JPH0848173A - 車両用定速走行制御装置 - Google Patents

車両用定速走行制御装置

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JPH0848173A
JPH0848173A JP26541594A JP26541594A JPH0848173A JP H0848173 A JPH0848173 A JP H0848173A JP 26541594 A JP26541594 A JP 26541594A JP 26541594 A JP26541594 A JP 26541594A JP H0848173 A JPH0848173 A JP H0848173A
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加藤  久仁夫
Manabu Kurimoto
学 栗本
Yoshinari Torii
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高価なセンサを必須とせず、制御回路にとっ
ても負担が少ない、簡易な、一時加速後のアンダーシュ
ートを抑制する車両用定速走行制御装置。 【構成】 定速走行制御中に、ドライバーによる一時加
速がなされると、これをステップ4201,4203に
示す簡易な手法で検出している。一時加速からの復帰の
判定も、スキップ車速Vskが記憶車速Vm以下(Vs
k≦Vm)となったり、現車速Vnが記憶車速Vm(ま
たはVm+所定速度α)以下となることにより行ってい
る(ステップ4209)。したがってスロットル開度セ
ンサのような高価なセンサは必須でなくなり、しかも、
スロットル開度値に基づく複雑な演算もしないので、制
御側の負担も大きくならない。したがって簡易な構成で
一時加速から戻った際のアンダーシュートを抑制する車
両用定速走行制御装置を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用定速走行制御装
置に関し、特に定速走行制御時にドライバーが一時的に
加速した後、再度定速走行制御に戻る場合に生じるアン
ダーシュートを抑制する車両用定速走行制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用定速走行制御装置とは、ド
ライバがアクセルペダルを踏んで所望の車速まで加速し
た後、定速走行用の車速設定スイッチを操作すると、そ
の時の車速が定速走行用車速として設定され、以降は車
速と設定車速との偏差を零にするように、例えばスロッ
トル開度を調節し、一定速度で自動的に車両を走行させ
るように制御する装置である。この装置を搭載した車両
は高速道路を一定速度で走行する場合等に、常時、アク
セルペダルを踏む必要がなく、非常に便利である。
【0003】しかし、このように定速走行制御している
場合に、車両の追い抜き等のためにドライバーがアクセ
ルペダルを踏んで増速させる場合がある。この様な場合
は、定速走行制御に抗して操作がなされるため、次のよ
うな現象が生じることがあった。即ち、一時加速時には
制御側では車速を目標速度に戻すために、制御側の調節
出力機構を駆動力が小さくなる方向に調整してしまう。
このためドライバーがアクセルペダルを戻した場合に、
必要以上に速度が低下する、いわゆるアンダーシュート
が生じる恐れがあった。
【0004】このような現象を解決するものとして、一
時加速が終了した後に、走行抵抗と機関の運転状態とか
ら、車両の速度が少なくとも目標車速に戻る前に、スロ
ットル開度を定速走行時のスロットル開度に設定する装
置が知られている(特開平4−278836号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
は、一時加速終了後に元のスロットル開度に戻るため
に、定速走行時のスロットル開度を記憶しておく必要が
ある。そのためにデータの取得にスロットル開度センサ
が必須となったり、演算処理あるいは回路が複雑となっ
て制御系の負担が大きくなったりした。
【0006】また、上記従来技術は、スロットル開度と
エンジン回転数とから出力トルクを演算し、その出力ト
ルクと車両の出力伝達機構のパラメータとから駆動力を
演算し、更にその駆動力と車両の加速度とから走行抵抗
を推定し、その推定走行抵抗の変化からドライバーによ
る一時加速かそうでないかを検出している。このように
非常に多数のデータと複雑な処理をしているため、更に
演算処理が複雑となって制御回路の負担が大きくなった
りした。
【0007】本発明は、高価なセンサを必須とせず、制
御系にとっても負担が少ない、簡易な車両用定速走行制
御装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
図21に例示するごとく、車速と目標車速との偏差に基
づいて、車速を目標車速に一致させるようにエンジンの
駆動力調節機構を調節する車両用定速走行制御装置にお
いて、エンジンの駆動力調節機構がドライバーに操作さ
れることにより、定速走行制御に抗して加速された状態
から車速が復帰したか否かを判定する車速復帰判定手段
と、上記車速復帰判定手段にて車速が復帰したと判定さ
れた場合に、上記エンジンの駆動力調節機構を駆動力が
生じる側に所定量調節する増速補正手段と、を備えたこ
とを特徴とする車両用定速走行制御装置である。
【0009】請求項2記載の発明は、上記エンジンが内
燃機関であり、上記駆動力調節機構がスロットルバルブ
である請求項1記載の車両用定速走行制御装置である。
請求項3記載の発明は、上記車速復帰判定手段が、車速
あるいは所定時間後の予測車速が、目標車速または目標
車速近傍の速度以下となった場合に、定速走行制御に抗
して加速された状態から車速が復帰したと判定する請求
項1または2記載の車両用定速走行制御装置である。
【0010】請求項4記載の発明は、上記所定時間後の
予測車速が、直前の車速の時間当りの変化に基づいて、
算出された所定時間後の車速である請求項3記載の車両
用定速走行制御装置である。請求項5記載の発明は、更
に、上記スロットルバルブの全閉状態を検出する全閉位
置検出手段を備え、上記車速復帰判定手段が、上記全閉
位置検出手段が全閉を検知していない状態から全閉を検
知した場合に、定速走行制御に抗して加速された状態か
ら車速が復帰したと判定する請求項2記載の車両用定速
走行制御装置である。
【0011】請求項6記載の発明は、上記増速補正手段
による駆動力調節機構を調節するための所定量が、実際
に駆動力が調節されるまでの遊び量もしくは遊び量に応
じた量である請求項1〜5のいずれか記載の車両用定速
走行制御装置である。
【0012】請求項7記載の発明は、上記増速補正手段
が、上記車速復帰判定手段にて車速が復帰したと判定さ
れた場合に、上記全閉位置検出手段が全閉を検知した状
態から全閉を検知していない状態に変化するのを停止条
件として、上記エンジンの駆動力調節機構を駆動力が生
じる側に調節する請求項5記載の車両用定速走行制御装
置である。
【0013】請求項8記載の発明は、図22に例示する
ごとく、車速と目標車速との偏差に基づいて、車速を目
標車速に一致させるようにエンジンの駆動力調節機構を
調節する調節手段を有する車両用定速走行制御装置にお
いて、車速が上記目標車速より所定速度低下したか否か
を判定する車速低下判定手段と、上記駆動力調節機構が
最低駆動力に調節されているか否かを判定する駆動力最
低調節判定手段と、上記車速低下判定手段にて車速が上
記目標車速より所定速度低下したと判定され、かつ上記
駆動力最低調節判定手段にて上記駆動力調節機構が最低
駆動力に調節されていると判定された場合に、上記エン
ジンの駆動力調節機構を駆動力が生じる側に上記調節手
段よりも高速に調節する高速補正手段と、を備えたこと
を特徴とする車両用定速走行制御装置である。
【0014】請求項9記載の発明は、上記エンジンが内
燃機関であり、上記駆動力調節機構がスロットルバルブ
であり、スロットルバルブの全閉状態が駆動力調節機構
が最低駆動力に調節されている状態である請求項8記載
の車両用定速走行制御装置である。
【0015】請求項10記載の発明は、スロットルバル
ブの全閉時にオンとなるアイドルスイッチを設け、この
アイドルスイッチのオン時にスロットルバルブが全閉状
態であるとする請求項9記載の車両用定速走行制御装置
である。
【0016】請求項11記載の発明は、上記車速低下判
定手段が、車速として所定時間後の予測車速を用いる請
求項8〜10のいずれか記載の車両用定速走行制御装置
である。請求項12記載の発明は、上記所定時間後の予
測車速が、直前の車速の時間当りの変化に基づいて、算
出された所定時間後の車速である請求項11記載の車両
用定速走行制御装置である。
【0017】
【作用及び発明の効果】請求項1記載の車両用定速走行
制御装置は、車速復帰判定手段にて車速が目標車速に復
帰したと判定された場合に、増速補正手段が、エンジン
の駆動力調節機構を駆動力が生じる側に所定量調節す
る。即ち、単に所定量の調節をするのみであることか
ら、ドライバーによる一時加速終了後に元の駆動力調節
状態に戻るために、定速走行時の駆動力調節状態を記憶
しておく必要はない。そのために複雑な駆動力調節量の
詳細な状態を取得しておくための複雑で高価な装置は必
須でなくなり、演算処理あるいは回路が簡易となって制
御系の負担が大きくなることもない。
【0018】上記エンジンとしては例えば内燃機関が挙
げられ、その場合、上記駆動力調節機構としては例えば
スロットルバルブが挙げられる。車速復帰判定手段は、
車速あるいは所定時間後の予測車速が、目標車速または
目標車速近傍の速度以下となった場合に、定速走行制御
に抗して加速された状態から車速が復帰したと判定する
構成としてもよい。このように復帰判定に、車速あるい
は所定時間後の予測車速が目標車速または目標車速近傍
の速度以下となった条件を採用しているため、上記車速
復帰判定手段は、単に車速あるいは所定時間後の予測車
速が目標車速または目標車速近傍の速度以下となったこ
とを検出すればよく、スロットル開度センサのような高
価なセンサは必須でなくなる。しかも、スロットル開度
値に基づく複雑な演算もしないので、制御側の負担も大
きくならない。したがって簡易な構成で一時加速から戻
った際のアンダーシュートを抑制する車両用定速走行制
御装置を実現できる。
【0019】尚、上記所定時間後の予測車速は、例え
ば、直前の車速の時間当りの変化に基づいて、所定時間
後の車速を算出することにより得られる。また、エンジ
ンが内燃機関の場合、上記スロットルバルブの全閉状態
を検出する全閉位置検出手段を備え、車速復帰判定手段
が、上記全閉位置検出手段が全閉を検知していない状態
から全閉を検知した場合に、定速走行制御に抗して加速
された状態から車速が復帰したと判定してもよく、同様
な効果が得られる。更に、車速あるいは所定時間後の予
測車速が目標車速または目標車速近傍の速度以下となっ
た条件と、上記全閉位置検出手段が全閉を検知していな
い状態から全閉を検知した状態へ変化した条件との両者
が満足された場合に、定速走行制御に抗して加速された
状態から車速が復帰したと判定してもよい。このように
すると簡易な構成でも、一層正確な判定が可能となる。
【0020】上記全閉位置検出手段としては、例えば、
上記スロットルバルブの全閉状態にオンとなり、全閉以
外の状態でオフとなるアイドルスイッチが挙げられる。
ドライバーの一時加速から定速走行制御に復帰する場
合、例えばスロットルバルブを例にとると、定速走行制
御側の調節出力機構がスロットルバルブを駆動させる際
に、その調節出力機構の全閉位置(例えばアイドルスイ
ッチオン)から実際にアイドルスイッチがオフになるま
で(即ち全閉位置検出手段が全閉を検知した状態から全
閉を検知していない状態に変化するまで)に、ある程度
の遊びが存在する。この遊びがアンダーシュート発生の
一つの原因でもある。したがって、この遊びを考慮し
て、増速補正手段による駆動力調節機構を調節するため
の所定量に、実際に駆動力が調節されるまでの遊び量も
しくは遊び量に応じた量を設定してもよい。このように
すると、アンダーシュートの抑制が比較的人間の感性に
あったものとなり好ましい。
【0021】上記増速補正手段は、車速復帰判定手段に
て車速が復帰したと判定された場合に、上記全閉位置検
出手段が全閉を検知した状態から全閉を検知していない
状態に変化するのを停止条件として、上記エンジンの駆
動力調節機構を駆動力が生じる側に調節するものであっ
てもよい。全閉位置検出手段が全閉を検知した状態から
全閉を検知していない状態に変化するまで、エンジンの
駆動力調節機構を駆動力が生じる側に調節すれば、確実
に上記遊びが解消されて、好適なアンダーシュートの抑
制が可能となる。
【0022】アイドルスイッチを備えている場合、上記
増速補正手段は、車速復帰判定手段にて車速が復帰した
と判定された場合に、アイドルスイッチがオンからオフ
に変化するのを停止条件として、上記エンジンの駆動力
調節機構を駆動力が生じる側に調節するものであっても
よい。アイドルスイッチがオンからオフに変化するま
で、エンジンの駆動力調節機構を駆動力が生じる側に調
節すれば、確実に上記遊びが解消されて、好適なアンダ
ーシュートの抑制が可能となる。
【0023】請求項8記載の車両用定速走行制御装置
は、車速低下判定手段が、車速が上記目標車速より所定
速度低下したか否かを判定し、駆動力最低調節判定手段
が、上記駆動力調節機構が最低駆動力に調節されている
か否かを判定する。ドライバーがオーバーライド状態か
ら車速を定速走行制御の目標車速に戻すには、内燃機関
であれば、ドライバーはスロットルペダルを開放するこ
とにより、スロットルバルブの調節を定速走行制御側に
任せる。定速走行制御側では、車速が目標車速よりも高
いので、スロットルバルブを閉じてゆく。このことによ
り、車速は目標車速に向かって低下してゆくが、車速が
目標車速に到達した時には駆動力調節機構は最低駆動力
に調節されており、上述のごとくの理由によりアンダー
シュートを生じる。このことから、アンダーシュートを
生じた時に、駆動力調節機構が最低駆動力に調節されて
いれば、オーバーライド状態から車速を定速走行制御の
目標車速に戻している状態であると推定できる。
【0024】したがって、高速補正手段が、上記車速低
下判定手段にて車速が上記目標車速より所定速度低下し
たと判定され、かつ上記駆動力最低調節判定手段にて上
記駆動力調節機構が最低駆動力に調節されていると判定
された場合に、上記エンジンの駆動力調節機構を駆動力
が生じる側に、通常の定速走行時の調節手段よりも高速
に調節する。このことにより、急速に駆動力が回復し、
アンダーシュートを迅速に解消できる。
【0025】このように、単に、車速の判定と、最低駆
動力に調節されていることを判定して、駆動力調節機構
を駆動力が生じる側に、通常よりも高速に調節するのみ
であることから、ドライバーによる一時加速終了後に元
の駆動力調節状態に戻るために、定速走行時の駆動力調
節状態を記憶しておく必要はない。そのために複雑な駆
動力調節量の詳細な状態を取得しておくための複雑で高
価な装置は必須でなくなり、演算処理あるいは回路が簡
易となって制御系の負担が大きくなることもない。
【0026】上記エンジンとしては例えば内燃機関が挙
げられ、その場合、上記駆動力調節機構としては例えば
スロットルバルブが挙げられる。またこの場合、スロッ
トルバルブの全閉状態は、駆動力調節機構が最低駆動力
に調節されている状態を意味する。
【0027】また、スロットルバルブの全閉時にオンと
なるアイドルスイッチが設けられていれば、このアイド
ルスイッチのオン時にスロットルバルブが全閉状態であ
るとしてもよい。上記車速低下判定手段は、車速として
所定時間後の予測車速を用い、その予測車速が、上記目
標車速より所定速度低下したか否かを判定するように構
成しても良い。予測車速を車速として用いて、高速補正
手段の調節タイミングの判断に用いれば、アンダーシュ
ートがもっと小さい時、あるいはアンダーシュートが起
きていない内に、高速補正手段にて駆動力を上げること
ができ、より小さなアンダーシュートあるいはほぼ完全
にアンダーシュートのない状態で、車速を目標車速に復
帰させることができる。
【0028】この所定時間後の予測車速としては、例え
ば、直前の車速の時間当りの変化に基づいて算出するこ
とができる。
【0029】
【実施例】
[実施例1]図1に車両用定速走行制御装置の一実施例
の全体構成図を示す。本定速走行制御装置はガソリンエ
ンジンを備えた自動車に搭載されている。
【0030】定速走行制御を実施するクルーズECU1
には、イグニッションスイッチ3を介してバッテリ5が
接続されている。このイグニッションスイッチ3のオン
操作により、クルーズECU1に電源が供給され、マイ
クロコンピュータ8の作動が可能となる。またクルーズ
ECU1に内蔵されているアクチュエータ駆動段7に
は、メインリレー9を介して電源が供給される。このメ
インリレー9には定速走行制御用のメインスイッチ11
が接続され、このメインスイッチ11をオン操作するこ
とにより、メインリレー9がオンして、アクチュエータ
駆動段7に電源が供給されアクチュエータ駆動段7の作
動が可能となる。
【0031】マイクロコンピュータ8は、ROM、RA
M、I/O、バスライン等を備えた通常のマイクロコン
ピュータとして構成されている。このマイクロコンピュ
ータ8には、入力バッファ12を介して、各種センサ、
スイッチ類の信号が入力される。本実施例では、定速走
行制御用のコントロールスイッチ14、ドライバーがブ
レーキペダルを踏んだ場合にオンするストップランプス
イッチ16、スロットル開度が全閉時にオンするアイド
ルスイッチ18(スロットルバルブの全閉位置検出手
段)、自動車の速度に比例した周波数の信号を発生する
車速センサ20からの信号を入力している。上記コント
ロールスイッチ14は、セットスイッチ14a、リジュ
ームスイッチ14b、キャンセルスイッチ14cを備え
ている。尚、セットスイッチ14a、リジュームスイッ
チ14bおよびキャンセルスイッチ14cは、押圧して
いるときのみオンとなり、押圧を解除すると直ちにオフ
となるタイプのスイッチである。
【0032】マイクロコンピュータ8は、これら各種セ
ンサ、スイッチ類の信号に基づいてROM内に格納され
ているプログラム命令を順次実行し、必要に応じて、ア
クチュエータ駆動段7に対して駆動命令を出力してい
る。アクチュエータ駆動段7は、アクチュエータ22を
駆動するための駆動回路であり、マイクロコンピュータ
8からの駆動命令に応じてアクチュエータ22の内部に
備えられたモータ22aとクラッチ22bとに、駆動命
令に対応する駆動出力を実行している。例えば、モータ
22aはアクチュエータ駆動段7の出力により正転・逆
転およびその回転速度がコントロールされる。またクラ
ッチ22bにアクチュエータ駆動段7の出力により通電
されると、モータ22aの回転がエンジン24のスロッ
トルバルブ26に伝達される。このことによりマイクロ
コンピュータ8はエンジン24の駆動力を調節すること
ができ、その結果、車両の速度を制御することが可能と
なっている。
【0033】また、周知の構成として、アクセルペダル
28もその踏み込み量がスロットル開度に連動するよう
に、アクセルペダル28とスロットルバルブ26とが連
結されている。尚、アクセルペダル28の踏み込み動作
と、クラッチ22bでスロットルバルブ26に連結した
状態のモータ22aの回転動作とは、それぞれ独立して
動作可能であるが、両者の動作の内、スロットル開度の
大きい方がスロットルバルブ26の回転に反映する。し
たがって、モータ22aがスロットルバルブ26を全閉
になるように回転していても、アクセルペダル28が踏
み込まれていれば、アクセルペダル28の踏み込み量に
対応したスロットル開度となる。逆に、アクセルペダル
28を踏み込んでいなくても、モータ22aがスロット
ルバルブ26を開ける方向に回転していれば、モータ2
2aの回転に応じたスロットル開度となる。このような
構成は良く知られているので詳細な説明は省略する。
【0034】次に上記マイクロコンピュータ8にて実行
される定速走行制御処理について、図2以降のフローチ
ャート等に基づいて説明する。図2に示した定速走行制
御処理は、イグニッションスイッチ3のオン操作により
クルーズECU1のマイクロコンピュータ8に電源が供
給されると、制御周期T(例えば48msec)毎に行
われるもので、演算された車速およびスイッチ入力等か
ら出力デューティ(%)を求め、T×デューティ/10
0の間、アクチュエータ22のモータ22aに通電する
処理である。
【0035】まず、車速センサ20の信号の周期を読み
込み、現在の車両速度(車速:Vn)を算出する(ステ
ップ1010)。次にコントロールスイッチ14、スト
ップランプスイッチ16およびアイドルスイッチ18の
各スイッチ入力のオン−オフ判定をする(ステップ10
20)。次にメインリレー9のオンを判定する(ステッ
プ1030)。これは、メインリレー9がオンしていな
い時は、アクチュエータ駆動段7への電源が供給されて
いないので、定速走行制御に移行できないようにするた
めである。メインリレー9がオンされていないときは、
デューティ演算等の処理をせずに制御周期をそのまま終
了し、次の制御周期が始まるまで待機する。
【0036】メインリレー9がオンしていれば、次に定
速走行制御中か否かを判定する(ステップ1040)。
この処理以降でコントロールスイッチ14の入力内容に
基づいて実行される制御を決定する。ステップ1040
の判定で制御中でない場合には次にセット・リジューム
処理(ステップ2000)を実行する。この処理は、定
速走行制御のセットを判定する処理である。セットと
は、定速走行制御していない状態で、セットスイッチ1
4aを押すことにより、その時の車速Vnを取り込ま
せ、その車速Vnを目標車速Vtおよび記憶車速Vmに
設定させて定速走行制御を行わせることである。リジュ
ームについては後述する。
【0037】セット・リジューム処理(ステップ200
0)の詳細を図3に示す。まずイグニッションスイッチ
3のオン後、今までにアイドルスイッチ18がオフとな
ったことがあるか否かが判定される(ステップ200
5)。これは、定速走行制御が行われる状態に到達する
までに当然にアイドルスイッチ18はオフとなったこと
があるはずである。これが否定判定されればアイドルス
イッチ18の故障の可能性が大きいので、セットをさせ
ずに処理を終了させる。ステップ2005にて肯定判定
されれば、セットスイッチ14aのオンが判定され(ス
テップ2010)、セットスイッチ14aがオンされて
いれば、直前のステップ1010で演算されている車速
Vnを目標車速Vtおよび記憶車速Vmに設定し、クラ
ッチ22bをオンしてモータ22aの回転がスロットル
バルブ26に連動するようにし、更にセットフラグFS
ETをオンする(ステップ2020)。そして更にセッ
ト時の車速落ち込み防止のためのふかし制御(増速補
正)の初期化処理(ステップ2030)を行っている。
【0038】セット時の車速落ち込みとは、セット直後
にはアクチュエータ22のモータ22aは全閉位置にあ
り、この位置から定速走行が可能なスロットル開度まで
回転するのに遅れが生じ、車速が一時的に落ち込むこと
をいう。これを防止するため、セット直後に、一時的に
アクチュエータ22のモータ22aを開側に駆動してい
る。この駆動する量を算出するのがセット時ふかし初期
化処理(ステップ2030)である。
【0039】図5にセット時ふかし初期化処理(ステッ
プ2030)の詳細フローチャートを示す。まずモータ
22aを開側に駆動する量PULL(定速走行制御処理
中で繰り返される回数に該当する)は、次の式1で示さ
れるように、記憶車速Vmの関数として求められる量f
(Vm)と、所定値IDLの和として算出される(ステ
ップ2040)。
【0040】
【数1】
【0041】尚、所定値IDLはアクチュエータ22の
リンク系、スロットルリンク系などの遊び量もしくは遊
び量に応じた量に該当する。図13にその遊び量IDL
を示す。即ち、アクチュエータ22は遊び量IDLだけ
開側へ駆動してから初めてスロットル開度が開き始める
ことになる。
【0042】次に後述する量PULLINTをゼロクリ
アし(ステップ2050)、更に後述するフラグFPI
DLをオフして(ステップ2060)、セット時ふかし
初期化処理(ステップ2030)を終了する。次に、ふ
かし制御中であることを意味するフラグFPULLをオ
ンする(ステップ2070)。したがって、次のふかし
制御中の判定、即ちフラグFPULLのオン判定(ステ
ップ1050)では、肯定判定されて、ふかし制御(ス
テップ3000)が実行される。
【0043】ふかし制御の詳細を図6に示す。まず後述
するオーバライドふかしフラグFORPのオン判定がな
される(ステップ3005)。オンでなければステップ
3010に移る。ステップ2000の処理で最初にセッ
トしたときにアイドルスイッチ18がオンしているとい
うことは、図13に示すごとく、現在のアクチュエータ
22のモータ22aの開度が、まだ遊びの位置にあり、
スロットルバルブ26としては全閉位置にあることを意
味する。したがって、ステップ3010ではアイドルス
イッチ18のオン判定をして、オンであればふかし制御
中にアイドルスイッチ18のオンを検知したことを示す
フラグFPIDLをオンし(ステップ3020)、次に
アクチュエータ22が開側に高速に駆動するよう固定デ
ューティ(高速駆動として、例えばデューティ95%)
を出力デューティとしている(ステップ3030)。こ
のとき、出力した固定デューティの回数をカウンタPU
LLINTでカウントしている(ステップ3040)。
したがってデューティ出力処理(ステップ1060)で
は、例えばデューティ95%で高速にモータ22aが開
側へ回転し、遊び量IDLの回転を迅速に解消させる。
【0044】次の制御周期で、再度、ステップ1010
から処理が開始すると、ステップ1020,1030を
経た後、定速走行制御中となっているのでステップ10
40では肯定判定されて、キャンセルスイッチ14cの
オン判定(ステップ1080)とストップランプスイッ
チ16のオン判定(ステップ1090)とがなされる
が、共にスイッチオフであるので否定判定されて、アク
セル・コースト・オーバライド処理(ステップ400
0)に移る。
【0045】アクセル・コースト・オーバライド処理
(ステップ4000)の詳細を図4に示す。まずセット
スイッチ14aのオン判定(ステップ4010)が行わ
れ、このときオンであっても次にセットフラグFSET
のオン判定(ステップ4020)が行われるが、既にセ
ット・リジューム処理のステップ2020にてセットフ
ラグFSETはオンとされているので、肯定判定されて
ステップ4000から抜けてステップ1050の判定が
なされる。いまだフラグFPULLはオンであるので、
再度ステップ3000の処理が実行される。また、ステ
ップ4010でセットスイッチ14aが押圧されていな
い場合は、否定判定されて、次にステップ4030で後
述するリジューム制御中か否かが判定され、ステップ4
070でリジュームスイッチ14bのオン判定がなさ
れ、ステップ4080にてフラグFACC,FCOAが
判定されるが、いずれも否定判定され、更にフラグFS
ETはオフされ(ステップ4090)、オーバライド処
理ルーチン(ステップ4200)の処理がなされる。図
9に示すオーバライド処理ルーチン(ステップ420
0)では、ステップ4201で否定判定、またはステッ
プ4203で肯定判定され、その後、ステップ4207
にて否定判定されることにより、ステップ4000の処
理を終えて、ステップ1050の判定に移る。尚、オー
バライド処理ルーチン(ステップ4200)の詳細につ
いては後述する。
【0046】ステップ1050では、いまだフラグFP
ULLはオンであるので、再度ステップ3000の処理
が実行される。ふかし制御(ステップ3000)では、
前述したごとくフラグFORPがオフで、かつアイドル
スイッチ18がオンである限り(ステップ3005,3
010)、遊びを解消して実質的な開度を早期に実現す
るため、高速に開方向へスロットルバルブ26を回転さ
せるデューティ設定処理(ステップ3030)が行わ
れ、この処理の繰り返し回数がカウンタPULLINT
にカウントされる(ステップ3040)。
【0047】その後、アイドルスイッチ18がオフする
と、ステップ3010から次にFPIDLのオン判定
(ステップ3050)に移行する。前回までの制御周期
にてステップ3020でフラグFPIDLはオンしてい
るので、次に今までの固定デューティ出力回数を表すカ
ウンタPULLINTの値を、スロットルバルブ26の
遊びを表す変数(遊び量)IDLに入力する(ステップ
3060)。そして、次の式2に示すように、記憶車速
Vmと遊び量IDLとに基づいて、ふかし用の開側駆動
量PULLを再度計算する(ステップ3070)。
【0048】
【数2】
【0049】次に、フラグFPIDLをオフし(ステッ
プ3080)、カウンタPULLINTのカウントアッ
プがなされ(ステップ3090)、開側デューティが9
5%に設定され(ステップ3100)、PULLINT
≧PULLが判定される(ステップ3110)。最初は
PULLはPULLINTよりも、f(Vm)−1だけ
大きいので(f(Vm)>1として)、ステップ311
0では否定判定され、次のステップ1060の処理で、
スロットルバルブ26はデューティ95%で高速に開側
へ制御される。したがって、PULLINT<PULL
である限り(正確にはPULLINT=PULLま
で)、スロットルバルブ26は高速に開側へ回転され、
スロットル開度が急速に開いて行くことになる。即ち、
迅速にエンジン出力を、ステップ2020にて設定され
た記憶車速Vmを実現するために上昇させ、記憶車速V
mを達成するスロットル開度をアクチュエータ22が実
現するまでの期間における車速の落込みを極力抑えてい
る。
【0050】PULLINTのカウントアップ(ステッ
プ3090)により、PULLINT≧PULLとなれ
ば、ステップ3110にて肯定判定されて、フラグFP
ULLとフラグFORPがオフされる(ステップ312
0)。このことにより、次の制御周期でステップ105
0では否定判定されて、デューティ演算処理(ステップ
5000)がなされる。
【0051】デューティ演算処理(ステップ5000)
の詳細を図7に示す。まず、進角車速であるスキップ車
速(Vsk)を、現在の車速Vnとスキップ時間Tsk
に車速微分値(実際にはVnと4制御周期前の車速Vn
-4の差を4制御周期時間で割って求める)に基づき、次
の式3のように求める(ステップ5010)。
【0052】
【数3】
【0053】即ち、Vskは、Tsk後の車速を予測し
た値である。次に、ステップ5040の処理に移り、図
12に示すマップGに従って、目標車速Vtからスキッ
プ車速Vskを減算した偏差(Vt−Vsk:km/
h)から、モータ22aを駆動するためのデューティD
UTYが算出される。このデューティDUTYが高いほ
どモータ22aの回転速度は高速となり、スロットルバ
ルブ26は高速に回転される。これを数式で表すと、次
の式4のごとくである。
【0054】
【数4】
【0055】尚、スロットル開側は横軸の上部に、スロ
ットル閉側は横軸の下部に記載されている。その最高値
は例えば共にデューティ95%と設定されている。また
不感帯が偏差1未満から−1を越える領域までの間に設
けられている。この不感帯はモータ22aへの出力をデ
ューティDUTY0%とすることにより、スロットル開
度を変更しない状態である。これは、アクチュエータ2
2のモータ22aへの駆動出力が煩雑になるのを防ぐた
めである。
【0056】上述のようにマップGが設定されているこ
とにより、Vt−Vsk≧1では、偏差が大きくなるほ
ど95%を上限として開側への出力デューティが増加す
る。即ち、偏差が大きいほど、スロットル開度が速く大
きくされる。またVt−Vsk≦−1では、偏差が小さ
くなるほど95%を上限として閉側への出力デューティ
が増加する。即ち、偏差が小さいほど、スロットル開度
が速く小さくされる。
【0057】以後、条件が変更されない限り、ステップ
1010,1020,1030,1040,1080,
1090,4010,4030,4070,4080,
4090,4201(または4201,4203),4
207,1050,5010,5040,1060の処
理が各制御周期毎に繰り返し実行され、車速Vnが目標
車速Vtとなるようにフィードバック制御され、定速走
行制御が実現される。
【0058】この状態でドライバーが他車を追い抜こう
として一時加速する場合、車速を上げるため定速走行状
態では足を離していたアクセルペダル28を大きく踏み
込むことになる。したがって、スロットルバルブ26が
今までよりももっと開側に回転される。このことによ
り、エンジン24の駆動力が上昇し車速が次第に上がっ
て行く。マイクロコンピュータ8での定速走行制御で
は、ステップ5040で用いる偏差(Vt−Vsk)が
大きくマイナスとなる。追い抜き等であれば例えば−5
km/h以下の値となる。したがって図12のマップで
は閉側のデューティが求められ、ステップ1060のデ
ューティ出力でモータ22aはスロットルバルブ26を
閉側に回転させようとする。
【0059】しかしドライバーがアクセルペダル28を
踏み込んているので、実際にはスロットルバルブ26は
閉じることはない。このためモータ22aのみが全閉の
位置まで回転してしまうが、アイドルスイッチ18はオ
フのままである。この状態で、図9に詳細を示すオーバ
ライド処理ルーチン(ステップ4200)に入った場合
を中心として以下説明する。尚、オーバライドとは、上
述したごとく、定速走行制御中に追い抜き等を行うため
にドライバーがアクセルペダル28を踏み込むことによ
り一時加速することである。オーバライド処理ルーチン
(ステップ4200)では、この一時加速を検出するこ
とと、一時加速から車速が定速走行制御に戻る際に生じ
るアンダーシュートの抑制処理を実行している。
【0060】まず現車速Vnが記憶車速Vm(目標車速
Vtでもよい)より所定速度(ここでは5km/h)以
上となっているか否かが判定される(ステップ420
1)。その関係式を次の式5に示す。
【0061】
【数5】
【0062】更にアイドルスイッチ18のオン判定がな
される(ステップ4203)。上述の状況では、ステッ
プ4201で肯定判定され、ステップ4203で否定判
定される。即ち、定速走行制御時に、車速が目標車速よ
り所定速度以上高いと検出され、更にエンジン24のス
ロットルバルブ26が駆動力を生じる方向に操作されて
いると検出され、一時加速がなされたと判断されてオー
バライド検知フラグがオンされる(ステップ420
5)。
【0063】次に、オーバライド検知フラグFORDの
オン判定がなされ(ステップ4207)、肯定判定され
るので次に一時加速から車速が復帰したか否かが判定さ
れる(ステップ4209)。例えばVsk≦Vmが判定
される。ドライバーが追い抜きを完了するまでは、車速
は復帰しないのでステップ4207で肯定判定されて
も、ステップ4209では否定判定される。
【0064】ドライバーが追い抜きを完了し、一時加速
を終えるためにアクセルペダル28を戻した場合に、減
速し、その後スキップ車速Vskが記憶車速Vm以下と
なる(Vsk≦Vm)のでステップ4209では車速復
帰と判定される。尚、スキップ車速Vskでなく現車速
Vnが記憶車速Vm(またはVm+所定速度α)以下と
なれば車速復帰と判定してもよい。
【0065】ステップ4209で車速復帰と判定される
と、オーバライドふかし初期化がなされる(ステップ4
220)。これは、一時加速から車速が復帰するまでの
期間に前述したごとくステップ5000のデューティ演
算では車速Vnを目標車速Vtに一致させるため閉側の
デューティを算出し続けるので、アクチュエータ22の
モータ22aが全閉位置まで回転してしまっている可能
性が高い。このような状態で車速が復帰して直ちにステ
ップ5000のフィードバック制御(PD制御)に入る
と、モータ22aが、全閉位置から、目標車速Vtを達
成するのに適切な開度に到達するのに時間を要し、その
間にスロットル開度が不足し車速のアンダーシュートを
生じてしまう。このため車速復帰時にオーバライドふか
し初期化がなされる(ステップ4220)。
【0066】オーバライドふかし初期化(ステップ42
20)の詳細を図10に示す。まず、ステップ2040
等に示されている、アクチュエータ22のリンク系、ス
ロットルリンク系などの遊び量に該当する所定値IDL
をモータ22aを開側に駆動する量PULLに設定する
(ステップ4221)。更にカウンタPULLINTを
ゼロクリアし(ステップ4223)、ふかし制御中にア
イドルスイッチ18のオンを検知したことを示すフラグ
FPIDLをオフし(ステップ4225)、ふかし制御
中であることを意味するフラグFPULLをオンし(ス
テップ4227)、オーバライド検知フラグFORDを
オフし、オーバライドふかしフラグFORPをオンする
(ステップ4229)。この状態でステップ4000を
抜け、ステップ1050では、ステップ4227でフラ
グFPULLがオンされているので次にふかし制御(ス
テップ3000)が開始される。
【0067】ふかし制御(ステップ3000)では、ス
テップ4229にてオーバライドふかしフラグFORP
がオンとなっているので、ステップ3005では肯定判
定され、次にカウンタPULLINTのカウントアップ
がなされ(ステップ3090)、開側デューティが95
%に設定され(ステップ3100)、PULLINT≧
PULLが判定される(ステップ3110)。最初はP
ULLINT=1であるので(IDL>1として)、ス
テップ3110では否定判定され、次のステップ106
0の処理で、スロットルバルブ26はデューティ95%
で高速に開側へ制御される。したがって、PULLIN
T<PULLである限り(正確にはPULLINT=P
ULLまで)、スロットルバルブ26は高速に開側へ回
転され、スロットル開度が急速に開いて行くことにな
る。即ち、スロットルバルブ26の遊び量(IDL)分
の回転を迅速に終了させ、早期に駆動力が調整できる状
態にもって行くことにより、車速復帰後に一時的に生じ
る車速のアンダーシュートを極力抑えている。
【0068】PULLINTのカウントアップ(ステッ
プ3090)により、PULLINT≧PULLとなれ
ば、ステップ3110にて肯定判定されて、フラグFP
ULLとフラグFORPとがオフされる(ステップ31
20)。このことにより、次の制御周期で、ステップ4
200ではオーバライドふかし初期化がなされず、ステ
ップ1050では否定判定されて、デューティ演算処理
(ステップ5000)に戻る。
【0069】このように本実施例では、定速走行制御中
に、ドライバーによる一時加速がなされると、これをス
テップ4201,4203に示す簡易な手法で検出して
いる。この一時加速が検出されると、その復帰時に車速
のアンダーシュートを極力抑えて、ドライバーに不快感
を与えない制御をしている。一時加速からの復帰の判定
も、スキップ車速Vskが記憶車速Vm以下(Vsk≦
Vm)となったり、現車速Vnが記憶車速Vm(または
Vm+所定速度α)以下となることにより行っている。
即ち、単に車速あるいは所定時間後の予測車速が、目標
車速または目標車速近傍の速度以下となったことを検出
すればよく、スロットル開度センサのような高価なセン
サは必須でなくなり、しかも、スロットル開度値に基づ
く複雑な演算もしないので、制御回路の負担も大きくな
らない。したがって簡易な構成で一時加速から戻った際
のアンダーシュートを抑制する車両用定速走行制御装置
を実現できる。
【0070】次にキャンセルについて説明する。キャン
セルとは、定速走行制御中にコントロールスイッチ14
のキャンセルスイッチ14cが押されたとき(ステップ
1080)、あるいはブレーキの踏み込みによりストッ
プランプスイッチ16がオンされたとき(ステップ10
90)に、定速走行制御を中止する処理(ステップ60
00)である。
【0071】キャンセルの詳細を図8に示す。まずクラ
ッチ22bをオフし(ステップ6010)、目標車速V
tをゼロクリアし(ステップ6020)、モータ22a
に閉側に連続通電し(ステップ6030)しアクチュエ
ータ22自身の開度を全閉まで戻す。このとき記憶車速
Vmはゼロクリアせずそのまま保持する。
【0072】次にリジュームについて説明する。リジュ
ームとは、定速走行制御中でない状態で、記憶車速Vm
が記憶されているときに、リジュームスイッチ14bが
押された場合、車速を現在の車速から記憶車速Vmまで
復帰させるものである。まずステップ1040で制御中
でないと判定され、次いでステップ2000の処理に入
り、ステップ2005の肯定判定の後、ステップ201
0でセットスイッチ14aがオフであれば、リジューム
スイッチ14bがオンか否かが判定される(ステップ2
080)。リジュームスイッチ14bがオンであり、更
に記憶車速Vmがゼロでなければ、即ち記憶車速Vmの
設定がなされていれば(ステップ2090)、現車速V
nを目標車速Vtに設定し、クラッチ22bをオンし、
リジューム制御中を示すフラグFRESをオンする(ス
テップ2100)。そしてステップ1050,500
0,1060の処理がなされる。
【0073】次の制御周期では、ステップ1040では
肯定判定されて、ステップ1080,1090を経て、
ステップ4000に入り、そのステップ4010では否
定判定されて、リジューム制御中か否かが判定される
(ステップ4030)。即ちフラグFRESのオン判定
がなされる。ステップ4030では肯定判定されて、目
標車速Vtが一定車速Dだけ増加される(ステップ40
40)。そしてその目標車速Vtが記憶車速Vmより大
きいか否かが判定される(ステップ4050)。Vt≦
Vmであれば、次にステップ1050,5000,10
60の処理がなされる。したがって、Vt≦Vmである
内は、目標車速Vtを少しずつ上昇させながら、ステッ
プ1050,5000,1060の処理を実施して、車
速Vnを上昇させる。そして、ステップ4040での目
標車速Vtの上昇の結果、Vt>Vmとなれば、目標車
速Vtに記憶車速Vmが設定されフラグFRESがオフ
される(ステップ4060)。
【0074】次の制御周期では、ステップ4030で否
定判定され、既にリジュームスイッチ14bは放されて
いるので、次のステップ4070のリジュームスイッチ
14bのオン判定で否定判定され、ステップ4080の
フラグFACCまたはフラグFCOAのいずれかのオン
判定も否定判定され、フラグFSETをオフし(ステッ
プ4090)、次いでステップ4200では特に何も処
理せず、次にステップ1050,5000,1060を
実行し、定速走行制御となる。
【0075】次に、アクセルについて説明する。アクセ
ルとは定速走行制御中にリジュームスイッチ14bが押
されたとき、増速制御をし、その後、リジュームスイッ
チ14bが放された時の車速Vnを目標車速Vtとして
定速走行制御に移行するものである。まず、ステップ1
040の判定で定速走行制御中と判定され、ステップ1
080,1090を経てステップ4000に入り、ステ
ップ4010からステップ4030に移行し、そのステ
ップ4030の判定でリジューム制御中でない(FRE
S=オフ)と判定されたとき、リジュームスイッチ14
bが押されてオンしていれば、ステップ4070のリジ
ュームスイッチ14bのオン判定は肯定判定される。こ
のことにより、目標車速Vtを一定車速Dだけ増加さ
せ、アクセル制御中を示すフラグFACCをオンする
(ステップ4100)。この後のステップ5000,1
060ではD分増加した目標車速Vtを用いて、モータ
22aの駆動デューティを算出し、車速Vnを増加した
目標車速Vtと一致するように制御する。このことによ
り、増速制御が達成される。リジュームスイッチ14b
が押され続けている限り、法定速度等の所定速度を上限
として目標速度Vtは上昇し、車速Vnは増速されてゆ
く。
【0076】アクセル制御を終了するときは、リジュー
ムスイッチ14bを放せば、ステップ4070にて否定
判定され、ステップ4080ではフラグFACCオンで
あるので肯定判定されて、現車速Vnを記憶車速Vmお
よび目標車速Vtに設定し、更にフラグFACC,FC
OAをオフする(ステップ4110)。こうして、定速
走行制御に移行する。
【0077】次に、コーストについて説明する。コース
トとは、定速走行制御中にセットスイッチ14aが押さ
れたとき、減速制御をし、その後、セットスイッチ14
aが放されたときの車速Vnを目標車速Vtとして定速
走行制御に移行するものである。まず、ステップ104
0の判定で定速走行制御中と判定され、ステップ108
0,1090を経てステップ4000に入り、ステップ
4010の判定でセットスイッチ14aがオンしている
と判定される。既にステップ4090にてフラグFSE
Tがオフされているので、ステップ4020では否定判
定され、モータ22aを閉側に駆動する固定デューティ
出力(例えば30%)を実施し、コースト制御中を示す
FCOAをオンする(ステップ4120)。そしてステ
ップ1060のデューティ出力の後、次の制御周期に移
る。尚、ステップ4020でフラグFSETのオン判定
をするのは、セット操作中のセットスイッチ14aのオ
ンと、コーストするためのセットスイッチ14aのオン
とを区別するためである。
【0078】コースト制御を終了するときは、セットス
イッチ14aを放すのでステップ4010からステップ
4030,4070を経てステップ4080に至り、こ
こでフラグFCOAがオンであるので、次にステップ4
110にて現車速Vnを記憶車速Vmおよび目標車速V
tに設定し、更にフラグFACC,FCOAをオフする
(ステップ4110)。こうして、定速走行制御に移行
する。
【0079】このようにして定速走行制御が実施され
る。本実施例は上述のように構成されているので、オー
バライド(定速走行制御の一時加速)時に図14のタイ
ミングチャートに示すごとくに機能する。即ち、時刻t
0にてドライバーがアクセルペダル28を大きく踏み込
んむことによりオーバライドが開始した場合、目標速度
から離れて車速は次第に上昇し、時刻t1にてステップ
4201で車速が記憶車速Vm(目標車速Vt)より所
定速度以上高くなったので肯定判定され、ステップ42
03でアイドルスイッチ18がオフのままであることか
ら否定判定され、オーバライドであると判定される。
【0080】この間にアクチュエータ22の開度は閉側
へ移動し、オーバライドが終了する時刻t2までには全
閉の位置となる。時刻t2からはドライバーがアクセル
ペダル28を離すので、次第に車速が低下し、時刻t3
にてスキップ車速Vskが記憶車速Vm以下となるの
で、ステップ4209にて車速復帰と判定されて、ステ
ップ4220にてオーバライドふかし初期化がなされ、
ステップ3000のふかし制御にて遊び量IDL分のふ
かしがなされる。その後(時刻t4以降)にステップ5
000のデューティ演算処理にて通常のフィードバック
制御がなされるので、応答遅れも非常に小さく、アンダ
ーシュートも小さくて済み、ドライバーに不快感を与え
ない。
【0081】図23のタイミングチャートに示すごと
く、本実施例のようなオーバライドふかし制御をしない
場合は、車速が目標車速Vtより低下した時刻t5で初
めて、アクチュエータ22が開側に駆動されることにな
り、しかも駆動し始めても最初は遊び量IDL分を解消
するための駆動であり、直ちにスロットル開度が大きく
なってこないので、応答遅れが大きくなり、大きなアン
ダーシュートが生じる。
【0082】このように本実施例は、一時加速直後にふ
かし制御により、車速のアンダーシュートを抑制してい
るので、滑らかに定速走行制御に移りドライバーに不快
感を与えることがない。また、ドライバーによる一時加
速の検出とその復帰も簡易な手法で検出しているので、
装置を複雑化させなくても一時加速および復帰が検出で
きコスト的に有利である。また処理プログラムも複雑に
ならないので、処理も迅速なものとなり、より好適な制
御が可能となる。
【0083】上記実施例において、ステップ4209が
車速復帰判定手段としての処理に該当し、ステップ42
20が増速補正手段としての処理に該当する。上記実施
例において、図6のふかし制御(ステップ3000)の
フローチャートのAまたはBの位置に、図11に示すふ
かし中断処理を挿入してもよい。この処理は、ふかし制
御にて何等かの原因で必要以上に車速が上昇した場合
に、ドライバーに不安感を与えないために設けられるも
のである。即ち、スキップ車速Vskが記憶車速Vm以
上か否かを判定し(ステップ7010)、Vsk≦Vm
であればこのままふかし制御(ステップ3000)を抜
ける。もしVsk>Vmとなれば、ふかし制御中である
ことを意味するフラグFPULLおよびFORPをオフ
し(ステップ7020)、次の制御周期でステップ10
50で否定判定されて、通常のデューティ演算制御(ス
テップ5000)となる。尚、ステップ7010の判定
は、車速Vn>記憶車速Vmを判定しても良く、Vn≧
Vm+定数aを判定しても良く、Vsk≧Vm+aを判
定しても良く、同様な効果が得られる。
【0084】尚、上記実施例において、IDLは遊び量
(もしくは遊び量に応じた量)でもよいが、アンダーシ
ュートを確実になくすために、遊び量(もしくは遊び量
に応じた量)に所定量付加してもよい。ただ、全くアン
ダーシュートがないと、人間にとっては、かえって少々
不快な感じもあるので、IDLは遊び量(もしくは遊び
量に応じた量)であるのが、感覚的に好ましく、逆に遊
び量(もしくは遊び量に応じた量)から所定量減じた方
が良いこともある。また目標車速Vt,車速Vnに応じ
て変更してもよい。
【0085】次に、定速走行制御の他の例について説明
する。図15にそのオーバライド処理ルーチンを示す。
この処理は前記実施例の図9,10に該当するものであ
り、他の制御については前記実施例と同様なので説明は
省略する。
【0086】まずオーバライド中が判定される(ステッ
プ4250)。例えば前実施例のステップ4201,4
203のごとくに判定してもよいし、他の条件で判断し
てもよい。オーバライドがなされたと判断されるとオー
バライド検知フラグFORDがオンされ、オーバライド
ふかしフラグがオフされる(ステップ4252)。図1
6のタイミングチャートでは時刻t10に該当する。
【0087】次に、オーバライド検知フラグFORDの
オン判定がなされ(ステップ4254)、肯定判定され
るので次にオーバライドが終了したか否かが、アイドル
スイッチ18がオンしたか否かで判断する(ステップ4
256)。オーバライド中はアイドルスイッチ18はオ
ンしないが、オーバライドが終了すればドライバーはア
クセルペダル28から足を離す(時刻t12)。このとき
オーバライド中に既にアクチュエータ22の開度は全閉
となっている(時刻t11)ので、直ちにスロットルバル
ブ26は全閉となりアイドルスイッチ18がオンとなる
(時刻t12)。したがって次に開側へデューティ30%
が設定される(ステップ4258)。次いでオーバライ
ドふかしフラグFORPがオンされて(ステップ426
0)、デューティ出力(ステップ1060)に直接移行
する。このことによりアイドルスイッチ18がオフとな
るまでステップ4258が実行され、スロットルバルブ
26は、デューティ30%で次第に開いて行く(時刻t
12以降)。
【0088】アイドルスイッチ18がオフされると(時
刻t13)、即ち遊び量IDL分のアクチュエータ22の
駆動が完了し実際にスロットルバルブ26が開き始める
と、ステップ4256にて否定判定されて、オーバライ
ドふかしフラグFORPのオン判定がなされる(ステッ
プ4262)。オーバライドふかしフラグFORPはオ
ンであるのでオーバライド検知フラグFORDがオフさ
れる(ステップ4264)。以後はステップ4250,
4254で共に否定判定され、ステップ4262,42
64を経てオーバライド処理ルーチンを抜け、ステップ
1050,5000,1060を実施する定速走行制御
に戻る。時刻t14にVsk≧Vmとなっても既にステッ
プ4258の処理にて、遊び量IDL分は解消されてい
るので直ちにエンジン24の駆動力を挙げることがで
き、アンダーシュートも小さくて済み、、ドライバーに
不快感を与えない。
【0089】もし遊び量IDL分の解消をしなかった場
合には、図16に破線で示すように、時刻t14でVsk
≧Vmとなってから、アクチュエータ22の全閉状態か
ら調節が始まるので応答遅れを生じ、アンダーシュート
は大きくなる。本実施例はこのようにして、オーバライ
ドの終了後に、車速が目標車速Vtに戻るまでにほぼ完
全に遊び量IDLを解消できるので、アンダーシュート
を十分に抑制でき、滑らかに定速走行制御に移りドライ
バーに不快感を与えることがない。また、ドライバーに
よる一時加速の検出も簡易な手法で検出しているので、
装置を複雑化させなくても一時加速が検出できコスト的
に有利である。また処理プログラムも複雑にならないの
で、処理も迅速なものとなり、より好適な制御が可能と
なる。
【0090】一時加速からの復帰の判定も、単にアイド
ルスイッチ18がオフからオンに変化することにより判
定されるので、スロットル開度センサのような高価なセ
ンサは必須でなくなる。しかも、スロットル開度値に基
づく複雑な演算もしないので、制御の負担も大きくなら
ない。したがって簡易な構成で一時加速から戻った際の
アンダーシュートを抑制する車両用定速走行制御装置を
実現できる。
【0091】上記実施例において、ステップ4256が
車速復帰判定手段としての処理に該当し、ステップ42
58が増速補正手段としての処理に該当する。 [実施例2]実施例2が実施例1と異なる点は、図9に
示すオーバライド処理ルーチン(ステップ4200)の
代りに、図17に示すアンダーシュート抑制ルーチンが
設けられた点である。
【0092】すなわち、図4に示したアクセル・コース
ト・オーバライド処理の内のステップ4090の処理の
次に、図17の処理が開始され、まず、式6が満足され
るか否かが判定される(ステップ8002)。すなわ
ち、車速Vnが記憶車速Vmより1km/hを差し引い
た値以下か否かが判定される。
【0093】
【数6】
【0094】この判定は、アンダーシュートの初期状態
を検出するために、車速Vnが記憶車速Vmよりも低下
したことを判定できれば良いので、記憶車速Vmから差
し引く値は、あまり大きくなければいくつでも良いが、
処理上の最低限の値である1km/hが好ましい。これ
以上小さい正の値を使用しているシステムであれば、も
っと小さい正の値を用いても良い。また記憶車速Vmの
代りに目標車速Vtを用いても良い。更に、車速Vnの
代りにスキップ車速Vskを用いても良い。
【0095】ステップ8002にて肯定判定されれば、
次にアイドルスイッチ18がオンか否かが判定される
(ステップ8004)。オンであれば、開側デューティ
に95%が設定されて(ステップ8006)、そのまま
処理はステップ1060の処理に移ることにより、スロ
ットルバルブ26はデューティ95%で高速に開側へ制
御される。尚、ステップ8002,8004のいずれか
にて否定判定されれば、そのまま処理はステップ400
0を抜けてステップ1050の処理に移って、実施例1
で述べたデューティ演算(ステップ5000)による定
速走行制御やふかし制御(ステップ3000)がなされ
る。
【0096】本実施例では、このように構成されている
ことにより、図18に示すごとく、目標車速で定速走行
している状態からドライバーが追い越し等のためにアク
セルペダル28を踏み込んで加速した場合(時刻t20
〜時刻t21)、調節出力機構としてのアクチュエータ
22のモータ22aが出力するアクチュエータ開度(ス
ロットル開度の調節出力)は、ステップ5000にて演
算される定速走行制御用のデューティ値により全閉状態
まで低下する。時刻t21でドライバーが加速を止める
ために、アクセルペダル28の踏み込みを止めて完全に
開放すると、いまだ車速は目標車速Vtを大きく越えて
いるので、アクチュエータ開度は全閉のままである。し
たがって、スロットルバルブ26はアクセルペダル28
およびモータ22aによる拘束が解かれて、閉側に付勢
するスプリングにより全閉状態に戻り、アイドルスイッ
チ18がオンとなる(時刻t21)。
【0097】スロットルバルブ26が全閉になったこと
によりエンジン24の駆動力は急速に低下して、車速V
nも急速に低下し、車速Vnが目標車速Vtを横切る
(時刻t22)。更に低下して上記式6を満足すれば
(時刻t23)、ステップ8002にて肯定判定され、
更に、既にアイドルスイッチ18はオンとなっているの
で、ステップ8004にても肯定判定されて、ステップ
8006にて開側デューティとして95%が設定され
る。尚、時刻t23より前では、ステップ8002また
はステップ8004のいずれかで否定判定されるので、
ステップ8006の処理はなされない。
【0098】ステップ8006の次に直ちにステップ1
060のデューティ出力になるので、モータ22aが高
速に開側に回転して、急激にアクチュエータ開度が大き
くなる。したがって、前述したアクチュエータ開度の全
閉状態からアイドルスイッチ18が実際にオフになるま
での遊び量IDLの回転を急速に完了することができ
る。この後、アイドルスイッチ18がオフとなれば(時
刻t24)、ステップ8004にて否定判定されて、ス
テップ1050を経て、ステップ5000の処理である
通常の定速走行制御に移る。
【0099】このように大きなアンダーシュートの原因
になる上記遊び量IDLのアクチュエータ開度分を早期
に解消しているので、アンダーシュートもわずかで済
む。本実施例はこのようにして、アンダーシュートの初
期に、迅速に遊び量IDLを解消できるので、アンダー
シュートを十分に抑制でき、滑らかに定速走行制御に移
り、ドライバーに不快感を与えることがない。また、本
実施例では、ドライバーによる一時加速の検出も必要な
く、処理プログラムが複雑化しないので、処理も迅速な
ものとなり、より好適な制御が可能となる。したがって
簡易な構成で一時加速から戻った際のアンダーシュート
を抑制する車両用定速走行制御装置を実現できる。
【0100】また、図18では典型的な例としてオーバ
ーライド後のアンダーシュート抑制効果について述べた
が、本実施例は、オーバーライドが実行されたことを条
件として処理されるものではないため、オーバーライド
以外の原因によるアンダーシュートにおいてもそのアン
ダーシュートの抑制効果を発揮する。例えば、降坂時に
定速走行制御によりスロットルバルブ26を閉じてエン
ジンブレーキを効かせた状態で走行している状態から、
降坂が終了した時には、アクチュエータ開度は全閉状態
から平坦路を定速走行するに必要なアクチュエータ開度
に高める必要があるが、その時に上述した遊び量を早急
に解消しなければ、車速Vnに大きなアンダーシュート
が生じる。
【0101】この降坂が終了した時点では、車速Vnは
低下し始め、またアイドルスイッチ18はオン状態であ
ることから、ステップ8002,8004にて共に肯定
判定されて、ステップ8006の処理が行われ、高速に
モータ22aが回転して、迅速に遊び量の回転が完了す
るので、車速Vnのアンダーシュートを抑制することが
できる。
【0102】図17の例では、アンダーシュートの条件
が満足された場合に、ステップ8006で、直ちに開側
デューティに95%が設定されたが、通常の定速走行制
御よりも高速にアクチュエータ開度が開けば良いので、
例えば、ステップ8006の処理で、図20のマップに
したがって、デューティを決定しても良い。すなわち、
Vt−Vsk>1km/hの領域の勾配を、通常の定速
走行制御(ステップ5000)にて使用されている図1
2のマップのVt−Vsk>1km/hの領域の勾配よ
りも、急な勾配とする。このことにより、アクチュエー
タ開度が通常よりも高速に開くことになる。また、勾配
をより急にする以外に、勾配は図12と同じとして、V
t−Vsk>1km/hの領域では、デューティ95%
に至る傾斜部分全体を、95%を上限として、より高い
レベルに平行移動したマップとしても良い。更にこの勾
配を、より急にしても良い。
【0103】本実施例において、ステップ8002が車
速低下判定手段としての処理に該当し、ステップ800
4が駆動力最低調節判定手段としての処理に該当し、ス
テップ8006が高速補正手段としての処理に該当す
る。また図12のマップにしたがって行うステップ50
00の処理が調節手段としての処理に該当する。
【0104】[その他]図19に示すごとく、図17の
ステップ8002,8004の判定を、図9のステップ
4209の代りに実行してもよい。この場合は、オーバ
ーライドがなされた直後にのみ、ステップ8002,8
004にてアンダーシュート状態およびアイドルスイッ
チ18のオン状態が検出されて、その後は実施例1と同
様にアンダーシュート抑制処理が行われることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の定速走行制御装置の全体構成図で
ある。
【図2】 上記定速走行制御装置で実施される定速走行
制御処理のフローチャートである。
【図3】 セット・リジューム処理のフローチャートで
ある。
【図4】 アクセル・コースト・オーバライド処理のフ
ローチャートである。
【図5】 セット時ふかし初期化処理のフローチャート
である。
【図6】 ふかし制御のフローチャートである。
【図7】 デューティ演算処理のフローチャートであ
る。
【図8】 キャンセル処理のフローチャートである。
【図9】 オーバライド処理のフローチャートである。
【図10】 オーバライドふかし初期化処理のフローチ
ャートである。
【図11】 ふかし中断処理のフローチャートである。
【図12】 偏差からデューティを算出するためのマッ
プである。
【図13】 アクチュエータ開度とスロットル開度とア
イドルスイッチとの関係から遊び量を説明するためのグ
ラフである。
【図14】 実施例1による機能を説明するためのタイ
ミングチャートである。
【図15】 オーバライド処理の他の例のフローチャー
トである。
【図16】 その機能を説明するためのタイミングチャ
ートである。
【図17】 実施例2のアンダーシュート抑制処理のフ
ローチャートである。
【図18】 実施例2による機能を説明するためのタイ
ミングチャートである。
【図19】 アンダーシュート抑制処理の他の例のフロ
ーチャートである。
【図20】 アクチュエータ開度の高速補正のために、
偏差からデューティを算出するためのマップである。
【図21】 本発明の基本的構成例示図である。
【図22】 本発明の基本的構成例示図である。
【図23】 オーバライドふかし処理をしない場合のタ
イミングチャートである。
【符号の説明】
1…クルーズECU 3…イグニッションスイッチ 5…バッテリ 7…アクチュエータ駆動段 8…マイクロコンピュータ 14…コントロールスイ
ッチ 14a…セットスイッチ 14b…リジュームスイッ
チ 14c…キャンセルスイッチ 16…ストップランプ
スイッチ 18…アイドルスイッチ 20…車速センサ 22…アクチュエータ 22a…モータ 22b…
クラッチ 24…エンジン 26…スロットルバルブ 28…アクセルペダル

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車速と目標車速との偏差に基づいて、車速
    を目標車速に一致させるようにエンジンの駆動力調節機
    構を調節する車両用定速走行制御装置において、 エンジンの駆動力調節機構がドライバーに操作されるこ
    とにより、定速走行制御に抗して加速された状態から車
    速が復帰したか否かを判定する車速復帰判定手段と、 上記車速復帰判定手段にて車速が復帰したと判定された
    場合に、上記エンジンの駆動力調節機構を駆動力が生じ
    る側に所定量調節する増速補正手段と、 を備えたことを特徴とする車両用定速走行制御装置。
  2. 【請求項2】上記エンジンが内燃機関であり、上記駆動
    力調節機構がスロットルバルブである請求項1記載の車
    両用定速走行制御装置。
  3. 【請求項3】上記車速復帰判定手段が、車速あるいは所
    定時間後の予測車速が、目標車速または目標車速近傍の
    速度以下となった場合に、定速走行制御に抗して加速さ
    れた状態から車速が復帰したと判定する請求項1または
    2記載の車両用定速走行制御装置。
  4. 【請求項4】上記所定時間後の予測車速が、直前の車速
    の時間当りの変化に基づいて、算出された所定時間後の
    車速である請求項3記載の車両用定速走行制御装置。
  5. 【請求項5】更に、上記スロットルバルブの全閉状態を
    検出する全閉位置検出手段を備え、 上記車速復帰判定手段が、上記全閉位置検出手段が全閉
    を検知していない状態から全閉を検知した場合に、定速
    走行制御に抗して加速された状態から車速が復帰したと
    判定する請求項2記載の車両用定速走行制御装置。
  6. 【請求項6】上記増速補正手段による駆動力調節機構を
    調節するための所定量が、実際に駆動力が調節されるま
    での遊び量もしくは遊び量に応じた量である請求項1〜
    5のいずれか記載の車両用定速走行制御装置。
  7. 【請求項7】上記増速補正手段が、上記車速復帰判定手
    段にて車速が復帰したと判定された場合に、上記全閉位
    置検出手段が全閉を検知した状態から全閉を検知してい
    ない状態に変化するのを停止条件として、上記エンジン
    の駆動力調節機構を駆動力が生じる側に調節する請求項
    5記載の車両用定速走行制御装置。
  8. 【請求項8】車速と目標車速との偏差に基づいて、車速
    を目標車速に一致させるようにエンジンの駆動力調節機
    構を調節する調節手段を有する車両用定速走行制御装置
    において、 車速が上記目標車速より所定速度低下したか否かを判定
    する車速低下判定手段と、 上記駆動力調節機構が最低駆動力に調節されているか否
    かを判定する駆動力最低調節判定手段と、 上記車速低下判定手段にて車速が上記目標車速より所定
    速度低下したと判定され、かつ上記駆動力最低調節判定
    手段にて上記駆動力調節機構が最低駆動力に調節されて
    いると判定された場合に、上記エンジンの駆動力調節機
    構を駆動力が生じる側に上記調節手段よりも高速に調節
    する高速補正手段と、 を備えたことを特徴とする車両用定速走行制御装置。
  9. 【請求項9】上記エンジンが内燃機関であり、上記駆動
    力調節機構がスロットルバルブであり、スロットルバル
    ブの全閉状態が駆動力調節機構が最低駆動力に調節され
    ている状態である請求項8記載の車両用定速走行制御装
    置。
  10. 【請求項10】スロットルバルブの全閉時にオンとなる
    アイドルスイッチを設け、このアイドルスイッチのオン
    時にスロットルバルブが全閉状態であるとする請求項9
    記載の車両用定速走行制御装置。
  11. 【請求項11】上記車速低下判定手段が、車速として所
    定時間後の予測車速を用いる請求項8〜10のいずれか
    記載の車両用定速走行制御装置。
  12. 【請求項12】上記所定時間後の予測車速が、直前の車
    速の時間当りの変化に基づいて、算出された所定時間後
    の車速である請求項11記載の車両用定速走行制御装
    置。
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