【発明の詳細な説明】
抗ヘリコバクター活性を有する4−キノリニル誘導体発明の背景
ヨーロッパ特許第0,371,564号(1990年6月6日に公告された)
はレチノイン酸(retinoic acid)のプラスマ排出を抑制する(1H−アゾール
−1−イル−メチル)置換されたキノリン誘導体を開示している。本発明の化合
物は引用されている当技術の化合物とはキノリン部分が4−位置において(フェ
ニルアゾリル)メチル基で置換されている点でおよびそれらの予期せぬ抗ヘリコ
バクター活性(auti-Helicobacter actibity)の点で異なる。
胃腸管の苦痛症状(afflictions)は広範囲にわたる。最近の薬品はそれらの
多くの症状、特にヘリコバクター菌(bacterium Helicobacter)の胃粘膜中の存
在に関連する症状、例えば慢性胃炎、十二指腸漬瘍および十二指腸潰瘍再発の治
療には依然として不充分である。2種の抗生物質薬品の別個投与を含んでなるヘ
リコバクター撲滅における二重療法は1つもしくはそれ以上の下記の理由のため
に現在までには不満足である:低い撲滅速度、多くの副作用およびヘリコバクタ
ーによる耐性増加。2種の抗生物質および1種のビスマス化合物の投与を含んで
なる三重療法が有効であると示されているが、それらは患者にとって非常につら
くしかも副作用のためやっかいものとなる。本発明は、有効な抗ヘリコバクター
剤でありそしてヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)および関連種
の撲滅において単独療法で使用できる新規なキノリン化合物に関する。発明の記述
本発明は式
[式中、−A−は
−N=CH−CH=CH− (a)、
−CH=N−CH=CH− (b)、
−N=N−CH=CH− (c)、
−N=CH−N=CH− (d)、
−N=CH−CH=N− (e)、
−CH=N−N=CH− (f)、
−N=N−N=CH− (g)、
−N=N−CH=N− (h)、または
−CH=CH−CH=CH− (i)
の2価の基を表し、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は各々独立して水素、ハロ、ヒドロ
キシ、C1-4アルキルオキシ、C1-4アルキル、トリフルオロメチル、アミノ、モ
ノ−もしくはジ−(C1-4アルキル)アミノまたはニトロを表し、但しフェニル
基上の1個の置換基がニトロである時には該フェニル基上の他の置換基はニトロ
以外のものである]
の新規なキノリン誘導体、その薬学的に許容可能な酸付加塩、その立体
化学的異性体形、その第四級化形およびそのN−オキシドに関する。
以上の定義および以下で使用される際には、ハロはフルオロ、クロロ、ブロモ
およびアイオドを定義し、C1-4アルキルは炭素数1〜4の直鎖および分枝鎖状
の飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチ
ル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピルおよび1,1−ジメチルエチルを
定義する。
以上で使用されている薬学的に許容可能な酸付加塩という語は、式(I)の化
合物が生成しうる無毒の治療上活性な酸付加塩を定義する。塩基性を有する式(
I)の化合物は適当量の適当な酸を用いて一般的工程に従い対応する治療上活性
な無毒の酸付加塩形に転化することができる。適当な酸類の例は、無機酸類、例
えばハロゲン化水素酸類、例えば塩酸、臭化水素酸および同様な酸類、硫酸、硝
酸、燐酸など;または有機酸類、例えば酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、2
−ヒドロキシプロパン酸、2−オキソプロパン酸、エタンジオン酸、プロパンジ
オン酸、ブタンジオン酸、(Z)−2−ブテンジオン酸、(E)−2−ブテンジ
オン酸、2−ヒドロキシブタンジオン酸、2,3−ジヒドロキシブタンジオン酸
、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、メタンスルホン酸、
エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、シク
ロヘキサンスルファミン酸、2−ヒドロキシ安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロ
キシ安息香酸および同様な酸類である。
薬学的に許容可能な酸付加塩という語また、式(I)の化合物が生成しうる溶
媒和物、例えば水和物、アルコレート類などを包含する。
立体化学的異性体形という語は、同一の分子式を有するが空間中のそれらの原
子配置が異なる化合物をさす。断らない限り、化合物の化学名
は全ての可能な立体化学的異性体形の混合物を示し、該混合物は基本分子構造の
等割合の全てのジアステレオマー類およびエナンチオマー類を含有する。エナン
チオマー的に純粋な形態または不等割合のエナンチオマー類を含有する混合物は
それらの光学的活性により同定できる。光学的活性物質は右旋性または左旋性と
記載されそして各々(+)−または(−)−異性体として分類される。純粋形ま
たは互いの混合物の両者の式(I)の化合物の全ての立体化学的異性体形が本発
明の範囲内に包括される。
式(I)から、本発明の化合物はそれらの構造中に少なくとも1個の非対称性
炭素原子、すなわちキノリン、フェニルおよびアゾール置換基を担持する炭素原
子を有することは明らかである。この中心の絶対的立体配置は立体化学的記述方
式RおよびSにより示すことができる。
本発明の一部の化合物は種々の互変異性体形で存在することができ、そして全
てのそのような互変異性体形が本発明の範囲内に含まれる。
上記の如く、本発明は式(I)の化合物の第四級化形も包含し、該第四級化形
は式
[式中、A、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は上記で定義したとお
りでありそしてR8は2価の基−A−の窒素原子と結合
したC1-4アルキルを表す]
により表される。この方法で、正電荷はR8置換基を担持する窒素原子上に位置
するであろう。X-は有機または無機アニオンでありそして好ましくはヒドロキ
シド、アルキルオキシドまたは弗化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、
硫酸、硝酸、塩素酸、過塩素酸、燐酸、ジアルキル燐酸、4−メチルベンゼンス
ルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリヒフルオロメチルスル
ホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、クロロ酢酸、フタル酸、マレイン
酸、マロン酸、クエン酸などの如き酸から生ずるアニオンである。
さらに、本発明は式(I)の化合物のN−オキシドにも関する。これらのN−
オキシドは第三級アミンオキシドに酸化された式(I)の化合物をさし、ここで
窒素および酸素は各々(+)および(−)形式電荷を有する。好適にはキノリン
環系の一部を形成する窒素原子が酸化される。
R1は適切には水素;C1-4アルキル、特にエチルもしくはメチル;ヒドロキシ
;C1-4アルキルオキシ、特にエトキシもしくはメトキシ;ニトロ;アミノ;モ
ノ−もしくはジ−(C1-4アルキル)アミノである。
R2は適切には水素;ハロ、特にブロモ、クロロもしくはフルオロ;トリフルオ
ロメチル;ヒドロキシ;またはC1-4アルキルオキシ、特にメトキシである。
R3およびR4は適切には水素;ハロ;トリフルオロメチル;ヒドロキシ;または
C1-4アルキルオキシ、特にメトキシである。
R5は適切には水素;ハロ;ヒドロキシ;C1-4アルキル、特にメチル;またはC1-4
アルキルオキシである。
R6およびR7は各々独立して適切には水素;ハロ、特にフルオロ、クロ
ロ、ブロモ;ヒドロキシ;C1-4アルキルオキシ、特にメトキシ;またはトリフ
ルオロメチルである。
興味ある化合物は、−A−が式−N=CH−CH=CH−(a)または−CH
=N−CH=CH−(b)の2価の基を表す式(I)の化合物である。
他の興味ある化合物は、−A−が式−N=N−CH=CH−(c)、−N=C
H−N=CH−(d)、−N=CH−CH=N−(e)、または−CH=N−N
=CH−(f)の2価の基を表す式(I)の化合物である。
他の群の興味ある化合物は、−A−が式−N=N−N=CH−(g)、または
−N=N−CH=N−(h)の2価の基を表す式(I)の化合物である。
別の群の興味ある化合物は、−A−が式−CH=CH−CH=CH−(i)の
2価の基を表す式(I)の化合物である。
さらに他の群の興味ある化合物は、R5、R6およびR7が水素を表す式(I)
の化合物である。
特別な化合物は、R1が水素である式(I)の化合物である。
他の群の特別な化合物は、R2およびR3が水素でありそしてR4がハロ、特に
クロロまたはフルオロであり、好ましくはR4がフェニル部分の3−位置で置換
された式(I)の化合物である。
さらに他の群の特別な化合物は、R5およびR6が各々独立して水素またはハロ
でありそしてR7が水素またはハロ、特にクロロもしくはフルオロであり、好ま
しくはR7がキノリニル部分の5−または8−位置で置換された式(I)の化合
物である。
好適な化合物は、
R1が水素、C1-4アルキル、ヒドロキシ、C1-4アルキルオキシ、ニトロ、アミ
ノまたはモノ−もしくはジ(C1-4アルキル)アミノを表し、
R2、R3およびR4が各々独立して水素、ハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキ
シまたはC1-4アルキルオキシを表し、
R5が水素、ハロ、ヒドロキシまたはC1-4アルキルオキシを表し、
R6およびR7が各々独立して水素、ハロ、ヒドロキシ、C1-4アルキルオキシま
たはトリフルオロメチルを表す
式(I)の化合物である。
より好適な化合物は、R1、R2、R3、R5およびR6が水素を表し、そしてR4
およびR7が各々独立して水素またはハロを表す上記の好適な化合物である。
さらに好適な化合物は、−A−が式−N=N−CH=CH−(c)または−N
=CH−N=CH−(d)を表し、そしてR4が3−ハロである上記のより好適
な化合物である。
最も好適な化合物は、4−[(3−クロロフェニル)(1H−1,2,4−ト
リアゾール−1−イル)メチル]キノリン、その薬学的に許容可能な酸付加塩、
その立体化学的異性体形、その第四級化形またはそのN−オキシドである。
式(I)の化合物は式(II)のアゾールを式(III)の中間生成物を用いてN
−アルキル化することにより製造できる。
式(III)および以下において、Wは適当な脱離基、例えばハロ、例えばクロロ
、ブロモ、アイオドなど;またはスルホニルオキシ基、例えばメタンスルホニル
オキシ、4−メチルベンゼンスルホニルオキシなどである。
該N−アルキル化反応は簡便には反応−不活性溶媒、例えば芳香族炭化水素、
例えばベンゼン、メチルベンゼン、ジメチルベンゼンなど;アルカノール、例え
ばメタノール、エタノール、1−ブタノールなど;ケトン、例えば2−プロパノ
ン、4−メチル−2−ペンタノンなど;エーテル、例えばテトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン、1,1′−オキシビスエタン、1,1′−オキシビス(2
−メトキシエタン)など;双極性中性溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン、
1−メチル−2−ピロリジノン、アセトニトリルなど;ハロゲン化された炭化水
素、例えばジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなど;または該溶媒の混合
物の中で行うことができる。適当な塩基、例えばアルカリもしくはアルカリ土類
金属炭酸塩、炭酸水素塩、アルコキシド、水素化物、アミド、水酸化物もしくは
酸化物、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムターシ
ャリーブトキシド、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、水酸化ナトリウム、
炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウムなど;または有機塩基、例
えばアミン、例えばN,N−ジエチルエタナミン、N−(1−メチルエチル)−
2−プロパナミン、4−エチル−モルホリン、ピリジンなどの付加を利用して反
応工程中に遊離した酸を取り出すためこともできる。幾分高められた温度および
撹拌が反応速度を促進させうる。ある場合には、過剰のアゾール(II)を使用す
ることまたは(II)を上記で定義されている如き適当な塩基と反応させることに
よりアゾールを最初にその適当な塩形、例えばアルカリもしくはアルカリ土類金
属塩に転化しそして次に該塩形を式(III)のアルキル化試薬との反応で使用す
ることも有利である。さらに、該N−アルキル化反応を不活性雰囲気、例えば酸
素を含まないアルゴンまたは窒素気体中で行うことも有利である。或いは、該N
−アルキル化を相転移触媒反応に関して当技術で既知の条件を適用することによ
り行うこともできる。
この製法および以下の製法において、反応生成物を媒体から単離することがで
きそして必要に応じて当技術で一般的に既知である方法、例えば抽出、結晶化お
よびクロマトグラフィーに従い精製することもできる。
或いは、式(II)のアゾールを以上で定義されている反応−不活性溶媒中でそ
して好適には中間生成物(IV)中のヒドロキシをさらに良好な脱離基に転化させ
るための試薬、例えばトリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチル
の存在下で式(IV)の中間生成物と反応させることにより式(I)の化合物を製
造することもできる。
さらに、式(V)の中間生成物を、場合により酸、例えば酢酸の存在下で、W1
が反応性脱離基、例えばC1-4アルキルオキシである式(VI)の試薬と反応させ
ることにより、式(I−b)により表される−A−が式(i)の基である式(I
)の化合物を製造することもできる。
式(VII)の中間生成物を反応−不活性溶媒、例えばエタノール中でメタンイ
ミドアミドまたはその誘導体と反応させることにより、式(I−c)により表さ
れる−A−が式(f)の基でありそしてR1がヒドロキシである式(I)の化合
物を製造することもできる。
式(I−a)の化合物の第四級化形は簡便には式(I)の化合物を式R8−W
(VIII)の試薬(ここでR8およびWは以上で定義されている如くである)と反
応させることにより製造でき、このようにしてXがWである以上で定義されてい
る式(I−a)の第四級化合物を製造する。(I)と(VIII)の反応は好適には
適当な溶媒、例えば炭化水素、例えばヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、メチルベ
ンゼン、ジメチルベンゼンなど;アルコール、例えばメタノール、エタノール、
2−プロパノール、1−ブタノールなど;エーテル、例えば1,1′−オキシビ
スエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなど;ケトン、例えば2−
プロパノン、2−ブタノンなど、ハロゲン化された炭化水素、例えばテトラクロ
ロメタン、トリクロロメタン、ジクロロメタンなど:双極性中性溶媒;例えばN
,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホ
キシド、アセトニトリルなどの中で行われる。ある場合には、反応を高められた
温度で行うことが適する。希望により、上記工程に従い得られた生成物中のアニ
オンを別のアニオンで交換でき式(I−a)の他の第四級塩を得る。そのような
アニオン交換反応は簡便には当技術で既知の工程に従い、例えばアニオン交換カ
ラムを使用することによりまたは第四級塩を塩基性アニオン交換体を用いて対応
する水酸化物に転化しそして引き続き該水酸化物を適当な酸と反応させること
により実施できる。
式(I)の化合物のN−オキシドは簡便には式(I)の化合物をN−酸化する
ことにより製造できる。該N−酸化反応は一般的には式(I)の出発物質を適当
な有機または無機過酸化物と反応させることにより実施できる。適当な無機過酸
化物は例えば、過酸化水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属過酸化物、
例えば過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化バリウムなどを含んでなり;
適当な有機過酸化物はペルオキシ酸類、例えばベンゼンカルボペルオキソ酸また
はハロ置換されたベンゼンカルボペルオキソ酸、例えば3−クロロベンゼンカル
ボペルオキソ酸など、ペルオキソアルカン酸、例えばペルオキソ酢酸など、アル
キルヒドロペルオキシド類、例えばt.ブチルヒドロペルオキシドなどを含んで
なる。希望により、該N−酸化は適当な溶媒、例えば水、低級アルカノール、例
えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど、炭化水素、例え
ばベンゼン、メチルベンゼン、ジメチルベンゼンなど、ケトン、例えば2−プロ
パノン、2−ブタノンなど、および該溶媒の混合物の中で実施できる。反応速度
を促進させるために、反応混合物を加熱することも適切である。
式(I)の化合物のラセミ混合物を適当な分解試薬、例えばキラル(chiral)
酸、例えば酒石酸、リンゴ酸およびマンデル酸を用いてジアステレオマー塩類の
混合物に転化させ、該混合物を例えば選択的結晶化および同様な方法により物理
的に分離し、そして最後に該分離されたジアステレオマー塩類を塩基性水性媒体
中での場合により高められた温度における加水分解により式(I)の化合物の対
応するエナンチオマー形に転化させることにより、式(I)の化合物のエナンチ
オマー的に純粋な形
が得られる。或いは、エナンチオマー的に純粋な形は適当な出発物質のエナンチ
オマー的に純粋な異性体形から、その後の反応が立体特異的に起きるという条件
で、簡便に得られる。他の変法として、エナンチオマー類をキラル静止相を用い
る液体クロマトグラフィーにより分離することができる。
式(I)の化合物を当技術で既知の官能基転換工程に従いさらに互いに転化さ
せることもできる。
前記の製造における多くの中間生成物および出発物質は当該化合物または同様
な化合物を製造するための当技術で既知の方法に従い製造できる既知の化合物で
ある。一部の他の中間生成物を製造するための工程を以下でさらに詳細に記載す
る。
式(IV)の対応するアルコール類をアルコール官能基を適当な脱離基に転化さ
せうる試薬、例えば塩化チオニル、塩化ホスホリル、三臭化燐、塩化メタンスル
ホニル、塩化4−メチルベンゼンスルホニルなどを用いて転化させることにより
、式(III)の中間生成物を製造できる。
該転化反応は適当な反応−不活性溶媒、例えばハロゲン化された炭化水素、例
えばジクロロメタン、トリクロロメタンなどの中で実施できる。場合により、適
当な塩基、例えばターシャリーアミン、例えばN,N−
ジエチルエタナミン、N,N−ジ(1−メチルエチル)エタナミンなどの中で実
施できる。
式(IX)の中間生成物を反応−不活性溶媒、例えばエーテル、例えば1,1′
−オキシビスエタン、テトラヒドロフランなどの中で、場合により触媒、例えば
1,2−ジブロモエタン、ヨウ素などの存在下でマグネシウムと反応させ、そし
て次に生じたグリニヤール化合物を式(X)の試薬と反応させることにより、式
(IV)のアルコール類を製造できる。
キノリンカルボキシアルデヒド類の合成用の工程は「キノリン類(Quinolines
)(III部)」(G.ジョーンズ(Jones)編集)、複素環式化合物の化学(The
Chemistry of Heterocyclic Compounds)(32巻)、ウィリー・アンド・サン
ズ(Wiley & Sons)、チチェスター(1990)に広範囲に記載されている。特
に、反応−不活性溶媒、例えば芳香族炭化水素、例えばベンゼン、メチルベンゼ
ン、クロロベンゼン、ブロモベンゼンなどの中での式(XI)の中間生成物の酸化
により、式(X)の中間生成物を製造できる。
上記反応における適当な酸化試薬は、例えば、二酸化セレン、ジクロロジオキ
ソクロメートなどである。
或いは、式(X)の中間生成物は対応する式(XII)のカルボン酸の還元によ
り製造できる。
式(XII)の中間生成物およびそれらの製造方法は例えば「キノリン類(Quino
lines)(I部)」(G.ジョーンズ(Jones)編集)、複素環式化合物の化学(
The Chemistry of Heterocyclic Compounds)(32巻)、ウィリー・アンド・
サンズ(Wiley & Sons)、ロンドン(1977)から当技術で既知である。該文
献は式(XI)の4−メチルキノリン類の製造も記載している。
例えば、式(XIII)の中間生成物を式(XIV−a)または(XIV−b)の試薬と
反応−不活性溶媒中で酸の存在下で反応させることにより、式(XI)の4−メチ
ルキノリン類製造できる。
上記の反応は好適には酸、好ましくはルイス酸、例えば塩化亜鉛、塩化鉄(II
I)、酸化アルミニウム、塩化アルミニウムなど、またはこれらのルイス酸類の
混合物の存在下で行われる。上記の反応における適当な不活性溶媒は例えば、ア
ルコール、例えばエタノール、メタノールなどである。試薬(XIV−a)または
(XIV−b)の代わりに式
[式中、Zはヒドロキシ、ハロ、C1-4アルキルオキシまたはジ(C1-4アルキル
)アミノを表し、そしてR9およびR10はC1-4アルキルを表すかまたはR9およ
びR10が一緒になってC2-6アルカンジイル基を表す]の試薬を使用することも
できる。
式(IV)の中間生成物は対応する式(XVII)のケトンから当技術で既知の還元
工程に従い製造することもできる。該ケトン類は簡便には式(XII)のカルボン
酸を式(XVIII)の適当なフェニルリチウム試薬と反応させることにより製造さ
れる。
式(V)および(VII)の中間生成物は下記の反応順序により製造できる。
(IV)から(XIX)への酸化は適当な酸化試薬、例えばジョーンズ試薬または
過マンガン酸カリウムを使用して、好適には塩基、例えばトリス−(2−(2−
メトキシエトキシ)エチル)アミンなどの存在下で、行われる。式(XIX)の中
間生成ケトンを次に還元的アミノ化により式(V)のアミンに転換させることが
できる。ホルムアミドおよび蟻酸を使用する時には、式(XX)の中間生成アミド
を単離することができる。中間生成物(XX)を次に酸の存在下で適当な溶媒中で
、例えば2−プロパノール中の塩酸とさらに反応させる。(V)から(XXI)へ
の反応および(XXI)から(VII)への反応は簡便には反応−不活性溶媒、例えば
テトラヒドロフラン中で行われる。
さらに、式(IV)の中間生成物を他の下記の当技術で既知の官能基転換工程で
転化させることもできる。例えば、R5がハロ、C1-4アルキルオキシ、アミノま
たはモノ−もしくはジ(C1-4アルキル)アミノである式(IV)の中間生成物は
R5がヒドロキシである対応する式(IV)の中間生成物から製造できる。最初に
R5がヒドロキシである対応する式(IV)の化合物をR5がヒドロキシである式(
XIX)のカルボニル化合物に酸化する。R5がヒドロキシであるこれらの式(XIX
)のカルボニル化合物を次に適当なハロゲン化試薬、例えば塩化ホスホリル、2
,4,6−トリフルオロトリアジンなどで処理して、R5がハロである式(XIX)
の中間生成物を生成する。R5がC1-4アルキルオキシである式(XIX)の中間生
成物を製造するためには、上記のハロ誘導体をアルカノール中でC1-4アルキル
−O−M(ここでMはアルカリ金属カチオン、例えばナトリウム、カリウムなど
である)と、例えばメタノール中でナトリウムメトキシドと反応させる。R5が
アミノまたはモノ−もしくはジ(C1-4
アルキル)アミノである式(XIX)の中間生成物をを製造するためには、ハロ誘
導体を反応−不活性溶媒、例えばアセトニトリル中でアンモニアまたはモノ−も
しくはジ(C1-4アルキル)アミンと反応させる。式(XIX)のカルボニル化合物
を次に適当な還元試薬、例えば水素化ホウ素ナトリウムを使用して、反応−不活
性溶媒、例えばメタノール中で対応する式(IV)のヒドロキシ中間生成物に還元
する。
式(I)の化合物、薬学的に許容可能な酸付加塩類、それらの立体化学的異性
体形、それらの第四級化形およびそれらのN−オキシド類はヘリコバクター種、
例えばヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、ヘリコバクター・ム
ステラエ(Helicobacter mustelae)、ヘリコバクター・フェリス(Helicobacte
r felis)、ヘリコバクター・ムリダルム(Helicobacter muridarum)、ヘリコ
バクター・ネメストリナエ(Helicobacter nemestrinae)などに対して、特にヘ
リコバクター・ピロリに対して有用な薬理学的活性を示す。
この概念において特に重要なことは、主題化合物がヘリコバクターの成長に対
する抑制活性並びに該バクテリアに対する試験管内バクテリア活性を示すという
発見である。ヘリコバクターに対する殺バクテリア効果はAntimicrob.Agents C
hemother.、1991、35巻、869−872頁に記載されている工程により
浮遊培養を用いて測定された。
本化合物の興味ある特徴はヘリコバクターに対するそれらの高い特異的活性に
関連する。式(I)の化合物は下記の種のいずれに対しても抑制活性を示さない
ことが見いだされた:10-5Mまでの濃度で試験されたカンピロバクター・ジェ
ジュニ(Campylobactor jejuni)、カンピロバクター・コリ(Campylobactor co
li)、カンピロバクター・フェツス(Cam
pylobactor fetus)、カンピロバクター・スプトルム(Campylobactor sputorum
)、ビブリオ(Vibrio)種、黄色葡萄球菌(Staphylococcus aureus)および大
腸菌(Escharichia coli)。
本化合物の重要な長所は通常の中性pH以下のpHにおけるH.ピロリに対す
るそれらの持続活性である。試験管内での低いpHにおける活性は該化合物が生
体内で胃の酸性環境により悪影響を受けないことを示す。
従って、主題化合物はヘリコバクター関連疾病または苦痛症状に罹っている温
血動物、特に人間を処置するための価値ある治療薬であると考えられる。該疾病
または苦痛症状の例は胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍および胃癌である。
それらの抗−ヘリコバクター性質のために、主題化合物は投与目的用の種々の
薬学的形態に調合することができる。本発明の薬学的組成物を製造するには、活
性成分としての有効量の塩基または酸付加塩形の特定化合物を投与用に所望され
る調合形によって種々の形態をとることができる薬学的に許容可能な担体と良く
混合して組み合わせる。これらの薬学的組成物は希望により、好ましくは経口投
与、直腸投与、または非経口的注射投与に適する単位投与形である。例えば、経
口投与形の組成物を製造するには、一般的な薬品媒体、例えば懸濁液、シロップ
、エリキシルおよび溶液の如き経口的液体調合物の場合には水、グリコール類、
油類、アルコール類など;または粉剤、丸薬、カプセルおよび錠剤の場合には固
体担体、例えば澱粉、糖類、カオリン、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などのいずれか
を使用できる。投与の容易さの理由から、錠剤およびカプセルが最も有利な経口
投与単位形であり、その場合にはもちろん固
体の薬品担体が使用される。非経口的組成物用には、担体は一般的には少なくと
も大部分が殺菌水であるが、例えば溶解を助けるための他の成分を含ませること
もできる。例えば、担体が食塩溶液、グルコース溶液または食塩水およびグルコ
ース溶液の混合物を含んでなる注射溶液を製造することができる。注射用懸濁液
を製造することもでき、その場合には適当な液体担体、懸濁剤などを使用できる
。
薬学的組成物が水溶液の形態をとる時には、低い溶解度を示す式(I)の化合
物を塩形に調合することもでき、または水−混和性であり且つ生理学的に許容可
能な共−溶媒、例えばジメチルスルホキシドなどを加えることもでき、または式
(I)の化合物を適当な担体、例えばシクロデキストリン(CD)もしくは特に
シクロデキストリン誘導体、例えば米国特許第3,459,731号、EP−A
−149,197(1985年7月24日)、EP−A−197,571(19
86年10月15日)、米国特許第4,535,152号もしくはWO90/1
2035(1990年10月18日)に記載されているシクロデキストリン誘導
体を用いて可溶化することもできる。典型的にはそのような誘導体は、1個もし
くはそれ以上のヒドロキシル基がC1-6アルキル、特にメチル、エチルもしくは
イソプロピル;ヒドロキシC1-6アルキル、特にヒドロキシエチル、ヒドロキシ
プロピルもしくはヒドロキシブチル;カルボキシC1-6アルキル、特にカルボキ
シメチルもしくはカルボキシエチル;C1-6アルキルカルボニル、特にアセチル
;C1-6アルキルオキシカルボニルC1-6アルキル;カルボキシ−C1-6アルキル
オキシC1-6アルキル、特にカルボキシメトキシプロピルもしくはカルボキシエ
トキシプロピルまたはC1-6アルキルカルボニルオキシC1-6アルキル、特に2−
アセチ
ルオキシプロピルで置換されたα−、β−またはγ−CDを含んでなる。錯化剤
および/または可溶化剤として特に価値あるものは、β−CD、2,6−ジメチ
ル−β−CDおよび特に2−ヒドロキシプロピル−β−CD)、2−ヒドロキシ
エチル−β−CD、2−ヒドロキシエチル−γ−CD)、2−ヒドロキシプロピ
ル−γCDおよび(2−カルボキシメトキシ)プロピル−β−CDである。上記
のシクロデキストリン誘導体において、DS(置換度、すなわち1個のグルコー
ス単位当たりの置換されたヒドロキシ官能基の平均数)は好適には0.125〜
3、特に0.2〜2、または0.2〜1.5の範囲である。より好適には、DS
は約0.2〜約0.7、特に約0.35〜約0.5の範囲であり、そして最も好
適には約0.4である。MS(モル置換度、すなわち1個のグルコース単位当た
りの置換剤のモル数の平均数)は0.125〜10)特に0.3〜3、または0
.3〜1.5の範囲である。より好適にはMSは約0.3〜約0.8、特に約0
.35〜約0.5の範囲であり、そして最も好適には約0.4である。本発明の
組成物中での使用に最も好適なシクロデキストリン誘導体は1.5%より少ない
未置換β−シクロデキストリンを含有する約0.35〜0.50の範囲のMSを
有するヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンである。最終的組成物中の
シクロデキストリンまたはそのエーテル誘導体の量は一般的には約1%〜約40
%、特に2.5%〜25%、そしてより特に5%〜20%である。
投与の容易さおよび投与量の均一性のために上記の薬学的組成物を投与量単位
に調合することが特に有利である。明細書および請求の範囲中で使用される投与
量単位形とは1回の投与量として適する物理的に分離した単位をさしており、各
単位は必要な薬学的担体と一緒になって所望
の治療効果を生ずると計算された予め決められた量の活性成分を含有する。その
ような投与量単位形の例は、錠剤(目盛り付きまたはコーテイング錠剤を含む)
、カプセル、丸薬、粉末小包、ウェファー、注射溶液または懸濁液など、並びに
それらの分割される倍数分である。
ヘリコバクター関連疾病の処置における主題化合物の有用性のために、該化合
物はヘリコバクター関連障害における薬品として使用できる。本発明の化合物は
ヘリコバクター関連疾病に罹っている温血動物、特に人間の処置方法も提供する
ものであり、該方法は薬学的担体と混合された薬学的有効量の式(I)の化合物
、その薬学的に許容可能な付加塩、その第四級化形またはそのN−オキシドの全
身的投与を含んでなる。一般的に、有効1日量は0.05mg/kg〜100m
g/kgの体重、好適には0.1mg/kg〜50mg/kgの体重、そしてよ
り好適には0.5mg/kg〜5mg/kgの体重であろう。該有効1日量は処
置する患者の反応によりおよび/または本発明の化合物を処方する医師の評価に
より増減することができる。上記の有効1日量は従って単に指針であり、そして
本発明の範囲または使用をどれほども限定しようとするものではない。
場合により、ヘリコバクターの撲滅用に使用される他の活性化合物を本発明の
キノリン化合物と組み合わせて投与することもできる。投与は別個に(すなわち
同時に、共存してもしくは連続して)行うこともでき、または異なる薬品類を1
つの投与形に組み合わせることもできる。組み合わせ療法用に好適な化合物はビ
スマス化合物、例えば次クエン酸ビスマス、次サリチル酸ビスマスなど、および
プロトンポンプ抑制剤、例えばオメプラゾール(omeprazole)、ランソプラゾー
ル(lansoprazole)など
である。実験部分 A.中間生成物の製造 実施例1
2,3−ジクロロベンゼンアミン一塩酸塩(0.308モル)、塩化鉄(III
)(0.52モル)および塩化亜鉛(0.0308モル)のエタノール(800
ml)中混合物を30分間にわたり65℃に加熱した。エタノール(200ml
)中の3−ブテノン(0.308モル)を65℃において1時間の期間にわたり
滴々添加しそして混合物を一夜撹拌しそして還流した。混合物を室温に冷却しそ
して蒸発させた。残渣を水中に加え、NH4OHで塩基性とし、濾別しそして酢
酸エチルで抽出した。有機層を3N HClで抽出した。水層をNH4OHで塩
基性としそして酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し(MgSO4)そして蒸
発させて、38g(58%)の7,8−ジクロロ−4−メチルキノリン(中間生
成物1)を生成した。
同様な方法で下記のものも製造された:
5,8−ジクロロ−4−メチルキノリン(中間生成物2)、および4−メチル−
8−(トリフルオロメチル)キノリン(中間生成物3)。実施例2
中間生成物(1)(0.141モル)および酸化セレン(IV)(0.28モル
)のブロモベンゼン(300ml)中混合物を2時間にわたり撹拌しそして還流
した。混合物を濾別しそして濾液を蒸発させた。残渣をシクロヘキサン中に加え
た。沈澱を濾別しそして空気乾燥して、23g(71%)の7,8−ジクロロ−
4−キノリン−カルボキシアルデヒド
(中間生成物4)を生成した。
同様な方法で下記のものも製造された:
6−ブロモ−4−キノリンカルボキシアルデヒド(中間生成物5)、
5,8−ジクロロ−4−キノリンカルボキシアルデヒド(中間生成物6)、
6−(トリフルオロメチル)−4−キノリンカルボキシアルデヒド(中間生成物
7)、および
8−(トリフルオロメチル)− 4 −キノリンカルボキシアルデヒド(中間生
成物8)。実施例3
1−ブロモ−3−クロロベンゼン(0.15モル)を20分間の期間にわたり
マグネシウム(0.15モル)の1,1′−オキシビスエタン(100ml)中
混合物に滴々添加した。混合物を0℃に冷却しそしてテトラヒドロフラン(20
0ml)中の中間生成物(4)(0.075モル)を1時間の期間にわたり滴々
添加した。混合物をNH4Clを有する氷水の中に注ぎそして酢酸エチルで抽出
した。有機層を乾燥し(MgSO4)そして蒸発させた。残渣を1,1′−オキ
シビスエタン/酢酸エチルから結晶化させて、18g(70%)の(±)−7,
8−ジクロロ−α−(3−クロロフェニル)−4−キノリンメタノール(中間生
成物9)を生成した。
同じ工程に従い、下記のものが製造された:
実施例4
塩化チオニル(17ml)を0−5℃において中間生成物(9)(0.
05モル)のジクロロメタン(200ml)中混合物に滴々添加しそして混合物
を室温で一夜撹拌した。混合物を真空中で蒸発させた。残渣をジクロロメタン中
に加えそして炭酸水素ナトリウムの水溶液で洗浄した。有機層を乾燥し(MgS
O4)そして蒸発させて、17.8g(99.7%)の(±)−7,8−ジクロ
ロ−4−[クロロ(3−クロロフェニル)メチル]キノリン(中間生成物29)
を生成した。
同じ工程に従い、下記のものが製造された:
実施例5
塩化メタンスルホニル(0.052モル)を窒素雰囲気下で中間生成物(18
)(0.026モル)およびN,N−ジエチルエタナミン(0.065モル)の
ジクロロメタン(70ml)中混合物に0℃において滴々添加し、そして混合物
を0℃において4時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を0℃において
加えそしてジクロロメタンで抽出した。有機層を乾燥し(MgSO4)そして蒸
発させた。生成物をさらに精製せずに使用して、13gのメタンスルホン酸(±
)−α−(4−メトキシ
フェニル)−4−キノリンメタノール(エステル)(中間生成物52)を生成し
た。実施例6
a)中間生成物(19)(0.118モル)の2−プロパノン(350ml)
中混合物を0℃まで冷却した。ジョーンズ試薬である水(77ml)および36
N硫酸(23ml)中の酸化クロム(VI)(0.267モル)を滴々添加しそし
て混合物を室温において一夜撹拌した。混合物を炭酸カリウム(粉末)で塩基性
とした。沈澱を濾別しそして水で洗浄した。沈澱をジクロロメタンおよび酢酸の
混合物で抽出しそして濾液を蒸発させた。残渣をNaHCO3溶液中に加え、濾
別しそして水で洗浄した。沈澱を濾別しそして空気乾燥して、21.6g(64
%)の4−(3−クロロベンゾイル)−2(1H)−キノリノン(中間生成物5
5)を生成した。
b)中間生成物(55)(0.07モル)のオキシ塩化燐(60ml)中混合物
を60℃において4時間にわたり撹拌した。混合物を蒸発させそして残渣をNa
HCO3溶液中に加えた。沈澱を濾別しそして水で洗浄した。沈澱を濾別しそし
て空気乾燥して、20g(94%)の(3−クロロフェニル)−(2−クロロ−
4−キノリニル)メタノン(中間生成物56)を生成した。
c)中間生成物(56)(0.04モル)のジメチルアミン(150ml)およ
びアセトニトリル(100ml)中混合物を50℃において24時間にわたり撹
拌した。混合物を真空中で蒸発させた。残渣を水中に加えそしてジクロロメタン
/酢酸エチルの混合物で抽出した。有機層を3N HClで抽出した。水相をN
aOHで塩基性としそしてジクロ
ロメタンおよび酢酸エチルの混合物で抽出した。有機層を乾燥し(MgSO4)
そして蒸発させて、10.5g(84%)の(3−クロロフェニル)[2−(ジ
メチルアミノ)−4−キノリニル]メタノン(中間生成物57)を生成した。
d)水素化ホウ素ナトリウム(0.036モル)を中間生成物(57)(0.0
32モル)のメタノール(100ml)中溶液に0℃において一部分ずつ添加し
、そして混合物を室温において12時間にわたり撹拌した。混合物を水中に注ぎ
そして濾別した。沈澱を水で洗浄しそして空気乾燥した。生成物をさらに精製せ
ずに使用して、9.27g(92%)の(±)−α−(3−クロロフェニル)−
2−(ジメチルアミノ)−4−キノリンメタノール(中間生成物58)を生成し
た。
同様な方法で下記のものが製造された:
(±)−α−(3−クロロフェニル)−2−メトキシ−4−キノリンメタノール
(中間生成物59)、および
(±)−α−(3−クロロフェニル)−2−フルオロ−4−キノリンメタノール
(中間生成物60)。実施例7
ナトリウムメトキシド(0.152モル)を中間生成物(56)(0.033
モル)のメタノール(100ml)中溶液に室温において加え、そして混合物を
24時間にわたり撹拌しそして還流した。混合物を真空中で蒸発させそして残渣
を酢酸エチル中に加えた。有機層を乾燥し(MgSO4)、濾別しそして蒸発さ
せた。残渣をカラムクロマトグラフィーによりシリカゲル上で精製した(溶離剤
:シクロヘキサン/CH2Cl250/50)(35−75μm)。純粋な留分を
集めそし
て蒸発させて、6.8g(69%)の(3−クロロフェニル)(2−メトキシ−
4−キノリニル)メタノン(中間生成物62)を生成した。実施例8
中間生成物(55)(0.0423モル)および2,4,6−トリフルオロ−
1,3,5−トリアジン(0.0634モル)をオートクレーブ中で175℃に
2時間加熱した。混合物を蒸発させ、残渣を酢酸エチル中に加え、濾別し、そし
て濾液を3N NaOHで洗浄した。生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を
乾燥し(MgSO4)、濾別しそして蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフ
ィーによりシリカゲル上で精製した(溶離剤:CH2Cl2)。純粋な留分を集め
そして蒸発させた。生成物を1,1′−オキシビスエタンから再結晶化させて、
1.4g(12%)の(3−クロロフェニル)(2−フルオロ−4−キノリニル
)メタノン、融点93.2℃(中間生成物63)を生成した。実施例9
a)中間生成物(10)(0.02595モル)、トリス(2−(2−メトキ
シエトキシ)エチル)アミン(0.0009モル)および過マンガン酸カリウム
(0.02076モル)のジクロロメタン(200ml)中混合物を室温におい
て12時間にわたり撹拌した。混合物をセリットを通して濾過しそして溶媒を真
空中で蒸発させた。沈澱を2,2′−オキシビスプロパン/シクロヘキサンから
再結晶化させて、6g(87%)の(3−クロロフェニル)(4−キノリニル)
メタノン、融点92.7℃(中間生成物64)を生成した。
b)中間生成物(64)(0.029モル)およびホルムアミド(0.15モル
)の蟻酸(16ml)中混合物を130℃に24時間加熱した。
混合物を室温に冷却し、水中に注ぎそして酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層
を3N HClで抽出した。水層をNH4OHで塩基性としそして酢酸エチルで抽
出した。有機層を乾燥し(MgSO4)そして蒸発させた。残渣をカラムクロマ
トグラフィーによりシリカゲル上で精製した(溶離剤:CH2Cl2/CH3OH
98/2)(70−200μm)。純粋な留分を集めそして蒸発させた。残渣
(6g)を酢酸エチル/2,2′−オキシビスプロパンから再結晶化させて、2
.7g(30%)の(±)−N−[(3−クロロフェニル)−4−キノリニルメ
チル]ホルムアミド、融点136.3℃(中間生成物65)を生成した。
c)中間生成物(65)(0.0707モル)の6N塩酸(250ml)および
2−プロパノール(400ml)中混合物を一夜撹拌しそして還流した。混合物
を室温に冷却し、氷水中に注ぎ、NH4OHで塩基性としそして酢酸エチルで抽
出した。有機層を水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)そして蒸発させた。残渣を
エタンジオン酸塩(2:3)に転化させそして2−プロパノンから再結晶化させ
て、2.5gのエタンジオン酸(±)−α−(3−クロロフェニル)−4−キノ
リンメタナミン(2:3)半水塩、融点196.1℃(中間生成物66)を生成
した。
d)テトラヒドロフラン中の1,1′−カルボニルビス−1H−イミダゾール(
0.257モル)を中間生成物(66)(0.0857モル)の塩基のテトラヒ
ドロフラン中溶液に室温において加え、そして混合物を1時間撹拌した。生成物
をさらに精製せずに使用して、25g(99%)の(±)−4−[(3−クロロ
フェニル)イソシアナトメチル]キノリン(中間生成物67)を生成した。
e)テトラヒドロフラン中のヒドラジン(0.428モル)を中間生成
物(67)(0.0856モル)のテトラヒドロフラン中溶液に室温において加
え、そして混合物を1時間にわたり撹拌した。混合物を真空中で蒸発させた。残
渣をジクロロメタン中に加え、そして飽和水性NaClで洗浄した。有機層を乾
燥し(MgSO4)、濾別しそして蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ
ーによりシリカゲル上で精製した(溶離剤:CH2Cl2/CH3OH/NH4OH
96/4/0.2)。純粋な留分を集めそして蒸発させた。残渣をジクロロメ
タン/酢酸エチルから再結晶化させて、1.3g(4.6%)の(±)−N−[
(3−クロロフェニル)−4−キノリニルメチル]ヒドラジンカルボキシアミド
、融点187.1℃(中間生成物68)を生成した。
B.最終化合物の製造 実施例10
中間生成物(30)(0.0427モル)、1,2,4−トリアゾール(0.
217モル)および炭酸カリウム(0.214モル)のアセトニトリル(200
ml)中混合物を12時間にわたり撹拌しそして還流した。溶媒を蒸発させた。
粗製残渣を水中で撹拌しそしてこの混合物をジクロロメタンで抽出した。分離し
た有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過しそして溶媒を蒸発させた。残渣(15
g)をカラムクロマトグラフィーによりシリカゲル上で精製した(300g;7
0−200μm:溶離剤:CH2Cl2/CH3OH 98/2)。2種の希望す
る留分を集めた。第一留分を蒸発させた。残渣(4.8g)をエタンジオン酸塩
(1:1)に転化させそして塩をメタノール、2−プロパノンおよび1,1′−
オキシビスエタンの混合物から再結晶化させた。結晶を濾別しそして乾燥して、
3.1g(17.7%)のエタンジオン酸4−[(3−クロロフェニル)
(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]キノリン(1:1)、
融点165.8℃(化合物1)を生成した。
第二の希望するカラム留分を蒸発させそして残渣を2−プロパノンおよび2,2
′−オキシビスプロパンから再結晶化させた。結晶を濾別しそして乾燥して、0
.9g(6.6%)の4−[(3−クロロフェニル)(4H−1,2,4−トリ
アゾール−4−イル)メチル]キノリン、融点203.3℃(化合物2)を生成
した。実施例11
中間生成物(34)(0.018モル)、1H−イミダゾール(0.092モ
ル)および炭酸カリウム(0.05モル)の1,1′−オキシビス[2−メトキ
シエタン](80ml)中混合物を4時間にわたり撹拌しそして還流した。混合
物を室温に冷却し、水中に注ぎそして酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、
乾燥し(MgSO4)そして蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィーによ
りシリカゲル上で精製した(溶離剤:CH2Cl2および次にCH2Cl2/CH3
OH 98/2)(35−70μm)。純粋な留分を集めそして蒸発させた。残
渣(7.5g)を2−ブタノンから結晶化させて、1.2g(21%)の(±)
−4−[(3−フルオロフェニル)(1H−イミダゾール−1−イル)メチル]
キノリン、融点140.3℃(化合物48)を生成した。実施例12
中間生成物(33)(0.033モル)および1H−イミダゾール(0.16
モル)の1,1′−オキシビス[2−メトキシエタン](130ml)中混合物
を4時間にわたり還流した。混合物を室温に冷却し、水中に注ぎそして酢酸エチ
ルで抽出した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO4)、
そして蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィーによりシリカゲル上で精製
した(溶離剤:CH2Cl2/CH3OH 98/2)(35−70μm)。純粋
な留分を集めそして蒸発させた。残渣(7.2g)を2−ブタノンから結晶化さ
せて2.9g(30%)の(±)−4−[(1H−イミダゾール−1−イル)−
フェニルメチル]キノリン、融点143.0℃(化合物59)を生成した。実施例13
80%水素化ナトリウム(0.1モル)の分散液をN,N−ジメチルホルムア
ミドに一部分ずつ加えた。N,N−ジメチルホルムアミド中の1H−1,2,3
,4−テトラゾール(0.1モル)を0℃において滴々添加し、そして混合物を
室温において15分間にわたり撹拌した。N,N−ジメチルホルムアミド中の中
間生成物30(0.034モル)を室温において加え、そして混合物を100℃
に8時間加熱した。混合物を氷水中に注ぎそして酢酸エチルで抽出した。有機層
を3N HClで抽出した。酸性の水層をNH4OHで塩基性としそして酢酸エ
チルで抽出した。残渣をカラムクロマトグラフィーによりシリカゲル上で精製し
た(溶離剤:CH2Cl2/2−プロパノール 98/2)(35−70μm)。
純粋な留分を集めそして蒸発させた。留分1(2.2g)を2−プロパノンおよ
び(C2H5)2Oから結晶化させて、2.26gのエタンジオン酸(±)−4−
[(3−クロロフェニル)(2H−テトラゾール−2−イル)メチル]キノリン
(1:1)、融点181.8℃(化合物65)を生成した。留分2(4.3g)
を(C2H5)2Oから結晶化させて、3.47gの(±)−4−[(3−クロロ
フェニル)(1H−テトラゾール−1−イル)メチル]キノリン(31%)、融
点131.5℃(化合物66)を生成した。実施例14
中間生成物(30)(0.02モル)、1H−ピラゾール(0.1モル)およ
び炭酸カリウム(0.06モル)のN,N−ジメチルホルムアミド(60ml)
中混合物を2日間にわたり80℃に加熱した。混合物を室温に冷却し、水中に注
ぎそしてEtOAcで抽出した。有機層を乾燥し(MgSO4)そして蒸発させ
た。残渣をカラムクロマトグラフィーによりシリカゲル上で精製した(溶離剤:
CH2Cl2/2−プロパノール98/2)(35−70μm)。純粋な留分を集
めそして蒸発させた。残渣(2.3g)をエタンジオン酸塩(1:1)に転化さ
せそして2−プロパノンから結晶化させて、1.4g(21%)のエタンジオン
酸(±)−4−[(3−フルオロフェニル)(1H−ピラゾール−1−イルメチ
ル]キノリン(1:1)、融点168.0℃(化合物67)を生成した。実施例15
2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン(0.0214モル)を室温において
中間生成物(66)(0.0186モル)の酢酸(50ml)中溶液に滴々添加
し、そして混合物を10分間にわたり還流した。混合物を蒸発させ、残渣を酢酸
エチル中に加え、そしてK2CO3溶液で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO4
)、濾別しそして蒸発乾固した。残渣をカラムクロマトグラフィーによりシリカ
ゲル上で精製した(溶離剤:CH2Cl2/CH3OH 98.5/1.5)(1
5−40μm)。純粋な留分を集めそして蒸発させた。生成物をエタンジオン酸
塩(1:1)に転化させそして2−プロパノンから結晶化させて、2.5g(3
3%)のエタンジオン酸(±)−4−[(3−クロロフェニル)(1H−ピロー
ル−1−イルメチル]キノリン(1:1)、融点177.4℃(化合物79)
を生成した。実施例16
テトラヒドロフラン(15ml)中のアゾジカルボン酸ジエチル(0.017
4モル)を0℃において中間生成物(60)(0.0169モル)、1,2,4
−トリアゾール(0.0174モル)およびトリフェニルホスフィン(0.01
74モル)のテトラヒドロフラン中溶液に加え、そして混合物を室温において4
時間撹拌した。混合物を真空中で蒸発させ、残渣を酢酸エチル中に加え、そして
K2CO3溶液で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO4)、濾別しそして蒸発乾
固した。残渣をカラムクロマトグラフィーによりシリカゲル上で精製した(溶離
剤:CH2Cl2/CH3OH 98/2)(15−40μm)。純粋な留分を集め
そして蒸発させた。残渣(1.9g)を1,1′−オキシビスエタンから結晶化
させて、1.35g(23%)の(±)−4−[(3−クロロフェニル)(1H
−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル]−2−フルオロキノリン、融点
139.8℃(化合物80)を生成した。実施例17
酢酸メタンイミドアミド(0.0918モル)を室温において中間生成物(6
8)(0.0306モル)のエタノール(100ml)中溶液に加え、そして混
合物を3時間にわたり還流した。混合物を真空中で蒸発させた。残渣をジクロロ
メタン中に加え、そして飽和水性NaClで洗浄した。有機層を乾燥し(MgS
O4)、濾別しそして蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィーによりシリ
カゲル上で精製した(溶離剤:CH2Cl2/CH3OH/NH4OH 97/3/
0.1)。純粋な留分を集めそして蒸発させた。残渣を2−プロパノン/1,1
′−オキシビ
スエタンから結晶化させて、1.25g(16%)の(±)−4−[(3−クロ
ロフェニル)−4−キノリニルメチル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4
−トリアゾール−3−オン、融点244.3℃(化合物82)を生成した。実施例18
化合物(49)(0.00625モル)およびアイオドメタン(0.0137
5モル)の2−プロパノン(30ml)中混合物を室温において一夜撹拌した。
沈澱を濾別し、2−プロパノンで洗浄しそして空気乾燥して、2.2g(16%
)のヨウ化(±)−1−[(3−クロロフェニル)−4−キノリニルメチル]−
3−メチル−1H−イミダゾリウム(76.4%)、融点231.3℃(化合物
68)を生成した。実施例19
化合物(1)(0.0012モル)をNH4OHを有する水中で遊離させた。
生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を乾燥し、濾別しそして蒸発させた
。残渣をキラセル(Chiracell)OD上で精製した(溶離剤:ヘキサン/C2H5
OH 60/40)。適当な留分を集めそして蒸発させた。
留分1をガラスフィルター上でシリカゲル上で再び精製した(溶離剤:CH2C
l2/CH3OH 95/5)。純粋な留分を集めそして蒸発させて、0.16g
の(+)−4−[(3−クロロフェニル)(1H−1,2,4−トリアゾール−
1−イル)メチル]キノリン、[α]D=100.35゜(c=0.114、メ
タノール中)(化合物70)を生成した。
留分2をガラスフィルター上でシリカゲル上で再び精製した(溶離剤:CH2C
l2/CH3OH 95/5)。純粋な留分を集めそして蒸発させ
て、0.073gの(−)−4−[(3−クロロフェニル)(1H−1,2,4
−トリアゾール−1−イル)メチル]キノリン(化合物69)を生成した。実施例20
3−クロロベンゼンペルオキソ酸(0.06254モル)を一部分ずつ10分
間の期間にわたり化合物(49)(0.03127モル)のジクロロメタン(2
00ml)中混合物に加え、そして混合物を室温において4時間にわたり撹拌し
た。飽和NaHCO3水溶液を加え、そして混合物をジクロロメタンで抽出した
。有機層を乾燥し(MgSO4)そして蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラ
フィーによりシリカゲル上で精製した(溶離剤:CH2Cl2/CH3OH 96
/4)。純粋な留分を集めそして蒸発させた。残渣を2−ブタノンおよび1,1
′−オキシビスエタンから結晶化させて、1.4g(64%)の(±)−4−[
(3−クロロフェニル)(1H−イミダゾール−1−イル)メチル]キノリン,
1−オキシド、融点184℃(化合物83)を生成した。
表3および4に挙げられている全ての化合物は、実施例番号の項に示されてい
る実施例10−20に記載の製造方法に従い製造された。
C.薬理学的実施例
主題化合物の抗ヘリコバクター活性を下記のin-vitro試験法により評価した。ヘリコバクターに対する試験化合物の活性
ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)に対する試験化合物の活性
を臨床物質から得られた5個のH.pylori菌株の標準セットに対して測定した。
抗菌剤を用いるバクテリアの成長培養物の処理後にH.pylori・ウレアーゼの活
性を測定することにより最少抑制濃度(MIC)を測定した。
試験化合物をDMSO中に10-3Mの濃度で溶解させた。DMSO中10-4M
希釈物も製造した。10μlのこれらの溶液をレプリ・ディシュ(Repli-Dishes
)(Rステリリン(Sterilin))のウェル中にピペットで加えた。DMSOだけ
を含有するウェルも各レプリ・ディシュ中に対照として含ませた。アンピシリン
((+)−6−[(2−アミノ−2−フェニルアセチル)アミノ]−3,3−ジ
メチル−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2
−カルボン酸三水塩)およびメトロニダゾール(2−メチル−5−ニトロ−1H
−イミダゾール−1−エタノール)が試験の各バッチ中に参照化合物として含ま
せた。(これらの化合物は10-5、10-6、10-7および10-8Mの最終濃度で
試験された)。試験板を使用するまで4゜Cで貯蔵した。5個のH.pyloriの単
離体を2または3日毎の10%血液寒天上での継代培養により維持した。バクテ
リアを37℃において5%の酸素、10%のCO2および85%の窒素を含有す
る微好気性雰囲気下で成長させた。接種用のヘリコバクター・ピロリの懸濁液を
ブレーン・ハートインフュージョンブロス(Bra
in-heart infusion broth)中で製造し、そして530nMにおける1.5±0
.3の吸収率に調節した。45℃に保たれている製造したての10%血液寒天を
1ml量で試験板のウェルに加えて、試験化合物を10-5および10-6Mに希釈
した。板を37℃において上記の微好気性雰囲気下で48時間培養した。板の読
み取りを促進させるためおよび媒体上の成長が真にH.pyloriであることを確実
にするために、この種に対して特有の高能カウレアーゼ活性を利用する。48時
間の培養後に、1ml量のウレアーゼブロスを各レプリ・ディシュに静かに加え
、そして板を37℃において2時間培養した。各ウェルからの100μl試料を
次に96−位置微希釈板のウェル中にピペットで加えた。紫色が成長と解釈され
、黄橙色がH.pyloriの成長なしと解釈された。この意味により明確な最終点が
得られ、それから抑制効果を測定できた。2つの濃度試験のいずれかで活性を示
した全てのものを、MICを制定するために含まれるさらなる希釈を用いてそし
てさらに広範囲の目標有機体としてのバクテリア種を用いて再試験した。
表5は、1セットの本発明の化合物に関して5個のH.pylori菌株に対して測
定されたMIC値(μM)をまとめた。
D.組成物実施例
これらの実施例全体にわたり使用された「活性成分」(A.I.)は式(I)
の化合物、薬学的に許容可能な酸付加塩またはその立体化学的異性体形に関する
。実施例21:経口ドロップ
500グラムの活性成分を0.5リットルの2−ヒドロキシプロパン酸および
1.5リットルのポリエチレングリコールの中に60−80℃において溶解させ
た。30−40℃に冷却した後に、35リットルのポリエチレングリコールを加
え、そして混合物を良く混合した。次に1750グラムのナトリウムサッカリン
の2.5リットルの精製水中溶液を加え、そして撹拌しながら2.5リットルの
ココア香料および50リットル量にするのに充分なポリエチレングリコールを加
えて、10mg/mlの活性成分を含んでなる経口ドロップ溶液を与えた。生じ
た溶液を適当な容器中に充填した。実施例22 カプセル
20グラムの活性成分、6グラムのラウリル硫酸ナトリウム、56グラムの澱
粉、56グラムのラクトース、0.8グラムのコロイド状二酸化ケイ素、および
1.2グラムのステアリン酸マグネシウムを一緒に激しく撹拌した。生じた混合
物を次に1000個の適当な硬質ゼラチンカプセル中に充填し、各々が20mg
の活性成分を含んでなっていた。実施例23:フィルムーコーテイング錠剤 錠剤芯の製造
100グラムの活性成分、570グラムのラクトースおよび200グラムの澱
粉の混合物を良く混合し、そしてその後、5グラムのドデシル
硫酸ナトリウムおよび10グラムのポリビニルピロリドンの約200mlの水中
溶液で湿らせた。湿った粉末混合物をふるいにかけ、乾燥し、そして再びふるい
にかけた。次に100グラムの微結晶性セルロースおよび15グラムの水素化さ
れた植物油を加えた。全体を良く混合しそして錠剤に圧縮して10,000個の
錠剤を与え、各々が10mgの活性成分を含有していた。コーテイング
10グラムのメチルセルロースの75mlの変性エタノール中溶液に、5グラ
ムのエチルセルロースの150mlのジクロロメタン中溶液を加えた。次に75
mlのジクロロメタンおよび2.5mlの1,2,3−プロパントリオールを加
えた。10グラムのポリエチレングリコールを融解しそして75mlのジクロロ
メタン中に溶解させた。後者の溶液を前者に加え、そして次に2.5グラムのオ
クタデカン酸マグネシウム、5グラムのポリビニルピロリドンおよび30mlの
濃縮着色懸濁液を加え、そして全体を均質化した。コーテイング装置中で錠剤芯
をこのようにして得られた混合物でコーテイングした。実施例24:注射溶液
1.8グラムの4−ヒドロキシ安息香酸メチルおよび0.2グラムの4−ヒド
ロキシ安息香酸プロピルを約0.5リットルの注射用沸騰水の中に溶解させた。
約50℃に冷却した後に、撹拌しながら4グラムの乳酸、0.05グラムのプロ
ピレングリコールおよび4グラムの活性成分を加えた。溶液を室温に冷却しそし
て1リットルにするのに充分な注射用の水を補充して、4mg/mlの活性成分
を含んでなる溶液を与えた。溶液を濾過により殺菌しそして殺菌性容器中に充填
した。実施例25:坐薬
3グラムの活性成分を3グラムの2,3−ジヒドロキシブタンジオン酸の25
mlのプロピレングリコール400中溶液に溶解させた。12グラムの表面活性
剤および300グラムにするのに充分なトリグリセリドを一緒に融解させた。後
者の混合物を前者の溶液と良く混合した。このようにして得られた混合物を型中
に37−38℃の温度で注いで100個の坐薬を生成し、各々が30mg/ml
の活性成分を含有していた。実施例26:シクロデキストリン含有調合物
100mlのプロピレングリコールを3.76mlの濃HClで処理し、撹拌
しそしてわずかに加熱した。10gの活性成分を加えそして均質となるまで撹拌
を続けた。別の容器中で、400gのヒドロキシプロピル−β−シクロデキスト
リンを400mlの蒸留水中に溶解させた。活性成分の溶液を撹拌しながらシク
ロデキストリン溶液にゆっくり加えた。ソルビトール溶液(190ml)を加え
そして均質となるまで撹拌した。ナトリウムサッカリン(0.6g)を50ml
の蒸留水中に溶解させそして混合物に加えた。香料を加えそして混合物のpH(
約1.7)を10N NaOH溶液を用いてpH2.0±0.1に調節した。生
じた溶液を蒸留水で希釈して1リットルの最終量とした。前記溶液を濾過しそし
てそれを適当な容器中に、例えばスクリューキャップ付きの100mlガラス瓶
中に充填して、薬学的投与形を得た。
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,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AU,BB,BG,BR,CA,CZ,
FI,HU,JP,KP,KR,LK,LV,MG,M
N,MW,NO,NZ,PL,RO,RU,SD,SK
,UA,US
(72)発明者 ベルニエル, ダニエル・フランク・ジヤ
ン
フランス・エフ―76000ルーアン・ラーン
プコシヨワズ7
(72)発明者 オツズ, フランク・クリストフアー
ベルギー・ビー―2970シルデ・ローゼンラ
ーン52