JPH08502204A - 燃焼残留物質を処理しかつ燃焼煙霧を浄化するための方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 燃焼残留物質の処理と燃焼煙霧の浄化のための方法において、少ない水消費量と反応剤を用いて、残留物質を洗浄し、そのあとすすぎを行って、微量元素と全溶解分の両方に関して洗脱可能分を減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】 燃焼残留物質を処理しかつ燃焼煙霧を浄化するための方法 発明の分野 この発明は、固体及び／あるいは液体の燃料を焼き、及び／もしくは燃焼させ るための方法に関し、詳しくはこのような方法において燃えかすやフライアッシ ュの形で生じた固体残留物質の処理方法に関する。 例えば家庭のゴミを焼いたとき、家庭ゴミ1000kg（１メートルトン）あたり、 約250kgの燃えかすと、煙霧によって運ばれる25kgのフライアッシュが発生する 。他の燃焼プロセスにおいては、残留物質の量は使用される燃料に依存するし、 燃えかすとフライアッシュとの比率は燃焼のタイプに依存する。燃えかすは準ガ ラス化されるけれども、多かれ少なかれ溶解性化合物で覆われているということ が経験的にわかっている。溶解性化合物としては、例えば家庭のゴミを燃焼させ た場合に溶解する塩化物あるいはアルカリ物質がある。燃えかすピットの中での 燃えかすの消火は、単に燃えかすを冷却するためだけのものであって、これらを 洗浄する目的のものではない。多くの場合、結局のところ、これは燃えかすピッ トに水を加えることによって、蒸発と、燃えかすの残留水分を補うだけにすぎな い。非常にまれな場合ではあるが、燃えかすを洗浄するために大量の水を使用す ることもある。後者の場合は、再生利用のためには非常に品質がよい。さらに、 家庭用ゴミの焼却プラントの場合には、周知のプロセスを用いて、燃えかすから 金属スクラップを取り除き、高速道路の基礎や建築材料として再生利用できるよ うな粒子寸法にそれらを破砕／ふるい分けする。こうした再生利用をほんとうに 可能なものにするためには、水を加えたときに、溶解性化合物がほとんど出ない ことが必要である。従って、洗脱試験において良好な性能を示すことが必要とさ れる。通常の洗浄プロセスによってもこれは可能であろうが、その場合には非常 に大量の水を消費することになる。 また、フライアッシュにはしばしば、重金属も含めて容易に溶解する化合物が 高い割合（30％にも達する）で含まれている。従って、それを最終的にゴミ集積 場へ貯蔵されたり再生利用されたりする前に、処理する必要がある。そうした処 理については様々なプロセスが提案されてきている。例えば、ゴミ焼却プラント においては、電気式集塵装置が焼却炉や回収ボイラの下流に設けられることが多 く、フライアッシュが確実に捕捉されるようになっている。また、その後湿式浄 化により、特にＨＣｌやＨＦなどの酸性ガスを確実に掃気するようになっている 。酸性相における洗脱によってフライアッシュを処理するために、湿式浄化物か らの酸性除去を行うことが提案されている。この方法の欠点は、複雑な外部プラ ントの導入の他に、溶解している重金属や湿式浄化において掃気された微量元素 を多く含む液体を使用することである。従って、特に全ての溶解可能分に関して 、処理された残留物質について良好な洗脱特性を得ることは、大量の水を消費せ ずには不可能である。 このフライアッシュを循環式のスクラバ液の中に入れて、酸性ガスを確実に掃 気することも提案されている。この方法においては、複雑な外部プラントを導入 する必要はないが、スクラバ液の特性を考慮すると、この場合にも、特に全ての 溶解可能分に関して、処理された残留物質について良好な洗脱特性を得ることは 、大量の水を消費せずには不可能である。 発明の概要 この発明の目的は、従来の方法の欠点を克服し、賢明な方法として、少量の水 及び／もしくは反応剤しか使用しないようにすること、詳しくは、残留物質が煙 霧の湿式浄化装置を備えている燃焼プラントから生じたものである場合には、燃 焼煙霧の前述した湿式浄化装置の運転に必要な補給水を用いることにある。これ を行うために、処理しようとする残留物質を、撹拌されたタンク内の洗浄液と接 触させ、次に含有液の形で脱水装置側へ運ぶ。このように洗浄、濾過された残留 物質は、次に一つあるいは複数のすすぎ液を用いてすすがれる。この発明による 処理方法においては、 ａ）一つ（複数）のすすぎ液を、脱水装置で用いたあとに洗浄用タンク側へ送 り、 ｂ）洗浄された残留物質の脱水から生じる濾液を主として洗浄タンク側へ送り、 他の部分を、燃焼煙霧の湿式浄化装置側へ送って、該湿式浄化装置における補給 水を置換し、あるいは当該方法が燃焼煙霧の湿式浄化装置と一緒に用いない場合 には、特定の処理装置に送り、 ｃ）ｂ）による脱水から生じる濾液の分配を制御して、洗浄タンク内のレベルを 一定に維持し、 ｄ）すすぎ液の成分や量を、処理すべき残留物質の特性を関数として選択して、 残留物質の表面をすすぎ、特に処理すべき残留物質の表面上に付着している容易 に溶解しない化合物を一時的に溶解させて流す。 発明の詳細な説明 この発明の主題をなす方法を示す図１を参照した以下の詳しい説明により、こ の発明はより明かとなろう。 処理すべき残留物質（１）を洗浄用タンク（２）へ導入する。洗浄用タンク（ ２）は撹拌装置（３）を備えており、洗浄液を収容している。洗浄液のレベルは レベル測定装置（１１）によって測定される。洗浄液に接触させられた後、洗浄 された残留物質はポンプ（５）によって洗浄用タンクから取り出される。ポンプ （５）は、一定流量の懸濁液（４）（液体＋洗浄された残留物質）を脱水装置へ 運ぶ。この懸濁液は脱水装置（６）の第１の部分で脱水される。その結果得られ た濾液（７）は、洗浄用タンク（２）の方へ送られるメインフロー（８）と、補 助フロー（９）とに分けられる。この配分は、レギュレータ（１０）によって行 われる。レギュレータ（１０）はレベル測定装置（１１）の信号によって制御さ れ、洗浄用タンク（２）内のレベルが一定に維持されるようになっている。補助 フロー（９）は煙霧の湿式浄化装置（図１には図示されていない）に送られ、前 述した煙霧浄化装置内の補給水のすべて、あるいは一部に置き換えられる。この 方法が湿式浄化装置と一緒に用いられないときには、補助フロー（９）は特別の 処理装置へ送られる。レギュレータ（１０）は制御バルブや、オーバーフロー装 置あるいは他の適当な装置を用いることができる。 脱水装置（６）の上記第１の部分における脱水のあとに、残留物質は一つある いは複数の別々の領域において、一つあるいは複数のすすぎ液（１２）を用いて すすぎが行われる。濾液（１３）はすべて洗浄用タンク（２）の中に運ばれる。 次に、処理された残留物質（１４）が脱水装置（６）から取り出される。 脱水装置（６）として好ましいのは、真空濾過器を備えたドラムフィルタであ る。なぜなら、これは様々な異なる脱水及びすすぎ領域を容易に定めることが可 能だからである。しかし、例えばプレスベルト式フィルタなどの他の装置を用い ることもできる。 驚くべきことに、この洗浄方法を溶解塩を含んだ液体で行うことが、一般に微 量元素を溶解するのに好ましい。しかし、濃度の高い溶液でこの洗浄を行った場 合に限っては、間隙水が残り、溶解可能分がかなり大きくなる。この発明におい ては、低流量の補給水を用いたすすぎによって、この欠点を取り除いている。 しかし、水を用いたこうしたすすぎは、それを少量の水で行なう場合、溶解が 容易でなく、また処理しようとする残留物質の表面上に付着し、さらには微量元 素よりもずっと大量に存在している化合物を溶かし流すには不十分である。これ は、例えば燃焼においてフライアッシュの表面硫化によって形成される硫酸カル シウムの場合がそうである。硫酸カルシウムは、およそ２ｇ／１の平均溶解度を 有する化合物であり、残留物質の溶解可能分を低く維持するためには、しばしば 取り除く必要がある。この発明の特徴の一つによれば、この溶解度は、例えば第 ２のすすぎ作業において塩酸からなる添加物（１５）を加えることによって一時 的に増大する。塩酸は硫酸カルシウムを、Ｃａ⁺⁺及びＳＯ４^--イオンの形（硫酸 カルシウムの溶解積によって制限される）だけでなく、Ｃａ⁺⁺及びＨＳＯ４^-の 形（ｐＨが低いほど割合が大きい）でも溶解させる。これは、処理すべき残留物 質の基本的なポテンシャルを中和するために非常に大量の酸を加えずには、従来 の洗浄では不可能である。この発明においては、この酸性すすぎ作業は、それ自 身が薄い層上に形成された脱水装置において薄層で実施される。こうした装置に よれば、少量の水消費と少量の酸消費で、表面の硫酸カルシウムを一時的に溶解 できるようになる。処理すべき残留物質の表面特性に応じて、他の添加物（１５ ）を第２のすすぎ作業の水に加える。こうして、前述したすすぎ液で洗浄された 残留物質の表面上に存在するいくつかの化合物は、溶解した元素の形に変換され るか、あるいは微細粒子の吸着集塵によって前記すすぎ液の中に懸濁した状態に 変換される。例えば上述した硫酸カルシウムの場合には、すすぎ液の中に微細な 炭酸カルシウムの粉末を注入することが、この発明においては可能であり有用で ある。炭酸カルシウムの微細粉末はゆっくりと溶けて、溶解した硫酸カルシウム を沈殿させることができる。図２は別の形式でプロセスを実現する装置を示して いる。この装置は、燃焼煙霧の湿式浄化装置と一緒になったた装置である。燃 えかす（２２）が回収される燃焼装置（炉及びボイラ）（２１）自身の下流には 、静電式集塵装置（２３）が設けられることがしばしばであり、フライアッシュ （２４）が、煙霧の湿式浄化装置（２５）以前に確実に捕捉されるようになって いる。湿式浄化装置（２５）の流出処理部は捕捉された混合物を、一方では固体 の残留物質（２７）（一般にフィルタケーキと呼ばれる）の形で、また他方では 中性塩（塩化カルシウム、塩化ナトリウムなど）を含んだ透明な水（２８）の形 で供給する。ある場合には、この透明な水の蒸発（２９）が行われて、例えば化 学工業において再利用が可能な塩（３０）と湿式浄化装置の補給水として再利用 が可能な水（３１）が生成される。この発明においては、燃えかす（２２）（図 示しない機械的な処理装置を任意に経た後のもの）あるいはフライアッシュ（２ ４）は洗浄用タンク（２）に運ばれ、図１に示したこの発明の処理を受ける。補 給水（任意の蒸発装置（２９）から生じる水（３１）を含む）の一部、あるいは すべてをまず、すすぎ液（１２）として使用する。また、補助フロー（９）は補 給水として湿式浄化装置（２５）に運ばれる。湿式浄化装置（２５）の設計は、 溶解した形及び粒子状の形の混合物を含んでいる水を用いる従来のやり方に準じ て適合される。 理解をより容易にするため、この発明によるフライアッシュ（２４）の処理の みを図２に示す。同様な図式が図示しない燃えかす（２２）の処理にも適用され 、この処理には従来のやり方に従った機械的な処理を要することもある。 さらに、上記の説明は単に例示のためのものであり、発明の範囲をいかように も限定するものではなく、上述した実施例の詳細を他の任意の等価物と置き換え ても発明の範囲から逸脱するものではないことを理解すべきである。当業者にと って自明である限り、こうした変更や変形、配置替えはこの発明に属すると考え られるからである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．撹拌された洗浄タンク内の水性液体で洗浄する段階と、脱水装置を用いて脱 水する段階と、前記脱水装置の中で一回あるいは数回のすすぎ作業を行う段階と を有する、燃焼残留物質を処理しかつ燃焼煙を浄化するための方法であって、 ａ）一つ（複数）のすすぎ液を、脱水装置で用いたあとに洗浄用タンク側へ送 り、 ｂ）洗浄された残留物質の脱水から生じる濾液を主として洗浄タンク側へ送り、 他の部分を、燃焼煙霧の湿式浄化装置側へ送って、該湿式浄化装置における補給 水を置換し、あるいは当該方法が燃焼煙霧の湿式浄化装置と一緒に用いない場合 には、特定の処理装置に送り、 ｃ）ｂ）による脱水から生じる濾液の分配を制御して、洗浄タンク内のレベルを 一定に維持し、 ｄ）すすぎ液の成分や量を、処理すべき残留物質の特性を関数として選択して、 残留物質の表面をすすぎ、特に処理すべき残留物質の表面上に付着している容易 に溶解しない化合物を一時的に溶解させて流す、 方法。 ２．塩酸を第２のすすぎ作業時に加えて、３回の連続したすすぎ作業を行なう請 求項１の方法。 ３．脱水装置においてすすぎ液を使用する直前に、前記すすぎ液へ、細かく分か れた固体が添加される請求項１もしくは請求項２の方法。