JPH084966Y2 - 油圧固定フランジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ロータリーナイフ、砥石、歯車、カッター
などの円板状の物体を軸に取付ける場合、あるいはエン
ドミル、ドリル、治具、位置決め装置等の軸状の物を取
付穴に固定する場合に用いる油圧固定フランジに関す
る。

〔従来の技術〕

従来、この種の油圧固定フランジとしては、第２図に
示すように、フランジ本体１の一端外周部にボルト２に
よってリング状のロータリーナイフ３を取付け、上記フ
ランジ本体１の内部に環状の油圧室４を形成し、かつ、
この油圧室４に連通するピストン室５内に、Ｏリング６
を有するピストン７を、上記フランジ本体１の半径方向
に移動自在に装着すると共に、上記フランジ本体１にボ
ルト８によって固定された中空状のフタ９の中央部に、
止めネジ10を螺着したものが知られている。そして、上
記従来の油圧固定フランジにおいては、上記止めネジ10
をねじ込むことにより、ピストン７を油圧室４側に押圧
して、油圧室４内の圧油の圧力を高め、フランジ本体10
の内径を縮小して、クランプに必要な所定の締付力を得
るようにしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、上記従来の油圧固定フランジにあっては、
使用温度が変化すると、油圧室４内の圧油の熱膨張係数
が大きいため、クランプ力が低下したり、内圧が必要以
上に高くなったりするが、この場合に、これらの状態を
容易に発見できないという問題がある。

そこで、本考案者等は、上記問題を解消する油圧固定
フランジとして第３図に示すものを提案した（特願昭63
-277001号参照）。この油圧固定フランジは、油圧室４
に、この油圧室４と外部とを連通する油圧供給孔11が設
けられ、油圧室４と油圧供給孔11との間に、外部から油
圧室４への圧油の供給を可能にする弁機構12が設けら
れ、かつ油圧室４に連通するピストン室13の外方側開口
部に固定ボルト14によりカバー15が取付けられると共
に、ピストン室13の内部にピストン16が摺動自在に設け
られる一方、このピストン16を油圧室４側に付勢するス
プリング17がピストン16とカバー15との間に設けられ、
また、上記カバー15とスプリング17の内部を貫通した状
態で、プリロード設定ボルト18が上記ピストン16にねじ
込まれ、さらに、上記ピストン16にＯリング19が装着さ
れたものである。そして、この油圧固定フランジにあっ
ては、上記弁機構12によって、油圧室４内への外部から
の圧油の供給及び外部への圧油の排出を容易に行うこと
ができると共に、上記プリロード設定ボルト18の頭部
が、カバー15の装着凹所20から外部に出没する状態によ
って油圧室４内の圧力状態を知ることができる。

しかしながら、上記従来の油圧固定フランジにおいて
は、油圧固定フランジの回転中には油圧室４内の状態を
判別することができないと共に、Ｏリング19等の摩擦な
どの問題があり、ピストン16が円滑に移動せず、検出精
度が悪いという問題がある。

本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、回転中も外部から判読が可能な上
に、検出精度が高く、確実に油圧室内の圧力を検出する
ことができる油圧固定フランジを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案の油圧固定フラン
ジは、油圧室内の圧力を検出する圧力検出部と、この圧
力検出部の信号に基づいて上記油圧室内の状態を表示す
る表示部とを、フランジ本体に内蔵して一体に具備した
ものである。

〔作用〕

本考案の油圧固定フランジにあっては、圧力検出部に
よって、フランジ本体の内部の油圧室の圧力を検出し、
この検出信号に基づいて表示部によって油圧室内の状態
を表示する。

〔実施例〕

以下、第１図に基づいて本考案の一実施例を説明す
る。なお、本実施例において第２図に示す上記従来例と
同様な構成の部分については同符号を付けて説明を省略
する。

第１図中符号30は油圧室４に連通する圧力検出室であ
り、この圧力検出室30内にはセンサ本体31が装着され
て、取付ボルト32によってフランジ本体１に固定されて
いる。そして、センサ本体31の凹部33には、圧力検出部
34と、回路基板35と、電池36とが配置されており、これ
らの圧力検出部34及び電池36と回路基板35との間は電気
的に接続されている。また、上記センサ本体31にはカバ
ー37が装着されており、このカバー37には表示部38が取
付けられている。そして、この表示部38は回路基板35に
電気的に接続されている。

上記圧力検出部35としては、圧力スイッチあるいは歪
ゲージが用いられ、表示部38としては、発光ダイオード
（圧力スイッチの場合）、あるいは液晶（歪ゲージの場
合）が用いられる。すなわち、例えば発光ダイオードを
１個取付ける場合には、油圧室４において必要な圧力が
得られているか否かを表示し、２個の場合には、必要圧
力か否か、過大圧力か否かをそれぞれ表示し、３個の場
合には、必要圧力より低い圧力，必要圧力，過大圧力の
３種類の圧力を表示するようにする。また、液晶と歪ゲ
ージとを組み合わせた場合には、直接、内部圧力を表示
することが可能となる。

上記のように構成された油圧固定フランジにあって
は、回転中、停止中にかかわらず、油圧室４内の圧力
は、油圧室４に連通する油圧検出室30内に設けられた圧
力検出部34によって検出され、この検出信号が回路基板
35に送られて表示部38に表示される。従って、外部から
容易に油圧室４内の圧力を読み取ることができ、この結
果に基づいて油圧室４内の圧力を適正に保持することが
できる。これにより、温度変化などにより油圧室４内の
圧力が変化した場合に円滑に対応でき、安全面におい
て、大幅な改善が図れる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案の油圧固定フランジは、
油圧室内の圧力を検出する圧力検出部と、この圧力検出
部の信号に基づいて上記油圧室内の状態を表示する表示
部とをフランジ本体に内蔵して一体に備えたものである
から、圧力検出部によって油圧室内の圧力を検出し、こ
の検出信号に基づいて表示部によって油圧室内の状態を
表示することにより、回転中も外部から油圧室の圧力を
確実に判読することができ、検出精度が高い上に、油圧
室の圧力が変化した場合に、迅速かつ円滑に対応でき
て、安全性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２図は従来
の油圧固定フランジの一例を示す断面図、第３図は従来
の油圧固定フランジの他の一例を示す断面図である。 １……フランジ本体、４……油圧室、34……圧力検出
部、38……表示部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フランジ本体の内部に油圧室を設け、この
   油圧室内の油圧を用いてフランジ本体の内径を拡大、縮
   小させて着脱する油圧固定フランジにおいて、 上記油圧室内の圧力を検出する圧力検出部と、この圧力
   検出部の信号に基づいて上記油圧室内の状態を表示する
   表示部とを、上記フランジ本体に内蔵して一体に具備し
   たことを特徴とする油圧固定フランジ。