JPH0849255A - 建設機械のセンタージョイント装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 建設機械のセンタージョイントの外周面を伝
わって走行フレーム上の内部へ汚水や埃等が侵入するこ
とを容易に、かつ、確実に防止する。 【構成】 旋回体側フレーム４上にはリング９が固定さ
れており、リング９の外周縁部にはカバー１２がはめ込
まれている。カバー１２の内周部の断面形状は上向きに
屈曲する舌状形に形成されており、その舌状形部の先端
部が上側センタージョイントの外周面に密着している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、走行体上に旋回体を
旋回自在に装架した油圧ショベル等の建設機械における
センタージョイント装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】つぎに、従来のセンタージョイント装置
を図４ないし図６を参照して説明する。

【０００３】走行体側フレーム１には下側センタージョ
イント２Ａがボルト３により固定されており、旋回体側
フレーム４には下側センタージョイント２Ａに対して相
対的に回転し得る上側センタージョイント２Ｂが設けら
れている。上側センタージョイント２Ｂには回り止めレ
バー５がボルト６により取り付けられており、旋回体側
フレーム４には回り止めレバー５を制止するストッパ７
が固定されている。旋回体側フレーム４と走行体側フレ
ーム１との間の部分には、旋回体の旋回を行う旋回ピニ
オンがおさめられ、グリースが充填されている。

【０００４】上側センタージョイント２Ｂのまわりの旋
回体側フレーム４上には、水平部と斜め内側下方に傾斜
した傾斜部とから成るリング９が通常溶接により固定さ
れている。リング９の外周縁部には、ゴム等の軟質材か
ら成るカバー１０がはめ込まれており、カバー１０の内
周側のボス部の内面は上側センタージョイント２の外周
面に密着している。

【０００５】センタージョイント２Ｂ、２Ａの外周面を
水や埃が伝わると、それらが走行体側フレーム１上にた
まり、水はグリースの乳化を、埃はグリースの劣化を起
し、歯車に悪影響を与える。前述したカバー１０はその
ようなことを除くためのものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、カバー１０の
リング９へのはめ込み時に寸法差から、あるいは旋回体
側フレーム４とカバー１０とを密着変形させることか
ら、さらには長時間の使用によるへたりから、カバー１
０のボス部およびそのまわりの部分が図６に示すように
変形してくぼみ１１が生じ、そのくぼみ１１に汚水がた
まり、それが上側センタージョイント２Ｂを伝わって、
前述のような不都合を生じる問題がある。

【０００７】この発明は、このような難点を除くための
もので、センタージョイントの外周面を伝わって水や埃
が内部に侵入することを容易に、かつ、確実に防止する
ことができるセンタージョイント装置を提供することを
目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上側センタージョイント
の外周面に密着させるカバーの内周部の断面形状を、上
向きに屈曲する舌状形に形成する。さらに、カバーの舌
状形部の上方近傍における上側センタージョイントの外
周に舌状形部を覆う大径部を設ける。

【０００９】

【作用】カバーとリングとの寸法差や長期使用によるへ
たり等によってカバーが変形しても、汚水がたまった
り、内部に侵入したすることがなくなる。

【００１０】

【実施例】この発明の実施例を図１ないし図３により説
明する。それらの図において、図４および図５と同じ符
号は同じ部材を示す。

【００１１】図１は第一実施例であり、カバー１２の内
周部の断面形状は、上向きに屈曲する舌状形１２ａに形
成されており、その舌状形部の先端部が上側センタージ
ョイント２Ｂの外周面に密着している。すなわち、カバ
ー１２の内周部は全体が傘状になっている。カバー１２
が変形しても、良好な防水、防塵効果が得られる。

【００１２】図２は第二実施例であり、カバー１２の舌
状形部１２ａの上方近傍における上側センタージョイン
ト２Ｂの外周には、舌状形部１２ａを覆う大径部Ｌが設
けられている。舌状形部１２ａの先端部は上側センター
ジョイント２Ｂの小径部Ｓに密着している。大径部Ｌと
小計部Ｓの直径差ｘは大きいほど、また、舌状径部１２
ａの先端と大径部Ｌの下面との距離ｙは小さいほど、防
水、防塵効果が良くなる。

【００１３】図３は第三実施例であり、上側センタージ
ョイント２Ｂの大径部Ｌの下面が外側に向って下がり勾
配に形成されている。第二実施例にくらべて一層防水、
防塵効果が高まる。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、センタージョイントの外周面を伝わって、汚水、埃
等が走行体側フレーム上に侵入することを、容易に、か
つ、確実に防止するとができ、したがって、内部のグリ
ースの劣化や旋回輪その他の部分に対する悪影響をなく
すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第一実施例を示す断面側面図、

【図２】この発明の第二実施例を示す断面側面図、

【図３】この発明の第三実施例を示す断面側面図、

【図４】従来の油圧ショベルにおけるセンタージョイン
ト装置部分を示す断面側面図、

【図５】図４のＡ部の拡大図、

【図６】図５のカバーの変形状態を示す断面側面図であ
る。

【符号の説明】

１ 走行体側フレーム ２Ａ 下側センタージョイント ２Ｂ 上側センタージョイント Ｌ 大径部 ４ 旋回体側フレーム ５ 回り止めレバー ６ ボルト ７ ストッパ １２ カバー １２ａ 舌状形部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行体側フレームに固定された下側セン
   タージョイントと、旋回体側フレームに取付けられ、下
   側センタージョイントに対して相対的に回転し得る上側
   センタージョイントとをそなえ、旋回体側フレーム上に
   固定されたリングにカバーを支持させ、そのカバーの内
   周面を上側センタージョイントの外周面に密着させる建
   設機械のセンタージョイント装置において、前記カバー
   の断面形状を、上向きに屈曲する舌状形に形成したこと
   を特徴とするセンタージョイント装置。
2. 【請求項２】 カバーの舌状形部の上方近傍における上
   側センタージョイントの外周に、舌状形部を覆う大径部
   を設けたことを特徴とするセンタージョイント装置。
3. 【請求項３】 上側センタージョイントに設けた大径部
   の下面を下がり勾配面に形成したことを特徴とする請求
   項２記載のセンタージョイント装置。