JP3726844B2 - 双方向放送方法および双方向放送に対する応答装置 - Google Patents

双方向放送方法および双方向放送に対する応答装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、受信側からの電話回線を通じての応答を期待する双方向番組を放送する双方向放送方法および双方向放送に対する応答装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在クイズ番組、テレビショッピング、アンケート調査など、放送番組において視聴者に対して応答要求が提供され、その応答要求に対する応答が電話やファクシミリが用いられて、視聴者から放送側へ送信される視聴者参加型の放送番組が数多く提供されている。
【0003】
このような、視聴者参加型の放送番組の場合、応答の返信先(応答先)の電話番号などの情報は、放送番組により提供される。例えば、テレビ放送の場合には、スーパーインポーズなどを用いて応答先の電話番号を一定時間画面に表示させたり、番組の出演者がアナウンスすることにより音声として提供したりする。また、ラジオ放送においても、同様の番組が提供されている。
【0004】
この場合、応答を行なおうとする視聴者は、画面に表示されたり、音声により提供された、例えば、応答先の電話番号をメモしたり、暗記したりして応答先の電話番号を取得する必要がある。また、表示画像を静止させる、いわゆるスチル機能を備えたテレビ受像機であれば、応答先の電話番号が表示された画面を静止させ、静止させている間に応答先の電話番号をメモしたり、あるいは、直接ダイヤルしたりすることができる。
【0005】
ところが、前述したような、視聴者に対して放送番組中において応答先電話番号を放送する視聴者参加型の番組の場合、応答先の電話番号などの情報は、通常ごく短い時間しか放送されない。したがって、視聴者の中には、応答先の電話番号を完全にメモしきれなかった、あるいは、急いでメモしたために間違えてメモしたなどということが起こる。
【0006】
また、メモ用紙と筆記用具が準備できずに、応答先の電話番号をメモすることができなかったということも起こる。また、スチル機能があるテレビ受像機の場合、スチル機能を動作させようとしている間に、応答先の電話番号の表示が終了してしまったなどということもある。
【0007】
このように、常に正確な応答先の電話番号が視聴者側で保持できないため、間違い電話を誘発することにもつながる。
【0008】
上述のような従来の視聴者参加型の放送番組より、さらに進歩した、いわゆる双方向番組を提供する双方向放送が提案されている。
【0009】
この双方向放送は、応答先の電話番号などの双方向番組に関連する情報を、例えば文字放送番組のように映像信号の垂直帰線期間内の所定の空きの水平区間に重畳したり、FM電話の空き領域(例えばSCA領域)を使ってデジタルデータを送るなどの方法により、放送信号に多重化して受信側に提供するものである。
【0010】
この場合、受信側においては、受信した放送信号から双方向番組に関連する情報を抽出し、デコードしてメモリに一時貯えるなどして、応答の発信時に、この情報を使用する。例えば、デコードして抽出した応答先電話番号を用いて自動ダイヤルすることにより双方向番組に対する応答の送信を確実に行なうことができる。このため、視聴者が、双方向番組に関連する情報、例えば、応答先の電話番号などをメモしたり、暗記したりする必要がない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に電話番号の情報は10桁で比較的長く、例えば応答先が複数ある場合には、当該10桁の電話番号を複数回送る必要がある。また、電話番号の情報に加えて、電話回線の輻輳を避けるために、発信元に対する発信制限情報(例えばユーザーの電話番号の末尾が偶数のもののみが応答可能など)やその他の双方向番組の応答に必要な制御情報を受信者に送るようにするためには、多重化の情報量が多くなる。このため、受信側のデコード時間が長くなり、双方向番組の制作の自由度が制限されてしまう。
【0012】
また、この発明の発明者は、特に、従来の多重化方法の欠点を改良する多重化方法を先に提案しているが、この先に提案した方法では、多重化する情報量が多いと、以下に説明するような問題がある。
【0013】
すなわち、上述したような多重化方式によれば、双方向番組に関連する情報を放送信号から抽出して、確実に得ることができるが、多重化情報のデコード回路を備えた受信機が必要があるという問題がある。また、NTSC、BS、CS、MUSE、AM/FMラジオなど各放送方式によって異なったデコード回路が必要となるため、受信機が高額になる。視聴者にとって、前述のような双方向放送の受信機を用意することは、大きな負担となってしまう。
【0014】
また、受信側には、上述のデコード回路を備えた受信機とともに、受信機のデコード回路によりデコードされた双方向番組に関連する情報に基づいて、応答情報を電話回線を介して放送側へ送信する通信装置が必要である。この通信装置は、受信機に内蔵される場合と受信機とは別体とされる場合がある。
【0015】
通信装置が受信機に内蔵される場合には、電話回線を受信機に接続するため、電話線の延長、引き回しなどが必要となる問題がある。また、受信機への配線が複雑になり、電話回線の配線のために費用がかかることも問題である。
【0016】
一方、通信装置を受信機と別体にした場合であっても、通信装置は、受信機のデコード回路によりデコードされた双方向番組に関連する情報である応答先の電話番号などの供給を受けるため、受信機に接続されていなければならず、受信機と通信装置とを接続するケーブルが必要である。このため、受信機に通信装置が内蔵される場合と同様に、配線が複雑になり、通信装置と受信装置が離れて配設されたときには、両者を接続するケーブルの延長、引き回しが必要となる。
【0017】
このように、通信装置が受信機に内蔵される場合であっても、別体とされる場合であっても、電話線、または接続ケーブルの配線が必要になり、簡単に双方向番組を楽しむことができない。また不用意に電話線、接続ケーブルが配線された場合には、ユーザーが足を引っかけるなどの問題を生じさせることにもなる。
【0018】
そこで、本出願人は、特願平6−191885号として、放送音声に、電話番号などの双方向番組関連情報をDTMF(Dual Tone Multi Frequency )信号として混声して多重化する方法を先に提案している。
【0019】
この方法は、例えばテレビ放送に適用した場合、テレビジョン受信機は、多重情報のデコーダは備えず、従来からある通常のテレビジョン受信機を用いると共に、応答装置を、前記テレビジョン受信機とはケーブルなどで結線されないアダプタ装置の構成とするものである。
【0020】
すなわち、この先に提案した方法の場合、多重化された電話番号の情報などは、テレビジョン受信機のスピーカから、いわゆる「ピッ」「ポッ」「パッ」のDTMF音として再生される。そこで、アダプタ装置にマイクロホンを設けると共に、DTMF信号のデコーダを設け、テレビジョン受信機のスピーカの放音音声をマイクロホンにより収音し、DTMFデコーダで、その収音音声信号に含まれるDTMF信号を抽出し、デコードすることにより、電話番号などの多重化情報を再生する。アダプタ装置は、電話回線に接続され、この再生した電話番号などの情報を用いて応答の発信および必要に応じて応答情報の送信を行なう。
【0021】
この先に提案した発明によれば、現行のテレビジョン受信機、ラジオ受信機などの放送信号を受信することができるチューナ内蔵機器を、そのまま用いて、双方向放送を楽しむための受信システムを実現することができる。
【0022】
また、可聴音として、双方向番組に関連する情報が提供されるため、ワイヤレスで応答先電話番号などの双方向番組に関連する情報を受信することができるので、アダプタ装置は、電話回線に接続する必要はあるが、テレビジョン受信機にケーブルで接続する必要はなく、使い勝手が非常によい。
【0023】
また、NTSC、BS、CS、MUSE、AM/FMラジオなど、放送方式を問わず双方向番組を提供することができる。また、双方向放送番組の受信機は現行のものが使用できるほか、DTMFデコーダは、電話機において一般的に使用されている量産品を使用することができ、コストを押さえた応答システムを構築することができる。
【0024】
しかしながら、このDTMF音を使用した双方向番組に関連する情報の多重化方法の場合、多重化情報量が多い場合には、受信装置のスピーカから比較的長い間、可聴音であるDTMF音が連続し、耳障りになるという問題がある。
【0025】
また、応答先の電話番号に対する発信を、例えば前記のアダプタ装置を有しているユーザーのみに特定したい場合には、応答先の電話番号は、他の者には秘匿させる必要があるが、DTMF音で直接的に電話番号を多重化して送信したのでは、DTMFデコーダを備えるだけで、電話番号を誰でもが知ることができるため、電話番号の秘匿が実現できない。
【0026】
この発明は、以上のことにかんがみ、放送信号に多重化する情報量は少ない状態、比較的多量の双方向番組に関連する情報を受信側の応答装置に伝達することができると共に、応答先の電話番号の秘匿が容易にでき、さらに、特定の応答装置からの応答のみができるようにすることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、この発明による双方向放送方法においては、
放送側から設問と、その設問に対する選択肢とを放送する双方向番組を提供し、受信者の電話回線を通じての前記設問に対する選択肢の選択応答を期待する双方向番組を提供する双方向放送方法において、
受信側の装置に備えられるメモリに記憶された、前記設問に対する選択肢と、それぞれの選択肢に対応する応答先の電話番号との複数の対応テーブルの中から、前記双方向番組において使用する前記対応テーブルを指定する指定情報を、放送側から、放送信号に多重して放送し、
受信側の装置では、前記メモリの前記複数の対応テーブルの中から前記指定情報により使用する対応テーブルを読み出し、前記双方向番組で放送された設問に対する前記受信者が選択応答操作に応じ、前記メモリから読み出された対応テーブルから得た前記選択応答操作により選択された選択肢に対応する前記応答先の電話番号に対して前記電話回線を通じての応答の発信を行なうようにすることを特徴とする。
【0028】
また、この発明による双方向放送に対する応答装置は、設問と、その設問に対する選択肢とが放送される双方向番組に対して電話回線を介して応答の発信を行なう応答装置であって、
前記設問に対する選択肢と、それぞれの選択肢に対応する応答先の電話番号との対応テーブルを、複数個、記憶するメモリと、
放送信号に多重化された、前記メモリの複数個の前記対応テーブルのうちから前記応答に使用する前記対応テーブルを指定する指定情報を、デコードするデコード手段と、
このデコード手段でデコードされた指定情報に基づいて前記メモリより対応テーブルを読み出す手段と、
利用者の応答操作を受け付ける入力操作手段と、
前記入力操作手段を通じての前記選択肢の選択応答操作に応じ、前記メモリから読み出された対応テーブルから得た前記選択応答操作により選択された選択肢に対応する前記応答先の電話番号に対して前記電話回線を通じての応答の発信を行なう応答処理手段と
を備えることを特徴とする。
【0030】
【作用】
上述の構成のこの発明の場合、双方向番組においては、設問と、その設問に対する選択肢とが放送されるが、応答装置側には、設問に対する選択肢と、それぞれの選択肢に対応する応答先の電話番号との対応テーブルを、複数個、記憶するメモリが用意されており、放送側からは、このメモリ中のいずれの対応テーブルを使用するかの指定情報が放送信号に多重された放送される。指定情報は、選択肢に対応する電話番号を直接多重する場合に比べて、情報量が少なくなる。
【0031】
また、電話番号が直接多重化されるのではないので、前記のメモリを備える応答装置からの応答者以外に対しては、応答先の電話番号が秘匿することができ、例えば双方向番組のサービス会社と契約して、専用の応答装置を所持するユーザーからの応答だけを可能にすることができる。
【0032】
【実施例】
以下にこの発明による双方向放送方法および双方向放送に対する応答装置の一実施例について説明する。
【0033】
この例は、テレビ放送にこの発明を適用した場合であって、多重化する情報は、放送音声信号にDTMF(Dual Tone Multi Frequency )信号として混声するものである。また、双方向放送に対する応答に、「テレゴング」と呼ばれる電話投票サービスを利用するものである。
【0034】
まず、図2を参照しながら、DTMF信号について説明する。
【0035】
[DTMF信号]
DTMF信号方式は、1つは低周波数のグループ(低群)、そしてもう1つは高周波数のグループ(高群)の2つのトーンを同時に送るオーディオ帯域信号方式である。これらの低周波数及び高周波数のグループの各々は、どの2つも調音の関係にない4つのオーディオ帯域周波数のトーンからなっている。
【0036】
DTMF信号では、低群の4周波数は、例えば、697Hz、770Hz、852Hz、941Hzとされ、高群の4周波数は、例えば、1209Hz、1336Hz、1477Hz、1633Hzとされている。そして、これら低群と高群の中のそれぞれ1周波数ずつを組み合わせ、その組み合わせからなる各DTMF信号(この各DTMF信号のそれぞれを、以下機能信号という)を、図2に示すように、4行4列に配設されたプッシュボタン「0」〜「D」にそれぞれ割り付けられる。
【0037】
電話通信では、DTMF信号の16の組み合わせの機能信号のうち、単に12個が一般に加入者アドレス(電話番号)の信号に用いられている。つまり、電話機でいわゆるテンキーとして使用されている「0」〜「9」の数字と、「*」や「#」の記号に対して、前記の12個の組み合わせの機能信号が対応される。図2に破線で示した「A」、「B」、「C」、「D」の文字に対応する機能信号は、日本国内では一般には利用しておらず、プッシュボタン(PB)ダイアルを利用したデータ伝送に利用されているのみである。
【0038】
このようなDTMF信号を使って電話番号による回線選択を行なう場合、信号の送出条件は、図3に示すように規定されている。
【0039】
上述のような2周波数の組み合わせと送出条件とによって、DTMF信号は、自然界では滅多に発生しないものとなり、人の声などのような自然音と明確に区別することができるので、通常の放送オーディオ信号に多重(混声)して放送することができて、受信側での分離も比較的容易である。
【0040】
ちなみに、DTMF信号は、多機能電話においても利用されており、外出先からプッシュボタン式の電話のボタン操作によって、自宅の電話に留守番録音されている用件を再生させたり、留守番録音の応答メッセージを録音、再生したり、用件を消去したりすることができる。
【0041】
[電話投票サービスの説明]
電話やファクシミリによって視聴者に応答を求める視聴者参加番組では、一時的にアクセスが集中することによって、受信局側または発信局側の交換機で輻輳状態となり、その交換機が管理する地域の電話がかからなかったり、かかりにくくなったりすることがある。
【0042】
これは、電話回線網はすべての電話が同時に利用される状況に対応して構築されてはいないためである。これはインフラストラクチャーのコストおよびそのランニングコストの面から考えると希に起こるピーク時の通話量に合わせてインフラストラクチャーを構築すると膨大な負担を強いられることになるためであり、現在のインフラストラクチャーは、通常の通話量であれば、輻輳状態など起こらないように設計整備されている。
【0043】
しかし、例えば早いもの勝ちのクイズなどの双方向番組の場合には、視聴者は時を同じくして電話回線を利用する状況にあり、一時的に通話量が跳ね上がることになるため、輻輳状態となってしまう。
【0044】
そこで、上述のような一時的に起こる大量発呼による輻輳状態の問題を解決する方法として、いわゆるテレゴングと呼ばれる電話投票サービスが電話会社により提供されるようになった。
【0045】
この電話投票サービスは、発信を一つの投票として考え、例えばテレビやラジオの番組におけるアンケート調査やクイズなどにおいて、1つの設問に対する複数の回答のそれぞれごとに、受付のための電話番号をそれぞれ割り付け、個々の電話番号に対する発信(着信)の回数を投票数とするものである。
【0046】
この場合、視聴者からのその電話番号に対する応答の件数は、発呼のあった地域の交換機で着信してカウントしてしまい、それぞれの地域の交換機でカウントされた投票結果を集計して、投票先例えば放送局側に通知するものである。発信のあった地域の交換機で着信するため、投票先までの中継回線は使用されず、中継回線においての輻輳状態は回避される。
【0047】
この電話投票サービスについて具体的な例で説明すると、例えばテレビ番組中において、例えば、好みの野球チームのアンケート調査の放送を行なうときに、図4のテレビ画面1に示すように、応答の選択肢となる各野球チーム毎に異なる応答の電話番号を設定して放送するようにする。
【0048】
各視聴者2は、このテレビ画面1を参照して、自分の好む野球チームの電話番号をダイヤルする。
【0049】
すると、電話局3側では、その視聴者の地域の加入者交換局で個々の応答電話番号についての着信を受け、例えば「投票ありがとうございました」などの受付完了通知メッセージを応答者に送ると共に、個々の応答電話番号についての着信数の一次集計を行なう。そして、電話局3側は、全国各地の加入者交換局で一次収集した着信数を、サービス網制御局でデータ収集し、さらに、収集したデータを管理局で集計する。管理局は集計した各応答電話番号毎の着信数を呼数通知用回線3aを通じてテレビ局4の呼通知用コンピュータ4aに通知する。
【0050】
テレビ局4は、電話局から通知された集計結果を放送番組に反映するべく、例えば図4のテレビ画面5に示すような集計結果のグラフなどの画面の放送を行なう。
【0051】
なお、テレゴングサービスにおいては、サービス契約者(この例では放送局4)からの要求、図4の例ではカスタマーコントロール用コンピュータ4bからの要求に応じて、任意の応答者の発呼は直接、サービス契約者(この例では放送局のオペレータ4c)に着信させることができるようにもされている。このサービスはカットスルーと呼ばれており、電話局3から、カットスルーとなる応答者には、その接続通知が送られ、このカットスルーの状態では、カットスルー受付用の回線3cを通じて、応答者とサービス契約者との直接的な通話やデータのやり取りが可能である。ただし、このカットスルー受付用の回線数は、予め限定されている。
【0052】
この電話投票サービスの電話番号には、0180−0×××××(×は任意の番号)が割り付けられている。したがって、10桁の電話番号となり、これを設問ごとの選択肢の数だけ、多重して送信すると、非常に長くなってしまう。
【0053】
そこで、この例では、後述するように、複数の選択肢のそれぞれに、前述のような電話投票サービスの電話番号を対応させた電話番号対応テーブルを予め複数個用意して応答装置のメモリに記憶しておき、使用する対応テーブルを放送側から指定して、複数の選択肢に対する応答先電話番号の指定を行なうようにして、多重化情報の情報量を削減するようにする。
【0054】
[双方向放送システムの概要]
図5は、この実施例の双方向放送システムの概要を示すもので、この例の双方向放送システムは、放送局のシステム10と、受信装置システム20と、電話局のシステム30とからなる。
【0055】
放送局のシステム10において、11は放送局のスタジオであり、ここで作成された双方向番組が、放送アンテナ12から地上波により、あるいは人工衛星13を介して受信装置システム20に送信される。例えばクイズ番組やアンケート調査などの双方向番組のときに、テレビジョン受信機の画面において、あるいは番組の司会者によるアナウンスにより設問と、各設問についての複数個の選択肢が放送される。設問は、通常、1つ以上放送される。このとき、双方向番組関連情報は、後述するようにフォーマットが定められたDTMF信号の形式で放送音声信号に多重化される。
【0056】
この実施例の場合、放送局は、双方向番組に関連する情報の送信に当たって、上述のようにPB回線選択には使用されていない「A」、「B」、「C」、「D」を意味する機能信号のうち、「A」、「B」、「C」の機能信号は、双方向番組に関連する情報の送信開始情報として用い、「D」の機能信号は送信終了情報として用いる。
【0057】
送信開始情報が3種類あるので、この例では、3種類の双方向番組に関連する情報を区別して送信することができる。つまり、3種の双方向番組に関連する情報は、その種別ごとに、「A」、「B」、「C」の機能信号のいずれかと、「D」の機能信号とで区切られて放送される。
【0058】
例えば、双方向番組への応答アクセスに関する情報、例えば応答先の電話番号(受付電話番号)、伝送レートなどの情報は、「A」の機能信号を送信開始情報とし、送信終了情報である「D」の機能信号との間に送信される。また、同様に、例えば応答側の電話番号の末尾制限や現在時刻設定などの環境設定に関する情報は、「B」の機能信号と「D」の機能信号との間に、受信データのクリアに関する情報は「C」の機能信号と「D」の機能信号との間に、それぞれ挟まれた状態の信号として多重化されて放送される。
【0059】
受信側においては、送信開始情報としての「A」、「B」、「C」の機能信号のいずれかと、送信終了情報としての「D」の機能信号とに挟まれた数値や記号データを双方向番組に関連する情報のデータ列(情報群)とみなして、後述のように、メモリの所定の格納域にそれぞれ区別して保存するようにする。
【0060】
受信装置システム20は、既存のテレビジョン受信機21と、双方向番組情報の受信用および応答操作用アダプタ装置25とからなる。アダプタ装置25は、電話回線31に接続されるアダプタ装置本体22と、応答操作部として機能する赤外線利用のリモートコマンダ23とを備える。アダプタ装置25には、外接電話機24が接続可能である。
【0061】
アダプタ装置本体22は、リモートコマンダ23の赤外線リモコン信号の受信部およびデコード部を有する。そして、図6に示すように、アダプタ装置本体22には、リモートコマンダ23が、その赤外線発光部23SDが、赤外線受光部22PDに対向する状態で収納することができるようにされている。すなわち、図6(A)に示すように、アダプタ装置本体22には、リモートコマンダ23を収納する凹部22Rが設けられており、リモートコマンダ23が、この凹部22R内に収納されるだけで、図6(B)に示すような外観となる。
【0062】
図6(B)のように、リモートコマンダ23がアダプタ装置本体23内に収納された状態では、リモートコマンダ23の各種ボタン23a、23b、23c、23Kを操作すると、その操作に応じたリモコン信号が、発光部23SD、受光部22PDを介してアダプタ装置本体22に送られてデコードされるので、あたかも1個の双方向番組情報の受信用および応答操作用アダプタ装置として動作するような使用態様となる。
【0063】
アダプタ装置本体22は、後で詳述するように、電話回線とのインタ−フェースとしてのNCU(ネットワークコントロールユニット)を備えており、図1に示すように、このアダプタ装置本体22には、電話回線31が接続されると共に、外接電話機24が接続される。この例では、外接電話機24はアダプタ装置本体22を介して電話回線31にアクセスすることが可能であり、通常の電話機能を果たすことができる。
【0064】
また、後述するように、アダプタ装置25は、いわゆるハンズフリーの電話機の機能をも有している。すなわち、図6に示すように、リモートコマンダ23には、オンフックボタン23aと、オフフックボタン23bが設けられると共に、いわゆるテンキー(数字等)ボタン23Kが設けられている。一方、アダプタ装置本体22には、電話機として使用するのときには送話器となるマイクロホン22MCと、受話器となるスピーカ22SPが設けられている。
【0065】
そして、ハンズフリーの電話機としての発呼を行なうときには、オフフックボタン23bを押下した後、テンキーボタン23Kにより電話番号をダイヤル入力する。また、相手方からの着呼に対してはオフフックボタン23bを押下するだけでよい。相手方との通話時には、こちらからの送話音声は、マイクロホン22MCを通じて送り、相手方からの受話音声はスピーカ22SPから聴取するようにする。そして、相手方との終話のときには、オンフックボタン23aを押下することで、回線を開放することができる。
【0066】
アダプタ装置本体22は、DTMF信号として多重化されて放送される双方向番組情報の受信/デコーダとしても働き、また、リモートコマンダ23と協同して双方向番組応答装置としても働く。
【0067】
すなわち、この例では双方向番組情報が、DTMF音として放送番組音声に混声されてテレビジョン受信機21のスピーカ21SPから放音されるので、アダプタ装置本体22は、図1に示すように、テレビジョン受信機21のスピーカ21SPからの放音音声をマイクロホン22MCで収音する。アダプタ装置本体22は、後述するように、収音した音声からDTMF音のみを抽出し、前記双方向番組に関連する情報をデコードする機能を備える。
【0068】
この例では応答に電話投票サービスを利用するので、応答に必要な情報は、例えば設問の複数の選択肢のそれぞれに対応付けられた応答先電話番号(テレゴングサービスの電話番号)である。
【0069】
この例の場合、DTMF信号として、この複数の選択肢と応答先電話番号とを放送音声信号に多重する場合には、放送音声にDTMF音が頻繁に混入して煩わしいとともに、多重情報がすべて放送されるまでに比較的長時間がかかる点を考慮して、アダプタ装置本体22に、選択肢(投票番号)と電話番号との対応をテーブル化したものを予め複数通り記憶したEEPROMなどのメモリを設けており、その複数通りのテーブルのうちから使用するテーブルを放送側から指定するようにしている。このようにすれば、放送側から多重して送る情報としては、テーブル指定データのみでよくなる。
【0070】
この例では、アダプタ装置本体22の内蔵メモリには、テーブル情報として電話番号対応テーブルと、この電話番号対応テーブルを指定する電話番号対応テーブル指定テーブル(以下、単に指定テーブルという)とが格納されている。図1に、電話番号対応テーブルの例と、指定テーブルの例とを示すと共に、両者の関係を示す。
【0071】
この例の場合、電話番号対応テーブル42は、図1に示すように、一つの設問についての複数の選択肢番号を対応させた投票番号と、投票先電話番号(応答先電話番号)との対応を示すものであり、複数個が用意されている。各電話番号対応テーブルにはテーブル番号が付与されている。この例の場合、電話番号は、電話投票サービスの電話番号であるので、前述したように、上5桁の「0180−0」は定まっているため、これを省略することができ、メモリに格納されるのは、下5桁の電話番号とされている。これにより、メモリに記憶するテーブルデータ量の削減を計ることができる。
【0072】
指定テーブル41には、各テーブル番号の電話番号対応テーブルのメモリ上の記憶位置を示すアドレスが格納されている。この例の場合、図1に示すように、指定テーブル41は、2次元テーブルであり、この例では、横方向×縦方向=10×10のマトリクス状に電話番号対応テーブルのアドレスが配列されたものとなっている。
【0073】
そして、この例の場合には、指定データは、指定テーブルの横方向の位置を指示する0〜9までの1桁の数値と、縦方向の位置を指示する0〜9までの1桁の数値との2桁の数値で構成されている。例えば指定データが「11」であれば、テーブル番号11の電話番号対応テーブルのアドレスが指定テーブル41から読み出され、そのアドレスにより、メモリからテーブル番号「11」の電話番号対応テーブルが読み出されることになる。この例の場合には、「00」〜「99」までの100個の電話番号対応テーブルを指定することができる。つまり、メモリには100通りの電話番号対応テーブルを用意することができる。
【0074】
なお、指定テーブルは、マトリクス状のものでなくとも、もちろんよい。
【0075】
以上のように、この例においては、2桁の指定データにより使用する電話番号対応テーブルを読み出すことができる。このため、放送側から提供される電話番号に関する多重化情報としては、この2桁の指定データだけでよい。
【0076】
次に、この例の場合の設問に対する応答操作は、設問に対して予め設定されて放送された複数個の選択肢のうちからユーザー(応答者)が選定した選択肢番号であり、これは、リモートコマンダ23のテンキーボタン23Kが操作されて入力される。
【0077】
この応答に先立ち、放送局側からは、前述した設問についての選択肢番号と電話番号との対応テーブルの指定データを含む情報がDTMF信号として放送音声に多重されて送られてくるので、アダプタ装置本体22は、前述したようにして、このDTMF信号をマイクロホン22MCで収音して、デコードし、前記指定データを抽出して、メモリから電話番号対応テーブルを読み出し、応答の際に応答先電話番号を取得するために使用する。
【0078】
そして、リモートコマンダ23のテンキーボタン23Kで、設問に対する回答として選択肢番号の選択が行なわれると、アダプタ装置本体22は、そのリモコン信号を受信して、応答操作の対象となった設問番号と、選択された選択肢番号を応答履歴メモリに記憶すると共に、選択された選択肢番号に対応付けられた電話番号を、前記メモリから読み出した電話番号対応テーブルから取得し、その電話番号を自動ダイヤルする。
【0079】
図5に示すように、電話局の加入者交換局32は、この着信を受付け、同一電話番号への着信毎にその着信数をカウントする。そして、各加入者交換局32は、その交換局でカウントした各電話番号への着信数を、テレゴングシステム33に知らせる。このテレゴングシステム33は、前述したサービス網制御局や管理局のデータ収集および集計機能の役割を行なうものとして示したものである。
【0080】
こうしてテレゴングシステム33において、集計された各選択肢に対する着信呼数は、その選択肢を選択した応答者数として電話回線31を通じて放送局のスタジオのコンピュータに通知される。放送局は、この集計結果を双方向放送番組においてユーザーに放送する。
【0081】
[応答装置の説明]
図6は、図5に示した受信装置システム20の応答装置としてのアダプタ装置25の具体的構成例、つまり、アダプタ装置本体22と、リモートコマンダ23との具体的構成例を示すものである。
【0082】
アダプタ装置本体22は、前述したように、この例では、電話回線を介して双方向番組対する応答を送る(この例では設問に対する選択肢に対応する電話番号への発呼)機能と、テレビジョン受像機21のスピーカ21SPからの音声を収音し、その音声中のDTMF音のみを抽出して、双方向番組関連情報をデコードする機能と、リモートコマンダ23からの赤外線リモコン信号を受信する機能とを有する。
【0083】
また、前述したように、この例のアダプタ装置本体22は、電話回線を介して双方向番組に対する応答を送る機能を持つようにする必要があるので、これをさらに積極的に利用して、送受機を手に持たないで通話をすることができる、いわゆるハンズフリーの電話機としての機能を有するようにしている。まず、この電話機機能のためのNCU(ネットワークコントロールユニット)系について説明する。
【0084】
201は、電話回線側のモジュラージャックであり、202は、外接電話側のモジュラージャックである。モジュラージャック201と202との間には、外接電話のオフフック検出回路203が接続される。この外接電話のオフフック検出回路203は、モジュラージャック202に接続された外接電話24でオフフックされたとき、そのオフフックを検出し、その検出出力をマイクロコンピュータ(以下マイコンという)300に通知する。マイコン300は、この外接電話24から電話回線に対してアクセスすることができるように制御する。
【0085】
電話回線側のモジュラージャック201は、また、サージ保護回路204、リング検出回路205、極性反転検出回路206、ダイヤルスイッチ207、フックスイッチ208を介してトランス209に接続される。ここで、回線側とマイコン300側とは絶縁されている。
【0086】
リング検出回路205は、電話回線を介しての着信時に、16Hz、75Vの電圧が断続する呼び出し信号を検出したら、その検出出力をマイコン300に通知する。
【0087】
極性反転検出回路206は、電話回線の極性が反転したことを検出したらその検出出力をマイコン300に通知する。マイコン300は、これにより、マイコン300は、回線が接続された、つまり発呼に対して着信が行われたことを認識する。
【0088】
ダイヤルスイッチ207は、発呼時にダイヤラー210を通じてマイコン300から送られてくる回線種別とダイヤルデータに従いダイヤルを行う。回線種別は、ユーザーにより、図示しない回線種別設定用ディップスイッチに対して設定が行われている。マイコン300は、設定がダイヤル回線であるならば、ダイヤラー210を介してダイヤルスイッチを制御して、10pps/20ppsのパルスでダイヤルを行い、PB回線(プッシュ回線)であるならば、ダイヤラー210を介して送出アンプ211にPB信号(DTMF信号)でダイヤルを行う。
【0089】
ダイヤルデータは、アダプタ装置本体22およびリモートコマンダ23がハンズフリーの電話機として使用されるときはユーザの電話番号入力のキー操作をマイコンが受けて、マイコン300から送り出される。また、アダプタ装置本体22およびリモートコマンダ23が双方向番組に対する応答操作機器として使用されるときには、マイコン300のメモリに蓄えられた応答先電話番号(放送局から双方向番組情報として送られてきた選択肢毎の電話番号)が読み出されて、マイコン300から送り出されて、自動ダイヤルされる。
【0090】
フックスイッチ208は、マイコン300からの制御により、オンフック(回線開放)状態と、オフフック(直流ループ閉結)状態を切り換える。この例の場合には、リモートコマンダ23のオンフックボタン23bと、オフフックボタン23aの操作に応じてこのフックスイッチ208の切り換えがなされる。
【0091】
スピーカフォン212は、2線4線変換を行う通話路回路であって、トランス209を通じて電話回線から送られてくる相手方音声(受話音声)をスピーカアンプ213を介してスピーカ22SPに供給し、また、マイクロホン22MCで収音され、マイクアンプ214を通じた音声(送話音声)をトランス209を介して電話回線に送り出すようにする。
【0092】
トランス209からの受話音声は、また、トーン検出回路215に供給される。このトーン検出回路215は、ビジートーン、リングバックトーン、ダイヤルトーンなどの各種コールプログレストーンを検出し、マイコン300に通知する。
【0093】
また、DTMFレシーバ217は、入力音声からDTMF信号を抽出して、それを数値や#、*、A、B、C、Dなどの記号の情報にデコードする。このDTMFレシーバ217には、トランス209を通じた受話音声と、マイクロホン22MCで収音され、アンプ214を通じた音声とのいずれかが、アナログスイッチ回路216により切り換え選択されて入力される。スイッチ回路216は、マイコン300からの切り換え信号により、非通話時には、アンプ214からの音声信号を選択し、通話時(フックスイッチ208がオフフックのとき)には、トランス209からの受話音声信号を選択するように切り換えられる。
【0094】
このDTMFレシーバ217からのDTMF信号のデコード信号は、マイコン300に供給される。マイコン300は、このDTMF信号のデコード信号から応答開始情報や前述した電話番号対応テーブルの指定データの抽出やそれに応じた処理を行なう。この処理については、後で詳述する。
【0095】
マイコン300は、いわゆるワンチップマイコンの構成を有しており、CPUと、プログラムや固定データを格納しているROMと、不揮発性RAMや揮発性RAMとを内蔵している。そして、この例の場合には、マイコン300の外部に、メモリ218が接続されている。このメモリ218は、電気的に消去および書き込みが可能なROM(EEPROM)で構成されており、前述した電話番号対応テーブルや、指定テーブルの情報を格納している。
【0096】
また、このメモリ218には、工場出荷時に、各受信装置固有の識別情報(識別情報を以下IDと呼ぶ)が設定されていると共に、ユーザーの入力設定により、ユーザーIDが登録される。ユーザーIDとしては、例えばユーザーの電話番号などが登録される。
【0097】
そして、表示素子22LDは、アダプタ装置本体22の電源のオン・オフ、応答のために必要なDTMF信号の受信デコード中、テレゴングのカットスルー状態、応答先の電話番号の表示を行なうためのもので、マイコン300により、点灯、消灯、点滅が制御される。
【0098】
リモコン受光部22PDは、リモートコマンダ23からの赤外線リモコン信号を受光して、そのリモコン信号をマイコン300に通知する。マイコン300は、内蔵の復調器で、このリモコン信号をデコードする。
【0099】
リモートコマンダ23は、ワンチップマイコン231と、数字等ボタン23Kやオンフックボタン23a、オフフックボタン23bなどからなるボタン群232と、発光部を備える送信部233とを備える。マイコン231は、一定周期で、ボタン群232を走査し、ボタン押下を検知する。そして、マイコン231は、ボタン押下を検知すると、その押下されたボタンに応じたリモコン信号を送信部233に送る。送信部233は、その発光部からそのリモコン信号を赤外線として受光部22PDに対して送信するようにする。
【0100】
なお、219は、応答制限がされている場合や、制限時間外に、ユーザーが応答操作したときに、不適切な応答操作であることを知らせるためなどに用いられる警報ブザーであり、マイコン300により制御される。
【0101】
[アダプタ装置のハンズフリー電話機としての使用]
ユーザーは、アダプタ装置をハンズフリー電話機としてこれより発呼を行なう場合には、リモートコマンダ23のオフフックボタン23bを押下した後、数字等ボタン23Kを操作して相手先電話番号をダイヤル入力する。すると、リモートコマンダ23のマイコン231は、これを検知して、例えばオフフックボタン23bに埋め込まれたLEDを点灯してオフフック状態を表示すると共に、送信部233を介してオフフックボタン23b押下の情報をアダプタ装置本体22のマイコン300に通知し、その後、電話番号の情報を通知する。
【0102】
マイコン300は、電話番号を表示素子22LDに表示すると共に、前述したNCU系を制御し、相手方にダイヤルを行なう。そして、相手方の応答を待って直流ループを閉結し、通話可能状態とする。この通話可能状態では、ユーザーは、マイクロホン22MCより送話音声を送り、相手方からの受話音声をスピーカ22SPから聴取する。
【0103】
通話が終了したときには、オンフックボタン23aを押す。すると、マイコン231は、オフフックボタン23bのLEDを消灯させると共に、例えば、ボタン23aを押している間だけ、このオンフックボタン23aに埋め込まれているLFDを点灯させる。そして、リモートコマンダ23は、オンフックボタン23aの押下の情報をアダプタ装置本体22のマイコン300に通知する。マイコン300は、これを受けて、回線開放の状態にする。
【0104】
また、相手方からの着呼をハンズフリー電話機としてのアダプタ装置で受ける場合には、ユーザーは、オフフックボタン23bを押下する。アダプタ装置本体22は、リモートコマンダ23からこのオフフックボタン23bのリモコン信号を受け取ると、直流ループの閉結を行ない、通話可能状態にする。以後は、発呼時とほぼ同様である。以上のようにして、アダプタ装置をハンズフリーの電話機として使用することができる。
【0105】
[双方向番組関連情報の受信]
DTMF音をテレビジョン受信機のスピーカの放音音声から受信して抽出するために、アダプタ装置本体22のマイクロホン22MCを、テレビジョン受信機21のスピーカ21SPの方向に向ける。
【0106】
オンフックボタン23aあるいはオフフックボタン23bが操作されないときには、スイッチ回路216はマイクアンプ214側に切り換えられているので、DTMFレシーバ217は、このテレビジョン受信機21のスピーカ21SPからの放音音声に含まれるDTMF音を抽出する。DTMFレシーバ217からのDTMF信号のデコード信号はマイコン300に供給される。
【0107】
この例の場合、放送局からは双方向番組において、視聴者の応答(テレゴングの場合には投票)を期待する部分で、まず、双方向番組に関連する情報の送信開始情報として例えばDTMFの機能音「A」が多重放送され、続いて電話番号対応テーブルの指定データとしてDTMF信号で表現される2桁の数値が多重放送され、最後に、双方向番組に関連する情報の送信終了情報としてDTMFの機能音「D」が多重放送される。
【0108】
図8は、アダプタ装置25における双方向番組に関連する情報の受信およびデコード並びに保存の処理の流れ図である。
【0109】
アダプタ装置25に電源が投入されると、メモリ218の双方向番組関連情報を格納するメモリアドレスを示すポインターをクリアする。また、いわゆるタイムアウト判定のためのタイマーカウンタもクリアする(ステップS1)。
【0110】
そして、マイコン300は、DTMFレシーバ217に内蔵されるDTMFデコーダの出力を、常時、あるいは所定の周期でサーチし(ステップS2)、現に受信中の放送番組の音声信号にDTMF信号が混声されているか否かを判断する(ステップS3)。なお、DTMFデコーダは、前述の図3に示した規約に合わない音声は、デコードは行なわない。
【0111】
そして、ステップS3において、その走査タイミングではDTMF信号が検知されないときには、ステップS4に進み、既に多重信号として送信開始のDTMF機能信号「A」を受信したか否かを判断し、いまだ送信開始信号「A」を受信していなければ、ステップS2に戻って、次のデコーダ走査のタイミングを待ち、以下の処理を繰り返す。
【0112】
また、既に送信開始機能信号「A」を受信しているときには、ステップS4からステップS5に進み、送信開始機能信号「A」の受信時点から一定時間、例えば10分間経過していれば、タイムアウトと見做し、ステップS14に飛んで、双方向番組関連情報の受信失敗を示すブザー音、例えば「ピーッ!」をブザー219から発生させる。そして、ステップS2に戻る。ステップS5で、まだ一定時間経過していないと判断されたときにも、ステップS2に戻る。
【0113】
ステップS3で、その走査タイミングでDTMF信号が検知されたときには、それが送信終了のDTMF機能信号「D」であるか否か判断し(ステップS6)、「D」であれば、ステップS12に飛んで、受信した情報に整合性があるか否かをチェックし、整合性があれば、ステップS13に進んで、正常受信終了を示すブザー音、例えば「ピッ!」をブザー219から発生させる。そして、ステップS2に戻る。
【0114】
また、ステップS6で、DTMF信号が「D」の機能信号でないと判断されたときには、ステップS7に進んで、受信データを格納するメモリのアドレスを示すポインターが、当該格納エリアの先頭を示しているか否かを判別する。
【0115】
ポインターが先頭を示している場合には、ステップS8に進んで、受信したのは送信開始機能信号「A」であるか否かを判定し、送信開始機能信号「A」でなければ、無効としてステップS2に戻り、送信開始機能信号「A」であれば、ステップS9に進む。また、ステップS7でポインターが先頭を示していなければ、ステップS7からステップS9に進む。
【0116】
ステップS9では、ポインターがメモリの多重データ格納範囲を越えたか否か判別し、格納範囲を越えていればステップS14に進んで、双方向番組関連情報の受信失敗を示すブザー音をブザー219から発生させる。また、格納範囲を越えていなければ、ステップS10に進んで、ポインターで示される格納位置に、受信データを格納し、次のステップS11でポインターを更新し、ステップS2に戻る。
【0117】
なお、多重データの正常受信終了あるいは異常終了は、ブザー音だけでなく、アダプタ装置25の液晶表示部への表示や、LEDの点滅などを併用することにより、より確実に明示することができる。また、1つのDTMF信号を検知してデコードする毎にアダプタ装置25の液晶表示部に、例えば「*」などを表示することにより、受信過程をユーザーに知らせるようにすることも可能である。
【0118】
また、図8は多重データの受信時の流れを示したものであり、この受信途中でリモートコマンダ23でボタン操作が行なわれた場合には、その操作が並列に動作するものである。ただし、双方向番組関連情報を受信中は受信フラグがオンとされて、ユーザーの応答操作に基づいた送信は行なわないようにしている。受信途中の中途半端なアクセス情報により、応答の送信を行なわせないためである。受信フラグは、双方向番組関連情報の受信を完了したときにオフになる。
【0119】
以上の動作によって、応答に必要な電話番号対応テーブルの指定データなどが受信され、メモリに格納される。この場合、前述したように、放送側から送られてくる多重データとしては、テーブル指定データだけでなく、例えば応答可能者を制限する情報などもある。
【0120】
例えば、環境設定に関する情報として、特定の電話番号(加入者番号)を持った視聴者のみにアクセスを制限する場合、例えば、電話番号末尾が0の番号のみにアクセスを許可するときは、
0#0
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、また、電話番号末尾が1の番号のみにアクセスを許可するときは、
0#1
のようなDTMF信号の各機能信号により構成されるデータ列が、それぞれ、「B」の機能信号と「D」の機能信号との間に挟まれた状態で主放送オーディオ信号に多重化されて送出される。この場合、記号「#」の前の数字「0」は、記号「#」の次の数字を、末尾として有する電話番号からのアクセスを許可することを意味する。
【0121】
その他、例えば応答操作を一定時間内に制限する制限情報など、種々の多重データが放送側から提供されるものである。
【0122】
[応答発信処理]
そして、受信した多重データ中にテーブル指定データがあった場合には、次のようにして、その指定データで指定される電話番号対応テーブルが用いられて、ユーザーの応答操作に応じた応答先電話番号に対して自動発呼が行なわれる。
【0123】
図9に、テレゴングを利用した双方向番組の応答(投票)の操作があったときの、応答の自動発呼の処理動作の流れを示す。すなわち、ユーザーの応答操作に応じた応答コマンドがリモートコマンダ23からアダプタ装置本体22に受信されると、図9のルーチンに入る。
【0124】
まず、ステップS11において、応答(投票)可能状態であるか否かを判断する。これは、既に応答(投票)のために必要なテーブル指定データを受信したか否か(受信フラグがオフになっているか否か)、自分は発呼制限された者でないか否か、さらには、電話回線が空いているかどうかなどをチェックする処理である。
【0125】
応答可能状態でないときには、投票は無効であるので、ステップS11からステップS17に飛んで、エラーを示すブザー音を発生させ、この応答発信処理ルーチンを終了する。
【0126】
応答可能状態であるときには、ステップS11からステップS12に進んで、指定テーブル41から、テーブル指定データにより示される電話番号対応テーブルのアドレスを特定し、そのアドレスの電話番号対応テーブルをメモリ218から読み出す。
【0127】
次に、ステップS13に進んで、読み出した電話番号対応テーブルから、ユーザーの選択した投票番号に対応する投票先の電話番号を抽出し、ステップS14で応答の発信を行なう。
【0128】
次に、ステップS15に進んで、応答の発信が正常に終了したか否か判断し、正常に終了した場合には、ステップS16に進んで、正常終了を示すブザー音を発生させて、この応答発信処理ルーチンを終了する。また、自動発呼時(オフフック時)にビジートーンが検出されたり、着信が行なわれなかったりして、応答の発信が正しく行なわれなかった場合には、ステップS15からステップS17に進んで、エラーを示すブザー音を発生させ、この応答発信処理ルーチンを終了する。
【0129】
[テーブル情報の他の例]
図1に示した電話番号対応テーブルの電話番号情報は、電話番号そのものであるが、次に説明するように、電話会社の交換機側の対応により、電話番号情報をさらに少なくし、また、アダプタ装置25以外の一般の電話機からの発呼ができないようにすることができる。
【0130】
図10の例の電話番号対応テーブルは、電話投票サービスの投票先電話番号として、短縮番号が利用される場合のものである。この場合、「#××」という2桁表現の短縮番号による発呼があると、電話会社は、これを電話投票サービスの電話番号として認識して着信を受けるものである。
【0131】
また、図11の例の電話番号対応テーブルは、電話投票サービスの投票先電話番号として、一般の電話機からは発信できない機能信号「A」「B」「C」「D」などを使うもので、この場合も、「A1」「A2」…などという2桁表現の記号および番号による発呼があると、電話会社は、これを電話投票サービスの電話番号として認識して着信を受けるものである。
【0132】
このように、電話番号として短縮番号を用いたり、一般の電話機からは発信できない機能信号「A」「B」「C」「D」などを使用することにより、応答先電話番号を、アダプタ装置の所有者以外に秘匿することができ、また、応答の発信者をアダプタの所有者に限定することができる。
【0133】
以上の例は、投票番号と電話番号との対応のみをテーブルとして指定できるようにしたが、例えば、ある応答の返信先には、ユーザーIDやユーザーの機器IDを送信させるという指定を対応テーブルの付加情報として準備させるようにしたり、あるクイズに対して応答する場合には、その対応テーブルを指定することにより、正解を応答する応答者のIDを送信させるようにして、正解者の特定を放送側で行なうようにすることもできる。
【0134】
また、例えば応答開始機能信号「A」の受信時点から応答操作時点までの相対時間を応答情報に含めるようにするという情報を対応テーブルに付加情報として準備させ、例えば、早押しクイズの設問に対する応答の場合には、その対応テーブルを指定させることによって、応答者の応答時間の早さを放送側で知るようにすることもできる。
【0135】
図12は、電話番号情報に、上述したような付加情報を加えた場合の対応テーブルの例である。以下の説明では、電話番号対応テーブルと区別するために、この対応テーブルをパラメータテーブルと呼ぶ。この例の場合も、指定テーブルは、前述した電話番号対応テーブルの場合とまったく同様である。
【0136】
この例のパラメータテーブルは、図12に示すように、双方向番組に対する応答情報を形成するために必要な情報と、応答情報の送信に必要な情報とが書き込まれることにより形成されている。
【0137】
図12において、「応答番号」は、双方向番組により提供されるクイズの設問などの応答要求に対して、ユーザが選択することができる番号である。また、「応答先電話番号」は、応答情報を送信する先の電話番号であり、この例の場合には、各応答番号に対応して設定されている。また、「応答先電話番号」は、異なる応答番号に同じ電話番号が設定されたり、応答先を1ケ所とするため、すべての応答番号に対して同じ電話番号が設定される場合などがある。
【0138】
「送信情報の有無」は、送信すべき応答情報の有無を示す情報であり、この情報が“0(無)”であるときには、送信すべき応答情報は無しとされ、発呼が行なわれるだけとなる。いわゆるテレゴングを利用した応答の場合である。
【0139】
なお、応答先が送信情報「無」のテレゴングの場合、電話番号は、前述と同様に、01800×××××のように定まっているので、上5桁の01800は省略して、下5桁のみをテーブルに記憶するようにもできる。
【0140】
「ID情報」は、ユーザーIDや機器IDなどの識別IDを応答情報に含めて送信するか否かを示す情報である。「時間情報」も同様に、応答操作時刻を応答情報に含めて送信するか否かを示す情報である。
【0141】
また、「発注番号」「カードID」は、テレビショッピングなどの双方向番組において使用されるものであり、発注番号や、カードIDを応答情報に含めて送信するか否かを示す情報である。
【0142】
また、「応答時間」は、ユーザが応答操作入力をすることができる時間を示しており、この例の場合には、前述したように応答開始情報が放送側からこの例のアダプタ装置のマイコン300に提供された時点からの相対時間として指定される。
【0143】
また、「発信時間」は、ユーザ側から応答発信をすることができる応答発信開始時刻を示しており、この例においては、「応答時間」と同様に、応答開始情報の時点からの相対時刻として示されている。
【0144】
[応答発信処理の他の例]
次に、この例のパラメータテーブルと、指定テーブルが用いられた場合の応答装置における双方向番組に対する応答発信処理について、図13、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
【0145】
双方向番組を受信、選局している受信装置のスピーカから、DTMF信号の再生音として、応答開始を示す情報、例えば“AA”と、指定データが出力されると、アダプタ装置本体22は、これを収音してデコードする。そして、アダプタ装置本体22のマイコン300は、応答開始を示す信号“AA”を検知すると、タイマー(図示せず。これはソフトウエアタイマーでもよいし、別にタイマー回路を設けてもよい。)をスタートさせ、この時点からの相対時間を計測するようにする(ステップS21)。
【0146】
このステップS21の処理により、ユーザは応答操作が可能となる。この例においては、双方向番組からの応答要求である、例えば、クイズの設問に対する選択肢などの提供は、応答開始を示す情報“AA”、テーブル指定データ(以下、単に指定データという)などの送信に先立って行なわれている。
【0147】
そして、次にマイコン300は、指定データを検知すると、この指定データに基づいて、メモリ218に記憶されている指定テーブルを介して、このメモリ218に記憶されている該当するパラメータテーブルを読み出す(ステップS22)。
【0148】
次に、マイコン300は、ユーザによる応答操作があるか否かの監視を開始し(ステップS23)、応答操作がない場合には、前述したタイマーにより提供される相対時間が、読み出されたパラメータテーブルの「応答時間」によって示された応答操作許可時間を超えていないか否かを判断する(ステップS24)。
【0149】
ステップS24の判断処理において、タイマーにより提供された相対時刻が、応答操作許可時間を超えたときには、それ以降の応答操作は認められないものであることを、例えばブザー219やLED22LDを点灯するなどしてユーザに通知し(ステップS25)、応答送信処理を終了する。
【0150】
ステップS24の判断処理において、応答操作許可時間がまだ経過していないときには、ステップS23の処理から繰り返される。
【0151】
ステップS23の処理において、ユーザによる応答操作が行なわれたことを検知すると、マイコン300は、読み出したパラメータテーブルの「時間情報」によって示される、応答操作を行なった時刻の情報が応答情報として必要であるか否かを判断し(ステップS26)、ここで「時間情報」が“無”と設定されていた場合には、ステップS28の処理に進む。
【0152】
ステップS26の判断処理において、パラメータテーブルの「時間情報」が“有”だった場合には、タイマーが示す相対時間を取得する(ステップS27)。そして、パラメータテーブルの「発注番号」や「カードID」が“有”を示しているかを判断して、ユーザが入力する必要がある情報(以下、単に入力情報という)の指定があるか否かを判断する(ステップS28)。そして、入力情報の要求をパラメータテーブルに設定されていない場合には、ステップS32の処理に進む。
【0153】
入力情報の要求が、パラメータテーブルに設定されている場合、例えば、双方向番組がテレビショッピングの場合の「発注番号」や、決済方法についての情報であるクレジットカードの識別情報である「カードID」など、付加情報が“有り”とされている項目について、液晶ディスプレイにユーザに対して入力を促す表示を行なう(ステップS29)。
【0154】
そして、ユーザが入力情報をリモートコマンダ23を操作して入力した場合には、アダプタ装置本体22は、リモコン受光部22PDを介して、マイコン300に入力情報を受け入れ、RAMなどのメモリに保持する(ステップS30)。
【0155】
そして、次に、マイコン300は、パラメータテーブルの入力情報に関するパラメータを確認し、他に入力が必要な情報があるか否かを判断する(ステップS31)。ステップS31の判断処理において、他に入力が必要な情報があると判断されたときには、ステップS29からの処理が繰り返される。
【0156】
入力情報がすべて入力されると、あるいは、前述したように入力情報が不必要であった場合には、パラメータテーブルの「発信時間」のパラメータより、応答の発信の時間の指定の有無を判断する(ステップS32)。
【0157】
このステップS32で、「発信時間」の指定がなかったときには、即座にステップS34に進んで応答の発信を行なう。また、ステップS32において、「発信時間」の指定があったときには、パラメータテーブルの「発信時間」によって指定された発信基準タイミングまでその後の処理が待ち状態となる(ステップS33)。
【0158】
そして、ステップS33において、パラメータテーブルの「発信時間」が示す時間が経過すると、応答の発信が可能となり、ステップS34に進んで、応答の発信を行なう。すなわち、マイコン300は、オフフック状態を形成し、パラメータテーブルの「返信先電話番号」に基づいて自動ダイヤルし、パラメータテーブルの指定に基づいて形成された応答情報を送信して、応答情報をすべて送信して応答発信処理を終了させる。
【0159】
[応答装置のメモリ218のテーブル情報の書き換え]
メモリ218のテーブル情報は、予め書き込まれて登録されるものであるが、このテーブルは、放送局側から、例えば番組編成が変わるときなどの時期に放送局側から電話回線を通じてメモリ218のテーブル内容を書き換えるようにすることができる。この書き換えは、いわゆるノーリンギング着信により、夜間などに行うことができる。図7に示したブロック図のリング検出回路205は、このノーリンギング着信を受けると、呼び音を鳴らさずに着信を受ける機能を備えている。
【0160】
図15は、アダプタ装置25のマイコン300で実行される、このテーブル書き換えの処理ルーチンの一例である。この例は、DTMF信号としてテーブルデータが放送局側から送られて、メモリ218のテーブル情報の書き換えが行われる。
【0161】
ノーリンギング着信信号を受けると、このルーチンがスタートし、オフフックする(ステップS41)。すると、放送局側からはDTMF信号の形式で電話回線を介してテーブルデータが送られてくるので、これをDTMFレシーバ217により受信し、デコードする。マイコン300は、このデコードデータを受信する(ステップS42)。
【0162】
次のステップS43では、外接電話オフフック検出回路203の検出出力を探査して、外接電話24がオフフックされたか否かを判断する。あるいはDTMF信号を検出したか否かを判断する。そして、外接電話がオフフックされたときには、あるいはDTMF信号が検出されなかったときには、ステップS51に飛んで、アダプタ装置25は、フックスイッチ208をオンフックして、この処理ルーチンを終了する。
【0163】
これは、ノーリンギング着信は、通話優先であるので、このノーリンギング着信の際に外接電話24がオフフックされたら、そちらを優先させるためである。
【0164】
ステップS43で、外接電話はオフフックされずに、DTMF信号が検出されたときには、ステップS44に進んで、データ終了を検出したか否かを判断し、データ終了を検出しなかったときには、ステップS42に戻り、データ終了検出までDTMF信号の受信を行う。
【0165】
データ終了を検出したらステップS44からステップS45に進み、受信データに整合性があるか否かを判断し、整合性がなければステップS50に進んで、受信エラーであることをブザー音を発生させてユーザに通知し、その後ステップS51に進んで、フックスイッチ208をオンフックしてこのルーチンを終了する。
【0166】
また、ステップS45で、受信データの整合性があると判断されたときには、ステップS46に進み、前のテーブルデータをメモリ218から消去する。その後、ステップS47に進み、受信したテーブルデータをメモリ218に書き込む。
【0167】
そして、次のステップS48で書き込みが正常に終了したか否かをチェックし、異常があれば、ステップS50に進んで、受信エラーであることをブザー音を発生させてユーザに通知し、その後ステップS51に進み、また、書き込みが正常に終了したときには、ステップS49でテーブル書き換えが正常に終了したことをブザー音でユーザに通知した後、ステップS51に進んで、フックスイッチ208をオンフックしてこのルーチンを終了する。
【0168】
以上のようにして、メモリ218のテーブルデータは、必要なときに、放送局側から書き換えることができる。なお、以上の例では、書き換えるテーブルデータはDTMF信号として放送局側から送るようにしたが、データ形式は、電話回線を通じて送ることができるものであれば、対応するデコード回路をアダプタ装置25に設けることを条件に、DTMF信号の形式に限られるものではない。
【0169】
上述の実施例は双方向番組情報は、DTMF信号を使用して放送音声に多重化するようにしている。DTMF信号のレシーバは、電話機用として広く普及しており、受信装置のアダプタ装置を安価に製造することができる。そして、双方向番組情報はDTMF音であるので、これをアダプタ装置のマイクロホンで収音し、内蔵のDTMFレシーバでデコードする構成である。このため、受信側のシステムでは、テレビジョン受信機はまったく改良する必要がない。
【0170】
しかし、上述のようなアダプタの構成ではなく、DTMF信号の受信/デコード部をテレビジョン受信機に内蔵し、また、NCU部をもテレビジョン受信機に内蔵するようにしてもよい。この場合には、応答のためのリモートコマンダと、テレビジョン受信機用のリモートコマンダとを共通化するようにすることもできる。
【0171】
[他の実施例]
以上の例では、応答に電話投票サービスを利用するようにしたが、いわゆるテエドームと呼ばれる大量情報提供サービスを応答に利用するようにすることもできる。この大量情報提供サービスは、音源回線や音源装置を放送局などのサービス加入者が用意し、電話会社が設定する所定の電話番号(例えば0180−99−××××)へ多数の利用者が電話をかけると、上記音源からの音声情報が前記多数の利用者に同時に提供できるようにするものである。
【0172】
この大量情報提供サービスの場合には、多数の利用者による上記電話番号へのアクセスに対して、回線のパンクを避けて、当該多数の利用者に同時に音声情報を提供できるもので、テレビショッピングの情報提供や、クイズ番組の正解のメッセージを提供する場合などに利用できる。
【0173】
また、テーブル情報の書き換えは、放送局側からノーリンギングによりユーザー宅に着信を行ない、電話回線を通じてデータを送って行なうのではなく、ユーザーにテレゴングサービスやテレドームサービスの電話番号に電話をかけてもらい、その応答メッセージとしてテーブルデータをユーザー側に送るようにして、行なうようにしてもよい。
【0174】
双方向番組の番組関連情報は、映像信号の垂直ブランキング期間内の空きの水平区間に重畳するようにしてもよい。また、音声多重の副音声信号として双方向番組関連情報を多重したり、多重データを搬送するために主放送信号としての映像信号や音声信号とは別の帯域の信号を用いる多重放送の場合にも、多重データの抽出、デコード処理の部分を変更するだけで対応することができる。
【0175】
また、衛星放送、ケーブルテレビ放送の場合でも、この発明は適用することができる。さらに、前述の実施例では、この発明をテレビジョン放送および受信機に適用した場合について説明したが、双方向放送のアクセス用データなどの副放送情報を、上記の例のように比較的狭いオーディオ帯域内の例えばDTMF信号を用いて構成し、主放送オーディオ信号と多重して放送するものであれば、AM、FMのラジオ放送やPCM音声放送と、それぞれ対応の受信機に適用することも可能である。
【0176】
また、この発明は、FM放送の空き周波数帯域を用いる文字多重にも応用できる。つまり、FM文字多重信号に代えて、双方向番組関連情報を多重することで、上述と同様の構成および作用効果が実現できる。
【0177】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、応答装置側に電話番号対応テーブルやパラメータテーブルを予め用意して、メモリに記憶しておき、放送局側からは、そのメモリに記憶されているテーブル情報の中から応答のために使用するものを指定する指定データを放送信号に多重して送信するようにしたので、放送信号に多重するデータ量を少なくすることができる。
【0178】
また、直接に応答先電話番号を放送信号に多重するものではないので、テーブル情報を有しないユーザーからは応答が行なえず、また、応答番号の秘匿も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に使用するテーブル情報の例を示す図である。
【図2】DTMF信号を説明するための図である。
【図3】DTMF信号を説明するための図である。
【図4】電話投票サービスを説明するための図である。
【図5】この発明による双方向放送システムの一実施例の全体の概要を示す図である。
【図6】この発明による応答装置の一例のアダプタ装置の構成例を示す図である。
【図7】図6の例のアダプタ装置の具体的構成例を示す図である。
【図8】この発明による応答装置での多重データの受信動作の一例の流れ図を示す図である。
【図9】この発明による応答装置の一実施例での応答発信処理の一例の流れ図を示す図である。
【図10】この発明に使用するテーブル情報の他の例を示す図である。
【図11】この発明に使用するテーブル情報の他の例を示す図である。
【図12】この発明に使用するテーブル情報の他の例を示す図である。
【図13】この発明による応答装置の一実施例での応答発信処理の他の例の流れ図の一部を示す図である。
【図14】この発明による応答装置の一実施例での応答発信処理の他の例の流れ図の残部を示す図である。
【図15】この発明による応答装置の一実施例におけるテーブル書き換え処理の流れ図を示す図である。
【符号の説明】
10 放送局のシステム
20 受信装置システム
21 テレビジョン受信機
22 アダプタ装置本体
23 リモートコマンダ
25 アダプタ装置
22MC マイクロホン
22PD リモコン受光部
23SD 発光部
23K 操作ボタン
30 電話局のシステム
31 電話回線
217 DTMFレシーバ
218 メモリ
300 マイコン

Claims (4)

  1. 放送側から、設問と、その設問に対する選択肢とを放送する双方向番組を提供し、受信者の電話回線を通じての前記設問に対する選択肢の選択応答を期待する双方向番組を提供する双方向放送方法において、
    受信側の装置に備えられるメモリに記憶された、前記設問に対する選択肢と、それぞれの選択肢に対応する応答先の電話番号との複数の対応テーブルの中から、前記双方向番組において使用する前記対応テーブルを指定する指定情報を、放送側から、放送信号に多重して放送し、
    受信側の装置では、前記メモリの前記複数の対応テーブルの中から前記指定情報により使用する対応テーブルを読み出し、前記双方向番組で放送された設問に対する前記受信者が選択応答操作に応じ、前記メモリから読み出された対応テーブルから得た前記選択応答操作により選択された選択肢に対応する前記応答先の電話番号に対して前記電話回線を通じての応答の発信を行なうようにすることを特徴とする双方向放送方法。
  2. 設問と、その設問に対する選択肢とが放送される双方向番組に対して電話回線を介して応答の発信を行なう応答装置であって、
    前記設問に対する選択肢と、それぞれの選択肢に対応する応答先の電話番号との対応テーブルを、複数個、記憶するメモリと、
    放送信号に多重化された、前記メモリの複数個の前記対応テーブルのうちから前記応答に使用する前記対応テーブルを指定する指定情報を、デコードするデコード手段と、
    このデコード手段でデコードされた指定情報に基づいて前記メモリより対応テーブルを読み出す手段と、
    利用者の応答操作を受け付ける入力操作手段と、
    前記入力操作手段を通じての前記選択肢の選択応答操作に応じ、前記メモリから読み出された対応テーブルから得た前記選択応答操作により選択された選択肢に対応する前記応答先の電話番号に対して前記電話回線を通じての応答の発信を行なう応答処理手段と
    を備える双方向放送に対する応答装置。
  3. 前記選択肢に対応する応答先の電話番号が電話会社の電話投票サービスの電話番号であることを特徴とする請求項2に記載の双方向放送に対する応答装置。
  4. 前記選択肢に対応する応答先の電話番号が電話会社の情報提供サービスの電話番号であることを特徴とする請求項2に記載の双方向放送に対する応答装置。
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