JPH083679A - 成形性及び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼板並びにその製造方法 - Google Patents
成形性及び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼板並びにその製造方法Info
- Publication number
- JPH083679A JPH083679A JP15434794A JP15434794A JPH083679A JP H083679 A JPH083679 A JP H083679A JP 15434794 A JP15434794 A JP 15434794A JP 15434794 A JP15434794 A JP 15434794A JP H083679 A JPH083679 A JP H083679A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- ferrite
- strength
- formability
- phase
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 成形性、疲労特性及び耐熱軟化性の3つの特
性を同時に満足する熱延高強度鋼板を低コストかつ安定
的に得る。 【構成】 化学成分として、C=0.03〜0.20重
量%未満、Si=1.0〜5.0重量%、Mn=0.5
〜3.5重量%、Al=0.003〜0.050重量
%、P≦0.05重量%、S≦0.01重量%及びFe
を主成分として含み、ミクロ組織が第一相であるフェラ
イトと第二相で構成され、フェライト占積率が50%以
上、かつ、フェライトと第二相のミクロビッカース硬さ
比(第二相硬さ/フェライト硬さ)が1.5以下であ
り、引張強さ(TS)≧400MPa、強度−全伸びバ
ランス(引張強さ×全伸び)≧18000(MPa・
%)、強度−均一伸びバランス(引張強さ×均一伸び)
≧12000(MPa・%)、疲労限度比≧0.50で
ある成形性及び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱
延高強度鋼板。
性を同時に満足する熱延高強度鋼板を低コストかつ安定
的に得る。 【構成】 化学成分として、C=0.03〜0.20重
量%未満、Si=1.0〜5.0重量%、Mn=0.5
〜3.5重量%、Al=0.003〜0.050重量
%、P≦0.05重量%、S≦0.01重量%及びFe
を主成分として含み、ミクロ組織が第一相であるフェラ
イトと第二相で構成され、フェライト占積率が50%以
上、かつ、フェライトと第二相のミクロビッカース硬さ
比(第二相硬さ/フェライト硬さ)が1.5以下であ
り、引張強さ(TS)≧400MPa、強度−全伸びバ
ランス(引張強さ×全伸び)≧18000(MPa・
%)、強度−均一伸びバランス(引張強さ×均一伸び)
≧12000(MPa・%)、疲労限度比≧0.50で
ある成形性及び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱
延高強度鋼板。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車、産業用機械等に
使用する成形性及び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有す
る熱延高強度鋼板並びにその製造方法に関するものであ
る。
使用する成形性及び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有す
る熱延高強度鋼板並びにその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用鋼板の軽量化と衝突時の安全確
保を主な背景として、高強度鋼板の需要が増大してい
る。しかし、高強度鋼板といえどもその成形性に対する
要求は厳しく、優れた成形性を有する高強度鋼板が望ま
れている。さらに、高強度化に伴う軽量化すなわち板厚
減少による疲労強度不足が顕在化してきており、優れた
成形性のみならず、優れた疲労強度をも兼ね備えた高強
度鋼板が強く望まれている。また、車体組立手段として
溶接が多用されており、耐熱軟化性を有することも必要
である。すなわち、成形性、疲労特性及び耐熱軟化性の
3つの特性を同時に満たすことが要求されている。
保を主な背景として、高強度鋼板の需要が増大してい
る。しかし、高強度鋼板といえどもその成形性に対する
要求は厳しく、優れた成形性を有する高強度鋼板が望ま
れている。さらに、高強度化に伴う軽量化すなわち板厚
減少による疲労強度不足が顕在化してきており、優れた
成形性のみならず、優れた疲労強度をも兼ね備えた高強
度鋼板が強く望まれている。また、車体組立手段として
溶接が多用されており、耐熱軟化性を有することも必要
である。すなわち、成形性、疲労特性及び耐熱軟化性の
3つの特性を同時に満たすことが要求されている。
【0003】従来、耐熱軟化性が要求される高強度部
材、例えばホイールリムには、フェライトとベイナイト
で主に構成されるNb添加鋼が主に用いられてきた。し
かし、Nb添加鋼は成形性が劣り、例えば、均一伸び不
足に起因する拡管時のネッキング発生、降伏比過大に起
因する捲き工程での寸法不具合など、ホイールリム成形
時に不具合が発生する場合がある。一方、優れた成形性
と疲労特性を有する鋼板としてはフェライトとマルテン
サイトで主に構成されるDP鋼、フェライト、ベイナイ
ト及び残留オーステナイトで主に構成されるγ鋼に代表
される低温変態生成物を活用した鋼が知られているが、
低温変態生成物が焼き戻されるため、熱軟化が大きい。
すなわち、従来は成形性、疲労特性及び耐熱軟化性の3
つの特性を同時に十分満足するものが得られていなかっ
た。
材、例えばホイールリムには、フェライトとベイナイト
で主に構成されるNb添加鋼が主に用いられてきた。し
かし、Nb添加鋼は成形性が劣り、例えば、均一伸び不
足に起因する拡管時のネッキング発生、降伏比過大に起
因する捲き工程での寸法不具合など、ホイールリム成形
時に不具合が発生する場合がある。一方、優れた成形性
と疲労特性を有する鋼板としてはフェライトとマルテン
サイトで主に構成されるDP鋼、フェライト、ベイナイ
ト及び残留オーステナイトで主に構成されるγ鋼に代表
される低温変態生成物を活用した鋼が知られているが、
低温変態生成物が焼き戻されるため、熱軟化が大きい。
すなわち、従来は成形性、疲労特性及び耐熱軟化性の3
つの特性を同時に十分満足するものが得られていなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は成形性及び疲
労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼板並び
にその製造方法を提供することを目的とする。
労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼板並び
にその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は以下の
〜の通りである。
〜の通りである。
【0006】化学成分として、C=0.03〜0.2
0重量%未満、Si=1.0〜5.0重量%、Mn=
0.5〜3.5重量%、Al=0.003〜0.050
重量%、P≦0.05重量%、S≦0.01重量%及び
Feを主成分として含み、ミクロ組織として、第一相で
あるフェライトと第二相で構成され、フェライト占積率
が50%以上、かつ、フェライトと第二相のミクロビッ
カース硬さ比(第二相硬さ/フェライト硬さ)が1.5
以下であり、特性として、引張強さ(TS)≧400M
Pa、強度−全伸びバランス(引張強さ×全伸び)≧1
8000(MPa・%)、強度−均一伸びバランス(引
張強さ×均一伸び)≧12000(MPa・%)、疲労
限度比≧0.50を具備することを特徴とする成形性及
び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼
板。
0重量%未満、Si=1.0〜5.0重量%、Mn=
0.5〜3.5重量%、Al=0.003〜0.050
重量%、P≦0.05重量%、S≦0.01重量%及び
Feを主成分として含み、ミクロ組織として、第一相で
あるフェライトと第二相で構成され、フェライト占積率
が50%以上、かつ、フェライトと第二相のミクロビッ
カース硬さ比(第二相硬さ/フェライト硬さ)が1.5
以下であり、特性として、引張強さ(TS)≧400M
Pa、強度−全伸びバランス(引張強さ×全伸び)≧1
8000(MPa・%)、強度−均一伸びバランス(引
張強さ×均一伸び)≧12000(MPa・%)、疲労
限度比≧0.50を具備することを特徴とする成形性及
び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼
板。
【0007】化学成分として、C=0.03〜0.2
0重量%未満、Si=1.0〜5.0重量%、Mn=
0.5〜3.5重量%、Al=0.003〜0.050
重量%、P≦0.05重量%、S≦0.01重量%及び
Feを主成分として含む鋼片を800℃以上で熱間圧延
し、550℃以上で捲き取ることを特徴とする成形性及
び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼板
の製造方法。
0重量%未満、Si=1.0〜5.0重量%、Mn=
0.5〜3.5重量%、Al=0.003〜0.050
重量%、P≦0.05重量%、S≦0.01重量%及び
Feを主成分として含む鋼片を800℃以上で熱間圧延
し、550℃以上で捲き取ることを特徴とする成形性及
び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼板
の製造方法。
【0008】化学成分として、C=0.03〜0.2
0重量%未満、Si=1.0〜5.0重量%、Mn=
0.5〜3.5重量%、Al=0.003〜0.050
重量%、Ca=0.0005〜0.01重量%又はRE
M=0.005〜0.05重量%、P≦0.05重量
%、S≦0.01重量%及びFeを主成分として含み、
ミクロ組織として、第一相であるフェライトと第二相で
構成され、フェライト占積率が50%以上、かつ、フェ
ライトと第二相のミクロビッカース硬さ比(第二相硬さ
/フェライト硬さ)が1.5以下であり、特性として、
引張強さ(TS)≧400MPa、強度−全伸びバラン
ス(引張強さ×全伸び)≧18000(MPa・%)、
強度−均一伸びバランス(引張強さ×均一伸び)≧12
000(MPa・%)、疲労限度比≧0.50を具備す
ることを特徴とする成形性及び疲労特性に優れた耐熱軟
化性を有する熱延高強度鋼板。
0重量%未満、Si=1.0〜5.0重量%、Mn=
0.5〜3.5重量%、Al=0.003〜0.050
重量%、Ca=0.0005〜0.01重量%又はRE
M=0.005〜0.05重量%、P≦0.05重量
%、S≦0.01重量%及びFeを主成分として含み、
ミクロ組織として、第一相であるフェライトと第二相で
構成され、フェライト占積率が50%以上、かつ、フェ
ライトと第二相のミクロビッカース硬さ比(第二相硬さ
/フェライト硬さ)が1.5以下であり、特性として、
引張強さ(TS)≧400MPa、強度−全伸びバラン
ス(引張強さ×全伸び)≧18000(MPa・%)、
強度−均一伸びバランス(引張強さ×均一伸び)≧12
000(MPa・%)、疲労限度比≧0.50を具備す
ることを特徴とする成形性及び疲労特性に優れた耐熱軟
化性を有する熱延高強度鋼板。
【0009】化学成分として、C=0.03〜0.2
0重量%未満、Si=1.0〜5.0重量%、Mn=
0.5〜3.5重量%、Al=0.003〜0.050
重量%、Ca=0.0005〜0.01重量%又はRE
M=0.005〜0.05重量%、P≦0.05重量
%、S≦0.01重量%及びFeを主成分として含む鋼
片を800℃以上で熱間圧延し、550℃以上で捲き取
ることを特徴とする成形性及び疲労特性に優れた耐熱軟
化性を有する熱延高強度鋼板の製造方法。
0重量%未満、Si=1.0〜5.0重量%、Mn=
0.5〜3.5重量%、Al=0.003〜0.050
重量%、Ca=0.0005〜0.01重量%又はRE
M=0.005〜0.05重量%、P≦0.05重量
%、S≦0.01重量%及びFeを主成分として含む鋼
片を800℃以上で熱間圧延し、550℃以上で捲き取
ることを特徴とする成形性及び疲労特性に優れた耐熱軟
化性を有する熱延高強度鋼板の製造方法。
【0010】化学成分として、C=0.03〜0.2
0重量%未満、Si=1.0〜5.0重量%、Mn=
0.5〜3.5重量%、Al=0.003〜0.050
重量%、Nb=0.005〜0.015重量%、P≦
0.05重量%、S≦0.01重量%及びFeを主成分
として含み、ミクロ組織として、第一相であるフェライ
トと第二相で構成され、フェライト占積率が50%以
上、かつ、フェライトと第二相のミクロビッカース硬さ
比(第二相硬さ/フェライト硬さ)が1.5以下であ
り、特性として、引張強さ(TS)≧400MPa、強
度−全伸びバランス(引張強さ×全伸び)≧18000
(MPa・%)、強度−均一伸びバランス(引張強さ×
均一伸び)≧12000(MPa・%)、疲労限度比≧
0.50を具備することを特徴とする成形性及び疲労特
性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼板。
0重量%未満、Si=1.0〜5.0重量%、Mn=
0.5〜3.5重量%、Al=0.003〜0.050
重量%、Nb=0.005〜0.015重量%、P≦
0.05重量%、S≦0.01重量%及びFeを主成分
として含み、ミクロ組織として、第一相であるフェライ
トと第二相で構成され、フェライト占積率が50%以
上、かつ、フェライトと第二相のミクロビッカース硬さ
比(第二相硬さ/フェライト硬さ)が1.5以下であ
り、特性として、引張強さ(TS)≧400MPa、強
度−全伸びバランス(引張強さ×全伸び)≧18000
(MPa・%)、強度−均一伸びバランス(引張強さ×
均一伸び)≧12000(MPa・%)、疲労限度比≧
0.50を具備することを特徴とする成形性及び疲労特
性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼板。
【0011】化学成分として、C=0.03〜0.2
0重量%未満、Si=1.0〜5.0重量%、Mn=
0.5〜3.5重量%、Al=0.003〜0.050
重量%、Nb=0.005〜0.015重量%、P≦
0.05重量%、S≦0.01重量%及びFeを主成分
として含む鋼片を800℃以上で熱間圧延し、550℃
以上で捲き取ることを特徴とする成形性及び疲労特性に
優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼板の製造方法。
0重量%未満、Si=1.0〜5.0重量%、Mn=
0.5〜3.5重量%、Al=0.003〜0.050
重量%、Nb=0.005〜0.015重量%、P≦
0.05重量%、S≦0.01重量%及びFeを主成分
として含む鋼片を800℃以上で熱間圧延し、550℃
以上で捲き取ることを特徴とする成形性及び疲労特性に
優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼板の製造方法。
【0012】化学成分として、C=0.03〜0.2
0重量%未満、Si=1.0〜5.0重量%、Mn=
0.5〜3.5重量%、Al=0.003〜0.050
重量%、Ca=0.0005〜0.01重量%又はRE
M=0.005〜0.05重量%、Nb=0.005〜
0.015重量%、P≦0.05重量%、S≦0.01
重量%及びFeを主成分として含み、ミクロ組織とし
て、第一相であるフェライトと第二相で構成され、フェ
ライト占積率が50%以上、かつ、フェライトと第二相
のミクロビッカース硬さ比(第二相硬さ/フェライト硬
さ)が1.5以下であり、特性として、引張強さ(T
S)≧400MPa、強度−全伸びバランス(引張強さ
×全伸び)≧18000(MPa・%)、強度−均一伸
びバランス(引張強さ×均一伸び)≧12000(MP
a・%)、疲労限度比≧0.50を具備することを特徴
とする成形性及び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する
熱延高強度鋼板。
0重量%未満、Si=1.0〜5.0重量%、Mn=
0.5〜3.5重量%、Al=0.003〜0.050
重量%、Ca=0.0005〜0.01重量%又はRE
M=0.005〜0.05重量%、Nb=0.005〜
0.015重量%、P≦0.05重量%、S≦0.01
重量%及びFeを主成分として含み、ミクロ組織とし
て、第一相であるフェライトと第二相で構成され、フェ
ライト占積率が50%以上、かつ、フェライトと第二相
のミクロビッカース硬さ比(第二相硬さ/フェライト硬
さ)が1.5以下であり、特性として、引張強さ(T
S)≧400MPa、強度−全伸びバランス(引張強さ
×全伸び)≧18000(MPa・%)、強度−均一伸
びバランス(引張強さ×均一伸び)≧12000(MP
a・%)、疲労限度比≧0.50を具備することを特徴
とする成形性及び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する
熱延高強度鋼板。
【0013】化学成分として、C=0.03〜0.2
0重量%未満、Si=1.0〜5.0重量%、Mn=
0.5〜3.5重量%、Al=0.003〜0.050
重量%、Ca=0.0005〜0.01重量%又はRE
M=0.005〜0.05重量%、Nb=0.005〜
0.015重量%、P≦0.05重量%、S≦0.01
重量%及びFeを主成分として含む鋼片を800℃以上
で熱間圧延し、550℃以上で捲き取ることを特徴とす
る成形性及び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延
高強度鋼板の製造方法。
0重量%未満、Si=1.0〜5.0重量%、Mn=
0.5〜3.5重量%、Al=0.003〜0.050
重量%、Ca=0.0005〜0.01重量%又はRE
M=0.005〜0.05重量%、Nb=0.005〜
0.015重量%、P≦0.05重量%、S≦0.01
重量%及びFeを主成分として含む鋼片を800℃以上
で熱間圧延し、550℃以上で捲き取ることを特徴とす
る成形性及び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延
高強度鋼板の製造方法。
【0014】
【作用】本発明は、Siを多量に添加した硬質の第一相
であるフェライト(マイクロビッカース硬さで150以
上が望ましい)中にフェライトと硬度差が小さい第二相
を分散させると前記従来の問題点を解消し、成形性、疲
労特性及び耐熱硬化性の3つの特性を同時に達成できる
ことに基づく。なお、以下、第一相であるフェライトは
フェライトという。
であるフェライト(マイクロビッカース硬さで150以
上が望ましい)中にフェライトと硬度差が小さい第二相
を分散させると前記従来の問題点を解消し、成形性、疲
労特性及び耐熱硬化性の3つの特性を同時に達成できる
ことに基づく。なお、以下、第一相であるフェライトは
フェライトという。
【0015】まず、本発明鋼板のミクロ組織について詳
述する。
述する。
【0016】鋼板ミクロ組織はフェライトと第二相で構
成される。フェライト占積率は50%以上、かつ、フェ
ライトと第二相のミクロビッカース硬さ比(第二相硬さ
/フェライト硬さ)は1.5以下とする。フェライト占
積率が50%未満、ないしは、フェライトと第二相のミ
クロビッカース硬さ比(第二相硬さ/フェライト硬さ)
が1.5超では鋼板の諸特性に及ぼす第二相の悪影響が
大きくなり、成形性、疲労特性及び耐熱軟化性を合わせ
持つことが不可能となる。好ましくはフェライト占積率
は70%以上とする。なお、第二相はパーライト、ベイ
ナイト、マルテンサイト、セメンタイト、残留オーステ
ナイト及びそれらの焼戻し組織の1種ないしは2種以上
のいずれであっても、ミクロビッカース硬さ比(第二相
硬さ/フェライト硬さ)≦1.5を満足していればよ
い。また、フェライトと第二相のミクロビッカース硬さ
比(第二相硬さ/フェライト硬さ)が1.5超であって
も、その占積率が5%以下であれば鋼板特性に及ぼす第
二相の悪影響は小さいため、含有してもよい。
成される。フェライト占積率は50%以上、かつ、フェ
ライトと第二相のミクロビッカース硬さ比(第二相硬さ
/フェライト硬さ)は1.5以下とする。フェライト占
積率が50%未満、ないしは、フェライトと第二相のミ
クロビッカース硬さ比(第二相硬さ/フェライト硬さ)
が1.5超では鋼板の諸特性に及ぼす第二相の悪影響が
大きくなり、成形性、疲労特性及び耐熱軟化性を合わせ
持つことが不可能となる。好ましくはフェライト占積率
は70%以上とする。なお、第二相はパーライト、ベイ
ナイト、マルテンサイト、セメンタイト、残留オーステ
ナイト及びそれらの焼戻し組織の1種ないしは2種以上
のいずれであっても、ミクロビッカース硬さ比(第二相
硬さ/フェライト硬さ)≦1.5を満足していればよ
い。また、フェライトと第二相のミクロビッカース硬さ
比(第二相硬さ/フェライト硬さ)が1.5超であって
も、その占積率が5%以下であれば鋼板特性に及ぼす第
二相の悪影響は小さいため、含有してもよい。
【0017】次に、化学成分の規制値とその規制理由を
説明する。なお、以下、%は重量%を意味する。
説明する。なお、以下、%は重量%を意味する。
【0018】Cは0.03〜0.20%未満とする。フ
ェライト占積率を増大させるためにはCは少ない方が好
ましいが、0.03%未満となるとAr3 変態点が上昇
し、熱間圧延時の温度確保が難しくなり、Ar3 変態点
が確保できない部分では材質が劣化するため、0.03
%を下限とする。また、スポット溶接性の観点から上限
を0.20重量%とする。好ましくは0.10%以下と
する。
ェライト占積率を増大させるためにはCは少ない方が好
ましいが、0.03%未満となるとAr3 変態点が上昇
し、熱間圧延時の温度確保が難しくなり、Ar3 変態点
が確保できない部分では材質が劣化するため、0.03
%を下限とする。また、スポット溶接性の観点から上限
を0.20重量%とする。好ましくは0.10%以下と
する。
【0019】Siは1.0〜5.0%とする。フェライ
ト変態を促進し、フェライトを硬質化し、フェライトと
第二相のミクロビッカース硬さ比を低減するためにはS
iは多い方が好ましいが、5.0%を越えると熱間圧延
時に割れが生じ易くなるため、5.0%を上限とする。
また、1.0%未満ではフェライト変態を促進し、フェ
ライトを硬質化し、フェライトと第二相のミクロビッカ
ース硬さ比を低減し、成形性、疲労特性及び耐熱軟化性
を確保する効果が充分得られないため、1.0%を下限
とする。好ましくは1.5%以上とする。また、Si≧
1.0%とすることにより、Siスケールを全面に発生
させ、目立たなくする効果がある。
ト変態を促進し、フェライトを硬質化し、フェライトと
第二相のミクロビッカース硬さ比を低減するためにはS
iは多い方が好ましいが、5.0%を越えると熱間圧延
時に割れが生じ易くなるため、5.0%を上限とする。
また、1.0%未満ではフェライト変態を促進し、フェ
ライトを硬質化し、フェライトと第二相のミクロビッカ
ース硬さ比を低減し、成形性、疲労特性及び耐熱軟化性
を確保する効果が充分得られないため、1.0%を下限
とする。好ましくは1.5%以上とする。また、Si≧
1.0%とすることにより、Siスケールを全面に発生
させ、目立たなくする効果がある。
【0020】Mnは0.5〜3.5%とする。0.5%
未満ではAr3 変態点が上昇し、熱間圧延時の温度確保
が難しくなり、Ar3 変態点が確保できない部分では材
質が劣化するため、0.5%を下限とする。Mnが3.
5%超となるとフェライト変態が著しく抑制されるた
め、Mnの添加上限量は3.5%とする。
未満ではAr3 変態点が上昇し、熱間圧延時の温度確保
が難しくなり、Ar3 変態点が確保できない部分では材
質が劣化するため、0.5%を下限とする。Mnが3.
5%超となるとフェライト変態が著しく抑制されるた
め、Mnの添加上限量は3.5%とする。
【0021】Alは脱酸の観点から0.003〜0.0
50%とする。0.003%未満ではその効果が充分に
発揮されず、逆に0.050%超ではその効果が飽和
し、かえって介在物が増加し、鋼板特性を劣化させる。
50%とする。0.003%未満ではその効果が充分に
発揮されず、逆に0.050%超ではその効果が飽和
し、かえって介在物が増加し、鋼板特性を劣化させる。
【0022】Pは2次加工性、靱性、スポット溶接性、
リサイクルの観点から、上限量を0.05%とする。こ
れらの要求が厳格でない場合は0.05%を越えて添加
してもよい。また、美麗な表面性状を得るという観点か
らは0.01%以上が好ましい。
リサイクルの観点から、上限量を0.05%とする。こ
れらの要求が厳格でない場合は0.05%を越えて添加
してもよい。また、美麗な表面性状を得るという観点か
らは0.01%以上が好ましい。
【0023】Sは硫化物系介在物により伸びフランジ性
すなわち穴拡げ比が劣化するのを防ぐため、その上限量
を0.01%とする。
すなわち穴拡げ比が劣化するのを防ぐため、その上限量
を0.01%とする。
【0024】Caは硫化物系介在物の形状制御すなわち
球状化により穴拡げ比をより向上させるため0.000
5%以上添加するが、効果の飽和さらには介在物の増加
による逆効果すなわち穴拡げ比の劣化の点からその上限
を0.01%とする。また、REMも同様の理由からそ
の添加量を0.005〜0.05%とする。
球状化により穴拡げ比をより向上させるため0.000
5%以上添加するが、効果の飽和さらには介在物の増加
による逆効果すなわち穴拡げ比の劣化の点からその上限
を0.01%とする。また、REMも同様の理由からそ
の添加量を0.005〜0.05%とする。
【0025】Nbはミクロ組織微細化に寄与し、優れた
低温靱性を発揮させるとともに強度確保に寄与する。そ
の作用を充分に発揮させるために添加下限量は0.00
5%とする。ただし、過渡に添加しても上記効果は飽和
し、かえって加工性を劣化させるため、0.015%以
下とする。
低温靱性を発揮させるとともに強度確保に寄与する。そ
の作用を充分に発揮させるために添加下限量は0.00
5%とする。ただし、過渡に添加しても上記効果は飽和
し、かえって加工性を劣化させるため、0.015%以
下とする。
【0026】以上が本発明鋼板の主成分の添加理由であ
るが、強度確保、細粒化を目的にTi、Cr、Cu、N
i、V、B、Moを一種または二種以上添加してもよ
い。ただし、その添加量が合計で0.2%を越えると前
述のミクロ組織を得ることが困難になるとともにコスト
が増大するため、上限を0.2%とする。
るが、強度確保、細粒化を目的にTi、Cr、Cu、N
i、V、B、Moを一種または二種以上添加してもよ
い。ただし、その添加量が合計で0.2%を越えると前
述のミクロ組織を得ることが困難になるとともにコスト
が増大するため、上限を0.2%とする。
【0027】実使用を想定した場合、鋼板が満たすべき
特性値として、成形性では張り出し性、伸びフランジ性
及び形状凍結性等の観点から、強度−全伸びバランス
(引張強さ×全伸び)≧18000(MPa・%)、強
度−均一伸びバランス(引張強さ×均一伸び)≧120
00(MPa・%)、d/d0 (穴拡げ比)≧1.2、
YR(降伏比)<90%、疲労特性では疲労限度比≧
0.50、耐熱軟化性ではΔTS≦55MPaが必要で
ある。また、低温靱性として遷移温度≦−40℃が望ま
れる。
特性値として、成形性では張り出し性、伸びフランジ性
及び形状凍結性等の観点から、強度−全伸びバランス
(引張強さ×全伸び)≧18000(MPa・%)、強
度−均一伸びバランス(引張強さ×均一伸び)≧120
00(MPa・%)、d/d0 (穴拡げ比)≧1.2、
YR(降伏比)<90%、疲労特性では疲労限度比≧
0.50、耐熱軟化性ではΔTS≦55MPaが必要で
ある。また、低温靱性として遷移温度≦−40℃が望ま
れる。
【0028】前記ミクロ組織を得るための圧延規制、巻
取り規制について説明する。
取り規制について説明する。
【0029】熱間圧延温度FT7の下限は加工組織すな
わち加工フェライトや層状組織の出現による特性の劣化
を防ぐため800℃とする。好ましい範囲は850〜9
00℃である。
わち加工フェライトや層状組織の出現による特性の劣化
を防ぐため800℃とする。好ましい範囲は850〜9
00℃である。
【0030】巻取温度は第二相を軟質化し、フェライト
と第二相のミクロビッカース硬さ比(第二相硬さ/フェ
ライト硬さ)が1.5以下となるよう550℃を下限と
する。好ましくは575℃以上とする。上限は特に定め
ないが、スケールロスの低減、ミクロ組織の粗大化抑制
の観点から700℃以下が望ましい。
と第二相のミクロビッカース硬さ比(第二相硬さ/フェ
ライト硬さ)が1.5以下となるよう550℃を下限と
する。好ましくは575℃以上とする。上限は特に定め
ないが、スケールロスの低減、ミクロ組織の粗大化抑制
の観点から700℃以下が望ましい。
【0031】また、フェライト占積率の増加効果、フェ
ライト及び第二相の細粒化効果、さらにはホットランテ
ーブル長の低減を狙って、いわゆる圧延直後急冷、多段
冷却を行ってもよい。
ライト及び第二相の細粒化効果、さらにはホットランテ
ーブル長の低減を狙って、いわゆる圧延直後急冷、多段
冷却を行ってもよい。
【0032】以上が本発明の製造方法であるが、フェラ
イト占積率の増加効果、フェライト及び第二相の細粒化
効果を高めるため、加熱温度上限を1150℃とす
る、仕上げ圧延の開始温度FT0を1000℃以下と
する、仕上げ圧延の全圧下率を85%以上とする等の
手段を単独ないし複合で行ってもよい。また、Siによ
るスケール疵抑制の観点からも、加熱温度上限を115
0℃とすることは有効であり、望ましくは1050℃以
下とする。ただし、Nbを含有する場合、その固溶の観
点から加熱温度は1000℃以上が必要である。なお、
圧延に供する鋼片はいわゆる冷片再加熱、HCR、HD
Rのいずれであってもかまわない。また、いわゆる薄肉
連続鋳造による鋼片であってもかまわない。また、本発
明の熱延鋼板をめっき原板としてもよいし、本発明の熱
延鋼板を巻取工程を有しない厚鋼板製造設備において製
造することも可能である。
イト占積率の増加効果、フェライト及び第二相の細粒化
効果を高めるため、加熱温度上限を1150℃とす
る、仕上げ圧延の開始温度FT0を1000℃以下と
する、仕上げ圧延の全圧下率を85%以上とする等の
手段を単独ないし複合で行ってもよい。また、Siによ
るスケール疵抑制の観点からも、加熱温度上限を115
0℃とすることは有効であり、望ましくは1050℃以
下とする。ただし、Nbを含有する場合、その固溶の観
点から加熱温度は1000℃以上が必要である。なお、
圧延に供する鋼片はいわゆる冷片再加熱、HCR、HD
Rのいずれであってもかまわない。また、いわゆる薄肉
連続鋳造による鋼片であってもかまわない。また、本発
明の熱延鋼板をめっき原板としてもよいし、本発明の熱
延鋼板を巻取工程を有しない厚鋼板製造設備において製
造することも可能である。
【0033】
【実施例】表1に示す化学成分を有する鋼を鋳造して得
た鋼片を用いて、表2に示す条件で熱間仕上圧延、冷
却、巻取処理を行い、鋼板を得た。鋼板ミクロ組織を表
3に、鋼板の特性を表4に示す。本発明例がNo.1〜
6、比較例がNo.7〜9である。
た鋼片を用いて、表2に示す条件で熱間仕上圧延、冷
却、巻取処理を行い、鋼板を得た。鋼板ミクロ組織を表
3に、鋼板の特性を表4に示す。本発明例がNo.1〜
6、比較例がNo.7〜9である。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】本発明例は成形性、疲労特性及び耐熱軟化
性の3つの特性を同時に満足する鋼板であり、低温靱性
も良好であり、曲げ性、2次加工性、スポット溶接性も
良好であった。さらに、本発明例はランアウトテーブル
での急冷や低温巻取を行う必要がないため、コイル長手
方向及び幅方向の材質バラツキも小さかった。一方、比
較例は成形性、疲労特性及び耐熱軟化性の少なくとも一
つが未達であった。
性の3つの特性を同時に満足する鋼板であり、低温靱性
も良好であり、曲げ性、2次加工性、スポット溶接性も
良好であった。さらに、本発明例はランアウトテーブル
での急冷や低温巻取を行う必要がないため、コイル長手
方向及び幅方向の材質バラツキも小さかった。一方、比
較例は成形性、疲労特性及び耐熱軟化性の少なくとも一
つが未達であった。
【0039】ミクロ組織については、粒径及び占積率
は、ナイタール試薬及び特開昭59−219473号公
報に開示された試薬により鋼板圧延方向断面を腐食し、
倍率1000倍の光学顕微鏡写真より求め、硬さは、マ
イクロビッカース試験により求めた。
は、ナイタール試薬及び特開昭59−219473号公
報に開示された試薬により鋼板圧延方向断面を腐食し、
倍率1000倍の光学顕微鏡写真より求め、硬さは、マ
イクロビッカース試験により求めた。
【0040】特性評価は以下の方法で行った。
【0041】引張試験はJIS5号にて実施し、引張強
さ、降伏強さ、全伸び、均一伸び、局部伸びを求めた。
さ、降伏強さ、全伸び、均一伸び、局部伸びを求めた。
【0042】穴拡げ試験は、20mmの打ち抜き穴をバ
リのない面から30度円錐ポンチで押し拡げ、クラック
が板厚を貫通した時点での穴径dと初期穴径d0 =20
mmとの穴拡げ比d/d0 を求めた。
リのない面から30度円錐ポンチで押し拡げ、クラック
が板厚を貫通した時点での穴径dと初期穴径d0 =20
mmとの穴拡げ比d/d0 を求めた。
【0043】疲労特性は、両振り平面曲げ疲労試験によ
り疲労限度比(200万回疲労強度/引張強さ)を求め
た。
り疲労限度比(200万回疲労強度/引張強さ)を求め
た。
【0044】耐熱軟化性は、鋼板をソルトバスで熱処理
(700℃×5分保持後放冷)し、処理前後の引張強さ
の変化代=熱処理前引張強さ−熱処理後引張強さを求め
た。
(700℃×5分保持後放冷)し、処理前後の引張強さ
の変化代=熱処理前引張強さ−熱処理後引張強さを求め
た。
【0045】低温靱性は、2mmVノッチの1/4サブ
サイス試験片で実施し、脆性破面率が50%となる破面
遷移温度(vTrs)を求めた。
サイス試験片で実施し、脆性破面率が50%となる破面
遷移温度(vTrs)を求めた。
【0046】曲げ性は、35mm×70mmの試験片を
バリを外側にして先端0.5Rの90度V曲げを行い、
割れを観察した。
バリを外側にして先端0.5Rの90度V曲げを行い、
割れを観察した。
【0047】2次加工性は、90mmφの打ち抜き板を
絞り比1.8でカップ成形したものを−50℃で圧壊
し、割れを観察した。
絞り比1.8でカップ成形したものを−50℃で圧壊
し、割れを観察した。
【0048】スポット溶接性は、スポット溶接試験片を
たがねで剥離した時のナゲット、すなわちスポット溶接
時に溶融し、その後凝固した部分内の破断有無を観察し
た。
たがねで剥離した時のナゲット、すなわちスポット溶接
時に溶融し、その後凝固した部分内の破断有無を観察し
た。
【0049】
【発明の効果】本発明により成形性、疲労特性及び耐熱
軟化性の3つの特性を同時に満足する熱延高強度鋼板を
低コストかつ安定的に提供することが可能となり、熱延
高強度鋼板の使用用途・使用条件が格段に広がる。
軟化性の3つの特性を同時に満足する熱延高強度鋼板を
低コストかつ安定的に提供することが可能となり、熱延
高強度鋼板の使用用途・使用条件が格段に広がる。
Claims (8)
- 【請求項1】 化学成分として、 C=0.03〜0.20重量%未満、 Si=1.0〜5.0重量%、 Mn=0.5〜3.5重量%、 Al=0.003〜0.050重量%、 P≦0.05重量%、 S≦0.01重量%及び Feを主成分として含み、 ミクロ組織として、 第一相であるフェライトと第二相で構成され、 フェライト占積率が50%以上、かつ、 フェライトと第二相のミクロビッカース硬さ比(第二相
硬さ/フェライト硬さ)が1.5以下であり、 特性として、 引張強さ(TS)≧400MPa、 強度−全伸びバランス(引張強さ×全伸び)≧1800
0(MPa・%)、 強度−均一伸びバランス(引張強さ×均一伸び)≧12
000(MPa・%)、 疲労限度比≧0.50を具備することを特徴とする成形
性及び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度
鋼板。 - 【請求項2】 化学成分として、 C=0.03〜0.20重量%未満、 Si=1.0〜5.0重量%、 Mn=0.5〜3.5重量%、 Al=0.003〜0.050重量%、 P≦0.05重量%、 S≦0.01重量%及び Feを主成分として含む鋼片を800℃以上で熱間圧延
し、550℃以上で捲き取ることを特徴とする成形性及
び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼板
の製造方法。 - 【請求項3】 化学成分として、 C=0.03〜0.20重量%未満、 Si=1.0〜5.0重量%、 Mn=0.5〜3.5重量%、 Al=0.003〜0.050重量%、 Ca=0.0005〜0.01重量%又はREM=0.
005〜0.05重量%、 P≦0.05重量%、 S≦0.01重量%及び Feを主成分として含み、 ミクロ組織として、 第一相であるフェライトと第二相で構成され、 フェライト占積率が50%以上、かつ、 フェライトと第二相のミクロビッカース硬さ比(第二相
硬さ/フェライト硬さ)が1.5以下であり、 特性として、 引張強さ(TS)≧400MPa、 強度−全伸びバランス(引張強さ×全伸び)≧1800
0(MPa・%)、 強度−均一伸びバランス(引張強さ×均一伸び)≧12
000(MPa・%)、 疲労限度比≧0.50を具備することを特徴とする成形
性及び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度
鋼板。 - 【請求項4】 化学成分として、 C=0.03〜0.20重量%未満、 Si=1.0〜5.0重量%、 Mn=0.5〜3.5重量%、 Al=0.003〜0.050重量%、 Ca=0.0005〜0.01重量%又はREM=0.
005〜0.05重量%、 P≦0.05重量%、 S≦0.01重量%及び Feを主成分として含む鋼片を800℃以上で熱間圧延
し、550℃以上で捲き取ることを特徴とする成形性及
び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼板
の製造方法。 - 【請求項5】 化学成分として、 C=0.03〜0.20重量%未満、 Si=1.0〜5.0重量%、 Mn=0.5〜3.5重量%、 Al=0.003〜0.050重量%、 Nb=0.005〜0.015重量%、 P≦0.05重量%、 S≦0.01重量%及び Feを主成分として含み、 ミクロ組織として、 第一相であるフェライトと第二相で構成され、 フェライト占積率が50%以上、かつ、 フェライトと第二相のミクロビッカース硬さ比(第二相
硬さ/フェライト硬さ)が1.5以下であり、 特性として、 引張強さ(TS)≧400MPa、 強度−全伸びバランス(引張強さ×全伸び)≧1800
0(MPa・%)、 強度−均一伸びバランス(引張強さ×均一伸び)≧12
000(MPa・%)、 疲労限度比≧0.50を具備することを特徴とする成形
性及び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度
鋼板。 - 【請求項6】 化学成分として、 C=0.03〜0.20重量%未満、 Si=1.0〜5.0重量%、 Mn=0.5〜3.5重量%、 Al=0.003〜0.050重量%、 Nb=0.005〜0.015重量%、 P≦0.05重量%、 S≦0.01重量%及び Feを主成分として含む鋼片を800℃以上で熱間圧延
し、550℃以上で捲き取ることを特徴とする成形性及
び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼板
の製造方法。 - 【請求項7】 化学成分として、 C=0.03〜0.20重量%未満、 Si=1.0〜5.0重量%、 Mn=0.5〜3.5重量%、 Al=0.003〜0.050重量%、 Ca=0.0005〜0.01重量%又はREM=0.
005〜0.05重量%、 Nb=0.005〜0.015重量%、 P≦0.05重量%、 S≦0.01重量%及び Feを主成分として含み、 ミクロ組織として、 第一相であるフェライトと第二相で構成され、 フェライト占積率が50%以上、かつ、 フェライトと第二相のミクロビッカース硬さ比(第二相
硬さ/フェライト硬さ)が1.5以下であり、 特性として、 引張強さ(TS)≧400MPa、 強度−全伸びバランス(引張強さ×全伸び)≧1800
0(MPa・%)、 強度−均一伸びバランス(引張強さ×均一伸び)≧12
000(MPa・%)、 疲労限度比≧0.50を具備することを特徴とする成形
性及び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度
鋼板。 - 【請求項8】 化学成分として、 C=0.03〜0.20重量%未満、 Si=1.0〜5.0重量%、 Mn=0.5〜3.5重量%、 Al=0.003〜0.050重量%、 Ca=0.0005〜0.01重量%又はREM=0.
005〜0.05重量%、 Nb=0.005〜0.015重量%、 P≦0.05重量%、 S≦0.01重量%及び Feを主成分として含む鋼片を800℃以上で熱間圧延
し、550℃以上で捲き取ることを特徴とする成形性及
び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼板
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15434794A JPH083679A (ja) | 1994-06-14 | 1994-06-14 | 成形性及び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼板並びにその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15434794A JPH083679A (ja) | 1994-06-14 | 1994-06-14 | 成形性及び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼板並びにその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH083679A true JPH083679A (ja) | 1996-01-09 |
Family
ID=15582183
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15434794A Pending JPH083679A (ja) | 1994-06-14 | 1994-06-14 | 成形性及び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼板並びにその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH083679A (ja) |
Cited By (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998049362A1 (fr) * | 1997-04-30 | 1998-11-05 | Kawasaki Steel Corporation | Acier presentant une ductilite et une resistance elevees et procede de production de ce materiau |
US6149995A (en) * | 1998-03-25 | 2000-11-21 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Transparent polyester film with high oxygen barrier, its use and process for its production |
US6200511B1 (en) | 1998-03-25 | 2001-03-13 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Polyester film having a high oxygen barrier and improved adhesion to metal layers its use and process for its production |
US6238782B1 (en) | 1998-09-02 | 2001-05-29 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Biaxially oriented polyester film having more than one layer |
US6280833B1 (en) | 1998-07-31 | 2001-08-28 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Biaxially oriented polypropylene film having more than one layer, its use, and process for its production |
US6291053B1 (en) | 1997-09-23 | 2001-09-18 | Hoechst Diafoil Gmbh | Multilayer biaxially oriented polyester film, and the use thereof, and process for the production thereof |
WO2001081640A1 (fr) * | 2000-04-21 | 2001-11-01 | Nippon Steel Corporation | Plaque d'acier presentant une excellente aptitude a l'ebarbage et une resistance elevee a la fatigue, et son procede de production |
US6383585B2 (en) | 1998-03-25 | 2002-05-07 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Sealable polyester film with high oxygen barrier, its use and process for its production |
US6391410B1 (en) | 1998-03-25 | 2002-05-21 | Mitsubishi Polyester Film, Gmbh | Use of a transparent polyester film as a gas/flavor barrier film |
US6410132B1 (en) | 1998-09-16 | 2002-06-25 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Biaxially oriented polypropylene film, the use of the film and process for its production |
US6528144B2 (en) | 1997-09-23 | 2003-03-04 | Hoechst Diafoil Gmbh | Biaxially oriented polyester film, the use thereof, and process for the production thereof |
US6534169B2 (en) | 1998-03-25 | 2003-03-18 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Polyester film with a high oxygen barrier, the use of the film and process for its production |
US6537647B2 (en) | 1998-03-25 | 2003-03-25 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Polyester film with surface topography matched to the intended use, the use of the film and process for its production |
WO2003031669A1 (en) * | 2001-10-04 | 2003-04-17 | Nippon Steel Corporation | High-strength thin steel sheet drawable and excellent in shape fixation property and method of producing the same |
US6551686B1 (en) | 1998-04-01 | 2003-04-22 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Biaxially oriented polyester film having more than one layer, process for its production, and its use as magnetic tape film |
US6641924B1 (en) | 1999-07-14 | 2003-11-04 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | White, biaxially oriented polyester film with cycloolefin copolymer (COC), process for producing the film, and its use |
US6946192B2 (en) | 1998-03-25 | 2005-09-20 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Transparent polyester film with high oxygen barrier and additional functionality, its use and process for its production |
JP2005314798A (ja) * | 2004-03-30 | 2005-11-10 | Jfe Steel Kk | 伸びフランジ性と疲労特性に優れた高延性熱延鋼板およびその製造方法 |
US7853172B2 (en) | 2007-07-02 | 2010-12-14 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Image forming device with aggregation-forming unit that removes adherents |
US8877419B2 (en) | 2006-01-25 | 2014-11-04 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Method of forming composite color image |
-
1994
- 1994-06-14 JP JP15434794A patent/JPH083679A/ja active Pending
Cited By (23)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998049362A1 (fr) * | 1997-04-30 | 1998-11-05 | Kawasaki Steel Corporation | Acier presentant une ductilite et une resistance elevees et procede de production de ce materiau |
US6528144B2 (en) | 1997-09-23 | 2003-03-04 | Hoechst Diafoil Gmbh | Biaxially oriented polyester film, the use thereof, and process for the production thereof |
US6291053B1 (en) | 1997-09-23 | 2001-09-18 | Hoechst Diafoil Gmbh | Multilayer biaxially oriented polyester film, and the use thereof, and process for the production thereof |
US6946192B2 (en) | 1998-03-25 | 2005-09-20 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Transparent polyester film with high oxygen barrier and additional functionality, its use and process for its production |
US6537647B2 (en) | 1998-03-25 | 2003-03-25 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Polyester film with surface topography matched to the intended use, the use of the film and process for its production |
US6383585B2 (en) | 1998-03-25 | 2002-05-07 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Sealable polyester film with high oxygen barrier, its use and process for its production |
US6391410B1 (en) | 1998-03-25 | 2002-05-21 | Mitsubishi Polyester Film, Gmbh | Use of a transparent polyester film as a gas/flavor barrier film |
US6200511B1 (en) | 1998-03-25 | 2001-03-13 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Polyester film having a high oxygen barrier and improved adhesion to metal layers its use and process for its production |
US6534169B2 (en) | 1998-03-25 | 2003-03-18 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Polyester film with a high oxygen barrier, the use of the film and process for its production |
US6149995A (en) * | 1998-03-25 | 2000-11-21 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Transparent polyester film with high oxygen barrier, its use and process for its production |
US6551686B1 (en) | 1998-04-01 | 2003-04-22 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Biaxially oriented polyester film having more than one layer, process for its production, and its use as magnetic tape film |
US6280833B1 (en) | 1998-07-31 | 2001-08-28 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Biaxially oriented polypropylene film having more than one layer, its use, and process for its production |
US6238782B1 (en) | 1998-09-02 | 2001-05-29 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Biaxially oriented polyester film having more than one layer |
US6410132B1 (en) | 1998-09-16 | 2002-06-25 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Biaxially oriented polypropylene film, the use of the film and process for its production |
US6641924B1 (en) | 1999-07-14 | 2003-11-04 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | White, biaxially oriented polyester film with cycloolefin copolymer (COC), process for producing the film, and its use |
US6589369B2 (en) | 2000-04-21 | 2003-07-08 | Nippon Steel Corporation | High fatigue strength steel sheet excellent in burring workability and method for producing the same |
WO2001081640A1 (fr) * | 2000-04-21 | 2001-11-01 | Nippon Steel Corporation | Plaque d'acier presentant une excellente aptitude a l'ebarbage et une resistance elevee a la fatigue, et son procede de production |
WO2003031669A1 (en) * | 2001-10-04 | 2003-04-17 | Nippon Steel Corporation | High-strength thin steel sheet drawable and excellent in shape fixation property and method of producing the same |
US7503984B2 (en) | 2001-10-04 | 2009-03-17 | Nippon Steel Corporation | High-strength thin steel sheet drawable and excellent in shape fixation property and method of producing the same |
JP2005314798A (ja) * | 2004-03-30 | 2005-11-10 | Jfe Steel Kk | 伸びフランジ性と疲労特性に優れた高延性熱延鋼板およびその製造方法 |
JP4692015B2 (ja) * | 2004-03-30 | 2011-06-01 | Jfeスチール株式会社 | 伸びフランジ性と疲労特性に優れた高延性熱延鋼板およびその製造方法 |
US8877419B2 (en) | 2006-01-25 | 2014-11-04 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Method of forming composite color image |
US7853172B2 (en) | 2007-07-02 | 2010-12-14 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Image forming device with aggregation-forming unit that removes adherents |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5556961B2 (ja) | ホットスタンプ成形品、ホットスタンプ成形品の製造方法、エネルギ吸収部材、及びエネルギ吸収部材の製造方法 | |
JP5398701B2 (ja) | 極めて高い強度を有する冷延焼鈍鋼板を製造するプロセスおよびこれにより製造された板 | |
JP5163356B2 (ja) | 歪時効硬化特性に優れた高張力熱延鋼板およびその製造方法 | |
KR102000854B1 (ko) | 고강도 냉연 강판 및 그 제조방법 | |
JP4265545B2 (ja) | 歪時効硬化特性に優れた高張力冷延鋼板およびその製造方法 | |
JPH083679A (ja) | 成形性及び疲労特性に優れた耐熱軟化性を有する熱延高強度鋼板並びにその製造方法 | |
KR101445465B1 (ko) | 가공성과 스폿 용접성이 우수한 고강도 용융 아연 도금 강판 및 그 제조 방법 | |
JP2006104532A (ja) | 伸びと穴拡げ性に優れた高強度薄鋼板およびその製造方法 | |
JP2011184757A (ja) | 高強度鋼板の製造方法 | |
JP2006219741A (ja) | 部材内硬さの均一性に優れた高強度自動車用部材およびその製造方法 | |
JP2006274335A (ja) | 超高強度熱延鋼板の製造方法 | |
JP7244723B2 (ja) | 耐久性に優れた高強度鋼材及びその製造方法 | |
JP2006183141A (ja) | 高強度熱延鋼板およびその製造方法 | |
JPH05179396A (ja) | 低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法 | |
JP5394306B2 (ja) | メッキ性に優れた高強度鋼板及びその製造方法 | |
JPH10195591A (ja) | 伸びフランジ性に優れる加熱硬化用高強度熱延鋼板及びその製造方法 | |
JP2005029867A (ja) | 耐時効性に優れた高強度高延性亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
CN110088331B (zh) | 焊接性优异的电阻焊钢管用热轧钢板及其制造方法 | |
JP2007077510A (ja) | 耐時効性に優れた高強度高延性亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
JP2004218077A (ja) | 溶接熱影響部の耐軟化性に優れたバーリング性高強度鋼板およびその製造方法 | |
JP4109609B2 (ja) | 伸びと穴拡げ性と2次加工割れ性に優れた高強度熱延鋼板 | |
JP7167159B2 (ja) | 電縫鋼管用熱延鋼板及びその製造方法、並びに電縫鋼管 | |
JP2010126808A (ja) | 冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP2006089804A (ja) | 縮管性に優れたインパネリインフォースメント用高強度電縫鋼管の製造方法 | |
JP7453364B2 (ja) | 耐久性に優れた高降伏比型厚物高強度鋼及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040113 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |