JPH0839689A - 伸縮性ウレタンフイルムのピンホール部補修方法 - Google Patents

伸縮性ウレタンフイルムのピンホール部補修方法

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JPH0839689A
JPH0839689A JP19626094A JP19626094A JPH0839689A JP H0839689 A JPH0839689 A JP H0839689A JP 19626094 A JP19626094 A JP 19626094A JP 19626094 A JP19626094 A JP 19626094A JP H0839689 A JPH0839689 A JP H0839689A
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JP
Japan
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film
weight
urethane
urethane film
styrene
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Application number
JP19626094A
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English (en)
Inventor
Hideaki Toda
英明 戸田
Hidenori Ishizuka
英紀 石塚
Kenji Miyasaka
健司 宮坂
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Publication date
Application filed by Tonen Sekiyu Kagaku KK, Tonen Chemical Corp filed Critical Tonen Sekiyu Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】接合しようとするウレタンフイルムが共にa熱
可塑性ポリウレタン樹脂40〜70重量%、bエチレン
ープロピレン−ジエン共重合体10〜25重量%c低密
度ポリエチレン系樹脂10〜25重量%d不飽和カルボ
ン酸もしくはその誘導体で変性された、スチレンの比率
が30重量%以下のスチレン系エラストマー5〜20重
量%及びe末変性スチレン系エラストマー0〜20重量
%からなる熱可塑性ポリウレタン組成物よりなり、接合
しようとする一方の原反フイルムのピンホール部に他方
のウレタンフイルムを当接し、フッ素系樹脂をコーティ
ングしてなるガラス繊維織物により加熱、加圧する伸縮
性ウレタンフイルムのピンホール部補修方法。 【効果】原反フイルムにウレタンフイルムが低温で接合
でき、原反フイルムのピンホール部を容易に補修でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、伸縮性ウレタンフイル
ムのピンホール部補修方法に関し、特に、ウレタンフイ
ルムは吸湿性のためピンホールが発生し易く、ピンホー
ルがあると例えばウレタンフイルムを織布と貼合してバ
ックアップシートとして型枠にウレタン液を注入してウ
レタンフォームを製造する場合、液漏れがしてしまいウ
レタンフイルムとして使用できなくなることがあり、そ
のような場合に有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、家具等の分野において、ウレタ
ンフイルムを織布と貼合したシートの織布側に金型を接
するように設置し、これをバックアップシートとして、
型枠にウレタン液を注入し発泡させてウレタンフォーム
と織布の一体成形体を製造することが行われている。こ
のようなウレタン注入発泡一体真空成形用のバックアッ
プシートとしては、ウレタンフォームとの接着性が良い
こと、フォームを接合させる基材と接着できること、伸
縮性があること等が要求され、ウレタンフイルムが使用
されることが多い。しかし、ウレタンフイルムは、吸湿
性があるために、その加工時にピンホールが発生し易
く、ピンホールがあると上記のようなウレタン注入発泡
一体真空成形に際して、液漏れがしてしまい使用できな
くなることがある。また、一般に、ウレタンフイルム
は、ピンホールの補修が困難なので、通常は接着層を介
して二層フイルムとして使用しているが、従って、その
コストを高いものにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の有する欠点を解消することのできる技術を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、接合しようと
するウレタンフイルムが共に(a)熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂40〜70重量%、(b)エチレンープロピレン
−ジエン共重合体10〜25重量%(c)低密度ポリエ
チレン系樹脂10〜25重量%(d)不飽和カルボン酸
もしくはその誘導体で変性された、スチレンの比率が3
0重量%以下のスチレン系エラストマー5〜20重量%
及び(e)末変性スチレン系エラストマー0〜20重量
%からなる熱可塑性ポリウレタン組成物よりなり、接合
しようとする一方のウレタンフイルムがピンホールを有
し、当該ピンホールを有するウレタンフイルム(原反フ
イルム)のピンホール部に他方のウレタンフイルムを当
接し、フッ素系樹脂をコーティングしてなるガラス繊維
織物を介して加熱、加圧して前記原反フイルムのピンホ
ール部を補修することを特徴とする伸縮性ウレタンフイ
ルムのピンホール部補修方法に係るものである。
【0005】本発明の方法は、より具体的には、離型性
の台上に原反フイルムを載置し、そのピンホール部に、
当該ピンホール部を閉鎖するに十分な大きさの他方のウ
レタンフイルムを当接し、これらフイルムを、フッ素系
樹脂をコーティングしてなるガラス繊維織物を介して加
熱、加圧して前記原反フイルムのピンホール部を補修す
るようにしたもので、原反フイルムにウレタンフイルム
が低温で接合でき、原反フイルムのピンホール部を容易
に補修でき、低温で短時間に接合できるために、これら
フイルムが熱劣化せず、収縮による引きつれ等の変形が
起らず、ピンホール部の容易な補修により、ピンホール
がある原反フイルムでも使用可能で、液漏れを生ぜずウ
レタン注入発泡一体真空成形が可能で、単層フイルムで
バックアップシートとしての使用ができ、接合する場合
に問題となる接合面のブロッキングの問題を回避でき
る。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける前記(a)熱可塑性ポリウレタン樹脂としては、
ポリエステル系、アジペート系、ポリエーテル系、ポリ
カプロラクトン系等の、長鎖ポリオール、短鎖ポリオー
ル、ジイソシアネートなどを原料として重付加反応によ
り、分子内にウレタン結合を介して得られるポリウレタ
ンエラストマーがあげられる。これらのうちでは、アジ
ペート系ポリウレタンエラストマーが本発明所望の目的
上好ましい。ここに、長鎖ポリオールとしては、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙
げられ、短鎖ポリオールとしては、エチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,4−ヘキサンジオー
ルなどが挙げられ、ジイソシアネートとしては、トリレ
ンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが
挙げられる。このような熱可塑性ポリウレタンエラスト
マーは、軟化温度170〜190℃、ショアーA硬度
(JIS A硬度)が70〜88を有することが望まし
い。軟化温度が170℃未満の場合には、フイルム製膜
時インフレーションチューブがブロッキングし易く、両
耳スリット後2枚に剥すことが難しくなる。一方、軟化
温度が190℃を超える場合には、フイルムの伸縮柔軟
性が劣るようになる。また、ショアーA硬度が70未満
の場合には、フイルム製膜時インフレーションチューブ
がブロッキングし易く、両耳スリット後2枚に剥すこと
が難しくなる。一方、ショアーA硬度が88を超える場
合には、フイルムの伸縮柔軟性が劣るようになる。
【0007】本発明において使用される(b)エチレン
ープロピレン−ジエン共重合体は、エチレン、プロピレ
ン及びジエン化合物を含む共重合体のことである。前記
ジエン化合物としては、エチリデンノルボルネン、1,
4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンなどがある。
上記エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPD
M)は、エチレンの含有率が60〜70モル%、プロピ
レンの含有率が30〜40モル%、及びジエン化合物の
含有率が1〜10モル%であることが好ましい。より好
ましい範囲は、エチレンが62〜66モル%、プロピレ
ンが33〜37モル%、及びジエン化合物が3〜6モル
%である。当該エチレン−プロピレン−ジエン共重合体
の数平均分子量は40万〜60万が好ましく、密度は
0.87g/cm3 以下が好ましい。さらに、エチレ
ン−プロピレン−ジエン共重合体のメルトインデックス
(190℃,2.16kg荷重)としては、0.1〜1
2.0g/10分の範囲内が好ましく、より好ましくは
0.3〜5.0g/10分である。
【0008】本発明において使用される(c)低密度ポ
リエチレン系樹脂としては、高圧法によるエチレンの単
独重合体またはエチレンを主成分とし20重量%以下の
ビニル系化合物等との共重合体例えばエチレンー酢酸ビ
ニル共重合体、エチレンーアクリル酸エチル共重合体等
があげられる。線状低密度ポリエチレンであってもよ
い。当該低密度ポリエチレン系樹脂の密度は、0.93
5g/cm3以下のものが好ましく、またメルトインデ
ックス(MI、190℃、荷重2,16kg)が0.0
5〜20g/10分のものが好ましい。
【0009】本発明において使用される(d)不飽和カ
ルボン酸もしくはその誘導体で変性された、スチレンの
比率が30重量%以下のスチレン系エラストマーは、例
えば、スチレン系エラストマーに不飽和カルボン酸もし
くはその誘導体を付加反応させることにより得ることが
できる。スチレン系エラストマーとしては、スチレンを
主体とする重合体ブロックとブタジエンやイソプレンを
主体とする重合体ブロックとからなるスチレンーブタジ
エンのブロック共重合体あるいはスチレンーイソプレン
のブロック共重合体または当該ブロック共重合体を水素
添加してなるエラストマーを挙げることができる。その
具体例としては、スチレンーブタジエン−スチレンブロ
ック共重合体(SBS)、スチレンーエチレン−ブテン
−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンー
イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、ス
チレンーエチレン−プロピレン−スチレンブタジエンブ
ロック共重合体(SEPS)などが挙げられる。これら
のうちでは、着色や物性の安定性のうえから、水素添加
物が好ましい。当該スチレン系エラストマーは、そのス
チレンの比率が30%以下のものを使用する。例えば、
スチレンーブタジエン−スチレンブロック共重合体を水
素添加することにより、スチレンーエチレンーブテン−
スチレンブロック共重合体(SEBS)となるが、スチ
レン(S)とエチレン(E)ーブテン(B)との配合比
率S/EBにおけるスチレンの比率が30%以下のもの
を使用する。他のものも同様である。当該スチレンの比
率が30%を超える時には、得られたフイルムが硬く、
歪みが大きくなる。上記不飽和カルボン酸もしくはその
誘導体の例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、アクリル酸、クロトン酸、エンド−ビ−シクロ−
[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン
酸、シスー4−シクロヘキセン1,2−ジカルボン酸お
よびそれらの無水物、イミド化物などが挙げられるが、
無水マレイン酸を使用することが好ましい。当該不飽和
カルボン酸もしくはその誘導体の付加量は酸価で5〜1
0mgCH3ONa/gが好ましい。
【0010】本発明において使用される(e)末変性ス
チレン系エラストマーとしては、前記のスチレン系エラ
ストマーが使用でき、当該末変性スチレン系エラストマ
ーにあっても、前記の(d)不飽和カルボン酸もしくは
その誘導体で変性されたスチレン系エラストマーと同様
にそのスチレンの比率が30重量%以下であることが同
様の理由から好ましい。
【0011】本発明で使用される組成物における各成分
の配合割合は、(a)熱可塑性ポリウレタン樹脂40〜
70重量%、(b)エチレンープロピレン−ジエン共重
合体10〜25重量%(c)低密度ポリエチレン系樹脂
10〜25重量%(d)不飽和カルボン酸もしくはその
誘導体で変性された、スチレンの比率が30重量%以下
のスチレン系エラストマー5〜20重量%及び(e)末
変性スチレン系エラストマー0〜20重量%である。
【0012】上記(a)熱可塑性ポリウレタン樹脂が4
0重量%未満では、ポリウレタンエラストマーの特性が
失われ、伸縮柔軟性が悪くなり、またポリウレタンの特
性である耐摩耗性、耐熱性、機械的強度などが低下す
る。一方、70重量%を超えると、高速時でのホットメ
ルト接着性が悪くなる。また、インフレーションチュー
ブがブロッキングし易く、両耳スリット後2枚に剥すこ
とが難しくなる。
【0013】(b)エチレンープロピレン−ジエン共重
合体が10重量%未満では、フイルムの製膜における安
定性が不十分となり、また、製品の伸縮柔軟性、ホット
メルト接着性、ゴム弾性(100%伸縮後のヒステリシ
ス歪が大きい)等が劣る。一方、25重量%を超える
と、インフレーションチューブがブロッキングし易く、
両耳スリット後2枚に剥すことが難しくなる。
【0014】また(c)低密度ポリエチレン系樹脂の配
合比率が、10重量%未満では、インフレーションチュ
ーブがブロッキングし易く、両耳スリット後2枚に剥す
ことが難しくなる。一方、25重量%以上では、製品の
伸縮柔軟性、ホットメルト接着性、ゴム弾性(100%
伸縮後のヒステリシス歪が大きい)等が劣る。
【0015】(d)不飽和カルボン酸もしくはその誘導
体で変性された、スチレンの比率が30重量%以下のス
チレン系エラストマーの配合比率が、5重量%未満で
は、ホットメルト接着性が劣り、また、フイルムの製膜
が難しくなったりする。一方、20重量%を超えると、
変色や機械的強度が低下する。
【0016】(e)末変性スチレン系エラストマーは、
0〜20重量%で任意成分であるが、その添加により、
ホットメルト接着性を向上できる。しかし、20重量%
を超えると、フイルムの製膜性と機械的強度が低下す
る。
【0017】なお、本発明における上記組成物には、前
記の各成分の他に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色
剤、無機充填剤等を適宜配合することができる。
【0018】組成物は、前記の各構成成分及び必要に応
じて他の成分を添加し、例えばヘンシエルミキサーまた
は高速ミキサー等を用いて予めドライブレンドした後、
加熱下、例えば180〜230℃程度で押出機等を用い
て溶融混練して押し出しペレツト化することによって得
られる。当該組成物からフイルムを製造する方法は、通
常ポリオレフインフイルムを成形する公知の方法である
Tーダイ押出機によるフラットなフイルムとして成形す
ることができるが、フイルムの縦と横の強度バランス及
び薄膜での高速成形性(生産性の向上)等を考慮すると
インフレーシヨン法によるチユーブ状のフイルムとして
成形する空冷インフレーシヨン法が好ましい。当該空冷
法によるインフレーシヨン成形法では、樹脂温度180
〜220℃で、ブロー比を2.0〜5.0の範囲で行う
のが好ましい。フイルムの厚さは、各種用途により適宜
選択されるが、通常150μm以下で成形することが好
ましい。フイルム厚が150μmを超えると、フッ素系
樹脂をコーティングしてなるガラス繊維織物により加
熱、加圧する時の熱の伝わりが悪くなる。上記フイルム
成形においては、空冷インフレーシヨン製膜装置によ
り、フイルムを作成し、所定幅にスリットして巻取り製
品とする。延伸工程を通してもよい。こうして得られた
ウレタンフイルムは、本発明において原反フイルムや補
修用のウレタンフイルムとして使用される。
【0019】次に、本発明の方法について、その一例を
図面に基づいて説明するに、図1に示すように、例えば
シリコンゴムシート等の離型性の台1の上に原反フイル
ム2を載置し、そのピンホール部3に、該ピンホール部
3を閉鎖するに十分な大きさのパッチ状の他方のウレタ
ンフイルム4を当接し、これらフイルム2、4を、フッ
素系樹脂をコーティングしてなるガラス繊維織物5を介
して、加熱装置6により加熱、加圧する。台1は、シリ
コンゴムシートに代えて、他の同様に弾性があり、剥離
性があるものでもよい。シリコンゴムシート等の基台1
の下部に、さらに、例えば厚手の紙等の断熱部材(図示
せず)等を下敷してもよい。本発明では、フイルム2、
4を、フッ素系樹脂をコーティングしてなるガラス繊維
織物5を介して、加熱、加圧することが必要である。フ
ッ素系樹脂のコーティングがないガラス繊維よりなる織
物だけでは、離型性が不足し、フイルムの接合、補修が
困難となる。また、後述の比較例にも示すように、フッ
素系樹脂をコーティングしてなるガラス繊維織物5に代
えて、フッ素系樹脂よりなるテフロンシートとした場合
にも、同様に、フイルムの接合、補修が良好に行えず、
接合表面が粘着する。さらに、ポリエステルシートによ
った場合も、粘着が激しいものになる。本発明では、原
反フイルム2も他方のフイルム4も共に前記組成のウレ
タンフイルムからなることが必要であり、これらをフイ
ルム2、4を、フッ素系樹脂をコーティングしてなるガ
ラス繊維織物5を介して、加熱、加圧することが必要で
ある。後述の比較例にも示すように、同じフッ素系樹脂
をコーティングしてなるガラス繊維織物5を仮に使用し
ても、市販のウレタンフイルムでは、フイルムの接合、
補修が困難で、接合表面の粘着は激しいものであった。
このようにして、本発明では、原反フイルム2にウレタ
ンフイルム4が低温で接合でき、原反フイルム2のピン
ホール部3を容易に補修でき、低温で例えば150℃以
下の温度で短時間に接合できるために、これらフイルム
2、4が熱劣化せず、収縮による引きつれ等の変形が起
らず、ピンホール部3の容易な補修により、ピンホール
3がある原反フイルム2でも使用可能で、ウレタン注入
発泡一体真空成形に際しても液漏れを生ぜず、原反フイ
ルム2はピンホール部3のみが補修された単層フイルム
の形態でバックアップシートとして使用ができ、また、
フッ素系樹脂をコーティングしてなるガラス繊維織物5
の使用により、接合表面がエンボスされた形になり、接
合する場合に問題となる接合面のブロッキングの問題を
回避できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によりさら
に詳細に説明する。なお、実施例及び比較例における評
価方法は次の通りである。 (1)接着温度;○:熱接着する。X:熱接着しない。
△:力を加えると接着する。 (2)耐水圧試験;JIS L1092のA法に基づ
き、耐水度試験装置を用いて静水圧による漏水法試験を
行った。水位を上昇させて(速度:10cm/分)、1
個所から水が漏れた時の水位を測り、1000mm水位
で水もれを起こさなかったサンプルを○、その他をXと
して、接着したフイルムの接合部分のムラを確認した。 (3)剥離強度(ブロッキング状態の把握);パッチ部
分が完全に接着した時の最低温度のサンプルを、下から
順次ガラス板、フイルム、接合フイルム、フイルム、ガ
ラス板の順序で挟み込み、一番上のガラス板上に荷重6
kgを載せて、40℃のオーブン中に24時間放置後、
接合面同志の剥離強度(g/25mm)を測定した。接
合部同志の剥離強度は、その数値が小さい方がブロッキ
ングしないので、小さい方が良い。
【0021】実施例1.アジペート系熱可塑性ポリウレ
タン(大日精化工業社製、商品名 レザミン、ショアー
硬度;85度、軟化温度;187℃)48wt%とエチ
レンープロピレンージエン共重合体(エクソン化学社
製、商品名ビスタロン V3708)15wt%と高圧
法低密度ポリエチレン(日本ユニカー社製、商品名 N
UCポリエチレン、NUCー8506、密度0.923
g/cm)12wt%と無水マレイン酸で変性された
スチレンーブタジエン−スチレンブロック共重合体の水
素添加物(以下、変性SEBSということもある。旭化
成社製、商品名タフテックM1913、S/EB比30
/70)20wt%とスチレンーエチレン−ブテン−ス
チレンブロック共重合体(SEBS、旭化成製、商品名
タフテックH1052、S/EB比20/80)5wt
%を含有する熱可塑性エラストマー組成物からなる混練
樹脂を、空冷インフレーション製膜装置を用いて、厚み
35μm×折巾1100mm(ブローアップ比:4.
7)のフイルムを作成し、両耳をスリッテイングし、シ
ート状に巻き取り1050mm幅の原反フイルムを得
た。次に、この原反フイルムに、故意に直径3mm¢、
5mm¢、10mm¢の孔を開け、以下のような方法
で、当該孔の補修方法を検討した。先ず、基台として下
側に1100mm幅X300mm長さX5mm厚みの市
販のシリコンゴムシートを敷いた。そのシートの上に、
孔を開けた原反フイルムを載置し、その孔の部分の上
に、さらに、原反フイルムを15mm角に切り抜いたパ
ッチを載せ、当該パッチの上に、25cmX25cmの
大きさの厚み60μmのテフロングラスクロスシート
(日本ケミファブ社製、商品名ケミグラス400−3)
を載せ、その上から東芝社製ミゼットアイロン(TA−
114P)で、加圧、加熱を行った後、当該テフロング
ラスクロスシートを取り除き、接合フイルムを得た。
尚、孔の大きさと接合状態との相関関係を見た所、殆ど
その相関関係は認められなかったので、以後の例では、
孔の大きさは全て5mm¢に統一した。
【0022】実施例2.実施例1において、テフロング
ラスクロスシートを厚み60μmから90μmのものと
した以外は実施例1と同様にして接合フイルムを得た。
【0023】実施例3.実施例1において、テフロング
ラスクロスシートを厚み60μmから150μmのもの
とした以外は実施例1と同様にして接合フイルムを得
た。
【0024】比較例1.実施例1において、テフロング
ラスクロスシートに代えてテフロンシート(ニチアス社
製、商品名ナフロンテープ、厚み150μm)を用いた
以外は実施例1と同様にして接合フイルムを得た。
【0025】比較例2.実施例1において、実施例1で
使用の原反フイルムに代えて、市販のウレタンフイルム
(東洋紡社製、商品名バイロンフイルム)を用いた以外
は実施例1と同様にして接合フイルムを得た。これらの
試験結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1から、次の事がわかる。テフロングラ
スクロスシートに代えてテフロンシートを用いた場合に
は(比較例1)、補修が良好に行えず、剥離強度が大き
く接合表面が粘着する。接合温度が、180℃でないと
熱接着せず、150℃で力を加えると接着するが、15
0℃では、フイルムが収縮による引きつれを起ず。テフ
ロンシートは、熱伝導性が悪く、短時間では、接着でき
ないばかりでなく、そのシート表面が比較的に平滑な
為、接合表面が平になり、若干粘着性を帯びたものと思
われる。本発明の原反フイルムに代えて市販のウレタン
フイルムを用いた場合には(比較例2)、150℃でも
熱接着せず、170℃近辺からフイルムが収縮による引
きつれを起し、補修が良好に行えず、剥離強度が大きく
接合表面が粘着する。耐水圧の試験結果も悪いものであ
り、水漏れがする。
【0028】
【発明の効果】以上、本発明によれば、原反フイルムに
ウレタンフイルムが低温で接合でき、原反フイルムのピ
ンホール部を容易に補修でき、低温で例えば150℃以
下の温度で短時間に接合できるために、これらフイルム
が熱劣化せず、収縮による引きつれ等の変形が起らず、
ピンホール部の容易な補修により、ピンホールがある原
反フイルムでも使用可能で、ウレタン注入発泡一体真空
成形に際しても液漏れを生ぜず、原反フイルムはピンホ
ール部のみが補修された単層フイルムの形態でバックア
ップシートとして使用ができ、また、フッ素系樹脂をコ
ーティングしてなるガラス繊維織物の使用により、接合
表面がエンボスされた形になり、接合する場合に問題と
なる接合面のブロッキングの問題を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す説明図
【符号の説明】
1 台(シリコンゴムシート) 2 原反フイルム 3 ピンホール部 4 他方のフイルム 5 フッ素系樹脂をコーティングしてなるガラス繊
維織物 6 加熱装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接合しようとするウレタンフイルムが共に
    (a)熱可塑性ポリウレタン樹脂40〜70重量%、
    (b)エチレンープロピレン−ジエン共重合体10〜2
    5重量%(c)低密度ポリエチレン系樹脂10〜25重
    量%(d)不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で変性
    された、スチレンの比率が30重量%以下のスチレン系
    エラストマー5〜20重量%及び(e)末変性スチレン
    系エラストマー0〜20重量%からなる熱可塑性ポリウ
    レタン組成物よりなり、接合しようとする一方のウレタ
    ンフイルムがピンホールを有するときには、当該ウレタ
    ンフイルム(以下、原反フイルムという)のピンホール
    部に他方のウレタンフイルムを当接し、フッ素系樹脂を
    コーティングしてなるガラス繊維織物により加熱、加圧
    して前記原反フイルムのピンホール部を補修することを
    特徴とする伸縮性ウレタンフイルムのピンホール部補修
    方法。
  2. 【請求項2】離型性の台上に原反フイルムを載置し、そ
    のピンホール部に、当該ピンホール部を閉鎖するに十分
    な大きさの他方のウレタンフイルムを当接し、これらフ
    イルムを、フッ素系樹脂をコーティングしてなるガラス
    繊維織物を介して加熱、加圧して前記原反フイルムのピ
    ンホール部を補修することを特徴とする、請求項1に記
    載の伸縮性ウレタンフイルムのピンホール部補修方法。
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