JPH0847732A - プレス型およびその製造方法 - Google Patents

プレス型およびその製造方法

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JPH0847732A
JPH0847732A JP18487994A JP18487994A JPH0847732A JP H0847732 A JPH0847732 A JP H0847732A JP 18487994 A JP18487994 A JP 18487994A JP 18487994 A JP18487994 A JP 18487994A JP H0847732 A JPH0847732 A JP H0847732A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐衝撃性および耐摩耗性を有するプレス型を
得ることである。 【構成】 雌型1および雄型11はコンクリート2,1
2を主構成要素とし、このコンクリート2,12のプレ
ス形成面を表面層3,13で被覆した。コンクリート
2,12はセメントに加える水を25%以下として混和
剤および骨材を加え高速で混練したものを凝固した高強
度を有し、表面層3,13は耐摩耗性の有る2液混合の
熱硬化性の合成樹脂からなる。このプレス型はマスタ型
を基準として雌型または雄型のいずれか一方を製造し、
この製造した一方の型を基準として上記他方の型を製造
する。例えば、マスタ型に表面層3を張り、型枠4内に
コンクリート2を流し込んで凝固させて雌型1を作り、
この雌型1の表面層3にワーク分の厚肉取りを張り、こ
の上に表面層13を張り、型枠14内にコンクリート1
2を流し込んで凝固させて雄型11を作る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はコンクリートを主構成
要素とするプレス型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プレス型は耐衝撃性および耐摩耗性の点
から金型になっているのが一般的である。しかし、金属
製のプレス型は、鋳型から型出しした雄型および雌型に
研磨などの仕上げ加工を施し、この雄型および雌型をプ
レス機械に組み付け、試しプレス加工を行い、この試し
プレス加工された製品を検査することによって、雄型の
加工面と雌型の加工面との当たりを調べ、雄型の加工面
と雌型の加工面との当たりの有る部分に精密仕上げを施
すことによって、製品をプレス加工し得る正式なプレス
型に構成される。このため、金属製のプレス型は多大な
労力と時間および費用が嵩み、コストダウンを図るにも
限度があった。
【0003】そこで、金型に代わる製造期間の短いロー
コストのプレス型の実現が望まれている。その1つとし
て、コンクリートを主構成要素とすることが考えられ
る。コンクリートにおいては、その強度からすると、セ
メント100に対し水を25%以下にするが一番良いこ
とは事実ですが、水25%以下でセメントを混練するこ
とは一般的に不可能とされている。例えば、コンクリー
トミキサなどで混練する場合は、セメント100に対し
水を40〜60%程度で混練している。この場合のコン
クリートの強度は1平方センチメートルあたり300〜
400kgであり、それ以上の強度を得ることできな
い。
【0004】そのために、混和剤を数%加えることによ
り、混練中にセメントを軟らかくすることはできるが、
混和剤を加えても水が20%以下で混練することは不可
能である。そこで、セメント100に対し、水10〜1
5%,混和剤3〜5%、砂200%、鉄粉またはアルミ
ニウム粉などの微粉フェラー50%を高速回転で混練し
たところ、流動性の有るコンクリートが得られ、その乾
燥したコンクリートは1平方センチメートルあたり10
00〜3000kgもの高強度を有することが実験で確
かめられた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高強度のコン
クリートが得られても、そのコンクリートは圧縮には強
いが、衝撃には弱いことから、特にプレス型の鋭角部分
が欠けやすく、その欠けた部分の補修も困難であること
から、プレス型にそのまま使用できるものではなかっ
た。
【0006】この発明は上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的はコンクリートを主構成要素
としつつ耐衝撃性および耐摩耗性を有するプレス型を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された第
1の発明に係るプレス型は、セメントに加える水を25
%以下として混和剤および骨材を加え高速で混練したコ
ンクリートを主構成要素とし、このコンクリートのプレ
ス形成面を耐摩耗性の有る2液混合の熱硬化性の合成樹
脂からなる表面層で被覆する構成としたものである。
【0008】請求項2に記載された第2の発明に係るプ
レス型の製造方法は、マスタ型の型表面を高硬度の骨材
および割れを防ぐためのつなぎ材を適当量混合した耐摩
耗性の高い2液混合の熱硬化性の合成樹脂からなる未硬
化の表面層で被覆し、この未硬化の表面層の表面を可撓
性を有する覆体で密封被覆し、この覆体で密封被覆され
た内部を真空引きして、覆体の外側から作用する大気圧
で覆体を未硬化の表面層に押し付けて密接させるととも
に未硬化の表面層をマスタ型の型表面に押し付けて密接
させ、覆体を取り去り、表面層の周囲に型枠を設置し、
その型枠内にセメントに加える水を25%以下として混
和剤および骨材を加え高速で混練した高強度のコンクリ
ートを流し込み、そのまま放置してコンクリートを凝固
させて上記一方の型を製造し、引き続き、上記製造した
一方の型の表面層のプレス加工面にプレス加工されるワ
ークの板厚を考慮した肉厚取りを層状に形成し、この肉
厚取りを高硬度の骨材および割れを防ぐためのつなぎ材
を適当量混合した耐摩耗性の高い2液混合の熱硬化性の
合成樹脂からなる未硬化の表面層で被覆し、この未硬化
の表面層の表面を可撓性を有する覆体で密封被覆し、こ
の覆体で密封被覆された内部を真空引きして、覆体の外
側から作用する大気圧で覆体を未硬化の表面層に押し付
けて密接させるとともに未硬化の表面層を肉厚取りに押
し付けて密封させ、覆体を取り去り、表面層の周囲に型
枠を設置し、その型枠内にセメントに加える水を25%
以下として混和剤および骨材を加え高速で混練した高強
度のコンクリートを流し込み、そのまま放置してコンク
リートを凝固させて上記他方の型を製造するものであ
る。
【0009】
【作用】第1の発明のプレス型は、コンクリートの高強
度と表面層の耐摩耗性とを併有するので、プレス加工時
において、表面層がプレス加工時の衝撃を負担しつつ割
れの発生を阻止し、コンクリートが表面層を支えるの
で、コンクリートの鋭角部分が欠けるという不都合は発
生しない。そして、もしも、プレス加工時において、表
面層の鋭角部分に欠けが発生したとしても、表面層を構
成する未硬化の材料を作り、その未硬化の材料を表面層
の欠け部分に盛り付け、その盛り付けた材料が硬化した
後に、盛り付けた材料の表面を精密仕上げすることによ
って、表面層を簡単に補修することが可能である。
【0010】第2の発明のプレス型の製造方法は、マス
タ型から一方の型を製造し、この製造された一方の型1
から他方の型を製造するので、一方の型の加工面と他方
の型の加工面とに当たりが存在しない整合性のよいプレ
ス型が得られ、試しプレスおよび精密仕上げが不要とな
るうえ、コンクリートおよび表面層の硬化時間を見込ん
でも、約1日で完成品が得られる。
【0011】
【実施例】図1は実施例としてのプレス型を示す断面
図、図2は実施例の雌型および雄型に使用する型枠を示
す平面図、図3は実施例のプレス型のうちの雌型を製造
する工程図、図4は実施例のプレス型のうちの雄型を製
造する工程図である。
【0012】図1において、1は雌型であって、これは
高密度で高強度のコンクリート2と、このコンクリート
2のプレス形成面に一体に設けられた耐摩耗性の有る表
面層3とから構成される。4はコンクリート2を流し込
むための型枠であって、これは筒状の周壁4aと複数本
の型保持用芯体4bと軸心部にねじ孔を有する複数個の
ボス4cとを備える。これら型保持用芯体4aは、図2
に示すように、格子状に配置され、その交点部分が互い
に接合され、型保持用芯体4aの端部は周壁4aの内面
に接合され、型保持用芯体4aにおける4つの交点部分
にはボス4cが個別に接合され、このボス4cの下面は
周壁4aの下端面とほぼ同じ高さになっている。このボ
ス4cは、型枠4の真下から見ると、図2に示すよう
に、型枠4の全体に対し重量バランスのとれた4点に配
置されている。5は雌型1を図外のプレス機械の下ダイ
に取り付けるための定盤であって、これはコンクリート
2との間に緩衝部材6を介在しつつボルト7で型枠4の
ボス4cに締結されている。
【0013】また、図1において、11は雄型であっ
て、これは高密度で高強度のコンクリート12と、この
コンクリート12のプレス形成面に一体に設けられた耐
摩耗性の有る表面層13とから構成される。14はコン
クリート12を流し込むための型枠であって、これは筒
状の周壁14aと複数本の型保持用芯体14bと軸心部
にねじ孔を有する複数個のボス14cとを備える。これ
ら型保持用芯体14aは、上記型枠4と同様に、格子状
に配置され、その交点部分が互いに接合され、型保持用
芯体14aの端部は周壁14aの内面に接合され、型保
持用芯体14aにおける4つの交点部分にはボス14c
が個別に接合され、このボス14cの上面は周壁14a
の上端面とほぼ同じ高さになっている。このボス14c
は、型枠14の真上から見ると、上記ボス4cと同様
に、型枠14の全体に対し重量バランスのとれた4点に
配置されている。15は雄型1を図外のプレス機械の上
ダイに取り付けるための定盤であって、これはコンクリ
ート12との間に緩衝部材16を介在しつつボルト17
で型枠14のボス14cに締結されている。
【0014】再び、図1において、仮想線で図示した部
材はプレス加工される金属板材のワークWであって、こ
れは図を明確にするために雌型1上に離れた状態で描か
れているが、プレス加工に際し雌型1上に載置供給され
るのが一般的である。
【0015】要するに、この実施例のプレス型は、セメ
ントに加える水を25%以下として混和剤および骨材を
加え高速で混練したコンクリート2,12を主構成要素
とし、このコンクリート2,12のプレス形成面を耐摩
耗性の有る2液混合の熱硬化性の合成樹脂からなる表面
層3,13で被覆された構成になっている。よって、こ
の実施例のプレス型は、コンクリート2,12の高強度
と表面層3,13の耐摩耗性とを併有する。結果とし
て、図1に示すように、雌型1上にワークWを供給し、
雄型11を矢印Xで示すように稼働し、雌型1と雄型1
1とでワークWに例えば深しぼりなるプレス加工を行
う、プレス加工時において、表面層3,13がプレス加
工時の衝撃を負担しつつ割れの発生を阻止し、コンクリ
ート2,12が表面層3,13を支えるので、コンクリ
ート2,12の鋭角部分が欠けるという不都合は発生し
ない。
【0016】また、この実施例のプレス型は、例えば、
プレス加工時において、表面層3,13の鋭角部分に欠
けが発生したような場合には、表面層3,13を構成す
る未硬化の材料を作り、その未硬化の材料を表面層3,
13の欠け部分に盛り付け、その盛り付けた材料が硬化
した後に、盛り付けた材料の表面を精密仕上げすること
によって、表面層3,13を簡単に補修することができ
る。
【0017】次に、上記プレス型を製造する方法につい
て説明する。この実施例のプレス型の製造方法は、マス
タ型を基準として雌型1または雄型11のいずれか一方
を製造するとともに、この製造した一方の型を基準とし
て上記他方の型を製造する方法である。
【0018】具体的には、図3のa図に示すようなマス
タ型21を使用する。このマスタ型21は従来の鋳造で
使用する中子に相当するものであって、これは例えば深
しぼりのプレス加工で製造される製品の設計図にもとづ
き製造される。
【0019】このマスタ型21を基準として雌型1を作
る。つまり、図3のb図に示すように、マスタ型21の
型表面を粘りの有る耐摩耗性の高い表面層3で被覆す
る。この表面層3はウレタン、アクリル、エポキシまた
はポリエステルなどの2液混合の熱硬化性を有する合成
樹脂を主成分とし、この主成分に高硬度の粉末素材など
の骨材および割れを防ぐためのつなぎ材を適当量混合し
たものをミキシングマシンで混練し、その混練した未硬
化の材料をカレンダーマシンやシューティングマシンな
どを使用してマスタ型21の型表面にシート状に張り付
け、そのマスタ型21の型表面に張り付けた未硬化のシ
ート状の表面層3の表面を合成樹脂製フィルムのような
覆体22で被覆し、その覆体22の周面をマスタ型21
の周側面に密接し、覆体22で未硬化の表面層3を密封
被覆する。この覆体22は図外の真空装置の吸引口に接
続されるパイプ22aを有する。よって、覆体22で未
硬化の表面層3を密封被覆した後、パイプ22aを通し
て図外の真空装置によって覆体22と未硬化の表面層3
との間の隙間23に存在する空気を真空引きする。この
真空引きによって、上記隙間23中の空気が排気され、
その排気に伴い覆体22が外側から作用する大気圧で未
硬化の表面層3に押し付けられて密接するとともに、未
硬化の表面層3が覆体22の外側に作用する大気圧でマ
スタ型21の型表面に押し付けられて密接し、その押し
付けに伴い表面層3とマスタ型21との間の接触面間に
存在した空気がその接触面間の周辺部より覆体22側に
排気され、同時に表面層3中の揮発ガスが排気され、表
面層3がマスタ型21の型表面を忠実に反映した形でも
って半硬化状態となる。
【0020】そして、覆体22を取り去た後、図3のc
図に示すように、表面層3の周囲にコンクリート用の型
枠4を設置し、その型枠4内に高強度用のコンクリート
2を流し込む。このコンクリート2はセメント100に
対し水10〜15%、混和剤3〜5%、砂200%、微
粉フェラーや鉄粉またはアルミニウム粉などセメントと
接着しやすく水分を吸収しない骨材50%を加え、これ
らを高速回転で混練した柔らかで高密度の流動性を有す
る。この流動性の有るコンクリート2を型保持用芯体4
aが見えなくなるまで型枠4内に流し込む。このコンク
リート2を流し込んだ状態において、ボス4cの上部
(図1の下部に相当する)はコンクリート2の表面より
上方に突出されている。コンクリート2を流し込んだま
ま、数時間放置してコンクリート2の固まるのを待つ。
このコンクリート2が化学反応で凝固する過程で熱を発
生するが、この発熱が表面層3を構成する熱硬化樹脂に
作用し、結果として、コンクリート2が固まったときに
は、表面層3が完全に硬化される。この固まったコンク
リート2を測定したところ、1平方センチメートルあた
り1000〜3000kgの強度があった。このコンク
リート2が凝固し、表面層3が硬化したところで、マス
タ型21を取り除くことによって、マスタ型21を反転
した雌型1が得られる。この雌型1はコンクリート2の
表面に表面層3が一体に設けられた構造になっている。
【0021】さらに、図3のd図に示すように、上記コ
ンクリート2と表面層3とからなる雌型1の上部に緩衝
部材6を介在させつつ定盤8を取り付ける。この緩衝部
材6は粘度の有る未硬化のシート状になっているととも
に、その厚さはコンクリート2の上面からボス4cの上
面までの寸法およびコンクリート2の上面から型枠4の
上端面までの寸法よりも厚くなっており、さらに、この
緩衝部材6は型枠4の内のりとほぼ同じ外形を有すると
ともに、ボス4cと対応する位置にボス4cの逃げ孔を
有する。この緩衝部材6の逃げ孔にボス4cを挿入する
ことによって、緩衝部材6がボス4cを逃げつつ型枠4
内のコンクリート2上面に敷設される。その後、緩衝部
材6上に定盤8を搭載する。この定盤8は型枠4より大
きな外形を有するとともにボス4cのねじ孔と対応する
位置にねじを挿入するための貫通孔を有する。よって、
定盤8の貫通孔がボス4cのねじ孔と対向するように、
定盤8の位置を決め、貫通孔からボス4cのねじ孔にボ
ルト7を締結し、定盤8の表面層3との平行を取る。こ
のとき、ボルト7の締結力によって緩衝部材6が定盤8
と型枠4やボス8およびコンクリート2で圧縮される。
そして、上記ボルト7の締結は、定盤8が型枠4と未接
触の状態を保持する位置で終了したまま、数時間放置し
て緩衝部材6の硬化するのを待つ。結果として、図1に
示す雌型1が製造される。この硬化した緩衝部材6は、
プレス加工時において型枠4やコンクリート2が定盤8
に直に衝突するのを防止すると同時に、コンクリート2
や表面層3が受ける衝撃を緩衝部材6で吸収することが
できる。
【0022】引き続き、図4に示すように、上記雌型1
を基準として雄型11を作る。つまり、図4のa図に示
すように、定盤8が下となるように、上記雌型1の上下
を反転し、その雌型1の表面層3のプレス加工面に、プ
レス加工される図外のワークの板厚を考慮した肉厚取り
24を、表面層3に接着しにくく除去が容易なワックス
などのような材料で層状に形成する。
【0023】そして、図4のb図に示すように、雌型1
の肉厚取り24を粘りの有る耐摩耗性の高い表面層13
で被覆する。この表面層13は雌型1の表面層3と同じ
材料構成になっており、その混練した未硬化の材料を雌
型1の肉厚取り24上にシート状に張り付けられる。そ
して、未硬化のシート状の表面層13の表面は図外の真
空装置の吸引口に接続されるパイプ25aを有する合成
樹脂製フィルムのような覆体25で被覆され、その覆体
25の周面は雌型1の型枠4の外側面に密接され、覆体
25が未硬化の表面層13を密封被覆した後、パイプ1
3aを通して図外の真空装置によって覆体25と未硬化
の表面層13との間の隙間26に存在する空気を真空引
きする。この真空引きによって、上記隙間26中の空気
が排気され、その排気に伴い覆体25が外側から作用す
る大気圧で未硬化の表面層13に押し付けられて密接す
るとともに、未硬化の表面層13が覆体25の外側に作
用する大気圧で雌型1の肉厚取り24の表面に押し付け
られて密接し、その押し付けに伴い表面層13と雌型1
との間の接触面間に存在した空気がその接触面間の周辺
部より覆体25側に排気され、同時に表面層13中の揮
発ガスが排気され、表面層13が雌型1の肉厚取り24
を含む型形成面の表面を忠実に反映した形でもって半硬
化状態となる。
【0024】さらに、覆体25を取り去た後、図4のc
図に示すように、表面層13の周囲に型枠14を設置
し、その型枠14内に流動性の有る高強度用のコンクリ
ート12を流し込む。このコンクリート12は雌型1の
コンクリート2と同じ材料構成になっている。この流動
性の有るコンクリート12を型保持用芯体14bが見え
なくなるまで型枠14内に流し込んだまま、数時間放置
してコンクリート12が固まるのを待つ。このコンクリ
ート12が化学反応で凝固する過程における発熱が表面
層13を構成する熱硬化樹脂に作用し、結果として、コ
ンクリート12が固まったときには、表面層13が完全
に硬化され、図3のa図に示すマスタ型21を反映した
雄型11が得られる。この雄型11はコンクリート12
の表面に表面層13が一体に設けられた構造になってい
る。
【0025】最後に、図4のd図に示すように、上記コ
ンクリート12と表面層13とからなる雄型11の上部
に緩衝部材16を介在させつつ定盤15を取り付ける。
つまり、緩衝部材16をボス14cを逃げつつ型枠14
内のコンクリート12上面に敷設した後、緩衝部材16
上に定盤15を搭載し、定盤15をボルト17で型枠1
4における型保持用芯体14bに接合されたボス14c
に締結し、定盤15の表面層13との平行を取る。そし
て、ボルト17の締結は、定盤15が型枠14と未接触
の状態を保持する位置で終了したまま、数時間放置して
緩衝部材16が硬化するのを待つ。この緩衝部材16が
硬化したとこで、雄型11を雌型1から離し、肉厚取り
24を雄型11の表面層13より除去する。これによっ
て、マスタ型21を基準として製造された雌型1から、
コンクリート12を主構成要素とした図1に示す雄型1
1が得られる。上記緩衝部材16は、プレス加工時おい
て型枠14やコンクリート12が定盤15に直に衝突す
るのを防止すると同時に、コンクリート12や表面層1
3が受ける衝撃を緩衝部材16で吸収することができ
る。
【0026】要するに、この実施例のプレス型の製造方
法は、マスタ型21から雌型1を製造し、この雌型1か
ら雄型11を製造するので、雄型11の加工面と雄型1
の加工面とに当たりが存在しない整合性のよいプレス型
が得られる。よって、試しプレスおよび精密仕上げが不
要となる。加えて、コンクリート2,12および表面層
3,13の硬化時間を見込んでも、ほぼ24時間で完成
品を得ることができる。
【0027】この実施例のプレス型にて、深しぼり加工
を実施したところ、厚さ1.2ミリメートルの金属板で
1000個以上の製品を得ても、プレス型のコンクリー
ト2,12および表面層3,13に何の損傷も発生しな
いことが確認できた。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明によれ
ば、プレス加工時において、表面層がプレス加工時の衝
撃を負担しつつ割れの発生を阻止し、コンクリートが表
面層を支える構成であるので、コンクリートの鋭角部分
が欠けるという不都合は解消できる。加えて、プレス加
工時において、表面層の鋭角部分に欠けが発生したとし
た場合でも、表面層を構成する未硬化の材料を作り、そ
の未硬化の材料を表面層の欠け部分に盛り付け、その盛
り付けた材料が硬化した後に、盛り付けた材料の表面を
精密仕上げすることができ、結果として、表面層を簡単
に補修することができるという効果がある。
【0029】第2の発明によれば、マスタ型から一方の
型を製造し、この製造された一方の型1から他方の型を
製造する方法であるので、一方の型の加工面と他方の型
の加工面とに当たりが存在しない整合性のよいプレス型
を得ることができ、試しプレスおよび精密仕上げが不要
となり、コンクリートおよび表面層の硬化時間を見込ん
でも、約1日という短期間で完成品が得られるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例としてのプレス型を示す断面図であ
る。
【図2】 実施例の雌型および雄型に使用する型枠を示
す平面図である。
【図3】 実施例のプレス型のうちの雌型を製造する工
程図図である。
【図4】 実施例のプレス型のうちの雄型を製造する工
程図である。
【符号の説明】
1 雌型 2,12 コンクリート 3,13 表面層 4,14 型枠 11 雄型 21 マスタ型

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメントに加える水を25%以下として
    混和剤および骨材を加え高速で混練したコンクリートを
    主構成要素とし、このコンクリートのプレス形成面を耐
    摩耗性の有る2液混合の熱硬化性の合成樹脂からなる表
    面層で被覆したことを特徴とするプレス型。
  2. 【請求項2】 マスタ型を基準として雌型または雄型の
    いずれか一方を製造し、この製造した一方の型を基準と
    して上記他方の型を製造するプレス型の製造方法であっ
    て、 マスタ型の型表面を高硬度の骨材および割れを防ぐため
    のつなぎ材を適当量混合した耐摩耗性の高い2液混合の
    熱硬化性の合成樹脂からなる未硬化の表面層で被覆し、
    この未硬化の表面層の表面を可撓性を有する覆体で密封
    被覆し、この覆体で密封被覆された内部を真空引きし
    て、覆体の外側から作用する大気圧で覆体を未硬化の表
    面層に押し付けて密接させるとともに未硬化の表面層を
    マスタ型の型表面に押し付けて密接させ、覆体を取り去
    り、表面層の周囲に型枠を設置し、その型枠内にセメン
    トに加える水を25%以下として混和剤および骨材を加
    え高速で混練した高強度のコンクリートを流し込み、そ
    のまま放置してコンクリートを凝固させて上記一方の型
    を製造し、引き続き、上記製造した一方の型の表面層の
    プレス加工面にプレス加工されるワークの板厚を考慮し
    た肉厚取りを層状に形成し、この肉厚取りを高硬度の骨
    材および割れを防ぐためのつなぎ材を適当量混合した耐
    摩耗性の高い2液混合の熱硬化性の合成樹脂からなる未
    硬化の表面層で被覆し、この未硬化の表面層の表面を可
    撓性を有する覆体で密封被覆し、この覆体で密封被覆さ
    れた内部を真空引きして、覆体の外側から作用する大気
    圧で覆体を未硬化の表面層に押し付けて密接させるとと
    もに未硬化の表面層を肉厚取りに押し付けて密封させ、
    覆体を取り去り、表面層の周囲に型枠を設置し、その型
    枠内にセメントに加える水を25%以下として混和剤お
    よび骨材を加え高速で混練した高強度のコンクリートを
    流し込み、そのまま放置してコンクリートを凝固させて
    上記他方の型を製造することを特徴とするプレス型の製
    造方法。
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