JPH08504613A - 薬剤注入用カテーテル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 流体、例えば薬剤を静脈又は他の中空器官等の体腔内に注入するカテーテルには、体腔内に挿入可能であって、引き込み位置と延伸位置との間で、移動可能に配置された中空針を有するヘッドと、ヘッドと反対側のカテーテル端部に取り付けられ、治療される体腔の壁部に、中空針を介して直接に流体又は薬剤を供給するために、針の前端部を体腔壁と接触させて外方に移動するための、操作可能に針と接続する操作機構とが設けられる。バルーンをカテーテルヘッドの前面に配置して、カテーテルを通って延伸する通路を介して膨張又は収縮させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 薬剤注入用カテーテル 発明の背景 本発明は、薬剤又は他の流体を中空組器官又は他の体腔壁内に注入するための カテーテルに関する。 患者の内科治療には、薬剤が特定の感染部又は患部に直接投与される治療方法 を利用するのが有益である。例えば、中空器官、体腔又は血管、特に動脈、内へ の治療には、治療される組織に隣接する領域に薬剤が供給されるような各種カテ ーテルが提案されている。この種のもののうち、最も単純なカテーテルとしては 、カテーテル前端部に隣接して１つ又は複数の開口を有するか、又は、均等に穿 孔された注入カテーテルがある。これらのカテーテルは膨張して、血管壁としっ かりと接触することによって、治療される組織に薬剤を直接供給する。このよう に、複数の小孔を有するとともに、加圧下で薬剤を入れると膨張して、また、配 置された動脈壁としっかりと接触するように配置されるアンジオプラスチックバ ルーン（多孔性バルーン）が提供できるので、隣接する組織に加圧下で薬剤が供 給できる。 しかしながら、このようなシステムには、薬剤が短期間しか効果がなく、投与 される薬剤量が不安定であるという不都合がある。簡単な注入カテーテルが使用 されると、薬剤もまた非常に速く流れる。このため、注入処理を数日間にわたっ て延長して、治療箇所での仮の薬剤集中を行う必要がある。これには、相当長い 入院期間が必要とされるとともに、感染や他の合併症の危険性が増大する。また 、単一操作で、膨張処理と同時に治療が行えないという不都合がある。 本発明は、上記の不都合なしに、簡便且つ安全な方法で、特に薬剤が必要な体 腔壁、中空器官壁、又は血管壁内部に直接入れることができるカテーテルを提供 することを目的とする。 発明の開示 流体、例えば薬剤を、静脈又は他の中空器官等の体腔に注入するカテーテルに は、体腔内に挿入可能であって、その内部の引き込み位置と延伸位置との間に移 動可能に配置されるヘッドが設けられるとともに、ヘッドと反対側のカテーテル 端部に取り付けられ、作動可能に針と接続して、中空針を介して流体又は薬剤を 、治療される体腔の壁部に直接供給するために、針の前端部を体腔壁と接触させ るように外方に移動させる操作機構が設けられる。バルーンをカテーテルヘッド の前面に配置して、カテーテルを通って延伸する通路によって膨張または収縮さ せる。 カテーテルの針は、カテーテルの外側シャンク内の引き込み位置内で維持され る。この位置で、カテーテルは中空器官又は血管、特に動脈、内に挿入される。 また、カテーテルには、針をカテーテルから外に移動させる機構が設けられる。 この移動は、カテーテルが所望の位置にある時に開始されて実行される。この操 作中に、針が壁と係合する。針は内側チャネルを備えた中空状であり、このチャ ネルを介して、薬剤を組織内に注入できる。針による血管壁の穿通により穿孔が 生じるが、針の寸法が小さいので、この穿孔は、顕著ではなく、これによって出 血性の傷が生じることはない。この操作は、また、組織内に所定量の薬剤の保管 場所を配置する可能性を提供する。 針を移動させるには、カテーテル内に内側ホースを設ける。内側ホースは、外 側シャンクに対して軸方向に移動可能であって、針が内側ホースによって移動し て、血管壁と係合するか又は血管壁を穿通するように針が取り付けられる。また 、膨張可能なバルーン状シェルに針を取り付けることもできる。この場合、針の 移動はシェルを加圧することにより行われる。また、針に延長部を設けて、カテ ーテル内を一緒に移動するようにできる。 薬剤又は流体は、人体の外側に配置されたカテーテルの端部から入れられる。 薬剤が長い距離血管壁内に入らないことを所望する場合には、血管壁と係合する ベベル切断前面部が血管壁をわずかに穿通するか、血管壁と平行に配置されるよ うに、ニードルポイントを配列する必要がある。これは、延伸 針の前面部が可能な限りカテーテル軸と平行になるように針を配列することによ り達成される。薬剤を好ましい方法で確実に投与するためには、針が組織をわず かに穿通するようにする。このため、前面部に対する法線は、ニードル軸に対し て正確には平行ではなく、少なくともわずかな角度だけニードル軸から偏向して 、針が組織と平坦に接するだけではなく、針前端部が組織内にわずかに埋もれる ようにする必要がある。 操作中にかかる力と角度が、ニードルポイントが組織にどの程度深く穿通する かを決定して、例えば血管壁内への深さを調節された注入が、所定位置でできる ようにする。ニードルポイントを所望の用途に一致させて切断し、例えば、鈍角 、丸形又は斜めでもよいのは言うまでもない。 本発明の別の実施例によれば、針は予め機械的に張力が与えられる。即ち、針 は、その前部に固有の湾曲を持つので、操作機構により延伸した時に、血管壁に 向かって外方に曲がる。針がプレテンシヨンが針を壁方向に移動させるには十分 ではないような針が、より可焼性である場合には、カテーテルの前端部がニード ルガイドを有して、制御された方法で針を曲げて、血管壁の方に案内してもよい 。 特定の実施例において、操作機構は、カテーテルに対して長手方向に移動可能 であって、カテーテルの前端部からその反対端部に延伸する複数の通路を有する 多ルーメンホースである。はずされた時に曲がるように予め張力が与えられる針 は、カテーテル前端部のこれらの通路内に配置される。カテーテルシャンク内の 多ルーメンホースの移動によって、針は長手方向に延伸すると、予め張力が与え られた状態であるので、血管壁に向かって外方に曲がる。針を操作するために、 本質的に２つの部分で構成される機構をカテーテルの前端部の反対端部に設ける 。第１の部分はカテーテルの外側シャンクに接続し、第２の部分は多ルーメンホ ースに接続する。両部分は、スプリングによって離れて並んで、通常の状態では 、針がカテーテルの外側シャンク内に入っている。２つの部分を一緒に押すと、 多ルーメンホースが外側シャンク内を前方にスライドして、針がカテーテルの前 端部から外に移動する。 操作機構の２つの部分が、一緒に押されることにより圧力が発生する加圧バル ーン状シェルによって、針が押される場合には、同様の配列が操作用に利用でき る。 また、針がカテーテル内にその全長に渡って配置されるとともに、他方の端部 で操作機構に接続する延長部を有することによって、針がカテーテル内を長手方 向に移動して、カテーテルの前端部から外にスライドすることもできる。その後 、薬剤が加圧下で、操作機構内の針延長部内に導入される。 本発明の更に別の実施例では、一般的に使用される種類のバルーンが、カテー テルの注入ヘッドの前面に直接に配置される。リード線はカテーテルの外側に配 置されて、内側ルーメン（モノレール）を通って、米国特許第5,154,725号に示 されるように、バルーン領域内だけを延伸する。しかしながら、カテーテルシャ ンク全体、注入ヘッド及びバルーンを通って延伸するリード線も当然に使用でき る。 このような配列によれば、薬剤による組織治療は、膨張処理により、有効に単 一操作に結合できるので、カテーテル交換が不要となり、処理時間を短縮すると ともに、患者へのストレスを軽減できる。また、この結合した注入−バルーンカ テーテルによって、カテーテルが既に血管内に挿入されているときに、医師が治 療の種類に関する決定をすることができる。バルーンを注入ヘッドの前面に配列 して、非常に滑らかで広い通路を提供することも有益であると考えられる。薬剤 の最適な分配には得策であると考えられ、また、カテーテルに起因する予測され る機械変更を容易にすると考えられる場合、注入処理の後に補助バルーンの膨張 を開始できる。最後に、単一の注入−バルーンカテーテルのみによる処理は、同 一目的のための２つの別個のカテーテルによる処理よりも、費用効果がある。 本発明の他の特徴や有効性は、請求の範囲及び図面についての後述の実施例か ら明らかである。 図面の簡単な説明 図１は、引き込み位置に針を備えた、本発明によるカテーテルの概要図である 。 図２は、針が延伸した状態の図１のカテーテルを示す図である。 図３は、カテーテル内の多ルーメンホースを移動させるための、操作機構を示 す図である。 図４は、本発明の別の実施例の半径方向横断面図である。 図５は、本発明によるカテーテルの別の実施例を示す図である。 図６は、図５のカテーテル内の針を移動させる操作機構を示す図である。 図７は、図５の線VII−VIIに沿った拡大横断面図である。 図８は、図１１の線VIII−VIIIに沿った、結合注入−バルーンカテーテルの頂 部の横断面図である。 図９は、薬剤用及びバルーン膨張／収縮用コネクションを備えたカテーテル内 で注入針を長手方向に移動させる操作機構を示す図である。 図１０は、図８の線Ｘ−Ｘに沿った横断面図である。 図１１は、図８の線XI−XIに沿った横断面図である。 実施例 図Ｉに、公知の方法でリード線上の体内に挿入できるカテーテル１０を示す。 カテーテル１０は、端部にカテーテルヘッド１４が取り付けられた外側シャンク １２を有する。カテーテルヘッド１４は、溶接又は接着により外側シャンク１２ に固着される。カテーテルヘッド１４は、長手方向に延びて、リード線５を収納 する通路１６を有する。また、内側ホース２０が、外側シャンク１２内に配置さ れて、外側シャンク１２内を長手方向に移動できる。内側ホース２０は、リード 線５が内部に配置された中央通路２２を有する。内側ホース２０には、中空針２ ６を備えた通路（ルーメン）２４が設けられる。中空針２６は、カテーテルの前 端部で、通路２４上に取り付けられる。カテーテルヘッド１４は、その側面もし くはカテーテルヘッドの円形又は円 錐形の前端部内で開口２８となる適宜な形状（図１１参照）の長手方向の溝又は リセスを有する。 中空針２６は、予め折曲されていて、通路２４内において、外側シャンク１２ に向け中空針２６を外方向に押す機械的ストレスがかかる様に保持される。中空 針２６は、その側面が開口２８の溝壁に係合して、回動が防止される。内側ホー ス２０を外側シャンク１２内で前方にスライドさせると、中空針２６も前方に移 動する。この結果、予め曲げられている中空針２６は外方に突出して、隣接する 血管壁に当接するか、あるいは更に、操作者の経験に基づく装置の操作によって は、血管壁を穿通して外膜に到達する。中空針を、開口２８の内壁に沿って移動 させて外方向に強制的に曲げることもできる。このように中空針２６が外方に拡 開した後、通路２４と図示されないニードルチャネルとを介して、薬剤が組織に 注入される。薬剤は、中空針の端面３０から放出される。中空針２６の端面３０ は、長手方向に、カテーテル軸に平行に伸びるように設けられるのが好ましい。 これは、端面３０の領域が、血管壁に平らに接し、単に力を加えるだけで組織に 挿入されることを意味する。中空針を組織に入れるのが望ましい場合には、カテ ーテル軸に平行ではない針端面に形成して、針による組織の穿通を容易にすれば 良い。具体的な用途に応じて他の針端面を使用することにより、より大きな組織 穿通が行えるのは言うまでもない。図１及び図２の実施例では、複数の中空針２ ６が設けられていて、内側ホース２０を前方にスライドさせることにより、中空 針２６をカテーテル１０の複数の側面位置から突出させ、もってカテーテルが血 管壁上であらゆる側方向から支持されるとともに、中心位置に配置される。そし て、端面３０が明らかに壁と当接するか、中空針が、組織壁に穿通の目的でカッ トされている場合には、組織壁を穿通し、薬剤が意図せずに流れ出るのを防止す る。また、端面３０と血管壁との良好な接触が達成される。 カテーテルヘッドを良好に支持するには、少なくとも３本の針が使用するべき である。しかしながら、針の数は何本でもよく、カテーテルヘッドの横断面上に 、均等間隔で配設しても良いし又は不均等間隔で配設しても良い。 多数の針を用いれば、同様に針を通って投入される薬剤の量が増大する。しかし ながら、非常に狭い血管又は静脈の場合は、大きなカテーテルのための充分なス ペースがないので、単一の針だけを使用すれば良い。 多量の薬剤を導入する必要があって、より大きな安定性と可能性を得るために 複数の針が必要な場合には、内側ホース２０は、多ルーメンホースであるのが好 ましい。 図３は、図１と図２に示すカテーテルに使用でき、カテーテル内の中空針を移 動させるための、操作機構３２を示す。この操作機構は、本質的に２つの部分３ ４と３５からなる。部分３４はカテーテルに対して固定されるため、固定部３４ とする。この相対する側に可動部３５がある。外側シャンク１２は固定部３４に 固着され、内側ホース２０は可動部３５と接続する。内側ホース２０が外側シャ ンク１２内で軸方向にのみ移動可能なように、固定部３４と可動部３５に設けら れたガイド体３６と３８が、相互に協動する。固定部３４と可動部３５は、スプ リング４０によって相互に離れる方向に弾性付勢される。ガイド体３８の前端部 から、その対向する側に配置された停止部までの距離は、図１に示されるように 、中空針２６が通常は引き込まれた位置にあるように選択される。可動部３５が 固定部３４の方に移動すると、予め曲げられた状態の中空針が血管壁と当接する 図２の位置になるまで、内側ホースがカテーテル前端部の方に移動する。 図３において、内側ホース２０が可動部３５と接続するのに対して、リード線 ５挿通用の開口４４を通って可動部３５の後部を内側ルーメン４２が挿通される 。薬剤は、サイドソケット４５を介して、分配チャンバ４６に供給され、更に、 通路２４を介して針２６に供給される。 図４は、カテーテルの別の実施例の横断面図である。カテーテル５０は、外側 シャンク１２と、カテーテル中央のリード線５と、を有する。外側シャンク１２ は複数の孔５２を有しており、針５４が孔５２を通ってカテーテル内部から外方 に移動できる。 針５４は、内側ホース５６上に取り付けられる。内側ホース５６とリード 線５との間には、補助ホース５８がある。補助ホース５８は弾性を有しており、 このため、内側ホース５６と補助ホース５８との間の空間に加圧流体が入れられ た時に、内側ホース５６が外側シャンク１２と接するまでバルーン状に膨張でき る。この膨張によって、針５４を孔５２を通って外方に移動させ、周囲の血管壁 と係合するか、あるいは更に、穿通可能である。本実施例では、針の先端は、図 １と図２のものとは別に形成される。これらの針の先端は、カテーテル軸に平行 ではない端面を有し、これにより、血管壁又は隣接する組織内に深く穿通できる 。かかる構成の利点は上記の通りであるが、第１実施例の端面３０のように、血 管壁を平面で支持する端面６０を針５４に設けることも勿論可能である。 図４の実施例において、薬剤は、ニードルベース内に形成したボア５５と接続 する別の通路を介して針５４に供給され、内側ホース５６と補助ホース５８との 間の中空スペースは独立して加圧される。これにより、内側ホース５６を膨張さ せる圧力が大きくても薬剤の方は例えは低圧力下にコントロールして投与できる 。従って、従来のバルーン状膨張式カテーテルに伴っていた本質的な不都合を回 避できる。更に、相互に異なる穿通をもたらす針を個別に選択して移動すれば、 異なる薬剤注入部位、例えば、血管の内層、血管壁または血管領域内の保存部位 への注入ができる。また、膨張と薬剤注入とは、相互に独立して制御できる２つ の明確に異なる処理として、行われるのが都合がよい。このためには、公知の種 類の操作機構が使用でき、この機構によって、加圧流体と薬剤とが個別に供給さ れる。 カテーテル５０を操作する上記機構によると、内側ホース５６を膨張させる膨 張圧力が、内側ホース５６と補助ホース５８との間の空間に供給されるので、膨 張のみを独立して行うことができる。そして薬剤の方は、針間の空間内のボア５ ５に供給される。このボアは、操作機構の個別のコネクタを介して針と接続する 。上記両実施例には、針２６又は５４の使用により、薬剤を血管壁の特定領域へ 正確かつ制御可能に投与をできるという利点がある。また、特定形状の先端部を 有する針の使用により、針が穿通する深さと薬剤 が周辺組織内に供給される深さとをある程度制御できる。 図５は、更に別の実施例にかかるカテーテル１１０を示す。このカテーテルで は、弾性的に外方に予め曲げられた中空針２６が管状延長部１２６を有する。管 状延長部１２６は、中空針と一体に形成されるとともに、管状延長部が長手方向 移動をするには充分に大きい通路である多ルーメンホースのカテーテルの通路を 通って延びている。 多ルーメンホースの前端部に取り付けられるのは外側シャンク１１２であり、 針がその内部に案内されて、引き込まれる。外側シャンク１１２と協動するカテ ーテル前端部１４は、上記のように、弾性的に予め曲げられた針２６が、伸長時 に、適宜に案内されるように形成される。図５及び図７によれば、外側シャンク １１２は、伸長時の針の回動を防止するために溝状開口２８により付与される案 内に加えて、針の係合及び案内のための突起１１３を有する。カテーテルの前端 部をガイドロッド５が通常の方法で挿通する。カテーテル前端部と外側シャンク とは、金属又は、容易にスライドできる硬質プラスチックの材料からなるのが好 ましい。 管状延長部１２６を有する中空針２６を軸方向に移動させるには、図６に示さ れるような操作機構１３２が使用される。これは、本質的には図３の操作機構と 同様である。多ルーメンホース１２０の後端部が固定部１３４と接続するのに対 して、針延長部１２６は可動部１３５に延伸して、流体又は薬剤が分配キャビテ ィ１３９から加圧下で針延長部１２６に供給可能なように取り付けられる。操作 機構の操作は、図３に関して説明したのと同様である。機構は、片手で操作でき るように形成される。 針の数は偶数でも奇数でもよく、カテーテル横断面上に均等又は不均等に配分 されてもよい。 また、例えば２本の針を使用して、リード線５を、例えば多ルーメンホースの 第３通路内に偏心して配置することもできる。この場合、リード線もカテーテル 偏心位置の前端から突出する。 上記のような種類のカテーテルは、１mmから１０mmのカテーテルヘッド長 さで、０．５mmから５mmの間の直径を有するのが好ましい。 図８は、本発明の更に別の実施例を示す。ここでは、バルーン２１１が注入ヘ ッド２１０の前面に配置される。この場合、リード線はいわゆるモノレールカテ ーテルと共通なので、バルーンの内部を通ってのみ延伸する。注入ヘッドの前端 部２１４は、図５の配列と本質的に同様であり、カテーテル前端部２１４が外側 シャンク２１３によって多ルーメンホース２２０に接続する。中空針２６は、カ テーテルヘッド２１４から多ルーメンホース２２０を介して後述のように針が操 作機構と接続する図９に示される操作機構にまで延伸する。 バルーン膨張用の流体が多ルーメンホース２２０の内側ルーメン２１６を介し て供給される。内側ルーメンは、カテーテルヘッド２１４を通る通路として伸長 して、バルーン２１１の膨張用ルーメンとなる。 図１０及び図１１はカテーテルヘッドの横断面図であり、図１０は、内部に中 空針用とその延長部２２６用の通路を三角形の配列に相互に配置した外側シャン ク２１２に囲まれる多ルーメンホース２２０を示す。補強ワイヤが針延長部用通 路内に配置されて、多ルーメンホース材料となる。これらのワイヤにより、カテ ーテル内の針の移動中に、カテーテルが横方向にねじれないようにできる。 図９は、薬剤注入用多ルーメンホース２２０を通る針、即ち、その延長部２２ ６のスライド移動を操作機構がどのように容易にするかを示す。ここで、操作機 構は固定部２３４と可動部２３５とを有する。固定部２３４と可動部２３５は、 スプリング２４０によって相互に離間して維持され、この間隔位置内で、中空針 がカテーテルヘッド２１４内に引き込まれる。移動の長さ、即ち、針がカテーテ ルヘッドから延伸できる距離は、固定部２３４内に取り付けられるとともに、可 動部２３５内の溝２３１内に収納される停止ピン２３０によって決定される。溝 ２３１の長さが、針の移動距離を決定する。 多ルーメンホース２２０は、固定部２３４の前端部内に接着されて、その内部 に確実に保持される。同様に、多ルーメンホースのセクション２３６が 可動部２３５内にしっかりと取り付けられる。可動部２３５を通って針延長部２ ２６の端部が分配チャンバ２３８に延伸して、可動部２３５とともに移動できる ように接着される。これにより、操作機構が矢印で示されるように作動した時に 針とカテーテルヘッドが移動できる。 内側ルーメン２１６は固定部２３４内で外方に曲げられて、コネクタ２４５と なる。バルーン膨張用流体がコネクタ２４５を介して、公知の方法で供給される とともに、バルーン収縮もまた、コネクタ２４５を介して行われる。 可動部２３５は、分配チャンバ２３８と連通する対応のコネクタ２４６を有し 、これを通って薬剤が通常の方法で供給される。 理解を容易にするために、いくつかの図面には、本発明の特徴をより理解する ために拡大された構成要素が示される。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９４年６月９日 【補正内容】 １９９４年６月９日付条約第３４条に基づく補正 明細書１頁１８行と１９行の間に以下の文を加入し、請求の範囲を別紙のとおり 補正する。 請求の範囲第１項の前段によるカテーテルは、米国特許第4,578,061号により 知られている。 このカテーテルにおいて、注入針は、まったく同一のルーメン内を延伸する可 撓性ワイヤの助けによりカテーテルヘッド内を移動する。前記ルーメンを通って 薬剤が供給される。注入針の前部だけが中空であり、後部には、横方向に延伸す る連通路が設けられる。この連通路は、針が押し出された時に、薬剤が供給でき るように、カテーテルヘッド内に位置する補助連通路と一直線になる。この一直 線方向を提供するのは困難である。 国際公開第WO 92/10142号には、前立腺治療のためのカテーテルが開示され、 このカテーテルは、ガラス繊維要素と熱センサを組織内に配置するために、カテ ーテルヘッドから押し出される複数の管状形針を含んで構成される。 請求の範囲 １．動脈に挿入可能な、カテーテルシャンクを備えたカテーテルヘッドと、針 がカテーテルヘッド内に配置される引き込み位置と針の前端部がカテーテルシャ ンクから突出する延伸位置との間で、流体又は薬剤を供給するために、カテーテ ルヘッド内に移動可能に配置される注入針と、カテーテルシャンクが操作機構の 一方の部分に固定し、２つの部分が対向力によって離れて保持される体外端部上 に配置される２つの部分からなる操作機構であって、カテーテルシャンクを介し て前記針の前端部を移動させる前記操作機構と、注入針を、横方向とともに長手 方向に前方移動させる針通路を備えた開口と、を含んで構成される体腔又は冠状 血管や動脈等の中空器官内に薬剤等の流体を注入するためのカテーテルにおいて 、 複数の注入針が、カテーテル内で長手方向に沿って移動可能なホース上に取り 付けられ、前記ホースは移動可能な多ルーメンホースとして前記カテーテルシャ ンク内に形成されること、 多ルーメンホースが、操作機構の第２の部分に接続すること、 ２つの部分を対向力に対して圧縮すると、多ルーメンホース内に固定された注 入針が引き込み位置から外方の延伸位置に移動して、流体又は薬剤が第２の部分 と多ルーメンホースを介して、同時に供給されること、更に、 リード線がカテーテルヘッドを通るだけではなく多ルーメンホース内を案内さ れること、 を特徴とするカテーテル。 ２．均等に離れた１２０゜の間隔で配列された３つの注入針を使用することを 特徴とする請求の範囲第１項に記載のカテーテル。 ３．前記針の前端部が、針の延伸位置では、カテーテル軸と略平行な前面部を 有することを特徴とする請求の範囲第１項又は第２項にに記載のカテーテル。 ４．前記針の前端部が、針の延伸位置では、カテーテル軸の半径方向に対して 斜めに配置される前面部を有することを特徴とする請求の範囲第１項 から第３項のいずれか１つに記載のカテーテル。 ５．長手方向に移動可能な針が、予め張力を与えられているか、又は予め曲げ られていること、更に、 注入針がカテーテルシャンクを通って長手方向に移動すると、針の前端部が横 方向に突出する位置に移動すること、 を特徴とする請求の範囲第１項から第４項のいずれか１つに記載のカテーテル。 ６．動脈に挿入可能な、カテーテルシャンクを備えたカテーテルヘッドと、針 がカテーテルシャンク内に配置される引き込み位置と針の前端部がカテーテルシ ャンクから突出する延伸位置との間で、流体又は薬剤を供給するために、カテー テルヘッド内に移動可能に配置される注入針と、カテーテルシャンクが操作機構 の一方の部分に固定し、２つの部分が対向力によって離れて保持される体外端部 に配置される２つの部分からなる操作機構であって、カテーテルシャンクを介し て前記針の前端部を移動させる前記操作機構と、注入針を、横方向とともに長手 方向に前方移動させる針通路を備えた開口と、を含んで構成される体腔又は冠状 血管や動脈等の中空器官内に薬剤等の流体を注入するためのカテーテルにおいて 、 カテーテルシャンクが多ルーメンホースとして形成されて、操作機構の第１の 部分に固定されること、 複数の注入針に管状延長部が設けられ、各管状延長部は、多ルーメンホースの ルーメンを通って延伸して、操作機構の第２の部分に固定されること、 対向力に対して２つの部分を圧縮すると、多ルーメンホース内に配置された延 長部が注入針を引き込み位置から延伸位置に移動させて、流体又は薬剤が第２の 部分と延長部を介して、同時に注入針に供給されること、更に、 リード線が、カテーテルヘッドを通るだけでなく、多ルーメンホース内を案内 されること、 を特徴とするカテーテル。 ７．注入針の移動可能な延長部が、カテーテルヘッドまで延伸すること を特徴とする請求の範囲第６項に記載のカテーテル。 ８．動脈に挿入可能な、カテーテルシャンクを備えたカテーテルヘッドと、針 がカテーテルシャンク内に配置される引き込み位置と針の前端部がカテーテルシ ャンクから突出する延伸位置との間で、流体又は薬剤を供給するために、カテー テルヘッド内に移動可能に配置される注入針と、カテーテルシャンクが操作機構 の第１の部分に固定し、２つの部分が対向力によって離れて保持される体外端部 上に配置される２つの部分からなる操作機構であってカテーテルシャンクを介し て前記針の前端部を移動させる前記操作機構と、注入針を、横方向とともに長手 方向に前方移動させる針通路を備えた開口と、を含んで構成される体腔又は冠状 血管や動脈等の中空器官内に薬剤等の流体を注入するためのカテーテルにおいて 、 カテーテルシャンクが多ルーメンホースとして形成されて、操作機構の第１の 部分に固定されること、 複数の注入針に管状延長部が設けられ、各管状延長部は、多ルーメンホースの ルーメンを通って延伸して、操作機構の第２の部分に固定されること、 対向力に対して２つの部分を圧縮すると、多ルーメンホース内に固定された注 入針が引き込み位置から外方突出位置に移動して、流体又は薬剤が第２の部分と 多ルーメンホースを介して、同時に注入針に供給されること、更に、 バルーンが、注入カテーテルヘッドの頂部に取り付けられ、前記バルーンは、 多ルーメンホース内に配置される通路を介して膨張又は収縮できること、更に、 リード線がバルーン内を、内部ルーメンを通って、バルーンの前端部まで案内 されること を特徴とするカテーテル。 ９．リード線が、多ルーメンホース内部をバルーンだけではなくカテーテルヘ ッドを通って案内されるか、バルーンまで多ルーメンホースに沿って、ここから バルーン内を内部ルーメンを通って前端部まで案内されることを特徴とする請求 の範囲第８項に記載のカテーテル。 １０．補強ワイヤが、多ルーメンホースの材料内に埋め込まれることを特徴と する請求の範囲第８項に記載のカテーテル。 １１．針通路を備える開口が、出る際の注入針を前方向とともに横方向に案内 するカテーテルヘッド内に設けられることを特徴とする請求の範囲の第１項から 第１０項のいずれか１つに記載のカテーテル。 １２．動脈に挿入可能な、カテーテルシャンクを備えたカテーテルヘッドと、 針がカテーテルシャンク内に配置される引き込み位置と針の前端部がカテーテル シャンクから突出する延伸位置との間で、流体又は薬剤を供給するために、カテ ーテルヘッド内に移動可能に配置される注入針と、カテーテルシャンクが操作機 構の第１の部分に固定し、２つの部分が対向力によって離れて保持される体外端 部上に配置される２つの部分からなる操作機構であって、カテーテルシャンクを 介して前記針の前端部を移動させる前記操作機構と、注入針を、横方向とともに 長手方向に前方移動させる針通路を備えた開口と、を含んで構成される体腔又は 冠状血管や動脈等の中空器官内に薬剤等の流体を注入するためのカテーテルにお いて、 複数の注入針が、内部ホースの外側に位置する内側ホース内上に取り付けられ 、内側ホースを膨張させて、カテーテルヘッドを介して移動させるために、２つ のホース間に圧力をかけること、更に、 リード線がカテーテルヘッドを通るだけではなく、内部ホース内を案内される こと、 を特徴とするカテーテル。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ベルトルト ヘフリンク ドイツ連邦共和国，デー―82234 ヴェス リンク アム ライゼルト ６

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．挿入通路を介して体腔内に挿入可能な、カテーテルシャンクを備えたカテ ーテルヘッドと、針がカテーテルシャンク内に配置される引き込み位置と針の前 端部がカテーテルシャンクから突出する延伸位置との間で、カテーテル内に移動 可能に配置される少なくとも１つの針と、前記カテーテルヘッドの反対側のカテ ーテル端部に取り付けられるとともに、前記針の前端部をカテーテルシャンクを 通って外方に移動させるように前記針に操作可能に接続される操作機構と、を含 んで構成され、前記少なくとも１つの針がニードル通路を形成するように中空で あるとともに、前記体腔壁内に流体又は薬剤を注入するために、前記針に流体又 は薬剤を供給する手段に接続すること、を特徴とする静脈又は中空器官等の体腔 内に薬剤等の流体を注入するためのカテーテル。 ２．少なくとも１つの針が、カテーテル内に長手方向に移動可能に支持された ホース上に取り付けられることを特徴とする請求の範囲第１項に記載のカテーテ ル。 ３．少なくとも１つの針が、内側ホース周囲に配置された膨張可能なホースに 取り付けられて、カテーテルヘッド内の開口を開して針が外方に移動するための 膨張可能なホースを膨張させるために、加圧流体が供給される環状空間を提供す ることを特徴とする請求の範囲第１項に記載のカテーテル。 ４．少なくとも１つの針が、カテーテル内に配置されて、長手方向に移動可能 に支持される管状延長部を有し、前記管状延長部は、流体又は薬剤を針に入れる ための流体又は薬剤の供給手段に接続されることを特徴とする請求の範囲第１項 に記載のカテーテル。 ５．前記膨張可能なホースが、前記膨張可能なホースに取り付けられた針に前 記流体を供給するための流体供給手段と連通することを特徴とする請求の範囲第 ３項に記載のカテーテル。 ６．複数の針が、所定のパターンでカテーテルヘッドの周囲に配置されること を特徴とする請求の範囲第１項に記載のカテーテル。 ７．針が、均等に離れた１２０゜の間隔でカテーテルヘッドの周囲に配列され ることを特徴とする請求の範囲第６項に記載のカテーテル。 ８．前記針が、針の延伸位置では、カテーテル軸と平行な前面部を有すること を特徴とする請求の範囲第６項に記載のカテーテル。 ９．前記針が、針の延伸位置では、カテーテル軸の半径方向に対して斜めに配 置される前面部を有することを特徴とする請求の範囲第６項に記載のカテーテル 。 １０．前記針が、軸状に移動可能なように前記カテーテルシャンク内に配置さ れるとともに、張力下で前記カテーテルシャフト内に保持されて、針が前方に移 動すると、カテーテルヘッド内の開口を通って外方に曲がる予め曲げられた端部 を有することを特徴とする請求の範囲第６項に記載のカテーテル。 １１．前記カテーテルヘッドが、前記針を適正な向きに保持して、前記カテー テルヘッド内の開口を通って案内するニードルガイド体を有することを特徴とす る請求の範囲第１０項に記載のカテーテル。 １２．前記カテーテル内に移動可能に収納される前記ホースが、カテーテルヘ ッドの領域からカテーテルの反対端部に延伸する複数の通路を有し、また、前記 カテーテルヘッド内に配置される針が前記通路内に取り付けられ、前記針は、張 力下でカテーテルヘッド内に保持される予め曲げられた端部を有するので、針が 前方に移動すると、カテーテルヘッド内の開口を通って外方に曲がり、又、前記 通路は、カテーテルの反対端部で、前記針に流体又は薬剤を供給する前記供給手 段に接続することを特徴とする請求の範囲第２項に記載のカテーテル。 １３．前記カテーテルが、カテーテルヘッドからカテーテルの反対端部に延伸 して、管状延長部を移動可能に収納する、複数の通路を備えた多ルーメンホース として形成されることを特徴とする請求の範囲第４項に記載のカテーテル。 １４．前記カテーテルには、カテーテルヘッドの反対端部で、２つの離れ た相対的に移動可能な部分を有する操作機構が設けられ、前記部分を圧縮するこ とによって、カテーテルヘッド壁内の開口を通って針を外方向にスライドさせる ことを特徴とする請求の範囲第１項に記載のカテーテル。 １５．多ルーメンホースが前記カテーテルのシャンク内に移動可能に配置され 、前記シャンクは前記操作機構の一方の部分に接続し、前記多ルーメンホースは 前記操作機構の他方の部分に接続し、前記２つの部分は、これらの圧縮に対抗す る手段によって間隔をあけた関係で保持され、前記多ルーメンホースは、前記対 抗手段による力に対して２つの部分を圧縮すると多ルーメンホースに接続する針 を、その引き込み位置から延伸位置に移動させることを特徴とする請求の範囲第 １４項に記載のカテーテル。 １６．前記多ルーメンホースが前記操作機構の一方の部分に接続し、前記針延 長部が前記操作機構の他方の部分に接続し、前記２つの部分はこれらの圧縮に対 抗する手段によって間隔をあけた関係で保持され、前記対抗手段の力に対して前 記２つの部分を圧縮すると、前記針延長部は前記多ルーメンホース内で移動して 、前記針を引き込み位置から外方への延伸位置に移動させることを特徴とする請 求の範囲第１４項に記載のカテーテル。 １７．多ルーメンホースが、カテーテルヘッドから、ヘッドの反対端部まで延 伸し、バルーンがカテーテルヘッドの前面に配置されるとともに、前記バルーン を膨張及び収縮させるための多ルーメンホースの１つの通路と連通することを特 徴とする請求の範囲第１項に記載のカテーテル。 １８．多ルーメンホースの外側に配置されるリード線が、カテーテルヘッドを 通ってバルーンに延伸し、バルーン内に形成された内側ルーメンを通ってバルー ンの前端部にまで延伸することを特徴とする請求の範囲第１７項に記載のカテー テル。 １９．リード線が前記多ルーメンホースを通って延伸し、前記カテーテルヘッ ドと前記バルーンとを通って、バルーンの前端部にまで延伸することを特徴とす る請求の範囲第１７項に記載のカテーテル。