JP3069477B2 - インクジェットヘッドおよび該ヘッドを用いたインクジェット記録装置 - Google Patents
インクジェットヘッドおよび該ヘッドを用いたインクジェット記録装置Info
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- JP3069477B2 JP3069477B2 JP27441393A JP27441393A JP3069477B2 JP 3069477 B2 JP3069477 B2 JP 3069477B2 JP 27441393 A JP27441393 A JP 27441393A JP 27441393 A JP27441393 A JP 27441393A JP 3069477 B2 JP3069477 B2 JP 3069477B2
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- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J2/00—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
- B41J2/005—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
- B41J2/01—Ink jet
- B41J2/135—Nozzles
- B41J2/14—Structure thereof only for on-demand ink jet heads
- B41J2002/14419—Manifold
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- Ink Jet (AREA)
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットおよび
インクジェット記録装置に関し、詳しくは、安定したイ
ンク吐出を維持するための構成に関するものである。
インクジェット記録装置に関し、詳しくは、安定したイ
ンク吐出を維持するための構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータやワープ
ロ等のOA機器が広く普及しており、これら機器で入力
した情報をプリントアウトする方式として、例えばワイ
ヤドット方式,熱転写方式,インクジェット方式等種々
の記録方式が開発されている。これらの記録方式は、そ
れぞれの方式よりなる記録ヘッドにより、搬送される記
録シートに所定記録を行うものであり、それぞれの記録
ヘッドには構成上顕著な差異がある。
ロ等のOA機器が広く普及しており、これら機器で入力
した情報をプリントアウトする方式として、例えばワイ
ヤドット方式,熱転写方式,インクジェット方式等種々
の記録方式が開発されている。これらの記録方式は、そ
れぞれの方式よりなる記録ヘッドにより、搬送される記
録シートに所定記録を行うものであり、それぞれの記録
ヘッドには構成上顕著な差異がある。
【0003】この中のインクジェット方式の代表的な構
成や原理については、例えば米国特許第4723129
号明細書、同第4740796号明細書に開示され、こ
の基本的な原理が好ましく用いられる。この方式はいわ
ゆるオンデンマンド型,コンティニュアス型のいずれに
も適用可能である。特にオンデンマンド型の場合には、
液体(インク)が保持されているシートや液路に対応し
て配置される電気熱変換素子に、記録情報に応じて核沸
騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆
動信号を印加することによって、この電気熱変換素子に
熱エネルギーを発生せしめて膜沸騰を生じさせ、この膜
沸騰によって生じる気泡の圧力によりインクを吐出す
る。ここで、上記駆動信号をパルス形状とすると、即時
適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優
れた液体(インク)の吐出が達成できるので好ましい。
成や原理については、例えば米国特許第4723129
号明細書、同第4740796号明細書に開示され、こ
の基本的な原理が好ましく用いられる。この方式はいわ
ゆるオンデンマンド型,コンティニュアス型のいずれに
も適用可能である。特にオンデンマンド型の場合には、
液体(インク)が保持されているシートや液路に対応し
て配置される電気熱変換素子に、記録情報に応じて核沸
騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆
動信号を印加することによって、この電気熱変換素子に
熱エネルギーを発生せしめて膜沸騰を生じさせ、この膜
沸騰によって生じる気泡の圧力によりインクを吐出す
る。ここで、上記駆動信号をパルス形状とすると、即時
適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優
れた液体(インク)の吐出が達成できるので好ましい。
【0004】上記原理からも明らかなように、インクジ
ェット記録装置にあっては記録ヘッドの温度と記録イン
クの流体としての挙動を管理,制御することが高品位画
像を達成する上で極めて重要となる。例えば、記録ヘッ
ドの温度が大きく変化すると、熱エネルギーによって生
起する気泡の体積が変化する等して吐出インク量が変化
し記録画像に濃度ムラなどが生じることがある。この対
策の一つとして、記録ヘッドの温度や周囲環境の温度に
応じて記録インクの温度を制御する手段(以降温調手段
と称する)が従来より知られている。具体的には、記録
ヘッド温度や環境温度が低温の時に、記録ヘッドのイン
ク流路やインク貯留部としての共通液室を加熱制御する
ものがある。
ェット記録装置にあっては記録ヘッドの温度と記録イン
クの流体としての挙動を管理,制御することが高品位画
像を達成する上で極めて重要となる。例えば、記録ヘッ
ドの温度が大きく変化すると、熱エネルギーによって生
起する気泡の体積が変化する等して吐出インク量が変化
し記録画像に濃度ムラなどが生じることがある。この対
策の一つとして、記録ヘッドの温度や周囲環境の温度に
応じて記録インクの温度を制御する手段(以降温調手段
と称する)が従来より知られている。具体的には、記録
ヘッド温度や環境温度が低温の時に、記録ヘッドのイン
ク流路やインク貯留部としての共通液室を加熱制御する
ものがある。
【0005】また、インク流路中のインクの流れは常に
一定ではなく印字パターンによっても流量が変化する。
この時インク自身のイナータンス(慣性)により、流量
が増加あるいは減少し、これら流量変化の過渡期におい
てインクの供給系内に圧力変化が生じる。この圧力変化
によりインク吐出の安定性が損なわれることを防止する
目的で、上述のように変動する圧力をダンパとして吸収
する気泡をインク流路や共通液室に配する対策が取られ
ている。この気泡はインク中に浮遊状態で存在させてお
く場合には吐出口方向にまで気泡が移動してインクのリ
フィルを妨げたり、あるいは吸引回復時などに吸い出さ
れてしまい、流路中や共通液室に滞在して安定して上記
ダンパ効果を果たすことは困難となる。このため、従来
より知られる記録ヘッドでは、共通液室にダンパ室を設
けることにより上記気泡をトラップして気泡が移動しな
いようにし、安定したダンパ効果を得られるように対策
されている。
一定ではなく印字パターンによっても流量が変化する。
この時インク自身のイナータンス(慣性)により、流量
が増加あるいは減少し、これら流量変化の過渡期におい
てインクの供給系内に圧力変化が生じる。この圧力変化
によりインク吐出の安定性が損なわれることを防止する
目的で、上述のように変動する圧力をダンパとして吸収
する気泡をインク流路や共通液室に配する対策が取られ
ている。この気泡はインク中に浮遊状態で存在させてお
く場合には吐出口方向にまで気泡が移動してインクのリ
フィルを妨げたり、あるいは吸引回復時などに吸い出さ
れてしまい、流路中や共通液室に滞在して安定して上記
ダンパ効果を果たすことは困難となる。このため、従来
より知られる記録ヘッドでは、共通液室にダンパ室を設
けることにより上記気泡をトラップして気泡が移動しな
いようにし、安定したダンパ効果を得られるように対策
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
インクジェット記録装置の上記ダンパ室にあっては、通
常使用時には安定してエアーをトラップしておけるもの
の、例えば高温環境,低温環境などを繰り返すような環
境条件(ヒートサイクル)下に置かれると、気泡の膨張
収縮により、気泡は、膨張時にはダンパ室から吐き出さ
れ、収縮時にはダンパ室に引き込まれ、これを繰り返す
うちにダンパ室から気泡が引き込まれて必要な量の気泡
がなくなりダンパとしての機能を果たさなくなってしま
う問題があった。
インクジェット記録装置の上記ダンパ室にあっては、通
常使用時には安定してエアーをトラップしておけるもの
の、例えば高温環境,低温環境などを繰り返すような環
境条件(ヒートサイクル)下に置かれると、気泡の膨張
収縮により、気泡は、膨張時にはダンパ室から吐き出さ
れ、収縮時にはダンパ室に引き込まれ、これを繰り返す
うちにダンパ室から気泡が引き込まれて必要な量の気泡
がなくなりダンパとしての機能を果たさなくなってしま
う問題があった。
【0007】これを防止するため、予め気泡がダンパ室
から引き出されることを想定して、このダンパ室を大き
めな構造としておく構成もあるが、この場合もエアーは
引き出される。このためエアーの必要量が無くなるまで
の若干の時間的な改善であり根本的な対策とはなりえな
い。
から引き出されることを想定して、このダンパ室を大き
めな構造としておく構成もあるが、この場合もエアーは
引き出される。このためエアーの必要量が無くなるまで
の若干の時間的な改善であり根本的な対策とはなりえな
い。
【0008】また、ダンパ室からエアーが引き出された
場合には、共通液室に多くの気泡が滞留し前述のように
この浮遊気泡が吐出口やインク流路を詰まらせて、ある
いはインク流路へのインクのリフィルを阻害して吐出不
良を招くおそれがある。
場合には、共通液室に多くの気泡が滞留し前述のように
この浮遊気泡が吐出口やインク流路を詰まらせて、ある
いはインク流路へのインクのリフィルを阻害して吐出不
良を招くおそれがある。
【0009】本発明は、上述した従来の問題点を解決
し、ダンパ室にダンパ機能を適切に発揮できる量の気泡
を常に存在させることにより、吐出に伴なうインクの振
動に起因して起こる吐出不良を低減することが可能なイ
ンクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置を提
供することを目的とするものである。
し、ダンパ室にダンパ機能を適切に発揮できる量の気泡
を常に存在させることにより、吐出に伴なうインクの振
動に起因して起こる吐出不良を低減することが可能なイ
ンクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置を提
供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
インクを吐出するためのインクジェットヘッドにおい
て、インクを吐出するためにインクに対してエネルギー
を作用させるための第1エネルギー作用部と、該第1エ
ネルギー作用部が設けられたインク流路と、複数のイン
ク流路に連通しインクを供給するための共通液室と、前
記第1エネルギー作用部の駆動によって生じた圧力変動
を受ける位置であって、前記共通液室に連通し、インク
の界面と接する気体が収容される気体室と、前記気体室
の下方に設けられ、インクにエネルギーを作用させるこ
とで気体を発生させて前記気体室に気体を供給する第2
エネルギー作用部と、を具えたことを特徴とする。
インクを吐出するためのインクジェットヘッドにおい
て、インクを吐出するためにインクに対してエネルギー
を作用させるための第1エネルギー作用部と、該第1エ
ネルギー作用部が設けられたインク流路と、複数のイン
ク流路に連通しインクを供給するための共通液室と、前
記第1エネルギー作用部の駆動によって生じた圧力変動
を受ける位置であって、前記共通液室に連通し、インク
の界面と接する気体が収容される気体室と、前記気体室
の下方に設けられ、インクにエネルギーを作用させるこ
とで気体を発生させて前記気体室に気体を供給する第2
エネルギー作用部と、を具えたことを特徴とする。
【0011】また、インクを吐出するインクジェットヘ
ッドを用い、被記録媒体にインクを吐出して記録を行う
ためのインクジェット記録装置において、前記インクジ
ェットヘッドは、インクを吐出するためにインクに対し
てエネルギーを作用させるための第1エネルギー作用部
と、該第1エネルギー作用部が設けられたインク流路
と、複数のインク流路に連通しインクを供給するための
共通液室と、前記第1エネルギー作用部の駆動によって
生じた圧力変動を受ける位置であって前記共通液室に連
通しインクの界面と接する気体が収容される気体室と、
前記気体室の下方に設けられインクにエネルギーを作用
させることで気体を発生させて前記気体室に気体を供給
する第2エネルギー作用部とを有することを特徴とす
る。
ッドを用い、被記録媒体にインクを吐出して記録を行う
ためのインクジェット記録装置において、前記インクジ
ェットヘッドは、インクを吐出するためにインクに対し
てエネルギーを作用させるための第1エネルギー作用部
と、該第1エネルギー作用部が設けられたインク流路
と、複数のインク流路に連通しインクを供給するための
共通液室と、前記第1エネルギー作用部の駆動によって
生じた圧力変動を受ける位置であって前記共通液室に連
通しインクの界面と接する気体が収容される気体室と、
前記気体室の下方に設けられインクにエネルギーを作用
させることで気体を発生させて前記気体室に気体を供給
する第2エネルギー作用部とを有することを特徴とす
る。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【作用】以上の構成によれば、インクを吐出するため第
1エネルギー作用部を駆動したときの圧力変動は気体室
に収容された気体の膨張、収縮によって吸収される。そ
して、この気体の膨張、収縮に伴って気体室から失われ
る気体の一部は第2エネルギー作用部から供給される気
体によって補われるが、この第2エネルギー作用部は上
記気体室の下方に設けられるので、第2エネルギー作用
部で発生した気体は他の共通液室やインク流路などに入
り込むことなく気体室に収容される。
1エネルギー作用部を駆動したときの圧力変動は気体室
に収容された気体の膨張、収縮によって吸収される。そ
して、この気体の膨張、収縮に伴って気体室から失われ
る気体の一部は第2エネルギー作用部から供給される気
体によって補われるが、この第2エネルギー作用部は上
記気体室の下方に設けられるので、第2エネルギー作用
部で発生した気体は他の共通液室やインク流路などに入
り込むことなく気体室に収容される。
【0016】
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
に説明する。
【0018】図11ないし図16は、本発明が実施もし
くは適用されるインクジェットユニットIJU、インク
ジェットヘッドIJH、インクタンクIT、インクジェ
ットカートリッジIJC、インクジェット記録装置本体
IJRA、キャリッジHCのそれぞれおよびそれぞれの
関係を説明するための図である。以下これらの図を用い
て各部構成の説明を行う。
くは適用されるインクジェットユニットIJU、インク
ジェットヘッドIJH、インクタンクIT、インクジェ
ットカートリッジIJC、インクジェット記録装置本体
IJRA、キャリッジHCのそれぞれおよびそれぞれの
関係を説明するための図である。以下これらの図を用い
て各部構成の説明を行う。
【0019】(i)装置本体の概略説明 図11は、本発明に適用されるインクジェット記録装置
IJRAの概観図の一例である。図において、リードス
クリュー5005は、駆動モータ5013の正逆回転が
駆動力伝達ギア5011,5009を介して伝達される
ことにより回転する。リードスクリュー5005の螺旋
溝5004にはキャリッジHCに設けられたピン(不図
示)が係合し、これによりキャリッジHCが矢印a,b
方向に往復移動される。このキャリッジHCには、イン
クジェットカートリッジIJCが搭載されている。50
02は紙押え板であり、キャリッジHCの移動範囲にわ
たって記録紙Pをプラテンローラ5000に対して押圧
する。5007,5008はフォトカプラであり、キャ
リッジHCのレバー5006のこの域での存在を確認し
て、モータ5013の回転方向切換等を行うためのホー
ムポジション検知手段である。5016は記録ヘッドの
前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部
材であり、5015はこのキャップ内を負圧としてイン
ク吸引する吸引手段であり、吸引インクはキャップ内開
口5023を介してキャップ外へ導かれる。5017は
クリーニングブレード、5019はこのブレードを前後
方向に移動可能にする部材であり、これらは本体支持板
5018によって支持される。ブレード5017は、こ
の形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用
できることはいうまでもない。5024は温度または湿
度センサであり、インクジェット記録装置のおかれてい
る温,湿度を検出することができ、また、記録ヘッドの
温度を予測することも可能となる。このセンサはインク
ジェットカートリッジIJCに取り付けられていても良
い。
IJRAの概観図の一例である。図において、リードス
クリュー5005は、駆動モータ5013の正逆回転が
駆動力伝達ギア5011,5009を介して伝達される
ことにより回転する。リードスクリュー5005の螺旋
溝5004にはキャリッジHCに設けられたピン(不図
示)が係合し、これによりキャリッジHCが矢印a,b
方向に往復移動される。このキャリッジHCには、イン
クジェットカートリッジIJCが搭載されている。50
02は紙押え板であり、キャリッジHCの移動範囲にわ
たって記録紙Pをプラテンローラ5000に対して押圧
する。5007,5008はフォトカプラであり、キャ
リッジHCのレバー5006のこの域での存在を確認し
て、モータ5013の回転方向切換等を行うためのホー
ムポジション検知手段である。5016は記録ヘッドの
前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部
材であり、5015はこのキャップ内を負圧としてイン
ク吸引する吸引手段であり、吸引インクはキャップ内開
口5023を介してキャップ外へ導かれる。5017は
クリーニングブレード、5019はこのブレードを前後
方向に移動可能にする部材であり、これらは本体支持板
5018によって支持される。ブレード5017は、こ
の形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用
できることはいうまでもない。5024は温度または湿
度センサであり、インクジェット記録装置のおかれてい
る温,湿度を検出することができ、また、記録ヘッドの
温度を予測することも可能となる。このセンサはインク
ジェットカートリッジIJCに取り付けられていても良
い。
【0020】図19は、上述のクリーニングブレード5
017を清掃するためのクリーナの一構成を示す模式図
である。
017を清掃するためのクリーナの一構成を示す模式図
である。
【0021】この構成により、クリーニングブレード5
017に付着したゴミ,インク滴を吸収または掻きとる
ことにより、ブレード5017からインクジェットヘッ
ドIJHへのゴミ等の再付着を防止することができる。
具体的には、図19に示すようにキャリッジHC上に設
けたインク吸収体7000により、キャリッジHCの移
動に伴なってクリーニングブレード5017上に付着し
たインク滴を吸収する。この吸収体7000は、この図
ではキャリッジ上に設けたが、インクジェットカートリ
ッジIJC上に固定して専用化しIJCとともに交換で
きるようにしても良い。
017に付着したゴミ,インク滴を吸収または掻きとる
ことにより、ブレード5017からインクジェットヘッ
ドIJHへのゴミ等の再付着を防止することができる。
具体的には、図19に示すようにキャリッジHC上に設
けたインク吸収体7000により、キャリッジHCの移
動に伴なってクリーニングブレード5017上に付着し
たインク滴を吸収する。この吸収体7000は、この図
ではキャリッジ上に設けたが、インクジェットカートリ
ッジIJC上に固定して専用化しIJCとともに交換で
きるようにしても良い。
【0022】再び図11を参照すると、5021は、吸
引回復の吸引を開始するためのレバーであり、キャリッ
ジHCの移動によりこれと係合するカム5020の動作
に伴なって移動し、駆動モータからの駆動力を伝達する
クラッチの切換を制御する。
引回復の吸引を開始するためのレバーであり、キャリッ
ジHCの移動によりこれと係合するカム5020の動作
に伴なって移動し、駆動モータからの駆動力を伝達する
クラッチの切換を制御する。
【0023】以上説明したキャッピング、クリーニン
グ、吸引回復の各処理は、キャリッジHCがホームポジ
ション側領域に移動したときにリードスクリュー500
5の螺旋溝の形状とモータ5013の回転制御とによっ
てそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成さ
れている。しかし、所望のタイミングで所定の各動作を
行い得るものであれば、何れの構成も用いることができ
る。
グ、吸引回復の各処理は、キャリッジHCがホームポジ
ション側領域に移動したときにリードスクリュー500
5の螺旋溝の形状とモータ5013の回転制御とによっ
てそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成さ
れている。しかし、所望のタイミングで所定の各動作を
行い得るものであれば、何れの構成も用いることができ
る。
【0024】本例のインクジェットカートリッジIJC
は、図13からも明らかなように、インクの収納割合を
比較的大きくしたものであり、インクタンクITの前方
の面よりもわずかにインクジェットユニットIJUの先
端部が突出した形状である。このインクジェットカート
リッジIJCは、インクジェット記録装置本体IJRA
におけるキャリッジHCの後述する位置決め機構および
電気的接点によって着脱可能に設けられるものであり、
交換可能なタイプである。
は、図13からも明らかなように、インクの収納割合を
比較的大きくしたものであり、インクタンクITの前方
の面よりもわずかにインクジェットユニットIJUの先
端部が突出した形状である。このインクジェットカート
リッジIJCは、インクジェット記録装置本体IJRA
におけるキャリッジHCの後述する位置決め機構および
電気的接点によって着脱可能に設けられるものであり、
交換可能なタイプである。
【0025】(ii)インクジェットユニットIJUの構
成説明 インクジェットユニットIJUは、電気信号に応じて膜
沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネルギー
を生成する電気熱変換素子を用いて吐出を行う方式のユ
ニットである。
成説明 インクジェットユニットIJUは、電気信号に応じて膜
沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネルギー
を生成する電気熱変換素子を用いて吐出を行う方式のユ
ニットである。
【0026】図12において、100はSi基板上に複
数の列状に配された電気熱変換素子(吐出ヒータ)と、
これに電力を供給するAl等の電気配線とが、成膜技術
により形成されて成るヒータボードである。200はヒ
ータボード100に対する配線基板であり、ヒータボー
ド100の配線に対応する配線(例えばワイヤボンディ
ングにより接続される)と、この配線の端部に位置し本
体装置からの電気信号を受けるためのパッド201等を
有している。
数の列状に配された電気熱変換素子(吐出ヒータ)と、
これに電力を供給するAl等の電気配線とが、成膜技術
により形成されて成るヒータボードである。200はヒ
ータボード100に対する配線基板であり、ヒータボー
ド100の配線に対応する配線(例えばワイヤボンディ
ングにより接続される)と、この配線の端部に位置し本
体装置からの電気信号を受けるためのパッド201等を
有している。
【0027】1300は複数のインク流路をそれぞれ区
分するための隔壁や共通液室等を設けた溝付天板であ
り、インクタンクから供給されるインクを受けて共通液
室へ導入するインク受け口1500と、吐出口を複数有
するオリフィスプレート400を一体成型したものであ
る。これらの一体成型材料としてはポリサルフォンが好
ましいが、他の成型用樹脂材料を用いることもできる。
分するための隔壁や共通液室等を設けた溝付天板であ
り、インクタンクから供給されるインクを受けて共通液
室へ導入するインク受け口1500と、吐出口を複数有
するオリフィスプレート400を一体成型したものであ
る。これらの一体成型材料としてはポリサルフォンが好
ましいが、他の成型用樹脂材料を用いることもできる。
【0028】300は配線基板200の裏面を平面で支
持する例えば金属製の支持板で、インクジェットユニッ
トの構成部材となる。500は押えばねであり、M字形
状をなしそのM字の中央部で天板1300を押圧すると
共に前だれ部501で天板1300の液路に対応する部
分を線圧で押圧する。ヒータボード100および天板1
300は、押えばねの足部が支持体300の穴3121
を通って支持体300の裏面側に係合することで、これ
らが挟み込まれた状態で、押えばね500とその前だれ
部501の付勢力によって、互いに固定される。また、
支持体300は、インクタンクITの2つの位置決め凸
起1012および位置決めかつ熱融着保持用凸起180
0,1801に係合する位置決め用穴312,190
0,2000を有する他、装置本体IJRAのキャリッ
ジHCに対する位置決め用の突起2500,2600を
裏面側に有している。加えて支持体300はインクタン
クからのインク供給を可能とするインク供給管2200
(後述)を貫通可能にする穴320をも有している。支
持体300に対する配線基板200の取付は、接着剤等
により行われる。
持する例えば金属製の支持板で、インクジェットユニッ
トの構成部材となる。500は押えばねであり、M字形
状をなしそのM字の中央部で天板1300を押圧すると
共に前だれ部501で天板1300の液路に対応する部
分を線圧で押圧する。ヒータボード100および天板1
300は、押えばねの足部が支持体300の穴3121
を通って支持体300の裏面側に係合することで、これ
らが挟み込まれた状態で、押えばね500とその前だれ
部501の付勢力によって、互いに固定される。また、
支持体300は、インクタンクITの2つの位置決め凸
起1012および位置決めかつ熱融着保持用凸起180
0,1801に係合する位置決め用穴312,190
0,2000を有する他、装置本体IJRAのキャリッ
ジHCに対する位置決め用の突起2500,2600を
裏面側に有している。加えて支持体300はインクタン
クからのインク供給を可能とするインク供給管2200
(後述)を貫通可能にする穴320をも有している。支
持体300に対する配線基板200の取付は、接着剤等
により行われる。
【0029】支持体300の凹部2400,2400
は、それぞれ位置決め用突起2500,2600の近傍
に設けられており、組立てられたインクジェットカート
リッジIJC(図13)において、その周囲の3辺の平
行溝3000,3001の複数で形成されたヘッド先端
域の延長点にあって、ゴミやインク等の不要物が突起2
500,2600に至ることがないように位置してい
る。平行溝3000が形成されている蓋部材800は、
図13から明らかなように、インクジェットカートリッ
ジIJCの外壁を形成すると共に、インクジェットユニ
ットIJUを収納する空間部を形成している。また、平
行溝3001が形成されているインク供給部材600
は、前述したインク供給管2200に連続するインク導
管1600を供給管2200側が固定の片持ちばりとし
て有し、また、このインク導管1600の固定側とイン
ク供給管2200との毛管現象を確保するための封止ピ
ン602が挿入されている。なお、601はインクタン
クITと供給管2200との結合シールを行うパッキ
ン、700は供給管のタンク側端部に設けられたフィル
タである。
は、それぞれ位置決め用突起2500,2600の近傍
に設けられており、組立てられたインクジェットカート
リッジIJC(図13)において、その周囲の3辺の平
行溝3000,3001の複数で形成されたヘッド先端
域の延長点にあって、ゴミやインク等の不要物が突起2
500,2600に至ることがないように位置してい
る。平行溝3000が形成されている蓋部材800は、
図13から明らかなように、インクジェットカートリッ
ジIJCの外壁を形成すると共に、インクジェットユニ
ットIJUを収納する空間部を形成している。また、平
行溝3001が形成されているインク供給部材600
は、前述したインク供給管2200に連続するインク導
管1600を供給管2200側が固定の片持ちばりとし
て有し、また、このインク導管1600の固定側とイン
ク供給管2200との毛管現象を確保するための封止ピ
ン602が挿入されている。なお、601はインクタン
クITと供給管2200との結合シールを行うパッキ
ン、700は供給管のタンク側端部に設けられたフィル
タである。
【0030】インク供給部材600は、モールド成型さ
れているため、廉価にかつ精度良く製造できるだけでな
く、導管16を片持ちばり形態とすることによって大量
生産時においても導管1600の上述インク受け口15
00に対する圧接状態を安定化できる。本例では、この
圧接状態下で封止用接着剤をインク供給部材側から流し
込むだけで、完全な連通状態を確実に得ることができて
いる。なお、インク供給部材600の支持体300に対
する固定は、支持体300の穴1901,1902に対
するインク供給部材600の裏面側ピン(不図示)を支
持体300の穴1901,1902を介して貫通突出せ
しめ、支持体300の裏面側に突出した部分を熱融着す
ることで簡単に行うことができる。なお、この熱融着さ
れた裏面部のわずかな突出領域は、インクタンクITの
インクジェットユニットIJU取付面側壁面のくぼみ
(不図示)内に収められるのでユニットIJUの位置決
め面は正確に得られる。
れているため、廉価にかつ精度良く製造できるだけでな
く、導管16を片持ちばり形態とすることによって大量
生産時においても導管1600の上述インク受け口15
00に対する圧接状態を安定化できる。本例では、この
圧接状態下で封止用接着剤をインク供給部材側から流し
込むだけで、完全な連通状態を確実に得ることができて
いる。なお、インク供給部材600の支持体300に対
する固定は、支持体300の穴1901,1902に対
するインク供給部材600の裏面側ピン(不図示)を支
持体300の穴1901,1902を介して貫通突出せ
しめ、支持体300の裏面側に突出した部分を熱融着す
ることで簡単に行うことができる。なお、この熱融着さ
れた裏面部のわずかな突出領域は、インクタンクITの
インクジェットユニットIJU取付面側壁面のくぼみ
(不図示)内に収められるのでユニットIJUの位置決
め面は正確に得られる。
【0031】(iii )インクタンクITの構成説明 図12に示すように、インクタンクは、カートリッジ本
体1000と、インク吸収体900とインク吸収体90
0をカートリッジ本体1000の上記ユニットIJU取
付面とは反対側の側面から挿入した後、これを封止する
蓋部材1100とで構成されている。900はインクを
含浸させるための吸収体であり、カートリッジ本体10
00内に配置される。1200は上記各部100〜60
0からなるユニットIJUに対してインクを供給するた
めの供給口であると共に、そのユニットをカートリッジ
本体1000の部分1010に装着する前の工程で供給
口1200よりインクを注入することにより吸収体90
0のインク含浸を行うための注入口でもある。
体1000と、インク吸収体900とインク吸収体90
0をカートリッジ本体1000の上記ユニットIJU取
付面とは反対側の側面から挿入した後、これを封止する
蓋部材1100とで構成されている。900はインクを
含浸させるための吸収体であり、カートリッジ本体10
00内に配置される。1200は上記各部100〜60
0からなるユニットIJUに対してインクを供給するた
めの供給口であると共に、そのユニットをカートリッジ
本体1000の部分1010に装着する前の工程で供給
口1200よりインクを注入することにより吸収体90
0のインク含浸を行うための注入口でもある。
【0032】本例では、インクを供給可能な部分は、大
気連通口とこの供給口とになるが、インク吸収体からの
インク供給性を良好に行うため、本体1000内リブ2
300と蓋部材1100の部分リブ2500,2400
とによって形成されたタンク内空気存在領域を、大気連
通口1401側から連続させてインク供給口1200か
ら最も遠い角部域にわたって形成している構成をとって
いる。このため、相対的に良好かつ均一な吸収体へのイ
ンク供給は、この供給口1200側から行われることが
重量である。この方法は実用上極めて有効である。この
リブ1000は、インクタンクの本体1000の後方面
において、キャリッジ移動方向に平行なリブを4本有
し、吸収体が後方面に密着することを防止している。ま
た、部分リブ2400,2500は、同様にリブ100
0に対して対応する延長上にある蓋部材1100の内面
に設けられているが、リブ1000とは異なり分割され
た状態となっていて空気の存在空間を前者より増加させ
ている。なお、部分リブ2500,2400は蓋部材1
000の全面積の半分以下の面に分散された形となって
いる。これらのリブによってインク吸収体のタンク供給
口1200から最も遠い角部の領域のインクをより安定
させつつ確実に供給口1200側へ毛管力で導くことが
できる。1401はカートリッジ内部を大気に連通する
ために蓋部材に設けた大気連通口である。1400は大
気連通口1401の内方に配置される撥液材であり、こ
れにより大気連通口1401からのインク漏洩が防止さ
れる。
気連通口とこの供給口とになるが、インク吸収体からの
インク供給性を良好に行うため、本体1000内リブ2
300と蓋部材1100の部分リブ2500,2400
とによって形成されたタンク内空気存在領域を、大気連
通口1401側から連続させてインク供給口1200か
ら最も遠い角部域にわたって形成している構成をとって
いる。このため、相対的に良好かつ均一な吸収体へのイ
ンク供給は、この供給口1200側から行われることが
重量である。この方法は実用上極めて有効である。この
リブ1000は、インクタンクの本体1000の後方面
において、キャリッジ移動方向に平行なリブを4本有
し、吸収体が後方面に密着することを防止している。ま
た、部分リブ2400,2500は、同様にリブ100
0に対して対応する延長上にある蓋部材1100の内面
に設けられているが、リブ1000とは異なり分割され
た状態となっていて空気の存在空間を前者より増加させ
ている。なお、部分リブ2500,2400は蓋部材1
000の全面積の半分以下の面に分散された形となって
いる。これらのリブによってインク吸収体のタンク供給
口1200から最も遠い角部の領域のインクをより安定
させつつ確実に供給口1200側へ毛管力で導くことが
できる。1401はカートリッジ内部を大気に連通する
ために蓋部材に設けた大気連通口である。1400は大
気連通口1401の内方に配置される撥液材であり、こ
れにより大気連通口1401からのインク漏洩が防止さ
れる。
【0033】前述したインクタンクITのインク収容空
間は長方形形状であり、その長辺を側面に持つ場合であ
るので上述したリブの配置構成は特に有効であるが、キ
ャリッジの移動方向に長辺を持つ場合または立方体の場
合は、蓋部材1100の全体にリブを設けるようにする
ことでインク吸収体900からのインク供給を安定化で
きる。
間は長方形形状であり、その長辺を側面に持つ場合であ
るので上述したリブの配置構成は特に有効であるが、キ
ャリッジの移動方向に長辺を持つ場合または立方体の場
合は、蓋部材1100の全体にリブを設けるようにする
ことでインク吸収体900からのインク供給を安定化で
きる。
【0034】インクタンクITの上記ユニットIJUの
取付面の構成が図14に示される。
取付面の構成が図14に示される。
【0035】オリフィスプレート400の吐出口配設面
のほぼ中心を通って、タンクITの底面もしくはキャリ
ッジの表面の載置基準面に平行な直線をL1 とすると、
支持体300の穴312に係合する2つの位置決め凸起
1012はこの直線L1 上にある。この凸起1012の
高さは支持体300の厚みよりわずかに低く、支持体3
00の位置決めを行う。この図面上で直線O1の延長上
には、キャリッジの位置決め用フック4001の90°
角の係合面4002が係合する爪2100が位置してお
り、キャリッジに対する位置決めの作用力がこの直線L
1 を含む上記基準面に平行な面領域で作用するように構
成されている。図15で後述するが、これらの関係は、
インクタンクのみの位置決めの精度がヘッドの吐出口の
位置決め精度と同等となるので有効な構成となる。
のほぼ中心を通って、タンクITの底面もしくはキャリ
ッジの表面の載置基準面に平行な直線をL1 とすると、
支持体300の穴312に係合する2つの位置決め凸起
1012はこの直線L1 上にある。この凸起1012の
高さは支持体300の厚みよりわずかに低く、支持体3
00の位置決めを行う。この図面上で直線O1の延長上
には、キャリッジの位置決め用フック4001の90°
角の係合面4002が係合する爪2100が位置してお
り、キャリッジに対する位置決めの作用力がこの直線L
1 を含む上記基準面に平行な面領域で作用するように構
成されている。図15で後述するが、これらの関係は、
インクタンクのみの位置決めの精度がヘッドの吐出口の
位置決め精度と同等となるので有効な構成となる。
【0036】また、支持体300のインクタンク側面へ
の固定用穴1900,2000にそれぞれ対応するイン
クタンクの突起1800,1801は前述した凸起10
12よりも長く、支持体300を貫通して突出した部分
を熱融着して支持体300をその側面に固定するための
ものである。
の固定用穴1900,2000にそれぞれ対応するイン
クタンクの突起1800,1801は前述した凸起10
12よりも長く、支持体300を貫通して突出した部分
を熱融着して支持体300をその側面に固定するための
ものである。
【0037】上述の直線L1 に垂直で、突起1800を
通る直線をL3 、突起1801を通る直線をL2 とした
とき、直線L3 上には上記供給口1200のほぼ中心が
位置するので、供給口1200と供給管2200との結
合状態を安定化する作用をし、落下や衝撃によってもこ
れらの結合状態への負荷を軽減できるので好ましい構成
である。また、直線L2 ,L3 は一致しておらず、ま
た、ヘッドIJHの吐出口側の凸起1012周辺に突起
1800,1801が存在しているので、さらにヘッド
IJHのタンクに対する位置決めの補強効果を生じさせ
ている。なお、L4 で示される曲線は、インク供給部材
600を装着した時のその外壁位置である。突起180
0,1801はその曲線L4 に沿っているので、ヘッド
IJHの先端側構成の重量に対しても充分な強度と位置
精度を与えている。また、2700はインクタンクIT
の先端ツバであり、キャリッジの前板4000の穴に挿
入されて、インクタンクの変位が極端に悪くなるような
異変時に対して設けられている。2101は、キャリッ
ジHCとのさらなる位置決め部との係合部である。
通る直線をL3 、突起1801を通る直線をL2 とした
とき、直線L3 上には上記供給口1200のほぼ中心が
位置するので、供給口1200と供給管2200との結
合状態を安定化する作用をし、落下や衝撃によってもこ
れらの結合状態への負荷を軽減できるので好ましい構成
である。また、直線L2 ,L3 は一致しておらず、ま
た、ヘッドIJHの吐出口側の凸起1012周辺に突起
1800,1801が存在しているので、さらにヘッド
IJHのタンクに対する位置決めの補強効果を生じさせ
ている。なお、L4 で示される曲線は、インク供給部材
600を装着した時のその外壁位置である。突起180
0,1801はその曲線L4 に沿っているので、ヘッド
IJHの先端側構成の重量に対しても充分な強度と位置
精度を与えている。また、2700はインクタンクIT
の先端ツバであり、キャリッジの前板4000の穴に挿
入されて、インクタンクの変位が極端に悪くなるような
異変時に対して設けられている。2101は、キャリッ
ジHCとのさらなる位置決め部との係合部である。
【0038】インクタンクITは、ユニットIJUを装
着された後に蓋800で覆うことで、ユニットIJUを
下方開口を除いて包囲する形状となるが、インクジェッ
トカートリッジIJCとしては、キャリッジHCに載置
するための下方開口はキャリッジHCと近接するため、
実質的な4方包囲空間を形成する。従って、この包囲空
間内にあるヘッドIJHからの発熱はこの空間内の保温
空間として有効となるものの長期連続使用としては、わ
ずかな昇温となる。このため本例では、支持体の自然放
熱を助けるためにカートリッジIJCの上方面に、この
空間よりは小さい幅のスリット1700を設け、昇温を
防止しつつもユニットIJU全体の温度分布の均一化を
環境に左右されないようにする。
着された後に蓋800で覆うことで、ユニットIJUを
下方開口を除いて包囲する形状となるが、インクジェッ
トカートリッジIJCとしては、キャリッジHCに載置
するための下方開口はキャリッジHCと近接するため、
実質的な4方包囲空間を形成する。従って、この包囲空
間内にあるヘッドIJHからの発熱はこの空間内の保温
空間として有効となるものの長期連続使用としては、わ
ずかな昇温となる。このため本例では、支持体の自然放
熱を助けるためにカートリッジIJCの上方面に、この
空間よりは小さい幅のスリット1700を設け、昇温を
防止しつつもユニットIJU全体の温度分布の均一化を
環境に左右されないようにする。
【0039】インクジェットカートリッジIJCとして
組立てられると、インクはカートリッジ内部より供給口
1200、支持体300に設けた穴320および供給タ
ンク600の中裏面側に設けた導入口を介して供給タン
ク600内に供給され、その内部を通った後、導出口よ
り適宜の供給管および天板400のインク導入口150
0を介して共通液室内へと流入する。以上におけるイン
ク連通用の接続部には、例えばシリコンゴムやブチルゴ
ム等のパッキンが配設され、これによって封止が行われ
インク供給路が確保される。
組立てられると、インクはカートリッジ内部より供給口
1200、支持体300に設けた穴320および供給タ
ンク600の中裏面側に設けた導入口を介して供給タン
ク600内に供給され、その内部を通った後、導出口よ
り適宜の供給管および天板400のインク導入口150
0を介して共通液室内へと流入する。以上におけるイン
ク連通用の接続部には、例えばシリコンゴムやブチルゴ
ム等のパッキンが配設され、これによって封止が行われ
インク供給路が確保される。
【0040】なお、本実施例においては天板1300は
耐インク性に優れたポリサルフォン、ポリエーテルサル
フォン、ポリフェニレノキサイド、ポリプロピレンなど
の樹脂を用い、オリフィスプレート部400と共に金型
内で一体に同時成型される。
耐インク性に優れたポリサルフォン、ポリエーテルサル
フォン、ポリフェニレノキサイド、ポリプロピレンなど
の樹脂を用い、オリフィスプレート部400と共に金型
内で一体に同時成型される。
【0041】上述のように一体成型部品は、インク供給
部材600、天板・オリフィスプレート一体、インクタ
ンク本体1000としたので組立て精度が高水準になる
ばかりでなく、大量生産の品質向上に極めて有効であ
る。また部品点数の個数は従来に比較して減少できてい
るので、優れた所望特性を確実に発揮できる。
部材600、天板・オリフィスプレート一体、インクタ
ンク本体1000としたので組立て精度が高水準になる
ばかりでなく、大量生産の品質向上に極めて有効であ
る。また部品点数の個数は従来に比較して減少できてい
るので、優れた所望特性を確実に発揮できる。
【0042】(iv)キャリッジHCに対するインクジェ
ットカートリッジIJCの取付説明 図15において、5000はプラテンローラであり、記
録用紙等の被記録媒体Pを紙面下方から上方へ搬送す
る。キャリッジHCは、プラテンローラ3000に沿っ
て移動するものであり、キャリッジの前方プラテン側
に、インクジェットカートリッジIJCの前面側に位置
する前板4000(厚さ2mm)と、カートリッジIJ
Cの配線基板200のパッド201に対応するパッド2
011を具備したフレキシブルシート4005、および
これを裏面側から各パッド2011に対して押圧する弾
性力を発生するゴムパッド4006を保持する電気接続
部用支持板4003と、インクジェットカートリッジI
JCを所定の装着位置へ固定するための位置決め用フッ
ク4001とが設けられている。前板4000は位置決
め用突出面4010をカートリッジの支持耐300の前
述した位置決め突起2500,2500にそれぞれ対応
する2個有し、カートリッジの装着後はこの突出面40
10に向かう垂直な力を受ける。このため、補強用のリ
ブ(不図示)が真得板4000のプラテンローラ側に、
その垂直な力の方向に延在して複数形成されている。こ
のリブは、カートリッジIJC装着時の前面位置L5 よ
りもわずかに(約0.1mm程度)プラテンローラ側に
突出しているヘッド保護用突出部をも形成している。電
気接続部用支持板4003は、補強用リブ4004を前
記リブの方向ではなく垂直方向に複数有し、プラテン側
からフック4001側に向かって側方への突出割合が減
じられている。これは、カートリッジ装着時の位置を図
のように傾斜させるための機能も果している。また、支
持板4003は電気的接触状態を安定化するため、プラ
テン側の位置決め面4008とフック側の位置決め面4
007を有し、これらの間にパッドコンタクト域を形成
すると共にパッド2011対応のボッチ付ゴムシート4
006の変形量を一義的に規定する。これらの位置決め
面は、カートリッジIJCが記録可能な位置に固定され
ると、配線基板300の表面に当接した状態となる。本
例では、さらに配線基板300のパッド201を前述し
た直線L1 に関して対称となるように分布させているの
で、ゴムシート4006の各ボッチの変形量を均一化し
てパッド2011,201の当接圧をより安定化してい
る。本例のパッド201の分布は、上方,下方2列、縦
2列である。
ットカートリッジIJCの取付説明 図15において、5000はプラテンローラであり、記
録用紙等の被記録媒体Pを紙面下方から上方へ搬送す
る。キャリッジHCは、プラテンローラ3000に沿っ
て移動するものであり、キャリッジの前方プラテン側
に、インクジェットカートリッジIJCの前面側に位置
する前板4000(厚さ2mm)と、カートリッジIJ
Cの配線基板200のパッド201に対応するパッド2
011を具備したフレキシブルシート4005、および
これを裏面側から各パッド2011に対して押圧する弾
性力を発生するゴムパッド4006を保持する電気接続
部用支持板4003と、インクジェットカートリッジI
JCを所定の装着位置へ固定するための位置決め用フッ
ク4001とが設けられている。前板4000は位置決
め用突出面4010をカートリッジの支持耐300の前
述した位置決め突起2500,2500にそれぞれ対応
する2個有し、カートリッジの装着後はこの突出面40
10に向かう垂直な力を受ける。このため、補強用のリ
ブ(不図示)が真得板4000のプラテンローラ側に、
その垂直な力の方向に延在して複数形成されている。こ
のリブは、カートリッジIJC装着時の前面位置L5 よ
りもわずかに(約0.1mm程度)プラテンローラ側に
突出しているヘッド保護用突出部をも形成している。電
気接続部用支持板4003は、補強用リブ4004を前
記リブの方向ではなく垂直方向に複数有し、プラテン側
からフック4001側に向かって側方への突出割合が減
じられている。これは、カートリッジ装着時の位置を図
のように傾斜させるための機能も果している。また、支
持板4003は電気的接触状態を安定化するため、プラ
テン側の位置決め面4008とフック側の位置決め面4
007を有し、これらの間にパッドコンタクト域を形成
すると共にパッド2011対応のボッチ付ゴムシート4
006の変形量を一義的に規定する。これらの位置決め
面は、カートリッジIJCが記録可能な位置に固定され
ると、配線基板300の表面に当接した状態となる。本
例では、さらに配線基板300のパッド201を前述し
た直線L1 に関して対称となるように分布させているの
で、ゴムシート4006の各ボッチの変形量を均一化し
てパッド2011,201の当接圧をより安定化してい
る。本例のパッド201の分布は、上方,下方2列、縦
2列である。
【0043】フック4001は、固定軸4009に係合
する長穴を有し、この長穴の移動空間を利用して図の位
置から反時計方向に回動した後、プラテンローラ500
0に沿って左方側へ移動することでキャリッジHCに対
するインクジェットカートリッジIJCの位置決めを行
う。このフック4001を移動させるための構成はどの
ようなものでも良いが、レバー等で行える構成が好まし
い。いずれにしてもこのフック4001の回動時にカー
トリッジIJCはプラテンローラ側へ移動しつつ位置決
め突起2500,2600が前板の位置決め面4010
に当接可能な位置へ移動し、フック4001の左方側移
動によって90°のフック面4002がカートリッジI
JCの爪2100の90°面に密着しつつカートリッジ
IJCを位置決め面2500,4010同士の接触域を
中心に水平面内で旋回して最終的にパッド201,20
11同士の接触が始まる。
する長穴を有し、この長穴の移動空間を利用して図の位
置から反時計方向に回動した後、プラテンローラ500
0に沿って左方側へ移動することでキャリッジHCに対
するインクジェットカートリッジIJCの位置決めを行
う。このフック4001を移動させるための構成はどの
ようなものでも良いが、レバー等で行える構成が好まし
い。いずれにしてもこのフック4001の回動時にカー
トリッジIJCはプラテンローラ側へ移動しつつ位置決
め突起2500,2600が前板の位置決め面4010
に当接可能な位置へ移動し、フック4001の左方側移
動によって90°のフック面4002がカートリッジI
JCの爪2100の90°面に密着しつつカートリッジ
IJCを位置決め面2500,4010同士の接触域を
中心に水平面内で旋回して最終的にパッド201,20
11同士の接触が始まる。
【0044】そしてフック4001が所定位置、すなわ
ち固定位置に保持されると、パッド201,2011同
士の完全接触状態と、位置決め面2500,4010同
士の完全面接触と、90度面4002と爪の90度面の
2面接触と、配線基板300と位置決め面4007,4
008との面接触とが同時に形成されてキャリッジに対
するカートリッジIJCの保持が完了する。
ち固定位置に保持されると、パッド201,2011同
士の完全接触状態と、位置決め面2500,4010同
士の完全面接触と、90度面4002と爪の90度面の
2面接触と、配線基板300と位置決め面4007,4
008との面接触とが同時に形成されてキャリッジに対
するカートリッジIJCの保持が完了する。
【0045】(v)ヒータボードの説明 図16は本実施例で使用しているヘッドのヒータボード
100の模式図である。
100の模式図である。
【0046】記録ヘッドの温度を制御するための温調用
ヒータ(サブヒータ)8d、インクを吐出させるための
吐出用ヒータ(メインヒータ)8cが配された吐出部列
8g、液室内サブヒータ8i、駆動素子8hが同図で示
されるような位置関係で同一基板上に形成されている。
このように各素子を同一基板上に配することでヘッド温
度の検出、制御を効率よく行うことができ、さらに記録
ヘッドのコンパクト化、製造工程の簡略化を計ることが
できる。
ヒータ(サブヒータ)8d、インクを吐出させるための
吐出用ヒータ(メインヒータ)8cが配された吐出部列
8g、液室内サブヒータ8i、駆動素子8hが同図で示
されるような位置関係で同一基板上に形成されている。
このように各素子を同一基板上に配することでヘッド温
度の検出、制御を効率よく行うことができ、さらに記録
ヘッドのコンパクト化、製造工程の簡略化を計ることが
できる。
【0047】また同図には、ヒータボードがインクで満
たされる領域と、そうでない領域とに分離する天板の外
周壁断面8fのヒータボード100に対する位置が示さ
れる。この天板の外周壁断面8fの吐出用ヒータ8c側
が、共通液室82(以下、単に液室ともいう)として機
能する。なお、天板の外周壁は吐出部列8g上にも形成
され(不図示)、それに形成される溝部によって、各吐
出口に対応した複数の液路81が形成される。
たされる領域と、そうでない領域とに分離する天板の外
周壁断面8fのヒータボード100に対する位置が示さ
れる。この天板の外周壁断面8fの吐出用ヒータ8c側
が、共通液室82(以下、単に液室ともいう)として機
能する。なお、天板の外周壁は吐出部列8g上にも形成
され(不図示)、それに形成される溝部によって、各吐
出口に対応した複数の液路81が形成される。
【0048】(vi)制御構成の説明 次に、上述した装置構成の各部の記録制御を実行するた
めの制御構成について、図17に示すブロック図を参照
して説明する。
めの制御構成について、図17に示すブロック図を参照
して説明する。
【0049】制御回路を示す同図において、10は、ホ
スト装置等から記録信号を入力するためのインターフェ
ース、11はMPU、12はMPU11が実行する制御
プログラムを格納するプログラムROM、13は各種デ
ータ(上記記録信号やヘッドに供給される記録データ
等)を保存しておくダイナミック型のRAMであり、記
録ドット数や、記録ヘッドの交換回数等も記憶できる。
14は記録ヘッド18(IJH)に対する記録データの
供給制御を行うゲートアレイであり、インターフェース
10、MPU11、RAM13間のデータの転送制御も
行う。5013は図11に示したキャリアモータ、19
は記録用紙搬送のための搬送モータである。15は記録
ヘッドの吐出を駆動するヘッドドライバ、16,17は
それぞれ搬送モータ19、キャリアモータ5013を駆
動するモータドライバである。
スト装置等から記録信号を入力するためのインターフェ
ース、11はMPU、12はMPU11が実行する制御
プログラムを格納するプログラムROM、13は各種デ
ータ(上記記録信号やヘッドに供給される記録データ
等)を保存しておくダイナミック型のRAMであり、記
録ドット数や、記録ヘッドの交換回数等も記憶できる。
14は記録ヘッド18(IJH)に対する記録データの
供給制御を行うゲートアレイであり、インターフェース
10、MPU11、RAM13間のデータの転送制御も
行う。5013は図11に示したキャリアモータ、19
は記録用紙搬送のための搬送モータである。15は記録
ヘッドの吐出を駆動するヘッドドライバ、16,17は
それぞれ搬送モータ19、キャリアモータ5013を駆
動するモータドライバである。
【0050】図18は、図17の各部の詳細を示す回路
図である。
図である。
【0051】ゲートアレイ14は、データラッチ14
1、セグメント(SEG)シフトレジスタ142、マルチ
プレクサ(MPX)143、コモン(CОM)タイミング発
生回路144、デコーダ145を有する。記録ヘッド1
8は、ダイオードマトリックス構成を取っており、記録
データに応じてコモン信号CОMとセグメント信号SE
Gが一致したところの吐出用ヒータ(H1からH64、
以下の説明では記録ヘッドは128個の吐出口を有する
ため128個の吐出用ヒータが設けられるが、ここで
は、説明の簡単のため64個のみ示す。)に駆動電流が
流れ、これによりインクが過熱され吐出する。
1、セグメント(SEG)シフトレジスタ142、マルチ
プレクサ(MPX)143、コモン(CОM)タイミング発
生回路144、デコーダ145を有する。記録ヘッド1
8は、ダイオードマトリックス構成を取っており、記録
データに応じてコモン信号CОMとセグメント信号SE
Gが一致したところの吐出用ヒータ(H1からH64、
以下の説明では記録ヘッドは128個の吐出口を有する
ため128個の吐出用ヒータが設けられるが、ここで
は、説明の簡単のため64個のみ示す。)に駆動電流が
流れ、これによりインクが過熱され吐出する。
【0052】上記デコーダ145は、上記コモンタイミ
ング発生回路144が発生したタイミングをデコードし
て、コモン信号COM1〜8のいずれか1つを選択す
る。データラッチ141はRAM13から読み出された
記録データを8ビット単位でラッチし、この記録データ
を、マルチプレクサ143はセグメントシフトレジスタ
142に従い、セグメント信号SEG1〜8として出力
する。マルチプレクサ143からの出力は、後述するよ
うに1ビット単位、2ビット単位、または8ビット全て
など、シフトレジスタ142の内容によって種々変更す
ることができる。
ング発生回路144が発生したタイミングをデコードし
て、コモン信号COM1〜8のいずれか1つを選択す
る。データラッチ141はRAM13から読み出された
記録データを8ビット単位でラッチし、この記録データ
を、マルチプレクサ143はセグメントシフトレジスタ
142に従い、セグメント信号SEG1〜8として出力
する。マルチプレクサ143からの出力は、後述するよ
うに1ビット単位、2ビット単位、または8ビット全て
など、シフトレジスタ142の内容によって種々変更す
ることができる。
【0053】上記制御構成の動作を説明すると、インタ
ーフェース10に記録信号が入ると、ゲートアレイ14
とMPU11との間で記録信号がプリント用の記録デー
タに変換される。そして、モータドライバ16,17が
駆動されるとともに、ヘッドドライバ15に送られた記
録データに従って記録ヘッドが駆動され、記録が行われ
る。
ーフェース10に記録信号が入ると、ゲートアレイ14
とMPU11との間で記録信号がプリント用の記録デー
タに変換される。そして、モータドライバ16,17が
駆動されるとともに、ヘッドドライバ15に送られた記
録データに従って記録ヘッドが駆動され、記録が行われ
る。
【0054】以上のような装置に本発明を適用した場合
の実施例を以下に示す。
の実施例を以下に示す。
【0055】(実施例1)図1は本発明の一実施例に係
るインクジェットヘッドの模式的断面図である。
るインクジェットヘッドの模式的断面図である。
【0056】図1において、100はSi等よりなるヒ
ータボードであり、このヒータボード100には電気熱
変換素子(以下、吐出ヒータともいう)8cが形成され
ている。ヒータボード100上には、記録ヘッドの液路
(以下、インク流路ともいう)81や共通液室82等、
インクが収容される空間用の溝が形成された天板130
0が積層され、これにより、記録ヘッドの主要構造が形
成される。
ータボードであり、このヒータボード100には電気熱
変換素子(以下、吐出ヒータともいう)8cが形成され
ている。ヒータボード100上には、記録ヘッドの液路
(以下、インク流路ともいう)81や共通液室82等、
インクが収容される空間用の溝が形成された天板130
0が積層され、これにより、記録ヘッドの主要構造が形
成される。
【0057】インク流路81は、図1の紙面と垂直方向
に複数配列されるものであり、これらのインク流路81
の一端には、インク吐出口8gとしての開口が設けられ
ている。また、各インク流路81に対応してそれぞれ上
記吐出ヒータ8cが設けられている。共通液室82は、
上記複数のインク流路81に対して共通に連通し、それ
ぞれのインク流路81に対し、そのインク吐出に伴なっ
て供給されるインクを貯留している。この共通液室に
は、不図示のインクタンクからインク導入管1600を
介しインクが供給される。
に複数配列されるものであり、これらのインク流路81
の一端には、インク吐出口8gとしての開口が設けられ
ている。また、各インク流路81に対応してそれぞれ上
記吐出ヒータ8cが設けられている。共通液室82は、
上記複数のインク流路81に対して共通に連通し、それ
ぞれのインク流路81に対し、そのインク吐出に伴なっ
て供給されるインクを貯留している。この共通液室に
は、不図示のインクタンクからインク導入管1600を
介しインクが供給される。
【0058】共通液室82の後端部には、インクの出入
が容易には起こらない程度の小径の開口部を下側に向け
たダンパ室1302が設けられており、この室1302
内には空気(ダンパエアー)1304が満たされてい
る。また、ダンパ室1302の開口の下方のヒータボー
ド100上には吐出ヒータ8cと同様の電気熱変換素子
(液室サブヒータともいう)8iが形成されている。
が容易には起こらない程度の小径の開口部を下側に向け
たダンパ室1302が設けられており、この室1302
内には空気(ダンパエアー)1304が満たされてい
る。また、ダンパ室1302の開口の下方のヒータボー
ド100上には吐出ヒータ8cと同様の電気熱変換素子
(液室サブヒータともいう)8iが形成されている。
【0059】次に、上記構成よりなるインクジェットヘ
ッドを用いて記録を行う場合の吐出の安定性を確保する
ために重要な要素となる共通液室82、インク導入管1
600内の圧力変動について考察する。
ッドを用いて記録を行う場合の吐出の安定性を確保する
ために重要な要素となる共通液室82、インク導入管1
600内の圧力変動について考察する。
【0060】インクジェットヘッドは吐出の際に吐出ヒ
ータ8cを駆動してインク流路81のインク中に膜沸騰
を生起して気泡を発泡させる。この時インクが液相から
気相に転移した体積膨張分の圧力増加はインク流路81
内や共通液室82内のすべてのインクに均等に伝達され
る。吐出口8g側に生起した圧力増加である発泡力はイ
ンク吐出によって消費されるが、この吐出口8g側とは
反対側で生起した圧力増加は、図2に示すように吐出エ
ネルギーとして消費されず、インク導入管1600から
インクが供給されるのを阻害したり、あるいは共通液室
82を共用している他のインク流路を加圧状態にするな
ど、安定吐出を阻害する要因になってしまう。
ータ8cを駆動してインク流路81のインク中に膜沸騰
を生起して気泡を発泡させる。この時インクが液相から
気相に転移した体積膨張分の圧力増加はインク流路81
内や共通液室82内のすべてのインクに均等に伝達され
る。吐出口8g側に生起した圧力増加である発泡力はイ
ンク吐出によって消費されるが、この吐出口8g側とは
反対側で生起した圧力増加は、図2に示すように吐出エ
ネルギーとして消費されず、インク導入管1600から
インクが供給されるのを阻害したり、あるいは共通液室
82を共用している他のインク流路を加圧状態にするな
ど、安定吐出を阻害する要因になってしまう。
【0061】また、インクが定常的にインク導入管から
供給されている時にインクの吐出を停止すると、インク
のイナータンス(慣性力)によってインクは流れ続けよ
うとするので共通液室82内は加圧状態になり、この状
態で印字を再開しようとすると前記同様安定吐出を阻害
する場合がある。
供給されている時にインクの吐出を停止すると、インク
のイナータンス(慣性力)によってインクは流れ続けよ
うとするので共通液室82内は加圧状態になり、この状
態で印字を再開しようとすると前記同様安定吐出を阻害
する場合がある。
【0062】上述のような問題点の対策として駆動間隔
を十分にあけ上記発生圧力が解消するのを待つ構成が知
られるが、これは記録速度の高速化が阻害される。これ
に対し、本実施例では上記圧力変動をダンパ室1302
で吸収する構成を採り、これにより上記圧力変動に起因
する高速化阻害要因を解消する。
を十分にあけ上記発生圧力が解消するのを待つ構成が知
られるが、これは記録速度の高速化が阻害される。これ
に対し、本実施例では上記圧力変動をダンパ室1302
で吸収する構成を採り、これにより上記圧力変動に起因
する高速化阻害要因を解消する。
【0063】図2,図3にその一例を記すように、吐出
ヒータ8c上で発泡が起こり、この発泡による圧力をイ
ンク流路81を介して共通液室82に伝わり、その内部
が加圧されると、この圧力はダンパ室1302のダンパ
エアー1304の収縮によって吸収される。一方、上記
吐出ヒータ8cによる発泡が消泡に転じ共通液室82が
減圧される場合には、図4,図5に示すようにダンパ室
1302のダンパエアー1404が膨張することで同様
に圧力変動を吸収する。
ヒータ8c上で発泡が起こり、この発泡による圧力をイ
ンク流路81を介して共通液室82に伝わり、その内部
が加圧されると、この圧力はダンパ室1302のダンパ
エアー1304の収縮によって吸収される。一方、上記
吐出ヒータ8cによる発泡が消泡に転じ共通液室82が
減圧される場合には、図4,図5に示すようにダンパ室
1302のダンパエアー1404が膨張することで同様
に圧力変動を吸収する。
【0064】このようなダンパエアー1304の膨張,
収縮は吐出ヒータの駆動による発泡,消泡時に発生する
圧力変動にのみ連動するものではなく、前述のインクの
イナータンスによる振動などあらゆる圧力変動要因を吸
収する方向に作用することは明らかである。従って、上
述したインクジェット記録方式特有のインクの流体特性
による圧力変動に起因した高速化阻害要因を解消するこ
とが可能となる。
収縮は吐出ヒータの駆動による発泡,消泡時に発生する
圧力変動にのみ連動するものではなく、前述のインクの
イナータンスによる振動などあらゆる圧力変動要因を吸
収する方向に作用することは明らかである。従って、上
述したインクジェット記録方式特有のインクの流体特性
による圧力変動に起因した高速化阻害要因を解消するこ
とが可能となる。
【0065】ところで、安定してダンパ室が機能し上記
高速化阻害要因の1つである圧力変動を解消するために
は、その機能が十分に果たせるだけのダンパエアー量が
常に存在しなければならないことは前述した通りであ
る。しかしながら、ダンパエアーは環境温度の変動やヒ
ータボード温度の変動により膨張,収縮を繰り返すこと
が知られており、この場合、膨張時にダンパエアーがダ
ンパ室から吐き出され、ダンパ室から分離して共通液室
内に拡散することがある。これは記録ヘッドに大きな温
度サイクルが生じている場合に起こり易く、ダンパエア
ーの分離によってダンパ室のエアー量が減少してしまう
ことになる。エアーが減少した状態は自然には自己復帰
しないので、その記録ヘッドを使用している間常に適正
エアー量が確保されていない状態となり、良好なダンパ
機能の発揮が困難となる。すなわち、長期に渡ってダン
パ効果を持続することは困難ことになる。
高速化阻害要因の1つである圧力変動を解消するために
は、その機能が十分に果たせるだけのダンパエアー量が
常に存在しなければならないことは前述した通りであ
る。しかしながら、ダンパエアーは環境温度の変動やヒ
ータボード温度の変動により膨張,収縮を繰り返すこと
が知られており、この場合、膨張時にダンパエアーがダ
ンパ室から吐き出され、ダンパ室から分離して共通液室
内に拡散することがある。これは記録ヘッドに大きな温
度サイクルが生じている場合に起こり易く、ダンパエア
ーの分離によってダンパ室のエアー量が減少してしまう
ことになる。エアーが減少した状態は自然には自己復帰
しないので、その記録ヘッドを使用している間常に適正
エアー量が確保されていない状態となり、良好なダンパ
機能の発揮が困難となる。すなわち、長期に渡ってダン
パ効果を持続することは困難ことになる。
【0066】これに対し、本実施例ではダンパ室にダン
パエアーを生成する手段を有し、上述のようなダンパエ
アーの減少を防止しダンパ機能の持続が可能とするもの
である。これについて以下に説明する。
パエアーを生成する手段を有し、上述のようなダンパエ
アーの減少を防止しダンパ機能の持続が可能とするもの
である。これについて以下に説明する。
【0067】図6は、ダンパエアーの量が減少しインク
を取り込んだ状態のダンパ室1302の一例を示す模式
図である。
を取り込んだ状態のダンパ室1302の一例を示す模式
図である。
【0068】図6に示す状態ではダンパ室1302のす
べてのダンパエアーが放出されてしまった状態ではない
ので圧力変動の振幅によってはダンパ室としての機能を
果たすことができる場合もある。しかし、ダンパ室13
02内のダンパエアーのさらなる分離があれば機能を果
たさないものになってしまうことは容易に推定できる。
このため、本実施例では、ダンパ室1302の開口部の
下方に電気熱変換素子としての液室サブヒータ8iが設
けられており、このサブヒータ8iを駆動制御すること
によってインクに熱エネルギーを与えその中に溶存して
いる気体分子を気泡として発生させるサブヒータ8iの
駆動を適時行うことでダンパ室1302にダンパエアー
を所定量常に存在させておくことが可能となる。
べてのダンパエアーが放出されてしまった状態ではない
ので圧力変動の振幅によってはダンパ室としての機能を
果たすことができる場合もある。しかし、ダンパ室13
02内のダンパエアーのさらなる分離があれば機能を果
たさないものになってしまうことは容易に推定できる。
このため、本実施例では、ダンパ室1302の開口部の
下方に電気熱変換素子としての液室サブヒータ8iが設
けられており、このサブヒータ8iを駆動制御すること
によってインクに熱エネルギーを与えその中に溶存して
いる気体分子を気泡として発生させるサブヒータ8iの
駆動を適時行うことでダンパ室1302にダンパエアー
を所定量常に存在させておくことが可能となる。
【0069】また、サブヒータ8iの駆動タイミングと
しては、本実施例では、本例インクジェット記録装置の
電源投入時に駆動するよう構成している。具体的には、
シート抵抗43Ω、縦サイズ600μm、横サイズ40
0μm、抵抗値64.5Ωの発熱抵抗体を有するサブヒ
ータ8iを駆動電圧27.6Vで連続通電1秒間駆動す
る。これにより、ダンパ室1302の下部でサブヒータ
8i上に核沸騰を生起して、比較的微細な気泡を多数発
生させ、これらをダンパ室に引き込んでしまったインク
と置換することによりダンパエアー量を所定量に復帰さ
せるものである。
しては、本実施例では、本例インクジェット記録装置の
電源投入時に駆動するよう構成している。具体的には、
シート抵抗43Ω、縦サイズ600μm、横サイズ40
0μm、抵抗値64.5Ωの発熱抵抗体を有するサブヒ
ータ8iを駆動電圧27.6Vで連続通電1秒間駆動す
る。これにより、ダンパ室1302の下部でサブヒータ
8i上に核沸騰を生起して、比較的微細な気泡を多数発
生させ、これらをダンパ室に引き込んでしまったインク
と置換することによりダンパエアー量を所定量に復帰さ
せるものである。
【0070】上記シーケンスを図7のフローチャートを
用いてさらに詳細に説明する。
用いてさらに詳細に説明する。
【0071】ステップS710では、装置の電源が投入
されるのを監視しており、電源が投入されると液室サブ
ヒータ8iが1秒間駆動され、ダンパ室下方部のインク
中で核沸騰が起こり、ダンパエアー減少によってダンパ
室内にインクが入り込んでいる場合にはインクと上記発
生気泡が置換されてダンパ室内のダンパエアーが適量に
復帰する。サブヒータ8iを駆動することに起因するイ
ンクの昇温が懸念されるが、電源投入時に1秒間1回の
みの駆動であるので実使用上問題ない範囲である。上述
のサブヒータ駆動後、本実施例では図19等で前述した
吸引回復手段の動作を行う(S730)。この回復手段
は通常知られる目的の外、サブヒータ駆動によって必要
以上に気泡が発生してしまった場合に過剰な気泡により
共通液室内が気泡で充満され吐出安定性を損なうことを
防止する等のために行うものである。
されるのを監視しており、電源が投入されると液室サブ
ヒータ8iが1秒間駆動され、ダンパ室下方部のインク
中で核沸騰が起こり、ダンパエアー減少によってダンパ
室内にインクが入り込んでいる場合にはインクと上記発
生気泡が置換されてダンパ室内のダンパエアーが適量に
復帰する。サブヒータ8iを駆動することに起因するイ
ンクの昇温が懸念されるが、電源投入時に1秒間1回の
みの駆動であるので実使用上問題ない範囲である。上述
のサブヒータ駆動後、本実施例では図19等で前述した
吸引回復手段の動作を行う(S730)。この回復手段
は通常知られる目的の外、サブヒータ駆動によって必要
以上に気泡が発生してしまった場合に過剰な気泡により
共通液室内が気泡で充満され吐出安定性を損なうことを
防止する等のために行うものである。
【0072】液室サブヒータの駆動制御は、上例に限ら
れず装置が置かれている周囲環境温度やヒータボード温
度の変動などを検出してダンパ室のダンパエアーがどの
程度減少しているかなどを検出することにより最適な駆
動を行う方法を用いても良い。しかし、本例では、制御
を簡略化するため、まず十分にダンパエアーを発生する
ことができるサブヒータ駆動を実行した後、吸引回復を
行って余分なエアーを引き出す制御を行っている。
れず装置が置かれている周囲環境温度やヒータボード温
度の変動などを検出してダンパ室のダンパエアーがどの
程度減少しているかなどを検出することにより最適な駆
動を行う方法を用いても良い。しかし、本例では、制御
を簡略化するため、まず十分にダンパエアーを発生する
ことができるサブヒータ駆動を実行した後、吸引回復を
行って余分なエアーを引き出す制御を行っている。
【0073】ところで、インクジェット記録ヘッドにお
いては、一般に吐出の安定性,信頼性の向上や、画像上
の濃度ムラの低減のため個々の吐出液滴の大きさの管理
が必要であり、そのために記録ヘッド温度を制御する、
いわゆる温調を行う。従来より知られている一般的な温
調としてはヒータボード上にヒータを設け、このヒータ
を所望の時期に所望の時間駆動制御して温調を行うもの
である。本実施例では、ダンパエアー量を常に規定量内
に制御するために液室サブヒータを用いるが、このサブ
ヒータにダンパエアー生成用の機能の他に上記温調用の
機能も合わせ持たせるものである。
いては、一般に吐出の安定性,信頼性の向上や、画像上
の濃度ムラの低減のため個々の吐出液滴の大きさの管理
が必要であり、そのために記録ヘッド温度を制御する、
いわゆる温調を行う。従来より知られている一般的な温
調としてはヒータボード上にヒータを設け、このヒータ
を所望の時期に所望の時間駆動制御して温調を行うもの
である。本実施例では、ダンパエアー量を常に規定量内
に制御するために液室サブヒータを用いるが、このサブ
ヒータにダンパエアー生成用の機能の他に上記温調用の
機能も合わせ持たせるものである。
【0074】具体的には温調時には、その投入エネルギ
ーは極力ヘッドの昇温に消費される必要があるので、膜
沸騰,核沸騰を問わず無発泡状態での駆動制御とする。
すなわち、エアー生成機能時にはヒータ表面のピーク温
度を敏感に向上させるためにサブヒータに対して連続通
電であったのに対し、温調時には通電,非通電を交互に
行うパルス駆動制御で駆動する。本例の液室サブヒータ
8iにあっては、前述のように1秒間の連続通電で沸騰
制御が行えたのに対し、50msec毎にオン/オフを
繰り返すパルス駆動にあっては20秒間駆動しても発泡
は起こらなかった。すなわち連続通電に換算して10秒
間のエネルギー投入を行っても発泡を起こすこと無く、
エネルギー投入を行うことができ、効率的な温度制御を
行うことができる。
ーは極力ヘッドの昇温に消費される必要があるので、膜
沸騰,核沸騰を問わず無発泡状態での駆動制御とする。
すなわち、エアー生成機能時にはヒータ表面のピーク温
度を敏感に向上させるためにサブヒータに対して連続通
電であったのに対し、温調時には通電,非通電を交互に
行うパルス駆動制御で駆動する。本例の液室サブヒータ
8iにあっては、前述のように1秒間の連続通電で沸騰
制御が行えたのに対し、50msec毎にオン/オフを
繰り返すパルス駆動にあっては20秒間駆動しても発泡
は起こらなかった。すなわち連続通電に換算して10秒
間のエネルギー投入を行っても発泡を起こすこと無く、
エネルギー投入を行うことができ、効率的な温度制御を
行うことができる。
【0075】以上の制御を図8に示すフローチャートを
用いて説明する。
用いて説明する。
【0076】ステップS100において液室サブヒータ
の駆動命令が入ると、気泡の生成を目的とする発泡駆動
か、昇温を目的とする発泡レス駆動かの判断を行う。発
泡駆動の場合にはステップS110に移行し液室サブヒ
ータの1秒間の連続通電駆動を行い、発泡レス駆動の場
合にはステップS120に移行して50msec間隔で
オン/オフが切り替わるパルス通電駆動を所定の温度に
至るまで行う。上記制御終了後は、ステップS100に
帰還して液室サブヒータの駆動命令待機状態に入る。
の駆動命令が入ると、気泡の生成を目的とする発泡駆動
か、昇温を目的とする発泡レス駆動かの判断を行う。発
泡駆動の場合にはステップS110に移行し液室サブヒ
ータの1秒間の連続通電駆動を行い、発泡レス駆動の場
合にはステップS120に移行して50msec間隔で
オン/オフが切り替わるパルス通電駆動を所定の温度に
至るまで行う。上記制御終了後は、ステップS100に
帰還して液室サブヒータの駆動命令待機状態に入る。
【0077】以上説明したように、共通液室内にダンパ
室を設け、ダンパ室近傍にダンパ室内に蓄えられる気泡
生成用の気泡生成手段としての液室サブヒータと、この
液室サブヒータに投入する投入エネルギー制御手段と、
上記気泡生成手段と温調手段とを切り替える駆動制御手
段を有することにより、流体信号を抑制する上で不必要
に大きなダンパ室を設けることなくダンパとして機能す
る適正な量の気泡をダンパ室に常に維持させることがで
き、インク液滴の流体振動に起因して起こる吐出不良を
低減することができる。これとともに、インクジェット
ヘッドの温調のためのヒータとの兼用によって個別に手
段を持つ場合と比較してコスト的な効果に加えて制御配
線などの簡略化による装置の小型化(ダウンサイズィン
グ)にも有効なインクジェットヘッドを提供できる。
室を設け、ダンパ室近傍にダンパ室内に蓄えられる気泡
生成用の気泡生成手段としての液室サブヒータと、この
液室サブヒータに投入する投入エネルギー制御手段と、
上記気泡生成手段と温調手段とを切り替える駆動制御手
段を有することにより、流体信号を抑制する上で不必要
に大きなダンパ室を設けることなくダンパとして機能す
る適正な量の気泡をダンパ室に常に維持させることがで
き、インク液滴の流体振動に起因して起こる吐出不良を
低減することができる。これとともに、インクジェット
ヘッドの温調のためのヒータとの兼用によって個別に手
段を持つ場合と比較してコスト的な効果に加えて制御配
線などの簡略化による装置の小型化(ダウンサイズィン
グ)にも有効なインクジェットヘッドを提供できる。
【0078】(実施例2)本実施例では、ダンパエアー
用の気泡発生のためまたはヘッドの温調のためのいずれ
かの目的別に前記液室サブヒータの駆動を切り替える構
成の他の例について説明する。
用の気泡発生のためまたはヘッドの温調のためのいずれ
かの目的別に前記液室サブヒータの駆動を切り替える構
成の他の例について説明する。
【0079】上記実施例1では、液室サブヒータを連続
通電で駆動するか、パルス通電で駆動するかによって、
気泡生成発泡機能と昇温発泡レス機能を使い分けていた
が、本例では、ワット密度を切り替える構成を用いる。
通電で駆動するか、パルス通電で駆動するかによって、
気泡生成発泡機能と昇温発泡レス機能を使い分けていた
が、本例では、ワット密度を切り替える構成を用いる。
【0080】液室サブヒータの気泡生成発泡機能と昇温
発泡レス機能の使い分けとは、すなわち、液室サブヒー
タの表層インク分子を発泡温度まで昇温させるかさせな
いかの使い分け制御に他ならない。前記実施例では、こ
の昇温を規定するマクロ的な単位時間での平均投入エネ
ルギーを、連続通過かパルス通電かによって制御した
が、本実施例ではミクロ的にも投入エネルギーを制御す
ることで該機能の使い分けをせんとするものである。以
下図面を参照して具体的に説明する。
発泡レス機能の使い分けとは、すなわち、液室サブヒー
タの表層インク分子を発泡温度まで昇温させるかさせな
いかの使い分け制御に他ならない。前記実施例では、こ
の昇温を規定するマクロ的な単位時間での平均投入エネ
ルギーを、連続通過かパルス通電かによって制御した
が、本実施例ではミクロ的にも投入エネルギーを制御す
ることで該機能の使い分けをせんとするものである。以
下図面を参照して具体的に説明する。
【0081】図9は、本実施例における液室サブヒータ
へ投入されるエネルギーの制御構成を示すブロック図で
ある。
へ投入されるエネルギーの制御構成を示すブロック図で
ある。
【0082】図9において、1306は液室サブヒータ
8iへ電力を供給する電源であり、1305は液室サブ
ヒータ8iに印加するエネルギーを調整するための電圧
降下手段であり、本実施例では抵抗体からなるものであ
る。また、S0は図中Aに示す電流パスを接続/非接続
するための切り替えスイッチであり、一方、S1は図中
Bに示す電流パスを接続/非接続するための切り替えス
イッチである。
8iへ電力を供給する電源であり、1305は液室サブ
ヒータ8iに印加するエネルギーを調整するための電圧
降下手段であり、本実施例では抵抗体からなるものであ
る。また、S0は図中Aに示す電流パスを接続/非接続
するための切り替えスイッチであり、一方、S1は図中
Bに示す電流パスを接続/非接続するための切り替えス
イッチである。
【0083】前記パスAを選択する場合と、パスBを選
択する場合で液室サブヒータ8iで消費されるエネルギ
ーが異なることに着目し、気泡生成発泡駆動をする場合
にはワット密度が大きく液室サブヒータ8i上での大き
な発熱を見込めるパスAを選択し、一方、昇温発泡レス
駆動をする場合にはワット密度が小さく液室サブヒータ
8i上でパスAの時よりは小さな発熱となるパスBを選
択する。すなわち、本実施例では上記スイッチS0,S
1のどちから一方のスイッチを選択することで、容易に
液室サブヒータ8iの目的別の駆動を行うことができ
る。
択する場合で液室サブヒータ8iで消費されるエネルギ
ーが異なることに着目し、気泡生成発泡駆動をする場合
にはワット密度が大きく液室サブヒータ8i上での大き
な発熱を見込めるパスAを選択し、一方、昇温発泡レス
駆動をする場合にはワット密度が小さく液室サブヒータ
8i上でパスAの時よりは小さな発熱となるパスBを選
択する。すなわち、本実施例では上記スイッチS0,S
1のどちから一方のスイッチを選択することで、容易に
液室サブヒータ8iの目的別の駆動を行うことができ
る。
【0084】図9では、スイッチS0,S1の切り替え
は、公知の技術である論理回路の組み合わせて1,0の
信号でパスを切り替える手段とすることができる。ま
た、装置の一部に設けるメカニカルなスイッチであって
もよい。
は、公知の技術である論理回路の組み合わせて1,0の
信号でパスを切り替える手段とすることができる。ま
た、装置の一部に設けるメカニカルなスイッチであって
もよい。
【0085】(実施例3)次に、上記実施例1,2と比
べてさらに効率よく昇温制御を行える他の実施例につい
て説明する。
べてさらに効率よく昇温制御を行える他の実施例につい
て説明する。
【0086】上記実施例1,2ではヘッド温度の昇温を
目的とする場合、液室サブヒータを一律一定の周期のパ
ルス駆動を行うか、一定の電圧降下を伴なう駆動であっ
たが、最短の時間で、発泡を伴なわない昇温制御を行う
にはインク温度の低い駆動初期には高いエネルギー投入
を行い、インク温度が上昇してくるのに伴なって投入エ
ネルギーを低下させていくことが望ましい。
目的とする場合、液室サブヒータを一律一定の周期のパ
ルス駆動を行うか、一定の電圧降下を伴なう駆動であっ
たが、最短の時間で、発泡を伴なわない昇温制御を行う
にはインク温度の低い駆動初期には高いエネルギー投入
を行い、インク温度が上昇してくるのに伴なって投入エ
ネルギーを低下させていくことが望ましい。
【0087】以下、図面を参照して本例の方式を具体的
に説明する。図10は、本実施例における液室サブヒー
タへの投入エネルギーが、昇温とともに低下していく制
御構成を示すブロック図である。
に説明する。図10は、本実施例における液室サブヒー
タへの投入エネルギーが、昇温とともに低下していく制
御構成を示すブロック図である。
【0088】図10において、1306は液室サブヒー
タ8iへ電力を供給する電源であり、1307は温度上
昇に伴い抵抗値が変化することで供給電力の電圧降下を
変化させ液室サブヒータに印加されるエネルギーを調整
する電圧制御手段であり、本実施例では温度上昇に伴な
って抵抗値が上昇する金属抵抗体である。また、S0は
図中Aの電流パスの接続/非接続を行うための切り替え
スイッチであり、S1は図中Bの電流パスを接続/非接
続するための切り替えスイッチである。
タ8iへ電力を供給する電源であり、1307は温度上
昇に伴い抵抗値が変化することで供給電力の電圧降下を
変化させ液室サブヒータに印加されるエネルギーを調整
する電圧制御手段であり、本実施例では温度上昇に伴な
って抵抗値が上昇する金属抵抗体である。また、S0は
図中Aの電流パスの接続/非接続を行うための切り替え
スイッチであり、S1は図中Bの電流パスを接続/非接
続するための切り替えスイッチである。
【0089】前記実施例2と同様、液室サブヒータ8i
を発泡駆動する場合には図中パスAを、また、昇温駆動
する場合には図中パスBを介して駆動制御を行うが、パ
スBで連続して通電駆動制御を行うと、電圧制御手段1
307は通電量(通電時間)とともに発熱して高抵抗化
する。ここで、図10に示す回路は定電圧回路であるの
で、電圧制御手段1307が高抵抗化するとそこでの電
圧降下が大きくなり、結果として液室サブヒータ8iに
供給されるエネルギーが抑制される。すなわち、通電時
間が長くなるに従って自動的に液室サブヒータ8iへの
投入エネルギが減少して行くので、前記のような初期に
は高エネルギー印加で、徐々に印加エネルギーを低下さ
せていく制御を容易に行うことができる。
を発泡駆動する場合には図中パスAを、また、昇温駆動
する場合には図中パスBを介して駆動制御を行うが、パ
スBで連続して通電駆動制御を行うと、電圧制御手段1
307は通電量(通電時間)とともに発熱して高抵抗化
する。ここで、図10に示す回路は定電圧回路であるの
で、電圧制御手段1307が高抵抗化するとそこでの電
圧降下が大きくなり、結果として液室サブヒータ8iに
供給されるエネルギーが抑制される。すなわち、通電時
間が長くなるに従って自動的に液室サブヒータ8iへの
投入エネルギが減少して行くので、前記のような初期に
は高エネルギー印加で、徐々に印加エネルギーを低下さ
せていく制御を容易に行うことができる。
【0090】上述した電圧制御手段1307は必ずしも
ヒータボード100上に配設されている必要はなく本体
基板上に配設されていても良い。
ヒータボード100上に配設されている必要はなく本体
基板上に配設されていても良い。
【0091】また、図10では電圧制御手段1307の
特性が昇温とともに高抵抗化するものであるので、液室
サブヒータと直列で接続されているが、負の温度係数を
持つものであれば並列に接続して用いても良い。
特性が昇温とともに高抵抗化するものであるので、液室
サブヒータと直列で接続されているが、負の温度係数を
持つものであれば並列に接続して用いても良い。
【0092】本実施例では、制御を容易にするために温
度により抵抗値変動を起こす部材を用いた制御である
が、温度を検出してパルス比率や電圧を制御する方式で
あっても良い。
度により抵抗値変動を起こす部材を用いた制御である
が、温度を検出してパルス比率や電圧を制御する方式で
あっても良い。
【0093】さらには、環境温度を検出して、この環境
温度に応じて液室サブヒータの駆動条件を補正した高精
度制御手段であっても良い。
温度に応じて液室サブヒータの駆動条件を補正した高精
度制御手段であっても良い。
【0094】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0095】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0096】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0097】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0098】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0099】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0100】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0101】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0102】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0103】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、インクを吐出するため第1エネルギー作用部
を駆動したときの圧力変動は気体室に収容された気体の
膨張、収縮によって吸収される。そして、この気体の膨
張、収縮に伴って気体室から失われる気体の一部は第2
エネルギー作用部から供給される気体によって補われる
が、この第2エネルギー作用部は上記気体室の下方に設
けられるので、第2エネルギー作用部で発生した気体は
他の共通液室やインク流路などに入り込むことなく気体
室に収容される。
によれば、インクを吐出するため第1エネルギー作用部
を駆動したときの圧力変動は気体室に収容された気体の
膨張、収縮によって吸収される。そして、この気体の膨
張、収縮に伴って気体室から失われる気体の一部は第2
エネルギー作用部から供給される気体によって補われる
が、この第2エネルギー作用部は上記気体室の下方に設
けられるので、第2エネルギー作用部で発生した気体は
他の共通液室やインク流路などに入り込むことなく気体
室に収容される。
【0104】この結果、不必要に大きな気体室を設ける
ことなく、適正なダンパ機能を発揮するに十分な量の気
体を常に維持することができ、常に安定した吐出を行う
ことができる。
ことなく、適正なダンパ機能を発揮するに十分な量の気
体を常に維持することができ、常に安定した吐出を行う
ことができる。
【図1】本発明の第1実施例に係るインクジェットヘッ
ドのインク流路および共通液室の構造を示す模式的断面
図である。
ドのインク流路および共通液室の構造を示す模式的断面
図である。
【図2】上記インクジェットヘッドにおける吐出時にお
けるインク中の圧力変動を説明するための説明図であ
る。
けるインク中の圧力変動を説明するための説明図であ
る。
【図3】図2に示す状態におけるダンパ室の圧力吸収を
説明するための模式的断面図である。
説明するための模式的断面図である。
【図4】図1に示すインクジェットヘッドにおける吐出
後のインク中の圧力変動を説明するための説明図であ
る。
後のインク中の圧力変動を説明するための説明図であ
る。
【図5】図4に示す状態におけるダンパ室のダンパエア
ーの挙動を示す模式的断面図である。
ーの挙動を示す模式的断面図である。
【図6】本発明の一実施例に係るダンパエアーの補給を
説明するための説明図である。
説明するための説明図である。
【図7】上記ダンパエアーの補給のための液室サブヒー
タ駆動のシーケンスを示すフローチャートである。
タ駆動のシーケンスを示すフローチャートである。
【図8】上記液室サブヒータ駆動の変形例に係るシーケ
ンスのフローチャートである。
ンスのフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施例に係る液室サブヒータ駆動
のための構成を示すブロック図である。
のための構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3実施例に係る液室サブヒータ駆
動のための構成を示すブロック図である。
動のための構成を示すブロック図である。
【図11】本発明が適用されるインクジェット記録装置
の概略斜視図である。
の概略斜視図である。
【図12】図11に示すインクジェットカートリッジの
分解斜視図である。
分解斜視図である。
【図13】上記インクジェットカートリッジの外観斜視
図である。
図である。
【図14】インクジェットカートリッジのヘッドユニッ
ト取付部を説明するための斜視図である。
ト取付部を説明するための斜視図である。
【図15】上記インクジェットカートリッジのキャリッ
ジへの装着を説明するための説明図である。
ジへの装着を説明するための説明図である。
【図16】上記カートリッジの記録ヘッドを構成するヒ
ータボードを説明するための模式図である。
ータボードを説明するための模式図である。
【図17】上記記録装置の制御構成を示すブロック図で
ある。
ある。
【図18】図17に示す制御構成の詳細を示すブロック
図である。
図である。
【図19】上記記録装置におけるクリーニングユニット
の構成を示す模式図である。
の構成を示す模式図である。
8c 吐出ヒータ 8g 吐出口 8i 液室サブヒータ 11 MPU 12 ROM 13 RAM 14 ゲートアレイ 18 (IJH)記録ヘッド 81 インク流路 82 共通液室 100 ヒータボード 1300 天板 1302 ダンパ室 1304 ダンパエアー 1305 電圧降下手段 1307 電圧制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 喜一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 岩崎 督 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 兼松 大五郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−31904(JP,A) 特開 昭59−98859(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/05 B41J 2/175
Claims (11)
- 【請求項1】 インクを吐出するためのインクジェット
ヘッドにおいて、 インクを吐出するためにインクに対してエネルギーを作
用させるための第1エネルギー作用部と、 該第1エネルギー作用部が設けられたインク流路と、複数のインク流路に連通しインクを供給するための共通
液室と、 前記第1エネルギー作用部の駆動によって生じた圧力変
動を受ける位置であって、前記共通液室に連通し、イン
クの界面と接する気体が収容される気体室と、 前記気体室の下方に設けられ、 インクにエネルギーを作
用させることで気体を発生させて前記気体室に気体を供
給する第2エネルギー作用部と、 を具えたことを特徴とするインクジェットヘッド。 - 【請求項2】 前記第1および第2エネルギー作用部
は、熱エネルギーを発生する電気熱変換素子であること
を特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。 - 【請求項3】 前記気体室の下方とは当該気体室に対し
て前記第1エネルギー作用部が設けられた基板側のこと
であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェッ
トヘッド。 - 【請求項4】 前記第2エネルギー作用部は、温度調整
用のヒータとして利用されることを特徴とする請求項1
ないし3のいずれかに記載のインクジェットヘッド。 - 【請求項5】 インクを吐出するインクジェットヘッド
を用い、被記録媒体にインクを吐出して記録を行うため
のインクジェット記録装置において、 前記インクジェットヘッドは、インクを吐出するために
インクに対してエネルギーを作用させるための第1エネ
ルギー作用部と、該第1エネルギー作用部が設けられた
インク流路と、複数のインク流路に連通しインクを供給
するための共通液室と、前記第1エネルギー作用部の駆
動によって生じた圧力変動を受ける位置であって前記共
通液室に連通しインクの界面と接する気体が収容される
気体室と、前記気体室の下方に設けられインクにエネル
ギーを作用させることで気体を発生させて前記気体室に
気体を供給する第2エネルギー作用部とを有することを
特 徴とするインクジェット記録装置。 - 【請求項6】 前記第2のエネルギー作用部は、インク
に熱エネルギーを作用させて気体を発生させる熱エネル
ギー発生手段であり、当該熱エネルギー発生手段の駆動
により発生する気体を前記気体室に供給するものである
ことを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録
装置。 - 【請求項7】 前記第1エネルギー作用部は、熱エネル
ギー発生手段であることを特徴とする請求項6に記載の
インクジェット記録装置。 - 【請求項8】 前記第2のエネルギー作用部は、前記熱
エネルギー発生手段による熱エネルギーの発生を制御す
ることにより、前記気体の供給手段とインク温度の制御
を行なう温度調整手段として使用されることを特徴とす
る請求項6に記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項9】 前記制御手段は、前記インク温度の制御
を行なうとき、当該インク中に気泡を生じないよう前記
熱エネルギー発生手段による熱エネルギーの発生を制御
することを特徴とする請求項8に記載のインクジェット
記録装置。 - 【請求項10】 前記第2エネルギー作用部を、温度調
整手段として用いる場合には、前記第2エネルギー作用
部に対して、気体の供給手段として用いる場合に対して
小さいワット密度のパルスを印加することを特徴とする
請求項8に記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項11】 前記記録装置の電源投入後に前記第2
エネルギー作用部を駆動することを特徴とする請求項5
に記載のインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP27441393A JP3069477B2 (ja) | 1993-11-02 | 1993-11-02 | インクジェットヘッドおよび該ヘッドを用いたインクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27441393A JP3069477B2 (ja) | 1993-11-02 | 1993-11-02 | インクジェットヘッドおよび該ヘッドを用いたインクジェット記録装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07125235A JPH07125235A (ja) | 1995-05-16 |
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ID=17541329
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP27441393A Expired - Fee Related JP3069477B2 (ja) | 1993-11-02 | 1993-11-02 | インクジェットヘッドおよび該ヘッドを用いたインクジェット記録装置 |
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JP (1) | JP3069477B2 (ja) |
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-
1993
- 1993-11-02 JP JP27441393A patent/JP3069477B2/ja not_active Expired - Fee Related
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