JPH0841124A - 水素化クマロン−インデン樹脂およびその製造方法 - Google Patents
水素化クマロン−インデン樹脂およびその製造方法Info
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- JPH0841124A JPH0841124A JP20148694A JP20148694A JPH0841124A JP H0841124 A JPH0841124 A JP H0841124A JP 20148694 A JP20148694 A JP 20148694A JP 20148694 A JP20148694 A JP 20148694A JP H0841124 A JPH0841124 A JP H0841124A
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Abstract
結合の全部および芳香環の10%以下を水素化してなる
水素化クマロン−インデン樹脂。 【効果】 臭気が殆どなく、アクリル系樹脂等の極性の
高い樹脂との相溶性に優れる。
Description
デン樹脂およびその製造方法に関する。詳しくは、オレ
フィン性二重結合の全部および芳香環の10%以下を水
素化してなり、アクリル系樹脂等の極性の高いベース樹
脂との相溶性に優れ、しかも臭気が殆どない水素化クマ
ロン−インデン樹脂およびその製造方法に関する。
系の原料であるクマロン、インデン、スチレン等を共重
合させて得られる熱可塑性樹脂であり、低分子量かつ高
軟化点を有するため粘着付与剤として使用されている。
また、クマロン−インデン樹脂は、酸素極性基および芳
香環を有するため極性が高く、アクリル系樹脂等のエラ
ストマーとの相溶性に優れているといった特徴を有す
る。しかし、クマロン−インデン樹脂は、前記の通り石
炭系の原料から製造されるため硫黄化合物特有の臭気を
有する他に、樹脂構造中にオレフィン性の二重結合を有
するため熱安定性が悪いといった欠点を有する。
該樹脂を水素化することにより改善できる(特開昭3−
197520号公報等)。しかし、従来より知られてい
る水素化クマロン−インデン樹脂はその芳香環の水素化
率が60%以上と高く、樹脂中の芳香環の割合が少なく
なるため、クマロン−インデン樹脂が元来有する極性が
低くなり、アクリル系樹脂等の極性の高いエラストマー
との相溶性が悪いという問題がある。
蒸気蒸留や脱硫等の方法により脱臭する試みもなされて
いるが、水素化クマロン−インデン樹脂に比べると十分
に脱臭されているとはいえない。
なく、しかもアクリル系樹脂等の極性の高いエラストマ
ーとの相溶性に優れる水素化クマロン−インデン樹脂お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
技術の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、クマロ
ン−インデン樹脂の芳香環の水素化率を10%以下に抑
えることにより前記目的を達成できることを見出した。
本発明はかかる新たな知見に基づいて完成されたもので
ある。
脂のオレフィン性二重結合の全部および芳香環の10%
以下を水素化してなる水素化クマロン−インデン樹脂、
ならびに、クマロン−インデン樹脂を、水素化触媒の存
在下に、水素圧力30〜300kg/cm2 、温度15
0〜300℃の条件下で水素化することを特徴とする前
記水素化クマロン−インデン樹脂の製造方法に関する。
ン樹脂とは、一般にコークス炉ガス中の軽質留分である
ソルベントナフサ(沸点150〜200℃)を原料油と
して、これに含まれるクマロン、インデン、スチレン等
を共重合させて得られる熱可塑性樹脂であり、インデ
ン、メチルインデン等のインデン類を構成モノマーとし
て50重量%以上、好ましくはかかるインデン類とクマ
ロン、メチルクマロン等のクマロン類を構成モノマーと
して60重量%以上含有するものである。また、必要に
よりスチレン、メチルスチレン等のスチレン類や、フェ
ノール、アルキルフェノール等のフェノール類等により
変性または重合度を調整したものでもよい。なお、クマ
ロン−インデン樹脂は、水素化触媒の触媒毒になる硫黄
化合物等を高濃度に含有しているため、該硫黄化合物等
を可及的に低減しているものを使用してもよい。かかる
硫黄化合物等の除去は原料油の段階で行ってもよく、重
合したのちに行ってもよい。除去方法としては、酸また
はアルカリによる抽出(洗浄)法、吸着剤による吸着
法、水素化等による分解法等があげられる。
は、原料樹脂である前記クマロン−インデン樹脂のオレ
フィン性二重結合の全部および芳香核の10%以下を水
素化してなるものである。オレフィン性二重結合が残存
していては、原料樹脂である前記クマロン−インデン樹
脂の脱臭が不十分であり、熱安定性の点でも好ましくな
い。また、芳香核の水素化率が10%を越える場合には
アクリル系樹脂等との相溶性が悪くなるため好ましくな
い。なお、芳香核の水素化率は0%であってもよい。オ
レフィン性二重結合の水素化は芳香核の水素化に比べて
容易であるが、オレフィン性二重結合を完全に水素化で
きる条件であれば、硫黄化合物等が水素化分解され臭気
成分の殆どは除去されるからである。
脂の製造は、原料のクマロン−インデン樹脂の水素化率
が前記範囲内(オレフィン性二重結合の全部および芳香
核の10%以下)となるように、水素化触媒の存在下
に、条件を適宜に調整して水素化反応を行う。
ム、白金、コバルト、ロジウム、ルテニウム、モリブデ
ン等の金属またはこれらの酸化物、硫化物等の金属化合
物等の各種のものを使用できる。かかる水素化触媒は多
孔質で表面積の大きなアルミナ、シリカ(ケイソウ
土)、カーボン、チタニア等の担体に担持して使用して
もよい。本発明ではこれら触媒の中でも、水素化率を前
記範囲内に調整し易いことや費用面からニッケル−ケイ
ソウ土触媒が好ましい。
水素化の条件は水素化圧力は通常30〜300Kg/c
m2 程度の範囲で、また反応温度は通常150〜300
℃程度の範囲で行う。好ましくは水素化圧力は100〜
200Kg/cm2 であり、反応温度は200〜280
℃である。水素化圧力が30Kg/cm2 に満たない場
合または反応温度が150℃満たない場合には水素化が
進み難く、水素化圧力が300Kg/cm2 を越える場
合または反応温度が150℃を越える場合には水素化が
進みすぎる傾向がある。
−インデン樹脂の0.1〜3重量%程度、好ましくは
0.1〜1重量%である。0.1重量%に満たない場合
は水素化が進み難く、3重量%を越える場合には水素化
が進みすぎる傾向がある。また反応時間は通常1〜7時
間程度、好ましくは2〜7時間である。なお、触媒の使
用量および反応時間については、反応形式として回分式
を採用した場合について説明したが、反応形式としては
流通式(固定床式、流動床式等)を採用することもでき
る。
樹脂を溶融して、または溶剤に溶解した状態で行う。溶
剤としては、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプ
タン、デカリン等を使用できる。
−インデン樹脂の重量平均分子量は、原料樹脂であるク
マロン−インデン樹脂の重量平均分子量を前記水素化率
となるように水素化した場合の理論値と殆ど同じと考え
ればよく、通常800〜3000、好ましくは900〜
1500である。また、軟化点も原料樹脂であるクマロ
ン−インデン樹脂の軟化点と殆ど同じ値であり、通常9
0〜130℃である。
は、極性の高い樹脂との相溶性に優れる。極性の高い樹
脂としてはアクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合体(酢酸ビニルの割合が通常30%〜50%程度の場
合)等を例示でき、たとえば水素化クマロン−インデン
樹脂:アクリル系樹脂(重量比)=1:2以下程度、水
素化クマロン−インデン樹脂:エチレン−酢酸ビニル共
重合体(重量比)=1:0.2〜5程度の割合で相溶す
る。
リル系樹脂等の極性の高い樹脂との相溶性に優れた水素
化クマロン−インデン樹脂およびその製造方法を提供で
きる。かかる本発明の水素化クマロン−インデン樹脂は
接着剤、粘着剤、ゴム、インキ、トナー、半導体封止材
等の粘着付与剤、耐水性付与剤やプラスチック改質剤と
して使用できる。
体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。
6重量%、スチレン11重量%、メチルスチレン7重量
%及びフェノール4重量%を含有するクマロン−インデ
ン樹脂100gとニッケル−ケイソウ土触媒(日揮化学
(株)製、「N−113」)0.5gをオートクレーブ
に仕込み、水素圧200kg/cm2 、反応温度250
℃、反応時間5時間の条件で撹拌下に、水素化反応を行
った。反応終了後、得られた樹脂をシクロヘキサン30
0gに溶解し、ろ過により触媒を除去した。その後、撹
拌羽根、還流コンデンサー、温度計、温度調節器及び圧
力表示計の取り付けられた1リットル容のセパラブルフ
ラスコにろ液を入れ、200℃、20torrまで徐々
に昇温・減圧して溶媒を除去し、重量平均分子量110
6、軟化点119℃の水素化クマロン−インデン樹脂を
得た(94%)。
た他は実施例1と同様にして反応を行った。
キサン100gに溶解して水素化した他は実施例1と同
様にして反応を行った。
ロン−インデン樹脂、原料樹脂の性状を表2に示す。ま
た、得られた水素化クマロン−インデン樹脂を評価した
結果を表2に示す。
ンデン樹脂及び得られた水素化クマロン−インデン樹脂
の 1H−NMRの7ppm付近に現れる芳香環のH−ス
ペクトル面積から以下の式に基づき算出した。水素化率
={1−(水素化樹脂のスペクトル面積/原料樹脂のス
ペクトル面積)}×100(%)
による。
準で評価した。 ◎:全くない。○:臭気はあるが少ない。△:かなり臭
気がある。×:激しい臭気がある。
(固形分50重量%)と、アクリル樹脂(アクリル酸ブ
チル:アクリル酸(重量比=97:3)、重量平均分子
量480000)の酢酸エチル溶液(固形分50重量
%)を重量比で前者1に対し、後者9の割合で混合した
ものを、ガラス板上に塗布し、105℃で、5分間加熱
し、溶剤を除去したときの状態を目視判定した。 ○:透明。△:やや不透明。×:不透明。 (2)水素化クマロン−インデン樹脂とエチレン−酢酸
ビニル系共重合体(EVA#40、三井デュポン ポリ
ケミカル(株)製、酢酸ビニル含有率40%)を重量比
で1:1の割合で透明になるまで溶融混合し、その後、
放冷により白濁したときの温度を測定した。
8時間放置し、放置前後の色調の変化を観察した。 ◎:全く変化なし。○:若干着色する。△:着色する。
×:激しく着色する。
Claims (4)
- 【請求項1】 クマロン−インデン樹脂のオレフィン性
二重結合の全部および芳香環の10%以下を水素化して
なる水素化クマロン−インデン樹脂。 - 【請求項2】 重量平均分子量が500〜3000であ
る請求項1記載の水素化クマロン−インデン樹脂。 - 【請求項3】 クマロン−インデン樹脂を、水素化触媒
の存在下に、水素圧力30〜300kg/cm2 、温度
150〜300℃の条件下で水素化することを特徴とす
る請求項1または2記載の水素化クマロン−インデン樹
脂の製造方法。 - 【請求項4】 水素化触媒の使用量が、クマロン−イン
デン樹脂の0.1〜3重量%である請求項3記載の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20148694A JPH0841124A (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | 水素化クマロン−インデン樹脂およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20148694A JPH0841124A (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | 水素化クマロン−インデン樹脂およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0841124A true JPH0841124A (ja) | 1996-02-13 |
Family
ID=16441863
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20148694A Pending JPH0841124A (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | 水素化クマロン−インデン樹脂およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0841124A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108102029A (zh) * | 2016-11-24 | 2018-06-01 | 上海宝钢化工有限公司 | 一种低异味古马隆树脂的生产方法 |
-
1994
- 1994-08-02 JP JP20148694A patent/JPH0841124A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108102029A (zh) * | 2016-11-24 | 2018-06-01 | 上海宝钢化工有限公司 | 一种低异味古马隆树脂的生产方法 |
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