JPH0839800A - インクジェットプリントヘッドおよびプリント装置ならびにプリント方法 - Google Patents

インクジェットプリントヘッドおよびプリント装置ならびにプリント方法

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JPH0839800A
JPH0839800A JP17665394A JP17665394A JPH0839800A JP H0839800 A JPH0839800 A JP H0839800A JP 17665394 A JP17665394 A JP 17665394A JP 17665394 A JP17665394 A JP 17665394A JP H0839800 A JPH0839800 A JP H0839800A
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JP
Japan
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ink
ejection
bubble
bubbles
print head
Prior art date
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Application number
JP17665394A
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English (en)
Inventor
Toshio Kashino
俊雄 樫野
Hiroyuki Ishinaga
博之 石永
Yoshinori Misumi
義範 三隅
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 1回目と2回目の吐出間隔を長く設定する
か、2回目の吐出によるドットがうまく形成が複雑にな
ることや廃インク量が多くなってしまうこと等の妥協を
することなく、かつ連続吐出における1回目吐出直後の
リフィルの遅延を押えることを可能としたインクジェッ
トプリントヘッドおよびプリント装置並びにプリント方
法を提供する。 【構成】 インクが吐出される吐出口41と、該吐出口
41に連通してインク吐出のための吐出エネルギをイン
クに作用させるヒータ91と、該ヒータ91に連通して
当該ヒータ91に供給されるインクを貯留するインク貯
留部とを具備するプリントヘッドにおいて、前記インク
貯留部内に、プリントに先たって加熱により形成される
気泡を存在させるための気泡形成手段としてのサブヒー
タ910と、前記気泡を保持する液室バッファ1510
とを具える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットプリン
トヘッドおよび該ヘッドを用いたプリント装置ならびに
プリント方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコンやワープロ等のOA機器
が広く普及しており、これら機器で入力した情報をプリ
ントアウトする方式としては、例えばワイヤードット方
式、熱転写方式、インクジェット方式等の種々のプリン
ト方式が知られている。
【0003】これらのプリント方式の中でも、インクジ
ェット方式はプリント騒音が低く、また、多様なプリン
ト紙を用いることができるなど種々の利点を有してい
る。インクジェットプリントヘッドの一例を図9を用い
て説明する。図9に示すプリントヘッドはインク中に生
成する気泡によって吐出を行う方式のものであり、その
主要部は、インク吐出口(オリフィス)41を有するオ
リフィスプレート400と、各オリフィスに通過するイ
ンク液路(ノズルともいう)、および該インク液路にイ
ンクを供給するインク溜まりを構成する共通液室を形成
する溝付天板1300と、インク液路に設けられインク
を吐出するために利用される熱エネルギを発生する熱エ
ネルギ発生素子としての電気熱変換体よりなる発熱部
(ヒータともいう)91を有したヒータボード100と
を具備している。なお、インク受け口1500には、後
述されるようにインクタンクからのインク供給路を構成
する部材が接続される。
【0004】このようなプリントヘッドを用いるインク
ジェットプリント装置は、吐出口を覆うためのギャップ
を具備し、インク吸引によって吐出不良を解消する吸引
回復動作や、吐出口を覆うことによって吐出口やその近
傍におけるインクの乾燥防止を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のイン
クジェットプリントヘッドにあっては、プリントする画
像や文字等に応じたプリントデータによっては、1つの
吐出口から連続して吐出を行う場合が多々あり、このよ
うな連続吐出を行うと、この連続吐出における最初の吐
出の次の吐出によってプリント紙上に形成されるドット
がうまく形成できず、プリント品位を低下させることが
あった。2回目の吐出によるドットがうまく形成できな
い理由は以下の様に推定される。以下図10に沿って説
明する。
【0006】図10(a)に示すように、プリントデー
タに従ってヒータ91が駆動されると、その熱エネルギ
によって、ノズル内のインク中に発泡が生じる。この発
泡のエネルギは、ヒータ91のほぼ中央部を境に吐出口
41側にインクを押しやるエネルギと共通液室15側に
インクを押しやるエネルギとに分けられる。
【0007】ここで、吐出口41側にインクを押しやる
エネルギは吐出エネルギとしてインクを吐出口41から
吐出させることに使われる。この吐出したインクはイン
ク自体の表面張力によってほぼ球形を構成し飛翔インク
滴を成す。インクを吐出した吐出口近傍のノズル内には
インクが無くなるが毛管力によってインクはリフィルさ
れる。
【0008】また、図10(b)に示すように、インク
がリフィルされる時間はヒータ91の中央部を起点にし
て、インクが吐出口側に流れようとする力と共通液室1
5側に戻ろうとする力によってほぼ定まる。ところで、
通常、連続吐出が行われているときには、巨視的に共通
液室から液路,吐出口へ向うインクの流れが形成され、
インク全体が吐出口へ向かって動いている。この結果、
インクが吐出口へ向かう力は、このインクの慣性力と前
述の毛管力であり、共通液室15側に戻ろうとする力は
前記の吐出に使われなかった発泡エネルギ(発泡時に共
通液室側にインクを押しやるエネルギ)とインクタンク
がインクを保持し続けようとするタンク負圧である。よ
って、吐出口側へインクが流れる力は、
【0009】
【数1】 <毛管力>+<慣性力>−<液室側発泡エネルギ>−<タンク負圧> …(1) 上記(1)式によって得られる力に応じてリフィルの時
間が決定される。
【0010】しかし、連続吐出における第1回目の吐出
時に限っては上記(1)式のようにはならない。何故な
ら、第1回目の吐出時は、インクが静止している状態で
発泡を生じる。すなわち吐出口へ向かうインク全体の流
れが無いところで発泡を生じていることになる。よっ
て、連続の1回目と2回目の吐出の間にリフィルを行わ
せるインクの流れの力は、
【0011】
【数2】 <毛管力>−<液室側発泡エネルギ>−<タンク負圧> …(2) (1)式と(2)式により明らかなように、共通液室1
からノズルへのインクの供給特性(吐出口側へインクを
流す力)は(2)式による力の方が弱いため、インクの
リフィル時間は(2)式の場合の方が長くなる。すなわ
ち、1回目吐出後のリフィルのみ時間が長めに必要とな
る。この結果、通常はこの1回目と2回目の吐出間隔を
特別長くしていないため2回目の吐出によるインク滴が
うまく形成できないものと推定される。
【0012】以上のことは、画像的には、例えば2ドッ
トで形成される縦ラインをプリントした場合、本来図1
1(a)に示すように、1ドット目のインク滴D1と2
ドット目のインク滴D2とが並んでプリントされねばな
らないところ、図11(b)に示すように、2ドット目
のインク滴D2’がうまく形成されずに小滴の集まりの
ような画像になってしまうことを示している。
【0013】このような問題を解決する技術としては、
従来より、例えばいわゆる「液室バッファ」を設ける構
成が知られている。「液室バッファ」とは、共通液室内
にインクが周り込まない(周り込みにくい)箇所を設け
ておき、液室バッファには常に気体(空気)が満たされ
ているように構成する。この液室バッファの効果によ
り、2回目の吐出の前のリフィル時間が特に長くなるの
を防止できる。この原理は、液室バッファ内の気体が発
泡エネルギによるインクの動作に応じて膨張伸縮するこ
とにより、前述の吐出に使われない共通液室側にインク
を押しやる発泡エネルギを吸収するためと推定される。
【0014】しかしながら、共通液室内に以上のような
液室バッファを設けると、主に以下に示す2つの問題を
生じる。
【0015】1つは、液室バッファにインクが万遍なく
周り込んでしまっては上述した液室バッファによる効果
が得られないので、容易にはインクが周り込まないよう
な複雑な構成にしなければならず、その製造が比較的容
易ではないという問題がある。
【0016】2つ目は、吐出口を介したインク吸引に代
表される吐出回復動作、すなわち、インク液路等からの
インク排出動作を行った後、安定して液室バッファを機
能させるためには、ある程度バッファ室容積を大きくと
っておく必要がある。一方、一般に上述のようなインク
排出時に必要なインク排出量(吸引量)は、バッファ室
を含めた共通液室およびインク液路の容積以上必要とな
る。このため、バッファ室が存在すればその分だけイン
クの排出量を大きく設定しなければならない。この結
果、吸引に用いるポンプの容量が大きくなったり、吐出
に使われないで廃棄されるインク量が多くなるなどの問
題を生じることになる。
【0017】従って、上述した問題に対して、従来の技
術が対処できることは、1回目と2回目の吐出間隔を長
く設定するか、2回目の吐出によるドットがうまく形成
が複雑になることや廃インク量が多くなってしまうこと
等を妥協して前記液室バッファを設けることである。
【0018】本発明は、以上のような従来の課題を解決
し、かつ連続吐出における1回目吐出直後のリフィルの
遅延を押えることを可能としたインクジェットプリント
ヘッドおよびプリント装置ならびにプリント方法を提供
することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の第1の態様は、インクが吐出される吐出口と、該吐
出口に連通してインク吐出のための吐出エネルギをイン
クに作用させる吐出エネルギ作用部と、該吐出エネルギ
作用部に連通して当該作用部に供給されるインクを貯留
するインク貯留部とを具備するプリントヘッドにおい
て、前記インク貯留部内に、プリントに先たって加熱に
より形成される気泡を存在させるための気泡形成手段
と、前記気泡を保持する気泡保持部とを具えたことを特
徴とするプリントヘッドにある。
【0020】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記気泡形成手段が、前記インク貯留部のインクを
加熱することにより当該インク貯留部内に気泡を生成さ
せることを特徴とするプリントヘッドにある。
【0021】本発明の第3の態様は、第1または2の態
様において、前記気泡形成手段は、前記気泡保持部内に
配設されていることを特徴とするプリントヘッドにあ
る。
【0022】本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか
の態様において、前記インク貯留部は、前記吐出口に連
通する共通液室を有し、前記気泡保持部は当該共通液室
に連通していることを特徴とするプリントヘッドにあ
る。
【0023】本発明の第5の態様は、第1〜4の何れか
の態様において、前記気泡形成手段および前記気泡保持
部は、それぞれ複数個配設されていることを特徴とする
プリントヘッドにある。
【0024】本発明の第6の態様は、第1〜5の何れか
の態様において、前記吐出エネルギ作用部には、吐出エ
ネルギとしての熱エネルギで発生する電気熱変換体が設
けられ、当該熱エネルギによってインクに膜沸騰を生じ
させて該膜沸騰による気泡の生成に基づいてインクを吐
出することを特徴とするプリントヘッドにある。
【0025】また、本発明の第7の態様は、インクが吐
出される吐出口と、該吐出口に連通してインク吐出のた
めの吐出エネルギをインクに作用させる吐出エネルギ作
用部と、該吐出エネルギ作用部に連通して当該作用部に
供給されるインクを貯留するインク貯留部と、該インク
貯留部内に加熱により形成される気泡を存在させる気泡
形成手段と、前記気泡を保持する気泡保持部とを具えた
プリントヘッド;および前記インク貯留部内に、プリン
トを行う前に気泡を存在させるため前記気泡形成手段を
作動させる気泡制御手段を具備することを特徴とするイ
ンクジェットプリント装置にある。
【0026】さらに、本発明の第8の態様は、インクが
吐出される吐出口に連通するインク貯留部内のインクに
インク吐出のための吐出エネルギを作用させてインク滴
を前記吐出口から吐出するプリント方法において、 前
記インク貯留部内に滞留している余分な気泡を除去して
吐出を回復する吐出回復ステップと、この吐出回復ステ
ップの後、プリントに先立って前記インク貯留部内に適
正な量の気泡を形成する気泡形成ステップとを具備する
ことを特徴とするプリント方法にある。
【0027】
【作用】以上の構成によれば、共通液室などのインク貯
留部内のインクを加熱する保温用サブヒータなどの気泡
形成手段により、吐出に悪影響を与えない適正気泡を形
成するとともに液室バッファ内に常に適正体積の気泡を
保持することが可能となる。これにより、この気泡がバ
ッファとして機能して吐出発泡時の共通液室側への発泡
エネルギ(圧力波)を、この気泡の膨張・収縮によって
吸収し、吐出口と反対側へ向うインクの流れを抑制する
ことができる。すなわち、吐出後のリフィルが速やかに
行われることが可能となる。
【0028】さらに、吐出回復動作などで、インク液路
系からのインクの排出動作を行った後、液室バッファの
気泡が流出しても前記回復動作に続いて気泡形成を行う
ことによって直に適正気泡が確保できる。
【0029】また、本発明における加熱によるエアーバ
ッファ用気泡形成はインク中の溶存気泡を予め発生させ
てプリントにとって有効に利用し、もってインク特性を
も安定させる加熱手段や、共通液室が液路のインクを供
給するためのインク保有部を含めたインク貯留部内に上
記気泡を形成できるものであれば、外部加熱、内部加
熱、もしくは吐出用ヒータと同様に基体に一体的に作り
込まれた加熱手段のいずれでも良い。
【0030】実用上は、吐出用として膜沸騰を用い、上
記気泡形成用として核沸騰、もしくはこれ以下の加熱に
より積極的気泡形成手段を利用することが良い。あくま
でも本発明は、プリントを行う初期時において気泡のバ
ッファ部が存在していることが重要である。
【0031】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0032】図3ないし図7は、本発明が実施される好
適なプリントヘッドユニットIJU、インクタンクI
T、プリントヘッドカートリッジIJC、インクジェッ
トプリント装置本体IJRA、キャリッジHCのそれぞ
れの関係を説明するための図である。以下これらの図面
を用いて各部構成の説明を行う。
【0033】図3はヘッドカートリッジの一例を示す分
解斜視図である。
【0034】図3においてプリントヘッドユニットIJ
Uは、電気信号に応じて熱エネルギを生成しインクに膜
沸騰を生じさせることによりインク吐出を行うバブルジ
ェット方式のユニットである。ヒータボード100は、
Si基板上に、複数の列状に配された上記熱エネルギを
生成するための電気熱変換体(吐出ヒータ)と、これに
電力を供給するAl等の電気配線とが成膜技術により形
成されてなるものである。配線基板200は、ヒータボ
ード100の配線に対応する配線(例えばワイヤボンデ
ィングにより接続される)と、この配線の端部に位置し
本体装置からの電気信号を受けるバッド201とを有し
ている。天板1300は、複数のインク吐出口のそれぞ
れに対応したインク液路や共通液室等を構成するための
隔壁を具え、また、インクタンクから供給されるインク
を受けて共通液室へ導入するためのインク受け口150
0と、吐出口を複数有するオリフィスプレート400と
を一体に具える。天板1300が具える隔壁等は天板1
300と一体成型されるものであり、これらの一体成型
材料としてはポリサルフォンが好ましいが、他の成型用
樹脂材料でも良い。
【0035】支持体300は配線基板200の裏面を平
面で支持するもので、例えば金属によって形成され、プ
リントヘッドユニットの構造部材をなす。押えばね50
0は断面M字形状をなし、そのM字の中央で天板130
0の共通液室に対応する部分を押圧すると共に前だれ部
501で同様に天板1300の液路に対応する部分を線
接触で押圧する。押えばね500の足部502が支持体
300の穴3121を通って支持体300の裏面側に係
合することにより、ヒータボード100および天板13
00を支持体300との間に挟み込んだ状態とし、これ
により、押えばね500とその前だれ部501の付勢力
によってヒータボード100と天板1300とを支持体
300に圧着固定することができる。支持体300は、
インクタンクに設けられた2つの位置決め突起1012
および2つの位置決めかつ熱融着保持用突起1800の
それぞれに係合するそれぞれ2つの位置決め用穴31
2,1900を有する他、ヘッドカートリッジの装置本
体側キャリッジに対する位置決め用の突起2500,2
600を裏面側に有している。加えて支持体300はイ
ンクタンクからのインク供給を可能とするインク供給管
2200(後述)を貫通可能にする穴320をも有して
いる。支持体300に対する配線基板200の取付は、
接着剤等で粘着して行われる。
【0036】なお、支持体300の凹部2400,24
00は、それぞれ位置決め用突起2500,2600の
近傍に設けられており、これら凹部は、組立てられたヘ
ッドカートリッジにおいて、ヘッドカートリッジにおけ
るプリントヘッドユニットIJUの周囲の三辺に形成さ
れたそれぞれ複数の平行溝3000,3001延長点に
あって、ゴミやインク等の不要物が突起2500,26
00に至ることがないように設けられている。平行溝3
000が形成される蓋部分800は、図4からわかるよ
うに、ヘッドカートリッジの外壁を形成すると共に、プ
リントヘッドユニットIJUを収納する部分を形成して
いる。また、平行溝3001が形成されるインク供給路
部材600は、前述したインク供給管2200と接続す
ることによりこれにインクを連通するインク導管160
0を、供給管2200との接続側が固定の片持ちバリ形
態で具え、また、インク導管1600の固定部において
インク供給管2200との毛管現象を確保するための封
止ピン602を具える。なお、600はインクタンクに
と供給管2200との結合シールを行うパッキン、70
0は供給管2200のタンク側端部に設けられたフィル
タである。
【0037】インク供給路部材600は、モールド成型
されているため、廉価で位置精度が高く形成されるばか
りでなく、片持ちばり形態の導管1600によって大量
生産時においても導管1600の、天板1300のイン
ク受け口1500に対する圧接状態を安定化できる。本
例では、この圧接状態下で封止用接着剤をインク供給路
部材側から流し込む。
【0038】なお、インク供給路部材600の支持体3
00に対する固定は、支持体300の穴1901,19
02に対するインク供給路部材600の裏面側ピン(不
図示)を支持体300の穴1901,1902を介して
貫通突出せしめ、支持体300の裏面側に突出した部分
を熱融着することで簡単に行われる。なお、この熱融着
された裏面部のわずかな突出領域は、インクタンクのプ
リントヘッドユニットIJU取付面側壁面のくぼみ(不
図示)内に収められるのでユニットIJUの位置決め面
は正確に得られる。
【0039】インクタンクは、カートリッジ本体100
0と、インク吸収体900と、インク吸収体900をカ
ートリッジ本体1000の上記ユニットIJU取付面と
は反対側の側面から挿入した後、これを封止するための
蓋1100と、で構成されている。吸収体900は、カ
ートリッジ本体1000内に配置される。供給口120
0は上記各部100〜600からなるユニットIJUに
対してインクを供給するための供給口であり、当該ユニ
ットをカートリッジ本体1000の部分1010に配置
する前の工程で供給口1200よりインクを注入するこ
とにより吸収体900のインク含浸を行うための注入口
でもある。本例のヘッドカートリッジでは、インクをイ
ンクタンク内に注入できる部分は、大気連通口1401
と供給口1200である。しかしながら、本体1000
内側面に設けられたリブ2300および蓋1100の内
側面に設けられたリブ2301,2302とによってそ
れぞれ形成されるタンク内空気存在領域を、大気連通口
1401側から連続した部分に設け、かつインク供給口
1200から最も遠い角部域にわたって設けた構成をと
ることにより、インク吸収体からのインク供給性を良好
に保っている。このため、相対的に良好かつ均一な吸収
体へのインク注入は、供給口1200を介して行われる
ことが重要である。この方法は実用上極めて有効であ
る。リブ2300は、カートリッジ本体1000の後方
において、キャリッジ移動方向に平行なリブを4本(図
3には上面の2本のみ示される)有し、吸収体が本体1
000の面に密着することを防止している。また、部分
リブ2301,2302は、リブ2300の延在する方
向の延長上にあって蓋1100の内側面に設けられてい
るが、リブ2300とは異なり分割された状態となって
いる。これにより、空気の存在空間を前者より増加させ
ている。なお、リブ2301,2302は蓋1100の
全面積の半分以下の面に分散された形となっている。こ
れらのリブによってインク吸収体900のタンク供給口
1200から最も遠い角部の領域のインクをより安定さ
せつつも確実に供給口1200側へ毛管力で導くことが
できる。1401はインクタンク内部を大気に連通する
ために蓋部材に設けられた大気連通口である。1400
は大気連通口1401の内方に配置される撥液材であ
り、これにより大気連通口1400からのインク漏洩が
防止される。
【0040】インクタンクのインク収容空間は長方体形
状であり、その長辺を側面に持つ場合であるので上述し
たリブの配置構成は特に有効であるが、キャリッジの移
動方向に長辺を持つ場合又は立方体の場合は、蓋110
0の全体にリブを設けるようにることでインク吸収体9
00からのインク供給を安定化できる。
【0041】インクタンクITの上記ユニットIJUを
取付ける面の構成を図5に示す。オリフィスプレート4
00の突出口列のほぼ中央を通って、タンクITの底面
もしくはキャリッジの表面の載置基準面に平行な直線を
L1とすると、支持体300の穴312に係合する2つ
の位置決め突起1012はこの直線L1上にある。この
突起1012の高さは支持体300の厚みよりわずかに
低く、これが穴312と係合することによって支持体3
00の位置決めを行う。この図面上で直線L1の延長上
には、キャリッジの位置決め用フック4001の垂直の
係合面4002と係合する爪2100が位置しており、
キャリッジに対する位置決めの作用力がこの直線L1を
含む上記基準面に平行な面領域で作用するように構成さ
れている。図6で後述するが、これらの関係は、インク
タンクのキャリッジに対する位置決め精度がプリントヘ
ッドの吐出口のキャリッジに対する位置決め精度と同等
となるので有効な構成となる。
【0042】また、支持体300のインクタンク側面へ
の固定用穴1900,2000にそれぞれ対応するイン
クタンクの突起1800,1801は前述の突起101
2よりも長い。これにより、支持体300を貫通して突
出することができ、この突出部分を熱融着することによ
り支持体300をインクタンクの側面に固定することが
できる。上述の線L1に垂直で、この突起1800を通
る直線をL3、突起1801を通る直線をL2としたと
き、直線L3上にはインクタンクの供給口1200のほ
ぼ中心が位置するので、供給口1200と供給管220
0との結合状態を安定化する作用をし、落下や衝撃によ
ってもこれらの結合状態への負荷を軽減できるので好ま
しい構成である。また、直線L2,L3は一致してはお
らず、また、2つの突起1012,1012のうちプリ
ントヘッドの吐出口側の突起1012周辺に突起180
0,1801が存在しているので、プリントヘッドのイ
ンクタンクに対する位置決めの効果をさらに強めてい
る。なお、曲線L4は、前述したインク供給路部材60
0が装着される時のその外壁位置である。突起180
0,1801はこの曲線L4に沿っているので、プリン
トヘッドの先端側構成の重量に対しても充分な強度と位
置精度を与えている。なお、2700はインクタンクI
Tの先端ツバで、キャリッジの前板4000の穴に挿入
されて、インクタンクの変位が極端に悪くなるような異
変時に対して設けられている。2101は、キャリッジ
HCとのさらなる位置決め部との係合部である。
【0043】インクタンクおよび、これにユニットIJ
Uが装着された後にユニットIJUを覆う蓋800によ
って、ユニットIJUは下方開口を除いて包囲されるこ
とになるが、ヘッドカートリッジは、装置本体側のキャ
リッジに装着され、この際、上記下方開口はキャリッジ
と近接するため、実質的な4方包囲空間が形成される。
従って、この包囲空間内にあるプリントヘッドIJHか
らの発熱は、この空間内に均一に分割してこの空間を均
一な温度に保つものとして有効となる。しかしながら、
ヘッドIJHが長期連続して駆動された場合など、わず
かな昇温を生じることがある。このため、本例では、支
持体300からの自然放熱を妨げるためにカートリッジ
の上方面に、この空間よりは小さい幅のスリット170
0を設けて、昇温を防止しつつもユニットIJU全体の
温度分布の均一化を環境に作用されないようにする。
【0044】図4に示すように、ヘッドカートリッジI
JCとして組立てられると、インクはインクタンクの供
給口1200から支持体300に設けた穴320および
供給タンク600の中裏面側に設けた導入口を貫ぬいて
配される供給管2200を介してインク供給路部材60
0内の導管1600に導かれ、その内部を通った後、天
板1300のインク導入口1500を介して共通液室内
へと流入される。以上における供給管および導管の接続
部には、例えばシリコンゴムやブチルゴム等のパッキン
が配設され、これによって封止が行われてインク供給路
が確保される。
【0045】なお、本実施例においては、天板1300
は耐インク性に優れたポリサルフォン,ポリエーテルサ
ルフォン,ポリフェニレンオキサイド,ポリプロピレン
などの樹脂を用い、オリフィスプレート部400と共に
金型により一体に同時成型してある。
【0046】上述のように一体成型部品は、インク供給
路部材600、天板・オリフィスプレート一体、インク
タンク本体1000としたので組立て精度が高水準にな
るばかりでなく、大量生産の品質向上に極めて有効であ
る。また部品点数の個数は従来に比較して減少できてい
るので、優れた所望特性を確実に発揮できる。
【0047】図6において、5000はプラテンローラ
であり、摩擦力の作用によりプリント媒体Pをその回転
に伴なって図面下方から上方へ移動させる。キャリッジ
HCは、プラテンローラ5000に沿って移動するため
に設けられ、キャリッジの前方プラテン側にヘッドカー
トリッジIJCの前面側に位置する前板4000(厚さ
2mm)が設けられ、また、キャリッジ上にはカートリ
ッジIJCの配線基板200のパッド201に対応する
パッド2011を具備したフレキシブルシート4005
およびこれを裏面側から各パッド2011に対して押圧
するための弾性力を有したゴムパッド4006を保持す
る電気接続部用支持板4003と、ヘッドカートリッジ
IJCをプリント位置へ固定するための位置決め用フッ
ク4001とが設けられている。前板4000は位置決
め用突出面4010をカートリッジの支持体300の前
述した位置決め突起2500,2600にそれぞれ対応
して2個有し、カートリッジの装着後はこの突出面40
10に向う垂直な力を受ける。このため、補強用のリブ
が前板4000のプラテンローラ側に、その垂直な力の
方向に向っているリブ(不図示)を複数有している。こ
のリブは、カートリッジIJC装着時に前面位置(図中
L5で示される)よりもわずかに(約0.1mm程度)
プラテンローラ5000側に突出しているヘッド保護用
突出部をも構成している。電気接続部用支持板4003
は、図面と垂直方向に延在する補強用リブ4004を複
数有し、プラテンローラ側からフック4001側に向っ
てプラテンローラ5000と平行な方向の厚さが減じら
れている。これは、カートリッジ装着時の位置を図のよ
うに傾斜させるための機能も果している。また、支持板
4003は電気的接触状態を安定化するため、プラテン
ローラ側の位置決め面4008とフック側の位置決め面
4007を有し、これらの間にパッドコンタクト域を形
成すると共にパッド2011のそれぞれに対応するポッ
チ付ゴムシート4006の変形量を一義的に規定する。
これらの位置決め面は、カートリッジIJCがプリント
可能に位置に固定されると、その配線基板200の表面
に当接した状態となる。本例では、さらに配線基板20
0のパッド201を前述した線L1に関して対称となる
ように分布させているので、ゴムシート4006の各ポ
ッチの変形量を均一化してパッド2011と201との
当接圧をより安定化している。本例のパッド201の分
布は、上方,下方2列、縦2列である。
【0048】フック4001は、固定軸4009に係合
する長穴を有し、この長穴の移動空間を利用して図の位
置から反時計方向に回動した後、プラテンローラ500
0と平行に左方側へ移動することでキャリッジHCに対
するインクジェットカートリッジIJCの装着に伴う位
置決めを行う。このフック4001の移動はどのような
ものでも良いが、レバー等で行える構成が好ましい。い
ずれにしてもこのフック4001の回動時にカートリッ
ジIJCはプラテンローラ側へ移動しつつ位置決め突起
2500,2600が前板の位置決め面4010に当接
可能な位置へ移動し、さらに、フック4001の上記左
方側への移動によって垂直のフック面4002がカート
リッジIJCの爪2100の垂直面に密着しつつカート
リッジIJCを位置決め面2500,4010同志の接
触域を中心に水平面内で旋回する。これにより、最終的
にパッド201,2011同志の接触が行われる。そし
てフック4001がその固定位置に保持されると、パッ
ド201,2011同志の完全接触状態と、位置決め面
2500,4010同志の完全面接触と、垂直面400
2と爪の垂直面の2面接触と、配線基板300と位置決
め面4007,4008との面接触とが同時に形成され
てキャリッジに対するカートリッジIJCの保持が完了
する。
【0049】図7は本発明が適用されるインクジェット
プリント装置IJRAの概略斜視図である。駆動モータ
5013の正逆回転は駆動力伝達ギア5011,500
9を介してリードスクリュー5005に伝達され、これ
によるリードスクリュー5005の回転は、これらの線
溝5004と係合するキャリッジHCのピン(不図示)
を介してキャリッジHCを矢印a,b方向に往復移動さ
せる。5002は紙押え板であり、キャリッジ移動方向
にわたってプリント紙をプラテン5000に対して押圧
する。5007,5008はフォトカプラであり、これ
にキャリッジHCのレバー5006が係合することによ
り、キャリッジHCとがこの位置にあることを確認し、
これにより、モータ5013の回転方向切換等を行う。
5016はプリントヘッドの前面をキャップするための
キャップ5022を支持する部材で、5015はこのキ
ャップ内を吸引するためのポンプ等よりなる吸引手段で
あり、キャップ内の開口5023を介した吸引によるプ
リントヘッドの吐出回復処理を行う。5017はクリー
ニングブレードであり、5019はこのブレードを前後
方向に移動可能にする部材である。部材5019は本体
支持板5018に支持されている。ブレードは、この形
態に限定されるものではなく周知のクリーニングブレー
ドが本例に適用できることはいうまでもない。また、5
021は、吐出回復のための吸引を開始するためのレバ
ーであり、キャリッジHCの移動に伴なってキャリッジ
HCと係合するカム5020の移動に応じて移動する。
この移動は、駆動モータからの駆動力がクラッチ切換等
の公知の伝達手段を介し伝達されることによって行われ
る。
【0050】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復の各処理は、キャリッジHCがホームポジション
側領域にきたときに、リードスクリュー5005の回転
およびその溝5004の回転位置に応じた位置でそれぞ
れの処理が行えるように構成されているが、もちろん、
上記各処理について周知の適切なタイミングでそれぞれ
の処理を行うようにしてもよい。
【0051】上述の図3ないし図7に示された構成に適
用できる本発明の詳細を、以下、図1,図2および図8
を参照しながら説明する。
【0052】図1および図2は、図3に示されたオリフ
ィスプレート400を一体に形成した溝付天板(凹部付
天部材)1300とヒータボード100とを模式的に示
す斜視図、および同様の天板1300を裏からみた斜視
図である。これら図において上述したように、41は最
厚部200μm厚のオリフィスプレートに穴をあけた吐
出口(オリフィス)、1510は形成した気泡を保持す
る液室バッファ、1500は溝付天板1300とヒータ
ボード100とを接合することで形成される共通液室1
5にインクを供給するためのインク受け口である。91
はインクを吐出させるために利用される熱エネルギ発生
する熱エネルギ発生素子としての電気熱変換体よりなる
ヒータである。910は共通液室内のインクを加熱する
保温用サブヒータであり、本実施例においては、該ヒー
タを、液室バッファ1510に保持する気泡発生手段と
して用いる。
【0053】以上の様な方式のプリントヘッドにあって
は、流路や共通液室内に滞留した微細気泡がプリントを
行うことによっても排出や消泡されず、共通液室内にあ
る程度の大きさの気泡となって滞留する場合がある。共
通液室内の気泡は必ずしも悪影響を及ぼすものではない
が、気泡が多く入りすぎたり気泡体積が大きすぎたりし
た場合には、これが流路を塞いでしまうことによりイン
クの供給路が確保できなかったり、吐出されるインクの
方向が量を変化させる等の弊害を生じる。従って、吐出
不良が生じた時に行われる吐出回復動作(本実施例では
負圧を利用した吸引回復動作)によって共通液室内に混
入している気泡は極力除去されることが好ましい。
【0054】以上のように液室内の泡の大きさ、存在す
る位置によって、泡は害にもなり益にもなるもので、こ
の管理をいかにヘッド内部に組み込まれるかが最大のポ
イントである。
【0055】本実施例では、上記の吐出に害を与える気
泡を回復動作によって効果的に排除されるよう、図2に
示したように共通液室15の形状を三角形にし、かつイ
ンク供給口1500から各オリフィスに通ずるインク流
路に向かって斜面を設けた。このように、共通液室内の
インクを万遍なく吸収し、ここに滞留した気泡を取り除
くには、吸引時に生じるインク流に沿うように共通液室
壁面の形状を極力少なくする必要がある。よって、共通
液室の壁面が方形の核部があるよりは最短距離で各イン
ク流路に導かれる三角形が好ましい。
【0056】以上のような構造をとることによって、吐
出に害を与える気泡は排除されることが可能となった。
【0057】このような共通液室内構造に対し、バッフ
ァとしての適正な量の気泡を保持させる液室バッファ
は、共通液室内壁面のうち、三角の斜辺の壁面に垂直に
配設されることによって達成される。このように前記壁
面に凹部を設けた場合、この凹部で吸引時にインク流の
淀みが生じ、凹部内のインクが流れ出なくなる。また凹
部に気泡が存在した場合は、気泡が排出されずに残存す
る。
【0058】本実施例では、この様な特徴を利用し、共
通液室15内に通ずる液室バッファ1510を天板13
00内に作り込んだ。この構造は図2に示したように極
めて単純であり、モールド成形で平易に作ることが可能
である。
【0059】以上説明したように本例の共通液室15な
らびに液室バッファ1510形状によれば、共通液室1
5に侵入し、かつ分散した気泡を集約でき、吐出回復時
のインク流によって、吐出に害を与える気泡は、吐出口
から容易に排出することができるとともに、液室内バッ
ファ1510に適量の気泡を残存させることができるた
め、共通液室15内等の滞留気泡によって発生していた
プリント不良やプリントヘッドの寿命の低下を防ぐこと
ができる。
【0060】以上のように、共通液室の形状をこの液室
内の気泡が抜け易い構造にしていくと、液室内バッファ
の気泡が、一部あるいは全て抜けてしまうことが懸念さ
れる。すなわち、共通液室内液室バッファ内の気泡が全
て抜き取られてしまうと、連続吐出における1回目吐出
後の2回目吐出前のリフィルが遅くなり、2回目の吐出
によるインク滴がうまく形成できず、画像品位の低下を
招くおそれがある。そこで、本実施例では、以下に示す
制御を付加することによって、液室バッファの効果を高
め、信頼性を上げることによって、本問題を解決する。
共通液室内の気泡がなくなるのは吐出回復処理による。
従って、吐出回復処理の後本例では吸引処理を行った後
に適当な大きさの気泡、すなわち、吐出に悪影響を与え
ること無く、かつバッファとなりうる気泡を、量、大き
さ等を管理しながら共通液室内に形成するよう制限すれ
ば良い。
【0061】共通液室に気泡を生成する実施例について
説明する。
【0062】インクジェットプリントヘッドにあって
は、プリントヘッド(インク)の温度に応じて吐出され
る液滴量が変化するため、吐出量が安定化させる手段と
して吐出用ヒータとは別のプリントヘッドを加熱、保温
するためのヒータ(以下、サブヒータと称す)を有して
いる場合が多い。
【0063】バッファとしての気泡生成のために、回復
処理を行った後、このサブヒータをオンすることによ
り、共通液室内に気泡を生成することができる。
【0064】図8は上記実施例における吐出用ヒータ駆
動ないしはサブヒータ駆動の駆動制御構成の一例を示す
ブロック図である。同図には、吐出口41およびこれら
のそれぞれに対応した吐出用ヒータ91等を3個分のみ
示し、他は省略して示してある。
【0065】流路14および共通液室15に通じた一対
の液室バッファ1510には上述の吐出用ヒータ91お
よびインク温度制御用のサブヒータ910が各々設けら
れ、またこれらを駆動するためのドライバー91Dが設
けられ、吐出用ヒータ91はMPU(マイクロプロセッ
サユニット)1550からのパルス幅データに基づい
て、パルス幅発生回路91Cから発生するパルス幅信号
とMPU1550からのプリントデータ(吐出データ)
に基づいてデコーダ回路91Bから発生する吐出信号と
のANDによって駆動される。これにより、上述したよ
うにインク吐出時と気泡生成時とでパルス幅や駆動周波
数を異ならせることができる。
【0066】なお、インク加熱手段は、吐出ヒータ,サ
ブヒータに限るものではなく、インクにエネルギを印加
できる手段であればこの方式が制限されるものではな
い。
【0067】また、共通液室の所要の気泡を生成するの
に適正なエネルギは、プリントヘッドの於かれている環
境温度やプリント等による昇温を含めた、プリントヘッ
ドの温度(インク温度)により変化するものである。従
って、環境温度やプリントヘッドの温度を検出して気泡
生成時の印加エネルギを変化させる手段を設けても良
い。これは、吐出用ヒータに印加するエネルギを環境温
度やプリントヘッド温度に応じて変化させ適正な吐出イ
ンク滴の量を取る周知の構成と同様の構成によって行う
ことができる。
【0068】さらに本実施例では、気泡生成のための加
熱手段として保温用サブヒータとしたが、吐出用ヒータ
と併用して気泡の生成を行ってもよい。このようにすれ
ば上述した熱的阻害を抑制しつつ適正な大きさの気泡を
適正な時間で生成することがさらに容易となる。
【0069】さらに加えて、上記各実施例において、気
泡生成を行うタイミングを吐出回復処理等によって共通
液室内の気泡が排出された後とした。これについてさら
に詳しく述べるならば、気泡生成を確実に行うことがで
き、その大きさの制御が容易であり、その気泡がプリン
トに伴なう吐出に対して上述のバッファ効果を充分に機
能できる気泡生成処理の好ましいタイミングは、吐出回
復処理等の直後であって、プリントの直前である。しか
しながら、プリントを行わない時間が長い場合には、こ
の間に液路や共通液室に気泡が混入しこれが次第に成長
してある程度の大きさの気泡となる場合があることは周
知である。特に、前述したようにテーパ形状を有した共
通液室にあっては、これら気泡が集約されて上記実施例
で示したのと同様の気泡を生成する場合もある。図に、
このような自然な気泡の生成においては、直径1μmの
気泡を生成するのに約1秒、100μmの気泡を生成す
るのに3日を要することが実験によって確かめられてい
る。以上説明したように、プリント装置を長時間放置し
た後には、ある程度の気泡が共通液室に生成されている
場合がある。このような場合、その大きさが実験等によ
って予め確かめられているならば、プリントを行う直前
に、生成されている気泡に応じて加熱手段の駆動を行
い、所望の気泡を得るようにしても良く、必ずしもプリ
ント前に吐出回復処理を行わなくてもよい。このような
場合、その大きさが実験等によって予め確かめられてい
るならば、プリントを行う直前に、生成されている気泡
に応じて加熱手段の駆動を行い、所望の気泡を得るよう
にしても良く、必ずしもプリント前に吐出回復処理を行
わなくてもよい。
【0070】なお、気泡生成のための加熱手段をサブヒ
ータ等の、吐出用ヒータ以外とする構成にあっては、吐
出エネルギ発生素子が熱エネルギを作用させる以外のも
の、例えばビエソ素子等を用いたインクジェットプリン
トヘッドにも、本発明を適用することができる。
【0071】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、共通液室等のインク貯留部内のインクを加熱
する保温用サブヒータ等の気泡生成手段と、共通液室に
連通した液室バッファを兼ね備えることにより吐出に悪
影響を与えない適正気泡を形成、維持することが可能と
なる。これにより、この気泡がバッファとして機能して
吐出発泡時の共通液室側への発泡エネルギ(圧力波)を
この気泡の変形によって吸収し、吐出口と反対側へ向う
インクの流れを抑制することができる。すなわち、吐出
後のリフィルが速やかに行われることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるインクジェットプリントヘッド
の主要構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示した天板を裏側より視た斜視図であ
る。
【図3】本発明の実施例にかかるインクタンク一体型プ
リントヘッドカートリッジの分解斜視図である。
【図4】図3に示したプリントヘッドカートリッジ外観
斜視図である。
【図5】図3に示したインクタンクユニットの外観斜視
図である。
【図6】図3に示したプリントヘッドカートリッジのイ
ンクジェットプリント装置への装着の態様を説明するた
めの上面図である。
【図7】上記プリントヘッドを装着してプリントを行う
インクジェットプリント装置の外観斜視図である。
【図8】本発明の一実施例に係るプリントヘッドの駆動
回路図である。
【図9】従来技術に係るヘッドの主要構成を示す分解斜
視図である。
【図10】液路内残留気泡の排除を説明するための断面
模式図である。
【図11】連続吐出における2回目の吐出によって形成
されるドットの問題を説明する模式図である。
【符号の説明】 14 インク液路 15 共通液室 41 吐出口 91 ヒータ 100 基板 400 オリフィスプレート 910 サブヒータ 1300 天板 1500 インク受け口 1510 液室バッファ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクが吐出される吐出口と、該吐出口
    に連通してインク吐出のための吐出エネルギをインクに
    作用させる吐出エネルギ作用部と、該吐出エネルギ作用
    部に連通して当該作用部に供給されるインクを貯留する
    インク貯留部とを具備するプリントヘッドにおいて、 前記インク貯留部内に、プリントに先たって加熱により
    形成される気泡を存在させるための気泡形成手段と、前
    記気泡を保持する気泡保持部とを具えたことを特徴とす
    るプリントヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記気泡形成手段
    が、前記インク貯留部のインクを加熱することにより当
    該インク貯留部内に気泡を生成させることを特徴とする
    プリントヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記気泡形
    成手段は、前記気泡保持部内に配設されていることを特
    徴とするプリントヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記イ
    ンク貯留部は、前記吐出口に連通する共通液室を有し、
    前記気泡保持部は当該共通液室に連通していることを特
    徴とするプリントヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記気
    泡形成手段および前記気泡保持部は、それぞれ複数個配
    設されていることを特徴とするプリントヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記吐
    出エネルギ作用部には、吐出エネルギとしての熱エネル
    ギで発生する電気熱変換体が設けられ、当該熱エネルギ
    によってインクに膜沸騰を生じさせて該膜沸騰による気
    泡の生成に基づいてインクを吐出することを特徴とする
    プリントヘッド。
  7. 【請求項7】 インクが吐出される吐出口と、該吐出口
    に連通してインク吐出のための吐出エネルギをインクに
    作用させる吐出エネルギ作用部と、該吐出エネルギ作用
    部に連通して当該作用部に供給されるインクを貯留する
    インク貯留部と、該インク貯留部内に加熱により形成さ
    れる気泡を存在させる気泡形成手段と、前記気泡を保持
    する気泡保持部とを具えたプリントヘッド;および前記
    インク貯留部内に、プリントを行う前に気泡を存在させ
    るため前記気泡形成手段を作動させる気泡制御手段を具
    備することを特徴とするインクジェットプリント装置。
  8. 【請求項8】 インクが吐出される吐出口に連通するイ
    ンク貯留部内のインクにインク吐出のための吐出エネル
    ギを作用させてインク滴を前記吐出口から吐出するプリ
    ント方法において、 前記インク貯留部内に滞留している余分な気泡を除去し
    て吐出を回復する吐出回復ステップと、 この吐出回復ステップの後、プリントに先立って前記イ
    ンク貯留部内に適正な量の気泡を形成する気泡形成ステ
    ップとを具備することを特徴とするプリント方法。
JP17665394A 1994-05-27 1994-07-28 インクジェットプリントヘッドおよびプリント装置ならびにプリント方法 Pending JPH0839800A (ja)

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DE69529586T DE69529586T2 (de) 1994-05-27 1995-05-26 Tintenstrahlkopf, Tintenstrahlgerät und Verfahren zur Füllen einer Puffenkammer mit Blasen
EP95108082A EP0684134B1 (en) 1994-05-27 1995-05-26 Ink jet head, ink jet apparatus and method of filling buffer chamber with bubbles
US08/451,762 US6109734A (en) 1994-05-27 1995-05-26 Ink-jet head, ink-jet apparatus and method of filling buffer chamber with bubbles

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6877835B2 (en) 2000-11-30 2005-04-12 Canon Kabushiki Kaisha Method of filling buffer chamber in print head with bubble and printing apparatus
US7625074B2 (en) 2005-10-26 2009-12-01 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid droplet-jetting apparatus and ink-jet printer
JP2011161934A (ja) * 2000-09-04 2011-08-25 Canon Inc インクジェット記録ヘッド
CN108153004A (zh) * 2016-12-05 2018-06-12 塔工程有限公司 喷墨型液体涂布模块

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