JPH0841447A - 緩発熱性組成物用の原料鉄粉とその製造方法 - Google Patents

緩発熱性組成物用の原料鉄粉とその製造方法

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JPH0841447A
JPH0841447A JP17679294A JP17679294A JPH0841447A JP H0841447 A JPH0841447 A JP H0841447A JP 17679294 A JP17679294 A JP 17679294A JP 17679294 A JP17679294 A JP 17679294A JP H0841447 A JPH0841447 A JP H0841447A
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JP
Japan
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iron powder
powder
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calcium sulfide
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JP17679294A
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Masashi Fujinaga
政志 藤長
Takeo Omura
武雄 大村
Yoshinori Takahashi
吉則 高橋
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】製造中に有害物を生じることがなく、また発熱
特性が良好で、且つ使い捨てカイロ等に用いても衛生上
の不安もなく、保存中に水素ガス発生が少ない緩発熱性
組成物用の原料鉄粉とその製造方法を提供することを目
的としている。 【構成】反応助剤、水、及び保水剤と混合して大気中で
緩発熱する組成物用の原料鉄粉において、硫化カルシウ
ム粉末を、鉄粉に対して重量で0.003%以上1%以
下含有してなることを特徴とする緩発熱性組成物用の原
料鉄粉である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大気中での酸化反応に
よる緩発熱を利用して加熱・保温するカイロ等の発熱体
組成物に用いる原料鉄粉及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】鉄粉と、食塩等の反応助剤と、水と、活
性炭などの保水剤とを混合して形成するカイロ等の発熱
性組成物は、大気中の酸素と該鉄粉が緩慢に反応して発
生する熱を有効利用するために製造される。この発熱性
組成物は、その配合物及び鉄粉の性質を適正に調整する
ことで、大気中において40℃から100℃程度の温度
を10時間以上の間持続できるから、実用上は所謂「使
い捨てカイロ」として身体の保温等で重宝に利用されて
いる。
【0003】ところが、この発熱性組成物は、使用に供
するまでの間は大気との接触を避ける必要があるので、
通気性の無い材料で包装して保管される。しかしなが
ら、それでも保管中に反応助剤を溶解した水と鉄粉との
間に局部電池反応が起って、水素ガスが発生するという
問題があった。この水素ガスの発生量が多いと、保管中
の外装材の膨張による荷崩れや水素の蓄積による発火、
爆発の恐れがあった。
【0004】そこで、従来より水素ガスの発生を抑制す
る方法の研究が多々なされており、例えば特公昭58−
43430号公報に開示されているように、硫黄と混合
するかもしくは溶剤に溶かした硫黄で被覆した鉄粉を熱
処理してから該組成物としたものが提案されている。ま
た、特開昭55−52377号、特開昭55−5618
0号、特開昭57−172973号、特開昭61−27
1398号等、多くの公開特許公報は、水素発生抑制物
質として、水溶性のアルカリ又はアルカリ性塩類を水溶
液にしたもの、あるいは水と共に加えて実質的に水溶液
にしたもの等を開示し、実用化もされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来行
われているような前記技術には、以下に示すような問題
点がある。まず、硫黄と混合もしくは硫黄で被覆して熱
処理したものは、ガス発生が抑制され且つ発熱特性が改
善するとされているが、硫黄を多量に含む混合物を20
0℃程度の温度で熱処理するため、製造過程で有害な硫
黄蒸気を発生するという欠点があった。
【0006】また、水溶性のアルカリ又はアルカリ性塩
類を水溶液にしたり、水と共に加えて実質的に水溶液に
したものを用いる場合には、これら水素発生抑制物質
は、水中に溶けて広く分散して存在し、鉄粉表面に作用
して局部電池作用に起因する水素発生の抑制に寄与する
割合が小さいくなるため、鉄粉に対して重量比で0.5
〜7%と高濃度の添加量を要することになる。その結
果、それら水溶液の使用は経済的で無いだけでなく、多
量のアルカリ粉末を添加すると鉄粉表面の酸化反応が抑
制されて発熱特性が劣化するという別の問題もあった。
前記特開昭61−271378号公報記載の技術では、
反応助剤の配合を適正化してこの弊害を逃れているが、
アルカリ類の添加量は少ない方が好ましい。さらに、こ
れらのアルカリ類を人体に直接作用する可能性のある使
い捨てカイロに使用することには、衛生管理上の不安も
あった。
【0007】本発明は、かかる事情を鑑み、製造中に有
害物を生じることがなく、また発熱特性が良好で、且つ
使い捨てカイロ等に用いても衛生管理上の不安もなく、
保存中に水素ガス発生が少ない緩発熱性組成物用の原料
鉄粉とその製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため、水素ガス発生を防止する物質の発見に鋭意
努力し、微量の硫化カルシウムの添加が有効であること
を確認して本発明を創案するに至った。すなわち、本発
明は、反応助剤、水、及び保水剤と混合して大気中で緩
発熱する組成物用の原料鉄粉において、硫化カルシウム
粉末を、鉄粉に対する重量で0.003%以上1%以下
含有してなることを特徴とする緩発熱性組成物用の原料
鉄粉である。また、本発明は、上記硫化カルシウム粉末
が、100メッシュ以下の粒度であることを特徴とする
請求項1記載の緩発熱性組成物用の原料鉄粉でもある。
さらに、本発明は、大気中で緩発熱する組成物の原料鉄
粉を製造するに際して、鉄粉に、重量で0.003%以
上1%以下の硫化カルシウム粉末を添加、混合すること
を特徴とする緩発熱性組成物用原料鉄粉の製造方法であ
る。
【0009】この場合、鉄粉とは、本発明に係る原料鉄
粉、すなわち硫化カルシウム粉末と混合させた鉄粉を形
成するベースになる鉄粉のことであり、還元鉄粉、アト
マイズ鉄粉、又はそれらの混合物を含むものである。
【0010】
【作用】本発明では、大気中での酸化反応を用いた緩発
熱性組成物に使用される原料鉄粉に、水への溶解度の低
い硫化カルシウムを鉄粉に対する重量比で0.003%
以上1%以下、望ましくは0.01%以上0.3%以下
を含有させるようにしたので、該緩発熱性組成物に、水
中に容易に溶解して発熱する特性に悪影響を及ぼす物質
を多量に添加することなしに、保管中の水素ガス発生を
抑制することができるようになり、使い捨てカイロ等に
用いてもアルカリ類との直接的な接触はなく、衛生上の
不安を生ずることがなくなる。
【0011】また、本発明では、上記硫化カルシウム粉
末が、100メッシュ以下の粒度とするようにしたの
で、上記効果は一層促進された。さらに、大気中での鉄
粉の酸化反応を用いた緩発熱性組成物に使用される原料
鉄粉の製造方法において、鉄粉に硫化カルシウムを重量
で0.003%以上1%以下、望ましくは0.01%以
上0.3%以下添加、混合するだけで熱処理を必要とせ
ず、有害な硫黄蒸気の発生が防止できる。また、硫化カ
ルシウムは、水への溶解度が低く、予め還元鉄粉と混合
して鉄粉粒子の表面に硫化カルシウム粉末粒子を付着さ
せておくことで添加量が少量でよく、大きな水素発生抑
制効果を示す。予め鉄粉と混合させない場合には、他の
添加物(反応助剤)等の粒子の表面にも付着して水素発
生抑制に寄与しない分が生じるので、その添加必要量が
多くなり経済的でない。
【0012】硫化カルシウムの含有量を鉄粉に対して重
量で0.003%以下1%以上と限定した理由は、発明
者の実験結果である図1及び図2で明らかにする。すな
わち、0.003%以下では、水素ガス発生抑制効果が
小さくなり、1%以上では、最高到達温度が低下するか
らである。なお、鉄粉としては、60メッシュ以下の粒
度のものが一般に用いられるが、硫化カルシウム粉とし
ては100メッシュ以下のものが好ましい。硫化カルシ
ウム粉が100メッシュより粗くなると、鉄粉の粒子表
面に付着した場合、その表面を覆って上記の水素ガス抑
制作用を発揮するに必要な量が多くなり過ぎ、経済的で
ないばかりか、発熱特性が低下するからである。
【0013】硫化カルシウムを含有させることにより水
素ガス発生が抑制される理由は、今のところ明確ではな
いが、硫化カルシウムが介在することでアルカリとして
作用してガス発生そのものが抑制されるのみならず、発
生した水素ガスが発熱体組成物に配合された活性炭やゼ
オライト等に吸着され易いガスに変化しているものと推
定される。
【0014】以下、実施例において、本発明の内容を具
体的に説明する。
【0015】
【実施例】本発明に係る緩発熱組成物用の原料鉄粉の効
果を、硫化カルシウムの含有量を種々変更して確認する
実験を行った。その際、従来法によるもの(比較例5)
も含め、5つの比較実験も同じに行っている。上記の実
験に用いた鉄粉としては、鉄鉱石粉を還元して得た海綿
鉄を60メッシュ以下に粉砕し、金属鉄分が93重量%
の還元鉄粉及び60メッシュ以下に分級したアトマイズ
鉄粉を、硫化カルシウム粉としては、200メッシュ以
下に粉砕した微粉を用いた。なお、実施例4と比較例4
には不純物として硫黄分を若干高い0.05重量%含有
する還元鉄粉を用いたが、他の例は、すべて不純物硫黄
分が0.02重量%の還元鉄粉である。鉄粉と硫化カル
シウム粉の混合割合を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】水素ガス発生量は、表1の各還元鉄粉30
g及び硫化カルシウム等の添加物に、活性炭4g、木屑
3g、塩化ナトリウム1.5g、水10mlを混合して
緩発熱組成物とし、それらを非通気性の袋に気密包装
後、55℃の恒温槽中に装入し、2日目と7日目の体積
を水中置換法で測定した。発熱特性は、上記と同じ緩発
熱組成物を通気性の不織布製の袋で包装し、台上にタオ
ル4枚を重ねた上に熱電対を挟んで置き、さらにタオル
8枚を上重ねして測温する方法で求めた。その際、最高
温度は発熱中の最高到達温度を、持続時間は40℃以上
を維持した時間をそれぞれ測定した。
【0018】上記実験の結果は、表1に一括して示して
あるが、本発明に係る原料鉄粉を用いた実施例では、い
ずれも硫化カルシウムを添加していない比較例1の原料
鉄粉と比べて発熱特性を劣化させることなく、有効にガ
ス発生を抑制していることが明らかである。一方、硫化
カルシウムの添加量が本発明の範囲以下である比較例で
は、水素ガスの発生が十分抑制されず、また硫化カルシ
ウム添加量が本発明の範囲より大きい比較例3では、水
素ガスの発生は抑制されているものの、無添加のものに
比べて最高温度が85%以下に低下し、発熱性が劣化し
ていた。
【0019】以上では、鉄鉱石粉を原料にした還元鉄粉
を用いた場合について説明したが、本発明に係る緩発熱
性組成物用原料鉄粉は、出発鉄源を鉄鉱石に限定するも
のではなく、ミルスケール、ダスト等を原料にした還元
鉄粉、アトマイズ鉄粉やそれらの混合物などすべての鉄
粉が使用可能であり、それらの結果も表1に同時に示し
てある。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る原料鉄
粉を用いることにより、緩発熱性組成物の発熱特性を劣
化させることなく、保管中の水素ガス発生量を低減する
ことが可能となり、アルカリを用いる場合のように衛生
上の問題も生じない。また、本発明により、有害な硫黄
蒸気を発生することなく、保管中の水素ガス発生を低減
した大気中で緩発熱性を示す発熱性組成物に供給する原
料鉄粉を容易に、且つ低コストで製造することが可能と
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】還元鉄粉に添加した硫化カルシウム量と緩発熱
性組成物からの水素ガス発生量との関係を示す図であ
る。
【図2】還元鉄粉に添加した硫化カルシウム量と緩発熱
性組成物の到達最高温度との関係を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応助剤、水、及び保水剤と混合して大
    気中で緩発熱する組成物用の原料鉄粉において、 硫化カルシウム粉末を、鉄粉に対して重量で0.003
    %以上1%以下含有してなることを特徴とする緩発熱性
    組成物用の原料鉄粉。
  2. 【請求項2】 上記硫化カルシウム粉末が、100メッ
    シュ以下の粒度であることを特徴とする請求項1記載の
    緩発熱性組成物用の原料鉄粉。
  3. 【請求項3】 大気中で緩発熱する組成物用原料鉄粉を
    製造するに際して、 鉄粉に、重量で0.003%以上1%以下の硫化カルシ
    ウム粉末を添加、混合することを特徴とする緩発熱性組
    成物用原料鉄粉の製造方法。
JP17679294A 1994-07-28 1994-07-28 緩発熱性組成物用の原料鉄粉とその製造方法 Withdrawn JPH0841447A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008222763A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Powdertech Co Ltd 発熱性組成物用還元鉄粉及びその製造方法並びに発熱性組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008222763A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Powdertech Co Ltd 発熱性組成物用還元鉄粉及びその製造方法並びに発熱性組成物

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