【発明の詳細な説明】
ベンゾオキサゾール及びベンゾチアゾール誘導体
本発明は、殺線虫活性、殺虫活性、殺ダニ活性及び殺菌活性を有する新規なベ
ンゾオキサゾール及びベンゾチアゾール誘導体、これらの製造方法、これらを含
有する組成物、これらを使用して有害線虫、有害昆虫及びダニ害虫を撲滅又は防
除する方法、並びにこれらを使用してカビ菌(fungi)を防除する方法に関する
。
英国特許第1413519号明細書には、ベンゾ縮合環上に極めて特定のイソシアナ
ート置換基をもつ2-置換ベンゾオキサゾール類及びベンゾチアゾール類が一般的
に記載されている。特定の2-ハロアルケニルチオ基の例は記載されていないし、
また該化合物は農芸化学的な殺線虫活性に関係して記載されていない。米国特許
第4,328,219号明細書には、慣用の種々の殺虫剤の相乗剤として2-置換ベンゾオ
キサゾール類及びベンゾチアゾール類が記載されている。該明細書にもまた、特
定の2-ハロアルケニルチオ基の例は記載されていないし,殺線虫活性についても
記載されていない。米国特許第3,780,050号明細書には、2つの特定の化合物、
すなわち2-(3,4,4-トリフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール及
び2-(3,4,4-トリフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾールについてネ
コブセンチュウ種(Meloidogyne spp.)に対する活性が記載されている。本発
明は、広い範囲の有害線虫にわたって著しく改善された殺線虫活性を示ししかも
殺虫活性〔全身活性(systemic activity)を含む〕及び殺カビ活性を示す新規
な2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-置換ベンゾオキサゾール類及びベ
ンゾチアゾール類並びにこれらの酸化誘導体に関する。
本発明によれば、後記の式(I)で表わされる化合物〔式中、Xは酸素原子又
は硫黄原子であり;nは0、1又は2であり;R1、
R2、R3及びR4はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、置換されていて
もよいアリール基、置換されていてもよいアリールアルキル基、置換されていて
もよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアリールアルコキシ基、アルコ
キシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、ヒドロキシアルキル基、ア
ルコキシアルキル基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アルキニルチオ基、
ハロアルキル基、ハロアルケニル基、ハロアルキニル基、ハロアルコキシ基、ハ
ロアルケニルオキシ基、ハロアルキニルオキシ基、ハロアルキルチオ基、ハロア
ルケニルチオ基、ハロアルキニルチオ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ
基、ニトロ基、基-NR5R6、基-NR7COR8、基-NR9SO2R10、基-N(SO2−R11)(SO2-
R12)、基-COR13、基-CONR14R15、基-COOR16、基-OCOR17、基-OSO2R18、基-SO2N
R19R20、基-SO2R21、基-SOR22、基-CSNR23R24、基-SiR25R26R27、基-OCH2CO2R28
、基-OCH2CH2CO2R29、基-CONR30SO2R31及び基-SO2Zの中から選択されるものであ
るか;あるいは、R1、R2、R3及びR4のうちの隣り合った一組は一緒になった
場合には縮合した5員又は6員炭素環又は複素環を形成し;R5、R6、R7、R8
、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20
、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30及びR31はそ
れぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロア
ルキル基、ハロアルケニル基、ハロアルキニル基、置換されていてもよいアリー
ル基及び置換されていてもよいアリールアルキル基の中から選択されるものであ
り;且つZはハロゲン原子である〕が提供される。
R1〜R31のいずれか一つがアルキル基である場合には、該基は直鎖であって
もよいし又は分岐鎖であってもよく、C1〜6アルキル基特にC1〜4アルキル基、
例えばメチル基、エチル基、プロピル基、
iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基又はt-ブチル基であ
るのが好ましい。
R1〜R31のいずれか一つがアルケニル基又はアルキニル基である場合には、
該基は直鎖であってもよいし又は分岐鎖であってもよく、C2〜6アルケニル基又
はC2〜6アルキニル基、例えばビニル基、アリル基、ブタ-3-エニル基、3-メチ
ルブタ-3-エニル基、エチニル基又はプロパルギル基であるのが好ましい。
R1〜R4のいずれか一つがシクロアルキル基又はアルキルシクロアルキル基で
ある場合には、該基はC3〜6シクロアルキル基又はC4〜7アルキルシクロアルキ
ル基、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基又はメチ
ルシクロプロピル基であるのが好ましい。
R1〜R31のいずれか一つが、置換されていてもよいアリール基又は置換され
ていてもよいアリールアルキル基である場合には、該基は置換されていてもよい
フェニル基又は置換されていてもよいフェニル−C1〜2アルキル基(但し、好ま
しい任意の置換基はハロゲン原子例えば塩素原子、弗素原子又は臭素原子;C1 〜4
アルキル基例えばメチル基又はエチル基;C1〜4アルコキシ基例えばメトキ
シ基又はエトキシ基;C1〜4ハロアルキル基例えばクロロメチル基、フルオロメ
チル基、トリフルオロメチル基又は2,2,2-トリフルオロエチル基;C1〜4ハロ
アルコキシ基例えばトリフルオロメトキシ基;ヒドロキシ基、シアノ基及びニト
ロ基の中から選択される置換基の1つ又はそれ以上である)、例えばフェニル基
、ベンジル基、4-メチルフェニル基、4-クロロフェニル基、4-フルオロフェニル
基、4-ニトロフェニル基、3-トリフルオロメチルフェニル基、4-トリフルオロメ
チルフェニル基、4-クロロベンジル基、4-フルオロベンジル基、3-トリフルオロ
メチルベンジル基、4-トリフルオロメチルベンジル基、4-ニトロベンジル基又は
4-メチルベンジル基であるのが好
ましい。
R1〜R4のいずれか一つが、置換されていてもよいアリールオキシ基又は置換
されていてもよいアリールアルコキシ基である場合には、該基は置換されていて
もよいフェノキシ基又は置換されていてもよいフェニル−C1〜2アルコキシ基(
但し、好ましい任意の置換基はハロゲン原子例えば塩素原子、弗素原子又は臭素
原子;C1〜4アルキル基例えばメチル基又はエチル基;C1〜4アルコキシ基例え
ばメトキシ基又はエトキシ基;C1〜4ハロアルキル基例えばクロロメチル基、フ
ルオロメチル基、トリフルオロメチル基又は2,2,2-トリフルオロエチル基;C1〜4
ハロアルコキシ基例えばトリフルオロメトキシ基;ヒドロキシ基、シアノ基
及びニトロ基の中から選択される置換基の1つ又はそれ以上である)、例えばフ
ェノキシ基、ベンゾキシ基、4-メチルフェノキシ基、4-クロロフェノキシ基、4-
フルオロフェノキシ基、4-ニトロフェノキシ基、3-トリフルオロメチルフェノキ
シ基、4-トリフルオロメチルフェノキシ基、4-クロロベンゾキシ基、4-フロオロ
ベンゾキシ基、3-トリフルオロメチルベンゾキシ基、4-トリフルオロメチルベン
ゾキシ基、4-ニトロベンゾキシ基又は4-メチルベンゾキシ基であるのが好ましい
。
R1〜R31のいずれか一つがハロアルキル基、ハロアルケニル基又はハロアル
キニル基である場合には、該基は塩素原子、弗素原子又は臭素原子から選択され
るハロゲン原子の1個又はそれ以上を含有していてもよく且つそのアルキル部分
、アルケニル部分又はアルキニル部分は直鎖であってもよいし又は分岐鎖であっ
てもよく、C1〜6アルキル基特にC1〜4アルキル基、C2〜6アルケニル基又はC2〜6
アルキニル基であるのが好ましく、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメ
チル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロ
ロメチル基、2-フルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフル
オロエチル基、2,2-ジフルオ
ロエテニル基、3,3-ジクロロプロパ-2-エニル基、2-クロロプロパ-2-エニル基
、3,4,4-トリフルオロブタ-3-エニル基、4-フルオロブタ-3-エニル基、4,4-
ジフルオロブタ-3-エニル基又は3-メチル-4,4-ジフルオロブタ-3-エニル基であ
るのが好ましい。
R1〜R4のいずれか一つがアルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオ
キシ基、ヒドロキシアルキル基又はアルコキシアルキル基である場合には、該基
は直鎖であってもよいし又は分岐鎖であってもよく、C1〜6アルコキシ基、例え
ばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基
、iso-ブトキシ基、sec-ブトキシ基又はt-ブトキシ基;C2〜6アルケニルオキシ
基、例えばビニルオキシ基、アリルオキシ基、ブタ-3-エニルオキシ基又は3-メ
チルブタ-3-エニルオキシ基;C2〜6アルキニルオキシ基例えばプロパルギルオ
キシ基;ヒドロキシ-C1〜6アルキル基、例えばヒドロキシメチル基、2-ヒドロ
キシエチル基又は3-ヒドロキシプロピル基;C2〜6アルコキシアルキル基、例え
ばメトキシメチル基、メトキシエチル基又はエトキシメチル基;あるいはC3〜6
ジアルコキシアルキル基、例えばジメトキシメチル基又はジエトキシメチル基で
あるのが好ましい。
R1〜R4のいずれか一つがハロアルコキシ基、ハロアルケニルオキシ基又はハ
ロアルキニルオキシ基である場合には、該基は塩素原子、弗素原子又は臭素原子
から選択されるハロゲン原子の1個又はそれ以上を含有していてもよく且つその
アルコキシ部分、アルケニルオキシ部分又はアルキニルオキシ部分は直鎖であっ
てもよいし又は分岐鎖であってもよく、C1〜6アルコキシ基、C2〜6アルケニル
オキシ基又はC2〜6アルキニルオキシ基であるのが好ましく、例えばトリクロロ
メトキシ基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキ
シ基、2-フルオロエトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオ
ロエトキシ基、1,1,2,2-テトラ
フルオロエトキシ基、2,2-ジフルオロエテニルオキシ基、3,4,4-トリフルオ
ロブタ-3-エニルオキシ基、4-フルオロブタ-3-エニルオキシ基、4,4-ジフルオ
ロブタ-3-エニルオキシ基、3-メチル-4,4-ジフルオロブタ-3-エニルオキシ基、
2-クロロプロパ-2-エニルオキシ基又は3,3-ジクロロプロパ-2-エニルオキシ基
であるのが好ましい。
R1〜R4のいずれか一つがアルキルチオ基、アルケニルチオ基又はアルキニル
チオ基である場合には、そのアルキル部分、アルケニル部分又はアルキニル部分
は、C1〜6アルキル基特にC1〜4アルキル基、C2〜6アルケニル基又はC2〜6ア
ルキニル基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、iso-プロ
ピルチオ基、n-ブチルチオ基、iso-ブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、t-ブチル
チオ基、アリルチオ基、ブタ-3-エニルチオ基、3-メチルブタ-3-エニルチオ基又
はプロパルギルチオ基であるのが好ましい。
R1〜R4のいずれか一つがハロアルキルチオ基、ハロアルケニルチオ基又はハ
ロアルキニルチオ基である場合には、該基は塩素原子、弗素原子又は臭素原子か
ら選択されるハロゲン原子の1個又はそれ以上を含有し得、且つそのアルキル部
分、アルケニル部分又はアルキニル部分は、C1〜6アルキル基特にC1〜4アルキ
ル基、C2〜6アルケニル基又はC2〜6アルキニル基であるのが好ましく、例えば
フルオロメチルチオ基、ジフルオロメチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基、
トリクロロメチルチオ基、2-フルオロエチルチオ基、2,2,2-トリフルオロエチ
ルチオ基、3-フルオロ-n−プロピルチオ基、ペンタフルオロエチルチオ基、2-ク
ロロプロパ-2-エニルチオ基、3,3-ジクロロプロパ-2-エニルチオ基、3,4,4-
トリフルオロブタ-3-エニルチオ基、4-フルオロブタ-3-エニルチオ基、4,4-ジ
フルオロブタ-3-エニルチオ基又は3-メチル-4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ
基であるのが好ましい。
R1〜R4のいずれか一つがハロゲン原子である場合には、それは
弗素原子、塩素原子、臭素原子又は沃素原子であるのが好ましい。
R1〜R4のいずれか一つが基-NR5R6である場合には、該基は基-NH2;C1〜6ア
ルキルアミノ基、例えばメチルアミノ基又はエチルアミノ基;あるいはジ-(C1 〜6
アルキル)アミノ基、例えばジメチルアミノ基又はジエチルアミノ基である
のが好ましい。
R1〜R4のいずれか一つが基-NR7COR8である場合には、該基は基-NHCHO、C2 〜6
アシルアミノ基又は置換されていてもよいベンズアミド基、例えば基-NHCOCH3
、基-NHCOC2H5、ベンズアミド基であるか;あるいは置換されていてもよいベン
ズアミド基であって、ハロゲン原子例えば塩素原子、弗素原子又は臭素原子、C1〜4
アルキル基例えばメチル基又はエチル基、C1〜4アルコキシ基例えばメトキ
シ基又はエトキシ基、C1〜4ハロアルキル基例えばクロロメチル基、フルオロメ
チル基、トリフルオロメチル基又は2,2,2-トリフルオロエチル基、C1〜4ハロ
アルコキシ基例えばトリフルオロメトキシ基又は2,2,2-トリフルオロエトキシ
基、ヒドロキシ基、シアノ基及びニトロ基の中から選択される置換基の1個又は
それ以上で置換されていてもよいベンズアミド基であるのが好ましい。
R1〜R4のいずれか一つが基-NR9SO2R10である場合には、該基はC1〜6アルカ
ンスルホンアミド基、例えば基-NHSO2CH3又は基-NHSO2C2H5であるのが好ましい
。
R1〜R4のいずれか一つが基-N(SO2-R11)(SO2-R12)である場合には、該基
はジ(C1〜6アルカンスルホニル)アミノ基、例えば基-N(SO2CH3)2又は基-N
(SO2C2H5)2であるのが好ましい。
R1〜R4のいずれか一つが基-COR13である場合には、該基はホルミル基、C2 〜6
アシル基又は置換されていてもよいベンゾイル基、例えばアセチル基、プロ
ピオニル基、n-ブタノイル基、ベンゾイル基であるか;あるいは置換されていて
もよいベンゾイル基であって、ハロゲン原子例えば塩素原子、弗素原子又は臭素
原子、C1〜4アル
キル基例えばメチル基又はエチル基、C1〜4アルコキシ基例えばメトキシ基又は
エトキシ基、C1〜4ハロアルキル基例えばクロロメチル基、フルオロメチル基、
トリフルオロメチル基又は2,2,2-トリフルオロエチル基、C1〜4ハロアルコキ
シ基例えばトリフルオロメトキシ基又は2,2,2-トリフルオロエトキシ基、ヒド
ロキシ基、シアノ基及びニトロ基の中から選択される置換基の1個又はそれ以上
で置換されていてもよいベンゾイル基、例えば4-クロロベンゾイル基、4-フルオ
ロベンゾイル基、4-ブロモベンゾイル基、4-メチルベンゾイル基又は4-トリフル
オロメチルベンゾイル基であるのが好ましい。
R1〜R4のいずれか一つが基-CONR14R15である場合には、該基は基-CONH2又は
N-(C1〜6アルキル)-カルボキサミド基、例えば基-CONHCH3、-CONHC2H5又は基
-CONHCH2CH2CH3、あるいはN,N-ジ(C1〜6アルキル)-カルボキサミド基例えば
基-CON(CH3)2、基-CON(CH3)(C2H5)又は基-CON(C2H5)2であるのが好ま
しい。
R1〜R4のいずれか一つが基-COOR16である場合には、該基は基-COOH;C1〜6
アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル
基;C1〜6ハロアルコキシカルボニル基例えば2-フルオロエトキシカルボニル基
;あるいはC2〜6ハロアルケニルオキシカルボニル基、例えば3,4,4-トリフル
オロブタ-3-エニルオキシカルボニル基、4-フルオロブタ-3-エニルオキシカルボ
ニル基、4,4-ジフルオロブタ-3-エニルオキシカルボニル基又は3-メチル-4,4-
ジフルオロブタ-3-エニルオキシカルボニル基であるのが好ましい。
R1〜R4のいずれか一つが基-OCOR17である場合には、該基はC2〜6アシルオ
キシ基又は置換されていてもよいベンゾイルオキシ基、例えば基-OCOCH3、基-OC
OC2H5、ベンゾイルオキシ基であるか;あるいは置換されていてもよいべンゾイ
ルオキシ基であって、ハロゲン原子例えば塩素原子、弗素原子又は臭素原子、C1〜4
アルキル
基例えばメチル基又はエチル基、C1〜4アルコキシ基例えばメトキシ基又はエト
キシ基、C1〜4ハロアルキル基例えばクロロメチル基、フルオロメチル基、トリ
フルオロメチル基又は2,2,2-トリフルオロエチル基、C1〜4ハロアルコキシ基
例えばトリフルオロメトキシ基又は2,2,2-トリフルオロエトキシ基、ヒドロキ
シ基、シアノ基及びニトロ基の中から選択される置換基の1個又はそれ以上で置
換されていてもよいベンゾイルオキシ基であるのが好ましい。
R1〜R4のいずれか一つが基-OSO2R18である場合には、該基はC1〜6アルカン
スルホニルオキシ基又は置換されていてもよいベンゼンスルホニルオキシ基、例
えばメタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニ
ルオキシ基であるか;あるいは置換されていてもよいベンゼンスルホニルオキシ
基であって、ハロゲン原子例えば塩素原子、弗素原子又は臭素原子、C1〜4アル
キル基例えばメチル基又はエチル基、C1〜4アルコキシ基例えばメトキシ基又は
エトキシ基、C1〜4ハロアルキル基例えばクロロメチル基、フルオロメチル基、
トリフルオロメチル基又は2,2,2-トリフルオロエチル基、C1〜4ハロアルコキ
シ基例えばトリフルオロメトキシ基又は2,2,2-トリフルオロエトキシ基、ヒド
ロキシ基、シアノ基及びニトロ基の中から選択される置換基の1個又はそれ以上
で置換されていてもよいベンゼンスルホニルオキシ基、例えば4-メチルベンゼン
スルホニルオキシ基であるのが好ましい。
R1〜R4のいずれか一つが基-SO2NR19R20である場合には、該基は基-SO2NH2、
C1〜6アルキルアミノスルホニル基例えば基-SO2NHCH3又は-SO2NHC2H5;あるい
はジ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル基例えば基-SO2N(CH3)2又は基-SO2N
(C2H5)2であるのが好ましい。
R1〜R4のいずれか一つ基が-SO2R21である場合には、該基はC1〜6アルカン
スルホニル基、C1〜6ハロアルカンスルホニル基又は
置換されていてもよいベンゼンスルホニル基、例えばメタンスルホニル基、エタ
ンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基であ
るか;あるいは置換されていてもよいベンゼンスルホニル基であって、ハロゲン
原子例えば塩素原子、弗素原子又は臭素原子、C1〜4アルキル基例えばメチル基
又はエチル基、C1〜4アルコキシ基例えばメトキシ基又はエトキシ基、C1〜4ハ
ロアルキル基例えばクロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基
又は2,2,2-トリフルオロエチル基、C1〜4ハロアルコキシ基例えばトリフルオ
ロメトキシ基又は2,2,2-トリフルオロエトキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基及
びニトロ基の中から選択される置換基の1個又はそれ以上で置換されていてもよ
いベンゼンスルホニル基、例えば4-メチルベンゼンスルホニル基であるのが好ま
しい。
R1〜R4のいずれか一つが基-SOR22である場合には、該基はC1〜6アルカンス
ルフィニル基例えばメタンスルフィニル基又はエタンスルフィニル基、あるいは
C1〜6ハロアルカンスルフィニル基例えばトリフルオロメタンスルフィニル基で
あるのが好ましい。
R1〜R4のいずれか一つが基-CSNR23R24である場合には、該基は基-CSNH2、-C
SNH(CH3)又は-CSN(CH3)2であるのが好ましい。
R1〜R4のいずれか一つが基-SiR25R26R27である場合には、該基はトリ(C1 〜6
アルキル)シリル基、例えばトリメチルシリル基又はトリエチルシリル基で
あるのが好ましい。
R1〜R4のいずれか一つが基-OCH2CO2R28である場合には、該基はC1〜6アル
コキシカルボニルメトキシ基、例えばメトキシカルボニルメトキシ基又はエトキ
シカルボニルメトキシ基であるのが好ましい。
R1〜R4のいずれか一つが基-OCH2CH2CO2R29である場合には、該基はC1〜6ア
ルコキシカルボニルエトキシ基、例えばメトキシカルボニルエトキシ基又はエト
キシカルボニルエトキシ基であるのが好
ましい。
R1〜R4のいずれか一つが基-CONR30SO2R31である場合には、該基はN-(C1〜 6
アルカンスルホニル)カルボキサミド基又はN-(C1〜6アルキル)-N-(C1〜6
アルカンスルホニル)カルボキサミド基、例えばN-(メタンスルホニル)カルボ
キサミド基又はN-メチル-N-(メタンスルホニル)カルボキサミド基であるのが
好ましい。
R1〜R4のいずれか一つが基-SO2Zがである場合には、該基は基-SO2F、-SO2Cl
又は-SO2Brであるのが好ましい。
R1、R2、R3及びR4のうちの隣り合った一組が一緒になって縮合した5員又
は6員炭素環又は複素環を形成する場合には、一緒になった置換基の一組は1個
又は2個のハロゲン原子で置換されていてもよい基-(CH2)3-、-(CH2)4-、-C
H=CH-CH=CH-、-O-CH2-O-、例えば基-O-CHF-O-、-O-CF2-O-、-O-CH(CH3)-O-、-
O-C(CH3)2-O-又は-O-(CH2)2-O-であるのが好ましく、またそれによって形成
される縮合環は、2個の酸素原子を含んでいる5員又は6員複素環であってハロ
ゲン原子又はメチル基で置換されていてもよい複素環であるか、あるいは5員又
は6員炭素環であるのが好ましい。
従って、別の要旨によれば本発明により、後記の式(I)で表わされる化合物
であって、式中のXが酸素原子又は硫黄原子であり;nが0、1又は2であり;
R1、R2、R3及びR4がそれぞれ独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2 〜6
アルケニル基、C2〜6アルキニル基、C3〜6シクロアルキル基、C4〜7アル
キルシクロアルキル基;フェニル基であって、ハロゲン原子、C1〜4アルキル基
、C1〜4アルコキシ基、C1〜4ハロアルキル基、C1〜4ハロアルコキシ基、ヒド
ロキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよいフェニル基;フェニル
-C1〜2アルキル基であって、ハロゲン原子、C1〜4アルキル基、C1〜4アルコ
キシ基、C1〜4ハロアルキル基、C1〜4ハロアルコキシ基、ヒドロキシ基、シア
ノ基又はニトロ基で置換され
ていてもよいフェニル-C1〜2アルキル基;フェノキシ基であって、ハロゲン原
子、C1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、C1〜4ハロアルキル基、C1〜4ハ
ロアルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい
フェノキシ基;フェニル-C1〜2アルコキシ基であって、ハロゲン原子、C1〜4
アルキル基、C1〜4アルコキシ基、C1〜4ハロアルキル基、C1〜4ハロアルコキ
シ基、ヒドロキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよいフェニル-
C1〜2アルコキシ基;C1〜6アルコキシ基、C2〜6アルケニルオキシ基、C2〜6
アルキニルオキシ基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、C2〜6アルコキシアルキル
基、C3〜6ジアルコキシアルキル基、C1〜6アルキルチオ基、C2〜6アルケニル
チオ基、C2〜6アルキニルチオ基、C1〜6ハロアルキル基、C2〜6ハロアルケニ
ル基、C2〜6ハロアルキニル基、C1〜6ハロアルコキシ基、C2〜6ハロアルケニ
ルオキシ基、C2〜6ハロアルキニルオキシ基、C1〜6ハロアルキルチオ基、C2 〜6
ハロアルケニルチオ基、C2〜6ハロアルキニルチオ基、ハロゲン原子、ヒド
ロキシ基、シアノ基、ニトロ基、基-NR5R6、基-NR7COR8、基-NR9SO2R10、基-N(
SO2-R11)(SO2-R12)、基-COR13、基-CONR14R15、基-COOR16、基-OCOR17、基-O
SO2R18、基-SO2NR19R20、基-SO2R21、基-SOR22、基-CSNR23R24、基-SiR25R26R27
、基-OCH2CO2R28、基-OCH2CH2CO2R29、基-CONR30SO2R31及び基-SO2Zの中から選
択されるものであるか;あるいは、R1、R2、R3及びR4のうちの隣り合った一
組は、一緒になった場合には2個の酸素原子を含有する縮合した5員又は6員複
素環であって且つハロゲン原子又はメチル基の1個又はそれ以上で置換されてい
てもよい5員又は6員複素環を形成するか、あるいは5員又は6員炭素環を形成
し;R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、
R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、
R29、R30及びR31がそれぞれ独立して、
水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基、C2〜6アルキニル基、C1 〜6
ハロアルキル基、C2〜6ハロアルケニル基、C2〜6ハロアルキニル基;フェ
ニル基であって、ハロゲン原子、C1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、C1 〜4
ハロアルキル基、C1〜4ハロアルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基又はニ
トロ基で置換されていてもよいフェニル基;及びベンジル基であって、ハロゲン
原子、C1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、C1〜4ハロアルキル基、C1〜4
ハロアルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよ
いベンジル基の中から選択されるものであり;且つZが弗素原子、塩素原子又は
臭素原子である化合物が提供される。
特に重要な本発明の化合物の別の一群は、後記の式(I)で表わされる化合物
であって、式中のXが酸素原子又は硫黄原子であり;nが0、1又は2であり;
R1、R2、R3及びR4がそれぞれ独立して、水素原子;C1〜4アルキル基例えば
メチル基又はエチル基;C2〜6アルケニル基例えばアリル基、ブタ-3-エニル基
又は3-メチルブタ-3-エニル基;C2〜6アルキニル基例えばエチニル基又はプロ
パルギル基;C3〜6シクロアルキル基例えばシクロプロピル基;C4〜7アルキル
シクロアルキル基例えば1-メチルシクロプロピル基;フェニル基であって、塩素
原子、弗素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、
トリフルオロメチル基又はニトロ基で置換されていてもよいフェニル基、例えば
フェニル基、4-クロロフェニル基、4-フルオロフェニル基、3-トリフルオロメチ
ルフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、4-メチルフェニル基又は4-ニ
トロフェニル基;ベンジル基であって、塩素原子、弗素原子、メチル基、エチル
基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基又はニトロ基
で置換されていてもよいベンジル基、例えばベンジル基、4-クロロベンジル基、
4-フルオロベンジ
ル基、3-トリフルオロメチルベンジル基、4-トリフルオロメチルベンジル基、4-
メチルベンジル基又は4-ニトロベンジル基;フェノキシ基であって、塩素原子、
弗素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はニトロ基で置換されていてもよ
いフェノキシ基、例えばフェノキシ基、4-クロロフェノキシ基、4-フルオロフェ
ノキシ基、3-トリフルオロメチルフェノキシ基、4-トリフルオロメチルフェノキ
シ基、4-メチルフェノキシ基又は4-ニトロフェノキシ基;ベンゾキシ基であって
、塩素原子、弗素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はニトロ基で置換さ
れていてもよいベンゾキシ基、例えばベンゾキシ基、4-クロロベンゾキシ基、4-
フロオロベンゾキシ基、3-トリフルオロメチルベンゾキシ基、4-トリフルオロメ
チルベンゾキシ基、4-メチルベンゾキシ基又は4-ニトロベンゾキシ基:C1〜4ア
ルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、iso-プロポキシ基、n-プロポキシ
基又はsec-ブトキシ基:C2〜6アルケニルオキシ基、例えばアリルオキシ基、ブ
タ-3-エニルオキシ基又は3-メチルブタ-3-エニルオキシ基;C2〜6アルキニルオ
キシ基例えばプロパルギルオキシ基;ヒドロキシC1〜4アルキル基、例えばヒド
ロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基又は3-ヒドロキシプロピル基;C2〜4ア
ルコキシアルキル基、例えばメトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエ
チル基;C3〜6ジアルコキシアルキル基例えばジメトキシメチル基;C1〜4アル
キルチオ基、例えばメチルチオ基又はエチルチオ基;C2〜6アルケニルチオ基、
例えばアリルチオ基、ブタ-3-エニルチオ基又は3-メチルブタ-3-エニルチオ基;
C2〜4アルキニルチオ基例えばプロパルギルチオ基;C1〜4フルオロアルキル基
、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基又は2-
フルオロエチル基;C1〜4クロロアルキル基、例えばクロロメチル基、ジクロロ
メチル基又はトリクロロメチル基;C2〜6フルオロアルケニル基、例えば2,2-
ジフルオロエテニル基、3,4,4-ト
リフルオロブタ-3-エニル基、4,4-ジフルオロブタ-3-エニル基又は4,4-ジフル
オロ-3-メチルブタ-3-エニル基;C2〜4クロロアルケニル基、例えば3,3-ジク
ロロプロパ-2-エニル基又は2-クロロプロパ-2-エニル基;C1〜4フルオロアルコ
キシ基、例えばフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメト
キシ基、2-フルオロエトキシ基又は1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ基;C1 〜4
クロロアルコキシ基例えばトリクロロメトキシ基;C2〜6フルオロアルケニ
ルオキシ基、例えば3,4,4-トリフルオロブタ-3-エニルオキシ基、4,4-ジフル
オロブタ-3-エニルオキシ基又は4,4-ジフルオロ-3-メチルブタ-3-エニルオキシ
基;C2〜4クロロアルケニルオキシ基、例えば2-クロロプロパ-2-エニルオキシ
基又は3,3-ジクロロプロパ-2-エニルオキシ基;C1〜4フルオロアルキルチオ基
、例えばフルオロメチルチオ基、ジフルオロメチルチオ基、トリフルオロメチル
チオ基又は2-フルオロエチルチオ基;C1〜4クロロアルキルチオ基例えばトリク
ロロメチルチオ基;C2〜6フルオロアルケニルチオ基、例えば3,4,4-トリフル
オロブタ-3-エニルチオ基、4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ基又は4,4-ジフ
ルオロ-3-メチルブタ-3-エニルチオ基;C2〜4クロロアルケニルチオ基、例えば
2-クロロプロパ-2-エニルチオ基又は3,3-ジクロロプロパ-2-エニルチオ基;塩
素原子、弗素原子、臭素原子、沃素原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、
アミノ基;基-NHR5(式中、R5はC1〜4アルキル基である)、例えばメチルアミ
ノ基又はエチルアミノ基;基-NR5R6(式中、R5及びR6はC1〜4アルキル基であ
る)、例えばジメチルアミノ基又はジエチルアミノ基;基-NR7COR8(式中、R7
は水素原子であり、R8は水素原子又はC1〜4アルキル基である)、例えばホル
ムアミド基、アセトアミド基、プロピオンアミド基又はベンズアミド基;基-NR9
SO2R10(式中、R9は水素原子であり、R10はC1〜4アルキル基である)、例え
ばメタンスルホンアミド基又はエタンスルホンアミ
ド基;基-N(SO2-R11)(SO2-R12)(式中、R11及びR12はC1〜4アルキル基で
ある)、例えばN,N-ジ-(メタンスルホニル)アミノ基又はN,N-ジ-(エタンス
ルホニル)アミノ基;基-COR13(式中、R13は水素原子又はC1〜4アルキル基で
ある)、例えばホルミル基、アセチル基又はプロピオニル基;基-CONR14R15(式
中、R14及びR15は水素原子又はC1〜4アルキル基である)、例えばカルボキサ
ミド基、N-メチルカルボキサミド基、N-エチルカルボキサミド基、N,N-ジメチ
ルカルボキサミド基、N-メチル-N-エチルカルボキサミド基、N,N-ジエチルカル
ボキサミド基又はN-(n-プロピル)カルボキサミド基;基-COOR16(式中、R16
は水素原子、C1〜4アルキル基、C1〜4ハロアルキル基、又はC2〜6フルオロア
ルケニル基である)、例えば基-COOH、メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基、2-フルオロエトキシカルボニル基、3,4,4-トリフルオロブタ-3-エニ
ルオキシカルボニル基、3-メチル-4,4-ジフルオロブタ-3-エニルオキシカルボ
ニル基又は4,4-ジフルオロブタ-3-エニルオキシカルボニル基;基-OCOR17(式
中、R17はC1〜4アルキル基である)、例えばメトキシカルボニルオキシ基又は
エトキシカルボニルオキシ基;基-OSO2R18(式中、R18はC1〜4アルキル基であ
る)、例えばメタンスルホニルオキシ基又はエタンスルホニルオキシ基;基-SO2
NR19R20(式中、R19及びR20は水素原子又はC1〜4アルキル基である)、例え
ば基-SO2NH2、N,N-ジメチルアミノスルホニル基又はN,N-ジエチルアミノスル
ホニル基;基-SO2R21(式中、R21はC1〜4アルキル基又はC1〜4ハロアルキル
基である)、例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基又はトリフルオロ
メタンスルホニル基:基-SOR22(式中、R22はC1〜4アルキル基又はC1〜4ハロ
アルキル基である)、例えばメタンスルフィニル基、エタンスルフィニル基又は
トリフルオロメタンスルフィニル基;基-CSNR23R24(式中、R23及びR24は水素
原子又はC1〜4アルキル基である)、例えば基-CSNH2、
-CSNH(CH3)又は-CSN(CH3)2;基-SiR25R26R27(式中、R25、R26及びR27は
C1〜4アルキル基である)、例えばトリメチルシリル基;基-OCH2CO2R28(式中
、R28はC1〜4アルキル基である)、例えば基-OCH2CO2CH3又は-OCH2CO2CH2CH3
;基-CONR30SO2R31(式中、R30は水素原子であり、R31はC1〜4アルキル基で
ある)、例えばN-(メタンスルホニル)カルボキサミド基;及び基-SO2Fの中か
ら選択されるものであるか;あるいは、R1とR2が一緒になる場合、R1とR3が
一緒になる場合又はR2とR4が一緒になる場合には1個又はそれ以上のハロゲン
原子で置換されていてもよい基-(CH2)3-、-(CH2)4-、-CH=CH-CH=CH-又は-O-
CH2-O-、例えば基-O-CHF-O-、-O-CF2-O-、-O-CH(CH3)-O-、-O-C(CH3)2-O-又
は-O-(CH2)2-O-である化合物である。
特に重要な本発明の化合物の別の一群は、後記の式(I)で表わされる化合物
であって、式中のXが酸素原子又は硫黄原子であり;nが0、1又は2であり;
R1、R2、R3及びR4がそれぞれ独立して、水素原子;C1〜4アルキル基、例え
ばメチル基又はエチル基;C1〜4アルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基
、iso-プロポキシ基又はsec-ブトキシ基;C1〜4アルキルチオ基、例えばメチル
チオ基又はエチルチオ基;C1〜4フルオロアルキル基、例えばフルオロメチル基
、ジフルオロメチル基又はトリフルオロメチル基;C1〜4フルオロアルコキシ基
、例えばフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基
、2-フルオロエトキシ基又は1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ基;C2〜6フ
ルオロアルケニルオキシ基、例えば3,4,4-トリフルオロブタ-3-エニルオキシ
基、4,4-ジフルオロブタ-3-エニルオキシ基又は4,4-ジフルオロ-3-メチルブタ
-3-エニルオキシ基;C1〜4フルオロアルキルチオ基例えばトリフルオロメチル
チオ基;C2〜6フルオロアルケニルチオ基、例えば3,4,4-トリフルオロブタ-3
-エニルチオ基、4,4-ジフルオロブタ-3-エ
ニルチオ基又は4,4-ジフルオロ-3-メチルブタ-3-エニルチオ基;塩素原子、弗
素原子、臭素原子、沃素原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基;基-COOR16
(式中、R16は水素原子、C1〜4アルキル基、C1〜4ハロアルキル基又はC2〜6
フルオロアルケニル基である)、例えば基-COOH、メトキシカルボニル基、エト
キシカルボニル基、2-フルオロエトキシカルボニル基、3,4,4-トリフルオロブ
タ-3-エニルオキシカルボニル基、3-メチル-4,4-ジフルオロブタ-3-エニルオキ
シカルボニル基又は4,4-ジフルオロブタ-3-エニルオキシカルボニル基;基-SO2
R21(式中、R21はC1〜4アルキル基又はC1〜4ハロアルキル基である)、例え
ばメタンスルホニル基又はトリフルオロメタンスルホニル基;基-SOR22(式中、
R22はC1〜4アルキル基又はC1〜4ハロアルキル基である)、例えばメタンスル
フィニル基又はトリフルオロメタンスルフィニル基;及び基-CSNH2の中から選択
されるものであるか;あるいは、R1とR2が一緒になる場合には基-O-(CH2)2-
O-である化合物である。
特に重要な本発明の化合物の別の一群は、後記の式(I)で表わされる化合物
であって、式中のR1、R2、R3、R4、Z、X及びnが請求項1に記載の意義の
いずれかを有するものである(但し、基R1、R2、R3及びR4のうちの少なくと
も2つが水素原子であることを条件とする)化合物である。
特に重要な本発明の化合物の別の一群は、後記の式(I)で表わされる化合物
であって、式中のX及びnが請求項1に記載の意義のいずれかを有するものであ
り且つ基R1、R2、R3及びR4のそれぞれが水素原子である化合物である。
特に重要な本発明の化合物は、後記の式(I)で表わされる化合物であって、
式中のX、R1〜R4及びZが前記の意義のいずれかを有するものであり且つnが
0である化合物である。
これらの式(I)で表わされる化合物であって式中のnが1であ
る化合物は、酸化された硫黄原子において立体異性を示す。本発明の範囲には、
本発明の化合物の個々の異性体の全て及び異性体混合物(例えばラセミ混合物)
の全てが含まれることが理解されるべきである。
本発明の後記の式(I)で表わされる化合物の具体例を第I表に示す。
式(I)で表わされる化合物であって、式中のR1、R2、R3、R4、X及びZ
が前記の意義のいずれかを有し且つnが0である場合の化合物は、対応する後記
の式(III)で表わされる化合物を脱臭化水素化することによって、例えば不活
性溶媒例えばジメチルホルムアミドの存在下で塩基、例えばアルカリ金属水酸化
物例えば水酸化カリウム又はナトリウムあるいは第三級アミン例えば1,8-ジア
ザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンを用いて式(III)で表わされる化合物
を処理することによって製造し得る。式(III)で表わされる化合物は、後記の
式(II)で表わされる対応するメルカプト(チオール)化合物から、該式(II)
で表わされる化合物と、後記の式(IV)で表わされる化合物(式中、Lは容易に
置換し得る脱離性基、例えば沃素原子、メタンスルホニルオキシ基、特にp-トル
エンスルホニルオキシ基である)とをかかる置換反応について当該技術において
周知の条件下で、例えば不活性溶媒中で温和な塩基、例えばアルカリ金属炭酸化
物、例えば炭酸カリウム又はナトリウムの存在下に、40〜100℃の範囲の温度で
、最も都合よくはこの範囲内の沸点をもつアセトンのごとき適当な不活性溶媒の
還流温度で反応させることによって製造し得る。式(IV)で表わされる化合物は
、次の一連の反応によって製造し得る。すなわち、アクリル酸(CH2=CHCO2H、商
業的に入手し得る)をジブロモジフルオロメタン(CF2Br2)と、アセトニトリル
、水、亜ジチオン酸ナトリウム(Na2S2O4)及び炭酸水素ナトリウムの存在下で
、RongとKeeseによってTetrahedron Letters,1990,5615(1990)に記載の条件
下で反応させて、後記の式(V)で表わされる化合物を製造する。次いで、得ら
れた式(V)の化合物を、酸基を第一級アルコールに還元することについて当該
技術において周知の条件下で、例えば不活性溶媒例えばテトラヒドロフランの存
在下で水素化リチウムアルミニウムを使用して還元することによって後記の式(
VI)で表わされる化合物を製造する。次いで、得
られた式(VI)の化合物から、第一級水酸基を置換し得る脱離性基に転化させる
標準的方法により、式(IV)で表わされる化合物を製造し得る。式(IV)で表わ
される化合物であって、式中のLがメタンスルホニルオキシ基又はp-トルエンス
ルホニルオキシ基である場合の化合物の場合には、式(VI)の化合物はメタンス
ルホニルクロリド又はp-トルエンスルホニルクロリドと反応させ得る。式(IV)
で表わされる化合物であって、式中のLが沃素である場合の化合物の場合には、
式(VI)の化合物は酸性条件下でアルカリ金属沃化物、例えば沃化ナトリウム又
は沃化カリウムと反応させ得る。
式(I)で表わされる化合物であって、式中のR1、R2、R3、R4、X及びZ
が前記の意義のいずれかを有し且つnが0である場合の化合物の好ましい製造方
法は、式(II)で表わされる化合物と、式(VII)で表わされる化合物であって
、式中のRaがC1〜4アルキル基特にメチル基、又はC1〜4アルキル基で置換さ
れていてもよいフェニル基、特にp-トリル基である化合物とを、かかる置換反応
について当該技術において周知の条件下で、例えば不活性溶媒中で温和な塩基、
例えばアルカリ金属炭酸化物、例えば炭酸カリウム又はナトリウムの存在下に、
40〜100℃の範囲の温度で、最も都合よくはこの範囲内の沸点をもつアセトンの
ごとき適当な不活性溶媒の還流温度で反応させることによるものである。上記の
式(VII)で表わされる化合物は次の一連の反応によって製造し得る。すなわち
、臭化水素を、商業的に入手し得る後記の式(VIII)で表わされる化合物と付加
反応に標準的な条件下で反応させて、例えば不活性溶媒に溶解させた上記の式(
VIII)で表わされる化合物の溶液中に臭化水素ガスを通送することによって反応
させて後記の式(IX)で表わされる化合物を製造する。次いで。得られた式(IX
)の化合物を、式RaSO3H(式中、Raは前記の意義を有する)で表わされるスル
ホン酸の銀塩、例えばp-トルエンスルホン酸の銀塩(p-トルエンスルホン酸銀)
と、
好ましくは不活性溶媒中で光の不存在下で反応させて、対応する後記の式(X)
で表わされる化合物を製造する。式(X)で表わされる化合物の脱臭素脱弗素化
、例えば好ましくは適当な触媒例えば沃素の存在下における亜鉛との反応による
脱臭素脱弗素化により、上記の式(VII)で表わされる化合物であって、式中の
Raが前記の意義を有する化合物を製造する。
式(I)で表わされる化合物であって、式中のR1、R2、R3、R4、X及びZ
が前記の意義のいずれかを有し且つnが0である場合の化合物の別の製造方法は
、式(II)で表わされる化合物と、式(IX)で表わされる化合物とを、例えば不
活性溶媒中で塩基例えばアルカリ金属炭酸化物、例えば炭酸カリウム又はナトリ
ウムの存在下で反応させて、対応する後記の式(XI)で表わされる化合物であっ
て、式中のR1、R2、R3、R4、X及びZが前記の意義のいずれかを有する化合
物を製造することにより提供される。次いで、上記の式(XI)で表わされる化合
物は、前記の式(X)で表わされる対応化合物からの式(VII)で表わされる化
合物の製造について前述したような脱臭素脱弗素化反応により、対応する式(I
)の化合物に転化し得る。
式(I)で表わされる化合物であって、式中のR1、R2、R3、R4、X及びZ
が前記の意義のいずれかを有し且つnが0である場合の化合物の別の製造方法は
、ジメチルアセトアミド中で亜鉛とトリフェニルホスフィンとの存在下でアルデ
ヒドと、適当なハロゲン化メタンとの反応を記載しているHayashiらの論文、Che
mistryLetters,1979,p983-986の方法と同様の方法である。すなわち、第1工
程は、式(II)で表わされる対応する置換ベンゾオキサゾール又はベンゾチアゾ
ールと、2-(2-ブロモエチル)-1,3-ジオキソランとを、塩基例えば炭酸塩、例
えば炭酸カリウムの存在下に不活性溶媒例えばアセトン中で反応させて対応する
ジオキソランを生成させ
ることからなる。第2工程は、得られたジオキソランを、水性酸例えば塩酸で、
例えば不活性共溶媒例えばテトラヒドロフランの存在下又は不存在下で処理して
、対応するオキソプロピルチオベンゾオキサゾール又はベンゾチアゾールを生成
させることからなる。次いで最後に、得られたオキソプロピルチオベンゾオキサ
ゾール又はベンゾチアゾールとジブロモジフルオロメタンとを、不活性溶媒例え
ばジメチルアセトアミド中で、ホスフィン剤例えばトリフェニルホスフィン及び
亜鉛粉末の存在下で反応させる。式(II)で表わされる上記の2つの化合物と、
2-(2-ブロモエチル)-1,3-ジオキソランと、ジブロモジフルオロメタンとは本
明細書に記載の慣用の方法によって得ることができるし又は商業的供給源から得
ることができる。
従って、本発明の別の要旨によれば、式(I)(式中、R1、R2、R3、R4、
X及びZは前記の意義のいずれかを有するものであり且つnは0である)で表わ
される化合物の製造方法であって、式(II)で表わされる対応する化合物と、式
(IV)(式中、Lは容易に置換し得る脱離性基である)で表わされる化合物とを
反応させて式(III)で表わされる化合物を生成させる工程と、次後の上記の式
(III)で表わされる化合物を塩基の存在下で脱臭化水素化する工程とからなる
、前記の式(I)で表わされる化合物の製造法が提供される。
本発明の別の要旨によれば、式(II)で表わされる化合物と、式(VII)(式
中、RaはC1〜4アルキル基であるか又はC1〜4アルキル基で置換されていても
よいフェニル基である)とを反応させることからなる式(I)(式中、R1、R2
、R3、R4、X及びZは前記の意義のいずれかを有するものであり且つnは0で
ある)で表わされる化合物の製造方法が提供される。
本発明の別の要旨によれば、式(I)(式中、R1、R2、R3、R4、X及びZ
は前記の意義のいずれかを有するものであり且つnは0である)で表わされる化
合物の製造方法であって、式(II)で
表わされる化合物と、後記の式(IX)で表わされる化合物とを反応させて式(XI
)で表わされる化合物を生成させる工程と、次後の前記の式(XI)で表わされる
化合物を脱臭素脱弗素化する工程とからなる、前記の式(I)で表わされる化合
物の製造法が提供される。
また、本明細書に記載の式(I)で表わされる化合物の多くは、式(I)で表
わされる別の化合物から、適当な置換基R1、R2、R3及びR4を標準的な化学的
方法を使用して変換することにより製造し得る。多数のかかる方法は実施例に記
載され、しかも同様の変換に一般的に適用し得る場合が多く、それによって式(
I)で表わされる適当な化合物の製造用のさらに別の方法の類似の方法が提供さ
れる。
式(II)で表わされる化合物は相当する(equivalent)2-メルカプト体と2-チ
オン体との間に互変異性平衡が存在することが当業者には認められるであろう。
便宜上、本明細書では特に断らない限りは、前記化合物はその2-メルカプト体で
ある。式(III)、(IV)、(VII)、(X)及び(XI)で表わされる化合物はこ
れまでに報告されていない。従って、本発明の5つの別の要旨によれば、式(II
I)で表わされる化合物(式中、R1、R2、R3、R4、X及びZが前記の意義の
いずれかを有するものである);(IV)で表わされる化合物(式中、Lは容易に
置換し得る脱離性基である);(VII)で表わされる化合物(式中、RaはC1〜4
アルキル基であるか又はC1〜4アルキル基で置換されていてもよいフェニル基で
ある);化合物(X)で表わされるで(式中、RaはC1〜4アルキル基であるか
又はC1〜4アルキル基で置換されていてもよいフェニル基である);及び化合物
(XI)で表わされる化合物(式中、R1、R2、R3、R4、X及びZが前記の意義
のいずれかを有するものである)が提供される。
式(II)で表わされる化合物は商業的に入手し得るし、又は商業的に入手し得
る先駆体から当該技術において周知の標準的方法によ
り製造し得る。式(II)で表わされる適当な化合物及びこれらの先駆体の多くの
製造に適した典型的な方法は、次の文献:すなわち、Comprehensive Heterocycl
ic Chemistry(Pergamon社発行、KatritzkyとReesによる編集)、1984年、例え
ば第177〜331頁;Journal of Organic Chemistry,19,758-766(1954);Heter
ocyclic Compounds(Wiley社発行、Elderfield編)、第5巻;Organic Compound
s of Sulphur,Selenium and Tellurium(The Chemical Society発行、特別報告
)、第3、4及び5巻;Warburtonらの論文、Chemical Reviews,57,1011-1020
(1957)に見出し得る。例として、Xが酸素原子である場合の式(II)で表わさ
れる化合物の多くは、対応する置換2-アミノフェノール又はその塩と、チオホス
ゲン又は二硫化炭素とを、不活性溶媒例えばジエチルエーテル又はクロロホルム
中で、場合によっては塩基例えば炭酸カリウム又はトリエチエルアミン及び/又
は水の存在下で反応させることによって製造し得る。また、例として、Xが硫黄
原子である場合の式(II)で表わされる化合物の多くは、Herz反応〔Warburton
らの論文、Chemical Reviews,57,1011-1020(1957)〕によって製造し得る。
該反応においては、適当な置換アニリンが一塩化硫黄及び水性水酸化ナトリウム
と連続的に反応して対応する2-メルカプトアニリン誘導体を生成し、次いでこれ
が二硫化炭素と反応して式(II)で表わされる2-メルカプトベンゾチアゾールを
生成する。また、式(II)で表わされるベンゾチアゾールは、適当な置換N-フェ
ニルチオ尿素から、これを酸化(例えば分子状臭素の存在下で)し、得られた2-
アミノベンゾチアゾールのアミノ基を、塩基及び二硫化炭素と反応させることに
より2-メルカプト基に交換するか、あるいはジアゾ化し、ハロゲン化物と反応さ
せ、次いでNaSH又はチオ尿素を使用して2-ハロ基を交換することにより製造し得
る。
N-フェニルチオ尿素は対応するアニリンとチオシアン酸アンモニ
ウムとの反応により入手し得る。また、式(II)で表わされる化合物は、硫化ナ
トリウム、硫黄(S8)及び二硫化炭素との反応による対応する置換2-ハロニト
ロベンゼンの反応によるか、あるいは対応する置換フェニルイソチオシアネート
と硫黄(S8)の反応により対応するベンゾチアゾールを生成させることにより
製造し得る。これらの反応は全て、化学文献に十分に記載されている。適当な方
法の選択は、必要とされる具体的な核置換様式に左右されるであろうし、当該技
術の標準的技術の範囲内にある。
これらの前記の式(II)で表わされる化合物の製造方法及び別の多数の製造方
法の例を実施例に示す。本明細書に記載したような式(I)で表わされる所定の
化合物について、適当な出発原料はこれらの方法又は直接類似した方法により製
造し得る。また、本明細書に記載の種々の方法用の他の出発原料及び中間体の製
造に適した方法を実施例に記載して、容易に商業的に入手し得ないかかる出発原
料又は中間体に対する直接的な又は類似によるアクセス(access)を提供する。
式(I)で表わされる化合物であって、式中のR1、R2、R3、R4及びXが前
記の意義のいずれかを有し且つnが1又は2である場合の化合物は、式(I)で
表わされる対応する置換化合物であってnが0である場合の化合物を、慣用の方
法を使用して酸化することにより、例えば不活性有機溶媒中で適当な酸化剤で処
理することによって製造される。一般的に、1当量の適当な酸化剤による式(I
)の化合物の酸化により、nが1である場合の対応化合物が得られ、また2当量
の酸化剤を用いた酸化により、nが2である場合の対応化合物が得られる。適当
な酸化剤としては、有機過酸化物又は無機過酸化物、例えばペルオキシカルボン
酸又はそれらの塩類、例えばm-クロロ過安息香酸、過安息香酸、モノペルオキシ
フタル酸マグネシウム、ペルオキシ一硫酸カリウム又は過沃素酸ナトリウム
が挙げられる。
従って、本発明の別の要旨によれば、式(I)で表わされる化合物であって式
中のnが0である場合の対応する置換化合物を酸化することからなる、式(I)
で表わされる化合物であって式中のnが1又は2であり、R1、R2、R3、R4、
X及びZが前記の意義を有する場合の化合物の製造方法が提供される。
本発明の式(I)で表わされる化合物は殺線虫性であり、作物植物における線
虫を防除するのに使用し得る。従って、本発明の別の要旨によれば、有害線虫の
生育場所に又は有害線虫による被害を受けやすい植物に、本明細書に記載の式(
I)で表わされる化合物の有効量を施用することからなる線虫を撲滅又は防除す
る方法が提供される。
前記の“防除する(controlling)”という用語は、宿主植物に対する被害の
防止及び線虫群(population)の増加の制限をもたらす非致死効果にまで及ぶ。
これらの効果は、化学的に誘導した方向感覚の喪失(disorientation)、運動性
阻害(immobilisation)あるいは孵化の防止又は誘発をもたらし得る。また、該
化学的処理も線虫の発育又は繁殖に対して有害な影響を及ぼし得る。
本発明の化合物は、植物寄生性の線虫及び土壌中で自由に生息する線虫の両方
に対して使用できる。植物寄生性の線虫の具体例は、外部寄生線虫、例えばオオ
ハリセンチュウ種(Xiphinema spp.)、ハリセンチュウ種(Longidorus spp.
)及びユミハリセンチュウ種(Trichodorous spp.);半内部寄生線虫、例えば
ティレンクス種(Tylenchulus spp.);移動性内部寄生線虫、例えばネグサレ
センチュウ種(Pratylenchus spp.)、ラドホラス種(Radopholus spp.)及び
ラセンセンチュウ種(Scutellonema spp.):定着性内部寄生線虫、例えばシス
トセンチュウ種(Heterodera spp.)、ジャガイモシストセンチュウ種(Globod era
spp.)及びネコブセンチュウ種
(Meloidogyne spp.);並びに茎葉内部寄生線虫、例えばジティレンクス種(D itylenchus
spp.)、アフェレンコイデス種(Aphelenchoides spp.)及びネモ
グリセンチュウ種(Hirshmaniella spp.)が挙げられる。
本発明の式(I)で表わされる化合物はシスト線虫を含めて種々の種類の線虫
に対して殺線虫活性を示す。
また、本発明の式(I)で表わされる化合物は、有害昆虫例えば鱗翅目、同翅類
及び甲虫目〔ディアブロチカ(Diabrotica)、すなわちトウモロコシ根切り線虫
(corn rootworm)〕並びに他の無脊椎害虫、例えばダニ害虫(acarine pest)
の蔓延(infection)を撲滅又は防除するの使用し得る。本発明の化合物を使用
して撲滅及び防除し得る有害昆虫及びダニ害虫としては、農業(この用語は食品
及び繊維製品用の作物の栽培を包含する)、園芸及び畜産、林業、植物起源の製
品、例えば果実、穀物及び材木の貯蔵に関連したこれらの害虫が挙げられ、また
人間及び動物の病気の伝染に関連したこれらの害虫が挙げられる。本発明の式(
I)で表わされる化合物によって防除し得る有害昆虫及びダニ害虫の例としては
、下記のものが挙げられる。
モモアカアブラムシ(Myzus persicae)
ワタアブラムシ(Aphis gossypii)
アピフィス・ファブエ(Aphis fabae)(アブラムシ)
メゴウラ・ビセアエ(Megoura viceae)(アブラムシ)
ネッタイシマ蚊(Aedes aegypti)
ハマダラ蚊(Anopheles spp.)
マダラ蚊(Culex spp.)
木綿カメムシ(Dysdercus fasciatus)
イエバエ(Musca domestica)
モンシロ蝶幼虫(Pieris brassicae)
ヒシモンガ幼虫(Plutella maculipennis)
ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)
(カラシナ甲虫)
カイガラムシ(Aonidiella spp.)
コナジラミ(Trialeuroides spp.)
タバココナジラミ(Bemisia tabaci)
チャバネゴキブリ(Blattella germanica)
ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)
コバネゴキブリ(Blatta orientalis)
ハスモンヨトウ(Spodoptera littoralis)
タバコガ(Heliothis virescens)
イナゴ(Chortiocetes terminifera)
根切り虫(Diabrotica spp.)
ヤガ(Agrotis spp.)
コウモロコシ茎害虫(Chilo partellus)
トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)
ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)
リンゴハダニ(Panonychus ulmi)
ミカンハダニ(Panonychus citri)
ナミハダニ(Tetranychus urticae)
ニセナミハダニ(Tetranychus cinnabarinus)
フィロコプトルタ・オレイボラ(Phyllcoptruta oleivora)
(citrus rust mite)
チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)
ヒメハダニ(Brevipalpus spp.)
本発明の化合物を有害線虫、有害昆虫又はダニ害虫の生育場所にあるいは有害
線虫、有害昆虫又はダニ害虫による被害を受けやすい
植物に施用するためには、該化合物を、式(I)で表わされる化合物の他に適当
な不活性希釈剤又は担体材料、及び/又は界面活性剤を含有する組成物に製剤す
るのが通常である。従って、本発明の2つの別の要旨によれば、本明細書に定義
した式(I)で表わされる化合物の有効量と、不活性希釈剤又は担体材料と、場
合によっては界面活性剤とを含有してなる殺線虫剤、殺虫剤又は殺ダニ剤組成物
が提供される。
有害線虫を防除するために一般的に施用される組成物の量は、1ヘクタール当
たり有効成分0.01〜10kg、好ましくは1ヘクタール当たり有効成分0.1〜6kgの割
合が与えられる。
本発明の組成物は、土壌、植物又は種子、前記害虫(すなわち、線虫、昆虫及
びダニ)が存在する場所(locus)、あるいは前記害虫が生息する場所(habitat
)に対して、粉剤、水和剤、粒剤(徐放性又は速効性)、乳剤、濃厚懸濁液、液
体溶液(liquid solution)、乳濁液、種子粉衣剤(dressing)、燻蒸/燻煙剤
あるいは放出調節化(controlled release)組成物例えばマイクロカプセル化粒
剤又は懸濁液の形態で施用し得る。
粉剤は、有効成分を、微細化固体担体及び/又は希釈剤、例えば天然粘土、カ
オリン、ピロフィライト、べントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、ケイソ
ウ土(kieselguhr)、石粉(chalk)、けいそう土(diatomaceous earths)、燐
酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫黄、石灰、微粉、タルク
並びに別の有機及び無機固体担体のうちの1種又はそれ以上と混合することによ
って製剤される。
粒剤は、有効成分を、多孔質の粒状物質例えば軽石、アタパルジャイトクレー
、フラー土、ケイソウ土、けいそう土、粉砕穀物塊(corn cobs)等に吸収させ
るか、あるいは硬骨材(hard core)物質例えば砂、ケイ酸塩、鉱物性炭酸塩、
硫酸塩、燐酸塩等の表面上に吸
収させるか、いずれかによって調製される。有効成分を用いて、固体担体を含浸
、結合又は被覆することを助長するのに通常的に使用される薬剤としては、脂肪
族及び芳香族石油系溶剤、アルコール類、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコー
ル類、エーテル類、ケトン類、エステル類、デキストリン類、糖類並びに植物油
が挙げられる。また、別の添加剤、例えば乳化剤、湿潤剤又は分散剤も包含させ
得る。
また、マイクロカプセル化製剤〔マイクロカプセル懸濁液(microcapsule sus
pension)すなわちCS〕又は別の放出調節化製剤も、特にある期間にわたって徐
放用に及び種子処理用に使用し得る。
また、本発明の組成物は浸漬液、灌注(irrigation)添加剤又は噴霧液として
用いるべき液剤の形態であり得、これらは一般に、1種又はそれ以上の既知の湿
潤剤、分散剤又は乳化剤(界面活性剤)の存在下における有効成分の水性分散液
又は乳濁液である。水性分散液又は乳濁液の形態で用いられるべき組成物は、一
般的に1種又は複数の有効成分を高い割合で含有する乳剤〔emulsifiable conce
ntrate(EC)〕又は濃厚懸濁液〔suspension concentrate(SC)〕の形態で提供
される。ECは、通常は実質的に不揮発性の有機溶剤に溶解させた有効成分を含有
する均質な液状組成物である。SCは、水中に分散させた固体有効成分の微粒子分
散液(fine particle size dispersion)である。これら乳剤及び濃厚懸濁液を
施用するためには、これらを水に希釈し、通常は処理するべき場所に噴霧機を用
いて施用する。農業用又は園芸用には、有効成分を0.0001重量%〜0.1重量%(
ほぼ5〜2000g/haに相当する)含有する水性製剤が特に有用である。
ECに適した液体溶剤としては、メチルケトン、メチルイソブチルケトン、シク
ロヘキサノン、キシレン類、トルエン、クロロベンゼン、パラフィン類、ケロシ
ン、白灯油、アルコール類(例えばブタノール)、メチルナフタレン、トリメチ
ルベンゼン、トリクロロエ
チレン、N-メチル-2-ピロリドン及びテトラヒドロフルフリルアルコール(THFA
)が挙げられる。
湿潤剤、分散剤及び乳化剤は陽イオン型、陰イオン型又は非イオン型のもので
あり得る。適当な陽イオン型の薬剤としては、例えば第四級アンモニウム化合物
例えばセチルトリメチルアンモニウムブロミドが挙げられる。適当な陰イオン型
の薬剤としては、例えば石ケン;硫酸の脂肪族モノエステル類の塩、例えばラウ
リル硫酸ナトリウム;スルホン化芳香族化合物の塩、例えばドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、リグノスルホン酸ナトリウム、リグノスルホン酸カルシウ
ム又はリグノスルホン酸アンモニウム、あるいはブチルナフタレンスルホン酸塩
並びにジイソプロピルナフタレンスルホネートのナトリウム塩とトリイソプロピ
ルナフタレンスルホネートのナトリウム塩との混合物が挙げられる。適当な非イ
オン型の薬剤としては、例えばエチレンオキシドと、脂肪アルコール例えばオレ
イルアルコール又はセチルアルコールとの縮合生成物;あるいはエチレンオキシ
ドと、アルキルフェノール例えばオクチルフェノール、ノニルフェノール及びオ
クチルクレゾールとの縮合生成物が挙げられる。別の非イオン型の薬剤は、長鎖
脂肪酸とヘキシット無水物とから誘導した部分エステル類、該部分エステルとエ
チレンオキシドとの縮合生成物及びレシチンである。
これらの濃厚液には長期間の貯蔵に耐えることが要求され、しかもかかる貯蔵
の後に水で希釈して、慣用の噴霧装置で散布することが可能な均質性を十分な時
間保持している水性製剤を形成することができることが要求される場合が多い。
該濃厚液は、1種又は複数の有効成分を1〜85重量%含有し得る。希釈して水性
製剤をする場合には、かかる製剤は使用すべき目的に応じて有効成分を種々の量
で含有し得る。
また、本発明の式(I)で表わされる化合物は、種子処理に使用
するための粉剤〔乾燥種子処理剤(dry seed treatment)すなわちDS又は水和剤
(water dispersible powder)すなわちWS〕又は液剤〔フロアブル濃厚液(flow
able concentrate)すなわちFS、液体種子処理すなわちLS〕、又はマイクロカプ
セル懸濁液すなわちCSとして製剤し得る。前記製剤は標準的方法によって又は慣
用の種子処理装置を使用して種子に施用し得る。使用に際しては、本発明の組成
物は、線虫に、線虫が存在する場所(locus)に、線虫が生息する場所(habitat
)に、又は線虫が蔓延しやすい生長しつつある植物に、農薬組成物を施用する公
知の手段によって、例えば散布、噴霧又は粒剤散布によって施用される。
本発明の化合物は、前記組成物の唯一の有効成分であってもよいし、あるいは
本発明の化合物は、適当な場合には1種又はそれ以上の追加の有効成分、例えば
殺線虫剤又は線虫の習性(behaivour)例えば諸孵化因子(hatching factors)
を変更させる薬剤、殺虫剤、相乗剤、除草剤、殺菌剤又は植物生長調節剤と混合
してもよい。
本発明の化合物との混合物中に含有させるのに適当な追加の有効成分は、本発
明の化合物の活性スペクトル(spectrum)を広げるか又は前記害虫の生息場所に
おいて該化合物の持続性を増大させる化合物であり得る。これら追加の有効成分
は、本発明の化合物の活性を相乗的に増大させる得るし、あるいは効果速度を大
きくさせるか又は忌避性(repellrency)を克服することによって本発明の化合
物の活性を補足し得る。また、この型の多成分混合物は、個々の成分に対する耐
性の発現を克服又は防止するのに役立ち得る。
前記混合物中に含有させる個々の追加の有効成分は、前記混合物の意図する用
途(utility)や必要とする補足作用の型に応じて決まるであろう。適当な殺虫
剤の例としては以下の殺虫剤が挙げられる。
a)ピレスロイド類、例えばペルメトリン、エスフェンバレレート、デルタメ
トリン、シハロトリン特にλ−シハロトリン、ビフェント
リン、フェンプロパトリン、シフルトリン、テフルトリン、魚に対して安全な(
fish safe)ピレスロイド類例えばエトフェンプロックス、天然ピレトリン、テ
トラメトリン、S-ビオアレトリン、フェンフルトリン、プラレスリン及び5-ベン
ジル-3-フリルメチル-(E)-(1R,3S)-2,2-ジメチル-3-(2-オキソチオラン-
3-イリデンメチル)シクロプロパンカルボキシレート;
b)有機燐酸エステル類、例えばプロフェノホス、スルプロホス、メチルパラ
チオン、アジンホス-メチル、デメトン-S-メチル、ヘプテノホス、チオメトン、
フェナミホス、モノクロトホス、プロフェノホス、トリアゾホス、メタミドホス
、ジメトエート、ホスファミドン、マラチオン、クロルピリホス、ホサロン、テ
ルブホス、フェンスルホチオン、フェノホス、ホレート、ホキシム、ピリミホス
-メチル、ピリミホス-エチル、フェニトロチオン又はダイアジノン;
c)カーバメート類(アリールカーバメート類を含む)、例えばピリミカーブ
、クロエトカルブ、カルボフラン、フラチオカルブ、エチオフェンカルブ、アル
ジカルブ、チオフロックス(thiofurox)、カルボスルファン、ベンダイオカル
ブ、フェノブカルブ、プロポキスル又はオキサミル;
d)ベンゾイル尿素類、例えばトリフルムロン又はクロロフルアズロン;
e)有機スズ化合物、例えばシヘキサチン、酸化フェンブタスズ、アゾシクロ
チン;
f)マクロライド類、例えばアベルクチン類又はミルベマイシン類、例えばア
バメクチン、アベルメクチン及びミルベマイシン;
g)ホルモン類及びフェロモン;
h)有機塩素化合物、例えばベンゼンヘキサクロリド、DDT、クロルデン又は
ディエルドリン:
i)アミジン類、例えばクロルジメホルム又はアミトラズ;
j)燻蒸剤(fumigant agent)。
k)ニトロメチレン類例えばイミダクロプリド(imidacloprid)。
上記に挙げた主要な化合物群の殺虫剤の他に、前記混合物の意図する用途に適
切ならば、該混合物中に特定の害虫を対象とする別の殺虫剤を用いてもよい。例
えば特定の作物に対する選択性殺虫剤、例えば稲に使用するニカメイチュウ(st
emborer)特異的殺虫剤例えばカルタップ又はブプロフェジンを使用し得る。ま
た、特定の昆虫の種類/生育段階に特異的な殺虫剤、例えば殺卵・殺幼虫剤(ov
o-larvicide)例えばクロフェンテジン、フルベンジミン、ヘキシチアゾックス
及びテトラジホン、運動性阻害剤(motilicide)例えばジコホール又はプロパル
ギット、殺ダニ剤例えばブロモプロピレート、クロロベンジレート、あるいは昆
虫生長調節剤例えばヒドラメチルノン、シロマジン、メトプレン、クロルフルア
ズロン及びジフルベンズロンも本発明の殺線虫剤組成物中に含有させてもよい。
本発明の組成物に使用するのに適当な共力剤の例としては、ピペロニルブトキ
シド、セサマックス(sesamax)、サフロキサン(safroxan)及びドデシルイミ
ダゾールが挙げられる。
本発明の組成物中に包含させるのに適当な除草剤、殺菌剤及び植物生長調節剤
は、意図する目的及び要求される効果に応じて変化させ得るであろう。
組成物中に包含させ得る稲の選択的除草剤の例はプロパニルであり、綿に使用
するための植物生長調整剤の例は“ピックス(Pix)”であり、稲に使用するた
めの殺菌剤の例としてはブラストサイジン-Sのごときイモチ病剤が挙げられる。
組成物における本発明の化合物と別の有効成分との割合は、防除すべき対象害虫
の種類、及び混合物等に要求される効果を含め多くの因子により変動するであろ
う。しかしながら、一般的には、本発明の組成物の追加の有効成分は、
それが通常的に使用される割合に近い割合で使用されるか、または相剰効果が生
ずる場合には、更に低い割合で使用されるであろう。
また、本発明の式(I)で表わされる化合物は殺菌活性も示し、1種又はそれ
以上の種々の植物病原菌を防除するのに使用し得る。従って、本発明の別の要旨
にによれば、植物、植物の種子又は植物もしくは種子の生育する場所に、本明細
書に定義した化合物又は該化合物を含有する組成物の殺菌有効量を施用すること
からなるカビ菌(fungi)の防除方法が提供される。さらに本発明は、本明細書
に定義した化合物と該化合物に許容し得る担体又は希釈剤とを含有してなる殺カ
ビ剤組成物を包含する。
本発明の化合物又は殺カビ剤組成物が防除し得る植物病原菌、カビ菌を防除し
得る方法、並びに許容し得る担体及び希釈剤、補助剤例えば湿潤剤、分散剤、乳
化剤及び懸濁剤、並びに他の成分例えば肥料及び他の生物学的に活性な物質を含
む適当な組成物の形態の具体例は、例えば国際特許出願第WO 93/08180号明細書
に記載されており、該明細書の内容は本明細書において参照される。
本発明を下記の実施例により例証する。実施例において、%は重量%であり、
また下記の略号が使用される。
gc=ガスクロマトグラフィー;nmr=核磁気共鳴;s=一重線;d=二重線;t=三重線
;q=四重線;m=多重線;dd=二重に割れた二重線;ddt=二重に割れた二重線の三
重線;dtd=二重に割れた三重線の二重線;b又はbr=幅広(ブロード);g=グラ
ム;mg=ミリグラム;CDCl3=重クロロホルム;DMSO=d6-ジメチルスルホキシド。
化学シフト(δ)はテトラメチルシランからのppmで測定した。CDCl3は特に断ら
ない限りは溶媒として使用した。M+=質量分光分析により測定した分子イオン;
ir=赤外線分光分析;tlc=薄層クロマトグラフィー;(dec)=溶融する際に分解
したことを表わす。
実施例1A
2-メルカプトベンゾチアゾール類(対応する2-ハロニトロベンゼンから)の一
般的製造方法を、下記の2-メルカプトベンゾチアゾール-5-イルメチルスルホン
〔J.Am.Chem.Soc.,66,835(1944)参照〕の製造により例証する。
硫黄(4.8g)を含む水(16cm3)に硫化ナトリウム9水和物(17.8g)を溶解し
た溶液を、窒素雰囲気下で75〜80℃で0.5時間撹拌して、黄色溶液を得た。この
溶液に、4-フルオロ-3-ニトロベンゼンメチルスルホン(Fairfield Chemicals C
o製、5.6g)を少しずつ添加した。混合物の温度を徐々に100℃まで上昇させ、次
いで混合物を60℃まで冷却して前記の添加反応を完了させた。得られた反応混合
物に二硫化炭素(5cm3)を60℃で冷却器(コンデンサー)を介して加え、混合物
を2時間加熱還流し、その後初め橙色の混合物が黄色沈殿を生成した。得られた
反応混合物を冷却し、水(400cm3)で希釈した。得られた溶液から不溶物質を濾
過し、ろ液を酢酸で酸性化した。沈澱した固体を濾過し、水洗し、次いで減圧乾
燥した。得られた固体を酢酸エチル(600cm3)で抽出し、酢酸エチル溶液を水洗
、乾燥(硫酸マグネシウム)し、減圧下で蒸発させて表題化合物を黄色固体とし
て得た。融点:242〜244℃;ir:3246,1328,1158cm-1。
実施例1Aの方法を用いて下記の化合物を製造した。
(i)2-メルカプト-5-メトキシベンゾチアゾール:黄色固体、融点:198〜200
℃(4-メトキシ-2-ニトロクロロベンゼンから製造した)
(ii)2-メルカプト-5-フルオロベンゾチアゾール:黄色固体,融点:125℃(
dec)(1,4-ジフルオロ-2-ニトロベンゼンから製造した)
(iii)2-メルカプト-7-クロロベンゾチアゾール:淡黄褐色固体,融点:250
〜251℃(dec)(1,2-ジクロロ-3-ニトロベンゼンから製造した)
(iv)5-ブロモ-2-メルカプトベンゾチアゾール:黄色固体、融点
186℃;M+=245(1,4-ジブロモ-2-ニトロベンゼンから製造した)
(v)2-メルカプト-5-トリフルオロメトキシベンゾチアゾール:無色固体、融
点:144℃;M+=251(2-ニトロ-4-トリフルオロメトキシフルオロベンゼンから
製造した)
(vi)2-メルカプト-5-トリフルオロメチルチオベンゾチアゾール:無色固体
、融点:138〜140℃;M+=267〔出発原料の製造に関しては実施例7(i)参照
〕
(vii)2-メルカプト-5-トリフルオロメチルスルフィニルベンゾチアゾール(
M+=283)及び2-メルカプト-5-トリフルオロメチルスルホニルベンゾチアゾー
ル(M+=299);2-ニトロ-4-トリフルオロメチルスルフィニルブロモベンゼン
及び2-ニトロ-4-トリフルオロメチルスルホニルブロモベンゼンから製造した;
〔出発原料の製造に関しては実施例7(iii)参照〕
(viii)2-メルカプト-5-メチルベンゾチアゾール:黄色結晶、融点:173〜17
5℃(4-クロロ-3-ニトロトルエンから製造した)
(ix)2-メルカプト-5-(N,N-ジメチルスルホンアミド)ベンゾチアゾール:
融点:220℃〔出発原料の製造に関しては実施例7(ii)参照〕
実施例1B
2-メルカプトベンゾチアゾール類(2-アミノベンゾチアゾールから)の一般的
製造方法を、下記の6-フルオロ-2-メルカプトベンゾチアゾール〔J.Het.Chem.
,17,1325(1980)参照〕の製造により例証する。
水酸化ナトリウム(50.0g)を含む水(100cm3)に2-アミノ-6-フルオロベンゾ
チアゾール(10.0g)溶解した溶液を撹拌し、18時間加熱還流し、周囲温度まで
冷却し、次いで濾過した。得られた濾液に二硫化炭素(17.5cm3)を加え、混合
物を4時間加熱還流し、周囲温度まで冷却し、水で希釈し、次いで酢酸で中和し
た。沈澱した淡黄褐色
固体を溶液から濾過し、水洗し、次いで減圧乾燥して表題化合物を得た。融点:
260℃以上、M+=185。
実施例1Bの方法を用いて下記の化合物を製造した。
(i)2-メルカプト-4-メチルベンゾチアゾール:融点260℃以上;M+=181;黄
色固体
(ii)2-メルカプト-6-メチルベンゾチアゾール:融点248℃;M+=181;黄色固
体
実施例1C
対応する2-メルカプトアニリンからの2-メルカプトベンゾチアゾール類の一般
的製造方法(及び対応するアニリンからの2-メルカプトアニリンの製造方法)(
“Herz”法)を、下記の6-クロロ-2-メルカプトベンゾチアゾールの製造により
例証する。
酢酸(5cm3)に4-クロロアニリン(2.55g)を溶解した溶液を撹拌し、これに
一塩化硫黄(10cm3)を加え濃赤色スラリーを形成させた。60℃で4時間加熱し
て反応させて、緑色固体と緑色溶液の混合物を得た。得られた混合物をヘキサン
で希釈し、緑色固体を濾取した。得られた固体を水に溶解し、2M水酸化ナトリ
ウムを加え、この混合物を100℃で4時間加熱し、次いでセライトを通して濾過
して薄桃色の濾液を得た。濾液に二硫化炭素(2cm3)を加え、15時間加熱還流し
て反応させた。得られた混合物を冷却し、次いでpH1まで酸性化して濃黄色沈殿
を生成させた。濾過し、エタノール/アセトン/水から再結晶して、6-クロロ-2
-メルカプトベンゾチアゾールを白色固体として得た。1H NMR(DMSO):d 7.97
(1H,d),7.58(1H,dd),7.41(1H,d)。融点251〜253℃(dec)
実施例1Cの方法を用いて対応する出発原料から下記の化合物を製造した。
(i)2-メルカプト-6-メトキシベンゾチアゾール、黄褐色固体;1H nmr(DMSO
)d:13.10(1H,bs),7.21(1H,d),6.95(1H,bs),6.88
(1H,dd),3.89(3H,s)。融点199〜200℃。
(ii)2-メルカプト-5-トリフルオロメチルベンゾチアゾール、黄色固体;1H
nmr(CDCl3,DMSOを滴加)d:13.50(1H,bs),7.40-7.60(3H,m,重複した芳
香族の信号)。融点218〜219℃(dec)、M+=235。
実施例1D
本実施例は2-メルカプトベンゾチアゾール類の種々の製造方法を例証するもの
である。
(i)2-メルカプトベンゾチアゾール-5-カルボン酸
DMF(1cm3)とジクロロメタン(100cm3)に4-クロロ-3-ニトロ安息香酸(20g
)を懸濁させた懸濁液を撹拌し、ジクロロメタン(50cm3)に溶解した塩化オキ
サリル(13g)を1時間にわたって加えた。反応混合物を30℃で5時間撹拌し、
反応混合物が均一になった後に、周囲温度で18時間撹拌した。減圧下で蒸発させ
て白色固体を得、これをヘキサンと共に磨砕、次いで乾燥して4-クロロ-3-ニト
ロベンゾイルクロリドを白色固体として得た(21.82g)。1H nmr(CDCl3)d:8.
61(1H,d),8.26(1H,dd),7.78(1H,d)。融点49〜51℃。
酢酸エチル(80cm3)に4-クロロ-3-ニトロベンゾイルクロリド(20.5g)を溶
解した溶液を撹拌し、酢酸エチル(40cm3)にイソプロピルアルコール(6g)と
トリエチルアミン(10.1g)とを溶解した溶液を15分間にわたって加えた。わず
かに発熱を生じた。反応を周囲温度でさらに3.5時間撹拌しながら行い、次いで
水に注加した。分液し、得られた水層を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を一
緒にして10%HCl、食塩水で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥した。これを
濾過し、蒸発させて、4-クロロ-3-ニトロ安息香酸iso-プロピルエステルを黄色
固体(22.5g)として得た。1H nmr(CDCl3)d:8.49(1H,d),8.17(1H,dd)
,7.64(1H,d),5.29(1H,7重線),1.40(6H,d)。融点61〜62℃
4-クロロ-3-ニトロ安息香酸iso-プロピルエステル(15.84g)と硫
化ナトリウム9水和物(47g)の混合物を水(110cm3)中で17時間加熱還流して
均一な赤色溶液を得た。二硫化炭素(6cm3)を加え、4時間加熱還流して反応さ
せた。得られた混合物を冷却した後に、濃塩酸を用いてpH1まで酸性化して黄褐
色沈殿を形成させた。固体を濾取し、エタノール/アセトン/水から再結晶させ
て、表題化合物を黄褐色固体(8.85g)として得た。1H nmr d:7.54(1H,d),
7.40(1H,d),7.21(1H,dd)。融点300℃以上
(ii)2-メルカプト-5,6-メチレンジオキシベンゾチアゾールの3工程による
製造
第1工程:2-アミノ-5,6-メチレンジオキシベンゾチアゾール
クロロホルム(6cm3)中で3,4-メチレンジオキシフェニルチオ尿素(1.96g;
Lancaster Chemical Co.製)を周囲温度で撹拌し、クロロホルム(3cm3)に臭素
(0.37cm3)を溶解した溶液を少しづつ加えた。混合物を水浴を用いて冷却し1
時間した後に、64時間保存し、水(100cm3)で希釈し、2M水酸化ナトリウム水
溶液で塩基性化し、次いで酢酸エチル(2×150cm3)で抽出した。得られた有機
相を一緒にして水洗し、乾燥した(硫酸マグネシウム)。この溶液を減圧下で蒸
発させて、必要な生成物を薄桃色の固体として得た。融点200℃;1H NMR(CDCl3
):δ7.06(1H,s);7.02(1H,s);5.98(2H,s);5.0(幅広の信号,2H)
。
第2工程:2-クロロ-5,6-メチレンジオキシベンゾチアゾール
第1工程の生成物(1.7g)を乾燥アセトニトリル(50cm3)に部分的に溶解さ
せ、乾燥アセトニトリル(15cm3)に塩化銅(II)(1.41g)と亜硝酸t-ブチル(
1.56cm3)とを懸濁させた撹拌懸濁液に60℃で加えた。混合物を1時間加熱し、
周囲温度まで冷却し、水/ジエチルエーテルに注加し、次いで2M塩酸水溶液で
酸性化した。水性画分を分離、ジエチルエーテル(3×100cm3)で抽出し、得ら
れた有機画分を一緒にして水(3×50cm3)で洗浄し、次いで乾燥した(硫酸マグ
ネシウ
ム)。得られた溶液を減圧下で蒸発させて、褐色固体を得た。得られた固体をシ
リカに吸収させることによって分画し、ヘキサン/酢酸エチル(容量比で50:1
)で溶離して、必要とする生成物を無色固体として得た。M+=213;1H NMR(CDCl3
):δ7.36(1H,s);7.14(1H,s);6.08(2H,s);融点131〜132℃。
第3工程:2-メルカプト-5,6-メチレンジオキシベンゾチアゾール
第2工程の生成物(0.67g)とチオ尿素(0.26g)をエタノール(20cm3)中で
混合し、撹拌し、窒素雰囲気下で18時間加熱還流した。沈澱した淡黄色固体を周
囲温度で溶液から濾別し、エタノールで洗浄し、次いで減圧乾燥して必要とする
生成物を得た。1H NMR(DMSO):δ7.26(1H,s);6.80(1H,s);6.02(2H,
s);融点265℃(dec);M+=211
実施例2A
2-メルカプトベンゾオキサゾール類(対応する2-アミノフェノールから)の一
般的製造方法を、下記の2-メルカプト-5-メチルベンゾオキサゾールの製造によ
り例証する。
2M水酸化ナトリウム(80cm3)に2-アミノ-5-メチルフェノール(5g)を溶解
した褐色溶液に、周囲温度で撹拌しながら二硫化炭素を加え、反応混合物を5日
間撹拌した。得られた溶液に濃塩酸を加えることによりpH4まで酸性化して淡い
ベージュ色の沈殿を生成させた。沈殿を濾過し、減圧乾燥して、自由流動性の淡
いベージュ色の粉末として表題化合物を得た(4.06g)。1H NMR(DMSO):δ13.
9(1H,brs);7.5(1H,d);7.18(1H,d);7.15(1H,s);2.49(3H,s)p
pm
実施例2Aの方法を用いて下記の化合物を製造した。
(i)2-メルカプト-4-メチルベンゾオキサゾール-淡いベージュ色の粉末。1H
NMR(DMSO):δ7.27(1H,d);6.98-7.18(2H,m)。
(ii)4-ヒドロキシ-2-メルカプトベンゾオキサゾール-淡いベージュ色の粉末
。1H NMR(DMSO):δ7.00(1H,t);6.9(1H,d);6.7(1H,d)。
(iii)4-アミノ-2-メルカプトベンゾオキサゾール-橙褐色固体。1H NMR(DMS
O):δ12.45(2H,br s);10.00(1H,br s);7.0(H,t);6.6-6.75(2H,2xd
)。
(iv)2-メルカプトベンゾオキサゾール-4-カルボン酸-ベージュ色固体。1H N
MR(DMSO):δ7.65-7.85(2H,2xd);7.30(1H,t)。
(v)5-クロロ-2-メルカプトベンゾオキサゾール-灰色固体。1H NMR(DMSO)
:δ7.60(1H,d);7.30-7.40(2H,m)。
(vi)2-メルカプトベンゾオキサゾール-5-カルボン酸-ベージュ色固体。1H N
MR(DMSO):δ7.95(1H,d);7.78(1H,d);7.65(1H,d)。
(vii)4,5-ベンゾ-2-メルカプトベンゾオキサゾール。1H NMR(DMSO):δ8.
35(1H,d);8.20(1H,d);8.00(1H,d);7.88(1H,d);7.81(1H,t);7.71
(1H,t)。
実施例2B
本実施例は、2-メルカプト-7-ニトロベンゾオキサゾールの製造方法によって
例証されるように、対応する2-アミノフェノール又はその塩からの2-メルカプト
ベンゾオキサゾール類の一般的製造方法を示すものである。
メタノール(16.5cm3)と水(3cm3)とに水酸化カリウム(0.652g)を溶解し
た溶液に、二硫化炭素(0.6cm3)を加えた。メチルキサトゲン酸カリウムを含ん
でいる得られた溶液に、2-アミノ-6-ニトロフェノール(1.4g)を加え、混合物
を加熱し、還流下で18時間撹拌した。得られた溶液を冷却し、濃塩酸でpH 3まで
酸性化し、沈澱した暗橙色固体を濾過することにより回収し、減圧乾燥した。こ
れにより2-メルカプト-7-ニトロベンゾオキサゾール(1.25g)を得た。M+=196;1
H NMR(DMSO):δ7.6(1H,t);7.75(1H,d);8.1(1H,d)。
実施例2Bの方法を用いて下記の化合物を製造した。
(i)2-メルカプト-6-ニトロベンゾオキサゾール-黄色/橙色固体。M+=196;1
H NMR(DMSO):δ7.55(1H,d);8.35(1H,dd);8.55(1H,d)。
(ii)2-メルカプト-6-メチルベンゾオキサゾール-クリーム色固体。1H NMR(
CDCl3):δ2.45(3H,s);7.1(2H,s);7.2(1H,s)。
(iii)2-メルカプトベンゾオキサゾール-6-カルボン酸メチルエステル-橙色
固体。1H NMR(CDCl3):δ3.9(3H,s);7.2(1H,d);7.9-8.05(2H,m)。
(iv)5-(エタンスルホニル)-2-メルカプトベンゾオキサゾール-灰色/褐色
固体。M+=243;1H NMR(DMSO):δ1.15(3H,t);3.35-3.45(2H,q);7.7(1H
,s);7.8-7.9(2H,m)。
(v)5-シアノ-2-メルカプトベンゾオキサゾール。M+=176;1H NMR(CDCl3)
:δ6.9(1H,br s);7.2-7.5(2H,m)。
(vi)5-アミノ-2-メルカプトベンゾオキサゾール-灰色固体。M+=166;1H NMR
(DMSO):δ5.2-5.5(1H,br s);6.5-6.6(2H,m);7.25(1H,d)。
(vii)2-メルカプト-7-メチルベンゾオキサゾール-褐色固体。M+=165;1H NMR
(DMSO):δ2.45(3H,s);7.1-7.35(3H,m)。
(viii)6-ヒドロキシ-2-メルカプトベンゾオキサゾール-褐色固体。1H NMR(
DMSO):δ13.7-13.8(1H,bs);9.75-10.0(1H,bs);7.15-7.20(1H,d);7.0
-7.05(1H,d);6.8-6.9(1H,dd)。
実施例2C
2-メルカプトベンゾオキサゾール類(対応する2-アミノフェノールから)の一
般的製造方法を、下記の2-メルカプト-4-ニトロベンゾオキサゾールの製造によ
り例証する。
水酸化ナトリウム(1.2g)を水(3cm3)に加えて溶解させ、その後にジオキサ
ン(45cm3)と2-アミノ-3-ニトロフェノール(4.5g)を加えた。得られた暗赤色
溶液を0℃まで冷却し、チオホスゲン〔4.5gをジオキサン(15cm3)に溶解した
もの〕を加え、周囲温度で18時間撹拌して反応させた。得られた混合物に水を
加えて薄緑色固体の沈澱を生成させ、これを濾過し、次いで減圧乾燥して表題化
合物(1.15g)を
得た。1H nmr(CDCl3):d8.0(1H,d);7.88(1H,d);7.4(1H,t)。
また、実施例2Cに記載の方法によって2-アミノ-4-ニトロフェノールから下記
の化合物を製造した。
(i)2-メルカプト-5-ニトロベンゾオキサゾール1H nmr(CDCl3):d 8.32(1
H,dd);8.08(1H,bs);7.85(1H,d)
実施例3A
本実施例は1,4-ジブロモ-1,1,2-トリフルオロブタンの製造を例証するもので
ある。
乾燥ジクロロメタン(25cm3)に4-ブロモ-1,1,2-トリフルオロブタ-1-エン(2
.5g)を溶解した溶液を0℃で、臭化水素ガスで45分間処理した。次いで、反応
混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を5%炭酸水素ナトリウム溶液でア
ルカリ性にし、ジクロロメタンで2回抽出した。得られたジクロロメタン抽出液
を一緒にして乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、次いで減圧濃縮して淡黄色液
体(2.84g)を得た。得られた物質は、gc分析により99%以上の純度であること
が示された。1H NMR(CDCl3):δ4.75-5.07(1H,m);3.42-3.69(2H,m);2.5
9-2.15(2H,m)。
実施例3B
本実施例はp-トリルスルホン酸4,4-ジフルオロブタ-3-エニルエステルの2工
程製造法を例証するものである。
第1工程:p-トリルスルホン酸4-ブロモ-3,4,4-トリフルオロブチルエステル
アセトニトリル(10cm3)にp-トルエンスルホン酸銀(1.03g)を懸濁させた懸
濁液を周囲温度で撹拌し、光から保護し、これに1,4-ジブロモ-1,1,2-トリフル
オロブタン(1g)を滴下した。次いで、24時間加熱還流して反応させた後に、gc
分析により出発原料が完全に消費されたことが示された。得られた反応混合物を
周囲温度まで冷却し、沈殿物を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。得られた濾液と
、酢酸エ
チル洗浄液とを一緒にし、水洗し、次いで水層を酢酸エチルで抽出した。酢酸エ
チル層を一緒にして水と食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、次いで
減圧下で蒸発させて褐色油状物(1.21g)を得た。GC分析により、この物質は99
%以上の純度であることが示された。1H NMR(CDCl3):δ7.80(2H,d);7.38
(2H,d);4.74(1H,m);4.19(2H,m);2.46(3H,s);2.20(2H,m)。
第2工程:p-トリルスルホン酸4,4-ジフルオロブタ-3-エニルエステル
メタノール(3cm3)に亜鉛粉末(1.41g)とヨウ素(1粒)を懸濁させた懸濁液
を撹拌しこれに、メタノール(2cm3)にp-トリルスルホン酸4-ブロモ-3,4,4-ト
リフルオロブチルエステル(710mg)を溶解した溶液を加えた。反応混合物を2.5
時間還流した後に、gc分析により出発原料が完全に消費されていることが示され
た。亜鉛懸濁液から有機相をピペットで取り、亜鉛を酢酸エチルで3回洗浄した
。得られた酢酸エチル部分を一緒にして2M塩酸で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネ
シウム)、次いで減圧下で蒸発させて褐色液体(470mg)を得た。GC分析により
、この物質は99%以上の純度であることが示された。1H NMR(CDCl3):δ7.79
(2H,d);7.38(2H,d);4.15(1H,m);4.01(2H,m);2.46(3H,s);2.35(
2H,m)。
実施例3C
本実施例はメタンスルホン酸4-ブロモ-4,4-ジフルオロブチルエステルの3工
程による製造を例証するものである。
第1工程:4-ブロモ-4,4-ジフルオロブタン酸
アクリル酸(1.44g)とアセトニトリル(80cm3)との溶液を撹拌しこれに、亜
ジチオン酸ナトリウム(4.18g)、炭酸水素ナトリウム(2.01g)、水(20cm3)
及び最後にジブロモジフルオロメタン(5cm3)を加えた。二相混合物を周囲温度
で無機塩を徐々に溶解させながら撹拌した。4時間後のGC分析により、アクリル
酸が完全に消費されている
ことが示された。水相を固体塩化ナトリウムで飽和させた。有機相を分離し、乾
燥し(硫酸マグネシウム)、濾過し次いで減圧下で蒸発させて、淡黄色油状物を
少量の白色固体と共に得た。この混合物を酢酸エチルに溶解し、濾過し次いで減
圧下で蒸発させて、淡黄色油状物(2.54g)を得た。1H NMR(DMS0):δ2.65(2
H,m);2.45(2H,t)。
第2工程:4-ブロモ-4,4-ジフルオロブタノール
窒素雰囲気下で、ジエチルエーテル溶解した水素化リチウムアルミニウムの溶
液(5cm3,5mM)を0℃に冷却した。この温度を維持しながら、乾燥ジエチルエー
テル(5cm3)に溶解した4-ブロモ-4,4-ジフルオロブタン酸(1g,4.9mM)を撹拌
しながら滴下した。1時間後0℃で反応混合物に2M塩酸を加えることによって
、注意深く反応を停止させた(quenched)。有機相を分離し、炭酸水素ナトリウ
ム飽和溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し次いで減圧下で蒸
発させて、無色油状物(570mg)を得た。1H NMR(CDCl3):δ3.74(2H,t);2.
40-2.60(2H,m);1.82-1.96(2H,m)。
第3工程:メタンスルホン酸4-ブロモ-4,4-ジフルオロブチルエステル
乾燥ジエチルエーテル(5cm3)に4-ブロモ-4,4-ジフルオロブタノール(570mg
,3mM)を溶解した溶液を撹拌して0℃まで冷却した。この温度を維持しながら、
トリエチルアミン(1.7cm3,12.2mM)を加えた。10分後に、メタンスルホニルク
ロリド(0.3cm3,3.9mM)を加え、混合物を0℃でさらに1時間撹拌した。得られ
た反応混合物を2M塩酸(2cm3)とジエチルエーテル(20cm3)との中に注加した
。有機相を分離し、飽和食塩水で洗い、次いでシリカゲルの充填物を通して別量
のジエチルエーテルで溶出させた。ジエチルエーテル画分を減圧下で蒸発させて
、明黄色油状物(705mg)を得た。1H NMR(CDCl3):δ4.32(2H,t);3.04(3H,s
);2.46-2.64(2H,m);2.04-2.18(2H,m)。
実施例4A
対応する2-メルカプト-置換複素環化合物と1,4-ジブロモ-3,4,4-トリフルオロ
ブタン(実施例3A参照)との反応、次いでそれによって得られた生成物の脱ハロ
ゲン化による、2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)置換ベンゾオキサゾール
類及びベンゾチアゾール類の2工程による製造の一般的方法を、下記の6-ヒドロ
キシ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニル)ベンゾオキサゾール(化合物No.54)
の製造により例証する。
第1工程:6-ヒドロキシ-2-(4-ブロモ-3,4,4-トリフルオロブチルチオ)ベン
ゾオキサゾール
6-ヒドロキシ-2-メルカプトベンゾオキサゾール〔実施例2B(viii)、6.0g、2
2.2ミリモル〕、アセトン(60cm3)、炭酸カリウム(3.87g、28.0ミリモル)及
び6-ヒドロキシ-2-メルカプトベンゾオキサゾール(5.08g、30.4ミリモル)の混
合物を、室温で48時間撹拌した。得られた反応混合物に1.4M塩酸を加えることに
よって反応を停止させ、ジエチルエーテルで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し次いで減圧濃縮して赤色液体を得
た。溶出液としてヘキサン:酢酸エチルの8:2の混合物を用いてシリカゲル上で
クロマトグラフィー分離して、表記生成物を白色固体(6.51g)として得た。1H
NMR(CDCl3):δ7.45(1H,d);7.0(1H,d);6.8(1H,dd);5.65(1H,s);4
.7-5.0(1H,m);3.25-3.6(2H,m);2.3-2.6(2H,m)。M+=355。融点64.6-67.6
℃。
第2工程:6-ヒドロキシ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキ
サゾール(化合物No.54)
第1工程の生成物(5.27g、14.7ミリモル)、メタノール(50cm3)、亜鉛粉末
(9.66g、147ミリモル)、ヨウ化亜鉛(触媒量)及びヨウ素(触媒量)の混合物
を18時間還流させた。得られた反応混合物を濾過し、濾液をジエチルエーテルと
1.4M塩酸との間で分配させた。有機相を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
、濾過し次いで減圧
濃縮して褐色油状物を得た。溶出液としてヘキサン:酢酸エチルの8:2の混合物
を用いてシリカゲル上でクロマトグラフィー分離して、表記生成物を白色固体(
2.13g)として得た。1H NMR(CDCl3):δ7.45(1H,d);6.95(1H,d);6.8(1
H,dd);6.1(1H,s);4.2-4.4(1H,m);3.3(2H,t);2.5(2H,m)。M+=257。
融点73.6-75.4℃。
実施例4Aの2工程法に従って、下記の本発明の化合物及び対応する中間体を製
造した。2-メルカプトベンゾオキサゾール類及びベンゾチアゾール類が商業的に
容易に入手できない場合には、これらは実施例1A〜1D及び実施例2A〜2Cの方法に
よるか又はこれらに類似の方法により製造し得る。
(i)N,N-ジエチル-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾ
ール-5-スルホンアミド(化合物No.75)。融点71-72℃;M+=376;1H NMR(CDCl3
):δ1.15(t 6H);2.6(m 2H);3.2-3.3(q 4H);3.35(t 2H);4.25-4.4
(m 1H);7.55(d 1H);7.75(dd 1H);8.05(d 1H)。
N,N-ジエチル-2-(4-ブロモ-3,4,4-トリフルオロブチルチオ)ベンゾオキサゾ
ール-5-スルホンアミド、融点86.6-87.6℃;M+=476及び474(臭素同位体);1H
NMR(CDCl3):δ1.15(t,6H);2.4-2.65(m,2H);3.25(q,4H);3.35-4.7(
m,2H);4.75-5.0(m,1H);7.55(d,1H);7.8(dd,1H);8.1(d,1H)
から製造した。
(ii)7-フルオロ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾー
ル(化合物No.78)、M+=259;1H NMR(CDCl3):δ2.58(m 2H);3.33(t 2H)
;4.2-4.4(m 1H);7.00(t 1H),7.22(m 1H);7.40(d 1H)。
7-フルオロ-2-(4-ブロモ-3,4,4-トリフルオロブチルチオ)ベンゾオキサゾー
ルから製造した。
実施例4B
対応する2-メルカプト複素環化合物とp-トリルスルホン酸4,4-ジ
フルオロブタ-3-エニルエステル(実施例3B参照)との反応による2-(4,4-ジフ
ルオロブタ-3-エニルチオ)-置換ベンゾオキサゾール類及びベンゾチアゾール類
の一般的製造方法を、下記の2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-4-ニトロ
ベンゾオキサゾール(化合物No.81)の製造により例証する。
アセトン(15cm3)に2-メルカプト-4-ニトロベンゾオキサゾール(実施例2C、
550mg)と炭酸カリウム(375mg)とを懸濁させた褐色懸濁液を撹拌しこれに、p-
トリルスルホン酸4,4-ジフルオロブタ-3-エニルエステル(700mg)を加え、混合
物を還流下で21時間加熱した。水を加えることによって反応を停止させ、酢酸エ
チルで3回抽出した。得られた有機層を一緒にして水及び食塩水で洗浄し、次い
で乾燥した(硫酸マグネシウム)。濾過し次いで減圧濃縮して、褐色固体(806m
g)を得た。酢酸エチル及びヘキサンから再結晶して、2-(4,4-ジフルオロブタ-
3-エニルチオ)-4-ニトロベンゾオキサゾールを褐色結晶質固体(396mg)として
得た。GC分析により、得られた物質は99%以上の純度であることが示された。1H
NMR(CDCl3):δ8.14(1H,d);7.75(1H,d);7.39(1H,t);4.34(1H,m)
;3.48(2H,t);2.61(2H,m)。
実施例4Bの方法を用いて、対応する2-メルカプトベンゾオキサゾール又は2-メ
ルカプトベンゾチアゾールから下記の化合物を製造した。2-メルカプトベンゾオ
キサゾール類及びベンゾチアゾール類が商業的に容易に入手できない場合には、
これらは実施例1A〜1D及び実施例2A〜2Cの方法によるか又はこれに類似した方法
により製造した。
(i)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-4-メチルベンゾオキサゾール
(化合物No.79)。1H NMR(CDCl3):δ7.28(1H,m);7.11(2H,m);4.32(1H
,m);3.32(2H,t);2.55(2H,m);(油状物)。
(ii)4,5-ベンゾ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-4-ベン
ゾオキサゾール(化合物No.142)。1H NMR(CDCl3):δ8.45(1h,d);7.96(1
H,d);7.74(1H,d);7.64(2H,m);7.52(1H,t);4.38(1H,m);3.41(2H,
t);2.62(2H,q);(油状物)。
(iii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-4-ヒドロキシベンゾオキサ
ゾール(化合物No.82)。1H NMR(CDCl3):δ7.15(1H,t);7.02(1H,d);6.
83(1H,d);6.66(1H,s);4.29(1H,m);3.31(2H,t);2.55(2H,q);(油
状物)。
(iv)4-アミノ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール
(化合物No.80)。1H NMR(CDCl3):δ7.05(1H,t);6.85(1H,d);6.58(1H,d
);4.31(1H,m);3.31(2H,t);2.43(2H,q);(油状物)。
(v)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-5-メチルベンゾオキサゾール
(化合物No.41)。1H NMR(CDCl3):δ7.38(1H,s);7.30(1H,d);7.03(1H
,d);4.30(1H,m);3.32(2H,t);2.69(2H,q);2.45(3H,s);(油状物)
。
(vi)5-クロロ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール
(化合物No.89)。1H NMR(CDCl3):δ7.58(1H,dd);7.36(1H,d);7.22(1
H,dd);4.31(1H,m);3.33(2H,t);2.56(q);(油状物)。
(vii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-5-ニトロベンゾオキサゾー
ル(化合物No.143)。1H NMR(CDCl3):δ8.48(1H,d);8.23(1H,dd);7.54
(1H,d);4.31(1H,m);3.38(2H,t);2.59(2H,q);(黄色固体)。
(viii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール(化合
物No.2)。M+=241;1H NMR(CDCl3):δ2.5-2.6(m 2H),3.3-3.4(t 2H),4
.2-4.4(m 1H),7.2-7.35(m 2H),7.45(dd 1H),7.6(dd 1H)。
(ix)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾー
ル-6-カルボン酸メチル(化合物No.10)。M+=299;1H NMR(CDCl3):δ2.5-2.6
(m 2H),3.35(t 2H),3.95(s 3H),4.2-4.4(m 1H),7.65(d 1H),8.0
5(dd 1H),8.15(d 1H);(油状物)。
(x)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-メチルベンゾオキサゾール
(化合物No.48)。M+=255;1H NMR(CDCl3):δ2.45(s 3H),2.5-2.6(m 2H
),3.25-3.35(t 2H),4.2-4.5(m 1H),7.1(brs 1H),7.25(br d 1H),
7.5(d 1H);(油状物)。
(xi)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-ニトロベンゾオキサゾール
(化合物No.5)。M+=286;1H NMR(CDCl3):δ2.55-2.65(m 2H),3.35-3.45
(t 2H),4.25-4.40(m 1H),7.65(d 1H),8.25(dd 1H),8.35(d 1H);
(油状物)。
(xii)5-シアノ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾー
ル(化合物No.90)。融点72〜74℃;M+=266;1H NMR(CDCl3):δ2.55-2.65(m
2H),3.3-3.4(t H),4.2-4.4(m 1H),7.5-7.6(m 2H),7.9(br s 1H)
。
(xiii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-5-フェニルベゾオキサゾー
ル(化合物No.26)。融点41〜42.4℃;M+=317;1H NMR(CDCl3):δ2.5-2.65(
m 2H),3.3-3.4(t 2H),4.25-4.45(m 1H),7.3-7.5(m 5H),7.6(d 2H)
,7.8(s 1H)。
(xiv)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール-5-イル
エチルスルホン(化合物No.73)。M+=333;1H NMR(CDCl3):δ1.25(t 3H),
2.55-2.65(m 2H),3.1-3.2(q 2H),3.35-3.45(t 2H),4.25-4.45(m 1H)
,7.6(d 1H),7.85(dd 1H),8.15(d 1H);(油状物)。
(xv)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール-5-イルメチ
ルスルホン(化合物No.74)。ir 1760cm-1;M+=335;1H NMR(CDCl3):δ2.58
(m,2H);3.12(s,3H);3.45(t,2H);4.3(m,1H);7.86(dd,1H);7.95(
d,1H);8.42(d 2H)。
(xvi)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-フルオロベンゾチアゾー
ル(化合物No.15)。ir 1750cm-1;M+=275;1H NMR(CDCl3):δ2.50(m 2H)
;3.35(t 3H);4.25(m 1H);7.10(m 1H);7.40(dd 1H);7.75(dd 1H)
;(油状物)。
(xvii)5-ブロモ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール
(化合物No.61)。ir 1750cm-1;M+=337;1H NMR(CDCl3):δ2.55(m 2H);3
.40(t 2H);4.30(m 1H);7.42(dd 1H):7.60(d 1H);8.02(dd 1H);
(油状物)。
(xviii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-4-メチルベンゾチアゾー
ル(化合物No.16);M+=271;1H NMR(CDCl3):δ2.55(m 2H);2.68(s 3H)
;3.40(t 2H);4.32(m 1H);7.2(m 2H);7.60(dd 1H);(油状物)。
(xix)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-メチルベンゾチアゾール
(化合物No.7);M+=271;1H NMR(CDCl3):δ2.48(s 3H);2.55(m 2H);3
.35(t 2H);4.3(2重に割れた3重線の2重線 1H);7.20(dd 1H);7.55(s 1
H);7.75(d 1H);(油状物)。
(xx)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-5-メトキシベンゾチアゾール
(化合物No.71)。ir(液膜)1752cm-1:M+=287;1H NMR(CDCl3):δ2.54(m
2H);3.38(t 3H);3.88(s 3H);4.32(2重に割れた3重線の2重線 1H);6.
95(dd 1H);7.40(d 1H);7.60(d 1H);(油状物)。
(xxi)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-5-フルオロベンゾチアゾー
ル(化合物No.69)。ir(液膜)1750cm-1;M+=275;1H NMR(CDCl)3:δ2.55(
m 2H);3.40(t 2H);4.3(2重に割れた3重線の2重線 1H);7.08(3重に割れ
た2重線 1H);7.56(dd 1H);7.68(dd 1H);(油状物)。
(xxii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-7-クロロベンゾチアゾール
(化合物No.77)。ir(液膜)1750cm-1;M+=291;1H NMR(CDCl3):δ2.55(m
2H);3.40(t 2H);4.3(2重に割れた3重線の2重線 1H);
7.28 (d 1H);7.36(t 1H);7.77(d 1H)。
(xxiii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-5-N,N-ジメチルスルホン
アミドベンゾチアゾール(化合物No.76)。融点60℃:M+=364;1H NMR(CDCl3)
:δ2.65(m 2H);2.8(bs 6H);3.50(t 2H);4.4(2重に割れた3重線の2重
線 1H);7.75(dd 1H);8.00(t 1H);8.30(d 1H)。
(xxiv)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-5-トリフルオロメチルチオ
ベンゾチアゾール(化合物No.137)。M+=357;1H NMR(CDCl3):δ2.55(m 2H
);3.4(t 2H);4.3(2重に割れた3重線の2重線 1H);7.75(dd 1H);7.80(
d 1H);8.15(d 1H);(油状物)。
(xxv)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-エトキシベンゾチアゾー
ル(化合物No.56)。1H NMR(CDCl3):δ7.74(1H,d);7.24(1H,d);7.00(
1H,dd);4.30(1H,dtd);4.08(2H,q);3.36(2H,t);2.53(2H,bq);(油
状物)。
(xxvi)5-クロロ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール
(化合物No.63)。1H NMR(CDCl3):δ7.87(1H,d);7.66(1H,d);7.28(1H
,dd);4.32(1H,dtd);3.40(2H,t);2.55(2H,bq);(油状物)。
(xxvii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-5-メチルベンゾチアゾー
ル(化合物No.22)。1H NMR(CDCl3):δ7.68(1H,bs);7.62(1H,d);7.14
(1H,bd);4.32(1H,dtd);3.38(2H,t);2.54(2H,bq);2.48(3H,s);(
油状物)。
(xxviii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-ニトロベンゾチアゾー
ル(化合物No.52)。1H NMR(CDCl3).δ8.69(1H,d);8.332(1H,dd);7.92
(1H,d);4.33(1H,dtd);3.47(2H,t);2.59(2H,bq)。
(xxix)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-5-トリフルオロメチルベン
ゾチアゾール(化合物No.62)。1H NMR(CDCl3):δ8.12(1H,bs);7.86(1H,
d);7.55(1H,dd);4.33(1H,dtd);3.43(2H,t);2.57(2H,bq);(油状
物)。
(xxx)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-メトキシベンゾチアゾー
ル(化合物No.58)。1H NMR(CDCl3):δ7.75(1H,d);7.23(1H,d);7.02(
1H,dd);4.32(1H,dtd);3.88(3H,s);3.38(2H,t);2.52(2H,bq);(油
状物)。
(xxxi)6-クロロ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール
(化合物No.46)。1H NMR(CDCl3):δ7.78(1H,d);7.75(1H,d);7.38(1H
,dd);4.32(1H,dtd);3.41(2H,t);2.56(2H,bq);(油状物)。
(xxxii)6-フルオロ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサ
ゾール(化合物No.47)。1H NMR(CDCl3):δ7.53(1H,m);7.18(1H,m);7.
05(1H,m),4.23-4.44(1H,m),3.33(2H,t),2.58(2H,m);M+=259。
(xxxiii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-5,6-メチレンジオキシベ
ンゾチアゾール(化合物No.128)、無色固体;融点74〜75℃;M+=301;1H NMR(
CDCl3):δ7.30(1H,s);7.12(1H,s);6.04(2H,s);4.3(1H,dtd);3.44
(2H,t);2.52(2H,m)。
(xxxiv)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-5-トリフルオロメタンス
ルホニルベンゾチアゾール(化合物No.133)。1H NMR(CDCl3):δ8.50(1H,d
);8.02(1H,d);7.90(1H,dd);4.3(1H,dtd);3.45(2H,t);2.58(2H,m
);M+=389。
(xxxv)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-5-トリフルオロメタンスル
フィニルベンゾチアゾール(化合物No.138)。1H NMR(CDCl3):δ8.26(1H,s
);8.00(1H,d);7.72(1H,d);4.3(1H,dtd);3.45(2H,t);2.58(2H,m
)。
(xxxvi)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-5-トリフルオロメトキシ
ベンゾチアゾール(化合物No.96)。1H NMR(CDCl3):δ7.75(2H,m);7.20(1
H,dd);4.3(1H,dtd);3.40(2H,t);2.55(2H,m);M+=341。
(xxxvii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-7-メチルベンゾオキサゾ
ール(化合物No.17)。M+=255;1H NMR(CDCl3):δ2.4-2.65(5H,m);3.3-3.
4(2H,t);4.15-4.4(1H,m);7.0-7.1(1H,d);7.15-7.25(1H,t);7.45(1
H,d);(油状物)。
(xxxviii)5-アミノ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサ
ゾール(化合物No.103)。M+=256
(xxxix)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-7-ニトロベンゾオキサゾ
ール(化合物No.114)。M+=286;1H NMR(CDCl3):δ2.55-2.65(2H,m);3.35
-3.45(2H,t);4.25-4.45(1H,m);7.4(1H,t);7.4(1H,t);7.9(1H,d)
;8.1(1H,d)
実施例4C
2-メルカプト置換複素環式化合物とメタンスルホン酸4-ブロモ-4,4-ジフルオ
ロブチルエステル(実施例3C参照)との反応、次いで得られた2-(4-ブロモ-3,4
-ジフルオロブチルチオ)-置換中間体の脱臭化水素化による本発明の化合物の製
造を、下記の6-メトキシ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサ
ゾール(化合物No.57)の2工程による製造により例証する。
第1工程:6-メトキシ-2-(4-ブロモ-4,4-ジフルオロブチルチオ)ベンゾオキ
サゾール
6-メトキシ-2-メルカプトベンゾオキサゾール(1.77g、9.8ミリモル)、メタ
ンスルホン酸4-ブロモ-4,4-ジフルオロブチルエステル(2.4g、9.8ミリモル)、
炭酸カリウム(5g、36.2ミリモル)及びアセトン(60cm3)の混合物を周囲温度
で18時間攪拌した。生成した沈澱を濾過することにより除去し、濾液を減圧下で
蒸発させて褐色油状物を得、これをクロマトグラフィーによりシリカゲル上を酢
酸エチルとヘキサンの1:4の混合物で溶出することにより精製して、表記の中
間体を明黄色油状物として得た。1H NMR(CDCl3):δ7.48(d,1H);7.00(d,1
H);6.90(dd,2H);3.85(s,3H);3.38(t,2H);
2.50-2.68(m,2H)。
第2工程:6-メトキシ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサ
ゾール(化合物No.57)
乾燥トルエンに溶解した第1工程の生成物(1g、2.84ミリモル)の溶液を60℃
で攪拌しこれに、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU、0.45cm3
、3ミリモル)を加えた。4時間後に、さらにDBU(0.45cm3、3ミリモル)を加
え、加熱をさらに3時間続けた。次いで、得られた反応混合物を17時間放置し冷
却させた。混合物を2M塩酸(20cm3)で洗浄し、有機層を分離した。水層を酢酸
エチル(25cm3)で抽出した。有機層を一緒にして水(20cm3)及び食塩水(20cm3
)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、次いで減圧下で蒸発
させて表記化合物を褐色油状物として得、これをカラムクロマトグラフィーによ
りシリカゲル上を酢酸エチルとヘキサンの1:4の混合物で溶出することにより
、明黄色油状物に精製した。M+=271。1H NMR(CDCl3):δ2.48-2.6(m 2H);3
.32(t 2H);3.84(s 3H);4.22-4.38(m 1H);6.88(dd 1H);6.98(d 1H
);7.46(d 1H)。
また、化合物No.57は実施例4Bの方法に従って、6-メトキシ-2-メルカプトベン
ゾオキサゾールと、p-トリルスルホン酸4,4-ジフルオロブタ-3-エニルエステル
との反応によっても製造し得る。
実施例4D
トリフェニルホスフィンの存在下における2-(3-オキシプロピルチオ)-置換ベ
ンゾオキサゾール又はベンゾチアゾールと、ジブロモジフルオロメタンとのウイ
チッヒ(wittig)縮合による本発明の化合物の製造を、下記の2-(4,4-ジフルオ
ロブタ-3-エニルチオ)べンゾチアゾール(化合物No.1)の3工程による製造に
より例証する。
第1工程:2-[2-(1,3-ジオキソラン-2-イル)-エチルチオ]-ベンゾチアゾ
ールの製造
アセトン(50cm3)に2-メルカプトベンゾチアゾール(4.6g)を溶解した溶液
を攪拌し、これに室温で炭酸カリウム(3.8g)を加えた。得られた混合物に、2-
(2-ブロモエチル)-1,3-ジオキソラン(5g)を加え、次いで還流下に3時間加熱
して反応させた。
反応混合物を水に注加し、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を硫酸マグネ
シウム上で乾燥し、次いで減圧下で蒸発させて褐色油状物を得た。得られた粗生
成物を、シリカゲルを使用し且つ溶出液としてヘキサンに溶解した酢酸エチル(
15容量%)を使用してカラムクロマトグラフィーにかけて2-[2-(1,3-ジオキソ
ラン-2-イル)-エチルチオ]ベンゾチアゾールを透明黄色油状物として得た。1H
NMR(CDCl3):δ7.78(2H,d);7.75(2H,d);7.41(1H,t);7.29(1H,t);
5.08(1H,t);4.00(2H,m);3.90(2H,m);3.47(2H,t);2.24(2H,m);M+=267,100
。
第2工程:2-(3-オキシプロピルチオ)ベンゾチアゾールの製造
テトラヒドロフラン(50cm3)に2-[2-(1,3-ジオキソラン-2-イル)-エチル
チオ]ベンゾチアゾール(5.3g)を溶解した溶液に10%塩酸水溶液(50cm3)を
加えた。周囲温度で6時間攪拌した後に、反応混合物を48時間放置し、その間に
白色沈澱が生成した。固体を濾過して採取し、その一部(2g)を2M水酸化ナトリ
ウム水溶液に溶解し、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム
を用いて乾燥し、次いで減圧下で蒸発させて粗2-(3-オキシプロピルチオ)ベン
ゾチアゾールをゴム状黄色固体として得た。この物質をさらに精製することなく
第3工程で使用した。1H NMR(CDCl3):δ9.85(1H,s);7.86(2H,d);7.78
(2H,d);3.62(2H,t),3.12(2H,t)。
さらなる信号がδ11.73とδ7.50-7.00で認められたが上記に挙げなかった。
第3工程:2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール(化合
物No.1)の製造
乾燥した反応フラスコを窒素パージし、乾燥ジメチルアセトアミド(15cm3)に
粗2-(3-オキシプロピルチオ)ベンゾチアゾール(0.5g)とジブロモジフルオロ
メタン(0.941g)とを溶解した溶液を入れた。0℃に冷却した後に、この攪拌溶
液にトリフェニルホスフィン(1.1g)を加え、混合物を0℃で30分間攪拌し、そ
の後に放置して室温まで昇温させた。亜鉛粉末(0.291g)を少量づつ加え、90℃
に2時間加熱して反応させ、次いで室温まで冷却し、室温で4日間放置した。得
られた反応混合物をHigh-Floを用いて濾過し、残留物と濾過助剤とを酢酸エチル
で洗浄した。濾液と洗浄液とを一緒にし、水洗した。得られた有機層を乾燥し、
蒸発させて油状固体残留物を得た。
得られた粗反応混合物を、シリカゲルを使用し且つ溶出液としてヘキサンに溶
解したtert-ブチルメチルエーテル(10容量%)を使用してカラムクロマトグラ
フィーにかけた。所望の生成物を含んでいる画分を一緒にし、減圧下で蒸発させ
、次いで得られた残留物をシリカゲルを使用し且つ溶出液としてヘキサンに溶解
した酢酸エチル(2容量%)を使用してカラムクロマトグラフィーにかけて、表
題化合物を透明無色液体として得た。1H NMR(CDCl3):δ7.78(1H,d);7.44
(1H,t);7.31(1H,t);4.34(1H,m);3.40(2H,t);2.56(2H,q);M+=25
7,167。
実施例4E
ベンゾオキサゾール環又はベンゾチアゾール環上に-CO2H置換基をもつ本発明
の化合物の製造に適した方法を、下記の2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ
)ベンゾオキサゾール-5-カルボン酸(化合物No.94)の製造方法により例証する
。
テトラヒドロフラン(15cm3)に2-メルカプトベンゾオキサゾール-5-カルボン
酸(525mg)とp-トリルスルホン酸4,4-ジフルオロブタ-3-エニルエステル(703m
g)とを溶解した溶液を攪拌し、これに周囲温度でトリエチルアミン(539mg)を
加えた。混合物を還流温度で2.5
時間加熱し、周囲温度で18時間放置し、次いで還流温度でさらに5時間加熱した
。この混合物を酢酸エチルと水との中に注加し、分液した。水層を酢酸エチルで
2回抽出し、有機層を一緒にして水洗し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥した。
濾過した後に、溶媒を減圧下で蒸発させて若干量の固体物質を含んでいる褐色油
状物を得た。クロマトグラフィーによりシリカゲル上で酢酸エチルとヘキサンの
1:1の混合物で溶出することにより精製して、表題化合物を白色固体として得
た。1H NMR(CDCl3):δ8.61(1H,bs);8.07(1H,dd);7.85(1H,d);4.32
(1H,m);3.43(2H,t);2.58(2H,bq)。
実施例4Eの方法により、対応する出発原料2-メルカプト-置換複素環カルボン
酸から下記の化合物を製造した。
(i)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール-4-カルボ
ン酸(化合物No.97)。1H NMR(CDCl3):δ8.10(1H,d);7.69(1H,d);7.42
(1H,t);4.32(1H,m);3.40(2H,t);2.60(2H,bq)。
(ii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール-5-カルボン
酸(化合物No.68)。1H NMR(CDCl3):δ8.61(1H,bs);8.07(1H,dd);7.85
(1H,d);4.32(1H,m);3.43(2H,t);2.58(2H,bq)。
実施例4F
本発明のアミノ置換化合物の製造に適した方法を、下記の6-アミノ-2-(4,4-
ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール(化合物No.6)の3工程に
よる製造方法により例証する。
第1工程:2-(3-ブロモ-3,4,4-トリフルオロブチルチオ)-6-ニトロベンゾオ
キサゾールの製造
炭酸カリウム(4.6g)を含有するアセトン(60cm3)に1,4-ジブロモ-1,2,2-ト
リフルオロブタン(6g)を溶解した溶液に、2-メルカプト-6-ニトロベンゾオキ
サゾール〔J.Org.Chem.,19,758-766(1956)〕(5.44g)を加え、混合物を周
囲温度で48時間攪拌し、次いで還流温度で6時間攪拌した。冷却した反応物から
無機固形物を、High-Flo
濾過助剤の充填物(plug)を通して濾過することにより除去し、該充填物をさら
にアセトンで洗浄した。濾液を一緒にし、減圧濃縮して暗黒色油状物9.63gを得
た。これをジクロロメタンと共に磨砕し不溶性部分を廃棄した。得られたジクロ
ロメタン可溶性物質(7.44g)を、シリカゲル上でヘキサンに溶解した10%酢酸
エチルで溶出することによりクロマトグラフィー分離した。これにより黄色油状
物5.43gを得、これを放置して固化させて融点53.8〜55.2℃の固体を得た。M+=38
6及び384(臭素同位体);1H NMR(CDCl3):δ2.4-2.8(m 2H);3.35-3.75(m
2H);4.75-5.05(m 1H);7.7(d 1H);8.3(dd 1H);8.4(d 1H)。
第2工程:6-アミノ-2-(3-ブロモ-3,4,4-トリフルオロブチルチオ)ベンゾオ
キサゾールの製造
第1工程の生成物(3.65g)をイソプロパノール(60Oc)と水(30cm3)との中
に懸濁させた。濃塩酸(3滴)を加え、混合物を空気駆動(air-driven)攪拌装
置を用いて出発原料の大部分が溶解するまで攪拌し、その後に鉄粉(7.3g)を加
え、gcの分析により出発原料が全部反応したことが示されるまで、混合物全体を
9.5時間攪拌を続けながら80℃まで加熱した。得られた、反応混合物を冷却し、H
igh-Flo濾過助剤の充填物を通して濾過して無機物質を除去した。酢酸エチルと
水とを加え、生成物を酢酸エチル中に抽出した。この酢酸エチル層を分離し、さ
らに水洗し、次いで食塩水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウム
上で乾燥し、次いで減圧濃縮して褐色油状物(3.18g)を得、これをクロマトグ
ラフィーにかけシリカゲル上でヘキサン中の20%酢酸エチルで溶出させた。これ
により橙色油状物2.74gを得た。M+=354;1H NMR(CDCl3):δ2.35-2.65(m 2H
);3.25-3.65(m 2H);3.85(bs 2H);4.75-5.05(m 1H);6.6-6.65(dd 1H
);6.8(d 1H);7.4(d 1H)。
第3工程:6-アミノ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベ
ンゾオキサゾール(化合物No.6)の製造
第2工程の生成物(2.5g)をテトラヒドロフランに溶解し、亜鉛粉末(4.5g)
、沃化亜鉛(触媒量)及び沃素(触媒量)を加えた。混合物を12時間還流した。
この時間では、gcによる分析により出発原料がほとんど消費されていないことが
示された。追加量の亜鉛(0.5g)と前記触媒とを加え、加熱を5時間続けた。こ
の段階では、gcにより生成物に約30%転化していることが示された。加熱をさら
に16時間続けた。この時間ではgcにより出発原料全部が消費されていることが示
された。反応混合物を冷却し、High-Flo濾過助剤の充填物を通して濾過して無機
物を除去した。固体を酢酸エチルで洗浄し、濾液を一緒にし、1.4M塩酸水溶液及
び飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、次いで減
圧下で蒸発させることにより濃縮して橙色油状物1.25gを得た。この物質をクロ
マトグラフィーにかけシリカゲル上で20%酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出させ
、淡橙色油状物(977mg)を得た。これは放置しておくと固化した。融点47.6〜49.
8℃;M+=256;1H NMR(CDCl3):δ2.45-2.55(m 2H);3.2-3.3(t 2H);3.7-
3.85(bs 2H);4.2-4.4(m 1H);6.65(dd 1H);6.75(d 1H);7.35(d 1H
)。
実施例5
対応する酸化されていない化合物(実施例4A〜4F及び実施例6に従って製造さ
れる)のベンゾオキサゾール環又はベンゾチアゾール環の2-置換基の硫黄原子が
スルホキシド(スルフィニル基)又はスルホン(スルホニル基)に酸化されてい
る本発明の化合物の製造に適した方法を下記の方法により例証する。
一般的に、1当量の酸化剤を使用すると対応するスルホキシドの生成を主とし
てもたらし、2当量の酸化剤を使用すると対応するスルホンの生成を主としても
たらす。しかしながら、酸化生成物の混合物が得られる場合が多く、これら混合
物は標準的な方法例えばカ
ラムクロマトグラフィーにより容易に分離し得る。
(i)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルスルフィニル)ベンゾオキサゾール(
化合物No.9)と2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルスルホニル)ベンゾオキサゾ
ール(化合物No.14)の製造
2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール〔化合物No.2、
実施例4B(viii)の化合物、800mg〕をtert-ブタノール(20cm3)と水(12cm3)
との中で、モノペルオキシフタル酸マグネシウム6水和物(1.64g)で処理し、
混合物を周囲温度で16時間攪拌した。GCにより出発原料が若干残っていることが
示され、さらに酸化剤350mgを加え、混合物を60時間放置した。炭酸ナトリウム
飽和水溶液を加えることにより反応を停止させ、生成物を酢酸エチル中に抽出し
た。有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。減圧下で溶媒を蒸発
させて流動性黄色油状物(737mg)を得、これをクロマトグラフィーにかけシリ
カゲル上で20%酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出させて下記のスルホキシド(化
合物A、457mg)と、下記の対応するスルホン(化合物B、93mg)とを得た。
A:2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルスルフィニル)ベンゾオキサゾール、
化学的に不安定な黄色油状物。1H NMR(CDCl3):δ2.45-2.75(m 2H);3.35-3
.55(m 2H);4.2-4.4(m 1H);7.4-7.55(m,2H);7.65(dd 1H),7.85(dd
1H)。
B:2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルスルホニル)ベンゾオキサゾール、黄
色油状物。1H NMR(CDCl3):δ2.55-2.75(m 2H);3.55-3.65(t 2H);4.2-4
.4(m 1H);7.5-7.65(m 2H);7.7(d 1H);7.95(d 1H)。
(ii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルスルフィニル)ベンゾチアゾール(
化合物No.12)の製造
2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール〔化合物No.1、実
施例4Dの化合物、0.30g〕をジクロロメタン(3cm3)
中で0℃で攪拌し、m-クロロ過安息香酸(50%試薬を0.336g)を滴下して処理し
、次いで周囲温度で18時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、希炭酸
水素ナトリウム水溶液、水で洗浄し、次いで乾燥した(硫酸マグネシウム)。減
圧下で溶媒を蒸発させて固体を得、これを容量比2:1のヘキサン/酢酸エチル
を使用してシリカの充填層(bed)を通して溶出することにより分画して、必要と
する生成物を無色固体として得た。融点67〜68℃:M+=274:ir 1750,1228cm-1
;1H NMR(CDCl3):δ2.45(m 1H);2.68(m 1H);3.30(m 2H);4.3(dtd
1H);7.55(m,2H);8.03(d 1H);8.08(d 1H)。
実施例5(ii)の一般的方法に従って下記の化合物を製造した。生成物の混合
物が得られた場合にはカラムクロマトグラフィーにより分離した。
(iii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール-5-カルボ
ン酸4,4-ジフルオロブタ-3-エニルエステル〔化合物No.64、実施例6(xxiv)の
化合物〕から、2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルスルフィニル)ベンゾチアゾ
ール-5-カルボン酸4,4-ジフルオロブタ-3-エニルエステル(A)(化合物No.92)
と、2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルスルホニル)ベンゾチアゾール-5-カルボ
ン酸4,4-ジフルオロブタ-3-エニルエステル(B)(化合物No.93)を製造した。
(A)無色固体、融点68〜70℃(dec);M+=407;1H NMR(CDCl3):δ2.50(m
2H);2.80(m 4H);3.30(m 2H);4.20-4.35(m 4H);8.08(d,1H);8.17
(dd 1H);8.74(d 1H)。
(B)無色固体、融点69〜70℃;M+=423;1H NMR(CDCl3):δ2.50(m 2H);
2.65(m 2H);3.63(t 2H);4.2-4.4(m 2H);4.40(t 2H);8.10(d,1H)
;8.28(dd 1H);8.88(d 1H)。
(iv)5-ブロモ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール〔
化合物No.61、実施例4B(xviii)の化合物〕から、5-ブロモ-2-(4,4-ジフルオロ
ブタ-3-エニルスルフィニル)ベンゾチアゾー
ル(A)(化合物No.87)と、5-ブロモ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルスルホ
ニル)ベンゾチアゾール(B)(化合物No.88)を製造した。
(A)無色固体、融点107℃;M+=351;1H NMR(CDCl3):δ2.45(m 1H);2.7
0(m 1H);3.3(m 2H);4.3(dtd 1H);7.6(d,1H);7.90(d 1H);8.25(
d 1H)。
(B)無色固体、融点118℃;M+=367;1H NMR(CDCl3):δ2.60(m 2H);3.6
(t 2H);4.3(dtd 1H);7.7(dd,1H);7.90(d 1H);8.40(d 1H)。
(v)5-フルオロ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール
〔化合物No.69、実施例4B(xxi)の化合物〕から、5-フルオロ-2-(4,4-ジフル
オロブタ-3-エニルスルフィニル)ベンゾチアゾール(化合物No.95)を製造した
。
無色固体、融点84℃;M+=291;1H NMR(CDCl3):δ2.40(m 1H);2.70(m 1
H);3.3(m 2H);4.3(dtd 1H);7.3(m,1H);7.75(dd,1H);7.95(dd 1H
)。
(vi)5-(トリフルオロメチルチオ)-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ
)ベンゾチアゾール〔化合物No.137、実施例4B(xxiv)の化合物〕から、5-(ト
リフルオロメチルチオ)-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルスルフィニル)ベン
ゾチアゾール(A)(化合物No.150)と、5-(トリフルオロメチルチオ)-2-(4,
4-ジフルオロブタ-3-エニルスルホニル)ベンゾチアゾール(B)(化合物No.151
)を製造した。
(A)無色固体、融点91〜93℃;M+=373;1H NMR(CDCl3):δ2.40(m 1H);
2.70(m 1H);3.3(m 2H);4.3(dtd 1H);7.75(d,1H);8.08(d 1H);8.
40(s 1H)。
(B)無色固体、融点102〜104℃;M+=389;1H NMR(CDCl3):δ2.65(m 2H)
;3.6(t 2H);4.3(dtd 1H);7.85(d,1H);8.10(d 1H);8.52(s 1H)。
(vii)6-ニトロ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール
〔化合物No.52、実施例4B(xxviii)の化合物〕から6-ニト
ロ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルスルフィニル)ベンゾチアゾール(化合物
No.160)を製造した。1H NMR(CDCl3):δ9.00(1H,d);8.45(1H,dd);8.20
(1H,d);4.3(1H,dtd);3.35(2H,m);2.7(1H,m);2.42(1H,m)。
(viii)6-ニトロ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール
〔化合物No.52、実施例4B(xxviii)の化合物〕から6-ニトロ-2-(4,4-ジフルオ
ロブタ-3-エニルスルホニル)ベンゾチアゾール(化合物No.161)を製造した。1
H NMR(CDCl3):δ9.00(1H,d);8.50(1H,dd);8.35(1H,d);4.3(1H,dtd
);3.65(2H,m);2.6(2H,m)。
実施例6
本発明の別の化合物の置換基の変換又は別の反応による本発明の化合物の製造
に適した方法を、下記の化合物の製造により例証する。
(i)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-4-メトキシベンゾオキサゾー
ル(化合物No.102)の製造
アセトン(10cm3)に2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-4-ヒドロキシ
ベンゾオキサゾール〔化合物No.82、実施例4B(iii)の化合物、504mg〕を溶解
した溶液を攪拌し、これに沃化メタン(278mg)と炭酸カリウム(270mg)を加え
た。反応混合物を周囲温度で5.5時間攪拌し、次いで周囲温度で18時間放置した
。gc分析により、出発原料が完全に消費されていることが示された。得られた反
応混合物を酢酸エチルと水の中に注加し、分液し、次いで水層を酢酸エチルで2
回抽出した。得られた有機層を一緒にし、水、食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸マ
グネシウム)次いで減圧下で濃縮して黄色油状物を得た。溶出液としてヘキサン
に酢酸エチル5%を溶解した溶液を使用してシリカゲルクロマトグラフィーによ
り精製して、2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-4-メトキシベンゾオキサ
ゾールを無色油状物(290mg)として得た。1H NMR(CDCl3):δ7.19(1H,t);
7.08(1H,d);6.78(1H,d);4.30(1H,ddt);3.39(1H,t):2.55(q)。
実施例6(i)の方法により下記の3種類の化合物を製造した。しかし、これ
らは反応を完結させるために加熱して還流させることを必要とした。
(ii)4-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルオキシ)-2-(4,4-ジフルオロブタ-3
-エニルチオ)ベンゾオキサゾール(化合物No.101)。1H NMR(CDCl3):δ7.16
(1H,t);7.09(1H,d);6.78(1H,d);4.40(2H,m);4.33(2H,t);3.35(
2H,t);2.54(4H,m);(油状物)
(iii)4-(2-フルオロエトキシ)-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)
ベンゾオキサゾール(化合物No.83)。1H NMR(CDCl3):δ7.15(2H,m);6.83
(1H,d);4.84(2H,td);4.63(2H,d);4.32(1H,ddt);3.35(2H,t);2.5
6(2H,q);(油状物)
(iv)4-(1-オキソプロピルオキシ)-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ
)ベンゾオキサゾール(化合物No.100)。1H NMR(CDCl3):δ7.34(1H,d);7
.23(1H,t);7.04(1H,d);4.30(1H,ddt);3.31(2H,t);2.62(2H,q);2
.55(2H,q);1.32(3H,t);(油状物)
(v)4-(1-オキソプロピルオキシアミノ)-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニ
ルチオ)ベンゾオキサゾール(化合物No.98)。
4-アミノ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール〔化合
物No.80、実施例4B(iv)の化合物、255mg〕をジクロロメタン(2cm3)とプロピ
オニルクロリド(102mg)とに溶解した溶液を撹拌し、これに周囲温度でトリエ
チルアミン(120mg)を滴加し、反応を3.5時間撹拌して行った。その後に、gc分
析により出発原料が完全に消費されていることが示された。得られた反応混合物
を酢酸エチルと水との中に注加し、分液した。水性層を酢酸エチルで2回抽出し
、有機層を一緒にし、水及び食塩水で洗浄し、次いで乾燥した(硫酸マグネシウ
ム)。濾過し、減圧下で蒸発させて褐色油状物を得た。溶出液として30%t-ブチ
ルメチルエーテルのヘキサン溶液を使用してシリカゲルクロマトグラフィーによ
り精製して、4-(1-
オキソプロピルオキシアミノ)-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾ
オキサゾールを淡黄色油状物(124mg)として得た。1H NMR(CDCl3):δ8.28(
1H,d);7.97(1H,d);7.24(1H,t);7.15(1H,d);4.32(1H,ddt);3.33(
2H,t);2.55(4H,m);1.29(3H,t)。
(vi)4-(メタンスルホンアミド)-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)
ベンゾオキサゾール(化合物No.99)。
4-アミノ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール〔化合
物No.80、実施例4B(iv)の化合物、259mg〕とピリジン(80mg)とを乾燥トルエ
ン(5cm3)を溶解した溶液を撹拌し、これに周囲温度でメタンスルホニルクロリ
ド(122mg)を加えた。反応を6時間撹拌して行い、次いで18時間放置した。そ
の時間の後に、gc分析によ反応が完結していることが示された。得られた反応混
合物を酢酸エチルと2M塩酸との中に注加し、分液した。酢酸エチル層を2M塩酸で
洗浄し、次いで乾燥した(硫酸マグネシウム)。濾過し、減圧下で蒸発させて褐
色油状物を得た。シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、4-(メタンス
ルホンアミド)-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾールを
褐色固体(133mg)として得た。1H NMR(CDCl3):δ7.44(1H,d);7.24(2H,m
);7.14(1H,bs);4.32(1H,ddt);3.32(2H,t);2.56(1H,q)。
(vii)N-ベンジル-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾ
ール-4-カルボキサミド(化合物No.144)
p-トルエンスルホニルクロリド(267mg)とピリジン(111mg)と2-(4,4-ジフ
ルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール-4-カルボン酸〔化合物No.97、
実施例4E(i)の化合物、400mg〕とをジクロロメタン(2cm3)に溶解した溶液を
周囲温度で4時間撹拌し、次いで18時間放置した。ベンジルアミン(150mg)を
加え、還流温度で1時間加熱して反応させた。得られた反応混合物をエーテルと
水との中に注加し、分液し、水性層をエーテルで2回抽出した。エーテル
層を乾燥させて褐色油状物を得、20%酢酸エチルのヘキサン溶液を使用しシリカ
ゲルクロマトグラフィーを用いて精製して、黄色固体(151mg)を得た。1H NMR
(CDCl3):δ9.23(1H,bt);8.19(1H,d);7.57(1H,d);7.28-7.45(6H,m
);4.74(1H,d);4.08(1H,ddt);3.18(2H,t);2.39(1H,bq)。
(viii)N-ベンジル-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾ
ール-5-カルボキサミド(化合物No.158)を、2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニル
チオ)ベンゾオキサゾール-5-カルボン酸(化合物No.94、実施例4Eの化合物)か
ら実施例6(vii)の方法に従って製造した。1H NMR(CDCl3):δ8.00(1H,d)
;7.77(1H,dd);7.47(1H,d);7.30-7.40(5H,m);6.42(1H,bt);4.78(1
H,d);4.31(1H,ddt);3.32(2H,t);2.57(1H,bq)。
(ix)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール-5-カルボ
ン酸メチルエステル(化合物No.146)の製造
2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール-5-カルボン酸(
400mg)をジメチルホルムアミド(5cm3)に溶解した溶液を撹拌し、これに炭酸
水素ナトリウム(224mg)と沃化メチル(284mg)とを加えた。反応混合物を周囲
温度で1時間撹拌した。得られた反応混合物をHigh-flo濾過助剤を通して濾過し
て固形物を除去し、次いで濾液を蒸発させて黄色油状物を得た。この油状物をエ
ーテルに溶解し、水洗した。このエーテルを乾燥(硫酸マグネシウム)し、蒸発
させて黄色油状物を得た。これは放置しておくと結晶化した。ヘキサンから再結
晶して、2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール-5-カルボ
ン酸メチルエステルを白色固体(31mg)として得た。1H NMR(CDCl3):δ8.29
(1H,dd);8.03(1H,dd);7.48(1H,d);4.32(1H,ddt);3.94(3H,s);3.
36(2H,t);2.58(2H,bq)。
(x)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール-5-カルボ
ン酸4,4-ジフルオロブタ-3-エニルエステル(化合物No.
118)の製造
p-トルエンスルホン酸4,4-ジフルオロブタ-3-エニルエステル(870mg)をアセ
トニトリル(10cm3)に溶解した溶液を撹拌し、これに周囲温度で沃化カリウム
(550mg)を加え、反応混合物を80℃で0.5時間加熱した。この間に沈殿が生成し
た。この反応混合物に、2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサ
ゾール-5-カルボン酸(301mg)とエチルジイソプロピルアミン(567mg)とをア
セトニトリル(5cm3)に溶解した溶液を加え、80℃で加熱を4時間続けた。この
時間の後には、gc分析により出発原料が完全に消費されていることが示された。
得られた反応混合物を自然冷却させ、次いで酢酸エチルと水との中に注加した。
分液し、水性層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を一緒にして水及び食塩水
で洗浄し、次いで乾燥した(硫酸マグネシウム)。濾過し、減圧下で蒸発させて
褐色油状物を得た。溶出液として4%酢酸エチルのヘキサン溶液を使用してシリ
カゲルクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色油状物(134mg)を得た。1H
NMR(CDCl3):δ8.29(1H,d);8.01(1H,dd);7.48(1H,d);4.35(2H,t)
;4.30(2H,m);3.37(2H,t);2.58(2H,q)。
(xi)6-アセトキシ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾ
ール(化合物No.55)の製造
2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-ヒドロキシベンゾオキサゾール(
化合物No.54、実施例4Aの化合物、600mg)を無水酢酸(4cm3)に加え、混合物を
50℃で4.5時間加熱した。反応混合物を1夜自然冷却した。過剰の無水酢酸を減
圧下で蒸発させることにより除去し、残留油状物を水と共に磨砕した。結晶化し
た固体を濾過することにより採取し、水洗した。この粗生成物をさらにクロマト
グラフィーによりシリカゲル上を10%酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出すること
により精製した。得られた無色油状物を放置して固化させて白色固体(570mg)
を得た。融点48.6〜50.4℃;M+=299;1
H NMR(CDCl3):δ2.35(s 3H);2.5-2.6(m 2H);3.3(t 2H);4.2-4.4(
m 1H);7.0(dd 1H);7.25(d 1H);7.60(d 1H)
(xii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-メタンスルホニルオキシ
ベンゾオキサゾール(化合物No.60)の製造
2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-ヒドロキシベンゾオキサゾール(
化合物No.54、実施例4Aの化合物、600mg)を乾燥ジクロロメタン(6cm3)に溶解
し、窒素雰囲気下に置いた。混合物を氷水浴中で冷却し、トリエチルアミン(35
4mg)とメタンスルホニルクロリド(334mg)を加えた。この冷却混合物を45分間
撹拌し、次いで室温まで4時間放置して自然昇温させた。1.4M水性HCIとさらに
ジクロロメタンとを加え、生成物をジクロロメタンに抽出した。有機層を飽和食
塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。減圧下で蒸発して濃縮して白色
固体(760mg)を得た。融点87〜89℃;M+=335;1H NMR(CDCl3):δ2.5-2.6(m
2H);3.15(s 3H);3.3-3.4(t 2H);4.25-4.4(m 1H);7.25(dd 1H);7
.45(d 1H);7.6(d 1H)
(xiii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-(プロパ-2-エニルオキ
シ)ベンゾオキサゾール(化合物No.147)の製造
2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-ヒドロキシベンゾオキサゾール(
化合物No.54、実施例4Aの化合物、300mg)をジメチルホルムアミド(DMF、7cm3
)に溶解し、次いで炭酸カリウム(241mg)と臭化アリル(197mg)を加えた。混
合物を50℃に4時間加熱した。この時間で、tlcにより反応が完結していること
が示された。反応混合物を室温で70時間放置し、次いで過剰量の塩酸水溶液を加
えることにより処理し(work up)、ジエチルエーテルに抽出した。エーテル層
を水洗し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。減圧下で蒸発させることにより
濃縮して橙色油状物(315mg)を得た。M+=297;1H NMR(CDCl3):δ2.5-2.6(m
2H);3.3(t 2H);4.2-4.4(m 1H);4.55(d 2H);5.3(d 1H);5.4-5.45
(d 1H);6.0-6.15(m 1H);6.9
(dd 1H);7.0(d 1H);7.45(d 1H)。
実施例6(xiii)の方法と同様の方法で2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチ
オ)-6-ヒドロキシベンゾオキサゾールからアルキル化により下記の2種類の化
合物を製造した。
(xiv)6-(3,3-ジクロロプロパ-2-エニルオキシ)-2-(4,4-ジフルオロブタ-
3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール(化合物No.105)M+=365;1H NMR(CDCl3)
:δ2.5-2.6(m 2H);3.3(t 2H);4.2-4.4(m 1H);4.65(d 2H);6.15(t
1H);6.85(dd 1H);7.0(d 1H);7.5(d 1H);(油状物)。
(xv)6-(2-クロロプロパ-2-エニルオキシ)-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エ
ニルチオ)ベンゾオキサゾール(化合物No.104)M+331;1H NMR(CDCl3):δ2.
5-2.6(m 2H);3.3(t 2H);4.2-4.4(m 1H);4.6(d 2H);5.45(s 1H);
5.55(s 1H);6.95(dd 1H);7.05(d 1H);7.5(d 1H);(油状物)。
(xvi)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール-6-カル
ボン酸(化合物No.84)の製造
2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール-6-カルボン酸メ
チルエステル(化合物No.10、実施例4B(ix)の化合物、600mg)をテトラヒドロ
フラン(4cm3)と水(4cm3)とに溶解し、次いで水酸化リチウム一水和物(88mg
)で処理した。混合物を周囲温度で6時間撹拌した。tlcにより出発原料がまで
存在していることが示され、従ってさらに別量の水酸化リチウム一水和物(88mg
)を加え、撹拌を16時間続けた。得られた反応混合物を水で希釈し、ジエチルエ
ーテルで抽出した。これらの抽出液を廃棄した。得られた水溶液を1.4M塩酸を使
用してpH 4に酸性化し、生成物をジエチルエーテルを用いて抽出した。エーテル
層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧濃縮してクリーム色固体(820m
g)を得た。この物質をジクロロメタン中で磨砕し、不溶性物質を廃棄した。こ
のジクロロメタ
ン溶液を減圧下で蒸発させて生成物(317mg)をクリーム色固体として得た。融
点115.8〜118.4℃;M+=285;1H NMR(CDCl3):δ2.5-2.65(m 2H),3.3-3.4(
t 2H),4.2-4.4(m 1H),2-5(br 1H),7.65(d 1H),8.1-8.15(dd 1H),
8.2(d 1H)。
(xvii)N-エチル-N-メチル-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾ
オキサゾール-6-カルボキサミド(化合物No.109)の製造
メチルエチルアミン(503mg)を1,2-ジクロロエタン(15cm3)に溶解し、トリ
メチルアルミニウム(2Mヘキサン溶液4.26cm3)を加えた。初めのうち濁ってい
た溶液を周囲温度で50分間撹拌した。この時間までに前記溶液は透明になった。
この溶液に対して、1,2-ジクロロエタン(7.5cm3)に溶解した2-(4,4-ジフルオ
ロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール-6-カルボン酸メチルエステル〔化合
物No.10、実施例4B(ix)の化合物、425mg〕加え、混合物を50℃で18時間加熱し
た。次いで、水を加えることにより過剰のアルミニウム試薬を加水分解し、次い
でジクロロメタンを用いて生成物を抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸マグネシウム上で乾燥した。減圧下で溶媒を蒸発させて褐色油状物(361mg
)を得、これをクロマトグラフィーにかけシリカゲル上で35%酢酸エチルのヘキ
サン溶液で溶出させた。生成物(205mg)を無色油状物として得た。M+=326;1H
NMR(CDCl3):δ1.1-1.3(m 3H);2.5-2.65(m 2H),2.9-3.1(m 3H);3.35
(t 2H);3.4-3.65(m 2H),4.2-4.4(m 1H),7.3-7.4(dd 1H);7.5(d 1H
),7.6(d 1H)。
(xviii)6-シアノ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾ
ール(化合物No.107)及び2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキ
サゾール-6-カルボキサミド(化合物No.108)の製造
塩化アンモニウム(389mg)を1,2-ジクロロエタン(10cm3)に懸濁し、トリメ
チルアルミニウム(2Mヘキサン溶液3.6cm3)を加えた。
初めのうち濁っていた溶液を周囲温度で50分間撹拌した。この時間までに前記溶
液は透明になった。この溶液に対して、1,2-ジクロロエタン(7.5cm3)に溶解し
た2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール-6-カルボン酸メ
チルエステル〔化合物No.10、実施例4B(ix)の化合物、363mg〕加え、混合物を
50℃で18時間加熱した。次いで、水を加えることにより過剰のアルミニウム試薬
を加水分解し、次いでジクロロメタンを用いて生成物を抽出した。有機層を塩化
アンモニウム飽和溶液で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。減
圧下で溶媒を蒸発させて灰白色固体(306mg)を得、これをクロマトグラフィー
にかけシリカゲル上で20%酢酸エチルのヘキサン溶液、次いで純酢酸エチルで溶
出させた。このカラムから得られたベンゾオキサゾール含有生成物は下記の通り
であった。
6-シアノ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール(化合
物No.107、56mg)、無色油状物、M+=266;1H NMR(CDCl3):δ2.5-2.65(m 2H
),3.3-3.4(t 2H),4.2-4.4(m 1H),7.6-7.7(m 2H),7.75(s 1H);及
び
2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール-6-カルボキサミ
ド(化合物No.108)。融点126〜128.4℃;M+=264;1H NMR(CDCl3):δ2.55-2.
65(m 2H),3.3-3.4(t 2H),4.2-4.4(m 1H),5.6-6.0O(brs 2H),7.6(d
1H),7.75(dd 1H),7.95(d 1H)
(xix)6-アセチルアミノ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキ
サゾール(化合物No.49)の製造
6-アミノ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール(化合
物No.6、実施例4Fの化合物、180mg)を無水酢酸(3.5cm3)中で50℃で8時間撹
拌した。反応混合物を自然冷却し、16時間放置した。過剰の無水酢酸を減圧下で
蒸発させることにより除去し、ジクロロメタンを用いて共蒸発させて最後の痕跡
量を除去した。得
られた残留物(202mg)をクロマトグラフィーにかけシリカゲル上で40%酢酸エ
チルのヘキサン溶液で溶出させた。生成物をクリーム色固体として得た。融点87
.6〜88.8℃;M+=298;1H NMR(CDCl3):δ2.35(s 3H),2.65-2.75(m 2H),
3.4-3.5(t 2H),4.4-4.55(m 1H),7.25(dd 1H),7.55(brs 1H),7.7-7.
65(d 1H),8.2(d 1H)。
(xx)N-[2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール-6-イ
ル]ホルムアミド(化合物No.85)の製造
ジクロロメタン(5cm3)中の6-アミノ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ
)ベンゾオキサゾール〔化合物No.6、実施例4Fの化合物、213mg〕をトリメチル
酢酸、ギ酸混成無水物(trimethylacetic formic anhydride)で処理し、周囲温
度で4.5時間撹拌した。溶媒と過剰の混成無水物とを減圧下で蒸発させて灰白色
固体(315mg)を得た。これをクロマトグラフィーにかけシリカゲル上で35%酢
酸エチルのヘキサン溶液で溶出させた。生成物(210mg)を白色固体として得た
。融点104.6〜106℃;M+=284;1H NMR(CDCl3):δ2.6-2.7(m 2H),3.25-3.35
(m 2H),4.2-4.4(m 1H),7.0-7.15(dd 1H),7.2-7.6(m 2H),8.1-8.4(
m 1H),8.65(m 1H)。
(xxi)6-[N,N-ジ(メタンスルホニル)アミノ]-2-(4,4-ジフルオロブタ-3
-エニルチオ)ベンゾオキサゾール(化合物No.53)の製造
ジクロロメタン(3.5cm3)中の6-アミノ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチ
オ)ベンゾオキサゾール〔化合物No.6、実施例4Fの化合物、180mg〕をトリエチ
ルアミン(106mg)とメタンスルホニルクロリド(100mg)とで処理し、周囲温度
で6時間撹拌した。生成物をジクロロメタンに抽出し、有機層を希塩酸水溶液と
水とで洗浄し、その後に無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を減圧下で蒸
発させてクリーム色固体(280mg)を得た。これをクロマトグラフィーにかけシ
リカゲル上で20%酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出させた。
生成物(230mg)を白色固体として得た。融点127.6〜130.4℃;M+=412;1H NMR
(CDCl3):δ2.5-2.65(m 2H),3.3-3.4(t 2H),3.45(s 6H),4.2-4.4(m
1H),7.3(dd 1H),7.5(d 1H),7.65(d 1H)。
(xxii) 6-クロロ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾ
ール(化合物No.45)の製造
塩化第二銅(126mg)をアセトニトリル(6cm3)に溶解し、得られた橙色溶液
を氷水浴中で冷却した。亜硝酸tert-ブチル(161mg)を加え、次いでアセトニト
リル(4cm3)に溶解した6-アミノ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベ
ンゾオキサゾール(化合物No.6、実施例4Fの化合物、200mg)を5分間にわたっ
て滴加した。混合物を氷水浴中で45分間撹拌し、次いで室温まで自然昇温させ、
さらに3.5時間撹拌した。得られた反応混合物を希塩酸水溶液に注加し、生成物
をジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、次いで無水硫酸
マグネシウム上で乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させて暗褐色ゴム状物(236mg
)を得た。これをクロマトグラフィーにかけシリカゲル上で5%酢酸エチルのヘ
キサン溶液で溶出させた。生成物(87mg)を淡黄色固体として得た。M+=275; 1
H NMR (CDCl3):δ2.5-2.65(m 2H),3.35(t 2H),4.2-4.4(m 1H),7.3
(dd 1H),7.45(d 1H),7.5(d 1H)。
(xxiii) 6-アミノ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾ
ール(化合物No.148)の製造
2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-ニトロベンゾチアンゾール〔化
合物No.52、実施例4B(xxviii)の化合物、2.8g〕を、水(12cm3)と濃塩酸(4
滴)と還元鉄粉(5.0g、Aldrich ChemicalCo.製)とを含有しているプロパン-2
-オール(50cm3)に溶解した。混合物を撹拌し、1.5時間加熱還流させ、シリカ
濾過床を通して濾過し、周囲温度に冷却し、次いで炭酸水素ナトリウム水溶液で
中和した。得られた溶液を減圧下で蒸発させ、ジエチルエーテル中に再溶解し、
乾燥(硫酸マグネシウム)し、次いで蒸発させて必要とする生成物を褐色油状物
として得た。これは冷却すると部分的に固化した。M+=275; 1H NMR(CDCl3):
δ2.50(m 2H); 3.32(t 2H); 3.75(幅広の信号2H);4.3(dtd 1H); 6.
75(dd 1H); 7.00(d 1H); 7.65(d 1H)。
(xxiv) 2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール-5-カル
ボン酸4,4-ジフルオロブタ-3-エニルエステル(化合物No.64)の製造
この化合物は、実施例6(x)の方法を用いて2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エ
ニルチオ)ベンゾチアゾール-5-カルボン酸〔化合物No.68、実施例4E(ii)の化
合物〕から製造した。1H NMR(CDCl3):δ2.55(m 4H); 3.45(t 2H); 4.2
-4.4(m 4H); 7.80(d 1H); 7.98(dd 1H);8.50(d 1H)。
(xxv) N-[2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール-6-
イル]ベンズアミド(化合物No.134)の製造
塩化ベンゾイル(0.17g)を含有している乾燥ジクロロメタン(2cm3)に溶解
した6-アミノ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール〔化
合物No.148、実施例6(xxiii)の化合物、0.30 g〕とトリエチルアミン(0.12g
)とを3時間撹拌し、水で希釈し、次いで酢酸エチル(3×10cm3)で抽出した。
有機層を一緒にして食塩水(3×20cm3)で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し
、次いで減圧下で蒸発させた。残留物を、ヘキサンと酢酸エチルの混合物使用し
て容量比4:1から1:1まで変化させて、シリカの充填層(bed)を通して溶
出させて、必要とする生成物を無色固体として得た。融点124〜125℃;M+=376;1
H NMR(CDCl3):δ2.55(m 2H); 3.4(t 2H); 4.3(dtd 1H); 7.40(dd
1H); 7.50(m 3H);7.90(d 12H);7.95(幅広の信号 1H); 8.15(d 1H
); 8.50(d 1H)。
(xxvi)N-[2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール-6-
イル]プロピオンアミド(化合物No.50)の製造
この化合物を、塩基としてピリジンを使用して化合物No.148とプロピオンアミ
ドから実施例6(xxv)の方法に従って製造した。無色固体、融点100〜101℃;M+
=328;1H NMR(CDCl3):δ1.20(m 3H);2.25-2.50(m 4H); 3.3(t 2H)
; 4.25(dtd 1H); 7.20(s 1H); 7.70(d 1H); 8.3(幅広の信号 1H)。
(xxvii) N-[2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール-6
-イル]-メタンスルホンアミド(化合物No.51)の製造
6-アミノ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール〔化合
物No.148、実施例6(xxiii)の化合物、0.56 g〕を乾燥ピリジン(0.15 g)を
含有している乾燥トルエン(5cm3)中で周囲温度で撹拌し、乾燥トルエン(5cm3
)に溶解したメタンスルホニルクロリド(0.23g)で処理した。添加が完了した
ら、混合物を3時間撹拌し、18時間保存し、酢酸エチルで希釈し、希塩酸水溶液
、水で洗浄し、次いで乾燥(硫酸マグネシウム)した。溶媒を減圧下で除去し、
得られた油状物をヘキサン/酢酸エチル(容量比2:1)を用いてシリカカラム
を通して溶出することにより分画して、必要とする生成物を橙褐色固体として得
た。融点79.5〜81.0℃;M+=350;ir 3200,1756,1326 cm-1;1H NMR(CDCl3)
:δ1.20(m 3H);2.55(q 2H);3.05(s 3H);3.40(t 2H); 4.30(dtd 1
H); 6.7(幅広の信号 1H); 7.23(dd 1H);7.77(d 1H);7.83(d 1H)。
(xxviii) 2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾゾール-5-
カルボキサミド(化合物No.65)の製造
2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾゾール-5-カルボン酸
〔化合物No.68、実施例4E(ii)、0.72g〕を乾燥ジクロロメタン(15cm3)中で
0℃で撹拌し、乾燥トリエチルアミン(0.35cm3)で処理した。クロルギ酸エチ
ル(0.25cm3)を滴加し、混合物を周囲温度で2時間保持した。次いで、この溶
液にアンモニアガスを過剰になるまで吹き込んだ。反応混合物を1時間撹拌し、
次いでアンモ
ニア水溶液を加えた。反応混合物をジクロロメタン(3×100cm3)で抽出し、水
洗し、希塩酸水溶液、水で洗浄し、次いで乾燥(硫酸マグネシウム)した。溶媒
を減圧下で除去し、得られた固体をヘキサン/酢酸エチル(容量比1:1)を用
いてシリカカラムを通して溶出することにより分画して、必要とする生成物を無
色固体として得た。融点119〜120℃;M+=300;ir 3322,3148,1750,1670,1546,14
18cm-1;1H NMR(CDCl3):δ2.55(m 2H);3.40(t 2H);4.30(dtd1H);6.
0(幅広の信号 2H);7.82(m 2H);8.25(s 1H)。
実施例6(xxviii)の方法と同様の方法により下記の2種類の化合物を製造し
た。
(xxix)N,N-ジメチル2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾ
ゾール-5-カルボキサミド(化合物No.67);無色油状物、M+=328、ir 1754,1640
cm-1;1H NMR(CDCl3):δ2.55(m 2H);3.1(2つの幅広の信号 6H);3.43
(t 2H);4.3(dtd 1H);7.38(dd 1H);7.80(d 1H);7.90(d 1H)。
(xxx)N-1-プロピル2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾゾ
ール-5-カルボキサミド(化合物No.66);無色固体、融点72〜73℃;M+=342、ir
3296,1752,1634cm-1;1H NMR(CDCl3):δ1.0(t 3H);1.68(q 2H);2.55
(m 2H);3.45(m 4H);4.30(dtd 1H);7.78(m 2H);8.18(d 1H)。
(xxxi)5-シアノ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール
(化合物No.91)の製造
ジクロロメタン(13cm3)に溶解した2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)
ベンゾオキサゾール-5-カルボキサミド〔化合物No.65、実施例6(xxviii)の化
合物、0.32g〕を撹拌し、周囲温度でピリジン(乾燥品、1cm3)とメタンスル
ホニルクロリド(0.25cm3)とで処理した。混合物を反応が完結するまで4日間
保存し、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出し、次いで有機層を希塩酸、水でで
洗浄し、
次いで無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。減圧下で溶媒を蒸発させて、得られ
た油状物をヘキサン/酢酸エチル(容量比20:1)を用いてシリカの充填層を通
して溶出することにより分画して、必要とする生成物を無色固体として得た。融
点39.5〜40.5℃;M+=282;ir 2232,1750cm-1;1H NMR(CDCl3):δ2.55(m 2H
);3.45(t 2H);4.30(dtd 1H);7.55(dd 1H);7.85(d 1H);8.15(s 1
H)。
(xxxii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-メチルチオベンゾオキ
サゾール(化合物No.86)の製造
ジメチルジスルフィド(0.94g)を含有している乾燥ジクロロメタン(10cm3)
に溶解した6-アミノ-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール
〔化合物No.148、実施例6(xxiii)、0.544g〕に、ジクロロメタン(3cm3)に
溶解した亜硝酸tert-ブチル(0.227g)を0℃で滴加して処理した。反応混合物
を周囲温度まで自然昇温させ、完全に反応するまで2時間保存した。得られた反
応溶液をシリカ上に減圧下で蒸発させ、シリカ充填層に加え、ヘキサン/酢酸エ
チル(容量比50:1)で溶出させて、必要とする生成物を無色油状物として得た
。M+=303;ir 1750cm-1;1H NMR(CDCl3):δ2.55(m 5H);3.38(t 2H);4.
30(dtd 1H);7.35(dd 1H);7.64(d 1H);7.75(s 1H)。
(xxxiii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール-4-カ
ルボン酸メチルエステル(化合物No.152)の製造
この化合物は、実施例6(x)の方法を使用して2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エ
ニルチオ)ベンゾオキサゾール-4-カルボン酸〔化合物No.97、実施例4E(i)の
化合物〕から製造し得る。1H NMR(CDCl3):δ7.95(1H,t);7.63(1H,d);7
.30(1H,d);4.32(1H,ddt);4.00(3H,s);3.40(2H,t);2.59(2h,q)。
(xxxiv)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾオキサゾール-5-カ
ルボン酸2-フルオロエチルエステル(化合物No.153)の
製造
この化合物は、実施例6(ix)の方法を使用して2-(4,4-ジフルオロブタ-3-
エニルチオ)ベンゾオキサゾール-5-カルボン酸〔化合物No.94、実施例4Eの化合
物〕から製造し得る。1H NMR(CDCl3):δ8.34(1H,bs);8.06(1H,dd);7.4
9(1H,d);4.80-4.90(1H,m);4.60-4.70(2H,m);4.50-4.58(1H,m);4.32
(1H,dtd);3.36(2H,t);2.59(2H,bq)。
(xxxv)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-ヨードベンゾチアゾール
(化合物No.141)の製造
乾燥アセトニトリル(10cm3)中の沃化銅(I)(0.5g)と亜硝酸tert-ブチル
(1.85g)との撹拌混合物に、乾燥アセトニトリル(10cm3)に溶解した6-アミノ
-2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)ベンゾチアゾール〔化合物No.148、実
施例6(xxiii)の化合物、0.5g〕を窒素雰囲気下で0℃で滴加した。2時間後
に、混合物を周囲温度に昇温させ、さらに18時間撹拌し、水の注加し、希塩酸で
酸性化し、次いで酢酸エチル(3×20cm3)で抽出した。有機層を一緒にして、
水、食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、次いで減圧下で蒸発させた
。得られた残留生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(容量比19:1)を用いてシリ
カのカラムを通して溶出させることにより分画して、必要とする生成物を明褐色
油状物として得た。M+=383;1H NMR(CDCl3):δ8.10(1H,d);7.60(1H,d)
;7.65(1H,dd);4.3(1H,dtd);3.4(2H,t);2.55(2H,m)。
(xxxvi)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-エチニルベンゾチアゾ
ール(化合物No.155)の製造
トリメチルシリルアセチレン(0.025g)、沃化銅(I)(0.005g)、トリエチル
アミン(0.5g)及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド
(0.009g)を含有しているN,N-ジメチルホルムアミド(1cm3に2-(4,4-ジフル
オロブタ-3-エニルチオ)-6-ヨードベン
ゾチアゾール〔化合物No.141、実施例6(xxxv)、0.1g〕を溶解した。混合物を
窒素雰囲気下で、周囲温度で2時間撹拌し、18時間保存し、水に注加し次いでジ
エチルエーテルで抽出した。有機層を水洗し(3×20cm3)、乾燥(硫酸マグネ
シウム)し、次いで減圧下で蒸発させて2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ
)-6-(トリメチルシリルエチニル)ベンゾチアゾール(M+=383)を含んだ油状
物を得た。この油状物の一部(0.021g)をテトラヒドロフラン(1cm3)に溶解し
、得られた溶液を撹拌し、テトラヒドロフランにテトラブチルアンモニウムフル
オリド溶解した溶液(1.0M溶液0.06cm3、Aldrich ChemicalCo.製)を用いて周囲
温度で処理した。反応混合物を2時間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出し
、次いで減圧下で蒸発させて油状物を得、これを分取薄層クロマトグラフィー(
シリカ;容量比9:1のヘキサン/酢酸エチル)を使用して分画して必要とする
生成物を油状物として得た。M+=281;1H NMR(CDCl3):δ7.88(1H,s);7.78
(1H,d);7.52(1H,d);4.3(1H,dtd);3.40(2H,t);3.12(1H,s);2.56
(2H,q)。
実施例6(xiii)の方法と同様の方法で2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチ
オ)-6-ヒドロキシベンゾオキサゾールをアルキル化することにより下記の4種
類の化合物を製造した。
(xxxvii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-(2−フルオロエトキ
シ)-ベンゾオキサゾール(化合物No.110)。M+=303;1H NMR(CDCl3):δ2.5-
2.6(2H,m):3.25-3.35(2H,t);4.15-4.40(3H,m);4.7-4.9(2H,dt);6.9
(1H,dd);7.0(1H,d);7.45(1H,d);(油状物)。
(xxxviii)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-プロポキシベンゾオ
キサゾール(化合物No.111)。M+=299;1H NMR(CDCl3):δ1.05(3H,t);1.7
5-1.9(2H,m);2.5-2.6(2H,m);3.3(2H,t);3.95(2H,t);4.2-4.4(1H,m
);6.9(1H,dd);7.0(1H,d);7.45(1H,d):
(油状物)。
(xxxix)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-(ブタ-2-イルオキシ)
-ベンゾオキサゾール(化合物No.112)。M+=313;1H NMR(CDCl3):δ0.95(3H
,t);1.3(3H,d);1.6-1.85(2H,m);2.5-2.6(2H,m);3.3(2H,t);4.2-4
.4(2H,m);6.85(1H,dd);7.0(1H,d);7.45(1H,d);(油状物)。
(xl)2-(4,4-ジフルオロブタ-3-エニルチオ)-6-(エトキシカルボニルメト
キシ)-ベンゾオキサゾール(化合物No.106)。M+=343;1H NMR(CDCl3):δ1.
3(3H,t);2.5-2.6(2H,m);3.3(2H,t);4.2-4.4(3H,m);4.65(2H,s);
6.9(1H,dd);7.0(1H,d);7.5(1H,d);(油状物)。
実施例7
本実施例は本発明の化合物及びその中間体の製造に使用する種々の出発原料の
製造を例証するものである。
(i)4-トリフルオロメチルチオ-2-ニトロクロロベンゼン〔実施例1A(vi)の
出発原料〕の4工程による製造
第1工程:4-トリフルオロメチルチオアセトアニリド
酢酸(18cm3)中の4-アミノフェニルトリフルオロメチルスルフィド(10.0g)
に無水酢酸(5.9cm3)を滴加して固体懸濁物を得た。得られた混合物を氷/水に
注加し、固形物を濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、次いで減圧乾燥して必要と
する生成物を得た。融点188℃;M+=235;1H NMR(CDCl3):δ2.15(s 3H);7.
55(d 2H);7.70(d 2H);9.50(幅広の信号 1H)。
第2工程:2-ニトロ-4-トリフルオロメチルチオアセトアニリド
4-トリフルオロメチルチオアセトアニリド(12.2g)をジクロロメタン(200cm3
)中で撹拌し、発煙硝酸(10.5cm3)を滴加処理した。得られた溶液を2時間撹
拌し、周囲温度で18時間保存し、氷/水に注加し次いで炭酸水素ナトリウム水溶
液を用いて中和した。有機層
を分離し、水洗し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、減圧下で蒸発させて必要とす
る生成物を黄色固体として得た。融点106℃;M+=280;1H NMR(CDCl3):δ2.35
(s 3H);7.90(dd 1H);8.55(d 1H);8.95(d 1H)。
第3工程:2-ニトロ-4-トリフルオロメチルチオアニリン
水酸化カリウム(2.2g)を含有している水(200cm3)中で2-ニトロ-4-トリフ
ルオロメチルチオアセトアニリド(10.5g)を撹拌しながら0.25時間加熱還流さ
せ、周囲温度まで冷却し、水に注加した。沈殿した固形物を溶液から濾過し、水
洗し、次いで減圧乾燥して必要とする生成物を得た。融点86℃;M+=238;1H NMR
(CDCl3):δ6.45(幅広の信号 2H);6.90(d 1H);7.60(dd 1H);8.50(d
1H)。
第4工程:4-トリフルオロメチルチオ-2-ニトロクロロベンゼンの製造
乾燥アセトニトリル(5cm3)中の塩化銅(II)(0.34g)及び亜硝酸tert-ブ
チル(0.32g)に、乾燥アセトニトリル(3cm3)に溶解した2-ニトロ-4-トリフ
ルオロメチルチオアニリン(0.5g)を、撹拌しながら60℃で0.5時間にわたって
加えた。1時間後に、反応混合物を周囲温度まで冷却し、水に注加しし、塩酸で
酸性化し次いで酢酸エチルで抽出した。有機層を水(3×50cm3)で洗浄し、乾
燥(硫酸マグネシウム)し、次いで減圧下で蒸発させて必要とする生成物を油状
物として得た。M+=257;1H NMR(CDCl3):δ7.65(d 1H);7.80(dd 1H);8.
20(d 1H)。
(ii)N,N-ジメチル4-クロロ-3-ニトロベンゼンスルホンアミド〔実施例1A(i
x)の出発原料〕の製造
トルエン(20cm3)に溶解した4-クロロ-3-ニトロベンゼンスルホニルクロリド
(3.0g)を、水(10cm3)に溶解したジメチルアミン(1.1g)で処理し、2時間
撹拌した。反応混合物を18時間保存し、水に注加し、酢酸エチル(3×20cm3)
で抽出し、次いで有機層を一緒
にし食塩水(3×20cm3)で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、次いで減圧
下で蒸発させて表題化合物を黄色固体として得た。融点88℃;M+=274;1H NMR(
CDCl3):δ2.90(s 6H);7.90(d 1H);8.10(dd 1H);8.40(d 1H)。
(iii)2-ニトロ-4-トリフルオロメチルスルフィニルブロモベンゼン(a)及び
2-ニトロ-4-トリフルオロメチルスルホニルブロモベンゼン(b)〔いずれも実施
例1a(vii)の出発原料〕の2工程による製造
第1工程:4-ブロモトリフルオロメチルスルフィニルベンゼン及び4-ブロモト
リフルオロメチルスルホニルベンゼン
ジクロロメタン(50cm3)に溶解した4-ブロモトリフルオロメチルチオベンゼ
ン(5.0g)を0℃で撹拌し、m-クロロ過安息香酸(50%試薬6.7g)を滴加して
処理し、次いで18時間にわたって周囲温度まで昇温させた。得られた混合物を炭
酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、次いで減
圧下で蒸発させてスルホキシドとスルホンの混合物(比率3:1)を得、これを
次の工程で使用した。
第2工程:第1工程で得た混合物を周囲温度で濃硫酸(20cm3)に溶解し、こ
の溶液を撹拌し、これを硝酸カリウム(2.02g)で少しずつ処理した。反応混合
物を3時間撹拌し、氷/水の注加し、酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗し、乾
燥(硫酸マグネシウム)し次いで減圧下で蒸発させた。残留生成物をヘキサン/
酢酸エチル(容量比9:1)を使用してシリカカラムを通して溶出させて必要と
する生成物の混合物を得た。M+(A)a(M-NO)=287;(B)(M-NO)305
前記化合物(B)の別の製造方法はJ.Org.Chem.,25,60(1960)に示されてい
る。
実施例8
本発明の式(I)で表わされる化合物の活性を種々の害虫を使用して調べた。特
に明記しない限りは、本発明の化合物を重量で500パ
ーツ・パー・ミリオン(ppm)含有する液体組成物を用いて害虫を処理した。前
記組成物は、本発明の化合物をアセトンに溶解し、得られた溶液を、商品名“SY
NPERONIC″ NXとして販売されている湿潤剤を0.01重量%含有している水で、液
体組成物が所定の濃度の化合物を含有するまで希釈することによって調製した。
“SYNPERONIC”は登録商標である。
各害虫に対して適用した試験方法は、基本的には同じであり、媒体(該媒体は
通常は害虫が食する宿主植物又は食餌である)上に多数の害虫を乗せ、該媒体又
は害虫のいずれか又はその両方を前記組成物で処理することからなる。次いで、
害虫の死虫率を通常は処理後1日〜3日の期間で評価した。
試験の結果を第II表に示し、その第2欄に示したppmの施用量における供試化
合物それぞれについての試験の結果を示した。結果は死虫率の等級をA、B又は
Cとして示した。但し、Aは死虫率50%未満を示し、Bは死虫率50〜79%を示し
、Cは死虫率80〜100%を示す〔数値は供試MDbについてはノックダウンによる防
除(knockdown contol)を示す〕。「-」は化合物について試験を行わなかったこ
と又は意味のある結果が得られなかったことのいずれかを示す。
害虫の種類、支持媒体又は食餌、並びに試験の形式及び期間につ関する情報を
第II表に示す。害虫の種類は文字記号で示す。
“接触”試験は害虫と試験媒体の両方を処理したことを示し、“残留”試験は
試験媒体を処理した後に害虫を蔓延させたことを示し、また“試験管内(in vit
ro)”は処理剤を含有する水性媒体に害虫を懸濁させたことを示す。
実施例9
本実施例は本発明の式(I)で表わされる化合物の殺虫活性をさらに例証する
ものである。
第IV表に、4種類の害虫に対する供試化合物の種々の施用量での活性について
の別の結果を示す。試験方法並びに供試TU〔ナミハダニ(Tetranychus urticae
)、接触〕、MPa〔モモアカアブラムシ(Myz
us persicae)、接触〕及びDB〔ウリハムシ幼虫(Diabrotica balteata)、接触
〕についての詳細は、実施例8及び第III表に記載した通りである。施用量はそ
れぞれの試験形式に関する表の見出しに示す。供試MPb〔モモアカアブラムシ(M
yzus persicae)、浸透作用〕に関する試験方法は下記の通りである。
供試化合物の上方浸透性(upward systemicity)をモモアカアブラムシ(Myzu s
persicae)に対して、2〜3週齢のハツカダイコン〔栽培品種(cv.)Cherryb
elle〕の苗を10ppmで土壌潅注処理(soil drenching)することにより評価した
。約2×1cmの初本葉(1sttrue leaves)をもっ苗を使用した。子葉、生長点
及び初本葉を取り除いた。土壌を透明な蓋で覆った。十分に発育したアブラムシ
12〜18匹を処理の1日前にそれぞれの苗に加えた。処理の当日に、アブラムシが
逃げるのを防止するフルオンバンド(a fluon band)をもつ250mlプラスチック
製の鉢の中に、それぞれの鉢を置いた。それぞれの鉢を、薬品溶液〔エタノール
とアセトン(1:1)の混合物1%とSynpernic NP8(ICI Chemicals&Polymers製)
0.01%で調製したもの〕10mlで処理した。それぞれ処理を3反復試験で行った。
処理した苗を20℃、相対湿度60%及び光周期(photoperiod)16時間の一定した
環境の部屋に移した。処理後3日目及び5日目(DAT)に死虫率を評価した。
第IV表の結果は、観察された防除率%として表わした。「-」は化合物につい
て試験を行わなかったこと又は意味のある結果が得られなかったことのいずれか
を示す。
実施例10
本実施例は、本発明の式(I)で表わされる化合物の殺線虫性を例証するもので
ある。
殺線虫効果を説明するために3種類の試験を確立した。
試験A:試験管内(in vitro)試験
サツマイモネコブセンチュウ(M.incognita)の新たに孵化した(0〜12時間
齢)幼虫を、供試薬剤を含有する液体組成物を供試薬量1.65〜0.02ppmで用いて
懸濁処理することにより、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognit a
)に対する試験管内活性を評価した。前記組成物を調製するために、供試薬剤
をアセトンとエタノール(1:1)の混合物1%と脱イオン水99%との中に必要と
する量を2倍に希釈した。薬剤溶液0.5cm3を、ガラスバイアル瓶の線虫懸濁液(
δ線虫200匹/cm3)0.5cm3に加えた。それぞれの処理を2反復試験で行った。前
記バイアル瓶に蓋をし、暗くて、23℃の一定した温度の部屋に72時間置いた。次
いで、死んだ線虫の数及び生存している線虫の数を立体顕微鏡で数え、死んだ線
虫の数を全線虫数のパーセント(死虫率%)として第V表に示す。
試験B:土壌灌注(soil drench)処理試験
供試殺線虫剤を灌注溶液として2週齢のキュウリ苗(栽培品種“Telegraph”
)に施用し、土壌に線虫を蔓延させることにより、サツマイモネコブセンチュウ
(Meloidogyne incognita)に対する活性を評価した。1%溶媒溶液(アセトン
とエタノールが50:50)と蒸留水中のSYNPERONIC NP8(ICI Chemicals&Polymers
製)0.05%とに溶解した供試化合物を含有してなる溶液10cm3を、最終土壌濃度
が2ppmであるようにそれぞれの苗に加えた。それぞれの処理を2反復試験で行っ
た。キュウリ苗に処理後48時間目に新たに野化した幼虫の2cm3懸濁液をcm3当た
り線虫350匹の濃度で接種した。試験を25℃で、光周期16時間で9日間行った。
それぞれの苗の根を、
薬剤未処理で線虫を蔓延させた対照試験に対するネコブ減少率%として評価し、
得られた結果を第V表に対照と比較したネコブ減少率%として示す。
試験C:茎葉施用試験
供試薬剤の下方浸透性を、4〜6インチの高さのトマトの苗(栽培品種“Mone
ymaker”)に薬剤溶液を1000ppmで初期流出(run-off)させることにより評価し
た。茎の根元の周囲及び土壌一面をプラスチックフィルムで覆うことにより土壌
汚染を防止した。薬剤溶液〔アセトンとエタノールが50:50の混合物5%とショ
糖5%で希釈したもの〕を苗に手動噴霧器を用いて15p.s.i.(103.4kPa)で噴霧
した(5cm3/苗)。それぞれの処理を3反復試験で行った。処理後48時間目に、
それぞれの苗にサツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)の新た
に孵化した(0〜24時間齢)幼虫700匹を接種した。苗を25℃の一定環境で21日
間保持し、鉢の底部から給水した。次いで、薬剤未処理で線虫を蔓延させた対照
試験に対するネコブ減少率を評価し、得られた結果を第V表に対照と比較したネ
コブ減少率%として示す。
実施例11
本発明の式(I)で表わされる化合物の殺線虫活性のスペクトラムを接触検定
試験において調べた。最も高い活性は内部寄生性の種、例えばサツマイモネコブ
センチュウ(Meloidogyne incognita)、ジャガイモシストセンチュウ(Globode ra
rostochiensis)、テンサイシストセンチュウ(Heterodera shachtii)及び
ニセフクロセンチュウ(Rotylenchulus reniformis)に対して認められる。活性
は移動性の種、例えばアフェレンコイデス種(Aphelenchoides spp)及びディテ
ィレンクス種(Ditylenchus spp)に対して明らかであるが、よりある程度劣る
。このことは、本発明の化合物が種々の生息地及び食性(feeding habits)を代
表する広い範囲の線虫種を防除する可能性をもつ。
本発明の化合物を施用するのに適した製剤を下記の実施例により例証する。成
分の量は示したリットル当たりの重量部又はグラム数で表わす。*は商標を示す
。
実施例12
本実施例は土壌施用に適した粒剤を例証する。粒剤は、標準的方法例えば含浸
法、被覆法、押出し法又は凝結法(agglomerarion)によって製造し得る。
重量(w/w)%
含浸粒剤: 有効成分 5
ウッドロジン 2.5
石膏顆粒 92.5
(20〜40メッシュ)
被覆粒剤: 有効成分 0.5
“Solvesso”* 200 0.4
炭酸カルシウム顆粒 99.1
(30〜60メッシュ)
徐放性粒剤:有効成分 10
ポリ酢酸ビニル/塩化ビニル
の共重合体ラテックス 5
アタパルジャイト顆粒 85
実施例13
本実施例は噴霧液として使用するための製剤を例証する。本発明の化合物は、
水に希釈して使用するための水和剤、水分散性粒剤、懸濁濃厚剤、乳剤、乳濁液
、又はマイクロカプセル懸濁液として製剤し得る。
g/l
乳剤:有効成分 250
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム 50
ノニルフェノールエトキシレート 50
アルキルベンゼン溶剤 全体を1lにする量
重量(w/w)%
水和剤:液状有効成分 40
リグノスルホン酸塩分散剤 5
シリカ 25
ラウリル硫酸ナトリウム 3
陶土(カオリン) 27
マイクロカプセル懸濁液: g/l
液状有効成分 250
トルエンジイソシアネート 10
ポリメチレンポリフェニルイソシアネート 20
ノニルフェノールエトキシート 6
リグノスルホン酸塩分散剤 15
キサンタンガム 1
ベントナイト 10
殺生物剤“Proxel”* 0.1
炭酸ナトリウム 5
水 全体を1lにする量
上記マイクロカプセル懸濁液は噴霧液、土壌灌注液として又は土壌施用用の徐
放性粒剤を調製するための中間物として使用し得る。
g/l
懸濁濃厚液:固体有効成分 400
リグノスルホン酸塩分散剤 50
ラウリル硫酸ナトリウム 30
サンタンガム 1
殺生物剤“Proxel”* 0.1
ベントナイト 10
水 全体を1lにする量
実施例14
本実施例は慣用の施用機械で種子処理剤として使用するのに適した製剤を例証
する。
重量(w/w)%
乾燥種子処理剤:有効成分 20
ドデシルベンゼン 3
Robine Toner(染料) 2.7
タルク 53.3
シリカ 全体を100%にする量
実施例5の懸濁濃厚液及びマイクロカプセル懸濁液は種子処理用フロアブル濃
厚液として使用し得る。
実施例15
本実施例は静電噴霧用化合物の製剤を例証する。
g/l
有効成分 200
N-メチルピロリドン 50
大豆油 120
“Solvesso” * 200 全体を1lにする量
実施例16
本実施例は、本発明の式(I)で表わされる化合物の殺カビ性を例証するもの
である。
本発明の化合物を、Dsipersol T水溶液と共にビーズミル粉砕するか、あるい
はアセトン又はアセトン/エタノール中の溶液として製剤化した。次いで、これ
らを水に1000ppmに希釈し、部分採取試料(aliquat)2.5cm3をペトリ皿に置いた
。これをさらにジャガイモデキストロース寒天で25ppm(有効成分)に希釈した
。
この皿に、第V表に示したカビ菌(病原菌)を胞子懸濁物として又は菌糸体充
填物(mycelial plug)として使用して接種した。次いで、適当な温度(19〜25
℃)で培養し、2日後に薬剤未処理の対照媒体に存在する病気の水準のパーセン
トとして菌の生長を評価した。
得られた結果を第VI表に、下記の式に従って算出し、次の基準尺度:0、1、
3、5、10、15、20、30、60、90に最も近い数値に丸めた(rounded)POCO(対
照のパーセント)値として表わした。
化学式
(明細書中の化学式)
化学式
(明細書中の化学式)
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C07C 19/16 9546−4H
309/66 7419−4H
309/73 7419−4H
C07D 263/60 9283−4C
277/74 9283−4C
277/76 9283−4C
277/84 9283−4C
498/04 101 8415−4C
513/04 301 8415−4C
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA,
CZ,FI,HU,JP,KP,KR,KZ,LK,M
G,MN,MW,NO,NZ,PL,RO,RU,SD
,SK,UA,US,VN
(72)発明者 ターンブル,マイケル,ドリスデイル
イギリス国.バークシヤー・アールジイ
6・2エツクスジイ.リーデイング.エア
ーレイ.サマートン.ガーデンス.19
(72)発明者 スミス,アリソン,マリー
イギリス国.サリー・テイダブリユ9・3
ビイジエイ.リツチモンド.セダー・テラ
ス.73
(72)発明者 ソルモン,ロジヤー
イギリス国.バークシヤー・アールジイ
12・4ワイユー.ブラツクネル.タウフイ
ールド.38
(72)発明者 テイラー,ロビン
イギリス国.バークシヤー・アールジイ
11・1エツクスエセ.ウオキンガム・サラ
ム・クレセント.16
【要約の続き】
は6員炭素環又は複素環を形成し;R5、R6、R7、
R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、
R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24
、R25、R26、R27、R28、R29、R30及びR31はそ
れぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、ハロアルキル基、ハロアルケニル
基、ハロアルキニル基、置換されていてもよいアリール
基及び置換されていてもよいアリールアルキル基の中か
ら選択されるものであり;且つZはハロゲン原子であ
る〕で表わされる化合物、これらを含有する組成物及び
これらの製造方法並びにこれらの製造用の中間体。