JPH084119Y2 - 扇形噴霧ノズル - Google Patents

扇形噴霧ノズル

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JPH084119Y2
JPH084119Y2 JP1991053968U JP5396891U JPH084119Y2 JP H084119 Y2 JPH084119 Y2 JP H084119Y2 JP 1991053968 U JP1991053968 U JP 1991053968U JP 5396891 U JP5396891 U JP 5396891U JP H084119 Y2 JPH084119 Y2 JP H084119Y2
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秀夫 佐久間
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アロイ工器株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本考案は、塗料等の液体を扇形
状に噴霧するためのノズルに関するものであり、特に高
粘度塗料あるいは水性塗料を適用して塗装する場合にお
いて、いわゆるテールの発生しない広角扇形噴霧を得る
ことができるエアレス噴霧ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】 従来のエアレス式扇形噴霧ノズルと
しては、ノズル主体にドーム状凹面とこれにスムーズに
連接する筒状流路とからなる凹穴を後方開放状態に設け
ると共に、ノズル主体の前面にはV字状断面の溝をその
溝底が前記ドーム状凹面と筒状流路との境界付近に達す
る程度の深さに設け、ドーム状凹面とV字状溝との交叉
によりリップ状の噴口を開設した構造のものが多用され
ている。
【0003】 しかしながら、このようなノズルを塗
装用として高粘度塗料あるいは水性塗料を噴霧する場合
には、扇形噴霧の両端に霧化不良のいわゆるテールが発
生する関係上、均斉な塗装面を得ることができない不利
があり、これがため前記テールの発生を防止するように
したテールレスノズルが種々開発されており、例えば特
公昭57−50539公報,特公昭60−51857公
報,特開昭63−178867公報,実開昭62−20
661公報,実開昭60−183050公報に記載の技
術がある。
【0004】 前記両特許公報に記載のノズルは、ド
ーム状凹面と筒状流路との境界部分に環状隅角部を形成
するほか、V字状溝を筒状流路と僅かに交叉するように
形成し、特にその環状隅角部とV字状溝の深さとの両寸
法を厳密に特定している。
【0005】 次に前記特開昭63−178867公
報に記載のノズルは、くさび状断面の内部溝に近似した
筒状流路の前端中央にドーム状凹部を設けるほか、外部
溝を内部溝にクロスする状態のもとにドーム状凹部に交
叉するように設けてリップ状の噴口をその長径が内部溝
に対してクロスするように開設している。
【0006】 また前記実開昭62−20661公報
に記載のノズルは、台形断面の内部溝の中央にこの内部
溝の底部の幅よりも充分に小径のドーム状の窪みを形成
するほか、外部溝を前記内部溝とクロスする方向のもと
にドーム状窪みと交叉させてリップ状の噴口を開設して
いる。
【0007】 その他、実開昭60−183050公
報に記載のノズルは、縦に長い扁平なほぼ山形の凹穴を
これにスムーズに連通する扁平角錘状もしくは扁平状の
流路の前端に設け、かつ外部溝を縦長の凹穴の縦軸に一
致する状態のもとに凹穴に交叉させて縦長の噴口を開設
している。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】 前記環状隅角部を
設けたテールレスノズルにおいては、その隅角部の寸法
とV字状溝の深さとの両者を厳密に製作する必要がある
ため、製作が困難であるばかりでなく製作コストが著し
く高価となる欠点があり、次に前記特開昭63−178
867公報に記載のノズルは、テールレス作用について
は充分認められるが、扇形噴霧の広角化が困難であり、
また前記実開昭62−20661公報に記載のノズルに
おいては、均斉分布の広角扇形噴霧の形成が主目的であ
るため、塗料の供給圧力を実際上100kg/cm
上に選定しなければならない欠点があり、更に実開昭6
0−183050公報に記載のノズルは、屋外における
風圧の影響を受けずに長飛距離の扇形噴霧を得るのが主
目的である関係上、扇形噴霧の広角化には不充分である
ばかりでなく、塗料の供給圧力を実際上100kg/c
以上に選定する必要がある。
【0009】 そこで本考案の目的は、製作が容易で
あり、かつ液体の供給圧力が低い場合であってもテール
が発生せず、しかも広角扇形噴霧の形成が得られ易いノ
ズルを安価に提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】 本考案は上記目的を
達成するため、ノズル主体に両斜面と溝底部とから形成
されるくさび状断面の内部溝を流路に連通する後方開放
状態に設けると共に、内部溝の中央付近にはドーム状凹
部を設けるほか、ノズル主体の前面には両側面と溝底部
とから形成される外部溝をその溝底部が前記内部溝の溝
底部に対向した平行状態のもとにドーム状凹部にだけ交
叉するように設けてリップ状の噴口をその噴口長径が外
部溝の溝底部に一致した状態に開設し、かつ外部溝と内
部溝とはそれらの両溝底部が僅かな間隔を保って互いに
接近する状態に設けたものである。
【0011】
【作用】 リップ状噴口における両側部の中央付近即
ち噴口の短径部においては、内部溝の斜面と外部溝の斜
面とによるベンチュリー効果による増速作用の影響を受
けるほか、噴口における両端部即ち長径端部付近におい
ては、特に内部溝の斜面による増速作用と内部溝の溝底
によるオリフィス作用とが相俟ってテールの生成要素
の払拭に絶好な霧化効果を発揮し、従ってテールめ発生
が防止された状態のもとに扇形噴霧が形成され、殊に
部溝の斜面による増速作用により、リップ状噴口におけ
短径部付近からの噴流は軸心部分において強力に衝突
し、これと相俟って噴口における両端部即ち長径端部付
近からの噴流はオリフィス作用により軸心部分において
衝突する傾向にはない関係上、噴霧の広角化 を減殺する
ことがなく、軸心部分において強力に衝突する前記短径
部付近からの噴流による噴霧広角化が助長されて広角噴
霧の形成が実現する。
【0012】
【実施例】 以下、本考案を図示の実施例について詳
細に説明する。先ず図1ないし図4に示す第1の実施例
について述べると、超硬合金あるいはセラミック等の超
硬質材製のノズル主体1に、断面が台形のくさび状の内
部溝2を切り通すことなくノズル主体1の周壁が残るよ
うに後方開放状態に設けると共に、内部溝2における
底部2bの中央付近にはほぼドーム状凹部3をその両側
部において前記内部溝2におけるくさび状の両斜面2a
に各別にスムーズに連続するように形成し、かつノズル
主体1の先端にはV字状断面の外部溝4を前記ドーム状
凹部3にだけ深く交叉する状態に設け、これら外部溝4
とドーム状凹部3との交叉によりリップ状の噴口5をそ
の噴口5の長径が外部溝4の溝底部4bに一致するよう
に開設し、なお前記外部溝4の溝底部4bは内部溝2の
溝底部2bに平行に対向したまま両溝底部2bと4bと
間に僅かな肉厚が残る状態に接近させる。
【0013】 前記内部溝2は両斜面2aと溝底部2
bとから形成され、かつ長さをノズル主体1の周壁が残
る程度に短く形成する場合には互いにほぼ平行する状態
の両端面2cが含まれ、このように形成した内部溝2は
その後方解放部分において筒状流路6に連通されてこの
筒状流路6を経て塗料等の液体が内部溝2に後方から供
給され、また外部溝4は両側面4aと溝底部4bとから
形成される。なお前記内部溝2の溝底部2bと外部溝4
溝底部4bとの中間の肉厚については、リップ状の噴
口5の両端部即ち長径端部においてオリフィスが形成さ
れるように、なるべく薄いのが望ましいが、損壊および
摩耗を考慮して適度の厚みが必要である。
【0014】 噴口5の長径両端部に溝底部2bによ
オリフィスを形成し、しかもくさび状断面の内部溝2
と外部溝4とが平行であると、リップ状噴口5の長径
端部に近い上流の流動状況は、内部溝2の斜面2a部分
より増速されつつほぼ直進する直進流と、内部溝2の
端に近い部分即ち両端面2cに近い部分において両斜
面2aにより増速して溝底部2bに衝突した後にドーム
向へ偏向する偏向流とが生じ、これら直進流と偏向流
とがほぼ直角関係に衝突した状態のもとに噴口5の長径
両端部付近から噴出することになる関係上、前記偏向流
はその偏向以前の衝突に伴い撹乱状態にあるのに加えて
直進流と高速のもとに更に衝突するのであるから、一層
撹乱され、その直後に噴出される結果、霧化効果が著し
く良好であり、テールの発生は確実に防止される。
【0015】 また内部溝2の両斜面2cによる増速
作用により、リップ状噴口5における短径部即ち噴口5
の中央からの噴流は中心において軸心に一致して直進す
る流れのほか、噴口5に両口縁を経て少し下流の軸心部
分に向かって斜め方向に流れて軸心部分において強力に
衝突し、その衝突により噴流が扇形状に著しく広角化
し、これに対応して噴口5における長径両端部付近から
の噴流はオリフィス作用により軸心部分において衝突す
る傾向にはない関係上、前記噴流の広角化を減殺するこ
とがなく、従って噴霧の広角化が助長されて広角噴霧が
形成される。
【0016】 上記構成のノズルを使用して、焼付メ
ラミン樹脂系塗料を30数kg/cmのもとに、ある
いはラテックス塗料を数10kg/cmのもとに供給
しつつ噴射した結果、テールを発生させることなく広角
扇形噴霧を得ることができた。
【0017】 内部溝2の断面形状については、図5
(第2の実施例)のようにV字状として溝底部2bを両
斜面2aが交わって形成される隅角としてもよく、また
図6(第3の実施例)のように溝底部2aの幅をドーム
状凹部3の直径よりも大きく形成し、あるいは図7(第
4の実施例)のように溝底部2bの幅をドーム状凹部3
の直径よりも小さく形成してもよく、更に図示しないが
溝底部2bが円弧状断面の丸み付きのV字状であっても
よいのであり、効果は前記第1の実施例におけるとほぼ
同様である。
【0018】 また、内部溝2をくさび状に形成した
理由は、供給液体の流速を増加させるほか、噴口5に至
る直前まで供給圧力をなるべく低下させないようにする
ためであるから、くさび状の角度については、過小であ
ると増速作用が乏しく、また過大であると斜面による抵
抗により流速が減殺される関係上、40°ないし80°
が適当であり、なお実用範囲は20゜ないし100°で
ある。
【0019】 外部溝4の断面形状については、V字
状に限ることなく、U字状あるいはコ字状あるいは台形
状であってもよく、被噴射液体の性状並びに希望する噴
霧の分布により適宜選択すればよい。
【0020】
【考案の効果】 以上説明したように、本考案によれ
ば、次のような効果が得られる。 (a)ノズル主体に比較的広角なくさび状断面の内部溝
を後方開放状態に設けたから、これにより上流から供給
される液体の流速を増加させるほか、噴口に至る直前ま
で供給圧力がほとんど低下せず、従ってテールの発生を
抑制する効果がある。
【0021】(b)内部溝の中央付近にドーム状凹部を
設けるほか、外部溝を前記内部溝に平行状態のまま両溝
溝底部が互いに接近する状態のもとにドーム状凹部に
交叉するように設けてリップ状の噴口をその長径が内部
溝と平行状態となるように開設したから、リップ状噴口
長径端部付近においては、特に内部溝の斜面による増
速作用と内部溝の溝底部によるオリフィス作用とが相俟
ってテールの生成要素の払拭に絶好な霧化効果を発揮す
る。
【0022】(c)噴口の中央からの噴流は内部溝の両
斜面のよる増速作用のもとに噴口の両口縁から斜め内向
きに流れ、少し下流の軸心部分において互いに強力に衝
触して噴流を扇形状に著しく広角化し、従って高粘度液
体の低圧噴霧に当たっても、テールの発生を確実に防止
することができるばかりでなく、扇形噴霧の角度を広角
のもとに噴出することができ、しかも噴口の長径両端部
からの噴流はオリフィス作用により軸心において衝突す
る傾向にはないから、扇形噴流の広角化を減殺する傾向
がない関係上、噴霧の広角化が助長されて広角噴霧に好
都合である。
【0023】(d)噴流を扇形状に著しく広角化するこ
とは、扇形状噴流を一層薄膜化することになり、噴霧の
微粒化を促進して霧化の向上およびテールの発生を確実
に防 止することができるのである。
【0024】(e)構造が簡単で製作が容易であるか
ら、安価に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例における扇形噴霧ノズルの斜面
図である。
【図2】 図2の扇形噴霧ノズルの縦断側面図である。
【図3】 図2の扇形噴霧ノズルの正面図である。
【図4】 図2中の線IV−IVにおける横断平面図で
ある。
【図5】 第2の実施例における扇形噴霧ノズルの横断
平面図である。
【図6】 第3の実施例における扇形噴霧ノズルの横断
平面図である。
【図7】 第4の実施例における扇形噴霧ノズルの横断
平面図である。
【符号の説明】
1 ノズル主体 2 内部溝2a 斜面 2b 溝底部 3 ドーム状凹部 4 外部溝4a 側面 4b 溝底部 5 噴口6 流路

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル主体(1)に両斜面(2a)と
    溝底部(2b)とから形成されるくさび状断面の内部溝
    (2)を流路(6)に連通する後方開放状態に設けると
    共に、内部溝(2)の中央付近にはドーム状凹部(3)
    を設けるほか、ノズル主体(1)の前面には両側面(4
    a)と溝底部(4b)とから形成される外部溝(4)
    を、その溝底部(4b)が前記内部溝(2)の溝底部
    (2b)に対向した平行状態のもとにドーム状凹部
    (3)にだけ交叉するように設け、前記ドーム状凹部
    (3)と外部溝(4)との交叉によりリップ状の噴口
    (5)をその噴口長径が外部溝(4)の溝底部(4b)
    に一致すると共に内部溝(2)の溝底部(2b)に平行
    な状態に開設し、かつ外部溝(4)と内部溝(2)とは
    それらの溝底部(4b)と(2b)とが僅かな間隔を保
    って互いに接近していることを特徴とする扇形噴霧ノズ
    ル。
  2. 【請求項2】 内部溝(2)における両斜面(2a)
    のなす角度を40°ないし80°に選定した請求項1の
    扇形噴霧ノズル。
JP1991053968U 1991-04-15 1991-04-15 扇形噴霧ノズル Expired - Fee Related JPH084119Y2 (ja)

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JPH0790186B2 (ja) * 1987-01-19 1995-10-04 アロイ工器株式会社 扇形噴霧ノズル

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