JP2004246378A - 撮像光学系 - Google Patents

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Abstract

【目的】 本発明は、色収差を含めた諸収差が良好に補正されており又色再現の良好な撮像光学系を提供することを目的とする。
【構成】 本発明の撮像光学系は、少なくとも一つの正の屈折力を持つ回折型光学素子と少なくとも一つの正の屈折力を持つ屈折型光学素子と少なくとも一つの負の屈折力を持つ屈折型光学素子とよりなり、回折型の光学素子が最大回折効率となる波長をλMとする時下記条件を満足することを特徴としている。
450nm<λM<600nm
【選択図】 図1

Description

本発明は、色収差が良好に補正された撮像光学系に関するものである。
一般に撮像光学系は、良好な結像性能が求められる。この結像性能に関しては、一点から発した光束を一点に収束させる性能(スポットの収束性)、歪曲収差、像面湾曲が問題となり、それぞれフィルム等の感光素子の感度波長の光が同じ点に収束される、つまり色収差が良好に補正されることが求められる。又いわゆる可視域のカラー画像に対応した撮像光学系は、良好な色再現を求められる。 従来、以上の要件を満足し、更にコンパクト化、低コスト化、量産性、撮像システムとの適合性を考慮した撮像光学系が知られている。
又、撮像光学系等に回折型光学素子(DOE)を用いることが撮案されている。
この回折型光学系素子に関しては「光学」の22巻126頁〜130頁に記載されている。又撮像光学系に回折型光学素子を用いた例として「SPIE」の1354巻(1990年)24頁〜37頁や、「APPLIED OPTICS」の31巻、13号(1992年5月)の2248頁〜2251頁に記載されている。更に回折型光学素子を導入した従来例として、米国特許明細書第5268790号が知られている。このズームレンズは、フォーカスレンズ群、バリエーターレンズ群、コンペンセーターレンズ群、リレーレンズ群から4群ズームレンズで、バリエーターレンズ群とコンペンセーターレンズ群に全部で2枚の回折型光学素子(回折面)を設けたものである。
ここで回折型光学素子について簡単に説明する。
回折型光学素子は、回折現象を利用した光学素子で、図9に示すように、入射角をθ、射出角をθ’回折次数をm、回折格子のピッチをdとすると、次の式(3)にしたがった回折現象を生ずる。
sinθ−sinθ’=mλ/d (3)
この回折型光学素子において、一つの回折次数に注目した時、例えば図10に示す様に、dを連続的に変化させるとm次の回折光を集光させる等のレンズ作用を持たせることが出来る。
又回折型光学素子の断面形状を図11のように鋸状にし、その山の高さhを下記の式(4)を満足するようにすると、波長λのλ波光についてm次の回折光が100%になる。
h=mλ/(n−1) (4)
ただし、nは基材の屈折率である。
この図11に示すような形状をキノフォームと呼ばれ、このキノフォームを図12の(A),(B)のように段階近似したもの回折型光学素子(DOE)をバイナリ− オプチカル エレメント(BOE)と呼ぶ。これらは、リゾグラフィー的な製法により比較的容易に製作できる。BOEは、4段近似では81%、8段近似では95%、16段近似では99%の回折効率が得られる。又式(3)から分かるように、DOEで構成したレンズの焦点距離の波長特性は、次の式(5)にて表わされ、いわゆるアッベ数に換算するとνd =−3.45になり、大きな逆分散をもつ。
λf=一定 (5)
又、波長λ0 で回折効率を100%にしたキノフォームの波長λにおける回折効率Kは、下記式(6)にて表わされる。
K=sin2[π(λ0 /λ−m)]/[π(λ0 /λ−m)]2 (6)
スポットの収束性に関しては、従来、正の屈折力をもった屈折型光学素子と、負の屈折力をもった屈折型光学素子との組合わせによって収差を補正していた。1枚の非球面レンズや回折型光学素子の組合わせによって又単一物点に対するスポットの収束性は確保できるが、像面全域のスポットの収束性や歪曲収差、像面湾曲の補正は出来ない。特に望遠レンズは、画角2ωが2ω<15°であって、全長を短くするためには物点側より正の屈折力をもった屈折型光学素子、負の屈折力をもった屈折型光学素子で構成するいわゆる望遠タイプの光学系を採用することが多い。
光学系において、軸上色収差が発生する原因は、波長により焦点距離が異なることによる。基準波長のλdの焦点距離に対してA倍の焦点距離を持つ波長λA の光学系の場合、波長λd に対する波長λA の軸上色収差δA-d は、ほぼ式(7)にて表わされる。
δA-d =A・f (7)
ただしfは全系の焦点距離である。
つまり、光学系の軸上色収差は、焦点距離が長くなるほど大になる。そのため、特に望遠レンズは、色収差の補正が困難である。
色収差は、一般に材質ごとに異なる波長に対する屈折率の変化の割合(分散)を利用して補正する。そのため全系が正の焦点距離をもつレンズ系の場合、正の屈折力をもつ光学素子に分散の小さい材質を、負の屈折力をもつ光学素子に分散の大きい材質を用いる。しかし、前述のように、光学素子の組合わせは色収差の補正だけでなく像面全体の結像性能を考慮して決定しなければならない。特に像面の対角長に対して口径が2.5倍以上の望遠レンズは、色収差を十分に補正するのが困難であり、レンズの枚数を多くしたり、蛍石等超低分散ガラスを用いたりしなければならない。しかし蛍石は高価であり、又柔らかい材質であるため研磨がむずかしい。更にガラスやプラスチックの材質で屈折型光学素子(レンズ)を形成した時材質により差はあるが短波長から長波長に波長が変化するにつれて屈折率が低くなり更にその変化の程度が緩やかになる。
図7には、550nmの波長で屈折力(焦点距離の逆数)が1になる単レンズを代表的な硝子材料と超低分散ガラスと呼ばれる材質で構成した時の、波長による屈折力の変化を示す。そのため、実用的範囲の材質のレンズで構成された撮像レンズの色収差は、図5に実線で示すようにV字状をなし、二つの波長のみが同じ点に結像し、短波長側と長波長側とで色収差が大になる。
回折型光学素子は、屈折型光学素子と比較すると分散の傾向が逆であって、かつその割合が大である。そのため、例えば「光学」22巻126頁〜130頁に記載されているように、正の屈折力を持った回折型光学素子と正の屈折力を持った屈折型光学素子とを組合わせて色消しが可能になる。しかし、像面の対角長に対して口径が2、3倍を越えるような撮像レンズは、他の収差を良好に補正することが困難である。又回折型光学素子の回折効率は、屈折型光学素子の表面透過率(表面反射率と表面透過率を足すと100%)に対して低いと云う欠点がある。更に回折型光学素子の回折効率は、波長によって大きく異なり、そのため特にカラー画像のための撮像レンズにとっては、色再現に大きな撮影を与える。この点に関しては、上記の提案では考慮されていない。
本発明は、色収差を含めた諸収差が良好に補正され又色再現の良好な撮像レンズを提供することを目的としている。
本発明の撮像光学系は、少なくとも一つの正の屈折力を持つ回折型光学素子と少なくとも一つの正の屈折力を持つ屈折型光学素子と少なくとも一つの負の屈折力を持つ屈折型光学素子とよりなり、前記回折型光学素子が次の条件(1)を満足するものである。
(1) 450nm<λM <600nm
ただしλM は回折型光学素子が最大回折効率となる波長である。
又、本発明の撮像光学系は、上記の構成に加え回折型光学素子の波長λの回折効率をE(λ)、撮像光学系全系の波長λの透過率をT(λ)、撮像素子の分光感度特性をB(λ)とする時、次の条件(2)を満足するようにすることも特徴としている。
(2) 0.85<∫B(λ)・T(λ)・B(λ) dλ/∫T(λ)・B(λ) dλ<1 ただし、積分範囲の最小値は撮影に必要な最短波長又最大値は撮影に必要な最長波長である。
尚、前記条件(2)に示す波長λにおける撮像光学系の透過率T(λ)は、波長λの光の撮影光学系への入射光量に対する像面へ到達した光量の割合を示している。具体的には、回折光学素子の不要次数の光束など、設計上結像光束ではない光も含めて算出する値である。
本発明の撮像光学系は、前記のように少なくとも1枚の正の屈折力を持った回折型光学素子と、少なくとも1枚の正の屈折力を持った屈折型光学素子と少なくとも1枚の負の屈折力を持った屈折型光学素子とより構成されている。これら光学素子のうち、少なくとも1枚の正の屈折力を持った屈折型光学素子と少なくとも1枚の負の屈折力を持った屈折型光学素子は、主としてスポットの収束性や像面湾曲,歪曲収差等の補正のためのもので、従来の撮像光学系と同様な手段にて補正している。そのため、これら屈折型光学素子を用いた構成は、従来提案されている撮像光学系で用いられているタイプを利用することが可能である。
更に本発明の撮像光学系で用いている正の屈折力の回折型光学素子は、広い波長域での色収差の補正のためのものである。回折型光学素子として正の屈折力のものを用いているのは、回折型光学素子の分散が屈折型光学素子の分散と反対であるためである。更に回折型光学素子は、短波長から長波長までの焦点距離の変化量が線型であることに注目し、広い波長域で色収差を補正するようにした。 図8は、波長550nmで屈折力が1になる単レンズを回折型光学素子で構成した時の波長による屈折力の変化を示すものである。この図からわかるように、回折型光学素子は、分散性が大きいだけでなく、波長による屈折力の変化の線型性が高い。これに対し、屈折型光学素子は、図7に示すように波長による屈折力の変化の線型性が悪い。
本発明の撮像光学系は、前述のような構成にし、つまり回折型光学素子を付加し更に条件(1)を満足するようにしてその目的を達成するようにした。
この条件(1)においてλM が下限の450nmを越えると像の赤味が減少し、又赤味のあるフレアーやゴーストが発生することがある。又条件(1)の上限の600nmを越えると、像の青味が減少し、又赤味のあるフレアーやゴーストが発生することがある。又可視光の領域を感度範囲とする白黒画像の場合、条件(1)の範囲を越えると像のコントラストが低下し又フレアーやゴーストの発生により像の劣化が大になる。
回折型光学素子は、図( )に示すようなキノフォームと呼ばれる鋸状の形状にすることによって回折効率をあげることが出来る。この場合、鋸状の山の高さh(nm)が下記の式(8)を満足することにより、条件(1)を満足する回折型光学素子を構成することが出来る。
(8) 450×m/(n450 −1)<h<600×m(n600 −1)
ただしmは整数で回折光の次数、n450 は基材の波長450nmに対する屈折率、n600 は基材の波長600nmに対する屈折率である。
前記キノフォームを条件(8)を満足するように構成することによって、波長450nmから600nmの間の波長で最大回折効率が100%程度になる。
更に、一般のカラー写真の場合、前記キノフォームをhが下記条件(9)を満足するようにすれば良好な画質が得られる。
(9) 490×m/(n490 −1)<h<550×m(n550 −1)
ただしn490 は基材の波長490nmに対する屈折率、n550 は基材の波長550nmに対する屈折率である。
又回折型光学素子は、BOEにて製作してもよい。BOEは、前述のようにキノフォームを階段状の面で近似したものである。BOEでは、4段のステップで近似した時には、最大回折効率が約81%、8段のステップで近似した時には約95%、16段のステップで近似した時には約99%にすることが出来る。
このように、回折型光学素子をBOEにて製作した場合、1段目と最高段目との高さの差は、前記の条件(8)や条件(9)又はフィルム等の撮像素子の分光特性を勘案して設定することが望ましい。ここでBOEの近似段数をs段とし、1段目と最高段目の高さの差をhB とすると、前記の条件(8)は下記の条件(10)のように表わされる。
(10) 450×m/(n450 −1)<hB ・s/(s−1)<
660×m/(n660 −1)
更に本発明の撮像光学系は、前記条件(2)を満足することが望ましい。
一般のカラー写真の撮影においては、撮影に必要な波長域は可視光の範囲である。そのため、条件(2)における積分範囲は、最小値が380nm、最大値が720nmにすると良い。又撮像素子の場合その分光受光特性等を考慮して積分範囲の最小値、最大値を定めることが好ましい。例えば、積分範囲の最小値として撮像素子の受光可能な最短波長を又最大値として撮像素子の受光可能な最長波長を選んでもよい。
条件(2)の下限を越えると、撮像面のフレアーが増大し、現像や再生時に調整しても像に影響がでる。
条件(2)を満足するために、回折型光学素子をキノフォーム又は8段以上のステップで近似されたBOEで構成することが望ましい。
更に、本発明は、回折型光学素子と屈折型光学素子とを組合わせることにより回折型光学素子は1枚ですみ、そのために回折効率の影響を受けにくい。
更に、回折型光学素子のパワーを大にすると、中心と周辺とで鋸状のピッチの差が大になり、そのため製作が困難になり、歩留まりの低下がコストアップの要因になる。又総合的な回折効率の低下をもたらす。
本発明では、屈折型光学素子により単色の収差を補正するようにしたため、回折型光学素子のパワーを大きくする必要はない。本発明において、回折型光学素子のパワーが下記条件(11)を満足すれば一層望ましい。
(11) 0.005<f/fDOE <0.050
ただし、fは撮像光学系全系の焦点距離、fDOE は回折型光学素子の焦点距離である。
条件(11)の下限の0.005を越えると色収差を十分に補正できなくなる。又上限の0.050を越えると回折型光学素子の製作が困難になる。
尚、回折型光学素子の基盤を平面にすれば、製作性を向上させ得るので好ましい。
本発明の撮像光学系は、回折型光学素子を用いて諸収差特に色収差を良好に補正し、色再現の良好な光学系である。
図1は、本発明の撮像光学系の実施例を示す図である。この実施例のデーターは下記の通りである。
1 =∞ d1 =1.67 n1 =1.51633 ν1 =64.15
2 =∞ d2 =0.01
3 =∞ d3 =0.06 (回折型光学素子面)
4 =35.316 d4 =4.55 n3 =1.63930 ν3 =44.88
5 =155.367 d5 =0.10
6 =35.104 d6 =3.13 n4 =1.63854 ν4 =55.38
7 =45.851 d7 =0.08
8 =32.034 d8 =5.63 n5 =1.69350 ν5 =50.81
9 =43.533 d9 =2.49
10=93.986 d10=3.62 n6 =1.76182 ν6 =26.55
11=18.750 d11=27.71
12=絞り d12=1.24
13=54.335 d13=2.88 n7 =1.72151 ν7 =29.24
14=126.188
f=100,Fナンバー=2.87,2ω=13.8°,fDOE =4264.11
ただしr1 ,r2 ,・・・ はレンズ各面の曲率半径、d1 ,d2 ,・・・ は各レンズの肉厚、n1 ,n2 ,・・・ は各レンズの屈折率、ν1 ,ν2 ,・・・ は各レンズのアッベ数である。
上記実施例では、最も物体側に回折型光学素子を、又4枚の正の屈折力の屈折型光学素子と1枚の負の屈折力の屈折型光学素子とより構成されている。
又、上記実施例と同様な構成で屈折型光学素子のみからなる従来の撮像光学系を図3に示す。又この従来例は、下記の通りのデーターを有している。
1 =35.345 d1 =4.55 n1 =1.63854 ν1 =55.38
2 =155.061 d2 =0.10
3 =35.042 d3 =3.13 n2 =1.63854 ν2 =55.38
4 =46.026 d4 =0.08
5 =31.922 d5 =5.63 n3 =1.69350 ν3 =50.81
6 =43.494 d6 =2.49
7 =94.289 d7 =3.63 n4 =1.76182 ν4 =26.55
8 =18.747 d8 =27.70
9 =絞り d9 =1.22
10=52.743 d10=2.88 n5 =1.72151 ν5 =29.24
11=125.676
f=100 ,Fナンバー=2.87,2ω=13.8°
以上の本発明の実施例と前記の図3に示す撮影レンズ系と構成はほとんど同じであるが図2に示す本発明の実施例の収差状況と図4に示す図3の光学系の収差状況とを比較するとわかるように、本発明の光学系が従来の光学系に比べて色収差が小さい。
又、図5には、本発明と従来の屈折型光学素子のみからなる光学系の波長に対する後側焦点位置の変化(図5において破線が本発明、実線が従来例)を示す。この図より本発明の光学系は、各波長の後側焦点位置のばらつきが小であり、更に三つの波長の後側焦点位置が同じ位置にある。したがって式(7)からわかるように、本発明の光学系は、焦点距離が長くなっても色収差が大きくなりにくい構成である。
ここで、回折型光学素子の基盤を平面にすることにより製作性を向上させることが出来、又回折型光学素子の平行平面板の基材を光学系の最も物体側に配置してあるので、屈折型光学素子の配置の時に間隔の自由度が増し、収差補正を行ないやすくなる。
更に光学系中に非球面レンズを用いたり、回折型光学素子に非球面効果を持たせることによりスポットの収束性、像面湾曲、歪曲収差をさらに良好に補正したり、構成枚数を減らすことが出来る。
又回折型光学素子の回折面は、キノフォームで構成してもよい。図6は、本発明の実施例における回折面をキノフォームで構成した時の回折効率を示す図で、可視領域において十分な回折効率を達成していることがわかる。
又回折面をバイナリーオプティクスで構成してもよい。この回折面は、切削、型による成形等により製作できる。型による成形は、プレス式、射出式、ハイブリッド式(例えばガラス基盤上に薄い樹脂層を形成し、この樹脂層に回折面形状を転写する)等のコスト、精度、使用環境等に応じて選択することが望ましい。
又、回折型光学素子の基材にフィルターの機能をもたせたり、基材と同じ鏡枠にフィルターを装置し得るようにしてもよい。
又CCD等の光電変換素子等を撮像素子として使うとき、回折出来なかった光によって生ずるフレーアを直流成分として除去してもよい。又、カラーの場合、各色フィルターの透過率を回折効率の分光特性と適合するようにしてもよい。又、カラーの場合、各色フィルターの透過率を回折光学素子の回折効率の分光特性と適合するようにしてもよい。又、撮像素子としてフィルムを用いる時、撮影時に露光量を少なめにしたり、フィルムから印画紙に焼き付ける時にコントラストの高い(固い)印画紙を使ったり露光用を少なくして現像時間を長めにするなどしてフレアーの影響を少なくしてもよい。
前記実施例は、図3に示す従来例よりも光学素子が1枚多い。このように光学素子の枚数を多くすれば、光学性能が向上することは当然である。しかし、この実施例は、本発明のような撮像光学系において、回折光学素子を用いることにより色収差が大幅に補正されることを示すために設計したものであり、そのため図3に示す従来例とほぼ同じ大きさでかつ同じレンズ枚数(屈折型光学素子の枚数)で設計した。屈折型光学素子を1枚付加したとしても、光学系のコンパクト性を維持しつつ上記の実施例の性能まで高めることは困難であることは、前述の説明より明らかである。又回折型光学素子の単色の収差の補正能力を維持し一層コンパクトな、光学素子の枚数の少ない設計が可能である。
本発明の実施例の構成を示す図 本発明の実施例の収差曲線図 回折光学素子を用いない従来の撮像光学系の構成を示す図 上記従来例の収差曲線図 本発明の実施例と従来例の波長に対する後側焦点位置の変化を示す図 本発明の実施例で用いる回折光学素子の回折効率を示す図 代表的ガラス材料よりなる波長550nmで屈折力が1の単レンズの波長に対する屈折力変化を示す図 屈折力1の単レンズに相当する回折型光学素子の波長に対する屈折力変化を示す図 回折格子による光の回折状況を示す図 回折格子によるレンズ作用を示す図 キノフォームの形状を示す図 BOEで製作した回折型光学素子の形状を示す図

Claims (4)

  1. 少なくとも一つの正の屈折力を持つ回折型光学素子と少なくとも一つの正の屈折力を持つ屈折型光学素子と少なくとも一つの負の屈折力を持つ屈折型光学素子とよりなり、前記回折型光学素子が次の条件(1)を満足する撮像光学系。
    (1) 450nm<λM <600nm
    ただしλM は回折型光学素子が最大回折効率となる波長である。
  2. 回折型光学素子の波長λの回折効率をE(λ)、撮像光学系全系の波長λの透過率をT(λ)、撮像素子の分光感度特性をB(λ)とする時、次の条件(2)を満足する請求項1の撮像光学系。
    (2)0.85<∫B(λ)・T(λ)・B(λ) dλ/∫T(λ)・B(λ) dλ<1
    ただし、積分範囲の最小値は撮影に必要な最短波長又最大値は撮影に必要な最長波長である。
  3. 前記回折型光学素子の回折面がキノフォーム形状である請求項1の撮像光学系。
  4. 前記回折型光学素子の回折面が8段以上のバイナリー形状である請求項1又は3の撮像光学系。
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