JPH0840941A - 炎症性腸疾患治療製剤 - Google Patents

炎症性腸疾患治療製剤

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JPH0840941A
JPH0840941A JP17897994A JP17897994A JPH0840941A JP H0840941 A JPH0840941 A JP H0840941A JP 17897994 A JP17897994 A JP 17897994A JP 17897994 A JP17897994 A JP 17897994A JP H0840941 A JPH0840941 A JP H0840941A
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JP
Japan
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group
inflammatory bowel
large intestine
polymer
formula
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Application number
JP17897994A
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English (en)
Inventor
Yoshitomo Sakamoto
美朝 坂本
Naohiro Imai
直博 今井
Shigeki Masuda
茂樹 増田
Takehiro Nishimoto
岳弘 西本
Nobutaka Tani
敍孝 谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 大腸選択的に、確実かつ効果的に薬剤を放出
する経口投与の炎症性腸疾患治療製剤を提供する。 【構成】 炎症性腸疾患治療製剤を含有する組成物を一
般式(I)で示される少なくとも1種類の構造単位およ
び一般式(II)で示される少なくとも1種類の構造単位
からなる共重合体である大腸分解性ポリマーまたは該ポ
リマーを含有する被膜形成組成物により被膜してなる経
口投与製剤。 〔式中、Rは2価の有機基を;Rは大腸内で分解また
は資化される糖残基を;Rは炭化水素残基、ポリアル
キレングリコール基、ポリエステル基、ポリアミド基等
を;X,XはO,NHまたはSを;それぞれ表す〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炎症性腸疾患、とくに大
腸部に炎症を有する疾患の治療に使用される薬剤を、経
口投与時に上部消化管において分解、吸収代謝されるこ
となく、目的とする大腸部へ送達し、放出させることを
可能にする経口投与製剤に関する。さらに詳しくは、炎
症性腸疾患治療剤を含有する組成物を大腸分解性ポリマ
ーまたは該ポリマーを成分として含有する被膜形成組成
物により被膜した経口投与製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】炎症性腸疾患の代表的なものとしては潰
瘍性大腸炎、クローン病があげられる。潰瘍性大腸炎は
大腸粘膜または粘膜下層にびまん性炎症性病変が見られ
る疾患である。クローン病は消化管の種々の部位に線維
化や潰瘍を伴う肉芽腫性炎症病変がみられる疾患である
が大腸部に炎症が局在する例がしばしば見られる。
【0003】これら疾患の治療には従来、ステロイド
剤、たとえばプレドニゾロンなどの経口、静脈注射もし
くは注腸投与、またはサラゾピリンの経口もしくは直腸
投与などがなされてきた。いずれの薬剤においても直腸
または注腸投与による炎症部位への局所投与においては
その治療効果がきわめて高いことが指摘されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】プレドニゾロンに代表
されるステロイド剤は、重症の炎症性腸疾患に対して、
またはサラゾピリン抵抗性の軽症、中症の炎症性疾患に
対しても有効であることより、炎症性腸疾患の薬剤療法
においてはきわめて重要な薬剤である。しかし、経口ま
たは静脈注射投与においては副作用の発現の頻度が高
く、その使用にあたって注意が必要である。一方、ステ
ロイド剤の直腸投与または注腸投与による炎症部位また
はその近傍への局所投与はきわめて治療効果が高いこと
が示されている。しかし、本投与形態は適応症例が限定
されるとともに投与法も煩雑であるなどの解決すべき問
題点が存在する。
【0005】また、サラゾピリンにおいてはその活性本
体が5−アミノサリチル酸(以下5−ASAという)で
あることが明らかにされ、5−ASAを活性成分とする
治療剤が開発されて潰瘍性大腸炎およびクローン病治療
剤として利用されるにいたっている。しかし、5−AS
Aを通常の経口投与形態により投与したばあい、5−A
SAは消化管上部で分解または吸収され十分な治療効果
をあげることは困難であった。
【0006】これらのことから、活性成分含有組成物を
腸溶解性被膜剤や水不溶性被膜剤などを用いて被膜する
ことにより消化管上部での活性成分の放出、分解を抑制
する製剤学的工夫も施されている。しかし、このような
製剤では大腸への選択的薬剤の放出および効果的な活性
成分の放出がなお不十分であった。
【0007】したがって、これらステロイド剤やサラゾ
ピリンの、経口投与による腸疾患部位またはその近傍へ
の効果的な局所投与が可能な製剤が、副作用が低く治療
効果が高いうえ投与の簡便な製剤として期待されている
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】潰瘍性大腸炎、クローン
病などの大腸に炎症性病変を有する疾患の治療において
は、その治療剤、たとえばサラゾピリン、5−ASA、
プレドニゾロンなどを経口投与により選択的に大腸に送
達することができれば、前記のごとく治療効果の増大お
よび副作用の軽減をはかれることが予想される。したが
って、本発明者らは、潰瘍性大腸炎に代表される炎症性
大腸疾患の治療に有効なかかる経口投与製剤を創製すべ
く鋭意検討を重ねた結果、炎症性腸疾患治療剤を含有す
る組成物を、主鎖が大腸内で分解または資化される糖お
よび一定の化合物で構成されるポリマー(特開平5−1
48348)または該ポリマーを含有する被膜形成組成
物を用いて特定の厚さに被膜することにより、上部消化
管すなわち胃、小腸においては物理的、化学的に安定で
実質的に炎症性腸疾患治療剤を製剤内部に保持し、かつ
大腸到達後は確実かつ効率よく薬剤を放出する経口投与
製剤を完成するにいたった。
【0009】すなわち、本発明は、炎症性腸疾患治療剤
を含有する組成物を大腸で選択的に分解されるポリマ
ー、とくに一般式(I):
【0010】
【化7】
【0011】(式中、Rは2価の有機基を表し、R1
大腸内で分解または資化される糖残基を表す)で示され
る少なくとも1種類の構造単位および一般式(II):
【0012】
【化8】
【0013】(式中、Rは2価の有機基を表し、X1
2 は独立に酸素原子、イミノ基または硫黄原子を、R
2 は飽和または不飽和の炭化水素基、ポリアルキレン
基、ポリアルキレングリコール基、ポリアリーレンオキ
サイド基、ポリエステル基またはポリアミド基を表す)
で示される少なくとも1種類の構造単位からなる共重合
体、または該ポリマーを含有する被膜形成組成物により
被膜することによって大腸選択的かつ効率のよい薬剤放
出を実現しうる炎症性腸疾患治療用経口投与製剤を提供
する。
【0014】本発明においては、Rが2価の有機基、R
1 が大腸内で分解または資化される2糖類の残基である
もの、Rが2価の有機基、R1 がセロビオースであるも
の、大腸分解性ポリマーまたは該ポリマーを含有する被
膜形成組成物による被膜厚さが5〜300μmであるも
の、投与形態が錠剤、カプセル剤または顆粒剤のいずれ
かであるもの、炎症性腸疾患治療剤がステロイド剤また
はその薬剤学的に許容される塩であるもの、炎症性腸疾
患治療剤がプレドニゾロンであるものおよび炎症性腸疾
患治療剤がアミノサリチル酸もしくはアミノサリチル酸
誘導体またはこれらの薬剤学的に許容される塩であるも
のが好ましい。
【0015】
【実施例】本発明において使用される、主鎖が大腸内で
分解または資化される糖および一定の化合物で構成され
る大腸分解性ポリマーについて説明する。
【0016】本ポリマーは一般式(I):
【0017】
【化9】
【0018】(式中、Rは2価の有機基を表し、R1
大腸内で分解または資化される糖残基を表す)で示され
る少なくとも1種類の構造単位および一般式(II):
【0019】
【化10】
【0020】(式中、Rは2価の有機基を表し、X1
2 は独立に酸素原子、イミノ基または硫黄原子を、R
2 は飽和または不飽和の炭化水素基、ポリアルキレン
基、ポリアルキレングリコール基、ポリアリーレンオキ
サイド基、ポリエステル基またはポリアミド基を表す)
で示される少なくとも1種類の構造単位からなるポリマ
ーである。
【0021】ポリマーの重合度はとくに限定されない
が、分子量が好ましくは2,000 〜1,000,000 、より好ま
しくは5,000 〜500,000 、最も好ましくは10,000〜300,
000 となるものである。
【0022】2つの構造単位(I)と(II)との共重
合割合は、好ましくは1:99〜99:1、より好ましくは5:95
〜80:20 、最も好ましくは10:90 〜70:30 である。構造
単位(I)と(II)との結合方向は決まっていない。
【0023】一般式(I)で示される構造単位は、HO
OC−R−COOHで表される二塩基酸とHO−R1
OHで表される糖とをエステル結合させることにより調
製される。
【0024】HO−R1 −OHで表される糖は、小腸内
では消化吸収を受けにくく、一方、大腸内で分解または
資化される糖であって、糖残基2つ以上、かつ好ましく
は100以下、より好ましくは50以下、さらに好まし
くは10以下で構成される糖である。R1 は、かかる糖
の糖残基を表している。
【0025】かかる糖としてはたとえば、大腸内の特異
的な糖加水分解酵素により加水分解される糖があげられ
る。ここでいう大腸内の特異的な糖加水分解酵素として
はβ−グルコシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−グ
ルクロニダーゼなどの他にキシラナーゼ、β−グルカナ
ーゼ、ガラクトマンナーゼ、ポリガラクチュロナーゼ、
ムチナーゼ、コンドロイチンリアーゼ、カルボキシメチ
ルセルラーゼ、セルラーゼ、ポリガラクチュロネイトリ
アーゼなどの多糖分解酵素があげられる。ここでいう、
小腸内では消化吸収を受けにくく、一方大腸内で分解ま
たは資化される糖の具体例としては、6′−ガラクトシ
ルラクトースや4′−ガラクトシルラクトースなどのラ
クトースのガラクトース残基にガラクトースがβ−1,
4あるいはβ−1,6で数分子結合したガラクトオリゴ
糖;1−ケストースやニストースなどのスクロースのフ
ラクトース残基にフラクトースがα−1、β−2で数分
子結合したフラクトオリゴ糖;ラフィノースやスタキオ
ースなどのスクロースのグルコース残基にガラクトース
がβ−1,6で数分子結合した大豆オリゴ糖;キシロビ
オースやキシロトリオースなどのキシロースがβ−1,
4で数分子結合したキシロオリゴ糖;イソマルトースや
イソマルトトリオースやパノースなどのイソマルトース
の非還元性グルコースにグルコースがα−1,4あるい
はα−1,6で数分子結合したイソマルトオリゴ糖;セ
ロビオースやセロトリオースなどのグルコースがβ−
1,4で数分子結合したオリゴセルロース;ラクトー
ス、ラクトスクロース、ラクチュロース、パラチノー
ス、メレチトース、ツラノース、メリビオース;マルチ
トール、ラクチトール、イソマルチトール、グルコピラ
ノシル−α−1,6−マンニトールなどの二糖類アルコ
ール;およびカルボキシメチルセルロース、グアガム、
トラガントガム、キシランなどがあげられる。以上の具
体的な糖は例示であって、HO−R1 −OHで表される
糖はこれらに限定されるものではないが、被膜形成性、
溶媒への溶解性を改善し、しかも大腸内の多糖分解酵素
で特異的に分解または資化される糖としては、なかでも
セロビオース、ラクトース、ラフィノース、スタキオー
スのような糖残基5以下で構成されるもの、とくに2糖
類、とりわけセロビオースが最も好ましい。
【0026】さらに、これらの糖はアセチル基、ベンゾ
イル基などのアシル基、メチル基、エチル基などのアル
キル基、またはヒドロキシルエチル基、ヒドロキシプロ
ピル基などのヒドロキシアルキル基などで修飾されてい
てもよい。これらの修飾基は、糖一分子中に未修飾の水
酸基が2つ以上残っていれば何分子結合していてもよ
く、また1種類または2種類以上の修飾基で修飾されて
いてもよい。
【0027】本発明の共重合体中には、前記の糖HO−
1 −OHは2種類以上含まれていてもよいが、1種類
であることが望ましい。
【0028】HOOC−R−COOHで表される二塩基
酸中、Rは2価の有機基を表すが、このような有機基と
しては、たとえば芳香族炭化水素およびその誘導体、脂
肪族炭化水素およびその誘導体、脂環式炭化水素および
その誘導体などがあげられる。芳香族炭化水素として
は、たとえばベンゼン環、ナフタレン環、1,2−ビス
フェノキシエタンなどがあげられ、脂肪族炭化水素とし
ては、たとえばメチレン基、エチレン基、プロピレン
基、ブチレン基などがあげられ、脂環式炭化水素として
は、たとえばシクロヘキサンなどがあげられる。かかる
二塩基酸の具体例としては、好ましくはテレフタル酸、
イソフタル酸、4,4′−ジカルボキシビフェニル、
2,6−ジカルボキシナフタレン、1,2−ビス(フェ
ノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、1,2−ビ
ス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4′−ジカル
ボン酸などの芳香族系二塩基酸、アジピン酸、1,10
−デカンジカルボン酸、ジエチルマロン酸、フマル酸、
マレイン酸、シュウ酸などの脂肪族二塩基酸、およびシ
クロヘキサン二酸などの脂環式化合物の二塩基酸、より
好ましくはテレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族系
二塩基酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ
酸などの脂肪族二塩基酸、最も好ましくはテレフタル
酸、イソフタル酸、アジピン酸、シュウ酸などがあげら
れるがこれらに限定されるものではない。
【0029】本発明の共重合体中にはこれら二塩基酸は
2種類以上含まれていてもよいが、1種類であることが
望ましい。
【0030】一方、一般式(II)で示される構造単位
は、前記のHOOC−R−COOHで表される二塩基酸
とH−X1 −R2 −X2 −Hで表される化合物とを結合
させてえられる。
【0031】R2 は飽和または不飽和の炭化水素基、ポ
リアルキレン基、ポリアルキレングリコール基、ポリア
リーレンオキサイド基、ポリエステル基またはポリアミ
ド基を表す。以下に具体的に、H−X1 −R2 −X2
Hについて4種(一般式(III)〜(VIII))に
大別し、例をあげて説明する。
【0032】(1)一般式(III): H−X1 −R3 −X2 −H (III) (式中、X1 、X2 はそれぞれ独立に酸素原子、イミノ
基または硫黄原子を表し、R3 は飽和または不飽和の炭
化水素基を表す)で示される化合物、すなわち、両端に
独立に水酸基、アミノ基またはチオール基を有する飽和
または不飽和の炭化水素化合物である。具体的には、た
とえばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,
2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジ
オールなどのアルキレングリコール;ヘキサメチレンジ
アミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミンな
どのアルキレンジアミン;1,4-ブタンジチオール、エタ
ンジチオールなどのアルカンジチオール;1,4-ハイドロ
キノン、1,3-ハイドロキノン、2,7-ジヒドロキシナフタ
レン、カテコール、1,3-ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼ
ンなどの芳香族ジオール、1,4-ジアミノベンゼン、3,5-
ジアミノトルエンなどの芳香族ジアミンがあげられる。
【0033】(2)一般式(IV): H−X1 −(R4 O)n−R5 −X2 −H (IV) (式中、X1 、X2 は前記と同じ。R4 、R5 はそれぞ
れ独立に炭素数1〜10のアルキレン基またはアリール
基を、nは1〜100の整数を表す)で示される化合
物。すなわち、両末端に水酸基、アミノ基またはチオー
ル基を有するポリアルキレングリコールまたはポリアリ
ーレンオキサイドである。具体的には、たとえば両末端
に水酸基、アミノ基またはチオール基を有する、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール、ポリフェニレンオキサイドな
どがあげられる。
【0034】(3)一般式(V)または(VI):
【0035】
【化11】
【0036】(式中、X1 、X2 は前記と同じ。X3
6 はそれぞれ独立に酸素原子またはイミノ基を、
4 、X5 はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子または
イミノ基を表し、R6 は炭素数1〜20のアルキレン
基、芳香族化合物の2価基またはアルキレングリコール
基を表し、mおよびLはそれぞれ独立に0〜100の整
数を表し、pは1〜12の整数を表す)または一般式
(VII):
【0037】
【化12】
【0038】(式中、X1 、X2 、X3 、X4 、X5
6 は前記と同じ。R7 、R9 、R10はそれぞれ独立に
炭素数1〜20のアルキレン基または芳香族化合物の2
価基を表し、R8 は2価の有機基を表し、qは1〜10
0の整数を表わす)で示される化合物。すなわち、
3 、X6 が酸素原子のばあいは、両末端に独立に水酸
基、アミノ基またはチオール基を有するポリエステルで
あり、具体的には、ポリε−カプロラクトン、ポリグリ
コール酸、ポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレートまた
はポリエチレンアジペートなどの両末端に水酸基、アミ
ノ基またはチオール基を有する化合物であり、X3 、X
6 がイミノ基のばあいは、両末端に独立に水酸基、アミ
ノ基またはチオール基を有するポリアミドであり、具体
的にはポリε−カプロラクタム、ヘキサメチレンジアミ
ン−アジピン酸共重合体などの両末端に水酸基、アミノ
基またはチオール基を有する化合物があげられる。
【0039】(4)一般式(VIII): H−X1 −(CH2 CR1112−X2 −H (VIII ) (式中、X1 、X2 は前記と同じ。R11、R12はそれぞ
れ独立に水素原子、アルキル基、アセチル基、フェニル
基、1〜4個のアルキル基またはニトロ基で置換された
フェニル基、カルボキシル基、カルボキシメチル基、カ
ルボキシエチル基、カルボキシイソプロピル基、カルボ
キシ−2−ヒドロキシプロピル基、メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル
基、1−ヒドロキシエトキシカルボニル基または2−ヒ
ドロキシプロポキシカルボニル基を、rは1〜1000
の整数を表す)で示される化合物。すなわち、両末端に
独立に水酸基、アミノ基またはチオール基を有するポリ
アルキレンである。具体的には、ポリスチレン、ポリ酢
酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸
ヒドロキシエチルなどの両末端に水酸基、アミノ基また
はチオール基を有する化合物があげられる。
【0040】以上の具体的な化合物は例示であって、H
−X1 −R2 −X2 −Hはこれらに限定されるものでは
ないが、溶媒への溶解性を改善し、しかも安全性の高い
化合物としては、両末端水酸基のポリプロピレングリコ
ールまたはポリテトラメチレングリコールのようなポリ
エーテルや両末端水酸基のポリε−カプロラクトンまた
はポリグリコール酸のようなポリエステルが最も好まし
い。
【0041】以上のような構造単位をもつ本発明に使用
される共重合体の合成は、公知の方法により行われる
(クリタ(Kurita, K.)ら、ジャーナル オブ ポリマー
ケミストリー エディション(J. Polymer Chem. E
d.),18,365,(1980))。すなわち、糖と共重合するポリ
アルキレングリコールと二塩基酸の塩化物とをジメチル
スルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムア
ミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DM
Ac)などの不揮発性非プロトン性極性溶媒中で、ピリ
ジンあるいはトリエチルアミンなどの三級アミン類を脱
プロトン剤として使用し、反応させることにより行な
う。
【0042】本発明でいう該ポリマーを含有する被膜形
成組成物とは、上記大腸分解性ポリマーに通常被膜形成
物質として利用される物質、たとえばエチルセルロー
ス、メタクリル酸共重合体などを1種以上および/また
は可塑剤たとえばポリエチレングリコールなどを混合し
たものをいう。
【0043】本発明でいう炎症性腸疾患治療剤としては
大腸炎症部位またはその近傍への局所投与で薬効を発現
するものであればとくに限定されるものではない。具体
的には、プレドニゾロンのごときステロイド剤、潰瘍性
大腸炎治療剤であるサラゾピリンまたはその活性本体で
あるとされる5−ASAおよびその誘導体、これには酸
付加塩、塩酸塩のみならず有機酸塩および無機酸塩が含
まれ、さらに分子中に存在するカルボキシル基が形成す
るK、Naなどのアルカリ金属塩、Ca,Mgなどのア
ルカリ土類金属塩も含まれる。また、インドメタシンの
ごとき非ステロイド抗炎症剤およびそれに類するアラキ
ドン酸代謝阻害活性を有する抗炎症剤、LTB4拮抗剤
のごときアラキドン酸代謝物拮抗剤、スーパーオキシド
ムターゼのごとき活性酸素消去剤、アスコルビン酸のご
とき活性酸素生成抑制剤、インターロイキン1アンタゴ
ニストのごときサイトカイン拮抗剤などがあげられる。
またこれら薬剤の薬剤学的に許容される塩をも含まれ
る。
【0044】本発明でいう炎症性腸疾患治療剤を含有す
る組成物には、前記のごとき炎症性腸疾患治療剤を含有
する錠剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤および薬剤を包埋
したシート状製剤など、薬学的に許容される製剤形態が
含まれる。
【0045】本発明に含まれる製剤は、前述の、主鎖が
大腸内で分解または資化される糖および一定の化合物で
構成されるポリマーまたは該ポリマーを含有する被膜形
成組成物を、薬剤学的に許容される製剤素材を利用して
別途調製された薬剤組成物にパンコーティング法、また
は流動コーティング法を用いてコーティングすることに
より調製される。本コーティングにおいては本発明に利
用するポリマーまたは該ポリマーを含有する被膜形成組
成物を適当な溶剤、または分散させたコーティング剤用
組成物を利用することにより簡便な操作で膜厚の調整な
らびに均一なコーティングが可能である。
【0046】ここでいうコーティング剤用組成物の溶剤
は、コーティングを施すばあいの所望の濃度(0.1〜
50%(w/w、以下同様))、揮発性、および被膜形
成性から判断して適当なものを選ぶことができ、とくに
限定されないが、たとえば、水、炭素数1〜5のアルコ
ール、芳香族炭化水素、エステル、ケトン、エーテル、
ハロゲン化物、オレフィン、アミド、オキシド、および
グリコールから選ばれる1種または2種以上の混合溶
剤、好ましくは、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ク
ロロホルム、メタノール、エタノール、1−プロパノー
ル、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノー
ル、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、
トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチ
ル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、アセトン、ジイ
ソブチルケトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフ
ランから選ばれる1種または2種以上の混合溶剤であ
り、さらに好ましくはテトラヒドロフランまたはメチル
エチルケトンから選ばれる溶剤、メタノール、エタノー
ルまたは2−プロパノールとトルエンとの混合溶剤、メ
タノール、エタノール、または2−プロパノールと酢酸
エチルとの混合溶剤、メタノール、エタノール、または
2−プロパノールとメチルエチルケトンとの混合溶剤、
メタノール、エタノールまたは2−プロパノールとアセ
トンとの混合溶剤、メタノール、エタノールまたは2−
プロパノールとクロロホルムとの混合溶剤、メタノー
ル、エタノールまたは2−プロパノールとジクロロメタ
ンとの混合溶剤である。
【0047】また、上記コーティング剤用組成物の濃度
はポリマーの組成あるいは該ポリマーを含有する被膜形
成組成物の組成および/または溶剤の組成により変化す
るが、溶剤に対する溶解性、または分散性、コーティン
グ剤としての加工性を考慮すると好ましくは0.1〜5
0%、さらに好ましくは1〜30%であるが、これらに
限定されるものではない。
【0048】以下、炎症性腸疾患治療剤としてプレドニ
ゾロンを例にとり、本発明について詳細に説明する。
【0049】プレドニゾロンは従来より抗炎症治療剤と
して広く使用されており、また炎症性腸疾患治療製剤と
しても単独あるいは潰瘍性大腸炎治療剤であるサラゾピ
リンと併用されている。その投与形態としては経口、静
注、直腸、注腸投与が用いられている。経口投与、静注
投与においては治療効果がえられるものの、全身投与に
伴う副作用が大きな問題となっている。一方、直腸投与
において高い治療効果があることが知られている。しか
し、本投与経路は炎症が直腸に見られるばあいに有効で
あり、その適用範囲は限定されている。また注腸投与に
おいても高い治療効果、とくに大腸下部に炎症部位を有
する患者、重症患者において高い治療効果がえられるこ
とが知られているが、その投与の煩雑さと患者に与える
負担あるいは比較的大腸上部に炎症を有するものに対し
ては有効ではないなどの問題がある。
【0050】以上のことより、経口投与において直腸、
注腸投与のごとき腸炎症部位への局所的投与が可能であ
り、かつ消化管上部でステロイド成分の吸収による全身
性副作用の発現を起こさない製剤、すなわち経口投与に
よる大腸への選択的薬剤投与を可能にする製剤は、炎症
性腸疾患、とくに潰瘍性大腸炎、大腸型クローン病の効
果的治療剤となる。本目的を実現する方法として腸溶解
性基剤を用いる大腸選択的製剤が報告されてはいるもの
の、十分なものとはいえない。
【0051】より選択的な大腸へのプレドニゾロン送達
を実現する方法として、本発明では、大腸分解性の基剤
を利用したあらたな経口投与製剤の開発を試みた。大腸
分解性基剤の利用形態としては、錠剤または丸剤などの
素材としての利用とコーティング基剤としての利用が考
えられるが、大腸到達後の薬剤の放出および他の製剤技
術(たとえば錠剤素材として膨潤素材を利用するなど)
との組み合わせなどを考慮すると、大腸分解性ポリマー
をコーティング素材として利用する放出制御製剤がより
望ましい。
【0052】一般に、大腸分解性ポリマーを被膜物質と
して利用する製剤はある特定の厚さ以上に被膜を施せ
ば、消化管上部すなわち胃、小腸において物理的、化学
的に安定で、実質的に炎症性腸疾患治療剤を製剤内部に
保持したまま大腸に到達する経口投与製剤の調製が可能
である。
【0053】しかし、大腸に到達後、薬効成分であるプ
レドニゾロンの能率的な放出を実現するには被膜層の膜
厚を調整するなど、到達部位での被膜層の崩壊性、薬効
成分の放出を考慮した製剤設計がきわめて重要である。
本発明者らは、プレドニゾロンを含有する薬剤組成物
を、主鎖が大腸内で分解または資化される糖および一定
の化合物で構成されるポリマーあるいは該ポリマーを含
有する被膜形成組成物にて被膜する際、その被膜層を特
定の厚さに制御することにより、消化管上部では完全に
物理的、化学的に安定であり、実質的に含有されるプレ
ドニゾロンをほぼそのまま製剤内部に保持し、かつ大腸
に到達したのち体外排泄されるまでに確実にプレドニゾ
ロンが製剤内部から放出されるような経口固形製剤を創
製した。すなわち、用いる炎症性腸疾患治療剤を含有す
る薬剤組成物の形態(錠剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤
など)により適する被膜の厚さは異なるが、その薬剤組
成形態に応じて被膜厚さが5〜300μmの範囲内であ
ることが望ましいことがわかった。被膜厚さが前記範囲
より薄いと大腸に到達するまでに消化管内での運動およ
び内容物の接触による摩擦などにより崩壊し薬効成分が
放出される。また前記範囲より厚すぎると被膜が分解さ
れ薬効成分が放出される前に体外に排泄されてしまう。
【0054】さらには、炎症性腸疾患治療剤においては
製剤から放出された薬剤が炎症組織またはその近傍に直
接作用することがより良い治療効果を発現するうえで重
要なことである。よって、使用対象である炎症性腸疾患
の炎症状態にそくした製剤設計がきわめて重要となる。
すなわち、大腸の比較的上部に炎症部が存在する疾患の
治療を目的とする製剤においては、大腸到達後速やかに
プレドニゾロンを放出する製剤が望ましく、また大腸の
比較的下部に炎症があるばあいには、大腸到達後一定時
間後にプレドニゾロンが放出される製剤が望ましい。さ
らに大腸全般に炎症が存在するばあいには大腸送達後体
外に排泄されるまで持続的にプレドニゾロンを放出する
製剤が望ましい。
【0055】これらのタイプの経口投与製剤は、前述の
被膜層の厚さをより精密に制御することにより実現され
る。すなわち、大腸の比較的上部にある炎症性腸疾患の
治療を目的とする製剤においては膜厚が5〜100μm
であることが望ましく、炎症部位が比較的下部にある炎
症性腸疾患の治療を目的とする製剤においては50〜3
00μmが望ましく、炎症部位が大腸全般にあるばあい
は30〜150μmが望ましい。なお、これら被膜層の
厚さが制御された製剤においては、上記範囲であれば実
用的および機能発現においては問題ないが、好ましくは
均一的厚さを有する被膜層が望ましい。
【0056】また、その製剤形態が顆粒剤であるばあ
い、大腸全般に炎症を有する炎症性腸疾患の治療を目的
とする製剤においては顆粒に膜厚の異なるコーティング
をほどこせばよい。すなわち比較的被膜層の厚さが薄い
製剤と比較的被膜層の厚い製剤を混合した顆粒製剤また
はこれらの混合物をカプセルに充填することによって治
療効果の高い経口投与製剤を調製しうる。
【0057】つぎに本発明をプレドニゾロンまたは5−
ASAを含有する経口投与剤を例に説明するが、本発明
は以下の実施例に限定されるものではない。
【0058】参考例1 セロビオース(684mg、2.0mmol)をDMA
c20mlに分散し、本分散液にポリテトラメチレング
リコール(平均分子量1000)(2.0g、2.0m
mol)およびピリジン(0.64ml、8.0mmo
l)を添加した。本溶液に17℃にてテレフタル酸二塩
化物(812mg、4.0mmol)を加え、さらに本
温度にて24時間反応した。ゲル化物および未反応のセ
ロビオースを濾過によって取り除き、反応溶液を水に注
ぎ込み、沈殿物を単離し水洗後、減圧乾燥した。ここで
えられた生成物をDMAcに溶解し、水に注入し析出物
を単離、水洗後、乾燥することにより最終生成物2.6
1g(収率81%)をえた。
【0059】実施例1 プレドニゾロン5mgを結晶性セルロース(商品名:ア
ビセルPH102、旭化成(株)製)300gと混合
し、さらに本混合物とステアリン酸ナトリウム3g、タ
ルク27gからなる潤滑剤混合物とを混合し粒状体と
し、これをプレスして直径13.5mm、重さ500m
g、1個あたりプレドニゾロン含有量5mgの錠剤を調
製した。本錠剤に参考例1で調製されたポリマーをジク
ロルメタンとエチルアルコールの1:1(w/w)混合
液に濃度10%になるように溶解した被膜形成組成物を
噴霧、乾燥することにより厚さが約50μmの被膜層を
有する経口投与製剤をえた。
【0060】実施例2 実施例1でえられた経口投与製剤からのプレドニゾロン
の放出性について人工腸液第一液(0.1N塩酸(pH
1.2))、第二液(リン酸緩衝液(pH7.2))お
よびラット腸内容物中で評価した。溶出したプレドニゾ
ロン量は一定時間後、HPLCにより測定した。
【0061】a)人工腸液第一液、第二液中での放出 実施例1でえられた経口投与製剤500mg(プレドニ
ゾロン5mg含有)を900mlの各溶出試験液中に入
れ、37℃、撹拌速度100rpmにて実施した。3時
間、6時間後の放出量は両試験液中で、いずれも検出限
界以下であった。
【0062】b)ラット腸内容物中での放出 実施例1でえられた経口投与製剤500mgをラット腸
内容物(50ml)中、37℃にてインキュベートし、
一定時間ごとにプレドニゾロン放出量を測定した。1時
間後からプレドニゾロンの放出が検出され4時間後には
50%以上の放出が確認された。
【0063】実施例3 5−ASA250mgを結晶性セルロース(商品名:ア
ビセルPH102)250gと混合し、さらに本混合物
とステアリン酸ナトリウム3g、タルク27gからなる
潤滑剤混合物とを混合し粒状体とし、これをプレスして
直径13.5mm、重さ500mg、1個あたり5−A
SA含有量250mgの錠剤を調製した。本錠剤に参考
例1で調製されたポリマーをジクロルメタンとエチルア
ルコールの1:1(w/w)混合液に濃度10%になる
ように溶解した被膜形成組成物を噴霧、乾燥することに
より厚さが約50μmの被膜層を有する経口投与製剤を
えた。
【0064】実施例4 実施例3でえられた経口投与製剤からの5−ASAの放
出性について人工腸液第一液、第二液およびラット腸内
容物中で評価した。溶出した5−ASA量は一定時間
後、分光測定により測定した。
【0065】a)人工腸液第一液、第二液中での放出 実施例3でえられた経口投与製剤500mg(5−AS
A250mg含有)を900mlの各溶出試験液中に加
え、37℃、撹拌速度100rpmにて実施した。3時
間、6時間後の放出量は両試験液中で、いずれも検出限
界以下であった。
【0066】b)ラット腸内容物中での放出 実施例3でえられた経口投与製剤500mgをラット腸
内容物(50ml)中、37℃にてインキュベートし、
一定時間ごとに5−ASAの放出量を測定した。1時間
後から5−ASAの放出が検出され4時間後には50%
以上の放出が確認された。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、炎症性腸疾患治療剤を
含有する組成物を大腸分解性ポリマーまたはこれを含有
する被膜形成組成物により特定の厚さに被膜することに
より、炎症性腸疾患の治療にきわめて有用な、確実かつ
効果的に大腸選択的に薬剤を放出する経口投与製剤が提
供される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 45/08 ACL (72)発明者 谷 敍孝 大阪市阿倍野区文の里4−17−29

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炎症性腸疾患治療剤を含有する組成物
    を、一般式(I): 【化1】 (式中、Rは2価の有機基を表し、R1 は大腸内で分解
    または資化される糖残基を表す)で示される少なくとも
    1種類の構造単位および一般式(II): 【化2】 (式中、Rは2価の有機基を表し、X1 、X2 は独立に
    酸素原子、イミノ基または硫黄原子を、R2 は飽和また
    は不飽和の炭化水素基、ポリアルキレン基、ポリアルキ
    レングリコール基、ポリアリーレンオキサイド基、ポリ
    エステル基またはポリアミド基を表す)で示される少な
    くとも1種類の構造単位からなる共重合体である大腸分
    解性ポリマーまたは該ポリマーを含有する被膜形成組成
    物により被膜してなる経口投与製剤。
  2. 【請求項2】 大腸分解性ポリマーが一般式(I): 【化3】 (式中、Rは2価の有機基を表し、R1 は大腸内で分解
    または資化される2糖類の残基を表す)で示される少な
    くとも1種類の構造単位および一般式(II): 【化4】 (式中、Rは2価の有機基を表し、X1 、X2 は独立に
    酸素原子、イミノ基または硫黄原子を、R2 は飽和また
    は不飽和の炭化水素基、ポリアルキレン基、ポリアルキ
    レングリコール基、ポリアリーレンオキサイド基、ポリ
    エステル基またはポリアミド基を表す)で示される少な
    くとも1種類の構造単位からなる共重合体である請求項
    1記載の経口投与製剤。
  3. 【請求項3】 大腸分解性ポリマーが一般式(I): 【化5】 (式中、Rは2価の有機基を表し、R1 はセロビオース
    を表す)で示される少なくとも1種類の構造単位および
    一般式(II): 【化6】 (式中、Rは2価の有機基を表し、X1 、X2 は独立に
    酸素原子、イミノ基または硫黄原子を、R2 は飽和また
    は不飽和の炭化水素基、ポリアルキレン基、ポリアルキ
    レングリコール基、ポリアリーレンオキサイド基、ポリ
    エステル基またはポリアミド基を表す)で示される少な
    くとも1種類の構造単位からなる共重合体である請求項
    1記載の経口投与製剤。
  4. 【請求項4】 大腸分解性ポリマーまたは該ポリマーを
    含有する被膜形成組成物による被膜厚さが5〜300μ
    mである請求項1記載の経口投与製剤。
  5. 【請求項5】 投与形態が錠剤、カプセル剤または顆粒
    剤のいずれかである請求項1記載の経口投与製剤。
  6. 【請求項6】 炎症性腸疾患治療剤がステロイド剤また
    はその薬剤学的に許容される塩である請求項1記載の経
    口投与製剤。
  7. 【請求項7】 炎症性腸疾患治療剤がプレドニゾロンで
    ある請求項7記載の経口投与製剤。
  8. 【請求項8】 炎症性腸疾患治療剤がアミノサリチル酸
    もしくはアミノサリチル酸誘導体またはこれらの薬剤学
    的に許容される塩である請求項1記載の経口投与剤。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005508836A (ja) * 2001-03-15 2005-04-07 エンテロン ファーマシューティカルズ インコーポレーティッド 局所作用性コルチコステロイドを用いる胃腸管の炎症性疾患の治療方法
JP2007504212A (ja) * 2003-09-03 2007-03-01 エイジーアイ・セラピューティクス・リサーチ・リミテッド 炎症性腸疾患の治療用製剤及び方法
JP2020507598A (ja) * 2017-02-15 2020-03-12 ガレラ・ラブス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニーGalera Labs, Llc 局所腸送達のためのペンタアザマクロ環錯体
US11612608B2 (en) 2006-10-12 2023-03-28 Galera Labs, Llc Methods of treating oral mucositis
US11826373B2 (en) 2011-09-26 2023-11-28 Galera Labs, Llc Methods for treatment of diseases

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