JPH08504837A - 新規ポリペプチドおよびこれから調製される抗hiv剤 - Google Patents
新規ポリペプチドおよびこれから調製される抗hiv剤Info
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Abstract
(57)【要約】
下記式
式中A1はリジン、アルギニンおよびオルニチンから選ばれる塩基性アミノ酸の1個または少くとも2個を有するアミノ酸またはペプチド残基、該塩基性アミノ酸又はペプチド基のアミノ末端アミノ酸のN−α位がアシル基または置換チオカルバモイル基で置換されている;A2はチロシンまたはフエニルアラニン;A3はリジンまたはアルギニン;A4は−OHまたは−NH2;そしてXはD−オルニチル−プロリン、プロリル−D−オルニチン、D−リジル−プロリン、プロリル−D−リジン、D−アルギニル−プロリン、プロリル−D−アルギニン、グリシル−オルニチン、オルニチル−グリシン、グリシル−リジン、リジル−グリシン、グリシル−アルギニン及びアルギニル−グリシンのごときペプチド、その構成アミノ酸であるD−リジン、L−リジン、D−オルニチン又はL−オルニチンの側鎖ω−アミノ基の水素原子はω−アミノアシル基で置換されていてもよく、これらペプチドは6位と8位のアミノ酸残基とペプチド結合を介して連結しているペプチドを示し;Trpはトリプトフアン;Cysはシステインあるポリペプチドを表し、その1例として下記式の化合物(1)を示す。
Description
【発明の詳細な説明】
新規ポリペプチドおよびこれから調製される抗HIV剤
1. 発明の分野
本発明はリポ多糖類、特にエンドトキシンに強い親和性を示す新規ポリペプチ
ド及び該ポリペプチドの製薬学的に許容できる塩に関し、更に該ポリペプチドの
製剤組成による抗ウイルス剤(例えば抗HIV剤)として用いる、製薬学的組成
物に関する。
2. 発明の背景
下記文献に示すように、従来、カブトガニからエンドトキシンに親和性を示し
、抗菌性を示すポリペプチド2族が単離報告されている。例えば、Shigenagaら
、J.Biol.Chem.,265:21350〜21354(1990);Kawanoら、
J.Biol.Chem.,265:15365〜15367(1990);Mutaら、J.B
iochem.,108:261〜266(1990);特開平2−167230号公
報;特開平2−152987号公報;特開平2−53799号公報; 公表特許
公報 平2−500194;Miyataら、J.Biochem.,106:663〜668
(1989);Akajiら、Chem.Pharm.Bull.37:2661〜2664(19
89);TokunagaおよびIwanaga、代謝、26:429〜439(1989);S
hiehら、FEBS Lett.,252:121〜124(1989);Nakamuraら
、J.Biol.Chem.,263:16709〜16713(1988)を参照。
一つの族(タキプレシン族)は、日本産カブトガニTachypleus属から単離され
、タキプレシンI、II及びIIIが同定されている。他の
一族(ポリフエムシン族)は、米国産カブトガニLimulus polyphemusから単離さ
れ、ポリフェムシンI及びII同定されている。これらのアミノ酸配列を図1に
示す。
両族のポリペプチドは、そのいずれもが17または18個のアミノ酸残基から
なり、4部位の共通する保存領域と、2対のジスルフィド橋を構造に有する(図
1参照)。
またタキプレシン、ポリフェムシンの両族とも、グラム陰性およびグラム陽性
細菌の何れをも、またキャンデイダアルビカンスのごとき真菌に対し低濃度でそ
の発育を阻害し、細菌リポ多糖と複合体を形成することが見出されている[Shig
enagaら、J.Biol.Chem.,265:21350〜21354(1990);Mut
aら、J.Biochem.,108:261〜266(1990]。
また、タキプレシン族のポリペプチドは、インフルエンザウイルス、水庖性口
内炎ウイルス[Murakamiら、Chemotherapy,37:327〜334(1991)
]またはヒト免疫不全ウイルス[Morimotoら、Chemotherapy,37:206〜2
11(1991)]のごときウイルスにある種の阻害作用を示すことが知られて
いる。
このような上記に示す性質を有するポリペプチドの存在は、カブトガニが生き
た化石として太古より今日まで、外界の環境の変化に適応し、種の保存を可能と
した鍵物質の1つとして興味深いことである。
一方、高度に分化したヒトの生存維持に関し、ヒト免疫不全ウイルス(HIV
)の感染により引き起こされる後天性免疫不全症候群(AIDS)の発症に対し
予防または治療効果の期待される薬剤の開発が望まれている。
本発明者らは既に、前記したカブトガニの強い種の保存性に係わると予測され
るエンドトキシン親和性ポリペプチドに着目し、該物質の構造変換と抗ヒト免疫
不全ウイルス(HIV)活性の相関につき研究した結果、カブトガニの既知エン
ドトキシン親和性ポリペプチドの共通構造とは基本的に異なる新規ポリペプチド
(当時)を見出した。
驚くべきことに、この新規ポリペプチド(当時)はその抗HIV活性値が、既
知エンドトキシン親和性ポリペプチドの値と比較して少なくとも約5倍以上の優
れた効果を有することを確認し、以下の文献に報告した。[Nakashimaら、Antim
icrob.Agents Chemother.、36:1249〜1255(1992);Masudaら
、Biochem.Biophys.Res.Commun.,189:845〜850(1992);Ta
mamuraら、Chem.Pharm.Bull.,41:978〜980(1993);Tamamura
ら、Biochim. Biophys.Acta,1163:209〜216(1993);Masud
aら、J.Pharmacobio.Dyn.,15:s−90(1992);国際公開公報 WO
92/04374号;特開平5−163298号公報]
(以下、前記抗HIV活性値が、前出カブトガニの既知エンドトキシン親和性
ポリペプチドに比して少くとも5倍以上の優れた効果を示した新規ポリペプチド
(当時)のベストモード化合物としてT−22化合物をもって代表する)
T−22化合物で代表するアミノ酸16〜18個からなるポリペプチドの活性
発現の為の構造要件検討結果、本発明者らは、最小必須構造概念を中心とする本
発明に到達した。
一般に、ペプチド性の生理活性物質は該物質を医療用途に用いるとき、人体内
投与により比較的高分子量の異種ペプチドは人体の自己防衛機能
により異物質として認識され抗原物質となりやすく、そのためにも異物質と認識
されにくい低分子化合物で、且つ高力価を維持した化合物が求められる。
T−22化合物はアミノ酸残基数18個からなるポリペプチドである。我々は
T−22化合物と同等の抗HIV力価を保持し、構成アミノ酸残基数の減少を目
的にポリペプチドの活性発現の為の構造要件を鋭意検討した。
その結果、4個の残基数を削減せしめることに成功し、本発明の基本構造を有
するとき、特定部位を修飾することによつても活性の低下がみられず、むしろそ
の修飾によつて基本構造の有する物理・化学的性質や治療用法の巾広い選択例え
ば、親水性、親油性、を増減したり、特定の組織臓器、細胞に選択的に集積する
こと又は体内での滞留時間を増減したりする方法や剤形の展開が可能となる必須
構造を有する新規ポリペプチドに到達した。
3. 発明の要約
本発明は、新規ポリペプチドに関するものであり、該ポリペプチドは、カブト
ガニ由来のエンドトキシンに高い親和性を有する既知ポリペプチドに立脚して発
明された高い抗−HIV活性を有する過去の新規ポリペプチドから発展せしめた
ものであり、以下の点で明瞭に異なる。
アミノ酸残基16〜18個からなる過去の新規ポリペプチドは、4個のシステ
イン(2個のシスチン)残基と反転部位にβ−ターンを有する逆平行βシート構
造より構成されている。本発明の新規ポリペプチドは、上記過去のポリペプチド
と同様に、7位のX部にβ反転構造の存在を可能にする逆平行βシート構造をと
る。
しかし、本発明のポリペプチドは、アミノ酸残基数並びにシステイン残基数が
それぞれ4個及び2個減少している。更に、特定の領域を修飾しても、その生物
活性は減少しない。
本発明のポリペプチドは、抗−HIV剤として、又遺伝子治療のためのDNA
移入システムの1コンポネントとして利用可能である。第6セクションにて詳述
するごとく、本発明のポリペプチドは、カブトガニ由来のエンドトキシンに高い
親和性を有する過去の新規ポリペプチドに比して、明瞭に高い抗−HIV活性値
を有する。
3.1 定義
ここに規定のポリペプチド配列において、各記号は国際的に認められた三文字
表示によるアミノ酸残基または置換アミノ酸残基を示す。すなわち各記号は下記
アミノ酸または置換アミノ酸の残基を示す。
Ala(アラニン);Arg(アルギニン);Cys(システイン);Ile
(イソロイシン);Gly(グリシン);Leu(ロイシン);Lys(リジン
);Orn(オルニチン);Phe(フエニルアラニン);Pro(プロリン)
;Trp(トリプトフアン);Tyr(チロシン);Val(バリン);DAr
g(D−アルギニン);DLys(D−リジン):DOrn(D−オルニチン)
;Ac−Arg(N−α−アセチルアルギニン);FTC−Arg(N−α−フ
ルオレツセインチオカルバモイル化アルギニン);Laur−Arg(N−α−
ラウロイルアルギニン);Myr−Arg(N−α−ミリストイルアルギニン)
;Nicot−Arg(N−α−ニコチノイルアルギニン);Oct−Arg(
N−α−オクタノイルアルギニン);Parm−Arg(N−α−パルミトイル
アルギニン);Parm−Orn(N−α−パルミトイ
ルオルニチン);PTC−Arg(N−α−フエニルチオカルバモイル化アルギ
ニン);ε−N−Ac−DLys(ε−N−ω−アミノアセチル−D−リジン)
及び ε−N−But−DLys(ε−N−ω−アミノブチリル−D−リジン)
。
本明細書中用いられている以下の用語は、次の意味を表す。
HIV = ヒト免疫不全ウイルス(全派生体)
MOI = 感染の多様性
SI = 選択係数(EC50に対するCC50の比)
4. 図面の説明
図1は、タキプレシンI、タキプレシンII、タキプレシンIII、ポリフェ
ムシンI 及びポリフェムシンIIのアミノ酸配列示す。保存共通アミノ酸は四
角枠にて囲った。 Cys−3又は−4と−16または−17,Cys−7又は−8
と−12または−13間のジスルフィド結合は実線で示した。
図2は、本発明のポリペプチド(1)合成のための合成経路図を示す。
5. 発明の詳細な説明
本発明は、上記の観点に基づき完成され、下記式(I)
式中A1はリジン、アルギニンおよびオルニチンから選ばれる塩基性アミノ酸の
1個または少くとも2個を有するアミノ酸残基またはペプチド残基、前記塩基性
アミノ酸又はペプチド残基のアミノ末端アミノ酸残基のN−α位の水素原子がア
シル基または置換チオカルバモイル基で置換されているN−αアシル置換アミノ
酸残基、N−αアシル置換ペプチ
ド残基、N−α置換チオカルバモイル化アミノ酸残基またはN−α置換チオカル
バモイル化ペプチド残基を示し、
A2はチロシンまたはフエニルアラニン残基を示し、
A3はリジンまたはアルギニン残基を示し、
A4は−OH(カルボキシル基由来)または−NH2(酸アミド基由来)を示し
、
XはD−オルニチル−プロリン、プロリル−D−オルニチン、D−リジル−プ
ロリン、プロリル−D−リジン、D−アルギニル−プロリン、プロリル−D−ア
ルギニン、グリシル−オルニチン、オルニチル−グリシン、グリシル−リジン、
リジル−グリシン、グリシル−アルギニン及びアルギニル−グリシンで示される
アミノ酸2個からなるペプチド残基群から選択され、その構成アミノ酸であるD
−リジン、L−リジン、D−オルニチン又はL−オルニチンの側鎖ω−アミノ基
の水素原子はω−アミノアシル基で置換されていてもよく、これらペプチド残基
は6位と8位のアミノ酸残基とペプチド結合を介して連結しているペプチド残基
を示し、
Trpはトリプトフアン残基を示し、
Cysはシステイン残基を示し、3位と11位のシステイン残基はジスルフイ
ド結合により連結していてもよい、
で表わされるポリペプチド、又はその塩である。
本発明の前記式(I)で示されるポリペプチドの具体例としては、下記(1)
〜(25)のものを挙げることができる。
各記号は国際的に認められた三文字表示によるアミノ酸残基または置換アミノ
酸残基を示す(セクション3.0参照)。
前記先に本発明者らが公けにした高い抗HIV活性を示すアミノ酸残基数16
〜18個からなるポリペプチドに於けるベストモード化合物(以後「n−18ポ
リペプチド」又はT−22と略称)に於ては、その高活性発現の要因として、該
化合物分子中にシステイン4残基、芳香族アミノ酸4乃至5残基、塩基性アミノ
酸8残基およびグリシン1残基が必須であつて、式(A)で示される位置関係に
於て2位〜17位上のアミノ酸の性格が固定されており、1位に規定されるアミ
ノ酸の数の増加に伴い相対活性値が増加するというn−18ポリペプチドの構造
活性相関を示された。
「n−18ポリペプチド」は、下記式(A)に規定される。
式中 A1はリジン、アルギニンからなる群から選択される2個を超えないア
ミノ酸を表し、
A2はチロシン、フェニルアラニン又はトリプトファン残基を表わし、
A3はリジン又はアルギニンを表し、
A4はリジン、アルギニンからなる群から選択される少なくとも1個、2個を
超えないアミノ酸残基を表し、
A5は−OH(カルボキシル基由来)または−NH2(酸アミド基由来)を示し
、
Cysはシステイン残基を示し、
Glyはグリシン残基を示す;
ここで3、7、12および16位のシステイン残基は、3位と16位でジスルフ
イド結合(−S−S−)により、および/または7位と12位でジスルフイド結
合により連結していてもよい。
n−18ポリペプチドに於いて、恐らくβ−ターン構造を持ったターン部分は
9位及び10位に位置し、3位から8位のペプチド部分と11位から16位まで
のペプチド部分が相互に相対している。
本発明のポリペプチドは、n−18ポリペプチドと同様に、分子内水素結合と
システイン残基間のジスルフィド結合(−S−S−)の存在により逆平行βシー
ト構造をとり、恐らくβ−ターン構造を持つターン部分は7位のX部分に位置し
、3位から6位のペプチド部分と8位から11位までのペプチド部分が相互に相
対している。
本発明に於ては、本発明の式(I)に於ける1位のアミノ酸残基数の関係は
「n−18ポリペプチド」と同様であり本発明の化合物に於てアミノ酸残基数零
すなわち−Hはベストモードに対応する高活性発現の基準から除外した。
また当該位置のN末端アミノ酸残基のαアミノ基の水素原子のアシル基又は置換
チオカルバモイル基による置換は本発明の式(I)で示される新規ポリペプチド
の高度抗HIV活性発現に重要な働きを示すことが確認され、アシル基または置
換チオカルバモイル基の性質の違いの選択により本発明の新規ポリペプチドに親
水性、親油性、明白な蛍光の性質等を付与することが可能となった。例えば、本
発明のポリペプチドに於いてフルオレセイン置換チオカルバモイル基の蛍光性は
、種々の目的のた
めの高感度レポーター色素として使用しうる[Brand及びWitholt、”Methods in
Enzymology”,Vol.ll,pp.776-856,Hirs編、Academic Press,New York(196
7); Brand及びGohlke,Annu.Rev.Biochem.41:843-868(1972); Stryer,Annu
.Rev.Biochem.47:819-846(1978)参照]。
さらに、本発明のフルオレセイン置換チオカルバモイル化ポリペプチドは、さ
らに高い抗HIV活性を示し得ることは非常に重要かつ有用である。すなわち、
蛍光の性質を持った本発明のポリペプチドは、本発明の範囲に属するポリペプチ
ドの抗HIV活性発現機作解明の重要な手段として使用し得る。例えば、該ポリ
ペプチドからなる薬剤動態を、投与後にHIV感染或いは非感染の体内、器官内
、組織或いは細胞内に於ける消長、代謝或いは分布を蛍光顕微鏡により追跡検出
可能である。
分子レベルでは、該ポリペプチドの細胞内レセプターとの相互作用に伴う微妙
な構造変化の情報をポリペプチド固有の蛍光プローブを使用することにより得ら
れる。レセプター分子それ自身の単離、同定も、その蛍光プローブの使用により
可能となる。
またアシル基や置換チオカルバモイル基を介して糖鎖化合物、リピド化合物、
核酸化合物、他のペプチド、蛋白質等の生理活性を付与することが可能となつた
。 また本発明の式(I)に於ける4位乃至6位のアミノ酸残基の性格と、8位
乃至10位のアミノ酸残基の性格は同一性格の繰返しであることが本発明の新規
ポリペプチドの活性発現に重要な役割を有している。
本発明の新規ポリペプチドの立体構造形成の点から、7位[X]で示される2
個のアミノ酸からなるペプチド構造を折返し点として、3位乃至7位と7位乃至
11位のペプチド構造部分が相対した同一平面構造の
形成がしやすいペプチドのアミノ酸配列順位を構成し、3位と11位のシステイ
ンが、ジスルフイド結合を介して連結した場合、本発明の新規ポリペプチドのペ
プチド結合骨格から形成される立体構造が7位のグリシンと塩基性アミノ酸とか
らなるペプチド残基または、プロリン(オキシプロリンも原理的に同一効果を示
す)とD型塩基性アミノ酸とならなるペプチド残基を、同一平面構造形成の必須
因子としてターン構造及びβ−シート構造からなる平面構造を形成し3位と11
位のシステイン残基の側鎖のジスルフイド結合形成部分と5位と9位の塩基性ア
ミノ酸残基の側鎖部分が骨格平面から同一側に配座し、4位と8位の芳香族アミ
ノ酸残基の側鎖部分、並びに6位と10位の塩基性アミノ酸残基の側鎖部分が前
記ジスルフイド結合とは骨格平面から反対側に配座して存在する立体構造の形成
をとり得ることが重要な特徴であり、これら構造をとり得るすがたとして、本発
明の式(I)に示される新規ポリペプチドが創生され、n−18ポリペプチドに
比し、4アミノ酸残基数の削減されたポリペプチドである。
更に、「n−18ポリペプチド」と同様に、本発明の新規ポリペプチドは、非
常に強い塩基性を示す。この強い塩基性故に酸付加により塩を形成する。たとえ
ば無機酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸など)または有機カルボン酸
(酢酸、トリフルオロ酢酸のごときハロゲン化酢酸、プロピオン酸、マレイン酸
、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、サリチル酸など)、グルクロン酸、
ガラクッロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸等の酸性糖類、ヒアルロン酸、コ
ンドロイチン硫酸塩類、アルギン酸等の多糖硫酸エステルを含む酸性多糖、また
は有機スルホン酸(メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など)との塩を
形成する。本発明の前記式(I)で示されるポリペプチドは、これらの医薬とし
て許容しうる塩として用いることができる。
以下さらに詳しく本発明の新規ポリペプチドについて説明する。
5.1 ポリペプチドの調製
本発明の新規ポリペプチドは、それ自体公知の方法、例えばStewart&Young著
ピアス化学会社、ロックフォード、イリノイ州(1984)”固相ペプチド合成法”に
記載されている固相合成技法によつて製造することができる。すなわち上記(I
)構造を有する本発明の直鎖ポリペプチドは、12位のN−保護アルギニンのカ
ルボキシル基を直接、或いは場合によりカルボキシル基と結合しうる官能基およ
びカルボキシル基を有するスペーサーを介して(すなわち、アルギニンのカルボ
キシル基をp−カルボキシメチルベンジルエステルに変換して)、アミノ基を有
する不溶性樹脂に結合させた後、本12位のアルギニンを有する不溶性樹脂のア
ミノ基のN−保護基の保護基除去をした後、固相合成法に従い、下記式(I)
[式中A1、A2、A3、A4、Cys、Trp及びXの定義は前記式(I)と同じ
]
で示されるアミノ酸配列の11位から1位までの各保護アミノ酸を順次結合し保
護基保護化ペプチド樹脂とする。
A1に於てアミノ末端アミノ酸残基のN−α位の水素原子がアシル基で置換さ
れているN−αアシルアミノ酸残基またはN−α−アシルペプチド残基を選択す
る場合は該ペプチド樹脂に該当するアシル基の酸無水
物または該当するカルボン酸を縮合剤を用いてN末端アミノ基をアシル化し、N
−アシル化ペプチド樹脂とし、次いで不溶性樹脂およびアミノ酸の保護基を脱離
させて、直鎖状の前記式(I)の本発明のポリペプチドを、前記式(I)中A1
に於てアミノ末端N−α位の水素原子が置換チオカルバモイル基で置換されてい
るN−α−置換チオカルバモイル化アミノ酸残基またはN−α−置換チオカルバ
モイル化ペプチド残基を選択する場合は、置換イソチオシアネート化合物を微ア
ルカリ条件下に反応することにより本発明のN末端N−α−置換チオカルバモイ
ル化ポリペプチドを得ることができる。
この場合12位のアミノ酸残基のカルボキシル末端はフリー(A4が−OHに
相当)であることもできるし、あるいは酸アミド(A4が−NH2に相当)に変換
することもできる。
さらに得られたポリペプチドは、その3位と11位のシステインは、メルカプ
ト基を介してジスルフイド結合(−S−S−)を形成することができる。
これらのジスルフイド結合の形成は、例えば、空気酸化により、又はAtl1erto
n,E.,ら;J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,1985,2065の方法に準
じ、ジスルフイド結合を形成することができる。
前記固相合成法に使用される各アミノ酸は特に表示しないかぎりはL体を示し
、7位Xを構成するプロリンと対をなす塩基性アミノ酸はD体に限定される。
本発明の新規ポリペプチドを合成する場合に使用される前記のアミノ基を有す
る不溶性樹脂としては、そのアミノ基を介してC末端のN-保護アルギニンある
いはリジンのカルボキシル基又は場合によりこれに結
合しているスペーサーのカルボキシル基と結合可能であり、かつ、その後脱離可
能なものであれば如何なるものでもよい。
かかる不溶性樹脂としては、例えば、アミノメチル樹脂(アミノメチル化スチ
レン-ジビニルベンゼン共重合体)、ベンズヒドリルアミン樹脂、メチルベンズ
ヒドリルアミン樹脂、アミノメチルフエノキシメチル樹脂及びこれらの誘導体
等が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。ベンズヒドリルアミン
樹脂、メチルベンズヒドリルアミン樹脂、ジメトキシベンズヒドリルアミン(D
MBHA)樹脂、アミノメチルフエノキシメチル樹脂を用いれば開裂によって直
接アミドを与えるが、収率の点からはアミノメチル樹脂が好ましい。
前述のカルボキシル基と結合しうる官能基およびカルボキシル基を有するスペ
ーサーとしては、例えばアルギニンのカルボキシル基をp-カルボキシメチルベン
ジルエステルに変換しうるものが挙げられるが特に制限はない。
保護アミノ酸とは、官能基を公知の方法により保護基で保護したアミノ酸であ
り、各種の保護アミノ酸が市販されている。本発明のポリペプチドを合成する場
合には、以下に示す保護基のいずれかを選択するのが好ましい。まず、アミノ酸
のα-アミノ基の保護基はBoc(t-ブチルオキシカルボニル)又はFmoc(9-フル
オレニルメチルオキシカルボニル)である。アルギニン(Arg)のグアニジノ基
の保護基は、Tos(トシル)、NO2(ニトロ)、Mtr(4−メトキシ−2,3,6
−トリメチルベンゼンスルホニル)又はPmc(2,2,5,7,8−ペンタメチ
ルクロマン-6-スルホニル)である。システイン(Cys)のメルカプト基の保護
基としてはBzl(ベンジル)、MBzl(4−メトキシベンジル)、
4-Me Bzl(4−メチルベンジル)、Acm(アセタミドメチル)、Trt(トリチル
)、Npys(3−ニトロ−2−ピリジンスルフエニル)、t-Bu(t-ブチル)、
t-BuS(t-ブチルチオ)が挙げられるが、MBzl、4-MeBzl、Trt、Acm、 Npysが好
ましい。チロシン(Tyr)の水酸基の保護基は、Bzl、C12・Bzl(2,6−ジクロ
ロベンジル)、t-Buであるか、あるいは保護しなくてもよい。リジン(Lys)の
ε−アミノ基の保護基は、Z(ベンジルオキシカルボニル)、ClZ(2-クロロベ
ンジルオキシカルボニル)、Boc、 Npysであり、7位Xを構成するD又はLリジ
ンの側鎖ε−アミノ基の水素原子をω−アミノアシル化残基を選択した場合は該
ω−アミノ基は前出Z、ClZ、Boc、Npysで保護して使用しても良い。
各保護基は、ペプチドの合成条件に応じ適当なものをそれ自体公知の中から選
択することが好ましい。
保護アミノ酸の結合は、通常の縮合法、例えば、DCC(ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド)法、DIPCDI(ジイソプロピルカルボジイミド)法[Tartar
、Aら;J.Org.Chem.,44、5000(1979)]、活性エステル法、混
合あるいは対称酸無水物法、カルボニルジイミダゾール法、DCC−HOBt(
1-ヒドロキシベンゾトリアゾール)法[Keonig、Wら;Chem.Ber.,103、
788、2024、2034(1970)]、ジフエニルホスホリルアジド法等
に従って行なうことができるが、DCC法、DCC-HOBt法、DIPCDI-
HOBt法、対称酸無水物法が好ましい。これらの縮合反応は、通常、ジクロロ
メタン、ジメチルホルムアミド又はN−メチルピロリドン(N
MP)等の有機溶媒又はそれらの混合溶媒中で行なわれる。α−アミノ基の保護
基の脱離試薬としては、トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン、HCl/ジオキサ
ン、ピペリジン/ジメチルホルムアミド(DMF)又はNMP等が用いられ、該
保護基の種類により適宜選択する。また、合成の各段階における縮合反応の進行
の程度はE.カイサーらの方法[Anal.Biochem.,34,595(1970)]
(ニンヒドリン反応法)によって検査される。
以上のようにして、所望のアミノ酸配列を有する保護ペプチド樹脂を得ること
ができる。
不溶性樹脂としてアミノメチル樹脂誘導体を用いた場合には、例えば適当な溶
媒中においてアンモニアで処理することにより保護ポリペプチドを該樹脂より脱
離させることができる。次いで該保護ポリペプチドを、フッ化水素で処理するこ
とにより、前記式で示される、全ての保護基が脱離したポリペプチドアミドが得
られる。不溶性樹脂としてベンズヒドリルアミン樹脂、メチルベンズヒドリルア
ミン樹脂、アミノメチルフエノキシメチル樹脂、DMBHA樹脂[Funakoshi、
Sら;J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1988、382]を用いた場合には、
フッ化水素、TFMSA(トリフルオロメタンスルホン酸)[AcademicPress発
行、E.Gross編集、Yajima,Hら;“The Peptides”vol 5、p65(198
3)]、TMSOTf(トリメチルシリルトリフラート)[Fujii、Nら;J.Ch
em.Soc.,Chem.Commun.,1987、274]またはTMSBr(トリメチルシ
リルブロミド)[Fujii、Nら;Chem.Pharm.Bull.,35、3880(198
7)]などで処理することにより、該樹脂および保護基を同時に脱離させるこ
とができる。
次いで、所望により、2−メルカプトエタノール、DTT(ジチオスライトー
ル)などで還元することによりシステインのメルカプト基が還元型となっている
ことを確実ならしめた後、酸化処理することにより本発明に属する環状ポリペプ
チドを得ることができる。
この際の酸化処理は、公知の方法を用いることができ、通常、大気中の酸素や
フエリシアン酸塩(例えば、フエリシアン化カリウム)のような酸化剤を用いる
。
別法として、本発明のポリペプチドはリコンビナントDNA技法により調製す
ることもできる。すなわち、本発明のポリペプチドをコードする配列のヌクレオ
チドをクローン化し、よく知られた既存の技術を用いて該ポリペプチドを発現さ
せることが出来る。
例えば、Mniatisら、Molecular Cloning,A Laboratory Mannual,Cold Spring H
arbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY,1991を参照。
かくして得られたポリペプチドは、ポリペプチドのそれ自体知られた手段、例
えば、抽出、再結晶、各種クロマトグラフイー(ゲルろ過、イオン交換、分配、
吸着、逆相)、電気泳動、向流分配等により単離精製することができるが、逆相
高速液体クロマトグラフイーによる方法が最も効果的である。
5.2 本ポリペプチドの用途
式(I)にて示す本発明のポリペプチドは、エンドトキシン結合能力、抗菌活
性及びエンドトキシン感作血球溶血性を有する。加えるに、本発明のポリペプチ
ドは抗ウイルス活性を有する。実施の態様として、本発明のポリペプチドは、抗
−HIV活性を有する。セクション6に詳述す
るごとく、本発明のポリペプチドは、既知の高エンドトキシン親和性ポリペプチ
ド(すなわち、タキプレシンI、II及びIII又はポリフェムシンI又はII
)に比して極めて高い抗−HIV活性を示す。
標的細胞にDNAを効率的に導入できる運搬システムの最近の開発により、遺
伝病、癌、エイズ等のヒト遺伝子治療が実際に可能となってきた[Morgan及びAn
derson、Annu.Rev.Biochem.,62:191-217(1993)]。
DNA移入システムとして、ポリカチオン、リン酸カルシウム、リポソーム融
合、レトロウイルス、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション及び
プロトプラスト融合の使用が行われている。しかしながら、これら全ての方法に
ついて、細胞毒性、再現性の欠如、不便性、あるいはDNA運搬の効率の悪さ等
一つ以上の問題を抱えている[Flegnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84:7413-74
17(1987)]。
最近、陽イオン性脂質−DNA複合体あるいは環状両親媒性ペプチド−DNA
複合体を使用する高効率のDNA移入方法が報告された[Legendre及びSzoka,Jr
.,Proc.Nat1.Acad.Sci.USA,90:893-897(1993)]。DNA移入複合体を形成し得
るペプチドとしては、すべて陽イオン性のグラミシジンS、チロシジン、ポリミ
キシンB、ポリリシン及びメリチンが含まれる。これらのうち最も効果的な陽イ
オン性ポリペプチドは、グラミシジンSである。このペプチドは、β−シートコ
ンフォメーションを持つ両親媒性の環状デカペプチド抗生物質として知られてお
り、細胞膜の透過性を高めるか又はこれを破壊することが出来る。この陽電荷と
両親媒性が、高い移入効果に重要とされている。
本発明のポリペプチドは、構造的特徴からみて、強い陽イオン性とβ−シート
コンフォメーションを持つ両親媒的性質を持つことから、グラ
ミシジンSに代わり得る高い移入能を有するDNA複合体形成物質の候補と成り
得る。実際、本発明のポリペプチドのリード化合物であるタキプレシンIは、グ
ラミシジンSと同様に膜の透過性を高め、DNAと結合する事が報告されている
[Matsuzakiら、Biochim.Biophys.Acta,1070:259-264(1991)及びYonezawaら、B
iochemistry,31:2998-3004(1992)]。さらに、「n−18」の溶液構造は、両親
媒性逆平行β−シート構造を持つタキプレシンIと非常に似ていることも確認さ
れている[Tamamuraら、Biochim.Biophys.Acta,1163:209-216(1993)]。それ故
、本発明のポリペプチドは、遺伝子治療のためのDNA移入システムのコンポネ
ントとしての用途の高い可能性が期待できる。
本発明による抗HIV剤は、有効成分として、前記式(I)で示されるポリペ
プチドまたはその塩と、薬剤の投与方法および投与形態に応じて選択された薬学
的に許容されうる担体とからなる医薬組成物として調製される。薬学的に許容さ
れうる担体としては、Hank's又はRinger's溶液、生理食塩液、グルコース生理塩
溶液との混合液、及びヘパリン化クエン酸/クエン酸ソーダ塩/ブドウ糖溶液と
して知られる生理的緩衝液を適応できる。また、本発明の抗HIV剤は、生体内
部ウイルス疾患あるいは、生体外部ウイルス感染部の治療又は消毒対象に応じて
、経口的にあるいは非経口的に投与され、その投与方法に応じて適宜な薬物担体
により、粉末、顆粒、注射用もしくは内服用液剤、錠剤、座剤、ペッサリー、軟
膏、クリーム、エアゾールなどの製剤として調製することができる。
本発明の抗HIV剤を、注射剤として直接、生体に投与する場合には、本発明
のポリペプチドまたはその塩を、ヒト体重kg/1日あたり10mg
ないし5000mgあて生理食塩液に溶解し点滴静注により連続的又は間欠的に投
与することができる。
6. 実施例
以下実施例を掲げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより
何ら限定を受けるものではない。
ここに示す実施例にて、ポリペプチド(1)の製造例、及び該ポリペプチドの
抗HIV活性検定結果を既知エンドトキシン親和性ポリペプチドとともに示す。
なお以下の実施例において、使用された装置および試薬は、下記のとおりであ
る。
HPLC装置 : 島津製作所LC−6AD型,同装置のカラム
:アサヒパックODP−90(アサヒケミカル工業)
Fmocアミノ酸及びアミノ樹脂:
渡辺化学工業(株)製
縮合剤 : (株)ペプチド研究所及びアプライドバイオシ
ステムズジヤパン(株)製
FAB-MS(FAB−質量分析機):
VG社(米国)、ZAB-SE型
6.1 実施例1:ポリペプチド(1)の合成
下記式に示すポリペプチド(1)の合成は以下の6.1.1-6.1.7に記述した。
ポリペプチド(2)〜(13)、(22)、(23)及び(14)〜(21)、(24)、(
25)の前駆体ポリペプチドは、ポリペプチド(1)の製造法に準じて合成した(
当該構造式は表Iを参照)。
上記式(1)中、Arg、Trp、Cys、Tyr、Lys、DLysおよび
Proは前記したアミノ酸残基を示し、3位および11位のCys間の実線はジ
スルフイド結合を示す。
6.1.1 アミノメチル樹脂へのFmoc-DMBHA-CH2CH2COOH(3
−(α−Fmoc−アミノ−4−メトキシベンジル)-4-メトキシフエニル)プロピ
オン酸の導入
アミノメチル樹脂(0.74meg/g)270mg(0.2mmole)とFmoc-DMB
HA-CH2-CH2COOH(MW537)268.5mg(0.5mmole、2.5e
q)を固相合成用カラムに入れGuo,L.らの方法[Chem.Pharm.Bull.,36、
4989(1988)]に従いDMF中DIPCDI-HOBt法により2時間
縮合反応を行った。
縮合反応終了後、フリーのアミノ基を保護するための無水酢酸を用いてカップ
リングを行った(DMBHA樹脂)。
6.1.2 DMBHA樹脂への12位アルギニンの導入
6.1.1で調製したDMBHA樹脂のFmoc基を20%ピペリジン/DMFで除去
後、DMBHA樹脂に対しFmoc-Arg(Pmc)-OHの2.5eqを加えDMF中
、DIPCDI−HOBt法によって縮合反応を行った。
縮合反応の進行の程度はKaiser、E、ら[Anal.Biochem.,34:595(1
970)]のニンヒドリンの試験により測定して行った。
6.1.3 11位システインの導入
6.1.2で調製したアルギニン導入DMBHA樹脂のFmoc基を20%ピペリジン
/DMFで除去後DMBHA樹脂に対しFmoc Cys(Trt)−OHの2.5eq.
を加え、DMF中DIPCDI-HOBt法によって縮合反応を行った。
縮合反応の進行の程度は6.1.2と同様にニンヒドリン試験により測定して行った
。
6.1.4 10位〜1位のアミノ酸の導入
以下同様にして順次Lys(Boc)、Arg(Pmc)、Tyr(tBu)
、Pro、DLys(Boc)、Lys(Boc)、Arg(Pmc)、Tyr
(tBu)、Cys(Trt)、Trp、Arg(Pmc)、Arg(Pmc)
残基をDMBHA樹脂に導入して保護基保護化ペプチド(1)樹脂を得た。
なお、固相合成に於ける各アミノ酸縮合反応は次表2の操作条件に従って行っ
た。
6.1.5 脱保護基、樹脂からのポリペプチド(1)の除去並びに
部分精製によるポリペプチド(1)の調製
保護基保護化ポリペプチド(1)樹脂は、20%ピペリジン/DMF処理によ
りFmoc基を除去し、次いで該樹脂100mg当り1M-TMSOTf-チオアニソー
ル/TFA(トリフルオロ酢酸)系(m−クレゾール(100eq)、エタンジチ
オール(300eq)の存在するトリフルオロ酢酸10ml)で25℃ 2時間反応
させた。反応混合液から樹脂を濾別し、トリフルオロ酢酸1mlにて2回洗浄し、
濾液、洗液を合せたものに氷冷乾燥エーテル100mlを加え、生じた沈殿物を遠
心し、残渣をデカンテーションにより上清から分離した。得られた残渣を、冷エ
ーテルで洗浄後4N酢酸10mlに溶解し830mg、80eqのジチオスライトール
を加え、その混液を室温で一夜攪拌した。
反応液を遠心し、上清をSephadexG-10(3.7×50cm)で処理し、4NA
cOHでゲル濾過し、素通り画分である主溶出部分を集め、凍結乾燥して粉末状
の部分精製未環化ポリペプチド(1)を得た。
6.1.6 空気酸化によるポリペプチド(1)の調製
一方、Sephadexゲル濾過素通り画分の1/2量を濃アンモニア水にてpH7.5に
調整し、通気により空気酸化を行い環化反応を行った。空気酸化終了後環化ペプ
チド(1)をダイアイオンHP-20樹脂10gに吸着せしめ、次いで60%C
H3CN(in 1N AcOH)を用いて脱着溶出した。該溶出液を室温下減圧
濃縮してCH3CNを除去し、さらに凍結乾燥により粉末化した。該粉末を少量
の水に溶解し、その溶液をアサヒパックODP−90カラムにかけ、CH3CN
のグラデイエント溶出による高速液体クロマトグラフイー(島津製作所HPLC
モデ
ル:LC−6AD型)で精製し単一ピークのポリペプチド(1)を27%の収率
(保護基保護化ペプチド(1)樹脂から計算した値)で得た。
6.1.7 ポリペプチドの分析
前記6.1.6で精製されたポリペプチドのLiuらの方法[J.Biol.Chem.,
251:1936(1976)]による酸加水分解およびロイシンアミノペプチ
ダーゼ消化によるアミノ酸組成値は、前記式(1)のアミノ酸配列による組成の
計算値とよく一致した。
またFAB-MSによる分子量値は[M+H]+の計算値1996.1に対し、
1996.3であった。
得られたポリペプチド(1)の比旋光度[α]20 Dは−17.2゜(C=0.
11、1N酢酸)であった。
6.2 実施例3:ポリペプチド(14)[ポリペプチド(1)のアミ
ノ末端アミノ酸残基のN−α−アセチル化化合物]の合成
下記構造式9のポリペプチド(14)の合成は以下の6.2.1〜6.2.2に記載した
。
構造式9
上記式(14)中、Ac−Arg、Arg、Trp、Cys、Tyr、Lys
、DLysおよびProは前記したアミノ酸残基を示し、3、11位Cys間の
実線はジスルフイド結合を示す。
6.2.1. 保護基保護化ペプチド(1)樹脂の部分アセチル化
前記実施例1のステップ4(セクション6.1.4)で得た保護基保護化ペプチド
(1)樹脂1.301g(0.25mmol)を手動式固相合成反応容器にとり
Fmoc基除去後Hudsonの方法[J.Org.Chem.、53:617(1988)]に準
じ、N端α−アミノ基のアセチル化を行い、N端α−アミノ酸アセチル化保護基
保護化ペプチド(1)樹脂1.241g(乾燥重量、収量100%)を得た。そ
の操作概略を表3に示した。
本アセチル化は、ニンヒドリン反応が陰性になる迄操作1〜3を繰返し行った
。
6.2.2 N端α−アミノ酸アセチル化保護基保護化ペプチド(1)
樹脂の脱保護基、脱樹脂、部分精製並びに酸化によるペ
プチド(14)の調製
対応する保護基保護化ペプチド樹脂からの保護基の脱保護基、脱樹脂、部分精
製並びに酸化によるペプチド(14)の調製は、実施例1の6.1.5及び6.1.6のス
テップと同様に実施しポリペプチド(14)を調製して得た。
ポリペプチド(14)の比旋光度は[α]20 D=−18.3゜(C=0.08、
1N酢酸)であった。ポリペプチド(14)はLiuらの方法[J.Biol.Chem.,
251:1936(1976)]に従い0.2%トリプタミン含有4Mメタンス
ルホン酸と、115℃、24時間酸加水分解を行いアミノ酸分析の結果、計算値
と一致した。
6.3 実施例4:ポリペプチド(19)[N−α−フルオレセインチ
オカルバモイル化ポリペプチド(1)]の合成
下記構造式10のポリペプチド(19)の合成は、ポリペプチド(1)のアミ
ノ末端アミノ酸残基のN−α−フルオレセインチオカルバモイル化により実施し
た。
構造式10
上記式(19)中、FTC−Arg、Arg、Trp、Cys、Tyr、Ly
s、DLysおよびProは前述したアミノ酸残基を示し、3、11位Cys間
の実線はジスルフイド結合を示す。
実施例1(6.1.6)により得たポリペプチド(1)の酢酸塩10mg(3.9
μmol)をPBS緩衝液(燐酸緩衝化生理食塩液pH7.5)1mlに溶解し
、氷冷下、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)アイソマーI(和光
純薬工業(株)社)2.8mg(7.2μmol)のDMSO 1ml溶液を滴
加、室温中6〜7時間攪拌し、遊離アミノ基のフルオレセインチオカルバモイル
化を行う。
反応混合液をセフアデツクスG−25(フアイン)カラム[50mMPB(燐
酸緩衝液)pH4.2平衡化済み]にて予備脱塩分画し、ペプチド画分をセツパ
ツクC18プラスENVカートリツジカラム(ミリポア社)に吸着させ、次いで
80%アセトニトリル/酢酸水溶液pH4.2で溶出し凍結乾燥して3.93m
g(収率35%)のポリペプチド(19)の酢酸塩を得た。
得られたポリペプチド(19)の酢酸塩の比旋光度[α]20 Dは−5.9°(C
=0.06、H2O)であつた。
本化合物のLiuらの方法による酸加水分解物のアミノ酸分析から、ポリペプチ
ド(1)の計算値よりアルギニン残基数1残基少い実測値が得られた。又、本化
合物のトリフルオロ酢酸による部分加水分解(室温2時間)物の薄層クロマトグ
ラフイ(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:1)により、FTH−Arg(フ
ルオレセイン−アルギニンチオヒダントイン)に一致する1つのメインスポツト
が検出された。
これら分析結果はN端アルギニン残基のα−アミノ基が選択的にフル
オレセイン・チオカルバモイル化されていることを示す。
6.4 実施例2および比較例1及び2:
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対する抗ウイルス活性
実施例1により合成したポリペプチド(1)のHIVに対する抗ウイルス活性
を以下の方法に従い試験し評価した。
96穴マイクロタイタープレートに、種々の濃度の試験物質と共にHIV感染
MT−4細胞(2.5×104細胞/穴(well)、感染多重度(MOI):0.
001)を感染直後に加える。CO2インキュベーター中、37℃で5日間培養
した後、生存細胞数をMTT法[Pauwelsら;J.Virol.Methods 20,309
〜321(1988)]で測定した。抗ウイルス活性は、HIV感染による細胞
死を50%抑制する濃度(EC50:50% effective concentration)で表わ
す。一方、試験物質のMT−4細胞に対する細胞毒性を知るために、ウイルス非
感染細胞を上と同様に、種々の濃度の試験物質と共に培養を行った。細胞毒性は
試験物質による50%細胞障害濃度(CC50:50% cytotoxic concentratio
n)で表わす。また、CC50とEC50の概略比(CC50/EC50)を有効比(S
I)として表わした。
下記構造式8の抗ウイルス性ポリペプチドをポリペプチド(1)の比較のため
に示す。
構造式8
表4にポリペプチド(1)、T−22およびアジドチミジンのEC50とCC50
及びSI値を示す。
上記表から明らかなように先に抗HIV作用が明らかとなつているT−22に
比し本発明のポリペプチド(1)は細胞毒性が同等であるもののT−22の約1/
3の濃度で抗ウイルス作用を示た。ペプチドから4アミノ酸残基削減し、分子量
が低分子化したにもかかわらず、本発明のポリペプチドは更に高められた活性を
示した。
アジドチミジン(AZT)に比してもポリペプチド(1)のEC50値は若干高
濃度であるものの細胞毒性は極めて低く、より安全な抗HIV剤としての使用が
期待出来る。
6.5 実施例5:ポリペプチド類の物性及び抗HIV活性
表5に実施例1、3および4の方法にて調製した本発明のポリペプチドの構造
式、物性及び実施例2の抗HIV試験法にて試験・評価した抗ウイルス活性を示
す。
但し、上記表中の本実施例の化合物は、特に表示しない限り3及び11位のC
ysは相互にジスルフイド結合により連結していることを示す。
また、上記表中“AZT”はアジドチミジン(一般名ジドブジン)を示す。ま
たT−22は構造式8のポリペプチドを示す。
[発明の効果]
本発明によれば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対する抗ウイルス作用を
有する新規ポリペプチドを提供できる。また、親水性、親油性、より高い活性及
び抗HIV活性発現機作解明の付与が期待できる新規ポリペプチドを提供できる
。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM,
AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C
N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE
,HU,JP,KE,KG,KR,KZ,LK,LR,
LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,N
O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI
,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN
【要約の続き】
のDNA移入システムのコンポネントとしても有用であ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 下記式 式中A1はリジン、アルギニンおよびオルニチンから選ばれる塩基性アミノ 酸の1個または少くとも2個を有するアミノ酸残基またはペプチド残基、前記塩 基性アミノ酸又はペプチド残基のアミノ末端アミノ酸残基のN−α位の水素原子 がアシル基または置換チオカルバモイル基で置換されているN−αアシル置換ア ミノ酸残基、N−αアシル置換ペプチド残基、N−α置換チオカルバモイル化ア ミノ酸残基またはN−α置換チオカルバモイル化ペプチド残基を示し、 A2はチロシンまたはフエニルアラニン残基を示し、 A3はリジンまたはアルギニン残基を示し、 A4は−OH(カルボキシル基由来)または−NH2(酸アミド基由来)を示し 、 XはD−オルニチル−プロリン、プロリル−D−オルニチン、D−リジル−プ ロリン、プロリル−D−リジン、D−アルギニル−プロリン、プロリル−D−ア ルギニン、グリシル−オルニチン、オルニチル−グリシン、グリシル−リジン、 リジル−グリシン、グリシル−アルギニン及びアルギニル−グリシンで示される アミノ酸2個からなるペプチド残基群から選択され、その構成アミノ酸であるD −リジン、L−リジン、D−オルニチン又はL−オルニチンの側鎖ω−アミノ基 の水素原子はω−アミノアシル基で置換されていてもよく、これらペプチド残基 は6位と8位のアミノ酸残基とペプチド結合を介して連結しているペプチド残基 を示し、 Trpはトリプトフアン残基を示し、 Cysはシステイン残基を示す、 で表わされるポリペプチド、又はその塩。 2. 第1項に示すポリペプチド、又はその塩に於いて、A1がリジン、アルギ ニン及びオルニチンからなる群から選択される少なくとも1個の塩基性アミノ酸 であるポリペプチド、又はその塩。 3. 第1項に示すポリペプチド、又はその塩に於いて、A1が2個の塩基性ア ミノ酸からなるペプチド残基であり、該塩基性アミノ酸がリジン、アルギニン及 びオルニチンからなる群から選択されてなるポリペプチド、又はその塩。 4. 第1項に示すポリペプチド、又はその塩に於いて、A1が少なくても1個 または2個の塩基性アミノ酸からなり、該塩基性アミノ酸のアミノ末端アミノ基 のN−α位の水素原子がアシル基又は置換チオカルバモイル基で置換されている アミノ酸又はペプチド残基からなるポリペプチド、又はその塩。 5. 第1項に示すポリペプチド、又はその塩に於いて、3位及び11位のシス テイン残基がジスルフィド結合により相互に連結しているポリペプチド、又はそ の塩。 6. 下記式 式中A1はリジン、アルギニンおよびオルニチンから選ばれる塩基性アミノ 酸の1個または少くとも2個を有するアミノ酸残基またはペプ チド残基、前記塩基性アミノ酸又はペプチド残基のアミノ末端アミノ酸残基のN −α位の水素原子がアシル基または置換チオカルバモイル基で置換されているN −αアシル置換アミノ酸残基、N−αアシル置換ペプチド残基、N−α置換チオ カルバモイル化アミノ酸残基またはN−α置換チオカルバモイル化ペプチド残基 を示し、 A2はチロシンまたはフエニルアラニン残基を示し、 A3はリジンまたはアルギニン残基を示し、 A4は−OH(カルボキシル基由来)または−NH2(酸アミド基由来)を示し 、 XはD−オルニチル−プロリン、プロリル−D−オルニチン、D−リジル−プ ロリン、プロリル−D−リジン、D−アルギニル−プロリン、プロリル−D−ア ルギニン、グリシル−オルニチン、オルニチル−グリシン、グリシル−リジン、 リジル−グリシン、グリシル−アルギニン及びアルギニル−グリシンで示される アミノ酸2個からなるペプチド残基群から選択され、その構成アミノ酸であるD −リジン、L−リジン、D−オルニチン又はL−オルニチンの側鎖ω−アミノ基 の水素原子はω−アミノアシル基で置換されていてもよく、これらペプチド残基 は6位と8位のアミノ酸残基とペプチド結合を介して連結しているペプチド残基 を示し、 Trpはトリプトフアン残基を示し、 Cysはシステイン残基を示し、3位と11位のシステイン残基はジスルフイ ド結合により連結している、 で表わされるポリペプチド、又はその塩。 7. 第1項に示すポリペプチド、又はその塩の有効量及び製薬学的担 体から構成される患者体内のHIVの活動を阻害するための製薬学的組成物。 8. 第6項に示すポリペプチド、又はその塩の有効量及び製薬学的担体から構 成される患者体内のHIVの活動を阻害するための製剤学的組成物。
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