JPH0839582A - 発泡樹脂パネルの製造装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続式によるパネルの製造方法の利点を生か
しつつ、発泡樹脂層を任意の厚みにできる構造が簡単な
装置を提供する。 【構成】 複数本の桟を配した可撓性シート状物上に発
泡樹脂液をノズルにより注入しながら可撓性シート状物
を前方に送り出す発泡樹脂パネルを連続的に製造するた
めの装置であって、連続して移動する各桟の上端部を収
納して桟と桟の間隔を一定に保ち、各桟を可撓性シート
に押圧しながら送り出していくガイドを備えたことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、木造家屋等の壁、床、
野地に断熱、防音又は調湿等のため使用される発泡樹脂
パネルを製造するための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のパネルの製造装置として
は、いわゆるバッチ式のものと連続式のものとがあり、
バッチ式のものは個々の合板などの下地材の上に発泡樹
脂液を流し込み、上下からプレスすることにより均質な
パネルを製造していた。しかしながら、製造に時間がか
かり、生産性の面で難点があった。一方、連続式のもの
は、同一方向に進行する無端ベルトが平行に配置された
上下コンベアの間に発泡樹脂液を塗布した下地材を送り
込み、ベルトで押圧しながら、コンベアの間を送り込む
間に発泡樹脂液を発泡させてパネルを製造するものであ
る。

【０００３】この製造装置を使用した場合は、バッチ式
のものに比べて生産性には優れているものの、ベルトに
よる押圧面が平坦なため、両側辺部に桟が設けられた下
地材の内側に桟よりも浅く発泡樹脂層を形成したパネル
を製造するような場合や下地材が可撓性を有し桟が固定
できない場合には適していない。

【０００４】すなわち、発泡樹脂層の層厚が下地材の桟
の高さより低く、発泡樹脂層の上に空気層となる空間を
設けたパネルを製造しようとする場合等、発泡樹脂層を
任意の厚みに設定するのは困難であり、桟の固定も不安
定になる。このような場合には、下地材の桟の内側に嵌
まり込む特殊な形態のベルトを用意したり、又、発泡樹
脂層の層厚を変更する毎にベルトを取り替えたりしなけ
ればならなくなる等の手間がかかり、その結果製造コス
トが高くなる等の事態が生じる。このように、従来の連
続式のものは生産性に優れている反面、形態の異なるパ
ネルの製造には対応させにくい面がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑みなされたものであり、その目的とするところ
は、連続式によるパネル製造の利点を生かしつつ、発泡
樹脂層を任意の厚みに設定することが容易に行え、下地
材が可撓性シート状物でも桟が安定して固定できかつ従
来の連続式のパネル製造装置よりも構造が簡単な発泡樹
脂層断熱パネルの製造装置を提供しようとするものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の採った手段について実施例に対応する図
面に用いた符号を付して以下に説明すると、「複数本の
桟９を配した可撓性シート状物４上に発泡樹脂液３をノ
ズル２により注入しながら可撓性シート状物４を前方に
送り出す発泡樹脂パネルを連続的に製造するための装置
であって、各桟９の上端部を収納して桟９と桟９の間隔
を一定に保ち、内部のローラー５で桟９を押圧しながら
送り出していくガイド１を備えたことを特徴とする発泡
樹脂パネルの製造装置。」である。ガイドの形状を筒状
とするとその少なくとも１側面が開口しており、この開
口部に桟の上端部を収納させて各桟の間隔を一定に保つ
と同時に開口部に沿って桟を移動させていく。可撓性シ
ート状物に桟を固定しながら移動させるために筒状ガイ
ド内部のローラーが一定間隔で設けられ桟の上端部を押
圧する。

【０００７】桟は木材や合板などの木質材料を主に使用
するが石こうボードや気泡コンクリートなどの窯業系材
料でもよい。又、可撓性シート状物として、クラフト
紙、薄用紙、タホーリン紙などの紙類、樹脂フィルム、
金属シートなどを用いる。発泡樹脂液は発泡性ポリウレ
タン樹脂、発泡性ポリスチレン樹脂、発泡性フェノール
樹脂、発泡性ユリア樹脂、発泡性ポリエチレン樹脂など
が使用できる。特にポリウレタン樹脂、フェノール樹脂
などの自己接着性を有する樹脂が好ましい。又、これに
混入する発泡剤、硬化剤の種類、配合量によってその硬
化時間の調整が可能である。発泡樹脂液の注入量は形成
する発泡樹脂層の層厚と下地材の送り出し速度により、
適宜決定される。

【０００８】

【作用】本願発明に係る製造装置にあっては可撓性シー
ト状物の上に一定間隔で桟を置き、筒状ガイドに送り込
み、桟の上端部を一定方向に摺動していく様に筒状ガイ
ドに収納するので、移動の途中でパネルの縦桟の間隔が
ずれることはない。又、筒状ガイド内には桟の上端部を
押圧するローラーが設けられ、桟が移動していく過程で
可撓性シート状物上に加圧状態で安定して載置されるの
で移動過程で注入した樹脂が発泡し、硬化する際も桟は
浮き上がることはない。

【０００９】発泡樹脂液の注入の前工程の枠組み工程で
桟が一定間隔で並べられ、桟と桟を直列につなぐため
に、ステイプル針や針或いはフィンガージョイントでつ
ながれる。枠組された複数本の桟は筒状ガイド下を移動
し、可撓性シート状物を下に敷いてその上に発泡樹脂液
が注入される。本願発明の装置はバッチ式の製造装置の
ように樹脂の発泡圧を拘束することがないので、桟と桟
のつなぎ目から樹脂が大きく漏れることはない。一定厚
みで硬化した発泡樹脂層を有する連続体は所定の長さに
切断装置で切り揃えられ個々の発泡樹脂パネルとなる。

【００１０】

【実施例】以下、本願発明の実施例を図面を使って説明
する。図１は本願発明の製造装置の概略図面である。図
１に示すように断面寸法４５ｍｍ×６５ｍｍで長さ４ｍ
の桟９をステイプル打器で留めて連結し、予備加熱帯１
を通しクラフト紙４の上に乗せてウレタン発泡樹脂液３
をノズル２から注入した。各桟９は図２に示すように３
本組みのパネル縦枠としウレタン発泡樹脂液３を２本の
ノズル２で注入して発泡樹脂層の厚みを５５ｍｍとしク
ラフト紙とともに連続的に５ｍ／分の速度で流した。

【００１１】パネル縦枠としての３本の桟９はその上端
部を筒状ガイド１によって収納され、筒状ガイド内のロ
ーラー５がその上端部をクラフト紙に押圧しながらパネ
ルの連続体を無端ベルト７で送り出される。パネルの連
続体はその後、切断装置によって壁、床、野地それぞれ
のパネルの指定寸法に応じて切断され、図４に示す発泡
樹脂パネルを作成した。得られた発泡樹脂パネルは±１
０ｍｍのバラツキの範囲内でウレタンの発泡樹脂層を成
形できた。桟と桟の間隔及び下地材としてのクラフト紙
と桟の接着は期待したとおりに仕上り、ウレタン樹脂の
漏れもほとんど発生しなかった。

【００１２】

【発明の効果】以上詳述したように、本願発明である発
泡樹脂パネルの製造装置は発泡樹脂層を任意の厚みで精
度よく作成することができ、下地材として可撓性シート
状物を用いてもその上に載置するパネルの枠材としての
桟を安定的に固定しながら連続で移動することができる
など、簡単な構造で発泡樹脂断熱パネルを連続的に製造
できるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明に係る発泡樹脂パネルの製造装置の側
面を示した概略図である。

【図２】本願発明に係る発泡樹脂パネルの製造装置のガ
イド部分を示した概略図である。

【図３】本願発明に係る発泡樹脂パネルの製造装置の発
泡樹脂液注入部分とガイド部分を示した斜視図である。

【図４】本願発明に係る発泡樹脂パネルの製造装置で製
造したウレタン発泡樹脂パネルを示す図である。

【符号の説明】

１ 筒状ガイド １’予備加熱帯 ２ ノズル ３ 発泡樹脂液 ４ 可とう性シート状物 ５ ローラー ６ 発泡樹脂層 ７ 無端ベルト ８ 切断装置 ９ 桟 １０ ステイプル打器 １１ クラフト紙 １２ 発泡ウレタン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻井 和宏 岐阜県大垣市河間町三丁目200番地 イビ デン株式会社河間工場内 (72)発明者 大塚 千尋 岐阜県大垣市河間町三丁目200番地 イビ デン株式会社河間工場内 (72)発明者 小原 庸博 岐阜県大垣市河間町三丁目200番地 イビ デン株式会社河間工場内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数本の桟を配した可撓性シート状物上に
   発泡樹脂液をノズルにより注入しながら可撓性シート状
   物を前方に送り出す発泡樹脂パネルを連続的に製造する
   ための装置であって、連続して移動する各桟の上端部を
   収納して桟と桟の間隔を一定に保ち、各桟を可撓性シー
   トに押圧しながら送り出していくガイドを備えたことを
   特徴とする発泡樹脂パネルの製造装置。