JPH08133988A - 薬物放出制御型製剤 - Google Patents
薬物放出制御型製剤Info
- Publication number
- JPH08133988A JPH08133988A JP27492494A JP27492494A JPH08133988A JP H08133988 A JPH08133988 A JP H08133988A JP 27492494 A JP27492494 A JP 27492494A JP 27492494 A JP27492494 A JP 27492494A JP H08133988 A JPH08133988 A JP H08133988A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- large intestine
- represented
- structural unit
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Polyamides (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 薬効成分を大腸で選択的にかつ確実に、再現
性よく放出させることのできる経口投与用製剤を提供す
る。 【構成】 薬効成分を含有する組成物を、引っ張り破壊
強さ0.2kg/mm2以上7.3kg/mm2 以下の
大腸内分解性高分子物質を含む基剤により被覆してなる
薬物放出制御型製剤。
性よく放出させることのできる経口投与用製剤を提供す
る。 【構成】 薬効成分を含有する組成物を、引っ張り破壊
強さ0.2kg/mm2以上7.3kg/mm2 以下の
大腸内分解性高分子物質を含む基剤により被覆してなる
薬物放出制御型製剤。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は経口投与後、薬理作用を
有する薬効成分を大腸で放出させるための薬物放出制御
型製剤に関する。さらに詳しくは、薬効成分を含有する
組成物を、特定の固有粘度を有する、大腸内で分解酵素
などによって分解または資化される高分子物質を含む基
剤により被覆してなる経口投与用薬物放出制御型製剤に
関する。
有する薬効成分を大腸で放出させるための薬物放出制御
型製剤に関する。さらに詳しくは、薬効成分を含有する
組成物を、特定の固有粘度を有する、大腸内で分解酵素
などによって分解または資化される高分子物質を含む基
剤により被覆してなる経口投与用薬物放出制御型製剤に
関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】イン
スリンやバソプレシンなどのタンパク・ペプチド性薬剤
の投与は、現在静脈注射による方法が行われているが、
これらのタンパク・ペプチド性薬剤が普及するにつれ、
より簡便な投与方法が求められてきており、経口、経
皮、経鼻、座剤などによる方法が検討されている。なか
でも経口による投与方法はもっとも一般的な方法として
種々検討されている。しかし、経口投与されたタンパク
・ペプチド性薬剤は、小腸に存在する酵素により容易に
分解され、失活するため、生物学的利用率が極端に低い
という欠点を有する。
スリンやバソプレシンなどのタンパク・ペプチド性薬剤
の投与は、現在静脈注射による方法が行われているが、
これらのタンパク・ペプチド性薬剤が普及するにつれ、
より簡便な投与方法が求められてきており、経口、経
皮、経鼻、座剤などによる方法が検討されている。なか
でも経口による投与方法はもっとも一般的な方法として
種々検討されている。しかし、経口投与されたタンパク
・ペプチド性薬剤は、小腸に存在する酵素により容易に
分解され、失活するため、生物学的利用率が極端に低い
という欠点を有する。
【0003】そこでこれらのタンパク・ペプチド性薬剤
を消化酵素のほとんど存在しない大腸で選択的に放出さ
せる製剤とすることにより、生物学的利用率を向上させ
ようとする試みがなされている。
を消化酵素のほとんど存在しない大腸で選択的に放出さ
せる製剤とすることにより、生物学的利用率を向上させ
ようとする試みがなされている。
【0004】タンパク・ペプチド性薬剤の生物学的利用
率を向上させる一つの方法として、pHの上昇で皮膜が
溶けて大腸内で製剤中の薬効成分が放出されるように設
計された腸溶性製剤があるが、生体側の消化管のpHの
日内変動や食事による影響が大きいため、その製剤が小
腸上部で崩壊したり、反対に崩壊せずに排泄されたりす
ることが問題となっている。
率を向上させる一つの方法として、pHの上昇で皮膜が
溶けて大腸内で製剤中の薬効成分が放出されるように設
計された腸溶性製剤があるが、生体側の消化管のpHの
日内変動や食事による影響が大きいため、その製剤が小
腸上部で崩壊したり、反対に崩壊せずに排泄されたりす
ることが問題となっている。
【0005】また、別の大腸選択的放出製剤として、大
腸内に存在する細菌の分泌する酵素により大腸内で特異
的に分解されるポリマーを利用する製剤が検討されてい
る。大腸内には、多種類の細菌が存在しており、ヒトの
消化酵素にはない種々の酵素を分泌している。そのよう
な酵素の一つとして、アゾ基をアミノ基に還元する酵素
があり、このアゾ還元酵素により切断される芳香族アゾ
基を分子内に含んだポリマーについての報告がなされて
いる(米国特許第4663308号明細書、特開平3−
7718号公報)。しかし、これらの方法は、用いるポ
リマーの皮膜形成性または溶剤溶解性が悪かったり、発
ガン性のあるアゾ基を使用しているという欠点がある。
腸内に存在する細菌の分泌する酵素により大腸内で特異
的に分解されるポリマーを利用する製剤が検討されてい
る。大腸内には、多種類の細菌が存在しており、ヒトの
消化酵素にはない種々の酵素を分泌している。そのよう
な酵素の一つとして、アゾ基をアミノ基に還元する酵素
があり、このアゾ還元酵素により切断される芳香族アゾ
基を分子内に含んだポリマーについての報告がなされて
いる(米国特許第4663308号明細書、特開平3−
7718号公報)。しかし、これらの方法は、用いるポ
リマーの皮膜形成性または溶剤溶解性が悪かったり、発
ガン性のあるアゾ基を使用しているという欠点がある。
【0006】また、大腸内で特異的に分解される糖と二
塩基酸とからえられるポリエステルは大腸特異的分解性
を示すことが知られているが、これらのポリマーは、ジ
メチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホ
ルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド
(DMAc)などの不揮発性非プロトン性極性溶媒にし
か溶解せず、薬剤へのコーティングに使用できるアセト
ン、エタノール、ジクロロメタンなどの揮発性の溶媒に
は懸濁するのみであったため、薬剤へのコーティングな
どの際、操作が煩雑であり、しかも均一な皮膜形成が困
難であった。
塩基酸とからえられるポリエステルは大腸特異的分解性
を示すことが知られているが、これらのポリマーは、ジ
メチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホ
ルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド
(DMAc)などの不揮発性非プロトン性極性溶媒にし
か溶解せず、薬剤へのコーティングに使用できるアセト
ン、エタノール、ジクロロメタンなどの揮発性の溶媒に
は懸濁するのみであったため、薬剤へのコーティングな
どの際、操作が煩雑であり、しかも均一な皮膜形成が困
難であった。
【0007】さらに、大腸内分解性高分子物質を含む基
剤により被覆してなる経口投与用製剤は、その高分子物
質の分子量、酸価、固有粘度、吸水性、各種消化管内模
倣液中での膨潤度、粘弾性、結晶性、pH安定性、架橋
度、皮膜形成性、または該高分子物質により形成される
皮膜の厚さ、透湿性、引っ張り破壊強さ、伸び、引き裂
き強さなどの物理的および(または)化学的特性に大き
く影響を受け、その薬効成分の放出特性も変化する。
剤により被覆してなる経口投与用製剤は、その高分子物
質の分子量、酸価、固有粘度、吸水性、各種消化管内模
倣液中での膨潤度、粘弾性、結晶性、pH安定性、架橋
度、皮膜形成性、または該高分子物質により形成される
皮膜の厚さ、透湿性、引っ張り破壊強さ、伸び、引き裂
き強さなどの物理的および(または)化学的特性に大き
く影響を受け、その薬効成分の放出特性も変化する。
【0008】したがって大腸内で特異的に分解されるこ
とが確認されている高分子物質を用いた製剤であって
も、用いる高分子物質の物理化学的特性によっては、上
部消化管、すなわち胃や小腸内で崩壊して薬効成分を放
出したり、あるいは皮膜が分解して薬効成分が放出され
る前に製剤が排泄されるばあいがある。このような崩壊
の再現性を考慮し、確実に大腸内で崩壊し、薬効成分を
放出する薬物放出制御型製剤はまだ実用化されていな
い。
とが確認されている高分子物質を用いた製剤であって
も、用いる高分子物質の物理化学的特性によっては、上
部消化管、すなわち胃や小腸内で崩壊して薬効成分を放
出したり、あるいは皮膜が分解して薬効成分が放出され
る前に製剤が排泄されるばあいがある。このような崩壊
の再現性を考慮し、確実に大腸内で崩壊し、薬効成分を
放出する薬物放出制御型製剤はまだ実用化されていな
い。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、安全性に
優れ、かつ大腸内で選択的に薬効成分を放出する製剤を
見出すために鋭意検討を重ねた結果、特定の引っ張り破
壊強さを有する大腸内分解性高分子物質は、安全性、皮
膜形成性および溶剤溶解性が優れていることおよび大腸
での崩壊の再現性がよいことを見出し、かつ前記高分子
物質を含む基剤の皮膜の厚さを制御することにより、目
的に応じた薬物放出制御型製剤を完成するに至った。
優れ、かつ大腸内で選択的に薬効成分を放出する製剤を
見出すために鋭意検討を重ねた結果、特定の引っ張り破
壊強さを有する大腸内分解性高分子物質は、安全性、皮
膜形成性および溶剤溶解性が優れていることおよび大腸
での崩壊の再現性がよいことを見出し、かつ前記高分子
物質を含む基剤の皮膜の厚さを制御することにより、目
的に応じた薬物放出制御型製剤を完成するに至った。
【0010】本発明は、薬効成分を含有する組成物を、
引っ張り破壊強さ0.2kg/mm2 以上7.3kg/
mm2 以下の大腸内分解性高分子物質を含む基剤により
被覆してなる薬物放出制御型製剤に関し、より詳しくは
大腸内分解性高分子物質が一般式(I):
引っ張り破壊強さ0.2kg/mm2 以上7.3kg/
mm2 以下の大腸内分解性高分子物質を含む基剤により
被覆してなる薬物放出制御型製剤に関し、より詳しくは
大腸内分解性高分子物質が一般式(I):
【0011】
【化3】
【0012】(式中、Rは2価の有機基を表し、R1 は
大腸内で分解または資化される糖残基を表す)で示され
る少なくとも一種類の構造単位および一般式(II):
大腸内で分解または資化される糖残基を表す)で示され
る少なくとも一種類の構造単位および一般式(II):
【0013】
【化4】
【0014】(式中、Rは2価の有機基を表し、X1 お
よびX2 は独立に酸素原子、イミノ基または硫黄原子
を、R2 は飽和または不飽和の炭化水素基、ポリアルキ
レン基、ポリアルキレングリコール基、ポリアリーレン
オキサイド基、ポリエステル基またはポリアミド基を表
す)で示される少なくとも一種類の構造単位からなる共
重合体である薬物放出制御型製剤である。
よびX2 は独立に酸素原子、イミノ基または硫黄原子
を、R2 は飽和または不飽和の炭化水素基、ポリアルキ
レン基、ポリアルキレングリコール基、ポリアリーレン
オキサイド基、ポリエステル基またはポリアミド基を表
す)で示される少なくとも一種類の構造単位からなる共
重合体である薬物放出制御型製剤である。
【0015】本発明は、大腸で特異的に分解または資化
される前記高分子物質を用いた、胃および小腸内で物理
的に崩壊することも化学的および(または)酵素的に分
解されることもなく薬効成分を大腸へ選択的にかつ確実
に送達しうる経口投与用薬物放出制御型製剤を提供する
ものである。
される前記高分子物質を用いた、胃および小腸内で物理
的に崩壊することも化学的および(または)酵素的に分
解されることもなく薬効成分を大腸へ選択的にかつ確実
に送達しうる経口投与用薬物放出制御型製剤を提供する
ものである。
【0016】
【実施例】本発明は薬効成分を含有する組成物を、特定
の引っ張り破壊強さを有する大腸内分解性高分子物質を
含む薬剤により被覆した薬物放出制御型製剤である。用
いられる高分子物質の引っ張り破壊強さは、製剤の形態
(カプセル製剤、コーティング製剤、シート状製剤な
ど)、薬効成分を含有する組成物の形状、大きさまたは
薬効成分の送達部位などに応じて選択される。
の引っ張り破壊強さを有する大腸内分解性高分子物質を
含む薬剤により被覆した薬物放出制御型製剤である。用
いられる高分子物質の引っ張り破壊強さは、製剤の形態
(カプセル製剤、コーティング製剤、シート状製剤な
ど)、薬効成分を含有する組成物の形状、大きさまたは
薬効成分の送達部位などに応じて選択される。
【0017】本発明でいう引っ張り破壊強さとは、高分
子材料の最も重要な機械的性質のうちのひとつで、試験
片が引っ張り荷重により破壊した瞬間の引っ張り応力を
いう。引っ張り破壊強さσは、破壊時の荷重をF、試験
片のもとの最小断面積をAとしたとき、 σ(kg/mm2 ) = F/A で与えられる。一般に高分子物質の引っ張り性質を比較
するばあいは、試験片の形状、寸法、試験片の作製、試
験片の前処理、引っ張り速度などの引っ張り試験測定条
件および試験場所の雰囲気をそれぞれ同じ条件にして試
験しなければならない。そこで本発明中の引っ張り破壊
強さを与える試験条件を以下に示す。
子材料の最も重要な機械的性質のうちのひとつで、試験
片が引っ張り荷重により破壊した瞬間の引っ張り応力を
いう。引っ張り破壊強さσは、破壊時の荷重をF、試験
片のもとの最小断面積をAとしたとき、 σ(kg/mm2 ) = F/A で与えられる。一般に高分子物質の引っ張り性質を比較
するばあいは、試験片の形状、寸法、試験片の作製、試
験片の前処理、引っ張り速度などの引っ張り試験測定条
件および試験場所の雰囲気をそれぞれ同じ条件にして試
験しなければならない。そこで本発明中の引っ張り破壊
強さを与える試験条件を以下に示す。
【0018】(試験条件) 試験片の形状および寸法:短冊型、幅10±0.5m
m、標線間距離20±1mm、厚さ0.06〜0.08
mm 試験片の作製:該高分子物質を適当な溶剤(たとえば、
ジクロロメタン/エタノールの混合溶剤(1/1(v/
v))またはクロロホルム/メタノールの混合溶剤(9
5/5(v/v))など)に溶解、分散させた高分子溶
液を用いてフィルム成形器で常法にしたがい作製する。
m、標線間距離20±1mm、厚さ0.06〜0.08
mm 試験片の作製:該高分子物質を適当な溶剤(たとえば、
ジクロロメタン/エタノールの混合溶剤(1/1(v/
v))またはクロロホルム/メタノールの混合溶剤(9
5/5(v/v))など)に溶解、分散させた高分子溶
液を用いてフィルム成形器で常法にしたがい作製する。
【0019】試験温度および湿度:JIS K7100
に規定する標準温湿度状態2級(温度23±2℃、相対
湿度50±5%)とする。
に規定する標準温湿度状態2級(温度23±2℃、相対
湿度50±5%)とする。
【0020】試験速度:毎分100±5mm 前記以外についてはJIS K7127で規定されてい
る試験条件にもとづき実施した。
る試験条件にもとづき実施した。
【0021】前記高分子物質の引っ張り破壊強さが、
0.2kg/mm2 未満の高分子物質を含む基剤により
被覆した製剤のほとんどは、上部消化管で崩壊し、薬効
成分を放出する。また、引っ張り破壊強さが、7.3k
g/mm2 より大きいばあい、製剤のほとんどが薬効成
分を放出する前に糞便として排出される。さらに、0.
4kg/mm2 以上5.2kg/mm2 以下の引っ張り
破壊強さを有する前記高分子物質で被覆した製剤は、す
べて大腸内で特異的に崩壊する。したがって、本発明の
製剤に用いられる前記高分子物質の引っ張り破壊強さの
範囲は、好ましくは0.2kg/mm2 以上7.3kg
/mm2 以下であり、さらに好ましくは、0.3kg/
mm2 以上6.6kg/mm2 以下であり、最も好まし
くは0.4kg/mm2 以上5.2kg/mm2 以下で
ある。
0.2kg/mm2 未満の高分子物質を含む基剤により
被覆した製剤のほとんどは、上部消化管で崩壊し、薬効
成分を放出する。また、引っ張り破壊強さが、7.3k
g/mm2 より大きいばあい、製剤のほとんどが薬効成
分を放出する前に糞便として排出される。さらに、0.
4kg/mm2 以上5.2kg/mm2 以下の引っ張り
破壊強さを有する前記高分子物質で被覆した製剤は、す
べて大腸内で特異的に崩壊する。したがって、本発明の
製剤に用いられる前記高分子物質の引っ張り破壊強さの
範囲は、好ましくは0.2kg/mm2 以上7.3kg
/mm2 以下であり、さらに好ましくは、0.3kg/
mm2 以上6.6kg/mm2 以下であり、最も好まし
くは0.4kg/mm2 以上5.2kg/mm2 以下で
ある。
【0022】さらに、大腸内で選択的に薬効成分を放出
する経口投与用薬物放出制御型製剤の放出特性は、被覆
される皮膜の厚さにも影響を受ける。したがって、大腸
で特異的にかつ確実に薬効成分を放出させるための皮膜
の厚さは、好ましくは5〜300μm、より好ましくは
7〜250μm、最も好ましくは10〜200μmであ
る。皮膜の厚さが5μmより小さいと、製剤が大腸に到
達する以前に機械的な応力などをうけて上部消化管で崩
壊し、薬効成分が放出される。皮膜の厚さが300μm
をこえると、皮膜が分解を受けて薬効成分が放出される
前に製剤のまま排泄されてしまう。
する経口投与用薬物放出制御型製剤の放出特性は、被覆
される皮膜の厚さにも影響を受ける。したがって、大腸
で特異的にかつ確実に薬効成分を放出させるための皮膜
の厚さは、好ましくは5〜300μm、より好ましくは
7〜250μm、最も好ましくは10〜200μmであ
る。皮膜の厚さが5μmより小さいと、製剤が大腸に到
達する以前に機械的な応力などをうけて上部消化管で崩
壊し、薬効成分が放出される。皮膜の厚さが300μm
をこえると、皮膜が分解を受けて薬効成分が放出される
前に製剤のまま排泄されてしまう。
【0023】つぎに本発明で使用される大腸内分解性高
分子物質について説明する。
分子物質について説明する。
【0024】本発明で使用される大腸内分解性高分子物
質としては、たとえば一般式(I):
質としては、たとえば一般式(I):
【0025】
【化5】
【0026】(式中、Rは2価の有機基を表し、R1 は
大腸内で分解または資化される糖残基を表す)で示され
る少なくとも一種類の構造単位および一般式(II):
大腸内で分解または資化される糖残基を表す)で示され
る少なくとも一種類の構造単位および一般式(II):
【0027】
【化6】
【0028】(式中、Rは2価の有機基を表し、X1 お
よびX2 は独立に酸素原子、イミノ基または硫黄原子
を、R2 は飽和または不飽和の炭化水素基、ポリアルキ
レン基、ポリアルキレングリコール基、ポリアリーレン
オキサイド基、ポリエステル基またはポリアミド基を表
す)で示される少なくとも一種類の構造単位からなる共
重合体があげられる。
よびX2 は独立に酸素原子、イミノ基または硫黄原子
を、R2 は飽和または不飽和の炭化水素基、ポリアルキ
レン基、ポリアルキレングリコール基、ポリアリーレン
オキサイド基、ポリエステル基またはポリアミド基を表
す)で示される少なくとも一種類の構造単位からなる共
重合体があげられる。
【0029】前記共重合体のうち引っ張り破壊強さが
0.2kg/mm2 以上7.3kg/mm2 以下のもの
を用いる。
0.2kg/mm2 以上7.3kg/mm2 以下のもの
を用いる。
【0030】前記の共重合体の分子量はとくに限定され
ないが、好ましくは2,000〜1,000,000、
より好ましくは5,000〜500,000、最も好ま
しくは10,000〜300,000である。
ないが、好ましくは2,000〜1,000,000、
より好ましくは5,000〜500,000、最も好ま
しくは10,000〜300,000である。
【0031】2つの構造単位(I)と(II)との共重合
割合は、好ましくは1:99〜99:1、より好ましく
は5:95〜80:20、最も好ましくは10:90〜
70:30である。構造単位(I)と(II)との結合方
向は決まっていない。
割合は、好ましくは1:99〜99:1、より好ましく
は5:95〜80:20、最も好ましくは10:90〜
70:30である。構造単位(I)と(II)との結合方
向は決まっていない。
【0032】一般式(I)で示される構造単位は、たと
えばHOOC−R−COOHで表される二塩基酸とHO
−R1 −OHで表される大腸内で分解または資化される
糖とをエステル結合させてえられる。
えばHOOC−R−COOHで表される二塩基酸とHO
−R1 −OHで表される大腸内で分解または資化される
糖とをエステル結合させてえられる。
【0033】大腸内には多種類の細菌が存在しており、
最近の研究からこれらの細菌が、人体で消化・吸収でき
ないまたはできにくい難消化性糖類を、醗酵により利用
しており、そのためこれまで人体では利用されないとさ
れていた糖類も、この過程を通って吸収されることがわ
かってきた。また、人体内での発ガン性物質生成の研究
において、大腸内の特異的な糖加水分解酵素の存在がク
ローズアップされてきている。これらの加水分解酵素と
しては、β−グルコシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、
β−グルクロニダーゼなどのほか、キシラナーゼ、β−
グルカナーゼ、ガラクトマンナーゼ、ポリガラクチュロ
ナーゼ、ムチナーゼ、コンドロイチンリアーゼ、カルボ
キシメチルセルラーゼ、セルラーゼ、ポリガラクチュロ
ネイトリアーゼなどの糖分解酵素があげられる。
最近の研究からこれらの細菌が、人体で消化・吸収でき
ないまたはできにくい難消化性糖類を、醗酵により利用
しており、そのためこれまで人体では利用されないとさ
れていた糖類も、この過程を通って吸収されることがわ
かってきた。また、人体内での発ガン性物質生成の研究
において、大腸内の特異的な糖加水分解酵素の存在がク
ローズアップされてきている。これらの加水分解酵素と
しては、β−グルコシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、
β−グルクロニダーゼなどのほか、キシラナーゼ、β−
グルカナーゼ、ガラクトマンナーゼ、ポリガラクチュロ
ナーゼ、ムチナーゼ、コンドロイチンリアーゼ、カルボ
キシメチルセルラーゼ、セルラーゼ、ポリガラクチュロ
ネイトリアーゼなどの糖分解酵素があげられる。
【0034】HO−R1 −OHで表される糖は、大腸内
で分解または資化される糖であって、糖残基2つ以上、
かつ好ましくは100以下、より好ましくは50以下、
さらに好ましくは10以下で構成される難消化性の糖で
ある。R1 はかかる糖の糖残基を表している。難消化性
の糖とは、ヒトの小腸内で消化・吸収を受けにくい、ま
たは消化を受けない糖のことをいう。
で分解または資化される糖であって、糖残基2つ以上、
かつ好ましくは100以下、より好ましくは50以下、
さらに好ましくは10以下で構成される難消化性の糖で
ある。R1 はかかる糖の糖残基を表している。難消化性
の糖とは、ヒトの小腸内で消化・吸収を受けにくい、ま
たは消化を受けない糖のことをいう。
【0035】かかる糖としては、たとえば6′−ガラク
トシルラクトースおよび4′−ガラクトシルラクトース
などのラクトースのガラクトース残基にガラクトースが
β−1,4またはβ−1,6で数分子結合したガラクト
オリゴ糖;1−ケストースおよびニストースなどのスク
ロースのフラクトース残基にフラクトースがα−1、β
−2で数分子結合したフラクトオリゴ糖;ラフィノース
およびスタキオースなどのスクロースのグルコース残基
にガラクトースがβ−1,6で数分子結合した大豆オリ
ゴ糖;キシロビオースおよびキシロトリオースなどのキ
シロースがβ−1,4で数分子結合したキシロオリゴ
糖;イソマルトース、イソマルトトリオースおよびパノ
ースなどのイソマルトースの非還元性グルコースにグル
コースがα−1,4またはα−1,6で数分子結合した
イソマルトオリゴ糖;セロビオースおよびセロトリオー
スなどのグルコースがβ−1,4で数分子結合したオリ
ゴセルロース;ラクトース、ラクトスクロース、ラクチ
ュロース、パラチノース、メレチトース、ツラノース、
メリビオース;マルチトール、ラクチトール、イソマル
チトールおよびグルコピラノシル−α−1,6−マンニ
トールなどの二糖類アルコール;およびカルボキシメチ
ルセルロース、グアガム、トラガントガム、キシランな
どがあげられるが、これらに限定されるものではない。
これらのうち、皮膜形成性、溶媒への溶解性の点から、
セロビオース、ラクトース、ラフィノース、スタキオー
スなどの糖残基5以下で構成されるものが好ましく、と
くに二糖類、とりわけセロビオースが最も好ましい。
トシルラクトースおよび4′−ガラクトシルラクトース
などのラクトースのガラクトース残基にガラクトースが
β−1,4またはβ−1,6で数分子結合したガラクト
オリゴ糖;1−ケストースおよびニストースなどのスク
ロースのフラクトース残基にフラクトースがα−1、β
−2で数分子結合したフラクトオリゴ糖;ラフィノース
およびスタキオースなどのスクロースのグルコース残基
にガラクトースがβ−1,6で数分子結合した大豆オリ
ゴ糖;キシロビオースおよびキシロトリオースなどのキ
シロースがβ−1,4で数分子結合したキシロオリゴ
糖;イソマルトース、イソマルトトリオースおよびパノ
ースなどのイソマルトースの非還元性グルコースにグル
コースがα−1,4またはα−1,6で数分子結合した
イソマルトオリゴ糖;セロビオースおよびセロトリオー
スなどのグルコースがβ−1,4で数分子結合したオリ
ゴセルロース;ラクトース、ラクトスクロース、ラクチ
ュロース、パラチノース、メレチトース、ツラノース、
メリビオース;マルチトール、ラクチトール、イソマル
チトールおよびグルコピラノシル−α−1,6−マンニ
トールなどの二糖類アルコール;およびカルボキシメチ
ルセルロース、グアガム、トラガントガム、キシランな
どがあげられるが、これらに限定されるものではない。
これらのうち、皮膜形成性、溶媒への溶解性の点から、
セロビオース、ラクトース、ラフィノース、スタキオー
スなどの糖残基5以下で構成されるものが好ましく、と
くに二糖類、とりわけセロビオースが最も好ましい。
【0036】さらに、これらの糖はアセチル基、ベンゾ
イル基などのアシル基、メチル基、エチル基などのアル
キル基、またはヒドロキシルエチル基、ヒドロキシプロ
ピル基などのヒドロキシアルキル基などで修飾されてい
てもよい。これらの修飾基は、糖一分子中に未修飾の水
酸基が2つ以上残っていれば何分子結合していてもよ
く、また1種類または2種類以上の修飾基で修飾されて
いてもよい。
イル基などのアシル基、メチル基、エチル基などのアル
キル基、またはヒドロキシルエチル基、ヒドロキシプロ
ピル基などのヒドロキシアルキル基などで修飾されてい
てもよい。これらの修飾基は、糖一分子中に未修飾の水
酸基が2つ以上残っていれば何分子結合していてもよ
く、また1種類または2種類以上の修飾基で修飾されて
いてもよい。
【0037】本発明の共重合体には、前記の糖HO−R
1 −OHは2種類以上含まれていてもよいが、1種類で
あることが望ましい。
1 −OHは2種類以上含まれていてもよいが、1種類で
あることが望ましい。
【0038】HOOC−R−COOHで表される二塩基
酸中、Rは2価の有機基を表すが、このような有機基と
しては、たとえば芳香族炭化水素およびその誘導体、脂
肪族炭化水素およびその誘導体、脂環式炭化水素および
その誘導体があげられる。芳香族炭化水素としては、た
とえばベンゼン環、ナフタレン環および1,2−ビス
(フェノキシ)エタンなどがあげられ、脂肪族炭化水素
としては、たとえばメチレン基、エチレン基、プロピレ
ン基およびブチレン基などがあげられ、脂環式炭化水素
としてはシクロヘキサンなどがあげられる。かかる二塩
基酸の具体例としては、好ましくはテレフタル酸、イソ
フタル酸、4,4′−ジカルボキシビフェニル、2,6
−ジカルボキシナフタレン、1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、1,2−ビス
(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボ
ン酸などの芳香族系二塩基酸;アジピン酸、1,10−
デカンジカルボン酸、ジエチルマロン酸、フマル酸、マ
レイン酸、シュウ酸などの脂肪族二塩基酸;およびシク
ロヘキサン二酸などの脂環式化合物の二塩基酸などがあ
げられるが、これらに限定されるものではなく、フィル
ム形成性、溶剤溶解性および安全性の点から、より好ま
しくはテレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族系二塩
基酸;アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸な
どの脂肪族二塩基酸であり、最も好ましくはテレフタル
酸、イソフタル酸、アジピン酸、シュウ酸である。
酸中、Rは2価の有機基を表すが、このような有機基と
しては、たとえば芳香族炭化水素およびその誘導体、脂
肪族炭化水素およびその誘導体、脂環式炭化水素および
その誘導体があげられる。芳香族炭化水素としては、た
とえばベンゼン環、ナフタレン環および1,2−ビス
(フェノキシ)エタンなどがあげられ、脂肪族炭化水素
としては、たとえばメチレン基、エチレン基、プロピレ
ン基およびブチレン基などがあげられ、脂環式炭化水素
としてはシクロヘキサンなどがあげられる。かかる二塩
基酸の具体例としては、好ましくはテレフタル酸、イソ
フタル酸、4,4′−ジカルボキシビフェニル、2,6
−ジカルボキシナフタレン、1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、1,2−ビス
(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボ
ン酸などの芳香族系二塩基酸;アジピン酸、1,10−
デカンジカルボン酸、ジエチルマロン酸、フマル酸、マ
レイン酸、シュウ酸などの脂肪族二塩基酸;およびシク
ロヘキサン二酸などの脂環式化合物の二塩基酸などがあ
げられるが、これらに限定されるものではなく、フィル
ム形成性、溶剤溶解性および安全性の点から、より好ま
しくはテレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族系二塩
基酸;アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸な
どの脂肪族二塩基酸であり、最も好ましくはテレフタル
酸、イソフタル酸、アジピン酸、シュウ酸である。
【0039】本発明の共重合体中にはこれら二塩基酸は
2種類以上含まれていてもよいが、1種類であることが
望ましい。
2種類以上含まれていてもよいが、1種類であることが
望ましい。
【0040】以上にHOOC−R−COOHおよびHO
−R1 −OHの例を示したが、好ましい構造単位(I)
としては、テレフタル酸とセロビオースとをエステル結
合させてえられるもの、イソフタル酸とセロビオースと
をエステル結合させてえられるもの、アジピン酸とセロ
ビオースとをエステル結合させてえられるもの、シュウ
酸とセロビオースとをエステル結合させてえられるもの
が、崩壊特性、機械特性および安全性の点から好まし
い。
−R1 −OHの例を示したが、好ましい構造単位(I)
としては、テレフタル酸とセロビオースとをエステル結
合させてえられるもの、イソフタル酸とセロビオースと
をエステル結合させてえられるもの、アジピン酸とセロ
ビオースとをエステル結合させてえられるもの、シュウ
酸とセロビオースとをエステル結合させてえられるもの
が、崩壊特性、機械特性および安全性の点から好まし
い。
【0041】一方、一般式(II)で示される構造単位
は、前記のHOOC−R−COOHで表される二塩基酸
とH−X1 −R2 −X2 −Hで表される化合物とを結合
させてえられる。
は、前記のHOOC−R−COOHで表される二塩基酸
とH−X1 −R2 −X2 −Hで表される化合物とを結合
させてえられる。
【0042】HOOC−R−COOHで表わされる二塩
基酸は、前記構造単位(I)に関する記載の中で例示し
たものと同様のものがあげられる。
基酸は、前記構造単位(I)に関する記載の中で例示し
たものと同様のものがあげられる。
【0043】H−X1 −R2 −X2 −H中、X1 および
X2 は独立に酸素原子、イミノ基または硫黄原子を表
し、R2 は飽和または不飽和の炭化水素基、ポリアルキ
レン基、ポリアルキレングリコール基、ポリアリーレン
オキサイド基、ポリエステル基またはポリアミド基を表
す。以下に具体的に、H−X1 −R2 −X2 −Hについ
て4種(一般式(III )〜(VIII))に大別し、例をあ
げて説明する。
X2 は独立に酸素原子、イミノ基または硫黄原子を表
し、R2 は飽和または不飽和の炭化水素基、ポリアルキ
レン基、ポリアルキレングリコール基、ポリアリーレン
オキサイド基、ポリエステル基またはポリアミド基を表
す。以下に具体的に、H−X1 −R2 −X2 −Hについ
て4種(一般式(III )〜(VIII))に大別し、例をあ
げて説明する。
【0044】(1)一般式(III ): H−X1 −R3 −X2 −H (III ) (式中、X1 、X2 は独立に酸素原子、イミノ基または
硫黄原子を表し、R3 は飽和または不飽和の炭化水素基
を表す)で示される化合物。すなわち、両端に独立に水
酸基、アミノ基またはチオール基を有する飽和または不
飽和の炭化水素化合物である。具体的には、たとえばエ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブ
タンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオールなどのアルキレングリコール;ヘキサメチレ
ンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミ
ンなどのアルキレンジアミン;1,4−ブタンジチオー
ル、エタンジチオールなどのアルカンジチオール;1,
4−ハイドロキノン、1,3−ハイドロキノン、2,7
−ジヒドロキシナフタレン、カテコール、1,3−ジ
(ヒドロキシメチル)ベンゼンなどの芳香族ジオール;
1,4−ジアミノベンゼン、3,5−ジアミノトルエン
などの芳香族ジアミンがあげられる。
硫黄原子を表し、R3 は飽和または不飽和の炭化水素基
を表す)で示される化合物。すなわち、両端に独立に水
酸基、アミノ基またはチオール基を有する飽和または不
飽和の炭化水素化合物である。具体的には、たとえばエ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブ
タンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオールなどのアルキレングリコール;ヘキサメチレ
ンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミ
ンなどのアルキレンジアミン;1,4−ブタンジチオー
ル、エタンジチオールなどのアルカンジチオール;1,
4−ハイドロキノン、1,3−ハイドロキノン、2,7
−ジヒドロキシナフタレン、カテコール、1,3−ジ
(ヒドロキシメチル)ベンゼンなどの芳香族ジオール;
1,4−ジアミノベンゼン、3,5−ジアミノトルエン
などの芳香族ジアミンがあげられる。
【0045】(2)一般式(IV): H−X1 −(R4 O)n −R5 −X2 −H (IV) (式中、X1 、X2 は前記と同じ。R4 、R5 はそれぞ
れ独立に炭素数1〜10のアルキレン基またはアリール
基を表し、nは1〜100の整数を表す)で示される化
合物。すなわち、両末端に独立に水酸基、アミノ基また
はチオール基を有するポリアルキレングリコールまたは
ポリアリーレンオキサイドである。具体的には、たとえ
ば両末端に独立に水酸基、アミノ基またはチオール基を
有する、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール、ポリフェニレ
ンオキサイドなどがあげられる。
れ独立に炭素数1〜10のアルキレン基またはアリール
基を表し、nは1〜100の整数を表す)で示される化
合物。すなわち、両末端に独立に水酸基、アミノ基また
はチオール基を有するポリアルキレングリコールまたは
ポリアリーレンオキサイドである。具体的には、たとえ
ば両末端に独立に水酸基、アミノ基またはチオール基を
有する、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール、ポリフェニレ
ンオキサイドなどがあげられる。
【0046】(3)一般式(V)または(VI):
【0047】
【化7】
【0048】(式中、X1 、X2 は前記と同じ。X3 、
X6 はそれぞれ独立に酸素原子またはイミノ基を、
X4 、X5 はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子または
イミノ基を表し、R6 は炭素数1〜20のアルキレン
基、芳香族化合物の二価基またはアルキレングリコール
基を表し、mおよびLはそれぞれ独立に0〜100の整
数を表し、pは1〜12の整数を表す)または一般式
(VII ):
X6 はそれぞれ独立に酸素原子またはイミノ基を、
X4 、X5 はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子または
イミノ基を表し、R6 は炭素数1〜20のアルキレン
基、芳香族化合物の二価基またはアルキレングリコール
基を表し、mおよびLはそれぞれ独立に0〜100の整
数を表し、pは1〜12の整数を表す)または一般式
(VII ):
【0049】
【化8】
【0050】(式中、X1 、X2 、X3 、X4 、X5 、
X6 は前記と同じ。R7 、R9 、R10はそれぞれ独立に
炭素数1〜20のアルキレン基または芳香族化合物の2
価基を表し、R8 は2価の有機基を表し、qは1〜10
0の整数を表す)で示される化合物。すなわちX3 、X
6 が酸素原子のばあいは、両末端に独立に水酸基、アミ
ノ基またはチオール基を有するポリエステルであり、具
体的には、ポリε−カプロラクトン、ポリグリコール
酸、ポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレートまたはポリ
エチレンアジペートなどの両末端に独立に水酸基、アミ
ノ基またはチオール基を有する化合物であり、X3 、X
6 がイミノ基のばあいは、両末端に独立に水酸基、アミ
ノ基またはチオール基を有するポリアミドであり、具体
的にはポリε−カプロラクタム、ヘキサメチレンジアミ
ン−アジピン酸共重合体などの両末端に独立に水酸基、
アミノ基またはチオール基を有する化合物があげられ
る。
X6 は前記と同じ。R7 、R9 、R10はそれぞれ独立に
炭素数1〜20のアルキレン基または芳香族化合物の2
価基を表し、R8 は2価の有機基を表し、qは1〜10
0の整数を表す)で示される化合物。すなわちX3 、X
6 が酸素原子のばあいは、両末端に独立に水酸基、アミ
ノ基またはチオール基を有するポリエステルであり、具
体的には、ポリε−カプロラクトン、ポリグリコール
酸、ポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレートまたはポリ
エチレンアジペートなどの両末端に独立に水酸基、アミ
ノ基またはチオール基を有する化合物であり、X3 、X
6 がイミノ基のばあいは、両末端に独立に水酸基、アミ
ノ基またはチオール基を有するポリアミドであり、具体
的にはポリε−カプロラクタム、ヘキサメチレンジアミ
ン−アジピン酸共重合体などの両末端に独立に水酸基、
アミノ基またはチオール基を有する化合物があげられ
る。
【0051】(4)一般式(VIII): H−X1 −(CH2 CR11R12)r −X2 −H (VIII) (式中、X1 、X2 は前記と同じ。R11、R12はそれぞ
れ独立に水素原子、アルキル基、アセチル基、フェニル
基、1〜4個のアルキル基またはニトロ基で置換された
フェニル基、カルボキシル基、カルボキシメチル基、カ
ルボキシエチル基、カルボキシイソプロピル基、カルボ
キシ−2−ヒドロキシエチル基、カルボキシ−2−ヒド
ロキシプロピル基、メトキシカルボニル基、エトキシカ
ルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、1−ヒドロ
キシエトキシカルボニル基または2−ヒドロキシプロポ
キシカルボニル基を、rは1〜1000の整数を表す)
で示される化合物。すなわち、両末端に独立に水酸基、
アミノ基またはチオール基を有するポリアルキレンであ
る。具体的には、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチ
ルなどの両末端に独立に水酸基、アミノ基またはチオー
ル基を有する化合物があげられる。
れ独立に水素原子、アルキル基、アセチル基、フェニル
基、1〜4個のアルキル基またはニトロ基で置換された
フェニル基、カルボキシル基、カルボキシメチル基、カ
ルボキシエチル基、カルボキシイソプロピル基、カルボ
キシ−2−ヒドロキシエチル基、カルボキシ−2−ヒド
ロキシプロピル基、メトキシカルボニル基、エトキシカ
ルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、1−ヒドロ
キシエトキシカルボニル基または2−ヒドロキシプロポ
キシカルボニル基を、rは1〜1000の整数を表す)
で示される化合物。すなわち、両末端に独立に水酸基、
アミノ基またはチオール基を有するポリアルキレンであ
る。具体的には、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチ
ルなどの両末端に独立に水酸基、アミノ基またはチオー
ル基を有する化合物があげられる。
【0052】以上の具体的な化合物は例示であって、H
−X1 −R2 −X2 −Hで示される化合物はこれらに限
定されるものではないが、溶媒への溶解性が改善され
た、しかも安全性の高い化合物としては、両末端水酸基
のポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレン
グリコールのようなポリアルキレングリコールや両末端
水酸基のポリε−カプロラクトンまたはポリグリコール
酸のようなポリエステルが最も好ましい。
−X1 −R2 −X2 −Hで示される化合物はこれらに限
定されるものではないが、溶媒への溶解性が改善され
た、しかも安全性の高い化合物としては、両末端水酸基
のポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレン
グリコールのようなポリアルキレングリコールや両末端
水酸基のポリε−カプロラクトンまたはポリグリコール
酸のようなポリエステルが最も好ましい。
【0053】以上にHOOC−R−COOHおよびH−
X1 −R2 −X2 −Hの例を示したが、好ましい構造単
位(II)としては、フィルム形成性、溶剤溶解性、機械
特性および安全性の点から二塩基酸とポリエステルとを
エステル結合させてえられるもの、二塩基酸とポリアル
キレングリコールとをエステル結合させてえられるもの
が好ましく、とりわけテレフタル酸とポリテトラメチレ
ングリコールとをエステル結合させてえられるもの、テ
レフタル酸とポリプロピレングリコールとをエステル結
合させてえられるもの、イソフタル酸とポリテトラメチ
レングリコールとをエステル結合させてえられるもの、
イソフタル酸とポリプロピレングリコールとをエステル
結合させてえられるものが好ましい。
X1 −R2 −X2 −Hの例を示したが、好ましい構造単
位(II)としては、フィルム形成性、溶剤溶解性、機械
特性および安全性の点から二塩基酸とポリエステルとを
エステル結合させてえられるもの、二塩基酸とポリアル
キレングリコールとをエステル結合させてえられるもの
が好ましく、とりわけテレフタル酸とポリテトラメチレ
ングリコールとをエステル結合させてえられるもの、テ
レフタル酸とポリプロピレングリコールとをエステル結
合させてえられるもの、イソフタル酸とポリテトラメチ
レングリコールとをエステル結合させてえられるもの、
イソフタル酸とポリプロピレングリコールとをエステル
結合させてえられるものが好ましい。
【0054】さらに本発明の製剤としては、用いる大腸
内分解性高分子物質が前記共重合体の構造単位(I)が
HOOC−R−COOHで表される二塩基酸とHO−R
1 −OHで表される大腸内で分解または資化される糖と
をエステル結合させてえられる構造単位であり、構造単
位(II)がHOOC−R−COOHで表される二塩基酸
とHO−R2 −OHで表されるポリアルキレングリコー
ルとをエステル結合させてえられる構造単位である共重
合体、さらには前記共重合体の構造単位(I)を構成す
るHOOC−R−COOHで表される二塩基酸がテレフ
タル酸またはイソフタル酸であり、HO−R1 −OHで
表される大腸内で分解または資化される糖がセロビオー
スであって、構造単位(II)を構成するHOOC−R−
COOHで表される二塩基酸がテレフタル酸またはイソ
フタル酸であり、HO−R2 −OHで表されるポリアル
キレングリコールがポリテトラメチレングリコールまた
はポリプロピレングリコールである共重合体である製剤
が好ましいが、これらに限定されるものではない。
内分解性高分子物質が前記共重合体の構造単位(I)が
HOOC−R−COOHで表される二塩基酸とHO−R
1 −OHで表される大腸内で分解または資化される糖と
をエステル結合させてえられる構造単位であり、構造単
位(II)がHOOC−R−COOHで表される二塩基酸
とHO−R2 −OHで表されるポリアルキレングリコー
ルとをエステル結合させてえられる構造単位である共重
合体、さらには前記共重合体の構造単位(I)を構成す
るHOOC−R−COOHで表される二塩基酸がテレフ
タル酸またはイソフタル酸であり、HO−R1 −OHで
表される大腸内で分解または資化される糖がセロビオー
スであって、構造単位(II)を構成するHOOC−R−
COOHで表される二塩基酸がテレフタル酸またはイソ
フタル酸であり、HO−R2 −OHで表されるポリアル
キレングリコールがポリテトラメチレングリコールまた
はポリプロピレングリコールである共重合体である製剤
が好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0055】以上のような構造単位をもつ本発明に使用
される前記共重合体の合成は、公知の方法により行われ
る(クリタ(Kurita,K.)ら、ジャーナル オ
ブポリマー ケミストリー エディション(J.Pol
ymer Chem.Ed.),18,365,(19
80))。すなわち、大腸内で分解または資化される糖
と共重合するポリアルキレングリコールと二塩基酸の塩
化物とをジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−
ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルア
セトアミド(DMAc)などの不揮発性非プロトン性極
性溶媒中で、ピリジンあるいはトリエチルアミンなどの
三級アミン類を脱プロトン剤として使用し、反応させる
ことにより行なう。
される前記共重合体の合成は、公知の方法により行われ
る(クリタ(Kurita,K.)ら、ジャーナル オ
ブポリマー ケミストリー エディション(J.Pol
ymer Chem.Ed.),18,365,(19
80))。すなわち、大腸内で分解または資化される糖
と共重合するポリアルキレングリコールと二塩基酸の塩
化物とをジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−
ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルア
セトアミド(DMAc)などの不揮発性非プロトン性極
性溶媒中で、ピリジンあるいはトリエチルアミンなどの
三級アミン類を脱プロトン剤として使用し、反応させる
ことにより行なう。
【0056】本発明で用いる大腸内分解性高分子物質を
含む基剤には、所望により前記大腸内分解性高分子物質
のほかに通常この分野で常用される種々の配合剤が配合
されていてもよい。
含む基剤には、所望により前記大腸内分解性高分子物質
のほかに通常この分野で常用される種々の配合剤が配合
されていてもよい。
【0057】本発明の製剤製造時に使用される溶剤は、
所望の濃度(0.1〜50%(重量%、以下同様))、
揮発性および皮膜形成性から判断して適当なものを選ぶ
ことができ、とくに限定されないが、たとえば水、炭素
数1〜5のアルコール、芳香族炭化水素、エステル、ケ
トン、エーテル、ハロゲン化物、オレフィン、アミド、
オキシドおよびグリコールから選ばれる1種または2種
以上の混合溶剤、好ましくはメタノール、エタノール、
1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノー
ル、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、1
−ペンタノール、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチ
ル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチ
ル、アセトン、ジイソブチルケトン、メチルエチルケト
ン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジクロロエ
タン、クロロホルムから選ばれる1種または2種以上の
混合溶剤であり、さらに好ましくはテトラヒドロフラン
またはメチルエチルケトンから選ばれる溶剤、メタノー
ル、エタノールまたは2−プロパノールとトルエンとの
混合溶剤、メタノール、エタノールまたは2−プロパノ
ールと酢酸エチルとの混合溶剤、メタノール、エタノー
ルまたは2−プロパノールとメチルエチルケトンとの混
合溶剤、メタノール、エタノールまたは2−プロパノー
ルとアセトンとの混合溶剤、メタノール、エタノールま
たは2−プロパノールとジクロロメタンとの混合溶剤、
メタノール、エタノールまたは2−プロパノールとクロ
ロホルムとの混合溶剤である。
所望の濃度(0.1〜50%(重量%、以下同様))、
揮発性および皮膜形成性から判断して適当なものを選ぶ
ことができ、とくに限定されないが、たとえば水、炭素
数1〜5のアルコール、芳香族炭化水素、エステル、ケ
トン、エーテル、ハロゲン化物、オレフィン、アミド、
オキシドおよびグリコールから選ばれる1種または2種
以上の混合溶剤、好ましくはメタノール、エタノール、
1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノー
ル、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、1
−ペンタノール、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチ
ル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチ
ル、アセトン、ジイソブチルケトン、メチルエチルケト
ン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジクロロエ
タン、クロロホルムから選ばれる1種または2種以上の
混合溶剤であり、さらに好ましくはテトラヒドロフラン
またはメチルエチルケトンから選ばれる溶剤、メタノー
ル、エタノールまたは2−プロパノールとトルエンとの
混合溶剤、メタノール、エタノールまたは2−プロパノ
ールと酢酸エチルとの混合溶剤、メタノール、エタノー
ルまたは2−プロパノールとメチルエチルケトンとの混
合溶剤、メタノール、エタノールまたは2−プロパノー
ルとアセトンとの混合溶剤、メタノール、エタノールま
たは2−プロパノールとジクロロメタンとの混合溶剤、
メタノール、エタノールまたは2−プロパノールとクロ
ロホルムとの混合溶剤である。
【0058】また、前記高分子物質を含む基剤の濃度
は、高分子物質の組成および(または)溶剤の組成によ
り変化するが、溶剤に対する溶解性または分散性、皮膜
形成剤としての加工性を考慮すると好ましくは0.1〜
50%、さらに好ましくは1〜30%であるが、これら
に限定されるものではない。
は、高分子物質の組成および(または)溶剤の組成によ
り変化するが、溶剤に対する溶解性または分散性、皮膜
形成剤としての加工性を考慮すると好ましくは0.1〜
50%、さらに好ましくは1〜30%であるが、これら
に限定されるものではない。
【0059】本発明で製剤化される薬効成分は、大腸の
ターゲティングを目的とするものであれば、とくに制限
されることなく、いずれの薬効成分をも使用できる。た
とえばプレドニゾロン、5−アミノサリチル酸などの大
腸潰瘍の治療薬またはこれらの誘導体、ブレオマイシン
などの大腸癌に著効を示す制癌剤、インスリン、バソプ
レシン、カルシトニン、ヒト顆粒球増殖因子(G−CS
F)、エリスロポエチン、各種インターロイキンなどの
タンパク・ペプチド性薬剤、メシル酸ガベキサート、メ
シル酸カモスタット、メシル酸ナファモスタットなどの
グアニジノ安息香酸誘導体、アスピリンなどの抗炎症剤
などがあげられる。
ターゲティングを目的とするものであれば、とくに制限
されることなく、いずれの薬効成分をも使用できる。た
とえばプレドニゾロン、5−アミノサリチル酸などの大
腸潰瘍の治療薬またはこれらの誘導体、ブレオマイシン
などの大腸癌に著効を示す制癌剤、インスリン、バソプ
レシン、カルシトニン、ヒト顆粒球増殖因子(G−CS
F)、エリスロポエチン、各種インターロイキンなどの
タンパク・ペプチド性薬剤、メシル酸ガベキサート、メ
シル酸カモスタット、メシル酸ナファモスタットなどの
グアニジノ安息香酸誘導体、アスピリンなどの抗炎症剤
などがあげられる。
【0060】さらに本発明で用いられる薬効成分を含有
する組成物には、前記薬効成分のほかに賦形剤、結合
剤、滑沢剤、凝集防止剤、崩壊剤、発泡剤、吸収促進
剤、安定化剤、薬効成分の溶解補助剤、可塑剤および所
望により前記共重合体以外の高分子物質など通常この分
野で常用される種々の配合剤が配合されていてもよい。
する組成物には、前記薬効成分のほかに賦形剤、結合
剤、滑沢剤、凝集防止剤、崩壊剤、発泡剤、吸収促進
剤、安定化剤、薬効成分の溶解補助剤、可塑剤および所
望により前記共重合体以外の高分子物質など通常この分
野で常用される種々の配合剤が配合されていてもよい。
【0061】賦形剤としては、たとえば白糖、乳糖、マ
ンニトール、グルコース、デンプン、結晶セルロースな
どの糖類、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、乳酸カ
ルシウムなどがあげられる。結合剤としては、たとえば
ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリ
ル酸、ポリビニルピロリドン、グルコース、白糖、乳
糖、麦芽糖、ソルビトール、マンニトール、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、マクロゴール類、
アラビアゴム、ゼラチン、寒天、デンプンなどがあげら
れる。滑沢剤としては、たとえばステアリン酸、タルク
などがあげられる。凝集防止剤としては、たとえばステ
アリン酸、タルクなどの前記の滑沢剤が好適に用いられ
るほか、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素などがあげ
られる。崩壊剤としては、たとえば結晶セルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス塩、デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボ
キシメチルスターチナトリウム、トラガントガムなどが
あげられる。発泡剤としては、たとえば炭酸水素ナトリ
ウム、酒石酸などがあげられる。吸収促進剤としては、
たとえば高級アルコール類、高級脂肪酸類、グリセリン
脂肪酸エステルなどの界面活性剤などがあげられる。安
定化剤としては、たとえば安息香酸、安息香酸ナトリウ
ム、パラオキシ安息香酸エチルなどがあげられる。薬効
成分の溶解補助剤としては、たとえばフマル酸、コハク
酸、リンゴ酸などの有機酸などがあげられる。可塑剤と
しては、たとえばポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコー
ルなどがあげられる。
ンニトール、グルコース、デンプン、結晶セルロースな
どの糖類、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、乳酸カ
ルシウムなどがあげられる。結合剤としては、たとえば
ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリ
ル酸、ポリビニルピロリドン、グルコース、白糖、乳
糖、麦芽糖、ソルビトール、マンニトール、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、マクロゴール類、
アラビアゴム、ゼラチン、寒天、デンプンなどがあげら
れる。滑沢剤としては、たとえばステアリン酸、タルク
などがあげられる。凝集防止剤としては、たとえばステ
アリン酸、タルクなどの前記の滑沢剤が好適に用いられ
るほか、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素などがあげ
られる。崩壊剤としては、たとえば結晶セルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス塩、デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボ
キシメチルスターチナトリウム、トラガントガムなどが
あげられる。発泡剤としては、たとえば炭酸水素ナトリ
ウム、酒石酸などがあげられる。吸収促進剤としては、
たとえば高級アルコール類、高級脂肪酸類、グリセリン
脂肪酸エステルなどの界面活性剤などがあげられる。安
定化剤としては、たとえば安息香酸、安息香酸ナトリウ
ム、パラオキシ安息香酸エチルなどがあげられる。薬効
成分の溶解補助剤としては、たとえばフマル酸、コハク
酸、リンゴ酸などの有機酸などがあげられる。可塑剤と
しては、たとえばポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコー
ルなどがあげられる。
【0062】薬効成分を含有する組成物は、たとえば通
常この分野で常用される散剤製造法、顆粒剤製造法、錠
剤製造法、丸剤製造法、カプセル剤製造法およびシート
状製剤製造法などの方法を用いて製造される。
常この分野で常用される散剤製造法、顆粒剤製造法、錠
剤製造法、丸剤製造法、カプセル剤製造法およびシート
状製剤製造法などの方法を用いて製造される。
【0063】本発明の薬物放出制御型製剤の形状または
形態には、たとえば錠剤、丸剤、顆粒剤;薬効成分を含
有する組成物を、大腸内分解性高分子物質を含む基剤か
らなるカプセルに充填したカプセル製剤;薬効成分を含
有する組成物を充填したゼラチンカプセルなどに大腸内
分解性高分子物質を含む基剤をコーティングしたカプセ
ル製剤;薬効成分を含有する錠剤、丸剤、顆粒剤の形態
の組成物を大腸内分解性高分子物質を含む基剤により被
覆またはコーティングしてなる外皮膜形成製剤またはコ
ーティング製剤;薬効成分を含有する組成物を大腸内分
解性高分子物質を含む基剤に包埋させてなるシート状製
剤などが包含されるが、これらに限定されるものではな
い。ここで大腸内分解性高分子物質を含む基剤とは、所
望により前記大腸内分解性高分子物質のみではなくほか
の高分子物質(たとえばエチルセルロース、メタクリル
酸共重合体など)1種類以上および/または可塑剤(た
とえばポリエチレングリコールなど)1種類以上を混合
してもよい。
形態には、たとえば錠剤、丸剤、顆粒剤;薬効成分を含
有する組成物を、大腸内分解性高分子物質を含む基剤か
らなるカプセルに充填したカプセル製剤;薬効成分を含
有する組成物を充填したゼラチンカプセルなどに大腸内
分解性高分子物質を含む基剤をコーティングしたカプセ
ル製剤;薬効成分を含有する錠剤、丸剤、顆粒剤の形態
の組成物を大腸内分解性高分子物質を含む基剤により被
覆またはコーティングしてなる外皮膜形成製剤またはコ
ーティング製剤;薬効成分を含有する組成物を大腸内分
解性高分子物質を含む基剤に包埋させてなるシート状製
剤などが包含されるが、これらに限定されるものではな
い。ここで大腸内分解性高分子物質を含む基剤とは、所
望により前記大腸内分解性高分子物質のみではなくほか
の高分子物質(たとえばエチルセルロース、メタクリル
酸共重合体など)1種類以上および/または可塑剤(た
とえばポリエチレングリコールなど)1種類以上を混合
してもよい。
【0064】本発明の薬物放出制御型製剤の具体的な製
造方法としては、たとえばコーティング製剤のばあい、
該高分子物質を含む基剤を前述したような適当な溶剤に
溶解、分散させたコーティング用組成物を利用すること
により、簡便な操作で均一なコーティングが可能であ
り、皮膜の厚さも容易に制御できる。したがって、この
ようなコーティング用組成物を用いて、別途製造した薬
効成分を含有する組成物(錠剤、丸剤、顆粒剤など)に
パンコーティング法または流動コーティング法でコーテ
ィングすることにより製造できる。外皮膜形成製剤のば
あいも同様である。大腸内分解性高分子物質を含む基剤
からなるカプセルを用いたカプセル製剤のばあい、たと
えば、前記共重合体を含む基剤をジクロロメタンとエタ
ノールの混合溶剤(1:1(容量比))に溶解または分
散させたのち、適当な形状のテフロン棒またはステンレ
ス棒をこの溶液に浸漬し、乾燥させる。乾燥後、えられ
たカプセルを型から取り外し、この中に別途製造した薬
効成分含有組成物を充填することにより製造できる。ま
た、溶剤を使わずにカプセルの型に射出成形することも
可能である。大腸内分解性高分子物質を含む基剤をコー
ティングしたカプセル製剤のばあい、別途製造した薬効
成分を含有する組成物を適当なゼラチンカプセル内に充
填し、前記のコーティング用組成物を用いてコーティン
グすることにより製造できる。シート状製剤のばあい前
記コーティング用組成物を利用し、フィルム成型器で常
法にしたがいフィルムを作成する。たとえば、前記共重
合体を含む基剤、薬効成分、可塑剤、安定化剤および吸
収促進剤などをジクロロメタンとエタノールの混合溶剤
(1:1(容量比))に溶解または分散させたのち、フ
ィルム成型器に注入、塗膜を形成させ、乾燥することに
よりフィルムをえる。このようなフィルムシートを微粉
砕し、カプセルなどに充填することにより製造できる。
前記製造方法は具体的な例示であって、これらに限定さ
れるものではない。
造方法としては、たとえばコーティング製剤のばあい、
該高分子物質を含む基剤を前述したような適当な溶剤に
溶解、分散させたコーティング用組成物を利用すること
により、簡便な操作で均一なコーティングが可能であ
り、皮膜の厚さも容易に制御できる。したがって、この
ようなコーティング用組成物を用いて、別途製造した薬
効成分を含有する組成物(錠剤、丸剤、顆粒剤など)に
パンコーティング法または流動コーティング法でコーテ
ィングすることにより製造できる。外皮膜形成製剤のば
あいも同様である。大腸内分解性高分子物質を含む基剤
からなるカプセルを用いたカプセル製剤のばあい、たと
えば、前記共重合体を含む基剤をジクロロメタンとエタ
ノールの混合溶剤(1:1(容量比))に溶解または分
散させたのち、適当な形状のテフロン棒またはステンレ
ス棒をこの溶液に浸漬し、乾燥させる。乾燥後、えられ
たカプセルを型から取り外し、この中に別途製造した薬
効成分含有組成物を充填することにより製造できる。ま
た、溶剤を使わずにカプセルの型に射出成形することも
可能である。大腸内分解性高分子物質を含む基剤をコー
ティングしたカプセル製剤のばあい、別途製造した薬効
成分を含有する組成物を適当なゼラチンカプセル内に充
填し、前記のコーティング用組成物を用いてコーティン
グすることにより製造できる。シート状製剤のばあい前
記コーティング用組成物を利用し、フィルム成型器で常
法にしたがいフィルムを作成する。たとえば、前記共重
合体を含む基剤、薬効成分、可塑剤、安定化剤および吸
収促進剤などをジクロロメタンとエタノールの混合溶剤
(1:1(容量比))に溶解または分散させたのち、フ
ィルム成型器に注入、塗膜を形成させ、乾燥することに
よりフィルムをえる。このようなフィルムシートを微粉
砕し、カプセルなどに充填することにより製造できる。
前記製造方法は具体的な例示であって、これらに限定さ
れるものではない。
【0065】つぎに本発明の薬物放出制御型製剤を実施
例に基づいて説明するが、本発明はもとよりかかる実施
例のみに限定されるものではない。
例に基づいて説明するが、本発明はもとよりかかる実施
例のみに限定されるものではない。
【0066】製造例 セロビオース、ポリテトラメチレングリコール(PTM
G、平均分子量650)およびピリジンをDMAc20
ml中で5℃で撹拌しておき、そこにテレフタル酸二塩
化物を加え、反応させた。原料の仕込量および反応時間
を表1に示した。
G、平均分子量650)およびピリジンをDMAc20
ml中で5℃で撹拌しておき、そこにテレフタル酸二塩
化物を加え、反応させた。原料の仕込量および反応時間
を表1に示した。
【0067】
【表1】
【0068】ゲル化物および未反応のセロビオースを濾
過によって取り除き、溶液を水に注ぎ込み沈殿させた。
これを水で洗浄、減圧乾燥し、再びDMAcに溶解し、
水で再沈殿、水洗浄、乾燥することにより生成物をえ
た。また、所望の引っ張り破壊強さを有する生成物をえ
るため必要に応じて、再びDMAcに溶解し、メタノー
ルで再沈殿または分別沈殿法により生成物をえた。
過によって取り除き、溶液を水に注ぎ込み沈殿させた。
これを水で洗浄、減圧乾燥し、再びDMAcに溶解し、
水で再沈殿、水洗浄、乾燥することにより生成物をえ
た。また、所望の引っ張り破壊強さを有する生成物をえ
るため必要に応じて、再びDMAcに溶解し、メタノー
ルで再沈殿または分別沈殿法により生成物をえた。
【0069】生成物をクロロホルムとメタノールの混合
溶剤(95/5(v/v))に溶解し、3〜5%(重量
%)の溶液とした。これを用いて常法により厚さ0.0
6〜0.08mmのキャストフィルムを作製し、短冊型
に幅10±0.5mmに切り取ったものを引っ張り試験
用試験片とした。引っ張り試験の標線間距離は20±1
mmとし、試験速度は毎分100±5mmで引っ張り試
験を実施した。この試験片の引っ張り破壊強さをオート
グラフ(島津製作所(株)製、AG−C型)を用いて測
定した。それぞれの生成物の引っ張り破壊強さはつぎの
とおりである。
溶剤(95/5(v/v))に溶解し、3〜5%(重量
%)の溶液とした。これを用いて常法により厚さ0.0
6〜0.08mmのキャストフィルムを作製し、短冊型
に幅10±0.5mmに切り取ったものを引っ張り試験
用試験片とした。引っ張り試験の標線間距離は20±1
mmとし、試験速度は毎分100±5mmで引っ張り試
験を実施した。この試験片の引っ張り破壊強さをオート
グラフ(島津製作所(株)製、AG−C型)を用いて測
定した。それぞれの生成物の引っ張り破壊強さはつぎの
とおりである。
【0070】 生成物 1 : 引っ張り破壊強さ = 0.18kg/mm2 生成物 2 : 引っ張り破壊強さ = 0.23kg/mm2 生成物 3 : 引っ張り破壊強さ = 0.35kg/mm2 生成物 4 : 引っ張り破壊強さ = 0.41kg/mm2 生成物 5 : 引っ張り破壊強さ = 0.58kg/mm2 生成物 6 : 引っ張り破壊強さ = 0.95kg/mm2 生成物 7 : 引っ張り破壊強さ = 1.72kg/mm2 生成物 8 : 引っ張り破壊強さ = 2.88kg/mm2 生成物 9 : 引っ張り破壊強さ = 4.01kg/mm2 生成物10 : 引っ張り破壊強さ = 5.16kg/mm2 生成物11 : 引っ張り破壊強さ = 6.03kg/mm2 生成物12 : 引っ張り破壊強さ = 6.57kg/mm2 生成物13 : 引っ張り破壊強さ = 6.98kg/mm2 生成物14 : 引っ張り破壊強さ = 7.27kg/mm2 生成物15 : 引っ張り破壊強さ = 7.45kg/mm2 実施例1〜13 アミノブラック(ナカライテスク(株)製)3mg、ク
ロスカルメロースナトリウム(米国FMC(株)製)3
mg、アビセル PH−102(旭化成工業(株)製)
9mgからなる混合物を常法によりよく混ぜ合わせて散
剤とし、ゼラチンカプセル(日本エランコ(株)製:φ
2mm)に充填した。本カプセル剤に前記製造例でえら
れた各種生成物2〜14のジクロロメタンとエタノール
1/1(V/V)溶液(濃度4〜10%)をそれぞれ噴
霧、乾燥することにより厚さが約40μmの皮膜を有す
る経口投与製剤2〜14をえた。
ロスカルメロースナトリウム(米国FMC(株)製)3
mg、アビセル PH−102(旭化成工業(株)製)
9mgからなる混合物を常法によりよく混ぜ合わせて散
剤とし、ゼラチンカプセル(日本エランコ(株)製:φ
2mm)に充填した。本カプセル剤に前記製造例でえら
れた各種生成物2〜14のジクロロメタンとエタノール
1/1(V/V)溶液(濃度4〜10%)をそれぞれ噴
霧、乾燥することにより厚さが約40μmの皮膜を有す
る経口投与製剤2〜14をえた。
【0071】比較例1〜2 実施例1〜13と同様にして散剤を製造し、カプセルに
充填したのち、前記製造例でえられた生成物1および1
5のジクロロメタンとエタノール1/1(V/V)溶液
(濃度4および10%)をそれぞれ噴霧し、乾燥するこ
とにより厚さが約40μmの皮膜を有する経口投与製剤
1および15をえた。
充填したのち、前記製造例でえられた生成物1および1
5のジクロロメタンとエタノール1/1(V/V)溶液
(濃度4および10%)をそれぞれ噴霧し、乾燥するこ
とにより厚さが約40μmの皮膜を有する経口投与製剤
1および15をえた。
【0072】実施例14〜20 実施例1〜13と同様にして散剤を製造し、カプセルに
充填したのち、前記製造例でえられた生成物7のジクロ
ロメタンとエタノール(1/1(v/v))溶液(濃度
3〜8%)をそれぞれ噴霧し、乾燥することにより厚さ
が5、10、40、80、150、200および300
μmの皮膜を有する経口投与製剤17〜23をえた。
充填したのち、前記製造例でえられた生成物7のジクロ
ロメタンとエタノール(1/1(v/v))溶液(濃度
3〜8%)をそれぞれ噴霧し、乾燥することにより厚さ
が5、10、40、80、150、200および300
μmの皮膜を有する経口投与製剤17〜23をえた。
【0073】比較例3〜4 実施例1〜13と同様にして散剤を製造し、カプセルに
充填したのち、前記製造例でえられた生成物7のジクロ
ロメタンとエタノール(1/1(v/v))溶液(濃度
3および8%)をそれぞれ噴霧し、乾燥することにより
厚さが3および350μmの皮膜を有する経口投与製剤
16および24をえた。
充填したのち、前記製造例でえられた生成物7のジクロ
ロメタンとエタノール(1/1(v/v))溶液(濃度
3および8%)をそれぞれ噴霧し、乾燥することにより
厚さが3および350μmの皮膜を有する経口投与製剤
16および24をえた。
【0074】実験例 製剤1〜24について、生体内消化管での崩壊性および
溶出性を調べた。実験はウィスター(Wistar)
系、11週令雄のラットを用いて行ない、各製剤につい
て10匹づつ試験を実施した。
溶出性を調べた。実験はウィスター(Wistar)
系、11週令雄のラットを用いて行ない、各製剤につい
て10匹づつ試験を実施した。
【0075】ラットは投与前夜より絶食とし、ラットに
製剤1〜24をラット用ゾンデを用いて各個体について
カプセル剤1個を経口投与した。このラットを清潔な環
境で飼育しておき、投与から15時間経過後開腹し、消
化管を観察した。つぎに、消化管をラットから取り出し
て切り開き、投与した製剤の形状、アミノブラックの溶
出およびアミノブラックによる消化管の染色性を観察し
た。
製剤1〜24をラット用ゾンデを用いて各個体について
カプセル剤1個を経口投与した。このラットを清潔な環
境で飼育しておき、投与から15時間経過後開腹し、消
化管を観察した。つぎに、消化管をラットから取り出し
て切り開き、投与した製剤の形状、アミノブラックの溶
出およびアミノブラックによる消化管の染色性を観察し
た。
【0076】結果は表2および表3に示す。
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】表2および表3より本発明の薬物放出制御
型製剤は、胃および小腸内では崩壊せず、内容物を保持
していることがわかる。一方、大腸内で製剤は崩壊し、
確実に内容物が放出されていることがわかる。
型製剤は、胃および小腸内では崩壊せず、内容物を保持
していることがわかる。一方、大腸内で製剤は崩壊し、
確実に内容物が放出されていることがわかる。
【0080】
【発明の効果】本発明の、特定の引っ張り破壊強さを有
する大腸内分解性高分子物質を含む基剤により被覆して
なる、薬物放出制御型製剤を経口投与したばあい、製剤
は大腸でのみ崩壊するので、薬効成分は大腸で選択的に
かつ確実に放出され、高濃度で到達させることができ
る。このため、薬剤の投与量が少なくてすむので副作用
を少なくすることができるとともに、小腸などで薬効成
分が放出されることも分解されることもないため生物学
的利用率を改善した製剤設計が可能となる。
する大腸内分解性高分子物質を含む基剤により被覆して
なる、薬物放出制御型製剤を経口投与したばあい、製剤
は大腸でのみ崩壊するので、薬効成分は大腸で選択的に
かつ確実に放出され、高濃度で到達させることができ
る。このため、薬剤の投与量が少なくてすむので副作用
を少なくすることができるとともに、小腸などで薬効成
分が放出されることも分解されることもないため生物学
的利用率を改善した製剤設計が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 73/00 NTB (72)発明者 谷 敍孝 大阪市阿倍野区文の里4−17−29
Claims (6)
- 【請求項1】 薬効成分を含有する組成物を、引っ張り
破壊強さ0.2kg/mm2 以上7.3kg/mm2 以
下の大腸内分解性高分子物質を含む基剤により被覆して
なる薬物放出制御型製剤。 - 【請求項2】 前記大腸内分解性高分子物質が一般式
(I): 【化1】 (式中、Rは2価の有機基を表し、R1 は大腸内で分解
または資化される糖残基を表す)で示される少なくとも
一種類の構造単位および一般式(II): 【化2】 (式中、Rは2価の有機基を表し、X1 およびX2 は独
立に酸素原子、イミノ基または硫黄原子を、R2 は飽和
または不飽和の炭化水素基、ポリアルキレン基、ポリア
ルキレングリコール基、ポリアリーレンオキサイド基、
ポリエステル基またはポリアミド基を表す)で示される
少なくとも一種類の構造単位からなる共重合体である請
求項1記載の薬物放出制御型製剤。 - 【請求項3】 前記共重合体の構造単位(I)がHOO
C−R−COOHで表される二塩基酸とHO−R1 −O
Hで表される大腸内で分解または資化される糖とをエス
テル結合させてえられる構造単位であり、構造単位(I
I)がHOOC−R−COOHで表される二塩基酸とH
O−R2 −OHで表されるポリアルキレングリコールと
をエステル結合させてえられる構造単位である請求項2
記載の薬物放出制御型製剤。 - 【請求項4】 前記共重合体の構造単位(I)を構成す
るHOOC−R−COOHで表される二塩基酸がテレフ
タル酸またはイソフタル酸であり、HO−R1 −OHで
表される大腸内で分解または資化される糖がセロビオー
スであって、構造単位(II)を構成するHOOC−R−
COOHで表される二塩基酸がテレフタル酸またはイソ
フタル酸であり、HO−R2 −OHで表されるポリアル
キレングリコールがポリテトラメチレングリコールまた
はポリプロピレングリコールである請求項3記載の薬物
放出制御型製剤。 - 【請求項5】 皮膜の厚さが5μm〜300μmである
請求項1、2、3または4記載の薬物放出制御型製剤。 - 【請求項6】 前記大腸内分解性高分子物質の引っ張り
破壊強さが、0.4kg/mm2 以上5.2kg/mm
2 以下である請求項1、2、3、4または5記載の薬物
放出制御型製剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27492494A JPH08133988A (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 薬物放出制御型製剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27492494A JPH08133988A (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 薬物放出制御型製剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08133988A true JPH08133988A (ja) | 1996-05-28 |
Family
ID=17548446
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27492494A Pending JPH08133988A (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 薬物放出制御型製剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08133988A (ja) |
-
1994
- 1994-11-09 JP JP27492494A patent/JPH08133988A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4917726B2 (ja) | ポリマー混合物および活性化合物からなる徐放用医薬製剤 | |
ES2899701T3 (es) | Copolímeros multibloques termoplásticos, con separación de fases, semicristalinos, biodegradables para liberación controlada de compuestos biológicamente activos | |
CN103338756B (zh) | 药物剂型 | |
KR0148704B1 (ko) | 생체분해성 약물전달용 고분자 | |
TWI246516B (en) | Biodegradable hyaluronic acid derivative, biodegradable polymeric micelle composition, and pharmaceutical or bioactive composition containing the micelle composition | |
EP0542299B1 (en) | Ester linkage containing polymers for use in pharmaceutical preparations | |
JPH0825909B2 (ja) | 生物分解可能なポリ〔(ヒドロキシアルキル)アミノジカルボン酸〕誘導体 | |
EP3023110B1 (en) | Solution for spray drying comprising hypromellose acetate succinate and method for producing solid dispersion | |
JPS6281402A (ja) | セルロ−スエ−テル酸性ジカルボン酸エステルの製造方法 | |
JPH08157392A (ja) | 放出制御型製剤 | |
US20240082168A1 (en) | Controlled drug release formulation | |
JPH08133987A (ja) | 薬物放出制御製剤 | |
JPH08133988A (ja) | 薬物放出制御型製剤 | |
WO1996004014A1 (fr) | Preparation de medicament a liberation lente | |
JPH0840941A (ja) | 炎症性腸疾患治療製剤 | |
JPH0840942A (ja) | 薬物放出制御製剤 | |
JP3167158B2 (ja) | 製剤用コーティング剤 | |
AU671651B2 (en) | A drug delivery device and a method of making such device | |
JPH0881393A (ja) | コーティング剤用組成物 | |
US20220241194A1 (en) | Crosslinkable hydrogel compositions | |
WO1997034580A1 (en) | Suppository composition of the drug which has gastro-intestinal disturbances or undergoes the decomposition by gastric acid | |
JP3167156B2 (ja) | 製剤用補助剤 | |
JPH09502752A (ja) | デキストランエステル、その製造方法および医薬を被覆または埋め込むためのその使用法 | |
WO2023282247A1 (ja) | 組織形成剤 | |
Chaurasia et al. | Synthetic polymers as biomaterials for the treatment of colon diseases |