この量はα,β−エチレン系不飽和モノマー
100重量部につき0.1〜1重量部の範囲である。100部につき約5重量部
を越える架橋剤の量を用いる場合には、得られるポリマーは吸収された流体を保
留するために高すぎる架橋密度を有し、吸収容量の縮小と強度の上昇とを示す。
架橋剤を100部につき約0.0005重量部未満の量で用いる場合には、ポリ
マーは低すぎる架橋密度を有し、吸収すべき流体と接触すると、粘着性になり、
低い初期吸収速度を示す。
架橋剤は典型的にα,β−エチレン系不飽和モノマーの水溶液に溶解性である
が、架橋剤はこのような溶液中に、ネガティブなインプリケーション(negative
implications)なしには,分散可能であるに過ぎない。このような分散剤の使用
は米国特許第4,833,222号に開示されている。適当な分散剤には、カル
ボキシメチルセルロース懸濁助剤、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース及びポリビニルアルコールがある。このような分散剤は典型的に、α,β
−エチレン系不飽和モノマー反応物質の総重量に基づいて0.005〜0.1重
量%の濃度で供給される。
好ましい架橋剤には、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル
化トリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、エチレンビスアクリルアミドとジア
リルカーボネート、メチレンビスアクリルアミド、ビス(アクリルアミド)酢酸
とその塩、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、並びに二官能性モノビ
ニル及びモノアリルエステルとアミドがある。
ある一定の種類の架橋剤は特に好ましい吸収性を生じる。このような好ましい
架橋剤には、メチレンビスアクリルアミド、ビス(アクリルアミド)酢酸とその
塩、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、並びにビニル官能基とアリル
官能基の両方を有するエステル又はアミドがある。好ましい架橋剤によって製造
したポリマーをポリヒドロキシ化合物によってさらに表面架橋する場合には、吸
収性がさらに改良されることが今回発見された。
例えば高エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートのような、他
の架橋剤を、次に表面架橋される水膨潤性ポリマーの製造に用いる場合には、吸
収性に同じような利点が生ずることが考えられる。高エトキシル化トリメチロー
ルプロパントリアクリレートは、各鎖の端部におけるヒドロキシ部分がC2−C1 0
不飽和カルボン酸又はそのエステルによってエステル化された、エチレンオキ
シド鎖のヒドロキシル部分につき2〜8個のエチレンオキシド単位によってエト
キシル化されたC2−C10多価(polyhydric)炭化水素である。高エトキシル化
トリメチロールプロパントリアクリレートの1例は、ヒドロキシ部分につき2〜
7個のエチレンオキシド単位によってエトキシル化されたトリメチロールプロパ
ンである。
本発明の実施に有用なポリマーを製造するための好ましい実施態様では、部分
中和形のα,β−エチレン系不飽和モノマーと、架橋剤と、開始剤と、必要な場
合のグラフトポリマー支持体(substrate)との水溶液を製造する。開始剤を含
む混合物の温度を高めることによって、又は上述したような酸化還元型開始剤を
用いることによって混合物の重合を開始することができる。一般に、重合が開始
する温度は20℃〜45℃の範囲である。重合が実施される温度は、用いるモノ
マーの種類と用いる特定の開始剤系とに高度に依存する。重合の最高温度は好ま
しくは50℃〜100℃、もっとも好ましくは60℃〜100℃の範囲である。
重合温度を制御する方法は、重合中に発生する熱を除去するために充分な冷却が
存在する限り、決定的ではない。
得られるヒドロゲルは典型的に20〜35重量%の吸水性ポリマーと、65〜
80%の水とを含む。ヒドロゲルを典型的に最初に機械的に分粒して、乾燥前に
縮小したサイズを有する分粒済み(sized)ヒドロゲル粒子を形成する。このよ
うな分粒済みヒドロゲル粒子は約2cm未満の平均直径を有する。
この分粒済みヒドロゲル粒子を技術上周知の手段を用いて乾燥させる。このよ
うな乾燥手段には、流動床乾燥器、回転乾燥器、強制通風炉、空気循環バンド乾
燥器(through circulation band dryer)等がある。場合によっては、2段階以
上で乾燥が生ずる。2段階乾燥では、分粒済みヒドロゲル粒子を第1段階におい
て部分的に乾燥させる、例えば、分粒ヒドロゲル粒子を10%未満の水分レベル
に、
好ましくは5%水分レベルに乾燥させる。初期乾燥中に、ヒドロゲル粒子は融合
して、シートを形成する傾向がある。二段階乾燥器では、この部分乾燥ヒドロゲ
ルシートを破壊して、非常に大ざっぱに約10cmx10cmx2cmのサイズ
である小片を形成する。次に、第2段階においてこのような小片をさらに完全に
乾燥させ、例えば約5%未満の水分レベルに乾燥させる。乾燥の終了後に、小片
をさらに完全に分粒して、約0.8mm未満の平均直径を有する粒子を形成する
。
ポリマー粒子を適当な表面架橋剤によって表面架橋させる。このような表面架
橋剤には、ポリヒドロキシル化合物、ポリグリシジルエーテル化合物、多官能性
アジリジン化合物、多官能性アミン化合物、及び多官能性イソシアネート化合物
があり、ポリヒドロキシ化合物が特に好ましい。
表面架橋剤として用いられるポリヒドロキシ化合物は、ヒドロゲルの吸水性樹
脂のカルボキシル基と容易に反応することができる、少なくとも2個のヒドロキ
シル基を含む化合物である。適当なポリヒドロキシ化合物は加熱の温度において
気化も分解もしない。好ましくは、本発明に用いられるポリヒドロキシ化合物は
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、グリセロール、ポリグリセロール、ポリエトキシル化グリセロール、
プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、ポリエチレンオキシド、プロパンジオール、ブタンジオール
、ヒドロキシ末端オキシエチレン−オキシプロピレンブロックコポリマー、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、糖
、糖誘導体、ポリオキシエチレンソルビトール誘導体、ポリオキシエチレンラノ
リン誘導体、ポリエトキシル化ソルビトールラノリン誘導体等から成る群から選
択される。より好ましいポリヒドロキシ化合物は、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、グリセロール、ポリエトキシル化グリセロール、ポリエチ
レンオキシド、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、ソルビトール及びポリエチレングリコールを含む。特に好ましいポリ
ヒドロキシ化合物はグリセロールである。
ポリグリシジルエーテル化合物の特定の例はエチレングリコールジグリシジル
エーテル及びグリセリンジグリシジルエーテルである。
多官能性アジリジン化合物の特定の例は、商品名ケミタイト(Chemitite)P
Z−33で販売される2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−
(1−アジリジニル)プロピオネート];商品名ケミタイトHZ−22で販売さ
れる1,6−ヘキサメチレンジエチレン尿素;及び商品名ケミタイトDZ−22
で販売されるジフェニルメタンビス−4,4’−N,N’−ジエチレン尿素であ
り、これらの全ては日本触媒化学工業社によって製造されている。
多官能性アミンの特定の例はエチレンジアミン、トリエチレンテトラアミン、
テトラエチレンペンタアミン、ペンタエチレンヘキサアミン及びポリエチレンア
ミンである。
表面架橋剤は、ポリマーの表面を架橋させるために有効な量で存在する。この
ような量は最終ポリマーの望ましい容量とAULとによって決定される。理想的
には、このような量は、樹脂の容量を有意に減少させずに、増加した荷重下吸収
度(AUL)によって実証されるように、ポリマーのゲル強度を有意に改良すべ
きである。典型的に、表面架橋剤は本質的に乾燥した吸収性樹脂生成物の0.0
0002〜10重量部の範囲内の量で用いられる。より好ましくは、この量は乾
燥吸収性樹脂生成物1重量部につき0.0002〜0.005重量部、すなわち
、乾燥吸収性樹脂生成物の重量に基づいて200〜5000ppmの範囲である
。表面架橋剤は乾燥ポリマーの重量に基づいて、好ましくは少なくとも300p
pm、より好ましくは少なくとも500ppm、さらに好ましくは少なくとも1
000ppm、最も好ましくは少なくとも3000ppmの量で供給される。
表面架橋剤は製造プロセスの任意の段階において塗布することができる。例え
ば、表面架橋剤を反応器を出る湿ったヒドロゲルに;部分乾燥したヒドロゲル、
例えば二段階乾燥器の第1段階を通過したゲルに;より完全に乾燥したヒドロゲ
ル、例えば二段階乾燥器の第2段階を通過したゲルに;約5重量%未満の水分含
量を有するポリマー粉末に;又は中間の任意の時点において塗布することができ
る。
表面架橋剤の塗布を実施する時点に関係なく、表面架橋剤をニート(neat)で
又は水及び/又は有機溶剤と共に塗布することができる。好ましくは、表面架橋
剤を含む組成物は0〜99重量%の水、0〜50%の有機溶剤を含む。より好ま
し
くは、この組成物は0〜50%の水を含み、有機溶剤を含まない。最も好ましく
は、この組成物は水も有機溶剤も含まない、すなわち表面架橋剤をニートで塗布
する。
さらに、表面架橋剤を含む組成物はポリマー粒子上の表面架橋剤の均一な分配
を促進し、被覆ポリマー粒子の加工可能性を改良し、湿った空気若しくは水への
暴露時の乾燥粉末の凝集傾向を軽減し、及び/又は吸水性樹脂の微細なダストを
結合させるために界面活性剤を含むことができる。
このような界面活性剤の使用は米国特許出願第866,628号に扱われてお
り、この出願の関連部分は本明細書に援用される。適当な界面活性剤は、水中に
分散可能であり、3〜10の範囲内のHLB値を有する非イオン界面活性剤であ
る。好ましい界面活性剤はソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル、グリセロール若しくはポリグリセロール脂肪酸エステル
、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノー
ルエーテル、ポリオキシエチレンアシルエステル及びスクロース脂肪酸エステル
又は改質(modified)表面活性ポリエステルから成る群から選択される界面活性
剤である。
このような界面活性剤は好ましくは吸水性樹脂100重量部につき0.01〜
2重量部、より好ましくは吸水性樹脂100重量部につき0.075〜0.5重
量部の量で用いられる。
界面活性剤がカルボキシル部分と反応することができる2個以上のヒドロキシ
ル部分を有する場合には、この界面活性剤はポリヒドロキシ化合物(例えば、表
面架橋剤)及び界面活性剤の両方として使用可能である。換言すると、表面架橋
剤として役立つ、ある種のポリヒドロキシ化合物は界面活性剤としても役立つ。
このようなポリヒドロキシ化合物の1例はポリエトキシル化ソルビトールラノリ
ン誘導体である。
ヒドロゲル/粉末と表面架橋剤とを、粒子が表面架橋剤によって被覆されるが
、この表面架橋剤が吸水性樹脂粒子の内部構造中に有意に拡散しないような条件
下で接触させるべきである。このような接触は、吸水性樹脂粒子の表面への表面
架橋剤の均一な分配が生ずるような、何らかの形式の機械的分配によって実施さ
れ
る。ヒドロゲル粒子上への表面架橋剤の均一な分配のためには、特に該ヒドロゲ
ル粒子が高温である場合には、磨砕、その後の中等度の撹拌、振とう、又は短い
距離の運搬さえもが充分である。例えば、二段階乾燥器の第1段階を出る部分乾
燥した分粒済みヒドロゲル粒子にニートの表面架橋剤を塗布することができ、こ
の場合には乾燥の終了後の熱処理の前に行われる機械的分粒操作(sizing opera
tion)中に表面架橋剤が粒子の表面に分配される。
接触の温度は、表面架橋剤が吸収性樹脂ポリマーのカルボキシル部分と有意に
反応しない任意の温度であることができる。このような温度は典型的に少なくと
も20℃から150℃までである。高温すなわち周囲温度を越える温度がヒドロ
ゲル粒子の被覆速度を改良することを注目すべきである。
ヒドロゲルへの表面架橋剤の塗布後に、ヒドロゲルを約5重量%未満の水分レ
ベルに乾燥させる。好ましくは、ヒドロゲルを1〜5重量%の水分レベルに乾燥
させる。乾燥前に、例えば反応器から直接に、ヒドロゲルに表面架橋剤を塗布す
る場合には、反応器の下流の箇所において、例えば二段階乾燥器の第1段階を通
過した後に表面架橋剤を塗布する場合よりも乾燥が多くの時間を要することは明
らかである。
乾燥が行われる温度は水と任意の有機溶剤とが妥当な時間内に除去されるほど
高く、しかも表面架橋剤が吸水性樹脂のカルボキシル部分と反応するほどには高
くない温度である。好ましくは、乾燥中の吸水性樹脂粒子の温度は約170℃以
下である。より好ましくは、乾燥中の温度は100〜170℃、最も好ましくは
150〜170℃である。
乾燥時間は、水と任意の溶剤との実質的に全てを妥当な時間内に除去するため
に充分であるべきであり、用いる乾燥系に依存する。乾燥は典型的にヒドロゲル
の水分レベルを1〜5重量%レベルに減ずる。
被覆ヒドロゲルに好ましくは機械的な粒子縮小手段、例えばチョッピング、切
断及び/又は磨砕を実施する。このような機械的な粒子縮小手段は吸水性樹脂粒
子の粒度を最終末端用途に適した粒度に縮小するために役立つ。このような機械
的な粒子縮小はさらに好ましくは、機械的に縮小した粒子上へ表面架橋剤を分配
するために役立つ。被覆を最終の分粒前に実施し、熱処理を最終の分粒後に実施
するのはこの理由からである。
好ましい形式では、被覆吸収性樹脂粒子を最初にチョッピングによって、次に
磨砕によって分粒する。好ましい実施態様では、得られる粒度は2mm未満であ
り、さらに好ましくは0.8mm未満である。好ましくは、得られる粒子は少な
くとも0.04mmのサイズ、より好ましくは少なくとも0.07mmのサイズ
、最も好ましくは0.1mmを越えるサイズである。
表面架橋剤を粉末に、例えば約5重量%未満の水分含量を有する分粒済み生成
物に塗布する場合には、表面架橋剤をリボンミキサー、スクリューミキサー(sc
rew mixer)、流動床ミキサー、V形回転ミキサー等によって混合しながら塗布
する。次に、混合した乾燥粉末を上記方法で熱処理する。表面架橋剤の塗布、混
合及び熱処理を同時に、例えば流動床ミキサーにおいて実施することが有利であ
る。
乾燥及び粒度縮小の後に、粒子の表面で又は粒子の表面近くで吸水性樹脂を架
橋させるためにポリヒドロキシ化合物が吸水性樹脂のカルボキシル部分と反応す
るような条件に吸水性樹脂粒子をさらす。特に、乾燥した被覆吸水性樹脂粒子を
弾性率(modulus)及び/又は荷重下吸収度を高めるために充分な時間加熱する
。このような熱処理は好ましくは少なくとも約170℃、より好ましくは少なく
とも180℃、最も好ましくは少なくとも約190℃の温度において実施する。
このような熱処理は好ましくは約250℃未満、より好ましくは約230℃未満
、最も好ましくは約210℃未満の温度において実施する。
熱処理の時間は、吸収性樹脂の表面に又は表面近くに存在する表面架橋剤がカ
ルボキシル部分と反応するために充分であるべきである。必要な熱処理の正確な
時間は選択する装置によって影響され、生成物の性質の検査によって経験的に決
定することができる。この時間は好ましくは少なくとも約3分間、より好ましく
は少なくとも約5分間である。この時間が長すぎる場合には、プロセスは不経済
になり、吸収性樹脂が損傷する危険性が生ずる。加熱の最大時間は好ましくは約
150分間以下、より好ましくは60分間以下である。
熱処理方法は決定的ではない。例えば、強制通風炉、流動床ヒーター、加熱さ
れたスクリューコンベヤー等を上首尾に用いることができる。必要な場合には、
取り扱いを容易にするために加熱した被覆粒子を再加湿することができる。
本発明を主として、ゲル重合方法によって製造されるポリマーに関して説明し
たが、本発明が懸濁重合方法によって製造されるポリマーにも適用されることを
認識すべきである。例えば、懸濁助剤の存在下の脂環式及び/又は脂肪族炭化水
素溶剤中に水溶性フリーラジカル開始剤と上記第1架橋剤の1種とを含むアクリ
ル酸/アクリレートの水溶液を分散させ、この混合物に懸濁重合を実施すること
によって、吸収性樹脂を得ることができる。得られるポリマービーズを乾燥させ
て、残留溶剤を除去する。次に、乾燥したビーズに表面架橋剤を例えばリボンミ
キサー、スクリューミキサー、回転ディスクミキサー、流動床ミキサー、V形回
転ミキサー等のような混合によって塗布する。混合した乾燥ビーズを次に上述し
た方法で熱処理する。表面架橋剤の塗布、混合及び熱処理を同時に、例えば流動
床ミキサーにおいて実施することが有利である。
下記実施例は限定ではなく例示のために記載する。他に記載しない限り、60
分間0.3psiAULはヨーロッパ特許出願第339,461−A1号に述べ
られているように測定し;60分間0.6psiAULは、0.3psiではな
く0.6psi圧力を加え、試験時間が60分間ではなく90分間である以外は
、0.3psiAULの測定に関して述べられた方法で測定し;遠心容量は、3
〜5分間ではなく30分間の吸収時間を用いた以外は、米国特許第4,286,
082号に述べられているように測定し;フィッシュアイ形成は米国特許第4,
666,983号に述べられているように測定し;抽出可能物と弾性率とは米国
再発行特許第32,649号に述べられているように測定した、各引用参考文献
の関連部分は本明細書に援用される。さらに、渦時間(vortex time)は、10
0m1ビーカー中に含まれる0.9%生理食塩溶液(saline solution)50g
にマグネチックミキサー上で約1/2〜1インチの渦によって撹拌されていると
きに、ポリマー2gを加えた場合の渦が消失するための時間として測定した。粉
状吸水性樹脂が生理食塩溶液中に完全には分散しなかった場合には、渦速度(vo
rtex rate)試験においてゲルブロッキング(gel blocking)が認められた。ポ
リマーの一部を135℃において約60時間乾燥させ、乾燥の前後の重量を用い
て、サンプルの水分%を算出することによって、水分%を測定した。実施例1
ビーカーに、アクリル酸300gと、VERSENEX V−80キレート化
剤(ダウ ケミカル カンパニーから入手可能)0.75gと、炭酸ナトリウム
144gと、最終反応器固形分を32%にするために充分な水とを加えた。これ
に、ポリビニルアルコールの10%水溶液145gを加えて、入念に混合した。
次に、アリルメタクリレート0.63gを加えた。得られた混合物を反応器に移
し、この反応器を窒素でパージして空気を除去した。この反応器に、過硫酸ナト
リウムの10%水溶液4.8mlと、過酸化水素の30%水溶液0.63mlと
を加えた。反応器の内容物を1〜2分間混合した。次に、ナトリウムエリトルベ
ート(sodium erythorbate)の10%水溶液0.6mlを加えた。重合は約4時
間で完成まで進行した。
ゲルを標準の商業的強制通風炉で乾燥させた。乾燥した樹脂素材の粒子の大部
分は長さと幅において0.5cmより大きかった。乾燥時に、樹脂素材の一部を
磨砕して、100メッシュシーブを通過するようにふるい分けし、比較例1−A
として貯蔵した。比較例1−Aの物質の一部を210℃において35分間熱処理
して、比較例1−Bを生成した。乾燥樹脂素材の数部を計量して、各部に乾燥固
形分に基づいて指定量のグリセリンになるほど充分なグリセリンを配量すること
によって、残部の未磨砕未ふるい分け物質を処理した。各部のサンプルを磨砕し
、100メッシュシーブを通過するようにふるい分けし、210℃において35
分間熱処理して、実施例1Aと1Bとを生成した。
実施例1A、1B及び比較例1−A、1−Bの結果を表1に記載する。実施例2
ビーカーに、アクリル酸300gと、VERSENEX V−80キレート化
剤(ダウ ケミカル カンパニーから入手可能)0.75gと、炭酸ナトリウム
144gと、最終反応器固形分を32%にするために充分な水とを加えた。これ
に、ポリビニルアルコールの10%水溶液145gを加えて、入念に混合した。
次に、トリメチロールプロパントリアクリレート0.63gを加えた。得られた
混合物を反応器に移し、この反応器を窒素でパージして空気を除去した。この反
応器に、過硫酸ナトリウムの10%水溶液4.8mlと、過酸化水素の30%水
溶液0.63mlとを加えた。反応器の内容物を1〜2分間混合した。次に、ナ
トリウムエリトルベートの10%水溶液0.6mlを加えた。重合は約4時間で
完成まで進行した。
ゲルを標準の商業的強制通風炉で乾燥させた。乾燥した樹脂素材の粒子の大部
分は長さと幅において0.5cmより大きかった。乾燥時に、樹脂素材の一部を
、100メッシュシーブを通過するようにふるい分けし、比較例2−Aとして貯
蔵した。比較例2−Aの物質の一部を210℃において35分間熱処理して、比
較例2−Bを生成した。乾燥樹脂素材の数部を計量して、各部に乾燥固形分に基
づいて指定量のグリセリンになるほど充分なグリセリンを配量することによって
、残部の未磨砕未ふるい分け物質を処理した。各部のサンプルを磨砕し、100
メッシュシーブを通過するようにふるい分けし、210℃において35分間熱処
理して、実施例2Aと2Bとを生成した。
実施例2A、2B及び比較例2−A、2−Bの結果を表1に記載する。
実施例1と2は、磨砕前の乾燥した又は部分乾燥した吸収性樹脂ポリマー素材
に表面架橋剤を加えることによって吸収速度の改良及びフィッシュアイ形成とゲ
ルブロッキングとの減少を得ることができることを実証する。表面架橋剤は乾燥
固形分に基づいて少なくとも300〜3000ppmの範囲内で塗布することが
できる。実施例3
反応器に、アクリル酸48ポンドと、アリルメタクリレート53.4gと、V
INOL523ポリ(ビニルアルコール)溶液(エアープロダクツ社(Air Prod
ucts Corp.)から入手可能)の8%水溶液26.5ポンドと、炭酸ナトリウム2
2ポンドと、水98ポンドと、VERSENEX V−80キレート化剤29g
とを加えて、混合した。この混合物に、水溶液中の過硫酸ナトリウム37gと過
酸化水素の30%水溶液50.8gとを加えて、混合した。次に、ナトリウムエ
リトルベート3.3gを水溶液として加えた。反応器に次に窒素をスパージした
(sparged)。重合が開始し、約2時間で本質的に完成した。
得られたゲルを乾燥とグリセリン塗布とのために5部に分割した。ポリマーの
最終乾燥重量に基づいて約500ppmのグリセリンを供給するために、サンプ
ルの指定水分%から推断した乾燥段階において、グリセリンをゲルに滴加した。
グリセリンをポリマー樹脂素材に加えたときに、樹脂素材のサンプルを採取した
。グリセリンの添加後に、サンプルを5%の水分レベルにまで乾燥させ、磨砕し
、ふるい分けした。20〜140メッシュのふるい分けカット(screen cut)を
容量、AUL及び抽出可能物の測定用に採取した。140メッシュ未満の微粉カ
ットをフィッシュアイと渦時間との測定用に採取した。サンプルを商業的強制通
風炉において200℃で40分間熱処理して、実施例3A、3B、3C、3D及
び3Eを得た。比較例3−Aは実施例3Aの非被覆非熱処理サンプルを表す。比
較例3−Bは、熱処理した比較例3−Aの非被覆サンプルを表す。
実施例3A、3B、3C、3D,3E及び比較例3−Aと3−Bの結果を表2
に記載する。実施例4
反応器に、アクリル酸49ポンドと、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト37.7gと、水中の炭酸ナトリウム22.5ポンドの溶液とを、水の総量が
115ポンドに等しくなるように充分な水を追加して、加えて、混合した。この
混合物に、VERSENEX V−80キレート化剤15gと、ポリビニルアル
コールの5%水溶液103gとを加えて、混合した。この混合物に、水溶液とし
ての過硫酸ナトリウム38.5gと過酸化水素の30%水溶液40gとを加えて
、混合した。次に、ナトリウムエリトルベート3.4gを水溶液として加えた。
反応器に次に窒素をスパージした。重合が開始し、約2時間で本質的に完成した
。
得られたゲルを乾燥とグリセリン塗布とのために5部に分割した。ポリマーの
最終乾燥重量に基づいて約500ppmのグリセリンを供給するために、サンプ
ルの指定水分%から推断した乾燥段階において、グリセリンをゲルに滴加した。
グリセリンをポリマー樹脂素材に加えたときに、樹脂素材のサンプルを採取した
。グリセリンの添加後に、サンプルを5%の水分レベルにまで乾燥させ、磨砕し
、ふるい分けした。20〜140メッシュのふるい分けカットを容量、AUL及
び抽出可能物の測定に用いるために採取した。140メッシュ未満の微粉カット
をフィッシュアイと渦時間との測定に用いるために採取した。サンプルを商業的
強制通風炉において200℃で40分間熱処理して、実施例4A、4B、4C、
4D及び4Eを得た。比較例4−Aは実施例4Aの非被覆非熱処理サンプルを表
す。比較例4−Bは、熱処理した比較例4−Aの非被覆サンプルを表す。
実施例4A、4B、4C、4D,4E及び比較例4−Aと4−Bの結果を表2
に記載する。
実施例3と4は、好ましい第1架橋剤の使用が吸収性と抽出可能物とのバラン
スを改良する、例えば、低レベルの抽出可能ポリマーを維持しながら、容量に対
する0.6psiAULの比が増加することを実証する。実施例3と4は、使用
する第1架橋剤に関係なく、ゲルが30〜95%のポリマーを含む場合のように
、種々な水分レベルのゲルに、性質のこのバランスを犠牲にすることなく、表面
架橋剤を塗布することができることを実証する。したがって、乾燥前のヒドロゲ
ルに、ポリマー性能を犠牲にすることなく、表面架橋剤を直接加えることができ
る。実施例5
ビーカーに、アクリル酸300gと、VERSENEX V−80キレート化
剤0.75gと、炭酸ナトリウム144gと、最終反応器固形分を32%にする
ために充分な水とを加えて、混合した。次に、ポリ(ビニルアルコール)の10
%水溶液145gを加えて、入念に混合した。次に、アリルメタクリレート0.
9gを加え、混合物を反応器に加え、この反応器を窒素でパージした。この反応
器に、過硫酸ナトリウムの10%水溶液4.8mlと、過酸化水素の30%水溶
液0.63mlとを加えて、1〜2分間混合した。次に、ナトリウムエリトルベ
ートの10%水溶液0.6mlを加えた。重合が開始し、約4時間で完成した。
得られたゲルを4部に分割して、標準の商業的強制通風炉で乾燥させた。乾燥
時に、樹脂素材の一部を磨砕し、比較例5−1として貯蔵した。物質の他の部分
は、数部を計量して、各部に指定量のグリセリンを配量することによって、処理
した。被覆部分を食品ブレンダーに入れ、磨砕し、20〜100メッシュカット
にふるい分けした。分粒して、被覆した部分をジャーに入れ、ローラーミキサー
においてさらに15〜30分間タンブルした(tumbled)。次に、サンプルを2
00℃の強制通風炉に40分間入れて、グリセリンを吸収性樹脂上のカルボキシ
ル基と反応させた。分粒済み部分の1つはグリセリンで被覆せず、上述したよう
に熱処理して、比較例5−2を得た。最終生成物(実施例5A、5B及び5C)
と比較例の生成物とを分析した。
実施例5A、5B、5C及び比較例5−1と5−2の結果を表3に記載する。
比較例5−1と5−2との相違は、これらの条件下で製造した吸収性ポリマー
が加熱に対してどのように反応するかを典型的に表す。実施例5Aから5Cまで
の結果を比較することによって、表面処理の効果が見い出される。遠心容量(ce
ntrifuged capacity)の若干の減少が観察された。しかし、0.3psiAUL
の若干の増加と0.6psiAULの実質的な増加とが同様に生じた。本発明の
結果としての改良は表3の一番右の欄におけるAUL/膨潤容量の改良に見るこ
とができる。実施例6
グリセリンの代わりに指定コーチング物質(coating material)を用いた以外
は、実施例5に述べた方法と同じ方法で重合を実施した。表4はコーチング物質
(表面架橋剤)、コーチング物質の使用量及び熱処理後の生成物の性質を示す。
実施例6A、6B、6C、6D及び6Eは本発明の実施例である。比較例が熱処
理されなかった非被覆サンプルを表すこと以外は、比較例6−A1、6−A2、
6−A3、6−A4及び6−A5は実施例6A、6B、6C、6D及び6Eに相
当する。比較例が実施例6A、6B、6C、6D及び6Eのサンプルの熱処理方
法で熱処理された非被覆サンプルを表すこと以外は、比較例6−B1、6−B2
、6−B3、6−B4及び6−B5は実施例6A、6B、6C、6D及び6Eに
相当する。最終生成物(実施例6A、6B、6C、6D及び6E)と比較例の生
成物とを分析した。
実施例6A、6B、6C、6D、6E、比較例6−A1、6−A2、6−A3
、6−A4、6−A5、及び比較例6−B1、6−B2、6−B3、6−B4及
び6−B5の結果を表4に記載する。
表4に記載したデータは多官能性アルコールを含む物質が本発明の方法におい
て充分に機能すると期待されることを説明する。実施例7と8
ビーカーに、アクリル酸300gと、VERSENEX V−80キレート化
剤0.75gと、炭酸ナトリウム144gと、最終反応器固形分を32%にする
ために充分な水とを加えて、混合した。この反応器に、望ましい架橋剤を加えた
。実施例7の場合には、メチレンビスアクリルアミド架橋剤0.95gを加え、
混合物を反応器に加え、この反応器を窒素でパージした。実施例8の場合には、
アリルメタクリレート架橋剤0.95gを加え、混合物を反応器に加え、この反
応器を窒素でパージした。
この反応器に、過硫酸ナトリウムの10%水溶液4.8mlと、過酸化水素の
30%水溶液0.63mlとを加えて、1〜2分間混合した。次に、ナトリウム
エリトルベートの10%水溶液0.6gを加えた。重合が開始し、約4時間で完
成した。
得られたゲルをそれぞれ2部に分割して、標準の商業的強制通風炉で乾燥させ
た。乾燥時に、各物質の一部を磨砕し、比較例7−1、7−2、8−1及び8−
2として貯蔵した。物質の他の部分は、数部を計量して、各部に指定量の表面架
橋剤を配量することによって、処理した。被覆部分を食品ブレンダーに入れ、磨
砕し、20〜100メッシュカットにふるい分けした。分粒した生成物を指定量
のコーチング物質で被覆して、ジャーに入れ、ローラーミキサーにおいてさらに
15〜30分間タンブルした。次に、サンプルを200℃の強制通風炉に40分
間入れて、コーチング物質のヒドロキシル基を吸収性樹脂のカルボキシル基と反
応させた。最終生成物(実施例7A、7B、7C、7D、8A、8B、8C及び
8D)と比較例(7−1、7−2、8−1及び8−2)の生成物とを分析した。
実施例7A、7B、7C、7D、8A、8B、8C及び8Dの結果と、比較例
7−1、7−2、8−1及び8−2の結果とを表5に記載する。
表5に記載したデータは、ポリ(ビニルアルコール)を含まず、アリルメタク
リレート及び/又はメチレンビスアクリルアミド型架橋剤を用いる、本発明のポ
リマーが非常に望ましい吸収性を有するポリマーを生成することを説明する。実施例9
コーチング物質が実施例6に示したような、グリセリンと水との混合物である
こと以外は、実施例5に述べた方法と同じ方法によって重合を実施して、吸収性
樹脂9A、9B及び9Cを生成した。比較例9−1は熱処理した非被覆サンプル
である。
実施例9A、9B、9C及び比較例9−1の結果を表6に記載する。
表6に記載のデータは、コーチング物質の溶剤としての水の存在がここに指定
したレベルにおいて必ずしも有益ではないが、吸収性樹脂の表面上へのコーチン
グ化学物質の塗布を妨げないことを説明する。水の存在に拘わらず、本発明の膨
潤容量とAULとの改良された組合せが観察される。実施例10
ビーカーに、アクリル酸310gと、VERSENEX V−80キレート化
剤0.75gと、炭酸ナトリウム144gと、最終反応器固形分を32%にする
ために充分な水とを加えて、混合した。次に、アリルメタクリレート0.10g
を加え、混合物を反応器に加え、この反応器を窒素でパージした。この反応器に
、過硫酸ナトリウムの10%水溶液4.8mlと、過酸化水素の30%水溶液0
.63mlとを加えて、1〜2分間混合した。次に、ナトリウムエリトルベート
の10%水溶液0.6mlを加えた。重合が開始し、約4時間で完成した。
得られたゲルを標準の商業的強制通風炉で乾燥させた。乾燥時に、各物質の一
部を磨砕し、比較例10−A1、10−B1及び10−C1として貯蔵した。乾
燥した樹脂素材を計量して、乾燥固形分に基づいて約500ppmのグリセリン
を供給するために充分なグリセリンを乾燥した樹脂素材上に配量することによっ
て、乾燥した生成物を処理した。生成物を20〜100メッシュに磨砕し、ジャ
ーに入れ、ローラーミキサーにおいてさらに15〜30分間タンブルした。この
物質の数部を強制通風炉において、表7に指定した時間及び温度で熱処理した。
最終生成物と、比較例の生成物とを分析した。
実施例10A1、10A2、10A3、10A4、10A5、10A6、実施
例10B1、10B2、10B3、10B4、10B5、10B6、実施例10
C1、10C2、10C3、10C4、10C5、10C6、並びに比較例10
−A1、10−B1及び10−C1の結果を表7に記載する。
実施例10は本発明の実施における180〜200℃の熱処理温度の適切性を
実証する。実施例10はさらに、生成物の性質の変化(shift)が熱処理時間の
関数として生ずることを示す。実施例11
アクリル酸1900kgと、トリメチロールプロパントリアクリレート4.5
6kgと、ポリビニルアルコール475gと、VERSENEX V−80キレ
ート化剤950gと、水酸化ナトリウムの50%水溶液1435kgとを、最終
ポリマー固形分濃度を35%にするために充分な追加の水と共に、容器中で混合
した。過硫酸ナトリウムと過酸化水素とを加えて、混合物を窒素によってパージ
して、空気を除去した。アスコルビン酸の溶液を加えた、重合は約2時間で完成
まで進行した。得られたゲルを標準の商業的強制通風炉で乾燥させ、磨砕した。
ポリマーの一部を容器中に配量して、これに、ポリマーの重量に対するグリセリ
ンの重量が0.2%であるように、グリセリンを含むプロパノール/水(80/
20)溶液250gを加えた。この物質を100℃において一晩乾燥させた。続
いて、この物質を無蓋のガラス容器に入れて、180℃オーブン(oven)で40
分間乾燥させた。0.3psiAULは31.7g/gであり、遠心容量は36
.1g/gであり、16時間抽出可能物は14%であった。実施例12
実施例5に述べた方法と同じ方法によって重合を実施する。ゲルを乾燥させ、
食品ブレンダーを用いて磨砕し、20〜100メッシュカットにふるい分けする
。この粉末にグリセリンを500ppmレベルで加える。ローラーミキサー上で
サンプルを15〜20分間タンブルする。次に、サンプルを200℃の強制通風
炉に40分間入れる。0.3psiAULは約30g/gであり、遠心容量は約
35g/gであり、16時間抽出可能物は約8%である。これは、本発明によっ
て与えられる吸収性のバランスを犠牲にすることなく、表面架橋剤を分粒済みポ
リマー粉末に塗布することができることを実証する。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1994年9月23日
【補正内容】
明細書
改良された性質を有する吸水性ポリマー
本発明は、改良された性質を有する表面架橋した吸水性ポリマーに関する。本
発明はさらに、このようなポリマーの製造方法にも関する。本発明はさらに、こ
のようなポリマーの使用方法にも関する。
水膨潤性ポリマーは、例えば衛生ナプキン、失禁デバイス及び使い捨て式ベビ
ー用おむつのような、体液を吸収するパーソナルケアデバイスの構成要素として
用いられる。このようなポリマーの例は米国特許第3,926,891号;第4
,190,562号及び第4,293,609号に開示されている。
吸収性ポリマーを製造するための種々な方法が知られている。例えば、米国特
許第4,833,222号は表面活性剤によって中和されたモノマーからの吸収
性ポリマーの製造方法を教示する。米国特許第4,808,637号は、重合を
開始させるための熱源として好ましくはマイクロ波放射線を用いた、アクリル酸
、カルボン酸のアルカリ金属塩、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム及び水の
均一な反応を教示する。
もう一つの方法は、反応媒質中の特定の量の重合可能な酸基含有モノマーと、
架橋剤と、任意のフリーラジカル開始剤とから本質的に成る反応混合物を形成す
る工程と、その後に重合する工程と、酸官能基の少なくとも一部を中和する工程
とを含む。
パーソナルケアデバイスに用いられる吸収性ポリマーは遠心容量(centrifuge
capacity)、荷重下吸収度(absorbence under load)、剪断弾性率及び抽出物
%を含めた、ある一定の性能特性を特徴とする。
米国特許第4,666,983号は、カルボキシル基を有する吸収性樹脂粉末
100重量部と、この吸収性樹脂粉末の少なくとも表面付近に存在する分子鎖を
架橋するための架橋剤0.0001〜10重量部とを混合することによって得ら
れる吸収性製品を開示する。
米国特許第4,734,478号及び英国特許出願第2,162,525号は
、カルボキシル含有吸水性樹脂の粉末100重量部を多価アルコール0.001
〜10重量部と混合し、この混合物を少なくとも100℃の温度に加熱して、該
粉末を該多価アルコールと反応させることによって得られる、その表面近くに分
子鎖を有する吸水性樹脂粉末を開示し、該粉末と該多価アルコールとの混合を該
粉末100重量部につき0.01〜8重量部の親水性有機溶媒と0〜8重量部の
水との存在下で実施することを含む改良を開示する。
日本公開公報第84632/1981号は、アクリル酸10〜40モル%とア
クリレート塩60〜100モル%とから成るアクリル酸/アクリレートベースド
ポリマー100重量部につき、水溶性及び/又は水分散性界面活性剤0.01〜
10重量部と水溶性多価アルコール0.005〜20重量部とから得られる架橋
ポリ(アクリル酸アルカリ金属)物質から成る吸収剤を開示し、この場合にポリ
マーはゲル重合によってゲルとして形成され、その後に加熱され、乾燥される。
ヨーロッパ特許出願第248,963号は、吸水性樹脂粒子の表面をポリ第4
級アミンによって処理して、吸収速度を有意に高め、荷重下吸収度(AUL)を
10%高めるための後処理方法を開示する。この開示された方法では、ポリ第4
級アミンをメタノール中の溶液として塗布する。
ヨーロッパ特許出願第248,437号は、水溶性過酸化物ラジカル開始剤の
水溶液を吸水性樹脂粒子の表面に吹付け、被覆された粒子を加熱することからな
る後表面架橋方法を開示する。この参考文献は、吸水度と吸水速度との改良とい
う産物を生ずる、付加的な表面架橋の達成を主張する。この参考文献は、吸収性
ポリマーの表面中への水溶液の浸透の均一性が例えばメタノールのような水溶性
有機溶剤を用いることによって改良されることを開示する。この開示された方法
は高レベルの過酸化物フリーラジカル開始剤を使用し、このことが部分的に中和
されたポリアクリル酸を変色させて、製品をパーソナルケア用途のために魅力の
ないものにするという欠点を有する。開示された方法は抽出可能なポリマー(例
えば、低分子量水溶性ポリマー)の量を、ポリマーが加熱された場合に、増加さ
せるという欠点をさらに有する。
ドイツ特許第3,713,601号はグリシジル又はポリグリシジル化合物の
架橋剤の添加によって表面架橋を得る方法を開示する。これらのポリマーは、ポ
リマーがヒトの皮膚と接触することが考えられる用途には好ましくない。
ヨーロッパ特許出願第317,106号は、表面活性剤の存在下の疎水性有機
溶剤中の分散液として親水性架橋剤を添加して樹脂をその表面において又は表面
近くで架橋させることを含む、吸水性樹脂の表面の処理方法を開示する。
ヨーロッパ特許出願第248,437号は、ポリマーを水溶性過酸化物ラジカ
ル開始剤を含む水溶液と接触させた後に、加熱して、表面架橋を惹起させる吸水
性ポリマーの改良方法を開示する。
ヨーロッパ特許出願は多価アルコールによる吸収性樹脂の表面の処理方法を開
示する。
産業界は荷重下吸収度と容量(capacity)とを改良した水性流体吸収剤に大き
な利点を見い出している。産業界はさらにこのような水性流体吸収剤の製造方法
に大きな利点を見い出している。
(a)[メチレンビスアクリルアミド]、ビス(アクリルアミド)酢酸とその塩
、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、及びビニル官能基とアリル官能
基の両方を有するエステル若しくはアミド並びに高エトキシル化トリメチロール
プロパントリアクリレートから成る群から選択される第1架橋剤によって架橋さ
れた、部分的に中和されたα,β−エチレン系不飽和モノマーの架橋ポリマーを
製造する工程;
(b)表面架橋剤が該架橋ポリマーの内部に実質的に浸透することなく該架橋ポ
リマーを被覆して、被覆架橋ポリマーを形成するような条件下で、該架橋ポリマ
ーを、ポリヒドロキシル化合物、ポリグリシジルエーテル化合物、多官能性アジ
リジン化合物、多官能性アミン化合物及び多官能性イソシアネート化合物から成
る群から選択される表面架橋剤と接触させる工程;及び
(c)該被覆架橋ポリマーの表面を架橋させるために、該表面架橋剤が該被覆さ
れた架橋ポリマーと反応するような条件下で、該被覆架橋ポリマーを加熱する工
程
を含む水性流体吸収性物質の製造方法を提供する。
上記表面架橋剤によって与えられる表面架橋と組合せた、上記の好ましい第1
架橋剤の特有の組合せによって、吸収性、すなわち荷重下吸収度及び容量、の改
良されたバランスが実現される。得られる組成物は水性流体吸収剤を用いる如何
なる用途においても高性能を与える。特に、本発明の組成物はパーソナルケアデ
バイスに大きな有用性を見い出しており、この場合には、ポリマーが実質的な量
の流体を保持する容量を有し、このような流体を例えば座るときのような、圧力
が及ぼされるときに保留することが重要である。
他の実施態様では、本発明は、次の工程:
(a)カルボキシル部分を含む吸水性樹脂20〜95%と、水5〜80%とを含
むヒドロゲルを、界面活性剤の不存在下の表面架橋剤を含み、任意にさらに付加
的な水及び/又は水混和性の極性溶剤を含む組成物と、表面架橋剤が該ヒドロゲ
ルの吸収性樹脂粒子の内部に実質的に浸透することなく該ヒドロゲルを被覆して
、被覆ヒドロゲルを形成するような条件下で接触させる工程;
(b)水と、存在する場合の任意の付加的な水及び任意の溶剤とが実質的に除去
されて、表面架橋剤がカルボキシル部分と有意に反応しないように、被覆ヒドロ
ゲルを乾燥させて、乾燥した被覆樹脂を形成する工程;及び
(c)該乾燥した被覆樹脂の粒度を機械的な手段によって縮小して、乾燥した被
覆粒子を形成する工程:及び
(d)乾燥した被覆粒子の表面を架橋させるために、該表面架橋剤がカルボキシ
ル部分と反応するような条件下で、該乾燥した被覆粒子を加熱する工程
を含む水性流体吸収性物質の製造方法を提供する。
上記その他の実施態様を下記の詳細な説明においてさらに詳しく説明する。
一般に、吸水性樹脂粒子はゲル重合方法によって又は逆懸濁(reverse suspen
sion)重合方法のいずれかによって製造され、これらの両方法は周知である。
ゲル重合方法では、モノマーを水溶液中で重合する。例えば架橋剤と界面活性
剤のような、ある種の添加剤をモノマー混合物中に混入することができる。重合
方法の生成物は、少なくとも約5重量%の水を含むポリマーの水膨潤形であるヒ
ドロゲルである。一般に、このヒドロゲルに対して粒度を縮小するための機械的
手段を実施して、ヒドロゲルを粒状にする。その後に、ヒドロゲルを乾燥させて
、水を除去する。次に、この粒子に対してさらに、チョッピング(chopping)、
磨砕及びふるい分けを含めた、粒度縮小と分粒との機械的手段を実施する。
ここで用いる表面架橋したとは、重合の完成後に粒子が表面において又は表面
近くで被覆されるような条件下で架橋剤と接触し、表面架橋剤が粒子の表面にお
ける又は表面近くのカルボキシル基と反応して、吸水性樹脂を架橋させるような
条件に粒子が暴露された吸収性樹脂ポリマー粒子を意味する。
ここで用いるヒドロゲルとは、水膨潤した樹脂粒子を意味する。好ましい実施
態様では、このようなヒドロゲルは吸水性ポリマー15〜95重量%を、水含有
残部と共に含む。より好ましい実施態様では、ヒドロゲルは30〜95%の吸水
性ポリマーを含む。最も好ましい実施態様では、ヒドロゲルは80〜95%の吸
水性ポリマーを含む。
以下でさらに詳述するように、表面架橋剤は製造プロセスの殆ど如何なる段階
においても塗布することができる。例えば、表面架橋剤を65〜80%の水分含
量を有する反応器を出るヒドロゲル:15〜35%の水分含量を有する不完全に
乾燥したヒドロゲル;5〜15%の水分含量を有するより完全に乾燥したヒドロ
ゲル;又は約5%未満の水分含量を有するポリマー粉末に塗布することができる
。
本発明に有用に用いられる水膨潤性又は軽度に架橋した親水性ポリマーは、多
量の流体を吸収することができる周知の親水性ポリマーのいずれでもよい。特に
、この発明に有用な吸水性ポリマーはカルボキシル部分を含む吸水性ポリマーで
ある。吸水性樹脂100gにつき少なくとも0.01当量のカルボキシル基が存
在することが好ましい。
好ましいカルボキシル基含有吸水性ポリマーには、澱粉−アクリロニトリルグ
ラフトコポリマーの加水分解物、澱粉−アクリル酸グラフトコポリマーの部分中
和生成物、酢酸ビニル−アクリル酸エステルコポリマーのケン化生成物、アクリ
ロニトリルコポリマーの加水分解物、アクリロニトリルコポリマーの加水分解物
の架橋生成物、アクリルアミドコポリマーの加水分解物、アクリルアミドコポリ
マーの加水分解物の架橋生成物、ポリアクリル酸の部分中和生成物、及び部分中
和ポリアクリル酸の架橋生成物がある。
幾つかの適当なポリマー及びそれらの製造方法の例は米国特許第3,997,
484号;第3,926,891号;第3,935,099号;第4,090,
013号;第4,093,776号;第4,340,706号;第4,446,
261号;第4,683,274号;第4,459,396号;第4,708,
997号;第4,076,663号;及び第4,190,562号に開示され、
これらの特許の関連部分は本明細書に援用される。このような親水性ポリマーは
、例えばモノカルボン酸、ポリカルボン酸、アクリルアミド及びこれらの誘導体
のような、水溶性α,β−エチレン系不飽和モノマーから製造される。
適当なα,β−エチレン系不飽和モノマーには、例えばアクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、イソクロトン酸及びこれらのアルカリ金属塩とアンモニウム
塩;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド及
び2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸とその塩がある。
好ましいモノマーには、アクリル酸及びメタクリル酸と、例えばアルカリ金属塩
又はアンモニウム塩のような、それらのそれぞれの塩形を含む。
本発明に有用な水溶性モノマーはモノマー水溶液の総重量に基づいて10〜8
0重量%の範囲内の量で用いることができる。この量がモノマー水溶液の総重量
に基づいて20〜60重量%の範囲内であることが好ましい。
任意に、例えば酸のアルキルエステルモノマー(例えばメチルアクリレート又
はメチルメタクリレート)のような、他の水溶性不飽和モノマーの少量が存在す
ることもできる。さらに、例えばポリビニルアルコール、澱粉及び水溶性又は水
膨潤性セルロースエーテルのような、ある種のグラフトポリマーを用いて、優れ
た性質を有する生成物を製造することができる。このようなグラフトポリマーは
、用いる場合には、α,β−エチレン系不飽和モノマーに基づいて約10重量%
までの量で用いられる。さらに、例えば金属反応器を用いる場合のように、溶液
から微量の金属を除去するために、キレート化剤を含めることが有利である。こ
のようなキレート化剤の1種はVERSENEX V−80(ジエチレントリア
ミン五酢酸の五ナトリウム塩の水溶液)(ダウ ケミカル カンパニー(Dow Ch
emical Company)の商標)である。このようなキレート化剤は、用いる場合には
、一般にα,β−エチレン系不飽和モノマーに基づいて100〜2000ppm
の量で用いられる。
少なくとも約95%のモノマーからポリマーへの転化率レベルを得ることが望
ましい。中和されない又は重合前に中和された若しくは部分的に中和された酸モ
ノマーを用いて、重合を実施することができる。水性モノマーを酸モノマー中に
存在する酸基の20〜95%を中和するために充分な塩基性物質量と接触させる
ことによって、中和が便利に実施される。塩基性物質量は酸モノマー中に存在す
る酸基の好ましくは40〜85%、最も好ましくは55〜75%を中和するため
に充分な量である。モノマー溶液を予備中和する場合には、中和熱がモノマー混
合物の早期重合を惹起しないように中和条件を制御することが重要である。この
中和は有利には40℃未満の温度において、好ましくは35℃未満の温度におい
て実施される。
モノマーの酸基を中和するために有用である化合物は典型的に、重合プロセス
に不利な影響を及ぼさずに酸基を充分に中和する化合物である。このような化合
物には、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素
塩がある。モノマーを中和するために用いられる物質は好ましくはナトリウム若
しくはカリウムの水酸化物、又は炭酸ナトリウム若しくは炭酸カリウムである。
望ましい中和度を決定する場合には、吸収すべき水性流体と接触するか又は吸収
すべき水性流体中に分散する、得られる吸収性架橋ポリマーのpHが、該ポリマ
ーに予定される用途に適当な範囲内に確実に維持されるように注意しなければな
らない。或いは、非中和モノマーを用いて重合を実施し、その後に、技術上周知
であるように、中和を実施することができる。
便利には、水溶性モノマーと架橋剤との重合に通常のビニル付加重合開始剤を
用いる。重合を開始させるためにモノマー溶液中に充分に溶解性であるフリーラ
ジカル重合開始剤が好ましい。例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過
硫酸ナトリウム及び他のアルカリ金属過硫酸塩のような水溶性過硫酸塩、過酸化
水素並びに例えば2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパンHCl)のような
水溶性アゾ化合物を用いることができる。これらの開始剤の一部、例えば過酸化
水素を例えば亜硫酸塩又はアミンのような還元性物質と組合せて、既知の酸化還
元型開始剤を形成することができる。開始剤の総使用量はα,β−エチレン系不
飽和モノマー反応物質の総重量に基づいて0.01〜1.0重量%、好ましくは
0.01〜0.5重量%の範囲であることができる。
吸水性樹脂を軽度に架橋して、水不溶性にすることが好ましい。選択した水溶
性水溶性モノマーと、分子単位中に少なくとも2個の重合可能な二重結合を有す
る架橋剤との共重合によって、好ましい架橋構造を得ることができる。第1架橋
剤は水溶性ポリマーを架橋させるために有効な量で存在する。架橋剤の好ましい
量は吸収された流体を保留するために好ましい吸収容量度と好ましい強度、すな
わち好ましい荷重下吸収度によって決定される。典型的に、架橋剤は用いるα,
β−エチレン系不飽和モノマー100重量部につき0.0005〜5重量部の範
囲の量で用いられる。より好ましくは、この量はα,β−エチレン系不飽和モノ
マー100重量部につき0.1〜1重量部の範囲である。100部につき5重量
部を越える架橋剤の量を用いる場合には、得られるポリマーは吸収された流体を
保留するために高すぎる架橋密度を有し、吸収容量の縮小と強度の上昇とを示す
。架橋剤を100部につき約0.0005重量部未満の量で用いる場合には、ポ
リマーは低すぎる架橋密度を有し、吸収すべき流体と接触すると、粘着性になり
、低い初期吸収速度を示す。
架橋剤は典型的にα,β−エチレン系不飽和モノマーの水溶液に溶解性である
が、架橋剤はこのような溶液中に、ネガティブなインプリケーション(negative
implications)なしには,分散可能であるに過ぎない。このような分散剤の使用
は米国特許第4,833,222号に開示されている。適当な分散剤には、カル
ボキシメチルセルロース懸濁助剤、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース及びポリビニルアルコールがある。このような分散剤は典型的に、α,β
−エチレン系不飽和モノマー反応物質の総重量に基づいて0.005〜0.1重
量%の濃度で供給される。
好ましい第1架橋剤には、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキ
シル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、エチレンビスアクリルアミドと
ジアリルカーボネート、メチレンビスアクリルアミド、ビス(アクリルアミド)
酢酸とその塩、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、並びに二官能性モ
ノビニル及びモノアリルエステルとアミドがある。
ある一定の種類の架橋剤は特に好ましい吸収性を生じる。このような好ましい
架橋剤には、メチレンビスアクリルアミド、ビス(アクリルアミド)酢酸とその
塩、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、並びにビニル官能基とアリル
官能基の両方を有するエステル又はアミドがある。好ましい架橋剤によって製造
したポリマーをポリヒドロキシ化合物によってさらに表面架橋する場合には、吸
収性がさらに改良されることが今回発見された。
例えば高エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートのような、他
の第1架橋剤を、次に表面架橋される水膨潤性ポリマーの製造に用いる場合には
、吸収性に同じような利点が生ずることが考えられる。高エトキシル化トリメチ
ロールプロパントリアクリレートは、各鎖の端部におけるヒドロキシ部分がC2
−C10不飽和カルボン酸又はそのエステルによってエステル化された、エチレン
オキシド鎖のヒドロキシル部分につき2〜8個のエチレンオキシド単位によって
エトキシル化されたC2−C10多価(polyhydric)炭化水素である。高エトキシ
ル化トリメチロールプロパントリアクリレートの1例は、ヒドロキシ部分につき
2〜7個のエチレンオキシド単位によってエトキシル化されたトリメチロールプ
ロパンである。
本発明の実施に有用なポリマーを製造するための好ましい実施態様では、部分
中和形のα,β−エチレン系不飽和モノマーと、第1架橋剤と、開始剤と、必要
な場合のグラフトポリマー支持体(substrate)との水溶液を製造する。開始剤
を含む混合物の温度を高めることによって、又は上述したような酸化還元型開始
剤を用いることによって混合物の重合を開始することができる。一般に、重合が
開始する温度は20℃〜45℃の範囲である。重合が実施される温度は、用いる
モノマーの種類と用いる特定の開始剤系とに高度に依存する。重合の最高温度は
好ましくは50℃〜100℃、もっとも好ましくは60℃〜100℃範囲である
。重合温度を制御する方法は、重合中に発生する熱を除去するために充分な冷却
が存在する限り、決定的ではない。
得られるヒドロゲルは典型的に20〜35重量%の吸水性ポリマーと、65〜
80%の水とを含む。ヒドロゲルを典型的に最初に機械的に分粒して、乾燥前に
縮小したサイズを有する分粒済み(sized)ヒドロゲル粒子を形成する。このよ
うな分粒済みヒドロゲル粒子は約2cm未満の平均直径を有する。
この分粒済みヒドロゲル粒子を技術上周知の手段を用いて乾燥させる。このよ
うな乾燥手段には、流動床乾燥器、回転乾燥器、強制通風炉、空気循環バンド乾
燥器(through circulation band dryer)等がある。場合によっては、2段階以
上
で乾燥が生ずる。2段階乾燥では、分粒済みヒドロゲル粒子を第1段階において
部分的に乾燥させる、例えば、分粒ヒドロゲル粒子を10%未満の水分レベルに
、好ましくは5%水分レベルに乾燥させる。初期乾燥中に、ヒドロゲル粒子は融
合して、シートを形成する傾向がある。二段階乾燥器では、この部分乾燥ヒドロ
ゲルシートを破壊して、非常に大ざっぱに約10cmx10cmx2cmのサイ
ズである小片を形成する。次に、第2段階においてこのような小片をさらに完全
に乾燥させ、例えば約5%未満の水分レベルに乾燥させる。乾燥の終了後に、小
片をさらに完全に分粒して、約0.8mm未満の平均直径を有する粒子を形成す
る。
ポリマー粒子を適当な表面架橋剤によって表面架橋させる。このような表面架
橋剤には、ポリヒドロキシル化合物、ポリグリシジルエーテル化合物、多官能性
アジリジン化合物、多官能性アミン化合物、及び多官能性イソシアネート化合物
があり、ポリヒドロキシ化合物が特に好ましい。
表面架橋剤として用いられるポリヒドロキシ化合物は、ヒドロゲルの吸水性樹
脂のカルボキシル基と容易に反応することができる、少なくとも2個のヒドロキ
シル基を含む化合物である。適当なポリヒドロキシ化合物は加熱の温度において
気化も分解もしない。好ましくは、本発明に用いられるポリヒドロキシ化合物は
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、グリセロール、ポリグリセロール、ポリエトキシル化グリセロール、
プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、ポリエチレンオキシド、プロパンジオール、ブタンジオール
、ヒドロキシ末端オキシエチレンーオキシプロピレンブロックコポリマー、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、糖
、糖誘導体、ポリオキシエチレンソルビトール誘導体、ポリオキシエチレンラノ
リン誘導体、ポリエトキシル化ソルビトールラノリン誘導体等から成る群から選
択される。より好ましいポリヒドロキシ化合物は、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、グリセロール、ポリエトキシル化グリセロール、ポリエチ
レンオキシド、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、ソルビトール及びポリエチレングリコールを含む。特に好ましいポリ
ヒ
ドロキシ化合物はグリセロールである。
ポリグリシジルエーテル化合物の特定の例はエチレングリコールジグリシジル
エーテル及びグリセリンジグリシジルエーテルである。
多官能性アジリジン化合物の特定の例は、商品名ケミタイト(Chemitite)P
Z−33で販売される2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−
(1−アジリジニル)プロピオネート];商品名ケミタイトHZ−22で販売さ
れる1,6−ヘキサメチレンジエチレン尿素;及び商品名ケミタイトDZ−22
で販売されるジフェニルメタンビス−4,4’−N,N’−ジエチレン尿素であ
り、これらの全ては日本触媒化学工業社によって製造されている。
多官能性アミンの特定の例はエチレンジアミン、トリエチレンテトラアミン、
テトラエチレンペンタアミン、ペンタエチレンヘキサアミン及びポリエチレンア
ミンである。
表面架橋剤は、ポリマーの表面を架橋させるために有効な量で存在する。この
ような量は最終ポリマーの望ましい遠心容量とAULとによって決定される。理
想的には、このような量は、樹脂の遠心容量を有意に減少させずに、増加した荷
重下吸収度(AUL)によって実証されるように、ポリマーのゲル強度を有意に
改良すべきである。典型的に、表面架橋剤は本質的に乾燥した吸収性樹脂生成物
の0.00002〜10重量部の範囲内の量で用いられる。より好ましくは、こ
の量は乾燥吸収性樹脂生成物1重量部につき0.0002〜0.005重量部、
すなわち、乾燥吸収性樹脂生成物の重量に基づいて200〜5000ppmの範
囲である。表面架橋剤は乾燥ポリマーの重量に基づいて、好ましくは少なくとも
300ppm、より好ましくは少なくとも500ppm、さらに好ましくは少な
くとも1000ppm、最も好ましくは少なくとも3000ppmの量で供給さ
れる。
表面架橋剤は製造プロセスの任意の段階において塗布することができる。例え
ば、表面架橋剤を反応器を出る湿ったヒドロゲルに;部分乾燥したヒドロゲル、
例えば二段階乾燥器の第1段階を通過したゲルに;より完全に乾燥したヒドロゲ
ル、例えば二段階乾燥器の第2段階を通過したゲルに;約5重量%未満の水分含
量を有するポリマー粉末に;又は中間の任意の時点において塗布することができ
る。
表面架橋剤の塗布を実施する時点に関係なく、表面架橋剤をニート(neat)で
又は水及び/又は有機溶剤と共に塗布することができる。好ましくは、表面架橋
剤を含む組成物は0〜99重量%の水、0〜50%の有機溶剤を含む。より好ま
しくは、この組成物は0〜50%の水を含み、有機溶剤を含まない。最も好まし
くは、この組成物は水も有機溶剤も含まない、すなわち表面架橋剤をニートで塗
布する。
さらに、表面架橋剤を含む組成物はポリマー粒子上の表面架橋剤の均一な分配
を促進し、被覆ポリマー粒子の加工可能性を改良し、湿った空気若しくは水への
暴露時の乾燥粉末の凝集傾向を軽減し、及び/又は吸水性樹脂の微細なダストを
結合させるために界面活性剤を含むことができる。
このような界面活性剤の使用は米国特許出願第866,628号に扱われてい
る。適当な界面活性剤は、水中に分散可能であり、3〜10の範囲内のHLB値
を有する非イオン界面活性剤である。好ましい界面活性剤はソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセロール若しくは
ポリグリセロール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアシルエステ
ル及びスクロース脂肪酸エステル又は改質(modified)表面活性ポリエステルか
ら成る群から選択される界面活性剤である。
このような界面活性剤は好ましくは吸水性樹脂100重量部につき0.01〜
2重量部、より好ましくは吸水性樹脂100重量部につき0.075〜0.5重
量部の量で用いられる。
界面活性剤がカルボキシル部分と反応することができる2個以上のヒドロキシ
ル部分を有する場合には、この界面活性剤はポリヒドロキシ化合物(例えば、表
面架橋剤)及び界面活性剤の両方として使用可能である。換言すると、表面架橋
剤として役立つ、ある種のポリヒドロキシ化合物は界面活性剤としても役立つ。
このようなポリヒドロキシ化合物の1例はポリエトキシル化ソルビトールラノリ
ン誘導体である。
ヒドロゲル/粉末と表面架橋剤とを、粒子が表面架橋剤によって被覆されるが
、この表面架橋剤が吸水性樹脂粒子の内部構造中に有意に拡散しないような条件
下で接触させるべきである。このような接触は、吸水性樹脂粒子の表面への表面
架橋剤の均一な分配が生ずるような、何らかの形式の機械的分配によって実施さ
れる。ヒドロゲル粒子上への表面架橋剤の均一な分配のためには、特に該ヒドロ
ゲル粒子が高温である場合には、磨砕、その後の中等度の撹拌、振とう、又は短
い距離の運搬さえもが充分である。例えば、二段階乾燥器の第1段階を出る部分
乾燥した分粒済みヒドロゲル粒子にニートの表面架橋剤を塗布することができ、
この場合には乾燥の終了後の熱処理の前に行われる機械的分粒操作(sizing ope
ration)中に表面架橋剤が粒子の表面に分配される。
接触の温度は、表面架橋剤が吸収性樹脂ポリマーのカルボキシル部分と有意に
反応しない任意の温度であることができる。このような温度は典型的に少なくと
も20℃から150℃までである。高温すなわち周囲温度を越える温度がヒドロ
ゲル粒子の被覆速度を改良することを注目すべきである。
ヒドロゲルへの表面架橋剤の塗布後に、ヒドロゲルを約10重量%未満の水分
レベルに乾燥させる。好ましくは、ヒドロゲルを1〜5重量%の水分レベルに乾
燥させる。乾燥前に、例えば反応器から直接に、ヒドロゲルに表面架橋剤を塗布
する場合には、反応器の下流の箇所において、例えば二段階乾燥器の第1段階を
通過した後に表面架橋剤を塗布する場合よりも乾燥が多くの時間を要することは
明らかである。
乾燥が行われる温度は水と任意の有機溶剤とが妥当な時間内に除去されるほど
高く、しかも表面架橋剤が吸水性樹脂のカルボキシル部分と反応するほどには高
くない温度である。好ましくは、乾燥中の吸水性樹脂粒子の温度は約170℃以
下である。より好ましくは、乾燥中の温度は100〜170℃、最も好ましくは
150〜170℃である。
乾燥時間は、水と任意の溶剤との実質的に全てを妥当な時間内に除去するため
に充分であるべきであり、用いる乾燥系に依存する。乾燥は典型的にヒドロゲル
の水分レベルを1〜5重量%レベルに減ずる。
被覆ヒドロゲルに好ましくは機械的な粒子縮小手段、例えばチョッピング、切
断及び/又は磨砕を実施する。このような機械的な粒子縮小手段は吸水性樹脂粒
子の粒度を最終末端用途に適した粒度に縮小するために役立つ。このような機械
的な粒子縮小はさらに好ましくは、機械的に縮小した粒子上へ表面架橋剤を分配
するために役立つ。被覆を最終の分粒前に実施し、熱処理を最終の分粒後に実施
するのはこの理由からである。
好ましい形式では、被覆吸収性樹脂粒子を最初にチョッピングによって、次に
磨砕によって分粒する。好ましい実施態様では、得られる粒度は2mm未満であ
り、さらに好ましくは0.8mm未満である。好ましくは、得られる粒子は少な
くとも0.04mmのサイズ、より好ましくは少なくとも0.07mmのサイズ
、最も好ましくは0.1mmを越えるサイズである。
表面架橋剤を粉末に、例えば約5重量%未満の水分含量を有する分粒済み生成
物に塗布する場合には、表面架橋剤をリボンミキサー、スクリューミキサー(sc
rew mixer)、流動床ミキサー、V形回転ミキサー等によって混合しながら塗布
する。次に、混合した乾燥粉末を上記方法で熱処理する。表面架橋剤の塗布、混
合及び熱処理を同時に、例えば流動床ミキサーにおいて実施することが有利であ
る。
乾燥及び粒度縮小の後に、粒子の表面で又は粒子の表面近くで吸水性樹脂を架
橋させるためにポリヒドロキシ化合物が吸水性樹脂のカルボキシル部分と反応す
るような条件に吸水性樹脂粒子をさらす。特に、乾燥した被覆吸水性樹脂粒子を
弾性率(modulus)及び/又は荷重下吸収度を高めるために充分な時間加熱する
。このような熱処理は好ましくは少なくとも約170℃、より好ましくは少なく
とも180℃、最も好ましくは少なくとも約190℃の温度において実施する。
このような熱処理は好ましくは約250℃未満、より好ましくは約230℃未満
、最も好ましくは約210℃未満の温度において実施する。
熱処理の時間は、吸収性樹脂の表面に又は表面近くに存在する表面架橋剤がカ
ルボキシル部分と反応するために充分であるべきである。必要な熱処理の正確な
時間は選択する装置によって影響され、生成物の性質の検査によって経験的に決
定することができる。この時間は好ましくは少なくとも約3分間、より好ましく
は少なくとも約5分間である。この時間が長すぎる場合には、プロセスは不経済
になり、吸収性樹脂が損傷する危険性が生ずる。加熱の最大時間は好ましくは約
150分間以下、より好ましくは60分間以下である。
熱処理方法は決定的ではない。例えば、強制通風炉、流動床ヒーター、加熱さ
れたスクリューコンベヤー等を上首尾に用いることができる。必要な場合には、
取り扱いを容易にするために加熱した被覆粒子を再加湿することができる。
要約すると、本発明の非常に好ましい実施態様では、次の工程:
(a)ビス(アクリルアミド)酢酸とその塩、アリルアクリレート、アリルメタ
クリレート、及びビニル官能基とアリル官能基の両方を有するエステル若しくは
アミド並びに高エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートから成る
群から選択される第1架橋剤によって架橋された、部分的に中和されたα,β−
エチレン系不飽和モノマーの架橋ポリマーを製造する工程;
(b)表面架橋剤が該架橋ポリマーの内部に実質的に浸透することなく該架橋ポ
リマーを被覆して、被覆架橋ポリマーを形成するような条件下で、該架橋ポリマ
ーを、ポリヒドロキシル化合物、ポリグリシジルエーテル化合物、多官能性アジ
リジン化合物、多官能性アミン化合物及び多官能性イソシアネート化合物から成
る群から選択される表面架橋剤と接触させる工程;及び
(c)該被覆架橋ポリマーの表面を架橋させるために、該表面架橋剤が該架橋ポ
リマーと反応するような条件下で、該被覆架橋ポリマーを加熱する工程
を含む水性流体吸収性物質の製造方法を提供する。
この方法の非常に望ましい実施態様では、架橋ポリマーが、工程(b)の接触
時に、架橋ポリマー20〜95%と水5〜80%とを含むヒドロゲルとして存在
する。
他の実施態様では、この方法はさらに、
(d)被覆架橋ポリマーを、ヒドロゲル内に保留される水分が少なくとも部分的
に除去されるが、表面架橋剤が被覆架橋ポリマーと反応しないように、乾燥させ
る工程であって、工程(b)の接触後の工程(c)の加熱前に実施する乾燥工程
を含む。
ゲルを標準の商業的強制通風炉で乾燥させた。乾燥した樹脂素材の粒子の大部
分は長さと幅において0.5cmより大きかった。乾燥時に、樹脂素材の一部を
、100メッシュシーブを通過するようにふるい分けし、比較例2−Aとして貯
蔵した。比較例2−Aの物質の一部を210℃において35分間熱処理して、比
較例2−Bを生成した。乾燥樹脂素材の数部を計量して、各部に乾燥固形分に基
づいて指定量のグリセリンになるほど充分なグリセリンを配量することによって
、残部の未磨砕未ふるい分け物質を処理した。各部のサンプルを磨砕し、100
メッシュシーブを通過するようにふるい分けし、210℃において35分間熱処
理して、実施例2Aと2Bとを生成した。
実施例2A、2B及び比較例1−A、1−Bの結果を表1に記載する。
表4に記載したデータは多官能性アルコールを含む物質が本発明の方法におい
て充分に機能すると期待されることを説明する。実施例7と8
ビーカーに、アクリル酸300gと、VERSENEX(登録商標)V−80
キレート化剤0.75gと、炭酸ナトリウム144gと、最終反応器固形分を3
2%にするために充分な水とを加えて、混合した。この反応器に、望ましい架橋
剤を加えた。実施例7の場合には、メチレンビスアクリルアミド架橋剤0.95
gを加え、混合物を反応器に加え、この反応器を窒素でパージした。実施例8の
場合には、アリルメタクリレート架橋剤0.95gを加え、混合物を反応器に加
え、この反応器を窒素でパージした。
この反応器に、過硫酸ナトリウムの10%水溶液4.8mlと、過酸化水素の
30%水溶液0.63mlとを加えて、1〜2分間混合した。次に、ナトリウム
エリトルベートの10%水溶液0.6gを加えた。重合が開始し、約4時間で完
成した。
得られたゲルをそれぞれ2部に分割して、標準の商業的強制通風炉で乾燥させ
た。乾燥時に、各物質の一部を磨砕し、比較例7−1、7−2、8−1及び8−
2として貯蔵した。物質の他の部分は、数部を計量して、各部に指定量の表面架
橋剤を配量することによって、処理した。被覆部分を食品ブレンダーに入れ、磨
砕し、20〜100メッシュカットにふるい分けした。分粒した生成物を指定量
のコーチング物質で被覆して、ジャーに入れ、ローラーミキサーにおいてさらに
15〜30分間タンブルした。次に、サンプルを200℃の強制通風炉に40分
間入れて、コーチング物質のヒドロキシル基を吸収性樹脂のカルボキシル基と反
応させた。最終生成物(実施例7A、7B、7C、7D、8A、8B、8C及び
8D)と比較例(7−1、7−2、8−1及び8−2)の生成物とを分析した。
実施例7A、7B、7C、7D、8A、8B、8C及び8Dの結果と、比較例
7−1、7−2、8−1及び8−2の結果とを表5に記載する。
表5に記載したデータは、ポリ(ビニルアルコール)を含まず、アリルメタク
リレート及び/又はメチレンビスアクリルアミド型架橋剤を用いる、本発明のポ
リマーが非常に望ましい吸収性を有するポリマーを生成することを説明する。実施例9
コーチング物質が実施例6に示したような、グリセロールと水との混合物であ
ること以外は、実施例5に述べた方法と同じ方法によって重合を実施して、吸収
性樹脂9A、9B及び9Cを生成した。比較例9−1は熱処理した非被覆サンプ
ルである。
実施例9A、9B、9C及び比較例9−1の結果を表6に記載する。
表6に記載のデータは、コーチング物質の溶剤としての水の存在がここに指定
したレベルにおいて必ずしも有益ではないが、吸収性樹脂の表面上へのコーチン
グ化学物質の塗布を妨げないことを説明する。水の存在に拘わらず、本発明の膨
潤容量とAULとの改良された組合せが観察される。実施例10
ビーカーに、アクリル酸310gと、VERSENEX(登録商標)V−80
キレート化剤0.75gと、炭酸ナトリウム144gと、最終反応器固形分を3
2%にするために充分な水とを加えて、混合した。次に、アリルメタクリレート
0.10gを加え、混合物を反応器に加え、この反応器を窒素でパージした。こ
の反応器に、過硫酸ナトリウムの10%水溶液4.8mlと、過酸化水素の30
%水溶液0.63mlとを加えて、1〜2分間混合した。次に、ナトリウムエリ
トルベートの10%水溶液0.6mlを加えた。重合が開始し、約4時間で完成
した。
得られたゲルを標準の商業的強制通風炉で乾燥させた。乾燥時に、各物質の一
部を磨砕し、比較例10−A1、10−B1及び10−C1として貯蔵した。乾
燥した樹脂素材を計量して、乾燥固形分に基づいて約500ppmのグリセロー
ルを供給するために充分なグリセロールを乾燥した樹脂素材上に配量することに
よって、乾燥した生成物を処理した。生成物を20〜100メッシュに磨砕し、
ジャーに入れ、ローラーミキサーにおいてさらに15〜30分間タンブルした。
この物質の数部を強制通風炉において、表7に指定した時間及び温度で熱処理し
た。最終生成物と、比較例の生成物とを分析した。
実施例10A1、10A2、10A3、10A4、10A5、10A6、実施
例10B1、10B2、10B3、10B4、10B5、10B6、実施例10
C1、10C2、10C3、10C4、10C5、10C6、並びに比較例10
−A1、10−B1及び10−C1の結果を表7に記載する。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1994年11月15日
【補正内容】
したがって、1実施態様では、本発明は部分的に中和されたα,β−エチレン
系不飽和モノマーの架橋ポリマーを含む吸水性ポリマー物質を提供する、この架
橋ポリマーはビス(アクリルアミド)酢酸とその塩、アリルアクリレート、アリ
ルメタクリレート、及びビニル官能基とアリル官能基の両方を有するエステル若
しくはアミド、並びに高エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート
から成る群から選択される第1架橋剤によって架橋され、該架橋ポリマーはさら
に、ポリヒドロキシル化合物、ポリグリシジルエーテル化合物、多官能性アジリ
ジン化合物、多官能性アミン化合物及び多官能性イソシアネート化合物から成る
群から選択される表面架橋剤によって架橋され、このときにポリマーの表面近く
に存在する分子鎖が架橋されるものである。第1架橋剤と表面架橋とのこの組合
せの使用は、少なくとも15g/gの4.1kPaAULと、少なくとも33g
/gの30分遠心容量(centrifuge capacity)とを有するポリマー物質を提供
する。この物質が表面架橋剤によって表面架橋されなかった同じ物質の4.1k
PaAULよりも少なくとも2g/g大きい4.1kPaAULを有し、このポ
リマー物質の遠心容量が減少したとしても僅か3g/g減少するに過ぎないこと
も特徴的である。
他の実施態様では、本発明はさらに、次の工程:
他の実施態様では、この方法はさらに、
(d)工程(b)の接触前に、架橋ポリマーを約15%未満の水分含量までに乾
燥させる工程
を含む。
この方法の直前の2実施態様のいずれもさらに、
(e)工程(d)の乾燥後の、工程(c)の加熱前に機械的手段によって被覆架
橋ポリマーの粒度を縮小する工程
を含むことができる。
これらの実施態様のいずれにおいても、架橋ポリマーが工程(b)の接触時に
約5重量%未満の水分含量を有する粉末として存在することが好ましい。
本発明を主として、ゲル重合方法によって製造されるポリマーに関して説明し
たが、本発明が懸濁重合方法によって製造されるポリマーにも適用されることを
認識すべきである。例えば、懸濁助剤の存在下の脂環式及び/又は脂肪族炭化水
素溶剤中に水溶性フリーラジカル開始剤と上記第1架橋剤の1種とを含むアクリ
ル酸/アクリレートの水溶液を分散させ、この混合物に懸濁重合を実施すること
によって、吸収性樹脂を得ることができる。得られるポリマービーズを乾燥させ
て、残留溶剤を除去する。次に、乾燥したビーズに表面架橋剤を例えばリボンミ
キサー、スクリューミキサー、回転ディスクミキサー、流動床ミキサー、V形回
転ミキサー等のような混合によって塗布する。混合した乾燥ビーズを次に上述し
た方法で熱処理する。表面架橋剤の塗布、混合及び熱処理を同時に、例えば流動
床ミキサーにおいて実施することが有利である。
下記実施例は限定ではなく例示のために記載する。他に記載しない限り、60
分間2.1kPa(0.3psi)AULはヨーロッパ特許出願第339,46
1−A1号に述べられているように測定し:60分間4.1kPa(0.6ps
i)AULは、2.1kPa(0.3psi)ではなく4.1kPa(0.6p
si)圧力を加え、試験時間が60分間ではなく90分間である以外は、2.1
kPa(0.3psi)AULの測定に関して述べられた方法で測定し;遠心容
量は、3〜5分間ではなく30分間の吸収時間を用いた以外は、米国特許第4,
286,082号に述べられているように測定し;フィッシュアイ形成は米国特
許第4,666,983号に述べられているように測定し;抽出可能物と弾性率
とは米国再発行特許第32,649号に述べられているように測定した。さらに
、渦時間(vortex time)は、100mlビーカー中に含まれる0.9%生理食
塩溶液(saline solution)50gにマグネチックミキサー上で約1.3〜2.
5cm(1/2〜1インチ)の渦によって撹拌されているときに、ポリマー2g
を加え,た場合の渦が消失するための時間として測定した。粉状吸水性樹脂が生
理食塩溶液中に完全には分散しなかった場合には、渦速度(vortex rate)試験
においてゲルブロッキング(gel blocking)が認められた。ポリマーの一部を1
35℃において約60時間乾燥させ、乾燥の前後の重量を用いて、サンプルの水
分%を算出することによって、水分%を測定した。実施例1
ビーカーに、アクリル酸300gと、VERSENEX(登録商標)V−80
キレート化剤(ダウ ケミカル カンパニーから入手可能)0.75gと、炭酸
ナトリウム144gと、最終反応器固形分を32%にするために充分な水とを加
えた。これに、ポリビニルアルコールの10%水溶液145gを加えて、入念に
混合した。次に、アリルメタクリレート0.63gを加えた。得られた混合物を
反応器に移し、この反応器を窒素でパージして空気を除去した。この反応器に、
過硫酸ナトリウムの10%水溶液4.8mlと、過酸化水素の30%水溶液0.
63mlとを加えた。反応器の内容物を1〜2分間混合した。次に、ナトリウム
エリトルベート(sodium erythorbate)の10%水溶液0.6mlを加えた。重
合は約4時間で完成まで進行した。
ゲルを標準の商業的強制通風炉で乾燥させた。乾燥した樹脂素材の粒子の大部
分は長さと幅において0.5cmより大きかった。乾燥時に樹脂素材の一部を磨
砕して、100メッシュシーブを通過するようにふるい分けし、比較例1−Aと
して貯蔵した。比較例1−Aの物質の一部を210℃において35分間熱処理し
て、比較例1−Bを生成した。乾燥樹脂素材の数部を計量して、各部に乾燥固形
分に基づいて指定量のグリセリンになるほど充分なグリセリンを配量することに
よって、残部の未磨砕未ふるい分け物質を処理した。各部のサンプルを磨砕し、
100メッシュシーブを通過するようにふるい分けし、210℃において35分
間熱処理して、実施例1Aと1Bとを生成した。
実施例1A、1B及び比較例1−A、1−Bの結果を表1に記載する。実施例2
ビーカーに、アクリル酸300gと、VERSENEX(登録商標)V−80
キレート化剤(ダウ ケミカル カンパニーから入手可能)0.75gと、炭酸
ナトリウム144gと、最終反応器固形分を32%にするために充分な水とを加
えた。これに、ポリビニルアルコールの10%水溶液145gを加えて、入念に
混合した。次に、トリメチロールプロパントリアクリレート0.63gを加えた
。得られた混合物を反応器に移し、この反応器を窒素でパージして空気を除去し
た。この反応器に、過硫酸ナトリウムの10%水溶液4.8mlと、過酸化水素
の30%水溶液0.63mlとを加えた。反応器の内容物を1〜2分間混合した
。次に、ナトリウムエリトルベートの10%水溶液0.6mlを加えた。重合は
約4時間で完成まで進行した。
実施例1と2は、磨砕前の乾燥した又は部分乾燥した吸収性樹脂ポリマー素材に
表面架橋剤を加える場合に、吸収速度の改良及びフィッシュアイ形成とゲルブロ
ッキングとの減少を得ることができることを実証する。表面架橋剤は乾燥固形分
に基づいて少なくとも300〜3000ppmの範囲内で塗布することができる
。実施例3
反応器に、アクリル酸22kg(48ポンド)と、アリルメタクリレート53
.4gと、VINOL(登録商標)523ポリ(ビニルアルコール)溶液(エア
ープロダクツ社(Air Products Corp.)から入手可能)の8%水溶液12kg(
26.5ポンド)と、炭酸ナトリウム10kg(22ポンド)と、水45kg(
98ポンド)と、VERSENEX(登録商標)V−80キレート化剤29gと
を加えて、混合した。この混合物に、水溶液中の過硫酸ナトリウム37gと過酸
化水素の30%水溶液50.8gとを加えて、混合した。次に、ナトリウムエリ
トルベート3.3gを水溶液として加えた。反応器に次に窒素をスパージした(
sparged)。重合が開始し、約2時間で本質的に完成した。
得られたゲルを乾燥とグリセリン塗布とのために5部に分割した。ポリマーの
最終乾燥重量に基づいて約500ppmのグリセリンを供給するために、サンプ
ルの指定水分%から推断した乾燥段階において、グリセリンをゲルに滴加した。
グリセリンをポリマー樹脂素材に加えたときに、樹脂素材のサンプルを採取した
。グリセリンの添加後に、サンプルを5%の水分レベルにまで乾燥させ、磨砕し
、ふるい分けした。20〜140メッシュのふるい分けカット(screen cut)を
遠心容量、AUL及び抽出可能物の測定用に採取した。140メッシュ未満の微
粉カットをフィッシュアイと渦時間との測定用に採取した。サンプルを商業的強
制通風炉において200℃で40分間熱処理して、実施例3A、3B、3C、3
D及び3Eを得た。比較例3−Aは実施例3Aの非被覆非熱処理サンプルを表す
。比較例3−Bは、熱処理した比較例3−Aの非被覆サンプルを表す。
実施例3A、3B、3C、3D,3E及び比較例3−Aと3−Bの結果を表2
に記載する。実施例4
反応器に、アクリル酸22kg(49ポンド)と、トリメチロールプロパント
リアクリレート37.7gと、水中の炭酸ナトリウム10kg(22.5ポンド
)の溶液とを、水の総量が52kg(115ポンド)に等しくなるように充分な
水を追加して、加えて、混合した。この混合物に、VERSENEX(登録商標
)V−80キレート化剤15gと、ポリビニルアルコールの5%水溶液103g
とを加えて、混合した。この混合物に、水溶液としての過硫酸ナトリウム38.
5gと過酸化水素の30%水溶液40gとを加えて、混合した。次に、水溶液中
のナトリウムエリトルベート3.4gを水溶液として加えた。反応器に次に窒素
をスパージした。重合が開始し、約2時間で本質的に完成した。
得られたゲルを乾燥とグリセリン塗布とのために5部に分割した。ポリマーの
最終乾燥重量に基づいて約500ppmのグリセリンを供給するために、サンプ
ルの指定水分%から推断した乾燥段階において、グリセリンをゲルに滴加した。
グリセリンをポリマー樹脂素材に加えたときに、樹脂素材のサンプルを採取した
。グリセリンの添加後に、サンプルを5%の水分レベルにまで乾燥させ、磨砕し
、ふるい分けした。20〜140メッシュのふるい分けカットを容量、AUL及
び抽出可能物の測定に用いるために採取した。140メッシュ未満の微粉カット
をフィッシュアイと渦時間との測定に用いるために採取した。サンプルを商業的
強制通風炉において200℃で40分間熱処理して、実施例4A、4B、4C、
4D及び4Eを得た。比較例4−Aは実施例4Aの非被覆非熱処理サンプルを表
す。比較例4−Bは、熱処理した比較例4−Aの非被覆サンプルを表す。
実施例4A、4B、4C、4D,4E及び比較例4−Aと4−Bの結果を表2
に記載する。
実施例3と4は、好ましい第1架橋剤の使用が吸収性と抽出可能物とのバラン
スを改良する、例えば、低レベルの抽出可能ポリマーを維持しながら、遠心容量
に対する4.1kPa(0.6psi)AULの比が増加することを実証する。
実施例3と4は、使用する第1架橋剤に関係なく、ゲルが30〜95%のポリマ
ーを含む場合のように、種々な水分レベルのゲルに、性質のこのバランスを犠牲
にすることなく、表面架橋剤を塗布することができることを実証する。したがっ
て、乾燥前のヒドロゲルに、ポリマー性能を犠牲にすることなく、表面架橋剤を
直接加えることができる。実施例5
ビーカーに、アクリル酸300gと、VERSENEX(登録商標)V−80
キレート化剤0.75gと、炭酸ナトリウム144gと、最終反応器固形分を3
2%にするために充分な水とを加えて、混合した。次に、ポリ(ビニルアルコー
ル)の10%水溶液145gを加えて、入念に混合した。次に、アリルメタクリ
レート0.9gを加え、混合物を反応器に加え、この反応器を窒素でパージした
。この反応器に、過硫酸ナトリウムの10%水溶液4.8mlと、過酸化水素の
30%水溶液0.63mlとを加えて、1〜2分間混合した。次に、ナトリウム
エリトルベートの10%水溶液0.6mlを加えた。重合が開始し、約4時間で
完成した。
得られたゲルを4部に分割して、標準の商業的強制通風炉で乾燥させた。乾燥
時に、樹脂素材の一部を磨砕し、比較例5−1として貯蔵した。物質の他の部分
は、数部を計量して、各部に指定量のグリセロールを配量することによって、処
理した。被覆部分を食品ブレンダーに入れ、磨砕し、20〜100メッシュカッ
トにふるい分けした。分粒して、被覆した部分をジャーに入れ、ローラーミキサ
ーにおいてさらに15〜30分間タンブルした(tumbled)。次に、サンプルを
200℃の強制通風炉に40分間入れて、グリセロールを吸収性樹脂上のカルボ
キシル基と反応させた。分粒済み部分の1つはグリセロールで被覆せず、上述し
たように熱処理して、比較例5−2を得た。最終生成物(実施例5A、5B及び
5C)と比較例の生成物とを分析した。
比較例5−1と5−2との相違は、これらの条件下で製造した吸収性ポリマー
が加熱に対してどのように反応するかを典型的に表す。実施例5Aから5Cまで
の結果を比較することによって、表面処理の効果が見い出される。遠心容量(ce
ntrifuged capacity)の若干の減少が観察された。しかし、2.1kPa(0.
3psi)AULの若干の増加と4.1kPa(0.6psi)AULの実質的
な増加とが同様に生じた。本発明の結果としての改良は表3の一番右の欄におけ
るAUL/膨潤容量の改良に見ることができる。実施例6
グリセロールの代わりに指定コーチング物質(coating material)を用いた以
外は、実施例5に述べた方法と同じ方法で重合を実施した。表4はコーチング物
質(表面架橋剤)、コーチング物質の使用量及び熱処理後の生成物の性質を示す
。実施例6A、6B、6C、6D及び6Eは本発明の実施例である。比較例が熱
処理されなかった非被覆サンプルを表すこと以外は、比較例6−A1、6−A2
、6−A3、6−A4及び6−A5は実施例6A、6B、6C、6D及び6Eに
相当する。比較例が実施例6A、6B、6C、6D及び6Eのサンプルの熱処理
方法で熱処理された非被覆サンプルを表すこと以外は、比較例6−B1、6−B
2、6−B3、6−B4及び6−B5は実施例6A、6B、6C、6D及び6E
に相当する。最終生成物(実施例6A、6B、6C、6D及び6E)と比較例の
生成物とを分析した。
実施例6A、6B、6C、6D、6E、比較例6−A1、6−A2、6−A3
、6−A4、6−A5、及び比較例6−B1、6−B2、6−B3、6−B4及
び6−B5の結果を表4に記載する。
実施例10は本発明の実施における180〜200℃の熱処理温度の適切性を
実証する。実施例10はさらに、生成物の性質の変化(shift)が熱処理時間の
関数として生ずることを示す。実施例11
アクリル酸1900kgと、トリメチロールプロパントリアクリレート4.5
6kgと、ポリビニルアルコール475gと、VERSENEX(登録商標)V
−80キレート化剤950gと、水酸化ナトリウムの50%水溶液1435kg
とを、最終ポリマー固形分濃度を35%にするために充分な追加の水と共に、容
器中で混合した。過硫酸ナトリウムと過酸化水素とを加えて、混合物を窒素によ
ってパージして、空気を除去した。アスコルビン酸の溶液を加えた、重合は約2
時間で完成まで進行した。得られたゲルを標準の商業的強制通風炉で乾燥させ、
磨砕した。ポリマーの一部を容器中に配量して、これに、ポリマーの重量に対す
るグリセロールの重量が0.2%であるように、グリセロールを含むプロパノー
ル/水(80/20)溶液250gを加えた。この物質を100℃において一晩
乾燥させた。続いて、この物質を無蓋のガラス容器に入れて、180℃オーブン
(oven)で40分間乾燥させた。2.1kPa(0.3psi)AULは31.
7g/gであり、遠心容量は36.1g/gであり、16時間抽出可能物は14
%であった。実施例12
実施例5に述べた方法と同じ方法によって重合を実施した。ゲルを乾燥させ、
食品ブレンダーを用いて磨砕し、20〜100メッシュカットにふるい分けした
。この粉末にグリセロールを500ppmレベルで加えた。ローラーミキサー上
でサンプルを15〜20分間タンブルした。次に、サンプルを200℃の強制通
風炉に40分間入れた。2.1kPa(0.3psi)AULは30g/gであ
り、遠心容量は35g/gであり、16時間抽出可能物は8%である。これは、
本発明によって与えられる吸収性のバランスを犠牲にすることなく、表面架橋剤
を分粒済みポリマー粉末に塗布することができることを実証する。
請求の範囲
1.部分的に中和されたα,β−エチレン系不飽和モノマーの架橋ポリマー
を含む吸水性ポリマー物質であって、該架橋ポリマーがビス(アクリルアミド)
酢酸とその塩、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、及びビニル官能基
とアリル官能基の両方を有するエステル若しくはアミド、並びに高エトキシル化
トリメチロールプロパントリアクリレートから成る群から選択される第1架橋剤
によって架橋され、さらに、該架橋ポリマーがポリヒドロキシル化合物、ポリグ
リシジルエーテル化合物、多官能性アジリジン化合物、多官能性アミン化合物及
び多官能性イソシアネート化合物から選択される表面架橋剤によって架橋され、
このときにポリマーの表面近くに存在する分子鎖が架橋されるものである前記吸
水性ポリマー物質。
2.少なくとも15g/gの4.1kPaAULと少なくとも33g/gの
30分間遠心容量とを有する請求項1記載のポリマー物質。
3.請求項1の表面架橋剤によって表面架橋されなかった同じ物質の4.1
kPaAULよりも少なくとも2g/g大きい4.1kPaを有し、ポリマー物
質の遠心容量が減少したとしても僅か3g/g減少した請求項1又は請求項2に
記載のポリマー物質。
3.表面架橋剤がポリヒドロキシ化合物である請求項1〜3のいずれかに記
載の吸収性ポリマー物質。
4.ポリヒドロキシ化合物がジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、グリセロール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、ソルビトール及びポリエチレングリコールから成る群から選択さ
れる請求項3記載の吸水性ポリマー物質。
5.ポリヒドロキシ化合物がグリセロールである請求項4記載の吸水性ポリ
マー物質。
6.第1架橋剤がアリルメタクリレートである請求項1記載の吸水性ポリマ
ー物質。
7.表面架橋剤が架橋ポリマーの重量に基づいて0.00025〜2重量%
の量で供給される請求項1記載の吸水性ポリマー物質。
8.次の工程:
(a)ビス(アクリルアミド)酢酸とその塩、アリルアクリレート、アリルメタ
クリレート、及びビニル官能基とアリル官能基の両方を有するエステル若しくは
アミド並びに高エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートから成る
群から選択される第1架橋剤によって架橋された、部分的に中和されたα,β−
エチレン系不飽和モノマーの架橋ポリマーを製造する工程;
(b)表面架橋剤が該架橋ポリマーの内部に実質的に浸透することなく該架橋ポ
リマーを被覆して、被覆架橋ポリマーを形成するような条件下で、該架橋ポリマ
ーを、ポリヒドロキシル化合物、ポリグリシジルエーテル化合物、多官能性アジ
リジン化合物、多官能性アミン化合物、多官能性イソシアネート化合物から選択
される表面架橋剤と接触させる工程;及び
(c)該被覆架橋ポリマーの表面を架橋させるために、該表面架橋剤が該架橋ポ
リマーと反応するような条件下で、該被覆架橋ポリマーを加熱する工程
を含む水性流体吸収性物質の製造方法。
9.架橋ポリマーが、工程(b)の接触時に、架橋ポリマー20〜95%と
水5〜80%とを含むヒドロゲルとして存在する請求項8記載の方法。
10.さらに、
(d)被覆架橋ポリマーを、ヒドロゲル内に保留される水分が少なくとも部分的
に除去されるが、表面架橋剤が被覆架橋ポリマーと反応しないように、乾燥させ
る工程であって、工程(b)の接触後の工程(c)の加熱前に実施する乾燥工程
を含む請求項8記載の方法。
11.さらに、
(d)工程(b)の接触前に、架橋ポリマーを約15%未満の水分含量までに乾
燥させる工程
を含む請求項8記載の方法。
12.さらに、
(e)工程(d)の乾燥後の、工程(c)の加熱前に機械的手段によって被覆架
橋ポリマーの粒度を縮小する工程
を含む請求項10又は11に記載の方法。
13.架橋ポリマーが、工程(b)の接触時に、約5重量%未満の水分含量
を有する粉末として存在する請求項8記載の方法。
14.次の工程:
(a)カルボキシル部分を含む吸水性樹脂20〜95%と、水5〜80%とを含
むヒドロゲルを、界面活性剤の不存在下の表面架橋剤を含み、さらに任意に付加
的な水及び/又は水混和性の極性溶剤を含む組成物と、該表面架橋剤が該ヒドロ
ゲルの該吸収性樹脂粒子の内部に実質的に浸透することなく該ヒドロゲルを被覆
して、被覆ヒドロゲルを形成するような条件下で接触させる工程;
(b)水と、存在する場合の任意の付加的な水及び任意の溶剤とが実質的に除去
され、表面架橋剤がカルボキシル部分と有意に反応しないように、該被覆ヒドロ
ゲルを乾燥させて、乾燥した被覆樹脂を形成する工程;
(c)該乾燥した被覆樹脂の粒度を機械的な手段によって縮小して、乾燥した被
覆粒子を形成する工程;及び
(d)該乾燥した被覆粒子の表面を架橋させるために、該表面架橋剤がカルボキ
シル部分と反応するような条件下で、該乾燥した被覆粒子を加熱する工程
を含む水性流体吸収性物質の製造方法。
15.工程(b)の乾燥が約10%未満の水分含量を有する乾燥した被覆樹
脂を生ずる請求項14記載の方法。
16.表面架橋剤が、表面架橋剤を含み、水、有機溶剤及び界面活性剤から
成る群から選択される1種以上の成分を任意に含む組成物として供給される請求
項8又は14のいずれかに記載の方法。
17.該組成物がポリヒドロキシ化合物50〜100%と水0〜50%とを
含み、有機溶剤を含まない請求項8又は14のいずれかに記載の方法。
18.表面架橋剤がポリヒドロキシ化合物である請求項8又は14のいずれ
かに記載の方法。
19.ポリヒドロキシ化合物がジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、グリセロール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトール、ソルビトール及びポリエチレングリコールから成る群から選択
される請求項8又は14のいずれかに記載の方法。
20.ポリヒドロキシ化合物がグリセロールである請求項8又は14のいず
れかに記載の方法。
21.表面架橋剤が吸水性樹脂の重量に基づいて少なくとも約200ppm
のレベルで供給される請求項8又は14のいずれかに記載の方法。
22.表面架橋剤が吸水性樹脂の重量に基づいて少なくとも約500ppm
のレベルで供給される請求項8又は14のいずれかに記載の方法。
23.表面架橋剤が吸水性樹脂の重量に基づいて少なくとも約1000pp
mのレベルで供給される請求項8又は14のいずれかに記載の方法。
24.表面架橋剤が吸水性樹脂の重量に基づいて少なくとも約3000pp
mのレベルで供給される請求項8又は14のいずれかに記載の方法。
25.加熱を170〜230℃の温度において5〜75分間実施する請求項
9記載の方法。
26.請求項8又は14のいずれかに記載の方法によって製造される水性流
体吸収性物質。
27.吸収性物質をパーソナルケアデバイスに混入することを含む請求項1
〜7及び22のいずれかに記載の水性流体吸収性物質の使用方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(31)優先権主張番号 07/975,171
(32)優先日 1992年11月12日
(33)優先権主張国 米国(US)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA,
CZ,FI,HU,JP,KR,KZ,LK,MG,M
N,MW,NO,NZ,PL,RO,RU,SD,SK
,UA
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.部分的に中和されたα,β−エチレン系不飽和モノマーの架橋ポリマー を含む吸水性ポリマー物質であって、該架橋ポリマーがメチレンビスアクリルア ミド、ビス(アクリルアミド)酢酸とその塩、アリルアクリレート、アリルメタ クリレート、及びビニル官能基とアリル官能基の両方を有するエステル若しくは アミド、又は高エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートから成る 群から選択される第1架橋剤によって架橋され、さらに、該架橋ポリマーが表面 架橋剤によって架橋され、このときにポリマーの表面近くに存在する分子鎖が架 橋されるものである前記吸水性ポリマー物質。 2.表面架橋剤がポリヒドロキシ化合物である請求項1記載の吸水性ポリマ ー物質。 3.ポリヒドロキシ化合物がジエチレングリコール、トリエチレングリコー ル、グリセロール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエ リスリトール、ソルビトール及びポリエチレングリコールから成る群から選択さ れる請求項2記載の吸水性ポリマー物質。 4.ポリヒドロキシ化合物がグリセロールである請求項2記載の吸水性ポリ マー物質。 5.第1架橋剤がアリルメタクリレートである請求項1記載の吸水性ポリマ ー物質。 6.表面架橋剤が架橋ポリマーの重量に基づいて0.00025〜2重量% の量で供給される請求項1記載の吸水性ポリマー物質。 7.次の工程: (a)メチレンビスアクリルアミド、ビス(アクリルアミド)酢酸とその塩、ア リルアクリレート、アリルメタクリレート、及びビニル官能基とアリル官能基の 両方を有するエステル若しくはアミドから成る群から選択される第1架橋剤によ って架橋された、部分的に中和されたα,β−エチレン系不飽和モノマーの架橋 ポリマーを製造する工程; (b)表面架橋剤が該架橋ポリマーの内部に実質的に浸透することなく該架橋ポ リマーを被覆して、被覆架橋ポリマーを形成するような条件下で、該架橋ポリマ ーを表面架橋剤と接触させる工程;及び (c)該被覆架橋ポリマーの表面を架橋させるために、該表面架橋剤が該架橋ポ リマーと反応するような条件下で、該被覆架橋ポリマーを加熱する工程 を含む水性流体吸収性物質の製造方法。 8.架橋ポリマーが、工程(b)の接触時に、架橋ポリマー20〜95%と 水5〜80%とを含むヒドロゲルとして存在する請求項7記載の方法。 9.さらに、 (d)被覆架橋ポリマーを、ヒドロゲル内に保留される水分が少なくとも部分的 に除去されるが、表面架橋剤が被覆架橋ポリマーと反応しないように、乾燥させ る工程であって、工程(b)の接触後の工程(c)の加熱前に実施する乾燥工程 を含む請求項7記載の方法。 10.さらに、 (d)工程(b)の接触前に、架橋ポリマーを約15%未満の水分含量までに乾 燥させる工程 を含む請求項7記載の方法。 11.さらに、 (e)工程(d)の乾燥後の、工程(c)の加熱前に機械的手段によって被覆架 橋ポリマーの粒度を縮小する工程 を含む請求項9又は10に記載の方法。 12.架橋ポリマーが、工程(b)の接触時に、約5重量%未満の水分含量 を有する粉末として存在する請求項7記載の方法。 13.次の工程: (a)カルボキシル部分を含む吸水性樹脂20〜95%と、水5〜80%とを含 むヒドロゲルを、界面活性剤の不存在下の表面架橋剤を含み、さらに任意に付加 的な水及び/又は水混和性の極性溶剤を含む組成物と、該表面架橋剤が該ヒドロ ゲルの該吸収性樹脂粒子の内部に実質的に浸透することなく該ヒドロゲルを被覆 して、被覆ヒドロゲルを形成するような条件下で接触させる工程; (b)水と、存在する場合の任意の付加的な水及び任意の溶剤とが実質的に除去 され、表面架橋剤がカルボキシル部分と有意に反応しないように、該被覆ヒドロ ゲルを乾燥させて、乾燥した被覆樹脂を形成する工程; (c)該乾燥した被覆樹脂の粒度を機械的な手段によって縮小して、乾燥した被 覆粒子を形成する工程;及び (d)該乾燥した被覆粒子の表面を架橋させるために、該表面架橋剤がカルボキ シル部分と反応するような条件下で、該乾燥した被覆粒子を加熱する工程 を含む水性流体吸収性物質の製造方法。 14.工程(b)の乾燥が約10%未満の水分含量を有する乾燥した被覆樹 脂を生ずる請求項13記載の方法。 15.表面架橋剤が、表面架橋剤を含み、水、有機溶剤及び界面活性剤から 成る群から選択される1種以上の成分を任意に含む組成物として供給される請求 項7又は13のいずれかに記載の方法。 16.該組成物がポリヒドロキシ化合物50〜100%と水0〜50%とを 含み、有機溶剤を含まない請求項7又は13のいずれかに記載の方法。 17.表面架橋剤がポリヒドロキシ化合物である請求項7又は13のいずれ かに記載の方法。 18.ポリヒドロキシ化合物がジエチレングリコール、トリエチレングリコ ール、グリセロール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタ エリスリトール、ソルビトール及びポリエチレングリコールから成る群から選択 される請求項7又は13のいずれかに記載の方法。 19.ポリヒドロキシ化合物がグリセロールである請求項7又は13のいず れかに記載の方法。 20.表面架橋剤が吸水性樹脂の重量に基づいて少なくとも約200ppm のレベルで供給される請求項7又は13のいずれかに記載の方法。 21.表面架橋剤が吸水性樹脂の重量に基づいて少なくとも約500ppm のレベルで供給される請求項7又は13のいずれかに記載の方法。 22.表面架橋剤が吸水性樹脂の重量に基づいて少なくとも約1000pp mのレベルで供給される請求項7又は13のいずれかに記載の方法。 23.表面架橋剤が吸水性樹脂の重量に基づいて少なくとも約3000pp mのレベルで供給される請求項7又は13のいずれかに記載の方法。 24.加熱を175〜230℃の温度において5〜75分間実施する請求項 8記載の方法。 25.請求項7又は13のいずれかに記載の方法によって製造される水性流 体吸収性物質。 26.吸収性物質をパーソナルケアデバイスに混入することを含む請求項1 又は22のいずれかに記載の水性流体吸収性物質の使用方法。
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