JP2001064602A - 粘着テープ用基材フィルム及び粘着テープ - Google Patents
粘着テープ用基材フィルム及び粘着テープInfo
- Publication number
- JP2001064602A JP2001064602A JP23996399A JP23996399A JP2001064602A JP 2001064602 A JP2001064602 A JP 2001064602A JP 23996399 A JP23996399 A JP 23996399A JP 23996399 A JP23996399 A JP 23996399A JP 2001064602 A JP2001064602 A JP 2001064602A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- adhesive tape
- film
- pressure
- sensitive adhesive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Adhesive Tapes (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 柔軟性を有し、耐薬品性に優れると共に粘着
剤、特にホットメルト系粘着剤との接着性に優れたオレ
フィン樹脂系の粘着テープ用基材フィルム及びその基材
フィルムを用いた粘着テープを提供する。 【解決手段】 粘着テープ用基材フィルムが、ポリプロ
ピレン系樹脂85〜99.9重量%及びビニル芳香族系
エラストマー15〜0.1重量%を含有する樹脂組成物
からなり、ヤング率が100〜1000kgf/cm2
であり、かつ一方向に伸長したときに降伏点をもたな
い。
剤、特にホットメルト系粘着剤との接着性に優れたオレ
フィン樹脂系の粘着テープ用基材フィルム及びその基材
フィルムを用いた粘着テープを提供する。 【解決手段】 粘着テープ用基材フィルムが、ポリプロ
ピレン系樹脂85〜99.9重量%及びビニル芳香族系
エラストマー15〜0.1重量%を含有する樹脂組成物
からなり、ヤング率が100〜1000kgf/cm2
であり、かつ一方向に伸長したときに降伏点をもたな
い。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着テープ用基材
フィルム及び粘着テープに関し、特にホットメルト系粘
着剤を使用する粘着テープに用いる、柔軟性を有し、耐
薬品性に優れたオレフィン樹脂系の粘着テープ用基材フ
ィルム及びその基材フィルムを用いた粘着テープに関す
る。
フィルム及び粘着テープに関し、特にホットメルト系粘
着剤を使用する粘着テープに用いる、柔軟性を有し、耐
薬品性に優れたオレフィン樹脂系の粘着テープ用基材フ
ィルム及びその基材フィルムを用いた粘着テープに関す
る。
【0002】
【従来の技術】軟質塩化ビニル樹脂フィルムは、柔軟で
一方向に伸長しても降伏せず、耐薬品性に優れるため、
粘着テープ用基材フィルムとして好適であった。しか
し、焼却すると有害物質を発生する恐れがあり、また粘
着剤塗工時に有機溶剤を使用するため、環境を汚染する
等の問題点がある。焼却しても有害物質を発生せず、粘
着剤塗工時にも有機溶剤を使用しない環境に優しい粘着
テープとして、例えば、オレフィン系樹脂からなる基材
フィルム層に、ホットメルト系粘着剤の粘着剤層を設け
たものが挙げられる。
一方向に伸長しても降伏せず、耐薬品性に優れるため、
粘着テープ用基材フィルムとして好適であった。しか
し、焼却すると有害物質を発生する恐れがあり、また粘
着剤塗工時に有機溶剤を使用するため、環境を汚染する
等の問題点がある。焼却しても有害物質を発生せず、粘
着剤塗工時にも有機溶剤を使用しない環境に優しい粘着
テープとして、例えば、オレフィン系樹脂からなる基材
フィルム層に、ホットメルト系粘着剤の粘着剤層を設け
たものが挙げられる。
【0003】現在、ホットメルト系粘着剤としては、水
添されたスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体等に粘着付与剤が添加されたものが多く使用されて
おり、ホットメルト系粘着剤と基材フィルムとの層間接
着力の大きいことが重要である。
添されたスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体等に粘着付与剤が添加されたものが多く使用されて
おり、ホットメルト系粘着剤と基材フィルムとの層間接
着力の大きいことが重要である。
【0004】軟質塩化ビニル樹脂フィルムのように柔軟
性を有し、伸長しても降伏点をもたないオレフィン系粘
着テープ用基材フィルムとして、下記の提案がなされて
いる。 (1)両表面層がポリプロピレン樹脂であり、中間層が
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等の
積層体からなる粘着テープ用基材フィルム(特開昭58
−71975号公報)。 (2)両表面層がポリ−4−メチル−1−ペンテン系樹
脂であり、中間層が水添ジエン系共重合体とポリオレフ
ィン樹脂との混合物である粘着テープ用基材フィルム
(特開平10−34849号公報)。 (3)重量平均分子量8万〜50の範囲にあり、クロス
分別法によって測定される溶出量が、0℃〜10℃で全
樹脂量の45〜80重量%、10℃超70℃以下で全樹
脂量の5〜35重量%、70℃超90℃以下で全樹脂量
の1〜30重量%であり、かつ、90℃超120℃以下
で全樹脂量の5〜35重量%であるポリプロピレン系樹
脂からなる粘着テープ用基材フィルム(特開平7−21
3596号公報)。
性を有し、伸長しても降伏点をもたないオレフィン系粘
着テープ用基材フィルムとして、下記の提案がなされて
いる。 (1)両表面層がポリプロピレン樹脂であり、中間層が
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等の
積層体からなる粘着テープ用基材フィルム(特開昭58
−71975号公報)。 (2)両表面層がポリ−4−メチル−1−ペンテン系樹
脂であり、中間層が水添ジエン系共重合体とポリオレフ
ィン樹脂との混合物である粘着テープ用基材フィルム
(特開平10−34849号公報)。 (3)重量平均分子量8万〜50の範囲にあり、クロス
分別法によって測定される溶出量が、0℃〜10℃で全
樹脂量の45〜80重量%、10℃超70℃以下で全樹
脂量の5〜35重量%、70℃超90℃以下で全樹脂量
の1〜30重量%であり、かつ、90℃超120℃以下
で全樹脂量の5〜35重量%であるポリプロピレン系樹
脂からなる粘着テープ用基材フィルム(特開平7−21
3596号公報)。
【0005】しかしながら、上記オレフィン系粘着テー
プ用基材フィルムは、粘着剤層との接着面に水添スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等を含まな
いため十分な接着力が得られず、基材フィルム層と粘着
剤層のアンカー力が不足し、剥離時に被着面に糊残りが
生じるという大きな問題点を有する。特に、離型紙を必
要とする粘着テープにおいては、離型紙上にホットメル
ト系粘着剤を押出した後、粘着剤層を基材フィルムと貼
合わせて粘着テープを製造する方法が有利であるが、オ
レフィン系樹脂基材フィルムではコロナ処理等の処理を
行っても、離型紙上に形成される水添スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体からなるホットメルト
系粘着剤を貼合わせたときに十分な接着力が得られ難い
という問題点があった。
プ用基材フィルムは、粘着剤層との接着面に水添スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等を含まな
いため十分な接着力が得られず、基材フィルム層と粘着
剤層のアンカー力が不足し、剥離時に被着面に糊残りが
生じるという大きな問題点を有する。特に、離型紙を必
要とする粘着テープにおいては、離型紙上にホットメル
ト系粘着剤を押出した後、粘着剤層を基材フィルムと貼
合わせて粘着テープを製造する方法が有利であるが、オ
レフィン系樹脂基材フィルムではコロナ処理等の処理を
行っても、離型紙上に形成される水添スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体からなるホットメルト
系粘着剤を貼合わせたときに十分な接着力が得られ難い
という問題点があった。
【0006】一方、粘着テープ用基材フィルムの構成成
分として、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体を用い、粘着剤層との積層面に露出させるこ
とにより、粘着剤層の貼合わせ時に接着力の向上が期待
できるものとして、下記の提案がなされている。 (4)スチレン−ジエン系炭化水素共重合体の水素添加
物25〜75重量%及びポリオレフィン75〜25重量
%の組成からなるポリオレフィン系粘着テープ用基材フ
ィルム(特開平7−62154号公報)。 (5)ポリプロピレン60〜90重量%、スチレン系エ
ラストマー40〜2重量%、及び、エチレン−α−オレ
フィン共重合体又はプロピレン−α−オレフィン共重合
体40〜2重量%からなる粘着テープ用基材フィルム
(特開平7−126457号公報)。
分として、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体を用い、粘着剤層との積層面に露出させるこ
とにより、粘着剤層の貼合わせ時に接着力の向上が期待
できるものとして、下記の提案がなされている。 (4)スチレン−ジエン系炭化水素共重合体の水素添加
物25〜75重量%及びポリオレフィン75〜25重量
%の組成からなるポリオレフィン系粘着テープ用基材フ
ィルム(特開平7−62154号公報)。 (5)ポリプロピレン60〜90重量%、スチレン系エ
ラストマー40〜2重量%、及び、エチレン−α−オレ
フィン共重合体又はプロピレン−α−オレフィン共重合
体40〜2重量%からなる粘着テープ用基材フィルム
(特開平7−126457号公報)。
【0007】(6)ホモポリプロピレン60〜90重量
%又はエチレン含有量3重量%以下のランダムポリプロ
ピレン50〜90重量%、及び、エチレン−プロピレン
共重合体50〜10重量%からなるエチレン−プロピレ
ンブロック共重合体70〜99重量%と、水添ジエン系
共重合体30〜1重量%よりなる樹脂組成物(特開平5
−59248号公報)。 (7)ポリプロピレン系樹脂10〜90重量%及び水添
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体90
〜10重量%からなるシート成形用組成物(特開平6−
73246号公報)。 (8)立体規則性の低いポリプロピレン樹脂と水添スチ
レン−ジエン系共重合体の混合物からなるポリオレフィ
ン系粘着テープ用基材フィルム(特開平9−22607
1号公報)。
%又はエチレン含有量3重量%以下のランダムポリプロ
ピレン50〜90重量%、及び、エチレン−プロピレン
共重合体50〜10重量%からなるエチレン−プロピレ
ンブロック共重合体70〜99重量%と、水添ジエン系
共重合体30〜1重量%よりなる樹脂組成物(特開平5
−59248号公報)。 (7)ポリプロピレン系樹脂10〜90重量%及び水添
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体90
〜10重量%からなるシート成形用組成物(特開平6−
73246号公報)。 (8)立体規則性の低いポリプロピレン樹脂と水添スチ
レン−ジエン系共重合体の混合物からなるポリオレフィ
ン系粘着テープ用基材フィルム(特開平9−22607
1号公報)。
【0008】しかしながら、上記粘着テープ用基材フィ
ルムは耐薬品性に劣るという欠点を有する。特に軟質塩
化ビニル樹脂の代替に必要な柔軟性を得ようとすると、
水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
を、少なくとも10重量%以上添加する必要があり、そ
の結果耐薬品性が低下する。具体的には、耐薬品性が低
下すると、粘着剤層から経時的に移行する成分によって
基材フィルムが膨潤又は収縮してしわが発生し外観を著
しく低下させたり、基材フィルムがべとつくようになっ
て商品価値を低下させるため、基材フィルムとして使用
できなくなる。特に、粘着剤層に常温で液状の成分、例
えば、軟化剤として流動パラフィン、パラフィンオイ
ル、液状ポリイソプレン、液状ポリブテンを使用する場
合は、この傾向が著しくなる。
ルムは耐薬品性に劣るという欠点を有する。特に軟質塩
化ビニル樹脂の代替に必要な柔軟性を得ようとすると、
水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
を、少なくとも10重量%以上添加する必要があり、そ
の結果耐薬品性が低下する。具体的には、耐薬品性が低
下すると、粘着剤層から経時的に移行する成分によって
基材フィルムが膨潤又は収縮してしわが発生し外観を著
しく低下させたり、基材フィルムがべとつくようになっ
て商品価値を低下させるため、基材フィルムとして使用
できなくなる。特に、粘着剤層に常温で液状の成分、例
えば、軟化剤として流動パラフィン、パラフィンオイ
ル、液状ポリイソプレン、液状ポリブテンを使用する場
合は、この傾向が著しくなる。
【0009】上記方法は、いずれも柔軟性に劣るポリプ
ロピレン系樹脂をベース樹脂として使用するため、軟質
塩化ビニル樹脂と同等の柔軟性を得ようとすると、水添
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等を
10重量%以上添加する必要があり、その結果耐薬品性
が低下するため、柔軟性と耐薬品性とを両立させること
ができなかった。
ロピレン系樹脂をベース樹脂として使用するため、軟質
塩化ビニル樹脂と同等の柔軟性を得ようとすると、水添
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等を
10重量%以上添加する必要があり、その結果耐薬品性
が低下するため、柔軟性と耐薬品性とを両立させること
ができなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、柔軟
性を有し、耐薬品性に優れると共に粘着剤、特にホット
メルト系粘着剤との接着性に優れたオレフィン樹脂系の
粘着テープ用基材フィルム及びその基材フィルムを用い
た粘着テープを提供することにある。
性を有し、耐薬品性に優れると共に粘着剤、特にホット
メルト系粘着剤との接着性に優れたオレフィン樹脂系の
粘着テープ用基材フィルム及びその基材フィルムを用い
た粘着テープを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の粘着テープ基材
用フィルムは、ポリプロピレン系樹脂85〜99.9重
量%及びビニル芳香族系エラストマー15〜0.1重量
%を含有する樹脂組成物からなる粘着テープ用基材フィ
ルムであって、ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量
(Mw)が8万〜60万、クロス分別法によって測定さ
れるポリプロピレン系樹脂の溶出量が、0℃で全ポリプ
ロピレン系樹脂量の40〜70重量%、0℃超70℃以
下で全ポリプロピレン系樹脂量の10〜30重量%、7
0℃超で全ポリプロピレン系樹脂量の20〜40重量%
であり、基材フィルムのヤング率が100〜1000k
gf/cm2 であり、かつ一方向に伸長したときに降伏
点をもたないことを特徴とする。
用フィルムは、ポリプロピレン系樹脂85〜99.9重
量%及びビニル芳香族系エラストマー15〜0.1重量
%を含有する樹脂組成物からなる粘着テープ用基材フィ
ルムであって、ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量
(Mw)が8万〜60万、クロス分別法によって測定さ
れるポリプロピレン系樹脂の溶出量が、0℃で全ポリプ
ロピレン系樹脂量の40〜70重量%、0℃超70℃以
下で全ポリプロピレン系樹脂量の10〜30重量%、7
0℃超で全ポリプロピレン系樹脂量の20〜40重量%
であり、基材フィルムのヤング率が100〜1000k
gf/cm2 であり、かつ一方向に伸長したときに降伏
点をもたないことを特徴とする。
【0012】本発明の粘着テープ基材用フィルムは、ポ
リプロピレン系樹脂及びビニル芳香族系エラストマーを
含有する樹脂組成物からなる。
リプロピレン系樹脂及びビニル芳香族系エラストマーを
含有する樹脂組成物からなる。
【0013】上記ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子
量(Mw)は8万〜60万となされ、好ましくは17万
〜44万である。Mwが8万未満では得られる基材用フ
ィルムの強度が不足し、Mwが60万を超えると十分な
柔軟性が得られなくなる。上記Mwは、例えばWATE
RS社製高温GPC「150CV」を使用して測定され
る値である。
量(Mw)は8万〜60万となされ、好ましくは17万
〜44万である。Mwが8万未満では得られる基材用フ
ィルムの強度が不足し、Mwが60万を超えると十分な
柔軟性が得られなくなる。上記Mwは、例えばWATE
RS社製高温GPC「150CV」を使用して測定され
る値である。
【0014】上記ポリプロピレン系樹脂のクロス分別法
によって測定される樹脂溶出量は、0℃で全ポリプロピ
レン系樹脂量の40〜70重量%、0℃超70℃以下で
全ポリプロピレン系樹脂量の10〜30重量%、70℃
超で全ポリプロピレン系樹脂量の20〜40重量%であ
る。
によって測定される樹脂溶出量は、0℃で全ポリプロピ
レン系樹脂量の40〜70重量%、0℃超70℃以下で
全ポリプロピレン系樹脂量の10〜30重量%、70℃
超で全ポリプロピレン系樹脂量の20〜40重量%であ
る。
【0015】樹脂溶出量が、0℃で全ポリプロピレン系
樹脂量の40重量%未満では基材フィルムのヤング率が
大きくなり過ぎて被着体への追従性が不足し、70重量
%を超えると基材フィルムの強度が低下する。好ましく
は45〜60重量%である。樹脂溶出量が、0℃超70
℃以下で全ポリプロピレン系樹脂量の10重量%未満で
は50%伸長後の残留応力が大きくなり過ぎ、30重量
%を超えると50%伸長後の残留応力が不足する。好ま
しくは15〜25重量%である。樹脂溶出量が、70℃
超で全ポリプロピレン系樹脂量の20重量%未満では基
材フィルムの強度が不足し、40重量%を超えると基材
フィルムのヤング率が大きくなり過ぎて被着体への追従
性が不足する。好ましくは25〜40重量%である。
樹脂量の40重量%未満では基材フィルムのヤング率が
大きくなり過ぎて被着体への追従性が不足し、70重量
%を超えると基材フィルムの強度が低下する。好ましく
は45〜60重量%である。樹脂溶出量が、0℃超70
℃以下で全ポリプロピレン系樹脂量の10重量%未満で
は50%伸長後の残留応力が大きくなり過ぎ、30重量
%を超えると50%伸長後の残留応力が不足する。好ま
しくは15〜25重量%である。樹脂溶出量が、70℃
超で全ポリプロピレン系樹脂量の20重量%未満では基
材フィルムの強度が不足し、40重量%を超えると基材
フィルムのヤング率が大きくなり過ぎて被着体への追従
性が不足する。好ましくは25〜40重量%である。
【0016】本発明でいうクロス分別法による溶出量
は、以下の方法にて測定される値である。まず、樹脂を
140℃或いは樹脂が完全に溶解する温度のo‐ジクロ
ロベンゼンに溶解した後一定速度で冷却し、予め用意し
ておいた不活性担体の表面に、結晶性の高い順に薄いポ
リマー層として生成させる。次に、連続的又は段階的に
昇温し、溶出した成分の濃度を順次検出し、組成分布
(結晶性分布)を測定する。これを温度上昇溶離分別と
いう。同時に、溶出した成分を高温型GPCにより分析
して、分子量と分子量分布を測定する。本発明では、上
述した温度上昇溶離分別部分と高温型GPC部分の両方
をシステムとして備えているクロス分別クロマトグラフ
装置(三菱化学社製、商品名「CFC‐T150A
型」)を使用して測定した。
は、以下の方法にて測定される値である。まず、樹脂を
140℃或いは樹脂が完全に溶解する温度のo‐ジクロ
ロベンゼンに溶解した後一定速度で冷却し、予め用意し
ておいた不活性担体の表面に、結晶性の高い順に薄いポ
リマー層として生成させる。次に、連続的又は段階的に
昇温し、溶出した成分の濃度を順次検出し、組成分布
(結晶性分布)を測定する。これを温度上昇溶離分別と
いう。同時に、溶出した成分を高温型GPCにより分析
して、分子量と分子量分布を測定する。本発明では、上
述した温度上昇溶離分別部分と高温型GPC部分の両方
をシステムとして備えているクロス分別クロマトグラフ
装置(三菱化学社製、商品名「CFC‐T150A
型」)を使用して測定した。
【0017】本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂
としては、ポリプロピレンの存在下でエチレン及びプロ
ピレンモノマー等を重合することにより得られる、即
ち、リアクターブレンド法により得られるものが好まし
く、市販品としては、例えば特開平3−205439号
公報に記載されている、トクヤマ社製「PER」、モン
テルJPO社製「キャタロイ」等が好ましい。
としては、ポリプロピレンの存在下でエチレン及びプロ
ピレンモノマー等を重合することにより得られる、即
ち、リアクターブレンド法により得られるものが好まし
く、市販品としては、例えば特開平3−205439号
公報に記載されている、トクヤマ社製「PER」、モン
テルJPO社製「キャタロイ」等が好ましい。
【0018】上記ポリプロピレン系樹脂には、本発明の
効果を阻害しない範囲で、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレンとα−オレフィンとの共
重合体、ポリプロピレン、ポリブテン等の他のオレフィ
ン系樹脂が添加されてもよい。
効果を阻害しない範囲で、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレンとα−オレフィンとの共
重合体、ポリプロピレン、ポリブテン等の他のオレフィ
ン系樹脂が添加されてもよい。
【0019】上記ポリプロピレン系樹脂には、さらに、
通常オレフィン系樹脂に使用される、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、光安定剤、スリップ剤、アンチブロッキング
剤等の添加剤;炭酸カルシウム、タルク、マイカ等の無
機充填剤;顔料、染料などが添加されてもよい。
通常オレフィン系樹脂に使用される、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、光安定剤、スリップ剤、アンチブロッキング
剤等の添加剤;炭酸カルシウム、タルク、マイカ等の無
機充填剤;顔料、染料などが添加されてもよい。
【0020】本発明では、上記ポリプロピレン系樹脂
に、柔軟性を付与するためにビニル芳香族系エラストマ
ーが併用される。上記ビニル芳香族系エラストマーは、
ビニル芳香族化合物(A)と共役ジエン(B)とが、A
−(B−A)m (式中、mは1以上の整数を示す)又は
(A−B)n (式中、nは1以上の整数を示す)で表さ
れる状態で重合したブロック共重合体又はランダム共重
合体であり、好ましくはA−B−A型又はA−B型であ
る。
に、柔軟性を付与するためにビニル芳香族系エラストマ
ーが併用される。上記ビニル芳香族系エラストマーは、
ビニル芳香族化合物(A)と共役ジエン(B)とが、A
−(B−A)m (式中、mは1以上の整数を示す)又は
(A−B)n (式中、nは1以上の整数を示す)で表さ
れる状態で重合したブロック共重合体又はランダム共重
合体であり、好ましくはA−B−A型又はA−B型であ
る。
【0021】上記ビニル芳香族系化合物(A)として
は、例えば、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、1,1−ジフェニル
スチレン等が挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチ
レンが好ましい。
は、例えば、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、1,1−ジフェニル
スチレン等が挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチ
レンが好ましい。
【0022】また、上記共役ジエン(B)としては、例
えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメ
チル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2
−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエ
ン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブ
チル−1−クロロプレン等が挙げられ、特に1,3−ブ
タジエン、イソプレン、及びその水添物が好ましい。
えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメ
チル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2
−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエ
ン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブ
チル−1−クロロプレン等が挙げられ、特に1,3−ブ
タジエン、イソプレン、及びその水添物が好ましい。
【0023】上記ビニル芳香族系エラストマーとして
は、上記ブロック共重合体又はランダム共重合体の水添
物、この水添物と同様の構造を有する重合体が挙げら
れ、特に、水添スチレン−ブタジエンランダム共重合
体、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体、水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共
重合体が好ましい。上記水添スチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体としては、式(1)に示すよう
に、イソプレン部分が3,4結合からなるものが特に好
ましい。
は、上記ブロック共重合体又はランダム共重合体の水添
物、この水添物と同様の構造を有する重合体が挙げら
れ、特に、水添スチレン−ブタジエンランダム共重合
体、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体、水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共
重合体が好ましい。上記水添スチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体としては、式(1)に示すよう
に、イソプレン部分が3,4結合からなるものが特に好
ましい。
【0024】
【化2】
【0025】上記スチレンと1,3−ブタジエンのA−
B−A型ブロック共重合体の水添物は一般にSEBSと
呼ばれ、市販品としては、例えばシェル化学社製「クレ
イトンG」、旭化成社社製「タフテック」等が挙げられ
る。スチレンと1,3−ブタジエンのA−B−A型ブロ
ック共重合体のうち、ランダム性の高いものは一般にH
SBRと呼ばれ、市販品としては、例えばJSR社製
「ダイナロン」等が挙げられる。また、スチレンとイソ
プレンのA−B−A型ブロック共重合体の水添物は一般
にSEPSと呼ばれ、市販品としては、例えばクラレ社
製「ハイブラー」、「セプトン」等が挙げられる。特
に、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
のイソプレンが3,4結合からなるものの市販品として
は、クラレ社製「ハイブラー7125」を好適に使用す
ることができる。
B−A型ブロック共重合体の水添物は一般にSEBSと
呼ばれ、市販品としては、例えばシェル化学社製「クレ
イトンG」、旭化成社社製「タフテック」等が挙げられ
る。スチレンと1,3−ブタジエンのA−B−A型ブロ
ック共重合体のうち、ランダム性の高いものは一般にH
SBRと呼ばれ、市販品としては、例えばJSR社製
「ダイナロン」等が挙げられる。また、スチレンとイソ
プレンのA−B−A型ブロック共重合体の水添物は一般
にSEPSと呼ばれ、市販品としては、例えばクラレ社
製「ハイブラー」、「セプトン」等が挙げられる。特
に、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
のイソプレンが3,4結合からなるものの市販品として
は、クラレ社製「ハイブラー7125」を好適に使用す
ることができる。
【0026】上記樹脂組成物において、ポリプロピレン
系樹脂の含有量は85〜99.9重量%であり、ビニル
芳香族系エラストマーの含有量は15〜0.1重量%で
ある。ビニル芳香族系エラストマーの含有量が0.1重
量%未満になるとホットメルト接着剤との接着性が低下
し、15重量%を超えると耐薬品性が急激に低下する。
系樹脂の含有量は85〜99.9重量%であり、ビニル
芳香族系エラストマーの含有量は15〜0.1重量%で
ある。ビニル芳香族系エラストマーの含有量が0.1重
量%未満になるとホットメルト接着剤との接着性が低下
し、15重量%を超えると耐薬品性が急激に低下する。
【0027】本発明の粘着テープ基材用フィルムを得る
方法としては、樹脂シートやフィルムを成形するための
公知の方法が使用可能であり、例えば、Tダイや空冷又
は液冷インフレーションによる押出成形法、カレンダー
成形法等が挙げられる。
方法としては、樹脂シートやフィルムを成形するための
公知の方法が使用可能であり、例えば、Tダイや空冷又
は液冷インフレーションによる押出成形法、カレンダー
成形法等が挙げられる。
【0028】上記粘着テープ基材用フィルムのヤング率
は、小さくなると柔らかくなり過ぎて貼付作業性が低下
すると共に強度が低下し、大きくなると柔軟性が不足し
て被着体の曲面への追従性が悪くなりしわが発生するの
で、100〜1000kgf/cm2 に制限され、好ま
しくは200〜600kgf/cm2 である。
は、小さくなると柔らかくなり過ぎて貼付作業性が低下
すると共に強度が低下し、大きくなると柔軟性が不足し
て被着体の曲面への追従性が悪くなりしわが発生するの
で、100〜1000kgf/cm2 に制限され、好ま
しくは200〜600kgf/cm2 である。
【0029】また、上記粘着テープ基材用フィルムは、
一方向に伸長したときに降伏点をもつと、降伏点以上で
白化して外観が低下したり、降伏点以上では均一にフィ
ルムが伸長せず、しわが発生するので、降伏点をもたな
いことが必要である。
一方向に伸長したときに降伏点をもつと、降伏点以上で
白化して外観が低下したり、降伏点以上では均一にフィ
ルムが伸長せず、しわが発生するので、降伏点をもたな
いことが必要である。
【0030】さらに、上記粘着テープ基材用フィルム
は、無延伸でも十分な効果を得ることができるが、効果
を高めるために延伸温度60〜150℃、延伸倍率1.
1〜5倍で、少なくとも一方向に延伸することが好まし
い。MD方向に延伸するのは伸長時の応力を高めるため
であり、TD方向に延伸するのは手切れ性を高めるため
であるが、延伸はMD方向又はTD方向のいずれか一方
であってもよく、両方であってもよい。
は、無延伸でも十分な効果を得ることができるが、効果
を高めるために延伸温度60〜150℃、延伸倍率1.
1〜5倍で、少なくとも一方向に延伸することが好まし
い。MD方向に延伸するのは伸長時の応力を高めるため
であり、TD方向に延伸するのは手切れ性を高めるため
であるが、延伸はMD方向又はTD方向のいずれか一方
であってもよく、両方であってもよい。
【0031】延伸温度が、60℃未満では被延伸フィル
ムの延伸応力が高くなり過ぎて十分に延伸することがで
きず、150℃を超えるとMD方向の延伸の場合には伸
長後の応力緩和が不十分となり、TD方向の延伸の場合
には手切れ性が不十分となる。より好ましくは延伸温度
75〜120℃である。また、延伸倍率が、1.1倍未
満の場合は延伸の効果が十分発揮されず、5倍を超える
と固くなり過ぎて柔軟性が不足する。より好ましくは延
伸倍率1.5〜2.5倍である。
ムの延伸応力が高くなり過ぎて十分に延伸することがで
きず、150℃を超えるとMD方向の延伸の場合には伸
長後の応力緩和が不十分となり、TD方向の延伸の場合
には手切れ性が不十分となる。より好ましくは延伸温度
75〜120℃である。また、延伸倍率が、1.1倍未
満の場合は延伸の効果が十分発揮されず、5倍を超える
と固くなり過ぎて柔軟性が不足する。より好ましくは延
伸倍率1.5〜2.5倍である。
【0032】上記延伸の方法としては、一方向に均一に
延伸できる方法であれば特に制限はなく、例えば、テン
ター延伸、縦一軸延伸、同時二軸延伸、逐次二軸延伸、
ロール圧延延伸、チューブラー延伸等の方法が用いられ
る。また必要に応じて、アニール処理が施されてもよ
い。
延伸できる方法であれば特に制限はなく、例えば、テン
ター延伸、縦一軸延伸、同時二軸延伸、逐次二軸延伸、
ロール圧延延伸、チューブラー延伸等の方法が用いられ
る。また必要に応じて、アニール処理が施されてもよ
い。
【0033】上記粘着テープ基材用フィルムの厚みは、
特に限定されず、用途や要求される風合いによって適宜
決定すればよいが、一般には20〜300μmが好まし
く、より好ましくは100〜170μmである。
特に限定されず、用途や要求される風合いによって適宜
決定すればよいが、一般には20〜300μmが好まし
く、より好ましくは100〜170μmである。
【0034】上記粘着テープ基材用フィルムの外観向上
や滑りを調節するために、該基材用フィルムの片面又は
両面にエンボス加工が施されてもよい。
や滑りを調節するために、該基材用フィルムの片面又は
両面にエンボス加工が施されてもよい。
【0035】本発明の粘着テープは、上記粘着テープ基
材用フィルムの片面又は両面に粘着剤層を積層すること
によって得られる。粘着剤にはホットメルト系粘着剤が
好適に用いられ、ホットメルト系粘着剤としては、例え
ば、前述のSEB、HSBR、SEPS等のブロック共
重合体に、粘着付与剤、軟化剤等が添加されたものが好
適に使用される。
材用フィルムの片面又は両面に粘着剤層を積層すること
によって得られる。粘着剤にはホットメルト系粘着剤が
好適に用いられ、ホットメルト系粘着剤としては、例え
ば、前述のSEB、HSBR、SEPS等のブロック共
重合体に、粘着付与剤、軟化剤等が添加されたものが好
適に使用される。
【0036】上記粘着付与剤としては、例えば、天然樹
脂系のロジン系樹脂、テルペン系樹脂;合成樹脂系の石
油樹脂などを用いることができ、中でも天然樹脂系の変
性ロジン、ロジンエステル、水添テルペン等がタック、
粘着力、保持力のバランスが調整し易く好適である。上
記軟化剤としては、低温時のタック性を保持するものと
して、石油系のプロセスオイル、エキステンダオイル、
液状ゴムである液状ポリイソブチレン、液状ポリブテ
ン、液状ポリイソプレン等を用いることができる。これ
らの軟化剤は、ホットメルト系粘着剤としてSEBSを
用いる場合に使用することが好ましい。
脂系のロジン系樹脂、テルペン系樹脂;合成樹脂系の石
油樹脂などを用いることができ、中でも天然樹脂系の変
性ロジン、ロジンエステル、水添テルペン等がタック、
粘着力、保持力のバランスが調整し易く好適である。上
記軟化剤としては、低温時のタック性を保持するものと
して、石油系のプロセスオイル、エキステンダオイル、
液状ゴムである液状ポリイソブチレン、液状ポリブテ
ン、液状ポリイソプレン等を用いることができる。これ
らの軟化剤は、ホットメルト系粘着剤としてSEBSを
用いる場合に使用することが好ましい。
【0037】上記粘着テープの製造方法としては、従来
公知の粘着テープ製造方法が適用でき、例えば、粘着テ
ープ基材用フィルムにホットメルト系粘着剤を直接押出
塗工する方法、離型紙を必要とする粘着テープにおいて
は、離型紙上にホットメルト系粘着剤を押出した後、基
材フィルムと貼合わせて粘着テープを製造する方法等が
挙げられる。
公知の粘着テープ製造方法が適用でき、例えば、粘着テ
ープ基材用フィルムにホットメルト系粘着剤を直接押出
塗工する方法、離型紙を必要とする粘着テープにおいて
は、離型紙上にホットメルト系粘着剤を押出した後、基
材フィルムと貼合わせて粘着テープを製造する方法等が
挙げられる。
【0038】(作用)本発明の粘着テープ基材用フィル
ムは、柔軟性を有し、一方向に伸長したときに降伏点を
持たず、ポリプロピレン系樹脂に配合された水素添加さ
れたビニル芳香族系エラストマーが、粘着剤層の積層面
に露出しているため粘着剤層との接着性が優れ、かつ、
粘着剤から経時で移行する成分によって外観不良が起こ
ることもない。また、ポリプロピレン系樹脂を主成分と
するので、燃焼時に有害物質を発生することがない。
ムは、柔軟性を有し、一方向に伸長したときに降伏点を
持たず、ポリプロピレン系樹脂に配合された水素添加さ
れたビニル芳香族系エラストマーが、粘着剤層の積層面
に露出しているため粘着剤層との接着性が優れ、かつ、
粘着剤から経時で移行する成分によって外観不良が起こ
ることもない。また、ポリプロピレン系樹脂を主成分と
するので、燃焼時に有害物質を発生することがない。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明の態
様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。
様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。
【0040】(実施例1)重量平均分子量(Mw)44
万、クロス分別法により測定された樹脂溶出量が、0℃
で55重量%、0℃超70℃以下で18重量%、70℃
超で27重量%であるポリプロピレン系樹脂(モンテル
社製「キャタロイKS−353P」)90重量部、及
び、水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重
合体(クラレ社製「ハイブラ7125」)10重量部を
ペレット形状でドライブレンドした後、210℃に加熱
した押出機からリングダイを用いて空冷インフレーショ
ン法により押出成形し、厚み65μmの粘着テープ用基
材フィルムを得た。
万、クロス分別法により測定された樹脂溶出量が、0℃
で55重量%、0℃超70℃以下で18重量%、70℃
超で27重量%であるポリプロピレン系樹脂(モンテル
社製「キャタロイKS−353P」)90重量部、及
び、水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重
合体(クラレ社製「ハイブラ7125」)10重量部を
ペレット形状でドライブレンドした後、210℃に加熱
した押出機からリングダイを用いて空冷インフレーショ
ン法により押出成形し、厚み65μmの粘着テープ用基
材フィルムを得た。
【0041】(実施例2)重量平均分子量(Mw)31
万、クロス分別法により測定された樹脂溶出量が、0℃
で47重量%、0℃超70℃以下で20重量%、70℃
超で33重量%であるポリプロピレン系樹脂(モンテル
社製「キャタロイKS−081P」)90重量部、及
び、水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重
合体(クラレ社製「ハイブラ7125」)10重量部を
ペレット形状でドライブレンドしたこと以外は、実施例
1と同様にして厚み65μmの粘着テープ用基材フィル
ムを得た。
万、クロス分別法により測定された樹脂溶出量が、0℃
で47重量%、0℃超70℃以下で20重量%、70℃
超で33重量%であるポリプロピレン系樹脂(モンテル
社製「キャタロイKS−081P」)90重量部、及
び、水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重
合体(クラレ社製「ハイブラ7125」)10重量部を
ペレット形状でドライブレンドしたこと以外は、実施例
1と同様にして厚み65μmの粘着テープ用基材フィル
ムを得た。
【0042】(比較例1)実施例1と同様のポリプロピ
レン系樹脂80重量部及び実施例1と同様の水添スチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共重合体20重量部
を使用したこと以外は、実施例1と同様にして厚み65
μmの粘着テープ用基材フィルムを得た。
レン系樹脂80重量部及び実施例1と同様の水添スチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共重合体20重量部
を使用したこと以外は、実施例1と同様にして厚み65
μmの粘着テープ用基材フィルムを得た。
【0043】(比較例2)実施例1と同様のポリプロピ
レン系樹脂100重量部を使用したこと以外は、実施例
1と同様にして厚み65μmの粘着テープ用基材フィル
ムを得た。
レン系樹脂100重量部を使用したこと以外は、実施例
1と同様にして厚み65μmの粘着テープ用基材フィル
ムを得た。
【0044】(比較例3)直鎖状低密度ポリエチレン
(東ソー社製「ニポロンZ−ZF130」、MFR=1
g/10分、密度0.920g/cm3 )を190℃に
加熱した押出機からリングダイを用いて空冷インフレー
ション法により押出成形し、厚み65μmの粘着テープ
用基材フィルムを得た。
(東ソー社製「ニポロンZ−ZF130」、MFR=1
g/10分、密度0.920g/cm3 )を190℃に
加熱した押出機からリングダイを用いて空冷インフレー
ション法により押出成形し、厚み65μmの粘着テープ
用基材フィルムを得た。
【0045】上記粘着テープ基材用フィルムについて下
記の性能評価を行い、結果を表1に示した。 (1)ヤング率、降伏点の有無 ロードセル型テンシロン測定器(オリエンテック社製
「UTA−500」)を用いて、JIS K 7127
に準拠して、基材用フィルム幅10mm、つかみ具間距
離40mm、引張速度300mm/分の条件、23℃、
50%RHの雰囲気下でMD方向へ引張試験を行い、得
られた応力−歪み曲線からヤング率、降伏点の有無を求
めた。
記の性能評価を行い、結果を表1に示した。 (1)ヤング率、降伏点の有無 ロードセル型テンシロン測定器(オリエンテック社製
「UTA−500」)を用いて、JIS K 7127
に準拠して、基材用フィルム幅10mm、つかみ具間距
離40mm、引張速度300mm/分の条件、23℃、
50%RHの雰囲気下でMD方向へ引張試験を行い、得
られた応力−歪み曲線からヤング率、降伏点の有無を求
めた。
【0046】(2)粘着テープ基材用フィルムと粘着剤
との層間接着力 スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体10
0重量部、水添テルペン樹脂100重量部及びパラフィ
ン系プロセスオイル20重量部を160℃で混合した
後、混合物を熱プレス機により130℃で30μm厚み
に成形し、ホットメルト系粘着剤を得た。次いで、粘着
テープ基材用フィルムとホットメルト系粘着剤とを50
℃の加熱ロールでラミネートし、粘着テープを作製し
た。この粘着テープを23℃、2kgのローラーでガラ
ス板上に貼合わせ23℃で24時間放置した後粘着テー
プを剥離し、粘着剤の残り度合いを目視観察し、残り度
合いを貼合わせ面積比(%)で表した。
との層間接着力 スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体10
0重量部、水添テルペン樹脂100重量部及びパラフィ
ン系プロセスオイル20重量部を160℃で混合した
後、混合物を熱プレス機により130℃で30μm厚み
に成形し、ホットメルト系粘着剤を得た。次いで、粘着
テープ基材用フィルムとホットメルト系粘着剤とを50
℃の加熱ロールでラミネートし、粘着テープを作製し
た。この粘着テープを23℃、2kgのローラーでガラ
ス板上に貼合わせ23℃で24時間放置した後粘着テー
プを剥離し、粘着剤の残り度合いを目視観察し、残り度
合いを貼合わせ面積比(%)で表した。
【0047】(3)耐薬品性 (2)と同様のホットメルト系粘着剤を粘着テープ基材
用フィルムに積層して粘着テープを作製した後50℃の
オーブンで加熱促進試験を行った。2週間後に取り出し
て基材用フィルムの外観を目視観察し、基材用フィルム
の寸法変化が2%未満のものを○、基材用フィルムが膨
潤して寸法変化が2%以上のものを×で表示した。寸法
変化が小さいほど耐薬品性が優れる。
用フィルムに積層して粘着テープを作製した後50℃の
オーブンで加熱促進試験を行った。2週間後に取り出し
て基材用フィルムの外観を目視観察し、基材用フィルム
の寸法変化が2%未満のものを○、基材用フィルムが膨
潤して寸法変化が2%以上のものを×で表示した。寸法
変化が小さいほど耐薬品性が優れる。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明の粘着テープ基材用フィルム及び
粘着テープは、上述の構成であり、柔軟性を有し、一方
向へ伸長しても降伏点がなく、ホットメルト系粘着剤と
の接着性が良好で、粘着剤から経時で移行する成分によ
って外観が低下することがなく、焼却によって有害な物
質を発生しない。従って、軟質塩化ビニルフィルムを代
替して粘着テープ基材用フィルムとして好適に使用する
ことができる。
粘着テープは、上述の構成であり、柔軟性を有し、一方
向へ伸長しても降伏点がなく、ホットメルト系粘着剤と
の接着性が良好で、粘着剤から経時で移行する成分によ
って外観が低下することがなく、焼却によって有害な物
質を発生しない。従って、軟質塩化ビニルフィルムを代
替して粘着テープ基材用フィルムとして好適に使用する
ことができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA10 AA12X AA20 AA22 AA22X AA81 AF02 AF05Y AF20Y AF26 AH19 BA01 BB09 BC01 4F100 AK07A AK12A AK12J AK29J AK73A AL02A AL03A AL05A AL06A AL09A BA02 BA03 BA06 BA07 BA10B BA10C EH17 EH172 GB90 JA07A JB01 JK07A JK13 JL12 JL12B JL12C YY00A 4J002 AC082 BB121 BC052 BP012 GF00 4J004 AA05 AA07 AB03 CA04 CC02 EA05
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂85〜99.9重
量%及びビニル芳香族系エラストマー15〜0.1重量
%を含有する樹脂組成物からなる粘着テープ用基材フィ
ルムであって、ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量
(Mw)が8万〜60万、クロス分別法によって測定さ
れるポリプロピレン系樹脂の溶出量が、0℃で全ポリプ
ロピレン系樹脂量の40〜70重量%、0℃超70℃以
下で全ポリプロピレン系樹脂量の10〜30重量%、7
0℃超で全ポリプロピレン系樹脂量の20〜40重量%
であり、基材フィルムのヤング率が100〜1000k
gf/cm2 であり、かつ一方向に伸長したときに降伏
点をもたないことを特徴とする粘着テープ用基材フィル
ム。 - 【請求項2】 ビニル芳香族系エラストマーが、水添ス
チレン−ブタジエンランダム共重合体、水添スチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体、又は、水添ス
チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体である
ことを特徴とする請求項1記載の粘着テープ用基材フィ
ルム。 - 【請求項3】 水添スチレン−イソプレン−スチレンブ
ロック共重合体のイソプレンブロック部分が、式(1)
で表される3,4結合からなることを特徴とする請求項
2記載の粘着テープ基材用フィルム。 【化1】 - 【請求項4】 請求項1〜3記載の粘着テープ基材用フ
ィルムの少なくとも片面に粘着剤層が積層されてなるこ
とを特徴とする粘着テープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23996399A JP2001064602A (ja) | 1999-08-26 | 1999-08-26 | 粘着テープ用基材フィルム及び粘着テープ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23996399A JP2001064602A (ja) | 1999-08-26 | 1999-08-26 | 粘着テープ用基材フィルム及び粘着テープ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001064602A true JP2001064602A (ja) | 2001-03-13 |
Family
ID=17052449
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23996399A Pending JP2001064602A (ja) | 1999-08-26 | 1999-08-26 | 粘着テープ用基材フィルム及び粘着テープ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001064602A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100871037B1 (ko) * | 2001-06-27 | 2008-11-27 | 닛토덴코 가부시키가이샤 | 다이싱용 점착 시트 |
WO2009119515A1 (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-01 | リンテック株式会社 | 粘着シート |
CN102533145A (zh) * | 2010-09-29 | 2012-07-04 | 琳得科株式会社 | 双面粘接胶带和带有触摸面板的显示装置 |
CN102782071A (zh) * | 2010-03-04 | 2012-11-14 | 琳得科株式会社 | 粘着片 |
EP3366743A4 (en) * | 2015-10-22 | 2019-07-31 | Nitto Denko Corporation | ULTRA-FAST FASTENING BELT AND ARTICLES THEREOF |
-
1999
- 1999-08-26 JP JP23996399A patent/JP2001064602A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100871037B1 (ko) * | 2001-06-27 | 2008-11-27 | 닛토덴코 가부시키가이샤 | 다이싱용 점착 시트 |
WO2009119515A1 (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-01 | リンテック株式会社 | 粘着シート |
CN102015941A (zh) * | 2008-03-26 | 2011-04-13 | 琳得科株式会社 | 粘接片 |
JP5663302B2 (ja) * | 2008-03-26 | 2015-02-04 | リンテック株式会社 | 粘着シート |
CN102782071A (zh) * | 2010-03-04 | 2012-11-14 | 琳得科株式会社 | 粘着片 |
CN102782071B (zh) * | 2010-03-04 | 2014-04-02 | 琳得科株式会社 | 粘着片 |
CN102533145A (zh) * | 2010-09-29 | 2012-07-04 | 琳得科株式会社 | 双面粘接胶带和带有触摸面板的显示装置 |
EP3366743A4 (en) * | 2015-10-22 | 2019-07-31 | Nitto Denko Corporation | ULTRA-FAST FASTENING BELT AND ARTICLES THEREOF |
US11141326B2 (en) | 2015-10-22 | 2021-10-12 | Nitto Denko Corporation | Ultrasmall securing tape and article including same |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI330589B (en) | Flexible packaging laminate films including a block copolymer layer | |
TWI473713B (zh) | 具有彈性層之高拉伸強度物件 | |
JP2006257247A (ja) | 粘着フィルム | |
US20060251888A1 (en) | Pressure sensitive adhesive (PSA) laminates | |
TW200813144A (en) | Thermoplastic resin composition and multilayer laminated body constituted thereof, article having the thermoplastic resin composition adhering thereto, and method for protecting the surface of an article | |
JPWO2010084832A1 (ja) | 表面保護フィルム | |
TW201202043A (en) | Pressure-sensitive adhesive tape | |
JP2006188646A (ja) | 粘着フィルム | |
JP2004002624A (ja) | 表面保護シート | |
TW201233758A (en) | Adhesive tape | |
JP5064523B2 (ja) | 熱収縮性ポリオレフィン系フィルム | |
JP6597271B2 (ja) | フィルム及び非結晶性ポリエチレンテレフタレート製容器用蓋材 | |
WO2013021830A1 (ja) | 粘着テープ | |
JP2001064602A (ja) | 粘着テープ用基材フィルム及び粘着テープ | |
TW201835276A (zh) | 黏著性樹脂組成物以及由黏著性樹脂組成物所構成的積層膜 | |
WO2013011561A1 (ja) | 粘着剤組成物、粘着シート及び粘着シートの製造方法 | |
WO2014112097A1 (ja) | 粘着剤組成物、粘着シート及び粘着シートの製造方法 | |
JP5537509B2 (ja) | 粘着フィルム | |
JP2016074800A (ja) | 粘着テープおよびその製造方法 | |
JP4489445B2 (ja) | 熱収縮性フィルム | |
JP2008308559A (ja) | 表面保護フィルム | |
JP2011079265A (ja) | 静電気防止粘着積層体 | |
JP2021014593A (ja) | 表面保護フィルム | |
JP3718383B2 (ja) | フィルム及びフィルム貼合品 | |
JP3843552B2 (ja) | 粘着積層体 |