JPH084037B2 - 蛍光体ペースト - Google Patents
蛍光体ペーストInfo
- Publication number
- JPH084037B2 JPH084037B2 JP63227400A JP22740088A JPH084037B2 JP H084037 B2 JPH084037 B2 JP H084037B2 JP 63227400 A JP63227400 A JP 63227400A JP 22740088 A JP22740088 A JP 22740088A JP H084037 B2 JPH084037 B2 JP H084037B2
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- JP
- Japan
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- phosphor
- rhodamine
- phosphor powder
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- light
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- Luminescent Compositions (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、エレクトロルミネツセント素子における蛍
光体層として用いられる蛍光体ペーストに関するもので
ある。
光体層として用いられる蛍光体ペーストに関するもので
ある。
[従来の技術] エレクトロルミネツセント素子は、透明電極と対向電
極との間に蛍光体層と誘電体層とからなる発光層を介装
し、該透明電極と対向電極との間に交流電場を印加する
ことによつて、発光層を発光させるようにしたものであ
つて、液晶表示素子のバツクライトや、文字の照光のよ
うな所定の対象物の照明用等として利用されている。
極との間に蛍光体層と誘電体層とからなる発光層を介装
し、該透明電極と対向電極との間に交流電場を印加する
ことによつて、発光層を発光させるようにしたものであ
つて、液晶表示素子のバツクライトや、文字の照光のよ
うな所定の対象物の照明用等として利用されている。
かかるエレクトロルミネツセント素子の発光色は、蛍
光体層を形成する蛍光体粉末の物性によつて決定される
ものであつて、例えば、代表的なエレクトロルミネツセ
ント素子として知られるZnS,Cu,Cl系の蛍光体粉末を用
いると、ブルーグリーンに発光することになる。このよ
うに、エレクトロルミネツセント素子の発光色は、用い
られる蛍光体粉末の物性により決定されるものである
が、使用目的等に応じてエレクトロルミネツセント素子
に要求される発光色も多様化しており、とりわけ白色発
光するエレクトロルミネツセント素子に対する要請は大
きい。
光体層を形成する蛍光体粉末の物性によつて決定される
ものであつて、例えば、代表的なエレクトロルミネツセ
ント素子として知られるZnS,Cu,Cl系の蛍光体粉末を用
いると、ブルーグリーンに発光することになる。このよ
うに、エレクトロルミネツセント素子の発光色は、用い
られる蛍光体粉末の物性により決定されるものである
が、使用目的等に応じてエレクトロルミネツセント素子
に要求される発光色も多様化しており、とりわけ白色発
光するエレクトロルミネツセント素子に対する要請は大
きい。
そこで、前述したZnS,Cu,Cl系の蛍光体粉末を用い
て、白色発光さ るようにしたエレクトロルミネツセン
ト素子は従来から知られている。
て、白色発光さ るようにしたエレクトロルミネツセン
ト素子は従来から知られている。
第3図に、従来技術によるこの種の白色発光型のエレ
クトロルミネツセント素子の構造を示す。図中におい
て、1は透明電極、2は対向電極をそれぞれ示し、透明
電極1は例えばポリエステルフイルムと酸化インジウム
とから構成され、また対向電極2はアルミニウム箔等か
ら構成されている。これら電極1,2間には、蛍光体粉末
3と蛍光染料4とをバインダ樹脂5に分散させることに
よつて形成される蛍光体層6と、酸化チタン,チタン酸
バリウム等からなるセラミツク誘電体粉末と高誘電率バ
インダ樹脂との混合物等からなる誘電体層7とが、蛍光
体層6を透明電極1側となるようにして、誘電体層7を
対向電極2側に配設した状態にして介装されるようにな
つている。
クトロルミネツセント素子の構造を示す。図中におい
て、1は透明電極、2は対向電極をそれぞれ示し、透明
電極1は例えばポリエステルフイルムと酸化インジウム
とから構成され、また対向電極2はアルミニウム箔等か
ら構成されている。これら電極1,2間には、蛍光体粉末
3と蛍光染料4とをバインダ樹脂5に分散させることに
よつて形成される蛍光体層6と、酸化チタン,チタン酸
バリウム等からなるセラミツク誘電体粉末と高誘電率バ
インダ樹脂との混合物等からなる誘電体層7とが、蛍光
体層6を透明電極1側となるようにして、誘電体層7を
対向電極2側に配設した状態にして介装されるようにな
つている。
ここで、前述した蛍光体層6は、硫化亜鉛ZnSに、銅C
u,塩素Cl等をドープしてなるブルーグリーンに発光する
蛍光体粉末と、光を受けたときに、このブルーグリーン
に対して補色となる赤色に発光する赤色蛍光染料、即ち
ローダミン6Gと、高誘電率を有するシアノエチル化樹脂
等のバインダ樹脂とを、アセトン等の溶媒に混合して蛍
光体ペーストを得た後に、この蛍光体ペーストを透明電
極1または誘電体層7の上に塗布・乾燥することによつ
て形成されるものである。
u,塩素Cl等をドープしてなるブルーグリーンに発光する
蛍光体粉末と、光を受けたときに、このブルーグリーン
に対して補色となる赤色に発光する赤色蛍光染料、即ち
ローダミン6Gと、高誘電率を有するシアノエチル化樹脂
等のバインダ樹脂とを、アセトン等の溶媒に混合して蛍
光体ペーストを得た後に、この蛍光体ペーストを透明電
極1または誘電体層7の上に塗布・乾燥することによつ
て形成されるものである。
前述のように構成したエレクトロルミネツセント素子
において、透明電極1と対向電極2との間に所定の交流
電場を印加したときに、その間に介装した蛍光体層6の
蛍光体粉末3が発光することになるが、この蛍光体粉末
3から発生する光はブルーグリーンの色調である。然る
に、この光は、蛍光体層6を通過する際に、バインダ樹
脂5に分散された蛍光染料4が蛍光体粉末3からの光に
励起されて、発光せしめられることになり、この蛍光染
料4からの光は、蛍光体粉末3におけるブルーグリーン
の光に対して補色となる赤色であるために、透明電極1
を透過する光は白色となる。
において、透明電極1と対向電極2との間に所定の交流
電場を印加したときに、その間に介装した蛍光体層6の
蛍光体粉末3が発光することになるが、この蛍光体粉末
3から発生する光はブルーグリーンの色調である。然る
に、この光は、蛍光体層6を通過する際に、バインダ樹
脂5に分散された蛍光染料4が蛍光体粉末3からの光に
励起されて、発光せしめられることになり、この蛍光染
料4からの光は、蛍光体粉末3におけるブルーグリーン
の光に対して補色となる赤色であるために、透明電極1
を透過する光は白色となる。
[発明が解決しようとする問題点] ところで、ZnS,Cu,Cl系の蛍光体粉末において、その
寿命はCuの含有量によつて変化するものであつて、エレ
クトロルミネツセント素子として長寿命化を図るために
は、ある程度Cuの含有量を多くする必要がある。ところ
が、このようにCu含有量を多くすると、蛍光体粉末の発
光色はグリーンの色調が強まるようになる。
寿命はCuの含有量によつて変化するものであつて、エレ
クトロルミネツセント素子として長寿命化を図るために
は、ある程度Cuの含有量を多くする必要がある。ところ
が、このようにCu含有量を多くすると、蛍光体粉末の発
光色はグリーンの色調が強まるようになる。
即ち、第4図(a)に示したように、波長のピークが
495nmで、ブルーグリーンに発光する蛍光体粉末にロー
ダミン6Gからなる染料組成物を加えた場合には、同図
(b)に示したように、波長が470nmと565nmのピークを
有するようになり、白色発光させることができるように
なるが、長寿命化を図るためにCu成分を多くした場合に
は、第5図(a)に示したように、波長のピークが500n
mにシフトすることになり、これにローダミン6Gからな
る染料組成物を用いたとしても、同図(b)に示すよう
に、480nmと565nmとに波長のピークを有する発光色とな
り、その色調が白色ではなく、黄味がかつた緑色を呈す
るようになつてしまうことになるという不都合が生じ
る。
495nmで、ブルーグリーンに発光する蛍光体粉末にロー
ダミン6Gからなる染料組成物を加えた場合には、同図
(b)に示したように、波長が470nmと565nmのピークを
有するようになり、白色発光させることができるように
なるが、長寿命化を図るためにCu成分を多くした場合に
は、第5図(a)に示したように、波長のピークが500n
mにシフトすることになり、これにローダミン6Gからな
る染料組成物を用いたとしても、同図(b)に示すよう
に、480nmと565nmとに波長のピークを有する発光色とな
り、その色調が白色ではなく、黄味がかつた緑色を呈す
るようになつてしまうことになるという不都合が生じ
る。
ここで、第6図に示したCIE色度図に基づいて説明す
れば、ポイントAに示したように、ブルーグリーンに発
光する蛍光体粉末におけるCu含有量を増やすと、ポイン
トBで示したように、色調が緑色を帯びることになり、
y軸方向の位置が高くなる。一方、ローダミン6Gは色度
をx軸方向に高くなるようにシフトさせる働きを持つて
いるが、y軸方向へのシフトは殆ど生じない性質を有す
るものである。従つて、Cu含有量を増やしたときにおい
て、たとえローダミン6Gの量を調整したとしても、ポイ
ントCで示したように、それだけでは黄味緑色を呈する
のを防止することはできないことになる。
れば、ポイントAに示したように、ブルーグリーンに発
光する蛍光体粉末におけるCu含有量を増やすと、ポイン
トBで示したように、色調が緑色を帯びることになり、
y軸方向の位置が高くなる。一方、ローダミン6Gは色度
をx軸方向に高くなるようにシフトさせる働きを持つて
いるが、y軸方向へのシフトは殆ど生じない性質を有す
るものである。従つて、Cu含有量を増やしたときにおい
て、たとえローダミン6Gの量を調整したとしても、ポイ
ントCで示したように、それだけでは黄味緑色を呈する
のを防止することはできないことになる。
そこで、本願発明者は、前述した色度表のx軸方向に
おける位置が低くなるようなように補正することができ
る物質を探究したところ、前述したローダミン6Gによる
蛍光発色の色調調整機能を損なうことなく、有効にy軸
上の補正ができる物質として、ローダミンBを見い出し
て、本発明を完成するに至つた。
おける位置が低くなるようなように補正することができ
る物質を探究したところ、前述したローダミン6Gによる
蛍光発色の色調調整機能を損なうことなく、有効にy軸
上の補正ができる物質として、ローダミンBを見い出し
て、本発明を完成するに至つた。
而して、本発明の目的とするところは、ZnS,Cu,Cl系
の蛍光体粉末におけるCu成分をある程度多くして蛍光寿
命を長くするようになし、しかも白色に発光させること
ができるようにした蛍光体ペーストを提供することにあ
る。
の蛍光体粉末におけるCu成分をある程度多くして蛍光寿
命を長くするようになし、しかも白色に発光させること
ができるようにした蛍光体ペーストを提供することにあ
る。
[問題点を解決するための手段] 前述した目的を達成するために、本発明は、蛍光体粉
末としてZnS,Cu,Cl系のものを用い、また染料組成物と
してローダミン6GとローダミンBとを含むものを用い、
蛍光体粉末におけるCuの含有量を多くすると共に、これ
に応じて染料組成物にローダミンBの含有量を多くする
ことによつて、発光色が白色となるようにしたことをそ
の特徴とするものである。
末としてZnS,Cu,Cl系のものを用い、また染料組成物と
してローダミン6GとローダミンBとを含むものを用い、
蛍光体粉末におけるCuの含有量を多くすると共に、これ
に応じて染料組成物にローダミンBの含有量を多くする
ことによつて、発光色が白色となるようにしたことをそ
の特徴とするものである。
[作用] このように、ローダミン6GとローダミンBとの混合比
を適宜設定することによつて、たとえ蛍光体粉末におけ
るCuの含有量を多くしたとしても、染料組成物の作用に
よつて、白色発光させることができるようになる。そし
て、このようにCuの含有量を増やすことによつて、蛍光
体粉末の長寿命化を図ることができるようになる。
を適宜設定することによつて、たとえ蛍光体粉末におけ
るCuの含有量を多くしたとしても、染料組成物の作用に
よつて、白色発光させることができるようになる。そし
て、このようにCuの含有量を増やすことによつて、蛍光
体粉末の長寿命化を図ることができるようになる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を第1図に基づいて詳細に説明
する。
する。
同図においては、本発明に係る蛍光体ペーストを用い
て製造したエレクトロルミネツセント素子の断面が示さ
れている。而して、前述した第3図に示したものと同一
または均等な部材は同一符号を付してその説明を省略す
るものとするに、本発明による蛍光体層10は、バインダ
樹脂11中には蛍光塗料を含ませてはおらず、蛍光体粉末
12の表面に蛍光染料層13を形成するようにしている。こ
こで、蛍光体粉末12は、前述した従来技術のものと同
様、塩化亜鉛ZnSに、銅Cu,塩素Cl等をドープしてなるも
のであるが、長寿命化を図るために、通常のブルーグリ
ーンに発光するものよりCuの成分を多くしており、この
結果、該蛍光体粉末12自体としては、その発光色は緑色
の色度が高いものとなつている。
て製造したエレクトロルミネツセント素子の断面が示さ
れている。而して、前述した第3図に示したものと同一
または均等な部材は同一符号を付してその説明を省略す
るものとするに、本発明による蛍光体層10は、バインダ
樹脂11中には蛍光塗料を含ませてはおらず、蛍光体粉末
12の表面に蛍光染料層13を形成するようにしている。こ
こで、蛍光体粉末12は、前述した従来技術のものと同
様、塩化亜鉛ZnSに、銅Cu,塩素Cl等をドープしてなるも
のであるが、長寿命化を図るために、通常のブルーグリ
ーンに発光するものよりCuの成分を多くしており、この
結果、該蛍光体粉末12自体としては、その発光色は緑色
の色度が高いものとなつている。
一方、この蛍光体粉末12の表面に形成される蛍光染料
層13を構成する染料組成物は、ローダミン6Gとローダミ
ンBとを混合したものからなる。ここで、該蛍光染料層
13の主成分はローダミン6Gで、これに少量のローダミン
Bを加えることによつて、前述したように蛍光体粉末12
におけるCuの成分を多くしたことにより緑色の色度が増
したのを補正して、白色発光させるようにしている。
層13を構成する染料組成物は、ローダミン6Gとローダミ
ンBとを混合したものからなる。ここで、該蛍光染料層
13の主成分はローダミン6Gで、これに少量のローダミン
Bを加えることによつて、前述したように蛍光体粉末12
におけるCuの成分を多くしたことにより緑色の色度が増
したのを補正して、白色発光させるようにしている。
次に、このような蛍光体ペーストの製造する方法につ
いて説明する。
いて説明する。
まず、硫化亜鉛に、銅,塩素等をドープした蛍光体粉
末と、200重量部、ローダミン6Gを0.04重量部及びロー
ダミンB0.01重量部からなる蛍光染料とをこの蛍光染料
を溶解させる性質を持つた溶媒に均一に分散させる。こ
こで、この溶液としては、メタノールとアルコールとを
所望の割合で混合したものを用いることができる。そし
て、この溶液を加熱すると、溶媒が揮散して蛍光体粉末
の表面に着色層が形成される。
末と、200重量部、ローダミン6Gを0.04重量部及びロー
ダミンB0.01重量部からなる蛍光染料とをこの蛍光染料
を溶解させる性質を持つた溶媒に均一に分散させる。こ
こで、この溶液としては、メタノールとアルコールとを
所望の割合で混合したものを用いることができる。そし
て、この溶液を加熱すると、溶媒が揮散して蛍光体粉末
の表面に着色層が形成される。
このようにして得られた着色層13を形成した蛍光体粉
末12をシアノエチル化樹脂またはフツ素樹脂等からなる
バインダ樹脂に混合して、この蛍光体粉末12が均一に分
散した蛍光体ペーストを形成することができるようにな
る。ここで、このペーストの形成時に用いられる溶媒と
しては、着色層13を溶解させない性質のものを用いる必
要があり、例えば4ブチル・ラクトンはローダミン6Gに
対しては難溶解性を有するので好ましい。しかしなが
ら、この4ブチル・ラクトンはローダミンBを溶解させ
る性質を有するが、このローダミンBの成分は少ないの
で、かかる溶媒を用いても、格別問題となることはな
い。
末12をシアノエチル化樹脂またはフツ素樹脂等からなる
バインダ樹脂に混合して、この蛍光体粉末12が均一に分
散した蛍光体ペーストを形成することができるようにな
る。ここで、このペーストの形成時に用いられる溶媒と
しては、着色層13を溶解させない性質のものを用いる必
要があり、例えば4ブチル・ラクトンはローダミン6Gに
対しては難溶解性を有するので好ましい。しかしなが
ら、この4ブチル・ラクトンはローダミンBを溶解させ
る性質を有するが、このローダミンBの成分は少ないの
で、かかる溶媒を用いても、格別問題となることはな
い。
前述のようにして形成した蛍光体ペーストは、透明電
極1または誘電体層7上に塗布して、その溶媒を十分に
揮散させることによつて、これに基づいてエレクトロル
ミネツセント素子の蛍光体層10を形成することができ
る。
極1または誘電体層7上に塗布して、その溶媒を十分に
揮散させることによつて、これに基づいてエレクトロル
ミネツセント素子の蛍光体層10を形成することができ
る。
前述のようにして形成したエレクトロルミネツセント
素子は、透明電極1と対向電極2との間に交流電場を印
加すると、その間に介装した蛍光体層10の蛍光体粉末12
が発光する。そして、このときに、該蛍光体層10の表面
に形成した着色層13が蛍光体粉末12からの光によつて励
起されて発光せしめられることになる。ここで、蛍光体
粉末12の発光スペクトルは、第2図(a)で示したよう
に、500nmにピークがあるが、この光が蛍光染料層13を
介することによつて、第2図(b)に示したように、48
0nmと585nmとの波長にピークを有るようになり、第6図
において色度がポイントDとなつて、白色発光が行われ
ることになる。
素子は、透明電極1と対向電極2との間に交流電場を印
加すると、その間に介装した蛍光体層10の蛍光体粉末12
が発光する。そして、このときに、該蛍光体層10の表面
に形成した着色層13が蛍光体粉末12からの光によつて励
起されて発光せしめられることになる。ここで、蛍光体
粉末12の発光スペクトルは、第2図(a)で示したよう
に、500nmにピークがあるが、この光が蛍光染料層13を
介することによつて、第2図(b)に示したように、48
0nmと585nmとの波長にピークを有るようになり、第6図
において色度がポイントDとなつて、白色発光が行われ
ることになる。
しかも、蛍光体粉末12におけるCuの成分が多くなつて
いるので、エレクトロルミネツセント素子として長寿命
化を図ることができる。この点について、本願出願人に
よつて、ローダミンBを含まない蛍光染料を用いて白色
発光するようにした蛍光体層(換言すると、Cu成分の少
ない蛍光体粉末を用いたもの)と、ローダミン6Gとロー
ダミンBとを含む蛍光染料を用いて白色発光する蛍光体
層(即ち、Cu成分の多い蛍光体粉末を用いたもの)とを
比較実験した結果を第7図に示す。同図から明らかなよ
うに、本発明の蛍光体ペーストを用いた蛍光体層Iは従
来技術による蛍光体ペーストを用いた蛍光体層Pより遥
かに高い輝度を保持することが判る。
いるので、エレクトロルミネツセント素子として長寿命
化を図ることができる。この点について、本願出願人に
よつて、ローダミンBを含まない蛍光染料を用いて白色
発光するようにした蛍光体層(換言すると、Cu成分の少
ない蛍光体粉末を用いたもの)と、ローダミン6Gとロー
ダミンBとを含む蛍光染料を用いて白色発光する蛍光体
層(即ち、Cu成分の多い蛍光体粉末を用いたもの)とを
比較実験した結果を第7図に示す。同図から明らかなよ
うに、本発明の蛍光体ペーストを用いた蛍光体層Iは従
来技術による蛍光体ペーストを用いた蛍光体層Pより遥
かに高い輝度を保持することが判る。
なお、前述の実施例においては、蛍光体粉末の表面に
ローダミン6GとローダミンBとを含む蛍光染料による着
色層を形成するようにしたものを示したが、このように
構成すれば、蛍光体粉末の発光時に確実かつ均一に着色
層を励起発光させることができるようになり、この蛍光
染料の発光強さが均一となると共に、太陽光等の外光の
影響によつて色調が変化するようなことがなく、極めて
均質に白色発光するので好ましいが、蛍光染料をバイン
ダ樹脂に分散させるようにしても、外光等の影響がない
場所等において用いる場合には、その白色発光という目
的を達することはできる。
ローダミン6GとローダミンBとを含む蛍光染料による着
色層を形成するようにしたものを示したが、このように
構成すれば、蛍光体粉末の発光時に確実かつ均一に着色
層を励起発光させることができるようになり、この蛍光
染料の発光強さが均一となると共に、太陽光等の外光の
影響によつて色調が変化するようなことがなく、極めて
均質に白色発光するので好ましいが、蛍光染料をバイン
ダ樹脂に分散させるようにしても、外光等の影響がない
場所等において用いる場合には、その白色発光という目
的を達することはできる。
[発明の効果] 以上説明したように、ZnS,Cu,Cl系のブルーグリーン
に発光する蛍光体粉末にローダミン6GとローダミンBと
を含む染料組成物を加え、しかもこの蛍光体粉末におけ
るCuの含有量を多くすると共に、これに応じて染料組成
物にローダミンBの含有量を多くするようにしたので、
蛍光体粉末の寿命を長くすることができると共に、エレ
クトロルミネツセント素子における蛍光体層として構成
したときに、確実に白色発光させるようにすることがで
きるようになる。
に発光する蛍光体粉末にローダミン6GとローダミンBと
を含む染料組成物を加え、しかもこの蛍光体粉末におけ
るCuの含有量を多くすると共に、これに応じて染料組成
物にローダミンBの含有量を多くするようにしたので、
蛍光体粉末の寿命を長くすることができると共に、エレ
クトロルミネツセント素子における蛍光体層として構成
したときに、確実に白色発光させるようにすることがで
きるようになる。
第1図は本発明に係る蛍光体ペーストを用いて形成した
蛍光体層を有するエレクトロルミネツセント素子の断面
図、第2図(a)は本発明の蛍光体層における蛍光体粉
末の蛍光スペクトル、第2図(b)は本発明の蛍光体層
を用いたエレクトロルミネツセント素子の発光スペクト
ルをそれぞれ示す線図、第3図は従来技術による蛍光体
ペーストを用いたエレクトロルミネツセント素子の断面
図、第4図(a)は従来技術による蛍光体層における蛍
光体粉末の発光スペクトル、第4図(b)は従来技術の
蛍光体層を用いたエレクトロルミネツセント素子の発光
スペクトルをそれぞれ示す線図、第5図(a)は他の従
来技術による蛍光体層における蛍光体粉末の発光スペク
トル、第5図(b)は当該他の従来技術による蛍光体層
を用いたエレクトロルミネツセント素子の発光スペクト
ルをそれぞれ示す線図、第6図はCIE色度表を示す線
図、第7図は本発明による蛍光体ペーストを用いた蛍光
体層と、従来技術による蛍光体ペーストを用いた蛍光体
層との経時的な輝度の変化を示すグラフである。 1:透明電極、2:対向電極、7:誘電体層、10:蛍光体層、1
1:バインダ樹脂、12:蛍光体粉末、13:蛍光染料。
蛍光体層を有するエレクトロルミネツセント素子の断面
図、第2図(a)は本発明の蛍光体層における蛍光体粉
末の蛍光スペクトル、第2図(b)は本発明の蛍光体層
を用いたエレクトロルミネツセント素子の発光スペクト
ルをそれぞれ示す線図、第3図は従来技術による蛍光体
ペーストを用いたエレクトロルミネツセント素子の断面
図、第4図(a)は従来技術による蛍光体層における蛍
光体粉末の発光スペクトル、第4図(b)は従来技術の
蛍光体層を用いたエレクトロルミネツセント素子の発光
スペクトルをそれぞれ示す線図、第5図(a)は他の従
来技術による蛍光体層における蛍光体粉末の発光スペク
トル、第5図(b)は当該他の従来技術による蛍光体層
を用いたエレクトロルミネツセント素子の発光スペクト
ルをそれぞれ示す線図、第6図はCIE色度表を示す線
図、第7図は本発明による蛍光体ペーストを用いた蛍光
体層と、従来技術による蛍光体ペーストを用いた蛍光体
層との経時的な輝度の変化を示すグラフである。 1:透明電極、2:対向電極、7:誘電体層、10:蛍光体層、1
1:バインダ樹脂、12:蛍光体粉末、13:蛍光染料。
Claims (1)
- 【請求項1】蛍光体粉末と、染料組成物と、バインダ樹
脂とからなり、エレクトロルミネツセント素子の蛍光体
層を構成するものにおいて、前記蛍光体粉末としてZnS,
Cu,Cl系のものを用い、また前記染料組成物としてロー
ダミン6GとローダミンBとを含むものを用い、前記蛍光
体粉末におけるCuの含有量を多くすると共に、これに応
じて染料組成物にローダミンBの含有量を多くすること
によつて、発光色が白色となるようにしたことを特徴と
する蛍光体ペースト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63227400A JPH084037B2 (ja) | 1988-09-13 | 1988-09-13 | 蛍光体ペースト |
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