JPH08502967A - アルドースリダクターゼの内因性インヒビター - Google Patents

アルドースリダクターゼの内因性インヒビター

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JPH08502967A JP6511243A JP51124393A JPH08502967A JP H08502967 A JPH08502967 A JP H08502967A JP 6511243 A JP6511243 A JP 6511243A JP 51124393 A JP51124393 A JP 51124393A JP H08502967 A JPH08502967 A JP H08502967A
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Abstract

(57)【要約】 内因性アルドースリダクターゼインヒビターを哺乳動物細胞、例えばラット又はヒト腎細胞から単離及び精製する。この内因性アルドースリダクターゼインヒビターは糖尿病にかかわる一定の症状の処置のために薬理組成物の中に組入れることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 アルドースリダクターゼ内因性インヒビター 本願は、引用することで本明細書に組入れる出願番号第07/966,970号の一部係 属出願である。 発明の背景 本発明は酵素インヒビターの単離、製造及び利用に一般に関する。より詳しく は、本発明の哺乳動物細胞から単離及び精製した新規の内因性アルドースリダク ターゼインヒビター(IARI)に関する。 アルドースリダクターゼ(Ecl.1.1.21)は、グルコースのソルビトールに至る変 換を触媒し、且つ一定の糖尿病合併症の病原にかかわっている。特に、ソルビト ールの過剰生産は白内障、網膜障、角膜障、神経病、筋障害及び腎症等につなが る。時折り、アルドースリダクターゼインヒビターの利用はかかる糖尿病合併症 の処置にとって提案されており、そしていくつかの有効な治療的アルドースリダ クターゼインヒビターが同定されている。 例えばオキサゾピロロキノロン(OPQ)がラットの糖白内障の処置において利 用されている(Terubayashiら、Abstract,The Sixth Congress of the U.S.-Ja pan Cooperative Cataract Research Group,Nov.30-Dec.5,1991,Kona,Hawai i,頁200(1991))。同様に、Nishigoriら、Life Sciences,45:593-598(198 9)には、ピロロキノリンキノン(PQQ)によるヒヨコにおける誘発型白内障の処 置が記載されている。 ほとんどが合成化合物であるが、いくつかのアルドースリダクターゼインヒビ ター、例えばいく種かの植物及び哺乳動物組織におい て見い出せるヌクレオチド類似体であるピロロキノリンキノン(PQQ)、ピロロ キノリンキノンの誘導体であるOPQ、植物に由来する一定のフラバノイド、並び に微生物起源に由来する一定のプロピオン酸は天然産物である。例えば、Murai ら、Abstract,The Sixth Congress of the U.S.-Japan Cooperative Cataract Research Group,Nov.30-Dec.5,1991,Kona,Hawaii,頁190(1991)には、微 生物起源のいくつかのアルドースリダクターゼインヒビターが記載されている。 Notsuら、Abstract C4.5,International Workshop on Aldose Reductase Inhib itors,Dec.7-10,1987,Honolulu,Hawaii(1987)及びFukusiら、Abstract C4 .6、前掲には、それぞれアルドースリダクターゼインヒビターとしてFR74366( 〔3−(4′−ブロモ−2′フルオロベンジル−7−クロロ−2,4−ジオキソ −1,2,3,4−テトラヒドロ−キナゾリン−1−イル〕酢酸)及びPQQが記 載されている。 これらのアルドースリダクターゼインヒビターは少なくともある程度有効であ ることが証明されており、そしてあるケースにおいては臨床試験まで達している 。(Current concepts of aldose reductase and its inhibitons.Sakamotoら 、編、Elsevier Science Pub.Inc.N.Y.(1990)を、参照のこと:臨床試験に ついてはp73−79、そして動物(ネコ)研究はp129−135)。しかしながら、そ れほとんどが一定の患者において副作用及び/又は毒性を示した(前掲)。 従って、糖尿病合併症の処置において使用するための治療組成物の中に組込め うる別の新規なアルドースリダクターゼインヒビターを同定することが所望され る。かかる新規なアルドースリダクターゼインヒビターは哺乳動物起源に由来す るのが好ましく、より好ましくは天然の細胞間物質、特にポリペプチド及びポリ ペプチド様物 質であって内因性アルドースリダクターゼ阻害活性を示すものであるべきである 。 本発明は哺乳動物細胞に由来するかかる新規のアルドースリダクターゼインヒ ビターを提供する。 発明の概要 本発明は哺乳動物細胞から単離及び精製した内因性アルドースリダクターゼイ ンヒビターを提供する。このインヒビターは、グリセルアルデヒド及びアルドー スリダクターゼの存在下でNADPHの340ナノメーター(nm)の吸収の減少を測定す ることによりアッセイしたときに、75%以上の阻害を供するようになるまで精製 されうる。これらのインヒビターは更にニンヒドリンを陽性に染め、そして1000 未満の分子量を有する。更に、本発明の精製内因性アルドースリダクターゼイン ヒビターは、アニスアルデヒドを陽性に、2′−7′ジクロロフルオレセインを 陰性に、フルオレセインを陰性に、ブロムクレゾールグリーンを陰性に、クロロ ホルム(CHCl3)中の三塩化アンチモン(SbCl3)を陰性に、2,4−ジニトロフ ェニルヒドラジンを陰性に、1%の銀(Ag)の添加された塩化第二鉄(FeCl3) を陰性に、そしてDragendorff試薬を陰性に染める。 内因性アルドースリダクターゼインヒビターを含むタンパク質画分は慣用のタ ンパク質分離技術によって獲得できる。分別した画分を内因性アルドースリダク ターゼインヒビター活性について、グリセルアルデヒド及びアルドースリダクタ ーゼの存在下においてNADPHの340nm吸収の減少を測定することによってアッセイ できる。インヒビター活性を示す画分を更に精製できうる。例えば、内因性イン ヒビターは、イオン交換クロマトグラフィー、任意的にそれに続くゲルクロマト グラフィーにより遊離されたタンパク質から分画で きうる。これにより、10%w/w(重量/重量)以上の純度を有するアルドース リダクターゼインヒビター画分が得られうる。より高い純度を有する組成物が更 なる分別によって得られうる。 内因性アルドースリダクターゼインヒビターは高性能液体クロマトグラフィー によっても獲得できる。これらのインヒビターは、25分かけて2.5%のメタノー ルから50%のメタノールに至る線形勾配において流すC−18逆相カラム上で、水 中の約4%のメタノールにおいて分画する活性ピークとして得られる。これらの インヒビターは、C−18逆相カラムから得た内因性アルドースリダクターゼ含有 画分をプールし、そして2.5%のメタノールにおいてC−18カラム上でイソクラ ティック的に流したとき、一本の活性ピークとして認められるようになるまで更 に精製できうる。 本発明は更に細胞におけるアルドースリダクターゼ活性を、その細胞に内因性 アルドースリダクターゼインヒビターを投与することによって阻害するための方 法を含んで成り、ここでそのインヒビターはそれ自体哺乳動物細胞から単離、且 つ精製されたものである。この細胞は哺乳動物細胞、特に培養ヒト細胞である。 本発明はまた哺乳動物細胞から内因性アルドースリダクターゼインヒビターを 精製する方法を提供する。この方法は下記の工程を含んで成る: 〔a〕哺乳動物細胞から細胞内材料を抽出及び濃縮する; 〔b〕物理的又は生物学的特徴を基礎にこの材料を分画し、そして画分を集め る; 〔c〕アルドースリダクターゼ阻害アッセイについてそれらの画分をアッセイ する; 〔d〕アルドースリダクターゼ阻害活性を有する画分を集めてプールする;そ して 〔e〕工程〔b〕〜〔d〕を1〜5回繰り返す。 細胞内材料の抽出及び濃縮は哺乳動物組織、特にヒト又はマウスの腎臓をエタ ノールの中でホモジナイズにかけてホモジネート物を形成せしめ;そのホモジネ ート物を遠心して上清液を得;その上清液を濾過し;次いでその上清液をエバポ レーションにより乾くまで濃縮する;ことによって行われうる。 これらの材料の分画は、逆相C−18カラム及び溶媒Aに関しては水、そして溶 媒Bに関しては50%のメタノールのバッファー系を利用する高性能液体クロマト グラフィー(HPLC)にかけ、そして約4%のメタノール濃度で溶離する活性ピー クを含む画分を集めることによって行うことができうる。このアルドースリダク ターゼインヒビターを次に、活性ピーク含有画分をプールし、次いでそれらを水 中の2.5%のメタノールでイソクラティック的に流したC−8カラムを用いる高 性能液体クロマトグラフィーを利用して更に精製し、そして単一の主要活性ピー クを含んで成る画分を集めることにより更に分画できうる。 アルドースリダクターゼ阻害アッセイについての画分のアッセイはグリセルア ルデヒド及びアルドースリダクターゼの存在下でのNADPHの340nmの吸収の減少を 測定することにより行われうる。 内因性アルドースリダクターゼインヒビター組成物はインビボ又はインビトロ のいづれかで細胞におけるアルドースリダクターゼ活性を阻害するために用いら れうる。これらの細胞は哺乳動物細胞であってよく、そして特に、培養したヒト 又はラット細胞でありうる。この内因性アルドースリダクターゼインヒビター組 成物はインビボ用途のために薬理組成物の中に組込んでもよい。 図面の簡単な説明 図1は、Sephadex G-50ゲル濾過カラム(2.4×71cm)上で分離させた、ラット 腎細胞から得た材料の溶離プロフィールである。 図2は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによるG−50カラム(図1)か らのプールIARI含有画分の精製結果を示す溶離プロフィールである。クロマトグ ラフィーは2.0×20 cmのカラム(Merck級60,230−400メッシュ60Å,Sigma,St .Louis,Mo)を用い、アセトニトリル:水:TFA(90:10:0.5)v/v(容量 /容量)溶媒系で行った。内因性アルドースリダクターゼインヒビター(IARI) 活性を含む2本のピークが得られた。ブロードな第一ピークは画分50〜95に相当 する。狭い第二ピークは画分100−115に相当する。 図3は、2.0×5cmのシリカゲルカラム(Merck級60,230−400メッシュ60Å, Sigma,St.Louis,Mo)上でのアセトニトリル:水:TFA(50:50:0.5 v/v )溶媒系を用いるフラッシュクロマトグラフィーによるG−50カラムからのプー ルIARI含有画分(図1)の精製結果を示す溶離プロフィールである。内因性アル ドースリダクターゼインヒビター活性は画分5〜10に相当する一のブロードピー ク及び画分12において見い出せた別のシャープなピークにおいて認められた。 図4は、図3に記載のフラッシュクロマトグラフィー精製において得られる各 画分の薄層クロマトグラフィー(TLC)の結果を示す。TLCのために十分な材料を 用意するため、図3に記載のクロマトグラフィーを2.0×25.0cmのカラムにより 同じプロトコールを利用してスケールアップさせた。これは図3に示すのと似た ような溶離プロフィールを供した。TLCはそれぞれWhatman,KGシリカゲル(厚さ 250マイクロメーター(Mm))及びアセトニトリル:水:TFA(70 :30:0.5v/v)溶媒系を利用して行った。 図5は、100℃の温度に曝露したときの60分間にわたる本発明の内因性アルド ースリダクターゼインヒビターの活性損失を示している。このデーターは時間の 関数としての%残留活性で示している。 図6は内因性アルドースリダクターゼインヒビター濃度の関数としてのアルド ースリダクターゼ活性の低下を示す。(アルドースリダクターゼの)%残留活性 を、アッセイに添加した内因性アルドースリダクターゼインヒビター(ARI)の 量の関数としてプロットした。 図7は、基質としてDL−グリセルアルデヒドを用いるアルドースリダクターゼ 及び内因性アルドースリダクターゼインヒビターのLineweaver-Burkeプロットで ある。 図8(A)は内因性アルドースリダクターゼインヒビターの非存在下での3FDS (3−フルオロデオキシ−ソルビトール)の産生を示す。約120及び125ppmのピ ークは3−フルオロ−3−デオキシ−D−グルコース(3FDG)アノマーを示し、 一方約138ppmでの単一ピークは3FDSを示す。 図8(B)は内因性アルドースリダクターゼインヒビターの存在下での3FDS( 3−フルオロデオキシ−ソルビトール)の産生を示す。約120及び125ppmのピー クは3−フルオロ−3−デオキシ−D−グルコース(3FDG)アノマーを示し、一 方約138ppmの単一ピークは3FDSを示す。 図9は、経時的な、内因性アルドースリダクターゼインヒビターの有無での3F DSの産生の比較である。黒四角は内因性アルドースリダクターゼインヒビター( ARI)の有無での3FDS産生の比を示す。 図10は、0.5%のトリフルオロ酢酸中での0〜50%のアセトニトリル勾配で溶 離させたC−18カラム(300Å,4.6×250mm,Vydac, Hesperia,CA)より得た内因性アルドースリダクターゼインヒビターの逆相クロ マトグラフィー溶離プロフィールである。内因性アルドースリダクターゼインヒ ビター活性は、それぞれ画分14〜15,23〜24及び画分45に相当する3本のピーク として認められた。 図11は、図10の逆相クロマトグラフィーから得た画分14,15,23及び45の薄層 クロマトグラフィー分離を示す。薄層クロマトグラフィープレートはブタノール :酢酸:水(7:3:2(v/v))で溶離させ、そしてニンヒドリンで染めた 。 図12は、LKB HPLC系を用いるC−18カラム(RP C-18 90Å薬学用カラム、9× 250mm,Vydac,Hesperia,CA)上で流したヒト腎臓抽出物のHPLCを示す。この系 において、溶媒Aは水であり、そして溶媒Bは水中の50%のメタノールである。 このカラムをまず2.5%のメタノール水の出発バッファーで平衡にした。10〜35 分の間、50%のメタノールの最終バッファー濃度に至るまで線形勾配(長さ25分 )を流した。流速は1.5ml/minとし、1分間隔で画分を集めた。 図13は、2.5%のメタノールを含む水の中で0.3ml/minの流速でイソクラティ ック的に流した。C−8カラム(pH安定RP C-8カラム、90Å,9×250mm,Vydak ,Hesperia,CA)で行った、C−18カラムの回収ボイドボリューム(図12中の画 分6〜8)を流したHPLCを示し、画分は0.3分間隔で集めている。 図14は逆相HPLCにより精製し、次いでシリカゲルカラムで分画したIARI含有画 分についてのファストアトムボンバードメントスペクトルを示す。FABスペクト ルは453及び679のマスにおいて2本のピークを示す。 一般の詳細 定 義 本明細書で用いている語「平均活性」とは、2回以上の実験測定 から決定したアルドースリダクターゼの反応の平均速度を意味する。活性はアル ドースリダクターゼ及び適当な基質の存在下でNADPHのNADP+ に至る変換の速度 を検定することにより決定される。NADPH変換は340nmでのサンプルの吸収の減少 により測定されうる。これはアッセイを光度計の中で行うことにより実施できう る。平均活性はナノモル/分/ミリリッター(nmols/min/ml)の消費NADPHと して表わされる。 本明細書で用いる「%残留活性」なる語は、処置後に残留している活性の%と して表わす、未処理酵素起源に対比させたインヒビター処理酵素起源(例えばIA RIに曝露したアルドースリダクターゼ)の活性又は平均活性を意味する;「処理 なし」は100%の残留活性であり、一方完全阻害は0%の残留活性である。%残 留活性は未処理酵素に対するインヒビター処理酵素の比をとり、そして100を乗 じることにより計算される。 本明細書の中で用いている「%阻害」なる語は、内因性アルドースリダクター ゼインヒビターによりもたらされるアルドースリダクターゼ活性の阻害の%を意 味する。%阻害は100%と%残留活性との差として計算される。 IARIと表している語「内因性アルドースリダクターゼインヒビター」は、哺乳 動物細胞の中で産生され、そしてグルコースからソルビトールに至るアルドース リダクターゼ触媒変換を阻害するように細胞内的に機能する物質を意味する。 本明細書で用いている「〔指示薬名称〕を陽性に染める」なる表現は、試験す べき化合物との特定な指示薬の結合又は化学反応を意味する。この指示薬は、結 合又は反応したとき、その存在又は試験化合物との化学反応を決定するために識 別化されうる。例えば、ニンヒドリンを陽性に染める組成物はアミノ酸、アミノ 糖又はホスフ ァチドに結合してその存在を指標する。その他の指示薬には、脂質及びリポフィ ルのための2′7′ジクロロフルオレセイン、共役系のためのフルオレセイン、 カルボン酸のためのブロムクレゾールグリーン、ステロイド、ビタミン、脂質及 びカルボテノイドのためのCHCl3 中のSbCl3、アルデヒド及びケトンのための2 ,4−ジニトロフェニルヒドラジン、フェノール及びエノールのためのFeCl3( 1%のAg)、並びにアルカノイド及び有機塩基のためのDragendorff試薬が含ま れる。 一方、「陰性に染める」なる表現は、特定の指示薬が特異的な結合を示さない ことを意味する。このことは一般に、試験化合物を懸濁する媒質の標準化された バックグランド染色から区別できない染色の程度によって示される。 「活性ピーク」なる語は、溶離プロフィールの部分であって、その溶離プロフ ィールにおける他の画分に比して高いアルドースリダクターゼインヒビター活性 を含む画分を意味する。インヒビター活性を画分番号の関数としてプロットする と、活性ピークはそのプロフィールにおいてこぶ又は局在ピークとして出現する 。活性ピークは阻害活性が、特定の分離法により得られる多量の画分数にわたっ て分布しているときはブロードでありうる。他方、活性ピークはかなり狭く、且 つ単一の画分の中に完全に収まっている場合がある。例えば図13は2本の画分( 画分14及び15)内に本質的に収まっている狭い活性ピークを示す。 「精製及び単離した」なる表現は、その材料が、天然状態において見い出した ときに通常付随している成分を実質的に又は本質的に含まない状態を意味する。 従って、天然のタンパク質であって細胞及びその細胞の中に存在している大多数 のその他のタンパク質から取り出され(例えば、標準のタンパク質精製工程を介 して)、これ によりその濃度及び活性の高められているものは精製及び単離されたと言えるで あろう。 「薬理学的に許容される担体」とは、アルドースリダクターゼインヒビターの 効果を妨げず、且つそれを投与するホストに対して無毒である担体媒体を意味す る。かかる担体には、限定することなく、バッファー溶液、アルコール、脂肪、 ワックス及び不活性固体が含まれうる。 発明の詳細な説明 本発明は単離及び精製された内因性アルドースリダクターゼインヒビター(IA RI)を含んで成る組成物を提供する。これらの内因性アルドースリダクターゼイ ンヒビターは、アルドースリダクターゼ阻害活性を有しており、且つ哺乳動物細 胞から単離又は誘導されたものである。「内因性」とは、これらの物質が哺乳動 物細胞内で産生され、且つグルコースからソルビトールに至るアルドースリダク ターゼ触媒変換を阻害するように細胞内で機能する物質を意味する。 本発明の内因性アルドースリダクターゼインヒビター組成物は、単独で又は組 合されてアルドースリダクターゼ阻害活性を示す、単一の化合物又は1もしくは 数種のインヒビターの計画された組合せを含んで成るであろう。特に、本発明の 組成物は往々にして3種以上の物質を含んで成り、その少なくとも2つはポリペ プチド又はタンパク質であり(それらは陽性ニンヒドリン染色を示す)、そして 一緒になって、又は独立してアルドースリダクターゼ阻害活性を示すものである と現状信じられている。 一般に、アルドースリダクターゼインヒビターの単離工程は哺乳動物組織起源 から化合物を抽出することを含んで成る。大量の細胞 性成分からの化合物の一次単離後、アルドースリダクターゼインヒビターは慣用 のタンパク質精製技術、例えば清澄、濃縮及びクロマトグラフィーにより単離及 び精製されうる。分離した画分は、高い阻害活性を含むものを決定するためにア ッセイにかけてよい。活性を含む画分を更に精製してよい。精製したアルドース リダクターゼインヒビターを次にその物理特性及び阻害活性の測定により特定し てよい。哺乳動物組織からのアルドースリダクターゼインヒビターの抽出 内因性アルドースリダクターゼインヒビターは哺乳動物細胞から精製又は獲得 できるであろう。これらの細胞は任意の哺乳動物、例えばネコ、イヌ、マウス、 ヒト、サル、等に由来しうる。細胞の特定の起源には、組織細胞、組織細胞系等 が含まれる。好ましいのは、有意義なレベルのアルドースリダクターゼ活性を有 する細胞起源、例えば腎細胞、レンズ細胞、甲状細胞等である。 細胞起源の細胞を物理的又は化学的に崩壊させて細胞内材料を放出させる。細 胞の崩壊方法は当業によく知られている。例えば、細胞を崩壊する機械的な手段 には、限定することなく、ブレンダーによるホモジネーション又は音波処理が含 まれる。化学手段には、限定することなく、清浄剤、例えばSDSによる処理、又 は高張媒質の中への細胞の投入が含まれる。粗細胞ホモジネートの調製法は当業 者によく知られている。例えば、Deutscher,M.P. Methods in Enzymology Vol .182:Guide to Protein Purification,Academic Press,Inc.N.Y.(1990) を参照のこと。 内因性アルドースリダクターゼの事前単離又は濃縮は当業者に知られる数多く の方法により実施されうる。グロスな細胞成分の分離は、濾過、遠心等によって 行われうる。事前濃縮は、例えば限定することなく、透析、凍結乾燥及びエバポ レーションによって行われ うる。当業者はこれらの手段を他と組合せて利用し、そして様々な濃縮工程を何 回も反復することで繰り返すことができうることを認識しているであろう。 本発明の一態様において、抽出は起源組織をブレンダーの中で水を伴ってホモ ジナイズにかけることによって行われうる。このホモジネート物を次に10,000rp m(12,000×g)で60分遠心する。得られる上清液をSephadex G-50ゲル濾過カラ ム(2.4×71cm)に載せ、そしてそのサンプルを水により2.25ミリリッター(ml )/分の流速で溶離させる。次に画分を以下の通りにアルドースリダクターゼ阻 害活性について評価する。活性を示す画分を集めてプールする。 ところで、抽出の好適な方法は、起源組織をブレンダーの中で組織1g当り2 mlのエタノールを使用してホモジナイズすることによって行う。このホモジネー ト物を8000rpm(10810×G)で45分遠心し、そしてその上清液をガラスウールを 介して濾過する。その上清液を次にRotavapor-R(Buechi)の中でのエバポレー ションにより乾くまで乾燥させ、そして20mlの水の中に再溶解させ、黄色味を帯 びた溶液を得る。アルドースリダクターゼインヒビター活性についてのアッセイ 特定の分離に由来するどの画分が濃縮アルドースリダクターゼインヒビターを 含むかを決定するため、アルドースリダクターゼインヒビターの有無を検定せし めるアッセイが必要である。一当業者は、かかるアッセイはアルドースリダクタ ーゼインヒビターの物理的及び化学的特性に依存して様々な形態をとりうること を認識しているであろう。アッセイの例には、限定することなく、IARIに特異的 な染色、又は特定の光学吸収プロフィール等が含まれる。 好適な態様において、実際のアルドースリダクターゼ阻害活性の有無を測定す ることによってアルドースリダクターゼインヒビター についてアッセイすることができうる。アルドースリダクターゼ阻害活性はイン ヒビターの存在抜きでのアルドースリダクターゼによる特定の基質の削減速度を 決定することによって測定できうる。このことは、可能性のあるアルドースリダ クターゼインヒビターの存在下における特定の基質の削減の速度と対比するため のコントロールを担う。内因性アルドースリダクターゼインヒビター活性は%残 留活性(リダクターゼの)又は%阻害として表わされうる。%残留活性は、未処 理酵素に対するインヒビター処理酵素の比をとり、それに100を乗じることによ って計算されうる。100%引く%残留活性は%阻害を示す。 アルドースリダクターゼの反応速度は、340nmでのサンプルの吸収の減少を測 定することによってNADPHからNADP+ に至る変換速度を光学的に検出することに よって決定できうる。このことは反応を光度計の中で行うことにより最も簡単に 行える。 一当業者は、このアッセイは様々な基質、例えば限定することなく、グリセル アルデヒド、グルコース又は3−フルオロ−3−デオキシ−D−グルコース(3F DG)を用いて行うことができることを理解するであろう。好適な態様において、 この基質はDL−グリセルアルデヒドである。アルドースリダクターゼについての 光度アッセイは当業者によく知られている。プロトコールは例えばHyman & Kino shita,J.Biol.Chem.240:877(1965),Ohtaら、Chem.Phar.Bull.38:1 639-1643(1990)及びKadorらAnal.Biochem. 114:53-58(1981)に見出せる 。 別の態様において、このアルドースリダクターゼインヒビターは実施例1に記 載の通りに直接基質の減少を検出する核磁気共鳴(NMR)を用いてアッセイでき うる。 アッセイにおいて用いるコントロールとしてのアルドースリダク ターゼは哺乳動物レンズ組織のホモジネート物のSephadex G-75を用いる部分精 製により獲得できうる。アルドースリダクターゼの単離方法はKadorら、Anal.B iochem.114:53-58(1981)、Shionoら、Progr.Clin.Biol.Res.232:317-3 24(1987)及びOhtaら、Chem.Phar.Bull.38:1639-1643(1990)に見い出せ うる。哺乳動物からのアルドースリダクターゼインヒビターの精製 内因性アルドースリダクターゼインヒビターは慣用のタンパク質精製技術によ り精製できうる。これらには、沈殿、クロマトグラフィー技術、例えばイオン交 換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー(例えばSephadexゲルク ロマトグラフィー)、疎水性クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ア フィニティークロマトグラフィー、シリカゲルクロマトグラフィー、高性能液体 クロマトグラフィー(HPLC)等が含まれる。タンパク質精製の技術は当業者によ く知られている(例えば、Deutscher,M.P.のMethods in Enzymology Vol.182 :Guide to Protein Purification,Academic Press,Inc.N.Y.(1990)を参照 のこと)。 通常、2種以上のタンパク質精製工程が、所望の精製レベルを達成せしめるた めに連続して行われるであろう。好都合には、内因性アルドースリダクターゼ阻 害活性を検定するために上記の各精製工程により得られた様々な画分をアッセイ し、そしてその画分を集め、利用するか、又は任意的に追加の精製工程に委ねる 。 有意義なレベルの精製はイオン交換クロマトグラフィー、それに続くシリカゲ ルクロマトグラフィーによって得られうる。例えば、上記の通りにして抽出した アルドースリダクターゼインヒビター含有組成物を2.5×55cmのCM−52セルロー スカチオン変換カラム(Sigma,St.Louis,MO)を用いて更に分画してよい。次 にアルドースリダクターゼ阻害活性を含む画分を集めてプールし、そして凍結乾 燥する。凍結乾燥材料を次に水に再溶解し、シリカゲル(Merck級60,230-400メ ッシュ60Å,Sigma,St.Louis,MO)を含む2.0×20cmのカラムに載せ、そして アセトニトリル:水:トリフルオロ酢酸(TFA)(90:10:0.5 v/v)溶媒系 で溶離させる。これは図2に示すシリカゲルカラム由来の溶離プロフィールにお いて示す通り、内因性アルドースリダクターゼ阻害活性を含む2本のピークをも たらす。 他方、イオン交換クロマトグラフィーより得られた内因性アルドースリダクタ ーゼ阻害活性含有画分をシリカゲルカラムでのフラッシュクロマトグラフィーに より更に精製してよい。プールし、凍結乾燥し、次いで水の中に再懸濁させた後 のこれらの画分を、アセトニトリル:水:TFA(50:50:0.5v/v)の溶媒系を 用いてシリカゲルカラム(2.0×5cm)に載せる。これは、図3に示す溶離プロフ ィールをもたらす。 高い再現性の結果の伴う良好な分離をもたらす好適な精製方法は逆相高性能流 体クロマトグラフィー(HPLC)である。内因性アルドースリダクターゼインヒビ ター含有組織を上記の好適な方法に従って抽出し、次いでC−18カラム(RP C-1 8 90Å薬学用カラム、9×250mm,Vydac,Hesperia,CA)で逆相HPLCを利用して 分画する。このHPLC系において、溶媒Aは水とし、そして溶媒Bは50%のメタノ ールとする。分離は2.5%のメタノールでの10分間の平衡、それに続く2.5%から 50%のメタノールに至る25分の線形勾配を供する勾配を利用して行う。 このプロトコールを利用するHPLCは、図12に示す通り、約4%のメタノール及 び50%のメタノールに特徴的なピークを含む非常に一貫性のある溶離プロフィー ルを供する。約4%のメタノールにおいて溶離するピークは事実上C−18カラム のボイドボリュームに相当 する。このピークに相当する画分を集め、プールし、そしてC−8カラム(pH安 定なRP C-8カラム、90Å,9×250mm,Vydac,Hesperia;CA)を用い、2.5%の メタノールを含む水の中で流して再び分画する。図13に示すC−8カラムの溶離 プロフィールは特徴的な単一主要ピークを有するプロフィールを示す。このピー クから選択した画分は75%より大のアルドースリダクターゼ阻害活性を示す。 一当業者は、特定の溶離プロフィールからの画分の選択は、所望する精製材料 の量、所望する純度及び材料のその後の用途に関係することを認識するであろう 。画分の選択は一当業者にとって日常的な作業である。一般に、得られる組成物 の量とその純度との間でかけひきがある。ある場合には、最大活性を示す溶離プ ロフィールから画分を選択することによって純度を最大にする。一般に、特定の 活性ピークの頂点から、1又は2本の材料を含む画分しかない。より多くの画分 の選択はより多くの材料をもたらすが、純度は低下する。もしその後の精製工程 をあまり行わないなら、又は全く行わないなら、より純度の高い材料を取るため にピークの頂点近くの数本の画分を選択する。更なるその後の精製工程を行うな ら、一般により高い純度を得るため、その後の精製工程に依存してより多くの課 題の材料を供するためにより多くの画分を選択する。より大量及び高純度を必要 とする場合、より大量の材料より出発し、そしてより大容量のカラムで精製工程 を行ってよい。 本発明の内因性アルドースリダクターゼインヒビターは少なくとも部分精製さ れた形態、典型的には少なくとも約10重量%(w/w)の純度であり、且つ所望 の阻害活性を妨げ夾雑物及び物質を含まないものとして得られる。通常、この内 因性アルドースリダクターゼインヒビター組成物は少なくとも25重量%の純度、 より通常には少なくとも50重量%の純度、そして好ましくは75重量%以上の純度 である。多くのケースにおいて、本発明のアルドースリダクターゼインヒビター の実質的に純粋な組成物は、一般に90重量%以上の純度、好ましくは95重量%以 上の純度、そして時折り99重量%以上の純度で得られる。かかる高純度を有する 組成物は上記のタンパク質精製技術を利用して得られうる。 本発明の内因性アルドースリダクターゼインヒビターは25%以上の阻害、より 通常には50%以上の阻害活性、そして好ましくは75%以上の阻害活性を示す。本 発明の実質的に純粋な組成物が得られたら、それらは90%より大の阻害活性を示 す。アルドースリダクターゼインヒビターの特性化 本発明の内因性アルドースリダクターゼインヒビターはFAB質量スペクトルに より示され、且つそれらが1000の分子量カットオフ値を有する透析膜を通過する 事実により、1000未満の分子量を有する。これらのインヒビターは熱安定性であ り、そして有意な阻害活性の損失を伴わずに100℃の温度で60分かけることがで きうる。トリプシン、キモトリプシン、プロナーゼK又はプロナーゼEは内因性 アルドースリダクターゼインヒビターの阻害活性にほとんど影響を与えないが、 しかし高濃度の酸又は塩基への曝露は阻害活性を低める。最後に、本発明の内因 性アルドースリダクターゼインヒビターはUV254を吸収し、そしてペプチド成分 を指標するニンヒドリンと結合する。内因性アルドースリダクターゼインヒビターの用途 マウンティング実験徴候は、アルドースリダクターゼにより触媒されるグルコ ースから糖アルコールソルビトールに至るNADPH依存性還元が、角膜、レンズ、 網膜、虹彩、末梢神経及び腎臓における組織及び/又は機能変化をもたらす長期 糖尿病合併症の開始への共通の連結を担うことを示唆する。Kador Med.Res.Rev .8:325-352( 1988),Kadorら、Arch.Ophthalmol.106:1099-1102(1988)。更に、薬理試 験は、これらの合併症の開始及び進行が、糖アルコール形成の阻害により有意に 阻止又は低下されうることを示唆している。 Dvornik,Aldose reductase Inhib ition,D.Porte編、Biomed.Info.Corp.(1987)、頁73-88,326-349;Kador,M ed.Res.Rev.8:325-352(1988);Kadorら、Arch.Ophthalmol.106:1099-1102( 1988)。 本発明の内因性アルドースリダクターゼインヒビターはインビボ又はインビト ロでアルドースリダクターゼ活性を阻害するのに用いられうる。インビトロ阻害 はアルドースリダクターゼ活性の研究、特に糖尿病に関連する研究の一部として 研究に利用できる。詳しくは、内因性アルドースリダクターゼは様々な疾患状態 にかかわるアルドースリダクターゼの改変形態についてスクリーンするのに有用 な診断アッセイ系の成分として有用でありうる。例えば、アルドースリダクター ゼインヒビターの固定濃度により生ずる阻害の度合いの変化はアルドースリダク ターゼの活性の変化の診断を担うであろう。 内因性アルドースリダクターゼインヒビターのインビボ用途には、アルドース リダクターゼ関連症状、特に前記の糖尿病合併症に苦しむ哺乳動物ホスト、例え ばヒトホストへのこのインヒビターの投与が含まれる。本発明の内因性アルドー スリダクターゼインヒビターは少ない副作用、高い生体適合性、及び/又は向上 した効果を、従来の公知のアルドースリダクターゼインヒビターの少なくとも一 部と比較したときに有するであろう。アルドースリダクターゼインヒビター含有薬理組成物 本発明の内因性アルドースリダクターゼインヒビターはインビボ治療のための 薬理組成物を供するために薬理学的に許容されている 担体に組込むことができる。かかる薬理組成物は治療的な量の少なくとも一種の 内因性アルドースリダクターゼインヒビターを含むべきであり、そしてその薬理 学的に許容されている担体はこのインヒビターを特定のホストに導入するのに適 当な任意の適合性無毒物質でありうる。滅菌水、アルコール、脂肪、ワックス及 び不活性固体が一般に全身系投与のために担体として利用されうる。薬理学的に 許容されるアジュバント、緩衝剤、分散剤等もこの薬理組成物に組込んでよい。 活性成分を含む薬理組成物の調製は医学及び科学論文の中に詳しく述べられてい る。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company ,Easton,Pennsylvania、第16版(1982)を参照のこと。 上述の薬理組成物は一般にホストに、非経口的及び経口的投与の両者で全身系 投与に適する。この薬理組成物は非経口的、即ち、皮下的、筋肉内的又は静脈内 的に投与されうる。従って、本発明は、ホストへの投与のための組成物を提供し 、ここでこの組成物は薬理学的に許容されている担体の中に存在している前記の 内因性アルドースリダクターゼインヒビターを含んで成る。 この薬理担体中の内因性アルドースリダクターゼインヒビターの濃度は幅広く 変えることができ、即ち、薬理組成物の約0.1重量%から約20重量%又はそれよ り大であってよい。筋肉内注射のための典型的な薬理組成物は例えば1〜4mlの 滅菌緩衝水及び1μg〜1mgのインヒビター化合物を含むように仕上げられるで あろう。 治療的用途においては、この組成物はホストの糖尿病症状にかかわる一定の徴 候、症状、副作用等を治す又は少なくともある程度緩和するのに十分な量で投与 する。これらには例えば白内障形成、角膜障、神経病、筋障害及び腎症が含まれ る。特にアルドースリダクターゼインヒビターは微細動脈瘤(microaneurysms) 、滲出、斑状 水腫及び小網膜内出血、新生血管形成(neovascularization)、繊維血管増殖及 び硝子体液出血の形成を特徴とする糖尿病網膜症の処置において有用である。 上記の病気にかかわるこれら又はその他の症状を治す又は少なくとも部分に緩 和するのに適度な内因性アルドースリダクターゼインヒビターの量を「治療的に 有効な投与量」と定義する。この用途にとって有効な量は患者の障害度、体重及 び一般的状態に依存するであろうが、しかし一般には70kgの患者当り約0.1mg〜 約2,000mgのインヒビター/日に範囲し、1日当り約0.5mg〜約1,000mgの投与量 がより一般に利用されている。 本発明の内因性アルドースリダクターゼは特に白内障の処置における目への塗 布のため、局所塗布にとって適当な生理学的に許容されている担体の中に組込ん でもよい。適当な眼用溶液の調製は、等張性、緩衝剤の必要性、防腐剤の必要性 及び滅菌の如きの要因の慎重なる考慮を必要とする。涙液は、0.9%の塩化ナト リウムに相当する等張値を有する生理学的流体で等張となっている。理想的には 、眼用溶液をこの等張値を有すべきであるが、目は0.6%ほどの低い塩化ナトリ ウム溶液及び2.0%ほどの高い塩化ナトリウム溶液ほどの等張値を有意な不快感 を伴うことなく許容できる。一部の眠用溶液は、吸収力を高め、且つ迅速及び有 効な作用を及ぼすのに十分に強い活性インヒビタータンパク質濃度を供するため に高張である必要がある。適当な眠用担体にはオイントメント、食塩水溶液、等 張食塩水溶液、例えばSorbi-Care(Allergen Pharmaceuticals,Irvine,CA), Neodecadrone(Merck,Sharp and Dohmc,West Point,PA)等が含まれる。 以下の実施例は単なる例示のために提供する。 実施例1アルドースリダクターゼインヒビター活性の評価 アルドースリダクターゼ活性は、KadorらAnal.Biohem.114:53-58(1981)に記 載の通り及び本明細書にまとめている通り、NADPHの340nm吸収の減少を追うこと により光学的に評価した。アルドースリダクターゼ活性のインヒビター作用は、 100mMのリン酸バッファー、pH6.2、10mMのDL−グリセルアルデヒド、0.3mMのβ −NADPH及び50μlのインヒビター溶液中の約3mUのアルドースリダクターゼを 含むキュベットの中で測定した。アッセイは、その全ての試薬を加えた後にアル ドースリダクターゼを加えることにより開始した。コントロール実験はインヒビ ター無しで行った。 アッセイにおいて使用する及びコントロールとして使用するアルドースリダク ターゼはHyman and Kinoshita,J.Biol.Chem.240:877(1965)の方法に従い、 哺乳動物レンズ組織のホモジネート物のSephadex G-75を用いる部分精製によっ て獲得した。内因性アルドースリダクターゼインヒビター(IARI)の精製 IARIの精製は、ゲル濾過、イオン交換及びフラッシュカラムクロマトグラフィ ーを用いて行った。インヒビター画分はSephadex G-75ゲル濾過クロマトグラフ ィーにより部分精製したラットのレンズのアルドースリダクターゼに対して評価 した。インヒビターの精製は下記の通りに行った: 20個のラット腎臓(13.7g)をWaringブレンダーの中で2容量の水でホモジナ イズにかけ、そしてそのホモジネート物を10,000rpm(12,000×g)で60分遠心 した。得られる上清液をSephadex G-50ゲル濾過カラム(2.4×71cm)に載せ、そ してそのサンプルを2.25ml/minの流速で水により溶離させた。その画分を集め (100滴/チューブ、即ち、約4ml/チューブ)、そして各画分をタンパク質含 有量 (280nm)及びアルドースリダクターゼの阻害について光学的に評価した。図1 に示す溶離プロフィールは、IARIが画分19〜25において溶離し、一方、大半のタ ンパク質が画分9〜15において溶離したことを示唆している。このことは、この インヒビター画分は腎臓の中で見い出せるほとんどのタンパク質より小さい分子 量であることを示唆する。 IARI含有画分を更にCM-52カチオン交換クロマトグラフィー(2.0×10cmのカラ ム)により精製した。未吸着画分における全てのIARIを集め、そして凍結乾燥し た。IARIを含む凍結乾燥材料を次に水の中に再溶解し、シリカゲル(Merck級60 、230−240メッシュ60Å)を含む2.0×20cmのカラムに載せ、そしてアセトニト リル:水:TFA(90:10:0.5v/v)溶媒系で溶離させた。事実上2本のIARI活 性含有ピークが、図2におけるシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2.0×20c m)でのIARIの溶離プロフィールに示している通り、得られた。画分50〜95に相 当する第一ピークは黄色であり、一方、画分100〜115に相当する第二ピークは本 質的に無色であった。この2本のピークを別々に集め、凍結乾燥し、そして更に 精製した。 他方、イオン交換クロマトグラフィーにより得られたIARI画分を、図3に示す 通り、アセトニトリル:水:TFA(50:50:0.5v/v)の溶媒系を用いる2.0× 5cmのシリカゲルカラム(Merck級60、230−400メッシュ60Å、Sigma,St.Louis ,MO)でのフラッシュクロマトグラフィーにかけた。図2に示す通り、画分5〜 10に相当する一本のブロードピーク及び画分12に見い出させる別のシャープなピ ークが得られた。 フラッシュクロマトグラフィー分離を同一のプロトコールを利用し、2.0×5c mのカラムを2.0×25cmのカラムに交換してスケールアップした。大型のカラムで 得られる溶離プロフィールを図3に示 す。フラッシュクロマトグラフィー系由来の画分(0.5ml)を集め、そして様々 な溶媒系を用いる薄層シリカゲルクロマトグラフィー(Whatman,KGシリカゲル 、厚さ250μm、Sigma,St.Louis,MO)により評価した。TLCプレートでの分離 はまず254nm及び365nmでのUVに、それに続くニンヒドリンで識別化することによ り検出した。各画分から次に溶媒を除去し、次いで各乾燥画分を水に再懸濁し、 そして酵素的に評価した。図4に示す通り、アセトニトリル:水:TFA(70:30 :0.5v/v)溶媒系によりスポットの数を観察した。 サンプル30について右から左へと出発して、実線(最上スポット)で概略する スポットは254nmでの蛍光により識別される化合物を示し、一方点線(上部スポ ットの下の2又は3スポット)により概略したものは365nmでの蛍光である。黒 スポットはニンヒドリンにより陽性に染まった。中央及び下部スポットは右から 左に至るにつれ弱まり、一方上部スポットは右から左に至るにつれ強まった。劣 る分離が有機溶媒、例えばヘキサン、メタノール、シクロヘキサン、エチルアセ テート及びクロロホルムにより観察され、IARIが水溶性であることを示唆する。内因性アルドースリダクターゼインヒビターの特性 熱安定性 IARIは熱安定性であることが認められた。100℃の温度で60分は、アルドース リダクターゼを阻害するIARIの能力を有意に低めなかった。100℃での時間の関 数としての%残留活性を図5にまとめた。 タンパク質分解及び加水分解に対する安定性 アルドースリダクターゼを阻害するIARIの能力はトリプシン、キモトリプシン 、プロナーゼK及びプロナーゼEにより影響されなかった。IARIは凍結乾燥IARI を1MのHCl又は1MのNaOHのいづれか に溶かしたときに下がった。IARIを60℃で16.5hrインキュベートし、中和し、そ してアルドースリダクターゼを阻害するその能力について評価した。以下の表1 にまとめた通り、酸又は塩基のいづれかで処理したIARIの存在下でのアルドース リダクターゼの活性はコントロール溶液(正常IARIを含む)におけるアルドース リダクターゼの活性より大であった。酸又は塩基によるこのような処理はIARIの 阻害活性を低下させた。 * 活性はnmols/min/mlのNADPH消費として表わしている。IARIによるアルドースリダクターゼの阻害の機構 存在しているIARIの濃度は決定していないが、いくつかの反応速度及びインヒ ドロインキュベーション研究を、精製IARIによるアルドースリダクターゼの阻害 モードを調べるために実施した。濃度依存性阻害はIARIの量を増大させて観察し た(図6)。基質としてDL−グリセルアルデヒドを用いる反応速度研究は、阻害 がIARIと基質の競合に由来しないことを示す(図7)。他のリダクターゼインヒ ビターに観察されたもの類似の複合タイプ非競合/未競合阻害が観察された。IA RI阻害はヌクレオチド補因子NADPHの濃度を100倍高めても下がらなかった。この ことは、IARIはNADPHと競合しないことを示す。 * 活性はnmols/min/ml NADPH消費量として表わす。 数字は4実験の平均値を示す。 NADPHではなく、NADHとのIARIによるアルドースリダクターゼの阻害の比較 も行った。これらの条件下で、NADPH又はNADHのいづれで得られた残留活性にお いても相違は認められなかった(表3)。 数字は2実験の平均を示す。 これらの反応速度試験は、基質として3−フルオロ−3−デオキシ−D−グル コースを用い、NMRによりインビトロ阻害試験によって評価した。必要たるIARI の濃度を決定するため、反応混合物に10mMの3−フルオロ−3−デオキシ−D− グルコース(3−FDG)、DL−グリセルアルデヒド又はD−グルコース、3mMのN ADPH、17.5mUのアルドースリダクターゼ、100mMのリン酸バッファー、pH 6.2及 び 5mg/mlのIARIを含ませて行った。コントロール活性はIARIの存在抜きでアルド ースリダクターゼの活性を測定することにより決定した。期待通り、種々の基質 を利用したとき、IARIによるアルドースリダクターゼの阻害の感受性において顕 著な差が認められた(表4)。これはその他の非競合/未競合アルドースリダク ターゼインヒビターについて観察される共通の効果であり、そしてVmax(特定の 基質による酵素の最大反応速度)における変化に関連する。 * 活性はnmols/min/ml NADPH消費量として表わした。 ** 低めるVmaxのため、5倍量のアルドースリダクターゼをDL−グ リセルアルデヒドに比してこれらの測定に利用した。 基質としてグルコースを用いるIARIによるアルドースリダクターゼの阻害の程 度はこの基質についてのこの酵素の低いVmaxのため評価が難しい。にもかかわら ず、固定量のIARIによる阻害と存在酵素濃度との関係は、阻害が若干上昇するよ うに観察された(7%)。 アルドースリダクターゼによる3FDS(3−フルオロデオキシ−ソルビトール) の産生もNMRを用いて測定した。NMR試験のための実験条件を表5に示す。 * アッセイ中NADPHをリサイクルするためにD−グルコース− 6リン酸及びそのデヒドロゲナーゼを加えた。 図8(A)は内因性アルドースリダクターゼインヒビターの非存在下での3FDS (3−フルオロデオキシーソルビトール)の産生を示し、一方、図8(B)は内 因性アルドースリダクターゼインヒビターの存在下での3FDSの産生を示す。約12 0及び125ppmでのピークは3−フルオロ−3−デオキシ−D−グルコース(3FDG )アノマーを示し、一方約138ppmでの単一ピークは3FDSを示す。明らかに、IARI の存在下で低まり、アルドースリダクターゼの阻害を示唆する。 反応混合物へのNADPHの添加により反応を開始させた後、アルドースリダクタ ーゼによる3−フルオロ−3−デオキシ−ソルビトール(3FDS)は経時的に直線 状に上昇した(図9)。3−フルオロ−3−デオキシ−ソルビトール(3FDS)の 速度はIARIの存在下で低下した。 インヒビター入り及び抜きでの経時的な3FDS産生の対比(図9)は20%の定数 をもたらした。このことは、IARIによる観察阻害は酵素の不可逆不活性に基づか ないことを示し、なぜならこの阻害%は一定であり続けていたからである。他のピリミジンヌクレオチド−依存性酵素に及ぼすIARIの効果 その他のピリミジンヌクレオチド依存性オキシドリダクターゼ、例えばソルビ トールデヒドロゲナーゼ、3α−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、グル タチオンリダクターゼ及びグルコース6−リン酸デヒドロゲナーゼに対するこの IARIの選択性も評価した。これらの酵素は下記にまとめる条件下で評価した: アルドースリダクターゼ 10mM DL−グリセルアルデヒド 0.3mM NADPH 100mM リン酸バッファー、pH 6.2 20μlサンプル(1.5U/ml) 50μl IARI α−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ リダクターゼ活性 デヒドロゲナーゼ活性 0.2mM アンドロステンジオン 0.2mMアンドロステロン 0.3mM NADH 0.3mM NAD + 100mM BisTris、pH 7.5 100mM BisTris、pH 7.5 20μlサンプル(1U/ml) 20μlサンプル(1U/ml) 50μl IARI 50μl IARI ソルビトールデヒドロゲナーゼ リダクターゼ活性 デヒドロゲナーゼ活性 10mM D−フルクトース 10mMソルビトール 0.3mM NADH 0.3mM NAD + 100mM BisTris 、pH 7.5 100mM BisTris 、pH 7.5 100μlサンプル(0.2U/ml) 100μlサンプル(0.2U/ml) 50μl IARI 50μl IARI グルタチオンリダクターゼ グルコース6−リン酸デヒドロ ゲナーゼ 10mM GSSG 100mM グルコース−6−リン酸塩 0.3mM NADPH 0.3mM NADP+ 100mM リン酸塩、pH 6.2 100mM BisTris、pH 1.5 50μlサンプル(0.2U/ml) 50μlサンプル(0.2U/ml) 50μl IARI 50μl IARI アセトニトリル:水:TFA(90:10:0.5v/v)を用いるシリカゲルカラム由 来の無色ピークとして得られた、これらの酵素に及ぼすIARIの効果を以下の表6 にまとめる: 1 Boehringer Mannheim Corp.,Indianapolis,Indiana。 2 Sigma Chemical Co.,St.Louis,Missouri。 3 数値は2実験の平均値を示す。 実施例2内因性アルドースリダクターゼインヒビターのHPLC精製 Pel-Freez(Rogers,AR)より得た100個のラット腎臓(約35g)をWaringブレ ンダーを用い70mlの水でホモジナイズにかけた。このホモジネート物を12,000〜 13,000rpmで90分遠心し、そして得られた上清液を、1000の分子量カットオフ値 を有するSpectra/Pore(Spectrum,Houston,TX)透析膜を用い、一夜(少なく とも18時間)500mlの水に対して透析した。透析後、このセルロース膜の外に出 た成分を凍結し、そして凍結乾燥により濃縮した。その凍結乾燥粉末を最少容量 の水に溶かし、4,000rpmで15分遠心し、そしてその上清液をPharmacia-LKB Biot echnolgy Co.(Piscatway,NJ)由来のSe phadex G-10(2.4×72cm)カラムに載せた。溶離を水で行い、そして画分を100 滴/チューブで集めた。2本のインヒビター活性ピークが溶離において認められ た。そのインヒビター活性ピークを別々に集め、そして両ピークをSigma Chemic al Company(St.Louis,MO)より得たCM−セルロース(2.4×25cm)カラムに載 せた。全てのインヒビター活性物をこれらのカラムに通し、そして凍結乾燥した 。 濃縮した高めの画分を更にC−18カラム(300Å、4.6×250mm、Vydac,Hesper ia,CA)を用い、水及び0.5%のトリフルオロ酢酸を利用し、そして0〜50%のア セトニトリル勾配を適用して逆相クロマトグラフィーによって精製した。1mlの 画分を集めた。IARIピークは画分14−15;23−24及び45に相当する(図10)。ピ ーク14−15及び45はニンヒドリンで染まった(図11)。 粗腎臓抽出物(ke)及び上記の精製したものの薄層クロマトグラフィー(TLC )を、酢酸:エタノール:水を溶離液として用いてシリカプレート(20×20cm、 厚さ250μm、Whatman,KGシリカゲル、Sigma,St.Louis,MO)上で行った。混 合物中の溶媒の比は7:1:2v/vとした。このクロマトグラフィー系は粗ラ ット及びヒト腎臓抽出物を約11本のバンドに分けた。検出系は全て試薬の有効性 を確認するために陽性コントロールを伴って試験した。ヒト及びラット腎臓抽出 物は共に類似の結果を示した。HPLC精製ヒト腎臓抽出物について結果を表7に示 す。TLCはUV254及びニンヒドリンにより非常に強く染まるアニスアルデヒドにつ いての陽性結果を示した。UV254及びニンヒドリン結果は、内因性アルドースリ ダクターゼインヒビターについてのポリペプチド成分を示唆する。その他の公知 のアルドースリダクターゼインヒビターはニンビドリンについて陽性に染めなか った。 * Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO. 得られる画分を実施例1に記載の通りアルドースリダクターゼ阻害活性につい てアッセイした。最高の阻害活性(91%より大)を含む画分についてのファスト アトムボンバードメント(FAB)質量スペクトルを得た。FABスペクトル(図14) は453及び679の質量において2本のピークを示す。 実施例3IARIの迅速単離及び精製 ヒト腎臓を組織1g当り2mlのエタノールを用いブレンダーの中でホモジナイ ズにかけた。このホモジネート物を8000rpmで45分遠心し、そしてその上清液を ガラスウールで濾過した。次にその上清液をロータリーエバポレーターの中での エバポレーションにより乾くまで濃縮し、そして20mlの水の中に再溶解させた。 この工程は黄色味を帯びた溶液をもたらした。 次にこの上清液を、Pharmacia HPLC系(Pharmacia-LKB Biotechnology Co.,P iscataway,NY)でのC−18(RP C-18 90Å薬学カラム、9×250mm、Vydac,Hes peria,CA)による逆相HPLCを利用して分画した。溶媒Aは水とし、そして溶媒 Bは50%のメタノールとした。インヒビターは以下の勾配を利用して溶離させた 。 0−10min、5%のB;10−35min、5%−100%のB;45−50min、100%−5 %のB。この勾配は2.5%での10分の平衡、それに続く25分かけての2.5%から50 %のメタノールに至る直線勾配をもたらす。 このHPLC系はラット及びヒト腎臓抽出物を複数の個々のピークに分画するのに 非常に有効であった(図12参照)。その溶離プロフィールは非常に一貫しており 、類似の組織からの抽出物のHPLC工程間、及びラットとヒト抽出物とをアルドー スリダクターゼ阻害活性について対比させたときの両方において同一の結果をも たらした(データーは示していない)。一の阻害ピークは約4%のメタノールで のこの勾配における初期にて溶離し、そして第二阻害ピークはこの勾配での50% のメタノールで遅く溶離した。 早期溶離ピークはC−18カラムのボイドボリューブに事実上相当する。このピ ークに該当する画分(例えば図12の画分6〜8)を集 め、プールし、そしてC−8カラム(pH安定RP C-8カラム、Vydak,Hesperia,C A)を用い、2.5%のメタノール含有水でイソクラティック的に流し、0.3ml/min の流速で0.3分間隔で画分を集めながら分画した。図13に示すC−8カラムの溶 離プロフィールは一本の主要ピークを伴うプロフィールを示した。このピークか ら選んだ画分は75%より大のアルドースリダクターゼ阻害活性を示した。C−18 カラム及びC−8カラムの両方より得られるプロフィールは、その材料がヒト又 はラットに由来することに関係なくサンプル内で非常に再現性が高かった。従っ て、プロトコールは高活性内因性アルドースリダクターゼインヒビターを含む組 成物を単離する迅速で再現性の高い方法を提供する。 以上の実施例は例示であり、本発明を限定しない。本発明のその他の変更は本 発明の範囲を逸脱することなく行われうる。本明細書に挙げる全ての文献、特許 、特許明細書は引用することで本明細書に組入れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 テラダ,トモユキ 大阪府茨木市生保2―25―24 (72)発明者 ロドリゲス,リバニエル アメリカ合衆国,メリーランド 21227, エルクリッジ,ダケッツ レーン ナンバ ー 302 7062 (72)発明者 シャフハウザー,マテオ スイス国,ツェーハー―3014 ベルン,バ ルトシュタッターシュトラーセ 12

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.哺乳動物細胞から単離及び精製した内因性アルドースリダクターゼインヒ ビター。 2.前記インヒビターが、グリセルアルデヒド及びアルドースリダクターゼの 存在下においてNADPHの340nm吸収の減少を測定することによりアッセイしたとき に、75%以上の阻害を供するようになるまで精製されている、請求項1記載の内 因性アルドースリダクターゼインヒビター。 3.前記インヒビターがニンヒドリンを陽性に染める、請求項2記載の内因性 アルドースリダクターゼインヒビター。 4.前記インヒビターが1000D未満の分子量を有する、請求項3記載の内因性 アルドースリダクターゼインヒビター。 5.前記インヒビターが、アニスアルデヒドを陽性に、2′−7′ジクロロフ ルオロセインを陰性に、フルオレセインを陰性に、ブロムクレゾールグリーンを 陰性に、CHCl3中のSbCl3を陰性に、2,4−ジニトロフェニルヒドラジンを陰性 に、FeCl3(1%のAg)を陰性に、そしてDragendorff試薬を陰性に染める、請求 項4記載の内因性アルドースリダクターゼインヒビター。 6.前記インヒビターが10%w/w以上に精製されている、請求項1記載の内 因性アルドースリダクターゼインヒビター。 7.前記インヒビターが、25分かけて2.5%のメタノールから50%のメタノー ルに至る線形勾配においてC−18逆相カラム上で流したときに、約4%のメタノ ールにおいて分画する活性ピークにおいて得られる、請求項1記載の内因性アル ドースリダクターゼインヒビター。 8.前記インヒビターが、前記C−18逆相カラムから得た内因性 アルドースリダクターゼ含有画分をプールしてC−8カラムでイソクラティック 的に2.5%のメタノールで流したときに単一の活性ピークで得られるものである 、請求項7記載の内因性アルドースリダクターゼインヒビター。 9.哺乳動物細胞においてアルドースリダクターゼ活性を阻害するための方法 であって、前記哺乳動物細胞に内因性アルドースリダクターゼインヒビターを投 与することを含んで成り、ここでこの内因性アルドースリダクターゼインヒビタ ーは哺乳動物細胞から単離及び精製されたものである、方法。 10.前記哺乳動物細胞が培養哺乳動物細胞である、請求項9記載の方法。 11.前記培養哺乳動物細胞が培養ヒト細胞である、請求項10記載の方法。 12.哺乳動物細胞から内因性アルドースリダクターゼインヒビターを精製する 方法であって、下記の工程 〔a〕前記哺乳動物細胞から細胞内材料を抽出及び濃縮する; 〔b〕物理的又は生物学的特徴を基礎にこの材料を分画し、そして画分を集め る; 〔c〕アルドースリダクターゼ阻害アッセイについてそれらの画分をアッセイ する; 〔d〕アルドースリダクターゼ阻害活性を有する画分を集めてプールする;そ して 〔e〕工程〔b〕〜〔d〕を1〜5回繰り返す; を含んで成る方法。 13.前記抽出及び濃縮工程が: 〔a〕哺乳動物組織をエタノール中でホモジナイズにかけてホモジネート物品 を形成する; 〔b〕このホモジネート物を遠心して上清液を得る; 〔c〕この上清液を濾過する;そして 〔d〕この上清液をエバポレーションにより乾くまで濃縮する; ことを含んで成る、請求項12記載の方法。 14.前記分画工程が、逆相C−18カラム、及び溶媒Aについては水、そして溶 媒Bについては50%のメタノールのバッファー系を用い、そして約4%のメタノ ール濃度で溶離する活性ピーク含有画分を集める高性能性液体クロマトグラフィ ー(HPLC)を含んで成る、請求項12記載の方法。 15.前記分画工程が更に、前記活性ピークを含む前記画分をプールし、そして 更にそれらをC−8カラムを用いて水中の2.5%のメタノールでイソクラティッ ク的に流す高性能クロマトグラフィーにより精製し、次いで単一主要活性ピーク を含んで成る画分を集めることを含んで成る、請求項14記載の方法。 16.前記アッセイ工程が、グリセルアルデヒド及びアルドースリダクターゼの 存在下でNADPHの340nm吸収の減少を測定することを含んで成る、請求項12記載の 方法。 17.前記哺乳動物細胞がヒト腎臓細胞である、請求項12記載の方法。 18.請求項1,2,3又は4記載の内因性アルドースリダクターゼインヒビタ ーを薬理学的に許容される担体の中に含んで成る薬理組成物。
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