JPH0843767A - 撮像光学系 - Google Patents
撮像光学系Info
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Abstract
補正されており又色再現の良好な撮像光学系を提供する
ことを目的とする。 【構成】 本発明の撮像光学系は、少なくとも一つの
正の屈折力を持つ回折型光学素子と少なくとも一つの正
の屈折力を持つ屈折型光学素子と少なくとも一つの負の
屈折力を持つ屈折型光学素子とよりなり、回折型の光学
素子が最大回折効率となる波長をλMとする時下記条件
を満足することを特徴としている。 450nm<λM<600nm
Description
れた撮像光学系に関するものである。
求められる。この結像性能に関しては、一点から発した
光束を一点に収束させる性能(スポットの収束性)、歪
曲収差、像面湾曲が問題となり、それぞれフィルム等の
感光素子の感度波長の光が同じ点に収束される、つまり
色収差が良好に補正されることが求められる。又いわゆ
る可視域のカラー画像に対応した撮像光学系は、良好な
色再現を求められる。
ト化、低コスト化、量産性、撮像システムとの適合性を
考慮した撮像光学系が知られている。
E)を用いることが撮案されている。
の22巻126頁〜130頁に記載されている。又撮像
光学系に回折型光学素子を用いた例として「SPIE」
の1354巻(1990年)24頁〜37頁や、「AP
PLIED OPTICS」の31巻、13号(199
2年5月)の2248頁〜2251頁に記載されてい
る。更に回折型光学素子を導入した従来例として、米国
特許明細書第5268790号が知られている。このズ
ームレンズは、フォーカスレンズ群、バリエーターレン
ズ群、コンペンセーターレンズ群、リレーレンズ群から
4群ズームレンズで、バリエーターレンズ群とコンペン
セーターレンズ群に全部で2枚の回折型光学素子(回折
面)を設けたものである。
する。
学素子で、図9に示すように、入射角をθ、射出角を
θ’回折次数をm、回折格子のピッチをdとすると、次
の式(3)にしたがった回折現象を生ずる。
た時、例えば図10に示す様に、dを連続的に変化させ
るとm次の回折光を集光させる等のレンズ作用を持たせ
ることが出来る。
うに鋸状にし、その山の高さhを下記の式(4)を満足
するようにすると、波長λのλ波光についてm次の回折
光が100%になる。
ムと呼ばれ、このキノフォームを図12の(A),
(B)のように段階近似したもの回折型光学素子(DO
E)をバイナリ− オプチカル エレメント(BOE)
と呼ぶ。これらは、リゾグラフィー的な製法により比較
的容易に製作できる。BOEは、4段近似では81%、
8段近似では95%、16段近似では99%の回折効率
が得られる。又式(3)から分かるように、DOEで構
成したレンズの焦点距離の波長特性は、次の式(5)に
て表わされ、いわゆるアッベ数に換算するとνd =−
3.45になり、大きな逆分散をもつ。
の波長λにおける回折効率Kは、下記式(6)にて表わ
される。
た屈折型光学素子と、負の屈折力をもった屈折型光学素
子との組合わせによって収差を補正していた。1枚の非
球面レンズや回折型光学素子の組合わせによって又単一
物点に対するスポットの収束性は確保できるが、像面全
域のスポットの収束性や歪曲収差、像面湾曲の補正は出
来ない。特に望遠レンズは、画角2ωが2ω<15°で
あって、全長を短くするためには物点側より正の屈折力
をもった屈折型光学素子、負の屈折力をもった屈折型光
学素子で構成するいわゆる望遠タイプの光学系を採用す
ることが多い。
色収差が発生する原因は、波長により焦点距離が異なる
ことによる。基準波長のλdの焦点距離に対してA倍の
焦点距離を持つ波長λAの光学系の場合、波長λd に対
する波長λA の軸上色収差δA-d は、ほぼ式(7)にて
表わされる。
が長くなるほど大になる。そのため、特に望遠レンズ
は、色収差の補正が困難である。
対する屈折率の変化の割合(分散)を利用して補正す
る。そのため全系が正の焦点距離をもつレンズ系の場
合、正の屈折力をもつ光学素子に分散の小さい材質を、
負の屈折力をもつ光学素子に分散の大きい材質を用い
る。しかし、前述のように、光学素子の組合わせは色収
差の補正だけでなく像面全体の結像性能を考慮して決定
しなければならない。特に像面の対角長に対して口径が
2.5倍以上の望遠レンズは、色収差を十分に補正する
のが困難であり、レンズの枚数を多くしたり、蛍石等超
低分散ガラスを用いたりしなければならない。しかし蛍
石は高価であり、又柔らかい材質であるため研磨がむず
かしい。更にガラスやプラスチックの材質で屈折型光学
素子(レンズ)を形成した時材質により差はあるが短波
長から長波長に波長が変化するにつれて屈折率が低くな
り更にその変化の程度が緩やかになる。
点距離の逆数)が1になる単レンズを代表的な硝子材料
と超低分散ガラスと呼ばれる材質で構成した時の、波長
による屈折力の変化を示す。そのため、実用的範囲の材
質のレンズで構成された撮像レンズの色収差は、図5に
実線で示すようにV字状をなし、二つの波長のみが同じ
点に結像し、短波長側と長波長側とで色収差が大にな
る。
すると分散の傾向が逆であって、かつその割合が大であ
る。そのため、例えば「光学」22巻126頁〜130
頁に記載されているように、正の屈折力を持った回折型
光学素子と正の屈折力を持った屈折型光学素子とを組合
わせて色消しが可能になる。しかし、像面の対角長に対
して口径が2、3倍を越えるような撮像レンズは、他の
収差を良好に補正することが困難である。又回折型光学
素子の回折効率は、屈折型光学素子の表面透過率(表面
反射率と表面透過率を足すと100%)に対して低いと
云う欠点がある。更に回折型光学素子の回折効率は、波
長によって大きく異なり、そのため特にカラー画像のた
めの撮像レンズにとっては、色再現に大きな撮影を与え
る。この点に関しては、上記の提案では考慮されていな
い。
補正され又色再現の良好な撮像レンズを提供することを
目的としている。
少なくとも一つの正の屈折力を持つ回折型光学素子と少
なくとも一つの正の屈折力を持つ屈折型光学素子と少な
くとも一つの負の屈折力を持つ屈折型光学素子とよりな
り、前記回折型光学素子が次の条件(1)を満足するも
のである。
である。
加え回折型光学素子の波長λの回折効率をE(λ)、撮
像光学系全系の波長λの透過率をT(λ)、撮像素子の
分光感度特性をB(λ)とする時、次の条件(2)を満
足するようにすることも特徴としている。 (2) 0.85<∫B(λ)・T(λ)・B(λ) dλ/∫T
(λ)・B(λ) dλ<1 ただし、積分範囲の最小値は撮影に必要な最短波長又最
大値は撮影に必要な最長波長である。
撮像光学系の透過率T(λ)は、波長λの光の撮影光学
系への入射光量に対する像面へ到達した光量の割合を示
している。具体的には、回折光学素子の不要次数の光束
など、設計上結像光束ではない光も含めて算出する値で
ある。
くとも1枚の正の屈折力を持った回折型光学素子と、少
なくとも1枚の正の屈折力を持った屈折型光学素子と少
なくとも1枚の負の屈折力を持った屈折型光学素子とよ
り構成されている。これら光学素子のうち、少なくとも
1枚の正の屈折力を持った屈折型光学素子と少なくとも
1枚の負の屈折力を持った屈折型光学素子は、主として
スポットの収束性や像面湾曲,歪曲収差等の補正のため
のもので、従来の撮像光学系と同様な手段にて補正して
いる。そのため、これら屈折型光学素子を用いた構成
は、従来提案されている撮像光学系で用いられているタ
イプを利用することが可能である。
屈折力の回折型光学素子は、広い波長域での色収差の補
正のためのものである。回折型光学素子として正の屈折
力のものを用いているのは、回折型光学素子の分散が屈
折型光学素子の分散と反対であるためである。更に回折
型光学素子は、短波長から長波長までの焦点距離の変化
量が線型であることに注目し、広い波長域で色収差を補
正するようにした。
る単レンズを回折型光学素子で構成した時の波長による
屈折力の変化を示すものである。この図からわかるよう
に、回折型光学素子は、分散性が大きいだけでなく、波
長による屈折力の変化の線型性が高い。これに対し、屈
折型光学素子は、図7に示すように波長による屈折力の
変化の線型性が悪い。
にし、つまり回折型光学素子を付加し更に条件(1)を
満足するようにしてその目的を達成するようにした。
0nmを越えると像の赤味が減少し、又赤味のあるフレ
アーやゴーストが発生することがある。又条件(1)の
上限の600nmを越えると、像の青味が減少し、又赤
味のあるフレアーやゴーストが発生することがある。又
可視光の領域を感度範囲とする白黒画像の場合、条件
(1)の範囲を越えると像のコントラストが低下し又フ
レアーやゴーストの発生により像の劣化が大になる。
キノフォームと呼ばれる鋸状の形状にすることによって
回折効率をあげることが出来る。この場合、鋸状の山の
高さh(nm)が下記の式(8)を満足することによ
り、条件(1)を満足する回折型光学素子を構成するこ
とが出来る。
<600×m(n600 −1) ただしmは整数で回折光の次数、n450 は基材の波長4
50nmに対する屈折率、n600 は基材の波長600n
mに対する屈折率である。
ように構成することによって、波長450nmから60
0nmの間の波長で最大回折効率が100%程度にな
る。
フォームをhが下記条件(9)を満足するようにすれば
良好な画質が得られる。
<550×m(n550 −1) ただしn490 は基材の波長490nmに対する屈折率、
n550 は基材の波長550nmに対する屈折率である。
もよい。BOEは、前述のようにキノフォームを階段状
の面で近似したものである。BOEでは、4段のステッ
プで近似した時には、最大回折効率が約81%、8段の
ステップで近似した時には約95%、16段のステップ
で近似した時には約99%にすることが出来る。
製作した場合、1段目と最高段目との高さの差は、前記
の条件(8)や条件(9)又はフィルム等の撮像素子の
分光特性を勘案して設定することが望ましい。ここでB
OEの近似段数をs段とし、1段目と最高段目の高さの
差をhB とすると、前記の条件(8)は下記の条件(1
0)のように表わされる。
hB ・s/(s−1)<660×m/(n660 −1) 更に本発明の撮像光学系は、前記条件(2)を満足する
ことが望ましい。
に必要な波長域は可視光の範囲である。そのため、条件
(2)における積分範囲は、最小値が380nm、最大
値が720nmにすると良い。又撮像素子の場合その分
光受光特性等を考慮して積分範囲の最小値、最大値を定
めることが好ましい。例えば、積分範囲の最小値として
撮像素子の受光可能な最短波長を又最大値として撮像素
子の受光可能な最長波長を選んでもよい。
レアーが増大し、現像や再生時に調整しても像に影響が
でる。
素子をキノフォーム又は8段以上のステップで近似され
たBOEで構成することが望ましい。
光学素子とを組合わせることにより回折型光学素子は1
枚ですみ、そのために回折効率の影響を受けにくい。
と、中心と周辺とで鋸状のピッチの差が大になり、その
ため製作が困難になり、歩留まりの低下がコストアップ
の要因になる。又総合的な回折効率の低下をもたらす。
収差を補正するようにしたため、回折型光学素子のパワ
ーを大きくする必要はない。本発明において、回折型光
学素子のパワーが下記条件(11)を満足すれば一層望
ましい。
型光学素子の焦点距離である。
と色収差を十分に補正できなくなる。又上限の0.05
0を越えると回折型光学素子の製作が困難になる。
ば、製作性を向上させ得るので好ましい。
図である。この実施例のデーターは下記の通りである。 r1 =∞ d1 =1.67 n1 =1.51633 ν1 =64.15 r2 =∞ d2 =0.01 r3 =∞ d3 =0.06 (回折型光学素子面) r4 =35.316 d4 =4.55 n3 =1.63930 ν3 =44.88 r5 =155.367 d5 =0.10 r6 =35.104 d6 =3.13 n4 =1.63854 ν4 =55.38 r7 =45.851 d7 =0.08 r8 =32.034 d8 =5.63 n5 =1.69350 ν5 =50.81 r9 =43.533 d9 =2.49 r10=93.986 d10=3.62 n6 =1.76182 ν6 =26.55 r11=18.750 d11=27.71 r12=絞り d12=1.24 r13=54.335 d13=2.88 n7 =1.72151 ν7 =29.24 r14=126.188 f=100,Fナンバー=2.87,2ω=13.8°,fDOE =4264.11 ただしr1 ,r2 ,・・・ はレンズ各面の曲率半径、d
1 ,d2 ,・・・ は各レンズの肉厚、n1 ,n2 ,・・・ は
各レンズの屈折率、ν1 ,ν2 ,・・・ は各レンズのアッ
ベ数である。
素子を、又4枚の正の屈折力の屈折型光学素子と1枚の
負の屈折力の屈折型光学素子とより構成されている。
素子のみからなる従来の撮像光学系を図3に示す。又こ
の従来例は、下記の通りのデーターを有している。 r1 =35.345 d1 =4.55 n1 =1.63854 ν1 =55.38 r2 =155.061 d2 =0.10 r3 =35.042 d3 =3.13 n2 =1.63854 ν2 =55.38 r4 =46.026 d4 =0.08 r5 =31.922 d5 =5.63 n3 =1.69350 ν3 =50.81 r6 =43.494 d6 =2.49 r7 =94.289 d7 =3.63 n4 =1.76182 ν4 =26.55 r8 =18.747 d8 =27.70 r9 =絞り d9 =1.22 r10=52.743 d10=2.88 n5 =1.72151 ν5 =29.24 r11=125.676 f=100 ,Fナンバー=2.87,2ω=13.8° 以上の本発明の実施例と前記の図3に示す撮影レンズ系
と構成はほとんど同じであるが図2に示す本発明の実施
例の収差状況と図4に示す図3の光学系の収差状況とを
比較するとわかるように、本発明の光学系が従来の光学
系に比べて色収差が小さい。
素子のみからなる光学系の波長に対する後側焦点位置の
変化(図5において破線が本発明、実線が従来例)を示
す。この図より本発明の光学系は、各波長の後側焦点位
置のばらつきが小であり、更に三つの波長の後側焦点位
置が同じ位置にある。したがって式(7)からわかるよ
うに、本発明の光学系は、焦点距離が長くなっても色収
差が大きくなりにくい構成である。
ることにより製作性を向上させることが出来、又回折型
光学素子の平行平面板の基材を光学系の最も物体側に配
置してあるので、屈折型光学素子の配置の時に間隔の自
由度が増し、収差補正を行ないやすくなる。
回折型光学素子に非球面効果を持たせることによりスポ
ットの収束性、像面湾曲、歪曲収差をさらに良好に補正
したり、構成枚数を減らすことが出来る。
ムで構成してもよい。図6は、本発明の実施例における
回折面をキノフォームで構成した時の回折効率を示す図
で、可視領域において十分な回折効率を達成しているこ
とがわかる。
してもよい。この回折面は、切削、型による成形等によ
り製作できる。型による成形は、プレス式、射出式、ハ
イブリッド式(例えばガラス基盤上に薄い樹脂層を形成
し、この樹脂層に回折面形状を転写する)等のコスト、
精度、使用環境等に応じて選択することが望ましい。
機能をもたせたり、基材と同じ鏡枠にフィルターを装置
し得るようにしてもよい。
して使うとき、回折出来なかった光によって生ずるフレ
ーアを直流成分として除去してもよい。又、カラーの場
合、各色フィルターの透過率を回折効率の分光特性と適
合するようにしてもよい。又、カラーの場合、各色フィ
ルターの透過率を回折光学素子の回折効率の分光特性と
適合するようにしてもよい。又、撮像素子としてフィル
ムを用いる時、撮影時に露光量を少なめにしたり、フィ
ルムから印画紙に焼き付ける時にコントラストの高い
(固い)印画紙を使ったり露光用を少なくして現像時間
を長めにするなどしてフレアーの影響を少なくしてもよ
い。
学素子が1枚多い。このように光学素子の枚数を多くす
れば、光学性能が向上することは当然である。しかし、
この実施例は、本発明のような撮像光学系において、回
折光学素子を用いることにより色収差が大幅に補正され
ることを示すために設計したものであり、そのため図3
に示す従来例とほぼ同じ大きさでかつ同じレンズ枚数
(屈折型光学素子の枚数)で設計した。屈折型光学素子
を1枚付加したとしても、光学系のコンパクト性を維持
しつつ上記の実施例の性能まで高めることは困難である
ことは、前述の説明より明らかである。又回折型光学素
子の単色の収差の補正能力を維持し一層コンパクトな、
光学素子の枚数の少ない設計が可能である。
を用いて諸収差特に色収差を良好に補正し、色再現の良
好な光学系である。
成を示す図
点位置の変化を示す図
率を示す図
折力が1の単レンズの波長に対する屈折力変化を示す図
の波長に対する屈折力変化を示す図
す図
Claims (4)
- 【請求項1】少なくとも一つの正の屈折力を持つ回折型
光学素子と少なくとも一つの正の屈折力を持つ屈折型光
学素子と少なくとも一つの負の屈折力を持つ屈折型光学
素子とよりなり、前記回折型光学素子が次の条件(1)
を満足する撮像光学系。 (1) 450nm<λM <600nm ただしλM は回折型光学素子が最大回折効率となる波長
である。 - 【請求項2】回折型光学素子の波長λの回折効率をE
(λ)、撮像光学系全系の波長λの透過率をT(λ)、
撮像素子の分光感度特性をB(λ)とする時、次の条件
(2)を満足する請求項1の撮像光学系。 (2)0.85<∫B(λ)・T(λ)・B(λ) dλ/∫T
(λ)・B(λ) dλ<1 ただし、積分範囲の最小値は撮影に必要な最短波長又最
大値は撮影に必要な最長波長である。 - 【請求項3】前記回折型光学素子の回折面がキノフォー
ム形状である請求項1の撮像光学系。 - 【請求項4】前記回折型光学素子の回折面が8段以上の
バイナリー形状である請求項1又は3の撮像光学系。
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- 1994-07-27 JP JP19381994A patent/JP3577108B2/ja not_active Expired - Fee Related
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