JPH0846172A - 伝導制御デバイス - Google Patents

伝導制御デバイス

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JPH0846172A
JPH0846172A JP18949995A JP18949995A JPH0846172A JP H0846172 A JPH0846172 A JP H0846172A JP 18949995 A JP18949995 A JP 18949995A JP 18949995 A JP18949995 A JP 18949995A JP H0846172 A JPH0846172 A JP H0846172A
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JP
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channel
charge
drain
barrier
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Application number
JP18949995A
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English (en)
Inventor
Kazuo Nakazato
和郎 中里
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L29/00Semiconductor devices adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching, or capacitors or resistors with at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof  ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/68Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable by only the electric current supplied, or only the electric potential applied, to an electrode which does not carry the current to be rectified, amplified or switched
    • H01L29/76Unipolar devices, e.g. field effect transistors
    • H01L29/7613Single electron transistors; Coulomb blockade devices

Abstract

(57)【要約】 【目的】伝導制御デバイスの電圧ゲインの改善を図る。 【構成】例えば、単電子トランジスタである伝導制御デ
バイスであって、ソース1と、ドレイン2と、それぞれ
トンネル障壁接合TJ1,TJ2によりソースおよびド
レインから分離された電荷受容島3とを有する。このデ
バイスはナノ・メータスケールで構成され、島3上の電
荷はクーロン妨害効果(Coulomb blockadeeffect)により
微小な個数の電子に制限される。ゲート電極4は島3を
被覆する。高ゲート/ドレインゲインを得るために、電
圧効果領域15がトンネル障壁接合TJ2とドレイン2
との間に直列に接続され、実効クーロンギャップ電圧V
cを増加させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】本発明は、伝導制御デバイスに係
り、特に(但し限定する意味ではなく)、単電子論理デ
バイスの電圧ゲイン(電圧利得)の改善への応用に関す
る。
【0002】
【従来の技術】最新技術により、個々の電子の荷電効果
(charging effects)が観察できるほどに微小の電気容
量をもつ、ナノ・スケールでの構造が製造可能となって
いる。基板上のナノ・スケールの伝導島(conductive i
sland)に1個の電子が入ろうとし、かつ、その島の荷
電エネルギーの変化が熱変動(thermal fluctuations)
のエネルギーkBTより大きくなったとき、その島の容
量の有意な充電が生じ、その結果、その電子の入島は強
く抑制される。この現象は、クーロン妨害(Coulomb Bl
ockade)効果として知られており、単電子トランジスタ
の製造の可能性が論証されたときには多大な関心を呼ん
だ(Fulton, T.A.およびDolan G.J.による"Observation
of Single-Electron Charging Effects in Small Tunn
el Junctions", Phys. Rev. Lett., 1987, 59, 99109-1
12を参照)。個々の電子を伝導させるためのターンスタ
イル(回転木戸:turnstile)も最近、論証された(Geel
igs,L.J., Anderegg, V.F. , Holweg, P.A.M., Mooij,
J.E., Pothier, H., Esteve, D., Urbina,C., およびD
evoret, M.H.による"Frequency-Locked Turnstile Devi
ce for Single Electrons", Phys. Rev. Lett., 1990,
64 pp 2691-2694を参照)。
【0003】同様に、次の文献を参照されたい。
【0004】B.L. Altshuler, P.A. Lee およびR.A. We
bb (編集)による"Mesoscopic Phenomenain Solids", (E
lsevier, Amsterdam, 1991), pp 173-271に記載のAveri
n, D.V. およびLikharev, K.K.による"Single electron
ics: A Correlated Transferof Single Electrons and
Cooper Pairs in Systems of Small Tunnel Junction
s", およびH. Grabert and M.H. Devoretによる"Single
Charge Tunnelling" (Plenum Press, New York, 199
2), pp311-332 に記載のAverin, D.V.およびLikharev,
K.K.による"Possible Applications of Single Charge
Tunnelling"さらに、本出願人によるEP−A−056
2751およびWO94/15340も参照されたい。
【0005】図1に、単電子トランジスタを模式的に示
す。このデバイスは、ほぼ絶縁性の基板上に形成された
ナノメーター・スケールの伝導構造からなり、ソース領
域1、ドレイン領域2、および、ソース領域1とドレイ
ン領域2との間の電荷受容島(charge-receiving islan
d)3を形成している。模式的に示した被覆ゲート電極
4は、島3と容量的に結合して、ゲートキャパシタCg
を形成する。ゲート電圧Vgは当該キャパシタCgに印
加される。伝導領域1、2、3の間の絶縁ギャップはト
ンネル接合TJ1,TJ2を構成する。このトンネル接
合は、電子流に対する障壁(barriers)として働くが、
適当なバイアスを掛けることにより、電子は個別に、ソ
ース1から、トンネル接合TJ1による第1の障壁を島
3側へ通り抜け、さらに、接合TJ2による第2の障壁
をドレイン2側へ通り抜け可能となる。この電子流は、
電子1個単位に制御される。なぜなら、微小スケールの
構造によりクーロン妨害効果が発生し、その結果として
個々の電子を順次受容するように島を構成しうるからで
ある。このデバイスについての詳細は、上述したAverin
およびLikharevに記載されている。
【0006】図2は、図1に示した単電子トランジスタ
を破線枠10内に有する論理回路を示している。トラン
ジスタ10のドレイン・ソース経路は、レール電圧Vc
cと接地との間で、抵抗Rに直列に接続される。入力I
Pはゲート電極4に印加され、出力OPは、抵抗Rとト
ランジスタ10との接続点である端子6から取り出され
る。
【0007】単電子トランジスタ10において、その回
路特性に関する限り、それぞれトンネル接合TJ1,T
J2は主として容量C1,C2を呈する。
【0008】図3に、単電子トランジスタ10のソース
・ドレイン間の電圧/電流特性を示す。クーロン妨害効
果により、クーロンギャップ電圧として知られる閾値電
圧Vc以下では、本デバイスには電流は流れない。クー
ロンギャップ電圧Vcを越えると、印加電圧の関数とし
て、電子単位に、電流が流れる。クーロンギャップ電圧
はゲート電圧を変えることにより変化させることができ
る。ゲート電圧をVgからVg’へ変えたとき、クーロ
ンギャップ電圧は、図3に示すように値Vc’に変わ
る。次に、図4は、図2の反転(インバータ)回路の出
力電圧Vが、図3の特性曲線とVcc−IR=Vの曲線
との交点により与えられることを示している。ここに、
Vccはレール電圧、Rは負荷抵抗、Iは電流を表す。
出力電圧Vはクーロンギャップ電圧に近接している。こ
のように、クーロンギャップ電圧Vcを変化させるよう
にゲート電圧を変化させることにより、出力電圧Vはゲ
ート電圧Vgの関数として変化することが可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の単電子トランジ
スタにおける問題は、以下に説明するように、ゲート・
ドレイン電圧ゲインが1より小さいことである。単電子
トランジスタの特性は、島3上の電子の追加または削減
の観点から考慮する必要がある。よって、電子の追加を
考えれば、ゲート電圧はe/Cgだけ変化すべきであ
る。ここに、−eは単電子の電荷である(e>0)。こ
のゲート電圧変化により、出力電圧はe/CΣだけ変化
する。ここに、CΣ=C1+C2+Cgである。したがっ
て、全体のゲート・ドレイン電圧ゲインは、これら2つ
の値の比として与えられる。
【0010】 Cg/CΣ=Cg/(Cg+C1+C2) この式は、必然的に1より小さくなることが分かる。
【0011】次に、図5に、ゲート電圧Vgとクーロン
ギャップ電圧Vcの関係をより詳細に示し、かつ、キャ
パシタ上の電荷および島内の電子占有により生じる効果
を示す。図5は、事実上、ゲート電圧Vgの関数として
のソース・ドレイン電圧をプロットしたグラフである。
このグラフの領域Aでは、差動電圧ゲイン(differenti
al voltage gain)は1を越えているが、そのゲインお
よび動作領域は極端に小さくて実用にならない。これに
関しては、M.I. LutwycheおよびY. Wadaによる"Estimat
e of the ultimate performance of the single-electr
on transister", J. Appl. Phys. 75, 3654 (1994)を参
照されたい。また、このグラフは、キャパシタに誘起さ
れた電荷およびこのデバイスの単電子占有の結果とし
て、マルチパス”鋸歯”形状を有していることが分か
る。よって、このデバイスをグラフのこの領域で動作さ
せようとすれば、回路が不安定となるおそれが高い。領
域AはVgの異なる領域で反復して現れるので、実際ど
の領域が選択されているのかを見極めるのが困難であ
る。
【0012】本発明は、これらの問題を解決しようとす
るものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、ソース領域
と、ソース領域から電荷を受容する電荷受容領域と、該
電荷受容領域からの電荷を排出するドレイン領域と、そ
れぞれ前記電荷受容領域と前記ソース領域との間および
前記電荷受容領域とドレイン領域との間に設けられた第
1および第2の障壁領域とを備え、前記電荷受容領域上
の電荷は、クーロン妨害により基底エネルギーレベルに
対して所定のエネルギーレベルに制限され、さらに、前
記第1の障壁を介して前記電荷受容領域へ電荷を透過さ
せるために前記ソース領域のエネルギーを前記基底レベ
ルを超えるレベルまで上昇させる手段と、前記電荷受容
領域内の電荷が前記第2の障壁を介して前記ドレイン領
域へ透過するよう前記ドレイン領域のエネルギーを前記
基底レベルより低くする手段とを備える伝導制御デバイ
スを提供する。
【0014】簡便には、前記ドレイン領域のエネルギー
を低くする手段は、前記第2の障壁と前記ドレイン領域
との間に接続される、電圧降下を発生させる手段を有す
る。
【0015】本デバイスは、簡便には、比較的高い導電
率のチャネルを有するように基板上にナノ・スケールで
構成され、前記第1および第2の障壁は当該チャネルに
沿って互いに離れて配置され、これによって、前記チャ
ネルの比較的導電性である領域に前記ソース領域、電荷
受容領域および前記ドレイン領域が定められ、かつ、電
圧降下領域は前記第2の障壁と前記ドレイン領域との間
のチャネル内に比較的高いインピーダンス領域を形成す
る手段を有する。
【0016】前記電圧降下領域は、比較的高いインピー
ダンスの空乏領域を形成するようにドーピングされたチ
ャネルの一領域を有してもよい。
【0017】前記チャネルは、前記ソース領域と前記ド
レイン領域との間に設けられた多段トンネル接合構造を
含む領域を有してもよい。この構造は、複数のトンネル
接合からなりこれらのトンネル接合の間に複数の電荷受
容島を有するとともに、この多段トンネル接合構造に近
接した制御電極を有するものである。
【0018】
【実施例】以下、本発明をよりよく理解するために、本
発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0019】本発明の実施例を説明する前に、まず、図
2に示した単電子トランジスタの種々のエネルギー状態
を、図6のエネルギー図を参照しながら説明する。
【0020】図6(a)に、図2に示したトランジスタ
10のソース・ドレイン経路に沿ったエネルギー図を示
す。トンネル接合TJ1,TJ2に関連したポテンシャ
ル障壁により井戸が形成され、これらの障壁によって、
島3の比較的低いエネルギー状態をソース・ドレイン
1、2の低エネルギー状態から分離していることが分か
る。クーロン妨害により、障壁TJ1を通過して1つの
電子が島3に入るとき、島3上のエネルギーは増加す
る。この充電エネルギーは、e2/2CΣにより与えら
れる。
【0021】ソース1内の状態S1の電子e1が接合T
J1の障壁を島3側へ通過するためには、本デバイスに
電圧を印加して図6(b)に示すようにソース内の電子
e1のエネルギーレベルを上昇させ、状態S3の電子が
障壁TJ1を島3の状態S2へ通過可能とする必要があ
る。
【0022】図6(b)に示すように、外部バイアスか
らの増加分(gain)eVは、島の充電エネルギーを克服
して、電子はトランジスタを通過可能となる。外部バイ
アスにより生成された電圧降下は2つの接合TJ1,T
J2で同様に生じるので、電子移動を開始させるのに必
要なクーロンギャップ電圧Vcは次式で与えられる。
【0023】eVc/2=e2/2CΣ この式は次のように書き換えることができる。
【0024】Vc=e/CΣ このように、最大クーロンギャップ電圧Vcは、単電子
トランジスタの種々の容量により定められ、図5のY軸
上に示した最大値に対応する。
【0025】本発明によれば、実効クーロンギャップ電
圧Vcを大きくすると、トランジスタの電圧ゲインも大
きくなる。
【0026】次に、図7に、半導体基板11上に伝導チ
ャネル12を形成した本発明の第1の実施例を示す。典
型的には、この基板はGaAsからなり、チャネルは、
それ自体周知の方法によって、そのチャネルの長さ方向
に沿って基板内に2次元電子ガスを生成するGaAs/
GaAlAs層界面(interface)により形成される。
単電子トランジスタ10は、チャネル12内に形成さ
れ、ソース領域1と、ドレイン2と、これらソースおよ
びドレイン領域から第1および第2のトンネル障壁TJ
1,TJ2により分離された島3とからなる。トンネル
障壁TJ1,TJ2は、チャネル12内の幅制限部1
3、14により構成される。典型的には、チャネル12
のための層構造は、分子ビームエピタキシー(MBE)
により成長され、リソグラフィーによりパターン化さ
れ、エッチングされて、これにより、チャネルと、障壁
TJ1,TJ2をもたらす幅制限部13、14とが形成
される。側面コンタクト5を有する被覆ゲート電極4
は、島3を被覆するように配置される。ゲート4は、典
型的には金属製であり、従来のリフトオフ法により形成
される。
【0027】本発明によれば、チャネル12の領域15
は、イオン打ち込みにより、低打ち込み領域を形成す
る。この低打ち込み領域は、空乏(depletion)によ
り、下に横たわる2次元電子ガスのインピーダンスを増
大させる。領域15は、打ち込み技術を用いて、レジス
トマスクを介して、例えばBeイオンを用いて形成する
ことができる。このようにして、領域15は、トンネル
接合TJ2とトランジスタのドレイン2との間に直列に
接続されるインピーダンスを構成し、これが電圧降下領
域となる。
【0028】次に図8に、ソース・ドレインバイアス電
圧を印加した場合の図7のデバイスに対応するエネルギ
ー図を示す。図6に示した従来のエネルギー図と比べる
と、本発明によるデバイスの方が高いクーロンギャップ
電圧を生じさせていることが分かる。図8に示したよう
な印加バイアス電圧Vは、第1および第2のトンネル障
壁TJ1,TJ2の間に電圧降下VIを生じさせ、その
結果、ソース1のエネルギーレベルが基底レベル16よ
りeVIだけ高くなっている。加えて、電圧降下領域1
5の働きにより、ドレイン領域2のエネルギーを基底レ
ベル16よりeVIIだけ低くしている。
【0029】電圧降下比がα=VII/VIで与えられる
とき、クーロンギャップ電圧は(1+α)Vcoまで上
昇する。ここに、Vcoは電圧降下領域15が存在しな
い場合のクーロンギャップ電圧である。比αは、図8の
二つの領域I,IIの実効容量の比、すなわち、α=C
I/CIIにより与えられる。電圧降下領域15のために
トンネル障壁を設ける必要はない。電圧降下領域は単に
空間電荷領域(space-charge region)により実現でき
る。これは、コレクタ・ベース空乏領域が高電圧ゲイン
をもたらす従来のバイポーラトランジスタと同様に考え
ることができる。
【0030】次に図9に、変形例を示す。この変形例で
は、図7の単一ゲート4を2個のゲート17、18から
なるスプリットゲート構成により置き換えたものであ
る。ゲート17、18の各々は、ゲート4とほぼ同一の
構成を有するが、それぞれ、トンネル障壁TJ1,TJ
2に覆い被さるように構成されている。接合TJ1,T
J2に対応する障壁高さは、ソース1から島3への、か
つ、島3からドレイン2への電荷転送の確率を増減する
ように、個別に制御できる。このデバイスは、図7で説
明したと同様の方法で形成された電圧降下領域15を有
する。この構成では、クーロン妨害は障壁高さにより制
御され、そのクーロンギャップ電圧・ゲート電圧特性
は、単電子トランジスタにおいて、”鋸歯”特性(図
5)の代わりに、反転回路の理想的転送特性を与える。
しかも、この転送特性の変換点(turning point)は、
障壁高さの特定の値で決まり、オフセット電荷(島3の
周囲の不純物トラップによる予期しない電荷)には無関
係である。
【0031】図10は、電圧降下領域をチャネル12の
表面領域の選択エッチングにより形成した図9の変形例
を示す。これは、当業者には明らかなように、領域15
におけるチャネルのインピーダンスを増加させる。
【0032】図11に、図9の実施例の変形例を示す。
これは、電圧降下領域15をチャネルの幅制限部により
形成することにより、そのインピーダンスを増加させた
ものである。
【0033】次に、図12に、ソース1とドレイン2と
の間に複数の島3a,3b,..3eを結合した変形例
を示す。トンネル障壁TJ1...TJ6は、ソース・
ドレイン1、2間の各隣接島間に設けられる。トンネル
接合TJ3〜TJ6には、それぞれ制御電極18a〜1
8dが設けられ、これらのトンネル接合は、電圧降下領
域として実効クーロン妨害電圧Vcを増加させて本デバ
イスの電圧ゲインを増加させる。この構成では、幾つか
のトンネル接合は、コ・トンネリング効果(co-tunnell
ing effects)(すなわち、2個を越える接合を同時に
電子が通過すること)を抑止する。図12の構成は、図
9〜11の構成と結合することができる。
【0034】本発明のさらに他の例を図13に示す。こ
れは、チャネル12をいわゆるデルタ・ドープ材料(δ
-doped material)で形成したものである(K. Nakazat
o, T.J. Thornton, J. White,およびH. Ahmed による"S
ingle-Electron Effects in side gating in δ-doped
layers", Appl. Phys. Lett. 61, 3145 (1992)を参
照)。このようなδドープ層では、ドーパント層が1原
子層内までだけ導入され、このようにしてできた材料が
δドープされたと言われる。この構造はチャネルの長さ
方向に沿って実質的に2次元電子ガスを生成する。しか
し、幅制限部19の領域では、そのくびれ(constricti
on)によって、多段トンネル接合(multiple-tunnel ju
nction: MTJ)が形成される(M. Nakazato, R.J. Blaik
eおよびH.Ahmedによる"Single-electron memory", J. A
ppl. Phys. 75, 5123 (1994)を参照)。これについて
は、本出願人のWO94/15340にさらに詳細に記
載されている。ゲート電極20は、図13に示したよう
に、くびれ部19にできたMTJ上に非対称に配置さ
れ、これによって、比較的短い長さの障壁領域21をソ
ース1とゲート20との間に設ける一方、比較的長い電
圧降下領域22をゲート20とドレイン2との間に設け
ている。
【0035】図14(a)は、ゼロバイアスの状態にお
ける図13のデバイスのエネルギー図を示す。前記Naka
zatoらに説明されているように、多段トンネル接合デバ
イスは電子ガス内の隣接島を区切る複数のトンネル接合
を有し、これらのトンネル接合はチャネル内の不純物ポ
テンシャルにより形成されると考えられる。このMTJ
のエネルギー図は図14(a)に示す通りであり、近接
離間した複数のエネルギー障壁bnを有し、電子ガス内
のこれらのエネルギー障壁の間に伝導島3nが形成され
る。
【0036】図14(b)は、本デバイスにドレイン・
ソースバイアスを印加した場合を示している。印加バイ
アスVはソース1のエネルギーレベルを基底レベル16
よりeVIだけ上昇させ、ドレイン2のエネルギーレベ
ルを基底レベル16よりeVIIだけ低下させる。その
結果、実効クーロン妨害電圧Vcが従来技術と比べて増
加する。よって、ゲート電極20の制御の下で、電子
は、障壁領域21内の障壁bを通り抜けさせられる。図
13に示した構造は、障壁領域21および電圧降下領域
22を設けるのにたった1個のくびれ部を必要とするの
みなので、極めてコンパクトとなる。
【0037】本発明の多くの変形・変更は、当業者には
明白であろう。例えば、本デバイスは前述したような横
方向にパターン化した構造に代えて、垂直方向の層構造
を用いて形成することもできる。適切なMTJ構造は、
GB−A−2284299に記載されている。さらに、
本構造を形成するためには、任意の適当な半導体材料ま
たは他の材料を用いることができる。上記の説明では一
例としてGaAsについて説明したが、前記WO94/
15340に記載のようにシリコン製造技術を利用する
ことも可能である。本発明によるデバイスは、論理回路
への使用に限定されるものではなく、高電圧ゲインを必
要とする任意の回路に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の単電子トランジスタの模式図である。
【図2】論理回路に内蔵した図1のトランジスタの模式
的回路図である。
【図3】ゲート電圧の関数としての、ソース・ドレイン
経路のクーロン妨害による制限を受けた電圧・電流特性
を示すグラフである。
【図4】図2の回路の出力電圧特性を示すグラフであ
る。
【図5】図2に示したトランジスタの電圧ゲインのグラ
フである。
【図6】(a)は印加電圧0での図2の単電子トランジ
スタのエネルギー図であり、(b)はソース・ドレイン
バイアス印加時の、(a)に対応する図である。
【図7】本発明の第1の実施例を示す図である。
【図8】図7のデバイスに関連したエネルギー図のグラ
フである。
【図9】トンネル障壁を被覆するスプリット・ゲート構
造の本発明の他の実施例の模式図である。
【図10】部分エッチングされたチャネル領域で図7お
よび図9の空乏領域を置換した、本発明の他の実施例を
示す図である。
【図11】チャネル幅を低減した部分により電圧降下領
域を形成した他の実施例を示す図である。
【図12】本発明のさらに他の実施例を示す図である。
【図13】多段トンネル接合デバイスを用いた他の実施
例を示す図である。
【図14】(a)はゼロバイアス時の図13のデバイス
のエネルギー図であり、(b)はドレイン・ソースバイ
アスを印加した、(a)に対応するエネルギー図であ
る。
【符号の説明】
1…ソース領域、2…ドレイン領域、3…電荷受容領
域、4…ゲート電極、10…単電子トランジスタ、TJ
1,TJ2…トンネル接合、Cg…ゲートキャパシタ、
Vg…ゲート電圧。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ソース領域(1)と、ソース領域から電荷
    を受容する電荷受容領域(3)と、該電荷受容領域から
    の電荷を排出するドレイン領域(2)と、それぞれ前記
    電荷受容領域と前記ソース領域との間および前記電荷受
    容領域とドレイン領域との間に設けられた第1および第
    2の障壁領域(13,14)とを備え、 前記電荷受容領域上の電荷は、クーロン妨害により基底
    エネルギーレベル(16)に対して所定のエネルギーレ
    ベルに制限され、 さらに、前記第1の障壁を介して前記電荷受容領域へ電
    荷を透過させるために前記ソース領域のエネルギーを前
    記基底レベルを超えるレベルまで上昇させる手段と、 前記電荷受容領域(3)内の電荷が前記第2の障壁(1
    4)を介して前記ドレイン領域へ透過するよう前記ドレ
    イン領域(2)のエネルギーを前記基底レベルより低く
    する手段(15)とを備えることを特徴とする伝導制御
    デバイス。
  2. 【請求項2】請求項1記載のデバイスにおいて、前記ド
    レイン領域のエネルギーを低下させる手段は、前記第2
    の障壁(14)と前記ドレイン領域(2)との間に直列
    接続される、電圧降下を発生させる手段(15)を有す
    るデバイス。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のデバイスにおい
    て、基板(11)と、比較的高導電率のチャネル(1
    2)を形成する手段と、該チャネルに沿って離間配置さ
    れた第1および第2の障壁を形成する手段(13,1
    4)とを有し、これによって、前記チャネルの比較的導
    電性である領域が前記ソース領域(1)、電荷受容領域
    (3)およびドレイン領域(2)を形成するとともに、
    前記電圧降下領域は前記第2の障壁と前記ドレイン領域
    との間の前記チャネル内に比較的高インピーダンスの領
    域(15)を形成する手段を有するデバイス。
  4. 【請求項4】請求項3記載のデバイスにおいて、前記第
    1および第2の障壁領域は、前記チャネル(12)の幅
    を低減した領域(13,14)を有するデバイス。
  5. 【請求項5】請求項3または4記載のデバイスにおい
    て、前記チャネル(12)の長さ方向に沿って実質的に
    2次元電子ガスを生成するため前記基板上に層構造を有
    するデバイス。
  6. 【請求項6】請求項5記載のデバイスにおいて、前記電
    圧降下領域(15)は、前記電子ガス内に比較的高いイ
    ンピーダンスの空乏領域を形成するようにドーピングさ
    れたチャネルの一領域を有するデバイス。
  7. 【請求項7】請求項5記載のデバイスにおいて、前記電
    圧降下領域(15)は、前記層構造の一部を部分的に除
    去することにより形成されたデバイス。
  8. 【請求項8】請求項3、4または5記載のデバイスにお
    いて、前記電圧降下領域(15)は、前記チャネル内の
    幅を制限した領域により形成されたデバイス。
  9. 【請求項9】請求項8記載のデバイスにおいて、前記電
    圧降下領域は、幅が制限された複数の領域(TJ3…T
    J6)を前記チャネルの長さ方向に沿って有するデバイ
    ス。
  10. 【請求項10】請求項8または9記載のデバイスにおい
    て、各チャネル幅制限部に対してその障壁高さを制御す
    るための制御電極手段(17,18)を有するデバイ
    ス。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載のデバ
    イスにおいて、充電領域に容量的に結合したゲート電極
    手段(14)を有するデバイス。
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれかに記載のデバ
    イスにおいて、それぞれ前記第1および第2の障壁(1
    3,14)に対応し、それらの障壁高さを制御する第1
    および第2の制御電極手段(17,18)を有するデバ
    イス。
  13. 【請求項13】請求項3記載のデバイスにおいて、前記
    チャネル(12)は、前記ソース領域(1)と前記ドレ
    イン領域(2)との間に伸びた多段トンネル接合構造を
    含む領域(19)を有し、該構造は、複数の離間したト
    ンネル接合とそれらの間の複数の電荷受容領域と、この
    多段トンネル接合構造を被覆する制御電極(20)とを
    有するデバイス。
  14. 【請求項14】請求項13記載のデバイスにおいて、前
    記多段トンネル接合構造は、前記ソース領域と前記制御
    電極との間に障壁領域(21)を形成するとともに、前
    記制御電極と前記ドレイン領域との間に電圧降下領域
    (22)を形成するデバイス。
  15. 【請求項15】請求項1〜14のいずれかに記載のデバ
    イスにおいて、単電子トランジスタ(10)を構成する
    デバイス。
  16. 【請求項16】請求項1〜15のいずれかに記載のデバ
    イスにおいて、レール電圧源(Vcc)の間に、ソース
    ・ドレイン経路が負荷インピーダンス(R)と直列に接
    続され、これによって、論理回路要素を形成したデバイ
    ス。
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