JPH0841182A - ポリブチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートの製造方法 - Google Patents

ポリブチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートの製造方法

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JPH0841182A
JPH0841182A JP17536194A JP17536194A JPH0841182A JP H0841182 A JPH0841182 A JP H0841182A JP 17536194 A JP17536194 A JP 17536194A JP 17536194 A JP17536194 A JP 17536194A JP H0841182 A JPH0841182 A JP H0841182A
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重富 川田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 X線吸収微細構造解析(XAFS)のX線近
吸収端構造(XANES)のスペクトルにおいて、バッ
クグラウンドを差し引いた後、1階微分したとき、チタ
ンのK吸収端に相当する4.98keV付近の分裂ピー
クの高エネルギー側ピーク強度(4.983keV付
近)に対する低エネルギー側ピーク強度(4.978k
eV付近)の比が1を越える状態のチタンを有し、かつ
末端ビニル基が8eq/トン未満で、固有粘度IV≧
0.6であるポリブチレンテレフタレート。 【効果】 耐加水分解性や熱安定性に優れ、高湿度下や
高温度下で使用される電気・電子材料や、自動車部品等
に好適である。又、固相重合性に優れ、更に、固相重合
後の色調変化が少ないため、固相重合を長時間行うこと
により、低ガス化や低オリゴマー化を図ることも可能で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なポリエステル、特
にポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略す)
及びそのPBTを用いて固相重合するPBTの製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレート(以下PB
Tとも称する。)は結晶化速度が高く、機械物性、電気
特性、成形性に優れたバランスのとれた樹脂であり、エ
ンジニアリングプラスチックとして有用で、コネクタ
ー、コイルボビン等の電気・電子部品及びディストリビ
ューターキャップ等の自動車部品として大きな市場を形
成している。
【0003】しかしながら、PBTはその分子構造上、
熱安定性が十分ではなく、特にチタン化合物が存在する
と、分解反応が促進し、末端COOH基の濃度が増大
し、そのため耐加水分解性が悪化すると共に、着色等の
色調も低下し、更に固相重合性が低いという問題もあっ
た。耐加水分解性や熱安定性や色調を改良するため、例
えば、特公昭57−85818号公報、特開平5−23
0201号公報には、次亜燐酸塩等を用いる方法が提案
されている。これらの方法によると、耐加水分解性、熱
安定性、色調を、ある程度改良できるものの、溶融重合
速度の低下を生じると共に、固相重合性に対しても触媒
活性を低下させるために固相重合速度が低下し、生産性
をダウンさせるという問題があった。また、溶融重合性
を高めるために、重合温度を高めると、末端ビニル基が
増大し、固相重合性を更に低下させてしまうという問題
があった。
【0004】特公平2−24292号公報によるとヒド
ラジン系化合物を用いることによって、重合速度を向上
することができるが、着色が激しく、必らずしも満足で
きる方法ではなかった。一般に、1、4−ブタンジオー
ルを主とするグリコール成分とジメチルテレフタル酸を
主とする二官能性カルボン酸の低級アルキルエステル成
分とを反応せしめてポリエステルを製造するに際し、重
合触媒としてチタン化合物を用いることは知られてお
り、例えば、特公昭56−39340号公報ではチタン
化合物に0.1〜5倍のマグネシウムの弱酸塩化合物を
用いて重合する方法が記載されているが、重合温度は2
50℃以上であり、そのため末端COOH基の増大、末
端ビニル基の増大が起こり、固相重合速度は低下するの
で、高分子量化の点だけでなく、低ガス化や低オリゴマ
ー化の点でも、必らずしも十分満足できる方法ではなか
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱安
定性、耐加水分解性及び色調に優れかつ固相重合速度が
高いポリブチレンテレフタレートを提供すること並びに
該ポリブチレンテレフタレートを用いて固相重合を行な
うことにより低ガス化や低オリゴマー化に優れ、更に耐
加水分解性の向上したポリブチレンテレフタレートの製
造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題を解
決するためになされたものであり、その要旨は、X線吸
収微細構造解析(XAFS)のX線近吸収端構造(XA
NES)のスペクトルにおいて、バックグラウンドを差
し引いた後、1階微分したとき、チタンのK吸収端に相
当する4.98keV付近の分裂ピークの高エネルギー
側ピーク強度(4.983keV付近)に対する低エネ
ルギー側ピーク強度(4.978keV付近)の比が1
を越える状態のチタンを有し、かつ末端ビニル基が8e
q/トン未満で、IV≧0.6であることを特徴とする
ポリブチレンテレフタレート、及び請求項1に記載のポ
リブチレンテレフタレートを用いて180℃〜220℃
で固相重合を行うことを特徴とするポリブチレンテレフ
タレートの製造方法に存する。
【0007】以下本発明につき詳細に説明する。本発明
のポリブチレンテレフタレートは、特定の状態の、換言
すれば、チタンの近傍に存在する他の原子との配置が特
定の状態であるチタンを有し、かつ末端ビニル基が8e
q/トン未満で、IV≧0.6であることを特徴とす
る。本発明のポリブチレンテレフタレートが有するチタ
ンは、X線吸収微細構造解析(XAFS.X−ray
absorption fine structur
e)のX線近吸収端構造(XANES,X−ray a
bsorption near−edge struc
ture)のスペクトルにおいて、バックグラウンドを
差し引いた後、1階微分したとき、チタンのK吸収端に
相当する4.98keV付近の分裂ピークの高エネルギ
ー側(4.983keV付近)ピーク強度に対する低エ
ネルギー側(4.978keV付近)ピーク強度の比が
1を越えることで表わされる状態である。
【0008】通常、上述した特定の状態のチタンは重合
時に用いられた特定の触媒系から生じるものであり、こ
うした状態のチタンを有するポリブチレンテレフタレー
トは熱安定性耐加水分解性及び固相重合性に優れてい
る。本発明のPBTにおいては、チタンは、重合活性を
向上すると共に、その分解反応性を抑制することによっ
て末端COOHの副生を防ぎ、熱安定性を向上させる。
【0009】即ち、本発明は、チタンの分解反応性の抑
制によって、末端ビニル基、末端COOH基が少なく、
熱安定性が向上し、色調が良好な上に、チタンの重合活
性の向上によって溶融重合性と共に固相重合性に優れる
PBTを見いだしたことに基づくものである。末端ビニ
ル基は、通常8eq/トン未満である。
【0010】末端ビニル基が8eq/トン未満であれ
ば、熱安定性にすぐれ、耐加水分解性、及び固相重合性
に優れる。好ましくは、末端ビニル基は6eq/トン以
下、最も好ましくは4eq/トン以下である。末端ビニ
ル基が8eq/トン以上であれば、熱安定性に劣り、耐
加水分解性に劣り、固相重合性が低い。
【0011】固有粘度IVは機械的強度の点から通常I
V≧0.6であり、成形性も考慮すると0.7≦IV≦
0.6が好ましく、より好ましくは0.8≦IV≦1.
4である。本発明のポリブチレンテレフタレートにおい
ては、末端COOH基数は平均して45eq/トン以
下、好ましくは、40eq/トン以下、更に好ましく
は、35eq/トン以下、最も好ましくは、30eq/
トン以下である。末端COOH基数が少なくなると共
に、耐加水分解性、熱安定性が向上する。
【0012】色調については、b≦0が好ましく、更に
好ましくはb≦−1.0である。本発明のポリブチレン
テレフタレートは、例えば、次の方法により製造するこ
とができる。すなわち、1、4−ブタンジオールを主と
するグリコール成分とジメチルテレフタル酸を主とする
二官能性カルボン酸の低級アルキルエステル成分とを反
応せしめてポリエステルを製造するに際し、重合触媒と
してチタン化合物及びチタンに対するマグネシウムが
0.5〜3モル倍であるマグネシウム化合物の存在下、
かつ溶融重合温度を245℃未満で重合することにより
製造できる。本発明において用いられるグリコール成分
としては、1、4−ブタンジオールを主たる対象とする
が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、デカ
メチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポ
リ(オキシ)エチレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール、ポリメチレングリコール等のアルキレング
リコールの1種、または2種以上を混合してもよく、目
的により任意に選ぶことができる。さらに少量のグリセ
リンのような多価アルコール成分を用いてもよい。
【0013】又、少量のエポキシ化合物を用いてもよ
い。本発明において用いられる二官能性カルボン酸の低
級アルキルエステル成分としては、ジメチルテレフタル
酸を主たる対象とするが、イソフタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸、ジフェニルジカルボン酸等の芳香族のジカ
ルボン酸の低級アルキルエステルアジピン酸、セバシン
酸、コハク酸、シュウ酸等の脂肪族ジカルボン酸の低級
アルキルエステルが挙げられ、これらの1種、または2
種以上を混合してもよく、目的により任意に選ぶことが
できる。又、少量のトリメリット酸のような三官能性以
上のカルボン酸成分を用いてもよい。無水トリメリット
酸のような酸無水物を少量使用してもよい。
【0014】低級アルキルエステル成分としては、メチ
ルエステルを主たる対象とするが、エチルエステル、プ
ロピルエステル、ブチルエステル、等の1種、または2
種以上を混合してもよく、目的により任意に選ぶことが
できる。本発明のPBTは、通常75モル%以上の1、
4−ブチレンテレフタレート結合を有しているものであ
り、好ましくは80モル%以上の1、4−ブチレンテレ
フタレート結合を有しているものであり、より好ましく
は、90モル%以上の1、4−ブチレンテレフタレート
結合を有しているものである。
【0015】本発明において用いられるチタン化合物
は、テトラアルキルチタネートが好ましく、具体的に
は、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロ
ピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テト
ラ−t−ブチルチタネート、テトラフェニルチタネー
ト、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラベンジル
チタネート、あるいはこれらの混合チタネートである。
これらのうち特にテトラ−n−プロピルチタネート、テ
トライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタ
ネートが好ましい。又、これらのチタン化合物の2種以
上を併用して用いてもよい。
【0016】チタン化合物の添加量はチタン量として生
成PBTに対して30−200ppm好ましくは40−
130ppm、より好ましくは50〜110ppmであ
る。本発明において用いられるマグネシウム化合物とし
ては、酢酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マ
グネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキ
サイド、燐酸水素マグネシウム等が挙げられ、特に重合
速度や1、4−ブタンジオールへの溶解性(異物生成)
等の点で酢酸マグネシウムが好ましい。
【0017】マグネシウムの量は金属の原子比、即ち、
Mg/Tiの比で表して0.5〜3.0である。Mg/
Ti<0.5の場合には、重合速度の向上が十分でな
く、末端COOH基の濃度が高く、かつ色調が悪化する
ので好ましくない。Mg/Ti>3.0の場合には重合
速度が同一金属量見合いで低下すると共に、生成PBT
の耐加水分解性や色調も悪化するので好ましくない。M
g/Ti比は好ましくは0.7〜2.5、より好ましく
は0.85〜2.0である。この場合、色調はTiのみ
の場合よりも向上する。
【0018】Ti、Mg以外の金属を用いてもよいがS
nやZn等を用いると色調を悪化させる。溶融重合温度
(内温)は245℃未満、特に溶融重合終了時(末期)
の内温を245℃未満で行う。245℃以上で行うと末
端ビニル基が大幅に上昇し、更に重合度を高めたり、低
ガス化や、低オリゴマー化のために固相重合を行なう場
合、固相重合速度が低く、生産性が低下してしまう。溶
融重合温度は、好ましくは242.5℃以下、更に好ま
しくは240℃以下である。
【0019】この場合、溶融重合速度が高いために増し
仕込を行うことが可能となり、生産性の向上に寄与する
ことができる。本発明において1、4−ブチレングリコ
ール成分を主とするアルキレングリコール成分とジメチ
ルテレフタレート成分を主とする二官能性カルボン酸の
低級アルキルエステル成分とのエステル交換反応工程と
それに続く重縮合反応工程を経由してPBTの製造を行
うが、これらの反応条件は重合時の温度を除いて、特に
限定されるものでなく、公知の反応条件がそのまま適用
される。例えばエステル交換反応時のアルキレングリコ
ール成分/二官能性カルボン酸の低級アルキルエステル
成分のモル比は2.0以下、好ましくは1.0〜1.6
とし、エステル交換反応として120〜245℃、好ま
しくは140〜240℃で、2〜4時間行われ、次いで
重縮合反応として3Torr以下の減圧下、210〜2
45℃未満で、2〜5時間行う条件等を採用することが
できる。
【0020】重合度が増大する重合後期においては、攪
拌によるシェア発熱が伴うこともあるので設定温度は低
めにして内温を245℃未満にすることが重要である。
チタン化合物の添加時期はエステル交換の開始時、エス
テル交換中、エステル交換後、重縮合時等ありうるが、
エステル交換開始時と重縮合反応前に分割して添加する
のが好ましい。
【0021】マグネシウム化合物の添加時期もエステル
交換の開始時、エステル交換中、エステル交換後、重縮
合時等ありうるが、エステル交換終了時、重合開始前に
添加するのが重合活性及び色調等の点で好ましい。本発
明の方法によると重合速度が従来法に比べて大幅に向上
するので、仕込量を増量したりして更に生産性を向上す
ることができる。一方仕込量を下げることも可能とな
り、その結果、更に末端COOH基の濃度を下げること
も可能になる。更に色調もよくなる。
【0022】その他、PBTの特性が損なわれない範囲
において各種の添加剤、例えば熱安定剤、酸化安定剤、
結晶核剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤、紫外線吸収剤
等を添加してもよい。本発明のPBTは、溶融重合後、
種々の用途に用いることができるし、また固相重合され
たものを用いることもできる。
【0023】本発明の特許請求の範囲の請求項1のPB
Tは、更に固相重合を行うと、固相重合速度が高いとい
う特徴を有するだけでなく、固相重合したときの、CO
OH基の低下度合いが大きく、色調の悪化度合いが小さ
いという特徴を示す。固相重合は180℃〜220℃、
好ましくは190℃〜210℃で行われる。固相重合速
度をΔIV/Hrで表すと、200℃で行った場合0.
050以上である。
【0024】固相重合は不活性気体雰囲気下で行っても
よいし、減圧下で行ってもよい。副生ガスの除去等を考
えると減圧下が好ましい。減圧下で行う場合、圧力は3
mmHg以下、好ましくは1mmHg以下である本発明
のポリブチレンテレフタレートにおけるXAFSの測
定、解析方法、末端ビニル基、固有粘度IV、末端カル
ボキシル基及び色調は以下の方法に基づき実施した。
【0025】(1)XAFSの測定、解析方法 XAFSのXANESのスペクトルの測定は、高エネル
ギー物理学研究所、放射光実験施設ビームライン7C
(BL7C)の蛍光XAFS測定装置で実施した。分光
結晶は、Si(111)2結晶タイプを用い、入射X線
強度Ioは、混合ガスHe/N2 =70/30を封入し
た17cmのイオンチェンバー、蛍光X線強度Ifは、
Arガスを使用した蛍光XAFS測定用イオンチェンバ
ー(通称ライトルディテクター)を用いて測定した。
【0026】解析は、得られたスペクトルIf/Ioの
吸収端前領域(pre−edge領域)に対してビクト
リーンまたはマクマスターの計算式を用いて最小2乗フ
ィッティングを行い、それを外挿することによってバッ
クグラウンドを差し引いた後、1階微分を行うという手
順で実施した。エネルギー(横軸)の絶対値は、Ti金
属のXANESスペクトルにおいて、1階微分の最大値
におけるエネルギー値を4.9645keVと定めて較
正した。
【0027】(2)末端ビニル基はポリマーをヘキサフ
ルオロイソプロパノール/重水素化クロロホルム=3/
7(vol比)に溶解し、400MHz H−NMRで
測定した値であり、106 g(トン)当たりのビニル基
当量である。 (3)固有粘度IVはフェノール/テトラクロロエタン
(1:1重量比)中、30℃で測定した溶液粘度から求
めたものである。
【0028】(4)末端カルボキシル基[COOH]
は、ポリマーをベンジルアルコールに溶解し0.1N
NaOHにて適定した値であり、106 g当たりのカル
ボキシル基当量である。 (5)色調は日本電色製 Z−1001P型を用いて測
定した。
【0029】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。なお、実施例中の「部」とあ
るものは、「重量部」を表す。溶融重合性は、溶融重合
後のIVを溶融重合時間で割った値で、ΔIV/Hrで
示した。
【0030】固相重合性は、200℃、0.4mmH
g、8時間の固相重合性を測定し(固相重合後のIV−
溶融重合後のIV)を固相重合時間(8時間)で割った
値で、ΔIV/Hrで示した。耐加水分解性の評価は、
プレッシャークッカー装置にPBTポリマーを入れ、1
20℃の加湿下(ゲージ圧:1.1kg/cm2 )で9
6時間処理を行った後IVを測定し、IVの保持率(9
6時間後のIVを処理前のIVで割ったもの)で行っ
た。
【0031】熱安定性の評価は、枝付き試験管にPBT
を入れ、N2 下250℃で1時間処理後のIVを測定
し、IVの保持率(250℃、1時間後のIVを処理前
のIVで割ったもの)で行った。
【0032】〔実施例1〕ジメチルテレフタレート35
3.1部、1、4ブタンジオール190.0部にテトラ
ブチルチタネート0.093部を加え、150〜215
℃で3時間エステル交換反応を行った。エステル交換反
応終了15分前に、酢酸マグネシウム・四水塩0.12
4部を1、4ブタンジオールに溶解して添加し、さらに
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1
010:チバガイギー(株)製)0.212部を1、4
ブタンジオールに懸濁させて添加した。引き続き、テト
ラブチルチタネート0.074部を添加し、重縮合反応
にはいった。重縮合反応は常圧から3Torrまで85
分かけて徐々に減圧し、同時に241℃の重合温度(内
温)まで昇温し、以降241℃、3Torrで継続し、
所定の攪拌トルクに到達した時点で反応を終了し、PB
Tポリマーを取り出した。その際の重合時間、得られた
PBTポリマーの固有粘度、色調、末端カルボキシル基
を測定。
【0033】〔比較例1〕実施例1に於てエステル交換
反応終了15分前に、酢酸マグネシウム・四水塩を添加
せず、また重縮合反応時のテトラブチルチタネート0.
110部を添加した以外は実施例1と同様の反応を行っ
た。
【0034】〔比較例2〕実施例1に於てエステル交換
反応終了15分前に、酢酸マグネシウム・四水塩を添加
せず、エステル交換反応終了後に次亜リン酸ソーダ0.
04部を添加、また重縮合反応時のテトラブチルチタネ
ート0.173部を添加し、重縮合反応時の温度(内
温)を245℃にした以外は実施例1と同様の反応を行
った。実施例1、比較例1、2の固有粘度等を表−1
に、末端COOH等を表−2に、またXAFSの測定結
果を図−1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明のポリブチレンテレフタレート
は、耐加水分解性や熱安定性に優れるために、高湿度下
や高温度下で使用される電気・電子材料や、自動車部品
等に好適である。又、固相重合性に優れるので、生産性
が向上し、コストダウンに寄与する。更に、固相重合後
の色調変化が少ないため、固相重合を長時間行うことに
より、低ガス化や低オリゴマー化を図ることも可能であ
り、更に、末端COOH基数が大きく減少するので、固
相重合品はさらに耐加水分解性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、比較例1、2のポリブチレンテレフ
タレートについてのX線吸収微細構造解析のX線近吸収
端構造のスペクトルにおいて、バックグラウンドを差し
引いた後、1階微分したときのチャート図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉田 保 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化成株 式会社四日市工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線吸収微細構造解析(XAFS)のX
    線近吸収端構造(XANES)のスペクトルにおいて、
    バックグラウンドを差し引いた後、1階微分したとき、
    チタンのK吸収端に相当する4.98keV付近の分裂
    ピークの高エネルギー側ピーク強度(4.983keV
    付近)に対する低エネルギー側ピーク強度(4.978
    keV付近)の比が1を越える状態のチタンを有し、か
    つ末端ビニル基が8eq/トン未満で、固有粘度IV≧
    0.6であることを特徴とするポリブチレンテレフタレ
    ート。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリブチレンテレフタ
    レートを用いて180℃〜220℃で固相重合を行うこ
    とを特徴とするポリブチレンテレフタレートの製造方
    法。
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