JPH0837511A - 双方向放送システムおよび受信システム - Google Patents

双方向放送システムおよび受信システム

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JPH0837511A
JPH0837511A JP6191885A JP19188594A JPH0837511A JP H0837511 A JPH0837511 A JP H0837511A JP 6191885 A JP6191885 A JP 6191885A JP 19188594 A JP19188594 A JP 19188594A JP H0837511 A JPH0837511 A JP H0837511A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価に実現でき、新たに接続ケーブルの配線
や引き回しが必要ない双方向放送システムおよび受信シ
ステムを提供することを目的とする。 【構成】 双方向番組に関連する情報を放送番組の主オ
ーディオ信号とは分離可能な状態で、かつ、受信側にお
いて可聴音として再生される状態で多重化した放送信号
を放送側より送信する。受信側では、上記放送信号を受
信して上記双方向番組に関連する情報を含む再生音声を
スピーカ11より放音する。このスピーカ11より放音
された音声を収音手段21により収音する。その収音音
声信号から上記双方向番組に関連する情報を抽出してデ
コード手段によりデコードする。このデコードした情報
を用いて、上記双方向番組に対する応答情報を通信回線
30Lを介して所定の返信先に送信する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、双方向番組に関連す
る情報を放送信号に多重化して提供し、受信側において
上記情報を活用して双方向番組に対する応答を行うよう
にする双方向放送システムおよび受信システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在クイズ番組、テレビショッピング、
アンケート調査など、放送番組において視聴者に対して
応答要求が提供され、その応答要求に対する応答が電話
やファクシミリを用いて、視聴者から放送側へ送信され
る視聴者参加型の放送番組が数多く提供されている。
【0003】このような、視聴者参加型の放送番組の場
合、従来、応答の返信先の電話番号などの情報は、放送
番組の中で映像やアナウンス音声により提供されてい
る。例えば、テレビ放送の場合には、スーパーインポー
ズなどを用いて返信先の電話番号を一定時間、画面に表
示させたり、番組の出演者がアナウンスすることにより
音声として提供したりする。また、ラジオ放送において
も、同様の番組が提供されている。
【0004】この場合、応答を行なおうとする視聴者
は、画面に表示されたり、音声により提供された、例え
ば、返信先の電話番号をメモしたり、暗記したりする必
要がある。あるいは、表示画像を静止させる、いわゆる
スチル機能を備えたテレビ受像機であれば、返信先の電
話番号が表示された画面を静止させ、静止させている間
に返信先の電話番号をメモしたり、あるいは、直接ダイ
ヤルしたりすることができる。
【0005】また、上述のような従来の視聴者参加型の
放送番組より、さらに進歩した、双方向放送が提案され
ている。
【0006】この双方向放送は、返信先の電話番号など
の双方向番組に関連する情報を、例えば文字放送番組デ
ータのように映像信号の垂直帰線期間内の所定の空きの
水平区間に重畳するなどの方法により、放送信号に多重
化して受信側に提供するものである。この場合、受信側
においては、受信した放送信号から双方向番組に関連す
る情報を抽出し、デコードしてメモリに一時貯えるなど
して、応答の返信時に、この情報を使用する。例えば、
デコーダして抽出した返信先電話番号を用いて自動ダイ
ヤルすることにより双方向番組に対する応答の送信を確
実に行なうことができる。このため、視聴者が、双方向
番組に関連する情報、例えば、返信先の電話番号などを
メモしたり、暗記したりする必要がない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述したよ
うな、電話やファクシミリにより、視聴者からの応答を
送信する視聴者参加型の番組の場合、返信先の電話番号
などの情報は、通常ごく短い時間しか放送されない。し
たがって、視聴者の中には、返信先の電話番号を完全に
メモしきれなかったり、あるいは、急いでメモしたため
に間違えてメモしたり、などということが起こる。
【0008】また、メモ用紙と筆記用具が準備できず
に、返信先の電話番号をメモすることができなかったと
いうことも起こる。また、スチル機能があるテレビ受像
機の場合でも、スチル機能を動作させようとしている間
に、返信先の電話番号の表示が終了してしまうなどとい
うこともある。
【0009】このように、正確な返信先の電話番号が視
聴者側で保持できないことは、間違い電話を誘発するこ
とにもつながる。
【0010】この点、前述した多重化方式によれば、双
方向番組に関連する情報を放送信号から抽出して、確実
に得ることができる。しかし、多重化情報のデコード回
路を備えた受信機が必要であるという問題がある。そし
て、NTSC、BS、CS、MUSE、AM/FMラジ
オなど各放送方式によって異なったデコード回路が必要
となるため、受信機が高額になる。視聴者にとって、こ
のような高価な双方向放送の受信機を用意することは、
大きな負担となる。
【0011】また、受信側には、上述のデコード回路を
備えた受信機とともに、受信機のデコード回路によりデ
コードされた双方向番組に関連する情報に基づいて、応
答情報を電話回線を介して放送側へ送信する通信装置が
必要である。この通信装置は、受信機に内蔵される場合
と受信機とは別体とされる場合がある。
【0012】この場合に、通信装置が、受信機に内蔵さ
れる場合には、電話回線を受信機に接続する必要がある
ため、電話線の延長、引き回しなどが必要となる問題が
ある。
【0013】そして、通信装置を受信機と別体にするこ
とが考えられるが、別体にした場合であっても、通信装
置は、受信機のデコード回路によりデコードされた双方
向番組に関連する情報である返信先の電話番号などの供
給を受けるため、受信機に接続されていなければなら
ず、受信機と通信装置とを接続するケーブルが必要であ
る。このため、受信機に通信装置が内蔵される場合と同
様に、配線が複雑になり、通信装置と受信装置が離れて
配設されたときには、両者を接続するケーブルの延長、
引き回しが必要となる。
【0014】このように、通信装置が受信機に内蔵され
る場合であっても、別体とされる場合であっても、電話
線、または接続ケーブルの配線が必要になり、簡単に双
方向番組を楽しむことができない。また不用意に電話
線、接続ケーブルが配線された場合には、ユーザーがケ
ーブルに足を引っかけるなどの問題を生じさせることに
もなる。
【0015】この発明は、以上の問題点を一掃すること
ができる双方向放送システムおよび受信システムを提供
することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段について、後述する実施例の参照符号を対応させ
て、この発明による双方向放送システムと受信システム
について説明する。
【0017】放送側より双方向番組に関連する情報を主
オーディオ信号に多重化して送信する。
【0018】受信側には、放送番組の受信再生手段10
と、この放送番組の受信再生手段10とは別体で通信回
線30Lに接続された双方向返信用装置20、30とを
設ける。
【0019】双方向返信用装置20、30は、放送番組
の受信再生手段10のスピーカ11よりの音声を収音す
る収音手段21と、この収音手段21の出力音声信号か
ら双方向番組に関連する情報を抽出してデコードするデ
コード手段22とを有している。また、デコード手段2
2によりデコードされた双方向番組に関連する情報を用
いて、双方向番組に対する応答情報を通信回線30Lを
介して送信する送信手段を備えている。
【0020】
【作用】放送番組の受信再生手段10は、双方向番組に
関連する情報が、主オーディオ信号に多重化された放送
信号を受信すると、当該放送番組を再生し、視聴者に提
供する。このとき、上記双方向番組に関連する情報は、
放送番組の受信再生手段10のスピーカ11より可聴音
として放音される。
【0021】双方向返信用装置20、30の収音手段2
1は、上記可聴音を収音し、デコード手段22に供給す
る。デコード手段22は、供給された音声信号から双方
向番組に関連する情報を抽出し、デコードする。
【0022】そして、上記デコードされた双方向番組に
関連する情報に基づいて、送信手段36が制御され、ユ
ーザーにより作成された応答情報が、通信回線30Lを
介して、放送側などの所定の返信先に送信される。
【0023】上記の構成のこの発明によれば、双方向番
組に関連する情報を双方向返信用装置20、30により
簡単かつ正確に把握することが可能となり、この把握さ
れた情報に基づいて、送信手段30を制御するため、確
実に応答情報を放送局側へ送信することができる。
【0024】双方向番組に関連する情報は、可聴音とし
て放送番組の受信再生手段10から双方向返信用装置2
0、30に提供されるため、受信再生手段10と双方向
返信用装置20、30とをケーブルにより接続する必要
もない。
【0025】
【実施例】以下にこの発明による双方向放送システムと
受信システムの一実施例について説明する。この例にお
いては、主オーディオ信号に多重化する情報は、DTM
F信号(Dual Tone Multi Frequ
ency信号)として多重化するものである。
【0026】まず、図3を参照しながら、DTMF信号
について説明する。
【0027】[DTMF信号]DTMF信号方式は、1
つは低周波数のグループ(低群)、そしてもう1つは高
周波数のグループ(高群)の2つのトーンを同時に送る
オーディオ帯域信号方式である。これらの低周波数及び
高周波数のグループの各々は、どの2つも調音の関係に
ない4つのオーディオ帯域周波数のトーンからなってい
る。
【0028】DTMF信号では、低群の4周波数は、例
えば、697Hz、770Hz、852Hz、941H
zとされ、高群の4周波数は、例えば、1209Hz、
1336Hz、1477Hz、1633Hzとされてい
る。そして、これら低群と高群の中のそれぞれ1周波数
ずつを組み合わせ、その組み合わせからなる各DTMF
信号(この各DTMF信号のそれぞれを、以下機能信号
という)を、図3に示すように、4行4列に配設された
プッシュボタン「0」〜「D」にそれぞれ割り付けられ
る。
【0029】電話通信では、DTMF信号の16の組み
合わせの機能信号のうち、単に12個が一般に加入者ア
ドレス(電話番号)の信号に用いられている。つまり、
電話機でいわゆるテンキーとして使用されている「0」
〜「9」の数字と、「*」や「#」の記号に対して、前
記の12個の組み合わせの機能信号が対応される。図3
に破線で示した「A」、「B」、「C」、「D」の文字
に対応する機能信号は、日本国内では一般には利用して
おらず、プッシュボタン(PB)ダイアルを利用したデ
ータ伝送に利用されているのみである。
【0030】このようなDTMF信号を使って電話番号
による回線選択を行なう場合、信号の送出条件は、図4
に示すように規定されている。
【0031】上述のような2周波数の組み合わせと送出
条件とによって、DTMF信号は、自然界では滅多に発
生しないものとなり、人の声などのような自然音と明確
に区別することができるので、通常の放送オーディオ信
号に多重(混声)して放送することができて、受信側で
の分離も比較的容易である。
【0032】ちなみに、DTMF信号は、多機能電話に
おいても利用されており、このためDTMF信号を、音
声信号から抽出してデコーダするDTMFデコーダは広
く普及しており、価格も比較的安価である。
【0033】[双方向番組に関連する情報の多重化]こ
の実施例の送信側、つまり放送局側においては、副放送
情報としての双方向番組情報の形成に当たって、上述の
ようにPB回線選択には使用されていない「A」、
「B」、「C」、「D」を意味する機能信号のうち、
「A」、「B」、「C」の機能信号は、双方向番組に関
連する情報の送信開始情報として用い、「D」の機能信
号は送信終了情報として用いる。
【0034】送信開始情報が3種類あるので、この例で
は、3種類の双方向番組に関連する情報を区別して送信
することができる。つまり、3種の双方向番組に関連す
る情報は、その種別ごとに、「A」、「B」、「C」の
機能信号のいずれかと、「D」の機能信号とで区切られ
て放送される。
【0035】例えば、双方向番組への応答アクセスに関
する情報、例えば返信先の電話番号(受付電話番号)、
伝送レートなどの情報は、「A」の機能信号を送信開始
情報とし、送信終了情報である「D」の機能信号との間
に送信される。また、同様に、例えば応答側の電話番号
の末尾制限や現在時刻設定などの環境設定に関する情報
は、「B」の機能信号と「D」の機能信号との間に、受
信データのクリアに関する情報は「C」の機能信号と
「D」の機能信号との間に、それぞれ挟まれた状態の信
号として多重化されて放送される。
【0036】そして、受信側においては、送信開始情報
としての「A」、「B」、「C」の機能信号のいずれか
と、送信終了情報としての「D」の機能信号とに挟まれ
た数値や記号データが双方向番組に関連する情報のデー
タ列(情報群)とみなされて、後述のように、メモリの
所定の格納域にそれぞれ区別されて保存される。
【0037】例えば、応答アクセスに関する情報とし
て、インタラクティブ(対話型)テレビジョン規格バー
ジョンが00の受信機に対して、受付電話番号0990
−1234−1234に、伝送レート300bpsでア
クセスを許可する場合は、副放送情報としての双方向番
組情報は、 00#0990*1234*1234 のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデ
ータ列が、「A」の機能信号と「D」の機能信号との間
に挟まれた状態で主放送オーディオ信号に多重化されて
送出される。ここで、データ列のうち、最初の00は、
インタラクティブ(対話型)テレビジョン規格バージョ
ンが00(伝送レート300bps)を示し、記号
「#」の後の数値データは受付電話番号である。
【0038】また、インタラクティブテレビジョン規格
バージョンが01の受信機に対し、電話番号0990−
1234−1235に、伝送レート1200bpsでア
クセスを許可する場合には、 01#0990*1234*1235 のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデ
ータ列が、「A」の機能信号と「D」の機能信号との間
に挟まれた状態で主放送オーディオ信号に多重化されて
送出される。ここで、データ列のうち、最初の01は、
インタラクティブ(対話型)テレビジョン規格バージョ
ンが01(伝送レート1200bps)を示し、記号
「#」の後の数値データは受付電話番号である。
【0039】なお、上述のような応答アクセスに関する
データ列では、記号「#」がセパレータ(個々のデータ
の区切り)を表わし、記号「*」がポーズを表わす。
【0040】環境設定に関する情報として、特定の電話
番号(加入者番号)を持った視聴者のみにアクセスを制
限する場合、例えば、電話番号末尾が0の番号のみにア
クセスを許可するときは、 0#0 のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデ
ータ列が、また、電話番号末尾が1の番号のみにアクセ
スを許可するときは、 0#1 のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデ
ータ列が、それぞれ、「B」の機能信号と「D」の機能
信号との間に挟まれた状態で主放送オーディオ信号に多
重化されて送出される。この場合、記号「#」の前の数
字「0」は、記号「#」の次の数字を、末尾として有す
る電話番号からのアクセスを許可することを意味する。
【0041】また、電話番号末尾が偶数の番号のみにア
クセスを許可するときは、 0#0*0#2*0#4*0#6*0#8 のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデ
ータ列が、「B」の機能信号と「D」の機能信号との間
に挟まれた状態で主放送オーディオ信号に多重化されて
送出される。ここでは、記号「*」は論理和を意味して
いる。
【0042】そして、受信データのクリアに関する情報
として、例えば、番号制限のクリアの場合は、 99#0 のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデ
ータ列が、「C」の機能信号と「D」の機能信号との間
に挟まれて送出され、また、受付電話番号のクリアの場
合には、 99#1 のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデ
ータ列が、「C」の機能信号と「D」の機能信号との間
に挟まれて送出される。
【0043】上述のように、電話回線の選択信号として
は使用されていない「A」、「B」、「C」、「D」の
機能信号を、双方向番組に関連する情報の送信開始情報
及び送信終了情報とすることによって、例えば、ドラマ
の電話をかけるシーンなどで、DTMF音が発信されて
も、番組関連情報と混同されることはない。また、双方
向番組に関連する情報を確実に送受することができる。
【0044】[受信システムの構成]次に、図を参照し
ながら、この発明による双方向放送システムおよび受信
システムについて説明する。
【0045】図1は、この発明による受信システムの一
実施例を示す概念図である。この例の受信システムは、
テレビジョン受信機10とリモコンコマンダ20とアダ
プタ装置30により形成されており、リモコンコマンダ
20とアダプタ装置30とは双方向返信用装置として機
能するものである。
【0046】テレビジョン受信機10は、テレビジョン
信号を受信して放送番組の映像と音声をユーザーに提供
する。
【0047】リモコンコマンダ20は、図2の外観図に
示すように、マイクロフォン21、リモコン信号の送信
部24、LCD(液晶ディスプレイ)25、機能ボタン
スイッチ(以下、単にボタンという)29a〜29e、
電源のオン・オフ・ボタンスイッチ(以下、単に電源ボ
タンという)20aを備えている。
【0048】リモコンコマンダ20において、電源ボタ
ン20aは、リモコンコマンダ20の未使用時にはマイ
クロフォン21により不必要に電力を消費しないように
するために、電源のオン・オフを切り換えるスイッチで
ある。
【0049】また、各機能ボタンのそれぞれは、以下の
ような機能を有するものである。受信ボタン29aは、
マイクロフォン21に収音動作を開始させるためのボタ
ンである。送信ボタン29bは、リモコンコマンダ20
において形成された情報をリモコン信号としてリモコン
信号の送信部24より送信を開始させるためのボタンで
ある。応答ボタン群29eは、0〜9、*、#の数字や
信号の入力のためのボタン群であり、この実施例の説明
では、0〜9、*、#の各ボタンを総称して応答ボタン
29eと呼ぶことにする。入力取消ボタン29cは、応
答ボタン29eを押すことによりリモコンコマンダ20
に形成された入力情報を取り消すためのボタンである。
また、リセットボタン29dは、リモコンコマンダ20
を初期状態に戻すためのボタンである。
【0050】アダプタ装置30は、図1に示すように電
話回線30Lに接続されており、後述するように電話回
線30Lを介してデータの送受信を行うモデム部を内部
に備えている。また、アダプタ装置30は、リモコンコ
マンダ20からの赤外線リモコン信号を受光する赤外線
受光部31を備えており、離れた位置からのリモコンコ
マンダ20によるアダプタ装置30の操作を可能にして
いる。
【0051】図1に示すように、テレビジョン受信機1
0が受信した放送番組が双方向番組であった場合には、
その双方向番組の放送信号には上述したように主オーデ
ィオ信号に双方向番組に関する情報がDTMF信号とし
て多重化されている。このため、テレビジョン受信機1
0のスピーカ11からは、主オーディオ信号の再生音と
ともに、DTMF信号の再生音が出力される。
【0052】リモコンコマンダ20は、電源ボタン20
aがオンにされ、受信ボタン29aを押下されると、内
蔵のマイクロフォン21が、スピーカ11から出力され
る音声を収音する。そして、この収音された音声が、双
方向番組の音声であった場合に、内蔵のDTMFデコー
ダにおいて、主オーディオ信号に多重化された双方向番
組に関連する情報としてのDTMF信号を主オーディオ
信号から抽出し、デコードする。これにより、双方向番
組に関連する情報が、リモコンコマンダ20において把
握される。また、テレビジョン受信機により再生された
双方向番組により提供された応答要求に対する応答情報
は、応答ボタン群29eを操作することにより,リモコ
ンコマンダ20において形成される。
【0053】また、リモコンコマンダ20は、送信ボタ
ン29bが押下されることにより、デコードした双方向
番組に関連する情報や応答ボタン29eを操作すること
により形成された双方向番組に対する応答情報を、赤外
線リモコン信号に変換し、送信部24から送信し、アダ
プタ装置30に提供する。
【0054】アダプタ装置30は、リモコンコマンダ2
0からの赤外線リモコン信号を赤外線受光部31により
受光し、デコードする。デコードされた赤外線リモコン
信号は、上述したように双方向番組に関連する情報(以
下、双方向番組関連情報とい)や双方向番組に対する応
答情報である。そして、アダプタ装置30は、デコード
された双方向番組関連情報に含まれる応答情報の返信先
の電話番号に基づいて自動ダイヤルし、応答情報を電話
回線30Lを介して放送側へ送信する。
【0055】また、アダプタ装置30には、電話端末4
0が接続されており、後述するようにアダプタ装置30
が内蔵しているNCU(ネットワーク・コントロール・
ユニット)の切り換え制御により、電話回線30Lをア
ダプタ装置30と電話端末40により共有して使用する
ことができるようにされている。
【0056】以上の説明及び図1からも明らかなよう
に、テレビジョン受信機10と、リモコンコマンダ20
と、アダプタ30との間には、接続用ケーブルは存在せ
ず、リモコンコマンダ20で経由できる位置であれば、
テレビジョン受信機10と、アダプタ装置30との設置
位置は任意に決めることができる。
【0057】次に、上述のリモコンコマンダ20とアダ
プタ装置30の構成について、図5、図6を用いて説明
する。
【0058】[リモコンコマンダの構成]図5は、リモ
コンコマンダ20の一実施例を示すブロック図である。
この例のリモコンコマンダ20は、マイクロフォン21
と、DTMFデコーダ22と、制御部23と、赤外線リ
モコン信号の送信部24と、LCD(液晶ディスプレ
イ)25と、LCD制御部251と、警報ブザー26
と、時計回路27と、電源回路28とを備える。
【0059】マイクロフォン21は、リモコンコマンダ
20の電源ボタン20aがオンであって、かつ、受信ボ
タン29aが押下されたときに、音声を収音する。収音
された音声は、音声信号として、増幅回路211を介し
てDTMFデコーダ22に供給される。
【0060】DTMFデコーダ22は、供給された音声
信号から、図3を用いて前述したように、放送側から同
時に送出された低群と高群に分類される特定の周波数の
音声信号を検出することにより、DTMF信号を検知す
る。この検知されたDTMF信号は、低群と高群の周波
数の組合せによって決まる機能信号(0〜9、#、*、
A〜D)にデコードされる。このDTMFデコーダ22
は、広く普及している汎用のものを使用することができ
る。このDTMFデコーダ22の前段に、DTMF信号
の帯域の信号のみを抽出するバンドパスフィルタを設け
るとさらによい。
【0061】デコードされたDTMF信号は、双方向番
組関連情報であり、DTMF信号の説明で上述したよう
に双方向番組に対する応答情報の返信先の電話番号や視
聴者の電話番号の末尾制限情報などである。そして、こ
れら双方向番組関連情報は、制御部23に供給される。
【0062】制御部23は、各部を制御するもので、C
PUとプログラムや液晶ディスプレイ25の表示データ
などの固定データを格納しているROM23aと、ワー
クエリアとして使用され、また、上述の双方向番組関連
情報を格納するRAM23bとを有しており、この例で
はいわゆるワンチップマイコンの構成とされている。
【0063】また、RAM23bには、双方向番組に対
する応答情報も格納される。双方向番組に対する応答情
報は、図2を用いて前述したように図5のボタン群29
を構成する機能ボタン29a〜29eのうち、応答ボタ
ン29eを押下することにより形成される情報である。
このようにしてRAM23bに格納された双方向番組関
連情報や双方向番組に対する応答情報は、ボタン群29
の送信ボタン29bを押下することにより増幅回路23
1を介して送信部24に供給される。なお、RAM23
bは、図では1つのメモリとして示したが、これは揮発
性、不揮発性のメモリが複数個設けられるものである。
【0064】送信部24は、発光ダイオードにより形成
されており、制御部23の制御により、RAM23bか
らの双方向番組関連情報や双方向番組に対する応答情報
を赤外線リモコン信号に変換し出力する。
【0065】LCD(液晶ディスプレイ)25は、応答
ボタン29eを押下することにより入力された双方向番
組に対する応答情報やリモコンコマンダ20の動作状
態、エラーメッセージなどを表示する。LCD制御部2
51は、制御部23により制御されており、制御部23
のROM23aに格納されている液晶ディスプレイ表示
用の文字、数字、アイコンなどを読み出して、LCD2
5に供給し表示させるものである。
【0066】ブザー26は、制御部23に制御され、ブ
ザー音を出力するものである。また音色、音程、スピー
ド、リズムを変化させて、メロディーを出力することも
可能であり、DTMF信号の正常受信や受信失敗を通知
したり、警告やエラーの報知に使用される。
【0067】時計回路27は、実時間を保持する時計機
能を有するものであり、例えば、水晶振動子を用いた発
振器と、この発信器の発信出力を分周して、年、月、曜
日、日、時分、秒、の情報を得るカウンタを備えてい
る。そして、後述するように、DTMF信号の受信動作
のタイムアップ時間などを提供する。
【0068】バッテリ28は、リモコンコマンダ20の
各部に供給する電力を保持するものであり、電源ボタン
20aがオンにされることにより、リモコンコマンダ2
0の各部に電力の供給を開始する。
【0069】ボタン群29は、ユーザーの操作を入力す
るボタン群であり、上述したように機能ボタン29a〜
29eにより構成されている。ボタン29は、制御部2
3により走査されて、機能ボタン29a〜29eの押下
が検知される。そして、制御部23は、押下された機能
ボタンによって決まる動作を開始するように制御信号を
形成し各部に供給する。
【0070】[アダプタ装置の構成]図6は、アダプタ
装置30の一実施例を示すブロック図である。この例の
アダプタ装置30は、赤外線受光部31と、例えば複数
個のLED(発光ダイオード)からなるLED部32
と、ボタン群33と、制御部34と、時計回路35と、
モデム部36と、NCU部37と、警報ブザー38と、
電源回路39とを備える。39aはAC−DCアダプタ
に接続される電源ケーブルである。
【0071】制御部34は、各部を制御するもので、C
PUと、プログラムや、アダプタ識別番号などの固定デ
ータを格納しているROM34aと、ワークエリアとし
て使用され、また、双方向番組に対する応答返信時に必
要な情報が格納されるRAM34bとを有しており、こ
の例ではいわゆるワンチップマイコンの構成とされてい
る。なお、RAM34bは、図6では1つのメモリとし
て示したが、これは揮発性、不揮発性のメモリが複数個
設けられるものである。
【0072】LED部32は、アダプタ装置30の状態
を示すためのものである。すなわち、この例では、LE
D部32は、電源のオン・オフ、送信すべき情報が制御
部34のメモリに存在しているか否か、通信エラー発
生、などを表示するもので、制御部34により、それぞ
れ表示すべき事項に対応したLEDが、点灯、消灯、点
滅するように制御されて、前期の各状態が表示される。
【0073】時計回路35は、リモコンコマンダ20の
時計回路27と同様に実時間を提供するものであり、例
えば現在時刻の提供を行うほか、送信時のタイムアップ
の計算をしたり、例えば後述する送信タスクを起動する
場合に、特定時間後に制御部34のCPUへ割り込みを
発生させるためのトリガー回路としても働く。
【0074】モデム部36は、通信時に、NCU部37
の制御と、送信データの変調、受信データの復調を行
う。NCU部37は、いわゆる電話の機能を有し、送信
時のオンフック、ダイヤル(プッシュ回線のときはDT
MF信号によるプッシュボタントーンの送出、ダイヤル
回線のときはダイヤルパルスの発信)、オフフックなど
や、電話回線30Lに対して、モデム部36あるいは電
話機40のいずれを接続するかの切り換えを行う。
【0075】なお、スイッチ361は、アダプタ装置3
0が接続される電話回線の種別、例えば、プッシュフォ
ン回線/ダイヤル回線10pps/ダイヤル回線20p
psのいずれかの設定、また、外線/アナログ内線の選
択設定、を利用者に行わせるための外部スイッチであ
る。このスイッチ361の設定は、モデム部36を介し
て制御部34により検知され、アダプタ装置30は、こ
れに接続される電話回線種に合致した動作をする。
【0076】ブザー38は、LED32と同様に、制御
部34により制御されてブザー(音)によってユーザー
にアダプタ装置30の状態や処理状況を報知する。例え
ば、送信の正常終了、送信の不成功、異常操作などをブ
ザー音により報知する。このブザー38は、音の高低、
リズム、メロディーなどを変化させることができるもの
であり、種々の異なった状態を報知することができる。
【0077】また、ボタン群33は、この実施例ではエ
ラー時のリセット処理や時計回路35への時刻設定など
の操作を行うためのボタンである。
【0078】[受信システムの動作]放送側は、双方向
番組の提供を行う場合、視聴者の応答を期待する部分
で、リモコンコマンダ20の電源をオンにして待機する
旨の案内を、アナウンサーにより指示する、及び/又
は、画面にスパーインポーズなどによって表示するよう
に番組作りをする。さらに、放送側は、図7A,B,C
に示すような案内メッセージ画面(スパーインポーズな
ど)やアナウンサーによる案内指示を適宜視聴者に提供
して、視聴者の双方向番組に対する応答操作の案内を行
うようにする。この場合ユーザに必ず受信→応答入力→
送信という順のシーケンスで双方向放送の応答操作を行
わせるように、上記案内を放送する。
【0079】先ず、返信先電話番号や通信環境条件、さ
らには応答条件などの必要な双方向番組関連情報を、放
送信号のオーディオ信号にDTMF信号の形式で多重化
して放送する前に、図7Aに示すような、その双方向番
組の関連情報の取り込みを促すメッセージ画面及び音声
メッセージを放送する。
【0080】これを視聴したユーザが、リモコンコマン
ダ20をテレビジョン受信機10の方へ向けて受信ボタ
ン29aを押すと、放送信号に多重化された双方向番組
関連情報が、前述したように、DTMF信号の再生音と
してスピーカより出力されているので、この双方向番組
関連情報がマイクロフォン21、DTMFデコ−ダ22
を通じてリモコンコマンダ20の制御部23に取り込ま
れ、内蔵するRAM23bに格納される。
【0081】次に、放送側は、必要な双方向番組関連情
報を多重化した放送信号の送出を終了したら、番組画面
に切り換え、その番組中において、応答要求の内容を放
送する。そして、例えば、応答要求が三者択一の場合
に、図7Bに示すような選択肢の画面及びその説明の音
声を放送する。
【0082】ユーザーは、この画面及び音声出力を受け
て、リモコンコマンダ20のボタン群29eより選択し
た番号を押す応答操作を行う。すると、リモコンコマン
ダ20は、その応答操作に応じた応答情報を形成する。
この応答情報は、リモコンコマンダ20が内蔵するRA
M23bに一旦格納される。
【0083】次に、放送側からは、図7Cに示すような
メッセージ画面及び音声メッセージが放送されて、ユー
ザに対して、上述のようにして取り込んだ双方向番組関
連情報と応答情報とをアダプタ装置30へ送信するよう
に促される。ユーザがこれに応じて、送信ボタン29b
を押すと、リモコンコマンダ20により、例えば赤外線
リモコン信号となった双方向番組関連情報と、応答情報
がアダプタ装置30に送信される。
【0084】アダプタ装置30は、受信した双方向番組
関連情報に基づいて、指定された返信先に自動ダイヤル
を行い、電話回線30Lを介して当該返信先に応答情報
を送信する。
【0085】[リモコンコマンダ20の動作]次に、上
述したリモコンコマンダ20とアダプタ装置30の動作
について、図8〜図13を用いて説明する。
【0086】図8、図9は、電源オンから電源オフまで
のリモコンコマンダ20の全体の動作の流れを示すフロ
ーチャートである。
【0087】リモコンコマンダ20の電源ボタン20a
がオンされると、図8のルーチンを開始し、制御部23
は、RAM23bへのデータの格納時や読み出し時に使
用するメモリアドレスを示すポインタを初期化する(ス
テップ501)。
【0088】この例では、RAM23bは、入力データ
エリアと、LCDへの表示データエリアとの2つのメモ
リエリアを有し、入力データエリアに対し入力ポインタ
が、表示データエリアに対し表示ポインタが設定されて
いる。次に、制御部23は、ボタン操作入力の有無を確
認するため、電源ボタン20aおよびほかのボタン29
a〜29eを走査し(ステップ502)、ボタン操作入
力の有無をチェックする(ステップ503)。
【0089】そして、ボタン操作入力がなかったときに
は、電源オンから一定時間例えば10分間内に、全くボ
タン操作入力がないかどうかをチェックする(ステップ
504)。このステップ504でのチェックは、例えば
電源オンのタイミングでクリアし、時計回路27からの
発振出力をカウントするタイマカウンタにより、一定時
間、例えば10分間を把握することにより行う。そし
て、電源オンから10分間以上ボタン操作入力がないと
きには、自動的に電源をオフにして、バッテリーの無駄
な消費を防止する。そして、電源オンから10分間経過
していなければ、ステップ502からの処理に戻る。
【0090】ステップ503のチェック処理によって、
ボタン操作入力が有りと確認されると、そのボタン操作
は、電源をオフにするボタン操作か否かがチェックされ
る(ステップ505)。このとき、電源オフにするボタ
ン操作であれば、リモコンコマンダ20の電源はオフに
される。電源オフのボタン操作でなかったときには、操
作入力されたボタンは、リセットボタン29dか否かが
チェックされる(ステップ506)。
【0091】ステップ506のチェック処理によって、
リセットボタン29dが操作入力されたことが確認され
ると、ステップ501の処理に戻り、ポインタの初期化
からの処理が行なわれる。また、リセットボタン29d
の入力ではなかったときには、操作入力されたボタン
は、受信ボタン29aか否かがチェックされる(ステッ
プ507)。
【0092】ステップ507のチェック処理によって、
受信ボタン29aが操作入力されたことが確認される
と、後に、図10、図11を用いて詳述するDTMF信
号の受信処理タスクが起動される(ステップ508)。
この受信処理タスクは、この例では、テレビジョン受信
機10のスピーカ11からDTMF信号の再生音を収音
し、デコードし、リモコンコマンダ20に保持する処理
である。この受信処理タスクが終了すると、上記受信処
理で使用された入力ポインタ、表示ポインタを初期化し
て(ステップ509)、ステップ502からの処理に戻
る。
【0093】ステップ507のチェック処理によって、
操作入力されたボタンが受信ボタンでなかったときに
は、受信中フラグがオンになっているか否かがチェック
される(ステップ510)。
【0094】この受信中フラグは、後に詳述するDTM
F信号の受信処理タスク中でオン・オフされるフラグで
あり、受信中フラグがオンであった場合には、まだDT
MF信号が受信途中であることを示している。
【0095】したがって、ステップ510において、受
信中フラグがオンであったときには、双方向番組関連情
報の受信中に、いずれかのボタンが押された状態である
ので、エラーを示すブザー音をブザー26により出力
し、これと同時にLCD25にエラーメッセージを表示
して、ユーザーにエラーを通知する(ステップ51
1)。エラー通知後、ステップ502からの処理に戻
る。これにより、不完全なDTMF信号の受信データに
より、その後の処理、例えば、応答の送信などが行なわ
れないようにすることができる。
【0096】ステップ510のチェック処理によって、
受信中フラグがオンでなかったときには、図9に示すス
テップ512のチェック処理が行なわれる。ステップ5
12のチェック処理は、操作されたボタンが応答入力ボ
タン、この例の場合、図2のボタン群29eとして説明
した、0〜9、*、#などの応答ボタンであるか否かが
チェックされる。
【0097】ステップ512のチェック処理によって、
応答ボタン群29eのいずれかのボタンが操作されたこ
とが判別されたときは、入力ポインタが示すRAM23
bのアドレス位置に、入力されたデータを保存する(ス
テップ513)。また、表示ポインタが示すRAM23
bのアドレス位置に入力データを書き込み、この書き込
まれた入力データをLCD25に表示する(ステップ5
14)。次に、上記入力ポインタ、表示ポインタが更新
され(ステップ515)、ステップ502からの処理に
戻る。
【0098】また、ステップ512のチェック処理にお
いて、操作されたボタンが応答ボタンでないと判断され
たときには、操作されたボタンは、入力取消ボタン29
cか否かがチェックされる(ステップ516)。そし
て、入力取消ボタン29cが操作されたと判断されたと
きには、RAM23bに書き込まれた入力データ、表示
データがクリアされる(ステップ517)。そして、デ
ータがクリアされたことにともなって、入力ポインタと
表示ポインタを初期化する(ステップ518)。そし
て、ステップ502からの処理に戻る。
【0099】ステップ516のチェック処理において、
操作されたボタンが入力取消ボタン29cでないと判断
されたときには、送信ボタンが操作されたか否かをチェ
ックする(ステップ519)。このとき、送信ボタン2
9bが操作されていなければ、ステップ502からの処
理に戻る。
【0100】送信ボタン29bが操作されたときには、
DTMF信号により提供された双方向番組関連情報、特
にアクセス情報が受信済か否か、つまり、正しく受信し
たアクセス情報がメモリにあるか否かをチェックし(ス
テップ520)、受信済でなければ、ブザー28からの
ブザー音によりエラーを通知し(ステップ521)、エ
ラーメッセージをLCD25に表示することにより、双
方向番組関連情報が受信されていない、あるいは正しく
受信されていなかったことを知らせる(ステップ52
2)。
【0101】また、双方向番組関連情報が受信済であっ
たときには、上記双方向番組関連情報と、入力された応
答情報とが、リモコン信号としてアダプタ装置30へ送
信される(ステップ523)。送信された後には、ステ
ップ502からの処理に戻る。
【0102】なお、ステップ520では、双方向番組関
連情報のすべてについて、受信済か否かを判断するので
はなく、応答情報の送信のために必要なアクセス情報の
みについて、受信済か否かを判断するようにしてもよ
い。
【0103】以上説明した図8及び図9のリモコンコマ
ンダ20の応答操作及びアダプタ装置30へのコマンド
送信動作のルーチンにおいては、ステップ510を設け
て、受信中フラグがオン、つまり、双方向番組関連情報
の受信中のときには、他のボタン、例えば応答ボタン群
29e、入力取消ボタン29c,送信ボタン29bなど
の操作入力を無効にしている。これにより、受信中の中
途半端な双方向番組関連情報(特にアクセス先の情報や
通信条件などの応答アクセス情報)によって応答の送信
が行われないように保護される。
【0104】また、上述したように双方向番組中におい
て、視聴者に対して、双方向番組に対する応答操作を、
アクセス情報等の受信→応答入力→応答の送信というシ
ーケンスで行うようにする案内を放送したことにより、
必ず、アクセス情報等の受信から応答操作のシーケンス
から始まることが確保されるので、前記のステップ51
0を設けたことと相俟って、誤って一回前の応答を送信
してしまうという操作ミスを防止することができる。
【0105】また、さらに、ステップ520により、ア
クセス情報が受信済みであるか否かをチェックして応答
情報の送信を行うようにしているので、アクセス先が不
明の状態のままで応答情報を送信してしまう無駄な動作
を防止できる。
【0106】[DTMF信号の受信処理]次に、リモコ
ンコマンダ20で行なわれる、DTMF信号の受信処理
タスクについて、図10、図11を用いて説明する。こ
のDTMF信号の受信処理タスクは、図8で説明したよ
うにステップ508において起動され、実行される。
【0107】この受信処理タスクは、基本的にその他の
タスクとは別に並行して処理が行われる。この受信処理
タスクの終了の契機は、受信の完了、タイムアウトなど
のエラーによる終了、リセットボタンの押下、電源ボタ
ン20aのオフ操作のいずれかである。
【0108】上述したように、リモコンコマンダ20の
電源がオンにされ、受信ボタンが押されると、リモコン
コマンダ20の制御部23は、DTMF信号の受信処理
タスクを起動し、最初に、DTMF信号の受信処理中で
あることを示す受信中フラグをオンにする(ステップ7
01)。
【0109】そして、リモコンコマンダ20のマイクロ
フォン21に電力を供給し、収音可能状態にする(ステ
ップ702)。次に、受信データをRAM23bに格納
するときのアドレスを示すポインタを初期化し、また、
タイムアウト判定時に用いるタイマカウンタ(図示せ
ず)を初期化する(ステップ703)。そして、前述し
たように、テレビジョン受信機10のスピーカ11から
出力される音声をマイクロフォン21により収音し、D
TMF受信回路22においてDTMF信号を検出し、デ
コードする(ステップ704)。
【0110】そして、DTMF信号を受信したか否かを
チェックし(ステップ705)、受信していない場合に
は、上述のタイマカウンタを参照して、所定の一定時
間、例えば10分間内にDTMF信号の受信がないか否
かをチェックする(ステップ706)。このステップ7
06のチェック処理において、一定時間の間にDTMF
信号の受信がないと判断されると、後述のステップ71
5の処理へ移る。
【0111】また、ステップ705のチェック処理によ
って、DTMF信号を受信したことを検知したときに
は、受信した信号が送信終了情報の機能信号である
「D」か否かをチェックする(ステップ707)。受信
したDTMF信号が「D」でなかったときには、受信デ
ータを格納するアドレスを示すポインタは先頭(初期
値)であるか否かをチェックし(ステップ708)、ポ
インタが先頭であったときには、受信したDTMF信号
は、送信開始情報である「A」「B」「C」のいずれか
の機能信号であるか否かをチェックする(ステップ70
9)。
【0112】そして、ステップ709のチェック処理に
よって、受信したDTMF信号は、送信開始を示す機能
信号「A」「B」「C」でなかったときには、ステップ
704からの処理に戻る。
【0113】ステップ708のチェック処理において、
ポインタが先頭でなかったとき、および、ステップ70
9のチェック処理において、受信したDTMF信号が送
信開始を示す機能信号「A」「B」「C」でなかったと
きには、ポインタの示すアドレスが、あらかじめ決まっ
ている受信データの格納領域を超えていないか否かがチ
ェックされる(ステップ710)。このとき、ポインタ
の示す受信データの格納位置が、あらかじめ決まってい
る格納領域外であったときには、後述するステップ71
5の処理に移る。
【0114】ステップ710のチェック処理において、
ポインタの示す位置が、格納領域内であったときには、
受信データを格納するRAM23bのポインタの示す位
置に、デコードされたDTMF信号を格納し(ステップ
711)、次のアドレスを設定するようにポインタを更
新する(ステップ712)。そして、ステップ704か
らの処理に戻り、上述の処理を繰り返し、DTMF信号
の送信の終了を示す機能信号「D」を検出するまで繰り
返される。
【0115】また、ステップ707のチェック処理にお
いて、送信終了を示す機能信号「D」を検出したときに
は、受信してメモリに格納した一連のDTMF信号の整
合性の有無をチェックする(ステップ713)。そし
て、整合性があれば、正常にDTMF信号が受信された
ことをブザー音として例えば「ピッ!」を発音させ、ま
た、LCDにメッセージを表示することによりユーザー
に通知する。そして、マイクロフォン21への電力の供
給を停止して、マイクロフォンをオフにするとともに
(ステップ716)、受信中フラグをオフにする(ステ
ップ717)。
【0116】また、ステップ706において、一定時間
内にDTMF信号の受信がないと判断された場合、ある
いは、ステップ710において、ポインタの示すRAM
23b上の位置が格納領域外であると判断された場合、
あるいは、ステップ713において、受信したDTMF
信号に整合性がなかった場合には、ブザー音として例え
ば「ピーッ!」を発生させ、また、LCD25にエラー
メッセージを表示してDTMF信号の受信がない、ある
いは、受信が正常にできなかったことをユーザーに通知
する(ステップ715)。そして、マイクロフォン21
をオフにするとともに(ステップ716)、受信中フラ
グをオフにして(ステップ717)、このDTMF信号
の受信タスクを終了させる。
【0117】このようにして、例えば機能信号「A」と
機能信号「D」に挟まれたDTMF信号が受信され、R
AM23bなどのメモリに格納される。
【0118】なお、リモコンコマンダ20におけるDT
MF信号の受信時に、リモコンコマンダ20では、1つ
のDTMF信号を検知、デコードするごとに、LCD2
5に「*」などを表示することにより受信過程をユーザ
ーに知らせることが可能である。
【0119】なお、DTMF信号は、図3、図4を用い
て前述した規約に合わない場合には、デコードされな
い。
【0120】[アダプタ装置30の動作]次に、上述の
ようにリモコンコマンダ20からリモコン信号により情
報の供給を受けるアダプタ装置30の動作について図1
2、図13を用いて説明する。
【0121】図12は、リモコンコマンダ20からリモ
コン信号として送信されてくる双方向番組関連情報と双
方向番組に対する応答情報とをアダプタ装置30が受信
した後の動作を示すフローチャートである。
【0122】制御部34は、受光部31により受光さ
れ、受信回路311を介して供給される信号を走査し
(ステップ901)、リモコンコマンダ20からのリモ
コン信号RCを受信したか否かを検知する(ステップ9
02)。このとき、リモコン信号RCが検知されないと
きには、ステップ901に戻り、供給される信号の走査
を繰り返す。
【0123】ステップ902の検知処理により、リモコ
ン信号が検知されたときには、受信したリモコン信号を
デコードし、返信先の電話番号や末尾制限情報などの双
方向番組関連情報のうちのアクセス先情報やアクセス条
件情報と応答情報とを分離し、アクセス先情報、アクセ
ス条件情報をメモリに格納する。そして、制御部34の
ROM34aに格納されているこのアダプタ装置30に
固有の装置IDを読み出して応答情報に付加し、さら
に、必要に応じて双方向番組関連情報のうちの返信すべ
き情報を付加して送信データを作成する(ステップ90
3)。
【0124】そして、作成した送信データの送信処理を
登録するとともに、アクセス先情報やアクセス条件情報
を用いて、一定の時間後に、電話回線30Lを使用して
送信する処理を制御部34のRAM34bに登録する
(ステップ904)。そして、送信処理が登録されたこ
とを通知するため、制御部34は、LED32を点灯さ
せるように制御する(ステップ905)。
【0125】次にリダイヤル動作の回数をカウントする
リダイヤルカウンタ(図示せず)をクリアし(ステップ
906)、送信処理が正常に登録され、かつ、送信を行
なう準備が完了したことをブザー38のブザー音(例え
ば「ピッ!」)により通知する(ステップ907)。そ
して、ステップ901の処理に戻り、受光部からの信号
の走査を繰り返す。
【0126】なお、ステップ904で登録される送信処
理は、複数個登録できないこととし、以前の送信処理が
残っている場合には、クリアするようにしてもよいし、
また、複数個の送信処理を登録できるようにし、登録さ
れた送信処理のクリアは、リモコン信号のクリアコマン
ドによりクリアするようにしてもよい。また、同じアク
セス情報についての応答、つまり同じ問題に対して2回
送信ボタンを押してしまったときには、無駄なアクセス
が発生しないように後からの送信ボタンの押下を無視す
るなどの機能を設けることもできる。
【0127】図13は、上述のようにして受信、登録さ
れた送信処理の情報に基づいて応答情報を送信するアダ
プタ装置30の動作を示すフローチャートである。
【0128】この例の場合、上述の送信処理の情報が登
録されてから、アダプタ装置ごとにランダムに異なる遅
延時間をおいて送信処理が起動されるように、時計回路
35、制御部34により制御される。これは、応答情報
の送信がある時刻だけに集中し、電話回線が、いわゆる
パンク状態になることを防止する効果がある。
【0129】アダプタ装置30に登録された受信処理が
起動されると、最初に制御部34は、モデム部36とN
CU部37を制御して、オフフックする(ステップ10
01)。次に、同様にして、アクセス情報中の返信先電
話番号の情報を用いてダイヤル動作を行う(ステップ1
002)。そして、相手(返信先)に対する着信の確認
を行い(ステップ1003)、相手方と電話回線が接続
されたことが確認されたときには、すでに作成されてい
る応答情報を含む送信データを送信し(ステップ100
4)、送信処理登録済を示すために点灯したLEDを消
灯し、(ステップ1005)、この送信処理ルーチンを
終了する。
【0130】ステップ1003の確認処理において、相
手方との電話回線の接続ができなかったときには、リダ
イヤルカウンタが2回目を示しているか否かを確認する
(ステップ1006)。このステップ1006の確認
で、リダイヤルカウンタが2回目であったときには、実
際のダイヤル動作は、3回目を終了したところであり、
3回目以降のリダイヤルは、実施しないようにリダイヤ
ルエラーをブザー音などによりユーザーに通知し(ステ
ップ1007)、送信処理ルーチンを終了する。
【0131】また、ステップ1006の確認でリダイヤ
ルカウンタが2回目でなかったときには、リダイヤルカ
ウンタを更新し(ステップ1008)、1分後に送信処
理を再起動するように登録し(ステップ1009)、今
回の送信処理を終了する。
【0132】上述のような構成を有する受信システムに
よれば、アダプタ装置30はテレビジョン受信機10の
近くに位置する必要はなく、アダプタ装置30の設置場
所の制約を少なくすることができる。
【0133】[第2の実施例]次に、電話回線を介して
通信処理を行うアダプタ装置に、マイクロフォンとDT
MFデコーダを備えた第2の実施例について説明する。
【0134】図14は、第2の実施例の受信システムの
概念図であり、テレビジョン受信機10と、アダプタ装
置50と、リモコンコマンダ70とによりこの例の受信
システムが形成されていることを示している。テレビジ
ョン受信機10は、第1の実施例のテレビジョン受信機
10と同様のものであり、テレビジョン信号を受信して
放送番組の映像と音声をユーザに提供するものである。
【0135】テレビジョン受信機10が受信した放送番
組が双方向番組であった場合には、その双方向番組の放
送信号には上述したように主オーディオ信号に双方向番
組に関する情報がDTMF信号として多重化されてい
る。このため、テレビジョン受信機10のスピーカ11
からは、主オーディオ信号の再生音とともに、DTMF
信号の再生音が出力される。
【0136】アダプタ装置50は、図14に示すように
マイクロフォン61を備え、電話回線50Lに接続され
たものである。マイクロフォン61は、テレビジョン受
信機10のスピーカ11より出力される再生音を収音す
る。そして、アダプタ装置50は、後述するようにDT
MFデコーダを内蔵しており、マイクロフォン61によ
り収音された音声に双方向番組関連情報がDTMF信号
として多重化されている場合には、DTMF信号を抽出
し、デコードし、保持する。
【0137】また、アダプタ装置50は、後述するよう
に電話回線50Lを介してデータの送受信を行うモデム
部を内部に備えている。そして、アダプタ装置50によ
り抽出され、デコードされ、保持されている双方向番組
関連情報のうちのアクセス先の情報に基づいて、双方向
番組に対する応答情報を放送局側の返信先に送信する。
この例では、双方向番組に対する応答情報は、後述する
リモコンコマンダ70により形成され、赤外線リモコン
信号としてアダプタ装置50に供給されるものである。
【0138】リモコンコマンダ70は、テレビジョン受
信機10により再生された双方向番組により提供される
応答要求、例えば、クイズやアンケートの設問に対する
応答情報をユーザが後述する応答ボタン群79eを操作
することにより形成するものであり、形成された応答情
報は、赤外線リモコン信号の送信部74より送出され、
アダプタ装置50の赤外線受光部51により受光され
る。
【0139】この例では、上述したように、DTMF信
号の再生音として提供される双方向番組関連情報は、ア
ダプタ装置50により収音され、デコードされるため、
第1の実施例のようにリモコンコマンダ70には、マイ
クロフォンやDTMFデコーダを備える必要がない。し
たがって、リモコンコマンダ70には、電源ボタンやマ
イクロフォンによる収音動作を開始させるための受信ボ
タンは設けられていない。
【0140】そして、リモコンコマンダ70は、例え
ば、以下のような操作入力ボタンを供えている。アダプ
タ装置50に収音動作を開始させるための赤外線リモコ
ン信号を送出させる受信指示ボタン79aと、双方向番
組に対する応答情報を入力する応答ボタン群(0〜9、
*、#に対応するボタン群)79eと、応答ボタン群の
操作により形成された情報を取り消すときに使用する取
消ボタン79cと、応答ボタン群79eを操作すること
により形成した双方向番組に対する応答情報を赤外線リ
モコン信号として送出する動作を開始させる送信ボタン
79bと、アダプタ装置50の状態を初期状態にさせる
ための赤外線リモコン信号を送出させるリセットボタン
79dとを備えている。
【0141】図15は、この例のアダプタ装置50の一
実施例を示すブロック図である。アダプタ装置50は、
マイクロフォン61と、増幅回路611と、DTMFデ
コーダ62と、LCD(液晶ディスプレイ)部63と、
LCD制御回路631と、赤外線受光部51と、受信回
路511と、LED部52と、ボタン群53と、制御部
54と、時計回路55と、モデム部56と、スイッチ5
69と、NCU部57と、ブザー58と、電源回路59
とを備えている。マイクロフォン61と増幅回路611
とDTMFデコーダ62とLCD部63とLCD制御部
631を除けば、第1の実施例のアダプタ装置30と同
様である。
【0142】この例のアダプタ装置50は、マイクロフ
ォン61によりテレビジョン受信機10のスピーカ11
より出力された音声を収音する。収音された音声は、音
声信号として増幅回路611を介してDTMFデコーダ
62に供給される。DTMFデコーダ62は、供給され
た音声信号から双方向番組関連情報として主オーディオ
信号に多重化されたDTMF信号を検知し、図3を用い
て前述したように低群と高群の周波数の組み合わせによ
って決まる機能信号(0〜9、*、#、A〜D)にデコ
ードする。デコードされたDTMF信号は、制御部54
に供給されRAM54bに格納される。
【0143】このようにアダプタ装置50において行わ
れる音声信号の収音、DTMF信号の検知、デコード、
格納までの受信処理タスクは、第1の実施例において図
10、図11を用いて説明したリモコンコマンダ20で
の収音からメモリへの格納までの受信処理タスクと同様
である。
【0144】この受信処理タスクは、基本的にその他の
タスクとは別に並行して処理が行われる。この受信処理
タスクの開始の契機は、図示しないが、アダプタ装置5
0のボタン群53に設けられている受信ボタンを押下す
るか、上述したリモコンコマンダ70の受信指示ボタン
79aが押下され、アダプタ装置50が受信指示を示す
赤外線リモコン信号を受光した場合である。
【0145】また、アダプタ装置50において実行され
る受信処理タスクの終了の契機は、受信の完了、タイム
アウトなどのエラーによる終了、リモコンコマンダ70
からのリセットボタン79dの押下により送出された赤
外線リモコン信号をアダプタ装置50が受光した場合の
終了、あるいは、受信処理タスクの実行中にリモコンコ
マンダ70の受信指示ボタン79aが押下され、アダプ
タ装置50が受信指示を示す赤外線リモコン信号を再度
受光した場合などである。
【0146】図16は、この例のリモコンコマンダ70
の一実施例を示すブロック図であり、制御部73と、赤
外線リモコン信号の送信部74と、LCD部75と、L
CD制御部751と、ブザー76と、時計回路77と、
バッテリ78と、ボタン群79とを備えている。
【0147】この例のリモコンコマンダ70は、第1の
実施例のリモコンコマンダ20のマイクロフォン21と
増幅回路211とDTMFデコーダ22を取り除いたも
のと同様であるが、ボタン群79は、上述した第1の実
施例のリモコンコマンダ20のボタン群29とは異なっ
た機能を有する受信指示ボタン79a、リセットボタン
79dが含まれる。
【0148】リモコンコマンダ70は、上述の応答ボタ
ン群79eを操作することにより、双方向番組に対する
応答情報を形成し、制御部73のRAM73bに格納す
る。この応答情報は、送信ボタン79bを押下すること
により、RAM73bから読み出され赤外線のリモコン
信号として送信部74から出力さる。そして、赤外線リ
モコン信号は、アダプタ装置50の赤外線受光部51に
より受光される。
【0149】そして、図12を用いて前述したアダプタ
装置30のリモコン信号の受信動作と同様に、送信デー
タの作成と送信処理の登録が行われ、これらの処理が行
われたことをLCD部63やLED部52に表示し、ユ
ーザに通知する。
【0150】送信データの作成と送信処理の登録が終了
すると、アダプタ装置50は、応答情報の送信処理を開
始する。アダプタ装置50で実行される応答情報の送信
処理は、図13を用いて前述した動作と同様である。
【0151】また、アダプタ装置50においてDTMF
信号の受信タスクが動作中にも、応答情報の受光を受け
付けられるようにし、DTMF信号の受信タスクが正常
終了した後に、ステップ903以降の動作を開始させる
ようにすることもできる。
【0152】上述のように、リモコンコマンダ70は、
マイクロフォンを内蔵しないことにより、双方向番組に
対する応答情報の入力と、入力された応答情報を赤外線
リモコン信号として送信するものである。また、リモコ
ンコマンダ70は、マイクロフォンを内蔵しないことに
より、制御部73の負荷を軽減するとともに、バッテリ
78より供給される電力の消費を押さえることができ
る。
【0153】また、リモコンコマンダ70に電源ボタン
が不必要となるため、テレビジョンモードと応答用モー
ドの切り換えスイッチを設けることにより、テレビジョ
ン受信機10のリモコンコマンダと、この例のアダプタ
装置50のリモコンコマンダ70を一体化させることも
容易になる。
【0154】なお、第1及び第2の実施例のリモコンコ
マンダ20、70は、送信ボタン29b、79bを備え
ており、送信ボタン29b,79bが押下されたときに
はリモコンコマンダ30、70が内蔵している時計回路
37、77から応答操作時刻を得るようにし、双方向番
組に対する応答情報に付加してアダプタ装置30、50
に送信することもできる。
【0155】そして、アダプタ装置30、50から電話
回線30L、50Lを介して放送局側の返信先へ送信す
る応答情報にも応答操作時刻を付加して送信することに
より、応答情報の着信順に関係なく、応答操作時刻の早
い応答情報を返信先において抽出することができる。こ
れにより、早押し形式の双方向放送のクイズ番組にも対
応することできる。
【0156】また、第1及び第2の実施例において、ア
ダプタ装置30、50がリモコンコマンダ20、70か
らの応答情報を赤外線リモコン信号として受光したとき
に、アダプタ装置30、50の時計回路35、55から
現在時刻を得て、応答情報に付加し、放送局側の返信先
へ送信するようにしてもよい。
【0157】また、第1及び第2の実施例のリモコンコ
マンダ20、70に送信ボタン29b、79bを設けず
に、応答ボタン群29e、79eの内のいずれかのボタ
ンを押下したときに、その押下したボタンに対応する赤
外線のリモコン信号を応答情報として送出するようにし
てもよい。この場合、応答情報として送出された赤外線
リモコン信号を受光するアダプタ装置30、50におい
て、時計回路35、55から現在時刻を得て、応答情報
に付加することもできる。これにより、リモコンコマン
ダ20、70に時計回路を設ける必要もなく簡易的なリ
モコンコマンダを実現することができる。
【0158】[第3の実施例]次に、リモコンコマンダ
を用いずに、アダプタ装置に収音機能や双方向番組に対
する応答入力機能を持たせたことを特徴とする第3の実
施例について説明する。
【0159】この第3の実施例は、図14を用いて説明
した第2の実施例において、リモコンコマンダ70が有
していた受信開始ボタン79a,応答ボタン群79e、
取消ボタン79cや、電話回線50Lを介したデータ送
信を開始させるためのアクセス開始ボタンをアダプタ装
置50のボタン群53に設ける。そして、DTMF音と
して提供される双方向番組関連情報の受信、双方向番組
に対する応答情報の入力、放送局側の返信先への応答情
報の送信までをアダプタ装置において行うようにするも
のである。
【0160】そして、例えば、上述のアクセス開始ボタ
ンを押下したときに、アダプタ装置に内蔵された時計回
路により送信時刻を得て、応答情報に付加し、放送局側
の返信先への送信を実行する。したがって、図8〜図1
3を用いて説明した動作がすべてアダプタ装置50にお
いて行われるようにする。
【0161】これにより、テレビジョン受信機からの音
声が収音できる範囲であれば、リモコンコマンダを用い
ずに双方向番組を楽しむことが可能である。この例は、
リモコンコマンダを用いないため、リモコンコマンダか
らアダプタ装置へのリモコン信号による情報の送信がい
らない。したがって、応答情報の入力から送信までを素
早く行うことができるとともに、リモコン信号をアダプ
タ装置が受信しないなどのリモコンコマンダとアダプタ
装置の間のトラブルもない。
【0162】また、応答情報の放送局側の返信先への送
信を開始させるためのアクセス開始ボタンを設けずに、
アダプタ装置に設けられた応答ボタン群の押下と同時
に、応答情報を送信するようにしてもよい。
【0163】[第4の実施例]上述の第1、第2及び第
3の実施例では、放送番組の主オーディオ信号に多重化
される信号としてDTMF信号を用いたが、音声として
多重化する方法はこれに限らない。この第4の実施例は
その一例で、この第4の実施例では、図17に示すよう
に多重データの前に、この多重データの開始を知るた
め、また、多重化データのクロック同期をとるための同
期パターンを送信する。この例では同期パターンと、多
重データとは、それぞれ所定周波数のトーンバーストを
使用する。
【0164】受信側においては、上記特定のパターンを
有する同期信号を検出することにより、その直後にデー
タが多重化されていることを検知する。これにより、デ
ータを抽出することが容易なる。
【0165】図17に示すように、この例では周波数f
1、例えば440Hzのトーンバーストを所定周期t1
で、予め決めた所定回数を繰り返すことにより同期パタ
ーンを形成する。受信側において、この同期パターンを
検出した場合、その直後にデータが多重化されているこ
とを検知する。そして、データは、この例では周波数f
1とは異なる周波数f2、例えば1200Hzのトーン
バーストが所定の周期t2で多重化されて送信される。
前期周期t1と周期t2は、この例では等しく設定され
る。受信側では、同期パターンの検出により得られた周
期t1に同期したクロックを生成し、このクロックに基
づいて、多重化された周波数f2のトーンバーストの有
無を検出することによりデータを抽出する。
【0166】図17の多重化データの欄に示すように、
実線の四角形で表した部分が、周波数f2のトーンバー
ストが多重化された部分であり、点線の四角形で表した
部分が、トーンバーストが多重化されていない部分を示
している。そして、周波数f2のトーンバーストが有れ
ば「1」無ければ「0」として2値化のデータをデコー
ドするようにされている。
【0167】なお、この例では、同期パターンとして、
周波数f1のトーンバーストを予め決めた所定回数繰り
返すものとしたが、自然界に存在する音声と混同するこ
とがないパターンであれば、これに限るものではない。
また、所定周波数のトーンバーストをこれが通常は存在
しない程度の所定時間連続して多重化するようにしても
よい。
【0168】また、多重化データとして、この例では2
値化データの例としたが、例えば、周波数f1ならば
「1」、周波数f2ならば「2」、周波数f3ならば
「3」というように特定の周波数ごとに数値を割り振っ
ておいて多値データとしてデータを多重化することも可
能である。この場合も、同期パターンと同様に、自然界
に存在する音声と混同しないような周波数、周期であれ
ばデータとして放送信号の主オーディオ信号に多重化し
て放送し、受信側において抽出することが可能である。
【0169】なお、上記の例では、データを多重化する
周期は、受信側において容易にその周期を把握できるよ
うに、同期パターンと同じ周期にしたが、同期パターン
に同期し、かつ、同期パターンの周期の整数倍の周期で
多重化するようにしてもよい。
【0170】なお、上述の第1、第2、第3の実施例で
は、テレビジョン放送の例としたが、ラジオ放送の場合
でも同様に実施が可能であるし、NTSC、BS、C
S、MUSEなどのテレビジョンの放送方式に無関係に
実施することができる。第4の実施例についても同様で
ある。
【0171】また、上述の第1、第2、第3の実施例で
は、電話回線により応答情報を返信するようにしたが、
電話回線に限らず、ケーブルテレビのケーブルを介して
返信するようにしてもよい。
【0172】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、可聴音として双方向番組に関連する情報が提供され
るため、現行のテレビジョン受信機、ラジオ受信機など
の放送信号を受信することができるチューナ内蔵機器
を、そのまま用いて、双方向放送を楽しむための受信シ
ステムを実現することができる。したがって、ユーザに
過大な負担を追わせずに、双方向番組を楽しむことがで
きる受信システムを提供することができる。
【0173】また、この発明による受信システムには、
可聴音として双方向番組に関連する情報が提供されるた
め、ワイヤレスで双方向番組に関連する情報を受信する
ことができ、新たな接続ケーブルの引き回しをする事な
く双方向放送用の受信システムを実現することができ
る。
【0174】また、この発明による受信システムによ
り、放送局側のアクセス先の電話番号など双方向番組に
関連する情報をメモする、記憶するなどという不確実な
方法に頼ることなく、双方向番組に関連する情報を受信
し、把握することができるため、確実な応答情報の返信
が可能となる。また、応答情報の送信時に、間違い電話
をかけることもない。
【0175】また、この発明による双方向放送システム
は、NTSC、BS、CS、MUSE、AM/FMラジ
オなど、放送方式を問わず双方向番組を提供することが
でき、放送方式ごとに受信システムを変える必要もな
い。また、将来新たな放送方式が開発され採用された場
合でも、可聴音としてオーディオ信号を再生するもので
あれば、この発明による受信システムを変更することも
なく、将来的にも互換を保つことができる双方向放送シ
ステム及び受信システムを提供することができる。
【0176】また、主オーディオ信号に多重化される信
号がDTMF信号である場合に、受信側で用いられるD
TMFデコーダは、汎用のDTMFデコーダを使用する
ことができるため、コストを押さえた受信システムを構
築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による受信システムの一実施例の構成
を示す概念図である。
【図2】この発明による受信システムのリモコンコマン
ダの一実施例の外観図である。
【図3】DTMF信号を説明するための図である。
【図4】DTMF信号の送出条件を説明するための図で
ある。
【図5】この発明による受信システムのリモコンコマン
ダの一実施例のブロック図である。
【図6】この発明による受信システムのアダプタ装置の
一実施例のブロック図である。
【図7】双方向番組の映像例を示す図である。
【図8】この発明によ受信システムの一実施例のリモコ
ンコマンダの動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図9】この発明による受信システムの一実施例のリモ
コンコマンダの動作を説明するための図8に続くフロー
チャートである。
【図10】この発明による受信システムの一実施例のリ
モコンコマンダにおいての可聴音の受信動作を説明する
ためのフローチャートである。
【図11】この発明による受信システムの一実施例のリ
モコンコマンダにおいての可聴音の受信動作を説明する
ための図10に続くフローチャートである。
【図12】この発明による受信システムのアダプタ装置
の一実施例において、リモコン信号の受信とその後の動
作を説明するためのフローチャートである。
【図13】この発明による受信システムのアダプタ装置
の一実施例において実行される、送信動作を説明するた
めの図である。
【図14】この発明による別の一実施例の受信システム
を示す概念図である。
【図15】この発明による別の一実施例の受信システム
のアダプタ装置を説明するためのブロック図である。
【図16】この発明による別の一実施例の受信システム
のリモコンコマンダを説明するためのブロック図であ
る。
【図17】この発明による放送システムの多重化方式の
他の実施例を説明するための図である。
【符号の説明】
10 テレビジョン受信機 11 スピーカ 20 リモコンコマンダ 21 マイクロフォン 22 DTMF受信回路 23 制御部 24 リモコン信号送信部 25 LCD(液晶ディスプレイ) 26 ブザー 27 時計回路 28 バッテリ 29a 受信ボタン 29b 送信ボタン 29c 入力取消ボタン 29d リセットボタン 29e 応答ボタン群 30 アダプタ装置 31 赤外線受光部 32 LED(発光ダイオード) 33 ボタン群 34 制御部 35 時計回路 36 モデム部 37 NCU部 38 ブザー 39 電源回路 50 アダプタ装置 51 赤外線受光部 53 ボタン群 61 マイクロフォン 70 リモコンコマンダ 74 リモコン信号送信部 75 LCD部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放送側より、双方向番組に関連する情報
    を、当該放送番組の主オーディオ信号とは分離可能な状
    態であって、受信側において可聴音として再生される状
    態で多重化した放送信号を送信し、 受信側では、上記放送信号を受信して、上記双方向番組
    に関連する情報を含む再生音声をスピーカより放音する
    とともに、このスピーカより放音された音声を収音し、
    その収音音声信号から上記双方向番組に関連する情報を
    抽出してデコードし、このデコードした情報を用いて、
    上記双方向番組に対する応答情報を通信回線を介して所
    定の返信先に送信するようにしたことを特徴とする双方
    向放送システム。
  2. 【請求項2】放送番組の主オーディオ信号とは分離可能
    な状態であって受信側において可聴音として再生される
    状態で双方向番組に関する情報が多重化された双方向放
    送の受信システムであって、 上記放送番組の受信再生手段と、 上記放送番組の受信再生手段とは別体であって、通信回
    線に接続された双方向返信用装置とを備え、 上記双方向返信用装置は、 上記放送番組の受信再生手段のスピーカよりの音声を収
    音する収音手段と、 上記収音手段の出力音声信号から、主オーディオ信号に
    多重化された双方向番組に関連する情報を抽出してデコ
    ードするデコード手段と、 上記デコード手段でデコードした上記双方向番組に関連
    する情報を用いて、上記双方向番組に対する応答情報を
    上記通信回線を介して送信する送信手段とを具備する受
    信システム。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の受信システムであって、 上記双方向返信用装置は、リモコンコマンダと、アダプ
    タ装置とで構成され、上記リモコンコマンダは、上記収
    音手段と、上記デコード手段とを有し、 上記アダプタ装置は、上記リモコンコマンダからのリモ
    コン信号の受信部と、通信回線に接続された上記送信手
    段とを有することを特徴とする受信システム。
  4. 【請求項4】上記双方向番組に関連する情報は、DTM
    F信号として主オーディオ信号に多重化されてなる請求
    項1に記載の放送システム。
  5. 【請求項5】上記双方向番組に関連する情報はDTMF
    信号として主オーディオで信号に多重化されたものであ
    り上記デコード手段はDTMFデコーダである請求項2
    又は請求項3に記載の受信システム。
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