JPH084824B2 - 多段圧延機による圧延材形状制御方法 - Google Patents

多段圧延機による圧延材形状制御方法

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JPH084824B2
JPH084824B2 JP1300860A JP30086089A JPH084824B2 JP H084824 B2 JPH084824 B2 JP H084824B2 JP 1300860 A JP1300860 A JP 1300860A JP 30086089 A JP30086089 A JP 30086089A JP H084824 B2 JPH084824 B2 JP H084824B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば12段あるいは20段圧延機等による薄
板圧延において自動板厚制御および自動板形状制御を行
なうための多段圧延機による圧延材形状制御方法に関す
るものである。
[従来の技術] 近年、銅合金等の薄板圧延においては、製品の板厚精
度に対する要求を満たすために、多段圧延機において自
動板厚制御が行なわれるだけでなく、その板形状につい
ても高い精度が要求されるようになり、自動形状制御方
法が開発されている。
例えば、板厚をロール圧下位置で、また、形状をバッ
クアップロールの押し込み量やテーパロールのシフト量
で制御する圧延機においては、従来、板形状検出器から
の信号に基づき板幅方向における板形状(圧延材の圧延
方向の伸び)を4次式で近似しその各項の係数を対象成
分と非対象成分とに分けて形状同定し、板形状制御用ア
クチュエータを操作することにより板形状制御が行なわ
れるほか(特開昭54−151066号公報,特開昭55−19401
号公報,特開昭55−42144号公報)、該板形状制御用ア
クチュエータ操作量の変更による板厚変化を予測して、
所定の計算式によりロール圧下位置を修正することによ
り板厚変化を防止するようにすることも行なわれている
(特開昭60−3908号公報,特開昭60−3909号公報)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、多段圧延機では、ワークロールが小径
であるため、板形状としては、耳波,中伸びをはじめと
して複雑な複合伸びが生じる。従って、多段圧延機にお
いて、圧延材の形状同定を前述のような4次式で近似し
て行ない制御するのでは、十分良好な形状制御を行なえ
ない。
また、板形状制御用アクチュエータを操作した場合
に、板厚変化を予測してロール圧下位置を変更しても、
ロール圧下位置変化に伴い形状もまた変化するという悪
循環を生じてしまい精度の高い制御を行なえないという
課題もある。
さらに、圧延初期等の形状不良状態のはなはだしいと
きには、形状制御装置から出力される形状制御用アクチ
ュエータへの信号レベルが大きくなり、応答特性による
制約から目標信号に追従できないアクチュエータもでて
くる。この結果、形状の改善速度が遅くなるという課題
もある。
本発明は、上述のような課題の解決をはかろうとする
もので、精度の高い形状制御を確実に且つ応答性よく行
なえるようにした多段圧延機による圧延材形状制御方法
を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明の
多段圧延機による圧延材形状制御方法は、圧延材の圧延
方向の伸びを出側板形状として検出する板形状検出器
と、上記圧延材の入側板厚および出側板厚を検出する板
厚検出器と、上記圧延材の板形状を制御する板形状制御
用アクチュエータと、上記圧延材の板厚を制御する板厚
制御用アクチュエータとをそなえるとともに、上記板形
状検出器による検出結果および予め設定された目標板形
状に基づき上記板形状制御用アクチュエータへ補正する
ための操作量を演算および出力して制御する板形状制御
装置と、上記板厚検出器による検出結果および予め設定
された目標出側板厚に基づき上記板厚制御用アクチュエ
ータへ補正するための操作量を演算および出力して制御
する板厚制御装置とをそなえ、これらの制御装置によ
り、上記板形状制御用アクチュエータの操作量変更によ
って生じる板厚変化を考慮して上記板厚制御装置からの
操作量を補正しながら、上記圧延材の板形状および板厚
を制御するものであって、 〔上記板形状制御装置では、上記板形状検出器により
検出された多段圧延機出側の板形状と予め設定された目
標板形状との差に基づき現在並びに過去の誤差形状の重
み付け合計値で求められる誤差形状〕、および、〔上記
各アクチュエータの操作量変更に対する板厚変化量と、
予め設定された上記の各アクチュエータの操作量変更時
の目標板厚変化量との差〕を用いて、上記圧延材の出側
板形状および板厚を評価する総合評価関数を予め定義・
設定し、 上記圧延材の板形状制御中には、上記板形状検出器に
より上記圧延材の板形状を常時検出し、 上記板形状検出器からの検出結果に基づいて、上記総
合評価関数の値を最小にする上記の各アクチュエータの
操作量を演算し、 上記板形状制御用アクチュエータを、上記板形状制御
装置により演算された操作量に基づいて制御し、上記板
厚制御用アクチュエータを、上記板厚制御装置からの操
作量と上記板形状制御装置からの操作量とを加算したも
のに基づいて制御することを特徴としている。
また、請求項3記載の本発明の多段圧延機による圧延
材形状制御方法は、前記請求項1の項目において、上
記板形状検出器からの検出結果と、上記の各アクチュエ
ータの現在位置および移動速度上限から決まる上記の各
アクチュエータの移動限界とに基づいて、上記総合評価
関数の値を最小にする上記の板形状制御用アクチュエー
タおよび板厚制御用アクチュエータの操作量を演算する
ことを特徴としている。
さらに、請求項2,4の本発明の多段圧延機による圧延
材形状制御方法は、それぞれ前記請求項1,3の項目に
おいて、〔上記板形状制御装置では、上記板形状検出器
により検出された多段圧延機出側の板形状と予め設定さ
れた目標板形状との差に基づき現在並びに過去の誤差形
状の重み付け合計値で求められる誤差形状〕が、現時点
の誤差形状と、現時点と現時点よりも1時点前の誤差形
状との差との重み付き合計値として求められることを特
徴としている。
[作用] 上述した請求項1の多段圧延機による圧延材形状制御
方法では、板形状検出器により板幅方向の出側板形状が
検出され、この出側板形状と板厚とが、総合評価関数を
用いて総合的に評価される。つまり、この総合評価関数
の値が最小となる板形状制御用アクチュエータおよび板
厚制御用アクチュエータの操作量を常時求め、得られた
操作量に基づいて、各アクチュエータが、圧延材の板形
状を制御するために同時に制御される。従って、従来の
ように圧延材の形状同定をする必要がなくなるほか、板
形状制御用アクチュエータを操作した場合に板厚変化を
予測して行なったロール圧下位置変更が、さらなる形状
変化を招くといった悪循環を発生しない。
また、請求項3の多段圧延機による圧延材形状制御方
法では、アクチュエータの操作量演算に際して、各アク
チュエータの現在位置および移動速度上限から決まる各
アクチュエータの移動限界をも考慮にいれているので、
応答特性による制約から目標信号に追従できないアクチ
ュエータがでてくるのを防止できる。
さらに、上述した請求項1,3の方法において、多段圧
延機出側の板形状と目標板形状との差は、誤差形状に関
し、現時点の誤差形状と、現時点と現時点よりも1時点
前の誤差形状との差の重み付き合計値として求められる
(請求項2,4)。
[発明の実施例] 以下、図面により本発明の一実施例としての多段圧延
機による圧延材形状制御方法について説明すると、第1
図は本発明の方法を適用される装置を示す全体構成図、
第2図は本発明の方法を適用される多段圧延機の正面図
である。本実施例では、20段圧延機に本発明の方法を適
用した場合を示す。
第1,2図において、1は薄板である圧延材、2は圧延
材1に当接する上下一対のワークロール、3はワークロ
ール2の背後に設置されたテーパロールである第1中間
ロール、4は第1中間ロール3の背後に設置された第2
中間ロール、5は第2中間ロール4のさらに背後に設置
されたバックアップロールで、これらのロール2〜5に
より20段圧延機が構成されている。
また、6は20段圧延機から若干離れた下流側の位置に
配置された圧延材1の圧延方向の伸び(板形状)を検出
する板形状検出器で、板幅方向に沿って複数(本実施例
ではn個)の形状センサ要素を配列して構成されてい
る。7,8はそれぞれ20段圧延機の上流側および下流側の
適当な位置に配置され圧延材1の入側板厚および出側板
厚を検出する板厚計、9は板厚計7,8による検出結果に
基づき適宜数のロール圧下位置移動手段(板厚制御用ア
クチュエータ)11へ操作量を制御信号eとして出力し制
御する板厚制御装置、10は板形状検出器6による検出結
果に基づき適宜数のバックアップロール押し込み手段12
およびテーパロール移動手段13(いずれも板形状制御用
アクチュエータ)へ操作量を出力して制御する板形状制
御装置である。
このような構成の装置により、本実施例では、本発明
の方法による圧延材1の板形状制御が次のように行なわ
れる。
まず、板厚制御装置9は、板厚計7,8からの検出信号
a,bと予め設定された目標出側板厚信号cとに基づい
て、通常のフィードフォワード型板厚制御およびフィー
ドバック型板厚制御により操作量を演算して制御信号e
を出力する。この制御信号eは、後述する板形状制御装
置10により演算された操作量である制御信号dを加算さ
れることで、バックアップロール押し込み手段12および
テーパロール移動手段13の操作量を変更することによっ
て生じる板厚変化を考慮した補正がなされることにな
る。このような補正の後、その制御信号が、ロール圧下
位置移動手段11へ出力され、指示された操作量だけ20段
圧延機におけるロール圧下位置が操作され、圧延材1板
厚が制御される。
一方、板形状制御装置10は、板形状検出器6からの検
出信号fならびに予め設定された目標板形状信号gに基
づいて、バックアップロール押し込み手段12の操作量
(即ち、バックアップロール5の押し込み増分量)Δx1
〜Δx4と、テーパロール移動手段13の操作量(即ち、上
下一対のテーパロール3,3の移動量)Δx5,Δx6と、ロー
ル圧下位置移動手段11の操作量(即ち、板厚制御装置9
からの制御信号eに加算される補正分)Δx7,Δx8とを
演算し、それぞれ制御信号h,i,dとして出力する。そし
て、バックアップロール押し込み手段12およびテーパロ
ール移動手段13により、それぞれ制御信号h,iに応じて
指示された操作量だけバックアップロール5およびテー
パロール3,3の位置が操作され、圧延材1の板形状が制
御される。
ところで、本発明の特徴的な部分は、板形状制御装置
10にて行なわれる操作量Δx1〜Δx8の演算手段にある。
以下に、その演算手段について詳細に説明する。
即ち、板形状制御装置10には、下式(4)にて、圧延
材1の出側板形状および板厚を評価する総合評価関数J
が予め定義・設定されている。
この総合評価関数Jは、板形状検出器6からの出側板
形状と予め設定された目標板形状との差、および、各ア
クチュエータ11〜13の操作量変更に対する板厚変化量と
予め設定された各アクチュエータ11〜13の操作量変更時
の目標板厚変化量との差を用いて定義されている。
ここで、出側板形状と目標板形状との差は、下式
(1)による誤差形状ei(k)、 ei(k)=fi 0(k)−fi (k) (i=1〜n) …
(1) に関し、下式(2)に示す通り、現時点の誤差形状e
i(k)と、現時点と現時点よりも1時点前の誤差形状
との差ei(k)−ei(k−1)との重み付き合計値とし
て求められる。
ε(k) =KI・ei(k)+KP・〔ei(k)−ei(k−1)〕 (i=1〜n) …(2) また、各アクチュエータ11〜13の操作量変更に対する
板厚変化量と予め設定された各アクチュエータ11〜13の
操作量変更時の目標板厚変化量との差は、下式(3)に
より求められる。
εn+1(k)=fn+1 0(k)−fn+1 (k) …(3) そして、総合評価関数Jは下式(4)式の通りにな
る。
ただし、fi 0(k)(i=1〜n)は板形状検出器6
を構成するi番目の形状センサ要素による時点kでの測
定板伸び値、fi (k)(i=1〜n)は上記i番目の
形状センサ要素に対する時点kにおける目標板伸び値、
fn+1 0(k)は各アクチュエータ11〜13の操作量変更に
対する板厚変化量、fn+1 (k)は各アクチュエータ11
〜13の操作量変更時の目標板厚変化量、wi(i=1〜n
+1)は偏差ε(k)に対する重み係数、KI,KPは、
それぞれ、現時点の誤差形状ei(k)、および、現時点
と現時点よりも1時点前の誤差形状との差ei(k)−ei
(k−1)に対する重み係数である。
このような評価関数Jを導入するとともに、各アクチ
ュエータ11〜13の操作量変更に伴う圧延材1の板形状お
よび板厚の影響係数式を、下式(5)のように作成す
る。
ただし、Δxj(k)(j=1〜m;本実施例ではm=
8)はここで求めるべき各アクチュエータ11〜13の操作
量の変更量、Δfi(k′)(i=1〜n)は各アクチュ
エータ11〜13の操作量をΔxj(k)(j=1〜m)だけ
変更した場合に当該部分がi番目の形状センサ要素にて
検出された形状変化量、Δfn+1は各アクチュエータ11〜
13の操作量をΔxj(j=1〜m)だけ変更した場合に当
該部分が板厚計8にて検出された板厚変化量、αji(j
=1〜m,i=1〜n+1)はΔxj(k)のΔfi(k′)
への影響係数である。
そして、(2)〜(4)式に、 fi 0(k)−fi (k)=Δfi(k) (i=1〜n+1) …(6) を代入し、板厚,板形状の総合評価関数Jが時々刻々最
小となるように、板形状制御中に板形状検出器6により
時々刻々検出される圧延材1の板形状検出値fi 0(k),
fi 0(k−1)(i=1〜n)に基づいて、次のアルゴ
リズムにより、各操作量変更量Δxj(k)(j=1〜
m)を算出し、各アクチュエータ11〜13を操作する。
今、偏差信号ε(k)(i=1〜n+1)を、 ε(k) =KI・ei(k)+KP・〔ei(k)−ei(k−1)〕 ei(k)=fi 0(k)−fi (k) ei(k−1)=fi 0(k−1)−fi (k−1) (i=1〜n) …(7) εn+1(k)=0 とし、各アクチュエータ11〜13をΔxj(k)だけ動かす
と、総合評価関数Jは、 と表わされる。この総合評価関数Jを最小化するために
は、 でなければならない。即ち、(8),(9)式より、 (ただし、s=1〜m)となる。そして、この(10)式
をΔxj(k)について解くことにより、板厚,板形状に
ついての総合評価関数Jを最小化するための各アクチュ
エータ11〜13の操作量の変更量が得られる。つまり、 Δx(k)=−(ATW2A)-1ATW2E(k) …(11) が得られる。ただし、上式中、“T"は行列の転置を示
す。
ところで、上述したアルゴリズムによれば、圧延初期
等の形状不良状態のはなはだしいときには、制御目標信
号レベルが過大となり、応答特性による制約から目標信
号に追従できないアクチュエータ11〜13もでてくる。従
って、本実施例では、次のステップ〜を板形状制御
装置10にて実施することで、目標信号に追従できないア
クチュエータ11〜13の発生を防止している。
圧延条件(圧延速度,圧延荷重)により予め定義した
関数に基づき、各アクチュエータ11〜13の移動可能速度
を計算する。
各アクチュエータ現在位置から、位置限界より制約さ
れる移動可能限界値を計算する。
移動可能速度から求まる各アクチュエータ11〜13の1
制御周期当たりの移動可能限界値を計算する。
ステップ,で求めた移動可能限界値の小さい方を
最終的な移動可能限界値として設定する。
板形状検出器6からの検出形状と目標形状との誤差形
状に基づき、総合評価関数Jを最小にする各アクチュエ
ータ11〜13の移動量目標値を前述のごとく計算する。
前ステップで計算した目標値がステップで求めた
移動可能限界値を超えているアクチュエータが存在する
場合には、当該アクチュエータの移動量目標値を移動可
能限界値に置き換えるとともに、当該アクチュエータが
移動可能限界値まで移動したときの形状変化量を計算
し、現時点の誤差形状から差し引き、当該アクチュエー
タを使用可能アクチュエータから除外して、再度ステッ
プの総合評価関数Jを最小化する残りのアクチュエー
タの移動目標値を求め、移動限界のチェックを行なう。
これを、移動限界の制約にかかるアクチュエータが無く
なるか、または、すべてのアクチュエータ11〜13が使用
可能アクチュエータで無くなるまで繰り返す。
制御ゲインを乗算して最終的な各アクチュエータ11〜
13の移動目標値を計算する。
本実施例では、このようにして得られた各アクチュエ
ータ11〜13の操作量をΔxj(k)(j=1〜8)に基づ
いて、前述したロール圧下位置移動手段11,バックアッ
プロール押し込み手段12,テーパロール移動手段13によ
る圧延材1の板形状の制御が行なわれるのである。
次に、本発明の方法を実際の圧延材の形状制御に適用
して得られた実験結果を、第3,4図に示す。ここでは、
銅合金で板幅630mm,板厚205μmの圧延材条件で実験を
行なった。第3図には本方法による制御をoffした場合
とonした場合の板厚偏差を示し、第4図(a),(b)
には、それぞれ本方法による制御をoffした場合の圧延
材の圧延方向の伸びと、onした場合圧延材の圧延方向の
伸びとを示している。第4図(a),(b)において、
縦軸の単位である1I−unitは、長さ1mの圧延材の圧延方
向の伸びが基準値よりも10-5mだけ長いことを示してい
る。
第4図(a),(b)に示すように、本発明による形
状制御on,offの切替タイミング前後で板形状は大幅に改
善されていると同時に、第3図に示すように、形状制御
on,offの切替タイミング前後で板厚精度はほとんど変化
していない(悪化していない)ことが分かる。
このように、本実施例の圧延材形状制御方法によれ
ば、出側板形状と板厚とが、総合評価関数Jを用いて総
合的に評価され、この総合評価関数Jの値が最小となる
各アクチュエータ11〜13の操作量で常時求められ、得ら
れた操作量に基づいて、各アクチュエータ11〜13が、圧
延材1の板形状を制御するために同時に制御されるの
で、従来のように圧延材の形状同定をする必要がなくな
るほか、板形状制御用アクチュエータを操作した場合に
板厚変化を予測して行なったロール圧下位置変更が、さ
らなる形状変化を招くといった悪循環も発生しなくな
り、極めて精度の高い形状制御を確実に行なえるのであ
る。
また、本実施例によれば、前述したステップ〜を
実施し、アクチュエータ11〜13の操作量演算に際して、
各アクチュエータ11〜13の現在位置および移動速度上限
から決まる各アクチュエータ11〜13の移動限界を考慮に
いれることで、特に圧延初期等の形状不良状態のはなは
だしいときなどに、板形状制御装置10から各アクチュエ
ータ11〜13への信号レベルが大きくなり、応答特性によ
る制約から目標信号に追従できないアクチュエータがで
てくるのを防止でき、板形状制御の応答性を改善するこ
とができる。
なお、上記実施例では、20段圧延機に本発明の方法を
適用した場合について説明したが、本発明の方法はこれ
に限定されるものではない。
また、上記実施例では、(2)式に示すように、ε
(k)を現時点の誤差形状と現時点よりも1時点前の誤
差形状の差との重み付き合計値として与えたが、下式
(13)に示すように、現在並びに過去の誤差形状の重み
付き合計値で置き換えてもよい。
ε(k)=K0・ei(k)+K1・ei(k−1) +K2・e(k−2)+…… (i=1〜n) …(13) [発明の効果] 以上詳述したように、本発明の多段圧延機により圧延
材形状制御方法によれば、出側板形状と板厚とを所定の
総合評価関数により評価し、この総合評価関数の値を最
小にする各アクチュエータの操作量を求め、得られた操
作量に基づき各アクチュエータを同時に制御するので、
極めて精度の高い形状制御を確実に行なえる効果があ
る。
また、各アクチュエータの操作量演算に際して、各ア
クチュエータの現在位置および移動速度上限から決まる
移動限界を考慮にいれることで、応答特性による制約か
ら目標信号に追従できないアクチュエータがでてくるの
を防止でき、板形状制御の応答性を改善できる効果もあ
る。
【図面の簡単な説明】
第1〜4図は本発明の一実施例としての多段圧延機によ
る圧延材形状制御方法を示すもので、第1図は本発明の
方法を適用される装置を示す全体構成図、第2図は本発
明の方法を適用される多段圧延機の正面図、第3図およ
び第4図(a),(b)は上記実施例の作用を説明する
ためのグラフである。 図において、1……圧延材、2……ワークロール、3…
…第1中間ロール、4……第2中間ロール、5……バッ
クアップロール、6……板形状検出器、7,8……板厚
計、9……板厚制御装置、10……板形状制御装置、11…
…ロール圧下位置移動手段(板厚制御用アクチュエー
タ)、12……バックアップロール押し込み手段(板形状
制御用アクチュエータ)、13……テーパロール移動手段
(板形状制御用アクチュエータ)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 博行 兵庫県神戸市灘区篠原伯母野山町2―3― 1 六甲台神鋼寮 (72)発明者 小池 史朗 兵庫県神戸市東灘区魚崎中町1―3―1 (72)発明者 下村 雅一 兵庫県神戸市東灘区北青木2丁目10―6 神鋼新青木アパートW―6007 (72)発明者 北川 聡一 兵庫県神戸市東灘区御影山手3―3―1― 404 (72)発明者 藤崎 泰正 兵庫県神戸市灘区篠原伯母野山町2―3― 1 (72)発明者 分部 哲也 兵庫県神戸市灘区篠原伯母野山町2―3― 1 (72)発明者 片山 裕之 兵庫県神戸市垂水区星陵台2丁目3―11― 309

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多段圧延機出側における圧延材の圧延方向
    の伸びを板形状として検出する板形状検出器と、上記圧
    延材の入側板厚および出側板厚を検出する板厚検出器
    と、上記圧延材の板形状を制御する板形状制御用アクチ
    ュエータと、上記圧延材の板厚を制御する板厚制御用ア
    クチュエータとをそなえるとともに、上記板形状検出器
    による検出結果および予め設定された目標板形状に基づ
    き上記板形状制御用アクチュエータへ補正するための操
    作量を演算および出力して制御する板形状制御装置と、
    上記板厚検出器による検出結果および予め設定された目
    標出側板厚に基づき上記板厚制御用アクチュエータへ補
    正するための操作量を演算および出力し制御する板厚制
    御装置とをそなえ、これらの板形状制御装置および板厚
    制御装置により、上記板形状制御用アクチュエータの操
    作量を変更することによって生じる板厚変化を考慮して
    上記板厚制御装置からの操作量を補正しながら、上記圧
    延材の板形状および板厚を制御する多段圧延機による圧
    延材形状制御方法であって、 上記板形状制御装置では、上記板形状検出器により検出
    された多段圧延機出側の板形状と予め設定された目標板
    形状との差に基づき現在並びに過去の誤差形状の重み付
    け合計値で求められる誤差形状、および上記の各アクチ
    ュエータの操作量変更に対する板厚変化量と予め設定さ
    れた上記の各アクチュエータの操作量変更時の目標板厚
    変化量との差を用いて、上記圧延材の出側板形状および
    板厚を評価する総合評価関数が予め定義・設定され、 上記圧延材の板形状制御中には、上記板形状検出器によ
    り上記圧延材の板形状を常時検出し、 上記板形状検出器からの検出結果に基づいて、上記総合
    評価関数の値を最小にする上記の板形状制御用アクチュ
    エータおよび板厚制御用アクチュエータの操作量を演算
    し、 上記板形状制御用アクチュエータが、上記板形状制御装
    置により演算された操作量に基づいて制御されるととも
    に、上記板厚制御用アクチュエータが、上記板厚制御装
    置からの操作量に上記板形状制御装置により演算された
    操作量を加算して得られた操作量に基づいて制御される
    ことを特徴とする多段圧延機による圧延材形状制御方
    法。
  2. 【請求項2】上記板形状検出器により検出された多段圧
    延機出側の板形状と予め設定された目標板形状との差に
    基づく誤差形状が、現時点の誤差形状と、現時点と現時
    点よりも1時点前の誤差形状との差との重み付き合計値
    として求められることを特徴とする請求項1記載の多段
    圧延機による圧延材形状制御方法。
  3. 【請求項3】多段圧延機出側における圧延材の圧延方向
    の伸びを板形状として検出する板形状検出器と、上記圧
    延材と入側板厚および出側板厚を検出する板厚検出器
    と、上記圧延材の板形状を制御する板形状制御用アクチ
    ュエータと、上記圧延材の板厚を制御する板厚制御用ア
    クチュエータとをそなえるとともに、上記板形状検出器
    による検出結果および予め設定された目標板形状に基づ
    き上記板形状制御用アクチュエータへ補正するための操
    作量を演算および出力して制御する板形状制御装置と、
    上記板厚検出器による検出結果および予め設定された目
    標出側板厚に基づき上記板厚制御用アクチュエータへ補
    正するための操作量を演算および出力して制御する板厚
    制御装置とをそなえ、これらの板形状制御装置および板
    厚制御装置により、上記板形状制御用アクチュエータの
    操作量を変更することによって生じる板厚変化を考慮し
    て上記板厚制御装置からの操作量を補正しながら、上記
    圧延材の板形状および板厚を制御する多段圧延機による
    圧延材形状制御方法であって、 上記板形状制御装置では、上記板形状検出器により検出
    された多段圧延機出側の板形状と予め設定された目標板
    形状との差に基づき現在並びに過去の誤差形状の重み付
    け合計値で求められる誤差形状、および上記の各アクチ
    ュエータの操作量変更に対する板厚変化量と予め設定さ
    れた上記の各アクチュエータの操作量変更時の目標板厚
    変化量との差を用いて、上記圧延材の出側板形状および
    板厚を評価する総合評価関数が予め定義・設定され、 上記圧延材の板形状制御中には、上記板形状検出器によ
    り上記圧延材の板形状を常時検出し、 上記板形状検出器からの検出結果と、上記の各アクチュ
    エータの現在位置および移動速度上限から決まる上記の
    各アクチュエータの移動限界とに基づいて、上記総合評
    価関数の値を最小にする上記の板形状制御用アクチュエ
    ータおよび板厚制御用アクチュエータの操作量を演算
    し、 上記板形状制御用アクチュエータが、上記板形状制御装
    置により演算された操作量に基づいて制御されるととも
    に、上記板厚制御用アクチュエータが、上記板厚制御装
    置からの操作量に上記板形状制御装置により演算された
    操作量を加算して得られた操作量に基づいて制御される
    ことを特徴とする多段圧延機による圧延材形状制御方
    法。
  4. 【請求項4】上記板形状検出器により検出された多段圧
    延機出側の板形状と予め設定された目標板形状との差に
    基づく誤差形状が、現時点の誤差形状と、現時点と現時
    点よりも1時点前の誤差形状との差との重み付き合計値
    として求められることを特徴とする請求項3記載の多段
    圧延機による圧延材形状制御方法。
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