JPH083752A - 電磁誘導加熱式無電解めっき方法 - Google Patents

電磁誘導加熱式無電解めっき方法

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JPH083752A
JPH083752A JP13857094A JP13857094A JPH083752A JP H083752 A JPH083752 A JP H083752A JP 13857094 A JP13857094 A JP 13857094A JP 13857094 A JP13857094 A JP 13857094A JP H083752 A JPH083752 A JP H083752A
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plated
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plating solution
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Eiichi Torikai
栄一 鳥養
Naosuke Adachi
直祐 安達
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Abstract

(57)【要約】 【目的】めっき液を加熱することなく、導電性部分にの
み選択的に無電解めっきを行なう。 【構成】被めっき体を高周波電磁誘導加熱し得る位置に
設置したコイルに高周波電流を通電し、被めっき体の導
電性部分を高周波電磁誘導加熱しつつ、該導電性部分に
無電解めっきを行なうことを特徴とする電磁誘導加熱式
無電解めっき方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁誘導加熱式無電解
めっき方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】無電解めっきは、通常、金
属と還元剤が共存する溶液から、触媒活性を有する金属
上に目的とする金属を析出、成長させる方法である。
【0003】現在、無電解めっき液において、金属分と
しては、銅、ニッケル、コバルト、金、銀、パラジウ
ム、白金、ロジウム、ルテニウム等が用いられ、還元剤
としては、次亜リン酸塩、ホルマリン、グリオキシル
酸、ヒドラジン、ジメチルアミンボラン(DMAB)、
ホウ水素化物塩等が用いられており、錯化剤、安定化
剤、pH緩衝剤等と共に、それぞれの金属の析出のため
に適した配合として使用されている。
【0004】一般に、無電解めっきでは、めっき速度、
めっき被膜の物性、浴液の安定性等を考慮して、金属の
種類、使用目的等に応じてめっき条件が設定されてお
り、通常知られている浴温、pH値等は次の通りであ
る。
【0005】 金属の種類 温度 pH 金属の種類 温度 pH (℃) (℃) Cu 60-70 -12- 1) Pt -70- 10-11 2) Ni -90- 4-10 1) Pd 50-80 8-10 2) Co 70-80 -8- 1) Rh 70-80 11-12 3) Au 70-80 13 1) Ru 40-60 -12- 4) Ag 65-75 11-13 1) 1) 電気化学便覧 4版 p.384 昭和60年 丸善 2) 特公昭59−33667号 3) 特公昭59−34784号 4) 特公昭59−39504号 この様に、従来の無電解めっき液は、めっき時の液温が
比較的高温であり、通常、湯浴や投げ込みヒーターを用
いてめっき液全体を高温度に保持しているが、この様な
めっき液全体を加熱する方法では、加熱のために大きな
エネルギーが必要であり、また、高温でめっきを行なう
ために、めっき液の分解やめっき液中での副反応等が生
じやすく、浴組成の変化によりめっき被膜の物性が変化
しやすいという欠点がある。
【0006】近年、無電解めっきについて、これまでの
工業材料としての応用に加えて、SiC、TiN、Ti
C、PTFE等を共析させた複合めっき、複数の金属を
析出させる合金めっき等としての利用や各種の機能材料
としての応用が進められており、電子、医療産業などの
先端技術分野では、高分子物質、セラミックス材等の非
導電性材料に対して精密なめっきを行なうことや、小形
化された材料にめっきを行なうこと等が要求され、これ
らの要求に対応すべく貴金属を中心とした無電解めっき
が発達する傾向にある。
【0007】この様な精密かつ高度な技術の品質管理に
対応するには、これまでの浴液浸漬法を主とすると無電
解めっき方法では困難である。例えば、従来は、精密な
パターンを有するめっき被膜を形成するには、非めっき
部分にレジスト被膜を形成してめっきを行なう方法が一
般的であるが、通常用いられるレジスト被膜は耐アルカ
リ性が低いために、アルカリ性の強いめっき液を用いる
とレジスト被膜から溶出した成分によりめっき液が汚染
され、形成されるめっき被膜の物性が変化するという欠
点がある。また、前述したように、めっき液全体を加熱
する方法では、副反応やめっき液の分解による浴組成の
変化により、めっき被膜を一定の品質に管理することは
困難である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した如
き従来技術の問題点に鑑みて、鋭意研究を重ねた結果、
めっき槽の外周部にコイルを設置して該コイルに高周波
電流を通電しつつ無電解めっきする方法によれば、被め
っき体の導電性部分の表面層を選択的に高周波電磁誘導
加熱することができ、その結果、めっき液を加熱するこ
となく、導電性部分に無電解めっきを行なうことが可能
となることを見出し、ここに本発明を完成するに至っ
た。
【0009】即ち、本発明は、被めっき体を高周波電磁
誘導加熱し得る位置に設置したコイルに高周波電流を通
電し、被めっき体の導電性部分を高周波電磁誘導加熱し
つつ、該導電性部分に無電解めっきを行なうことを特徴
とする電磁誘導加熱式無電解めっき方法に係る。
【0010】本発明方法によれば、無電解めっき液中に
浸漬した被めっき体を高周波電磁誘導加熱することによ
り、被めっき体の導電性部分の表面が選択的に加熱さ
れ、めっき液を加熱することなく無電解めっきを行なう
ことが可能となる。
【0011】本発明方法において、高周波電磁誘導加熱
の方法としては、特に限定はなく、被めっき体の周囲に
配置したコイルに高周波電流を通電して、被めっき体の
導電性部分を高周波電磁誘導加熱できる方法であればい
かなる方法でもよい。電源装置としては、通常の高周波
誘導加熱に用いる各種の装置を用いることができ、例え
ば、サイリスタインバーター、トランジスタインバータ
ー、真空管発信器等の公知の電源装置を用いることがで
きる。コイルの形状も特に限定されず、通常の誘導加熱
装置に用いる各種のコイルを使用でき、例えば、単巻コ
イル、分割型単巻コイル、多巻コイル等のコイルを用い
ることができ、いずれも二重構造内部冷却式のものが好
ましい。
【0012】コイルの設置方法についても特に限定はな
く、被めっき体を高周波電磁誘導加熱できる位置にコイ
ルを配置すればよく、通常は、めっき槽の形状に応じ
て、めっき槽の外部であって、被めっき体を入れる位置
の周辺部に設置すればよいが、その他に、例えば、コー
ティング等により防食処理を施したコイルやそれ自体め
っき液に侵されにくいコイルについては、めっき槽の内
面部、又はめっき液中に設置することもできる。
【0013】誘導加熱に用いる高周波電源の周波数の範
囲は、通常の高周波誘導加熱と同様に、10〜500k
Hz程度とすればよく、好ましくは100〜500kH
z程度とすればよい。通常、導電体の表面電流の浸透深
さと高周波電源の周波数との関係は、同心円状の円柱を
例にとると、次式で表わされる。
【0014】
【数1】
【0015】本発明において、導電性部分の表面薄層の
みを加熱して、無電解めっきを効率よく進めるために
は、電流の浸透深さδ値を低くする条件、即ち、高周波
領域で通電することが好ましい。有効な周波数は上式か
ら判るように、磁性、抵抗値等によって異なり、例え
ば、(1)Fe、Ni、Co等の磁性金属では100k
Hz程度以下、(2)18−8ステンレス鋼、Ti、W
等の非磁性ではあるが抵抗率の大きい金属では100〜
200kHz程度、(3)Cu、Al、貴金属等の非磁
性で抵抗率の低い金属では100〜300kHz程度が
適当である。
【0016】また、電圧、電流、操作時間等は、被めっ
き体の表面積、比熱、伝熱ロス、コイル形状などの要素
により異なるが、通常、0.5〜1μm/分程度のめっ
き析出速度とするには、被めっき体の導電性部分の表面
積1cm2 当たり、0.2〜5kW程度、好ましくは
0.5〜1.0kW程度の電力とすればよい。
【0017】本発明方法では、被めっき体としては、高
周波誘導加熱により加熱可能な導電性を有するものであ
れば、いずれも用いることができ、形状も特に限定され
ない。特に、表面に薄厚の連続または非連続の導電性パ
ターンを有する被めっき体、例えば、Cu、Ni等によ
り導体回路を形成したガラスエポキシ樹脂、高分子物
質、セラミックス等の回路板;種々の目的で薄層金属を
描画したプレート状、円柱状等の基体;スクリーン印
刷、インクジェット等により、金、銀、白金、パラジウ
ム等のペーストを印刷し、熱分解して導電性パターンを
描画した基板;レーザー光を用いて導電性パターンを描
画した基板;CVD、スパッタリング等のドライプロセ
スで導電性薄膜パターンを形成した基板等については、
レジスト被膜を形成することなく、導電性部分にのみ無
電解めっき被膜を形成できる点で、本発明のめっき方法
は有用性が高い方法である。また、金属被膜をコーティ
ングした粉体、金属粉末等についても本発明の方法で容
易にめっき被膜を形成できる。また、非導電性の材料に
ついても、従来、触媒活性を有しない被めっき体に対す
る無電解めっきの前処理として行なわれている触媒金属
付与処理と同様の処理等により金属分を付着させること
によって、本発明方法による無電解めっきが可能とな
る。このような、金属分の付着方法としては、例えば、
いわゆるセンシタイジング−アクチベーター法、キャタ
リスト法等によりPd金属等を表面に付着させる方法等
がある。
【0018】以上説明した被めっき体の内で、CVD、
スパッタリング等で導電性薄膜パターンを形成した基
板、非導電性材料に金属分の付着処理を行なった被めっ
き体等については、導電性部分が薄膜であるために、初
期のめっき析出時間は遅いが、一旦析出層で被覆される
とめっき速度は大きく向上する。
【0019】本発明では、使用し得る無電解めっき液と
しては、特に限定はなく、通常の浸漬型の自己触媒方式
の無電解めっき液をいずれも用いることができる。
【0020】例えば、無電解Cuめっき液としては、ホ
ルマリン、グリオキシル酸等を還元剤とする公知の組成
のめっき液を使用でき、無電解Niめっき液及び無電解
Coめっき液としては、次亜リン酸塩、ジメチルアミン
ボラン等を還元剤とする公知の組成のめっき液を使用で
き、無電解金めっき液としては、いわゆるシアン型、亜
硫酸塩型等の公知の組成のめっき液を使用できる。P
t、Pd、Rh、Ru等の白金族金属の無電解めっき液
についても、各種の公知のめっき液、例えば、アンミン
錯イオン型のめっき液、アミン錯イオン型のめっき液等
を使用でき、具体例としては特公昭59−33667
号、特公昭59−34784号、特公昭59−3950
4号、表面技術 第42巻第11号 第1058頁乃至
第1129頁(1991)等に記載の浴液を挙げること
ができる。これらのめっき液の内で、次亜リン酸塩を還
元剤とする無電解Niめっき液及び無電解Coめっき液
めっき液については、析出層のリン含有量、磁気特性、
その他の物性に応じて、組成の使い分けが行なわれてい
るので、浴液の種類が多いが、通常の浸漬法では90℃
以上の高温でめっきが行なわれる場合が多く、この様な
高温型のめっき液については、本発明方法によれば比較
的低液温でめっきが可能になり、めっき液の老化が少な
くなる点で特に有用性が高い。また、シアン型の無電解
金めっき液については、従来は、有害廃液処理の問題が
あったが、本発明方法では比較的低液温でめっきを行な
うために、めっき液の老化が少なく、廃液処理量を減少
することができる。更に、シアン型の無電解金めっき液
は、アルカリ性が強いために、レジスト被膜を侵し易い
という問題点があったが、本発明方法によれば、レジス
ト被膜を形成することなく、導電金属部分のみを選択的
にめっきできるので、シアン型の無電解金めっき液を有
効に使用できる。
【0021】本発明のめっき方法では、使用するめっき
槽の形状は特に限定されず、被めっき体の形状に応じた
任意の形状のめっき槽を用いることができる。本発明で
は、被めっき体を高周波電磁誘導加熱できる位置にコイ
ルを設置した後、被めっき体をめっき液中に浸漬し、コ
イルに高周波電流を通電することによって、被めっき体
の導電性部分が高周波電磁誘導加熱されて、めっき反応
が進行する。被めっき体は、常法に従って、必要に応じ
て、脱脂、酸洗、水洗処理を行なった後、めっき液中に
入れればよい。めっき液は、特に加熱する必要はなく常
温で用いることができるが、通常の浸漬法において高温
に加熱して用いるめっき液、例えば、次亜リン酸塩を還
元剤とする無電解Niめっき液等では、通常の浸漬法に
おけるめっき液の浴液温度よりも40〜50℃程度低い
温度とすれば、めっき液の老化が早くなることなく、常
温の場合と比べてめっきの析出速度を向上させることが
できる。尚、本発明方法によるめっきを行なう際には、
めっき液の温度、組成等の均一性を保持するために、適
当な方法でめっき液を循環や撹拌しつつめっきを行なう
ことが好ましい。
【0022】本発明方法を再現性よく実施するための、
好ましいめっき装置の一例の断面図を図1に示す。図1
のめっき装置では、めっき槽1を取り巻くように単巻コ
イル2を配置し、コイル2の間のめっき液中に、被めっ
き体3を置き、循環ポンプ4により無電解めっき液を循
環させつつ、コイル2に高周波電流を通電して被めっき
体3を高周波電磁誘導加熱してめっきを行なう。めっき
液の組成、温度、流速等は、浴液分析管理装置5を用い
て自動管理し、めっき液の組成の変動に応じて、補給口
6から補給液を添加し、必要に応じて、めっき液の液温
が上昇し過ぎないように冷却器7により、めっき液の冷
却を行なう。
【0023】また、粉体を被めっき体とする場合の好ま
しいめっき装置の一例の断面図を図2に示す。図2のめ
っき装置では、流動床方式のめっき槽8を用い、これを
取り巻くように多巻コイル9を配置し、循環ポンプ10
により無電解めっき液を循環させて、めっき槽8中で被
めっき体である粉体を浮遊状態とし、コイル9に高周波
電流を通電して粉体の表面を高周波電磁誘導加熱してめ
っきを行なう。めっき液の組成、温度、流速等は、浴液
分析管理装置11を用いて自動管理し、めっき液の組成
の変動に応じて、補給口12から補給液を添加し、必要
に応じて、めっき液の液温が上昇し過ぎないように冷却
器13により、めっき液の冷却を行なう。めっき被膜が
形成された粉体は、めっき槽8の下部に設けた捕集器1
4で比重差分離して捕集することができ、被めっき体で
ある粉体はめっき槽8の上部の投入口15から添加する
ことによって連続的にめっきできる。
【0024】また、めっき被膜に粉体を共析させる複合
めっき方法では、例えば、図2に記載のめっき装置と同
様の流動床方式のめっき槽を用いて、共析させる粉体を
流動分散させながら、被めっき体を高周波電磁誘導加熱
すれば、粉体が共析した複合無電解めっき被膜を容易に
形成できる。
【0025】本発明のめっき方法によれば、無電解めっ
き液中に浸漬した被めっき体を高周波電磁誘導加熱する
ことにより、被めっき体の導電性部分の表面が選択的に
加熱され、めっき液の全体を加熱することなく無電解め
っきを行なうことができる。この様な方法によれば、め
っき液を高温に加熱する必要がないために、めっき液の
分解やめっき液中での副反応が生じ難く、めっき液の寿
命低下を防止できる。また、めっき金属の還元析出反応
の起きる導電性部分の表面部分が高温に加熱されるた
め、従来の浸漬法と比べてめっきの析出速度が向上し、
処理時間が短縮されて生産性の向上が図れる。また、従
来のめっき液を高温加熱するめっき方法では、分析管理
するためには、めっき液を冷却した後、分析することが
必要であったが、本発明の方法では、めっき液を常温付
近の温度で用いているために、めっき液の組成をその場
で分析して管理することが可能となり、冷却に要する時
間、コスト等を削減して、簡易な操作で正確な品質管理
ができる。また、高周波電磁誘導加熱により、導電性部
分のみを加熱できるため、その他の非導電性部分にレジ
スト被膜を形成することなく、選択的に導電性部分にの
みめっき被膜を形成でき、レジスト成分の溶出によるめ
っき液の汚染が生じることはなく、また、めっき液がレ
ジスト被膜の下に侵入して、導電性部分以外にめっきが
析出するいわゆるにじみ出しの現象も防止できる。
【0026】また、従来、被めっき体の表面部分を加熱
してめっきを行なう方法としては、アルゴンレーザー、
YAGレーザー等のレーザーを照射しつつのめっきを行
なう方法が知られていたが、レーザー照射は、広面積の
被めっき体への適用は困難であるのに対して、本発明方
法によれば広面積の被めっき体であっても、導電性部分
のみを容易に加熱できるので、広面積の被めっき体への
めっき方法としても有用である。
【0027】
【発明の効果】本発明方法によれば、下記のような効果
が奏される。
【0028】1.めっき液を加熱することなく無電解め
っきを行なうことができるために、めっき液の分解やめ
っき液中での副反応が生じ難く、めっき液の寿命を延長
できる。また、めっき液を冷却することなく分析管理で
き、簡易な操作で正確な品質管理ができる。
【0029】2.従来の浸漬法によるめっき法と比べ
て、めっき速度が大きく向上する。
【0030】3.レジスト被膜を形成することなく、導
電性部分にのみめっき被膜を形成できるので、レジスト
被膜の溶出によるめっき液の汚染がなく、アルカリタイ
プのめっき液も何等支障なく使用できる。
【0031】4.導電性パターンを有するセラミック
ス、ガラス、高分子材料等の導電性部分にのみ選択にめ
っきでき、また、広面積部分や粉体にも容易にめっきが
できる。
【0032】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0033】実施例1 めっき装置としては、図1と同様の構成のもの(20m
m×60mm×高さ300mmのめっき槽)を用い、電
源装置としては、10〜20kW、50〜400kHz
の高周波電源装置(近藤電子工業製)を用い、コイルと
しては、銅製の箱型単巻コイルを用いて、下記の方法
で、無電解めっきを行なった。
【0034】被めっき体としては、ガラス繊維強化エポ
キシ基板にレジスト法で銅の微細回路を作画したプリン
ト基板(50mm×100mm×2mm)を用い、常法
に従って、脱脂、酸洗、水洗処理を行なった後、塩化ニ
ッケル45g/l、塩化アンモニウム50g/l、クエ
ン酸ナトリウム100g/l及び次亜リン酸ナトリウム
11g/lを含有する無電解ニッケルめっき液中に浸漬
してめっきを行なった。めっき時の液温は40〜50℃
とし、めっき液のpHは8.5〜9.5とした。高周波
電源の電圧は10kV、電流は1.2Aとし、周波数
は、100kHzとした。
【0035】その結果、ガラス繊維強化エポキシ基板の
銅回路上にのみ選択的に、毎分0.5μmのめっき速度
で密着性のよいNiめっき被膜が形成された。これに対
して、従来の浸漬法でめっきを行なう場合には、1時間
当たり約10μmの速度でめっき被膜が形成され、本発
明の方法に比して非常に遅いめっき速度であった。
【0036】実施例2 実施例1と同様のめっき装置を用い、被めっき体として
は銅、ニッケルの順に微細回路を形成したアルミナ基板
(50mm×100mm×1.5mm)を用いて、常法
に従って、脱脂、酸洗、水洗処理を行なった後、無電解
金めっきを行なった。無電解金めっきとしては、下記の
亜硫酸型のめっき液、及びシアン型のめっき液をそれぞ
れ用いた。めっき液の組成及びめっき条件は下記の通り
である。
【0037】亜硫酸型無電解金めっき 亜硫酸金溶液(Auとして) 3g/l 亜硫酸ナトリウム 10g/l クエン酸 10g/l EDTA・2Na・2H2 O 10g/l pH 6.5〜7.0 温度 20〜30℃ 高周波電源 10kV、1A、周波数100kHz シアン型無電解金めっき NaAu(Cu)2 (Auとして) 4g/l NaCN 2g/l KOH 50g/l ジメチルアミンボラン 7g/l 添加剤 少量 pH 13〜13.5 温度 40℃ 高周波電源 10kV、1.2A、周波数100kH
z 亜硫酸型無電解金めっき及びシアン型無電解金めっきの
いずれを用いた場合にも、レジスト被膜を形成すること
なく、回路上にのみ選択性よく密着性の良好なめっき被
膜が形成され、にじみ出しが生じることはなかった。析
出速度は、亜硫酸型無電解金めっき液では、0.5μm
/30秒、シアン型無電解金めっき液では1μm/分で
あり、従来の浸漬法では1μmのめっき被膜の析出に3
0〜60分を要していたのと比べて非常に早いめっき速
度であった。
【0038】実施例3 めっき装置としては、図2と同様の構成の流動床式のも
のを用い、電源装置としては、実施例1と同様のものを
用い、コイルとしては、内部水冷式の蛇管型のものを用
いて、下記の方法で、無電解めっきを行なった。
【0039】被めっき体としては、ガラスビーズ(50
μm)の表面に、アクチベータ液、及びネオガント液
(いずれもシェーリング社製)を用いて、コロイド状の
パラジウム金属を還元析出により付着させた粉体を用
い、これを被めっき体の投入口15からめっき槽8に入
れ、実施例2で用いた亜硫酸型無電解金めっき液と同様
の組成のめっき液を、浴液温度が40℃付近となるよう
に空塔速度を調整して循環させ、1kV、1A、周波数
200kHzの高周波電流をコイルに通電して粉体を高
周波誘導加熱しつつ無電解金めっきを行ない、比重差分
離して0.01〜0.15μmの金めっき被膜が形成さ
れたビーズを得た。この方法によれば、投入口15から
被めっき体を投入して、連続操作によりめっき被膜を形
成できるので、バッチ方式の撹拌分散による無電解めっ
き方法と比べて効率よくめっきを行なうことができ、ま
た、めっき液の分解によるロスも非常に少なかった。
【0040】実施例4 1mmφ×100mmのタングステン棒10本を持具に
1列に取り付け、3%NaOHに90℃で3分間浸漬し
た後、水洗し、更にH2 SO4 20%水溶液に40℃で
2分間浸漬し水洗して前処理を行なった後、実施例1と
同様のめっき装置を用いてめっきを行なった。めっき液
としては、市販のシアン型無電解金めっき液(日本エレ
クトロプレイティングエンジニアーズ(株)製、レクト
ロレス4000)を用い、液温60℃でめっき液を循環
させ、10kV、1.2A、周波数200kHzの高周
波電流をコイルに通電して、被めっき体を高周波誘導加
熱しつつ無電解金めっきを行なった。その結果、1μm
/2分の速度で、付き回り、密着性が共に良好な金めっ
き被膜が形成され、めっき後の焼成処理は不要であっ
た。
【0041】実施例5 50mm×100mm×0.05mmのチタン板を被め
っき体とし、これを、脱脂、シュウ酸洗浄、水洗した
後、実施例1で用いた装置と同様の装置を用いて無電解
金めっきを行なった。めっき液組成及びめっき条件は下
記の通りとした。
【0042】 KAu(CN)2 (Auとして) 3g/l KCN 2g/l KOH 50g/l (HCOOH)2 1g/l ジメチルアミンボラン 7g/l 添加剤 少量 pH 13 温度 40〜50℃ 高周波電源 10kV、1.2A、周波数200kH
z その結果、毎分0.2μmの速度でめっき被膜が形成さ
れ、得られためっき被膜は、密着性、つきまわりが共に
良好であった。これに対して、高周波電流を通電するこ
となく、その他は同様の条件で、浸漬法によりめっきを
行なった場合には、めっき被膜を形成できなかった。
【0043】実施例6 50mm×100mm×0.5mmのチタン板を被めっ
き体とし、これを、脱脂、シュウ酸洗浄、水洗した後、
塩化白金酸のブタノール溶液(10%)を塗布して加熱
し、白金の薄膜を被覆した後、実施例1で用いた装置と
同様の装置を用いて無電解白金めっきを行なった。めっ
き液組成及びめっき条件は下記の通りである。
【0044】 [Pt(NH3 4 ]Cl2 ・H2 O(Ptとして) 1g/l NH4 OH(28%) 6ml/l NH2 OH・HCl(5%溶液) 60ml/l N2 4 ・H2 O(20%溶液) 30ml/l 温度 25℃ 高周波電源 10kV、1A、周波数100kHz その結果、毎分1μmの速度で白金めっき被膜が析出し
た。これに対して、従来の浸漬法では、65〜70℃に
加熱しためっき液を用いた場合であっても、3μmのめ
っき被膜の形成に約2時間を要し、本発明の方法に比し
て非常に遅いめっき速度であった。
【0045】実施例7 50mm×50mm×1mmのアルミナ基板にPdペー
スト(奥野製薬工業(株)製、キャタペーストCCP−
401OF)をスクリーン印刷し、120℃で10分間
加熱後、450〜600℃で10分間焼成して得た描画
板を被めっき体として、下記組成のめっき液中で無電解
Pdめっきを行なった。
【0046】 K2 [Pd(NO2 )4 ]2H2 O(Pdとして) 1g/l NH4 OH(28%) 6ml/l NH2 OH・HCl(5%溶液) 50ml/l N2 4 ・H2 O(20%溶液) 30ml/l めっき装置としては、実施例1と同様のものを用い、液
温30℃でコイルに12kV、1.2A、周波数200
kHzの高周波電流を通電し、被めっき体の導電性部分
を高周波誘導加熱しつつめっきを行なったところ、毎分
0.5μmのPd被膜が析出した。これに対して、従来
の浸漬法では、60℃に加熱しためっき液を用いた場合
であっても、析出速度は1時間当り1μmであり、本発
明の方法に比して非常に遅いめっき速度であった。
【0047】実施例8実施例7で用いたものと同様のP
d描画アルミナ基板を被めっき体として、下記組成のめ
っき液中で無電解Ruめっきを行なった。
【0048】 K2 [RuCl5 (NO)](Ruとして) 1g/l NH4 OH(1:1) 50ml/l NaOH(2N溶液) 30ml/l NH2 OH・HCl(5%溶液) 5ml/l N2 4 ・H2 O(20%溶液) 10ml/l めっき装置としては、実施例1と同様のものを用い、液
温30℃でコイルに12kV、1.2A、周波数200
kHzの高周波電流を通電し、被めっき体の導電性部分
を高周波誘導加熱しつつめっきを行なったところ、毎分
0.5μmのRuが析出した。これに対して、従来の浸
漬法では、60℃に加熱しためっき液を用いた場合であ
っても、析出速度は1時間当り1.5μmであり、本発
明の方法に比して非常に遅いめっき速度であった。
【0049】実施例9 直径10mm、長さ100mm、肉厚1.0mmのチタ
ン製パイプを被めっき体とし、これを脱脂、シュウ酸洗
浄、水洗した後、塩化ロジウム(III)のブタノール溶液
(10%)を塗布し加熱して、Ruの薄膜で被覆した
後、下記組成のめっき液中で無電解Rhめっきを行なっ
た。
【0050】 [Rh(NH3 6 ]Cl3 (Rhとして) 1g/l NH4 OH(28%) 30ml/l NH2 OH・HCl(5%溶液) 50ml/l N2 4 ・H2 O(20%溶液) 50ml/l めっき装置としては、実施例1と同様のものを用い、液
温30℃でコイルに10kV、1A、周波数100kH
zの高周波電流を通電し、被めっき体を高周波誘導加熱
しつつめっきを行なったところ、毎分1μmのRhめっ
き被膜が析出した。これに対して、従来の浸漬法では、
70〜80℃に加熱しためっき液を用いた場合であって
も、析出速度は1時間当り3μmであり、本発明の方法
に比して非常に遅いめっき速度であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明めっき方法を実施するためのめっき装置
の一例の断面図。
【図2】本発明めっき方法を実施するためのめっき装置
の一例の断面図。
【符号の説明】
1 めっき槽、2 単巻コイル、3 被めっき体、4
循環ポンプ、5 浴液分析管理装置、6 補給口、7
冷却器、8 流動床方式のめっき槽、9 多巻コイル、
10 循環ポンプ、11 浴液分析管理装置、12 補
給口、13 冷却器、14 捕集器、15 投入口。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被めっき体を高周波電磁誘導加熱し得る位
    置に設置したコイルに高周波電流を通電し、被めっき体
    の導電性部分を高周波電磁誘導加熱しつつ、該導電性部
    分に無電解めっきを行なうことを特徴とする電磁誘導加
    熱式無電解めっき方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006225744A (ja) * 2005-02-21 2006-08-31 Hitachi Maxell Ltd 機能性粒子及びその製造方法
JP2009511748A (ja) * 2005-10-13 2009-03-19 ヴェロシス インコーポレイテッド マイクロチャンネルにおける無電解めっき法
JP2009108337A (ja) * 2007-10-26 2009-05-21 Fujifilm Corp 無電解めっき方法、無電解めっき装置及び電磁波シールド材料

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