JPH0845511A - 鉛蓄電池用集電体及びその製造方法 - Google Patents

鉛蓄電池用集電体及びその製造方法

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JPH0845511A
JPH0845511A JP6176807A JP17680794A JPH0845511A JP H0845511 A JPH0845511 A JP H0845511A JP 6176807 A JP6176807 A JP 6176807A JP 17680794 A JP17680794 A JP 17680794A JP H0845511 A JPH0845511 A JP H0845511A
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JP
Japan
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lead
layer
slurry
collector material
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JP6176807A
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Ichiro Mukoya
一郎 向谷
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Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面に鉛酸塩の皮膜を有する集電体の腐食を
十分に抑制できる鉛蓄電池用集電体を得る。 【構成】 水酸化ストロンチウムSr(OH)2 を含む
水酸化溶液中に集電体素材1を浸漬する。鉛酸塩[鉛酸
ストロンチウム:SrPbO3 ]と鉛丹と水とを混練し
てなるスラリを集電体素材1に塗布してから集電体素材
1をオゾン雰囲気中に所定時間置く。集電体素材1の上
に鉛と一酸化鉛と二酸化すずとを含む接合層を形成する
第1の層2を形成し、この第1の層2の上に鉛酸塩と二
酸化鉛と二酸化すずとを含む第2の層3を形成する。 【効果】 集電体素材を希硫酸中に浸漬したり、高温に
さらすことなく集電体素材の上に鉛酸塩を形成する。酸
化鉛及び二酸化すずを含む接合層は、スラリにより形成
した鉛酸塩層の集電体素材からの脱落を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉛蓄電池用正極板に用
いるのに好適な鉛蓄電池用集電体及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】密閉形鉛蓄電池等の鉛蓄電池に用いるい
わゆるペースト式極板用の集電体は、PbまたはPb合
金からなる格子体等により形成されている。この極板
は、集電体の表面にペーストを充填して乾燥することに
より形成したペースト式活物質層を備えている。このよ
うな極板を用いた密閉形鉛蓄電池を分散配置式の非常用
電源として用い、密閉形鉛蓄電池をトリクル充電(トリ
クルユース)により充電すると、正極板の集電体では電
解液と反応して集電体を形成する合金の結晶粒子の界面
に沿って腐食が発生する。特にPb−Ca系合金のよう
に、Caを含む鉛合金(以下、Pb−Ca系合金等と言
う)を格子体として用いると結晶の粒子が細かくなりや
すく、粒子界面が多くなるために、集電体が更に腐食し
やすくなる。このように腐食が進むと正極板の集電体が
大きく伸びて、活物質が脱落しやすくなり、電池は早期
に寿命に至る。またアンチモン(Sb)を含む鉛合金
(Pb−Sb系合金等)を格子体として用いると粒界腐
食は生じにくいものの、集電体全体に亘って腐食が進行
する。そこで、BaPbO3 、SrPbO3 等のペロブ
スカイト型の鉛酸塩からなる皮膜を集電体の表面に形成
することが提案された。このような鉛酸塩は耐酸性及び
耐腐食性が高いので、集電体が腐食するのを防ぐことが
できる。従来では、次のようにして鉛酸塩からなる皮膜
を集電体の表面に形成していた。まず、PbまたはPb
合金からなる格子体等の集電体と鉛板等の耐硫酸性のあ
る導電体からなる対極とを希硫酸溶液中に浸漬して、集
電体に電源の正極端子を接続し、対極に電源の負極端子
を接続して、電流を流して集電体を陽極酸化して集電体
の表面にPbO2 の皮膜を形成する。次に、Ba(O
H)2 等の水酸化塩をPbO2 の皮膜の上に塗布してか
ら300℃程の高温によりPbO2 と水酸化塩とを反応
させ、集電体の表面にBaPbO3 等の鉛酸塩の皮膜を
形成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法で鉛酸塩の皮膜を形成すると、集電体を希硫酸溶液
中に浸漬するため、比較的低い電位で硫酸鉛からなる腐
食生成物が生成される。硫酸鉛は密度が低く、体積膨脹
が大きいため、集電体が多孔質構造となり、集電体内部
にまで腐食が進行するおそれがある。また従来の製造方
法では300℃程の高温に集電体をさらすため、粒界腐
食が進行するおそれがある。そのため、集電体の表面に
BaPbO3 等の鉛酸塩の皮膜を形成しても集電体の腐
食を十分に抑制できないという問題があった。
【0004】本発明の目的は、集電体素材の表面に鉛酸
塩の皮膜を備えており、しかも従来より腐食を十分に抑
制できる鉛蓄電池用集電体を提供することにある。
【0005】本発明の他の目的は、集電体素材を硫酸に
浸漬したり、高温にさらすことなく鉛酸塩の皮膜を形成
できる鉛蓄電池用集電体の製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、集電体素材の
上に化学式RPbO3 (Rは金属元素)で表される鉛酸
塩を含む鉛酸塩層が形成されている鉛蓄電池用集電体を
対象にする。本発明では、鉛酸塩を含むスラリを集電体
素材上に塗布して鉛酸塩層を形成し、集電体素材と鉛酸
塩層との間に形成する接合層には酸化鉛及び二酸化すず
の少なくとも一つを含ませる。金属元素Rとしては、バ
リウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)等を用いるこ
とができる。
【0007】すず(Sn)を含む集電体素材を用いて鉛
蓄電池用集電体を製造する場合には、まず、化学式R
(OH)2 (Rは金属元素)で表される水酸化物を含む
水酸化溶液中にすずを含む集電体素材を浸漬する。そし
て水酸化溶液中から取り出した集電体素材の上に化学式
RPbO3 (Rは金属元素)で表される鉛酸塩と鉛丹
(Pb3 4 )と水とを混練してなるスラリを塗布し、
その後に集電体素材をオゾン雰囲気中に所定時間置けば
よい。集電体素材を水酸化溶液中に浸漬すると集電体素
材のPbとSnがR(OH)2 溶液に溶存している酸素
と反応して集電体素材表面にはPbO、SnOを主成分
とする層が形成される。また集電体素材の表面にはR
(OH)2 が付着する。そしてこの集電体素材の上に鉛
酸塩(RPbO3 )と鉛丹(Pb3 4 )と水とを混練
してなるスラリを塗布してから集電体素材をオゾン雰囲
気中に置くと、集電体素材の上に鉛と一酸化鉛(Pb
O)と二酸化すず(SnO2 )とを含む第1の層(接合
層)が形成され、第1の層の上に鉛酸塩(RPbO3
と二酸化鉛(PbO2 )と二酸化すず(SnO2 )とを
含む第2の層が形成される。
【0008】第1の層中の一酸化鉛(PbO)はスラリ
中の鉛丹(Pb3 4 )と集電体中のPbとが下記の式
により反応して生成されたものである。
【0009】Pb3 4 +Pb→4PbO 第1の層及び第2の層中の二酸化すず(SnO2 )は集
電体素材をR(OH)2 溶液に浸漬した際に生成された
SnOがオゾン酸化されたものである。第2の層中の鉛
酸塩(RPbO3 )一部は、集電体表面に付着したR
(OH)2 とスラリ中の鉛丹(Pb3 4 )とオゾン
(O3 )とが下記の式で生成したものであり、このRP
bO3 はスラリ中のRPbO3 を核として成長する。
【0010】9R(OH)2 +3Pb3 4 +2O3
9RPbO3 +9H2 O 第2の層中の二酸化鉛(PbO2 )はスラリ中の鉛丹
(Pb3 4 )が下記の式でオゾン酸化して生成された
ものである。
【0011】3Pb3 4 +2O3 →9PbO2 すずを含まない集電体素材を用いて鉛蓄電池用集電体を
製造する場合には、すずを含まない集電体素材に化学式
RPbO3 (Rは金属元素)で表される鉛酸塩と二酸化
すず(SnO2 )と鉛丹(Pb3 4 )と水とを混練し
てなるスラリを塗布した後に、集電体素材をオゾン雰囲
気中に所定時間置けばよい。このようにすると、集電体
素材の上に鉛(Pb)と一酸化鉛(PbO)と二酸化す
ず(SnO2 )とを含む第1の層(接合層)が形成さ
れ、第1の層の上に鉛酸塩(RPbO3 )と二酸化鉛
(PbO2 )と二酸化すず(SnO2 )とを含む第2の
層が形成される。第1の層中の一酸化鉛(PbO)はス
ラリ中の鉛丹(Pb3 4 )と集電体中のPbとが下記
の式により反応して生成されたものである。
【0012】Pb3 4 +Pb→4PbO 第1及び第2の層中の二酸化すず及び第2の層中のSr
PbO3 はスラリ中のものである。
【0013】第2の層中の二酸化鉛(PbO2 )はスラ
リ中の鉛丹(Pb3 4 )が下記の式でオゾン酸化して
生成されたものである。
【0014】3Pb3 4 +2O3 →9PbO2
【0015】
【作用】発明者は、鉛酸塩を含むスラリを塗布して鉛酸
塩層を形成すれば、従来のように集電体素材を希硫酸中
に浸漬したり、高温にさらすことなく集電体素材の表面
に鉛酸塩層を形成することを考えた。しかしながら、鉛
酸塩を含むスラリを単に集電体素材に塗布しただけで
は、スラリが集電体素材から脱落することが判った。研
究の結果、集電体素材と鉛酸塩層との間に酸化鉛及び二
酸化すずの少なくとも一つを含む接合層を形成すると、
鉛酸塩の層が集電体素材から脱落し難くなるのが判っ
た。これは凝集破壊によるものである。
【0016】
【実施例】
(実施例1)本実施例の集電体は次のようにして製造し
た。まず、Pb−1.2重量%Sn−0.09重量%C
a合金を鋳造して格子体からなる集電体素材(すずを含
む集電体素材)を作った。次に水酸化ストロンチウムS
r(OH)2 の過飽和溶液に集電体素材を15分間浸漬
した。好ましい浸漬時間は10〜60分である。この浸
漬により集電体素材のPbとSnがSr(OH)2 溶液
に溶存している酸素と反応して集電体素材表面にはPb
O、SnOを主成分とする層が形成される。また集電体
素材の表面にはSr(OH)2 が付着する。次に鉛酸ス
トロンチウム(SrPbO3 )50重量%と鉛丹(Pb
3 4 )50重量%とからなる固形分及び該固形分に対
して25重量%の水を混練してスラリを作った。そし
て、このスラリを集電体素材表面全体に0.1mmの厚み
に塗布した。なおスラリ中のSrPbO3 とPb3 4
との好ましい重量比は2:1〜1:2であり、塗布する
好ましい厚みは0.01〜0.5mmである。そしてスラ
リを塗布した集電体素材を80〜90℃中に6時間放置
して乾燥してから集電体素材を5体積%のオゾン
(O3 )雰囲気中に30分放置して集電体を完成した。
なおスラリに含まれる鉛酸ストロンチウム(SrPbO
3 )はSr(OH)2 とPbO2 とを350℃で反応さ
せることにより製造した。またオゾン(O3 )雰囲気の
好ましい濃度は1.5〜10体積%であり、オゾン(O
3 )雰囲気中への集電体素材の好ましい放置時間は10
〜60分である。これにより、図1に示すように集電体
素材1の上に鉛と一酸化鉛(PbO)と二酸化すず(S
nO2 )とを含む厚み約0.01mmの第1の層(接合
層)2が形成され、第1の層2の上にSrPbO3 58
重量%と二酸化鉛(PbO2 )20重量%と二酸化すず
(SnO2 )22重量%とを含む厚み約0.1mmの第2
の層3が形成される。第1の層2中の一酸化鉛(Pb
O)はスラリ中の鉛丹(Pb3 4 )と集電体中のPb
とが反応して生成されたものである。第1の層2及び第
2の層3中の二酸化すず(SnO2 )は集電体素材をS
r(OH)2 溶液に浸漬した際に生成されたSnOがオ
ゾン酸化されたものである。第2の層3中のSrPbO
3 の一部は、集電体表面に付着したSr(OH)2 とス
ラリ中の鉛丹(Pb3 4 )とが反応して生成したもの
であり、このSrPbO3 はスラリ中のSrPbO3
核として成長する。第2の層3中の二酸化鉛(Pb
2 )はスラリ中の鉛丹(Pb3 4 )がオゾン酸化し
て生成したものである。
【0017】(実施例2)本実施例の集電体は次のよう
にして製造した。まず、Pb−2.4重量%Sb−0.
3重量%As合金を鋳造して格子体からなる集電体素材
(すずを含まない集電体素材)を作った。次に鉛酸スト
ロンチウム(SrPbO3 )30重量%と二酸化すず
(SnO2 )30重量%と鉛丹(Pb3 4 )40重量
%とからなる固形分及び該固形分に対して25重量%の
水を混練してスラリを作った。そして、このスラリを集
電体素材表面全体に約0.1mmの厚みに塗布した。なお
スラリ中のSrPbO3 とSnO2 とPb3 4 との好
ましい重量比は1:1:1〜1:1:2であり、塗布す
る好ましい厚みは0.01〜0.5mmである。次にスラ
リを塗布した集電体素材を80〜98℃中に6時間放置
して乾燥してから集電体素材を5体積%のオゾン
(O3 )雰囲気中に30分放置して集電体を完成した。
なお鉛酸ストロンチウム(SrPbO3 )は実施例1と
同様にして製造した。またオゾン(O3 )雰囲気の好ま
しい濃度は1.5〜10体積%であり、オゾン(O3
雰囲気中への集電体素材の好ましい放置時間は10〜6
0分である。これにより、図1に示す実施例1と同様に
集電体素材1の上に鉛と一酸化鉛(PbO)と二酸化す
ず(SnO2 )とを含む厚み約0.05mmの第1の層2
が形成され、第1の層2の上にSrPbO3 58重量%
と二酸化鉛(PbO2 )20重量%と二酸化すず(Sn
2 )22重量%とを含む厚み約0.2mmの第2の層3
が形成される。第1の層2中の一酸化鉛(PbO)はス
ラリ中の鉛丹(Pb3 4 )と集電体中のPbとが反応
して生成されたものである。第1及び第2の層3中の二
酸化すず及び第2の層3中のSrPbO3 はスラリ中の
ものである。第2の層3中の二酸化鉛(PbO2 )はス
ラリ中の鉛丹(Pb3 4 )がオゾン酸化して生成され
たものである。
【0018】(従来例1)本従来例の集電体は次のよう
にして製造した。まず実施例1で用いたものと同様のP
b−1.2重量%Sn−0.09重量%Ca合金を鋳造
して格子体からなる集電体素材を作った。次に集電体素
材と鉛板の導電体からなる対極とを比重1.05の希硫
酸溶液中に浸漬して、集電体素材に電源の正極端子を接
続し、対極に電源の負極端子を接続して、60mAの電流
を16時間流して集電体素材を陽極酸化して集電体素材
の表面にPbO2 の皮膜を形成した。次に、Sr(O
H)2をPbO2 の皮膜の上に塗布してから300℃程
の高温によりPbO2 とSr(OH)2 とを反応させ、
集電体の表面に厚み0.2mmのSrPbO3 の鉛酸塩の
皮膜を形成して完成した。
【0019】(従来例2)本従来例の集電体はPb−S
n−Ca合金の代わりにPb−2.4重量%Sb−0.
3重量%As合金を用いて格子体からなる集電体素材を
作り、その他は従来例1と同様にして製造した。
【0020】(従来例3)本従来例の集電体は実施例1
で用いた集電体素材(Pb−Sn−Ca合金)であり、
表面には皮膜形成等の処理がされていない。
【0021】(従来例4)本従来例の集電体は実施例2
で用いた集電体素材(Pb−Sb−As合金)であり、
表面には皮膜形成等の処理がされていない。
【0022】本実施例の効果を確認するために、実施例
1,2及び従来例1〜4の各集電体を用いて下記のよう
にして試験用の電解液をリッチにした液リッチ形鉛蓄電
池と密閉形鉛蓄電池とをそれぞれ作り、試験を行った。
まず、各集電体に通常の正極板作成の手順にしたがっ
て、鉛粉とカーボンと希硫酸とを混練した活物質ペース
トを充填した後に、熟成、乾燥、化成を行ってそれぞれ
寸法60mm×40mm×2.4mmの正極板を作った。なお
化成は比重1.050(40℃)の希硫酸を貯えた化成
槽により40時間(課電量275%)化成した。そして
各正極板2枚づつを寸法60mm×40mm×2.4mmの公
知のペースト式負極板3枚と組合わせて4Ahの液リッ
チ形鉛蓄電池と密閉形鉛蓄電池とをそれぞれ作った。な
お負極板の集電体は、それぞれの負極板の対極となる正
極板に用いた集電体素材と同じ材質の合金を鋳造して格
子状に作った。
【0023】(試験1)本試験は液リッチ形鉛蓄電池を
用いて行った。本試験は各電池に0.05CA(200
mA)の過充電を行い、従来例3の集電体を用いた電池の
腐食量を100とした場合の各電池の腐食量比と各電池
の負極板の単極電位とを調べた。表1はその測定結果を
示している。
【0024】
【表1】 本表より本実施例の集電体を用いた電池では、腐食量が
少ないのが判る。
【0025】(試験2)本試験は密閉形鉛蓄電池を用い
て各電池のサイクル寿命特性を調べた。具体的には周囲
温度50℃において1CA(4A)(終止電圧1.6
V)で放電した後に2.45V(制限電流1.2A)で
4時間定電圧充電する充放電を各電池に繰り返して、寿
命に達するまでの回数を調べた。なお各電池の容量が5
0%になった時点を寿命とした。
【0026】表2はその測定結果を示している。
【0027】
【表2】 本表より本実施例の集電体を用いた電池では、サイクル
寿命が延びるのが判る。特に実施例2の集電体のように
Sbを含有していても水素発生はほとんど見られずサイ
クル寿命が延びるのが判る。なお実施例1,2の集電体
を用いた電池の寿命原因は極板短絡であった。また、従
来例1の集電体を用いた電池の寿命原因は、集電体の腐
食であり、従来例2の集電体を用いた電池の寿命原因
は、負極板からの水素発生による電解液の減少であり、
従来例3の集電体を用いた電池の寿命原因は集電体の腐
食であり、従来例4の集電体を用いた電池の寿命原因は
電解液の減液であった。
【0028】(試験3)本試験は密閉形鉛蓄電池を用い
て各電池のトリクル寿命特性を調べた。具体的には、充
電電圧2.27V(制限電流1.2A)、周囲温度50
℃でトリクル加速充電を行い、30日毎に容量を測定し
てトリクル加速寿命試験を行った。なお容量は終止電圧
1.7Vまで0.25Cで定電流放電して、電池電圧が
終止電圧に到達するまでの時間を測ることにより測定し
た。そして容量測定後の電池は、2.4V(1.2A電
流制限)で16時間定電圧充電した後に、トリクル加速
充電に戻した。なお各電池の容量が50%になった時点
を寿命とした。本試験の結果は上記表2に示す。表2よ
り本実施例の集電体を用いた電池では、トリクル寿命が
延びるのが判る。なお実施例1,2の集電体を用いた電
池の寿命原因は電解液の減液であった。また従来例1の
集電体を用いた電池の寿命原因は集電体の伸びによる短
絡であり、従来例2の集電体を用いた電池の寿命原因は
電解液の減少であり、従来例3の集電体を用いた電池の
寿命原因は集電体の腐食であり、従来例4の集電体を用
いた電池の寿命原因は電解液の減液であった。
【0029】なお本実施例では鉛酸塩として鉛酸ストロ
ンチウム(SrPbO3 )を用いたが、RPbO3 (R
は金属元素)で表される鉛酸塩であれば、鉛酸バリウム
(BaPbO3 )等の他の鉛酸塩を用いてもよい。その
場合は、集電体に塗布するスラリ中に鉛酸バリウム(B
aPbO3 )を混合すればよい。
【0030】以下、明細書に記載した複数の発明の中で
いくつかの発明についてその構成を示す。
【0031】(1) Sr(OH)2 の過飽和水酸化溶
液中にすずを含む集電体素材を10〜60分間浸漬した
後に、前記水酸化溶液中から取り出した前記集電体素材
の上に重量比2:1〜1:2の鉛酸ストロンチウムと鉛
丹とを水に混練したスラリを0.01〜0.5mmの厚み
に塗布し、その後前記集電体素材を濃度1.5〜10体
積%のオゾン雰囲気中に10〜60分間置くことにより
鉛蓄電池用集電体を製造することを特徴とする鉛蓄電池
用集電体の製造方法。
【0032】(2) すずを含まない集電体素材に重量
比1:1:1〜1:1:2の鉛酸ストロンチウムと二酸
化すずと鉛丹とを水に混練してなるスラリを0.01〜
0.5mmの厚みに塗布した後に前記集電体素材を濃度
1.5〜10体積%のオゾン雰囲気中に10〜60分間
置くことにより鉛蓄電池用集電体を製造することを特徴
とする鉛蓄電池用集電体の製造方法。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、鉛酸塩を含むペースト
を塗布して鉛酸塩層を形成することにより、集電体素材
を希硫酸中に浸漬したり、高温にさらすことなく集電体
を作ることができる。そのため、集電体の腐食を十分に
抑制することができる。しかも、集電体素材と鉛酸塩層
との間に形成される接合層は、酸化鉛及び二酸化すずの
少なくとも一つを含んでいるので鉛酸塩の層が集電体素
材から脱落するのを防止できる。したがって、本発明の
集電体を用いれば、鉛蓄電池のトルクル寿命及びサイク
ル寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の集電体の部分断面図である。
【符号の説明】
1 集電体素材 2 第1の層 3 第2の層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集電体素材の上に化学式RPbO3 (R
    は金属元素)で表される鉛酸塩を含む鉛酸塩層が形成さ
    れている鉛蓄電池用集電体であって、 前記鉛酸塩層は前記鉛酸塩を含むスラリが前記集電体素
    材上に塗布されて形成されており、 前記集電体素材と前記鉛酸塩層との間に形成される接合
    層は酸化鉛及び二酸化すずの少なくとも一つを含んでい
    ることを特徴とする鉛蓄電池用集電体。
  2. 【請求項2】 化学式R(OH)2 (Rは金属元素)で
    表される水酸化物を含む水酸化溶液中にすずを含む集電
    体素材を浸漬した後に、前記水酸化溶液中から取り出し
    た前記集電体素材の上に化学式RPbO3 (Rは金属元
    素)で表される鉛酸塩と鉛丹と水とを混練してなるスラ
    リを塗布し、その後前記集電体素材をオゾン雰囲気中に
    所定時間置くことにより鉛蓄電池用集電体を製造するこ
    とを特徴とする鉛蓄電池用集電体の製造方法。
  3. 【請求項3】 すずを含まない集電体素材に化学式RP
    bO3 (Rは金属元素)で表される鉛酸塩と二酸化すず
    と鉛丹と水とを混練してなるスラリを塗布した後に、前
    記集電体素材をオゾン雰囲気中に所定時間置くことによ
    り鉛蓄電池用集電体を製造することを特徴とする鉛蓄電
    池用集電体の製造方法。
JP6176807A 1994-07-28 1994-07-28 鉛蓄電池用集電体及びその製造方法 Abandoned JPH0845511A (ja)

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