JPH0840098A - 副変速機の切換機構 - Google Patents

副変速機の切換機構

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JPH0840098A
JPH0840098A JP6197511A JP19751194A JPH0840098A JP H0840098 A JPH0840098 A JP H0840098A JP 6197511 A JP6197511 A JP 6197511A JP 19751194 A JP19751194 A JP 19751194A JP H0840098 A JPH0840098 A JP H0840098A
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gear
output shaft
switching
planetary
ring gear
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Hiroaki Yamada
弘昭 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、プラネタリギヤトレイン
を有する副変速機をリングギヤの移動により高速と中立
と低速とに切換え得て、プラネタリキャリヤを出力軸に
がたつきを生じることなく堅固に固定し得て、切換操作
力を軽減することにある。 【構成】 このため、この発明は、サンギヤとプラネタ
リギヤとプラネタリキャリヤとリングギヤとを有する副
変速機に、高速切換時にプラネタリギヤの回転阻止によ
りドリブンスプロケットに対してプラネタリキャリヤを
同速回転させ、中立切換時にプラネタリギヤの回転許容
によりドリブンスプロケットに対してプラネタリキャリ
ヤを空転させ、低速切換時にサンギヤの回転阻止及びプ
ラネタリギヤの回転許容によりドリブンスプロケットに
対して前記プラネタリキャリヤを減速回転させるべく、
リングギヤを出力軸の軸線方向に移動させる切換機構を
設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は副変速機の切換機構に
係り、特に、プラネタリギヤトレインを有する副変速機
をリングギヤの移動により高速と中立と低速とに切換え
得て、プラネタリキャリヤを出力軸にがたつきを生じる
ことなく堅固に固定し得て、切換操作力を軽減し得る副
変速機の切換機構に関する。
【0002】
【従来の技術】四輪駆動車においては、エンジンの駆動
力を変速機により変換して取出し、この駆動力を前側推
進軸と後側推進軸とに分配して前車輪と後車輪とを駆動
している。このような四輪駆動車には、前記変速機によ
り取出された駆動力を、さらに変換して取出す副変速機
を設けたものがある。
【0003】従来の副変速機としては、例えば、特開昭
60−215427号公報や特開昭63−13822号
公報に開示されるものがある。
【0004】特開昭60−215427号公報に記載さ
れるものは、エンジンの回転が伝達されるドライブシャ
フトと同軸に分離してリヤドライブシャフトを配設する
とともにこのリヤドライブシャフトと平行にフロントド
ライブシャフトを配設し、前記ドライブシャフトの軸端
に設けたサンギヤと前記リヤドライブシャフトに軸方向
移動可能にスプライン係合されるとともに前記サンギヤ
に噛合離脱可能なキャリヤケースとこのキャリヤケース
に軸承されて前記サンギヤに噛合するプラネタリギヤと
前記キャリヤケースに回転可能に保持されてプラネタリ
ギヤに噛合するリングギヤとからなるプラネタリギヤト
レインを有する減速機を設け、前記各シャフト及びプラ
ネタリギヤトレインの噛合状態を切換えるシフト機構を
設けている。
【0005】前記シフト機構は、前記リヤドライブシャ
フトとフロントドライブシャフトとの連結を解除した状
態で前記サンギヤとキャリヤケースとを噛合させて前記
ドライブシャフトとリヤドライブシャフトとを連結する
第1のシフト位置、前記リヤドライブシャフトとフロン
トドライブシャフトとを連結した状態で前記ドライブシ
ャフトとリヤドライブシャフトとを連結状態に維持する
第2のシフト位置、前記サンギヤとキャリヤケースとの
噛合を解除した状態で前記ドライブシャフトとリヤドラ
イブシャフトとの連結を解除する第3のシフト位置、前
記リングギヤの回転を阻止してプラネタリギヤトレイン
による減速回転をリヤドライブシャフトに伝達する第4
のシフト位置と、に順次に切換えるものである。
【0006】特開昭63−13822号公報に開示され
るものは、変速機出力軸に連結される入力軸を設け、こ
の入力軸に同軸に分離して第1の出力軸を配設するとと
もに前記入力軸と平行に第2の出力軸を配設し、前記出
力軸の軸端に設けたサンギヤとこのサンギヤに噛合する
ピニオンを軸支して前記入力軸に設けられるキャリヤと
装置ケースに固定された固定部材及び前記キャリヤ間に
回転可能に保持されて前記ピニオンに噛合するリングギ
ヤとからなるプラネタリギヤ装置を有する副変速機を設
け、前記リングギヤの外周にスプライン係合されてリン
グギヤとキャリヤ及び固定部材とを連結離脱状態に切換
えるスライドスリーブを設けている。
【0007】前記スライドスリーブは、前記リングギヤ
にのみ結合されている状態ではプラネタリギヤ装置をフ
リーとして前記変速機出力軸と入力軸との連結を解除
し、前記リングギヤとキャリヤとを結合した状態では前
記変速機出力軸と入力軸とを連結し、前記リングギヤと
固定部材とを結合した状態では前記変速機出力軸の回転
を減速して入力軸に伝達するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記特開昭
60−215427号公報に記載されるものは、キャリ
ヤケースをリヤドライブシャフトに軸方向移動可能にス
プライン係合し、このキャリヤケースにリングギヤを回
転可能に保持させて、キャリヤケース及びリングギヤの
軸方向移動により副変速機を切換えている。
【0009】このため、特開昭60−215427号公
報に記載されるものは、切換えの際にキャリヤケース及
びリングギヤの2部材を移動させなければならず、キャ
リヤケースを支持するリヤドライブシャフトとの間にが
たつきを生じる不都合があり、キャリヤケースを堅固に
支持できない不都合がある。
【0010】また、前記特開昭63−13822号公報
に開示されるものは、リングギヤの外周に切換用のスラ
イドスリーブをスプライン係合して設け、リングギヤを
装置ケースに固定された固定部材及びキャリヤ間に回転
可能に保持している。
【0011】このため、特開昭63−13822号公報
に開示されるものは、リングギヤ外周のスライドスリー
ブによって総外周径が大きくなる不都合があり、また、
リングギヤが固定部材及びキャリヤに摺接されることに
よりメカニカルロスが大となる不都合があるとともに、
固定部材及びキャリヤとリングギヤとの間にスラスト隙
間を必要とすることによりスラスト方向のがたつきが大
となる不都合がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述の不都合を除去するために、駆動力が入力される入力
軸を設け、この入力軸にドライブスプロケットを固定し
て設け、前記入力軸に平行な出力軸を設け、この出力軸
にドリブンスプロケットを軸支して設け、前記ドライブ
スプロケット及びドリブンスプロケットにチェーンを巻
掛けて設け、前記出力軸に軸支されたサンギヤとこのサ
ンギヤに噛合されるプラネタリギヤと前記出力軸に固定
されて前記プラネタリギヤを支持するプラネタリキャリ
ヤと前記プラネタリギヤに噛合されるリングギヤとを有
する副変速機を設け、高速切換時に前記プラネタリギヤ
の回転阻止により前記ドリブンスプロケットに対して前
記プラネタリキャリヤを同速回転させ、中立切換時に前
記プラネタリギヤの回転許容により前記ドリブンスプロ
ケットに対して前記プラネタリキャリヤを空転させ、低
速切換時に前記サンギヤの回転阻止及び前記プラネタリ
ギヤの回転許容により前記ドリブンスプロケットに対し
て前記プラネタリキャリヤを減速回転させるべく、前記
リングギヤを前記出力軸の軸線方向に移動させて連結状
態を切換える切換機構を設けたことを特徴とする。
【0013】
【作用】この発明の構成によれば、副変速機は、サンギ
ヤとプラネタリギヤとプラネタリキャリヤとリングギヤ
とを有し、高速切換時にプラネタリギヤの回転阻止によ
りドリブンスプロケットに対してプラネタリキャリヤを
同速回転させ、中立切換時にプラネタリギヤの回転許容
によりドリブンスプロケットに対してプラネタリキャリ
ヤを空転させ、低速切換時にサンギヤの回転阻止及びプ
ラネタリギヤの回転許容によりドリブンスプロケットに
対して前記プラネタリキャリヤを減速回転させるべく、
切換機構によってリングギヤを出力軸の軸線方向に移動
させて副変速機の連結状態を切換えていることにより、
切換えの際にリングギヤの1部材の移動により切換える
ことができ、また、リングギヤはプラネタリギヤトレイ
ンの自動調心作用によりドリブンスプロケットとの噛合
をゆるくしても軸心を保持することができる。
【0014】
【実施例】以下図面に基づいて、この発明の実施例を説
明する。図1〜図4は、この発明の実施例を示すもので
ある。図1において、2は副変速機である。この副変速
機2は、図示しない四輪駆動車の前側に搭載したエンジ
ンの変速機に連結されている。副変速機2は、副変速機
ケース4に変速機から駆動力を入力される入力軸6を設
けている。入力軸6は、入力第1・第2軸受8・10に
より軸支している。入力軸6には、ドライブスプロケッ
ト12を固定して設けている。
【0015】前記副変速機2は、入力軸6に平行な出力
軸14を設けている。出力軸14は、後側出力軸14−
1と前側出力軸14−2とからなる。後側出力軸14−
1と前側出力軸14−2とは、直列に配設されている。
後側出力軸14−1は、副変速機ケース4に後側出力第
1・第2軸受16・18により軸支し、図示しない後側
推進軸に連結している。前側出力軸14−2は、副変速
機ケース4に前側出力第1軸受20により軸支している
とともに後側を後側出力軸14−1に前側出力第2軸受
22により軸支し、図示しない前側推進軸に連結してい
る。
【0016】前記後側出力軸14−1には、ドリブンス
プロケット24をドリブン軸受26により軸支してい
る。前記ドライブスプロケット12及びドリブンスプロ
ケット24には、チェーン28を巻掛けている。
【0017】前記後側出力軸14−1と前側出力軸14
−2との間には、2輪・4輪切換機構30を設けてい
る。2輪・4輪切換機構30は、シンクロナイザハブ3
2とシンクロナイザキー34とシンクロナイザリング3
6とシンクロナイザドッグ38とシンクロナイザスリー
ブ40とを有し、スリーブ40とドッグ38との噛合を
解除することにより後側出力軸14−1から前側出力軸
14−2への駆動力の伝達を遮断して2輪駆動とし、ス
リーブ40をドッグ38に噛合することにより後側出力
軸14−1から前側出力軸14−2に駆動力を伝達させ
て四輪駆動とする。
【0018】前記副変速機2は、後側出力軸14−1に
プラネタリギヤトレイン42を設けている。プラネタリ
ギヤトレイン42は、後側出力軸14−1に軸支された
サンギヤ44と、このサンギヤ44に噛合されるプラネ
タリギヤ46と、後側出力軸14−1に固定されてプラ
ネタリギヤ46を支持するプラネタリキャリヤ48と、
プラネタリギヤ46に噛合されるリングギヤ50とを有
している。前記サンギヤ44は、サンギヤ軸受52によ
り後側出力軸14−1に軸支されている。
【0019】また、前記後側出力軸14−1に固定され
たプラネタリキャリヤ48には、前記ドリブンスプロケ
ット24をドリブン軸受26により軸支している。した
がって、ドリブンスプロケット24は、後側出力軸14
−1に固定されたプラネタリキャリヤ48を介して、後
側出力軸14−1にドリブン軸受26により軸支してい
る。
【0020】前記副変速機2は、前記リングギヤ50を
後側出力軸14−1の軸線方向に移動させてプラネタリ
ギヤトレイン42の連結状態を切換える切換機構54を
設けている。切換機構54は、ドリブンスプロケット2
4にドリブン側ハブ56を固定して設け、このドリブン
側ハブ56にドリブン側ドッグ58を設けている。ま
た、切換機構54は、プラネタリキャリヤ48にキャリ
ヤ側ドッグ60を設けている。ドリブン側ドッグ58及
びキャリヤ側ドッグ60は、プラネタリギヤ46の後側
及び前側に夫々設けられ、且つ、後側出力軸14−1の
軸線方向に移動されるリングギヤ50が噛合・離脱可能
に設けられている。
【0021】また、前記切換機構54は、副変速機ケー
ス4にケース側ハブ62を固定して設け、このケース側
ハブ62にケース側ドッグ64を設けている。ケース側
ドッグ64は、サンギヤ44の前側に設けられている。
ケース側ドッグ64及びサンギヤ44には、後側出力軸
14−1の軸線方向に移動される切換スリーブ66が噛
合・離脱可能に設けられている。
【0022】前記切換機構54は、前記リングギヤ50
及び切換スリーブ66に係合されるリングギヤ用シフト
フォーク68及びスリーブ用シフトフォーク70を設け
ている。リングギヤ用シフトフォーク68及びスリーブ
用シフトフォーク70は、シフトシャフト72に固定し
て設けている。シフトシャフト72は、副変速機ケース
4に後側出力軸14−1の軸線方向に移動可能に支持し
て設けている。
【0023】シフトシャフト72は、位置決め機構74
により高速切換時と中立切換時と低速切換時とにおい
て、夫々後側出力軸14−1の軸線方向の移動を位置決
めされる。位置決め機構74は、副変速機ケース4にシ
フトシャフト72の径方向に指向させて保持孔76を設
け、この保持孔76に押圧ばね78によりシフトシャフ
ト72の径方向に弾性押圧される球体80を内蔵して設
け、シフトシャフト72に球体80が弾性係合される高
速用位置決め窪部82と中立用位置決め窪部84と低速
用位置決め窪部86とを設けている。
【0024】前記シフトシャフト72は、シフトレバー
88により後側出力軸14−1の軸線方向に移動され
る。シフトレバー88は、下方の中間部位にシフト動作
の中心となる球状部90を設け、下端にシフトシャフト
72の係合孔92に係合される係合部94を設け、上端
にシフトノブ(図示せず)を設けている。シフトレバー
88の球状部90は、副変速機ケース4の支持部96に
より球面支持される。
【0025】前記切換機構54は、シフトレバー88に
よりシフトシャフト72を後側出力軸14−1の軸線方
向に移動させ、高速切換時と中立切換時と低速切換時と
において位置決め機構74により夫々後側出力軸14−
1の軸線方向の移動を位置決めされる。
【0026】切換機構54は、高速切換に、図2に示す
如く、リングギヤ50がプラネタリギヤ46とドリブン
側ドッグ58及びキャリヤ側ドッグ60とに噛合され、
ドリブンスプロケット24とプラネタリギヤ46とプラ
ネタリキャリヤ48とを結合させ、プラネタリギヤ46
の回転を阻止する。
【0027】切換機構54は、中立切換時に、図3に示
す如く、リングギヤ50がプラネタリギヤ46とドリブ
ン側ドッグ58とに噛合され、ドリブンスプロケット2
4とプラネタリギヤ46とを結合させ、プラネタリギヤ
46の回転を許容する。
【0028】切換機構54は、低速切換時に、図4に示
す如く、リングギヤ50がプラネタリギヤ46とドリブ
ン側ドッグ58とに噛合されるとともに切換スリーブ6
6がケース側ドッグ64とサンギヤ44とに噛合され、
ドリブンスプロケット24とプラネタリギヤ46とを結
合させるとともにサンギヤ44とケース側ハブ62とを
結合させ、プラネタリギヤ46の回転を許容するととも
にサンギヤ44の回転を阻止する。
【0029】これにより、切換機構54は、高速切換時
にプラネタリギヤ46の回転阻止によりドリブンスプロ
ケット24に対してプラネタリキャリヤ48を同速回転
させ、中立切換時にプラネタリギヤ46の回転許容によ
りドリブンスプロケット24に対してプラネタリキャリ
ヤ48を空転させ、低速切換時にサンギヤ44の回転阻
止及びプラネタリギヤ46の回転許容によりドリブンス
プロケット24に対してプラネタリキャリヤ46を減速
回転させるべく、リングギヤ50を後側出力軸14−1
の軸線方向に移動させて連結状態を切換える。
【0030】次に作用を説明する。
【0031】図示しないエンジンの駆動力は、変速機を
介して副変速機2の入力軸6に入力され、ドライブスプ
ロケット12によりチェーン28を介してドリブンスプ
ロケット24に伝達される。ドリブンスプロケット24
に伝達された駆動力は、切換機構54により夫々高速切
換時と中立切換時と低速切換時とにおいて切換えられて
後側出力軸14−1に伝達される。
【0032】切換機構54は、シフトレバー88により
シフトシャフト72を中立切換状態から後側出力軸14
−1の軸線方向の図1のB方向に移動させると、球体8
0が高速用位置決め窪部82に弾性係合されて高速切換
状態となる。
【0033】切換機構54は、高速切換時に、図2に示
す如く、リングギヤ用シフトフォーク68によりリング
ギヤ50がプラネタリギヤ46とドリブン側ドッグ58
及びキャリヤ側ドッグ60とに噛合され、ドリブンスプ
ロケット24とプラネタリギヤ46とプラネタリキャリ
ヤ48とを結合させる。
【0034】これにより、切換機構54は、プラネタリ
ギヤ46の回転を阻止し、ドリブンスプロケット24に
対してプラネタリキャリヤ48を同速回転させる。プラ
ネタリキャリヤ48は、後側出力軸14−1に固定して
いることにより、ドリブンスプロケット24に対して後
側出力軸14−1を同速回転させる。
【0035】このとき、プラネタリギヤ46とサンギヤ
44とには、駆動力が伝達されていない。また、切換ス
リーブ66は、ケース側ドッグ64にのみ噛合されてい
る。
【0036】切換機構54は、シフトレバー88により
図2に示す高速切換状態のシフトシャフト72を後側出
力軸14−1の軸線方向の図1のA方向に移動させる
と、球体80が中立用位置決め窪部84に弾性係合され
て中立切換状態となる。
【0037】切換機構54は、中立切換時に、図3に示
す如く、リングギヤ用シフトフォーク68によりリング
ギヤ50がプラネタリギヤ46とドリブン側ドッグ58
とに噛合され、ドリブンスプロケット24とプラネタリ
ギヤ46とを結合させる。
【0038】これにより、切換機構54は、プラネタリ
ギヤ46の回転を許容し、ドリブンスプロケット24に
対してプラネタリキャリヤ48を空転させる。リングギ
ヤ50は、プラネタリキャリヤ48から開放されてい
る。リングギヤ50に伝達された駆動力は、プラネタリ
ギヤ46の差動回転によりプラネタリキャリヤ48に伝
達されず、したがって後側回転軸14−1に駆動力が伝
達されない。
【0039】切換機構54は、シフトレバー88により
図3に示す中立切換状態のシフトシャフト72を後側出
力軸14−1の軸線方向の図1のA方向にさらに移動さ
せると、球体80が低速用位置決め窪部86に弾性係合
されて低速切換状態となる。
【0040】切換機構54は、低速切換時に、図4に示
す如く、リングギヤ用シフトフォーク68によりリング
ギヤ50がプラネタリギヤ46とドリブン側ドッグ58
とに噛合されるとともにスリーブ用シフトフォーク70
により切換スリーブ66がケース側ドッグ64とサンギ
ヤ44とに噛合され、ドリブンスプロケット24とプラ
ネタリギヤ46とを結合させるとともにサンギヤ44と
ケース側ハブ60とを結合させる。
【0041】これにより、切換機構54は、プラネタリ
ギヤ46の回転を許容し、サンギヤ44の回転を阻止
し、ドリブンスプロケット24に対してプラネタリキャ
リヤ48を減速回転させる。リングギヤ50に伝達され
た駆動力は、プラネタリギヤ46により減速されてプラ
ネタリキャリヤ48に伝達され、したがって後側回転軸
14−1を減速回転させる。
【0042】このように、切換機構54は、 高速切換
時にプラネタリギヤ46の回転阻止によりドリブンスプ
ロケット24に対してプラネタリキャリヤ48を同速回
転させ、中立切換時にプラネタリギヤ46の回転許容に
よりドリブンスプロケット24に対してプラネタリキャ
リヤ48を空転させ、低速切換時にサンギヤ44の回転
阻止及びプラネタリギヤ46の回転許容によりドリブン
スプロケット24に対してプラネタリキャリヤ48を減
速回転させるべく、リングギヤ50を後側出力軸14−
1の軸線方向に移動させて連結状態を切換えている。
【0043】つまり、切換機構54は、リングギヤ50
を後側出力軸14−1の軸線方向に移動させて副変速機
2の連結状態を切換えていることにより、切換えの際に
リングギヤ50の1部材の移動により切換えることがで
き、また、プラネタリギヤトレイン42の自動調心作用
によりリングギヤ50のドリブンスプロケット24との
噛合をゆるくしても軸心を保持することができる。
【0044】このため、この副変速機2の切換機構54
は、プラネタリギヤトレイン42からなる副変速機2を
リングギヤ50のみの移動により高速と中立と低速とに
切換え得て、リングギヤ50のみを移動させて切換えて
いることによりプラネプラネタリキャリヤ48を後側出
力軸14−1にがたつきを生じることなく堅固に固定し
得て、また、自動調心作用による軸心の保持により切換
操作力を軽減することができる。
【0045】また、この副変速機2の切換機構54は、
リングギヤ50外周に切換用のスライドスリーブを設け
ていないことにより、総外周径が大きくなる不都合を招
くことがなく、また、リングギヤ50を他部材に摺接さ
せていないことによりメカニカルロスが大となる不都合
を回避するとこができるとともに、他部材とリングギヤ
50との間にスラスト隙間を必要としないことによりス
ラスト方向のがたつきが大となる不都合を回避するとこ
ができるものである。
【0046】なお、この副変速機2は、2輪・4輪切換
機構30を設けている。2輪・4輪切換機構30は、ス
リーブ40とドッグ38との噛合を解除することにより
後側出力軸14−1から前側出力軸14−2への駆動力
の伝達を遮断して2輪駆動とし、スリーブ40をドッグ
38に噛合することにより後側出力軸14−1から前側
出力軸14−2に駆動力を伝達させて四輪駆動とするこ
とができる。
【0047】
【発明の効果】このように、この発明によれば、切換機
構は、リングギヤを出力軸の軸線方向に移動させて副変
速機の連結状態を切換えていることにより、切換えの際
にリングギヤの1部材の移動により切換えることがで
き、また、プラネタリギヤトレインの自動調心作用によ
りリングギヤのドリブンスプロケットとの噛合をゆるく
しても軸心を保持することができる。
【0048】このため、この副変速機の切換機構は、プ
ラネタリギヤトレインからなる副変速機をリングギヤの
みの移動により高速と中立と低速とに切換え得て、リン
グギヤのみを移動させて切換えていることによりプラネ
プラネタリキャリヤを出力軸にがたつきを生じることな
く堅固に固定し得て、また、自動調心作用による軸心の
保持により切換操作力を軽減することができる。
【0049】また、この副変速機の切換機構は、リング
ギヤ外周に切換用のスライドスリーブを設けていないこ
とにより、総外周径が大きくなる不都合を招くことがな
く、また、リングギヤを他部材に摺接させていないこと
によりメカニカルロスが大となる不都合を回避するとこ
ができるとともに、他部材とリングギヤとの間にスラス
ト隙間を必要としないことによりスラスト方向のがたつ
きが大となる不都合を回避するとこができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す副変速機の断面図であ
る。
【図2】高速切換状態の副変速機の要部拡大断面図であ
る。
【図3】中立切換状態の副変速機の要部拡大断面図であ
る。
【図4】低速切換状態の副変速機の要部拡大図である。
【符号の説明】
2 副変速機 4 変速機ケース 6 入力軸 12 ドライブスプロケット 14−1 後側出力軸 14−2 前側出力軸 24 ドリブンスプロケット 28 チェーン 30 2輪・4輪切換機構 42 プラネタリギヤトレイン 44 サンギヤ 46 プラネタリギヤ 48 プラネタリキャリヤ 50 リングギヤ 58 ドリブン側ドッグ 60 キャリヤ側ドッグ 64 ケース側ドッグ 66 切換スリーブ 68 リングギヤ用シフトフォーク 70 スリーブ用シフトフォーク 72 シフトシャフト 74 位置決め機構 88 シフトレバー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動力が入力される入力軸を設け、この
    入力軸にドライブスプロケットを固定して設け、前記入
    力軸に平行な出力軸を設け、この出力軸にドリブンスプ
    ロケットを軸支して設け、前記ドライブスプロケット及
    びドリブンスプロケットにチェーンを巻掛けて設け、前
    記出力軸に軸支されたサンギヤとこのサンギヤに噛合さ
    れるプラネタリギヤと前記出力軸に固定されて前記プラ
    ネタリギヤを支持するプラネタリキャリヤと前記プラネ
    タリギヤに噛合されるリングギヤとを有する副変速機を
    設け、高速切換時に前記プラネタリギヤの回転阻止によ
    り前記ドリブンスプロケットに対して前記プラネタリキ
    ャリヤを同速回転させ、中立切換時に前記プラネタリギ
    ヤの回転許容により前記ドリブンスプロケットに対して
    前記プラネタリキャリヤを空転させ、低速切換時に前記
    サンギヤの回転阻止及び前記プラネタリギヤの回転許容
    により前記ドリブンスプロケットに対して前記プラネタ
    リキャリヤを減速回転させるべく、前記リングギヤを前
    記出力軸の軸線方向に移動させて連結状態を切換える切
    換機構を設けたことを特徴とする副変速機の切換機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100583601B1 (ko) * 2004-12-23 2006-05-26 박행봉 유성기어를 이용한 변속기
CN108488331A (zh) * 2018-05-29 2018-09-04 富勒传动设备盐城有限公司 一种可调式拨叉换挡减速机
CN118224376A (zh) * 2024-05-25 2024-06-21 浙江西博思测控技术有限公司 一种可快速开关的阀门齿轮箱及其安装方法

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