JPH083697Y2 - 溶接スタッドボルト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、母材に溶接される溶
接スタッドボルトに係り、更に詳細には、形状を改良し
た溶接スタッドボルトに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、母材に溶接されるスタッドボルト
は、ねじ部本体と、このねじ部本体の一端に若干のねじ
無し突起部とで構成されている。そして、このスタッド
ボルトを母材に溶接する手段としては、手打ち式溶接ガ
ンを用いて作業者がスタッドボルトの方向を合わせてこ
の溶接ガンにボルト込めして行なう方法と、スタッドボ
ルトを自動供給装置に供給すると共に、スタッドボルト
の方向性を判別し、正常なスタッドボルトのみを自動溶
接ガンに送って行なう方法とが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで、上述した前
者の手打ち式溶接ガンを用いて行なう方法では、どうし
ても作業者がスタッドボルトの方向性を検視する必要が
あり、作業者に大きな負担がかかると共に手間と時間が
かかるという問題があった。

【０００４】また、上述した後者の自動供給式溶接ガン
では、スタッドボルトの方向を自動的に判別する方向判
別装置が必要であると共に、スタッドホルトのサイズ
（太さ、長さ）が多いため、高価な装置となってしま
う。さらにスタッドボルトの方向を確実に検出して自動
的にスタッドボルトを供給すると共に、逆向きのスタッ
ドボルトを判別した場合には元のフィーダへ戻さなけれ
ばならず、自動供給装置自体が複雑なものになってしま
うという問題があった。

【０００５】この考案の目的は、上記の課題を解決する
ため、スタッドボルトの全長を全ねじにし、両端に同じ
形状の突起を設けてボルトの方向性をなくし、作業者に
頼ることなくスタッドボルトの方向を判別する方向判別
装置を必要としないで、低価格で自動的に供給できるよ
うにした溶接スタッドボルトを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この考案は、全長を全ねじにしたねじ部と、このね
じ部の両端にほぼ同じ形状の突起部とで構成されている
ことを特徴とする溶接スタッドボルトである。

【０００７】

【作用】この考案のスタッドボルトを採用することによ
り、溶接スタッドボルトは、全長を全ねじにしたねじ部
と、このねじ部の両端にほぼ同じ形状の突起部とで構成
されているから、スタッドボルトの方向性がなくなる。
したがって、溶接ガンにスタッドボルトを供給する際、
スタッドボルトの方向性を気にするこなく、かつ作業者
に頼ることなく自動的に供給される。また、自動供給装
置には方向判別装置が不要となり、自動供給装置自体も
簡素化される。

【０００８】

【実施例】以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。

【０００９】図１を参照するに、溶接スタッドボルト１
は全長にねじが刻設されたねじ部３を備えており、この
ねじ部３の一端５および他端７には、スタッドボルト１
の直径を底９とし、円錐状の山形を形成したほぼ同形状
の突起部１１が設けられている。

【００１０】したがって、溶接スタッドボルト１の方向
を判別することなく溶接できるように、溶接スタッドボ
ルト１の方向性を無くしたので、作業者が、スタッドボ
ルト１の方向を気にすることなく、スタッドボルトの一
端５あるいは他端７を母材１３に溶接すべく自動供給す
ることができる。

【００１１】また、図２には図１の他の実施例が示され
ている。図２において、上述した実施例と同一部品に同
じ符号を付し、異なる点のみを説明すると、図１の突起
部１１の代りに、スタッドボルト１の一端５あるいは他
端７に設けた突起部１５を、スタッドボルト１の直径よ
り小径で低い高さの矩形形状にしたものである。

【００１２】なお、この突起部１１，１５は、図１ある
いは図２に示した実施例の形状に限定されるものではな
く、その他の形状のものでもよい。

【００１３】したがって、溶接スタッドボルト１の形状
を、上述したごとき構成としたので、この溶接スタッド
ボルト１を溶接ガンに供給する際、溶接スタッドボルト
１の方向性を気にすることなく、かつ作業者の手を借る
ことなく、自動的に短時間で供給させることができる。
また、自動供給装置自体には方向判別装置やその他の付
属装置を設けることなく、複雑な構成とならずに簡素化
された構成で製作することができると共に、製作コスト
を安価にすることができる。さらに、この溶接スタッド
ボルトを利用することによって、溶接スタッドボルトの
製作から自動供給装置までの制作費並びにランニングコ
ストが従来に比べて大幅に安価になると共に作業性が向
上される。

【００１４】なお、この考案は、前述した実施例に限定
されることなく、適宜の変更を行なうことにより、その
他の態様で実施し得るものである。

【００１５】

【考案の効果】以上のごとき実施例の説明より理解され
るように、この考案によれば全長を全ねじ部にし、この
両端に同じ形状の突起部を設けることにより、溶接ガン
に溶接スタッドボルトを供給する際、スタッドボルトの
方向性を気にすることなく、かつ作業者に頼ることな
く、自動的に供給することができる。また、自動供給装
置にはスタッドボルトの方向を判別する方向判別装置が
不要となり、複雑な構成とならずに簡素化された構成で
製作することができると共に、安価に製作することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例における溶接スタットボル
トの正面図である。

【図２】図１の他の実施例の正面図である。

【符号の説明】

１ 溶接スタッドボルト ３ ねじ部 １１，１５ 突起部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 全長を全ねじにしたねじ部と、このねじ
   部の両端にほぼ同じ形状の突起部とで構成されているこ
   とを特徴とする溶接スタッドボルト。