JPH084899Y2 - 調理釜 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、家庭等で使用する調理釜に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来、家庭で煮炒きや炒め物等をする場合それぞれ専
用の鍋や釜を使用している。そして、炒め物等をする場
合には、中華鍋等を使用して手作業によって行っている
のが現状である。

〔本考案が解決しようとする課題〕

したがって、煮炒きや炒め物等をするために数種類の
鍋や釜を用意しなければならないという煩わしさがあ
り、又、炒め物等は手作業によって行わなければならな
いため、一度に大量の炒め物をすることが困難であり、
しかも、周囲に油等が飛散するため、ガス台周囲が汚れ
易く、そのため、鍋物やプレートを使用した鉄板焼き等
のように食卓で使用することができない。さらには、熱
が逃げ易いため熱効率が悪く、かつ、該放射熱が作業者
に当る等の問題がある。

尚、業務用として回転させながら炒め物をする炒め機
（例えば、実公昭52-93091号公報等）がある。この業務
用の炒め機には、スクレーパが取付けられている。該ス
クレーパは炒め容器内において、該炒め容器と同軸で回
転可能に枢着され、その一側面は炒め容器の内壁面に対
接し、該炒め容器と共に回転させたり、或は単独で回転
させたりして炒め容器の内壁面に付着した炒め物を掻き
落したりして撹拌能率を向上させるためのものである。

しかしながら、前記スクレーパは取外しができないも
のであるため、炒め物以外には使用することができない
ものであり、又、一般の家庭では使用することができな
いものである。

そこで本考案は、前記従来の問題点を解消するために
なされたものであって、１つの調理釜で煮炊きや炒め物
をすることができ、しかも、大量の炒め物であっても簡
単に調理することができ、かつ、熱効率の良い調理釜を
提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

そのため本考案では該調理釜を、内釜と外釜とで釜本
体を構成し、内釜を外釜の底部中央部に設けた回転機構
に回転可能及び着脱可能に取付け、かつ、内釜と外釜に
間に内釜を加熱するヒーターを内装した調理釜に於て、
外釜の両側に設けたトラニオンシャフトによりベースパ
ネルに立設されたトラニオンカバーに回動自在に枢着さ
せ、外釜の下面中央に駆動モータを設け、外釜の重量バ
ランスとして外釜を傾斜自在となし、該駆動モータに外
釜の底部中央を貫通する回転軸を取付け、該回転軸の先
端に駆動側カップリングを固定して内側の回転機構を形
成し、内釜の下面中央に前記駆動側カップリングに着脱
可能な釜側カップリングを設けると共に、内釜の内側面
に撹拌用のスクレーパを着脱可能に取付けた構造とする
ことにより、所期の目的を達成するようにしたものであ
る。

〔作用〕

前記のように構成された調理釜によれば、内釜を回転
させることによって該内釜に入れた材料を撹拌しながら
炒めるので、手作業を省くことができる。又、ヒーター
から発した熱は外釜によって放熱が阻止され、しかも、
外釜に当った反射熱によっても内釜を熱することができ
るため、熱効率も向上する。

さらには、撹拌用のスクレーパを着脱可能に取付けた
ことによって、炒め物だけではなく、該スクレーパを取
外すことによって煮炊きにも利用できる。

〔実施例〕

以下、本考案を図示せる実施例に随って説明する。

１は調理釜であって、該調理釜１の釜本体は内釜２と
外釜３とから構成されている。外釜３は該外釜３の内側
面を構成する内板3aと外側面を形成する外板3bとで二重
構造になされ、底部に駆動モータ４を内装するモータ収
納部５が形成されている。モータ収納部５に収納された
駆動モータ４はモータ収納部５の上方に設けられたモー
タ取付板６の下面中央にモータ取付金具７を介して固定
されている。基端を駆動モータ４に固定された回転軸８
の先端は、内板3aの底部を貫通して内釜２下面に位置
し、該先端には駆動側カップリング９が固定されて内釜
２の回転機構が形成されている。一方内釜２の前記駆動
側カップリング９と対応する下面中央には釜側カップリ
ング10が固定され、前記駆動側カップリング９に着脱可
能に嵌合するようになされている。

外釜３の内板3aは断熱材によって形成され、その上端
には、内釜２を安定して回転させることができるように
ガイドローラ11が取付けられている。又、該内板3aの底
部から下部外周に亘って反射板12が取付けられていると
共に、該反射板12と内釜２の間には該内釜２を加熱する
熱源となる２つのヒーター13a,13bが介装され、該ヒー
ター13a,13bの一端は外釜３の内板3aを貫通し、碍子14
を介して前記モータ取付板６にそれぞれ取付けられてい
る。

前記外釜３の外板3bの180度位相異にする位置には、
一対のトラニオンシャフト15a,15bが取付けられ、ベー
スパネル16に立設されたトラニオンカバー17a,17bに回
動自在に枢着されている。前記一対のトラニオンシャフ
ト15a,15bのうち、一方のトラニオンシャフト15aにはト
ラニオンギヤ18が取付けられ、該トラニオンギヤ18は一
方のトラニオンカバー17a内に設けられたウオームギヤ1
9に噛合されている。該ウオームギヤ19のシャフト20は
トラニオンカバー17aを貫通し、その先端には角度調整
ツマミ21が取付けられ、該角度調整ツマミ21を操作する
ことによって前記ウオームギヤ19及びトラニオンギヤ18
等を介して外釜３を適宜回動させ、調理するものに応じ
て所定の角度傾斜させて調理することができるようにな
されている。

尚、調理釜１を傾斜させて調理しても、前記トラニオ
ンギヤ18とウオームギヤ19とが常時噛合しているため、
角度調整ツマミ21を操作しない限り該調理釜１は回動し
たりすることがない。

22は炒め物等をする際内釜２内に入れた材料を撹拌す
るためのスクレーパであって、前記内釜１の内側面一側
に着脱可能に取付けられ、該スクレーパ22を取外すこと
によって煮炊きができるようになされている。

図中付号23a,23bは前記ヒーター13a,13bにそれぞれ別
々に通電するスイッチ、24は駆動モータ４の電源スイッ
チであって、それら各スイッチ23a,23b,24は前記他方の
トラニオンカバー17bに取付けられている。

前記トラニオンカバー17a,17b側面の前記トラニオン
シャフト15a,15bを中心とした円周上に窓開口部25がそ
の全周の略1/4に亘って扇上に形成され、その上方の開
口端縁にはストッパー26が固着されている。又、前記ト
ラニオンシャフト15a,15bの先端にはドライブパネル27
がそれぞれ取付けられ、該ドライブパネル27には前記ト
ラニオンカバー17a,17bに形成された窓開口部25に対応
する切欠き28が形成され、切欠端縁は前記ストッパー26
に当接するようになされている。

又、前記トラニオンカバー17a,17b内には、前記ドラ
イブパネル27の裏側であって、かつ、前記窓開口部25に
位置する部位には傾斜目盛表示板29が取付けられ、該傾
斜目盛表示板29には傾斜角度を示す目盛罫書線30が印さ
れ、該目盛罫書線30上の適宜位置には、調理する種類及
び量に応じて調理釜１を傾斜させる目安となる調理表示
31が書かれている。

調理釜１を所定の角度で傾斜させるには、ドライブパ
ネル27の切欠き28の下縁側の切欠端を前記目盛罫書線30
に合わせるだけでよい。

調理釜１を直立させたときには、前記傾斜目盛表示板
29はドライブパネル27によって隠される。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、内釜と外釜とで釜
本体を構成し、内釜を外釜の底部中央部に設けた回転機
構に回転可能及び着脱可能に取付け、かつ、内釜と外釜
に間に内釜を加熱するヒーターを内装した調理釜に於
て、外釜の両側に設けたトラニオンシャフトによりベー
スパネルに立設されたトラニオンカバーに回動自在に枢
着させ、外釜の下面中央に駆動モータを設け、外釜の重
量バランスとして外釜を傾斜自在となし、該駆動モータ
に外釜の底部中央を貫通する回転軸を取付け、該回転軸
の先端に駆動側カップリングを固定して内側の回転機構
を形成し、内釜の下面中央に前記駆動側カップリングに
着脱可能な釜側カップリングを設けると共に、内釜の内
側面に撹拌用のスクレーパを着脱可能に取付けたので、
該調理釜１つで炒め物や煮炊きをすることができるだけ
ではなく、炒め物をするときには内釜を回転させながら
炒めるようにしたので、比較的大量の炒め物であっても
容易に炒めることができる。

又、本考案によれば、炒め物等をする際、油等が飛散
することがないので、調理場の油汚れを防止することが
できる。したがって、食卓でも炒め物をすることができ
る。

又、本考案によれば、ヒーターから発した熱は外釜に
よって放熱が阻止されるため、熱効率を向上させること
ができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による調理釜の正面縦断面図、第２図は
同上の側面図、第３図は調理釜を倒した時の状態を示す
側面図である。 １は調理釜、２は内釜、３は外釜、４は駆動モータ、８
は回転軸、９は駆動側カップリング、10は釜側カップリ
ング、13a,13bはヒーター、22はスクレーパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内釜と外釜とで釜本体を構成し、内釜を外
   釜の底部中央部に設けた回転機構に回転可能及び着脱可
   能に取付け、かつ、内釜と外釜に間に内釜を加熱するヒ
   ーターを内装した調理釜に於て、外釜の両側に設けたト
   ラニオンシャフトによりベースパネルに立設されたトラ
   ニオンカバーに回動自在に枢着させ、外釜の下面中央に
   駆動モータを設け、外釜の重量バランスとして外釜を傾
   斜自在となし、該駆動モータに外釜の底部中央を貫通す
   る回転軸を取付け、該回転軸の先端に駆動側カップリン
   グを固定して内側の回転機構を形成し、内釜の下面中央
   に前記駆動側カップリングに着脱可能な釜側カップリン
   グを設けると共に、内釜の内側面に撹拌用のスクレーパ
   を着脱可能に取付けたことを特徴とする調理釜。