JPH07125214A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH07125214A
JPH07125214A JP27436493A JP27436493A JPH07125214A JP H07125214 A JPH07125214 A JP H07125214A JP 27436493 A JP27436493 A JP 27436493A JP 27436493 A JP27436493 A JP 27436493A JP H07125214 A JPH07125214 A JP H07125214A
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Japan
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ink
ejection
recording
liquid chamber
heater
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Application number
JP27436493A
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English (en)
Inventor
Daigoro Kanematsu
大五郎 兼松
Naoji Otsuka
尚次 大塚
Atsushi Arai
篤 新井
Kentaro Yano
健太郎 矢野
Kiichiro Takahashi
喜一郎 高橋
Osamu Iwasaki
督 岩崎
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Original Assignee
Canon Inc
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット記録装置において、高駆動周
波数で安定した吐出を行うことができ、かつ比較的大き
な幅で吐出量を変調できること。 【構成】 記録ヘッドの液路4に連通する液室5にサブ
ヒータ2を設け、吐出口3からインクを吐出する前にサ
ブヒータ2を駆動して液室5内に気泡を生じさせ、これ
によりメニスカス8の位置を吐出口3から張り出した状
態とする。この結果、吐出ヒータ1より吐出口3側に存
在するインクの量が多くなり、吐出量を多くできるとと
もに、液室5内の気泡の大きさによってメニスカス8の
位置を制御できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータやワードプロセッサ等と併
用されたり、あるいは単独に使用されるプリンタ、複写
機、ファクシミリ等における記録装置は、用紙やプラス
チック薄板等の被記録材に対し、画像情報に基づいて記
録を行うように構成されている。このような記録装置と
しては、記録方式により、インクジェット方式、ワイヤ
ドット方式、サーマル方式、レーザビーム方式等に分け
ることができる。
【0003】そのうち、インクジェット方式は、記録ヘ
ッドから被記録材にインクを吐出して記録を行うもので
あり、高精細な画像を高速に記録することが可能であ
り、また、普通紙に特別な前処理を必要とせずに記録す
ることができ、さらに、ノンインパクト方式であるため
騒音が少なく、しかも多色のインクを使用してカラー画
像を記録するのが容易であるなどの利点を有している。
中でも、紙幅方向に多数の吐出口を配列したフルライン
タイプの記録ヘッドを使用するフルライン型の記録装置
は、記録の一層の高速化が可能である。
【0004】さらに、インクジェット方式の中でも熱エ
ネルギーを利用してインクを吐出する方式の記録ヘッド
は、エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造
プロセスを経て、基板上に製膜された電気熱変換素子、
電極、液路壁、天板等を形成することにより、高密度の
液路配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造する
ことができる。
【0005】ところで、上述の熱エネルギーを利用して
インクを吐出するインクジェット記録装置では、上記熱
エネルギーを発生するものとして電気熱変換素子を用い
るのが一般的であり、かかる構成において吐出量を制御
する場合には、電気熱変換素子に印加するパルスの幅を
変調する方法が採られることが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の吐出量制御方法では、投入エネルギー、環境温
度、記録ヘッド温度から印加するパルス幅を決めるた
め、以下のような問題が生じていた。
【0007】(1)印加するパルス幅により吐出量を変
調させるため吐出量の変調幅が比較的狭いものとなる。
【0008】(2)高駆動周波数で記録ヘッドを駆動す
る場合には、印加するパルスの変調幅が狭くなり、その
結果、吐出量の変調幅も非常に狭くなる。
【0009】(3)変調可能なパルスの分解能には制限
があるため高精度な吐出量制御が困難である。
【0010】本発明は、これらの問題を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、高駆動
周波数で安定した吐出を行うことができ、吐出量変調幅
が広く、かつ高精度な吐出量制御が可能なインクジェッ
ト記録装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
インク吐出口と、該インク吐出口を一方の開口端とする
液路と、該液路の他方の開口端を介して連通する液室を
有し、前記液路のインクにエネルギーを作用させ前記イ
ンク吐出口からインクを吐出する記録ヘッドを用い、被
記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット
記録装置において、前記液室内に設けられ、当該液室内
のインクを加熱して気泡を生じさせるための加熱手段
と、前記インク吐出口からインクが吐出される前に、前
記加熱手段による加熱量を制御し、当該加熱量に応じた
気泡を生じさせるための加熱制御手段と、を具えたこと
を特徴とする。
【0012】
【作用】以上の構成によれば、インクが吐出される以前
に液室内に生じさせる気泡の体積を制御し、これによっ
て、液路内に形成されるメニスカスの位置を制御でき、
その後のインク吐出の際に吐出するインク量をメニスカ
スの位置に応じて変化させることが可能となる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0014】図8ないし図13は、本発明が実施もしく
は適用されるインクジェットユニットIJU、インクジ
ェットヘッドIJH、インクタンクIT、インクジェッ
トカートリッジIJC、インクジェット記録装置本体I
JRA、キャリッジHCのそれぞれおよびそれぞれの関
係を説明するための図である。以下これらの図を用いて
各部構成の説明を行う。
【0015】(i)装置本体の概略説明 図8は、本発明に適用されるインクジェット記録装置I
JRAの概観図の一例である。図において、リードスク
リュー5005は、駆動モータ5013の正逆回転が駆
動力伝達ギア5011,5009を介して伝達されるこ
とにより回転する。リードスクリュー5005の螺旋溝
5004にはキャリッジHCに設けられたピン(不図
示)が係合し、これによりキャリッジHCが矢印a,b
方向に往復移動される。このキャリッジHCには、イン
クジェットカートリッジIJCが搭載されている。50
02は紙押え板であり、キャリッジHCの移動範囲にわ
たって記録紙Pをプラテンローラ5000に対して押圧
する。5007,5008はフォトカプラであり、キャ
リッジHCのレバー5006のこの域での存在を確認し
て、モータ5013の回転方向切換等を行うためのホー
ムポジション検知手段である。5016は記録ヘッドの
前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部
材であり、5015はこのキャップ内を負圧としてイン
ク吸引する吸引手段であり、吸引インクはキャップ内開
口5023を介してキャップ外へ導かれる。5017は
クリーニングブレード、5019はこのブレードを前後
方向に移動可能にする部材であり、これらは本体支持板
5018によって支持される。ブレード5017は、こ
の形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用
できることはいうまでもない。5024は温度または湿
度センサであり、インクジェット記録装置のおかれてい
る温,湿度を検出することができ、また、記録ヘッドの
温度を予測することも可能となる。このセンサはインク
ジェットカートリッジIJCに取り付けられていても良
い。
【0016】図16は、上述のクリーニングブレード5
017を清掃するためのクリーナの一構成を示す模式図
である。
【0017】この構成により、クリーニングブレード5
017に付着したゴミ,インク滴を吸収または掻きとる
ことにより、ブレード5017からインクジェットヘッ
ドIJHへのゴミ等の再付着を防止することができる。
具体的には、図16に示すようにキャリッジHC上に設
けたインク吸収体7000により、キャリッジHCの移
動に伴なってクリーニングブレード5017上に付着し
たインク滴を吸収する。この吸収体7000は、この図
ではキャリッジ上に設けたが、インクジェットカートリ
ッジIJC上に固定して専用化しIJCとともに交換で
きるようにしても良い。
【0018】再び図8を参照すると、5021は、吸引
回復の吸引を開始するためのレバーであり、キャリッジ
HCの移動によりこれと係合するカム5020の動作に
伴なって移動し、駆動モータからの駆動力を伝達するク
ラッチの切換を制御する。
【0019】以上説明したキャッピング、クリーニン
グ、吸引回復の各処理は、キャリッジHCがホームポジ
ション側領域に移動したときにリードスクリュー500
5の螺旋溝の形状とモータ5013の回転制御とによっ
てそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成さ
れている。しかし、所望のタイミングで所定の各動作を
行い得るものであれば、何れの構成も用いることができ
る。
【0020】本例のインクジェットカートリッジIJC
は、図10からも明らかなように、インクの収納割合を
比較的大きくしたものであり、インクタンクITの前方
の面よりもわずかにインクジェットユニットIJUの先
端部が突出した形状である。このインクジェットカート
リッジIJCは、インクジェット記録装置本体IJRA
におけるキャリッジHCの後述する位置決め機構および
電気的接点によって着脱可能に設けられるものであり、
交換可能なタイプである。
【0021】(ii)インクジェットユニットIJUの構
成説明 インクジェットユニットIJUは、電気信号に応じて膜
沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネルギー
を生成する電気熱変換素子を用いて吐出を行う方式のユ
ニットである。
【0022】図9において、100はSi基板上に複数
の列状に配された電気熱変換素子(吐出ヒータ)と、こ
れに電力を供給するAl等の電気配線とが、成膜技術に
より形成されて成るヒータボードである。200はヒー
タボード100に対する配線基板であり、ヒータボード
100の配線に対応する配線(例えばワイヤボンディン
グにより接続される)と、この配線の端部に位置し本体
装置からの電気信号を受けるためのパッド201等を有
している。
【0023】1300は複数のインク流路をそれぞれ区
分するための隔壁や共通液室等を設けた溝付天板であ
り、インクタンクから供給されるインクを受けて共通液
室へ導入するインク受け口1500と、吐出口を複数有
するオリフィスプレート400を一体成型したものであ
る。これらの一体成型材料としてはポリサルフォンが好
ましいが、他の成型用樹脂材料を用いることもできる。
【0024】300は配線基板200の裏面を平面で支
持する例えば金属製の支持板で、インクジェットユニッ
トの構成部材となる。500は押えばねであり、M字形
状をなしそのM字の中央部で天板1300を押圧すると
共に前だれ部501で天板1300の液路に対応する部
分を線圧で押圧する。ヒータボード100および天板1
300は、押えばねの足部が支持体300の穴3121
を通って支持体300の裏面側に係合することで、これ
らが挟み込まれた状態で、押えばね500とその前だれ
部501の付勢力によって、互いに固定される。また、
支持体300は、インクタンクITの2つの位置決め凸
起1012および位置決めかつ熱融着保持用凸起180
0,1801に係合する位置決め用穴312,190
0,2000を有する他、装置本体IJRAのキャリッ
ジHCに対する位置決め用の突起2500,2600を
裏面側に有している。加えて支持体300はインクタン
クからのインク供給を可能とするインク供給管2200
(後述)を貫通可能にする穴320をも有している。支
持体300に対する配線基板200の取付は、接着剤等
により行われる。
【0025】支持体300の凹部2400,2400
は、それぞれ位置決め用突起2500,2600の近傍
に設けられており、組立てられたインクジェットカート
リッジIJC(図10)において、その周囲の3辺の平
行溝3000,3001の複数で形成されたヘッド先端
域の延長点にあって、ゴミやインク等の不要物が突起2
500,2600に至ることがないように位置してい
る。平行溝3000が形成されている蓋部材800は、
図10から明らかなように、インクジェットカートリッ
ジIJCの外壁を形成すると共に、インクジェットユニ
ットIJUを収納する空間部を形成している。また、平
行溝3001が形成されているインク供給部材600
は、前述したインク供給管2200に連続するインク導
管1600を供給管2200側が固定の片持ちばりとし
て有し、また、このインク導管1600の固定側とイン
ク供給管2200との毛管現象を確保するための封止ピ
ン602が挿入されている。なお、601はインクタン
クITと供給管2200との結合シールを行うパッキ
ン、700は供給管のタンク側端部に設けられたフィル
タである。
【0026】インク供給部材600は、モールド成型さ
れているため、廉価にかつ精度良く製造できるだけでな
く、導管16を片持ちばり形態とすることによって大量
生産時においても導管1600の上述インク受け口15
00に対する圧接状態を安定化できる。本例では、この
圧接状態下で封止用接着剤をインク供給部材側から流し
込むだけで、完全な連通状態を確実に得ることができて
いる。なお、インク供給部材600の支持体300に対
する固定は、支持体300の穴1901,1902に対
するインク供給部材600の裏面側ピン(不図示)を支
持体300の穴1901,1902を介して貫通突出せ
しめ、支持体300の裏面側に突出した部分を熱融着す
ることで簡単に行うことができる。なお、この熱融着さ
れた裏面部のわずかな突出領域は、インクタンクITの
インクジェットユニットIJU取付面側壁面のくぼみ
(不図示)内に収められるのでユニットIJUの位置決
め面は正確に得られる。
【0027】(iii )インクタンクITの構成説明 図9に示すように、インクタンクは、カートリッジ本体
1000と、インク吸収体900とインク吸収体900
をカートリッジ本体1000の上記ユニットIJU取付
面とは反対側の側面から挿入した後、これを封止する蓋
部材1100とで構成されている。900はインクを含
浸させるための吸収体であり、カートリッジ本体100
0内に配置される。1200は上記各部100〜600
からなるユニットIJUに対してインクを供給するため
の供給口であると共に、そのユニットをカートリッジ本
体1000の部分1010に装着する前の工程で供給口
1200よりインクを注入することにより吸収体900
のインク含浸を行うための注入口でもある。
【0028】本例では、インクを供給可能な部分は、大
気連通口とこの供給口とになるが、インク吸収体からの
インク供給性を良好に行うため、本体1000内リブ2
300と蓋部材1100の部分リブ2500,2400
とによって形成されたタンク内空気存在領域を、大気連
通口1401側から連続させてインク供給口1200か
ら最も遠い角部域にわたって形成している構成をとって
いる。このため、相対的に良好かつ均一な吸収体へのイ
ンク供給は、この供給口1200側から行われることが
重量である。この方法は実用上極めて有効である。この
リブ1000は、インクタンクの本体1000の後方面
において、キャリッジ移動方向に平行なリブを4本有
し、吸収体が後方面に密着することを防止している。ま
た、部分リブ2400,2500は、同様にリブ100
0に対して対応する延長上にある蓋部材1100の内面
に設けられているが、リブ1000とは異なり分割され
た状態となっていて空気の存在空間を前者より増加させ
ている。なお、部分リブ2500,2400は蓋部材1
000の全面積の半分以下の面に分散された形となって
いる。これらのリブによってインク吸収体のタンク供給
口1200から最も遠い角部の領域のインクをより安定
させつつ確実に供給口1200側へ毛管力で導くことが
できる。1401はカートリッジ内部を大気に連通する
ために蓋部材に設けた大気連通口である。1400は大
気連通口1401の内方に配置される撥液材であり、こ
れにより大気連通口1401からのインク漏洩が防止さ
れる。
【0029】前述したインクタンクITのインク収容空
間は長方形形状であり、その長辺を側面に持つ場合であ
るので上述したリブの配置構成は特に有効であるが、キ
ャリッジの移動方向に長辺を持つ場合または立方体の場
合は、蓋部材1100の全体にリブを設けるようにする
ことでインク吸収体900からのインク供給を安定化で
きる。
【0030】インクタンクITの上記ユニットIJUの
取付面の構成が図11に示される。
【0031】オリフィスプレート400の吐出口配設面
のほぼ中心を通って、タンクITの底面もしくはキャリ
ッジの表面の載置基準面に平行な直線をL1 とすると、
支持体300の穴312に係合する2つの位置決め凸起
1012はこの直線L1 上にある。この凸起1012の
高さは支持体300の厚みよりわずかに低く、支持体3
00の位置決めを行う。この図面上で直線O1の延長上
には、キャリッジの位置決め用フック4001の90°
角の係合面4002が係合する爪2100が位置してお
り、キャリッジに対する位置決めの作用力がこの直線L
1 を含む上記基準面に平行な面領域で作用するように構
成されている。図10で後述するが、これらの関係は、
インクタンクのみの位置決めの精度がヘッドの吐出口の
位置決め精度と同等となるので有効な構成となる。
【0032】また、支持体300のインクタンク側面へ
の固定用穴1900,2000にそれぞれ対応するイン
クタンクの突起1800,1801は前述した凸起10
12よりも長く、支持体300を貫通して突出した部分
を熱融着して支持体300をその側面に固定するための
ものである。
【0033】上述の直線L1 に垂直で、突起1800を
通る直線をL3 、突起1801を通る直線をL2 とした
とき、直線L3 上には上記供給口1200のほぼ中心が
位置するので、供給口1200と供給管2200との結
合状態を安定化する作用をし、落下や衝撃によってもこ
れらの結合状態への負荷を軽減できるので好ましい構成
である。また、直線L2 ,L3 は一致しておらず、ま
た、ヘッドIJHの吐出口側の凸起1012周辺に突起
1800,1801が存在しているので、さらにヘッド
IJHのタンクに対する位置決めの補強効果を生じさせ
ている。なお、L4 で示される曲線は、インク供給部材
600を装着した時のその外壁位置である。突起180
0,1801はその曲線L4 に沿っているので、ヘッド
IJHの先端側構成の重量に対しても充分な強度と位置
精度を与えている。また、2700はインクタンクIT
の先端ツバであり、キャリッジの前板4000の穴に挿
入されて、インクタンクの変位が極端に悪くなるような
異変時に対して設けられている。2101は、キャリッ
ジHCとのさらなる位置決め部との係合部である。
【0034】インクタンクITは、ユニットIJUを装
着された後に蓋800で覆うことで、ユニットIJUを
下方開口を除いて包囲する形状となるが、インクジェッ
トカートリッジIJCとしては、キャリッジHCに載置
するための下方開口はキャリッジHCと近接するため、
実質的な4方包囲空間を形成する。従って、この包囲空
間内にあるヘッドIJHからの発熱はこの空間内の保温
空間として有効となるものの長期連続使用としては、わ
ずかな昇温となる。このため本例では、支持体の自然放
熱を助けるためにカートリッジIJCの上方面に、この
空間よりは小さい幅のスリット1700を設け、昇温を
防止しつつもユニットIJU全体の温度分布の均一化を
環境に左右されないようにする。
【0035】インクジェットカートリッジIJCとして
組立てられると、インクはカートリッジ内部より供給口
1200、支持体300に設けた穴320および供給タ
ンク600の中裏面側に設けた導入口を介して供給タン
ク600内に供給され、その内部を通った後、導出口よ
り適宜の供給管および天板400のインク導入口150
0を介して共通液室内へと流入する。以上におけるイン
ク連通用の接続部には、例えばシリコンゴムやブチルゴ
ム等のパッキンが配設され、これによって封止が行われ
インク供給路が確保される。
【0036】なお、本実施例においては天板1300は
耐インク性に優れたポリサルフォン、ポリエーテルサル
フォン、ポリフェニレノキサイド、ポリプロピレンなど
の樹脂を用い、オリフィスプレート部400と共に金型
内で一体に同時成型される。
【0037】上述のように一体成型部品は、インク供給
部材600、天板・オリフィスプレート一体、インクタ
ンク本体1000としたので組立て精度が高水準になる
ばかりでなく、大量生産の品質向上に極めて有効であ
る。また部品点数の個数は従来に比較して減少できてい
るので、優れた所望特性を確実に発揮できる。
【0038】(iv)キャリッジHCに対するインクジェ
ットカートリッジIJCの取付説明 図12において、5000はプラテンローラであり、記
録用紙等の被記録媒体Pを紙面下方から上方へ搬送す
る。キャリッジHCは、プラテンローラ3000に沿っ
て移動するものであり、キャリッジの前方プラテン側
に、インクジェットカートリッジIJCの前面側に位置
する前板4000(厚さ2mm)と、カートリッジIJ
Cの配線基板200のパッド201に対応するパッド2
011を具備したフレキシブルシート4005、および
これを裏面側から各パッド2011に対して押圧する弾
性力を発生するゴムパッド4006を保持する電気接続
部用支持板4003と、インクジェットカートリッジI
JCを所定の装着位置へ固定するための位置決め用フッ
ク4001とが設けられている。前板4000は位置決
め用突出面4010をカートリッジの支持耐300の前
述した位置決め突起2500,2500にそれぞれ対応
する2個有し、カートリッジの装着後はこの突出面40
10に向かう垂直な力を受ける。このため、補強用のリ
ブ(不図示)が真得板4000のプラテンローラ側に、
その垂直な力の方向に延在して複数形成されている。こ
のリブは、カートリッジIJC装着時の前面位置L5
りもわずかに(約0.1mm程度)プラテンローラ側に
突出しているヘッド保護用突出部をも形成している。電
気接続部用支持板4003は、補強用リブ4004を前
記リブの方向ではなく垂直方向に複数有し、プラテン側
からフック4001側に向かって側方への突出割合が減
じられている。これは、カートリッジ装着時の位置を図
のように傾斜させるための機能も果している。また、支
持板4003は電気的接触状態を安定化するため、プラ
テン側の位置決め面4008とフック側の位置決め面4
007を有し、これらの間にパッドコンタクト域を形成
すると共にパッド2011対応のボッチ付ゴムシート4
006の変形量を一義的に規定する。これらの位置決め
面は、カートリッジIJCが記録可能な位置に固定され
ると、配線基板300の表面に当接した状態となる。本
例では、さらに配線基板300のパッド201を前述し
た直線L1 に関して対称となるように分布させているの
で、ゴムシート4006の各ボッチの変形量を均一化し
てパッド2011,201の当接圧をより安定化してい
る。本例のパッド201の分布は、上方,下方2列、縦
2列である。
【0039】フック4001は、固定軸4009に係合
する長穴を有し、この長穴の移動空間を利用して図の位
置から反時計方向に回動した後、プラテンローラ500
0に沿って左方側へ移動することでキャリッジHCに対
するインクジェットカートリッジIJCの位置決めを行
う。このフック4001を移動させるための構成はどの
ようなものでも良いが、レバー等で行える構成が好まし
い。いずれにしてもこのフック4001の回動時にカー
トリッジIJCはプラテンローラ側へ移動しつつ位置決
め突起2500,2600が前板の位置決め面4010
に当接可能な位置へ移動し、フック4001の左方側移
動によって90°のフック面4002がカートリッジI
JCの爪2100の90°面に密着しつつカートリッジ
IJCを位置決め面2500,4010同士の接触域を
中心に水平面内で旋回して最終的にパッド201,20
11同士の接触が始まる。
【0040】そしてフック4001が所定位置、すなわ
ち固定位置に保持されると、パッド201,2011同
士の完全接触状態と、位置決め面2500,4010同
士の完全面接触と、90度面4002と爪の90度面の
2面接触と、配線基板300と位置決め面4007,4
008との面接触とが同時に形成されてキャリッジに対
するカートリッジIJCの保持が完了する。
【0041】(v)ヒータボードの説明 図13は本実施例で使用しているヘッドのヒータボード
100の模式図である。
【0042】記録ヘッドの温度を制御するための温調用
ヒータ(サブヒータ)8d、インクを吐出させるための
吐出用ヒータ(メインヒータ)8cが配された吐出部列
8g、液室内サブヒータ8i、駆動素子8hが同図で示
されるような位置関係で同一基板上に形成されている。
このように各素子を同一基板上に配することでヘッド温
度の検出、制御を効率よく行うことができ、さらに記録
ヘッドのコンパクト化、製造工程の簡略化を計ることが
できる。
【0043】また同図には、ヒータボードがインクで満
たされる領域と、そうでない領域とに分離する天板の外
周壁断面8fのヒータボード100に対する位置が示さ
れる。この天板の外周壁断面8fの吐出用ヒータ8c側
が、共通液室82(以下、単に液室ともいう)として機
能する。なお、天板の外周壁は吐出部列8g上にも形成
され(不図示)、それに形成される溝部によって、各吐
出口に対応した複数の液路81が形成される。
【0044】(vi)制御構成の説明 次に、上述した装置構成の各部の記録制御を実行するた
めの制御構成について、図14に示すブロック図を参照
して説明する。
【0045】制御回路を示す同図において、10は、ホ
スト装置等から記録信号を入力するためのインターフェ
ース、11はMPU、12はMPU11が実行する制御
プログラムを格納するプログラムROM、13は各種デ
ータ(上記記録信号やヘッドに供給される記録データ
等)を保存しておくダイナミック型のRAMであり、記
録ドット数や、記録ヘッドの交換回数等も記憶できる。
14は記録ヘッド18(IJH)に対する記録データの
供給制御を行うゲートアレイであり、インターフェース
10、MPU11、RAM13間のデータの転送制御も
行う。5013は図8に示したキャリアモータ、19は
記録用紙搬送のための搬送モータである。15は記録ヘ
ッドの吐出を駆動するヘッドドライバ、16,17はそ
れぞれ搬送モータ19、キャリアモータ5013を駆動
するモータドライバである。
【0046】図15は、図14の各部の詳細を示す回路
図である。
【0047】ゲートアレイ14は、データラッチ14
1、セグメント(SEG)シフトレジスタ142、マル
チプレクサ(MPX)143、コモン(COM)タイミ
ング発生回路144、デコーダ145を有する。記録ヘ
ッド18は、ダイオードマトリックス構成を取ってお
り、記録データに応じてコモン信号COMとセグメント
信号SEGが一致したところの吐出用ヒータ(H1から
H64、以下の説明では記録ヘッドは128個の吐出口
を有するため128個の吐出用ヒータが設けられるが、
ここでは説明の簡単のため64個のみを示す。)に駆動
電流が流れ、これによりインクが加熱され吐出する。
【0048】上記デコーダ145は、上記コモンタイミ
ング発生回路144が発生したタイミングをデコードし
て、コモン信号COM1〜8のいずれか1つを選択す
る。データラッチ141はRAM13から読み出された
記録データを8ビット単位でラッチし、この記録データ
を、マルチプレクサ143はセグメントシフトレジスタ
142に従い、セグメント信号SEG1〜8として出力
する。マルチプレクサ143からの出力は、後述するよ
うに1ビット単位、2ビット単位、または8ビット全て
など、シフトレジスタ142の内容によって種々変更す
ることができる。
【0049】上記制御構成の動作を説明すると、インタ
ーフェース10に記録信号が入ると、ゲートアレイ14
とMPU11との間で記録信号がプリント用の記録デー
タに変換される。そして、モータドライバ16,17が
駆動されるとともに、ヘッドドライバ15に送られた記
録データに従って記録ヘッドが駆動され、記録が行われ
る。
【0050】以上説明したような装置を用いて以下に本
発明の実施例を示す。
【0051】(実施例1)本発明の第1の実施例では、
電気熱変換素子(以下、吐出ヒータともいう)とは異な
る電気熱変換素子(以下、サブヒータともいう)を記録
ヘッドの液室内に配設し、駆動制御することによりメニ
スカス状態を変化させ、吐出量を変調する構成に関する
ものである。
【0052】図1は本発明の一実施例に係る記録ヘッド
およびインクタンクの模式的断面図である。
【0053】図1に示す記録ヘッドにおいて、吐出口3
およびこれに連通する液路4は、複数、例えば64個設
けられており、共通液室(以下、単に液室ともいう)
は、これら複数の液路4に対して共通に連通し、インク
吐出に伴なってインク供給を行う。一方、液室5に対し
てインクタンク6からインク供給路7を介してインクが
供給される。
【0054】それぞれの液路4の中ほどには、電気熱変
換素子(吐出ヒータともいう)1が設けられ、これによ
り、吐出ヒータ1が電気パルスの印加に応じて発生する
熱によりインクに気泡が生じ、この気泡の生成に伴なっ
て吐出口3からインクが吐出される。
【0055】また、液室5には、後述されるようなメニ
スカス8の位置制御に用いられる液室内サブヒータ2が
10個設けられる。
【0056】非記録時の液路4の内部では、インクは液
路4の毛管力と圧力との関係により、図2に示すような
位置でメニスカス8を形成している。この状態で、吐出
ヒータ1にパルスを印加するとヒータ1上に膜沸騰が起
こり、それによる気泡が成長することにより吐出ヒータ
1より吐出口3側に存在するインクが吐出口から押し出
され、吐出が行われる。このときの1吐出口当たりの吐
出量は、図に示す記録ヘッドの場合80ngである。
【0057】これに対し、吐出ヒータ1による発泡直前
に液室内サブヒータ2を駆動し、液室5内に発泡を生じ
させることによりメニスカス8の位置を図3に示すよう
に外側に突出した状態とする。これにより、この状態で
吐出ヒータ1を駆動し発泡を行えば、吐出ヒータ1より
吐出口側に存在するインク量が増加した状態で吐出がな
され、吐出量を増加させることが可能となる。ただし、
この場合インクの表面張力を考慮し、インクの張り出し
が破れない程度のメニスカス状態にする必要がある。本
実施例において、実験を行ったところ1吐出口当たり最
大20ngの吐出量増加が可能であった。
【0058】次に、上述した吐出量を変調するための液
室内サブヒータ2の駆動制御方法について図3および図
4を参照して説明する。
【0059】図3に示すように、液室内サブヒータ2の
全て、すなわち10個のサブヒータを同時に駆動するこ
とにより、記録ヘッドの全ての吐出口のメニスカス位置
の突出量が最大となるようサブヒータ2の発熱量等が定
められている。ここで、液室内サブヒータ2の駆動電圧
は25V、パルス幅は5μsecである。以上の構成に
より、同時に駆動する液室内サブヒータ2の数を1〜1
0個と変化させることにより、図4に示すようにメニス
カスの張り出し量を10段階に変化させることができ
る。すなわち、駆動させる液室内サブヒータ2の数によ
り2ng単位の吐出量変調が可能となる。
【0060】さらに、吐出量変調幅を大きくする場合に
は非記録時のメニスカスを後退させ、液室内サブヒータ
2による最大発泡体積を大きくすることにより、メニス
カスの変動幅が大きくなり吐出量変調幅を大きくするこ
とができる。手段としてはインク供給系の静負圧を高く
するかあるいは記録ヘッド側の毛管力を小さくすれば良
い。
【0061】以上説明したように、特に駆動する液室内
サブヒータ2の数を制御することにより、吐出量変調幅
が大きくなおかつ高精度な吐出量制御が可能となる。
【0062】なお、上述のように液室内サブヒータを別
個に複数設ける構成に代えて、比較的大きな面積を有す
るヒータについて、その発熱する部分を何段階に分けて
発生する気泡の大きさを制御し、メニスカスの張り出し
量を変化させることもできる。
【0063】(実施例2)本発明の第2の実施例とし
て、さらに高精細な吐出量制御が可能となるような液室
内サブヒータの駆動方法について説明する。
【0064】液室内サブヒータの発泡体積は、液室内サ
ブヒータに印加するパルス幅および電圧に依存する。そ
こで本実施例では駆動電圧を25V一定とし、パルス幅
を変化させることによって液室内サブヒータによる発泡
体積を変化させ、メニスカス位置を微妙に変化させるよ
うにする。
【0065】図5に示すように、液室内サブヒータに印
加するパルスをダブルパルスとし、プレヒートのパルス
幅=2μsec、メインヒートのパルス幅=3μsec
と固定にしてプレヒートとメインヒートとの間のオフタ
イムを変化させる。同図(a)〜(d)に示すように、
オフタイムを0〜3μsec間で0.2μsec毎に増
加させることにより、発泡体積も徐々に増加する。従っ
て、本実施例においては、駆動する液室内サブヒータの
個数および印加するダブルパルスのオフタイムから計1
0×15種類の発泡体積を選択でき、同一吐出口におけ
る吐出量をより細かく変えることが可能となる。
【0066】表1は液室内サブヒータの駆動個数および
印加パルスのオフタイムを変化させたときの吐出量変化
量を示す。ここで、パルス幅は記録ヘッドに最適な値に
するのが好ましく、本実施例に用いた値に限定されるも
のではないことは勿論である。
【0067】以上、説明したように液室内サブヒータに
印加するパルスのオフタイムを変えることによってさら
に高精度な吐出量制御が可能となる。
【0068】
【表1】
【0069】(実施例3)本発明の第3の実施例とし
て、インクのリフィル時間を考慮した場合の液室内サブ
ヒータによる吐出量制御方法について説明する。
【0070】本実施例における記録ヘッドは128個の
吐出口に対応して128個の吐出ヒータを具備してお
り、これら吐出ヒータを16ブロックに分割して各ブロ
ックの吐出口を同時に駆動する。従って、インクは8個
の吐出口から同時に吐出され、これが16回順次行われ
る。
【0071】このような吐出を行う場合、それぞれのブ
ロックのリフィル時間は異なり、後に吐出したブロック
程遅くなり(図6参照)、従って、後に吐出を行ったブ
ロックのノズル程吐出量は低減する傾向にある。また、
記録ヘッドの駆動周波数を高くするとインクが完全にリ
フィルする前に次の発泡が開始されることにより不吐出
や吐出量不足などの吐出不良を起こし易い。
【0072】そこで、本実施例ではブロック毎に液室内
サブヒータによる発泡量を変化させ、ブロック間の吐出
量ムラをなくすとともに高駆動周波数での安定した吐出
を実現することを目的とする。以下、本実施例における
液室内サブヒータの駆動制御方法について説明する。
【0073】本実施例における記録ヘッドの駆動周波数
は6.25KHz、各ブロックの駆動間隔は160μs
ecである。従って、リフィル時間が160μsec以
上であるブロック(第8〜第16ブロック)のメニスカ
ス位置は、例えば第8,第10,第12,第16ブロッ
クについてそれぞれ図7(a)〜(e)に示すように、
吐出口3の近傍に達しない状態となる。
【0074】そこで、各ブロック毎のメニスカス位置に
応じて、液室内サブヒータ2による発泡量を変化させ、
各ブロックの発泡タイミングでのメニスカス位置を均一
かつ適正なものとする。これにより、各ブロックの1吐
出口当たりの吐出量は一定とすることが可能になる。表
2は各ブロックに対する液室内サブヒータの駆動個数お
よび駆動パルス幅を示す。
【0075】
【表2】
【0076】なお、以上の実施例は1色のインクを用い
るモノクロインクジェット記録装置を例に説明したが、
複数色のインクを用いたカラーインクジェット記録装置
についても同様に適用できるようことは明らかである。
【0077】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0078】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0079】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0080】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0081】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0082】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0083】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0084】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0085】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インクが吐出される以前に液室内に生じさせる気泡の体
積を制御し、これによって、液路内に形成されるメニス
カスの位置を制御でき、その後のインク吐出の際に吐出
するインク量をメニスカスの位置に応じて変化させるこ
とが可能となる。
【0087】この結果、高駆動周波数で安定した吐出を
行うことができるとともに吐出量変調幅が広く、高精細
な吐出量制御が可能となり、高スループット、高画質、
高信頼性のインクジェット記録装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るインクジェット記録ヘ
ッドの模式的断面図である。
【図2】上記実施例1における非記録時の記録ヘッドの
メニスカス状態を示す模式図である。
【図3】上記実施例1において液室内サブヒータを駆動
させたときのメニスカス状態を示す模式図である。
【図4】(a)〜(e)は上記実施例1において液室内
サブヒータの駆動個数を変化させたときのメニスカス状
態を示す模式図である。
【図5】(a)〜(d)は本発明の実施例2において液
室内サブヒータを駆動する際の印加パルスを示す模式的
波形図である。
【図6】本発明の実施例3を説明するためのブロック−
リフィル時間の関係を示す図である。
【図7】(a)〜(e)は上記実施例3を説明する各ブ
ロックのメニスカス状態を示す模式図である。
【図8】本発明の実施例が適用されるインクジェット記
録装置を示す概略斜視図である。
【図9】上記装置におけるインクジェットカートリッジ
を示す分解斜視図である。
【図10】上記インクジェットカートリッジを示す外観
斜視図である。
【図11】インクジェットカートリッジにおける記録ヘ
ッド取付け部の詳細を示す斜視図である。
【図12】インクジェットカートリッジの装置本体への
装置を説明するための説明図である。
【図13】上記カートリッジの一部をなすヒータボード
を説明するための模式的平面図である。
【図14】上記装置の制御回路を示すブロック図であ
る。
【図15】図14に示すゲートアレイ等の詳細を示すブ
ロック図である。
【図16】上記記録装置本体のクリーニングユニットの
構成の一例を示す模式的平面図である。
【符号の説明】
1,8c 吐出用ヒータ 2 液室内サブヒータ 3 吐出口 4 液路 5 液室 6 インクタンク 7 インク供給路 8 メニスカス 11 MPU 12 ROM 13 RAM 14 ゲートアレイ 18 記録ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 健太郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 高橋 喜一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 岩崎 督 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク吐出口と、該インク吐出口を一方
    の開口端とする液路と、該液路の他方の開口端を介して
    連通する液室を有し、前記液路のインクにエネルギーを
    作用させ前記インク吐出口からインクを吐出する記録ヘ
    ッドを用い、被記録媒体にインクを吐出して記録を行う
    インクジェット記録装置において、 前記液室内に設けられ、当該液室内のインクを加熱して
    気泡を生じさせるための加熱手段と、 前記インク吐出口からインクが吐出される前に、前記加
    熱手段による加熱量を制御し、当該加熱量に応じた気泡
    を生じさせるための加熱制御手段と、 を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱手段は複数のヒータからなり、
    前記加熱制御手段は当該駆動するヒータの数を制御する
    ことによって加熱量を制御することを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱制御手段は、前記駆動するヒー
    タの数および/または前記ヒータに印加するパルス波形
    を制御することによって加熱量を制御することを特徴と
    する請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱制御手段は、当該制御時の前記
    液路におけるインクメニスカスの位置に応じて加熱量を
    制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェ
    ット記録装置。
JP27436493A 1993-11-02 1993-11-02 インクジェット記録装置 Pending JPH07125214A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100399760B1 (ko) * 2001-10-05 2003-09-29 한국과학기술원 이종 이상의 유체를 이용한 미소유체분사기 및 그 분사방법
JP2010284844A (ja) * 2009-06-10 2010-12-24 Canon Inc 液体吐出方法、液体吐出装置及び液体吐出ヘッド
US8876242B2 (en) 2009-05-08 2014-11-04 Canon Kabushiki Kaisha Liquid ejection head

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JP2010284844A (ja) * 2009-06-10 2010-12-24 Canon Inc 液体吐出方法、液体吐出装置及び液体吐出ヘッド

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