JPH0885436A - 液圧制御用アクチュエータ、及び車両の走行制御装置 - Google Patents

液圧制御用アクチュエータ、及び車両の走行制御装置

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JPH0885436A
JPH0885436A JP22330594A JP22330594A JPH0885436A JP H0885436 A JPH0885436 A JP H0885436A JP 22330594 A JP22330594 A JP 22330594A JP 22330594 A JP22330594 A JP 22330594A JP H0885436 A JPH0885436 A JP H0885436A
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JP
Japan
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pressure
piezoelectric
valve
wheel cylinder
pump
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Application number
JP22330594A
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English (en)
Inventor
Satoshi Ichikawa
聡 市川
Iwane Inokuchi
岩根 井之口
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧電素子を用いてポンプ作用を行わせる圧電
ポンプを構成する場合、小型化と低コスト化を実現す
る。 【構成】 M/C−W/C間に介挿される圧電ポンプの
場合、積層型圧電素子の電圧に応じた伸縮に伴い移動す
るピストン119−1により2分割された容積可変室で
ある油室121−1,121−2と、分割された容積可
変室の夫々において該室への作動油の流入は許容するが
流出は阻止するチェック弁118−1a,118−2
a、及び該室への作動油の流出は許容するが流入は阻止
するチェック弁118−1b,118−2bを有する。
圧電ポンプ内に油室を2個設け、片側の室の作動油が圧
縮されるときに、もう一方の室にて蓄圧された作動液の
作動油の油圧を有効に利用できる構造にすることで、圧
電素子の発生変位を有効に利用し、圧電ポンプの性能の
向上、使用圧電素子の小型化、低コスト化を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の液圧制御装置、
特に圧電素子を利用する圧電ポンプにより液圧制御を行
うアクチュエータの改良、並びに該アクチュエータを用
いる制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両のブレーキ液圧を制御するブ
レーキ制御装置として、例えば特開昭61−18175
2号公報に記載の如くに圧電ポンプをブレーキ液圧系の
各チャンネルに設ける液圧制御装置が知られている。圧
電ポンプは、交流電圧信号によって駆動する圧電素子を
用いて構成してある。
【0003】このものでは、各チャンネルごとのポンプ
に1本の積層型圧電素子を使用しており、その圧電素子
駆動時の発生変位により油室への作動油の吸入・吐出に
よってポンプ作用を行わせる構造である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかして、開示された
技術にあっては、アンチスキッド(ABS)制御の減圧
制御時には、圧電ポンプでホイールシリンダに充填され
たブレーキ液をマスターシリンダ側に汲み上げる構成で
あるが、その場合、減圧制御に充分な液圧応答性を得る
には高価な圧電素子が大型化し、その分コストもかさむ
などの問題がある。圧電ポンプの組み込み、採用は、例
えば電磁モータ式のポンプアクチュエータによるものと
比べると、小型化等一定の効果をもたらすが、未だ十分
に満足のいくものは提案されていない。
【0005】図15及び図4は、後記でも本発明との対
比のため参照する図であるが、従来例構造の圧電ポンプ
の圧電素子の変位、チェック弁の変位、圧電ポンプ内の
油室の圧力変化の内容を説明するためのものである。図
15において、ホイールシリンダ減圧制御用ポンプは、
多数の圧電素子を積層してなる圧電素子体とチェック弁
18a,18bによる圧電ポンプで構成され、かかる圧
電ポンプ及び切り換え弁の組が、ブレーキぺダルにより
マスターシリンダ圧を発生させるマスターシリンダとホ
イールシリンダ間に介挿されている。
【0006】図4(a),(b),(c)のタイムチャ
ートのそれぞれは、具体的には、このような場合での従
来の圧電素子を一本使用した圧電ポンプの圧電素子にサ
イン波状の交流電圧を印加した時の圧電ピストンの発生
変位、図3のチェック弁18a,18bの変位、圧電ポ
ンプの油室の油圧の変化の考察図である。
【0007】上記において、ホイールシリンダ圧減圧制
御のための圧電ポンプ作動時、圧電素子が伸びると油が
圧縮されて、圧電ポンプの油室内の圧力が高くなる(領
域a′)。しかし、この領域ではチェック弁18bは、
チェクボールの両側に十分な差圧が生じていないため、
まだ開いていない。この時に圧電素子にかかる荷重は、
素子の伸長に比例して増加するいわゆるバネ荷重である
ので、圧電素子は伸びに比例して圧縮され(素子長が圧
電素子の弾性率に比例する分だけ短くなる)縮み、見か
けの発生変位(ΔLa)は小さくなっている。
【0008】更に、圧電素子が伸びると、チェック弁1
8bのチェックボールの両側に十分な差圧が発生するた
め、チェック弁18bが開き、圧電ポンプ内の油室の圧
力はほぼ一定になる(領域b′)。この領域では、圧電
素子にかかる荷重はほぼ一定になるので圧電素子は静圧
下で示す特性と同じ印加電圧にほぼ比例した変位(ΔL
b1 )を発生し、見かけの発生変位の印加電圧に対する
比例定数は領域a′におけるものより大きくなる。ま
た、この時のピストン(ダイヤフラム)面積×発生変位
が一回のポンプの吐出量になる。
【0009】次に、圧電素子に印加する電圧が減少し圧
電素子が縮むと、チェック弁18bが閉じ、圧電ポンプ
内の圧力が減少する(領域c′)。この領域では、領域
a′とは逆に、圧電素子にかかる荷重は圧電素子の縮小
に比例して減少するバネ荷重であるので、圧電素子は縮
み量に比例して本来の長さが回復し、見かけ上の縮み量
は減少する。
【0010】更に圧電素子が縮みチェック弁18aのチ
ェックボールの両側に十分な差圧が発生すると、チェッ
ク弁18aが開きチェック弁18aから油室内に油が流
入してくる(領域d′)。
【0011】上記の一連の圧電素子にかかる荷重とその
時の発生変位の考察の関係から、圧電ポンプの性能を向
上させるには、圧電素子にかかる荷重がバネ荷重となる
領域a′,c′において、荷重変化を相殺することがで
きればよいことが分かる。ポンプ自体を大型化してかか
る影響を小さくすることもできるが、使用素子として高
価な圧電素子の大型化を招き、コスト、レイアウトの制
約も発生することになる。
【0012】本発明は、以上のような考察に基づきなさ
れたもので、上記着想を具現化し、圧電素子を利用する
ポンプの性能の向上が図れ、もって小型、低コスト化に
有用な、改良されたアクチュエータを提供しようという
ものである。また、これを用いて車両の制御対象ホイー
ルシリンダ圧を制御する制御装置を提供しようというも
のである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によって、下記の
液圧制御アクチュエータ、車両の走行制御装置が提供さ
れる。即ち、圧電素子の駆動によりポンプ作用を行わせ
るアクチュエータであって、圧電素子体への印加電圧に
応じて当該圧電素子体が伸縮するのに伴い移動するピス
トン手段により2分割される容積可変室を備えるととも
に、斯く分割した容積可変室のそれぞれにおいて該容積
可変室への作動液の流入は許容するが流出は阻止する吸
入弁、及び該容積可変室への作動液の流出は許容するが
流入は阻止する吐出弁と備えることを特徴とする液圧制
御用アクチュエータである。
【0014】また、上記において、ピストン手段は、両
側にロッドを有する円板状の構造のものとし、そのピス
トンを駆動するのに、2個の積層型圧電素子を対向する
ように配置し、かつ、それら圧電素子に印加する交流電
圧は、その位相を180゜ずらすようにして印加するこ
とを特徴とする液圧制御用アクチュエータである。
【0015】また、ブレーキ操作力対応圧を発生可能な
液圧発生源と、車両の車輪に対してそれぞれ制動力を発
生させるホイールシリンダと、前記液圧発生源とホイー
ルシリンダの間に設けたカット弁と、該カット弁と前記
ホイールシリンダの間に設けられ、車輪のスリップ発生
時に閉じられるよう、切り換えられる切り換え弁と、該
切り換え弁をバイパスするように設けられ、ホイールシ
リンダ圧を減圧する方向に作用する圧電ポンプ機構と、
前記切り換え弁とカット弁の間に設定された蓄圧手段と
を備えるブレーキ液圧制御システムにおいて、その圧電
ポンプに上記液圧制御用アクチュエータを用いることを
特徴とする車両の走行制御装置、及びブレーキ操作力対
応圧を発生可能な液圧発生源と、車両の車輪に対してそ
れぞれ制動力を発生させるホイールシリンダと、前記液
圧発生源とホイールシリンダの間に設けたカット弁と、
アンチスキッド制御の減圧制御中に作動液を蓄えるリザ
ーバと、前記カット弁とホイールシリンダの間から車輪
のスキッド時にホイールシリンダを前記リザーバに接続
するよう、切り換えられる切り換え弁と、該切り換え弁
をバイパスするように設けられ、ホイールシリンダ圧を
増圧する方向に作用する圧電ポンプ機構とを備えるアン
チスキッドブレーキシステムにおいて、その圧電ポンプ
に上記液圧制御用アクチュエータを用いることを特徴と
する車両の走行制御装置である。
【0016】
【作用】上述した構成により、圧電素子の駆動によりポ
ンプ作用を行わせる場合に、そのポンプにピストン手段
により分割される容積可変室を2つ設定して、その片側
の室の作動液が圧縮されるときに、もう一方の室にて蓄
圧された作動液の圧を有効に利用できる構造にすること
で、圧電素子の発生変位を有効に利用し得て、かかる圧
電素子を利用するポンプの性能を向上させ、ひいては、
該ポンプに使用する圧電素子を小型化し、低コスト化す
ることを可能ならしめる。
【0017】また、圧電素子体を2分割構造のものとし
てもよく、ピストン手段を両側にロッドを有する円板状
の構造とし、かかるピストンを駆動するのに、2個の積
層型圧電素子を対向するように配置し、該圧電素子に印
加する交流電圧の位相を180゜ずらすようにして、本
発明は実施でき、同様に上記のことを実現することを可
能ならしめる。
【0018】また、ブレーキ操作力対応圧を発生可能な
液圧発生源と、車両の車輪に対してそれぞれ制動力を発
生させるホイールシリンダと、液圧発生源とホイールシ
リンダの間に設けたカット弁と、カット弁とホイールシ
リンダの間に設けられ、車輪のスリップ発生時に閉じら
れるよう、切り換えられる切り換え弁と、切り換え弁を
バイパスするように設けられ、ホイールシリンダ圧を減
圧する方向に作用する圧電ポンプ機構と、切り換え弁と
カット弁の間に設定された蓄圧手段とを備えるブレーキ
液圧制御システムにおいて、その圧電ポンプに上記いず
れかのアクチュエータを用いる構成として、本発明は実
施でき、改良された圧電ポンプにより車両の制御対象ホ
イールシリンダ圧の減圧制御を実現することを可能なら
しめる。
【0019】また、ブレーキ操作力対応圧を発生可能な
液圧発生源と、車両の車輪に対してそれぞれ制動力を発
生させるホイールシリンダと、液圧発生源とホイールシ
リンダの間に設けたカット弁と、アンチスキッド制御の
減圧制御中に作動液を蓄えるリザーバと、カット弁とホ
イールシリンダの間から車輪のスキッド時にホイールシ
リンダをリザーバに接続するよう、切り換えられる切り
換え弁と、切り換え弁をバイパスするように設けられ、
ホイールシリンダ圧を増圧する方向に作用する圧電ポン
プ機構とを備えるアンチスキッドブレーキシステムにお
いて、その圧電ポンプに上記いずれかのアクチュエータ
を用いる構成として、本発明は実施でき、同様に、改良
された圧電ポンプにより車両の制御対象ホイールシリン
ダ圧の増圧制御を実現することを可能ならしめる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は、本発明を適用できる車両の制御システム図
である。ここでは、ブレーキ制御システムとしての4チ
ャンネル4センサ式の4CH制御型アンチスキッド(A
BS)制御システムの場合の例を示す。
【0021】図中、1はブレーキぺダル、2はマスター
シリンダ(M/C)、3FL,3FRは車両の左右前
輪、3RL,3RRは同左右後輪、3は各車輪のホイー
ルシリンダ(W/C)をそれぞれ示す。車両が、後2輪
3RL,3RRを駆動する駆動方式のFR車の場合、車
両エンジンの出力は例えば自動変速機、ディファレンシ
ャルギア等(いずれも、不図示)を経て、駆動輪3R
L,3RRに達し、これにより車両を走行させることが
できる。ブレーキング時、ブレーキぺダル1の踏み込み
に応じた制動液圧(制動圧力)を発生するマスターシリ
ンダ2から各車輪3FL,3FR,3RL,3RRのホ
イールシリンダ3へ至るブレーキ液(作動液)圧系に
は、ブレーキアクチュエータユニット1000を介挿す
る。
【0022】マスターシリンダ2からの一方の液路40
0PM(油路)による前輪ブレーキ液圧系はアクチュエ
ータユニット10を経て個々に液路400FL,400
FRを介し左右前輪ホイールシリンダ3,3に至らし
め、他方の液路400PM(油路)による後輪ブレーキ
液圧系はアクチュエータユニット10を経て個々に液路
400RL,400RRを介し左右後輪ホイールシリン
ダ3,3に至らしめる。
【0023】アクチュエータユニット1000は、各車
輪の車輪速を検出する車輪速センサ3Vwからの信号そ
の他の情報を入力とするコントローラ500と共にブレ
ーキ液圧制御装置を構成するもので、前後輪左右の各輪
のブレーキ液圧供給系ごとにABS制御の用にも供する
ことができる液圧制御用のアクチュエータを備え、各ア
クチュエータをもってコントローラ500からの制御信
号(指令)に応じ各輪のホイールシリンダ3へ向かう制
動液圧(作動油圧)を制御し、ホイールシリンダ圧の調
圧を行う。
【0024】ここに、アクチュエータは、制動時のAB
S作動での対応ホイールシリンダの減圧、増圧制御可能
なものを使用する。かかるABSアクチュエータにおけ
る減圧用、または増圧用ポンプとして圧電素子の駆動に
よりポンプ作用をなす圧電ポンプを用いる構成とすると
ともに、そのように圧電ポンプを適用するABSアクチ
ュエータとする場合、圧電ポンプ内には液室(油室)を
2個配して、液圧制御時、片側の液室の作動液が圧縮さ
れるとき、他方の液室にて蓄圧された作動液の圧を有効
に利用しうる構造のものとする。
【0025】ここでは、その減圧制御用ポンプ等とし
て、積層型圧電素子の電圧に応じた伸縮に伴い移動する
ピストンにより2つに分割された容積可変室と、分割さ
れた容積可変室のそれぞれにおいて容積可変室への作動
液の流入は許容するが流出は阻止する吸入弁と、容積可
変室への作動液の流出は許容するが流入は阻止する吐出
弁とからなる液圧制御装置による構成のものとする。
【0026】好ましくは、この場合、各ABSアクチュ
エータにおいて、圧電ポンプは、一つの積層型圧電素
子、あるいは一対の積層型圧電素子の組み合わせによる
ものとすることができる。好ましくはまた、積層型圧電
素子体を2つ用いる構成のときは、ピストンは、これを
両側にロッドを有する円板状の構造とし、このピストン
を駆動するのに、2個の積層型圧電素子を対向するよう
に配置し、該圧電素子に印加する交流電圧の位相を18
0゜ずらすようにする液圧制御装置の構成とする。
【0027】図2は、例えば上記アクチュエータユニッ
ト1000の各チャンネルごとのABSアクチュエータ
において用いることのできる、2個の積層型圧電素子を
用いる場合の構成の圧電ポンプ部分の実施例を示す図で
ある。図に示す一体のユニット構造部分は、具体的に
は、例えば後記図7乃至図12において参照符号117
を付して示す圧電ポンプ(圧電ポンプ機構)部分として
液圧回路中に組み込むことができる。
【0028】本実施例の圧電ポンプは、概略、ポンプハ
ウジング217、#1圧電ポンプ117−1、#2圧電
ポンプ117−2、#1ポンプケース218−1、#2
ポンプケース218−2、その他の要素からなる。ポン
プハウジング217には、油室121が形成してある。
油室121は、圧電素子の駆動に伴い室内を移動するピ
ストン手段により2分割して、これにより2つの容積可
変室を形成する。
【0029】ここでは、図示のように、ポンプハウジン
グ217に設けられた上記油室121を、#1油室12
1−1(図中左側)と#2油室121−2(図中右側)
との2つの油室に分割するように、ロッド119−2を
左右に有するピストン119−1が油室121内に設置
されている。これら2つの油室121−1,121−2
が容積可変室として機能する。なお、本例では、内部で
摺動自在なピストンで2分割したが、ダイアフラムを用
いる構成でもよい(スペーサ120−1,2は弾性体で
あるので、部材119−1が摺動しても、それに合わせ
て伸縮可能であり、ここで言うダイアフラムはピストン
のことである)。
【0030】ハウジング217にはまた、液圧制御の対
象となる要素とつながる接続用ポートを設ける。ここで
は、ポート217aとポート217bの2つのポートを
ハウジング217は備える。これらポートのそれぞれ
は、本圧電ポンプユニットを例えばホイールシリンダ圧
の減圧制御時の減圧ポンプとしてABSに用いる場合、
ポート217aはホイールシリンダからの液路、ポート
217bマスターシリンダへの液路に、それぞれ接続し
て使用することができる。
【0031】更に、本実施例の場合、以下の如くの構造
としてある。ハウジング217には、上記ポート217
aにつながるとともに、ハウジング内で2つに分岐する
液路217−1a及び液路217−2aと、同様に、ポ
ート217bにつながって内部で2つに分岐する液路2
17−1b及び液路217−2bとを形成する。更には
また、これら液路部分において、それぞれの上記分割油
室に関して、分割油室への作動油の流入は許容するが流
出は阻止する吸入弁としてのチェック弁と、分割油室か
らの作動液の流出は許容するが流入は阻止する吐出弁と
してのチェック弁との2つのチェック弁を、ハウジング
217に配置、組付けてある。
【0032】具体的には、ポート217a側の一方の分
岐液路217−1aは、一方の分割油室121−1を介
してポート217b側に接続の一方の液路217−1b
へ至らしめるが、この間において、#1−1チェック弁
118−1aと#1−2チェック弁118−1bが図の
ように介挿されている。分割された#1油室121−1
は、これら2つチェック弁118−1a,チェック弁1
18−1bの間にある。チェック弁118−1a,11
8−1bの向きは、図示のように、チェック弁118−
1a側では油室121−1への作動油の流入は許容する
が油室121−1からの流出は阻止するような、かつチ
ェック弁118−1b側では油室121−1からの作動
油の流出は許容するが油室121−1への流入は阻止す
るような方向性であって、ポート217a側に接続の液
路における圧(例えば、ホイールシリンダ圧)が油室1
21−1側に抜けるよう、かつ油室121−1における
圧がポート217b側に接続の液路側(例えば、マスタ
ーシリンダ側液路)に抜ける方向に配置してある。
【0033】もう一方の分割油室121−2側の系の構
成も上記と同じである。即ち、ポート217a側のもう
一方の分岐液路217−2aは、当該分割油室121−
2を介してポート217b側に接続のもう一方の液路2
17−2bへ至らしめるが、この間に、#2−1チェッ
ク弁118−2aと#2−2チェック弁118−2bを
図のように介挿する。分割された#2油室121−2
は、同様に、これら2つチェック弁118−2a,チェ
ック弁118−2bの間にある。そして、それらチェッ
ク弁118−2a,118−2bの向きについても、図
示のように、チェック弁118−2a側ではその油室1
21−2への作動油の流入は許容するがその逆の油室1
21−2からの流出は阻止するような、かつチェック弁
118−2b側では油室121−2からの作動油の流出
は許容するがその逆の油室121−2への流入は阻止す
るような方向性のものである。従って、やはり、ポート
217a側に接続の液路における圧が油室121−2側
に抜けるよう、かつ油室121−2における圧がポート
217b側に接続の液路側に抜ける方向で、それら2つ
のチェック弁を配置してある。
【0034】なお、上記の一方のチェック弁118−1
a,118−1bも、もう一方のチェック弁118−2
a,118−2bも、この構造例では、ポンプハウジン
グ217に一体的に設ける構成としたが、これに限られ
るものではことは、いうまでもない。もっとも、本例の
ようにすると、それらチェック弁部分を含む、図示のポ
ンプユニット自体を使用部品単位として扱えて、例えば
4つ必要な車両の制御装置ならそれら同じ仕様で製作し
たものを4つ用意して使えばよく、しかも、そのまま、
後記する如くに、適用する液圧系に対し2つのポート2
17a,217bの接続の方向性の選定などすること
で、増圧ポンプとして機能させる場合にも容易に利用、
転用することができ、好便である(図10等参照)。圧
電素子の駆動によりポンプ作用を行わせるアクチュエー
タとして、低コスト化、大型化の回避等のみならず、上
記のような流用性、融通姓をもつ点でも、有用といえ
る。
【0035】分割油室を形成するのに前記ピストン11
9−1を用いる場合、そのダイアフラム119−1は、
上記#1−1チェック弁118−1a,#2−1チェッ
ク弁118−2aから上記#1油室121−1,#2油
室121−2へ、もしくは該#1油室121−1,#2
油室121−2から上記#1−2チェック弁118−1
b,#2−2チェック弁118−2bへ作動油が流入で
きるように、一部に穴を有するか、もしくは切り欠きを
有する円筒状のゴム、テフロン等の弾性体からなる左右
の#1スペーサ120−1,#2スペーサ120−2に
より、図示の如く油室121内のほぼ中央に位置するよ
うにしてある。
【0036】更に、円板状の構造のこのピストン119
−1の外周面部の中央個所には、図示のように、Oリン
グ122が設置されており、これにより、該ダイアフラ
ム移動時にも、上記分割された容積可変室としての油室
121−1と油室121−2内の作動油が混合しないよ
うになっている。
【0037】ピストン119−1の図中左右方向へ可
動、変位は、ここでは、対向配置した一対の積層型圧電
素子体の相互、協働的な伸縮によるピストン駆動で行わ
せる。このため、以下のような構成としてある。
【0038】図示のように、本実施例では、ユニット
は、#1キャップ117−1dと#1台座117−1c
とで上下(積層方向上下端;図中左右端)を挟まれた積
層型圧電素子からなる#1圧電ピストン(圧電ピストン
本体部)117−1aを備え、これがポンプハウジング
217の図中の左端側から挿入されている。そして、こ
れが、#1可動体117−1eを介してピストン119
−1に設けられたロッド119−2に圧接されている。
更に、これらは、図示のように、#1ポンプケース21
8−1がボルト(図示せず)を用いてポンプハウジング
217に固定されることにより、ポンプハウジング左端
側に保持されている。
【0039】もう一方の圧電素子体側の組付けも、上記
に準ずる構造であり、同様に、#2キャップ117−2
dと#2台座117−2cとで上下を挟まれた積層型圧
電素子からなる#2圧電ピストン(圧電ピストン本体
部)117−2aがポンプハウジング217の図中の右
側端から挿入されており、これは、#2可動体117−
2eを介してダイアフラム119−1に設けられたロッ
ド119−2に圧接されている。
【0040】更に、上記の要素を同様にしてポンプハウ
ジング右端側に保持するよう組付けるが、この場合に次
のような調整手段を介して、これを行う。即ち、内周側
に雌ねじが切られている#2ポンプケース218−2を
使用し、これが、図示していないボルトを用いてポンプ
ハウジング217の右端に取り付け、固定されており、
また、外周部に雄ねじの切られたプリロード調整ねじ1
17−2gが、かかる#2ポンプケース218−2の内
部にねじ込まれている。
【0041】そして、上記#2台座117−2cとその
プリロード調整ねじ117−2gの互いに対向する端面
部には、図示の如く、円錐状に穴が設けられており、こ
の部分に金属、またはセラミック等からなるボール11
7−2fを介在させてある。このボール117−2f
は、組立て時の調整に当たり、プリロード調整ねじ11
7−2gをねじ込む際に圧電素子に捩じりトルクがかか
り、それが破壊されるなどするのを防止するために、用
いられている。また、このボール117−2fは圧電素
子に曲げ応力がかかるのを防ぐ働きも有している。#2
圧電ポンプ117−2aにおいてこのような構成を採用
し、#1圧電ポンプ117−1aにおいてこのような構
成を用いていないのは、#1可動体117−1eと、ポ
ンプハウジング217との摺動部及びポンプハウジング
217と#1ポンプケース218−1の公差を厳しくす
ることで対応できるが、#2圧電ポンプ117−2aで
は、ネジ留めであるため、精度が出ないためである。更
には、これらの部品を組み付け、プリロードを調整した
後のそのプリロード調整ねじ117−2gが緩まないよ
うにと、図示の如くの周り留めナット219(回転留め
ナット)が設けられている。
【0042】以上のように、対向配置の2個の積層型圧
電素子を用いる場合の本発明に従う圧電ポンプ117
は、上述のような各要素の配置、組付け構造のものとす
ることができる。ここに、一方の#1圧電ポンプ117
−1は、上記の#1圧電ピストン117−1aと、該#
1圧電ピストン117−1aが伸びた時(積層型圧電素
子の伸長時)に油の圧縮される#2油室121−2、及
び#2−1,#2−2チェック弁118−2a,118
−2bから構成されている。同様に、もう一方の#2圧
電ポンプ117−2は、上記の#2圧電ピストン117
−2aと、該#2圧電ピストン117−2aが伸びた時
(積層型圧電素子の伸長時)に油の圧縮される#1油室
121−1、及び#1−1,#1−2チェック弁118
−1a,118−1bから構成されている。
【0043】なお、組立て時における上述のプリロード
を調整する方法としては、例えば、圧電素子を伸縮させ
ていない状態(非通電時)で、全体をAssyし、その
時にいわゆる最大発生力の半分の力をプリロードとして
印加するか、片方の圧電素子を伸ばした状態で、全体を
Assyし、その時にいわゆる最大発生力に等しい力を
プリロードとして印加するようにして、これを行うこと
ができる。
【0044】#1圧電ポンプ117−1と#2圧電ポン
プ117−2におけるそれぞれの圧電素子の駆動(通
電)は、コントローラにより制御する。#1圧電ポンプ
117−1の油室121−2は、ポート217aを通し
一方のチェック弁118−2a(吸入弁)より流入した
作動油を加圧し他方のチェック弁118−2b(吐出
弁)より吐出させるポンプ室として、また#2圧電ポン
プ117−2の油室121−1は、ポート217aを通
し一方のチェック弁118−1a(吸入弁)より流入し
た作動油を加圧し他方のチェック弁118−1b(吐出
弁)より吐出させるポンプ室として、それぞれ、順次、
相互に作用する。
【0045】基本的には、例えば、図中左側の油室12
1−1(#2圧電ポンプ117−2の油室)の容積を縮
小するよう、ピストン119−1を図中中央位置から左
行させることにより該室121−1内の圧が高まり、チ
ェック弁118−1bが開いて吐出がなされ、次いでピ
ストン119−1が中央位置に戻り、次のタイミング
で、図中右側の油室121−2(#1圧電ポンプ117
−1の油室)の容積を縮小するようピストン119−1
が右行するとき、このタイミングで、該室121−2内
の圧が高まり、チェック弁118−2bが開いて吐出が
なされる。この場合において、各油室(121−2また
は121−1)への作動油の吸入は、相互に、他方の油
室(121−1または121−2)の作動油に対する上
記のような圧縮のタイミングで、自己の室(121−2
または121−1)の容積の拡大に伴う減圧によって当
該自己の吸入側チェック弁(217−2a,217−1
a)が開くことで、なされる。
【0046】このような2つの油室の相互の作動油の吸
入・吐出の繰り返しにより、ポンプ機構として作動させ
る。圧電ポンプの圧電素子には、正弦波電圧等の可変電
圧を印加して上記のポンプ作動を行わせる。圧電素子を
2組有する本実施例においては、いずれの圧電ポンプ1
17−1,117−2における圧電素子(例えば、PZ
T)にも、交番する電圧を印加するようにし、かつま
た、その場合の印加電圧は180°位相をずらしたもの
とする。このようにするときは、より上記の協動的な作
動が効果を発揮するものとなる。
【0047】以下、図3乃至図6も参照し、更に本実施
例の具体的な作用をも含めて説明する。図3(A),
(B),(C)に、#2圧電ポンプ117−2側におけ
る圧電素子に例えばサイン波状の交流電圧を印加した時
の#2圧電ピストン117−2a(図2中右側)の発生
変位、チェック弁118−1a,118−1bの変位、
#2圧電ポンプ117−2の油室121−1の油圧の変
化を示す。これらは、先に触れた、従来例によったとし
た場合の図4の比較例のものと対比して示してある。
【0048】まず、本実施例によるものを駆動するとき
には、片方の圧電素子側を伸ばした状態から駆動を始め
る。そして、その伸びている圧電素子側に印加した電圧
を降下していくと同時に、他の片方の圧電素子側に電圧
を印加し当該圧電素子側を伸長させる。つまり、印加す
る電圧の位相は、2つの圧電素子側で180°ずれてい
る。なお、図3は、例として#2圧電ポンプ117−2
側に着目してその変化推移を示したものであり、ここで
は、もう一方の#1圧電ポンプ117−1側における同
様の要素の変化推移については、図示はしていないもの
の、それらは、図3の特性に対し、180°位相がずれ
たものとなっている。
【0049】今、#2圧電ピストン117−2aが伸び
ると、図中左側の分割油室121−1側の油が圧縮され
て、#2圧電ポンプ117−2の当該油室121−1内
の圧力が高くなる(図3中領域a)。しかし、この領域
aでは、吐出側チェック弁118−1bは、そのチェッ
クボールの両側に十分な差圧が生じていないため、該チ
ェック弁118−1bは、まだ開いていない(図3
(B)上段)。
【0050】この時に#2圧電ピストン117−2aに
かかる荷重は、圧電素子の伸長に比例して増加するいわ
ゆるバネ荷重であるが、もう一つの図中右側の分割油室
121−2に蓄圧されていた油圧によりダイアフラム1
19−1が図中左方へ押され、油室121−1を加圧す
るため、圧電素子の駆動電圧にほぼ比例する見かけの変
位は従来例程は減少しない。これは、従来例と比較した
場合、同一の周波数で駆動するとした場合には、図4の
考察図の場合における領域a′に比し、図3中の領域a
の時間tが短かくて済む(駆動電圧が低い)ということ
である(a<a′)。そして、その時の圧電素子の変位
量は駆動電圧が低いにもかかわらず、比較例(従来例)
と同じ量、即ちΔLaとなる(図3(A))。
【0051】上記の状態から更に#2圧電ピストン11
7−2aが伸びると、チェック弁118−1bのチェッ
クボールの両側(油室121−1側と液路217−1b
側)に十分な差圧が発生するため、該チェック弁118
−1bは開き(図3(B)上段)、油室121−1の圧
力は蓄圧された状態でほぼ一定になる(同図(C),同
図中領域b)。また、チェック弁118−1aのチェッ
クボールの両側にも十分な差圧が発生するため、もう一
つの油室121−2の圧力も、吸入側作動圧(ここでは
例えばホイールシリンダと)等しくほぼ一定になってい
る(図3中領域bに対応する領域)。
【0052】かかる領域bでは、圧電素子にかかる荷重
はほぼ一定になるので、圧電素子は静圧下で示す特性と
同じ印加電圧にほぼ比例した変位、即ちΔLb2(図3
(A))を発生し、見かけの発生変位の印加電圧に対す
る比例定数は、図3中領域aにおけるものより大きくな
るが、この比例定数の大きさは従来例と同じである。た
だし、駆動時間tに関しては、駆動時間が長い(印加電
圧の変化幅が大きい)ので(図3中領域b>図4中領域
b′)、このときの発生変位ΔLb2は、従来例によっ
たとした場合の図4(A)の場合のΔLb1よりは大き
くなる(図3(A))。そして、この時のピストン面積
×発生変位が、1回のポンプの吐出量になるので、ポン
プの吐出量も、従来例に比しより多くなる。
【0053】次に、#2圧電ピストン117−2aに印
加されている電圧が減少し圧電素子が縮むと、上記で開
いていた吐出側チェック弁118−1bが閉じ(図3
(B)上段)、油室121−1内の圧力が減少する(図
3(C),同図中領域c)。この領域cでは、前記領域
aにおける場合とは逆に、圧電素子にかかる荷重は圧電
素子の縮小に比例して減少するバネ荷重であるが、この
タイミングでは、もう一つの油室121−2内の油を加
圧していくことによりその反力で圧電素子が加圧される
ため、領域aと同様、圧電素子の見かけ上の変位は従来
例程(図4(A),領域c′参照)は減少しない。ここ
に、図3中領域c<図4中領域c′である。
【0054】上記状態から更に圧電素子が縮み、吸入側
チェック弁118−1aのチェックボールの両側(油室
121−1側と液路217−1a側)に十分な差圧が発
生すると、該チェック弁118−1aが開き(図3
(B)下段)、そのチェック弁118−1aから油室1
21−1内に油が流入してくる(図3中領域d)。この
ときも、図4の場合に比し、駆動時間tが長く(d>
d′)、そのように駆動時間が長い(印加電圧の変化幅
が大きい)ので、このときの発生変位(ΔLb2 )も従
来例(ΔLb1 )より大きくなり、結果、ポンプの吸入
量も、従来例より多くなる。
【0055】こうして、次のサイクルでの油室121−
1における加圧、吐出に備えて作動油の流入が行われ、
このような作動が繰り返される。もう一方の#1圧電ポ
ンプ117−1側においても、180°位相がずれた状
態で、上記したのと同様の一連の作動が繰り返されるこ
とになる。
【0056】上記より、圧電素子にかかる荷重がバネ荷
重となる上記領域a,cにおいて、荷重変化を相殺する
ように、圧電ポンプ117内に油室として油室121−
1と油室121−2との2個を設け、片側の油室121
−1(または121−2)の作動油が圧縮されるとき
に、もう一方の油室121−2(または121−1)に
て蓄圧された作動油の油圧を有効に利用できる構造にす
ることにより、圧電素子の発生変位を有効に利用し、圧
電ポンプの性能を向上させ、ひいては、圧電ポンプに使
用する圧電素子を小型化することができる。この種の圧
電素子を使用する圧電ポンプの性能の向上が図れ、より
十分にその機能を引き出すことが可能である。
【0057】以上のことは、次の特性からも説明するこ
とができる。図5は、本実施例の圧電ポンプ117の性
能を示すもので、具体的には、本圧電ポンプ117をA
BS用減圧ポンプとして用いたときのホイールシリンダ
の減圧特性を示す図である。同図(a)〜(c)は、そ
れぞれ、ポンプ変位、増圧弁の開閉制御状態、マスター
シリンダ圧Pm及び制御対象ホイールシリンダ圧Pwの
様子を表してある。ここに、増圧弁は、ABS減圧制御
開始に閉じることでマスターシリンダ2側から対応ホイ
ールシリンダ3へのブレーキ液の流入を遮断するための
弁であって、例えば図15の切り換え弁に相当する電磁
弁である。
【0058】一方、図6(a)〜(c)は、これと対比
して示すための、比較例としての同様の特性図である。
即ち、使用圧電素子として同様の素子(PZT)を使
い、図5に示した性能を示す圧電ポンプに用いた圧電素
子を直列に一体化し、従来構成によったとした場合の圧
電ポンプを図15の如くにABS用減圧ポンプとして用
いたときのホイールシリンダの減圧特性を示してある。
【0059】図5及び図6における、本実施例の図2の
ような両押しタイプの圧電ポンプの場合、及び従来例に
よる1個の積層型圧電素子による圧電ポンプの場合のそ
れぞれの減圧特性をみるに、これによると、ホイールシ
リンダの圧力Pwが15Mpaになったときに、圧電ポ
ンプを作動し、減圧を開始してから圧力Pwが0になる
までの時間は、図6の比較例では400msであるのに
対し、本実施例では、図5の如くに、370msであ
る。従って、本発明に従う圧電ポンプを用いることで、
作動時間を約1割短縮できることが分かる。これはつま
り、同じ作動時間であれば、素子サイズを小さくできる
ことに他ならない。よって、ポンプ自体の大型化、従っ
て、使用素子として高価な圧電素子の大型化を避け、コ
スト、レイアウト等面での制約の問題も回避し得て、圧
電ポンプの性能向上を実現することができる。
【0060】次に示すものは、上記で説明してきた圧電
ポンプ117を用いるブレーキ制御装置についての構成
例である。図7は、その一実施例で、ここでは、圧電ポ
ンプ117をホイールシリンダ3の減圧ポンプとしてA
BSに用いた場合である。なお、この図では、後述の一
定の要素を除き、車両の1個分の車輪に係わるブレーキ
液圧制御系を示す。これは、説明を分かりやすくするた
めであって、従って、例えば4チャンネル4センサ式の
アンチスキッドブレーキシステムなら、車両の他の3輪
(他のチャンネル)についても、本実施例に従い同様の
アクチュエータ構成のブレーキ圧制御系が存在する。
【0061】本実施例においては、ブレーキ液圧系は、
カット弁11及びこれに関連する減圧弁14、蓄圧室2
3、切り換え弁12、及び前記圧電ポンプ117を構成
要素とし、これらを図示の如くに配管等接続して、圧電
ポンプ式ABSの油圧制御回路を構成する。
【0062】ブレーキぺダル1の操作力に応じて液圧を
発生するマスターシリンダ2の出力ポートは、車輪のホ
イールシリンダ3に係るブレーキ液圧系に接続するが、
かかる系において、ここでは、マスターシリンダ2から
の液路401は、これを通常時(常態の非通電時)開状
態に設定された、複数車輪に共通のカット弁11に接続
し、そのカット弁11から液路402に接続する。
【0063】このように、マスターシリンダ2からの油
圧が他の車輪に分岐する手前にカット弁11が設定さ
れ、更にカット弁11をバイパスするように減圧弁14
が接続されている。これは、ブレーキぺダル1の操作力
が解除され、マスターシリンダ2の油圧が低下したとき
に、例えば誤動作によってカット弁11が開かない場合
に、マスターシリンダ圧Pmが該減圧弁開弁圧力になっ
た時に当該減圧弁14が開き、制動力が解除できるよう
にするために設定されている。なお、カット弁11、減
圧弁14のこの構成部分は、各車輪ごと個々にもつよう
に構成してもよい。
【0064】マスターシリンダ2からの油圧が各輪毎に
分岐したすぐ後には、蓄圧室23が設定されている。こ
れは、後述のように、ABS制御においてコントローラ
500でカット弁11を閉として減圧制御するとき、圧
電ポンプ駆動で該当車輪のホイールシリンダ3から汲み
出した作動油を蓄える要素として機能する。
【0065】更に、各チャンネルごと、蓄圧室23を含
む液路402からは、分岐した液路402aを通し、か
つ、通常時(常態の非通電時)、開状態に設定された切
り換え弁12を介して、ホイールシリンダ3に接続され
る。かかる切り換え弁12をバイパスするように、マス
ターシリンダ2とホイールシリンダ3の間に、ホイール
シリンダ3のブレーキ圧を減圧する方向にのみ作用する
圧電ポンプ機構として前記図2の構成の圧電ポンプ11
7を設ける。ここに、圧電ポンプ117は、そのポート
217a側が、ホイールシリンダ3に接続の液路403
からの分岐液路404側のポートとなるよう、またポー
ト217b側が、上記液路402と接続の液路406側
のポートとなるようにつなげてあり、チェック弁118
−1a,118−1b,118−2a,118−2bに
よりホイールシリンダ圧を減圧する方向に作用する減圧
用圧電ポンプとすることができる。
【0066】本実施例において、上記の圧電ポンプ11
7をバイパスするよう設けられる切り換え弁12は、対
応車輪のスリップ発生時に閉じられ、ABS制御での減
増圧に対応して液路を遮断し及び開通するようコントロ
ーラ500により制御される電磁弁で、具体的には、O
FF時、図7図示の開状態の第1の位置にあり、ON
時、閉状態の第2の位置をとる、2ポート2位置のカッ
ト弁とできる。
【0067】上述のような配管、接続構成でシステムの
ブレーキ圧系は組み立てられる。コントローラ500に
は、車輪の車輪速を検出する車輪速センサ(図示せず)
等からの信号が入力され(他のチャンネル側についても
同様とする)、コントローラ500は、入力情報に基づ
き、カット弁11、切り換え弁12、圧電ポンプ117
の前述した2つの圧電素子に対する制御を、それぞれ実
行する。具体的には、車速や各車輪の回転速度に基づい
て車輪のスキッド状態を検知して、カット弁11、切り
換え弁12、圧電ポンプ117への通電を制御する。
【0068】以下、図7に示した構成に従い、図8、図
9をも参照し、通常時、及びABS制御での減圧時、増
圧時での本ブレーキ液圧制御装置の機能、作用も含め
て、この順で更に具体的に説明する。
【0069】通常時(図7) カット弁11、及び切り換え弁12は開状態(ともに、
非通電状態)にあり、圧電ポンプ117は非通電で非作
動状態にある。かかる状態において、運転者(ユーザド
ライバー)がブレーキングのためブレーキぺダル1を踏
み込むと、マスターシリンダ2で発生した液圧Pmは、
そのままホイールシリンダ3に作用する。そして、ブレ
ーキぺダル1の操作力が解除され、マスターシリンダ2
の油圧が低下するときには、ホイールシリンダ3の作動
油は、マスターシリンダ2に戻る。通常ブレーキ時は、
こうしてドライバーの意思に対応する制動を行うことが
できる。
【0070】なお、上記のような構成において、圧電ポ
ンプ117をバイパスするように設けられている切り換
え弁12と直列に、かつ圧電ポンプ117がホイールシ
リンダ圧を制御する方向と逆の方向にのみ作動液を流通
させる手段を、更に付加すると、圧電ポンプ117内に
Assy時にエアーが混入しても、簡単に、それを排
出、除去することが可能である。このため、例えば、液
路402a中に、作動圧がマスターシリンダ側からホイ
ールシリンダ側へ抜ける方向性の向きをもってチェック
弁(以下、エアー排出用チェック弁と称することとす
る)を介挿するとよい。かかるエアー排出用チェック弁
を有するときは、次のような作用が実現できる。
【0071】図7の圧電ポンプ117は、前記図2を参
照して述べたようにして、2つの油室121−1,12
1−2、2つの積層型圧電素子等の要素、部品を使用し
組み付けられるところ、本実施例に係るABSシステム
を組み上げたとき圧電ポンプ117の内部にエアーが万
一残留していても、その残ったエアーは、カット弁1
1、及び切り換え弁12はともに開状態(ともに、図7
図示の常態の状態で、電流非通電状態)、圧電ポンプ1
17は非作動の状態で、即ち図7の各要素の状態で(従
って、格別のコントローラ制御を用いずに)、通常のブ
レーキ操作を行うことにより、簡単にして、かつ確実、
容易に、圧電ポンプ117の内部から排出することがで
きる。
【0072】つまり、作業者等がブレーキぺダル1を操
作し、マスターシリンダ2に液圧を発生させた時は、作
動油は、液路401→液路402→液路402a→エア
ー排出用チェック弁→切り換え弁12→液路403とい
った順で、その液路402a中に付加した該エアー排出
用チェック弁を経由してそのままホイールシリンダ3へ
流れ込むことになる。
【0073】そして、ブレーキぺダル1の操作を解除し
(ブレーキぺダル開放)、マスターシリンダ2の液圧を
解除すると、ホイールシリンダ3の作動油は、上記エア
ー排出用チェック弁の存在のために増圧時において作動
油が流れた経路(エアー排出用チェック弁25→切り換
え弁12)とは異なり、液路403→液路404→圧電
ポンプ117のハウジングポート217aの順で、該圧
電ポンプ117のそれぞれ#1油室121−1,#2油
室121−2の内部を通ってハウジングポート217b
へ至り、液路406側を通してマスターシリンダ2に戻
る。この時に圧電ポンプ117の内部に残ったエアーを
強制的に排出できる。
【0074】こうして、たとえAssy時に本圧電ポン
プ117内にエアーが残留したとしても、容易にエアー
抜きができる。
【0075】従って、ポンプとして圧電ポンプ機構を使
用する装置においても、それに対して上記の方法で簡単
に残留エアーの除去が行え、それ故にまた、例えば圧電
ポンプ本体にエアー抜きの穴を設けるといった他の手段
を講ずるような場合におけるような不利、不便もなく、
かつABSシステム稼働時、圧電ポンプを駆動しても残
留エアーが原因で作動油がほとんど吐出されずにABS
の利きが低下するという事態を招くことも未然に回避さ
れる。
【0076】本実施例においてはまた、上記のエアー抜
き操作時点では、図7中コントローラ500回りの系部
分は、そのエアー排出のためにはなくても差し支えはな
いものである。これは、エアー抜きの操作が、コントロ
ーラ500の組付け前の状態でも、従ってそれによる制
御を用いない所望の段階で行えて、利便性のあることを
も意味する。もっとも、コントローラ500をも組付け
た状態で、上記方法によりエアー抜きを実施してよいこ
とは勿論である。
【0077】また、通常ブレーキや、ABSそのものの
作用についても、上記の如くにその配置、向き等を選定
して付加する構成のエアー排出用チェック弁とすると、
かかるエアー排出用チェック弁の有無により変化しな
い。
【0078】減圧時(図8) ABS作動の減圧時は、図8のようになる。即ち、図7
で述べたようなブレーキ液圧経路(上記エアー排出用チ
ェック弁を付加した場合は、当該エアー排出用チェック
弁を含むブレーキ液圧経路)で車輪にブレーキ力が働く
場合において、車輪速センサ等からの信号を入力とする
コントローラ500が車速や各車輪の回転速度に基づい
て車輪のスキッド状態を検知すると、スキッド状態にな
った車輪の減圧制御(ABS作動の減圧制御)を開始す
る。
【0079】まず、図8にように、カット弁11を閉鎖
し、マスターシリンダ2からの作動液の流入を遮断す
る。次に、切り換え弁12も閉鎖し圧電ポンプ117を
作動させて、ホイールシリンダ3に蓄積された作動液を
蓄圧室23に汲み上げることにより、ホイールシリンダ
3の圧力を減圧する(図8矢印)。このとき、その圧電
ポンプ117の作動については、コントロールユニット
500の制御の下、それぞれの圧電素子に印加する交流
電圧の位相を180°ずらすようにして各側の圧電素子
の駆動が行われ、前記図3、図5で説明したような動作
でホイールシリンダ圧の減圧を行う。この場合、既述の
如くに、圧電素子にかかる荷重がバネ荷重となる前記領
域a,cにおいて、荷重変化を相殺するようにすること
ができ、その片側の油室の作動油が圧縮されるときはも
う一方の油室にて蓄積された作動油の油圧が有効に利用
され、圧電素子を使用する圧電ポンプの性能を十分に引
き出せて、対応ホイールシリンダの減圧制御が実行され
ることになる。また、ホイールシリンダ3の圧力の減圧
速度は、圧電ポンプ117のそれら圧電素子に印加する
電圧の振幅または周波数を変えることにより調整できる
が、一定でもよい。
【0080】なお、上記エアー排出用チェック弁を付加
した場合は、かかる圧電ポンプ117の作動によるAB
S作動が当該車両にとって最初のものであっても、前記
のように、その前には、既に、必ず、上記残留エアー抜
き操作がエアー抜き時の説明で述べた最初のブレーキぺ
ダル操作に伴って自動的に実施されているから、圧電ポ
ンプ117の作動による上記蓄圧室23に汲み上げ、ホ
イールシリンダ圧Pwの減圧は確実に行われる。
【0081】増圧時(図9) ホイールシリンダ3の減圧により対応車輪の拘束力を弱
めると、車輪の回転が回復する。充分にその回転が回復
して、路面と車輪のスリップ率が減少すると、コントロ
ーラ500がこれを判断して増圧制御(ABS作動の増
圧制御)を開始する。即ち、圧電ポンプ117を非作動
とし、図9のように、切り換え弁12を開とすることに
より、その切り換え弁12を通して(上記エアー排出用
チェック弁を付加した場合は、当該エアー排出用チェッ
ク弁、及びその切り換え弁12を通して)ホイールシリ
ンダ3の増圧をする(図9矢印)。ここで、増圧する速
度、圧力は、車輪のスリップ率が最適になるように切り
換え弁12の開時間、開閉時間のデューティ比をコント
ローラ500により制御することでコントロールでき
る。
【0082】本実施例においては、上記のような減圧、
及び増圧の繰り返しによってABS制御が行われ、車輪
ロックが防止される。なお、以上の説明で分かるとお
り、上記エアー排出用チェック弁を付加した場合の構成
でも、ホイールシリンダ圧を増圧するときのみ切り換え
弁12が開で、作動油がホイールシリンダ3に流入し、
エアー排出用チェック弁が作動することから、かかるエ
アー排出用チェック弁が新たに付加されてもABSの動
作にも上述の通り何ら支障はないものである。
【0083】次に、本発明の他の実施例を図10乃至図
12により説明する。本実施例は、上記圧電ポンプ11
7を増圧用のものとして用いようというものである。前
記図7〜9による実施例が、ブレーキ操作に応じて液圧
を発生するマスターシリンダと、各車輪に対してそれぞ
れ制動力を発生させるホイールシリンダと、マスターシ
リンダとホイールシリンダの間に設けたカット弁と、カ
ット弁とホイールシリンダの間に設けられ車輪のスリッ
プ発生時に閉じられる切り換え弁と、切り換え弁をバイ
パスするように設けられた、ホイールシリンダ圧を減圧
する方向のみに作用する圧電ポンプ機構と、その切り換
え制御弁とカット弁の間に設定された蓄圧手段とを備え
るアンチスキッドブレーキシステムであって、その圧電
ポンプに図2の構成の圧電ポンプ117を用いる場合の
例であったのに対し、本実施例は、ブレーキ操作に応じ
て液圧を発生するマスターシリンダと、各車輪に対して
それぞれ制動力を発生させるホイールシリンダと、マス
ターシリンダとホイールシリンダの間に設けたカット弁
と、ABSの減圧制御中に作動液を蓄えるリザーバと、
カット弁とホイールシリンダの間から、車輪のスキッド
時にホイールシリンダをリザーバに接続する切り換え弁
と、切り換え弁をバイパスするように設けられた、ホイ
ールシリンダ圧を増圧する方向のみに作用する圧電ポン
プ機構とを備えるアンチスキッドブレーキシステムであ
って、その圧電ポンプとして前記図2の構成の圧電ポン
プ117を用いる場合の例である。
【0084】図10に示す如く、カット弁11、リザー
バ13、切り換え弁12、及び該切り換え弁12をバイ
パスするように設けられてホイールシリンダ圧を増圧す
る方向に作用する圧電ポンプ117を備える。なお、前
記実施例の場合と同一、もしくは同様または類似の部
分、要素については、同じ符号を付してある。ホイール
シリンダ液路402には、途中から分岐して液路430
を設けられ、これを切り換え弁12を通し液路412を
介してリザーバ13に接続し、また、リザーバ13から
は圧電ポンプ117を介し液路414によりカット弁1
1の下流側につなげてある。
【0085】以下、要部を説明する。図10において、
ブレーキぺダル1の操作力に応じて液圧Pmを発生する
マスターシリンダ2が、通常時(常態の非通電時)、開
状態に設定されたカット弁11を介して、ホイールシリ
ンダ3に接続される。また、ABSの減圧制御中に作動
液を蓄えるリザーバ13を備え、カット弁11とホイー
ルシリンダ3の間から車輪のスキッド時にホイールシリ
ンダ3をリザーバ13に接続するように切り換え弁12
が設けられる。本実施例では、この切り換え弁12は、
通常時(常態の非通電時)、閉状態に設定されている。
【0086】更に、切り換え弁12をバイパスするよう
に、ホイールシリンダ3のブレーキ圧を増圧する方向に
作用する圧電ポンプ機構として前記構成の圧電ポンプ1
17が設けられている。該圧電ポンプ117としては、
前記実施例で使用したのと同じものをそのまま用いるこ
とができる。本実施例の場合は、その圧電ポンプ117
は、図2におけるポート217a側が、リザーバ13に
接続の液路側のポートとなるよう、またポート217b
側が、ホイールシリンダ3に接続の液路414側のポー
トとなるようにつなげてあり、チェック弁118−1
a,118−1b,118−2a,118−2bにより
ホイールシリンダ圧を増圧する方向に作用する増圧用圧
電ポンプとすることができる。上記構成によるものが該
当チャンネルごとに設けられる。
【0087】また、本実施例においても、ABS制御を
行わせるため、車速や各輪の回転速度に基づいて車輪の
スキッド状態を検知して、上記カット弁11、切り換え
弁12、圧電ポート117への通電をコントローラ50
0が制御する。ここに、コントローラ500は、前記例
の場合も同様であるが、入力検出回路、演算処理回路
と、該演算処理回路で実行される制御プログラム及び演
算結果等を格納する記憶回路と、制御対象要素に制御信
号を送出する出力回路等を含むマイクロコンピュータで
構成でき、コントローラ500は、ABS作動時には、
予め組み込まれているABS制御プログラムに従ってホ
イールシリンダ圧の減増圧制御を実行する。好ましく
は、この場合、本実施例では、コントローラ500は、
ホイールシリンダ圧の緩増圧制御を圧電ポンプ117に
より行い、急増圧制御をカット弁11を開くことにより
行う。
【0088】以下、本実施例における通常ブレーキ時、
及びABS制御の減圧時、増圧時での機能、作用もを含
めて説明する。図10は通常時(ABS非作動時)、図
11ABS作動減圧時、図12はABS作動増圧時のそ
れぞれの様子を示す。
【0089】通常時(図10) 通常時、カット弁11は開状態(非通電状態)、切り換
え弁12は閉状態(非通電状態)、圧電ポンプ117は
非作動状態にある。マスターシリンダ2で発生した液圧
Pmは、そのままホイールシリンダ3に作用する。
【0090】減圧時(図11) コントローラ500が車速や各車輪の回転速度に基づい
て車輪のスキッド状態を検知すると、スキッド状態にな
った車輪の減圧制御を開始する。カット弁11を閉じ
て、マスターシリンダ2からの作動液(作動油)の流入
を遮断し、切り換え弁12を開くことにより、ホイール
シリンダ3に蓄えられた作動液を切り換え弁12を経由
してリザーバ13に開放する。こうして該当ホイールシ
リンダ3の圧を減圧する(図11矢印)。この場合、ホ
イールシリンダ3の圧力の減圧速度は、切り換え弁12
を間欠的に開閉して減圧を段階的に行うことにより調整
することができる。
【0091】緩増圧時(図12) このときは、次のような作動で当該減圧ホイールシリン
ダ圧の緩増圧制御(ABS緩増圧制御)が行われる。ホ
イールシリンダ3の減圧により車輪の拘束力を弱める
と、車輪の回転が回復する。充分に回転が回復して、路
面と車輪のスリップ率が減少すると、増圧制御を開始す
る。即ち、図12のように、切り換え弁12を閉じて圧
電ポンプ117を作動させ、減圧時にリザーバ13に蓄
えられた作動液をホイールシリンダ3に汲み上げる。こ
れで、ホイールシリンダ3の圧は緩増圧される(図12
矢印)。このとき、その圧電ポンプ117の作動につい
ても、前記減圧ポンプとして用いる場合と基本的に同じ
使い方でよい。コントロールユニット500の制御の
下、それぞれの圧電素子に印加する交流電圧の位相を1
80°ずらすようにして各側の圧電素子の駆動を行い、
これにより対応ホイールシリンダの緩増圧制御が実行さ
れることになる。
【0092】本実施例では、以上のような減圧、緩増圧
の繰り返しによりABS制御が行われ車輪ロックが防止
される。
【0093】急増圧時(図12参照) 更に、上記コントローラ500は、ABS制御中、カッ
ト弁11に対する制御も実行する。本実施例において
は、閉位置に制御中のカット弁11を開くことで急増圧
の要求にも容易に対応でき、上記の圧電ポンプ117に
よる緩増圧制御のほか、急増圧制御も可能である。
【0094】即ち、ABS制御で極くまれにホイールシ
リンダ圧を急速に回復する必要が生じる場合がある。急
増圧制御が要求されるのは、例えば、低μ路から高μ路
へのμジャンプの場合などの制御条件のときである。こ
の時は、図12の状態から、コントローラ500は、更
にカット弁11も開いて、マスターシリンダ2とホイー
ルシリンダ3を接続する。このように接続することによ
り、急速な増圧を行うことができる。このときも、ホイ
ールシリンダ3の増圧量は、コントローラ500がカッ
ト弁11を間欠的に開閉することにより制御することが
できる。
【0095】本発明は、このようにして実施することも
でき、前記実施例と同様に、圧電ポンプに使用する圧電
素子を小型のものとし、小型、低コストの装置で車輪ロ
ック回避のブレーキ液圧制御を実現できる。更に、これ
に加えて、本実施例の場合は、急増圧時はカット弁11
で、緩増圧時は圧電ポンプ117でホイールシリンダ圧
の増圧量の制御を分担するようにすることができ、急増
圧の要求にも応えられてよりきめ細かな制御が行える。
緩増圧制御はこれを図2の構成の圧電ポンプ117によ
り行い、急増圧制御をそのカット弁11を開くことによ
り行うことができるので、使用する圧電素子は急増圧制
御上の制約を受けず、ABS増圧制御を専ら圧電ポンプ
に依存する場合のものに比し、緩増圧の要求のみを考慮
したより小型のもので充分なので、更にその分の低コス
ト化も図れるという効果が得られる。斯く制御すると、
より良く、高価な圧電素子を使用する圧電ポンプの場合
は、各チャンネルごと圧電ポンプをそれだけ安価なもの
とし得ることからも特に効果的である。
【0096】なお、本実施例の場合も、前述の圧電ポン
プ117内の残留エアー排出のための技術を上記構成に
付加して実施することができる。本実施例でエアー除去
処理を行わんとするときは、例えば、液路430中に、
作動圧が液路402側からリザーバ13側へ抜ける方向
性の向きをもったチェック弁をエアー排出用チェック弁
として介挿し、次のような方法で、エアー排出を実現さ
せるとよい。
【0097】基本的には、本実施例に係るABSシステ
ムを組み上げたとき圧電ポンプ117の内部に残ったエ
アーは、図10の如く、カット弁11は常態の開状態
(電流非通電状態)のままとする一方、切り換え弁12
については図10の閉状態から開状態(図11参照)に
コントローラ500で切り換えた状態とし、また、圧電
ポンプ117は非作動で、ブレーキ操作を行うことによ
り圧電プランジャ17の内部から排出することができ
る。
【0098】即ち、ブレーキぺダル1を操作し、マスタ
ーシリンダ2に液圧を発生させた時は、作動油は、マス
ターシリンダ液路401→カット弁11→液路430→
エアー排出用チェック弁→開状態の切り換え弁12→液
路412といった順で、その液路430中に付加した該
エアー排出用チェック弁を経由し、かつエアー排出用モ
ードのため開に切り換えられた状態のその切り換え弁1
2を経由する経路で、リザーバ13に流れ込む。ホイー
ルシリンダ3にも同時に作用する。次に、ブレーキぺダ
ル1の操作を解除し、マスターシリンダ2の液圧を解除
すると、リザーバ13に一旦蓄えられた作動油は、上記
増圧時に作動油が流れた経路とは異なり、圧電ポンプ1
17の内部の2つの油室を通ってマスターシリンダ2に
戻る。従って、この時に、図2の圧電ポンプ117のA
ssy時等に内部に残留エアーが残ったとしても、その
エアーを強制的に排出し除去でき、事前にこのエアー排
出処理を施しておけば、かかる状態で増圧ポンプとして
制御時に稼働させることが可能になる。また、ABSそ
のものの作用についても、本実施例でも、かかるエアー
排出用チェック弁の有無により変化しない。
【0099】次に、本発明に従う圧電ポンプの他の実施
例を、図13及び図14により説明する。前記図2以下
の実施例で示した圧電ポンプ117は、圧電素子を2分
割した構造としたものであったが、本実施例は、1個の
圧電素子で圧電ポンプのピストンをプッシュ−プルする
構造とするものである。ただし、この構造とするときに
は、圧電素子に過大な引張り荷重が加わらないように、
プリロードを印加するバネが必要になる。
【0100】図13は、本実施例に従う場合の構造の一
例を示す。なお、同図中、前記図2の場合と同様に構成
部分については、同一の符号を付してある。前記実施例
と同様に、本実施例のポンプハウジング32には、ピス
トン119−1で2分割される容積可変室である油室1
21−1(図中左側油室),油室121−2(図中右側
油室)の2つの油室と、チェック弁118−1a,チェ
ック弁118−1b,チェック弁118−2a,チェッ
ク弁118−2bの4つのチェック弁と、接続ポート3
2a,32bと、内部液路217−1a,217−1
b,217−2a,217−2b等が設けられる。
【0101】本実施例においては、使用圧電素子体は一
つであり、図示のように、1個の積層型圧電素子からな
る圧電ピストン(圧電ピストン本体部)17−aが組付
けられる。図中のキャップ17−d、台座17−c、可
動体17−e、ポンプケース31は、それぞれ図2にお
ける対応要素ものと同様の機能、作用の部材であり、ま
た、33はエンド板である。
【0102】ここに、図13及び図2にみられるとお
り、図13の場合の上記1個の積層型圧電素子は、前記
図2における2つの積層型圧電素子を一体としたときの
長さ、サイズのものとなっており、本実施例のものは、
図2で2分割構成とするものを単一の構造にしたものに
相当する。更に、本実施例においては、圧電素子に過大
な引張り荷重が加わらないように、プリロードを印加す
るバネとして、図示のように、ハウジング段部と可動体
17−e端部間に、プリロードセット用コイルスプリン
グ30を設ける構成とする。
【0103】上記のように、1個の積層型圧電素子を用
いる場合は図示のような各要素の配置、組付け構造のも
のとすることができ、単一の積層型圧電素子体を使用
し、これに対する駆動によりダイヤフラム119−1を
プッシュ−プルする構造にしても構わない。本実施例の
圧電ポンプ17も、前記実施例の場合と同様の作用効果
を得ることができる。圧電ポンプ内に設けた2つの油室
のうち、片側の油室の作動油が圧縮されるときに、もう
一方の油室にて蓄圧された作動油の油圧を有効に利用で
きる構造にすることができ、これにより、圧電素子の発
生変位を有効に利用し、圧電ポンプの性能を向上させ、
圧電ポンプに使用する圧電素子を小型化することができ
る。
【0104】図14には、前記図2の構造による場合の
前記図5の特性に相当する特性が示されている。具体的
には、本実施例の圧電ポンプ17を減圧制御用に用いた
場合のホイールシリンダ減圧特性を示し、同様の結果を
得ることができる。更に、本実施例では、図2との対比
でも分かるように、図2の場合に比し、より簡単な構成
とすることが可能で、その分一層小型化、低コスト化が
図れる。また、本実施例も、前記図7乃至図9の実施例
におけるブレーキ液圧制御装置での圧電ポンプ機構とし
て適用でき、かつまた、容易に、前記図10乃至図12
の実施例におけるブレーキ液圧制御装置での圧電ポンプ
機構としても適用できる。更にまた、それらの場合にお
いて、コントローラ500による制御は、2つの圧電素
子体に対する別個の駆動電圧の印加制御でなく、単一の
圧電素子体に対する駆動電圧の印加制御で済み、この点
で、制御内容も簡潔なものとなるなど、ABSシステム
のより一層の低コストが実現できる等の利点もある。
【0105】なお、本発明は、以上の特定の実施例、変
形例等に限定されるものではない。例えば、ABS制御
に適用する場合でも、4チャンネルABSの場合に限ら
ず、前輪左右は個々に、後輪左右は共通に制御する3チ
ャンネルABS、その他圧電素子の駆動によりポンプ作
用を行わせようとする場合の液圧制御アクチュエータに
も、適用できることはいうまでもない。
【0106】また、例えば、TCS制御や、制動時の制
動力配分による車両挙動制御の場合にも適用できるし、
また、ABS制御を含んでそれら制御の2以上の組み合
わせ制御の場合にも本発明は適用できるものである。ま
た、制動力配分制御は、左右制動力差制御でなく、前後
制動力差制御であってもよく、かつまた、その左右制動
力差制御と前後制動力差制御の組み合わせでもよい。
【0107】また、ブレーキ操作力に応じたブレーキ操
作力対応圧を発生する圧力源をマスターシリンダに代え
て備え、該圧力源からの圧力を元圧とするブレーキシス
テムでも、本発明は実施できる。
【0108】また、2個の積層型圧電素子を使用する場
合の具体的構成例を図2に、また1個の積層型圧電素子
を使用する場合の具体的構成例を図13に示したが、そ
れらは、図示構造のものに限られるものでもない。
【0109】
【発明の効果】本発明によれば、圧電素子の駆動により
ポンプ作用を行わせるアクチュエータにおいて、その圧
電ポンプとして、ピストン手段により分割される容積可
変室を2つ設定し、その片側の室の作動液が圧縮される
ときに、もう一方の室にて蓄圧された作動液の圧を有効
に利用できる構造にすることが可能で、これにより圧電
素子の発生変位を有効に利用し得て、かかる圧電素子を
利用するポンプの性能を向上させ、ひいては、該ポンプ
に使用する圧電素子を小型化し、低コスト化することが
できる。
【0110】また、この場合、圧電素子体は単一のもの
でも、2分割構造のものでもよく、圧電素子体を2分割
する構造の場合は、ピストン手段を両側にロッドを有す
る円板状の構造とし、かかるピストンを駆動するのに、
2個の積層型圧電素子を対向するように配置し、該圧電
素子に印加する交流電圧の位相を180゜ずらすように
して、本発明は実施でき、同様に上記のことを実現する
ことができる。
【0111】また、本発明は、ブレーキ操作力対応圧を
発生可能な液圧発生源と、車両の車輪に対してそれぞれ
制動力を発生させるホイールシリンダと、液圧発生源と
ホイールシリンダの間に設けたカット弁と、カット弁と
ホイールシリンダの間に設けられ、車輪のスリップ発生
時に閉じられるよう、切り換えられる切り換え弁と、切
り換え弁をバイパスするように設けられ、ホイールシリ
ンダ圧を減圧する方向に作用する圧電ポンプ機構と、切
り換え弁とカット弁の間に設定された蓄圧手段とを備え
るブレーキ液圧制御システムにおいて、その圧電ポンプ
に請求項1または請求項2のいずれかのアクチュエータ
を用いる構成として、実施でき、改良された圧電ポンプ
により車両の制御対象ホイールシリンダ圧の減圧制御を
適切に実現することができる。
【0112】また、ブレーキ操作力対応圧を発生可能な
液圧発生源と、車両の車輪に対してそれぞれ制動力を発
生させるホイールシリンダと、液圧発生源とホイールシ
リンダの間に設けたカット弁と、アンチスキッド制御の
減圧制御中に作動液を蓄えるリザーバと、カット弁とホ
イールシリンダの間から車輪のスキッド時にホイールシ
リンダをリザーバに接続するよう、切り換えられる切り
換え弁と、切り換え弁をバイパスするように設けられ、
ホイールシリンダ圧を増圧する方向に作用する圧電ポン
プ機構とを備えるアンチスキッドブレーキシステムにお
いて、その圧電ポンプに請求項1または請求項2のいず
れかのアクチュエータを用いる構成として、本発明は実
施でき、同様に、改良された圧電ポンプにより車両の制
御対象ホイールシリンダ圧の増圧制御を適切に実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るアクチュエータ及び制御
装置を適用できるシステム構成を示す図である。
【図2】同例での液圧制御用アクチュエータにおける圧
電ポンプの一実施例の構成を示す図である。
【図3】同アクチュエータに係る圧電ポンプの圧電素子
の変位、及びチェック弁の変位、並びに圧電ポンプ内の
油室内の圧力変化の一例の説明の供するタイムチャート
である。
【図4】図3と対比して示す、比較例におけるタイムチ
ャートで、従来例によった場合の圧電ポンプの圧電素子
の変位、チェック弁の変位、圧電ポンプ内の油室内の圧
力変化の考察図である。
【図5】図2に示す圧電ポンプをABS減圧ポンプとし
て用いたときのホイールシリンダの減圧特性の一例を示
す図である。
【図6】図4と対比して示すための比較特性図で、従来
例によった場合の圧電ポンプをABS減圧ポンプとして
用いたときのホイールシリンダの減圧特性を示す図であ
る。
【図7】図2に示す圧電ポンプを減圧ポンプとしてAB
S制御に用いるときのブレーキ制御装置の一実施例を示
すもので、1輪分に係わるブレーキ圧系の構成を示す構
成図である(ABS非作動時(通常時)の説明図でもあ
る)。
【図8】同例でのABS作動時における減圧時の作動状
態の図である。
【図9】同じく、その増圧時の作動状態の図である。
【図10】ブレーキ制御装置の他の実施例を示すもの
で、図2に示す圧電ポンプを増圧ポンプとしてABS制
御に用いるときの、1輪分に係わるブレーキ圧系の構成
を示す構成図である(ABS非作動時(通常時)の説明
図でもある)。
【図11】同例でのABS作動時における減圧時の作動
状態の図である。
【図12】同じく、その増圧時(緩増圧時、急増圧時)
の作動状態の図である。
【図13】圧電ポンプの他の実施例の構成を示す図であ
る。
【図14】同例の圧電ポンプをABS減圧ポンプとして
用いたときのホイールシリンダの減圧特性の一例を示す
図である。
【図15】従来例の説明に供する図である。
【符号の説明】
1 ブレーキぺダル 2 マスターシリンダ 3 ホイールシリンダ 3FL,3FR,3RL,3RR 車輪 3Vw 車輪速センサ 11 カット弁 12 切り換え弁 13 リザーバ 14 減圧弁 17 圧電ポンプ(圧電ポンプ機構) 17−a 圧電ピストン(積層型圧電素子) 17−c 台座 17−e 可動体 17−d キャップ 23 蓄圧室 30 プリロードセット用コイルスプリング 31 ポンプケース 32 ポンプハウジング 32a,32b ポート 32−1a,32−1b,32−2a,32−2b 液
路 33 エンド板 117 圧電ポンプ(圧電ポンプ機構) 117−1,117−2 #1圧電ポンプ,#2圧電ポ
ンプ 117−1a,117−2a #1圧電ピストン,#2
圧電ピストン(積層型圧電素子) 117−1c,117−2c #1台座,#2台座 117−1e,117−2e #1可動体,#2可動体 117−1d,117−2d #1キャップ,#2キャ
ップ 117−2f ボール 117−2g プリロード調節ねじ 118−1a,118−1b #1−1チェック弁,#
1−2チェック弁 118−2a,118−2b #2−1チェック弁,#
2−2チェック弁 119−1 ピストン 119−2 ロッド 120−1,120−2 #1スペーサ,#2スペーサ 121 油室 121−1,121−2 #1油室,#2油室 122 Oリング 217 ポンプハウジング 217a,217b ポート 217−1a,217−1b,217−2a,217−
2b 液路 218−1,218−2 #1ポンプケース,#2ポン
プケース 219 周り止めナット(回転留めナット) 400MP 液路 400FL〜400RR 液路 401〜404,406,408 液路 412,414,430 液路 500 コントローラ 1000 アクチュエータユニット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子の駆動によりポンプ作用を行わ
    せるアクチュエータであって、 圧電素子体への印加電圧に応じて当該圧電素子体が伸縮
    するのに伴い移動するピストン手段により2分割される
    容積可変室を備えるとともに、斯く分割した容積可変室
    のそれぞれにおいて該容積可変室への作動液の流入は許
    容するが流出は阻止する吸入弁、及び該容積可変室への
    作動液の流出は許容するが流入は阻止する吐出弁と備え
    ることを特徴とする液圧制御用アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記ピストン手段は、両側にロッドを有
    する円板状の構造のものとし、そのピストンを駆動する
    のに、2個の積層型圧電素子を対向するように配置し、
    かつ、それら圧電素子に印加する交流電圧は、その位相
    を180゜ずらすようにして印加することを特徴とする
    請求項1記載の液圧制御用アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 ブレーキ操作力対応圧を発生可能な液圧
    発生源と、 車両の車輪に対してそれぞれ制動力を発生させるホイー
    ルシリンダと、 前記液圧発生源とホイールシリンダの間に設けたカット
    弁と、 該カット弁と前記ホイールシリンダの間に設けられ、車
    輪のスリップ発生時に閉じられるよう、切り換えられる
    切り換え弁と、 該切り換え弁をバイパスするように設けられ、ホイール
    シリンダ圧を減圧する方向に作用する圧電ポンプ機構
    と、 前記切り換え弁とカット弁の間に設定された蓄圧手段と
    を備えるブレーキ液圧制御システムにおいて、 その圧電ポンプに請求項1または請求項2記載の液圧制
    御用アクチュエータを用いることを特徴とする車両の走
    行制御装置。
  4. 【請求項4】 ブレーキ操作力対応圧を発生可能な液圧
    発生源と、 車両の車輪に対してそれぞれ制動力を発生させるホイー
    ルシリンダと、 前記液圧発生源とホイールシリンダの間に設けたカット
    弁と、 アンチスキッド制御の減圧制御中に作動液を蓄えるリザ
    ーバと、 前記カット弁とホイールシリンダの間から車輪のスキッ
    ド時にホイールシリンダを前記リザーバに接続するよ
    う、切り換えられる切り換え弁と、 該切り換え弁をバイパスするように設けられ、ホイール
    シリンダ圧を増圧する方向に作用する圧電ポンプ機構と
    を備えるアンチスキッドブレーキシステムにおいて、 その圧電ポンプに請求項1または請求項2記載の液圧制
    御用アクチュエータを用いることを特徴とする車両の走
    行制御装置。
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