JPH08505401A - アミロイド症の治療への4′−ヨード−4′−デオキシドキソルビシンの使用 - Google Patents

アミロイド症の治療への4′−ヨード−4′−デオキシドキソルビシンの使用

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JPH08505401A
JPH08505401A JP7506199A JP50619995A JPH08505401A JP H08505401 A JPH08505401 A JP H08505401A JP 7506199 A JP7506199 A JP 7506199A JP 50619995 A JP50619995 A JP 50619995A JP H08505401 A JPH08505401 A JP H08505401A
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メルリニ,ジヤンパオロ
ジヤンニ,ルカ
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Abstract

(57)【要約】 アミロイド症の治療への4′−ヨード−4′−デオキシドキソルビシンとその薬剤学的に許容可能な塩の使用を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】アミロイド症の治療への4′−ヨード−4′−デオキシドキソルビシンの使用 本発明は、抗腫瘍活性を有する既知のアンスラサイクリンの新規な使用に係わ る。 本発明は特に、4′−ヨード−4′−デオキシドキソルビシンとその薬剤学的に 許容可能な塩の、アミロイド症の治療への新規な使用に係わる。 A.Suarato等名義の米国特許第4,438,105号において、式 の4′−ヨード−4′−デオキシドキソルビシン(IDX)がその製造方法と共に開 示され、かつ特許請求されている。 糖の4′位のヒドロキシルが1個のヨウ素原子によって置換されている点でド キソルビシンと異なる上記アンスラサ イクリンは優れた抗腫瘍活性を有する。 “アミロイド症”という語は、特定のタンパク質が重合し、不溶性の原線維の 形態で細胞外空間内に沈澱して臓器及び組織の構造及び機能を傷害する傾向を共 通の病理特性として有する様々な病的状態を意味する。 種々存在するアミロイドは、様々に異なるタンパク質サブユニットを含むにも かかわらず、交錯型(interlaced)β-逆平行シートの形態の同じ超微細構造(u ltrastructuralorganization)を有する。 原線維はモノクローナル免疫グロブリンの特定のL鎖、及びタンパク質AA、ト ランスチレチン(transthyrethyne)、β2-ミクログロブリン、β-タンパク質と いった他の多くのアミロイド構成タンパク質から成り、アルツハイマー病及びダ ウン症候群等のアミロイド症の原因を成す。 今や驚くべきことに、IDX、特にその塩酸塩がアミロイド原線維の分解を惹起 する活性を有することが判明した。 上記薬物と原線維との相互作用は、アミロイド症に罹患した患者において観察 される有益な臨床効果の基礎を成すアミロイドの構造があらゆる病態のアミロイ ド症に共通してβ-平行シートの形態であることが知られているので、 4′−ヨード−4′−デオキシドキソルビシンはあらゆる病態のアミロイド症、特 にアルツハイマー病の治癒に至当な期待を抱かせる。様々な生化学組成物の、IDXとアミロイド原線維との結合に関する実験データ 所定量のアミロイド原線維(1mg/ml)を様々な濃度のIDX塩酸塩と共にインキ ュベートした。 インキュベーションは生理的溶液中で2時間実施し、その際系を常に穏やかな 攪拌下に置いた。 次に、原線維を5000rpmで遠心し、上清の光学密度を478nmにおいて測定した。 洗浄操作を3回繰り返した。 最後の遠心ステップの後、ペレットを用いて原線維との結合の定量分析及び定 性分析を行なった。定量分析 : ペレットをリン酸緩衝溶液(PBS)中に懸濁させ、その後酵素プロテアーゼと 共に一晩インキュベートした。用いたプロナーゼはタンパク質の完全な加水分解 を惹起する。 原線維に結合したIDXの量は、478nmでの分光光度法により上清において測定可 能である。 試験は原線維1mg当たり4±2gのIDXの結合を示した。 上記データは、アミロイド症に罹患した2人の患者(ND及びCAT)のアミロイ ド原線維で試験することによって得た。定性分析 : IDXの分光蛍光特性を用いて、免疫蛍光顕微鏡による定性分析を行なった。 免疫グロブリンのL鎖(AL)、 アミロイドA(AA)、 β2-ミクログロブリン(ABzM)、 β-タンパク質(AB)、及び トランスチレチン(Var.Met 30)(ATTR) から成る原線維を評価した。 原線維を0.15M NaCl中で1時間10-7M IDXと共に、またD0Xと共にインキュベー トし、かつ多量の0.15M NaClで洗浄した。特徴的なアンスラサイクリン蛍光を、 484nmで励起し、かつ610nmで読み取って評価した。 IDXと共にインキュベートした原線維は総て強い蛍光を示したが、D0Xの存在下 でのインキュベーションは検出可能な蛍光を発生させなかった。in vitroでのインシュリン原線維形成の抑制 10mgの市販ウシインシュリンを1ml(1.74×10-3M)の5%酢酸中に懸濁させ 、これを85℃で2時間インキュベートして透明なゲルを得た。−80℃で凍結させ 、37℃で解凍する操作を5回繰り返した後、マイクロ遠心機で原線維を遠心した 。 IDX及びDXを、原線維タンパク質前駆体(インシュリン)に対する様々なモル 比で添加した。(IDX-DX:インシュリン=1:2,1:4,1:8)。 IDXはアミロイド原線維の形成を、モル比1:1及び1:2では完全に、1: 4では部分的に抑制したが、DXはこのような抑制は行なわなかった。 この試験は、IDXがin vitroでの原線維形成を抑制することを示している。アミロイド原線維からのグリコサミノグリカン(GAG)類の抽出及びIDXとの結合 の評価 アミロイド原線維からGAG類を、6M尿素の存在下でのイオン交換クロマトグラ フィーによって分離した。この分離法はMono Qカラム(Pharmacia)でのFPLCを 用いて実施した。 原線維を、6Mの尿素と0.2%のCHAPSとを含有するpH5の50mMリン酸緩衝液に 溶解させた。 0Mから5MまでのNaCl濃度勾配において分離を行なった。 上記方法を用いてグリコサミノグリカン類(デルマタン硫酸及びヘパラン硫酸 )から原線維タンパク質成分を、不可逆的変性を一切生起させずに分離した。 分離したタンパク質成分には、生の原線維において観察されるIDXへの高い親 和性が認められた。 この試験の結果から、グリコサミノグリカンはアミロイド原線維が通常有する 成分であるが、IDXとの結合に不可欠ではないことが明らかである。 得られた結果からして、IDXとその薬剤学的に許容可能な塩はアミロイド症に 罹患した患者の治療に有利に用いることができる。 投与は、注射可能である適当な水溶液の形態で非経口的に行なう。 上記溶液は通常の担体及び/または稀釈剤の存在下に通常の方法で製造し得る (例えばL.Gianni等が発表した“Activity and Toxicity of 4′-iodo-4′-deo xydoxorubi-cin in patients with advanced breast cancer,”Annalsof Oncolo gy 2 ,pp.719-725,1991参照)。 投与量は、静脈内投与の場合で1週間に体表面積1m2当た り5〜150mgとし得る。好ましくは、静脈内投与を2〜4週間行なうとして、1 週間に体表面積1m2当たり15〜30mgの投与量とする。 5人の患者に関する重要な臨床報告を以下に述べる。第一の患者 この症例は、広範な皮膚及び筋肉沈着を伴う多発性骨髄腫(IgAλ)及びアミ ロイド症(AL)に罹患した45歳の男性患者(DEP)に係わる。 1991年7月、上記患者に自家骨髄移植を施した。 その4時間後、患者に190mgのIDXを静脈内投与した。 翌朝早速、患者の四肢の皮膚及び可動性に著しい改善が観察された。その後の 何日間かには大量のアミロイドタンパク質フラグメントが尿中に排出されること が、皮膚アミロイド沈着物、及び心室中隔レベルの沈着物の(13mmから10mmへの )著しい減少と共に実証された。 四肢の可動性及びアミロイド沈着物の実質的な改善は以後6ヵ月間、再治療を 行なわなくとも継続した。第二の患者 この症例は、(1日に8〜10回の下痢性排便を伴う)胃腸管に広範に影響する アミロイド症AL(IgAλ)に罹患し、(64 kgの体重が)6ヵ月で15kg減という甚だしい体重減少とネフローゼ症候群[尿タ ンパク(proteinuria)7g/日]とを示した57歳の男性患者(MAN)に係わる。 上記患者を6サイクルのメルファラン及びプレドニソン投与で治療し、この治 療は1991年1月に完了したが何等の成果も得られなかった。1992年2月にこの患 者を2種の投与量(80及び100mg/m2)のIDXで治療した。治療直後、ソマトスタ チン(登録商標)によって部分的に制御された下痢が実質的に悪化し、また尿タ ンパクも(41g/日と)悪化したことが観察されたが、その後の何ヵ月間かに下腹 が漸次改善され、排便回数は(1日3、4回へと)実質的に減少した。 患者の体重は回復し(68kg)、尿タンパクは4g/日前後に落ち着いた。 患者が仕事に復帰できるほど、その全身状態は著しく改善された。第三の患者 この症例は、1991年に主として腎臓部位[尿タンパク(7g/日)を伴うネフロ ーゼ症候群]及び牌臓部位のアミロイド症(IgAλ)に罹患していると診断され た女性患者(GAB)に係わる。 1991年12月から1992年5月まで、上記患者をアルキル化剤で治療したが何等の 改善もみられなかった。6月にこの患者においてアミロイド沈着物に関し131I-S APでの身体シンチグラフィーを実施したところ、腎臓部位及び牌臓部位が確認さ れた。1992年7月、患者にIDXを1週間に30mg/m2の量で2週間静脈内投与し、次 の2週間は15及び20mg/m2の量で静脈内投与して治療を行なった。 尿タンパク量が最初に増加した後6g/日に下がり、この量はその後6ヵ月間維 持された。第四の患者 この症例は、形質細胞腫及びアミロイド症AL(IgGκ)に罹患した70歳の男性 患者(GRO)に係わる。 診断は1991年7月、患者が左下肢へと続く仙骨部に歩行を困難にするような強 度の痛みを訴え始めた時に下された。機器検査の結果、直径約10cmの固状塊の存 在が判明し、この塊は片側仙骨(hemisacrum)及び左腸骨翼の溶解を確認するも ので、骨盤腔に広く影響を及ぼし、脊柱管に侵入し、かつ臀筋に浸潤していた。 生検によってアミロイドーマ(myloidoma)が存在することが判明した。 1991年10月から1992年1月まで患者に、全部で50Gyに相当する75回のコバルト 照射療法を施し、1992年3月には500mg/日のシクロホスファミドを1月に5日投 与するサイクルを全部で6サイクル実施する化学療法を開始したが、放射線写真 に明白に現われるアミロイドーマの縮小や疼痛総体症状の減少は実現しなかった 。1992年11月、アミロイド沈着物に関するシンチグラフィーを131I-SAPを用いて 行ない、トレーサーが仙骨レベルに位置することを確認した。 そこで、患者にIDXを30mg/m2の量で2週間静脈内投与し、次の2週間は20mg/m2 の量で静脈内投与して治療を行なったところ、患者が鎮痛薬の摂取を中止する ような疼痛総体症状の減少がきわめて急速に実現した。 1993年1月に実施した超音波診断は臀筋に浸潤した塊が(12cmから5cmに)縮 小したことを示し、また骨盤に対する磁気共鳴はアミロイドーマの直径が約10cm から8cmに減少したことを示した。 疼痛総体症状の改善はIDXでの治療後14ヵ月間継続した。 IDXでの治療の1ヵ月後及び14ヵ月後に131I-SAPを用いて行なったアミロイド沈 着物に関するシンチグラフィーは、アミロイド沈着物が徐々に、しかし完全に分 解したことを示 した。第五の患者 この症例は、主として腎臓及び脾臓部位のアミロイド症AL(CLLλ)に罹患し た48歳の男性患者(LUS)に係わる。障害は1992年9月に山腹浮腫(declive ede mas)の出現で始まった。生体体液検査(biohumoral examinations)を行なった ところ、ネフローゼ症候群と矛盾しない大量の尿タンパク(12.6g/日)、異常脂 血症(dyslipemia)及び電気泳動血清タンパク質症状(electrophoretic seropr otein symptoms)の存在が判明した。 9月中に患者に施した、エコーを利用する腎生検は糸球体及び間質血管レベル にアミロイドが蓄積していることを示した。コルチコステロイドでの治療を開始 したが、効果が無かったのですぐに中止した。1993年1月、上記患者においてア ミロイド沈着物に関し131I-SAPでのシンチグラフィーを実施し、トレーサーが脾 臓及び腎臓レベルに夥しく集積することを確認した。 2月中に、患者にIDXを30mg/m2の量で全4回静脈内投与して治療を行なった。 1993年3月までに山腹浮腫は明らかに減少し、毎日測定 した尿タンパク量は6g/日前後となり、また超音波検査によれば脾臓の大きさが (長径で)12.3cmから11.3cmに減少した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD),AM,AT, AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C Z,DE,DK,ES,FI,GB,GE,HU,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LT,LU, LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SI,SK,TJ ,TT,UA,US,UZ,VN (72)発明者 メルリニ,ジヤンパオロ イタリー国、27100・パービア、ビア・モ ラツツオーネ・1 (72)発明者 ジヤンニ,ルカ イタリー国、20122・ミラノ、ビア・フラ ンチエスコ・スフオルツア・48

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.アミロイド症の治療に有用な薬物の調製への4′−ヨード−4′−デオキシド キソルビシンとその薬剤学的に許容可能な塩の使用。 2.アルツハイマー病及びダウン症候群の治療に有用な薬物の調製への4′−ヨ ード−4′−デオキシドキソルビシンとその薬剤学的に許容可能な塩の使用。 3.患者に4′−ヨード−4′−デオキシドキソルビシンまたはその薬剤学的に許 容可能な塩を治療に有用な量で投与することから成るアミロイド症治療方法。 4.患者に4′−ヨード−4′−デオキシドキソルビシンまたはその薬剤学的に許 容可能な塩を治療に有用な量で投与することから成るアルツハイマー病及びダウ ン症候群治療方法。 5.患者に4′−ヨード−4′−デオキシドキソルビシンを、1週間に体表面積1 m2当たり15〜30mgの量で2〜4週間、通常の方法で製造した、薬剤学的に許容可 能な担体または稀釈剤を含有する溶液の形態で静脈内投与することを特徴とする 請求項1から4のいずれか1項に記載の使用。
JP7506199A 1993-08-06 1994-07-29 アミロイド症の治療への4′−ヨード−4′−デオキシドキソルビシンの使用 Ceased JPH08505401A (ja)

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