JPH08503479A

JPH08503479A - メタノールおよびテトラヒドロフランからなる混合物をその成分に分離する方法

Info

Publication number: JPH08503479A
Application number: JP51269894A
Authority: JP
Inventors: クルーク，ヨゼフ; パルム，クリストフ
Original assignee: ビーエーエスエフアクチエンゲゼルシャフト
Priority date: 1992-11-21
Filing date: 1993-11-12
Publication date: 1996-04-16
Also published as: EP0669905A1; DE4239243A1; US5559254A; WO1994012456A1; KR950703500A

Abstract

(57)【要約】メタノールおよびテトラヒドロフランからなる混合物をその成分に分離する方法であり、親有機性／親水性膜、たとえばプラズマ重合膜を用いて液相または気相中で透析蒸発により分離を実施する。

Description

【発明の詳細な説明】メタノールおよびテトラヒドロフランからなる混合物をその成分に分離する方法本発明は、メタノールおよびテトラヒドロフランからなる混合物をその成分に分離する方法およびメタノール／水／テトラヒドロフランからなる混合物をメタノール／水混合物およびテトラヒドロフランに分離する方法に関する。テトラヒドロフラン（ＴＨＦ）は化学工業における種々の合成に、たとえば接着剤、特別の塗料、被覆物、繊維の製造に、特定の作用物質の抽出に、特定の化合物の再結晶化に、溶剤、反応媒体および出発物質として、または一連の反応における種々の合成の出発物質として頻繁に使用されている。これらに使用した後でＴＨＦはしばしばメタノールまたはメタノールと水を含んでいる。共沸混合物は定常運転される１つのカラムのみでその成分に完全に分解できないので、たとえば簡単な精留によるこの混合物の分離は共沸混合物までのみ可能である。メタノール／ＴＨＦ共沸混合物はメタノール３１重量％を含有し、常圧下で６０．７℃で沸騰し（最低共沸混合物）、水／ＴＨＦ共沸混合物は水５．３重量％を含有し、常圧下で６４℃で沸騰し、メタノール／水／ＴＨＦ三元混合物は常圧下で２つの二元最低共沸混合物を形成し、これらの共沸混合物の間の蒸留線により領域ＩおよびＩＩに分けられる（第１図参照）。従って、たとえば領域ＩからＴＨＦを得るためには蒸留線を越えることが必要である。三元混合物の分解においては単一の精留工程で三元混合物から（中間沸点物でない）ただ１つの純粋な物質を分離できることが周知である。個々の成分が共沸混合物を形成する場合は、複雑な関係が生じる。従ってこの系に固有の特性を利用することにより、たとえば圧力を変化することにより、または助剤、たとえば共留剤を添加することにより、この蒸留限界を克服する特別な蒸留方法が技術的に頻繁に使用される（Ullmanns Encyklopaedie der technischen Che mie,第４版、第２巻、４８９〜５４５頁参照）。しかしながらこれらすべての特別な方法は経費がかかる、それというのもこれらの方法は少なくとも２つまたは３つ、更にしばしばそれ以上のカラムおよびその他の装置、たとえば圧力上昇段、デカンタ等を必要とし、およびそれと結び付いた接続、回収、助剤の後処理（助剤の損失）等を必要とするからである。従って、本発明の課題は、ａ）一方ではメタノールおよびＴＨＦからなる混合物をその成分に分離し、ｂ）他方ではメタノール／水／ＴＨＦからなる混合物をメタノール／水混合物およびＴＨＦに分離し、かつｃ）同時にそれぞれの場合に簡単にかつ大きな損失なしにＴＨＦを９９．９重量％以上の純度に精製することであつた。前記課題は、本発明により、透析蒸発（pervaporation）による分離を実施し、この分離を親有機性／親水性膜、たとえばプラズマ重合膜を用いて液相または気相中で行うことにより解決される。本発明による方法の他の特徴は請求の範囲２以下に記載されている。この方法は技術的にバッチ法でまたは連続法で実施することができる。例１バッチ法、透析蒸発によるＴＨＦからメタノールの分離第２図にバッチ法が示されている。この場合にＴＨＦ８５．０重量％およびメタノール１５．０重量％からなる混合物８２４ｇを室温で容器１に導入し、ポンプ２および膜面積Ｍ１００ｃｍ^２を有するテストセルＰＶを１時間に約７回循環させた。圧力維持弁３で３．５バールの過圧に調整した。透過側の絶対圧は１５ミリバールであった。透過物を冷却トラップ４ａおよび４ｂ内で約−８０℃で凍結した。透過物および残留物を始めから約７〜２４時間毎に分析した。供給物の組成を時間の関数として決定した。供給温度５０℃で５４時間の作業開始後に供給物をサーモスタット５によリ１時間以内で約２０℃の室温から８０℃に加熱し、かつ一定に保った（時間ｔ１）。この場合に供給物温度Ｔ１（ＰＶ作動）と残留物温度Ｔ２（ＰＶ遮断）の差は時間ｔ１で約０．８℃ および時間ｔ２で０．１℃以下であった。２６３時間（時間ｔ２）後最終生成物の量は６８９ｇであり、ＴＨＦ９９．９重量％およびメタノール約０．１重量％を含有した。ＴＨＦ８．９重量％およびメタノール９１．１重量％を含有する１３５ｇがプラズマ重合膜を透過した。この間に全流量が約０．２ｋｇ／ｍ^２ｈから０．０２ｋｇ／ｍ^２ｈに減少した。例２バッチ法、透析蒸発によるＴＨＦからメタノールおよび水の分離第２図にバッチ法が示されている。この場合にＴＨＦ６９．６重量％、メタノール２０．８重量％および水９．６重量％からなる混合物９４４ｇを室温で容器１に導入し、ボンプ２および膜面積Ｍ１００ｃｍ^２を有するテストセルＰＶを１時間に約７回循環させた。圧力維持弁３で３．５バールの過圧に調整した。透過側の絶対圧は１５ミリバールであった。透過物を冷却トラップ４ａおよび４ｂ内で約−７０℃で凍結した。透過物および残留物を始めの６時間は平均して１時間毎に、その後約１６時間毎に分析した。供給物の組成を時間の関数として決定し、この目的のために全部でＴＨＦ約１４３ｇ、メタノール１７ｇおよび水約２ｇを取り出した。作業開始後に供給物をサーモスタット５により１時間以内で約２０℃の室温から８０℃に加熱し、かつ一定に保った（時間ｔ１）。この場合に供給物温度Ｔ１（ＰＶ作動）と残留物温度Ｔ２（ＰＶ遮断）の差は時間ｔ１で約５℃および時間ｔ２で０．１℃以下であった。１６７時間（時間ｔ２）後最終生成物の量は５３９ｇであり、ＴＨＦ９９重量％以上およびメタノール約０．８重量％以下および水約１０００重量ｐｐｍを含有した。ＴＨＦ５．１重量％、メタノール６３．５重量％および水３１．４重量％を含有する２９３ｇがプラズマ重合膜を透過した。この間に全流量は約３．１ｋｇ／ｍ^２ｈから約０．０１ｋｇ／ｍ^２ｈに減少した。本発明の利点は、操作がより簡単であり、従って透析蒸発を用いて経済的にＴＨＦからメタノールまたはメタノールと水を、共沸混合物を介してまたは三元混合物系の蒸留線を介して、ＴＨＦ約９９．９重量％の純度に分離することである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩＣ０７Ｄ 307/08 8217−4Ｃ

Claims

【特許請求の範囲】１．メタノールおよびテトラヒドロフランからなる混合物をその成分に分離する方法において、透析蒸発により分離を実施することを特徴とする、メタノールおよびテトラヒドロフランからなる混合物をその成分に分離する方法。２．メタノール／水／テトラヒドロフランからなる混合物をメタノール／水混合物およびテトラヒドロフランに分離する方法において、透析蒸発により分離を実施することを特徴とする、メタノール／水／テトラヒドロフランからなる混合物をメタノール／水混合物およびテトラヒドロフランに分離する方法。３．メタノールまたはメタノール／水および式Ｉ：Ｒ^１−Ｏ−Ｒ^２（Ｉ）（式中、Ｒ１およびＲ２は同じかまたは異なり、それぞれ線状または分枝鎖状のＣ_１〜Ｃ_６−アルキル基、Ｃ_２〜Ｃ_６−アルケニル基、Ｃ_６〜Ｃ₁₂−アリール基を表し、これらの基は１〜４個の炭素原子を有するヒドロキシル基および／またはアルコキシ基によリ置換されていてもよい）で表される脂肪族および／または芳香族エーテルからなる混合物を分離する方法。４．メタノールおよび式ＩＩ：（式中、Ｒ^３はＣ_４〜Ｃ_６−アルキレン基を表し、これはＣ_１〜Ｃ_４−アルキル基により置換されていてもよく、またはＣ_２〜Ｃ_８−アルキレン基を表し、これは酸素原子により１〜４回中断されていてもよく、かつＣ_１〜Ｃ_４−アルキル基により置換されていてもよい）で表される環式エーテルからなる混合物またはメタノール／水および上記式ＩＩの環式エーテルからなる混合物を分離する方法。５．親有機性／親水性膜、たとえばプラズマ重合膜を用いて液相または気相中で分離を実施する、請求の範囲１から４までのいずれか１項記載の方法。