JPH0839099A - 含油廃棄物の処理法とそれに用いる廃棄物処理装置 - Google Patents

含油廃棄物の処理法とそれに用いる廃棄物処理装置

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JPH0839099A
JPH0839099A JP6182416A JP18241694A JPH0839099A JP H0839099 A JPH0839099 A JP H0839099A JP 6182416 A JP6182416 A JP 6182416A JP 18241694 A JP18241694 A JP 18241694A JP H0839099 A JPH0839099 A JP H0839099A
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JP
Japan
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oil
waste
lime
treated
soil
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Application number
JP6182416A
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English (en)
Inventor
Jiro Tamura
二郎 田村
Takahito Goshi
▲たか▼仁 五師
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OKAYAMA PREF GOV KYODO SEKKAI KK
Okawara Mfg Co Ltd
Original Assignee
OKAYAMA PREF GOV KYODO SEKKAI KK
Okawara Mfg Co Ltd
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 油分を含む泥状物又は廃油を処理するに際
し、焼却等の従来法によること無く効果的に処理物から
の油分溶出を防止し、かつ埋立処分だけでなく再生土や
産業用副資材として利用可能な性状を付加した処理物を
得ることが出来る含油廃棄物の処理法とその装置を提供
する。 【構成】 油分を含む廃棄物又は廃油を、予め石灰と混
合して予備処理物とし、その後油分を含まない廃棄物又
は廃棄土壌と混合しながら更に石灰を配合し、混合処理
物として処理する含油廃棄物処理法と、内部の処理物が
円周頂部に至る前に自由落下する回転速度以下で回転す
る円筒ドラム内部を予備混合部、撹拌混合部、熟成混合
部に機能区分し、更に円筒ドラムの中心軸付近に1乃至
3本の回転軸を貫通させ、その回転軸に各機能区分毎に
形の異なる又は同形状の撹拌羽根を自在型に取り付け、
その軸を羽根が遠心力で放射状になる速度で回転するよ
う構成し、円筒ドラムの一方より未処理物を投入し他方
より処理物を取り出すようにしてなる含油廃棄物処理装
置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油分を含む廃棄物を、
環境を汚染することなく埋立処分したり再生土又は産業
用副資材として利用したりするための含油廃棄物の処理
法と、それに用いる含油廃棄物処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年産業の多様化により油及び油状物質
並びに疎水性の高分子物質などを含む泥状廃棄物の発生
が増加しているが、多くの場合は処分後の油分を含む浸
出液の発生防止のため何らかの処理を行った上で埋立処
分などをしているのが現状である。
【0003】産業界などから発生する油分を含む廃棄物
には、石油類のタンク又は廃油貯留槽の底部に溜まった
泥状物、廃油処理又は油の精製に使用した廃白土、廃油
処理のための遠心分離施設から生ずる泥状物等がある
が、通常これらは直接又は間接的に燃焼させることで油
分を除去している。しかし、この燃焼による処理方法は
設備が複雑であるばかりでなく加熱源としての補助燃料
を要したり、燃焼ガスによる二次汚染、更に不均一加熱
等による未燃焼炭素含有の燃え殻による二次汚染等の欠
点を有している。
【0004】薬剤などの化学反応を利用する処理法は含
有する油分の割合により次の方法が知られている。比較
的油分が少ないときは泥状廃棄物に石灰を直接散布した
り、更にその上に微生物栄養剤を混和する方法(特開平
5-228499号公報)があるが、これらの方法では石灰の水
和反応が油分の存在有無に拘らず速い速度で進行するた
め局部的な土壌塊や処理ムラの発生、あるいは油分の捕
捉漏れなどによる廃棄後の油分溶出現象が起こり易くな
る問題点を含んでいる。
【0005】これらの問題点を解消するため、界面活性
を有する物質で表面を処理した酸化カルシウムを含油廃
棄物に混合し、含油廃棄物に担持した酸化カルシウムを
ほぼ化学量論的量(当量)の水で水酸化カルシウムになる
まで反応させる方法が提案されている(特公昭58-2000号
公報)。この方法によると油分の捕捉はかなり確実に行
われ廃棄後の油分溶出は防止できるようであるが、処理
物全体が激しい疎水性を有した粉体状となっているため
再生土として利用することは困難であり、埋立処分を行
うに際しても飛散防止のための覆土を行ったり、他の方
法による固形化が必要となるなどの欠点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は油分を
含む泥状物や廃油を処理するに際し、比較的安価な石灰
を用いながら廃棄後の油分の溶出を抑え、かつ処理物を
再生土として利用可能な程度まで土質工学的強度を増加
させる含油廃棄物処理法と、それに用いる処理装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとす
る対象は産業界から発生する油分を含む廃棄物であっ
て、主には石油類のタンク又は廃油貯留槽の底部にたま
った泥状物、廃油処理又は油の精製に使用した廃白土、
廃油処理のための遠心分離施設から生ずる泥状物等であ
るが、多くの場合これらは油分の他に有機溶剤や水分、
さらにはスラッジと呼ばれる泥状物等性格の異なる多成
分からなり、処理を複雑化している。本発明ではそれら
の要因に対応するため次のような処理法及びそれに用い
る処理装置を開発した。
【0008】本発明に係る第1発明は、油分を含む廃棄
物又は廃油を予め石灰と混合して予備処理物とし、その
後油分を含まない廃棄物又は廃棄土壌と混合しながら更
に石灰を配合し、混合処理物として処理する含油廃棄物
処理法である。すなわち、油分を含む廃棄物又は廃油を
予め石灰で処理し乾燥した粉体状又は水分不含のペース
ト状にし、次にその粉体又はペーストと油分を含まない
廃棄物又は建設工事などより発生する廃棄土壌を混合・
撹拌・解砕を同時に行う処理装置に入れ、この装置内で
再度石灰処理することを処理工法上の特徴とする。
【0009】第2発明は、油分を含む廃棄物を予め石灰
で処理する方法に関するものであって、油分を含む廃棄
物又は廃油を予め石灰処理するに際し、その石灰が生石
灰又は酸化カルシウム分を50重量%以上含む石灰系物質
であり、その配合量が処理前の含油廃棄物に含まれる水
分を当量で結合してしまう量以上か又は含油廃棄物に含
まれる油分の量以上のいずれか多い配合で予備処理物と
する含油廃棄物処理法である。
【0010】すなわち、石灰を過剰に添加するのである
が、過剰といっても、含油廃棄物に含まれる水分量や油
分の量と同量以上、すなわち、水分結合当量又は油分の
量に対し100重量%を越えるほどの過剰でない方が好ま
しい。これを越える場合は油分処理の能力に対しては問
題ないものの、全く反応していない生石灰を多く含有す
ることとなり、次の工程に移行する際の取扱いや更に次
の工程で行なおうとする均一混合の障害となってしま
う。
【0011】もし、処理しようとする含油廃棄物が水分
をほとんど含有していない、若しくは含有量が非常に少
ない場合は、生石灰に代え市販の消石灰(水酸化カルシ
ウム)に適量の生石灰を混合した物を使用した方が効果
的である。あるいは、これらの混合物の代わりに従来の
方法で使用されていた界面活性を有する物質で表面を処
理した酸化カルシウムを使用しても良いが、本発明に使
用するときは、従来法で行っていた混合後に化学量論的
量(当量)の水を加えることは避け、添加した酸化カルシ
ウムの全量又は大部分を水酸化カルシウムに変質させな
いまま次の工程に送ることを要することが特徴である。
【0012】第3発明は、第2発明の項で予備処理を行
った油分を含む廃棄物を、油分を含まない廃棄物や建設
工事などにより発生する廃棄土壌に混合し、更に石灰処
理する方法に関するものである。すなわち、予め石灰と
混合された油分を含む含油廃棄物又は廃油からなる予備
処理物を、その後油分を含まない廃棄物又は廃棄土壌と
混合し石灰処理するに際し、油分を含まない廃棄物又は
廃棄土壌中の水分量が、予備処理時に過剰配合された石
灰系物質を結合してしまうに必要な量以上となるよう
な、予備処理物と混合物(油分を含まない廃棄物又は廃
棄土壌)との混合比とする含油廃棄物処理法である。
【0013】この発明は第2発明で石灰が捕捉した含油
廃棄物中の油分を更に溶出不可能なよう固定化すること
と併せ、泥状廃棄物や廃棄土壌を混合し石灰を用いて再
処理することで一般的な埋立処分を可能とするのみでな
く、各種建設工事や造成工事などの土木工事に再生土と
して利用可能な性質へ改質させることにある。
【0014】油分を含む泥状物を石灰を用いて処理した
場合、その処理物は一般に疎水性を呈することが知られ
ているが、第3発明の段階で目的の一つとしている土質
工学的な改良、すなわち、土粒子の団粒化やポゾラン反
応にはこの性質は障害となることも、また、知られてい
る。本発明ではこれらの障害を防止するために、予備処
理された油分を含む廃棄物を油分を含まない廃棄物や廃
棄土壌と混合することで、予備処理物の疎水性を改善し
ようとするものである。
【0015】予備処理物と混合処理物とが混在した混合
処理物を構成する土粒子の団粒化やポゾラン反応の進行
には、適量の水分の存在が不可欠であるが、このために
は、混合処理物中に石灰と結合されない水分が残存する
ように処理を行なうことが必要であり、したがって、油
分を含まない廃棄物中の水分量が、予備処理時に過剰に
配合された石灰系物質と当量で結合する量以上に存在す
るような、予備処理物と混合物との混合比にすることが
重要である。また、予備処理物の疎水性を防止するのに
効果的な混合比も考慮されなければならないが、その比
率は予備処理物が混合物に対して50重量%以下であるこ
とが好ましい。
【0016】第4発明は、第3発明で行う処理に使用す
る石灰に関するもので、石灰が生石灰又は酸化カルシウ
ム分を50重量%以上含む石灰系物質であって、その配合
量が処理前の混合処理物に含まれる水分を当量で結合し
てしまう量以下であることを特徴とするものである。第
3発明の項で述べるよう処理物の土質工学的な改良を目
的とするときには、処理後の混合廃棄物または混合廃棄
土壌中に適当な水分の存在が不可欠となる。そのために
は目的とする土質特性に合致した残存水分に相当する量
が、化学反応や蒸発によって失われないよう予め当量以
下の不足した状態で石灰処理を行う必要がある。
【0017】第3発明段階で混合する処理物に水分が比
較的少量である場合は生石灰の代わりに消石灰又は消石
灰と生石灰の混合物を使用することも可能であり、更に
処理物に対し比較的高い土質工学的強度が求められる場
合には、使用する石灰に50重量%を越えない範囲でポル
トランドセメント、高炉セメント、石膏、フライアッシ
ュ、高炉又は転炉スラグ等のような土質改良材としての
石灰を補強する目的で使用される添加助材を加えること
がより効果的である。
【0018】第5発明は第1から第4発明で行う処理装
置に関するもので、内部の処理物が円周頂部に至る前に
自由落下する回転速度以下で回転する円筒ドラム内部を
予備混合部、撹拌混合部、熟成混合部に機能区分し、更
に円筒ドラムの中心軸付近に1乃至3本の回転軸を貫通
させ、その回転軸に各機能区分毎に形の異なる又は同形
状の撹拌羽根を取り付け、その軸を羽根の周速がドラム
内部で自由落下する処理物の落下速度を上回る速度で回
転するよう構成し、円筒ドラムの一方より未処理物を投
入し、他方より処理物を取り出すようにしたことを特徴
とするものである。
【0019】即ち、予備混合部には材料の持ち上げより
も材料にせん断と転動力を与える傾斜リフタ、撹拌混合
部には後述する撹拌・解砕羽根と処理物との接触を補助
するよう材料持ち上げのための水平リフタ、熟成混合部
には処理物のドラム内滞留時間を延長し、かつ処理物性
状の均一化が図れるよう材料の排出方向への送り作用羽
根と戻し作用羽根とを混在させたものとした。更に円筒
ドラムの断面中心部付近には材料の撹拌・解砕を行うた
めの羽根を取り付けた高速回転軸が1乃至3本貫通して
いる。羽根は軸の周囲に螺旋状に複数本取り付けられて
いるが、軸への取付はピン固定に代表される自在取付と
し、軸の回転に伴う遠心力で軸心に対し放射状をなして
回転する構造である。また、この羽根は回転ドラムの機
能区分に適合するよう羽根の形状は考慮されているが、
その取付密度は、概ね予備混合部から熟成混合部に向か
い密になるよう構成するのが好ましい。
【0020】
【作用】水分を含む含油廃棄物に生石灰又は酸化カルシ
ウムを混合すると次の化学反応により水分の結合と発熱
による水分蒸発が生じ、更に反応過程で元の生石灰に比
較し大幅な表面積を持つ粉体の水酸化カルシウムになる
ことが知られている。 CaO+H2O→Ca(OH)2+15.59Kcal/mol 一般に泥状廃棄物を石灰などで処理するときは処理後の
発熱や、取扱いの利便性のため処理物に適当な水分が残
存する量の石灰を使用するが、本発明においては当量で
水分を結合するに要する量以上の石灰を添加するため、
上記の化学反応は完全に成立していないで、未反応であ
るが粉化した酸化カルシウムと反応後生成した微粉の水
酸化カルシウムが混在した状態となっており、この酸化
カルシウムや水酸化カルシウムが含油廃棄物中の油分な
どを吸収固定した状態を作りだしている。
【0021】この予備処理物の段階では含油廃棄物中に
含まれる油分は酸化カルシウムや水酸化カルシウムの粉
末に吸収固定されているに過ぎないが、第3発明の段階
で混合する泥状廃棄物や廃棄土壌には一般的に30〜150
%含水比の水分を含んでおり、ここで前段階で未水和反
応状態で油分を吸収している粉末酸化カルシウムは混合
された処理物に含まれる水分によって表面積を増大した
微粉の水酸化カルシウムに変質し、更に、この時再処理
のため添加された石灰の作用により混合された油分を含
まない泥状物との強固な凝集体を形成する。
【0022】このように処理された泥状物や廃棄土壌は
短期的には含有する水分を第2発明の項で説明した化学
反応によって失い処理物の含水比低下、含まれる土粒子
周囲のイオン交換などによる粒子の団粒化等によって土
質的物性が改善された後、更に長期間に亘ってポゾラン
反応が進行し、遊離しているカルシウム成分及びポゾラ
ン化したカルシウム成分等の炭酸化反応により土質的な
安定が図られ、含油廃棄物はより油分溶出等の無い状態
になる。
【0023】粉体や粒状を呈する物質と、泥状を呈する
物質を混合するときには一般に固定されたケースの中に
緩やかに回転するパドルを取り付けたパドルミル、又は
パグミルと呼ばれる装置や、緩やかに回転する円筒ドラ
ム内に処理物を持ち上げるリフタや混合のための羽根を
取り付けたドラムミキサー等と呼ばれる装置を用いて実
施するが、これらの装置を使用した場合はその処理中に
混練作用が発生し処理物の粘性を高めてしまうばかりで
なく、その結果混合の不均一や処理物相互の付着等によ
る粘結粗大化を発生してしまい本発明の成果を得ること
は困難となる。
【0024】ところが、第5発明の含油廃棄物処理装置
では処理物を持ち上げるため緩やかに回転する円筒ドラ
ム内を機能的に予備混合、撹拌混合、熟成混合のブロッ
クに機能毎に区分し、ドラム内面にはそれぞれの区分に
応じたリフタや羽根を取り付けている。すなわち、予備
混合部のスクリュー状の羽根は材料の持ち上げよりも材
料にせん断と転動力を与え、撹拌混合部のリフタは撹拌
・解砕羽根と処理物との接触を補助するよう材料を持ち
上げ、熟成混合部の送り作用羽根と戻し作用羽根とは処
理物のドラム内滞留時間を延長し、かつ、処理物性状の
均一化を図る。更に円筒ドラムの断面中心部付近に設け
られた高速回転軸には軸の周囲に螺旋状に複数本の羽根
が取り付けられ、軸の回転に伴う遠心力で軸心に対し放
射状をなして回転する。含油廃棄物等の材料は円筒ドラ
ムの一端より第2発明の処理物及び第3発明に掛かる各
処理材料を目的とする混合率になるよう同時に投入さ
れ、ドラム内部で処理されながら他の一端側へ移動し、
本発明に掛かる処理が終了した形で排出される。
【0025】本発明において処理物と石灰などを混練す
ることなく、油分粒子・泥状又は土壌粒子・石灰などの
粒子が相互接触するよう撹拌混合することは非常に重要
な操作となり、特に第3発明の処理においてはその処理
効果の有無を左右してしまうといっても過言ではない。
第2発明の処理においても第5発明の処理装置を使用し
混合することが好ましいが、この段階では石灰の配合量
が水分結合のための当量以上に配合されており、また、
その結果、一般に処理物は乾燥した粉末状、油分含有量
が著しく高い場合は時としてペースト状を呈しているた
め特にその混合処理は困難でなく、この段階における処
理には必ずしも本発明の装置の効果を必要とするもので
はない。
【0026】
【実施例】以下本発明を適用した実施例について説明す
る。 実施例1 図1に本発明を実施可能とした一連のシステム構成を示
す。図において、ホッパ11に貯蔵された油分を含む泥状
物(油分48.8%,水分22.9%,固形分28.3%)200kgを、他
のホッパ13に貯蔵されている石灰配合材(生石灰100%)8
0kgと共に輸送機12,14で予備混合機15に投入して、未反
応石灰分が残存するように予備処理物とした。
【0027】ここで使用した予備混合機は後に詳述する
図2,3に示す本発明中の第5発明に係る装置である
が、必要に応じて従来から使用されている各種の混合機
を使用してもシステム全体の処理効果に重大な支障を与
えるものではない。
【0028】処理の過程で発生する蒸発水分や他の蒸発
成分は一次除塵機17で飛沫同伴した浮遊処理物を回収し
た後、排気装置27により吸引される。過剰の生石灰を含
む予備処理物は輸送機16,18によりホッパ19へ搬送され
貯蔵される。
【0029】油分等を含まない泥状物や廃棄土壌(固形
分43.5%,水分56.5%)500kgはホッパ20へ貯蔵してお
り、これらは他のホッパ22へ貯蔵されている石灰系物質
(生石灰100%)30kgと共に輸送機21,23により本発明の第
5発明に係る廃棄物処理装置24へ投入し、最終的な処理
を行なった。予備処理の段階同様に浮遊処理物は一次除
塵機26により回収され、処理済み物と併せ輸送機25によ
り処理物置場30へ輸送される。蒸発成分などは排気装置
27により吸引され、二次汚染防止のための最終除塵機28
を経て煙突31より大気中へ放散される。また、処理物中
に含まれる成分のため蒸発物などに臭気を伴う場合は、
放散前に脱臭・減温器29を通過させることで脱臭気し、
その後に煙突31へ送り込む。以上の含油廃棄物の処理法
を図5に流れ図で示した。
【0030】実施例2 図1のシステムは本発明に係る処理を一貫したプロセス
で行うこととしているが、処理物の性状等、ケースによ
ってはホッパ13から輸送機18の設備を省略して行うこと
もできる。この場合、輸送機12の排出口が直接に廃棄物
処理装置24へ接続されるように配置し、ホッパ11の未処
理物とホッパ22の生石灰を処理装置24へ前記実施例と同
様な配合比となるよう投入し、その処理物をホッパ19へ
貯蔵することとした。一定量貯蔵の後ホッパ11からの投
入を中止し、次にホッパ19とホッパ20及びホッパ22の生
石灰を廃棄物処理装置24へ投入し最終的な処理を完了さ
せた。
【0031】本発明に係る含油廃棄物処理法は、油分な
どを含む泥状廃棄物の処理のみでなく、各種土木工事な
どにより発生する残土や埋め戻し用土等の土質改良にも
効果的な作用を発揮する。この場合は図1のシステム中
のホッパ20に対象土壌などを投入し以後のプロセスを用
いて処理することで充分である。
【0032】図2、図3に本発明の廃棄物処理装置を示
す。この装置は内部の処理物が円周頂部に至る前に自由
落下する回転速度以下で緩やかに回転する円筒ドラム2
の内部を予備混合部A、撹拌混合部B、熟成混合部Cに
機能毎に区分し、更に円筒ドラム2の中心に回転軸3を
貫通させ、その回転軸3にピン固定金物34を設け、羽根
板固定ピン33によって撹拌羽根4を自在型に取り付け、
その回転軸を羽根4が遠心力で放射状になる速度で回転
するようにしている。撹拌羽根4はこの例では総て同じ
形状であるが、予備混合部A、撹拌混合部B、熟成混合
部Cの機能毎に形状を変えてもよい。また、撹拌羽根の
羽根板は通常回転軸の軸方向に対して直角をなすように
取り付けるが、材料の進行速度を早くしたいときには、
直角でなくいくらかの角度を付けて取付けると材料を撹
拌すると同時に進行方向へ飛ばすこともできる。(図4
は直角に取付けた例である。)撹拌羽根の取付密度は、
概ね予備混合部から熟成混合部に向かい密になるよう構
成している。円筒ドラム2の一方に未処理物の投入口1
があり、他方に処理物の取出口6及び上方に廃棄取出口
5がある。円筒ドラム2の内壁には、予備混合部A、撹
拌混合部B、熟成混合部Cの機能毎にそれぞれ断面L形
の予備混合部用傾斜リフタ7、断面L形の撹拌混合部用
水平リフタ8、断面T形の熟成混合部用送り及び戻し作
用リフタ9をそれぞれ設けている。
【0033】前記のような土壌(もちろん廃棄物の場合
も同様だが)には一般的に粘結粗大化した土壌や岩石を
含むが、図2、図3に示す本発明の廃棄物処理装置で
は、内部に混合・解砕を目的とした羽根4を有している
ので粗大化土壌等は全く問題なく処理可能である。ま
た、岩石などを含む場合は羽根4と回転軸3とがピン構
造などの自在固定を採用すれば、円周方向に拘束されて
おらずこれも問題とはならない。すなわち、岩石と回転
体との衝突による羽根4の破損もなく、岩石に付着した
土壌などは剥離され完全に処理される結果を得ることが
できる。
【0034】
【発明の効果】本発明による含油廃棄物の処理法によれ
ば、従来大部分が泥状であるにも拘らず油分を含むため
埋立投棄などの処分が不可能であった含油廃棄物、さら
には油分を除去するため遠心分離処置を行った結果排出
される含油スラッジ等を、経済的にまた、確実に処理す
ることが可能となる。その処理物は他の材料と分離困難
な状態にまで結合処理されているため、油分や他の成分
が流水や雨水に長期間溶出する事を不可能にしているば
かりでなく、従来埋立投棄にしか頼ることが出来なかっ
たものを建設用土等にも適用できるほどに、その性質を
改善している。また、処理物には石灰系物質と高温雰囲
気で燃焼可能な捕捉油分を包含しており、石炭焚ボイラ
ー等の助燃・排煙脱硫剤としても有効に使用できる。従
って本発明は各種の産業界より発生する含油廃棄物の再
資源化の道を開くと共に、環境に好ましくない含油廃棄
物質等の投棄による自然破壊防止の面に効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の含油廃棄物の処理工程配置図である。
【図2】廃棄物処理装置の断面図である。
【図3】図2中X−X部断面図である。
【図4】廃棄物処理装置内部の回転軸と撹拌羽根の自在
型取付状態の(a)は正面図と(b)は断面図である。
【図5】含油廃棄物の処理法の流れ図である。
【符号の説明】
1 処理物投入口 2 回転ドラム 3 回転軸 4 撹拌・解砕羽根 5 廃棄取出口 6 処理物取出口 7 予備混合部用傾斜リフタ 8 撹拌混合部用水平リフタ 9 熟成混合部用送り及び戻し作用リフタ 10 処理物排出用バケットリフタ 11 油分を含む未処理物ホッパ 12 輸送機 13 石灰系物質のホッパ 14 輸送機 15 予備混合機 16 輸送機 17 除塵機 18 輸送機 19 油分を含む処理物ホッパ 20 油分を含まない未処理物ホッパ 21 輸送機 22 石灰系物質のホッパ 23 輸送機 24 廃棄物処理装置 25 輸送機 26 除塵機 27 排気装置 28 除塵機 29 脱臭・減温器 30 処理物置場 31 煙突 33 羽根板固定ピン 34 ピン固定金物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B09B 3/00 C02F 11/14 ZAB C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油分を含む廃棄物又は廃油を予め石灰と
    混合して予備処理物とし、その後油分を含まない廃棄物
    又は廃棄土壌と混合しながら更に石灰を配合し、混合処
    理物として処理する含油廃棄物処理法。
  2. 【請求項2】 油分を含む廃棄物又は廃油を予め石灰処
    理するに際し、その石灰が生石灰又は酸化カルシウム分
    を50重量%以上含む石灰系物質であり、その配合量が処
    理前の含油廃棄物に含まれる水分を当量で結合してしま
    う量以上か、又は含油廃棄物に含まれる油分の量以上の
    いずれか多い配合で予備処理物とする含油廃棄物処理
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の予め石灰と混合された油
    分を含む廃棄物又は廃油からなる予備処理物を、その後
    油分を含まない廃棄物又は廃棄土壌と混合し石灰処理す
    るに際し、油分を含まない廃棄物中の水分量が、予備処
    理時の水分結合当量以上に配合された石灰系物質と結合
    する当量の水分量以上になるような予備処理物と混合物
    との混合比とした含油廃棄物処理法。
  4. 【請求項4】 予め石灰と混合された油分を含む廃棄物
    又は廃油を、その後油分を含まない廃棄物又は廃棄土壌
    と混合し石灰処理するに際し、その処理用石灰が生石灰
    又は酸化カルシウム分を50重量%以上含む石灰系物質で
    あり、その配合量が処理前の混合処理物に含まれる水分
    を当量で結合してしまう量以下である含油廃棄物処理
    法。
  5. 【請求項5】 内部の処理物が円周頂部に至る前に自由
    落下する回転速度以下で回転する円筒ドラム内部を予備
    混合部、撹拌混合部、熟成混合部に機能区分し、更に円
    筒ドラムの中心軸付近に1乃至3本の回転軸を貫通さ
    せ、その回転軸に各機能区分毎に形の異なる又は同形状
    の撹拌羽根を取り付け、その軸を羽根の周速がドラム内
    部で自由落下する処理物の落下速度を上回る速度で回転
    するよう構成し、円筒ドラムの一方より未処理物を投入
    し他方より処理物を取り出すようにしてなる含油廃棄物
    処理装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001049693A (ja) * 1999-08-13 2001-02-20 Maruishi Kk 掘削土リサイクルプラント
JP2008055410A (ja) * 2006-08-02 2008-03-13 Jdc Corp 揮発性物質除去方法及び装置
JP2015504360A (ja) * 2011-11-17 2015-02-12 ドン ベ,ヒ 生ごみ廃水内の浮上油脂類の凝固方法
JP2018058014A (ja) * 2016-10-04 2018-04-12 鹿島建設株式会社 ミキサ及び被処理物の改質方法

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