JPH0840235A - ブレーキアクチュエータ、及びブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキアクチュエータ、及びブレーキ液圧制御装置

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JPH0840235A
JPH0840235A JP18010594A JP18010594A JPH0840235A JP H0840235 A JPH0840235 A JP H0840235A JP 18010594 A JP18010594 A JP 18010594A JP 18010594 A JP18010594 A JP 18010594A JP H0840235 A JPH0840235 A JP H0840235A
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JP
Japan
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pressure
piezoelectric pump
wheel cylinder
brake
valve
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JP18010594A
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Iwane Inokuchi
岩根 井之口
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧電ポンプを用いてブレーキ液圧を制御する
装置を構成する場合、構成部品数の低減ができ、アクチ
ュエータの小型化と低コスト化を図る。 【構成】 ブレーキ操作に応じて液圧を発生するマスタ
ーシリンダ(M/C)2と、各車輪に対してそれぞれ制
動力を発生させるホイールシリンダ(W/C)3と、M
/CからW/Cへ作動液を加圧する圧電ポンプ機構80
と、W/CからM/Cへ作動液を加圧する圧電ポンプ機
構70とを有し、かつ、圧電ポンプの加圧ピストン3
3,43がW/CとM/Cの接続を断続する弁作用を有
するよう構成する。圧電ポンプの加圧ピストンにかよう
に弁作用を持たせるようにしたため、構成部品数を低減
でき、油圧アクチュエータの小型化と低コスト化が図れ
る。電磁弁を使用した場合より、きめ細かな制御が可能
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブレーキ液圧制御装置
に関するものであり、特に車両の車輪を回転制動するブ
レーキ液圧を、例えば車輪の制動ロックが生じないよう
に制御したり、ホイールスピンが生じないように制御し
たりする等の目的で用いる場合に好適な、アクチュエー
タの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両のブレーキ液圧を制御するブ
レーキ制御装置として、例えば特開昭61−18175
2号公報に記載の如くに圧電ポンプをブレーキ液圧系の
各輪ごとのチャンネルに設ける車両の制動制御装置が知
られている。圧電ポンプは、振動電圧(交流電圧)信号
によって収縮する圧電素子を用いて構成してある。
【0003】このものでは、ホイールシリンダに対する
液圧路を開閉する切り換え弁(電磁弁)が設けられ、こ
れがこの圧電ポンプと組み合わされる。制御部(EC
U)による制御は、それぞれ、各系統ごとその切り換え
弁と圧電ポンプとに対して独立に行われ、アンチスキッ
ド(ABS)制御の減圧制御時は、切り換え弁でホイー
ルシリンダとマスターシリンダの接続を断ち、圧電ポン
プでホイールシリンダに充填されたブレーキ液をマスタ
ーシリンダ側に汲み上げる構成となっている。
【0004】また、同公報には、圧電ポンプのチェック
弁の向きを逆にしてトラクションコントロールシステム
(TCS)用の増圧ポンプとして使用する点についての
記述もみられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかして、上述のよう
な技術のものにあっては、例えばABSとTCSの機能
を統合したユニットを構成しようとすると、それだけ構
成部品数等が増え、アクチュエータは全体的に大型化
し、コストもかさむものとなる。
【0006】図4及び図5は、後記でも参照する考察図
であるが、切り換え弁と圧電ポンプとによるアクチュエ
ータ構成に従うものを単に組み合わせることで、上記の
各機能を有する構成のものと実現しようとする場合の様
子を示すものである。図4中、15は切り換え弁、17
は圧電プランジャ、18,18はチェック弁で、ABS
減圧制御用ポンプはこの圧電プランジャ、チェック弁に
よる圧電ポンプで構成され、図4の場合では、これら切
り換え弁15及びその圧電ポンプの1組が、ブレーキぺ
ダル1によりマスターシリンダ圧を発生させるマスター
シリンダ2−車輪のホイールシリンダ3間に介挿され
る。
【0007】これに対し、ABSとTCSとの2つの機
能を統合しようする場合、次のようなものが考えられ
る。これは、上記のものの組み合わせであり、図5に示
すような構成となる。即ち、図示の如くに、圧電ポンプ
のチェック弁の向きを逆にする態様でTCS用の増圧ポ
ンプを設けるよう、圧電プランジャ27及びチェック弁
28,28、切り換え弁25を更に付加した構成とな
り、この構成だと、1輪当たりで圧電ポンプと切り換え
弁が2つずつ必要になり、構成部品数が多くなる。かつ
また、アクチュエータは、それだけ大型化してしまい、
コストもかかることになる。
【0008】本発明は、上述のような考察に基づきなさ
れたもので、圧電ポンプを用いてブレーキ液圧の制御を
する装置を実現する場合に好適で、構成部品数の低減が
可能で、アクチュエータの小型化、低コスト化等を適切
に図ることができるようにしようというものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によって、下記の
ブレーキアクチュエータ、ブレーキ液圧制御装置が提供
される。即ち、ブレーキ操作力対応圧を発生可能な液圧
発生源と車輪のホイールシリンダとの間に配されるアク
チュエータであって、作動液を加減圧する圧電ポンプ機
構を備えるとともに、そのポンプのピストンが前記ホイ
ールシリンダと液圧発生源の接続を断続する弁作用を有
するよう構成されてなることを特徴とするブレーキアク
チュエータである。
【0010】また、ブレーキ操作力対応圧を発生可能な
液圧発生源と、車両の車輪に対してそれぞれ制動力を発
生させるホイールシリンダと、前記ホイールシリンダへ
作動液を加圧する第1の圧電ポンプ機構と、ホイールシ
リンダの作動液を減圧する第2の圧電ポンプ機構とを有
するとともに、圧電ポンプのピストンがホイールシリン
ダと前記液圧発生源の接続を断続する弁作用を有するよ
う構成してなることを特徴とするブレーキ液圧制御装置
である。
【0011】また、上記において、ピストンが前記弁作
用を有する圧電ポンプ機構に対し、ポンプ作用を行わせ
るよう駆動信号を供給することと、弁作用を行わせるよ
う一定信号を供給することとを、選択的に切換え制御す
る手段を備えることを特徴とするブレーキ液圧制御装置
である。
【0012】また、前記第1の圧電ポンプ機構は、ホイ
ールシリンダ圧を増圧する方向のみに作用するよう二つ
のチェック弁を含んで構成されるとともに、それらチェ
ック弁の間において前記弁作用を有するピストンの弁部
が構成され、前記第2の圧電ポンプ機構は、ホイールシ
リンダ圧を減圧する方向のみに作用するよう二つのチェ
ック弁を含んで構成されるとともに、それらチェック弁
の間において前記弁作用を有するピストンの弁部が構成
され、当該第1及び第2の圧電ポンプ機構が、一体的ユ
ニットを構成するようハウジングに組み込まれてなるこ
とを特徴とするブレーキ液圧制御装置である。
【0013】
【作用】上記した構成により、圧電ポンプを用いてブレ
ーキ液圧を制御する装置を実現する場合に、圧電ポンプ
の加圧ピストンにホイールシリンダと液圧発生源の接続
を断続する弁作用をも持たせることが可能で、このた
め、構成部品数を低減でき、アクチュエータの小型化と
低コスト化を図ることを可能にする。
【0014】また、かかるブレーキアクチュエータを用
い、ブレーキ操作力対応圧を発生可能な液圧発生源と、
車両の車輪に対してそれぞれ制動力を発生させるホイー
ルシリンダと、ホイールシリンダへ作動液を加圧する第
1の圧電ポンプ機構と、ホイールシリンダの作動液を減
圧する第2の圧電ポンプ機構とを有するとともに、圧電
ポンプのピストンがホイールシリンダと前記液圧発生源
の接続を断続する弁作用を有するよう構成して、ブレー
キ液圧制御装置を構成でき、同様に上記のことを実現す
ることを可能ならしめるとともに、電磁弁を使用した場
合より、きめ細かな制御が可能となる。
【0015】また、ピストンが前記弁作用を有する圧電
ポンプ機構に対し、ポンプ作用を行わせるよう駆動信号
を供給することと、弁作用を行わせるよう一定信号を供
給することとを、選択的に切換え制御することで、別個
に電磁弁に制御信号を供給する場合に比し、配線等でも
簡易なものとし得て、同様に上記のことを実現すること
を可能ならしめる。
【0016】また、前記第1の圧電ポンプ機構は、ホイ
ールシリンダ圧を増圧する方向のみに作用するよう二つ
のチェック弁を含んで構成されるとともに、それらチェ
ック弁の間において前記弁作用を有するピストンの弁部
が構成され、前記第2の圧電ポンプ機構は、ホイールシ
リンダ圧を減圧する方向のみに作用するよう二つのチェ
ック弁を含んで構成されるとともに、それらチェック弁
の間において前記弁作用を有するピストンの弁部が構成
され、当該第1及び第2の圧電ポンプ機構が、一体的ユ
ニットを構成するようハウジングに組み込まれてなるブ
レーキ液圧制御装置を提供し得、同様に上記のことを実
現することを可能ならしめる。特に、ABS−TCS一
体ユニットを構成する場合に好適で、その場合の構成部
品数の削減に大なる効果を発揮する。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は、本発明装置の一実施例で、図では車両の1
個の車輪に係わるブレーキ液圧制御系のみを示す。これ
は、説明を分かりやすくするためであって、従って、例
えば4チャンネル(CH)4センサ式のアンチスキッド
システムなら、車両の他の3輪(他のチャンネル)につ
いても、本実施例に従い同様のアクチュエータ構成のブ
レーキ圧制御系が存在する。
【0018】図中、1はブレーキぺダル、2はマスター
シリンダ(M/C)、3は車輪のホイールシリンダ(W
/C)をそれぞれ示す。マスターシリンダ2からホイー
ルシリンダ3へ至るブレーキ液圧(油圧)系は、ここで
は、次のように構成されている。
【0019】ブレーキぺダル1の操作力に応じて液圧
(油圧)を発生するマスターシリンダ2の出力ポート
は、車輪のホイールシリンダ3に係るブレーキ液圧系に
接続するが、かかる系において、マスターシリンダ2か
らの液路401(配管油路)は、アクチュエータハウジ
ング60に接続し、該アクチュエータハウジング60か
らは液路402によりホイールシリンダ3に接続するも
のとする。マスターシリンダ2は、ブレーキぺダル1の
踏み込みによるブレーキ操作に連動して、そのブレーキ
ぺダル踏力に応じたマスターシリンダ圧Pmを出力し、
各輪に配設のホイールシリンダ3はこのマスターシリン
ダ圧が当該アクチュエータ(油圧アクチュエータ)を通
してそのままホイールシリンダ圧Pwとして供給される
とき、かかるブレーキ液圧によって作動され、該液圧に
応じた制動力をそれぞれ対応車輪に生起させて、車輪個
々を制動することができる。
【0020】図示構造例のアクチュエータは、マスター
シリンダ2とホイールシリンダ3の間に、2つの圧電ポ
ンプが構成されるアクチュエータ(ポンプユニット)で
ある。アクチュエータハウジング60は、ここでは、具
体的にはポンプハウジングを構成する。
【0021】ハウジング60には、マスターシリンダ側
液路301に接続のポート61と、ホイールシリンダ側
液路302に接続のポート62を設ける。更に、ポート
61につながるとともに、ハウジング内で2つに分岐す
る液路65及び液路66と、同様に、ポート61につな
がって内部で2つに分岐する液路67及び液路68とを
形成する。
【0022】ハウジング61に組み込まれる各圧電ポン
プは、ここでは、例えば、それぞれ、後述の如き態様で
その供給電圧の制御がされる圧電素子、該圧電素子の駆
動により変位するピストン(加圧ピストン)、該ピスト
ンにスプリング力を作用させるリタンスプリング、及び
2つチェック弁等を構成要素とするものである。ここ
に、図中、18a,18b並びに28a,28bがチェ
ック弁を、31並びに41がリタンスプリングを、33
並びに43が加圧ピストンを、及び36並びに46が圧
電素子を、それぞれ示しており、これらを図示の如くに
配置、組み付け、装置してある。
【0023】圧電ポンプの一つは、参照符号70を付し
て示す圧電ポンプ機構であり、圧電素子36、加圧ピス
トン33、リタンスプリング31、及びチェック弁18
a,18bにより構成され、ホイールシリンダ圧を減圧
する方向のみに作用する(減圧用ポンプ)。また、圧電
ポンプの他の一つは、参照符号80を付して示す圧電ポ
ンプ機構であり、圧電素子46、加圧ピストン43、リ
タンスプリング41、及びチェック弁28a,28bに
より構成され、ホイールシリンダ圧を増圧する方向のみ
に作用する(増圧用ポンプ)。
【0024】これら2組の圧電ポンプ機構の構成は、基
本的に同様のものである。圧電ポンプ機構70側を例に
採って述べると、圧電ポンプ機構70において、圧電プ
ランジャは、圧電素子36を含んで構成され、その圧電
素子部分自体としては、例えば、複数枚の圧電素子を使
用して作動液の汲み上げを行うことのできる前掲文献に
記載のポンプ機構における積層型圧電素子の作動構造の
ものであってよい(同公報4頁左下欄13行〜同頁右下
欄8行、5頁右下欄6行〜6頁左上欄3行等)。
【0025】加圧ピストン33は、例えばそのような積
層型の圧電素子36の図中上下方向の伸縮に伴って図中
上下方向に移動可能(図2中、上下矢印参照)となるよ
うに、圧電素子36の図中上端部に設けてあるととも
に、該ピストン36は、これと対向するハウジングブロ
ック63の間に液室32(油室)を形成している。な
お、加圧ピストン33は、その外円周面にOリング34
を備えている。
【0026】リタンスプリング31は、ここでは、液室
32内に配して、圧電素子36の伸長によるピストン3
3の図中上方への変位と反対の図中下方の向き力を加え
るようしてあり、常態(圧電素子非通電時)では、ピス
トン33を図中下側へと下限位置まで押しつけている。
【0027】ホイールシリンダ側ポート62に接続の液
路67の方は、これを圧電ポンプ機構70のチェック弁
18a、上記液室32、チェック弁18bを介して、マ
スターシリンダ側ポート61に接続の液路65につなげ
てある。液室32は、2つのチェック弁18a,チェッ
ク弁18bの間にある。チェック弁18a,18bの向
きは、図示のように、チェック弁18a側では液室32
への作動油の流入は許容するが液室32からの流出は阻
止するような、かつチェック弁18bに側では液室32
からの作動油の流出は許容するが液室32への流入は阻
止するような方向性であって、液路67における圧(従
って、液路402におけるホイールシリンダ圧Pw)が
液室32側に抜けるよう、かつ液室32における圧が液
路65側に抜ける方向に配置してある。
【0028】室32は、一方のチェック弁18a(吸入
弁)より流入した作動油を他方のチェック弁18b(吐
出弁)より吐出させるポンプ室として作用する。室32
の容積を縮小するよう加圧ピストン33の進出により該
室32内の圧が高まると、チェック弁18bが開いて吐
出がなされ、次いで、該ピストン33の後退につれ室3
2内の圧が低下すると、チェック弁18bが閉じ、他
方、チェック弁18aが開いて室32内への流入が行わ
れ、この繰り返しにより、圧電ポンプ機構70は、ホイ
ールシリンダ3からマスターシリンダ側へ作動液を加圧
するポンプ機構として機能し、ホイールシリンダ圧の減
圧をする(ポンプ作用)。
【0029】もう一方の圧電ポンプ機構80側も、上記
に準じた構造のものである。同様に、圧電ポンプ機構8
0の加圧ピストン44の外円周面にOリング44があ
り、また、図示のように、該ピストン44とハウジング
ブロック63の間にポンプ室となる液室42(油室)が
形成され、液室42内にリタンスプリング31が位置し
ている。
【0030】圧電ポンプ機構80側においては、マスタ
ーシリンダ側ポート61に接続の液路66の方を、チェ
ック弁28a、上記液室42、チェック弁28bを介し
て、ホイールシリンダ側ポート62に接続の液路68に
つなげてある。液室42は、2つのチェック弁28a,
チェック弁28bの間にある。この場合、チェック弁2
8a,28bの向きは、図示のように、チェック弁28
a側では液室42への作動油の流入は許容するがその逆
の液室42からの流出は阻止するような、かつチェック
弁28bに側では液室42からの作動油の流出は許容す
るがその逆の液室32への流入は阻止するような方向性
である。即ち、液路66における圧(従って、マスター
シリンダ側における圧)が液室42側に抜けるよう、か
つ液室42における圧が液路68側(従って、ホイール
シリンダ側)に抜ける方向に配置してある。
【0031】圧電ポンプ機構80においては、その圧電
素子46の伸縮駆動時、室42は、チェック弁28a
(吸入弁)よりの流入作動油をチェック弁28b(吐出
弁)より吐出させるポンプ室として作用し、室42の容
積を縮小するよう加圧ピストン43を進出(図中下方向
への移動)させると、これにより該室42内の圧が加圧
され、結果、チェック弁18bが開いてホイールシリン
ダ側への吐出がなされる。そして、次にピストン43の
後退(図中上方向への移動)につれ室42内の圧が減少
すると、チェック弁28bが閉じ、他方、チェック弁2
8aが開いて室42内へのマスターシリンダ側からの流
入が行われ、この繰り返しにより、圧電ポンプ機構80
は、マスターシリンダ2からホイールシリンダ側へ作動
液を加圧するポンプ機構として機能し、ホイールシリン
ダ圧の増圧をすることが可能である(ポンプ作用)。
【0032】本実施例においては、上記のような機構の
2つの圧電ポンプを、マスターシリンダ2とホイールシ
リンダ3間に互いに並列となるよう組み合わせてあると
ともに、更に、それぞれの加圧ピストン33,43がホ
イールシリンダ3とマスターシリンダ2の接続を断続す
る弁作用を有するよう構成する。ここでは、各加圧ピス
トン33,43の先端部分が弁体としても機能すること
となるよう、かつそれらと対向位置するハウジング部分
がピストン進出時において当該弁体の着座する弁座とな
るように(図2中、圧電ポンプ機構80側の状態参
照)、ピストン33,43、ハウジング60、ハウジン
グブロック63を形状、構造を設計してある。図中、そ
れぞれ符号35、及び符号45を付して示すものは、こ
うして形成される弁部(バルブ部)であり、加圧ピスト
ン33,43の弁部35,45は、それぞれマスターシ
リンダ2とホイールシリンダ3の接続を切るように構成
される。
【0033】具体的には、ここでは、圧電ポンプ機構8
0側にあっては、弁部45は、圧電素子46の非通電時
(常態)、その液室42部分と吐出弁であるそのチェッ
ク弁28b(ホイールシリンダ2側のチェック弁)の上
流部分とを所要の開口度で連通させており、その加圧ピ
ストン43はリタンススプリング41の作用でかかる弁
開状態となるよう後退方向に押しつけられているが、そ
のような状態から、その圧電素子46への所要の一定電
圧の印加で該ピストン43を進出し、及びその進出状態
を維持させれば、上記の連通を断て、結果、マスターシ
リンダ2及びホイールシリンダ3の間の接続を遮断する
ことができる(弁作用)。また、圧電ポンプ機構70側
にあっては、弁部35は、圧電素子36の非通電時(常
態)、吸入弁であるそのチェック弁18a(ホイールシ
リンダ2側のチェック弁)の下流部分とその液室32部
分とを所要の開口度で連通させており、その加圧ピスト
ン33はリタンススプリング31の作用でかかる弁開状
態となるよう後退方向に押しつけられているが、そのよ
うな状態から、その圧電素子36への所要の一定電圧の
印加で該ピストン33を進出し、及びその進出状態を維
持させれば、上記の連通を断て、結果、ホイールシリン
ダ3及びマスターシリンダ2の間の接続を遮断すること
ができる(弁作用)。いずれの場合も、その遮断は、一
定電圧の印加を解除し非通電状態(常態)とすれば、開
弁状態に戻すことができる(弁作用)。
【0034】マスターシリンダ2からホイールシリンダ
3へ作動液を加圧する圧電ポンプ機構80及びホイール
シリンダ3からマスターシリンダ2へ作動液を加圧する
圧電ポンプ機構70を有するブレーキ制御装置におい
て、そのポンプの加圧ピストンがホイールシリンダ3と
マスターシリンダ2の接続を断続する弁作用をも有する
上記構成のアクチュエータは、構成部品数の低減、使用
油圧アクチュエータの小型化、低コスト化を実現させ
る。
【0035】また、上記構成に従えば、弁部35及び弁
部45をともにその弁作用で同時的に閉弁するよう圧電
素子36,46への電圧供給制御をすることで必要なブ
レーキ液圧制御態様も容易に作りだすことも可能であ
る。このときは、圧電ポンプ機構80側のチェック弁2
8b−液路68−液路402−ホイールシリンダ2にわ
たる回路部分、及び液路67−圧電ポンプ機構70側の
チェック弁18aにわたる回路部分に(それぞれの液室
42,32部分を含まないで)、マスターシリンダ圧P
mによっても影響されずに、ブレーキ液圧Pwを適切に
封じ込められる(保持モード)。このような使い方など
もできる。
【0036】減増圧制御(または、保持をも含む制御)
によるABS液圧制御回路も、上述の構成のアクチュエ
ータをブレーキ液圧系に介挿することで簡単に実現可能
であり、1チャンネル当たり、上記弁作用をも加味した
2つ圧電ポンプ機構70,80をもって構成できる。上
記では一輪分の構成を説明したが、本実施例において
は、以上のような構成のアクチュエータが、各チャンネ
ルごとに備えられている。
【0037】各チャンネルのアクチュエータにおける圧
電素子36,46は、コントローラ500により制御す
る。ABS制御の場合なら、コントローラ500には、
車輪の車輪速を検出する車輪速センサ(図示せず)等か
らの信号を入力することができ(他のチャンネル側につ
いても同様とする)、コントローラ500は、入力情報
に基づき圧電素子36,46に対する制御を実行する。
具体的には、車速や各車輪の回転速度に基づいて車輪の
スキッド状態を検知して、圧電素子への通電を制御す
る。
【0038】コントローラ500は、例えば圧電ポンプ
機構70,80における2つの圧電素子のうちの該当す
る一方に対し正弦波電圧等の可変電圧を印加することに
よるポンプ作用と、その他方の圧電ポンプ機構のピスト
ンの弁作用のための一定電圧の印加制御等との組み合わ
せをもって、通電制御を実行することができる。本アク
チュエータは、このようにして使用することができる。
【0039】コントローラ500は、好ましくは、AB
S制御のほか、あるいはこれに代えて、他のブレーキ液
圧制御を実行する。他の制御としては、好ましくは、例
えば、車輪回転制動によって駆動輪のホイールスピンを
抑制するTCS制御、及び/又は例えば左右輪のブレー
キ力配分(制動力配分)を変えて行う車両挙動制御であ
る。この場合においても、コントローラ500は、上記
構成のアクチュエータをそのまま使用して、上述の組み
合わせによる通電制御で該当する必要な制御を実行させ
ることができる。上記TCS制御のみの場合は、車両の
駆動輪のブレーキ液圧系にのみ本アクチュエータが備え
られている構成であってよい。本アクチュエータは、そ
のようにしても使用することができる。
【0040】上記構成による本実施例装置において、通
常ブレーキ時は、ブレーキぺダル踏力に対応するブレー
キ力を車両の各車輪に与えられる。また、ABS制御の
場合は、各部の下記するような機能によるホイールシリ
ンダ圧の減圧、増圧の態様をもってブレーキ制御を実行
することができる。以下、通常時、及びABS制御での
減圧時、増圧時での本装置の作動について、更には、他
の制御例の場合も含めて、図2以下をも参照して、具体
的に説明する。
【0041】通常ブレーキ時(図1) 通常時、増圧用及び減圧用の各圧電ポンプ機構70,8
0の圧電素子33,43への通電はされておらず、その
加圧ピストン33,43は、それぞれリタンスプリング
31,41により図の如く押し戻されていて、それぞれ
加圧ピストン33,43の弁部35,45は開いている
(常態)。
【0042】よって、今、かかる状態において、ドライ
バーによりブレーキングのためブレーキペダル1が踏み
込まれれば、そのブレーキ操作に応じマスターシリンダ
2で発生したマスターシリンダ圧Pmは、液路401を
通し、各チャンネルごと、ハウジングポート61及び液
路66を通し、かつ、圧電ポンプ機構80側において弁
部45の開状態の下、そのチェック弁28a、液室4
2、チェック弁28bを介し、更に液路68及びハウジ
ングポート62を介し、液路402を通して、そのまま
各車輪のホイールシリンダ3に作用する。従って、ブレ
ーキ踏力に応じたホイールシリンダ圧Pwが得られ、各
車輪に対してそれぞれ制動力を発生させてブレーキがか
かる。
【0043】そして、ドライバーによるブレーキペダル
1の操作力が解除され、マスターシリンダ2の油圧が低
下するときは、ホイールシリンダ3のブレーキ液は、圧
電ポンプ機構70側における弁部35の開状態の下、液
路402→ハウジングポート62→圧電ポンプ機構70
側のチェック弁18a→同液室42→同チェック弁18
b→液路65→ハウジングポート61→液路401の経
路で戻る。このようにして、ブレーキペダル1を戻した
ときには、上記チェック弁18a,18bを含む経路を
介してブレーキ液をホイールシリンダ3からマスターシ
リンダ2へ戻すことができる。
【0044】通常ブレーキ時は、こうしてドライバーの
意思に対応する制動を行うことができる。一方、例えば
凍結路等の低μ路での制動時でコントローラ500によ
り車輪のスキッド状態が検知されるときは、ABS制御
の減圧、増圧によるブレーキ液圧制御がなされる。
【0045】ABS制御減圧時(図2,図3) このときは、次のような作動となる。今、上記したよう
なブレーキ液圧経路、即ちマスターシリンダ側液路40
1→ハウジングポート61→液路66→圧電ポンプ機構
80側のチェック弁28a→同液室42→同チェック弁
28b→液路68→ハウジングポート62→ホイールシ
リンダ側液路402なる経路で車輪にブレーキ力が働く
場合において、車輪速センサ等からの信号を入力とする
コントローラ500が車速や各車輪の回転速度に基づい
て車輪のスキッド状態を検知すると、スキッド状態にな
った該当車輪の減圧制御を開始する。これは、下記のよ
うにして行える。
【0046】ここに、図3をみると、そのタイミングチ
ャートのうちの左側部分は、ABS制御での減圧、増圧
によるスキッドサイクルの例を示すもので、同図(a)
は、圧電ポンプ機構80側の弁部45の状態と、加圧ピ
ストン43の変位の推移関係の様子の一例を、また
(b)は同じく圧電ポンプ機構70側での弁部35の状
態、及び加圧ピストン34の変位の推移関係の様子の一
例を、また(c)は、マスターシリンダ圧Pmとホイー
ルシリンダ圧Pwの変化の推移の関係の一例を、それぞ
れ示すものである。
【0047】ABS減圧制御では、コントローラ500
は、圧電ポンプ機構80側の圧電素子46に対しては一
定電圧を印加する。これにより、図2に示す如く、該ポ
ンプ機構80の加圧ピストン43を、図1の状態から図
2に示す状態の如くに進出させる。かくして、その弁部
45を該減圧制御中閉じて(図3(a))、このよう
に、このモードではポンプのピストン43を弁体として
有効に利用し、上記した経路でのマスターシリンダ2及
びホイールシリンダ3間の接続を断つよう、該弁部45
を閉状態に変え、既述のような弁作用でマスターシリン
ダ2からホイールシリンダ3への作動液の流入を遮断す
るものである。と同時に、この一方で、コントローラ5
00は、圧電ポンプ機構70(減圧用ポンプ)側の圧電
素子36に対して、例えば正弦波状の電圧を与えて、加
圧ピストン33を図2中上下の矢印の如くに駆動する
(図3(b))。かくて、その間、この圧電ポンプ機構
70側では、既述したポンプ作用をもって、ホイールシ
リンダ3のブレーキ液をマスターシリンダ側に汲み上げ
る。このようにしてブレーキ液を汲み上げることによっ
て、ホイールシリンダ3の圧力が減圧される(図3
(c))。
【0048】ここに、ホイールシリンダ3の圧力の減圧
速度は、上記圧電素子36に印加する電圧の周波数また
は振幅を変えることにより調整することができる。。ま
た、加圧ピストン33の駆動は、図3(b)に示したよ
うな正弦波状の連続的な運動によるものでなくてもよ
く、例えば、パルス状の間欠的な運動でもよい。この場
合は、単位時間当たりのパルス数を変えることにより減
圧速度を調整することができる。もっとも、それら周波
数、振幅、あるいはパルス数は、一定でもよい。
【0049】また、先に触れたように、ホイールシリン
ダ圧の保持モードを含めたい場合は、例えば上記のAB
S制御開始のタイミングで、前記の圧電ポンプ機構80
側の制御と同様の制御を実行すればよく、圧電ポンプ機
構70側の圧電素子36に対しても一定電圧を印加し、
その加圧ピストン33の弁部35を閉じれば、ホイール
シリンダ3内のブレーキ液圧はその時点でのマスターシ
リンダ圧に的確に維持される。しかして、かかる保圧に
もかかわらず、なおも車輪がロックしそうなら、その時
点から、上述の減圧制御を開始するようにしてもよい。
このように、本アクチュエータは、1スキッドサイクル
で減圧、増圧を行ういわゆる2モードABSでも、更に
それに保持モードを含む、いわゆる3モードABSで
も、そのまま、いずれにも用いることができ、多様な制
御に容易に応えられる。
【0050】ABS制御増圧時 このときは、次のような作動で、当該減圧ホイールシリ
ンダ圧の増圧制御が行われる。上記のようにして、図3
(c)の如くに該当チャンネルのホイールシリンダ3の
圧力の減圧により対応車輪の拘束力を弱めると、その車
輪の回転が回復する。充分にその回転が回復して、路面
と車輪のスリップ率が減少すると、コントローラ500
がこれを判断して増圧制御を開始する。
【0051】即ち、コントローラ500は、圧電ポンプ
機構70側の圧電素子36に対する正弦波駆動制御を停
止、従って図3(b)に示すように加圧ピストン33に
よるポンプ駆動を停止させる。これとともに、コントロ
ーラ500は、今度は、圧電ポンプ機構80(増圧用ポ
ンプ)側の圧電素子46に対する供給電圧制御をもっ
て、その加圧ピストン43の弁部(バルブ部)45を、
図2の閉弁状態から図3(a)にその変化の例を示す如
くにパルス状に開いて、弁作用を行わせる。こうして、
高圧のマスターシリンダ側から低圧のホイールシリンダ
3へブレーキ液を流し込むことにより、図3(c)に示
すように、ホイールシリンダ3の圧力をマスターシリン
ダ圧に向け増圧する。
【0052】ここに、かかる増圧制御においても、圧電
素子に対する印加電圧の制御で増圧の態様を調整可能
で、ホイールシリンダ3の圧力の増圧速度は、圧電素子
46に印加する電圧のパルス幅または単位時間当たりの
パルス数を変えることにより調整することができる。
【0053】以上のような減圧、及び増圧の繰り返しに
よってABS制御が行われ、車輪ロックが防止される。
【0054】コントローラ500の制御の下、ABS作
動時の該当するチャンネルにおける対応ホイールシリン
ダ圧の減増圧は、圧電ポンプの加圧ピストン33,43
に対応ホイールシリンダ3とマスターシリンダ2の接続
を切る弁作用を持たせた本アクチュエータをもって行わ
せることができ、小型、低コストのもので車輪ロック回
避のブレーキ液圧制御が実現でき、かつまた、電磁弁を
使用する場合より、きめの細かな制御も可能で、サージ
圧の発生も適切に抑制される。
【0055】ホイールシリンダ圧の増圧につき切り換え
弁(電磁弁)の間欠的な開閉制御で行う従来例では、ホ
イールシリンダ圧を増圧するときに電磁弁をパルス状に
開閉して階段状に圧力を変化させているが、この場合の
ものと比較しても、圧電素子は、電磁ソレノイドの約1
0倍の応答性を実現できるため、本実施例によれば、よ
りきめ細かな圧力制御が可能である。また、本実施例に
おいては、圧電素子は、印加電圧に略比例した変位(図
3参照)が得られるので、電圧変化を緩やかにすれば、
加圧ピストン33,43の弁部35,45の開口面積変
化を容易に緩和でき、階段状に圧力が変化する際に生じ
やすいサージ圧の発生を抑制することができる。
【0056】サージ圧の発生の抑制は、作動音の低減に
も寄与する。従来例のものでは、ホイールシリンダ圧を
増圧するときにその電圧弁を間欠的に開閉して、階段状
に圧力を変化させるため、サージ圧が発生してブレーキ
配管などを加振して作動音を発するという問題もあるの
に対し、本実施例では、従来構成によったとしたならホ
イールシリンダ圧を増圧するときにブレーキ配管などの
加振で作動音を発してしまうこととなる車両の場合にで
も、サージ圧の発生を抑制でき、作動音の低減を図るこ
ともできる。
【0057】マスターシリンダ圧以上に増圧する時 更に、本実施例においては、上記のようなABS作動時
の減増圧制御のほか、該当チャンネルのホイールシリン
ダ圧をマスターシリンダ2で与えられる圧力以上の圧と
する他の制御にも、本アクチュエータそのままで対応で
きる。即ち、急加速時に車輪のホイールスピンを防止す
るTCS制御や、積極的に左右輪のブレーキ力配分を変
えて車両の方向制御を行うときなどには、マスターシリ
ンダ2で与えられた圧力以上にホイールシリンダ圧を増
圧する場合があるが、これにも、容易に応えられる。
【0058】図3の右側部分のタイミングチャートは、
このような場合の本実施例アクチュエータの圧電ポンプ
機構80側の弁部45の状態と加圧ピストン43の変位
の推移関係の様子の一例(同図(a))、同じく圧電ポ
ンプ機構70側での弁部35の状態と加圧ピストン33
の変位の推移関係の様子の一例(同(b))、及びホイ
ールシリンダ圧Pwの変化の推移の関係の一例(同
(c))を示している。ただし、TCS制御時はマスタ
ーシリンダ圧は大気圧となる。
【0059】これら他の制御の場合には、次のようにし
てアクチュエータを使用する。例えば、図1の状態か
ら、圧電ポンプ機構70側の圧電素子36に一定電圧を
印加して、加圧ピストン33の弁部35を閉じて(図3
(b))、ホイールシリンダ3側からマスターシリンダ
2への作動液の流入を遮断できるようにする。同時に、
圧電ポンプ機構80側の圧電素子46に正弦波状の電圧
を与えて、図3(a)に示すようにして加圧ピストン4
3を駆動し、マスターシリンダ側のブレーキ液をホイー
ルシリンダ12に汲み上げる。このようにすると、ホイ
ールシリンダ3の圧力が増圧される(同図(c))。こ
うして、ホイールシリンダ圧をマスターシリンダ圧以上
に増圧することもできる。
【0060】ホイールシリンダ3の圧力の増圧速度は、
この場合も、コントローラ500から圧電素子46に印
加する電圧の周波数または振幅を変えることにより調整
することができる。また、加圧ピストン43の駆動は、
図3に示したような正弦波状の連続的な運動でなく、パ
ルス状の間欠的な運動でもよい。この場合は、単位時間
当たりのパルス数を変えることにより増圧速度を調整す
ることができるものである。
【0061】なお、上記のようにして増圧が行われたホ
イールシリンダ圧の減圧制御についても、前述のABS
増圧制御の場合に準じて行うことができ、圧電ポンプ機
構70側の圧電素子36に対しパルス状の電圧を与えて
増圧されたホイールシリンダ3の圧力を低圧のマスター
シリンダ側に開放して減圧を実行させばよく、また、そ
の場合、減圧速度を印加電圧のパルス幅または単位時間
当たりのパルス数等の調整で可変制御できることも、同
様である。
【0062】上述のようにして、本アクチュエータは、
ABS制御以外のブレーキ液圧制御にもそのまま使用で
きる。制動時、前後輪側とも、もしくは前輪側または後
輪側の左右輪の一方のホイールシリンダ圧をマスターシ
リンダ圧より高め、他方のホイールシリンダ圧これを低
下させることで、減速度を確保しつつ、左右の制動力に
制御に必要な差を積極的に発生させ、これにより例えば
実ヨーレイトが目標ヨーレイトとなるように車両の挙動
をかかる左右制動力差制御をもって行う場合も、必要な
各チャンネルごとに上記アクチュエータを備える構成で
実現できる。たとえ、4チャンネルのそれぞれに備える
構成としても、構成部品の削減、小型化、低コスト性等
に優れる本アクチュエータは、それだけ全体的に大型化
も避け、コストも抑えて必要な機能のブレーキシステム
を車両に搭載することが可能となる。
【0063】また、本実施例のアクチュエータは、圧電
ポンプを応用したABS−TCS一体ユニットのものと
して、その構成部品数の削減等の面でも好適なものが実
現される。もし、従来技術によったとすると、ABSと
TCSの機能を統合したユニットを構成するときは、先
に触れたように、図4に示すような、切り換え弁15
と、圧電プランジャ17及びチェック弁18,18によ
る構成を基に、図5に示すような構成のものとしてこれ
を実現することとなる。
【0064】しかして、この場合は、一輪当たり圧電ポ
ンプと切り換え弁が2つずつ必要になり構成部品数が多
くなるとともに、図示は省略したが、それら2つの圧電
プランジャ17,27のそれぞれと、それら2つの電磁
切り換え弁15,25のそれぞれに対しても、コントロ
ーラからの信号供給用のワイヤーを引き出し、計4本の
ワイヤーをアクチュエータ部分まで引き回して各別に接
続する構成、作業も必要であり、アクチュエータの大型
化のみならず、そのような面でも、構成部品数は多くな
り、それだけコストもかかり、構成は複雑化する。これ
を駆動輪2輪につき各輪ごと行うとすれば、それだけ上
記の不利不便はより大きなものとなり、更には、図5に
よるものを前後左右4輪の各輪ごと備えて、前記したよ
うな制動時の制動力差制御による車両挙動制御をも行わ
せようとすると、その不利不便は大となる。
【0065】これに対して、本実施例は、そのような構
成部品数が多くなるという問題は良好に解消できること
は勿論のこと、図5と比較すれば明らかなように、それ
ら電磁切り換え弁15と電磁切り換え弁25とが不要で
ある結果、各チャンネルごと、配線等に関しても、コン
トローラ500からアクチュエータに対する信号供給用
のワイヤーは、圧電素子36と圧電素子46に対するも
のだけで済ますこともできる。従って、上記したような
不利不便もなく、この点でも、構成部品の低減により効
果的であり、より一層の低コスト化が図れるものであ
る。
【0066】本発明は、上記した実施例に限定されな
い。例えば、ABS制御に適用する場合でも、4チャン
ネルABSの場合に限らず、前輪左右は個々に、後輪左
右は共通に制御する3チャンネルABS、その他のに
も、適用できることはいうまでもない。
【0067】また、例えば、TCS制御や、制動時の制
動力配分による車両挙動制御の場合にも適用できるし、
また、ABS制御を含んでそれら制御の2以上の組み合
わせ制御の場合にも本発明は適用できるものである。
【0068】また、制動力配分制御は、左右制動力差制
御でなく、前後制動力差制御であってもよく、かつま
た、その左右制動力差制御と前後制動力差制御の組み合
わせでもよい。
【0069】また、ブレーキ操作力に応じたブレーキ操
作力対応圧を発生する圧力源をマスターシリンダに代え
て備え、該圧力源からの圧力を元圧とするブレーキシス
テムでも、本発明は実施できる。
【0070】また、アクチュエータの具体的構成例を図
1に示したが、それは、図示構造のものに限られるもの
ではない。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、圧電ポンプを用いてブ
レーキ液圧を制御する装置を実現する場合に使用して好
適で、圧電ポンプの加圧ピストンにホイールシリンダと
液圧発生源の接続を断続する弁作用をも持たせることが
可能で、構成部品数の低減ができ、アクチュエータの小
型化と低コスト化を図ることが可能なブレーキアクチュ
エータを得ることができる。
【0072】また、かかるブレーキアクチュエータを用
い、ブレーキ操作力対応圧を発生可能な液圧発生源と、
車両の車輪に対してそれぞれ制動力を発生させるホイー
ルシリンダと、ホイールシリンダへ作動液を加圧する第
1の圧電ポンプ機構と、ホイールシリンダの作動液を減
圧する第2の圧電ポンプ機構とを有するとともに、圧電
ポンプのピストンがホイールシリンダと前記液圧発生源
の接続を断続する弁作用を有するよう構成して、ブレー
キ液圧制御装置を構成でき、同様に上記を実現すること
ができ、また、電磁弁を使用した場合より、きめ細かな
制御が可能となる。
【0073】また、ピストンが前記弁作用を有する圧電
ポンプ機構に対し、ポンプ作用を行わせるよう駆動信号
を供給することと、弁作用を行わせるよう一定信号を供
給することとを、選択的に切換え制御することで、別個
に電磁弁に制御信号を供給する場合に比し、配線等でも
簡易なものとし得て、同様に上記を実現することができ
る。
【0074】また、前記第1の圧電ポンプ機構は、ホイ
ールシリンダ圧を増圧する方向のみに作用するよう二つ
のチェック弁を含んで構成されるとともに、それらチェ
ック弁の間において前記弁作用を有するピストンの弁部
が構成され、前記第2の圧電ポンプ機構は、ホイールシ
リンダ圧を減圧する方向のみに作用するよう二つのチェ
ック弁を含んで構成されるとともに、それらチェック弁
の間において前記弁作用を有するピストンの弁部が構成
され、当該第1及び第2の圧電ポンプ機構が、一体的ユ
ニットを構成するようハウジングに組み込まれてなるブ
レーキ液圧制御装置を提供することができ、同様に上記
を実現することができる。特に、ABS−TCS一体ユ
ニットを構成する場合に好適であり、その場合の構成部
品数の削減に効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、1輪分に係わ
るブレーキ圧系の構成を示す図である。
【図2】同例でブレーキ液圧制御としてアンチスキッド
制御を行わせた場合における、そのABS減圧時の作動
状態の図である。
【図3】ABS制御での動作の内容、並びに他の制御で
の動作の内容の例を示す図である。
【図4】従来例によった場合の構成の考察に供する図で
ある。
【図5】同様の考察図で、ABSとTCSの機能をもつ
構成を実現しようとする場合の構成を表すものである。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 マスターシリンダ 3 ホイールシリンダ 18a,18b チェック弁 28a,28b チェック弁 31,41 リタンススプリング 32,42 液室 33,34 加圧ピストン 35,45 弁部 36,46 圧電素子 60 ハウジング 61,62 ポート 65〜68 液路 70,80 圧電ポンプ機構 401,402 液路 500 コントローラ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ操作力対応圧を発生可能な液圧
    発生源と車輪のホイールシリンダとの間に配されるアク
    チュエータであって、 作動液を加減圧する圧電ポンプ機構を備えるとともに、
    そのポンプのピストンが前記ホイールシリンダと液圧発
    生源の接続を断続する弁作用を有するよう構成されてな
    ることを特徴とするブレーキアクチュエータ。
  2. 【請求項2】 ブレーキ操作力対応圧を発生可能な液圧
    発生源と、車両の車輪に対してそれぞれ制動力を発生さ
    せるホイールシリンダと、前記ホイールシリンダへ作動
    液を加圧する第1の圧電ポンプ機構と、ホイールシリン
    ダの作動液を減圧する第2の圧電ポンプ機構とを有する
    とともに、圧電ポンプのピストンがホイールシリンダと
    前記液圧発生源の接続を断続する弁作用を有するよう構
    成してなることを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
  3. 【請求項3】 前記ピストンが前記弁作用を有する圧電
    ポンプ機構に対し、ポンプ作用を行わせるよう駆動信号
    を供給することと、弁作用を行わせるよう一定信号を供
    給することとを、選択的に切換え制御する手段を備える
    ことを特徴とする請求項2記載のブレーキ液圧制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1の圧電ポンプ機構は、ホイール
    シリンダ圧を増圧する方向のみに作用するよう二つのチ
    ェック弁を含んで構成されるとともに、それらチェック
    弁の間において前記弁作用を有するピストンの弁部が構
    成され、 前記第2の圧電ポンプ機構は、ホイールシリンダ圧を減
    圧する方向のみに作用するよう二つのチェック弁を含ん
    で構成されるとともに、それらチェック弁の間において
    前記弁作用を有するピストンの弁部が構成され、 当該第1及び第2の圧電ポンプ機構が、一体的ユニット
    を構成するようハウジングに組み込まれてなることを特
    徴とする請求項2、または請求項3記載のブレーキ液圧
    制御装置。
JP18010594A 1994-08-01 1994-08-01 ブレーキアクチュエータ、及びブレーキ液圧制御装置 Pending JPH0840235A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100653113B1 (ko) * 1999-10-19 2006-12-04 로베르트 보쉬 게엠베하 유압식 차량 제동 장치를 위한 압전 작동식 펌프와 그 작동 방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100653113B1 (ko) * 1999-10-19 2006-12-04 로베르트 보쉬 게엠베하 유압식 차량 제동 장치를 위한 압전 작동식 펌프와 그 작동 방법

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