JPH084520B2 - 蔗糖の回収方法及び回収装置 - Google Patents
蔗糖の回収方法及び回収装置Info
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- JPH084520B2 JPH084520B2 JP1307778A JP30777889A JPH084520B2 JP H084520 B2 JPH084520 B2 JP H084520B2 JP 1307778 A JP1307778 A JP 1307778A JP 30777889 A JP30777889 A JP 30777889A JP H084520 B2 JPH084520 B2 JP H084520B2
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- liquid
- chromatographic column
- desorbed liquid
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、クロマト塔を用いて蔗糖を精製しかつ回収
する方法及びその装置に関するものである。
する方法及びその装置に関するものである。
[従来の技術] 第7図は甜菜から蔗糖を回収するための一般に使われ
ている蔗糖回収プロセスの一例を示している。
ている蔗糖回収プロセスの一例を示している。
同図において、まず浸出工程で甜菜から蔗糖を抽出し
て浸透汁を得る。この浸透汁は蔗糖の他に固形物,コロ
イド状物質,揮発性アルカリを含んでいるので、これに
前処理工程で石灰と炭酸ガスとを加えて固形物とコロイ
ド状物質を凝集・沈殿させることにより、清浄汁を得
る。そして、この清浄汁が濃縮工程において加熱される
と、清浄汁から水が蒸発すると共に揮発性アルカリ分の
大部分も蒸発することにより濃縮汁を得る。
て浸透汁を得る。この浸透汁は蔗糖の他に固形物,コロ
イド状物質,揮発性アルカリを含んでいるので、これに
前処理工程で石灰と炭酸ガスとを加えて固形物とコロイ
ド状物質を凝集・沈殿させることにより、清浄汁を得
る。そして、この清浄汁が濃縮工程において加熱される
と、清浄汁から水が蒸発すると共に揮発性アルカリ分の
大部分も蒸発することにより濃縮汁を得る。
その後、濃縮汁は結晶化工程においてさらに加熱さ
れ、水と共に残りの揮発性アルカリ分も蒸発することに
より、結晶化された蔗糖が析出される一方、母液が得ら
れる。その母液は糖を多く含んでいて糖蜜と呼ばれる。
れ、水と共に残りの揮発性アルカリ分も蒸発することに
より、結晶化された蔗糖が析出される一方、母液が得ら
れる。その母液は糖を多く含んでいて糖蜜と呼ばれる。
通常、糖蜜と云う用語は、結晶析出操作を繰返し行っ
た後、もはや経済的に蔗糖を回収し得ないようになった
最終糖液を意味する「浩口栄治郎,桜井芳人:シュガー
ハンドブック P381(1964)」が、この発明で糖蜜と
は、上記最終糖液に限ることなく、結晶化工程で生成分
離される母液のすべてを意味する。
た後、もはや経済的に蔗糖を回収し得ないようになった
最終糖液を意味する「浩口栄治郎,桜井芳人:シュガー
ハンドブック P381(1964)」が、この発明で糖蜜と
は、上記最終糖液に限ることなく、結晶化工程で生成分
離される母液のすべてを意味する。
上記の如くして糖蜜が得られると、さらにクロマト精
製工程において、クロマト塔に対しその糖蜜と脱離液と
が順次供給されることにより、クロマト塔から精製蔗糖
液が取り出されると共に、廃液が排出される。そして、
取り出された精製蔗糖液は再度結晶化工程及びクロマト
精製工程で順次処理され、蔗糖成分は最終的に結晶化さ
れた蔗糖として回収される。
製工程において、クロマト塔に対しその糖蜜と脱離液と
が順次供給されることにより、クロマト塔から精製蔗糖
液が取り出されると共に、廃液が排出される。そして、
取り出された精製蔗糖液は再度結晶化工程及びクロマト
精製工程で順次処理され、蔗糖成分は最終的に結晶化さ
れた蔗糖として回収される。
なお、濃縮工程,結晶化工程で排出される凝縮水、及
びクロマト精製工程で排出される廃液は適宜に処理され
た後、外部に捨てられることとなる。
びクロマト精製工程で排出される廃液は適宜に処理され
た後、外部に捨てられることとなる。
前記クロマト塔は内部に、陽イオン交換体の粒子から
なる固体収着剤を充填しており、糖蜜及び脱離液が順次
供給されると、糖蜜に含まれる各成分の固体収着剤に対
する吸着性の差を利用して、各成分が分離されるもので
あって、他の製法では成分の分離が困難な場合にも精度
良く分離し得る効果が得られるようになっている。
なる固体収着剤を充填しており、糖蜜及び脱離液が順次
供給されると、糖蜜に含まれる各成分の固体収着剤に対
する吸着性の差を利用して、各成分が分離されるもので
あって、他の製法では成分の分離が困難な場合にも精度
良く分離し得る効果が得られるようになっている。
従来、蔗糖の回収は一般に晶析で行われていたが、最
近では上述したクロマト精製法が多く利用されている。
近では上述したクロマト精製法が多く利用されている。
なお、このクロマト精製法に関連するものとして、例
えば特公昭63−65301号公報、同59−25600号公報及び
「ケミカルエンジニアリング」7月号(1984)第86頁〜
第92頁等が挙げられる。
えば特公昭63−65301号公報、同59−25600号公報及び
「ケミカルエンジニアリング」7月号(1984)第86頁〜
第92頁等が挙げられる。
[発明が解決しようとする課題] ところで、上記に示す従来技術では、クロマト塔によ
り、原料液としての糖蜜から精製蔗糖液を分離,回収す
る試験を繰返ししているうちに、蔗糖の回収率が低下す
ると云う問題が生じた。
り、原料液としての糖蜜から精製蔗糖液を分離,回収す
る試験を繰返ししているうちに、蔗糖の回収率が低下す
ると云う問題が生じた。
この原因を調べたところ、回収率が低下するときのク
ロマト塔の内部では、糖蜜のpHの値が下がり、そのた
め、糖蜜中の蔗糖の一部が果糖とぶどう糖に分解してい
ることがわかった。蔗糖の回収率が低下すると、特に一
日に数百トンもの蔗糖を精製する工場では生産性がそれ
だけ下がることになる。
ロマト塔の内部では、糖蜜のpHの値が下がり、そのた
め、糖蜜中の蔗糖の一部が果糖とぶどう糖に分解してい
ることがわかった。蔗糖の回収率が低下すると、特に一
日に数百トンもの蔗糖を精製する工場では生産性がそれ
だけ下がることになる。
また、濃縮工程及び結晶化工程で生じる凝縮水はアル
カリ性であり、これを外部に廃棄する場合には、中和剤
を加える等の手間がかかり、コストがかさむ問題もあ
る。
カリ性であり、これを外部に廃棄する場合には、中和剤
を加える等の手間がかかり、コストがかさむ問題もあ
る。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、クロ
マト塔による蔗糖の回収率が低下するのを確実に防止
し、高い安定した回収率を得ることができ、しかも凝縮
水を有効に利用して経済性を高めることもできる蔗糖の
回収方法を提供することにあり、他の目的は上記方法を
的確に実施し得る蔗糖の回収装置を提供することにあ
る。
マト塔による蔗糖の回収率が低下するのを確実に防止
し、高い安定した回収率を得ることができ、しかも凝縮
水を有効に利用して経済性を高めることもできる蔗糖の
回収方法を提供することにあり、他の目的は上記方法を
的確に実施し得る蔗糖の回収装置を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本発明方法においては、ク
ロマト塔に供給すべき脱離液のpHの値を常に8〜11に維
持させ、その脱離液をクロマト塔に供給したとき、該ク
ロマト塔内において脱離液中の水素イオンと固体収着剤
の陽イオンとがイオン交換するのを抑制することに特徴
を有し、これによってクロマト塔の内部で原料液として
の糖蜜が酸性に移行するのを防ぎ、蔗糖が果糖とぶどう
糖とに分解するのを抑えるようにしたものである。
ロマト塔に供給すべき脱離液のpHの値を常に8〜11に維
持させ、その脱離液をクロマト塔に供給したとき、該ク
ロマト塔内において脱離液中の水素イオンと固体収着剤
の陽イオンとがイオン交換するのを抑制することに特徴
を有し、これによってクロマト塔の内部で原料液として
の糖蜜が酸性に移行するのを防ぎ、蔗糖が果糖とぶどう
糖とに分解するのを抑えるようにしたものである。
また、本発明装置においては、クロマト塔に供給すべ
き脱離液のpHの値を常に8〜11に維持させ、その脱離液
をクロマト塔に供給したとき、該クロマト塔内において
脱離液中の水素イオンと固体収着剤の陽イオンとがイオ
ン交換するのを抑制し得るペーハー値維持手段を有する
ことに特徴を有する。
き脱離液のpHの値を常に8〜11に維持させ、その脱離液
をクロマト塔に供給したとき、該クロマト塔内において
脱離液中の水素イオンと固体収着剤の陽イオンとがイオ
ン交換するのを抑制し得るペーハー値維持手段を有する
ことに特徴を有する。
[作用] 蔗糖回収プロセスのクロマト精製工程では、糖蜜をク
ロマト塔に供給し、次いでその脱離液をクロマト塔に供
給することを繰返し行い、クロマト塔から精製蔗糖液及
び廃液を得る(第7図参照)。
ロマト塔に供給し、次いでその脱離液をクロマト塔に供
給することを繰返し行い、クロマト塔から精製蔗糖液及
び廃液を得る(第7図参照)。
その際、クロマト塔に供給された脱離液が、クロマト
塔の陽イオン交換体からなる固体収着剤に接触すると、
脱離液中の水素イオンH+と、固体収着剤の陽イオン、例
えばカリウムイオンK+とがイオン交換し、固体収着剤は
模擬的にR-−K+からR-−H+に変化する。次いで、糖蜜が
クロマト塔に供給され、固体収着剤に接触すると、糖蜜
には塩化カリウム等の塩類が元々含まれているので、糖
蜜中のカリウムイオンK+と固体収着剤のR-−H+の水素イ
オンH+とがイオン交換することにより、糖蜜中の水素イ
オンH+が多くなり、pHの値が低下する。
塔の陽イオン交換体からなる固体収着剤に接触すると、
脱離液中の水素イオンH+と、固体収着剤の陽イオン、例
えばカリウムイオンK+とがイオン交換し、固体収着剤は
模擬的にR-−K+からR-−H+に変化する。次いで、糖蜜が
クロマト塔に供給され、固体収着剤に接触すると、糖蜜
には塩化カリウム等の塩類が元々含まれているので、糖
蜜中のカリウムイオンK+と固体収着剤のR-−H+の水素イ
オンH+とがイオン交換することにより、糖蜜中の水素イ
オンH+が多くなり、pHの値が低下する。
この場合、糖蜜中の精製蔗糖液成分は固体収着剤に吸
着されようとするが、固体収着剤の粒子の表面及び周囲
に水素イオン濃度の高い液が存在すると、糖蜜中の蔗糖
の一部は固体収着剤の粒子の表面及び周囲で果糖とぶど
う糖とに分解するおそれがある。
着されようとするが、固体収着剤の粒子の表面及び周囲
に水素イオン濃度の高い液が存在すると、糖蜜中の蔗糖
の一部は固体収着剤の粒子の表面及び周囲で果糖とぶど
う糖とに分解するおそれがある。
しかし、前述の如く、脱離液のpHの値が8〜11に維持
されていることにより、脱離液の水素イオン濃度が低く
なっているので、脱離液中の水素イオンH+と固体収着剤
のカリウムイオンK+とがイオン交換する作用を抑制する
ことができ、固体収着剤のR-−H+を少なくすることがで
きる。即ち、固体収着剤のR-−H+を少なくできるので、
固体収着剤からの水素イオンH+の放出がそれだけ少なく
なり、糖蜜のpHの値が低下するのを確実に防止すること
ができ、クロマト塔に供給された糖蜜中の蔗糖が果糖と
ぶどう糖とに分解することがないので、クロマト塔によ
る精製蔗糖液の回収率が低下するのを確実に防止し、高
い安定した回収率を得ることができる効果がある。
されていることにより、脱離液の水素イオン濃度が低く
なっているので、脱離液中の水素イオンH+と固体収着剤
のカリウムイオンK+とがイオン交換する作用を抑制する
ことができ、固体収着剤のR-−H+を少なくすることがで
きる。即ち、固体収着剤のR-−H+を少なくできるので、
固体収着剤からの水素イオンH+の放出がそれだけ少なく
なり、糖蜜のpHの値が低下するのを確実に防止すること
ができ、クロマト塔に供給された糖蜜中の蔗糖が果糖と
ぶどう糖とに分解することがないので、クロマト塔によ
る精製蔗糖液の回収率が低下するのを確実に防止し、高
い安定した回収率を得ることができる効果がある。
また、本発明装置では、前述の如く、脱離液のpHの値
を常に8〜11に維持させるペーハー値維持手段を有して
いるので、上記方法を的確に実施できる効果がある。
を常に8〜11に維持させるペーハー値維持手段を有して
いるので、上記方法を的確に実施できる効果がある。
[実施例] 以下、本発明の実施例を第1図乃至第6図により説明
する。第1図は本発明方法を実施するための回収装置の
一実施例を示す要部の配管図、第2図はpHの値を夫々適
宜の値に選定した脱離液とクロマト塔を通過した液の量
との関係を示す説明図である。
する。第1図は本発明方法を実施するための回収装置の
一実施例を示す要部の配管図、第2図はpHの値を夫々適
宜の値に選定した脱離液とクロマト塔を通過した液の量
との関係を示す説明図である。
ここで原料液とは、糖蜜のことを云う。糖蜜は、結晶
化工程で生成分離される母液のすべてを意味する。即
ち、濃縮汁を結晶化工程において加熱濃縮すると蔗糖の
結晶が析出し、残部が母液として生成する。この母液を
再び選択された条件下の結晶化工程において加熱濃縮す
ると蔗糖の結晶が析出し、母液が生成する。この母液も
なお同様に結晶化工程において加熱濃縮すると蔗糖の結
晶を得ることができるが、この段階で生成した母液は当
初存在した蔗糖の大部分が結晶化によって脱糖している
ので、蔗糖純度が低く、もはや結晶化工程において蔗糖
を結晶化させることが困難になる。このような性状の分
離母液を普通は糖蜜と云うが、この糖蜜もクロマト精製
の対象となる。なお、本発明の対象はその糖蜜に限られ
るものではなく、各結晶化工程で分離される母液も含ま
れる。
化工程で生成分離される母液のすべてを意味する。即
ち、濃縮汁を結晶化工程において加熱濃縮すると蔗糖の
結晶が析出し、残部が母液として生成する。この母液を
再び選択された条件下の結晶化工程において加熱濃縮す
ると蔗糖の結晶が析出し、母液が生成する。この母液も
なお同様に結晶化工程において加熱濃縮すると蔗糖の結
晶を得ることができるが、この段階で生成した母液は当
初存在した蔗糖の大部分が結晶化によって脱糖している
ので、蔗糖純度が低く、もはや結晶化工程において蔗糖
を結晶化させることが困難になる。このような性状の分
離母液を普通は糖蜜と云うが、この糖蜜もクロマト精製
の対象となる。なお、本発明の対象はその糖蜜に限られ
るものではなく、各結晶化工程で分離される母液も含ま
れる。
本発明方法を実施するための回収装置は、クロマト塔
1と、該クロマト塔1に原料液としての糖蜜2を供給す
る原料液供給部(符示せず)と、クロマト塔1に脱離液
3を供給する脱離液供給部(符示せず)とを備えて構成
されている。
1と、該クロマト塔1に原料液としての糖蜜2を供給す
る原料液供給部(符示せず)と、クロマト塔1に脱離液
3を供給する脱離液供給部(符示せず)とを備えて構成
されている。
前記クロマト塔1は第1図に示すように、例えば直径
37mm,長さ500mmをなす円筒形の容器であって、内部に固
体収着剤4が充填されている。固体収着剤4は例えばカ
リウム塩の形(模擬的にはR-−K+)をした陽イオン交換
体であって、多数の微小な粒子状の樹脂からなってお
り、その上部にはクロマト塔1に供給された糖蜜2また
は脱離液3が固体収着剤4を均一に通過しうるために設
けられた部材4aと、その下部には固体収着剤4を支持す
ると共に該固体収着剤4を通過した精製蔗糖液または廃
液が通過しうるように設けられた支持部材4bとを有して
いる。
37mm,長さ500mmをなす円筒形の容器であって、内部に固
体収着剤4が充填されている。固体収着剤4は例えばカ
リウム塩の形(模擬的にはR-−K+)をした陽イオン交換
体であって、多数の微小な粒子状の樹脂からなってお
り、その上部にはクロマト塔1に供給された糖蜜2また
は脱離液3が固体収着剤4を均一に通過しうるために設
けられた部材4aと、その下部には固体収着剤4を支持す
ると共に該固体収着剤4を通過した精製蔗糖液または廃
液が通過しうるように設けられた支持部材4bとを有して
いる。
前記原料液供給部は、原料液用のタンク5と、該タン
ク5に接続されたポンプ6と、該ポンプ6の吐出側及び
クロマト塔1の供給管7間に接続された接続管8とを有
し、ポンプ6の駆動によりタンク5内の糖蜜をクロマト
塔1に供給するようにしている。なお、原料液としての
糖蜜2には、蔗糖の他、塩化カリウム等の塩類,ラフィ
ノーズ,ベタイン等の不純物が含まれている。
ク5に接続されたポンプ6と、該ポンプ6の吐出側及び
クロマト塔1の供給管7間に接続された接続管8とを有
し、ポンプ6の駆動によりタンク5内の糖蜜をクロマト
塔1に供給するようにしている。なお、原料液としての
糖蜜2には、蔗糖の他、塩化カリウム等の塩類,ラフィ
ノーズ,ベタイン等の不純物が含まれている。
前記脱離液供給部は、脱離液用のタンク9と、該タン
ク9及び前記供給管7間に接続されたポンプ10とを有
し、ポンプ10の駆動によりタンク9内の脱離液3を供給
管7を介してクロマト塔1に供給するようにしている。
その際、脱離液3と糖蜜2とはクロマト塔1に対し順次
供給されるよう制御されている。
ク9及び前記供給管7間に接続されたポンプ10とを有
し、ポンプ10の駆動によりタンク9内の脱離液3を供給
管7を介してクロマト塔1に供給するようにしている。
その際、脱離液3と糖蜜2とはクロマト塔1に対し順次
供給されるよう制御されている。
従って、クロマト塔1に糖蜜2と脱離液3とを順次供
給することにより、クロマト塔1内の陽イオン交換体4
の作用によって取出配管18から精製蔗糖液及び廃液が順
次取り出され、精製蔗糖液を回収するようにしている。
なお、回収された精製蔗糖液は結晶化工程に戻して蔗糖
及び糖蜜に分離され、そのうち糖蜜は再びクロマト精製
工程にて処理されることとなる。
給することにより、クロマト塔1内の陽イオン交換体4
の作用によって取出配管18から精製蔗糖液及び廃液が順
次取り出され、精製蔗糖液を回収するようにしている。
なお、回収された精製蔗糖液は結晶化工程に戻して蔗糖
及び糖蜜に分離され、そのうち糖蜜は再びクロマト精製
工程にて処理されることとなる。
そして、実施例では、前記脱離液3のpHの値を常に所
望の値に維持させるペーハー値維持手段を設けている。
望の値に維持させるペーハー値維持手段を設けている。
該ペーハー値維持手段は第1図に示すように、純水配
管11と、アルカリ配管12と、電磁弁13と、ペーハーセン
サ14と、制御部15とを有している。純水配管11及びアル
カリ配管12は各々の一端が図示しない純水供給源及びア
ルカリ性液の供給源、例えば苛性カリ溶液の供給源に接
続され、かつ各々の他端が共にタンク9上に配管され、
双方からの純水と苛性カリ溶液とがタンク9内において
混合されることによって脱離液3を生成するようにして
いる。電磁弁13はアルカリ配管12の途中位置に設置さ
れ、開閉することによってアルカリ配管12の管路を開閉
するようにしている。ペーハーセンサ14は例えばガラス
電極タイプのもので構成されており、タンク9内の脱離
液3のpHの値を検出するようにしている。制御部15はペ
ーハーセンサ14の検出値に基づいて電磁弁13の開度を調
整し、純水に対する苛性カリ溶液の割合を変えることに
より、タンク9内の脱離液3のpHの値を所望の値、例え
ば8.1とするようにしている。従って、制御部15はタン
ク9内の脱離液3のpHが8.1より下がった場合には、電
磁弁13をさらに開き、またpHがその値より高い場合には
電磁弁13をその開き状態から徐々に閉じ、所望のpHの値
となるようにしている。
管11と、アルカリ配管12と、電磁弁13と、ペーハーセン
サ14と、制御部15とを有している。純水配管11及びアル
カリ配管12は各々の一端が図示しない純水供給源及びア
ルカリ性液の供給源、例えば苛性カリ溶液の供給源に接
続され、かつ各々の他端が共にタンク9上に配管され、
双方からの純水と苛性カリ溶液とがタンク9内において
混合されることによって脱離液3を生成するようにして
いる。電磁弁13はアルカリ配管12の途中位置に設置さ
れ、開閉することによってアルカリ配管12の管路を開閉
するようにしている。ペーハーセンサ14は例えばガラス
電極タイプのもので構成されており、タンク9内の脱離
液3のpHの値を検出するようにしている。制御部15はペ
ーハーセンサ14の検出値に基づいて電磁弁13の開度を調
整し、純水に対する苛性カリ溶液の割合を変えることに
より、タンク9内の脱離液3のpHの値を所望の値、例え
ば8.1とするようにしている。従って、制御部15はタン
ク9内の脱離液3のpHが8.1より下がった場合には、電
磁弁13をさらに開き、またpHがその値より高い場合には
電磁弁13をその開き状態から徐々に閉じ、所望のpHの値
となるようにしている。
また、前記ペーハー値維持手段は、タンク9内の脱離
液3を撹拌する撹拌機16と、ペーハーセンサ14の検出値
が所望のpHの値より高い場合または低い場合に、制御部
15を介し報知する警報器17とをも有している。撹拌機16
はタンク9内おいて、これに供給される純水と苛性カリ
溶液とを撹拌し得るように配置された羽根16aと、該羽
根を回転させるモータ16bとからなっている。警報器17
はランプとブザーとからない、制御部15によってランプ
が点灯すると共にブザーが鳴ることにより、視覚的及び
聴覚的の双方から周囲の作業者等に警報するようにして
いる。
液3を撹拌する撹拌機16と、ペーハーセンサ14の検出値
が所望のpHの値より高い場合または低い場合に、制御部
15を介し報知する警報器17とをも有している。撹拌機16
はタンク9内おいて、これに供給される純水と苛性カリ
溶液とを撹拌し得るように配置された羽根16aと、該羽
根を回転させるモータ16bとからなっている。警報器17
はランプとブザーとからない、制御部15によってランプ
が点灯すると共にブザーが鳴ることにより、視覚的及び
聴覚的の双方から周囲の作業者等に警報するようにして
いる。
次に、実施例の蔗糖の回収装置の動作に関連して蔗糖
の回収方法の一実施例を第1図を用いて述べる。
の回収方法の一実施例を第1図を用いて述べる。
クロマト精製工程においてはポンプ10の駆動により脱
離液3をクロマト塔1に供給し、次いでポンプ6の駆動
により糖蜜2をクロマト塔1に供給すると、クロマト塔
1から精製蔗糖液及び廃液が取出される(第7参照)。
離液3をクロマト塔1に供給し、次いでポンプ6の駆動
により糖蜜2をクロマト塔1に供給すると、クロマト塔
1から精製蔗糖液及び廃液が取出される(第7参照)。
その際、クロマト塔1に供給された脱離液3が、クロ
マト塔1に充填されている固体収着剤4に接触すると、
脱離液3中の水素イオンH+と、固体収着剤4のカリウム
イオンK+とがイオン交換し、固体収着剤4は模擬的にR-
−K+からR-−H+に変化する。
マト塔1に充填されている固体収着剤4に接触すると、
脱離液3中の水素イオンH+と、固体収着剤4のカリウム
イオンK+とがイオン交換し、固体収着剤4は模擬的にR-
−K+からR-−H+に変化する。
次いで、糖蜜2がクロマト塔1に供給され、固体収着
剤4に接触すると、糖蜜2に前述の如く塩化カリウム等
の塩類が含まれているので、糖蜜2中のカリウムイオン
K+と固体収着剤4のR-−H+の水素イオンH+とがイオン交
換することにより、糖蜜2中に水素イオンH+が増加す
る。
剤4に接触すると、糖蜜2に前述の如く塩化カリウム等
の塩類が含まれているので、糖蜜2中のカリウムイオン
K+と固体収着剤4のR-−H+の水素イオンH+とがイオン交
換することにより、糖蜜2中に水素イオンH+が増加す
る。
この場合、糖蜜2中の精製蔗糖液成分は固体収着剤4
の吸着されようとするが、固体収着剤4のイオン交換体
の粒子の表面及び周囲に水素イオン濃度の高い液が存在
すると、糖蜜2中の蔗糖は固体収着剤4の粒子の表面及
び周囲で果糖とぶどう糖とに分解するおそれがある。
の吸着されようとするが、固体収着剤4のイオン交換体
の粒子の表面及び周囲に水素イオン濃度の高い液が存在
すると、糖蜜2中の蔗糖は固体収着剤4の粒子の表面及
び周囲で果糖とぶどう糖とに分解するおそれがある。
しかし、前述の如く、ペーハー値維持手段によってタ
ンク9内の脱離液3のpHの値が8.1に維持されているこ
とにより、脱離液3の水素イオン濃度が低くなっている
ので、脱離液3中の水素イオンH+と固体収着剤4のR-−
K+とがイオン交換する作用を抑制することができる。即
ち、脱離液3中の水素イオンH+が固体収着剤4に残るの
を抑え、また固体収着剤4のカリウムイオンK+が脱離液
3に放出するのを抑えることができるので、固体収着剤
4のR-−H+を少なくすることができる。そのイオン交換
の抑制は脱離液3のpHの値が高い程効果的である。
ンク9内の脱離液3のpHの値が8.1に維持されているこ
とにより、脱離液3の水素イオン濃度が低くなっている
ので、脱離液3中の水素イオンH+と固体収着剤4のR-−
K+とがイオン交換する作用を抑制することができる。即
ち、脱離液3中の水素イオンH+が固体収着剤4に残るの
を抑え、また固体収着剤4のカリウムイオンK+が脱離液
3に放出するのを抑えることができるので、固体収着剤
4のR-−H+を少なくすることができる。そのイオン交換
の抑制は脱離液3のpHの値が高い程効果的である。
このように、脱離液3のpHの値を8.1にしていること
によって脱離液3の水素イオンH+と固体収着剤4のカリ
ウムイオンK+とのイオン交換を抑制し、固体収着剤4の
R-−H+を少なくしているので、固体収着剤4からの水素
イオンH+の放出がそれだけ少なくなり、糖蜜2のpHの値
が低下するのを確実に防止することができる。従って、
クロマト塔1に供給された糖蜜中の蔗糖が果糖とぶどう
糖とに分解することがない。
によって脱離液3の水素イオンH+と固体収着剤4のカリ
ウムイオンK+とのイオン交換を抑制し、固体収着剤4の
R-−H+を少なくしているので、固体収着剤4からの水素
イオンH+の放出がそれだけ少なくなり、糖蜜2のpHの値
が低下するのを確実に防止することができる。従って、
クロマト塔1に供給された糖蜜中の蔗糖が果糖とぶどう
糖とに分解することがない。
第2図にその実験データを示す。縦軸はpHの値を表
し、横軸は前述した寸法のクロマト塔1を通過した採取
液の量を表し、曲線Aは糖蜜2のpHの値を7.0、脱離液
3のpHの値を7.6とした場合、曲線Bは糖蜜のpHの値を
7.0、脱離液3のpHの値を8.1とした場合、曲線Cは従来
例と同様に糖蜜2のpHの値を7.0、脱離液3のpHの値を
7.2とした場合を夫々表している。なお、これらの曲線
A,B,Cは、取出配管18からの取出し液を所定時間毎に採
取し、その採取液のpHの値を測定すると共に、採取液の
成分分析を行ったデータであり、実験に際しては、クロ
マト塔1の運転温度を75℃とし、そのクロマト塔1の内
部の流量を20ml/minに設定している。
し、横軸は前述した寸法のクロマト塔1を通過した採取
液の量を表し、曲線Aは糖蜜2のpHの値を7.0、脱離液
3のpHの値を7.6とした場合、曲線Bは糖蜜のpHの値を
7.0、脱離液3のpHの値を8.1とした場合、曲線Cは従来
例と同様に糖蜜2のpHの値を7.0、脱離液3のpHの値を
7.2とした場合を夫々表している。なお、これらの曲線
A,B,Cは、取出配管18からの取出し液を所定時間毎に採
取し、その採取液のpHの値を測定すると共に、採取液の
成分分析を行ったデータであり、実験に際しては、クロ
マト塔1の運転温度を75℃とし、そのクロマト塔1の内
部の流量を20ml/minに設定している。
同図において、クロマト塔1からの採取液は、曲線A
ではおよそ250ml出たときにpHの値が5.7に下がり、曲線
Cではおよそ230ml出たときにpHの値が5.0まで低下する
が、曲線BではpHの値が下がることがなく、クロマト塔
1を通過した液の量に関係なく殆ど一定であることがわ
かる。
ではおよそ250ml出たときにpHの値が5.7に下がり、曲線
Cではおよそ230ml出たときにpHの値が5.0まで低下する
が、曲線BではpHの値が下がることがなく、クロマト塔
1を通過した液の量に関係なく殆ど一定であることがわ
かる。
この実験によれば、曲線Aと曲線Cでは採取液が果糖
とぶどう糖とに分解していることが認められ、これらの
分解量は精製された蔗糖液全体に対し、曲線Aでは0.2
%、曲線Cでは0.6%程度であった。しかし曲線Bでは
分解は認められなかった。従って、実際上の蔗糖の精製
においては、一日当り数百トンに達することから、曲線
Aでは曲線Cに比較すると、蔗糖の回収率を0.4%向上
させることができるので、この効果は大きい。また、曲
線Bでは蔗糖の分解が起きることがないので、回収率を
さらに向上させる効果がある。
とぶどう糖とに分解していることが認められ、これらの
分解量は精製された蔗糖液全体に対し、曲線Aでは0.2
%、曲線Cでは0.6%程度であった。しかし曲線Bでは
分解は認められなかった。従って、実際上の蔗糖の精製
においては、一日当り数百トンに達することから、曲線
Aでは曲線Cに比較すると、蔗糖の回収率を0.4%向上
させることができるので、この効果は大きい。また、曲
線Bでは蔗糖の分解が起きることがないので、回収率を
さらに向上させる効果がある。
上記は、クロマト塔1が一塔の場合であるが、これに
限られることはなく、複数のクロマト塔にも適用可能で
ある。即ち、複数のクロマト塔を並列に配列した場合に
は、処理能力が向上し、直列に配列した場合には分離能
力が向上する。さらに、複数のクロマト塔の間を液が循
環可能とする配列として処理能力と分離能力を向上させ
た回収装置にも適用ができる。
限られることはなく、複数のクロマト塔にも適用可能で
ある。即ち、複数のクロマト塔を並列に配列した場合に
は、処理能力が向上し、直列に配列した場合には分離能
力が向上する。さらに、複数のクロマト塔の間を液が循
環可能とする配列として処理能力と分離能力を向上させ
た回収装置にも適用ができる。
第3図乃至第5図は本発明方法を実施するための回収
装置を擬似移動床式回収装置に適用した例を示してい
る。
装置を擬似移動床式回収装置に適用した例を示してい
る。
この実施例では、第一〜第四の四塔のクロマト塔1a〜
1dからなっており、各々が互いに夫々の連結管21a〜21c
を介して直列に連結されている。
1dからなっており、各々が互いに夫々の連結管21a〜21c
を介して直列に連結されている。
そして、各々のクロマト塔1a〜1dから取り出された排
出液を、各クロマト塔に循環させる循環経路部を備えて
いる。該循環経路部は、ポンプ22と、該ポンプ22の吸込
み側及び第四段のクロマト塔1dの排出側間に連結された
連結管23と、ポンプ22の吐出側及び第一段のクロマト塔
1aの供給側間に接続された配管24とを有し、第四段のク
ロマト塔1dから排出された液をポンプ22により吸い込ん
で配管24を介し第一段のクロマト塔1aの供給側に送り込
むようにしている。なお、ポンプ22にはこれを駆動する
モータ25が設けられている。
出液を、各クロマト塔に循環させる循環経路部を備えて
いる。該循環経路部は、ポンプ22と、該ポンプ22の吸込
み側及び第四段のクロマト塔1dの排出側間に連結された
連結管23と、ポンプ22の吐出側及び第一段のクロマト塔
1aの供給側間に接続された配管24とを有し、第四段のク
ロマト塔1dから排出された液をポンプ22により吸い込ん
で配管24を介し第一段のクロマト塔1aの供給側に送り込
むようにしている。なお、ポンプ22にはこれを駆動する
モータ25が設けられている。
また、原料液供給部の接続管8には供給弁27aを有す
る原料液用の第一の中継管26aが接続され、かつ該中継
管26aの先端に第一の給排管28aの一端が接続されると共
に、その他端が第一段のクロマト塔1aの供給側の前記配
管24に接続されている。一方、脱離液供給部の供給管7
には脱離液用の第一の中継管29aの一端が接続されると
共に、その他端が前記第一の給排管28aの途中位置に接
続されている。第一の中継管29aの途中位置には供給弁3
0aが設けられている。
る原料液用の第一の中継管26aが接続され、かつ該中継
管26aの先端に第一の給排管28aの一端が接続されると共
に、その他端が第一段のクロマト塔1aの供給側の前記配
管24に接続されている。一方、脱離液供給部の供給管7
には脱離液用の第一の中継管29aの一端が接続されると
共に、その他端が前記第一の給排管28aの途中位置に接
続されている。第一の中継管29aの途中位置には供給弁3
0aが設けられている。
さらに、前記第一の中継管26aと第一の給排管28aとの
連結部には廃液用の第一の排出管31aの一端が連結され
ると共に、その他端が廃液タンク32に配管される。第一
の給排管28aと前記第一の中継管29aとの連結部には精製
蔗糖液用の取込み管33aの一端が連結されると共に、そ
の他端が精製蔗糖液用のタンク34に配管されている。第
一の排出管31aの一端側にはその管路を開閉するための
排出弁35aが、取込み管33aの一端側にはその管路を開閉
するための取込み弁36aが夫々設けられている。
連結部には廃液用の第一の排出管31aの一端が連結され
ると共に、その他端が廃液タンク32に配管される。第一
の給排管28aと前記第一の中継管29aとの連結部には精製
蔗糖液用の取込み管33aの一端が連結されると共に、そ
の他端が精製蔗糖液用のタンク34に配管されている。第
一の排出管31aの一端側にはその管路を開閉するための
排出弁35aが、取込み管33aの一端側にはその管路を開閉
するための取込み弁36aが夫々設けられている。
また、接続管8の前記第一の中継管26aより下流側の
位置には供給弁27bを有する第二の中継管26bの一端が接
続され、その他端には第二の給排管28bの一端が接続さ
れると共に、第二の給排管28bの他端が連結管21aの途中
位置に接続されている。さらに供給管7における第一の
中継管29aより下流側の位置には第二の中継管29bの一端
が接続されると共に、その他端が第二の給排管28bの途
中位置に接続されている。そして、第二の給排管28bと
第二の中継管26bとの連結部には排出弁35bを有する第二
の排出管31bの一端が接続されると共に、その他端が第
一の排出管31aに接続され、また第二の給排管28bと第二
の中継管29bとの連結部には取込み弁36bを有する取込み
管33bが接続されている。排出弁35bは第二の排出管31b
の管路を開閉するためのもので、取込み弁36bは取込み
管33bを開閉するためのものである。
位置には供給弁27bを有する第二の中継管26bの一端が接
続され、その他端には第二の給排管28bの一端が接続さ
れると共に、第二の給排管28bの他端が連結管21aの途中
位置に接続されている。さらに供給管7における第一の
中継管29aより下流側の位置には第二の中継管29bの一端
が接続されると共に、その他端が第二の給排管28bの途
中位置に接続されている。そして、第二の給排管28bと
第二の中継管26bとの連結部には排出弁35bを有する第二
の排出管31bの一端が接続されると共に、その他端が第
一の排出管31aに接続され、また第二の給排管28bと第二
の中継管29bとの連結部には取込み弁36bを有する取込み
管33bが接続されている。排出弁35bは第二の排出管31b
の管路を開閉するためのもので、取込み弁36bは取込み
管33bを開閉するためのものである。
以下同様にして、供給弁27cを有する第三の中継管26
c,給排管28c,供給弁30cを有する中継管29c,排出弁35cを
有する排出管31c,取込み弁36cを有する取込み管33cが設
けられると共に、供給弁27dを有する第四の中継管26d,
給排管28d,供給弁30dを有する中継管29d,排出弁35dを有
する排出管31d,取込み弁36dを有する取込み管33dが夫々
設けられている。第二〜第四の中継管26b〜26dの各々の
一端は接続管8に対し下流側に順次接続されている。第
二〜第四の排出管31b〜31dの他端の各々は第一の排出管
31aに対し排出弁35aより下流側に順次接続されている。
第二〜第四の中継管29b〜29dの各々の一端は供給管7に
対し下流側に順次接続されている。取込み管33b〜33dの
他端は取込み管33aに対し取込み弁36aより下流側に順次
接続されている。
c,給排管28c,供給弁30cを有する中継管29c,排出弁35cを
有する排出管31c,取込み弁36cを有する取込み管33cが設
けられると共に、供給弁27dを有する第四の中継管26d,
給排管28d,供給弁30dを有する中継管29d,排出弁35dを有
する排出管31d,取込み弁36dを有する取込み管33dが夫々
設けられている。第二〜第四の中継管26b〜26dの各々の
一端は接続管8に対し下流側に順次接続されている。第
二〜第四の排出管31b〜31dの他端の各々は第一の排出管
31aに対し排出弁35aより下流側に順次接続されている。
第二〜第四の中継管29b〜29dの各々の一端は供給管7に
対し下流側に順次接続されている。取込み管33b〜33dの
他端は取込み管33aに対し取込み弁36aより下流側に順次
接続されている。
前記供給弁27a〜27d,30a〜30d、及び排出弁35a〜35
d、取込み弁36a〜36dは何れも電磁弁で構成されてお
り、その開閉は図示しない制御手段により制御されるよ
うにしている。
d、取込み弁36a〜36dは何れも電磁弁で構成されてお
り、その開閉は図示しない制御手段により制御されるよ
うにしている。
また、原料液供給部としての原料タンク5及び脱離液
供給部としての脱離液タンク9には夫々糖蜜2及び脱離
液3が入っており、かつタンク9内の脱離液3は第一の
実施例と同様にペーハー値維持手段によってpHの値が所
定の値に維持されている。
供給部としての脱離液タンク9には夫々糖蜜2及び脱離
液3が入っており、かつタンク9内の脱離液3は第一の
実施例と同様にペーハー値維持手段によってpHの値が所
定の値に維持されている。
なお、第3図及び第4図において、第1図と同一符号
のものは夫々同じものを表しているので、ここではその
説明を省略する。
のものは夫々同じものを表しているので、ここではその
説明を省略する。
この実施例では、装置の運転時、まず第4図(a)に
太線にて示す給排系統となり、以下、順次同図(b)〜
(d)に太線にて示す給排系統となる。
太線にて示す給排系統となり、以下、順次同図(b)〜
(d)に太線にて示す給排系統となる。
即ち、第4図(a)に示すステップでは、第一〜第四
の中継管26a〜26dにおいて供給弁27cのみが開くと共
に、第一〜第四の排出管31a〜31dにおいて排出弁35dの
みが開き、タンク5内の糖蜜2が接続管8,第三の中継管
26c,給排管28c,連結管21bを通って第三段のクロマト塔1
cに入り込み、そのクロマト塔1cからの廃液が第四の給
排管28d,第四の排出管31dを通って廃液用のタンク32に
取り込まれる。
の中継管26a〜26dにおいて供給弁27cのみが開くと共
に、第一〜第四の排出管31a〜31dにおいて排出弁35dの
みが開き、タンク5内の糖蜜2が接続管8,第三の中継管
26c,給排管28c,連結管21bを通って第三段のクロマト塔1
cに入り込み、そのクロマト塔1cからの廃液が第四の給
排管28d,第四の排出管31dを通って廃液用のタンク32に
取り込まれる。
その場合、詳しく述べると、クロマト塔1cの内部では
糖蜜2が供給されることによって精製蔗糖液及び廃液が
生成されるが、その精製蔗糖液は吸着性がよいのでクロ
マト塔1cの固体収着剤にに多くの量が吸着され、少量が
クロマト塔1cから流出し、また廃液は精製蔗糖液に比べ
吸着性が低いので、クロマト塔1cに少量が吸着され、多
くの量がクロマト塔1cから流出し、これらの流出した液
の一部がタンク32へ流れ、流出した残りの液が第四段の
クロマト塔1dに流れ込む。
糖蜜2が供給されることによって精製蔗糖液及び廃液が
生成されるが、その精製蔗糖液は吸着性がよいのでクロ
マト塔1cの固体収着剤にに多くの量が吸着され、少量が
クロマト塔1cから流出し、また廃液は精製蔗糖液に比べ
吸着性が低いので、クロマト塔1cに少量が吸着され、多
くの量がクロマト塔1cから流出し、これらの流出した液
の一部がタンク32へ流れ、流出した残りの液が第四段の
クロマト塔1dに流れ込む。
一方、第一〜第四の中継管29a〜29dにおいて供給弁30
aのみが開くと共に、第一〜第四の取込み管33a〜33dに
おいて取込み弁36bが開き、タンク9内の脱離液3が第
一の中継管29a,第一の給排管28a,配管24を通って第一段
のクロマト塔1aに供給され、そのクロマト塔1aから第二
の給排管28b,第二の取込み管33b,第一の取込み管33aの
末端側を通って精製蔗糖液タンク34に取り込まれる。
aのみが開くと共に、第一〜第四の取込み管33a〜33dに
おいて取込み弁36bが開き、タンク9内の脱離液3が第
一の中継管29a,第一の給排管28a,配管24を通って第一段
のクロマト塔1aに供給され、そのクロマト塔1aから第二
の給排管28b,第二の取込み管33b,第一の取込み管33aの
末端側を通って精製蔗糖液タンク34に取り込まれる。
その場合、脱離液3が、配管24を経由してきた液と共
に第一段のクロマト塔1aに送り込まれると、そのクロマ
ト塔1aの固体収着剤に吸着されている精製蔗糖液を固体
収着剤から脱離させ、脱離した精製蔗糖液の一部はクロ
マト塔1aからタンク34へ流出し、残りは第二段のクロマ
ト塔1bへ流れ込む。
に第一段のクロマト塔1aに送り込まれると、そのクロマ
ト塔1aの固体収着剤に吸着されている精製蔗糖液を固体
収着剤から脱離させ、脱離した精製蔗糖液の一部はクロ
マト塔1aからタンク34へ流出し、残りは第二段のクロマ
ト塔1bへ流れ込む。
このように、第三段のクロマト塔1c内に精製蔗糖液が
吸着し終えた時期に、次の第4図(b)の第二ステップ
に移る。第4図(b)では、第一〜第四の中継管26a〜2
6dにおいて供給弁27dのみが開くと共に、第一〜第四の
排出管31a〜31dにおいて排出弁35aのみが開き、タンク
5内の糖蜜2が接続管8,第四の中継管26d,第四の給排管
28d,第三の連結管21cを通って第四段のクロマト塔1dに
入り込み、そのクロマト塔1dから排出された廃液がポン
プ22により循環配管24を通り、第一の給排管28a,第一の
排出管31aを経て廃液用のタンク32に取り込まれる。一
方、第一〜第四の中継管29a〜29dにおいて供給弁30bの
みが開くと共に、第一〜第四のの取込み管33a〜33dにお
いて取込み弁36cのみが開き、タンク9内の脱離液3が
供給管7,第二の中継管29b,第二の給排管28b,第一の連結
管21aを通って第二段のクロマト塔1bに供給され、その
クロマト塔1bから取り出された精製蔗糖液が、第三の給
排管28c,第三の取込み管33c,第一の取込み管33aの末端
側を通ってタンク34に取り込まれる。
吸着し終えた時期に、次の第4図(b)の第二ステップ
に移る。第4図(b)では、第一〜第四の中継管26a〜2
6dにおいて供給弁27dのみが開くと共に、第一〜第四の
排出管31a〜31dにおいて排出弁35aのみが開き、タンク
5内の糖蜜2が接続管8,第四の中継管26d,第四の給排管
28d,第三の連結管21cを通って第四段のクロマト塔1dに
入り込み、そのクロマト塔1dから排出された廃液がポン
プ22により循環配管24を通り、第一の給排管28a,第一の
排出管31aを経て廃液用のタンク32に取り込まれる。一
方、第一〜第四の中継管29a〜29dにおいて供給弁30bの
みが開くと共に、第一〜第四のの取込み管33a〜33dにお
いて取込み弁36cのみが開き、タンク9内の脱離液3が
供給管7,第二の中継管29b,第二の給排管28b,第一の連結
管21aを通って第二段のクロマト塔1bに供給され、その
クロマト塔1bから取り出された精製蔗糖液が、第三の給
排管28c,第三の取込み管33c,第一の取込み管33aの末端
側を通ってタンク34に取り込まれる。
次いで、第4図(c)に示すように、第一〜第四の中
継管26a〜26dにおいて供給弁27aのみが開くと共に、第
一〜第四のの取込み管31a〜31dにおいて取込み弁35bの
みが開き、タンク5内の糖蜜2が接続管8,第一の中継管
26a,第一の給排管28aを通って第一のクロマト塔1aに供
給され、そのクロマト塔1aからの廃液が連結管21a,第二
の給排管28b,第二の排出管31b,第一の排出管31aの末端
側を通ってタンク32に取り込まれる。一方、第一〜第四
の中継管29a〜29dにおいて供給弁30cのみが開くと共
に、第一〜第四の取込み管33a〜33dにおいて取込み弁36
dのみが開き、タンク9内の脱離液3が供給管7,第三の
中継管29C,第三の給排管28c,連結管21bを通って第三段
のクロマト塔1cに供給され、そのクロマト塔1cから取り
出された精製蔗糖液が連結管21c,第四の給排管28d,第四
の取込み管33d,第一の取込み管33aの末端側を通ってタ
ンク34に取り込まれる。
継管26a〜26dにおいて供給弁27aのみが開くと共に、第
一〜第四のの取込み管31a〜31dにおいて取込み弁35bの
みが開き、タンク5内の糖蜜2が接続管8,第一の中継管
26a,第一の給排管28aを通って第一のクロマト塔1aに供
給され、そのクロマト塔1aからの廃液が連結管21a,第二
の給排管28b,第二の排出管31b,第一の排出管31aの末端
側を通ってタンク32に取り込まれる。一方、第一〜第四
の中継管29a〜29dにおいて供給弁30cのみが開くと共
に、第一〜第四の取込み管33a〜33dにおいて取込み弁36
dのみが開き、タンク9内の脱離液3が供給管7,第三の
中継管29C,第三の給排管28c,連結管21bを通って第三段
のクロマト塔1cに供給され、そのクロマト塔1cから取り
出された精製蔗糖液が連結管21c,第四の給排管28d,第四
の取込み管33d,第一の取込み管33aの末端側を通ってタ
ンク34に取り込まれる。
さらにその後、第4図(d)に示すように、第一〜第
四の中継管26a〜26dにおいて供給弁27bのみが開くと共
に、第一〜第四の排出管31a〜31dにおいて排出弁35cの
みが開き、タンク5内の糖蜜2が接続管8,第二の中継管
26b,第二の給排管28b,連結管21aを通って第二段のクロ
マト塔1bに供給され、そのクロマト塔1bからの廃液が連
結管21b,第三の給排管28c,第三の排出管31c,第一の排出
管31aの末端側を通ってタンク32に取り込まれる。一
方、第一〜第四の中継管29a〜29dにおいて供給弁30dの
みが開くと共に、第一〜第四の取込み管33a〜33dにおい
て取込み弁36aのみが開き、タンク9内の脱離液3が供
給管7,第四の中継管29d,第四の給排管28d,連結管21cを
通って第四段のクロマト塔1dに供給され、そのクロマト
塔1dから取り出された精製蔗糖液がポンプ22により配管
24を通り、第一の給排管28a,第一の取込み管33aを経て
タンク34に取り込まれる。
四の中継管26a〜26dにおいて供給弁27bのみが開くと共
に、第一〜第四の排出管31a〜31dにおいて排出弁35cの
みが開き、タンク5内の糖蜜2が接続管8,第二の中継管
26b,第二の給排管28b,連結管21aを通って第二段のクロ
マト塔1bに供給され、そのクロマト塔1bからの廃液が連
結管21b,第三の給排管28c,第三の排出管31c,第一の排出
管31aの末端側を通ってタンク32に取り込まれる。一
方、第一〜第四の中継管29a〜29dにおいて供給弁30dの
みが開くと共に、第一〜第四の取込み管33a〜33dにおい
て取込み弁36aのみが開き、タンク9内の脱離液3が供
給管7,第四の中継管29d,第四の給排管28d,連結管21cを
通って第四段のクロマト塔1dに供給され、そのクロマト
塔1dから取り出された精製蔗糖液がポンプ22により配管
24を通り、第一の給排管28a,第一の取込み管33aを経て
タンク34に取り込まれる。
このように、第4図(a)〜(d)のステップを順次
繰返し行われることにより、タンク34には精製蔗糖液が
連続的に取り込まれ、またタンク32には廃液が取り込ま
れることとなる。
繰返し行われることにより、タンク34には精製蔗糖液が
連続的に取り込まれ、またタンク32には廃液が取り込ま
れることとなる。
この際、脱離液3は前述の実施例と同様に、タンク9
内でpHの値が8.1に維持されているので、各クロマト塔1
a〜1dに糖蜜2及び脱離液3が順次供給され、クロマト
塔内の固体収着剤4によるイオン交換を確実に抑制でき
るので、精製蔗糖液が果糖とぶどう糖とに分解するのを
防止し得る。
内でpHの値が8.1に維持されているので、各クロマト塔1
a〜1dに糖蜜2及び脱離液3が順次供給され、クロマト
塔内の固体収着剤4によるイオン交換を確実に抑制でき
るので、精製蔗糖液が果糖とぶどう糖とに分解するのを
防止し得る。
この実施例においても、原料液としての糖蜜2と脱離
液3に、前記第2図に示す曲線A,B,Cと同様の液を用い
たところ、同様の結果が得られた。また、このような擬
似移動床式のものでは、精製蔗糖液が各々のクロマト塔
1a〜1d間を循環し、精製蔗糖液の濃度を高くすることが
でき、後工程である結晶化工程での結晶化も容易に行う
ことができる。
液3に、前記第2図に示す曲線A,B,Cと同様の液を用い
たところ、同様の結果が得られた。また、このような擬
似移動床式のものでは、精製蔗糖液が各々のクロマト塔
1a〜1d間を循環し、精製蔗糖液の濃度を高くすることが
でき、後工程である結晶化工程での結晶化も容易に行う
ことができる。
上記実施例では四塔のクロマト塔1a〜1dを用いた例を
示したが、これに限らず、擬似移動床式回収装置が構成
されるならば、四塔以上のものを使用しても同様の効果
を得ることができる。
示したが、これに限らず、擬似移動床式回収装置が構成
されるならば、四塔以上のものを使用しても同様の効果
を得ることができる。
一般に実施されている擬似移動床式回収装置の形状
は、一つの塔の内部を仕切って上下方向に複数の室を設
け、各々の室が前記した個々のクロマト塔と同じ形態と
し、同じ機能を与えている。このような形状の塔も本発
明の対象となるのは当然のことである。
は、一つの塔の内部を仕切って上下方向に複数の室を設
け、各々の室が前記した個々のクロマト塔と同じ形態と
し、同じ機能を与えている。このような形状の塔も本発
明の対象となるのは当然のことである。
また、この実施例において、脱離液3としては、クロ
マト精製工程の前の工程、即ち、濃縮工程及び凝縮工程
の過程において生じる凝縮水を利用するようにしてい
る。即ち、この凝縮水は濃縮工程及び結晶化工程の過程
において、水の蒸発と共に蒸発する揮発性アルカリ分を
凝縮させることによって生成されたものである。このよ
うにして生成された凝縮水は、第5図に示すように、ア
ルカリ配管12に接続された凝縮水用配管41,41によって
アルカリ水として脱離液用のタンク9に送り込み配管42
はその凝縮液をアルカリ配管12に送り込むことができる
ようにしている。そのため、濃縮工程及び結晶化工程で
生成された凝縮水を、タンク9或いはアルカリ配管12に
供給する配管41,42を夫々有している。夫々の配管41,41
は濃縮工程,結晶化工程で生成された凝縮水を取り込み
配管42はその凝縮水をアルカリ配管12に送り込むように
している。
マト精製工程の前の工程、即ち、濃縮工程及び凝縮工程
の過程において生じる凝縮水を利用するようにしてい
る。即ち、この凝縮水は濃縮工程及び結晶化工程の過程
において、水の蒸発と共に蒸発する揮発性アルカリ分を
凝縮させることによって生成されたものである。このよ
うにして生成された凝縮水は、第5図に示すように、ア
ルカリ配管12に接続された凝縮水用配管41,41によって
アルカリ水として脱離液用のタンク9に送り込み配管42
はその凝縮液をアルカリ配管12に送り込むことができる
ようにしている。そのため、濃縮工程及び結晶化工程で
生成された凝縮水を、タンク9或いはアルカリ配管12に
供給する配管41,42を夫々有している。夫々の配管41,41
は濃縮工程,結晶化工程で生成された凝縮水を取り込み
配管42はその凝縮水をアルカリ配管12に送り込むように
している。
従って、脱離液3として凝縮水を利用すると、アルカ
リ配管12によって直に供給されるアルカリの量をそれだ
け節約することができるばかりでなく、脱離液3用のア
ルカリ性液として再利用できるので、経済的である。
リ配管12によって直に供給されるアルカリの量をそれだ
け節約することができるばかりでなく、脱離液3用のア
ルカリ性液として再利用できるので、経済的である。
なお、本例では、濃縮工程及び結晶化工程で生成され
た凝縮水を脱離液3として使用するため、配管41,42を
用いた例を示したが、これに限定されるものではなく、
例えば、その凝縮水を脱離液供給部のアルカリ配管12へ
の供給源に供給させても良いのは勿論である。
た凝縮水を脱離液3として使用するため、配管41,42を
用いた例を示したが、これに限定されるものではなく、
例えば、その凝縮水を脱離液供給部のアルカリ配管12へ
の供給源に供給させても良いのは勿論である。
さらに何れの実施例とも、ペーハー値維持手段により
脱離液3のpHの値を8.1に維持させた例を示したが、そ
れ以上のpHの値の場合でも蔗糖の回収率を高め得ること
が確実にできる。しかしながら、蔗糖が食料品であるこ
ととを考慮すれば、脱離液のpHの値が8〜11にすること
が好ましい。
脱離液3のpHの値を8.1に維持させた例を示したが、そ
れ以上のpHの値の場合でも蔗糖の回収率を高め得ること
が確実にできる。しかしながら、蔗糖が食料品であるこ
ととを考慮すれば、脱離液のpHの値が8〜11にすること
が好ましい。
またさらに、脱離液3として苛性カリと純水とを混合
させた例を示したが、苛性カリの他、例えば苛性ソーダ
や水酸化アンモニウム等のように、通常アルカリ剤とし
て用いられるものでも同様の効果を得ることができる。
させた例を示したが、苛性カリの他、例えば苛性ソーダ
や水酸化アンモニウム等のように、通常アルカリ剤とし
て用いられるものでも同様の効果を得ることができる。
さらに図示実施例では、ペーハー値維持手段のペーハ
ーセンサ14が脱離液3のタンク9に設置された例を示し
たが、第6図に示すように、クロマト塔1,1a〜1dの供給
側の配管43に設置し、そのクロマト塔に供給される脱離
液3のpHの値を検出するようにしても同様の効果を得る
ことができる。
ーセンサ14が脱離液3のタンク9に設置された例を示し
たが、第6図に示すように、クロマト塔1,1a〜1dの供給
側の配管43に設置し、そのクロマト塔に供給される脱離
液3のpHの値を検出するようにしても同様の効果を得る
ことができる。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明の請求項1及び2によれ
ば、クロマト塔内において脱離液中の水素イオンと固体
収着剤の陽イオンとがイオン交換するのを抑制し得るよ
う、pHの値が8〜11に維持された脱離液を用い、その脱
離液と糖蜜とをクロマト塔に順次供給することにより、
蔗糖液を精製し,回収するようにしたので、クロマト塔
内部で糖蜜のpHの値が低下するのを確実に防止すること
ができ、クロマト塔内部での精製蔗糖液が果糖とぶどう
糖とに分解することがなくなる結果、クロマト塔による
精製蔗糖液の回収率が低下するのを確実に防止し、高い
安定した回収率を得ることができる効果がある。また、
請求項3によれば、擬似移動床式回収装置に適用するこ
とによって、精製蔗糖液の濃度を高くすることができ、
後工程である結晶化工程での結晶化も容易に行うことが
できるので、多量生産上実用的である効果がある。さら
に、請求項4によれば、凝縮水を脱離液として用いるの
で、それだけ経済的効果がある。
ば、クロマト塔内において脱離液中の水素イオンと固体
収着剤の陽イオンとがイオン交換するのを抑制し得るよ
う、pHの値が8〜11に維持された脱離液を用い、その脱
離液と糖蜜とをクロマト塔に順次供給することにより、
蔗糖液を精製し,回収するようにしたので、クロマト塔
内部で糖蜜のpHの値が低下するのを確実に防止すること
ができ、クロマト塔内部での精製蔗糖液が果糖とぶどう
糖とに分解することがなくなる結果、クロマト塔による
精製蔗糖液の回収率が低下するのを確実に防止し、高い
安定した回収率を得ることができる効果がある。また、
請求項3によれば、擬似移動床式回収装置に適用するこ
とによって、精製蔗糖液の濃度を高くすることができ、
後工程である結晶化工程での結晶化も容易に行うことが
できるので、多量生産上実用的である効果がある。さら
に、請求項4によれば、凝縮水を脱離液として用いるの
で、それだけ経済的効果がある。
また、本発明の請求項5,6,7によれば、pH値維持手段
によって脱離液のpHの値を8〜11に維持させるように構
成したので、上記請求項1,2,3を的確に実施できる効果
があり、請求項8によれば、請求項4を的確に実施でき
る効果がある。
によって脱離液のpHの値を8〜11に維持させるように構
成したので、上記請求項1,2,3を的確に実施できる効果
があり、請求項8によれば、請求項4を的確に実施でき
る効果がある。
第1図は本発明方法を実施するための回収装置の一実施
例を示す要部の配管図、第2図はpHの値を夫々適宜の値
に選定した脱離液とクロマト塔を通過した液の量との関
係を示す説明図、第3図は四個のクロマト塔を用いた蔗
糖の回収装置を示す全体図、第4図(a)乃至(d)は
各クロマト塔に対する原料液と脱離液との供給を工程順
に示す説明図、第5図は本発明方法の一実施例を工程順
に示す説明図、第6図はペーハーセンサをクロマト塔の
取り込み側に設置した例を示す斜視図、第7図は甜菜か
ら蔗糖を回収する一般の蔗糖回収プロセスを示す説明図
である。 1,1a〜1d…クロマト塔、2…原料液としての糖蜜、3…
脱離液、4…固体収着剤、5…原料液用のタンク、9…
脱離液用のタンク、11…純水配管、12…アルカリ配管、
13…電磁弁、14…ペーハーセンサ、15…制御部、22〜25
…循環経路部、41,42…凝縮水用の配管。
例を示す要部の配管図、第2図はpHの値を夫々適宜の値
に選定した脱離液とクロマト塔を通過した液の量との関
係を示す説明図、第3図は四個のクロマト塔を用いた蔗
糖の回収装置を示す全体図、第4図(a)乃至(d)は
各クロマト塔に対する原料液と脱離液との供給を工程順
に示す説明図、第5図は本発明方法の一実施例を工程順
に示す説明図、第6図はペーハーセンサをクロマト塔の
取り込み側に設置した例を示す斜視図、第7図は甜菜か
ら蔗糖を回収する一般の蔗糖回収プロセスを示す説明図
である。 1,1a〜1d…クロマト塔、2…原料液としての糖蜜、3…
脱離液、4…固体収着剤、5…原料液用のタンク、9…
脱離液用のタンク、11…純水配管、12…アルカリ配管、
13…電磁弁、14…ペーハーセンサ、15…制御部、22〜25
…循環経路部、41,42…凝縮水用の配管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉永 正二 東京都千代田区神田駿河台4丁目3番地 日立テクノエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 斉藤 欽司 北海道網走郡美幌町字鳥里90番地 (72)発明者 丹羽 雅博 北海道網走郡美幌町字鳥里90番地 (72)発明者 山田 俊彦 静岡県御殿場市萩原1175番201号 ダウ・ ケミカル日本株式会社製品開発研究所内 (72)発明者 望月 泰孝 東京都千代田区神田駿河台4丁目3番地 日立テクノエンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−65301(JP,A) 特公 昭59−25600(JP,B2) 芝浦精糖株式会社訳“製糖技術" (1955)ドイツ製糖工業会編集(昭和37年 10月1日発行)第16−21頁,第274−277頁 “Best−Sugar Techno lory”Third edition (1982),Best Sugar Pev elopment Faundation 発行,第126−129頁,第268−275頁
Claims (8)
- 【請求項1】蔗糖回収プロセスの結晶化工程で蔗糖を分
離したときに残りかつpHの値がおよそ7となる糖蜜を原
料液とし、該原料液と脱離液とを、陽イオン交換体から
なる固体収着剤を充填した一塔以上のクロマト塔に順次
供給して精製蔗糖液を回収する蔗糖の回収方法におい
て、前記クロマト塔に供給すべき脱離液のpHの値を常に
8〜11に維持させ、その脱離液をクロマト塔に供給した
とき、該クロマト塔内において脱離液中の水素イオンと
固体収着剤の陽イオンとがイオン交換するのを抑制する
ことを特徴とする蔗糖の回収方法。 - 【請求項2】蔗糖回収プロセスの結晶化工程で蔗糖を分
離したときに残りかつpHの値がおよそ7となる糖蜜と、
予めpHの値が8〜11に設定された脱離液とを、陽イオン
交換体からなる固体収着剤を充填した一塔以上のクロマ
ト塔に順次供給し、前記脱離液のクロマト塔への供給
時、該クロマト塔において脱離液中の水素イオンと固体
収着剤の陽イオンとがイオン交換するのを抑制し、該イ
オン交換の抑制されたクロマト塔から精製蔗糖液を回収
するようにしたことを特徴とする蔗糖の回収方法。 - 【請求項3】陽イオン交換体からなる固体収着剤を充填
した少なくとも四塔のクロマト塔を直列に接続し、初段
のクロマト塔の入口側と最終段のクロマト塔の排出側と
を接続してクロマト塔の内部の液を循環可能とした擬似
移動床式回収装置に、蔗糖回収プロセスの結晶化工程で
蔗糖を分離したときに残りかつpHの値がおよそ7となる
糖蜜を原料液とし、該原料液と脱離液とを所望のクロマ
ト塔に対し順次供給するようにした蔗糖の回収方法にお
いて、前記クロマト塔に供給すべき脱離液のpHの値を常
に8〜11に維持させ、その脱離液をクロマト塔に供給し
たとき、該クロマト塔内において脱離液中の水素イオン
と固体収着剤の陽イオンとがイオン交換するのを抑制す
ることを特徴とする蔗糖の回収方法。 - 【請求項4】蔗糖回収プロセスの結晶化工程で蔗糖を分
離したときに残りかつpHの値がおよそ7となる糖蜜と脱
離液とから、固体収着剤として陽イオン交換体を用いた
クロマト精製工程によって精製蔗糖液を回収するように
した蔗糖の回収方法において、蔗糖回収プロセスの濃縮
工程と結晶化工程との少なくとも何れか一方で生成する
凝縮水を前記クロマト精製工程で用いる脱離液として使
用し、その脱離液のpHの値を常に8〜11に維持させ、そ
の脱離液をクロマト塔に供給したとき、該クロマト塔内
において脱離液中の水素イオンと固体収着剤の陽イオン
とがイオン交換するのを抑制することを特徴とする蔗糖
の回収方法。 - 【請求項5】陽イオン交換体からなる固体収着剤を充填
した一塔以上のクロマト塔と、該クロマト塔に蔗糖回収
プロセスの結晶化工程で蔗糖を分離したときに残りかつ
pHの値がおよそ7となる糖蜜を供給する原料液供給部
と、クロマト塔に脱離液を供給する脱離液供給部とを備
えた蔗糖の回収装置において、前記脱離液のpHの値を常
に8〜11に維持させ、その脱離液をクロマト塔に供給し
たとき、該クロマト塔内において脱離液中の水素イオン
と固体収着剤の陽イオンとがイオン交換するのを抑制し
得るペーハー値維持手段を有することを特徴とする蔗糖
の回収装置。 - 【請求項6】各々が陽イオン交換体からなる固体収着剤
を充填し、かつ互いに直列に接続された少なくとも四塔
のクロマト塔と、所望のクロマト塔に蔗糖回収プロセス
の結晶化工程で蔗糖を分離したときに残りかつpHの値が
およそ7となる糖蜜を供給する原料液供給部と、所望の
クロマト塔に対し脱離液を供給する脱離液供給部と、初
段のクロマト塔の供給部側及び最終段のクロマト塔の排
出側間を接続させる循環経路部とを備えてなる擬似移動
床式の蔗糖の回収装置において、前記脱離液供給部に脱
離液のペーハー値を常に8〜11に維持させ、その脱離液
をクロマト塔に供給したとき、該クロマト塔内において
脱離液中の水素イオンと固体収着剤の陽イオンとがイオ
ン交換するのを抑制し得るペーハー値維持手段を有する
ことを特徴とする蔗糖の回収装置。 - 【請求項7】請求項5または6において、前記ペーハー
維持手段は、脱離液用のタンクと、該タンクに純水を送
り込む純水配管と、前記タンクにアルカリ液を送り込む
アルカリ配管と、該アルカリ配管にその管路を開閉させ
る開閉体と、脱離液のペーハーの値を検出すると共に、
該検出値に基づき前記開閉体の開度を調整し、脱離液の
ペーハー値を常に8〜11に維持させる制御部とを有して
構成したことを特徴とする蔗糖の回収装置。 - 【請求項8】請求項5または6において、前記脱離液供
給部に対し、少なくとも蔗糖回収プロセスの濃縮工程と
結晶化工程との少なくとも何れか一方で生成する凝縮水
を取り込んで供給し得る手段を有することを特徴とする
蔗糖の回収装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1307778A JPH084520B2 (ja) | 1989-11-29 | 1989-11-29 | 蔗糖の回収方法及び回収装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1307778A JPH084520B2 (ja) | 1989-11-29 | 1989-11-29 | 蔗糖の回収方法及び回収装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03168100A JPH03168100A (ja) | 1991-07-19 |
JPH084520B2 true JPH084520B2 (ja) | 1996-01-24 |
Family
ID=17973155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1307778A Expired - Lifetime JPH084520B2 (ja) | 1989-11-29 | 1989-11-29 | 蔗糖の回収方法及び回収装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH084520B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6998480B2 (en) * | 2002-03-08 | 2006-02-14 | Tate & Lyle Public Limited Company | Process for improving sucralose purity and yield |
US6943248B2 (en) * | 2003-04-30 | 2005-09-13 | Tate & Lyle Public Limited Company | Crystalline form of sucralose, and method for producing it |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0632599B2 (ja) * | 1982-08-03 | 1994-04-27 | 株式会社東芝 | 車輌用交流発電機の電圧調整器 |
JPS6365301A (ja) * | 1986-09-05 | 1988-03-23 | Hiroki Takeda | 曲尺 |
-
1989
- 1989-11-29 JP JP1307778A patent/JPH084520B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
"Best−SugarTechnolory"Thirdedition(1982),BestSugarPevelopmentFaundation発行,第126−129頁,第268−275頁 |
芝浦精糖株式会社訳"製糖技術"(1955)ドイツ製糖工業会編集(昭和37年10月1日発行)第16−21頁,第274−277頁 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03168100A (ja) | 1991-07-19 |
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