JPH083830A - ワインダのパッケージ品質管理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各巻取ユニットにおいてパッケージの検査が
自動的にできる自動ワインダの品質管理装置を提供す
る。 【構成】 パッケージＰを巻き形成する巻取ユニット１
０２を多数並列に配置してなる自動ワインダのパッケー
ジ品質管理装置であって、前記巻取ユニット１０２に沿
って走行自在な走行体１０６と、該走行体１０６に設け
られ前記巻取ユニット１０２から玉揚されるパッケージ
Ｐの所定の品質情報を検出するセンサ手段と、本体に設
けられ検出された前記品質情報を評価する判断手段２と
を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ワインダのパッケージ
の品質管理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来は、ワインダで巻き取られたパッケ
ージは、玉揚後、後工程への搬送コンベアの途中で品質
を検査されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このため、品質不良品
を発見した場合、その不良の原因が特定の巻取ユニット
にある場合でも、巻取ユニットの錘Ｎｏ．を特定でき
ず、処置が遅れ、不良生産数が多くなるという問題点が
あった。

【０００４】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、各巻取ユニットにおいてパッケージの検査が自
動的にできるワインダの品質管理装置を提供することに
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明におけるワインダのパッケージ品質管理装置
は、パッケージを巻き形成する巻取ユニットを多数並列
に配置してなるワインダのパッケージ品質管理装置であ
って、前記巻取ユニットに沿って走行自在な走行体と、
該走行体に設けられ前記巻取ユニットから玉揚されるパ
ッケージの所定の品質情報を検出するセンサ手段と、本
体に設けられ検出された前記品質情報を評価する判断手
段とを有するものである。

【０００６】また、前記判断手段は、巻取ユニットに対
応させて前記品質情報の蓄積及び／又は該品質情報に基
づく当該パッケージの良否判定を行い、これらの結果を
出力可能とすることもできる。

【０００７】また、前記走行体は玉揚装置とすることも
できる。

【０００８】

【作用】走行体に設けたセンサ手段が巻取ユニットから
玉揚されるパッケージの所定の品質情報を検出し、この
品質情報を本体に設けられた判断手段が評価する。これ
により各巻取ユニットのパッケージの検査が自動的に行
われ、かつ不良が発生した場合に巻取ユニット毎にすぐ
処置することができる。また、センサ手段を走行体に設
けるので、一つのセンサ手段で多数の巻取ユニットを検
査することができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
つつ説明する。まず第１実施例を図１乃至図４に基づき
説明する。本実施例はパッケージの綾落ちの有無を検査
する場合の構成を示すものである。図１は本発明の自動
ワインダの品質管理装置の構成を示す機器配置図、図２
は巻取ユニット及び玉揚装置の概要を示す側面図、図３
は玉揚装置の要部の構造及び作動を示す側面図、図４は
綾落ち有無の検査動作を示す模式図である。

【００１０】図１は自動ワインダの１つの機台（本体）
を示す図であり、１０２は多数並列に配置された巻取ユ
ニット、１３０は該巻取ユニット１０２に設置されたク
リアラー、２は制御装置、６は連続自動ボビン供給装
置、１０６は玉揚装置、１０４は玉揚されたパッケージ
Ｐが排出される排出コンベア、１３１は該排出コンベア
１０４から排出されたパッケージＰを後の工程へ送出す
る搬送コンベアである。制御装置２はＣＰＵからなる演
算部３、液晶表示装置５、アラーム７等を備えている。
玉揚装置１０６はケーブルｆで演算部３に接続され、演
算部３は中央制御装置４に接続されている。クリアラー
１３０は制御装置２に接続されている。パッケージＰの
糸の品質に関するデータは糸ムラ等の内層データと綾落
ち、バルジ、端面落ち等の外層データに分類されるが、
このうち内層データをクリアラー１３０が収集し、外層
データを玉揚装置の後述のセンサ手段が収集するように
なっている。これらの内層及び外層データはともに制御
装置に２に入力され、演算部３で処理されて各錘（巻取
ユニット）毎に記憶され、保全データとされる。また、
これらのデータは品質管理情報として表示装置５に表示
され、必要に応じてアラーム７により警告がなされ、さ
らに、中央制御装置４に送られて適宜処理され表示等さ
れる。また、搬送コンベア１３１では、制御装置２に連
動する図示されない振り分け手段により、パッケージＰ
は、まず良品と不良品とに振り分けられ、不良品はさら
に内層不良品と外層不良品とに振り分けられるようにな
っている。

【００１１】つぎに、図２及び図３により巻取ユニット
及び玉揚装置の構成を説明する。図２において、１０１
は自動ワインダの機台、１０２は機台１０１上に並列設
置された巻取ユニット、１０３は各錘毎の紙管ボック
ス、１０４は自動ワインダ背面に沿って設置された排出
コンベア、１０５は自動ワインダ上部に設置されたレー
ル、１０６はレール１０５により自動ワインダに沿って
走行自在な玉揚装置、１１３は精紡ボビン、１１４はシ
ーケンス回路からなる巻取ユニットの制御回路である。
巻取ユニット１０２は精紡ボビン１１３に巻かれた糸Ｙ
を紙管Ｂに巻き取り、より大きなパッケージＰとするも
のである。この巻取ユニット１０２の送り出し側は、精
紡ボビン１１３が、機台１０１の端に設置された図１の
連続自動ボビン供給装置６から自動的に供給され、糸の
接続、糸欠陥の除去等が制御回路１１４によって自動的
に行われる。なお、１２５はスラブキャッチャ、１２６
は糸継ぎ装置、１２７はテンサ、１２８はテンサモータ
である。

【００１２】図３において、玉揚装置１０６の上部には
下方に展開可能な３枚のＵ字状のスライド板１０ａ、１
０、１０ｃからなる側面シャッタ１０が３方の側面の内
側に沿って収納され、また下部には水平方向に進退自在
な底面シャッタ１２が底面に沿って収納されている（２
点鎖線）。さらに、パッケージＰとの対向部に該パッケ
ージＰに向けてハロゲンランプ等の光源１４とＣＣＤカ
メラ等のＣＣＤラインセンサ１５が配設され、該ＣＣＤ
ラインセンサ１５は図１の制御装置２の演算部３に接続
されている。なお、玉揚装置１０６は、この他、図示さ
れないスプライサー、図２のテンサ部１２７等の風綿の
溜まり易い箇所を圧空エアを吹きつける（又はサクショ
ンで吸引する）等によって部分的に集中クリーニングす
る手段（図示せず）を備えている。

【００１３】つぎに、パッケージＰの玉揚と綾落ち有無
の自動検査の動作を図２乃至図４により説明する。図２
において、パッケージＰ巻取後の玉揚と綾落ち有無の自
動検査は玉揚装置１０６の独立した以下の一連の動作に
より行われる。特定の巻取ユニット１０２がパッケージ
Ｐを巻き終わると、巻き取りを中断してグリーンランプ
１１１が点灯する。玉揚装置１０６は全ユニットの間を
往復走行しており、その途中でグリーンランプ１１１の
点灯を検出するとその錘で停止する。そして、糸Ｙの糸
拾いを行う。つぎに、カッターが糸Ｙを切断するととも
にボビン側の糸Ｙを保持する。

【００１４】つぎに、図３において、側面シャッタ１０
の３枚のＵ字状の板１０ａ、１０ｂ、１０ｃが矢印１１
で示すように１枚板状に展開降下してパッケージＰ、ク
レードルアーム１１０の３方の側面を覆う。つぎに底面
シャッタ１２が矢印１３で示すようにパッケージＰ付近
まで進出して底面を遮る。これによりパッケージＰは暗
室状態におかれる。

【００１５】つぎに、図４において、パッケージＰの綾
落ちの有無が検査されるが、ここで１９は光源による照
射光をパッケージＰ直径方向の長方形とするためのスリ
ット、１０７はバンチローラである。光源１４とＣＣＤ
ラインセンサ１５は平面角度で約４５°以内の位置に設
置されている。光源１４とスリット１９によりパッケー
ジＰの大径側端面２９に斜線で示される照射部分２０が
形成され、綾落ち糸１８における反射光がＣＣＤライン
センサ１５に入射する。バンチローラ１０７がパッケー
ジＰを一定の速度でゆっくり１回転させる。この間この
入射光による信号が図１の演算部３に入力されており、
演算部３はこの入射光の強弱から綾落ち糸１８の有無を
判断する。綾落ちが発見されると、検査動作を中止し、
図１のアラーム７を鳴らし、表示装置５に錘Ｎｏ．を表
示する。綾落ちが発見されない場合はつぎの動作に移行
する。

【００１６】つぎに、図３に戻り、前記検査が終了する
と、底面シャッタ１３、ついで側面シャッタ１０が元の
位置に復帰し、収納される。

【００１７】つぎに、図２に戻り、クレードルアーム１
１０を開けてパッケージＰを排出コンベア１０４に排出
させる。つぎに、ボックス１０３から紙管を把持しクレ
ードルアーム１１０へと運ぶ。つぎに、クレードルアー
ム１１０の間に糸Ｙを挟み、挟まれた糸Ｙをバンチ巻き
の位置まで寄せて、図４のバンチローラ１０７でバンチ
巻きを行う。そして、スタートボタン１１２を押して巻
取ユニット１０２をスタートさせる。なお、この玉揚作
業の間に上述のクリーニング手段によりスプライサ、テ
ンサ等の部分の風綿が除去されるので、これらの清掃作
業も周期的に自動的に行うことができる。

【００１８】なお、上記綾落ち検査で綾落ちが発見され
た場合、そのまま動作を続行し、不良品を排出コンベヤ
１０４に排出しないで、別途設けた外層不良品専用コン
ベヤに排出するように構成してもよい。また、不良品に
スタンプ等でその旨表示して排出コンベヤ１０４に排出
するよう構成してもよい。

【００１９】つぎに、上記検査データは図１の制御装置
２に巻取ユニットに対応させて蓄積される。また、これ
らの処理されたデータは中央制御装置４に送られて蓄積
されるとともに、表示、アウトプット等されて品質不良
の解析などに利用される。

【００２０】つぎに、端面落ちの有無を検査する場合の
構成である第２実施例を図５により説明する。図５は端
面落ちを示す外観図である。図５において、端面落ち２
１は、精紡管糸が巻き終わったり、糸切れが起こったり
した時に、糸端がボビンＢに巻きついたり、糸層の中に
入ったものである。機器等主な構成は第１実施例と同様
であり、本実施例では図４の光源１４を点線で図示する
ようにボビンＢの端部付近に照射するようにする点が異
なる。これにより端面落ちの有無を自動的に検査するこ
とができる。

【００２１】つぎに、バンチ巻きの有無を検査する場合
の構成である第３実施例を図６により説明する。図６は
バンチ巻きを示す外観図である。図６において、バンチ
巻き２２は、上述のようにパッケージの巻き始めに施さ
れるが、次工程での糸継に使用されるものである。機器
等主な構成は第１実施例と同様であり、本実施例では図
４の光源１４を点線で図示するようにボビンＢの大径端
部の胴面に照射するようにする点が異なる。これにより
バンチ巻きの有無を自動的に検査することができる。

【００２２】つぎに、バルジ巻きの有無を検査する場合
の構成である第４実施例を図７により説明する。図７は
バルジ巻きの状態及びセンサの配置を示す上面図であ
る。図７において、バルジ巻き２２は、巻径が大になる
につれてパッケージＰのドラムに対する接圧の増加等に
より、内部糸層が座屈して発生するものである。機器等
主な構成は第１実施例と同様であるが、本実施例では図
示するように、側面シャッタ１０ｃの光源１４の対向位
置にミラーＭを設け、パッケージＰの端面に径方向から
光源１４を照射してミラーＭで反射し、その影像がＣＣ
Ｄラインセンサ１５に入射するように構成した点が異な
る。図１の演算部３はこの入射信号からパターン認識を
行い、予め設定されたパターン（膨らみのないもの）と
比較してパッケージの良否を判断する。なお、図では説
明の簡単のためパッケージＰの小径側についてのみ示す
が、大径側も同様である。これによりバルジ巻きの有無
を自動的に検査することができる。

【００２３】つぎに、パッケージの重量を検査する場合
の構成である第５実施例を図８により説明する。図８は
パッケージの重量検査を示す側面図である。図８におい
て、図３と異なる点は、玉揚装置１０６に、シャッタ１
０、１２、ＣＣＤラインセンサ１５等に代えて、パッケ
ージ重量検出ユニット２４が設置されている点である。
パッケージ重量検出ユニット２４は可動部材２５、該可
動部材２５に軸３０で回転自在に軸支されるレバー２
６、前記可動部材２５に設けられレバー２６の下方回転
力を検出する圧力センサ２７で構成され、圧力センサ２
７は図１の演算部３に接続されている。二点鎖線が待機
位置、実線が作動位置を示す。なお、図では説明の簡単
のためパッケージＰの片側についてのみ示すが、反対側
も同様の構成となっている。玉揚装置１０６がその錘の
前で停止して糸を拾い、カッターが糸を切断するととも
に下方の糸Ｙを保持する点までは図３と同様である。つ
ぎに、クレードルアーム１１０を開けると、検出ユニッ
ト２４が待機位置から矢印２８で示すように、まず下降
し、ついで前進して二点鎖線で示すようにパッケージＰ
のボビンＢの下面を保持し、つぎに上方に移動する（矢
印２８）。すると、圧力センサ２７がレバー２６の回転
力を検出し、制御装置の演算部がこれを重量に換算して
設定値と比較し、良否を判定する。良品であれば、レバ
ー２６はパッケージＰを元の位置に降ろした後、待機位
置に復帰する。つぎに、パッケージＰを排出コンベア１
０４に排出させる。以降の動作及びパッケージが不良品
である場合の動作は図３の場合と同様である。これによ
りパッケージＰの重量を自動的に検査することができ
る。

【００２４】なお、上述の実施例では、走行体を玉揚装
置とした場合を説明したが、これを別個の専用台車とす
ることもできる。また、上述の実施例では、パッケージ
の品質を個別に検査する場合を説明したが、これらの一
部又は全部を同時に実施することもできる。

【００２５】

【発明の効果】本発明のパッケージ品質管理装置は上述
のように、巻取ユニットに沿って走行自在な走行体と、
該走行体に設けられ巻取ユニットから玉揚されるパッケ
ージの所定の品質情報を検出するセンサ手段と、この品
質情報を評価する判断手段とを有するものであるので、
各巻取ユニットのパッケージの検査が自動的に行われ、
かつ不良が発生した場合に巻取ユニット毎にすぐ処置す
ることが可能であり、不良糸の生産を少なくできる。ま
た、センサ手段を走行体に設けるので、一つのセンサ手
段で多数の巻取ユニットを検査することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例のワインダの品質管理装置
の構成を示す機器配置図である。

【図２】巻取ユニット及び玉揚装置の概要を示す側面図
である。

【図３】玉揚装置の要部の構造及び作動を示す側面図で
ある。

【図４】綾落ち有無の検査動作を示す模式図である。

【図５】本発明の第２実施例の端面落ち有無の検査概要
を示す模式図である。

【図６】本発明の第３実施例のバンチ巻き有無の検査概
要を示す模式図である。

【図７】本発明の第４実施例のバルジ巻き有無の検査概
要を示す模式図である。

【図８】本発明の第５実施例の構成及びパッケージ重量
検査の動作を示す側面図である。

【符号の説明】

Ｐ パッケージ ２ 制御装置（判断手段） １４ 光源（センサ手段） １５ ＣＣＤラインセンサ（センサ手段） ２４ パッケージ重量検出ユニット（センサ手段） １０２ 巻取ユニット １０６ 玉揚装置（走行体）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パッケージを巻き形成する巻取ユニット
   を多数並列に配置してなるワインダのパッケージ品質管
   理装置であって、前記巻取ユニットに沿って走行自在な
   走行体と、該走行体に設けられ前記巻取ユニットから玉
   揚されるパッケージの所定の品質情報を検出するセンサ
   手段と、本体に設けられ検出された前記品質情報を評価
   する判断手段とを有するワインダのパッケージ品質管理
   装置。
2. 【請求項２】 前記判断手段は、巻取ユニットに対応さ
   せて前記品質情報の蓄積及び／又は該品質情報に基づく
   当該パッケージの良否判定を行い、これらの結果を出力
   可能としたものである請求項１記載のワインダの保全装
   置。
3. 【請求項３】 前記走行体は玉揚装置であり、玉揚時に
   センサ手段でパッケージの品質情報の検出を行う請求項
   １又は請求項２記載のパッケージ品質管理装置。