JPH084647Y2 - 車両用灯具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は車両用灯具に関し、特にグローブを有する車
両用灯具に関する。

〔従来の技術〕

近年、自動車のターンシグナルランプ等の有色ランプ
では、外観デザイン上の要求からアウターレンズを白色
で構成して外観色を白色とする一方で、ランプ内に着色
インナーレンズを設けて発光色を有色にした灯具が提案
されている。

第７図はその一例を示す横断面図である。同図におい
て、11はランプボディであり、その後面開口に嵌合する
バックカバー13に取着したバルブ（電球）14を内部に配
設している。前記ランプボディ11の前面開口には白色の
アウターレンズ20を配設し、その周縁部をランプボディ
11に固定支持している。また、前記アウターレンズ20の
内側には、該アウターレンズ20に沿うように有色、ここ
ではアンバー色の着色インナーレンズ35を配設し、その
周縁部を前記ランプボディ11に固定支持している。な
お、32はバルブ14から後方に射出された光を前方に反射
する反射鏡、17はソケットである。

このような灯具では、非点灯時においては、アウター
レンズ20の白色がそのまま灯具の外観色となり、白色と
なる。一方、灯具の点灯時には、バルブ14から射出され
た光が着色インナーレンズ35およびアウターレンズ20を
透過して外部に照射されるため、灯具の外観色は着色イ
ンナーレンズ35が有するアンバー色となる。

〔考案が解決しようとする課題〕

このような従来の灯具では、着色インナーレンズ35を
アウターレンズ20の内側に沿って配設しているため、非
点灯時においてもアウターレンズ20を通して着色インナ
ーレンズ35のアンバー色が透けて見えることがあり、灯
具の外観色を完全な白色にすることは難しい。また、バ
ルブ14から着色インナーレンズ35の各部に到る距離が相
違するため、着色インナーレンズ35が不均一に照明さ
れ、灯具外観のアンバー色にむらが生じ易い。

本考案の目的は、このような問題を解消して灯具の外
観品質を改善した車両用灯具を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の車両用灯具は、ランプボディ内に配設したバ
ルブを覆うシェードの開口に配設された有色のグロー
ブ、その断面形状がほぼコ字状でかつバルブを覆うに必
要かつ十分な寸法に形成し、かつそのコーナ部にシボ加
工を施している。

〔作用〕

本考案によれば、グローブの大きさをバルブを覆う程
度の大きさとすることで、非点灯時にグローブにより灯
具が着色されることを抑制し、またグローブの断面形状
をほぼコ字状としかつコーナ部にシボ加工を施すことで
灯具の薄型化および均一な光照射を可能とする。

〔実施例〕

次に、本考案を図面を参照して説明する。

第１図ないし第６図は本考案の一実施例を示す図であ
り、ここでは本考案をターンシグナルランプ，バックア
ップランプ，およびテール＆ストップランプを一体化し
た自動車のリアコンビネーションランプに適用した例を
示している。第２図はそのコンビネーションランプの正
面図であり、そのＡ−Ａ線横断面図を第１図に、またＢ
−Ｂ線縦断面図を第３図に示す。

これらの図において、１はターンシグナルランプ、２
はバックアップランプ、３はテール＆ストップランプで
ある。これらはランプボディ11にシェード12を一体形成
し、このシェード12によって前記ランプ1,2,3の各ラン
プ室4,5,6が画成されている。これら各ランプ室にはそ
れぞれ前記ランプボディ11の後面開口に嵌合されるバッ
クカバー13に取着されたバルブ14,15,16が配設される。
各バルブ14,15,16はバックカバー13と一体に設けたボス
13aに固定されるソケット17,18,19によりそれぞれラン
プボディ11内に配設されている。

また、前記ランプボディ11の開口部11aには、アウタ
ーレンズ20、すなわち、この例ではターンシグナルラン
プレンズ21,バックアップランプレンズ22,テール＆スト
ップランプレンズ23を一体化したアウターレンズ20が装
着され、ランプボディ11の開口部に設けた溝11bを利用
してアウターレンズ20の周縁部や各境界部において接着
剤24によって固定されている。また、前記アウターレン
ズ20の内側には、フレネルステップ等を形成した透明な
インナーレンズ25,26,27が各ランプ室4,5,6内に配設さ
れ、前記ランプボディ11とアウターレンズ20との間に挟
むように支持されている。

なお、前記ターンシグナルランプレンズ21はバックア
ップレンズ22と共に白色の透明樹脂で一体に形成され、
テール＆ストップランプレンズ23は赤色の透明樹脂でそ
れぞれ形成されている。各ランプのレンズ21,22,23の内
面には所要のステップが形成され、かつテール＆ストッ
プランプレンズ23の一部にはリフレックスリフレクタレ
ンズ28が一体に形成されている。

また、ここでは前記アウターレンズ20の周縁部に沿っ
てリム29が延設され、該このリム29によりアウターレン
ズ20の周縁部を覆って装飾を行っているが、第６図に示
すように、リム29の後面には後方に突出されたリブ30を
設け、このリブ30をランプボディ11の前面開口部の周縁
複数箇所に設けた凹部31内に挿入させ、かつ接着剤（図
示せず）で接着することで取り付けを行っている。

前記ターンシグナルランプ１は、バルブ14の背後に反
射鏡32を配設してバックカバー13に設けた突部13bに固
定支持するとともに、ランプ室４を画成する前記シェー
ド12の一部12aを横方向にも延設し、このシェードの一
部12aによってバルブ14に対応する位置に、該バルブ14
よりも一回り大きい程度の開口部12bを構成している。
そして、この開口部12bにアンバー色をしたグローブ33
を配設している。このグローブ33は、第４図に示すよう
に、前記バルブ14を覆うのに必要かつ十分な寸法をした
容器状に構成し、かつその平面方向の断面形状をコ字状
に近い形状とし、アンバー色の樹脂で形成している。そ
して、コ字状に曲げ形成したコーナ部33aにはシボ加工
を施し、その外側表面を粗くして光透過率を低下させて
いる。なお、この実施例ではグローブ33の上面部33bに
もシボ加工を施している。

ここで、前記シボ加工としては、サンドブラスト法，
ショットピーニング法等表面を粗面に処理する従来公知
の処理法が採用できる。

そして、このグローブ33は、その周縁部を前記シェー
ド一部12aに構成した開口部12bの周縁部に設けた溝12c
に挿入させ、かつその一部に設けた門型の突部34を開口
部12bに設けた突起（図示せず）に嵌合させることでボ
ディへの取着を行っている。

この構成によれば、特にターンシグナルランプ１にお
いては、アウターレンズ20を構成するターンシグナルラ
ンプレンズ21が白色をしているため、ランプの外観色は
白色となる。一方、バルブ14を点灯したときには、射出
される光はアンバー色のグローブ33を通り、インナーレ
ンズ25およびターンシグナルランプレンズ21（アウター
レンズ20）を通って外部に照射されるため、外観色はア
ンバー色となる。

また、グローブ33はバルブ14を覆うに必要かつ十分な
程度の寸法に形成され、この寸法はターンシグナルラン
プレンズ21の寸法に比較して小さいため、グローブ33の
色がアウターレンズ20を透して見える場合でも、ターン
シグナルランプ１の全体がアンバー色に見えることはな
く、外観色を略白色に保つことができる。

さらに、グローブ33は横方向の断面形状をコ字型に形
成しているため、第５図に示すように、前方へ突出され
る寸法を抑制し、ランプの前後方向の薄型化を可能にす
る。一方、グローブ33のコーナ部33aにシボ加工を施す
ことにより、コーナ部33aにおけるバルブ14からの光の
透過光量を低下させ、バルブ14からの光がコーナ部33a
の曲率によって集光してこの部分での照度が他の部分よ
りも高くなることを防止し、照度の均一化を可能とす
る。

また、第１図に示したように、グローブ33を取着する
ランプボディ11の溝12cの前方への突出寸法Ｈを制限す
ることで、バルブ14のフィラメントＦからの光が横方向
に照射されるのを妨げないようにすることもできる。

ここで、本考案は前記したコンビネーションランプに
限られず、有色グローブを有する灯具であれば同様に適
用することができる。

〔考案の効果〕 以上説明したように本考案は、ランプボディ内に設け
たバルブを覆うシェードの開口に配設された有色のグロ
ーブ、その断面形状がほぼコ字状でかつバルブを覆うに
必要かつ十分な寸法に形成しているので、灯具の薄型化
を図り、かつ非点灯時にグローブにより灯具が着色され
ることを防止する効果がある。また、グローブのコーナ
部にシボ加工を施しているので、コーナ部における集光
を防止し、均一な光照度を可能とする効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す第２図のＡ−Ａ線に沿
う横断面図、第２図は本考案の一実施例の正面図、第３
図は第２図のＢ−Ｂ線に沿う縦断面図、第４図はグロー
ブの斜視図、第５図はグローブ部分の拡大横断面図、第
６図はリムに設けたリブを示す斜視図、第７図は従来の
灯具の一部の横断面図である。 １……ターンシグナルランプ、２……バックアップラン
プ、３……テール＆ストップランプ、4,5,6……ランプ
室、11……ランプボディ、12,12a……シェード、13……
バックカバー、14,15,16……バルブ、17,18,19……ソケ
ット、20……アウターレンズ、21……ターンシグナルラ
ンプレンズ、22……バックアップランプレンズ、23……
テール＆ストップランプレンズ、24……接着剤、25,26,
27……インナーレンズ、28……リフレックスリフレクタ
レンズ、29……リム、30……リブ、31……凹部、32……
反射鏡、33……グローブ、33a……コーナ部（シボ加工
部）、34……突部、35……着色インナーレンズ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ランプボディの開口部にレンズを装着する
   とともに、このランプボディ内に配設したバルブを覆う
   ようにシェードを設け、このシェードの一部に開設した
   開口部に有色のグローブを配設し、前記グローブは断面
   形状がほぼコ字状でかつ前記バルブを覆うに必要かつ十
   分な寸法に形成するとともに、そのコーナ部にシボ加工
   を施したことを特徴とする車両用灯具。