JPH08504753A - 坑ウイルス性ビリミジンヌクレオシド - Google Patents

坑ウイルス性ビリミジンヌクレオシド

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JPH08504753A
JPH08504753A JP6506988A JP50698894A JPH08504753A JP H08504753 A JPH08504753 A JP H08504753A JP 6506988 A JP6506988 A JP 6506988A JP 50698894 A JP50698894 A JP 50698894A JP H08504753 A JPH08504753 A JP H08504753A
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ミラー、ジョン・アレン
ヤング、ロバート・ジョン
ラヒム、サッド・ジョージ
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ウォーカー、リチャード
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ユニバーシティー・オブ・バーミンガム
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H19/00Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof
    • C07H19/02Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof sharing nitrogen
    • C07H19/04Heterocyclic radicals containing only nitrogen atoms as ring hetero atom
    • C07H19/06Pyrimidine radicals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals

Abstract

(57)【要約】 式(I)の抗ウイルス製ヌクレオシド、及び生理学的に機能的な誘導体。 但し、Yはヒドロキシ若しくはアミノであり、Xは水素、ヒドロキシ、メルカプト、ハロ、トリフルオロメチル、メチル、C2-6アルキル、C1-6ハロアルキル、ヒドロキシC1-3アルキル、ホルミル、C2-6アルケニル、C2-6ハロアルキル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルチオ、C1-6アルコキシC1-2アルキル、C1-6アルキルチオメチル、アミノ、モノC1-6アルキルアミノ、ジC1-6アルキルアミノ、シアノ、チオシアネート若しくはニトロであり;R2は水素であり、R3はヒドロキシル若しくは水素であるか、またはR2及びR3は一緒になって炭素−炭素結合を形成する。該化合物を含有する組成物、ウイルス製疾患の処置及び治療におけるこれらの使用、並びに該化合物の製造方法も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の名称〕 抗ウイルス性ピリミジンヌクレオシド 〔本発明の背景〕 本発明は、ピリミジンヌクレオシド及び特にウイルス感染の治療若しくは予防 のための医学的な治療にこれらを使用することに関する。 〔背景技術〕 DNAウイルスの内、ヘルペス群のものは、ヒトにおける最も一般的なウイル ス病の病原菌である。この群には、単純庖疹ウイルスタイプ1及びタイプ2(H SV);水痘−帯状庖疹ウイルス(VZV)サイトメガロウイルス(CMV); エプスタイン−バーウイルス(EBV);ヒトヘルペスウイルスタイプ6(HH V−6)及びヒトヘルペスウイルスタイプ7(HHV−7)が含まれる。HSV 1及びHSV2はヒトの最も一般的な病原菌の幾つかである。これらのウイルス のほとんどは、宿主の神経細胞に生存し得、一旦感染すると、個体は、物理的及 び生理学的に苦しみうる感染の再発性臨床症状の発現により危険になる。 HSV感染は、しばしば皮膚、口及び/又は生殖器の広範な弱質病巣によって 特徴づけられる。一次感染は潜在性でありうるが、これらは、ウイルスに予めさ らされた個体における感染よりもひどくなる傾向にある。HSVによる眼の感染 は、角膜炎若しくは白内障を導き、これによって宿主の視力が危険にさらされる 。新生児、AIDSを含む免疫無防備状 態の患者の感染又は中枢神経系への感染の浸透は、致命傷となりうる。 ウイルスの伝染は、宿主と受容体との間の直接の物理的接触によっている。従 って、HSV感染の蔓延は、特に効果的なワクチンがまだ全く利用し得ないので 非常に重要な社会問題であると考えられる。 水痘−帯状庖疹ウイルス(VZV)は、水痘及び水痘−帯状庖疹を起こすウイ ルスである。水痘は、免疫を持たない宿主において起こる一次感染であり、幼児 では通常小胞性の発疹及び熱によって特徴づけられる穏やかな病気である。水痘 −帯状庖疹又は帯状庖疹は、水痘−帯状庖疹ウイルスで先に感染した大人で起こ る再発性の形態の疾患である。水痘−帯状庖疹の臨床症状は、神経痛及び分布に 関しては一側性で皮膚腫性の小胞性皮膚発疹によって特徴づけられる。炎症の広 がりは、麻痺又は痙攣を引き起こす。髄膜が冒されると昏睡が起こりうる。免疫 不全患者においては、VZVは重篤若しくは致命的でさえある病気を起こして播 種する。VZVは移植の目的のため又は悪性腫瘍形成の治療のための免疫抑制剤 を投与される患者に関して重要であり、免疫系が損なわれているので、後天性免 疫不全症候群の患者の重篤な合併症である。 他のヘルペスウイルスと同様に、CMVによる感染は、ウイルスと宿主を一生 結合させ、一次感染に続いてウイルスが多年にわたって流出されうる。妊娠中の 母体の感染による先天的な感染は、死亡若しくは甚だしい疾患(小頭蓋症、肝脾 腫大症、黄疸、知能発達遅れ)、失明となるような角膜炎、又はそれほど重篤な 形態でない場合でも成長不全、及び胸部及び耳の感染に羅感しやすくなるという ような臨床的影響を起こしうる。例えば、悪性腫瘍、移植後の免疫抑制剤での治 療又は人免疫不全ウイルスによる感染の結果として、免疫破壊された患者のCM V感染は、網膜炎、肺炎、消化器疾患、及び神経系疾患を起こしうる。エイズ患 者のCMV感染は、成人の50〜80%の比率で、潜伏した形態で存在し、免疫 が破壊された患者で再活性化される得るので、羅患の支配的な原因となる。 エプスタイン−バーウイルス(EBV)は、ヘルペスウイルス族の一員であり 、1964年に発見された。更にこれは、現在、世界人口の90%近くまで広が っていると信じられている。酉洋では、EBVによって起こる主要な疾患は、急 性若しくは慢性の感染性の単核細胞症(腺熱)である。他のEBV若しくはEB V関連疾患の例には、ヒトにおいて、しばしば先天性若しくは後天性の細胞性免 疫不全を起こすリンパ球増殖性疾患(lympholproliferative disease)、言い換 えれば、少年に起こるX−染色体性(X-linked)リンパ球増殖性疾患、EBV関 連B−細胞腫瘍、ホジキン病、鼻咽頭癌、バーキットリンパ腫、非ホジキンβ− 細胞リンパ腫、免疫芽球性リンパ腫、胸腺腫及び口腔繊毛性白斑症(oralhairy leukoplakia)が含まれる。EBV感染はまた、肺を含む上気道及び下気道の種 々の上皮細胞で誘導される癌に関連して見出されている。 HHV6は、子どものインファンタムサビタム(in-fantum subitum)及び腎 臓拒否反応並びに腎臓及び骨髄移植患者それぞれにおける腸管性の肺炎(intest inal pneumonia)の原因菌であることが示されており、他の疾患と関連づけられ 得る。更に骨髄移植患者における基幹細胞数の抑制の証拠になる。HHV−7は まだ決定されていない疾患の病因論となっている。 HBVは世界的に主要なウイルス性病原体である。該ウイルスは、一次肝細胞 性癌に原因論的に関連しており、世界の肝癌の80%の原因となっていると考え られている。合衆国においては、毎年1万人以上の人が、HBVの病気で入院し ており、平均250人が激症性の疾患で死亡している。合衆国には現在、500 ,000〜1,000,000の感染性保因者がいると評価されている集団が含 まれている。慢性活動性肝炎には、25%以上の保因者が発見されており、しば しば硬変へ進行する。HBV感染の臨床的影響は、頭痛から発熱、倦怠感、悪心 、嘔吐、食欲不振及び腹痛にまで渡る。ウイルスの複製は、通常免疫応答(人で は回復の過程が数週間から数カ月続く)によって制御されているが、感染がより ひどくなれば先に概説したように永続的な慢性肝疾患になりうる。 特に重要であるとみなされているウイルスの一群は、レトロウイルスである。 レトロウイルスは、RNAウイルスのサブグループを形成し、これらが複製する ためには、まずDNAにこれらのゲノムのRNAを「逆転写」しなければならな い(「転写」は通常DNAからRNAを合成することを意味する。)。DNAの 形成において、一度ウイルス性ゲノムが宿主細胞ゲノムに取り込まれると、複製 の目的に宿主細胞の転写/翻訳機が利用される。一度取り込まれると、ウイルス のDNAは、宿主DNAから視覚的に区別できず、この状態で、ウイルスは細胞 が生きている間生存し続ける。 レトロウイルスの一種であるレンチウイルスヒト免疫不全ウイルス(HIV) は、後天性免疫不全症候群(AIDS)、若しくはしばしばAIDSよりも先に 起こる症状にかかっているヒトから再現可能に単離されている。AIDSは、患 者を致命的な日和見感染にかかりやすくさせる免疫抑制症又は免疫破壊症である 。特徴としては、AIDSはT−細胞、特にOKT4表面マーカーに関連したヘ ルパーインデューサーサブセットの進行性枯渇に関連している。HIVは、細胞 変性であり、もっぱらOKT4マーカーに関連した細胞に感染し、破壊するよう に思われており、HIVがAIDSの原因となる病原体であることが現在一般に 認められている。 HIVは、AIDSの原因金であるという発見から、AIDS治療に効果的な 抗−HIV化学療法剤に対する種々の提案がなされている。従って、例えば、欧 州特許明細書第196185には3’−アジド−3’−デオキシチミジン(これ はアジドブジンという名で認可されている。)、その薬学的に許容しうる誘導体 並びにAIDS及び関連した臨床症状を含むヒトレトロウイルス感染の治療にお けるこれらの使用が開示されている。 レトロウイルス感染の例には、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、例えばHI V−1又はHIV−2、及びヒトT−細胞リンパ系ウイルス(T-ceii Lymphotro pic Virus)(HTLV)、例えば、HTLV−IまたはHTLV−II感染のよ うなヒトレトロウイルス感染が含まれる。AIDS並びに関連臨床症状、例えば AIDS関連コンプレックス(ARC)、進行性の全身性リンパ節腫脹(PGL )、カポジ肉腫、血小板減少性紫斑病、多発性硬化症または熱帯性不全対麻痺( tropical paraparesis)のようなAIDS関連神経病症状、更には抗HIV抗体 陽性及びHIV陽性症状(無症候性患者のこのような症状を含む)はまた、適切 な抗ウイルス治療によって治療されうる症状である。 ますます重要となる国際的な健康問題の原因菌として認識されている他のRN Aウイルスは、非A型、非B型肝炎ウイルスである。慢性の輸血後の非A、非B 型肝炎のケースの少なくとも80%が、C型肝炎として現在同定されているウイ ルスに因っていることが示されており、このウイルスはおそらく、血液製剤をB 型肝炎に対してスクリーニングするように臨床的に設定した場合に、実質的に輸 血後の肝炎の原因となる。急性C型肝炎感染の場合の約半分は、数カ月間に自発 的に消散されるが、残りは慢性になり、このような場合の全てとは限らないが、 多くの場合、慢性の活性な肝炎は、硬変及び肝細胞癌になる可能性がある。C型 肝炎ウイルスのゲノムの構造が最近解明され、このウイルスは、フラビウイルス と同様の一本鎖RNAウイルスとして特徴づけられている。 コクサッキーウイルスはエンテロウイルス属に属する。これらは、二十面体の ヌクレオカプシドを含む一本鎖RNAゲノムを有する。コクサッキーウイルス感 染は、ますます成人及び子どもの一次心筋性疾患の原因として認識されている。 コクサッキー感染はまた、髄膜炎、胸膜痛、水泡性口峡炎、手足口病(hand-f eed and mouth disease)、呼吸器疾患、眼疾患、糖尿病及びウイルス感染後の 疲労症候群に関連している。後者の場合、ウイルスのRNAは、筋内及びメノサ イト(menocytes)に検出される。 我々は、幾つかのピリミジンL−4’−チオヌクレオシドが、ウイルスに対し て活性を有することを今回見出した。このような化合物は、以下の一般式のピリ ミジンL−4’−チオヌクレオシド及びこれらの生理学的に機能的な誘導体を含 有する。 但し、 Yはヒドロキシ若しくはアミノであり、 Xは水素、ヒドロキシ、メルカプト、ハロ、トリフル オロメチル、メチル、C2-6アルキル、C1-6ハロアルキル、ヒドロキシC1-3ア ルキル、ホルミル、C2-6アルケニル、C2-6ハロアルケニル、C2-6アルキニル 、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルチオ、C1-6アルコキシC1-2アルキル、C1- 6 アルキルチオメチル、アミノ、モノC1-6アルキルアミノ、ジC1-6アルキルア ミノ、シアノ、チオシアネート若しくはニトロであり;R2は水素であり、R3は ヒドロキシ若しくは水素であるか、またはR2及びR3は一緒になって炭素−炭素 結合を形成する。 基Yの定義によっては、式(I)の化合物は、ウラシル若しくはシトシンの誘 導体となることが理解されるであろう。 また、式(I)の化合物は種々の互変異性型として存在しうることも理解され るであろう。 式(I)の化合物は、α−またはβ−アノマーとして存在し得、β−アノマー が好ましい。式(I)の化合物は、任意の位置で種々の異性体で、及びそれらの 混合物として存在得る。本発明は、式(I)の化合物の個々のα−及びβ−アノ マーを含めたこのような異性体及びそれらの混合物、並びにこのような任意の位 置での異性体の混合物の使用をその範囲内に包含する。 式(I)化合物の好ましい基は、Yがヒドロキシ若しくはアミノであり、Xが 水素、ヒドロキシ、メルカプト、ハロ、トリフルオロメチル、メチル、C2-6ア ルキル、C1-6ハロアルキル、ヒドロキシC1-3アルキル、ホルミル、C2-6ア ルケニル、C2-6ハロアルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6ア ルコキシC1-2アルキル、アミノ、モノC1-6アルキルアミノ、ジC1-6アルキル アミノ、シアノ若しくはニトロであり;R2が水素であり、R3がヒドロキシ若し くは水素であるか、またはR2及びR3が一緒になって炭素−炭素結合を形成する もの、及びこれらの生理学的に機能的な誘導体である。 式(I)の化合物の特に好ましい基は、Yがヒドロキシ若しくはアミノであり 、Xが水素、ハロ、メチル、C2-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケ ニル、C2-6ハロアルケニル、C2-6アルキニル、シアノ若しくはニトロであり; R2が水素であり、R3がヒドロキシ若しくは水素であるか、またはR2及びR3が 一緒になって炭素−炭素結合を形成するもの、及びこれらの生理学的に機能的な 誘導体である。 式(I)の定義において、アルキル基という表現には、これらが少なくとも3 つの炭素原子を含有する場合には、枝分かれしていても、また環状であってもよ いが、好ましくは、直鎖(特にアルキル基はメチル及びエチルを含む)である基 が包含される。アルケニル基という表現には、E−若しくはZ−型またはこれら の混合物であり得、これらが少なくとも3つの炭素原子を含有する場合は、枝分 かれしていてもよいが、好ましくは直鎖である基が包含される。アルキニル基と いう表現には、これらが少なくとも4つの炭素原子を含有する場合は、枝分かれ していてもよいが、好ましくは直鎖であ る基が包含される。特に、アルケニル基には、ビニル及びE−(1−プロペニル )が含まれ、特にアルキニル基には、エチニル及びプロポ−1−イニルが含まれ る。ハロ置換された基という表現には、クロロ、ブロモ、ヨード及びフルオロ置 換された基、及び2以上のハロゲンで置換された基(これらは同じでも異なって いてもよい)であり、例えばペルハロ置換された基が含まれる。アルコキシ基が アルコキシC1-2アルキル基の一部である場合は、該アルコキシ置換基は、該基 のC1−炭素またはC2−炭素原子の何れかに結合されうる。 式(I)の好ましい化合物には、基Xがメチル、C2-4アルキルまたはハロア ルケニルであるもの、好ましくはC2-3アルキル、C3-4アルケニル若しくはアル キニル、またはハロビニルであるものが含まれる。好ましいハロアルケニル基は 、末端炭素原子に1つのハロゲン基を有する直鎖ハロアルケニル基である。また 、二重結合を1位に有しているハロアルケニル基が好ましい。このような化合物 の内には、E配置である2−ハロビニル基を有するものが好ましい。独特のハロ ビニル基には、E−(2−ブロモビニル)が含まれる。 式(I)の特に好ましい化合物は、 (i)Yがアミノであり; (ii)R2およびR3が炭素−炭素結合を形成し; (iii)Yがアミノであり、Xが水素若しくはハロであり、R2及びR3が炭素 −炭素結合を形成するものである。 本発明の特別の化合物は、式(I)の化合物及びこれらの生理学的に許容しう る誘導体であって、ピリミジン塩基が以 下から選択されるものである。 ウラシル; シトシン; チミン; 5−ヨードウラシル; 5−ブロモウラシル; 5−クロロウラシル; 5−フルオロウラシル; 5−ヨードシトシン; 5−ブロモシトシン; 5−クロロシトシン; 5−フルオロシトシン; 5−エチニルウラシル; 5−プロポ−1−イニルウラシル; 5−ビニルウラシル; E−5−(2−ブロモビニル)ウラシル; E−5−(5−プロペニル)ウラシル; 5−エチルウラシル; 5−トリフルオロメチルウラシル; E−5−(2−ブロモビニル)シトシン;または 5−プロピルウラシル。 ベータ配置を有する式(I)の化合物は抗ウイルス剤として特に興味があり、 これらは、 2’−デオキシ−4’−チオ−L−ウリジン、 2’−デオキシ−4’−チオ−L−シチジン、 2’−デオキシ−5−フルオロ−4’−チオ−L−シチジン、 2’−デオキシ−5−メチル−4’−チオ−L−ウリジン、 5−(2−クロロエチル)−2’−デオキシ−4’−チオウリジン、 5−ニトロ−2’−デオキシ−4’−チオウリジン、 5−アミノ−2’−デオキシ−4’−チオウリジン、 5−メチルアミノ−2’−デオキシ−4’−チオウリジン、 E−5−(2−ブロモビニル)−2’−デオキシ−4’−チオ−L−ウリジン 、 2’−デオキシ−5−ヨード−4’−チオ−L−ウリジン、 5−ブロモ−2’−デオキシ−4’−チオ−L−ウリジン、 5−クロロ−2’−デオキシ−4’−チオ−L−ウリジン、 2’−デオキシ−5−エチル−4’−チオ−L−ウリジン、 2’−デオキシ−5−プロポ−1−イニル−4’−チオ−L−ウリジン、 2’−デオキシ−5−フルオロ−4’−チオ−L−ウリジン、 2’−デオキシ−5−トリフルオロメチル−4’−チオ−L−ウリジン、 2’−デオキシ−5−エチニル−4’−チオ−L−ウリジン、 2’−デオキシ−5−E−(2−ブロモビニル)−4’−チオ−L−シチジン 、 2’−デオキシ−5−プロピル−4’−チオ−L−ウリジ ン、 E−2’−デオキシ−5−(プロペン−1−イル)−4’−チオ−L−ウリジ ン、 1−(2,3−ジデヒドロ−2,3−ジデオキシ−4−チオ−L−リボフラノ シル)−5−メチルウラシル、 1−(2,3−ジデオキシ−4−チオ−L−リボフラノシル)−5−メチルウ ラシル、 5−ブロモ−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−4’−チオ −β−L−シチジン、 5−クロロ−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−4’−チオ −β−L−シチジン、及び 2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−ヨード−4’−チオ −β−L−シチジン である。 本発明の特に好ましい化合物は、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデ オキシ−4’−チオ−β−L−シチジン、及び2’,3’−ジデヒドロ−2’, 3’−ジデオキシ−5−フルオロ−4’−チオ−β−L−シチジンである。 これらの化合物は、特にHIV及びHBVに対して強い活性を有する。 上記の誘導体には、薬学的に許容しうる塩;エステル及びエステルの塩;また は、ヒト患者に投与する場合には、(直接的または間接的に)抗ウイルス的に活 性な代謝物若しくはこれらの残基を与えることができる任意の他の化合物が含ま れる。 本発明に従った好ましいモノ−及びジ−エステルには、カルボン酸エステルで あって、エステル基を形成する(estergrouping)該カルボン酸部分の非カルボ ニル部分が、直鎖若しくは分岐鎖アルキル(例えばメチル、n−プロピル、n− ブチル若しくはt−ブチル)、環状アルキル(例えばシクロヘキシル)、アルコ キシアルキル(例えばメトキシメチル)、カルボキシアルキル(例えば、カルボ キシエチル);アラルキル(例えばベンジル)、アリールオキシアルキル(例え ばフェノキシメチル)、アリール(例えばフェニルであって、ハロゲン、C1-4 アルキル、若しくはC1-4アルコキシ又はアミノによって任意に置換されたもの );アルキル−若しくはアラルキル−スルホニル(例えば、メタンスルホニル) のようなスルホン酸エステル;モノ−、ジ−若しくはトリ−リン酸エステル(こ れらはプロックされていてもいなくてもよい)、アミノ酸エステル(例えば、L −バリル若しくはL−イソロイシルエステル);及び硝酸エステルから選択され るものが含まれる。上記のエステルに関しては、特に特定しない限りは、このよ うなエステルに存在する任意のアルキル部分は1から18の炭素原子、特に直鎖 アルキル基の場合は1から4の炭素原子、枝分かれ若しくは環状アルキル基の場 合には3から7の炭素原子を有利に含有する。このようなエステルに存在する任 意のアリール部分は、フェニル基を有利に包含しうる。上記の何れかの化合物の 任意の関連物には、これらの生理学的に許容しうる塩に関連するものも含まれる 。 治療に都合よく使用されうる本発明に従った塩には、例え ば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)アルカリ土類金属(例えばマグネシウ ム)の塩、アンモニウム及びNR4(ここでRはC1-4アルキルである。)の塩の ような適切な塩基から誘導される生理学的に許容しうる塩基の塩が含まれる。Y がアミノ基を表す場合、塩には塩酸塩及び酢酸塩を含めた生理学的に許容しうる 酸付加塩が含まれる。 式Iの化合物の誘導体には対応するスルホン及びスルホキシドが含まれる。 このようなヌクレオシド及びこれらの誘導体は、これ以後本発明に従った化合 物と称する。これ以後使用される「活性成分」の語は、関連事項から他のことが 要求されない限り、本発明に従った化合物を表す。 本発明は更に、 a)ヒト又は動物の身体の処置または治療の方法に使用するための本発明に従っ た化合物 b)ウイルス感染、例えば上述したようなHBV,HIV、C型肝炎、ヘルペス ウイルス感染、特にHSV、HHV−6、VZV、EBV若しくはCMV感染の 治療若しくは予防に使用するための本発明に従った化合物 c)ヒトを含めた哺乳類における上記のようなウイルス感染、例えばHBV、H IV、C型肝炎及び上述したようなヘルペスウイルス感染、特にHSV、HHV −6、VZV、EBV若しくはCMV感染のような感染の処置若しくは予防のた めの方法であって、効果的で非毒性量の本発明に従った化合物で受容体を処置す ることを具備した方法 d)上述のようなウイルス感染、例えばHBV、HIV、C型肝炎、及び上記の ようなヘルペスウイルス感染、特にHSV、HHV−6、VZV、EBV若しく はCMV感染の処置若しくは予防に使用するための医薬の製造に本発明に従った 化合物を使用する ことを包含する。 本発明に従って処置されうる臨床症状の例には、先に導入部で議論したもの、 特にHIV、HBV、C型肝炎、HSV1及び2、HHV−6、VZV,EBV またはCMVの感染によって起こるものが含まれる。 本発明に従った化合物は、HIV陽性または抗HIV抗体陽性と診断された人 の処置に特に有効であり、例えば悪性疾患、移植後の免疫抑制剤での処置の結果 として免疫無防備状態の患者またはAIDS、AIDS関連コンプレックス(AI DS related complex)(ARC)若しくは進行性の全身性リンパ節腫脹(PGL )に悩まされているひとの処置にとりわけ有効である。 本発明に従った化合物は、治療される症状の適した任意の経路でヒトを含めた 動物に投与されうる。適切な経路には、経口、直腸、鼻腔、局所(頬側(buccal )及び舌下を含む。)、膣及び非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、くも膜下 、硬膜内を含む。)が含まれる。好ましい経路は、例えば受容体の症状で変化し うる。 上記のそれぞれの用途及び適用に対して、個々の活性成分の必要量は、処置さ れる症状の重篤度及び患者の状態を含め た多くのファクターに依存する。最終的には付き添いの医者の判断によるであろ う。しかし、一般には、これらの用途及び適用の各々に対して、適切で効果的な 投与量は、1日につき、受容体の1キログラム体重当たり0.05から250mg の範囲、好ましくは1日につき1キログラム体重当たり0.1から100mgの範 囲、最も好ましくは1日につき1キログラム体重当たり0.5から20mgの範囲 であるだろう。最適な投与量は、1日につき1キログラム体重当たり約2から5 mgである(特に他の指示がない限り、全ての活性成分の重量は、親化合物として 計算した。これらの塩及びエステルに対して、その数字は比例して増加するであ ろう。)。所望であれば、所望の投与量は、1日全体で、適切な間隔で投与され る2、3、4若しくはそれ以上のサブドーズ(sub-doses)として提供されうる 。これらのサブドーズは、例えば単位投与量形態当たり10から1000mg、好 ましくは20から500mg、最も好ましくは100から400mgの活性成分を含 有する単位投与量形態で投与されうる。 該化合物は単独で投与されうるが、これらを薬学的製剤として提供することが 好ましい。本発明の製剤は少なくとも1つの先に定義した活性成分を、1以上の これらの許容しうる担体及び任意に他の治療成分と共に含有する。該担体は、製 剤の他の成分と適合し、これらの受容体に有害でないという意味において「許容 し得」なければならない。 製剤には、経口、直腸、鼻腔、局所(頬側及び舌下を含む。)、 膣若しくは非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、くも膜下、及び硬膜内を含む 。)投与に適したものが含まれる。該製剤は、適切には単位投与量形態で提供さ れ得、薬学の分野で公知の何れの方法でも調製されうる。このような方法には、 活性成分を1以上の補助成分を構成する担体と混合するステップが含まれる。一 般に製剤は、活性成分と、液体担体若しくは細かく砕いた固体担体またはこれら の両方とを均一で密に混合し、次いで、必要であれば製品に形成することによっ て調製される。 経口投与に適した本発明の製剤は、カプセル、カシェー(cachets)若しくは 錠剤ような個別の単位として提供されうる。これらの各々は予め決められた量の 活性成分を、粉末若しくは顆粒として;水性液体若しくは非水性液体の溶液若し くは懸濁液として;または水中油滴型液体エマルジョン若しくは油中水滴型液体 エマルジョンとして含有する。活性成分はまた、巨丸剤、舐剤若しくはペースト としても提供されうる。 錠剤は、任意に1以上の補助成分と共に圧縮若しくはモールドすることによっ て作成されうる。圧縮された錠剤は、粉末若しくは顆粒のような自由に流れる形 態の活性成分を、任意に結合剤(例えばポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピ ルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、ナト リウムスターチグリコレート、架橋したポビドン、架橋したナトリウムカルボキ シメチルセルロース)、界面活性剤または分散剤と混合し、適切な機械で圧縮 することによって調製されうる。モールドされた錠剤は、不活性液体希釈剤で湿 らされた粉末化合物の混合物を適切な機械でモールドすることによって作成され うる。該錠剤は、任意にコートされ若しくは刻み目が付けられ、所望の放出プロ フィールを与えるように割合を変化させた、例えばヒドロキシプロピルメチルセ ルロースを用いて、錠剤中の活性成分の放出をゆっくりさせるか、または制御す るように製剤化されうる。 経口的な使用に適した製剤には、胃の酸性を中和するためにデザインされた緩 衝剤も含まれうる。このようなバッファーは、弱酸若しくは塩基の共役塩(conj ugated salts)と混合された弱酸若しくは塩基のような種々の有機若しくは無機 試薬から選択されうる。 カプセルは、ルーズな若しくは圧縮された粉末を、任意に1以上の添加剤と共 に適切な注入機で注入することによって作成されうる。適切な添加剤の例には、 錠剤用と同様の、ポビドンのような結合剤、ゼラチン、潤滑剤、不活性希釈剤及 び崩壊剤が含まれる。カプセルは、活性成分がゆっくり若しくは制御した放出を するようにペレット若しくは個別(discrete)のサブユニットを含有するように も製剤化され得うる。これは、薬剤と押出し用補助剤(例えば、微結晶性セルロ ース)とラクトースのような希釈剤との湿った混合物を押出し形成及び長球状に する(spheronising)ことによって達成されうる。このように生成された長球状 物は、半浸透膜(例えば、エチルセルロース、Eudragit W E30D)でコートされ、持続性の放出特性を付与される。 食用フォーム(edible foam)若しくはホイップ製剤は、理想的には、50〜 70%の食用油、特に、コーンオイル、ピーナッツオイル、ひまわり油、オリー ブオイル及び大豆油を包含した植物油;2〜10%の1以上の界面活性剤、特に レシチン、ポリオール、グリセリル脂肪酸エステル、ポリグリセリル脂肪及び酸 エステル(例えば、デカグリセロールテトラオレエート)若しくはソルビタン脂 肪酸エステル(例えば、ソルビタンモノステアレート)を包含したポリオールポ リマーエステル;1〜4%の経口摂取に適した噴射剤、特に圧縮されたガス噴射 剤(特に窒素、亜酸化窒素若しくは二酸化炭素)又はガス状炭化水素(特にプロ パン、ブタン若しくはイソブタン);0.5〜30%の、直径で10〜50ミク ロンの範囲の粒子サイズの粘性緩和剤(viscosity modifier)、特に粉末化され た糖若しくはコロイド状の二酸化珪素;及び任意に0.5〜1%の1以上の適切 な非毒性の着色剤、香味料若しくは甘味料を含有する。活性成分は、このような 製剤中に10から46%、有利には30%で存在することが好ましい。上述した 食用フォーム若しくはホイップ製剤は、従来の方法で調製されうる。この方法は 、例えば食用油、界面活性剤及び他の可溶性成分を混合し、粘性緩和剤を加え、 該混合物を粉に引き、一定の分散物及び懸濁物を形成する。活性成分は、粉砕さ れた該混合物に均一に分散されるまでブレンドされる。最後に、前記混合物を適 切な分散容器に計量した後、計器で測定された量の噴射剤を混合物に 加える。 本発明に従った局所投与のための薬学的製剤は、軟膏、クリーム、懸濁液、ロ ーション、パウダー、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾル若しくはオ イルとして形成されうる。他の方法として、製剤は、活性成分及び任意に1以上 の賦形剤若しくは希釈剤を含浸させた包帯若しくは粘着性の硬膏のような外傷用 医薬材料(dressing)が含まれる。 経皮投与に適した組成物は、長期間患者の表皮と密に接触したままにすること に適応した個別のパッチとして提供されうる。このようなパッチは、適切には、 1)任意に緩衝された水溶液中に活性化合物を、2)接着剤中に溶解された活性 化合物を、若しくは3)ポリマーに分散された活性成分を含有する。活性化合物 の適切な濃度は、約1%から35%、好ましくは、約3%から15%である。1 つの特別の可能性として、活性化合物は、Pharmaceutical Research,3(6),3 18(1986)に一般的に開示されているようなイオン導入法によってパッチから放 出されうる。 目又は他の外部組織、例えば、口及び皮膚の感染に対して、製剤は、例えば0 .075から20%w/w、好ましくは0.2から15%w/w及び最も好まし くは0.5から10%w/wの量で活性成分を含有する局所的軟膏若しくはクリ ームとして適用されることが好ましい。軟膏として製剤化される場合、活性成分 は、パラフィン性若しくは水と混和しうる軟膏ベースの何れかで使用されうる。 他の方法として、活性成分は、水中油滴型ベースで、クリームとして製剤化され うる。 所望であれば、クリームベースの水層には、例えば少なくとも30%w/wの 多価アルコール、即ちプロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、マン ニトール、ソルビトール、グリセロール及びポリエチレングリコール並びにこれ らの混合物のような2以上の水酸基を有するアルコールが含まれうる。局所製剤 は、皮膚若しくは他の冒された部分への活性成分の吸収若しくは浸透を高める化 合物を含有しうる。このような経皮浸透増強剤の例にはジメチルスルホキシド及 び関連した類縁体が含まれる。 本発明に従ったエマルジョン製剤の油層は、公知の成分から公知の方法で構成 される。この層には、乳化剤(emul-sifier)(さもなければ乳化剤(emulgent )として公知のもの)を単独で含有しうるが、少なくとも一種の乳化剤と、脂肪 若しくはオイル、又は脂肪とオイルの両方との混合物を含有することが好ましい 。好ましくは、親水性乳化剤が、安定化剤として作用する親油性乳化剤と共に含 有される。オイルと脂の両方を含有することが好ましい。安定化剤を共に含んで いてもいなくても、乳化剤はいわゆる乳化ワックスとなる。該ワックスは、オイ ル及び/又は脂と共に、クリーム製剤の油層を形成するいわゆる乳化軟膏(emul sifying oint-ment)ベースとなる。 本発明の製剤の使用に適した乳化剤(emulgents)及び乳化安定剤には、ツウ ィーン60、スパン80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、 グリセリルモノステアレート及びナトリウムラウリルスルフェートが含まれる。 製剤に適したオイル及び脂の選択は、所望のコスメテイック特性を達成するこ とを基準にする。これは、薬学的な乳化製剤において使用される最も適したオイ ルに対して活性化合物の溶解性が非常に低いことによる。従って、クリームは、 チューブ若しくは他の容器からの漏れを防止するのに適した軟度を有する非グリ ース性、非着色性及び水洗可能な製品であることが好ましい。直鎖若しくは分岐 鎖の一若しくは二塩基性アルキルエステル、例えばジイソアジペート、イソセチ ルステアレート、ココナッツ脂肪酸のポリエチレングリコールジエステル、イソ プロピルミリステート、デシルオレエート、イソプロピルパルミテート、ブチル ステアレート、2−エチルヘキシルパルミテート又はCrodamol CAP として知られている分岐鎖エステルの混合物のようなもの(これらの最後の3つ が特に好ましい。)を使用しうる。これらは、要求される性質に依存して単独で も、また組み合わせても使用しうる。他には、白色軟質パラフィン及び/又は液 体パラフィン、又は他の鉱油のような高沸点脂質を使用しうる。 目への局所投与に適した製剤には、点眼剤が含まれ、これには、活性成分が、 適切な担体、特に水性溶媒に溶解若しくは懸濁される。成分は、0.5から20 %、有利には0.5から10%、特に約1.5%w/wの濃度でこのような製剤 中に存在することが好ましい。 口中の局所投与に適した製剤には、香味材料、通常は蔗糖及びアカシア(acac ia)若しくはトラガガントゴム中に活 性成分を含有するトローチ剤;ゼラチン及びグリセリン、又は蔗糖及びアカシア のような不活性材料中に活性成分を含有する錠剤(pastilles);及び適切な液 体担体中に活性成分を含有する口洗浄剤がある。 直腸投与のための製剤は、例えばココアバター若しくはサリシレートを含有す る適切なベースを用いた坐薬として提供されうる。 担体が固体である鼻腔内投与に適した製剤には、例えば、20から500ミク ロンの粒子サイズを有する目の粗い粉末が含まれ、これは鼻から吸引するような 方法、即ち鼻に密着させたパウダーの容器から鼻を通して迅速に吸入することに よって投与される。担体が液体である鼻腔用スプレー若しくは鼻腔用滴剤として の投与に適切な製剤には、活性成分の水溶液若しくは油溶液が含まれる。 膣内投与に適した製剤は、当分野で公知の適切な担体を活性成分に加えて含有 したペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム(foams)、 若しくはスプレー製剤として提供されうる。 非経口投与に適した製剤には、水性若しくは非水性の無菌注射溶液が含まれ、 これには、抗酸化剤、バッファー、静菌剤及び予定された患者の血液と等張な製 剤となる溶質を含有するもの;並びに水性及び非水性無菌懸濁液であって懸濁剤 及び濃化剤、及び血液若しくは1以上の器官が該化合物のターゲットになるよう にデザインされたリポソーム若しくは他のミクロ粒子系が含有される。この製剤 は、例えば密封され たアンプル及びバイアルのような一回投与用(unit-dose)若しくは複数回投与 用(multi-dose)容器で提供され得、使用の直前に、例えば注射用の水のような 無菌の液体担体の添加のみを必要とする凍結乾燥状態で貯蔵されうる。準備のい らない注射溶液及び懸濁液は、先述した種類の無菌の粉末、顆粒及び錠剤から調 製される。 好ましい単位投与(unit-dosage)製剤は、先に示したような、活性成分の日 用量若しくは上述したような1日当たりの単位サブドーズ(sub-dose)、又はこ れらの適切なフラクションを含有するものである。 活性成分、特に上述したものに加えて、本発明の製剤は、問題の製剤のタイプ に関連した当分野の通常の他の薬剤を含有しうる。例えば経口投与に適切なもの には、香味剤が含まれうる。 本発明に従った化合物は、単独、若しくは上記の感染又は症状の治療のための 他の治療剤と組み合わせて使用されうる。本発明に従った組合せ治療(combinat ion therapies)には、少なくとも一種の式(I)の化合物又はこれらの生理学 的に機能的な誘導体及び少なくとも一種の他の薬学的に活性な成分の投与が含ま れる。活性成分及び薬学的に活性な薬剤は、一緒に若しくは別々に投与されうる 。また、別々に投与される場合、この投与は同時であっても、またいずれの順で 引き続き投与されてもよい。活性成分及び薬学的に活性な薬剤の量、並びに投与 の相対的タイミングは、所望の組合せ治療効果を達成するように選択される。好 ましくは、複合治療 には、式(I)の化合物又はこれらの生理学的に機能的な誘導体及びここで以下 に示す薬剤の一つの投与が含まれる。 このような更なる治療剤の例には、HIV感染若しくは関連した症状の治療に 効果的な薬剤が含まれる。これらは、例えば、3’−アジド−3’−デオキシチ ミジン(アジドブジン)、2’,3’−ジデオキシシチジン、2’,3’−ジデ オキシアデノシン及び2’,3’−ジデオキシイノシンのような他の2’,3’ −ジデオキシヌクレオシド、カルボビル(carbovir)、ペントキシフィリン(pe ntoxifylline)、N−アセチルシステイン、プロシステイン(Procystein)、a −トリコサンチン、非環状ヌクレオシド(例えばアサイクロビル(acyclovir) )、2’,3’−ジデヒドロチミジン、N−tert−ブチル−デクヒドロ(dechyd ro)−2−[2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−3(S)−[[N−(2− キノリルカルボニル)−L−アスパラギニル]ブチル]−(4aS,8aS)− イソキノリン−3−(S)−カルボキサミド(RO31−8959)のようなプ ロテアーゼ阻害剤、cis−1−(2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサ チオラン−5−イル)−シトシン(BCH−189)若しくはcis−1−(2 −(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル)−5−フルオロ −シトシンのようなオキサチオランヌクレオシド類縁体、3’−デオキシ−3’ −フルオロ−チミジン、2’,3’−ジデオキシ−5−エチニル−3’−フルオ ロウリジン;5−クロロ−2’,3’−ジデオキシ−3’−フルオロウリジン、 リバビリン;9−[4 −ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ブタ−1−イル]グアニン(H2G) 、7−クロロ−5−(2−ピリル)−3H−1,4−ベンゾジアゼピン−2(H )−オン(RO5−3335)若しくは7−クロロ−1,3−ジヒドロ−5−( 1H−ピロール−2−イル)−3H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−アミン( RO24−7429)のようなTAT阻害剤;α−インターフェロンのようなイ ンターフェロン;プロベネシドのような腎排出抑制剤(renal excre-tioninhibi tor)、ジピリダモールのようなヌクレオシド転位阻害剤、ホスホノホーミック アシッド、並びにインターロイキンIIのようなイムノデュレーター(immunodula tor)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、エリスロポエチン、可溶性C D4及び遺伝学的に形成されるこれらの誘導体がある。HBV感染の治療に対し て効果的であるこのような更なる治療剤の例には、カルボビル、cis−1−( 2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル)−シトシン( BCH−189)若しくはcis−1−(2−(ヒドロキシメチル)−1,3− オキサチオラン−5−イル)−5−フルオロ−シトシンのようなオキサチオラン ヌクレオシド類縁体、2’,3’−ジデオキシ−5−エチニル−3’−フルオロ ウリジン、5−クロロ−2’,3’−ジデオキシ−3’−フルオロウリジン、1 −(β−D−アラビノフラノシル)−5−プロピオニルウラシル、アサイクロビ ル、及びα−インターフェロンのようなインターフェロンが含まれる。ヘルペス ウイルス感染の治療に効果的な更なる治療薬の例に は、アサイクロビル、9−[4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ブチル ]グアニン(H2G),9−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブタ −1−イル)グアニン(ペンシクロビル(Penciclovir))、ファムシクロビル (famciclovir)、ペンシクロビルの6−デオキシ−ジアセテートエステル、B VaraU、1−(β−D−アラビノフラノシル)−5−プロピニルウラシル、 2−[(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル )メトキシ]エチル L−バリネート、ホスホノホーミックアシッド、及びホス ホノアセテイックアシッド、ガンシクロビル(ganci-clovir)、(S)−1−( 3−ヒドロキシ−2−ホスホニルメトキシプロピル)−シトシン(HPMPC) 、オキセタノシンG、2’−デオキシ−5−ヨードウリジン、E−5−2−ブロ モビニル−2’−デオキシ−ウリジン(BVDU)及び9−(3−ヒドロキシプ ロポキシ)グアニンが含まれる。更なる化合物には、EP−A−0409575 及びEP−A−0427777に開示されたものが含まれる。 更に好ましくは、組合せ治療には、上記薬剤の1つと、上記のような式(I) の範囲内の好ましいか若しくはより好ましいサブグループ内の化合物を投与する ことが含まれる。最も好ましくは、組合せ治療には、ここで特に命名した式(I )の化合物の1つとともに上記薬剤の1つを組み合わせて使用することが含まれ る。 式(I)の化合物は、一般の有機化学、特にヌクレオシド 合成の分野で公知の種々の方法によって調製されうる。出発物質は公知であるか 若しくは商業的な供給源から容易に入手可能であり得、またそれ自身公知の従来 の方法によって調製されうる。 本発明は更に、以下に定義されるような式(I)の化合物を製造するための方 法を提供する。該方法は、 A)式(II)の化合物を 但し、 X1は式(I)に関連して定義した基Xの前駆体であり; YおよびR2は式(I)に関連して先に定義したとおりであり; R3aはR2と炭素−炭素結合を形成するか、若しくはR2がHである場合は、 R3aは水素、ヒドロキシ、若しくはOZ3基(但しZ3はヒドロキシル保護基であ る。)であり;及び Z5は水素若しくはヒドロキシル保護基である。 基X1を所望の基Xに変換することができる1以上の試薬と反応すること; B)式(III)の化合物を、 但し、X及びYは式(I)に関連して定義したとおりであるか、これらの保 護された形である。 4−チオ糖部分を導入することができるような4−チオ糖化合物、またはこれら の保護された形のものと、式(III)の化合物の1−位で反応すること;または c)式(IV)の化合物を、 但し、X及びYは式(I)に関連して定義したとおりであり、Z5はヒドロ キシル保護基若しくは水素であ り;R2およびR3aは先に定義したとおりである。この場合、R3a及びZ5の少な くとも1つが式(I)のR3及び/又はR5に対する前駆体基を表す。 基R3a及び/又はZ5をそれぞれ基R3及び/又はHに変換することができる条件 下若しくは試薬と反応することを具備する。 必要である場合若しくは所望である場合には、更に、1以上の以下の更なるス テップを、何れの所望の若しくは必要な順序で行いうる。 a)各々の保護基を除去する。 b)式(I)の化合物若しくはこれらの保護された形態を更に式(I)の化合物 若しくはこれらの保護された形に変換する。 c)式(I)の化合物若しくはこれらの保護された形態を、式(I)の化合物若 しくはこれらの保護された形態の、生理学的に許容しうる誘導体に変換すること 。 d)式(I)の化合物の生理学的に許容しうる誘導体若しくはこれらの保護され た形態を、式(I)の化合物若しくはこれらの保護された形態に変換すること。 e)式(I)の化合物若しくはこれらの保護された形態の生理学的に許容しうる 誘導体を、式(I)の化合物若しくはこれらの保護された形態の他の生理学的に 許容しうる誘導体に変換すること。 f)式(I)の化合物のα−アノマーをβ−アノマーに変換するため、又は式( I)の化合物のβ−アノマーをα− アノマーに変換するためにアノマー化反応(anomari-sation reaction)を行う 。及び g)必要である場合は、式(I)の化合物若しくはこれらの保護された誘導体、 又は式(I)の化合物若しくはこれらの誘導体の生理学的に許容しうる誘導体の α及びβアノマーを分離すること。 「4−チオ糖化合物」という語は、4−チオ−L−リボフラノース環(但し、 これらの5−ヒドロキシル基は任意に保護されており、1−位は任意に脱離基で 置換されており、これらの2−及び3−位は、R2及びR3又はこれらの誘導体の 何れかであり、R3の誘導体には保護されたヒドロキシル基を含有する。)を含 有する化合物を示すためにここで使用される。 Z3及びZ5を含めたここで述べられている保護基に関して、このような基の個 々の性質は、保護される個々の基の状態及び性質に依存され、従って従来の技術 に従って選択されうることが理解されるであろう。一般に使用されうる保護基の 例にはアシル基が含まれる。アシル基には、例えばC1-6アルカノイル基、例え ばアセチル、又はアロイル基、例えば1以上のC1-4アルキル(特にメチル)、 ハロ、ニトロ若しくはアミノ基で任意に置換されたベンゾイルが含まれる。好ま しい置換アロイル基には、トルオイル及びp−ニトロベンゾイル基が含まれる。 他の保護基にはトリ−C1-6アルキルシリル(例えばトリメチルシリル)若しく はtert−ブチルジフェニルシリル;又はトリフェニルメチル基若しくは、1 以上のハロゲン原子、C1-4アルキル(例えばメチル)、C1-4ハロアルキル、C1-4 アルコキシ、ニトロ若しくはアミノ基でフェニル環が任意に置換されたベン ジル基のようなアリールメチル基のようなエーテル基が含まれる。 トリアルキルシリル基(例えばトリメチルシリル基)でヒドロキシ基、即ちピ リミジン環上の基を保護することは、 (a)クロロトリメチルシランをトリエチルアミンと共に反応する、(b)ヘキ サメチルジシラザンを任意にクロロトリメチルシラン及び/又は硫酸アンモニウ ムと共に反応することによって適切に達成される。 上述の基は、従来の方法で除去しうる。例えば、アシル基は、塩基性条件下( 例えばナトリウムメトキシド)で有利に除去され、シリルエーテル基は、水性若 しくは酸性条件下(例えば水性メタノールを用いてトリメチルシリル基を除去す る。)で有利に除去され、アリールメチル基は、還元条件下で有利に除去される 。 例えば、方法Aは以下に開示される手段で行われうる。 方法Bは、例えば、以下によって行われうる。 a)式(III)の化合物又はこれらの保護された形態を式(V)の4−チオ 糖化合物と反応する。 但し、R2、R3a及びZ5は先に定義したとおりであ り、Wは脱離基である。Wの例としてはハロゲン、例えばクロロ、アシロキシ( 例えばアセトキシのようなC1-6アルカノイルオキシ)、又は−S−CH2Arの 式の任意に置換されたS−ベンジル基(ここでArは、任意に置換されたアリー ル基、例えば任意に置換されたフェニル若しくはトルイルである。)がある。ア リール基の任意の置換には、1以上のハロゲン原子、C1-4アルキル(例えばメ チル)、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、ニトロ、アミノ基が含まれる。 Arは好ましくは4−メトキシフェニル基である。式(V)において、R3a及び Z5基は、好ましくはヒドロキシル保護基、特にベンジル、トルオイル若しくは p−ニトロトルオイル基である。 反応は、アセトニトリル、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホ ルム若しくはトルエンのような溶媒中において、−78℃から還流温度のような 減少温度、環境温度若しくは上昇温度で塩化水銀若しくは臭化水銀又は塩化第二 スズ又はトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートのようなルイス酸の 使用を含めた標準的な方法を用いて行われうる。 また、 b)式(III)の化合物若しくはこれらの保護された形態を、式(VI)の化 合物と 但し、R2、R3a及びZ5は先に定義したとおりであり、Pyはピリミジン塩 基である。 N,O−ビス−(トリメチルシリル)アセトアミドのようなシリル化剤の存在下 、及びトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートのようなルイス酸触媒 の存在下、アセトニトリルのような溶媒中で反応する。式(VI)の化合物におい てPyはウラシル若しくはチミンが好ましい。 式(V)の4−チオ糖化合物は、塩基とカップリングする前に従来の方法によ って調製されるか、又はこれ以外の糖部分であって既にヌクレオシドの一部であ るものの修飾によって誘導されうる。個々の方法は、実施例に開示されている。 式(IV)の化合物は、式(V)の化合物を適切な塩基とカップリングすること によっても調製しうる。個々の方法は、実施例に開示されている。式(I)の化 合物を調製するには、塩基(III)を、2−カルボニル及び4−アミン基をシリ ル化により保護することで修飾することが好ましい。適切なシリル化剤には、ビ ス(トリメチルシリル)アセトアミドが含まれる。シリル化は適切な溶媒、例え ばアセトニトリル中で行われる。この反応は約20℃から100℃で行われ、好 ましくは上昇温度、例えば約50゜から100℃、例えば約80℃で行われうる 。 式(V)の化合物を、上記のようなルイス酸触媒及び共触媒としてN−ハロス クシンイミド(例えば、N−ヨードスクシンイミド若しくはN−ブロモスクシン イミド)の存在下において、保護された塩基と反応させる。該ルイス酸は好まし くはトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートである。溶媒は、任意の 適切な溶媒であり得、これはクロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロ エタンのような塩素化溶媒を包含するが、好ましくはアセトニトリルである。 ルイス酸及びN−ハロスクシンイミドは、等モルの割合で使用されることが好 ましいが、1:5から5:1の範囲のモル比を使用しうる。望ましくは、式(V )の化合物に対するルイス酸の割合は1:1である。 式(VI)のヌクレオシドが保護されている場合、例えばアルコール(例えばメ タノール、エタノール又はプロパノール)のような適切な溶媒中において、塩基 (有機若しくは無機)と反応させるというような標準の脱エステル化反応を用い て脱保護されうる。最終生成物は、アノマー混合物であり分別結晶化又はクロマ トグラフィーのような標準の方法で分離しうる。 上記の方法に従って式(I)の化合物を製造するための個々の方法は、以下に 開示されており、これらは上記プロセスAに従って式(I)の範囲内の更なる化 合物を製造するために組み合わされうる。 参考文献としては以下のテキストがある。 核酸化学における合成手順(Synthetic Procedures in Nucleic Acid Chemistry),Eds W.W Zorbach R.S.Tipson,Vol.1,Intersci ence,1973; 核酸化学−改善された新規な合成手順、方法及び技術(Improved and New S ynthetic Procedures,Methods and Techniques),Eds.L.B.Townsend and R.S. Tipson,Parts 1 and 2,Wiley-Inter science,1978 and Part 3,Wiley Inte rscience,1986; ヌクレオシド類似体−化学、生物学及び医学的応用(Nucleoside Analogues -Chemisty,Biology and Medical Applications),Eds R.T.Walker,E.DeCler cq & F.Eckstein,NATO Advanced Study Institutes Series,Plenum Press,1 979;核酸化学における基本的原理(Basic Principles in Nucleic Acid Chemis try),Eds.P.O.P Ts'O,Academic Press,1974。 以下の技術は特に適切である。 Xがハロゲンである場合 5−ハロピリミジンは商業的に利用でき、従来技術、例えば、保護された5− ハロピリミジンを、1−位に脱離基を有する保護された4−チオ糖化合物と反応 することによって4−チオ糖化合物とカップリングされうる。4−チオ糖化合物 上の脱離基はハロゲン、ベンジルチオ、若しくは好ましくはアセテート基であり うる。 保護された4−チオ糖化合物と保護された5−ハロピリミ ジンとの反応は、溶媒としてトルエン、アセトニトリル、ジクロロメタン若しく は1,2−ジクロロエタン中で塩化水銀若しくは二臭化水銀と、炭酸カドミウム と、或いは塩化第二スズと、又は好ましくはトリメチルシリルトリフルオロメタ ンスルホネートと処理し、次いで必要な範囲内で水性メタノールと処理する(こ れはピリミジン環の任意のヒドロキシルから保護基を除去することにもなる。) ようなルイス酸触媒を用いた従来の条件下で行われる。 保護基は従来の技術で除去しうる。例えば、トリメチルシリル基は、水性メタ ノールで処理することによってピリミジン環のヒドロキシル基から除去し得、ベ ンジル基は、ジクロロメタン中において−78℃で三塩化ホウ素で処理すること によって4−チオ糖化合物のヒドロキシル基から除去し得、p−トルイル基は、 室温でナトリウムメトキシドのメタノール溶液で処理することによって糖のヒド ロキシ離基から除去しうる。 他の方法として、5−ハロ置換基を、予め生成された保護保護されているか若 しくは保護されていないヒドロキシル基を有する5−無置換4’−チオ−ピリミ ジンヌクレオシドに導入しうる。4−チオ糖のヒドロキシル基が保護されている 場合(例えば、シリルエーテルのようなエーテル、又はアセテート、ベンゾエー ト、若しくはp−トルエートエステルで保護されている場合)、氷酢酸中でのN −クロロスクシンイミドとの反応又は塩素と氷酢酸との反応で5−クロロ置換基 が導入され、ジクロロメタン中での一塩化ヨウ素(iodine monochloride)との反応で5−ヨード置換基が導入されるであろう。一方、四塩 化炭素及び酢酸中での保護されていない4’−チオ糖ピリミジンヌクレオシドと 塩素との反応でも、5−クロロ置換基が導入される。ヨウ素及び硝酸との反応で も5−ヨード置換基が導入される。臭素及び酢酸との反応でも、5−ブロモ置換 基が導入される。従来の技術による脱保護が必要な場合には、最終ステップとし てこれを行う。 式(II)の5−位が置換されていない4’−チオヌクレオシド出発物(但し、 X1=H)は、5−位が未置換のピリミジンと4−チオ糖化合物をカップリング することによって上述のように調製されうる。4−チオ糖部分のヒドロキシ基の 保護を任意の従来のステージで行いうる。 XがC2-6アルキニルである場合 5−アルキニル化合物は、式(II)の5−ヨードヌクレオシド(但し、4−チ オ糖のヒドロキシル基は任意に保護されている(例えば、未保護のヌクレオシド をp−トルオイルクロリドとピリジン中で反応し、4−チオ糖のヒドロキシル基 にp−トルオイルエステル基を導入する。))を、適切なアルキニル化剤、例え ばトリメチルシリルアセチレン若しくは末端アルキンを、ビス(トリフェニルホ スフィン)パラジウムジクロリドのようなパラジウム触媒、及びヨウ化第一銅及 びトリエチルアミンのような銅触媒の存在下において反応し、必要であれば、メ タノール中でナトリウムメトキシドを用いて保護基を除去することによって製造 されうる[c.f.M.J.Robins et alCan.J.Chem.,60:554 (1982)]。 他の方法として、5−アルキニル基は、ヨードピリミジンをトリメチルシリル アセチレン若しくは末端アルキンを、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウ ムクロリド、ヨウ化第一銅、トリエチルアミン、ジメチルホルムアミドの存在下 で反応し、必要であれば、その後保護基を除去することによって導入されうる。 また、5−アルキニル基は、適切に保護された式(III)の5−アルキニルピリ ミジン(例えばトリメチルシリル保護された形)を先に開示されたような保護さ れた4−チオ糖化合物と反応し、次いで所望のようにピリミジン及び糖部分の脱 保護することによって導入されうる。 XがC2-6アルケニルである場合 5−アルケニル化合物は対応する式(III)の5−アルキニルピリミジン又は 式(II)のヌクレオシドを、例えばキノリンで被毒させたリンドラー触媒で部分 水素化し、引き続いてピリミジンの場合には上記のように4−チオ糖化合物とカ ップリングすることによって製造されうる。 他の方法として、式(II)の5−ヨードヌクレオシドを、パラジウム(II)ア セテート及びトリフェニルホスフィンの存在下で適切なアルケニル化剤、例えば 2−アルケノン酸エステル(alkenoic acid ester)(例えばメチルエステル) と反応し、5−(2−メトキシカルボニルアルケニル)誘導体を形成する。次に 、該エステル基を水酸化ナトリウムを用いて加水分解して除去し、2−カルボキ シアルケニル化合物を形成する。このものをジメチルホルムアミド中、10 0℃においてトリエチルアミンで処理することによって5−ビニル類似体を得る [c.f. S.G.Rahim et al.,Nucleic Acid Research10(17):5285(1982)]。 更に、5−アルケニル化合物を製造するための他の方法には、パラジウム(II )アセテートのようなパラジウム触媒及び塩化銅(I)のような銅塩、又は好ま しくはジリチウムパラジウムテトラクロライドの存在下で、末端アルケンを、式 (II)の5−ヨード若しくは5−クロロ水銀ヌクレオシド(これは例えば、5− 無置換ヌクレオシドと酢酸水銀及び塩化ナトリウムとの反応で形成される。)と カップリングすることが含まれる。ジリチウムパラジウムテトラクロライドの存 在下における式(II)の5−ヨード若しくは5−クロロ水銀−ヌクレオシドとア リールハライド(例えば塩化物若しくは臭化物)との反応は、対応する5−(ア ルク−2−エニル)(5-(alk-2-enyl))誘導体を生成させる。該誘導体は、ト リス(トリフェニルホスフイン)ロジウムクロライドで処理することによって転 移し、5−(アルク−1−エニル)(5-(alk-1-enyl))誘導体を形成しうる。 この方法はまた、遊離のピリミジン塩基にも適用し得、これは引き続いて4−チ オ糖化合物と縮合される。上記の方法は、J.L Ruth & D.E.Bergstorm,J.Org.Ch e m,43(14):2870(1978),J.Goodchild et al.,J.Med.Chem26:(1983) ,D.E.Bergstom & J.L.Ruth,J.Am.Chem.Soc.,98:1578(1976)及びD.E.Bergs torm & M.K.Ogawa,J.Am.Chem.Soc.,100 :8106(1978)によって例示されている。 XがC2-6ハロアルケニルである場合 5−(ハロアルケニル)置換基は、従来法で式(II)のヌクレオシドに導入さ れうる。例えば、5−(2−ハロビニル)化合物を調製するためには、対応する 5−(2−カルボキシビニル)ヌクレオシドを、酢酸カリウム水溶液中で、又は ハロゲンがブロモ若しくはヨードである場合は、ジメチルホルムアミド中で炭酸 カリウムと共に、例えばN−ハロスクシンイミドのような適切なハロゲン化剤で 処理する。5−(2−クロロビニル)ヌクレオシドも、例えばジメチルホルムア ミド(DMF)中で塩素ガスを用いて、対応する5−(2−カルボキシビニル) ヌクレオシドから製造される。 他の方法として、5−ハロアルケニル基は、適切な遊離のピリミジン塩基に導 入され、式(III)の化合物を形成する。該式(III)の化合物は、引き続き上記 の4−チオ糖化合物カップリングされうる。これは、酢酸パラジウム(II)、ト リフェニルホスフィン、及びジオキサンの存在下において、例えば2,4−ジメ トキシ保護された5−ヨードピリミジンを2−アルケノン酸エステルと処理し、 次いでメトキシ保護基を除去し、水酸化ナトリウムによりエステルを加水分解し 、並びに得られた5−(2−カルボキシビニル)誘導体を、N−ハロスクシンイ ミド(ここでハロは塩素である。)と反応するか、若しくはジメチルホルムアミ ド中で炭酸水素ナトリウムのような塩基の存在下で塩素ガス(ここでハロはクロ ロ。)と反応することによって達成されうる。5−(2−カ ルボキシビニル)化合物はまた、式(III)の保護されていない5−(ヒドロキ シメチル)ピリミジンを、過硫酸、又は二酸化マンガンのような酸化剤で処理し 、対応するアルデヒドを生成させ、次いで該アルデヒドをマロン酸と処理するこ とによっても調製することができる。上記方法は、A.S.Jones et alTetrahedr on Letts454415(1979)及びP.J.Barr et alJ.Chem.Soc.Perkin Trans 1 ,1981,1665に例示されている。 他の方法として、5−(2−ハロアルケニル)塩基は2,4−ジメトキシ保護 された5−ブロモピリジンから出発する新規な経路によって製造されうる。該化 合物は、ジエチルエーテルのようなエーテル性溶媒中で−70℃のような低めら れた温度において、有機リチウム試薬、好ましくはn−ブチルリチウムで処理す ることによって対応する5−リチウム誘導体に変換されうる。−70℃のような 低められた温度で、該リチオ誘導体をin situで、蟻酸エチルのような蟻酸の適 切なエステルと反応することによって対応する5−ホルミル化合物が得られる。 同様のハロゲン化によって2,4−ジメトキシ保護された形の所望の5−(2ハ ロアルケニル)化合物を得る。次に従来の技術によって脱保護を行う。 1以上のハロゲン置換基を有する5−ハロビニル化合物は、式(III)の5− ハロ置換された2,4−ジメトキシ保護されたピリミジンから、該化合物をブチ ルリチウムのような共塩基と反応させ、得られたリチオ誘導体を適切なハロアル ケンと処理し、次いで保護基を脱離し、上述のように4−チオ 糖化合物とカップリングすることによって調製されうる[c.f. P.L.Coe et al. ,J.Med.Chem.25: 1329(1982)]。 この他には、ハロゲン原子を、ピリミジン塩基の5−置換基に連続的に導入す ることができる。従って、例えば5−アセチルウラシルを、オキシ塩化リンで処 理することにより、ピリミジン塩基の水酸基の塩素化と同時に5−(1−クロロ ビニル)基が得られる。カリウムエトキシド、次いで塩酸、最後に臭素で処理す ると、ピリミジン環の2,4−ジクロロ基の変換と同時にピリミジンの5−不飽 和側鎖が臭素化され、対応するウラシル誘導体が形成される。次に、得られたピ リミジン塩基を、上記のように4−チオ糖化合物とカップリングする[c.f. P. J. Barr et al.Nucleic Acid Res.3: 2845(1976)及びP.J.Barr et al.,J.Ch em.Soc.Parkin Trans 1 ,1981: 1665]。 XがC2-6アルキルである場合 5−C2-6アルキル、例えば5−エチル置換ヌクレオシドは、5−アルキニル 若しくは5−アルケニルピリミジン塩基を水素化し、次いで4−チオ糖化合物と カップリングすることによって製造されうる。パラジウム/炭触媒上での水素の ような従来の水素化の条件が受け入れられ得る。 Xがトリフルオロメチルである場合 5−トリフルオロメチルウラシルは商業的に利用しうる。これは、上記の方法 Bに従って4−チオ糖化合物と縮合される。5−トリフルオロメチルシトシン類 似体は、ウラシル化 合物から/以下に示すようなSungによって開示されたものと類似の手順を用いて 製造されうる。 Xが5−ハロアルキルである場合 5−フルオロアルキル置換基は、対応する5−ヒドロキシアルキル置換基から 、好ましくは4−チオ糖部分の糖のヒドロキシル基が保護されているヌクレオシ ドから出発して生成されうる。適切な保護基には、tert−ブチルジフェニルシリ ルオキシ基(これはtert−ブチルジフェニルシリルクロライドを用いて導入され うる。)が含まれる。保護された5−ヒドロキシアルキルヌクレオシドを、ジエ チルアミノサルファートリフルオリドのようなフッ素化剤と処理し、次いでテト ラ−n−ブチルアンモニウムトリフルオリドを用いてヒドロキシル基を脱保護し 、モノフルオロアルキル誘導体を得る。他の方法として、4’−チオ糖の保護さ れた5−ヒドロキシアルキルヌクレオシドを二酸化マンガン若しくはピリジニウ ムジクロメートで処理し、対応するアルデヒドを製造する。これを、ジエチルア ミノサルファートリフルオリドで処理する。テトラ−n−ブチルアンモニウムフ ルオリドで処理し、保護基を除去して5−ジフルオロアルキル誘導体を遊離させ る。 他の5−ハロアルキル、例えばハロエチル置換基も対応するヒドロキシアルキ ル置換基を用いて得ることができる。5−ヒドロキシアルキル化合物は、塩基若 しくはヌクレオシドの何れの形態でも、四塩化炭素及びトリフェニルホスフェー トと反応され、クロロ置換基が導入されるか、又はN−ブロ モスクシンイミド及びトリフェニルホスフィンと反応され、ブロモ置換基が導入 されるか、又はN−ブロモスクシンイミド、トリフェニルホスフィン及びテトラ ブチルアンモニウムアイオダイドと反応され、ヨード置換基が導入される[c.f. J.D.Fissekis & F.Sweet,J.Org.Chem.1973,38,264,及びW084/00759]。 アルキル基がメチレンである上記の5−ヒドロキシアルキルヌクレオシド出発 物質は、4−チオ糖部分のヒドロキシル基の保護(例えばtert−ブチルジフェニ ルシリルクロリドを用いる。)、光ブロモ化(例えば四塩化炭素中で臭素、N− ブロモスクシンイミドを用いる。)、及び重炭酸ナトリウムを用いるブロモアル キル側鎖の加水分解によって対応する5−メチルヌクレオシドから得られる。 Xがニトロ若しくは任意に置換されたアミノである場合 ニトロ置換基は、例えばニトロニウムテトラフルオロボレート(NO2BF4) のようなニトロ化剤と反応することによって5位が無置換の4’−チオヌクレオ シドの5位に導入されうる。該置換基を、パラジウム/炭上の水素又は塩化スズ (II)を用いて還元し、対応するアミノ置換基を得る[c.f. G-F.Huang and P. F.Torrence,J.Org.Chem.,42: 3821(1977)]。5−ニトロ置換されたピリミ ジンは、容易に利用することができ、4−チオ糖化合物と上述のようにカップリ ングされうる。5−アルキルアミノ及び5−ジアルキルアミノ置換基は、適切に 保護された5−ヨードヌクレオシドを対応するアルキルアミン若しくはジアル キルアミンと反応することによって導入されうる。保護は、例えばピリジン中で 無水酢酸を使用してアセチル化するようなアシル化が好ましい。 Xがアルコキシである場合 アルコキシ置換基は、対応する5−ヒドロキシ−4’−チオ−ヌクレオシドを 、例えば水酸化ナトリウムのような塩基と反応し、次いでメタノールのような適 切な溶媒中で適切なハロゲン化アルキルでアルキル化することによって導入され る。出発の5−ヒドロキシ4’−チオヌクレオシドは、5位が無置換の4’−チ オーヌクレオシドから、該化合物を水性テトラヒドロフランのような水性溶媒中 で臭素と処理し、次いでトリエチルアミンのような塩基で処理することによって 得ることができる。 他の方法として、アルコキシ置換基は、対応する5−ヨード−4’−チオヌク レオシドを、メタノール若しくはジメチルホルムアミド又は対応するアルカノー ルのような適切な溶媒中でナトリウムアルコキシドのようなアルコキシ化剤と処 理することによって導入されうる。 Xがシアノである場合 シアノ置換基は、対応する5−ヨード4’−チオ−ヌクレオシドをジメチルホ ルムアミドのような適切な溶媒中において、好ましくは上昇された温度、例えば 80℃から120℃、好ましくは100℃で酢酸カリウムの存在下にシアン化カ リウムと反応することによって5−位に導入される[c.f. P.F.Torrence & B.B hoosham J.Med.Chem.,20, 974(1977)]。 Xがチオシアネート、アルキルチオ、メルカプトである場合 これらの置換基を有する式(I)の化合物は、適切に保護された5−ハロゲン ヌクレオシド(例えばブロモ若しくはヨード)から、Lin et al.J Med Chem, 3 1 ,336-340 1988に開示された方法に類似の方法で調製することができる。5− ハロゲン−ヌクレオシドの合成方法は、上記の明細書に開示されている。 Xがヒドロキシルである場合 5−ヒドロキシル−4’−チオ−ヌクレオシドはアルコキシ化合物の製造に関 連した上記の方法によって調製されうる。出発物質である5−無置換4’−チオ ヌクレオシドは、商業的に利用しうるウラシルを適切な糖部分と縮合することに よって適切に調製されうる。 XがヒドロキシC1-3アルキルである場合 これらの化合物は、ハロアルキル化合物の製造に関連して先に説明したように 調製しうる。ヒドロキシメチルウラシル自身は、商業的に利用しうる。 XがC1-6アルコキシC1-2アルキル又はC1-6アルキルチオメチルである場 Xがアルコキシメチル若しくはアルキルチオメチルである化合物は、Xが式− CH2OHである塩基から出発して製造される。アルコキシメチル化合物は、こ の出発物質を、酸触媒若しくは酸性イオン交換樹脂の存在下において適切なアル カノール基と反応することによって調製する。アルキルチオメチル化合物は、同 様な方法で製造しうるが、適切なアルキルメルカプタン基若しくはこれらの適切 な金属塩を用いる。得られた塩基をここで開示されているような4−チオ糖化合 物と上記のように縮合する。 対応するアルコキシエチル化合物を、Xがヒドロキシエチルである適切な塩基 から出発して、類似の方法で製造することができる。これらの出発の塩基は、商 業的に入手しうるか、ハロアルキル化合物の調製に関連した先の説明のように製 造することができる。 他の方法として、これらのアルコキシアルキル及びアルキルチオメチル化合物 は、式Iのヌクレオシド若しくはこれらの保護された誘導体であって、Xが−C H2L(但し、Lは脱離基、例えばブロモのようなハロである。)、又はアルキ ル或いはトリフルオロメタンスルホニル若しくはp−トルエンスルホニルのよう なアリールスルホニルオキシ、又はジメチルアミノ若しくはピロリジニルのよう な二級の非環式若しくは環式アミノ基であるものから製造されうる。反応は、こ れらの一つを適切な求核剤と処理し、O−アルキル若しくはS−アルキル基、例 えばアルキル−OH、アルキル−SH又はアルキル−SM(ここでMは、ナトリ ウムのような金属イオンである。)を導入し得るように行われる。この手順は、 Barwolff and Langen,核酸化学−改善された新規な合成手順、方法及び技術(N ucleic Acid Chemistry Improved and New Synthetic Procedures,Methods and Techniques),Part 1,Eds.L.B.Townsend and R.S.Tipson,p359に開示さ れている方法と類似の方法を用いて行われうる。 上記参照文献には、LがOHである化合物を製造するのに利用しうる手順も開 示されている。このような化合物は、先に開示された手順を用いて、LがO−ア ルキル若しくはS−アルキルである化合物を製造するために使用されうる。 Lがジメチルアミノ若しくはピロリジニルである化合物は、Badman and Reese がJ.Chem.Soc.Commun.1987,1732-1734において開示した方法、及びJones et al .がSynthesis 1982,259-260で開示した方法に類似の方法で製造されうる。 Xがホルミルである場合 Xがホルミルである式Iの化合物は、典型的には、XがCH2LでありLがB rである対応する化合物から製造されうる。後者の化合物は、Barwolff and Lan gen,核酸化学−改善された新規な合成手順、方法及び技術(Nucleic Acid Chem istry-Improved and New Synthetic Procedures,Methods and Techniques),P art 1,Eds.L.B.Townsend and R.S.Tipson,p359によって開示された方法と類似 の方法で製造されうる。 糖部分 4−チオ−糖化合物は、塩基とカップリングする前に中将の方法で調製去る得 るか、又は既にヌクレオシドの一部である他の糖部分の修飾によって誘導されう る。式Iの化合物が プロセス(C)に従って製造される場合、該プロセスは以下の手順を用いて行わ れ、R2及びR3が以下の以下の意味である式(I)の化合物を調製する。 a)2が水素であり、R3がヒドロキシである場合 2’−デオキシ糖部分の合成は、以下の例で開示される方法に従って行われる 。関連物は、M.J.Robins,T.A.Khwaja,R.K.Robins,J.Org.Chem.,1970,35(3) 636に開示された方法でも製造されうる。 b)2及びR3が一緒になって炭素−炭素結合を形成する場合 このような化合物は、例えばカリウム tert−ブトキシドのような強塩基 で処理することによって対応する3’,5’−アンヒドロ化合物から製造されう る。このような3’,5’−アンヒドロ化合物は、対応する3’,5’−メタン スルホネートジエステルを塩基で処理することによって製造されうる。3’,5 ’−メタンスルホネートジエステルは、Smejkal and Sorm,(1964),Nucleic Acids.Components and their Analogues,part Lii,vol 29,809;Genu-Della c et al.,Nucleosides and Nucleotides,10(6),1345-1376(1991); Robins et al.J.Org.Chem.35(3),636-639(1970);及びSchimmel & Bevill,Analyti cal Biochemistry 37,385-394(1870)の方法と類似の方法で合成されうる2− デオキシ−L−リボース糖のエステル化によって得ることができる。 c)2及びR3が両方とも水素である場合 2,3−ジデオキシ−4−チオ−L−リボヌクレオシドは、E.J.Prlsbe and J .C.Martin(Synth.Commun.(1985),15(4),401-409)(該文献には、2−デ オキシヌクレオシドからのD−ジデオキシヌクレオシドの合成が開示されている 。)によって開示された方法と類似の方法によって、又はJ.A.Secrist et al(J .Med.Chem.(1992)35,533-539)(これには、L−グルタミン酸からのD− ジデオキシ−4−チオヌクレオシドの合成が開示されている。)に類似の方法で 得ることができる。D−グルタミン酸(Aldrich Chemical Company Ltd)を使用 すると、ジデオキシ−4−チオ−L−ヌクレオシドの合成を行うことができる。 上記の反応は、全て、ウラシルヌクレオシドを保護するのに適切である。この ような反応のほとんどは、シトシンヌクレオシドを形成するのにも使用しうる。 これが都合が悪いか、又は不可能であれば、シトシンアナローグは、W.L.Sung,J.Chem.Soc.Chem.Commum .,1981,1089に開示された手順と類似の手順を用いて 、ウラシル化合物から最も都合よく調製することができる。例えば、アセチル化 されたウラシルヌクレオシド(これは、例えば上述のような反応及びピリジン中 で無水酢酸を用いてアセチル化することよって製造される。)を、p−クロロフ ェニルホスホロジクロリデート、1,2,4−トリアゾール及びピリジンで処理 し、4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)誘導体を製造し、 次いでこれをジオキサン中でアンモニアで処理し(このとき4−チオ糖の保護基 も除去される。)、対応する保護されていないシトシン4’−チオヌクレオシド を形成させる。 式(I)の化合物の誘導体は従来の方法で調製されうる。例えば、エステルは 式(I)の化合物を、例えばアシルハライドもしくは無水物のような適切なエス テル化剤と処理することによって調製することができる。塩は、式(I)の化合 物をアルカリ金属、アルカリ土類金属もしくは水酸化アンモニウムのような適切 な塩基、又は必要であれば適切な酸、例えば塩酸若しくは酢酸ナトリウムのよう な酢酸塩で処理することによって調製することができる。 式(I)の化合物のアノマーは従来の手段、例えばクロマトグラフィー若しく は分別結晶によって分離することができる。 本発明の更なる側面では、R2が水素、R3aがOZ3であり、Wが先に定義した −S−CH2−Ar基である式(V)の化合物は、式(VII)の化合物の閉環で製 造することができる。 但し、Z3及びZ5は先に定義したヒドロキシル保護基であり、先に定義し たような任意に置換されたベンジル若しくはアシル基である。好ましくはZ3及 びZ5はアシル基である。A基は脱離基、例えば任意に置換されているアルキル −若しくはアリール−スルホニル基、例えばメタンスルホニル、ハロアルキルス ルホニル基(例えばトリフルオロメチルスルホニル)及び任意に置換されたフェ ニルスルホニル(例えばトルエンスルホニル若しくはブロモベンゼンスルホニル )のようなオルガノスルホニル基であり、Arは先に定義したとおりである。A は好ましくはメタンスルホニル基である。 閉環は、適切な塩基性条件下で行われうる。適切な条件は、J.Harness and N. A.Hughes(Chem.Comm.1971,811)によって開示された条件を含む。この条件に は、ヨウ化ナトリウムと炭酸バリウムの使用が含まれる。 好ましくは、該反応は、アセトン若しくはジメチルホルムアミド(DMF)の ような溶媒中で行われる。DMFが好ましい。アリルチオカチオン中間体を脱ベ ンジル化するためにヨウ化ナトリウムを使用することも好ましい。トリエチルア ミンを他の塩基として使用することもできる。 R2が水素であり、R3aがOZ3であり、Wが−S−CH2−Arである式(V )の化合物は、当分野で公知の方法、例えばEP−A−0409575に開示さ れているような方法によってWが他の脱離基である式(V)の化合物に変換され うる。例えば、該化合物は、硫酸のような鉱酸の存在下で(任意に酢酸の存在下 で)無水酢酸のような適切なアシル化剤と反応しうる。これは、Wがアシロキシ (これは、ここで開示される反応に対して適切な脱離基である。)である化合物 を提供する。該アシロキシ基は、他の脱離基、例えばハロ基に公知の方法を用い て変換されうる。 式(VII)の化合物は、式(VIII)の化合物から製造されうる。 但し、Ar、Z3及びZ5は先に定義したとおりである。好ましくは、Z3 及びZ5はアシル基である。 式(VIII)の化合物の式(VII)の化合物への変換は、ピリジンのような塩基 性溶媒中において適切な、任意に置換されたアルキル−若しくはアリール−スル ホニルハライド、例えばメタンスルホニルクロライドと処理するというような標 準的な手順に従って行われる。他の適切なアルキル若しくはアリールスルホニル ハライドには、トリフルオロメタンス ルホニルクロライド及びp−トルエン−スルホニルクロリドが含まれる。 式(VIII)の化合物は、式(IX)の化合物から製造されうる。 但し、Ar、Z3及びZ5は先に定義したとおりであり、Mは、−S−CH2 −Ar基及びZ3及びZ5基をそのまま残す条件下で除去しうるヒドロキシル保 護基である。 好ましくは、M基は、式Ar1−CO−(但し、Ar1はAr基に対して先に定 義した何れの置換基で任意に置換されうるフェニル基である。)の基である。こ の基Mの除去は、標準の条件下、例えばアルカリ金属アルコキシド(例えばメタ ノール中のナトリウムメトキシド)のような塩基を用いて行われうる。 式(IX)の化合物は、式(X)の化合物の4−ヒドロキシ基の付随した反転( inversion)及び誘導化によって得ることができる。 但し、Ar、Z3およびZ5は先に定義したとおりである。 反転及び誘導化は、式(X)の化合物を、式Ar1−COOHの酸、例えば安息 香酸(又はこの反応性誘導体)(但し、Ar1は先に定義したとおりである。) のようなM基の誘導体と反応することによって行われうる。該反応は、典型的に は室温及び適切な極性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中で中性条件下で行 われる。好ましくは、光延反応を反転及び誘導化に使用しうる。この反応は、A r1COOHの酸と共に共反応剤としてジエチルアゾジカルボキシレート(DE AD)及びトリフェニルホスフィンを使用する。 式(X)の化合物は、式(XI)のグリコシド化合物から製造されうる。 但し、Z3及びZ5は先に定義したとおりであり、Rは、C1-4ヒドロカル ビル基、例えばC1-4アルキル基、 好ましくはメチル基のようなヒドロカルビル基である。 式(X)の化合物を、上昇された温度において酸性条件下でAr−CH2−S H(但し、Arは先に定義したとおりである。)と反応する。適切には、該反応 は、水溶液若しくは無水の形態でありうる塩酸の存在下で行われる。好ましくは 、上昇された温度は30℃から60℃、例えば40℃である。Arがフェニル基 でる場合は、Ar−CH2−SHはベンジルチオールである。 式(XI)の化合物は、式(XII)の化合物から製造されうる。 但し、Rは先に定義したとおりである。 式(XII)の化合物のヒドロキシル基は、通常の条件下でZ3及びZ5基の反応 性誘導体を用いて保護されうる。適切にはブロモ誘導体を使用しうる。従って、 Z3及びZ5がベンジル基である場合は、ベンジルブロマイドを使用しうる。反応 は、テトラヒドロフランのような有機溶媒中において、水素化ナトリウムのよう な適切な塩基、及びテトラブチルアンモニウムアイオダイドのような相間移動触 媒の存在下で行われる。 式(XII)の化合物は、2−デオキシ−L−リボースから標準的な方法で合成 されうる。該化合物は、M.J.Robins,T.A.Khwaja,R.K.Robins J.Org.Chem.,19 70,35(3)636に開示された方法で製造されうる。2−デオキシ−L−リボースを 酸の存在下に、式R−OH(但しRは先に定義したとおりである。)のアルコー ルと反応させる。塩酸が適切である。Rがメチル基である場合、アルコールR− OHはメタノールである。 2−デオキシ−L−リボースの式(XII)の化合物への変換では、少量のOR 基によって1−位が置換されている対応するピラノシド化合物も生じる。これは 、(XI)から(X)まで、(X)から(IX)まで、及び上述の引き続きの変換の 間、反応混合物中に残り、同様の反応を受けるであろう。これらの副生成物は、 従来の方法、例えばクロマトグラフィーによっていずれの都合の良い段階でも分 離することができる。 式(VIII)の化合物も、D.R.Williams et al,JACS(1990)112,4552によっ て開示された条件と類似の条件下で光延反応を用いて式(X)から直接に製造す ることができる。 化合物(VIII)はまた、式(XIII)の化合物を、 但し、R、Z3及びZ5は式(XI)に対して先に定義したとおりである。 式Ar−CH2−SH(ここでArは先に定義したとおりである。)の化合物と 反応することによって製造することもできる。該反応は、式(X)の化合物を製 造するために先に説明した条件と同様の条件を用いて行うことができる。該反応 は、酸、例えばHClのような無機酸、又はTiCl4のようなルイス酸の存在 下で行われる。TiCl4が好ましい。 Z3及びZ5基は好ましくはアシル基であり、特に好ましくはp−ニトロベンゾ イル基である。好ましい式Ar−CH2−SHの化合物はp−メトキシベンジル メルカプタンを含む。式(I)の化合物が、式(XIII)の化合物から式(VIII) の化合物を製造することを包含する合成経路を用いて製造される場合は、この置 換基は、望ましくはZ3及びZ5基がp−ニトロベンゾイルであることと関連して いることが好ましい。 式(XIII)の化合物は、式(XIV)の化合物から、光延反応を用いて3’及び 5’ヒドロキシ基を保護し、リボ−糖環の3−ヒドロキシルの反転を同時に行う ことによって調製されうる。 但し、Rは先に定義したとおりである。 式(XIV)の化合物は、式ZnOH(ただしZnはZ3及び/又はZ5である。)の 1以上の化合物と反応される。 望ましくは、Z3及びZ5は同じであり、単一化合物ZnOHが使用されうる。 Z3及びZ5が異なる必要がある場合は、ZnOHの化合物の要求される混合物を 用い所望の反応生成物を生じた反応混合物から単離する。 式ZnOHの好ましい化合物は、Znが先に説明したアシル基である化合物であ る。好ましくは、ZnOHはp−ニトロ安息香酸であるが、他の安息香酸も使用 しうる。 該反応は、ジエチルアジドジカルボキシレート又は好ましくはジイソプロピル アジドジカルボキシレートのようなアジドカルボキシレートの存在下で行われる 。反応の溶媒は、DMF、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、又はトルエン であり得る。トルエンが好ましい。該反応は室温で行われうる。 式(I)の化合物が式(XIV)の化合物から出発して製造される場合は、Z3及 びZ5は両方ともp−ニトロベンジルであることが好ましい。 式(XIV)の化合物は、2−デヒドロリボースから、例えば式(XII)の化合物 の調製に関連して先に説明したような当分野で公知の技術を用いて製造すること ができる。 式(I)の化合物はまた、式(III)の化合物を式(XV)の化合物と反応する ことによって製造しうる。 但し、Lは脱離基、例えばC1-4アルカノールオキシ(例えばアセトキシ )のようなアシロキシ基であり;P1は保護基若しくは水素であり、Zは方向付 けられた基(directing group)である。 適切な基P1には、P1Oがエーテル基、例えばシリルエーテル基(tertブチル ジフェニルシリルエーテル又はtertブチルジメチルシリルエーテルのようなもの )、直鎖、若しくは分岐鎖のアルキルエーテル基、環状エーテル基(テトラヒド ロフラン−2−イル エーテル)、又は任意に置換されたアリールエーテル基( ベンジルエーテル、トリチルエーテル若しくはベンズヒドリルエーテルのような もの)が含まれる。P1O基はエステル基であってもよい。例えば、この場合、 P1はQC=O(Qはアルキル(例えばメチル))であり、環状アルキル若しく は任意に置換されたアシルである。 適切な基Zには、スルフェニル基及びセレニル基が含まれる。好ましい基Zは フェニルセレニル基である。 式(XV)の化合物と式(III)の塩基との反応は、例えばノナフルオロブタン スルホン酸又はルイス酸、例えばスズ(VI)クロリド、第二水銀塩、又はトリメ チルシリルトリフレートの存在下で行われうる。該反応は、例えば0℃から 室温の温度で、アセトニトリル又はクロロアルカンのような適切な溶媒中で行わ れうる。 式(XV)の化合物と式(III)の化合物との反応に続いて、Z基を脱離させ、 R2及びR3が一緒になって炭素−炭素結合を形成した式(I)の化合物を得るこ とができる。保護基P1は、Z基の遊離の前でもまた後に除去してもよい。 Zがフェニルセレニルである場合は、硫黄を酸化することなくセレニウムを酸 化することができる酸化条件下、例えば−20℃でジクロロメタン中でm−クロ ロ過安息香酸によって処理することにより脱離されうる(Toru et al, Tet-rah edon Letters,1986,27;1583)。 R2及びR3が両方とも水素である式(I)の化合物は、還元条件下、例えば水 素化トリブチルスズ及びトリエチルボラン((XV)及び(III)の反応生成物か ら)でZ基を脱離することによって製造されうる(Nozaki et al,Tetrahedron Letters,1988,29;6125参照)。 関連物もEP−A−514036に従って製造されうる。該文献は、とりわけ D−配置を有する式(XV)の化合物の異性体からD−チオヌクレオシドを製造す ることが開示されている。この反応はEP−A−514036に開示されており 、その内容は、参照文献として本出願の一部をなし、式(I)の化合物の製造に 応用しうる。 式(XV)の化合物は、式(XVI)の化合物の標準的な条件下でのアシル化(例 えばピリジンと酢酸無水物)によって製造されうる。 ここでP1及びZは先に定義したとおりである。 式(XVI)の化合物は、例えば水素化ジイソブチルアルミニウムのような従来 の試薬を用いて、(XV)のカルボニル基を還元することによって式(XVII)の化 合物から製造されうる。 但し、P1及びZは先に定義したとおりである。 式(XVII)の化合物はEP−A−514036に開示された方法と類似の方法 で製造されうるが、この文献に開示されている(S)−(−)エナンチオマーに 代えてR−(+)−グリシドールから出発する。例13にも4−(R)−(tert −ブチル−ジフェニルシロキシ−メチル)−2−(S)−フェニルセレニル−4 −チオ−ブタのラクトンの製造が開示されており、当業者は、式(XVII)の他の 化合物を類似の方法で製造するために例13を参考にすることができる。 式(I)の化合物のα−又はβ−アノマーのβ−又はα− アノマーへのそれぞれのアノメリゼーションは公知の方法によって行われる。例 えば、Yamaguchi,T.and Saneyo-shi,M.,Chem.Pharm.Bill.32,1411-1450(19 84)vol.4参照。該方法も、強酸の存在下で無水物を用いて行われる。これは1 992年9月4日に提出されたバーミンガム大学の名義での英国特許出願921 8737.6に開示されている。 本発明は、以下の例によって例示される。 例A メチル3,5−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−L−エリスロペントシドの 製造 2−デオキシ−L−リボース(50g、373mmol)の乾燥メタノール(90 0ml)溶液へ、乾燥塩酸の1%メタノール(100ml)溶液を加えた。混合物を 留め金で止めたフラスコ(stoppered flask)中で30分保存した。この後、激 しく撹拌しながら炭酸銀(10g)を加えて停止した。害混合物を自然濾過し、 透明の濾液を関すロータリーエバポレーターを用いてシロップになるまでエバポ レートした。次に残ったメタノールを乾燥THFでエバポレートを繰り返すこと によって除去した。次にシロップを乾燥THF(470ml)に溶解した。乾燥窒 素雰囲気下、0℃で撹拌しながら、水素化ナトリウムの50%オイル分散物(3 9.4g、821mmol)を該THF混合物にゆっくり加えた。次に、乾燥ヨウ化 テトラブチルアンモニウム(30.3g、82.1mmol)を加え、次いで臭化ベ ンジル(140g、821mmol)(これは1時間かけて加えた。)を加えた。T HFを減圧下に除去し、残渣をジクロロメタンに溶解し、次いで氷/水にあけた 。ジクロロメタン溶液をこの混合物から抽出し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥 した。ジクロロメタンを減圧下にエバポレートし、残渣をシリカゲルカラム(ヘ キサン−酢酸エチル(4:1)を用いて溶出した。)にかけた。適切な画分を集 め、表題化合物のα及びβ異性体をシロップとして得た。 3,5−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−L−エリスロ−ペントースの製 ベンジルジチオアセタール 濃塩酸(150ml)をメチル3,5−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−L− エリスロペントシド(77.5g、236mmol)及びベンジルチオール(147 g、1.19mol)の撹拌された混合物に室温で加えた。次に温度を40℃に上 げ、混合物を18時間撹拌した。該混合物をクロロホルムに溶解し、氷/水にあ け、炭酸水素ナトリウムで中和し、クロロホルムで抽出した。該クロロホルム抽 出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、クロロホルムを減圧下にエバポレートした。 残渣をシリカゲルカラムにかけ、ヘキサン−酢酸エチル(4:1)で溶出し表題 化合物を得た。 4−O−ベンゾイル−3,5−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−D−エリス ロペントースジベンジルジチオアセタール 3,5−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−L−エリスロペントースジベンジ ルジチオアセタール(54.1g、99.3mmol)、トリフェニルホスフィン( 39.1g、149mmol)及び安息香酸(18.2g、149mmol)の乾燥TH F(800ml)溶液へ、DEAD(26.0g、149mmol)の乾燥THF(2 00ml)溶液を滴下し、室温で18時間撹拌した。THFを減圧下に除去し、残 渣をシリカゲルカラムにかけ、ヘキサン−酢酸エチル(85:15)で溶出した 。適切なフラクションを集め、表題化合物を得た。 3,5−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−D−スレオ−ペントースジベンジ ルジチオアセタール 4−O−ベンゾイル−3,5−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−D−スレオ −ぺントースジベンジルジチオアセタール(88.8g、137mmol)のジクロ ロメタン(500ml)溶液へナトリウムメトキシド(11.1g、206mmol) のメタノール(205ml)溶液を滴下し、0℃で撹拌した。反応混合物を3時間 かけて室温まで温めた。次に、害混合物をNaH2PO4の5%溶液にあけ、ジク ロロメタンで抽出した。次に、ジクロロメタン抽出物を炭酸水素ナトリウムの5 %溶液及び水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、エバポレートした。粗製 の表題化合物をシリカゲルカラムにかけ、ヘキサン酢酸エチル(4;1)で溶出 した。適切なフラクションを集め、表題化合物を得た。 3,5−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−4−O−メタン−スルホニル−D −スレオ−ペントースジベンジルジチオアセタールの製造 3,5−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−D−スレオ−ペントースジベンジ ルジチオアセタール(61.4g、113mmol)の乾燥ピリジン(700ml)溶 液へメタンスルホニルクロリド(19.4g、169mmol)の乾燥ピリジン(2 00ml)溶液を滴下し、0℃で攪拌した。混合物の温度を室温まで上げ、18時 間撹拌を続けた。次にピリジンを減圧下に除去し、残渣をジクロロメタンに溶解 した。次に、ジクロロメタン抽出物を順次2M塩酸、1M炭酸ナトリウム、 及び水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、エバポレートし、表題化合物を 得た。 3,5−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−1,4−ジチオ−L−エリスロ− ペントフラノシドの調製 3,5−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−D−4−O−メタンスルホニルD −スレオ−ペントースジベンジルジチオアセタール(29.4g、47.4mmol )、沃化ナトリウム(74.0g、494mmol)、炭酸バリウム(148g、7 50mmol)及び乾燥アセトン(1L)の懸濁液を42時間還流下に煮沸した。こ の時間の終わりに懸濁液を濾過し、固体をクロロホルムで洗浄した。濾液を、順 次水、チオ硫酸ナトリウム(5%)及び水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム) し、エバポレートした。得られた残渣をシリカゲルカラムにかけ、ヘキサン−酢 酸エチル(9:1)で溶出した。適切なフラクションを集め表題化合物を得た。 3’,5’−ジ−O−ベンジル−4’−チオ−L−チミジン及びそのα−アノ マーの調製 3,5−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−1,4−ジチオ−L−エリスロ− ペントフラノシド(22.5g、51.6mmol)、ビスTMSチミン(46g、 170mmol)、臭化第二水銀(20.5g、56.7mmol)、炭酸カドミウム( 29.3g、170mmol)及び乾燥トルエン(1L)の懸濁液を攪拌しながら2 4時間還流下に煮沸した。次に、熱い混合物を濾過し、固体をトルエンで洗浄し た。濾液をヨウ化カリウム溶液(30%)及び水で順次洗浄し、次いでエ バポレートした。残渣を4:1のメタノール−水に取り、30分攪拌し、懸濁液 を濾過し、濾液をエバポレートした。残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン−酢酸 エチル(1:1))にかけ、適切なフラクションを集め、表題化合物を得た。 β−4’−チオ−L−チミジンの調製 −78℃2冷却された乾燥ジクロロメタン(55ml)中の2M三塩化ホウ素へ β−3’,5’−ジ−O−ベンジル−4’−チオ−L−チミジン(1.6g、3 .7mmol)の乾燥ジクロロメタン(30ml)溶液を加えた。撹拌を−78℃で5 時間続けた。これに続いて1:1メタノール−ジクロロメタン溶液(200ml) を40分かけて滴下した。反応混合物を1時間かけて室温まで温め、溶媒を減圧 下に除去し、乾燥メタノールで共蒸発(coevaporate)させた(3×30ml)。 残渣をシリカゲルカラムにかけ、クロロホルム−メタノール(85:15)で溶 出し、表題化合物を得た。 2−デオキシ−1,4−ジチオ−3,5−ジ−O−p−トルオイル−L−エリ スロ−ペントルランシドの調製 −78℃に冷却された乾燥ジクロロメタン(150ml)中の2M三塩化ホウ素 溶液に、ベンジル−3,5−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−1,4−ジチオ −L−エリスロペントフラノシド(4.2g、10ml)の乾燥ジクロロメタン( 100ml)溶液を30分かけて滴下した。−78℃で5時間撹拌を続けた。これ に次に1:1メタノール−ジクロロメタン溶液(200ml)を40分かけて加え た。反応混合物を1時間かけて室温に温め、溶媒を減圧下に除去し乾燥 メタノールで共蒸発させた3×30ml)。粗生成物を乾燥ピリジン(25ml)に 溶解し、0℃に冷却し、p−トルオイルクロリド(4.6g、30mmol)の乾燥 ピリジン(25ml)溶液を攪拌しながら滴下した。ピリジンを減圧下に除去し、 残渣をクロロホルムで抽出し、該抽出物を順次2M塩酸、1M炭酸ナトリウム及 び水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、エバポレートした。残渣をシリカ ゲルカラムにかけ、ヘキサン−酢酸エチル(9:1)で溶出し、表題化合物を得 た。 E−5−(2−ブロモビニル−2’−デオキシ−4’−チオ−3’,5’−ジ −O−p−トルオイル−L−ウリジン及びそのα−アノマーの調製 ベンジル2−デオキシ−1,4−ジチオ−3,5−ジ−O−p−トルオイル− L−エリスロペントフラノシド(1.4g、2.8mmol)の四塩化炭素(15ml )溶液に臭素(0.49g、3.1mmol)の四塩化炭素(15ml)溶液を室温で 撹拌しながら加えた。5分後、該混合物を減圧下に濃縮し次いで四塩化炭素(5 ml)を加え、混合物をエバポレートし、過剰の臭素を除去した。このエバポレー ションの手順を四回繰り返した。得られたシロップ状の臭化物を次のステップに 直接使用した。 該臭化物の四塩化炭素(10ml)溶液にE−5−(2−ブロモビニル)ウラシ ルのビスTMS誘導体(1.7g、4.7mmol)の四塩化炭素(10ml)溶液を 加えた。該混合物が均一になるまで撹拌し、エバポレートし、残渣を1時間9 0から100℃で加熱した。冷却し、暗色の残渣を4:1メタノール−水(30 ml)に溶解し、該溶液を還流下に15分煮沸し、次いでエバポレートした。残渣 をクロロホルム(40ml)を用いて粉末にし(triturated)、分離された固体の 5−(2−ブロモビニル)ウラシルを濾別した。濾液を順次炭酸水素ナトリウム 水溶液及び水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、エバポレートした。残渣を シリカゲルカラムにかけ、ヘキサン−酢酸エチル(3:2)で溶出した。適切な フラクションを集め表題化合物を得た。 例1 E−5−(2−ブロモビニル)−2’−デオキシ−4’−チオ−β−L−ウリ ジンの製造 E−5−(2−ブロモビニル)−2’−デオキシ−4’−チオ−3’,5’− ジ−O−p−トルオイル−β−L−ウリジン(200mg、0.34mmol)をナト リウムメトキシドのメタノール溶液(7.5ml、0.1m)に溶解し、混合物を 22℃で24時間放置した。該溶液を、Dowex50イオン交換樹脂(H+型 )を注意深く添加してpH6まで中和した。樹脂を濾別し、メタノールで洗浄し 、濾液と洗浄液を白色の固体になるまでエバポレートした。これをシリカゲルカ ラムにかけ、クロロホルム−メタノール(9:1)で溶出した。適切なフラクシ ョンを集め、E−5−(2−ブロモビニル)−2’−デオキシ−4’−チオ−β −L−ウリジン を得た。これをメタノール−水から結晶化した。 例B 3’,5’−ジ−O−ベンジル−2’−デオキシ−5−ヨード−4’−チオ− L−ウリジン 臭化第二水銀(370mg;1.03mmol)及び炭酸カドミウム(480mg;2 .8mmol)を、湿気から保護されたベンジル3,5−ジ−O−ベンジル−2−デ オキシ−2−1,4−ジチオ−L−エリスロ−ペントフラノシド(436mg;1 .0mmol)の乾燥MeCM(3ml)撹拌溶液に加えた。5−ヨード−ビス−O− トリメチルシリルウラシル(3mmol)のMeCM(12ml)溶液をシリンジを通 して加えた。反応の進行を、該混合物を還流下に1時間加熱しながら、分析用の HPLCでモニターした。周囲温度まで冷却し、水(200μl)を加え、30 分撹拌した後、懸濁液を濾過した。濾液をエバポレートし、乾燥MeCMに再度 溶解し、沈殿した5−ヨードウラシルを濾過によって濾過した。濾液を、2.5 cm(1in.)Zorbax C8逆層カラムの分取用HPLCで、20分に渡るグラジェ ント[一定の0.2%トリフルオロ酢酸をを含有する0〜95%MeCM−水] を用い20ml min-1で精製した。30秒毎にフラクションを集めた。純粋な生 成物を含むフラクションを貯蔵した。 例2 2’−デオキシ−5−ヨード−4’−チオ−L−ウリジン 乾燥CH2Cl2(10ml+洗浄した2ml)に溶解した上 記生成物(240mg;0.44mmol)を撹拌されたBCl3の1MCH2Cl2溶 液(18ml、18mmol)に−78℃窒素下で30分かけて加えた。反応を分析用 HPLCで追跡した。−78℃で6時間後、MeOH−CH2Cl2(1:1、1 8ml)をゆっくり加え、該混合物を周囲温度まで温め、次いでエバポレートした 。残渣をMeOHから再度エバポレートし(3×)、MeOH−CHCl3(1 :1、15ml)にトリ、固体を濾過によって集め、生成物の所望のβ−アノマー を得た。 例3 2’−デオキシ−5−エチル−4’−チオ−L−ウリジン ベンジル3,5−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−1,4−ジチオ−D−エ リスロペントフラノシド(5.6mmol)をCCl4(30ml)に溶解し、臭素( 6.2mmol)のCCl4(30ml)溶液を加えた。5分周囲温度で撹拌した後、 溶媒をエバポレートし、残渣をCCl4(10ml)から再度エバポレートし、過 剰の臭素を除去した。この粗製の1−ブロモ−チオ糖のCCl4(15ml)溶液 へ、ビス−O−トリメチルシリル−5−エチルウラシル(16.6mmol)[5− エチルウラシル(16.6mmol)のヘキサメチルジシラザン(50ml)及びクロ ロトリメチルシラン(5ml)の混合物中で2時間還流し、溶媒をエバポレートす ることによって調製された。)、HgBr2(1.99g、5.5mmol)及びC dCO3(2.36g;16.6mmol)を加えた。溶 媒をエバポレートし、残渣を100℃で1時間加熱した。残渣をチミジン類似体 に対するのと同様に処理し、カラムクロマトグラフィーによって生成物を精製し た。ベンジルエーテル保護基を、5−ヨードアナローグで説明したようにBCl3 で処理することによって除去した。α、βアノマーを、MeCM.H2Oを溶出 液に用い分取用逆層HPLCで分離した。 例C 3’,5’−ジ−O−ベンジル−5−ブロモ−2’−デオキシ−β−4’−チ オ−L−ウリジン この化合物は、以下の修正法を用いて上記のヨード化合物と同様の方法によっ て製造した。 1.反応の全溶媒(MeCM)の容積を3mlとした。 2.CdCO3を用いなかった。 3.過剰量の5−ブロモ−ビス−O−トリメチルシリルウラシルを1.5モル 等量に減らした。 例4 5−ブロモ−2’−デオキシ−4’−チオ−L−ウリジン 例Cの化合物のBCl3脱保護をヨード化合物に対するのと同様に行った。 例D 1−アセトキシ−3,5−ジ−p−トルオイル−2−デオ キシ−4−チオ−L−エリスロペントフラノシド ベンジル3,5−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−1,4−ジチオ−L−エ リスロペントフラノシド(3.68g;8.76mmol)の乾燥CH2Cl2(20 ml)溶液を、撹拌されたBCl3の1MCH2Cl2溶液(125ml;0.125m ol)に78℃、N2下で滴下した。該混合物を−78℃で4.5時間撹拌し、次 いでMeOH−CH2Cl2(1:1、v/v)の混合物をゆっくり加えた。室温 まで温めた後、溶媒をエバポレートし、粗製のO−脱ベンジル化チオ糖を得た。 ゴム状物を0℃、窒素下で乾燥ピリジンに溶解し、p−トルオイルクロリド(3 .47ml;26.3mmol)溶液をゆっくり加えた。混合物を0℃で3時間撹拌し 次いで溶媒をエバポレートした。残渣をCH2Cl2に溶解し、2MHCl、1M Na2CO3及び水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、エバポレートした。残渣を、 EtOAc−ヘキサン(1:9、v/v)で溶出されるSiO2のフラッシュカ ラムクロマトグラフィーで精製し、ビス−トルオイルチオ糖誘導体を得た。生成 物を無水酢酸(16ml)に溶解し、0℃で撹拌した。濃H2SO4(8μl)を加 え、10分後に第二のアリコート(8μl)を加え、反応をTLCでモニターし た。更に55分撹拌した後、NaHCO3(100mg)を加え、20分後該混合 物を、NaHCO3を含有する氷−水に注意深くあけた。生成物をCH2Cl2で 抽出し、乾燥し、エバポレートした。残渣を、20〜25%EtOAc−ヘキサ ンを溶出液に用い、SiO2のフラッシュクロマトグラフィーで精製 した。 例5 2’−デオキシ−5−プロポ−1−イニル−4’−チオ−L−ウリジン 5−プロポ−1−イニルウラシル(0.112g;0.75mmol)をトリメチ ルシリルクロライド(1ml)を含むヘキサメチルジシラザン(3ml)中で固体が 溶解するまで(4時間)加熱した。溶媒をエバポレートし、残渣を乾燥MeCM (6ml)に溶解した。溶媒を、窒素下で、撹拌された上記チオ糖エステル(0. 2g、0.5mmol)のMeCM(10ml)溶液に0℃で加えた。トリメチルシリ ルトリフレート(0.096ml;0.5mmol)を加え、混合物を15分撹拌した 。該混合物をCH2Cl2(20ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液にあけ有 機層を分離した。水層を更にCH2Cl2で抽出し、有機層を合わせ、乾燥し、エ バポレートした。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーでEtOAc− ヘキサン(3.2、v/v)を用いて溶出し、僅かにプロピニルウラシルを不純 物として含むアノマー混合物として保護されたチオヌクレオシドを得た。このも の(0.206g;0.397mmol)を、NaOMe(0.021g;0.39 7mmol)を含有するMeOH(15ml)に溶解し、混合物を一夜周囲温度に保っ た。該溶液をDowex50(H+)イオン交換樹脂で中和し、濾過し、濾液を 乾燥するまでエバポレートした。該固体をエーテルで洗浄し(3 ×4ml)、熱アセトンで温浸し、所望の生成物を得た。MeOHを混合物に加え 固体を濾別し、β−アノマーを得た。 5−プロポ−1−イニルウラシルを、M.J.Robins et al(ibid)によって開示 された方法論と類似の方法論を用いて5−ヨードウラシルから得た。 例6 2’−デオキシ−5−クロロ−4’−チオ−L−ウリジン 5−クロロウラシルを出発物質として用いて、本化合物を、例5で示した方法 と同様の方法で製造した。5−クロロウラシルは商業的に入手可能である。本化 合物はを先に説明したように、HPLCで精製した。 例7 2’−デオキシ−5−トリフルオロメチル−4’−チオ−L−ウリジン 5−トリフルオロメチルウラシルを出発物質として用いて、本化合物を、例5 で示した方法と同様の方法で製造した。5−トリフルオロメチルウラシルは商業 的に入手可能である。本化合物のサンプルを、アセトンを用いて粗製の脱保護さ れたヌクレオシド混合物を粉末化し、濾過しエバポレートすることによって得た 。 例8 2’−デオキシ−5−エチニル−4’−チオ−L−ウリジン 5−エチニルウラシルを出発物質として用いて、本化合物を、例5で示した方 法と同様の方法で製造した。5−エチニルは、ウラシルは商業的に入手可能であ る。5−エチニルウラシルは、M.J.Robins et al(ibid)によって開示された方 法論と類似の方法論を用いて5−ヨードウラシルから調製されうる。 本化合物の純粋なβ−アノマーのサンプルは、粗製のアノマー混合物を、Me OHで煮沸し、生成物を濾別することによって得られる。 例9 2’−デオキシ−5−E−(2−ブロモビニル)−4’−チオ−L−シチジン 3,5−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−1,4−ジチオ−L−エリスロペ ントフラノース(4g;9.5mmol)の酢酸(50ml)及び無水酢酸(50ml) 溶液に濃硫酸(50μl)を加え、この今後物を周囲温度で30分撹拌した。該 混合物を、過剰の重炭酸ナトリウムNa2HCO3にあけ、CHCl3で抽出し、 抽出物をMgSO4で乾燥し、エバポレートした。残渣をシリカゲルカラムクロ マトグラフィー(TLC溶媒)で精製し、1’−アセトキシ−ジ−O−ベンジル チオ糖誘導体を得た。これは、直接に以下で使用した。 上記の誘導体(0.33g;0.89mmol)の乾燥CH2Cl2(3ml)溶液に 、0℃でSnCl4(0.33g;0.89mmol)の乾燥CH2Cl2(3ml)溶 液、及びE−5− (2−ブロモビニル)−2,4−ジメトキシピリミジン(0.218g;0.8 9mmol)の乾燥CH2Cl2(3ml)溶液を加えた。混合物を撹拌し、周囲温度ま で温め、更に4時間撹拌した。該混合物を水にあけ、飽和NaHCO3で洗浄し 、MgSO4で乾燥した。エバポレーション後に、残渣をSiO2でクロマトグラ フィーにかけ(トルエン−アセトン(9;1、v/v))、保護されたチオヌク レオシドのβ−アノマーを得た。これをMeOHから結晶化した。保護されたチ オヌクレオシドの上記のメトキシ誘導体は、NH3/MeOHに周囲温度で2日 間溶解することのによってシチジン類似体に変換される。生成物を、シリカゲル カラムクロマトグラフィー(CHCl3−MeOH(9:1、v/v))で単離 し、次いで上述したようにBCl3で直接に脱保護した。 例10 2’−デオキシ−5−プロピル−4’−チオ−L−ウリジン 2’−デオキシ−5−プロピニル−4’−チオ−L−ウリジン、β−アノマー (26mg)および5%Pd/C(40mg)のMeOH(80ml)溶液を水素気圧 下で45分撹拌した。この混合物を濾過し、エバポレートしてゴム状物を得た。 エーテル−ヘキサンで粉末化し、固体として生成物を得た。 例11 E−2’−デオキシ−5−(プロペン−1−イル)−4’−チオ−L−ウリジ (a)5−アリルウラシル ウラシル(1g;9mmol)を70℃で水(200ml)に溶解し、Hg(OAc )2(2.9g;9.1mmol)を加えた。この混合物を70℃で1週間撹拌した 。周囲温度まで冷却し、NaCl(1.5g)を加え、混合物を4時間撹拌した 。得られた濃密な5−クロロ水銀ウラシルの懸濁液を濾過し、固体を0.1MN aCl溶液で洗浄し、85℃で2日間減圧下に乾燥した。粗製の固体(1g;2 .9mmol)のMeCM(25ml)溶液にLi2PdCl4(0.76g)及び亜鉛 かアリル(2.9ml)を加え、混合物を周囲温度で1週間撹拌した。該懸濁液を 濾過し、濾液を乾燥するまでエバポレートした。残渣をMeOH(75ml)に溶 解し、H2Sガス処理し、黒色のHgSを濾過によって除き、濾液をエバポレー トして白色の固体を得た。所望の生成物をSiO2のフラッシュクロマトグラフ ィー(8%MeOH−CH2Cl2(v/v)で溶出)で単離した。 (b)5−(E−プロペン−1−イル)ウラシル 5−アリルウラシル(80mg;0.5mmol)の95%水性エタノール(50ml )溶液に(Ph3P)3RhCl(90mg;0.1mmol)を加え、該混合物を3日 間還流下に加熱した。溶媒をエバポレートし、生成物をSiO2のフラッシュカ ラムクロマトグラフィー(5%MeOH−CH2Cl2で溶出)で単離した。 (c)E−2’−デオキシ−5−(プロペン−1−イル)−4’−チオ−L− ウリジン 5−(E−プロペン−1−イル)ウラシル(110mg;0.78mmol)をビス −TMS−エーテルに変換し、保護されたチオ糖とカップリングし、5−プロピ ニルアナローグで説明したようにメトキシドで脱保護した。粗生成物をSiO2 のクロマトグラフィー(5%MeOH−CH2Cl2で溶出)によって精製した。 例11 5−(2−クロロエチル)−2’−デオキシ−4’−チオ−L−ウリジン 5−(2−クロロエチル)ウラシル(J.D.Fissekis & F.Sweet,J-Org.Chem. ,1973,28,264の方法によって調製した)(0.122g、0.7mmol)を、 ヘキサメチルジシラザン(3ml)及びクロロメチルシラン(0.1ml)に加えた 。該混合物を2時間還流下に加熱した。該混合物を乾燥するまでエバポレートし 、残渣に1−アセトキシ−3,5−ジ−O−p−トルオイル−2−デオキシ−4 −チオ−L−エリスロペントフラノシド(例D参照)(0.2g、0.46mmol )の乾燥ジクロロメタン(10ml)溶液を加え、該混合物を撹拌しながら0℃に 冷却し、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(0.1ml)を加え た。0℃で2時間撹拌した後、ジクロロメタン(30ml)を加え、反応を飽和重 炭酸ナトリウム溶液(20ml)でク エンチした。水層をジクロロメタン(2×25ml)で抽出し、合わせた有機層を 乾燥(Na2SO4)し、乾燥するまでエバポレートし、p−トルオイル保護され た形態で粗生成物を得た。この中間体(0.23g)を、ナトリウムメトキシド (0.9mmol)の乾燥メタノール(20ml)溶液を加え、該混合物を室温で一夜 撹拌した。溶媒をDowex50(H+)樹脂で中和し、樹脂を濾過し、メタノ ールで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせ、乾燥するまでエバポレートし、残渣を エーテルと水の間に分配し、有機層を水で再度抽出し、水層を合わせ、乾燥する までエバポレートした。残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、7%メ タノール/ジクロロメタンで溶出し、生成物を水から凍結乾燥して表題化合物を 得た。 例12 2’−デオキシ−5−ニトロ−4’−チオ−L−ウリジン 5−ニトロウラシル−2,4−ビス−トリメチルシリルエーテル[5−ニトロ ウラシル(118mg、0.75mmol)及びヘキサメチルジシラザン(3ml)−ク ロロトリメチルシラン(3滴)から、1時間還流]の乾燥CH2Cl2(6ml)溶 液を1−アセトキシ−3,5−ジ−p−トルオイル−2−デオキシ−4−チオ− L−エリスロペントフラノシド(200mg、0.5mmol)の乾燥CH2Cl2(1 0ml)溶液に加えた。撹拌された混合物を氷浴で冷却し、新たに蒸留したトリメ チルシリルトリフルオロメタンスルホネート(9 6μl)を加えた。0℃で30分後、該混合物を飽和NaHCO3液(50ml) にあけ、層を分離し、水層をCH2Cl2で抽出した。CH2Cl2層を合わせ、M gSO4で乾燥し、次いでエバポレートし、残渣をエーテルで粉末化し、粗製の 保護されたヌクレオシドを得た。脱保護を、ナトリウム(20mg)のメタノール (1ml)溶液を生成物(140mg)のメタノール(10ml)懸濁液に加えること によって行った。2時間後、該溶液をDawex50X8 H+で中和し、濾過 し、エバポレートした。残渣をエーテルで粉末化し、残渣をZorbax C8 の逆層でのHPLC(MeCM−H2O(1:9,v/v)で溶出)で精製した 。 例E E−5−(2−ブロモビニル)−ウラシル−5−ブロモ−2,4−ジメトキシ ピリミジンの製造 5−ブロモ−2,4−ジクロロピリミジン(16g;70.2mmol)[D.M.Mu lvey et al.J.Het.Chem.,1973,p79]の乾燥MeOH(55ml)溶液を撹拌さ れたナトリウム(3.23g;140.4mmol)のMeOH(55ml)溶液に0 ℃で30分かけてゆっくり加えた。氷浴を除去し、反応混合物を周囲温度で18 時間撹拌した。沈殿した塩を濾過によって除去し、濾液をエバポレートして油状 物を得た。これにNaOH水溶液(30ml;30%w/v)を加え、生成物を上 層として分離し、Et2Oで抽出した。有機抽出物をMgSO4で乾燥し、エバポ レートした。残渣 を、タノール(thanol)から結晶化し、生成物を無色のプレート状物として得た 。収率14.3g、93%、融点62〜63℃。マススペクトル、elm/z2 19(M+、11%)。 元素分析、実測値:C,33.20,H,3.26,Br 36.90,N,12.7% 計算値:C,32.90,H 3.33,Br 36.50,N 12.80% 5−ホルミル−2,4−ジメトキシピリミジン 1.6Mn−BuLiヘキサン溶液(48ml、73.6mmol)溶液を、−70 ℃乾燥N2下で、5分かけて撹拌された5−ブロモ−2,4−ジメトキシピリミ ジン(16g;72.9mmol)の乾燥Et2O(240ml)懸濁液に加えた。乾 燥蟻酸エチル(28g;377mmol)を加えオレンジ色の溶液を−70℃で1時 間撹拌し、周囲温度までゆっくり温めた。水(400ml)を加え、水層を分離し 、Et2Oで抽出した(3×200ml)。エーテル層を抽出物に合わせ、MgS O4で乾燥し、濾過し、エバポレートした。残渣を、シリカゲルに予め導入し、 EtOAc−ヘキサン(3:7、v/v)で溶出することによりカラムクロマト グラフィーで精製した。生成物のフラクションを合わせ、エバポレートし、白色 の細かい針状晶を得た。収量6.89g(56%)。 質量スペクトル m/z 169(M+1)+ 元素分析 実測値:C,50.1;H,4.5;N,16.9%; C7H8N2O3計算値 C,50.00;H,4.79;N,16.66% E−5−(2−カルボビニル)−2,4−ジメトキシピリミジン マロン酸(13.03g;126.2mmol)及び再蒸留したピペリジン(2ml )を5−ホルミル−2,4−ジメトキシピリミジン(10.52g;6.2.6 mmol)の乾燥ピリジン(60ml)溶液に加えた。混合物を10時間スチームバス で加熱し、次いで溶媒を減圧下に蒸留によって除去した。残ったオイルを水から 再蒸発させ(3×25ml)これによって得られた固体をまず水から再結晶し、次 いで乾燥メタノールから再結晶して白色針状晶として生成物を得た。収量6.4 5g;第二のクロップ(crop)を濾液から得た(1.08g)。全収量7.53 g(57%)。 質量分析:(El)m/z 210(M+)。 元素分析 実測値:C,52.1;H,4.8;N,13.1% C9H10N2O4計算値:C,52.43;H,4.79;N,13.33% E−5−(2−ブロモビニル)−2,4−ジメチルピリミジン E−5−(2−カルボビニル)−2,4−ジメトキシピリミジン(0.300 g;1,43mmol)の乾燥DMF(5ml)溶液へK2CO3(0.45g;5.2 5mmol)を加えた。周囲温度で15分撹拌した後、N−ブロモスクシンイミド( 0.258g;1.45mmol)の乾燥DMF(4ml)溶液を10分かけて滴下し た。該懸濁液を迅速に濾過し、固体をDMFで洗浄し、濾液を高真空でエバポレ ートした。固体残渣をシリカゲルに予め導入し、EtOAc−ヘキサン(7 :3、v/v)で溶出することによりカラムクロマトグラフィーで精製した。生 成物のフラクションをプールし(pooled)、エバポレートして細かい白色結晶を 得た。収量0.561g(45%)。 FABマススペクトル:m/z 247(M+H)+ 元素分析 実測値:C,39.9;H,3.6;N,11.5% C8H9BrN2O2計算値C,40.20;H,3.70;N,11.43% E−5−(2−ブロモビニル)ウラシル E−5−(2−ブロモビニル)−2,4−ジメトキシピリミジン(2.45g ;10mmol)のAcOH(10ml)溶液へNaI(3.3g;2.2eq.;22m mol)を加え、溶液を3時間還流下に加熱した。該熱混合物を濾過し、水(15m l)で希釈した。冷却後、沈殿生成物を濾別視、アセトン(50ml)及びエーテ ル(20ml)で洗浄し、乾燥して淡い黄色の粉末(1.40g、65%)を得た 。 Mp>320℃; 60MHz 1NMR、DMSO-6d、δ:7.60(s,1H,H-6);7.30(d,1H,J=13 Hz,ビニ ルH); 6.80(d,1H,J=13 Hz,ビニルH)。 例13 (A)一般的実験手段 4−ジメチルアミノピリジン及び乾燥テトラヒドロフラン(thf)(これら は、Fluka,Glossop,U.K.から購入した。)を除き、試薬(R−(+)グリシド ール、tert− ブチルクロロジフェニルシラン、フェニルセレニルブロマイド、シトシン及び5 −フルオロシトシンを含む)を、Aldrich Chemical Company,Gillingham,Dors et,U.K.から購入した。ジメチルマロネートを乾燥し、塩化カルシウムから蒸留 たした。アセトニトリルを同様に水素化カルシウム上で処理した。他の全ての溶 媒を、適切な場合にはモレキュラーシーブ上で保存した。ペトロール(Petrol) は40から60℃の間で集められた留分を意味する。有機溶液は無水硫酸マグネ シウムで乾燥された。 (R)−tert−ブチル−ジフェニルシリルグリシドール 窒素下0℃に冷却されたtert−ブチルクロロジフェニルシラン(19.5g、 70.9mmol)、イミダゾール(4.82g、70.9mmol)及び4−ジメチル アミノピリジン(0.41g、3.3mmol)のジクロロメタン(150ml)の溶 液へR−(+)グリシドール(5.0g、67.5mmol)の40mlジクロロメタ ン溶液を滴下した。反応は2.5時間後に完結した。溶液を水で洗浄し、逆抽出 物(back extraction)を合わせ、次いで氷冷1NHCl(×2)、水及び食塩 水で洗浄した。乾燥後、溶液をエバポレートし、次の試薬で直接に処理した。1 H NMRスペクトル(CDCl3)δH,1.05(9H,s,CMe3),2.60 and 2.75(ea 1H ,dd,H-3),3.10(1H,m,H-2),3.70 and 3.85(ea 1H,dd,H-1),7.40 t o 7.70(10H,m,Ar-H). (S)−(tert−ブチル−ジフェニルシリルオキシ−メ チル)チイラン 粗製の(R)−シリルグリシドール(67.5mmol)を300mlのメタノール に溶解し、これにチオ尿素(5.13g、67.5mmol)を一時に加えた。溶液 を14時間撹拌した後、溶媒をエバポレートした。残渣をエーテルに取り、水( ×2)及び食塩水で洗浄し、ついで乾燥し、エバポレートした。残渣をニート( neat)のペトロールで溶出するフラッシュカラムで精製し、流動性のオイルとし て純粋なチイランを得た。1 H NMRスペクトル(CDCl3)δH,1.05(9H,s,CMe3),2.10 and 2.45(ea 1H ,dd,H-3),3.05(1H,m,H-2),3.55 and 3.95(ea 1H,dd,H-1),7.40 t o 7.70(10H,m,Ar-H). CDスペクトル(ヘキサン)261(+6.9)nm. 2−(R/S)−カルボキシメチル−4−(R)−(tert−ブチル−ジフェニ ルシリルオキシ−メチル)−4−チオ−ブタノラクトン ジメチルマロネート(6.6g、50.1mmol)の75ml乾燥thf溶液をナ トリウムビス(トリメチルシリル)アミド(50.1mmol)の250mlthf溶 液へ室温で滴下した。滴下が完了したら、(S)−チイラン(13.7g、41 .8mmol)の400mlthf溶液をを一度に加え、溶液を80時間還流した。冷 却して、溶液の容積を減少させ、残渣をエーテル及び飽和塩化アンモニウムの間 に分配した。第二の抽出物を合わせ水、次いで食塩水で洗浄し、更に乾燥 してエバポレートした。残渣をシリカゲルカラムにかけ、10〜30%エタノー ル/ペトロールのグラジェントで溶出し、所望のカルボキシメチルラクトンを無 色の油状物として得た。1 H NMRスペクトル(CDCl3)δH,1.05(9H,s,CMe3),2.30 and 2.70(3H,m ,H-2/3),3.60 to 4.10(3H,m,H-4/5),3.75(3H,s,OMe),7.40 to 7.7 0(10H,m,Ar-H). マススペクトル(m/z)(FAB+)429(M+H+,25%). 4−(R)−(tert−ブチル−ジフェニルシロキシメチル)−4−チオーブタ ノラクトン カルボキシメチルラクトンを75mlのジメチルスルホキシドに溶解し、これに 20滴の食塩水を加えた。170℃で2時間後反応は完結した。冷却後、反応溶 液を予め詰めておいたシリカカラムに直接移し、ラクトンをペトロール中の30 %エタノールで溶出し、エバポレートして無色のオイルを得た。1 H NMRスペクトル(CDCl3)δH,1.05(9H,s,CMe3),2.05 to2.55(4H,m,H -2/3),3.80(2H,m,H-5),4.05(1H,m,H-4),7.40 to 7.70(10H,m,Ar -H). 質量スペクトル(m/z)(FAB+)371(M+H+,5%),313(M+H-CMe3,80). CD スペクトル(EtOH)231(-1.2)nm ミクロ分析、実測値:C,67.73;H,6.94; C21H26O2SSi計算値C,68.06;H,7.07%. 4−(R)−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ−メチル)−2−(S) −フェニルセレニル−4−チオブタノラクトン ラクトン(5.25g、14.2mmol)の45ml乾燥thf溶液をリチウムビ ス(トリメチルシリル)アミドの1Mthf溶液(15.6ml)を−78℃窒素 下で滴下した(この温度を反応の間維持した。)。この溶液を添加が完了してか ら1時間撹拌し、次いで一度にトリメチルシリルクロライド(1.69g、15 .6mmol)を加え、2時間撹拌した。この時点で、フェニルセレニルブロマイド (3.68g、15.6mmol)の60mlthf溶液をゆっくり加えた。反応物を 更に二時間撹拌し、次いで室温まで温めた。混合物を水にあけ、これを3回エー テルで抽出した。これらのフラクションを合わせ2回食塩水で洗浄し、乾燥して エバポレートした。得られたシロップを0〜10%エーテル/ペトロールグラジ ェントを用いて、フラッシュ(flash)カラムで溶出し精製し、所望の2−(S )−フェニルセレニルラクトンをえた。このものは、反応の間に形成される少量 の2−(R)−エピマーを含んでいない。1 H NMRスペクトル(CDCl3)δH 1.05(9H,s,CMe3),2.35(2H,m,H-3),3. 75-3.85(4H,m,H-2/4/5),7.30 to 7.65(15H,m,Ar-H). 質量スペクトル (m/z)(FAB+)526(M+H+,10%). 1−O−アセトキシ−5−tert−ブチル−ジフェニルシリルオキシ−2,3− ジデオキシ−2−フェニルセレニル− 4−チオーアルフア/−L−リボフラノース ラクトン(7.5mmol)をジイソブチルアルミニウムハイドライド(7.9mm ol)の100ml乾燥トルエン中−78℃で3時間還元し、この後100mlの飽和 塩化アンモニウムを用い、1時間激しく撹拌して反応をクエンチした。ハイフロ ーパッド(hyflo pad)を通して濾過した後、有機層を分離し、二回食塩水で洗 浄し、乾燥し、エバポレートした。粗製のラクトンを200mlのジクロロメタン に溶解し、ジメチルアミノピリジン(1.0g、8.25mmol)及び無水酢酸( 0.84g、8.25mmol)で処理した。反応は、室温2時間で完結した。次に 溶液を水、硫酸銅、水更に食塩水で洗浄し、乾燥してエバポレートした。精製を 短いフラッシュカラムで行った。1 H NMRスペクトル(CDCl3)δH1.00 and 1.05(9H,s,CMe3),1.95 and 2.10 (3H,2s,CH3CO),2.30 to 2.70(2H,m,H-3),3.45 to 3.95(4H,m,H-2/ 4/5),6.10 and 6.15(1H,2d,H-1),7.40 to 7.70(15H,m,Ar-H). (B)シトシンと1’−O−アセトキシ−2’−フェニルセレニル−4’−チ オ−リボシドとのグリコシル化の一般方法 1’−O−アセトキシ−2’−セレニル−4’−チオ−リボシド(2.0mmol )を20mlのアセトニトリルに窒素下で溶解した。これに、シトシン(3.0mm ol)、次いでノ ナフルオロブタン−1−スルホン酸カリウム(6.3mmol)、ヘキサメチルジシ ラザン(2.0mmol)及びトリメチルシリルクロライド(9.0mmol)をそれぞ れ一度に加えた。次にこの懸濁液を室温で14時間激しく撹拌し、飽和重炭酸ナ トリウム水溶液にあけ、該混合物を50mlのジクロロメタンで3回抽出した。有 機フラクションを集め、食塩水で2回洗浄し、乾燥し、エバポレートし、次いで フラッシュシリカカラム(メタノール/クロロホルム/アンモニア(7:92. 1)で溶出)で精製した。この精製によって単一の所望のジアステレオマーを白 色の発泡体として得た。これは、反応中に形成される少量の他のジアステレオマ ーを含まない。 5’−O−(tert−ブチル−ジフェニルシリル)−23’−ジデオキシ−2’ −フェニルセレニル−4’−チオ−β−L−シチジン 1H NMRスペクトル(CDCl3)δH,1.05(9H,s,CMe3),2.15 and 2.35(ea 1 H,m,H-3’),3.80(4H,m,H-2’/4’/5’),5.30(1H,d,H-5),6.40(1 H,d,A-H-1’)7.25 to 7.75(1δH,m,Ar-H),7.85(1H,d,H-6). 5’−O−(tert−ブチル−ジフェニルシリル)−23’−ジデオキシ−5− フルオロ−2’−フェニルセレニル−4’−チオ−β−L−シチジン 1 H NMRスペクトル(CDCl3)δH,1.05(9H,s,CMe3),2.15 and 2.35(ea 1H ,m,H-3’),3.70(4H,m,H-2’/4’/5’),6.35(1H,dd,H-1’),7.25 to 7.75(16H,m,Ar-H,H-6). (C)フェニルセレニル官能基の脱離による酸化的除去の一般的方法 2’−セレニルヌクレオシドを乾燥ジクロロメタンに溶解し、窒素下で−20 ℃に冷却した。これに等量のメタクロロ過安息香酸を一度に加え、該温度を反応 の間(45分)維持した。次に、5等量のピリジンを加え、1時間かけて室温に 温めた。ジクロロメタンで希釈した後、該溶液を、水、硫酸銅(×2)重炭酸ナ トリウム(×2)、水、食塩水で順次洗浄し、次いで乾燥し、エバポレートした 。フラッシュカラム(メタノール/クロロホルム/アンモニア(7:92:1) で溶出)で精製を行った。 5’−O−(tert−ブチル−ジフェニルシリル)−2’3’−ジデヒドロ−2 ’,3’−ジデオキシ−4’−チオ−β−L−シチジン 1 H NMRスペクトル(CDCl3)δH,1.05(9H,s,CMe3),3.85(2H,m,H-5’) ,4.40(1H,m,H-4’),5.30(1H,d,H-5),5.80 and 6.20(それぞれ1H,m ,H-2’/3’),7.20(1H,dd,H-1’),7.35 to 7.70(10H,m,Ar-H),7.50 (1-H,d,H6). 5’−O−(tert−ブチルジフェニルシリル)−2’,3’−ジデヒドロ−2 ’,3’−ジデオキシ−5−フルオロ−4’−チオ−β−L−シチジン 1 H NMRスペクトル(CDCl3)δH,1.05(9H,s,CMe3), 3.80(2H,m,H-5’),4.40(1H,m,H-4’),5.75 and 6.25(ぞれぞれ1H,m ,H-2’/3’),7.15(1H,dd,H-1’),7.35 to 7.70(11H,m,Ar-H,H-6) . (D)ヌクレオシドの脱シリル化の一般的方法 シリルエーテルをthf溶液中においてテトラメチルアンモニウムフルオライ ド(1.1等量)と室温で1時間撹拌した。このときtlc[メタノール/クロ ロホルム/アンモニア(7:92:1)1で反応が完結したことが示された。シ リカゲルを補の混合物に加え、溶媒をエバポレートし、予め吸着された混合物を 短いシリカカラム上に置いた。このカラムをtlc溶媒系を基にしてグラジェン トで溶出した。所望の生成物をエタノールから結晶化するか、又は凍結乾燥した 。 (i)2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−4’−チオ−β−L −シチジン 1 H NMRスペクトル(DMSO-d6)δH,3.60(2H,m,H-5’),4.30(1H,m,H-4’ ),5.15(1H,brt,OH),5.75(1H,d,H-5),5.85 and 6.30(それぞれ1H, dt,H-2’/3’),6.85(1H,dd,H-1’),7.30(2H,brd,NH2),7.65(1H, d,H-6). 赤外吸収スペクトルνmax(KBr disc)3344,3199,1649,1607,1526,1499cm- 1 マススペクトル(m/z)(FAB+)226(M+H+,20%). ミクロ分析、実測値:C,45.42,H,4.70;N,17.33; C9H11O2N3SF.O.14CHCl3 計算値 C,45.41;H,4.64, N,17.39%. CDスペクトル(H2O)275(+1.70),231(-6.41),213(+4.20)nm. (ii)2’,3’−ワデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロ−4’ −チオ−β−L−シチジン 1 H NMRスペクトル(DMSO-d6)δH,3.65(2H,m,H5’),4.35(1H,m,H-4’ ),5.20(1H,t,OH),5.85 and 6.25(それぞれ1H,dt,H-2’/3’),6.85 (1H,m,H-1’),7.65(2H,brd,NH2),7.95(1H,d,H-6). 赤外吸収スペクトル(KBr disc)3351,3186,1682,1647,1607,1508cm-1 マススペクトル(m/z)(FAB+)243(M+,65%). ミクロ分析,実測値:C,43.01,H,4.26;N,16.34;C9H10O2N3S.O.53H2O 計算 値 C,42.79;H,4.41,N,16.63%. CDスペクトル(EtOH)288(+7.62),239(-3.86),214(+5.85)nm. 例14 メチル 2−デオキシ−3,5−ジ−O−(p−ニトロベンゾイル)−D−ス レオ−ペントシド メチル 2−デオキシ−D−エリスロ−ペントシド(1.2g、8.1L)及 び取りフェニルホスフイン(8.5g、32.4mmol)の乾燥トルエン(160 ml)の冷(0℃) 撹拌溶液に、窒素下でp−ニトロ安息香酸の乾燥トルエン(30ml)溶液を加え 、次いでジイソプロピルアゾジカルボキシレート(6.4ml、32.4mmol)を 加えた。反応混合物を室温まで温め、6時間撹拌した後、固体を濾過し、濾液を エバポレートし、残渣をトルエン(100ml)に再懸濁し、沈殿を濾過し、濾液 を乾燥するまでエバポレートし、残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル ヘキサン(3;7、2.3及び1:1)、酢酸エチル/トルエン(3.7)及 びメタノール/ジクロロメタン(1:99)で溶出)で精製し、表題化合物を得 た。1 NMR:(’H)δ(CDCl3):8.4-8.1(8H,m,芳香族),5.85(1H,m,H-3), 5.3(0.64H,dd,H-1,α-アノマー),5.2(0.36H,dd,H-1,β anomer),4. 75-4.55(3H,m,H-4,H-5),3.48(3H,s,OMe),3.43(3H,s,OMe),2.65 -2.25(2H,m,H-2). マススペクトル FAB 447(H+1);NBA マトリクッス 2−デオキシ−3,5−ジ−O−(p−ニトロベンゾイル)−D−スレオペン トース ジ−(p−メトキシベンジル)ジチオアセタール メチル 2−デオキシ−3,5−ジ−O−(p−ニトロベンゾイル)−D−ス レオペントシド(218mg、0.488mmol)の乾燥トルエン(40ml)撹拌溶 液にp−メトキシベンジルメルカプタン(218μl;2.44mmol)、 次いで四塩化チタン(54μl、0.488mmol)をN2下室温で加えた。20 分後、反応混合物をNaHCO3(100ml)でクエンチし、エーテル(3×4 0ml)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(Na2SO4)、乾燥するまでエバ ポレートし、残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン(1:4 〜2:3)で溶出)で精製し、表題化合物を得た。 NMRスペクトル(’H)δ(CDCl3):8.32-7.9(8H,m,芳香族),7.2-7(4H,d d,芳香族),6.8-6.55(4H,dd,芳香族),5.52(1H,m,H-3),4.35(2H,m ,H-5),3.95(1H,m,H-4),3.85-3.6(10H,m,PhCH2 S,OMe),3.52(1H, m,H-1),2.5-2.1(2H,m,H-2). マススペクトル FAB-723(M+1)NBA-マトリクッス 2−デオキシ−3,5−ジ−O−(p−ニトロベンゾイル)−4−O−メタン スルホニル−D−スレオペントース−ジ−(p−メトキシベンジル)ジチオアセ タール 冷却(0℃)され、撹拌された2−デオキシ−3,5−ジ−O−(p−ニトロ ベンゾイル)−D−スレオペントース−ジ−(p−メトキシベンジル)ジチオア セタール(1.45g、2mmol)の乾燥ピリジン(20ml)溶液へメタンスルホ ニルクロライド(188μl、2.44mmol)をN2下で加えた。室温で5時間 撹拌した後、該反応混合物を水でクエンチし、溶媒を乾燥するまで高真空下でエ バポレートし、残渣をジクロロメタン/水(100ml/75ml)間に分配し た。水層を更にジクロロメタン(3×50ml)で抽出し、有機層を合わせ、乾燥 (Na2SO4)し、乾燥するまでエバポレートした。残ったピリジンをエタノー ルで共蒸発させ(2×50ml)、表題化合物を得た。 NMRスペクトル H)δ(CDCl3):8.4-7.9(8H,m,芳香族),7.3-7(4H,dd,芳香族),6.8-6 .5(4H,dd,芳香族),5.3(1H,m,H-3),5.0(1H,m,H-4),4.65-4.5(1H ,m,H-5),4.45-4.3(1H,m,H-5),3.9-3.6(10H,m,PHCH 2S,OMe),3.55 (1H,dd,H-1),3.0(3H,s,OMs),2.5-2(2H,m,H-2). p−メトキシベンジル−2−デオキシ−3,5−ジ−O−(p−ニトロベンゾ イル)−1,4−ジチオ−L−エリスロペントフラノース 2−デオキシ−3,5−ジ−O−(p−ニトロベンゾイル)−4−O−メタン スルホニル−D−エリスロペントース−ジ−(p−メトキシベンジル)ジチオア セタール(1.46g、1.82mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(40ml) 撹拌溶液へトリエチルアミン(381μl、2.73mmol)、次いでヨウ化ナト リウム(2.2g)14.6mmol)をN2下室温で加えた。20分100℃で撹 拌した後、反応混合物を水でクエンチし、高真空下で溶媒を乾燥するまでエバポ レートし、残渣をジクロロメタン及び水の間に分配した。有機層を水(2×30 ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、乾燥するまでエバポレートし、残渣をカ ラムクロマトグラフ ィー(酢酸エチル/ヘキサン(3;7)で溶出)で精製し、表題化合物(5)を 得た。 NMRスペクトル (H)δ(CDCl3):8.3-8.1(8H,m,芳香族),7.35-7.2(2H,d,芳香族) ,6.9-6.8(2H,d,芳香族),5.8(1H,m,H-3),4.65-4.4(3H,m,H-1,H-5 ),4-3.75(6H,m,H-4,PhCH 2S,OMe),2.7-2.3(2H,m,H-2). 2’−デオキシ−3’,5’−ジ−O−(p−ニトロベンゾイル)−5−フル オロ−4’−チオ−L−1,B−シチジン 5−フルオロシトシン(42mg、0.324mmol)及び(トリメチリリル)− アセトアミド(133μl、0.43mmol)の乾燥アセトニトリル(15ml)混 合物をN2下80℃で撹拌した。1時間後、溶液を室温まで冷却し、これにp− メトキシベンジル−2−デオキシ−3,5−ジ−O−(p−ニトロベンゾイル− 1,4−ジチオ−L−エリスロペントフラノース(158mg、0.27mmol)の 乾燥アセトニトリル(10ml)溶液を滴下し、次いでN−ヨードスクシンイミド (61mg、0.27mmol)の乾燥アセトニトリル(5ml)及びトリメチルシリル トリフルオロメタンスルホネート(52μl、0.27mmol)を滴下した。2時 間室温で撹拌した後、TLC(酢酸エチル/ヘキサン(3.7)によって出発物 質の存在が示された。更なる量のN−ヨードスクシンイミド(6mg、0.027 mmol)を加え、一夜撹 拌した後、反応混合物をジクロロメタン(30ml)で希釈し、10%NaHCO3 (30ml)でクエンチし、該混合物へ、チオ硫酸ナトリウム溶液(30ml)を 加えた。有機層を分離し、水層を更にジクロロメタンで抽出し(2×30ml)、 有機層を合わせ、水で洗浄(3×20ml)し、乾燥(Na2SO4)し、乾燥する までエバポレートした。得られた残渣を、カラムクロマトグラフィー(メタノー ル/ジクロロメタン(1:9)で溶出)で精製し、表題化合物(6)をα:β= 1.8:1アノマー混合物として得た。 NMRスペクトル (’H)δ(d6DMSO):8.45-8(9H,m,芳香族,H-6),7.9-7.5(2H,m,NH2) ,6.45(0.35H,t,H-1’,βアノマー),6.25(0.65H,m,H-1’,α アノマ ー),5.9-5.65(1H,m,H-3’),4.8-4.5(2H m,H-5),3.65(1H,m,H-4’ ),32.5(2H,m,H-2’). 2’−デオキシ−5−フルオロ−4’−チオ−L−α−シチジン 2’−デオキシ−3’,5’−ジ−O−(p−ニトロベンゾイル)−5−フル オロ−4’−チオ−L−α,β−シチジン(55.6mg、0.01mmol)の撹拌 溶液にナトリウムメトキシドの30%w/vメタノール溶液(360μl、0. 198mmol)をN2下室温で加えた。3時間後、メタノール/ジクロロメタン( 3:17)でのTLCで生成物と出発物の存在が示された。反応混合物を「Do wex」50W−X8(H)でpH7に中和し、濾過し、メタノールで洗浄し、 乾燥するまでエバポレートした。残渣をカラムクロマトグラフィー(メタノール /ジクロロメタン(3:17及び1:4)で溶出)で精製し、生成物の最初のバ ッチを得た。回収された出発物質を、ナトリウムメトキシドの30%w/vメタ ノール溶液(180μl;0.09mmol)で脱保護し、上述のように後処理した 。生成物を合わせ、HPLC(ZORBAXC8、0.1MNH4OAcpH4.0に関 して10%H2O/ACNのO−35%20分グラジェントを使用)で精製し、 表題化合物(7)をα:β=1.2アノマー混合物として得た。 NMRスペクトル (’4)δ(d4-MeOH)8.5(0.35H,d,H-6,α−アノマー),8.4(0.65H,d,H -6,β−アノマー),6.35(0.65H,m,H-1’,β−アノマー),6.25(0.35H, m,H-1’,α−アノマー),4.6-4.35(1H,m,H-3’),3.8-3.4(3H,m,H-4 ’,H-5’),2.6-2.0(2H,m,H-2’). マススペクトル E170 MI=261 生物学的データ a)抗HSV活性 ヘルペスシンプレックスウイルスタイプ1(HVS1)及び2(HSV2)を 複数ウェルトレー中のベロー細胞(Ve-ro cell)の単層でアッセイした。使用し たウイルス系は、HSV−1及びHSV−2に対してそれぞれSC16及び1 86であった。化合物の活性は、プラークの減少アッセイで決定された。この方 法では、細胞単層を、適切なHSVの懸濁液で感染させ、次いで、培養物全体に ウイルスが広がらないようにするために栄養性アガロース(nutrient agaro-se )をゲルの状態で塗った。一連の公知のモル濃度の化合物は、栄養性アガロース 塗布物(overlay)に含まれる。それぞれの濃度でのプラーク数は、対照に関す るパーセンテージとして表され、投与量応答曲線が描かれた。b)抗CMV活性 ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)を、複数ウェルトレー中のMRC5細 胞(ヒト胚芽肺)の単層でアッセイした。標準のCMV系AD169を使用した 。化合物の活性は、プラークの減少アッセイで決定した。この方法では、細胞単 層をHCMVの懸濁液で感染させ、次いで、培養物全体にウイルスが広がらない ようにするために栄養性アガロースをゲルの形態で塗った。一連の公知のモル濃 度の化合物は、栄養性アガロース塗布物(overlay)に含まれる。薬剤のそれぞ れの濃度でのプラーク数は、対照に関するパーセンテージとして表され、投与量 応答曲線が描かれた。c)抗VZV活性 水痘−帯状庖疹ウイルス(VZV)の臨床単離物をMRC−5細胞の単層でア ッセイした。MRC−5細胞は、ヒト胚芽肺組織から誘導される。プラークの減 少のアッセイが使用 され、このアッセイでは、ウイルスストックの懸濁液を、複数ウェルトレーの単 層に感染させるために使用した。公知のモル濃度の試験下では、所定の濃度範囲 の化合物をウェルに添加した。各々の濃度でのプラーク数は、対照に関するパー センテージとして表され、投与量応答曲線が描かれた。これらの曲線から、夫々 の薬剤の50%阻害濃度を決定した。 d)HBVアッセイ(方法1) 材料 ウイルス/細胞 使用された細胞系は、肝芽細胞腫細胞系、Hep G2から誘導され、これにB型肝 炎ウイルスゲノム、サブタイプaywの4つの5’−3’タンデムコピーを含有 するプラスミドを形質移入し、2:2:15にデザインされた細胞系を作成した (Sells et al PNAS 84 1005-1009,1987)。これらの細胞は、染色体に取り込 まれる配列及びエピソームにに取り込まれる配列としてHeP B DNAを運 ぶ。この細胞は基本的に少量のウイルス粒子を産生する。より多くのウイルスを 産生するクローンP5Aは、アッセイに使用するための2.2.15細胞から得 られる。 培地 細胞を、0.5%のペニシリンとストレプトマイシン、2mML−グルタミン及 び10%胎児ウシ血清を含有するRPMl1640中で育成した。 方法 アッセイを24ウェルプレートで行った。このプレートに は約2.5×104細胞/ウェルをまき、5%CO2中、37℃で5日間成長させ た。次いで単層を、所望の濃度の試験化合物を含む、RPMl1640、0.5 %ペニシリンとストレプトマイシン、2mML−グルタミン及び2%FCSでイン キュベートした。培地を、試験化合物を含む新鮮な培地で48時間ごとに置換し た。プレートを10日間インキュベートし、培地を除去し、細胞をウェルから0 .5mlのPBSに取り出し、細胞を5分間5000rpmでペレット化し、上清 を捨て、細胞を−20℃で冷凍した。細胞を解凍し、500μlのリーシス(ly sis)バッファー(150mMNaCl、20mMトリス/HClpH7.4、10m MEDTA及び0.6%SDS)に再溶解し、50μLのプロテイナーゼK(2 0mg/ml)を加え、サンプルを37℃で2時間インキュベートした。DNAをA utogen540DNA抽出機で抽出し、最終容積50μLの水に溶解した。 DNAを、37℃において16時間制限酵素HindIIIで消化し、DNAフラグメ ントを1%アガロースゲルで分離した。分離されたDNAを、ハイボンドN+ナ イロン膜(Amersham International)にキャピラリーブロッティングによって移 し、予備ハイブリッド形成の後、B型肝炎ゲノム、サブタイプayw、のコア領 域の32pラベルされた陽性鎖RNA翻訳物と、50%ホルムアミドの存在下にお いて42℃で一夜ハイブリッド形成させた。大規模に洗浄した後、ブロットをX −線フィルムにさらし、複製中間体DNAへのハイブリッド形成の強さをミリポ ア610画像装置で分析した。結果 を、試験化合物及び公知の陽性化合物を全く含まない対照サンプルと比較した。 e)HBVアッセイ(方法2) 式(I)の化合物の抗−HBV活性を評価試験のための高容量アッセイ(high capacity assay)で決定した。96−ウェルのプレート中で成長させたHBV 産生細胞(HepG2 2.2.15,P5A細胞系)からの上清を、HBV表面抗原(HBs Ag)に対する特異的なモノクローナル抗体でコートされたマイクロリッタープ レートウェルに塗布した。上清中に存在するウイルス粒子が抗体に結合し、他の 有機堆積物を洗浄によって除去しながら、残留物を固定した。次に、これらのウ イルス粒子をHBVDNA鎖を放出するように変性させ、これを引き続きポリメ ラーゼチェーン反応で増幅させ、比色ハイブリッドキャプチャーアッセイで検出 した。既知のHBVDNA含量の細胞上清の希釈物に対する標準曲線に合わせる ことによって定量を行った。未処理の対照細胞上清と式(I)の化合物を含む上 清とのHBVDNAレベルを比較することによって、抗−HBV効果の測定値を 得た。 HBVの免疫親和性の獲得 HBV産生細胞(2500細胞/ウェル)を、96−ウェルの培養皿において RPMI/10%胎児ウシ血清/2mMグルタミン(RPMI/10/2:)にま いた。培地を、式(I)の化合物のRPMI/10/2希釈液で、150μLの 最終容積まで1、3、5、及び7日に補充した。50μL のマウスモノクローナル抗−HBsAg抗体(PBS中1ml当たり10μg)を 丸底のマイクロリッタープレートの各々のウェルに加えた。4℃で一夜インキュ ベートした後、溶液を吸引し、100μLのBSAの0.1%PBS溶液で置換 した。サンプルを37℃で2時間インキュベートし、ヌンク洗浄機(Nunc Washe r)を用いて、PBS/0.01%ツウィーン−20(PBS/T)で3回洗浄 した。次に、10μLの0.035%ツウィーン20PBS溶液をPro/Pe tteで全てのウェルに加えた。細胞外ビリオン(virion)DNAを含有する細 胞上清をPro−Petteでウェルに移し、最終ツウィーン濃度を0.01% にした。定量のための内部標準曲線として供与するために25μLのHBV標準 培地のRPMI/10/2希釈液をウェルの2行に加え、該プレートをシールし 、4℃で一夜インキュベートした。サンプルをPBS/Tで5回、PBSで2回 洗浄し、最後の洗浄物を吸引した。次に25μLの0.09NNaOH/0.0 1%NP40をPro/Petteで各々のウェルに加え、サンプルウェルをシ ールし、37℃で60分インキュベートした。次に、サンプルを25μLの0. 09NHCl/100mMトリス(pH8.3)で中和した。 ポリメラーゼチェーン反応(PCR) ポリメラーゼチェーン反応(Saiki,R.K et al.,Science,239(4839)487-9 1(1988))を、パーキンエルマー(Perkin Elmer)PCRキットを用い、5μ Lの サンプルで行った。PCRを25μLの最終容積で「マイクロアンプチューブ( MicroAmp tubes)」中で行った。プライマーを、幾つかのシーケンスのアライメ ントで決定されるようなHBVゲノムの保存領域から選択した。1つのプライマ ーを5−プライムエンドでビオチニル化し、PCR生成物のハイブリッドキャプ チャー検出を促進した。全てのプライマーはシンセセルコーポレーション(Synt hecell Corp.)、ロックビル、MD 20850から入手した。 PCR生成物のハイブリッドキャプチャー検出 PCR生成物を、セイヨウワサビペルオキシダーゼ標識されたオリゴヌクレオ チドプローブ(シンセセルコーポレーション、ロックビル、MD 20850) で検出した。該プローブは、基本的にHolodiniy,M.et al.,Bio Techniques,1 2(1)37-39(1992)の方法を用いて、ストレプタビジン(streptavidin)でコ ートされたマイクロタイタープレートウェル中で、変性されたPCR生成物のビ オチニル化された堆積物に直接にハイブリッド化された。修飾には、25k P CR反応容積(reaction volumes)と熱の代わりの水酸化ナトリウム堆積物の使 用が含まれる。ハイブリッド形成の間におけるプレートに結合したストレプタビ ジンへのビオチン部分の同様の結合は、ハイブリッドを「獲得(capture)」す ることを提供する。結合していない標識プローブは、結合した(ハイブリッド化 した)セイヨウワサビペルオキシダーゼの比色測定の前に洗浄して除いた。 元のサンプルに存在するHBVDNAの量は、標準との比較によって計算した。 次にこれらの価を、未処理の細胞培養物からの価と比較し、抗−HBV活性の程 度を決定した。 IC50(中心阻害濃度)は、HBVDNAの50%の減少を生じさせる化合物 の量である。 f)抗ウイルス性化合物に対するHIVの感受性を評価する ためのHeLa−CD4+細胞のアッセイ 阻害剤に対するHIVの感受性は、Larder,B.A.,Chesebro,B.& Richman,D .D.Antimicrob.Agents Chemother.1990 34,436-441に開示されたHT4−6C 細胞単層の感染によって決定された。手短に言えば、細胞を、ウェル当たり5× 104細胞数で24−ウェルの複数ウェルに接種し、増殖培地(DMEM10) 中、37℃で一夜インキュベートした。単層を、5%胎仔ウシ血清と抗体(DM EM5)を含有する0.2mlのDMEM中において100〜200pfuの無細胞 ウイルスで感染させ、37℃で1時間インキュベートし、ウイルスを吸着させた 。この時以後、0.3mlのDMEM5(阻害剤を加え、又は加えずに)を夫々の ウェルに加え、培養物を37℃で2〜3日インキュベートした。単層を、PBS 中で10%ホルムアルデヒド溶液で固定し、ウイルスのプラークを視認できるよ うにするために0.25%のクリスタルバイオレットで染色した。多核化巨細胞 (gian cell)(プラーク)の夫々の焦点をこの染色過程を用いてはっきりさせ た。ID50値を阻害剤 の濃度に対するプラークの減少のパーセントをプロットして求めた。g)MT4/MMT色素取込(uptake)アッセイ 阻害剤を用いるか又は用いない100μLのRPMI増殖培地を96−ウェル のマイクロプレートの各ウェルに加えた。MT4細胞(これは0.01のm.o .i.37℃で1時間HIVで偽感染されるか若しくは感染され、次いで3回洗 浄されたもの)を該プレートに、1ウェル当たり40,000細胞の濃度で加え 、培養物を5日間37℃でインキュベートした。20μLの3−(4,5−ジメ チルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニル−テトラゾリウムブロマイド (MTT)の5mg/ml溶液を各ウェルに加え、パネルを2時間37℃でインキュ ベートした。次に、酸性化されたイソプロパノール(AIP)を加え(170μ L/ウェル)該プレートを室温に一夜維持し、590nmで分光光度的に読み取っ た。生育した細胞は、黄色のMTTをその紫色のホルモザン(formozan)生成物 に還元しうる。これはAIPによって安定化される。一方、死滅した細胞を含む ウェルは、黄色のままである。ウイルスによる死亡から細胞の50%を保護する のに必要な薬剤の濃度(IC50)を、薬剤の濃度に対する細胞の死亡のパーセン テージを回帰分析で決定した。h)細胞毒性 細胞毒性は、細胞増殖阻害アッセイで測定した。96−ウェルのマイクロタイ タディッシュで増殖されたベロー細胞 (Velo cell)のサブコンフリューエント培養物(subco-nfluent cultures)を 薬剤の異なった希釈物にさらし、細胞の生存度を、テトラゾリウム色素(MTT )の取り込みを用いて、複製培地で一日毎に測定した。96時間で細胞生存度の 50%を阻害するのに必要な濃度をCCID50と表した。生物学的試験の結果 化合物、即ち2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−4’−チオ −β−L−シチジン及び2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5 −フルオロ−4’−チオ−β−L−シチジンに対して、上記の両方のアッセイを 用いてHBVに対する活性を、上記のアッセイを用いてHIVに対する活性を試 験した。該試験の結果を毒性のデータ(これは上記(g)で説明したように誘導 される)と共に表1に示した。 以下の例は、本発明に従った薬学的製剤であって、活性成分が式(I)の化合 物であるものの例示である。 製剤化例A タブレット 活性成分 100mg ラクトース 200mg 澱粉 50mg ポリビニルピロリドン 5mg ステアリン酸マグネシウム 4mg 359mg タブレットを、顆粒を湿らせ、次いで圧縮することによって上記の成分から調 製した。 製剤化例 B 点眼溶液(opthalmic solution) 活性成分 0.5g 塩化ナトリウム(分析用グレード) 0.9g チオメルサール(Thiomersal) 0.001g 純水 100mlに pH 7.5に調整 製剤化例 C タブレット製剤 成分をポビドン溶液を用いて湿った顆粒にし、次いでステアリン酸マグネシウ ムを加え、圧縮することによって以下の製剤a及びbを調製した。 タブレット製剤a mg/タブレット mg/タブレット (a)活性成分 250 250 (b)ラクトースB.P. 210 26 (c)ポビドンB.P. 15 9 (d)ナトリウムスターチ グリコレート 20 12 (e)ステアリン酸マグネシウム 5 3 500 300 タブレット製剤b mg/タブレット mg/タブレット (a)活性成分 250 250 (b)ラクトース 150 (c)アビセルPH101 60 26 (Avicel pH 101) (d)ポビドンB.P. 15 9 (e)ナトリウムスターチ グリコレート 20 12 (f)ステアリン酸マグネシウム 5 3 500 300タブレット製剤c mg/タブレット 活性成分 100 ラクトース 200 澱粉 50 ポビドン 5 ステアリン酸マグネシウム 4 359 以下の製剤D及びEを、混合した成分を直接に圧縮することによって調製した 。製剤E中のラクトースは直接圧縮型である。 タブレット製剤d mg/タブレット 活性成分 250 予めゼラチン化させた澱粉NF15 150 400 タブレット製剤e mg/タブレット 活性成分 250 ラクトース 150 アビセル 100 500 タブレット製剤f(放出を制御した製剤) 成分(以下のもの)をポビドン溶液を用いて湿った顆粒にし、次いでステアリ ン酸マグネシウムを加え、圧縮することによって本製剤を調製した。 mg/タブレツト (a)活性成分 500 (b)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 112 (メトセルK4Mプレミアム(Methocel K4M Premium)) (c)ラクトースB.P. 53 (d)ポビドンB.P.C. 28 (e)ステアリン酸マグネシウム 7 700 薬剤の放出は約6〜8時間にわたって起こり、12時間後に終了した。 製剤化例 Dカプセル製剤 カプセル製剤a 上記例Cの製剤Dの成分を混合し、この混合物を2部分(two-part)の硬質ゼ ラチンカプセルに詰めることによって、カプセル製剤を調製した。製剤B(下記 )を同様の方法で調製した。 カプセル製剤b mg/カプセル (a)活性成分 250 (b)ラクトースB.P. 143 (c)ナトリウムスターチグリコールレート 25 (d)ステアリン酸マグネシウム 2 420 カプセル製剤c mg/カプセル (a)活性成分 250 (b)マクロゴル(Macrogol)4000B.P. 350 600 マクロゴル4000 BPを融解し、該溶融物に活性成分を分散し、該溶融物を2部 分(two-part)の硬質ゼラチンカプセルに詰めることによって、カプセルを調製 した。 カプセル製剤 d mg/カプセル 活性成分 250 レシチン 100 アラキスオイル 100 450 レシチン及びアラキスオイルに活性成分を分散し、該分散物を軟質で弾力性の あるゼラチンカプセルに詰めることによって、製剤Dのカプセルを調製した。 カプセル製剤e(放出を制御したカプセル) 成分a、b及びcを押出機を用いて押し出し、次いでこの押出し物を球状にし 、乾燥することによって、以下の放出が制御されたカプセル製剤を調製した。次 に乾燥したペレットを放出制御膜(d)でコートし、2部分(two-part)の硬質 ゼラチンカプセルに詰めた。 mg/カフプセル (a)活性成分 250 (b)微結晶性セルロース 125 (c)ラクトースBP 125 (d)エチルセルロース 13 513製剤化例 E 注射製剤 活性成分 0.200g 無菌、パイロジェンフリー ホスフェートバッファー、pH7 to 10ml 活性成分を、大部分のホスフェートバッファー(35℃〜40℃)に溶解し、 次に所定の容積(volume)にし、無菌のミクロポアフィルターを通して10mlの 無菌の琥珀色のガラスバイアルに濾過し、無菌の栓で密封し、オーバーシール( overseals)した。 製剤例 F筋肉内注射 活性成分 0.20g ベンジルアルコール 0.10g グリコフロール(glycofurol)75 1.45g 注射用の水q.s.to 3.00ml 活性成分をグリコフロールに溶解した。次にベンジルアルコールを加え溶解し 、水を3mlまで加えた。次に、この混合物を無菌のミクロポアフィルターを通し て濾過し、3ml の無菌のガラスバイアル(タイプ1)に密封した。 製剤例 Gシロップ 活性成分 0.2500g ソルビトール溶液 1.5000g グリセロール 2.0000g 分散可能なセルロース 0.0750g 安息香酸ナトリウム 0.0050g フレーバー、ピーチ17.42.3169 0.0125ml 純水q.s.to 5.0000ml 安息香酸ナトリウムを純水の一部に溶解し、ソルビトール溶液を加えた。活性 成分を加え分散させた。グリセロール中に濃化剤(分散可能なセルロース)を分 散した。この2種類の分散物を混合し、純水で必要な容積に整えた。懸濁物の外 部剪断(extra shearing)で要求されるような更なる濃化が達成された。 製剤化例 H坐薬 mg/坐薬 活性成分(63μm) 250 高脂(Hard Fat)B.P. (Witepsol H15-Dynamit Nobel) 1770 2020 * 活性成分は、粉末として使用した。但し、粒子の少なく とも90%が直径63μm以下である。 5分の1のWitepsol H15をスチームジャッケトパン中において、最大45℃で 融解した。活性成分を200μmのふるいを通してふるいにかけ、これを、分散 が均質になるまで、カッティングヘッドを取り付けたシルバーソン(Silver-son )を用いて混合しながら融解したベースに加えた。混合物を45℃に維持し、残 りのWitepsol H15を懸濁物に加え、均一な混合物になるように撹拌した。均質の 懸濁物を250μmのステンレススチール製スクリーンを通し、連続的に撹拌し ながら、40℃に冷却した。38℃から40℃の温度で、2.02gの混合物を 適切なプラスチックモールドに詰めた。 坐薬を室温にまで冷却した。 製剤化例Iペッサリー mg/ペッサリー 活性成分(63μm) 250 無水デキストロース 380 ポテトスターチ 363 ステアリン酸マグネシウム 7 1000 上記成分を直接に混合し、得られた混合物を直接に圧縮することによってペッ サリーを調製した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,H U,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,MG,MN ,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU, SD,SE,SK,UA,US,UZ,VN (72)発明者 ミラー、ジョン・アレン イギリス国、ビーアール3・3ビーエス、 ケント、ベッケンハム、サウス・エデン・ パーク・ロード、ラングレイ・コート(番 地なし)、ザ・ウエルカム・リサーチ・ラ ボラトリーズ、ザ・ウエルカム・ファウン デーション・リミテッド、デパートメン ト・オブ・メディシナル・ケミストリー内 (72)発明者 ヤング、ロバート・ジョン イギリス国、ビーアール3・3ビーエス、 ケント、ベッケンハム、サウス・エデン・ パーク・ロード、ラングレイ・コート(番 地なし)、ザ・ウエルカム・リサーチ・ラ ボラトリーズ、ザ・ウエルカム・ファウン デーション・リミテッド、デパートメン ト・オブ・メディシナル・ケミストリー内 (72)発明者 ラヒム、サッド・ジョージ イギリス国、ビーアール3・3ビーエス、 ケント、ベッケンハム、サウス・エデン・ パーク・ロード、ラングレイ・コート(番 地なし)、ザ・ウエルカム・リサーチ・ラ ボラトリーズ、ザ・ウエルカム・ファウン デーション・リミテッド、デパートメン ト・オブ・メディシナル・ケミストリー内 (72)発明者 セルウッド、デイビッド・ローレンス イギリス国、ビーアール3・3ビーエス、 ケント、ベッケンハム、サウス・エデン・ パーク・ロード、ラングレイ・コート(番 地なし)、ザ・ウエルカム・リサーチ・ラ ボラトリーズ、ザ・ウエルカム・ファウン デーション・リミテッド、デパートメン ト・オブ・メディシナル・ケミストリー内 (72)発明者 ウォーカー、リチャード イギリス国、ビー15・2ティーティー バ ーミンガム、ピーオー・ボックス363、ユ ニバーシティー・オブ・バーミンガム、デ パートメント・オブ・ケミストリー内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 一般式(I)のピリミジン4’−チオ−L−ヌクレオシド、及びこれら の生理学的に機能的な誘導体。 但し、 Yはヒドロキシ若しくはアミノであり、 Xは水素、ヒドロキシ、メルカプト、ハロ、トリフルオロメチル、メチル、 C2-6アルキル、C1-6ハロアルキル、ヒドロキシC1-3アルキル、ホルミル、C2 -6 アルケニル、C2-6ハロアルキル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6 アルキルチオ、C1-6アルコキシC1-2アルキル、C1-6アルキルチオメチル、ア ミノ、モノC1-6アルキルアミノ、ジC1-6アルキルアミノ、シアノ、チオシアネ ート若しくはニトロであり;R2は水素であり、R3はヒドロキシ若しくは水素で あるか、またはR2及びR3は一緒になって炭素−炭素結合を形成する。 2. 請求の範囲第1項に記載の化合物であって、Xが水 素、ヒドロキシ、メルカプト、ハロ、トリフルオロメチル、メチル、C2-6アル キル、C1-6ハロアルキル、ヒドロキシC1-3アルキル、ホルミル、C2-6アルケ ニル、C2-6ハロアルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコ キシC1-2アルキル、アミノ、モノC1-6アルキルアミノ、ジC1-6アルキルアミ ノ、シアノ若しくはニトロである化合物。 3. 請求の範囲第1項または第2項に記載の化合物であって、Xが水素、ハ ロ、メチル、C2-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6ハロ アルケニル、C2-6アルキニル、シアノ若しくはニトロである化合物。 4. 請求の範囲第1項から第3項の何れか1項に記載の化合物であって、X がフルオロ、C2-3アルキル、C3-4アルケニル、ハロビニル又はC3-4アルキニ ルである化合物。 5. 請求の範囲第1項から第4項の何れか1項に記載の化合物であって、Y がアミノである化合物。 6. 請求の範囲第1項から第5項の何れか1項に記載の化合物であって、R2 及びR3が一緒になって炭素−炭素結合を形成する化合物。 7.請求の範囲第1項に記載の化合物であって、該ピリミジン4’−チオ−L −ヌクレオシドが、 2’−デオキシ−4’−チオ−L−ウリジン、 2’−デオキシ−4’−チオ−L−シチジン、 2’−デオキシ−5−フルオロ−4’−チオ−L−シチジン、 2’−デオキシ−5−メチル−4’−チオ−L−ウリジン、 5−(2−クロロエチル)−2’−デオキシ−4’−チオウリジン、 5−ニトロ−2’−デオキシ−4’−チオウリジン、 5−アミノ−2’−デオキシ−4’−チオウリジン、 5−メチルアミノ−2’−デオキシ−4’−チオウリジン、 E−5−(2−ブロモビニル)−2’−デオキシ−4’−チオ−L−ウリジン 、 2’−デオキシ−5−ヨード−4’−チオ−L−ウリジン、 5−ブロモ−2’−デオキシ−4’−チオ−L−ウリジン、 5−クロロ−2’−デオキシ−4’−チオ−L−ウリジン、 2’−デオキシ−5−エチル−4’−チオ−L−ウリジン、 2’−デオキシ−5−プロポ−1−イニル−4’−チオ−L−ウリジン、 2’−デオキシ−5−フルオロ−4’−チオ−L−ウリジン、 2’−デオキシ−5−トリフルオロメチル−4’−チオ−L−ウリジン、 2’−デオキシ−5−エチニル−4’−チオ−L−ウリジン、 2’−デオキシ−5−E−(2−ブロモビニル)−4’−チオ−L−シチジン 、 2’−デオキシ−5−プロピル−4’−チオ−L−ウリジン、 E−2’−デオキシ−5−(プロペン−1−イル)−4’ −チオ−L−ウリジン、 1−(2,3−ジデヒドロ−2,3−ジデオキシ−4−チオ−L−リボフラノ シル)−5−メチルウラシル、 1−(2,3−ジデオキシ−4−チオ−L−リボフラノシル)−5−メチルウ ラシル、 2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−4’−チオ−β−L−シ チジン、 2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロ−4’−チ オ−β−L−シチジン 5−ブロモ−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−4’−チオ −β−L−シチジン、 5−クロロ−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−4’−チオ −β−L−シチジン、及び 2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−ヨード−4’−チオ −β−L−シチジン である化合物。 8. 請求の範囲第1項から第7項の何れか1項に記載の化合物であって、該 ピリミジン4’−チオ−L−ヌクレオシドが、β−アノマーである化合物。 9. 請求の範囲第1項から第8項の何れか1項に従った式(I)のピリミジ ンヌクレオシドの生理学的に機能的な誘導体。 10. 請求の範囲第9項に従った誘導体であって、これらが、アルカリ金属 、アルカリ土類金属、アンモニウム、テトラ(C1-4)アルキルアンモニウム、 塩酸塩若しくはアセ テート塩、又はモノ−若しくはジ−カルボン酸エステル或いはアルカリ金属、ア ルカリ土類金属、アンモニウム、若しくはテトラ(C1-4アルキル)アンモニウ ム塩。 11. 請求の範囲第1項から第10項の何れか1項に従った化合物を、薬学 的に許容しうる担体若しくは希釈剤と共に含有する組成物。 12. ウイルス感染の治療若しくは予防の方法に使用するための請求の範囲 第1項から第10項の何れか1項に従った化合物又は請求の範囲第11項に従っ た組成物。 13. ウイルス感染の治療若しくは予防における使用のための医薬の製造の ための請求の範囲第1項から第10項の何れか1項に従った化合物又は請求の範 囲第11項に従った組成物の使用。 14. 式(I)のピリミジン4’−チオ−L−ヌクレオシド及びこれらの生 理学的に機能的な誘導体の製造のための方法であって、 但し、 Yはヒドロキシ若しくはアミノであり、 Xは水素、ヒドロキシ、メルカプト、ハロ、トリフルオロメチル、メチル、 C2-6アルキル、C1-6ハロアルキル、ヒドロキシC1-3アルキル、ホルミル、C2 -6 アルケニル、C2-6ハロアルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1 -6 アルキルチオ、C1-6アルコキシC1-2アルキル、C1-6アルキルチオメチル、 アミノ、モノC1-6アルキルアミノ、ジC1-6アルキルアミノ、シアノ、チオシア ネート若しくはニトロであり;R2は水素であり、R3はヒドロキシ若しくは水素 であるか、またはR2及びR3は一緒になって炭素−炭素結合を形成する。 方法が、 A)式(II)の化合物を 但し、 X1は式(I)に関連して定義した基Xの前駆体であり; YおよびR2は式(I)に関連して先に定義したとおりであり; R3aはR2と炭素−炭素結合を形成するか、若しくはR2がHである場合は 、R3aは水素、ヒドロキシ、若しくはOZ3(但しZ3はヒドロキシル保護基であ る。)であり;及び Z5は水素若しくはヒドロキシル保護基である。 基X1を所望の基Xに変換することができる1以上の試薬と反応すること; B)式(III)の化合物を、 但し、X及びYは式(I)に関連して定義したとおりであるか、これらの保 護された形である。 4−チオ糖部分を導入することができるような4−チオ糖化合物、またはこれら の保護された形のものと、式(III)の化合物の1−位で反応すること;または C)式(IV)の化合物を、 但し、X及びYは式(II)に関連して定義したとおりであり、Z5はヒドロ キシル保護基若しくは水素であり;R2およびR3aは先に定義したとおりである 。この場合、R3a及びZ5の少なくとも1つが式(I)のR3及び/又はR5に対 する前駆体基を表す。 基R3a及び/又はZ5をそれぞれ基R3及び/又はHに変換することができる条件 下若しくは試薬と反応することを具備し、 必要である場合若しくは所望である場合には、更に、1以上の以下の更なるス テップを、何れの所望の若しくは必要な順序で行う方法。 a)各々の保護基を除去する。 b)式(I)の化合物若しくはこれらの保護された形態を更に式(I)の化合物 若しくはこれらの保護された形に変換する。 c)式(I)の化合物若しくはこれらの保護された形態を、式(I)の化合物若 しくはこれらの保護された形態の、生理学的に許容しうる誘導体に変換する。 d)式(I)の化合物若しくはこれらの保護された形態の、生理学的に許容しう る誘導体を、式(I)の化合物若しくはこれらの保護された形態に変換する。 e)式(I)の化合物若しくはこれらの保護された形態の、生理学的に許容しう る誘導体を、式(I)の化合物若しくはこれらの保護された形態の他の生理学的 に許容しうる誘導体に変換する。 f)式(I)の化合物のα−アノマーをβ−アノマーに変換するため、又は式( I)の化合物のβ−アノマーをα−アノマーに変換するためにアノマー化反応( anomari-sation reaction)を行う。及び g)必要である場合は、式(I)の化合物若しくはこれらの保護された誘導体、 又は式(I)の化合物若しくはこれらの誘導体の生理学的に許容しうる誘導体の α及びβアノマーを分離する。 15. 請求の範囲第2項から第10項の何れか1項に従った化合物の製造の ための請求の範囲第14項に従った方法。 16. 請求の範囲第14項又は第15項に従った方法であって、4−チオ糖 誘導体が式(V)の化合物である方法。 但し、R2、R3a、及びR5は請求の範囲第14項で定義したとおりであ り、Wは脱離基である。 17. 請求の範囲第14項から第16項の何れか1項に従った方法であって 、該4−チオ糖誘導体が1−アセトキシ−4−チオ糖誘導体である方法。 18. 式(V)の化合物。 但し、R2は水素であり、R3はOZ3基(ここでZ3はヒドロキシル保護基で あり、Z5はヒドロキシル保護基であり、Wは−S−CH2−Ar(ここでArは 任意に置換されたアリール基である。)である。 19. 請求の範囲第18項に従った化合物であって、Z3及びZ5がベンジル であり、Arが任意に置換されたフェニルである化合物。 20. 請求の範囲第18項に従った化合物であって、Z3及びZ5がトルイル であり、Arが任意に置換されたフェニルである化合物。 21. 請求の範囲第19項又は第20項に従った化合物であって、Arがフ ェニルである化合物。 22. ウイルス感染の治療の方法であって、請求の範囲第1項に従った化合 物の効果的な量を治療の必要な受容体(recipient)に投与することを具備した 方法。 23. 式(XIII)の化合物を調製するための方法であ って、 但し、Rはヒドロカルビル基であり、Z3及びZ5(これらは同じでも異なっ ていてもよい。)は、アシル基である。 式(XIV)の化合物を 但し、Rは先に定義したとおりである。 式ZnOH(ただしZnはZ3及び/又はZ5である。)の1以上の化合物と反応す ることを具備した方法。 24. 式(XIII)の化合物。 但し、Rはヒドロカルビル基であり、Z3及びZ5(これらは同じでも異なっ ていてもよい。)は、アシル基である。 25. 式(VII)の化合物。 但し、Z3及びZ5はアシル基であり、Aは脱離基であり、Arは任意に置換 されたアリール基である。 26. 請求の範囲第25項に従った化合物であって、Aがメタンスルホニル 基である化合物。 27. 式(VIII)の化合物。 但し、Z3及びZ5はアシル基であり、Arは任意に置換されたアリール基で ある。 28. 請求の範囲第25項から第27項の何れか1項に 従った化合物であって、Arが1以上のハロゲン原子、C1-4アルキル、例えば メチル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、ニトロ若しくはアミノ基によっ て任意に置換されたフェニル若しくはトルイル基である化合物。 29. Z3及びZ5基がp−ニトロベンゾイルである請求の範囲第24項から 第28項の何れか1項に従った化合物、又は請求の範囲第23項に従った方法。
JP6506988A 1992-09-04 1993-09-03 坑ウイルス性ビリミジンヌクレオシド Pending JPH08504753A (ja)

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